(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】画像記録システム
(51)【国際特許分類】
A61B 1/24 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
A61B1/24
(21)【出願番号】P 2020183703
(22)【出願日】2020-11-02
【審査請求日】2023-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100144440
【氏名又は名称】保坂 一之
(72)【発明者】
【氏名】荒木 尊士
(72)【発明者】
【氏名】檜山 聡
(72)【発明者】
【氏名】土井 千章
(72)【発明者】
【氏名】豊岡 継泰
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-054444(JP,A)
【文献】特開2019-155027(JP,A)
【文献】特開2020-099502(JP,A)
【文献】国際公開第2007/063980(WO,A1)
【文献】特開2016-151584(JP,A)
【文献】特開2020-088557(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0169649(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00-1/32
G02B 23/24ー23/26
G06T 7/00-7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
対象者の口腔を示す口腔画像を受け付け、
前記口腔が映っている領域である口腔領域を前記口腔画像から特定し、
前記口腔領域の複数の画素のそれぞれについて輝度値を取得し、
前記輝度値が所与の閾値以上である画素である高反射画素が存在しない場合には前記口腔の画像を記憶装置に格納し、
前記高反射画素が存在する場合には前記口腔の画像を前記記憶装置に格納しない、
画像記録システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
カメラの捕捉領域内に映った口腔を示す前記口腔画像を受け付け、
前記高反射画素が存在しない場合には、前記口腔の画像を撮影して口腔画像ファイルを生成し、該口腔画像ファイルを前記記憶装置に格納し、
前記高反射画素が存在する場合には、前記捕捉領域に対する前記対象者の顔の向きを変更させるための案内メッセージを出力する、
請求項1に記載の画像記録システム。
【請求項3】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
連続して存在する複数の前記高反射画素の集合である反射領域が存在する場合に、該反射領域における光の反射特性を推定し、
前記捕捉領域に映る前記対象者の顔を向けさせる方向である案内方向を前記反射特性に基づいて決定し、
前記案内方向に基づく前記案内メッセージを出力する、
請求項2に記載の画像記録システム。
【請求項4】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記反射領域を示す画像である反射領域画像を解析して、前記反射特性が鏡面反射であるか否かを推定し、
前記反射特性が前記鏡面反射であると推定した場合に、前記反射領域から前記カメラへの方向をカメラ方向として推定し、
前記カメラ方向と反対の方向を前記案内方向として設定する、
請求項3に記載の画像記録システム。
【請求項5】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
前記反射領域を示す画像である反射領域画像を解析して、前記反射特性が拡散反射であるか否かを推定し、
前記反射特性が前記拡散反射であると推定した場合に、前記案内方向をランダムに設定する、
請求項3または4に記載の画像記録システム。
【請求項6】
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記反射領域画像を解析して前記反射領域の部位を推定し、該部位に基づいて前記反射特性を推定する、
請求項4または5に記載の画像記録システム。
【請求項7】
