(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】消火栓装置及び消火器箱
(51)【国際特許分類】
A62C 35/20 20060101AFI20240329BHJP
A62C 13/78 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
A62C35/20
A62C13/78 A
(21)【出願番号】P 2020096956
(22)【出願日】2020-06-03
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002169
【氏名又は名称】彩雲弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】椿 大志
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-034851(JP,U)
【文献】特開2019-013318(JP,A)
【文献】特開2011-050527(JP,A)
【文献】特開2011-036406(JP,A)
【文献】特開平05-123412(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 2/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消火用ホースと共に消火器が内部に収納される箱状の本体と、前記本体の前記消火器が収納される部分の前方に設けられる開口を開閉する消火器扉を備える消火栓装置
であって、
前記消火器扉を、縦軸回りの横開きの扉として設けると共に、
前記消火器扉を開けた際に、前記消火器を自重によって下方に移動させる下降機構部を前記消火器扉に設けたことを特徴とする消火栓装置。
【請求項2】
消火器が内部に収納される箱状の本体と、前記本体の前記消火器が収納される部分の前方に設けられる開口を開閉する消火器扉を備える消火器箱
であって、
前記消火器扉を、縦軸回りの横開きの扉として設けると共に、
前記消火器扉を開けた際に、前記消火器を自重によって下方に移動させる下降機構部を前記消火器扉に設けたことを特徴とする消火器箱。
【請求項3】
前記下降機構部は、前記消火器扉の裏面側に設けられる、前記消火器が載置される載置部と、前記載置部を吊持する吊持部を有しており、前記吊持部が下方に伸長することにより前記載置部に載置される前記消火器を下方に移動させることを特徴とする、請求項1に記載の消火栓装置又は請求項2に記載の消火器箱。
【請求項4】
前記下降機構部の下降動作の後に、前記載置部を前方に回転させて傾かせる傾動機構部をさらに設けたことを特徴とする、請求項3に記載の消火栓装置又は請求項3に記載の消火器箱。
【請求項5】
前記本体の内部には、前記下降機構部の前記載置部が当接して、前記載置部を前記消火器が前記本体の内部に収納される際の高さ位置に保持する停止部が設けられており、前記停止部は、前記本体の内部に背面側から前面側に傾斜して設けられる傾斜部の上端部をなすものとして設けられることを特徴とする、請求
項3又は4に記載の消火栓装置又は請求
項3又は4に記載の消火器箱。
【請求項6】
前記本体は、壁面に壁掛け式に設置されるものであり、前記下降機構部は、前記消火器を下方に移動させる際に、前記載置部が前記本体の底部よりも下方に位置するまで移動することを特徴とする、請求
項3、4、5のいずれか1項に記載の消火栓装置又は請求
項3、4、5のいずれか1項に記載の消火器箱。
【請求項7】
前記本体は、背面に内側に傾斜する傾斜部を有しており、前記消火器は、前記傾斜部よりも上方に収納されることを特徴とする、請求項1、3、4、5、6のいずれか1項に記載の消火栓装置又は請求項2、3、4、5、6のいずれか1項に記載の消火器箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トンネルに設置される消火栓装置及び消火器箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トンネルに設置される消火栓装置は、消火用ホースや消火器等が収納される本体が内壁に形成される箱抜き部分に設置されていた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年のトンネルは、シールド工法により施工されることが多い。シールド工法では、掘削と同時に内壁が鋼製のセグメントにより構築されるため、従来のように壁面に箱抜き部分を形成することができない。そのようなシールド工法により施工されるトンネルの場合、消火栓装置は、本体が監査路(内壁と車道との間に車道よりも高いものとして設けられる)の路面上に置かれて設置されたり、内壁の壁面上に壁掛け式に設置されたりしている。