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記反射領域画像に対してエッジ処理を実行して、エッジに関する特徴量を算出し、該特徴量に基づいて前記反射特性を推定する、
請求項4または5に記載の画像記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は画像記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像データの撮像部位を口腔内であると判断し、その画像データの中に歯のエリアを検出した場合にはオートフォーカスエリアを該エリア上に設定する口腔内カメラが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
口腔の診断に用いられる適切な画像を簡易に取得するための仕組みが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る画像記録システムは少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、対象者の口腔を示す口腔画像を受け付け、口腔が映っている領域である口腔領域を口腔画像から特定し、口腔領域の複数の画素のそれぞれについて輝度値を取得し、輝度値が所与の閾値以上である画素である高反射画素が存在しない場合には口腔の画像を記憶装置に格納し、高反射画素が存在する場合には口腔の画像を記憶装置に格納しない。
【0006】
このような側面においては、口腔画像の口腔領域を構成する画素の輝度値の大きさに応じてその口腔画像を記憶装置に格納するか否かが決定される。輝度値が所与の閾値よりも高い高反射画素は、口腔内の唾液による光の反射の結果である蓋然性が高い。したがって、その高反射画素が存在する口腔画像はその好ましくない反射のために口腔を良好に捉えていない可能性がある。口腔領域を構成する各画素の輝度値が許容範囲内である場合に限って口腔画像を記録することで、口腔の診断に用いられる適切な画像を簡易に取得することができる。
【発明の効果】
【0007】
本開示の一側面によれば、口腔の診断に用いられる適切な画像を簡易に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る画像記録システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る画像記録システムによって実行される画像記録方法の一例を示すフローチャートである。
【
図3】口腔の角度を判定するための仮想線の例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る画像記録システムによって実行される画像記録方法の別の例を示すフローチャートである。
【
図5】高反射画素が存在するか否かに基づく判定の一例を示すフローチャートである。
【
図6】案内メッセージを出力する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】実施形態に係る画像記録システムで用いられるコンピュータのハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0010】
実施形態に係る画像記録システム1は、人の口腔の画像(本開示ではこれを「口腔画像」ともいう)を所定の記憶装置に格納するコンピュータシステムである。「画像を記憶装置に格納する」とは、或る一時点または或る時間幅における画像の電子データ(すなわち画像データ)を電子ファイル(すなわち画像ファイル)として記憶装置上に永久的に記録する処理をいう。格納される画像は静止画(写真)でもよいし動画像でもよく、したがって、画像データは静止画データ(写真データ)でもよいし動画像データでもよい。本開示において、「画像を記憶装置に格納する」とは、既に生成されている画像データ(すなわち画像ファイル)を記憶装置に格納する処理と、画像の撮影との双方を含む概念である。画像の撮影とは、或る一時点または或る時間幅における画像の電子データ(すなわち画像データ)を生成し、その画像データを画像ファイルとして記憶装置上に永久的に格納(記録)する処理をいう。
【0011】
画像データは任意の目的で用いられてよい。例えば、画像データは、対面またはオンラインによる診断または診療に用いられてもよいし、訪問介護などの介護のために用いられてもよい。画像データは画像記録システム1によって用いられてもよいし、他のコンピュータシステムまたはコンピュータによって用いられてもよい。
【0012】
本開示では、口腔が撮影されるかまたは既に撮影された人のことを「対象者」という。また、画像記録システム1を利用する人を「ユーザ」という。ユーザと対象者とが同一人物でもよく、この場合には、ユーザ(対象者)は自身の口腔を写した画像を記録する。あるいは、ユーザと対象者とが相異なってもよい。例えばユーザおよび対象者が、医療従事者と患者という関係であってもよいし、介護者と被介護者という関係であってもよい。あるいは、ユーザは対象者の家族または知り合いでもよい。
【0013】
一例では、画像記録システム1は対象者の口腔を示す口腔画像を受け付ける。口腔画像は口腔以外の部位(例えば顎)を写してもよい。口腔画像は既に生成された画像ファイルでもよい。あるいは、その口腔画像は、カメラのビューファインダに映った捕捉領域をユーザ操作を受け付けることなく自動的に記録することで得られる一時的な画像データでもよい。いずれにしても、画像記録システム1はその口腔画像が所与の記録条件を満たすか否かを判定する。
【0014】
受け付けられた口腔画像が記録条件を満たす場合に、画像記録システム1はその口腔画像を格納する。上述したように、口腔画像を格納することは、既存の画像ファイルの保存と口腔の撮影との双方を含む概念である。
【0015】
一方、受け付けられた口腔画像が記録条件を満たさない場合には、画像記録システム1はその口腔画像を格納しない。一例では、画像記録システム1はその場合に、新たな口腔画像を受け付け、その口腔画像が記録条件を満たすか否かを判定し、その判定結果に基づいてその口腔画像を格納するか否かを決定する。要するに、画像記録システム1は対象者の口腔画像を格納できるまで再試行を繰り返してもよい。
【0016】
画像記録システム1において処理される口腔画像は任意の手法によって取得されてよい。例えば、口腔画像は、静止画であってもよいし、動画像を構成する一つのフレーム画像であってもよい。したがって、口腔画像は動画像から抽出されてもよい。
【0017】
画像記録システム1は少なくとも一つのコンピュータを用いて構成される。画像記録システム1の具体的な物理構成は限定されず、任意の方針によって設計されてよい。
【0018】
一例では、画像記録システム1は、通信ネットワークを介して互いに接続する携帯端末およびサーバを備えるクライアント-サーバシステムによって実現されてもよい。クライアント-サーバシステムにおいて個々の機能要素を携帯端末とサーバとのどちらに実装するかは、任意の方針によって設計されてよい。サーバ側は、複数のコンピュータによって構成される分散システムであってもよい。通信ネットワークの構成は限定されず、任意の方針で設計されてよい。例えば、それぞれの通信ネットワークは移動体通信網、インターネット、イントラネット、WAN(Wide Area Network)のうちの少なくとも一つを含んで構成されてもよい。
【0019】
別の例では、画像記録システム1は1台のコンピュータによって実現されてもよく、例えば1台の携帯端末によって実現されてもよい。この場合には、上記のすべての機能要素がその単体のコンピュータ上に実装される。
【0020】
携帯端末の例として、高機能携帯電話機(スマートフォン)、携帯電話機、ウェアラブル端末、およびラップトップが挙げられる。しかし、携帯端末の具体的な種類はこれらに限定されない。
【0021】
図1は画像記録システム1の構成の一例を示す図である。画像記録システム1は、ビューファインダ3を有するカメラ2と、ディスプレイ4とを備える。ビューファインダ3とは、カメラ2のレンズに映る領域である捕捉領域をユーザに視認させるための機能をいう。カメラ2の捕捉領域は、要するにカメラ2の視界である。典型的には、携帯端末ではビューファインダ3はディスプレイ4上に表示される。
【0022】
画像記録システム1の少なくとも一部が携帯端末によって実現される場合には、口腔を記録するためのアプリケーション・プログラムが携帯端末に予めインストールされる。携帯端末はユーザ操作に応答してそのアプリケーション・プログラムを起動し、アプリケーション・プログラムは必要に応じてカメラ2、ビューファインダ3、またはディスプレイ4を制御する。
【0023】