【0005】
ところで、この種の消火栓装置において、消火器は、従来、本体内の底部の上に置かれて収納されるなど、本体内の低い位置に収納されていたが、その消火器の収納位置を高くする場合がある。
【0006】
しかしながら、消火器の収納位置を高くした場合、本体からの取り出しが困難となることがあり得る。特に、本体を壁掛け式に設置する場合、監査路上に設置する場合より消火器の収納位置が高くなることが想定され、その取り出しがより困難となることが考えられる。また、本体を監査路上に設置する場合でも、消火器の収納位置を過度に高くしてしまえば、やはり、その取り出しが困難となることが考えられる。
【0007】
なお、トンネルには、消火器が消火器箱(「消火器格納箱」とも称せられる)に収納されて設置されることもある。消火器箱にも、消火栓装置について前記で述べたのと同様の課題が存在する。
【0008】
この発明は、前記の事情に鑑み、本体から消火器を容易に取り出すことができる消火栓装置を得ることを目的とする。また、そのようにすることができる消火器箱を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、消火用ホースと共に消火器が内部に収納される箱状の本体と、前記本体の前記消火器が収納される部分の前方に設けられる開口を開閉する消火器扉を備える消火栓装置であって、前記消火器扉を、縦軸回りの横開きの扉として設けると共に、前記消火器扉を開けた際に、前記消火器を自重によって下方に移動させる下降機構部を前記消火器扉に設けたことを特徴とする消火栓装置である。
【0010】
また、この発明は、消火器が内部に収納される箱状の本体と、前記本体の前記消火器が収納される部分の前方に設けられる開口を開閉する消火器扉を備える消火器箱であって、前記消火器扉を、縦軸回りの横開きの扉として設けると共に、前記消火器扉を開けた際に、前記消火器を自重によって下方に移動させる下降機構部を前記消火器扉に設けたことを特徴とする消火器箱である。
【0011】
ここで、この発明の消火栓装置又は消火器箱において、前記下降機構部は、前記消火器扉の裏面側に設けられる、前記消火器が載置される載置部と、前記載置部を吊持する吊持部を有しており、前記吊持部が下方に伸長することにより前記載置部に載置される前記消火器を下方に移動させるものとすることができる。また、前記吊持部は、ダンパであり、前記消火器の下方への移動速度を制御するものとすることができる。また、前記下降機構部の下降動作の後に、前記載置部を前方に回転させて傾かせる傾動機構部をさらに設けたものとすることができる。また、前記本体の内部には、前記下降機構部の前記載置部が当接して、前記載置部を前記消火器が前記本体の内部に収納される際の高さ位置に保持する停止部が設けられており、前記停止部は、前記本体の内部に背面側から前面側に傾斜して設けられる傾斜部の上端部をなすものとして設けられるものとすることができる。また、前記本体は、壁面に壁掛け式に設置されるものであり、前記下降機構部は、前記消火器を下方に移動させる際に、前記載置部が前記本体の底部よりも下方に位置するまで移動するものとすることができる。また、前記本体は、背面に内側に傾斜する傾斜部を有しており、前記消火器は、前記傾斜部よりも上方に収納されるものとすることができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明においては、消火器の収納位置を高くしていても、消火器扉を開けて消火器を取り出す際には、下降機構部によって消火器を下方に移動させることができる。
【0013】
したがって、この発明によれば、消火器を容易に取り出すことができる消火栓装置を得ることができる。また、そのようにすることができる消火器箱を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】この発明の消火栓装置の実施形態の一例を示したものであり、消火器収納部の扉が閉じており、消火器が消火器収納部に収納されている状態における消火栓装置全体の正面図である。