画像記録システム1は機能要素として画像処理部10を備える。画像処理部10は口腔画像の記録に関する制御を実行する機能要素であり、必要に応じてカメラ2、ビューファインダ3、またはディスプレイ4と協働する。画像処理部10は受付部11、判定部12、記録部13、画像記憶部14、および案内部15を備える。受付部11は口腔画像を受け付ける機能要素である。判定部12は、その口腔画像が所与の記録条件を満たすか否かを判定する機能要素である。記録部13は対象者の口腔画像(より具体的には画像ファイル)を画像記憶部14に格納する機能要素である。画像記憶部14は口腔画像を記憶する機能要素(記憶装置)である。案内部15は適切な口腔画像を取得するための案内メッセージをユーザまたは対象者に向けて出力する機能要素である。
【0024】
図2を参照しながら、画像記録システム1によって実行される画像記録方法の一例を説明する。
図2はその例を処理フローS1として示すフローチャートである。処理フローS1では画像記録システム1は既存の口腔画像ファイルを処理する。
【0025】
ステップS11では、受付部11が一つの口腔画像ファイルを受け付ける。口腔画像ファイルを受け付ける方法は限定されない。例えば、受付部11は所与のデータベースにアクセスして口腔画像ファイルを読み出してもよいし、ユーザによって入力された口腔画像ファイルを取得してもよいし、他のコンピュータから送られてきた口腔画像ファイルを受信してもよい。第1口腔画像は静止画(写真)であってもよい。あるいは、第1口腔画像は、動画像(映像)を構成する一つのフレーム画像(すなわち、動画像から抽出された画像)であってもよい。
【0026】
ステップS12では、判定部12が、その口腔画像が記録条件を満たすか否かを判定する。一例では、判定部12は画像の明るさ、唾液による画像内での光の反射、手振れ、口腔の捕捉、および口腔の角度という5種類の条件のうちの少なくとも一つを判定してよい。記録条件が2種類以上の条件の組み合わせである場合には、判定部12は口腔画像が該2種類以上の条件のすべてを満たすか否かを判定する。
【0027】
画像の明るさを判定する場合には、判定部12は口腔画像の各画素値をグレースケール値に変換する。続いて、判定部12はすべてのグレースケール値の平均を算出し、その平均値が所与の閾値Ta未満であるか否かを判定する。平均値が閾値Ta未満である場合には、判定部12は口腔画像が画像の明るさに関する条件を満たす(より具体的には、口腔画像の明るさが適切である)と判定する。一方、平均値が閾値Ta以上である場合には、判定部12は口腔画像が画像の明るさに関する条件を満たさない(より具体的には、口腔画像の明るさが適切でない)と判定する。
【0028】
唾液による反射を判定する場合には、判定部12は口腔画像を解析して、口腔が映っている領域を口腔領域として特定する。一例では、判定部12は、口腔画像から口腔領域を推定するための学習済みモデルMaを用いて口腔領域を推定する。学習済みモデルMaは、口腔画像を示す入力ベクトルを処理して、口腔領域を示す出力ベクトルを生成するアルゴリズムである。学習済みモデルMaは、口腔画像を示すデータと口腔領域を示すラベル(正解)とが対応付けられた多数のレコードによって構成された教師データを用いた機械学習によって生成され、画像記録システム1に予め実装される。
【0029】
判定部12は、推定された口腔領域を構成する複数の画素のそれぞれについて該画素の輝度値を取得し、その輝度値が所与の閾値Tb以上である画素(本開示ではこれを「高反射画素」ともいう)が存在するか否かを判定する。この高反射画素は、唾液による光の反射が発生したことを示す。一例では、判定部12は口腔画像または口腔領域の各画素値をグレースケール値に変換し、そのグレースケール値を輝度値として取得する。一例では、判定部12は連続して存在する複数の高反射画素の集合を反射領域として特定する。複数の高反射画素が連続して存在するとは、該複数の高反射画素のうちの任意の一つを基準画素として選択した場合に、該基準画素から放射状に延びる少なくとも一つの方向(例えば、水平方向、垂直方向、または斜め方向)において、該基準画素の隣に別の高反射画素が位置する状況をいう。したがって反射領域では、個々の高反射画素は1以上の別の高反射画素の隣に位置する。
【0030】
一例では、高反射画素が存在しない場合には、判定部12は口腔画像が唾液による反射に関する条件を満たす(より具体的には、唾液による反射が口腔画像内に存在しない)と判定する。一方、高反射画素が存在する場合には、判定部12は口腔画像が唾液による反射に関する条件を満たさない(より具体的には、唾液による反射が口腔画像内に存在する)と判定する。別の例では、反射領域(すなわち、連続して存在する複数の高反射画素の集合)が存在しない場合には、判定部12は口腔画像が唾液による反射に関する条件を満たす(より具体的には、唾液による反射が口腔画像内に存在しない)と判定する。一方、その反射領域が存在する場合には、判定部12は口腔画像が唾液による反射に関する条件を満たさない(より具体的には、唾液による反射が口腔画像内に存在する)と判定する。このように、判定部12は或る一点の高反射画素に基づく判定を実行してもよいし、二次元状に広がる反射領域に基づく判定を実行してもよい。
【0031】
手振れを判定する場合には、判定部12は携帯端末の加速度センサからカメラ2の加速度を取得する。そして、判定部12はその加速度が所与の閾値Tc未満であるか否かを判定する。加速度が閾値Tc未満である場合には、判定部12は口腔画像が手振れに関する条件を満たす(より具体的には、口腔画像はぶれていない)と判定する。一方、加速度が閾値Tc以上である場合には、判定部12は口腔画像が手振れに関する条件を満たさない(より具体的には、口腔画像がぶれている)と判定する。
【0032】
口腔の捕捉を判定する場合には、判定部12は口腔画像を解析して、開いている口腔の全体(すなわち、口腔画像中において口唇の内側に位置する領域の全体)が映っているか否かを特定する。一例では、判定部12は口腔画像に映っている対象者の歯数を特定し、その歯数が所与の閾値Td以上であるか否かを判定する。判定部12は学習済みモデルを用いて歯数を特定してもよい。判定部12は口腔画像から歯数を推定するための学習済みモデルMbを用いて歯数を推定する。学習済みモデルMbは、口腔画像を示す入力ベクトルを処理して、歯数を示す出力ベクトルを生成するアルゴリズムである。学習済みモデルMbは、口腔画像を示すデータと歯数を示すラベル(正解)とが対応付けられた多数のレコードによって構成された教師データを用いた機械学習によって生成され、画像記録システム1に予め実装される。歯数が閾値Td以上である場合には、判定部12は口腔画像が口腔の捕捉に関する条件を満たす(より具体的には、口腔の全体が口腔画像に映っている)と判定する。一方、歯数が閾値Td未満である場合には、判定部12は口腔画像が口腔の捕捉に関する条件を満たさない(より具体的には、口腔の全体が口腔画像に映っていない)と判定する。
【0033】
口腔の角度を判定する場合には、判定部12は口腔画像を解析して、2本の中切歯のそれぞれの2次元座標を特定する。この2次元座標は、2次元平面である口腔画像上における座標である。一例では、判定部12は、口腔画像から個々の中切歯の2次元座標を推定するための学習済みモデルMcを用いて個々の中切歯の2次元座標を推定する。学習済みモデルMcは、口腔画像を示す入力ベクトルを処理して、個々の中切歯の2次元座標を示す出力ベクトルを生成するアルゴリズムである。学習済みモデルMcは、口腔画像を示すデータと個々の中切歯の2次元座標を示すラベル(正解)とが対応付けられた多数のレコードによって構成された教師データを用いた機械学習によって生成され、画像記録システム1に予め実装される。判定部12は2本の中切歯の2次元座標を結ぶ仮想線を生成し、該仮想線と、該仮想線に対応する口腔画像の外縁との成す角度を算出する。角度の算出方法は限定されない。例えば、判定部12は二つの左中切歯を通る仮想線と、二つの右中切歯を通る仮想線とのいずれか一方を生成し、この仮想線と、口腔画像の鉛直方向の外縁との角度を算出してもよい。この場合には、鉛直方向の外縁が「仮想線に対応する口腔画像の外縁」に相当する。あるいは、判定部12は二つの上顎中切歯を通る仮想線と、二つの下顎中切歯を通る仮想線とのいずれか一方を生成し、この仮想線と、口腔画像の水平方向の外縁との角度を算出してもよい。この場合には、水平方向の外縁が「仮想線に対応する口腔画像の外縁」に相当する。判定部12はその角度が所与の閾値Te未満であるか否かを判定する。算出された角度が閾値Te未満である場合には、判定部12は口腔画像が口腔の角度に関する条件を満たす(より具体的には、歯列が口腔画像の水平方向に沿って映っている)と判定する。一方、算出された角度が閾値Te以上である場合には、判定部12は口腔画像が口腔の角度に関する条件を満たさない(より具体的には、歯列が斜めに映っている)と判定する。