【
図3】扉が開いており、消火器が下方に移動している状態における
図1に相当する図である。
【
図6】同上の消火栓装置のトンネルへの設置態様の一例を示したものであり、内壁の壁面上に壁掛け式に設置する場合の説明図である(消火栓装置は
図3乃至5の状態におけるもので図示。トンネル側の内部構造の図示は省略)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の実施形態について、消火栓装置に適用される場合を例として、図面を参照しつつ説明する。なお、この発明は、消火栓装置だけでなく、消火器箱にも適用することができるものであり、以下に説明する消火栓装置に適用する場合の例における本体と扉についての構成は、消火器箱の本体と扉に対するものとしても適用することができるものである。
【0016】
[全体構成]
この発明の消火栓装置1は、
図1乃至5に示したように、消火用ホース(図示省略)と共に消火器3が内部に収納される箱状の本体2を有する。本体2には、その内部に、消火用ホースが収納されるホース収納部(図示省略)と、消火器3が収納される消火器収納部2a等が設けられている。また、本体2には、その前面(トンネルへの設置状態で車道に面する側)に、ホース収納部の前方に設けられる開口(図示省略)を開閉するホース扉2bと、消火器収納部2aの前方に設けられる開口2cを開閉する消火器扉2d等が設けられている。
【0017】
なお、消火栓装置1は、
図6の設置例にあるとおり、シールドトンネルの壁面に寄せて設置すると、壁面形状に沿わせるために下部の幅を狭くせざるを得ない場合がある。その場合、幅の狭い部分に消火器を収納することができないため、消火器収納部2aは、消火栓装置1の最下部から位置を高くして設けられる。さらに消火栓装置1を壁掛け式とした場合、その最下部は監査路面より高い位置となり、消火器収納部2aの最下部が消火栓装置1の最下部と同じ高さであったとしても消火器収納部2aは監査路面より高い位置に設けられることになる。
【0018】
[下降機構部]
そして、消火栓装置1は、消火器扉2dに、消火器3を支持する支持部として機能すると共に、消火器扉2dが閉じられている際には、消火器収納部2a内の所定位置に収納されている状態を維持する一方、消火器扉2dが開いた際には、消火器3を下方に移動させるものとして機能する下降機構部4が設けられている。
【0019】
消火栓装置1は、この下降機構部4を備えていることにより、消火器3の収納位置を高くしていても、消火器扉2dを開けて消火器3を取り出す際には、下降機構部4によって消火器3を下方に移動させることができ、消火器3を容易に取り出すことができる。
【0020】
[消火器の収納位置]
ここで、消火器扉2dが閉じられている際の消火器3の収納位置(消火器収納部2a内で下降機構部4が消火器3を支持している位置)は、本体2内部の上部寄りの位置としており、本体2内部の底部上に載置して消火器3を収納する場合と比べて高い位置としている(
図2参照)。下降機構部4は、消火器扉2dを開けた際に、そのような高い位置に収納されている消火器3を下方に移動させることができるものである。
【0021】
[下降機構部の各構成部分]
下降機構部4は、
図5に全体の詳細を示したように、消火器3が載置される載置部4aと、載置部4aを吊持する吊持部の一例であるダンパ4bを有しており、消火器扉2dを開けた際に、消火器3と載置部4aの自重によって、ダンパ4bを下方に伸長させつつ、載置部4aと共に消火器3を下方に移動させる。
【0022】
・載置部
載置部4aは、図示の例の場合、消火器3を2つ、横に並べて載置することができる大きさを有する、平板状の台板をなすものとして設けられている。なお、この載置部4aには、その下面に幅方向に延びる向きで固定されて設けられるフレーム状の支持体4aaが設けられている。
【0023】
・帯板、側板
下降機構部4は、載置部4aに固定のものとして、載置部4aの前端縁から両側端縁にコ字状に連続して設けられる帯板4abと、その両側端縁にそれぞれ設けられる側板4acをさらに有している。これら帯板4abや側板4acは、載置部4aに載置される消火器3が前方や側方に動いたり、倒れたりするのを防ぐものとして機能する。