【0034】
図3は口腔の角度を判定するための仮想線の例を示す図である。例(a)では、判定部12は上顎左中切歯の2次元座標201と下顎左中切歯の2次元座標202とを通る仮想線211を示す。判定部12は仮想線211と口腔画像の鉛直方向の外縁との角度を算出し、この角度と閾値Teとを比較する。例(b)では、判定部12は上顎右中切歯の2次元座標203と上顎左中切歯の2次元座標204とを通る仮想線212を示す。判定部12は仮想線212と口腔画像の水平方向の外縁との角度を算出し、この角度と閾値Teとを比較する。
【0035】
上述したように、本実施形態では記録条件に関して5種類の具体的な条件を示す。画像の明るさに関して満たされるべき条件とは「口腔画像の明るさが適切であること」である。唾液による反射に関して満たされるべき条件とは「唾液による反射が口腔画像内に存在しないこと」である。手振れに関して満たされるべき条件とは「口腔画像がぶれていないこと」である。口腔の捕捉に関して満たされるべき条件とは「口腔の全体が口腔画像に映っていること」である。口腔の角度に関して満たされるべき条件とは「歯列が口腔画像の水平方向に沿って映っていること」である。
【0036】
図2に戻って、口腔画像が記録条件を満たす場合には(ステップS13においてYES)、処理はステップS14に進む。上述したように、記録条件が2種類以上の条件の組合せである場合には、口腔画像が該2種類以上の条件のすべてを満たす場合に、処理がステップS14に進む。ステップS14では、記録部13が口腔画像ファイルを画像記憶部14に格納する。
【0037】
一方、口腔画像が記録条件を満たさない場合には(ステップS13においてNO)、処理はステップS15に進む。ステップS15では、記録部13は口腔画像ファイルを画像記憶部14に格納することなくその口腔画像ファイルを破棄する。ステップS15において、案内部15が案内メッセージをユーザまたは対象者に向けて出力してもよい。この案内メッセージは、適切な口腔画像ファイルの入力をユーザまたは対象者に促すための情報であり、満たされていない記録条件に基づいて設定される。案内部15は案内メッセージを、ディスプレイ4上に表示してもよいし、スピーカから出力してもよい。案内メッセージの表現方法は限定されず、例えば、案内メッセージはテキスト、グラフィックス、および音声のうちの少なくとも一つによって表現されてもよい。例えば、案内部15は、口腔の捕捉に関する条件が満たされていないことに応答して、「口の右側が映っていません。口の全体を写した写真を入力してください。」という案内メッセージを出力してもよい。
【0038】
図4を参照しながら、画像記録システム1によって実行される画像記録方法の別の例を説明する。
図4はその例を処理フローS2として示すフローチャートである。処理フローS2では画像記録システム1はビューファインダ3に映った画像を処理する。
【0039】
ステップS21では、アプリケーション・プログラムがカメラ2を起動する。一例では、ユーザが所定のアプリケーション・プログラムを起動したことに応答して、アプリケーション・プログラムがカメラ2を起動する。
【0040】
ステップS22では、受付部11が口腔画像を受け付ける。ユーザは、ビューファインダ3内に対象者の顔が収まるようにカメラ2を対象者に向ける。受付部11は、ビューファインダ3に映っている対象者の顔を、ユーザ操作を受け付けることなく自動的に記録して、口腔画像を取得する。
【0041】
ステップS23では、判定部12が、その口腔画像が記録条件を満たすか否かを判定する。ステップS23は、判定の対象が既存の口腔画像ファイルではなくビューファインダ3から得られた画像データである点を除いて、ステップS12と同じである。
【0042】
口腔画像が記録条件を満たす場合には(ステップS24においてYES)、処理はステップS25に進む。記録条件が2種類以上の条件の組合せである場合には、口腔画像が該2種類以上の条件のすべてを満たす場合に、処理がステップS25に進む。
【0043】
ステップS25では、記録部13が口腔の画像を撮影して口腔画像ファイルを生成し、その口腔画像ファイルを画像記憶部14に格納する。一例では、記録部13はユーザ操作を受け付けることなく、口腔画像が記録条件を満たすことに応答して自動的に電子シャッターを切って、口腔を写す写真データを生成してもよい。あるいは、記録部13はユーザ操作を受け付けることなく、口腔画像が記録条件を満たすことに応答して自動的に録画を開始して、口腔を写す動画像データを生成してもよい。別の例では、記録部13は、口腔画像が記録条件を満たすことに応答して、撮影のための操作をユーザに促すためのメッセージを出力し、そのメッセージに応答したユーザの撮影操作に従って電子シャッターを切って、口腔を写す写真データを生成してもよい。あるいは、記録部13は、口腔画像が記録条件を満たすことに応答して、撮影のための操作をユーザに促すためのメッセージを出力し、そのメッセージに応答したユーザの撮影操作に従って録画を開始して、口腔を写す動画像データを生成してもよい。このように、口腔画像は自動的に撮影されてもよいし手動により撮影されてもよい。いずれにしても、記録部13は生成された画像データを口腔画像ファイルとして画像記憶部14に格納する。
【0044】
一方、口腔画像が記録条件を満たさない場合には(ステップS24においてNO)、処理はステップS26に進む。上述したように、記録条件が2種類以上の条件の組合せである場合には、口腔画像が少なくとも一つの条件を満たさない場合に、処理がステップS26に進む。
【0045】
ステップS26では、案内部15が案内メッセージをユーザまたは対象者に向けて出力する。この案内メッセージは、ビューファインダ3(カメラの捕捉領域)内に口腔が適切に映るようにユーザまたは対象者を促すための情報であり、満たされていない記録条件に基づいて設定される。上記ステップS15と同様に、案内メッセージの出力方法および表現方法は限定されない。例えば、案内部15は、口腔の捕捉に関する条件が満たされていないことに応答して、「口の右側が映っていません。」という文と、カメラ2を望ましい方向に向けさせるための矢印とを含む案内メッセージを出力してもよい。ステップS26の後に処理はステップS22に戻る。ステップS22では受付部11が新たな口腔画像を受け付け、ステップS23では判定部12がその口腔画像が記録条件を満たすか否かを判定する。そして、その判定結果に応じて、ステップS25において記録部13が口腔画像を撮影するか、またはステップS26において案内部15が案内メッセージを出力する。新たな口腔画像が記録条件を満たす場合には、記録部13は対象者の顔の動きを止めさせるためのメッセージ(例えば、「顔を止めてください。」など)を出力してもよい。
【0046】
図5を参照しながら、記録条件を用いた判定(ステップS12,S23)の一例について説明する。
図5は高反射画素が存在するか否かに基づく判定の一例(すなわち、唾液による反射を判定する一例)を処理フローS3として示すフローチャートである。
【0047】
ステップS31では、判定部12が口腔画像を解析して口腔領域を特定する。上述したように、判定部12は学習済みモデルを用いて口腔領域を推定してもよい。
【0048】
ステップS32では、判定部12がその口腔領域の複数の画素のそれぞれについて該画素の輝度値を取得する。一例では、判定部12は口腔画像または口腔領域の各画素値をグレースケール値に変換し、そのグレースケール値を輝度値として取得する。
【0049】
ステップS33では、判定部12が、口腔領域に高反射画素が存在するか否かを判定する。判定部12は反射領域(連続して存在する複数の高反射画素の集合)が存在するか否かを判定してもよい。
【0050】
高反射画素が存在する場合(または反射領域が存在する場合)には(ステップS33においてYES)、処理はステップS34に進む。ステップS34では、判定部12は口腔画像が記録条件を満たさないと判定する。
【0051】
一方、高反射画素が存在しない場合(または反射領域が存在しない場合)には(ステップS33においてNO)、処理はステップS35に進む。ステップS35では、判定部12は口腔画像が記録条件を満たすと判定する。
【0052】
図6を参照しながら、ビューファインダ3に対する対象者の顔の向きを変更させるための案内メッセージの出力(ステップS26)の一例について説明する。
図6は反射領域(連続して存在する複数の高反射画素の集合)が存在することに応答してその案内メッセージを出力する処理の一例を処理フローS4として示すフローチャートである。