【0024】
・ダンパ
ダンパ4bは、消火器扉2dの裏面に沿って上下方向に延びる向きで、載置部4aの左右両側にそれぞれ設けられており、それぞれの、シリンダ部4baの上端部が消火器扉2d側に接続されると共に、シリンダ部4baに対して伸縮するピストン部4bbの下端部が載置部4a側に接続されて、載置部4aを消火器扉2dの裏面に沿って上下方向に移動可能に吊持している。
【0025】
なお、このダンパ4bは、載置部4aを上下方向に移動可能に吊持するだけでなく、ダンパとしても機能するものであり、載置部4aが消火器3と共に自重によって下方に移動する際には、その移動速度を制御することができるものでもある。
【0026】
・ガイド部
下降機構部4は、載置部4aの上下方向の移動をガイドするガイド部4cをさらに有する。ガイド部4cは、載置部4aの左右両側にそれぞれ設けられており、消火器扉2dの裏面に沿って上下方向の延びる向きで固定されて設けられる固定レール4caと、固定レール4caに沿って移動可能に設けられると共に、載置部4aの側板4acに固定されて設けられる移動レール4cbをそれぞれ有する。
【0027】
・ダンパの接続部
ダンパ4bは、具体的には、シリンダ部4baの上端部が消火器扉2dに固定される前記のガイドレール4caにそれぞれ接続されており、ピストン部4bbの下端部が載置部4aに固定される前記の支持体4aaの両端にそれぞれ接続されている。
【0028】
[消火器の下降位置]
下降機構部4は、図示の例の場合、消火器3を下方に移動させる際に、消火器3が載置される載置部4aが本体2の底部2eよりも下方に位置するまで移動するように設けられており、消火器3を下部側が本体2の底部2eよりも下方に位置するまで移動させるように設けられている。これにより、後記でも説明するが、本体2をトンネルTの内壁Wの壁面上に壁掛け式に設置する場合でも(
図6参照)、監査路R2の路面近くの低い位置まで消火器3を下降させることができ、消火器3を容易に取り出すことができる。
【0029】
[消火器扉の開閉機構]
消火器扉2dは、縦軸回りの横開きの扉として設けられており、開いた際に、前記の通り、裏面側に設けられる下降機構部4に消火器3を下方に移動させる動作をさせるものとして機能する。
【0030】
[下降機構部の停止手段]
本体2の内部には、消火器扉2dが閉じている際に、消火器3が消火器収納部2a内の所定位置に位置して収納されている収納状態に保持するための手段として、下降機構部4の動作を停止させて消火器3が収納状態にあるときの状態に保持する停止手段が設けられる。
【0031】
そのような停止手段として、図示の例の場合、本体2の内部に、消火器3が収納状態にある際に、下降機構部4の帯板4abの前端側が当接して、下降機構部4の動作を停止させる停止部4dが設けられている(
図2参照)。
【0032】
下降機構部4は、消火器扉2dを開けた際に、帯板4abの停止部4dに当接している部分が停止部4dから離れることにより、下降動作が自動的に開始されることになる。
【0033】
[本体内部の傾斜部]
本体2の内部には、消火器収納部2aの下方に、背面側から前面側に傾斜する傾斜面を形成する傾斜部4eが設けられている。図示の例の場合、前記の停止部4dは、その傾斜部4eの上端部をなすものとして設けられている(
図2参照)。
【0034】
なお、下降機構部4は、消火器扉2dの開度に応じて傾斜部4eに沿って降下するので、本体2の内部に下降機構部4が引っかかって消火器扉2dが開放できないという不具合を防ぐことができる。また、消火器扉2dと本体2の保持が解除され、載置部4aが停止部4dから傾斜部4eに至ると、下降機構部4が降下しようとするので、自動的に消火器扉2dが開放し、下降機構部4の降下が完了する。
【0035】
[本体背面の傾斜部]
本体2には、背面側下部に内側に傾斜する傾斜部2fが設けられており、その内部には、奥行寸法が小さくなる狭小部2gが設けられている。なお、本体2の内部に設けられる前記の傾斜部4eは、狭小部2g内に設けられている。図示の例の場合、これら傾斜部2f、4eは、同じ位置(傾斜部4e側はストッパ4dの位置)から傾斜が開始されるものとしている。本体2内部の消火器収納部2aは、これら傾斜部2f、4eよりも上方に設けられている(
図2参照)。
【0036】
[本体背面に傾斜部があることによる利点]
本体2に傾斜部2fが設けられていることにより、後記で説明するように、例えば、消火栓装置1をトンネルTに設置する際に、本体2を内壁Wの壁面により近づけて設置することができる(
図6参照)。
【0037】
[消火器の収納位置を高くすることによる利点]
本体2内部において、消火器収納部2aは、狭小部2g(傾斜部2f)よりも上方に設けられている。それにより、図示の例のように、消火器収納部2aが設けられる部分における、本体2内部の奥行寸法を消火器3の外径を僅かに上回る程度にまで小さくして、本体2を薄型化することができるものとしつつも、本体2に狭小部2g(傾斜部2f)が設けられるものとすることができ、前記の通り、例えば、消火栓装置1をトンネルTに設置する際に、本体2を内壁Wの壁面により近づけて設置することができるものとすることができる(
図6参照)。
【0038】
[トンネルへの設置態様]
消火栓装置1は、
図6に示したように、例えば、トンネルTの内壁Wの壁面に壁掛け式に設置されるものとすることができる。
【0039】
消火栓装置1においては、消火器3の収納位置を高くしてはいるが、前記の通り、下降機構部4によって、扉4を開けた際には、消火器3を下方に移動させることができ、その取り出しを容易にすることができる。特に、図示の例のように、下降機構部4の載置部4aが本体2の底部2eよりも下方に位置するまで移動するものとしていれば、本体2をトンネルTの内壁Wの壁面に壁掛け式に設置する場合でも、監査路R2の路面近くの低い位置まで消火器3を下降させることができ、消火器3を容易に取り出すことができる。
【0040】
なお、消火栓装置1は、図示は省略するが、トンネルTの監査路R2の路面上に設置されるものとすることもできる。その場合、下降機構部4の機構自体は、載置部4aを本体2の底部2eよりも下方に位置するまで下方に移動可能なものとしたままでもよいし、例えば、本体2の底部2eと同程度にまで下方に移動可能なものとしてもよく、すなわち、本体2の底部2eよりも下方にまでは移動しないものとしてもよい。
【0041】
[構成の変更例]
この発明の消火栓装置1においては、例えば、以下のように構成を変更することができる。
【0042】
・吊持部(ダンパ)の変更例
下降機構部4の載置部4aを吊持する吊持部としては、前記のダンパ4bに代えて、ダンパ4bと同様、消火器3と共に載置部4aを懸架しつつ、それらの下降速度を制御することが可能なトルクリールを用いてもよい。その場合、トルクリールをラチェット機構付きのものとして、載置部4aを任意の高さ位置で停止することができるようにしてもよい。
【0043】
・下降機構部の停止手段の変更例
下降機構部4の動作を停止させて消火器3が収納状態にあるときの状態に維持する停止手段としては、本体2の内部に前記の停止部4d(傾斜部4eの上端部)を設けるのに代えて或いは加えて、載置部4aの高さ位置を消火器3が収納状態にあるときの位置に保持する保持部材を消火器扉2d側に設けるようにしてもよい。その場合、保持部材による保持状態が消火器扉2dが開く動作に連動して解除されるものとすることができ、具体的には、例えば、消火器扉4の操作ハンドル4h(
図1参照)によるラッチ解除動作に連動して保持部材による保持状態が解除されるものとすることができる。
【0044】
・ガイド機構部の変更例
ガイド部4cにおいて、固定レール4caに対する移動機構としては、側板4acに固定された玉軸受が固定レール4caに沿って移動するものとしてもよい。
【0045】
・載置部の傾動機構部
下降機構部4の下降動作の後に、消火器3が載置される載置部4aを前方に回転させて傾かせる傾動機構部を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1:消火栓装置 2:本体 2a:消火器収納部 2b:ホース扉
2c:開口 2d:消火器扉 2e:底部 2f:傾斜部 2g:狭小部
2h:ハンドル 3:消火器 4:下降機構部 4a:載置部
4aa:支持体 4ab:帯板 4ac:側板 4b:ダンパ
4ba:シリンダ部 4bb:ピストン部 4c:ガイド部
4ca:固定レール 4cb:移動レール 4d:停止部 4e:傾斜部
T:トンネル W:内壁 R1:車道 R2:監査路