【0053】
ステップS41では、案内部15が反射領域での光の反射特性を推定する。反射特性は光の反射の種類をいう。一例では、或る一つの反射領域の反射特性は鏡面反射および拡散反射のいずれか一方である。鏡面反射とは反射面に対して入射角と反射角とが等しい反射をいう。拡散反射とは入射光が反射面で様々な方向に反射する現象をいう。一般に、鏡面反射は滑らかな表面で発生し、拡散反射は粗い表面で発生する。一例では、案内部15は反射領域を示す画像(本開示ではこれを「反射領域画像」ともいう)を解析して反射特性を推定する。
【0054】
一例では、案内部15は反射領域画像から該反射領域の部位を推定するための学習済みモデルMxを用いてその部位を推定し、その部位に対応する反射特性を決定してもよい。学習済みモデルMxは、歯、歯肉(歯茎)、舌、唇などの口腔に関する部位の画像を示す入力ベクトルを処理して、その部位を示す出力ベクトルを生成するアルゴリズムである。学習済みモデルMxは、口腔に関する部位の画像を示すデータと部位を示すラベル(正解)とが対応付けられた多数のレコードによって構成された教師データを用いた機械学習によって生成され、画像記録システム1に予め実装される。一例では、案内部15は歯または歯肉(歯茎)が推定されたことに応答して、反射領域の反射特性が鏡面反射であると決定し、舌または唇が推定されたことに応答して、その反射特性が拡散反射であると決定する。
【0055】
あるいは、案内部15は反射領域画像から反射特性を推定するための学習済みモデルMyを用いて反射特性を推定してもよい。学習済みモデルMyは、口腔における反射を写した画像を示す入力ベクトルを処理して、反射特性(鏡面反射または拡散反射)を示す出力ベクトルを生成するアルゴリズムである。学習済みモデルMyは、口腔における反射を写した画像を示すデータと反射特性を示すラベル(正解)とが対応付けられた多数のレコードによって構成された教師データを用いた機械学習によって生成され、画像記録システム1に予め実装される。
【0056】
あるいは、案内部15は反射領域画像に対してエッジ処理を実行してエッジに関する特徴量を算出し、その特徴量に基づいて反射特性を決定してもよい。エッジ処理とは、画像中の画素値が不連続に変化している箇所(言い換えると、画素値が急激に変化している箇所)をエッジとして特定する処理をいう。案内部15は、微分オペレータによるエッジ検出を実行してもよいし、Sobelオペレータによるエッジ検出を実行してもよい。案内部15はエッジ処理によって算出される特徴量に基づいて反射特性を推定する。一例では、案内部15は、エッジに対して相対的に低い特徴量を算出し、平坦な領域(言い換えると、エッジではない領域)に対して相対的に高い特徴量を算出する。この場合案内部15は、その特徴量が所与の閾値以上であれば反射特性が鏡面反射であると推定し、その特徴量が該閾値未満であれば反射特性が拡散反射であると推定する。
【0057】
ステップS42では、案内部15が特定された反射特性に基づいて案内方向を決定する。案内方向とは、ビューファインダ3に映る対象者の顔を向けさせる方向をいう。
【0058】
反射特性が鏡面反射であると推定された場合に、案内部15は例えば、反射領域からカメラへの方向をカメラ方向として推定し、そのカメラ方向と反対の方向を案内方向として設定する。一例では、案内部15はカメラ方向を次のように推定する。すなわち、案内部15は口腔画像から個々の中切歯の2次元座標を推定するための上記の学習済みモデルMcを用いて個々の中切歯の2次元座標を推定する。そして、案内部15はそれらの2次元座標に基づいて、口腔の中央を原点とする3次元座標を設定する。この3次元座標は、歯列の並びに沿った方向(例えば水平方向)をX軸とし、そのX軸と直交し且つ左右の中切歯を分ける軸をY軸とし、X,Y軸の双方と直交する軸をZ軸とすることで定義される。案内部15はその3次元座標におけるカメラ2のレンズの中心をXY平面に投影して得られる位置をカメラ位置として取得する。そして、案内部15はXY平面における座標原点からカメラ位置へ向かう方向を特定する。XY平面において座標原点は反射領域の位置に近いので、座標原点から見たカメラ位置の方向は、反射領域から見たカメラ位置の方向と近似する。したがって、案内部15は座標原点から見たカメラ位置の方向を、反射領域から見たカメラ位置の方向(カメラ方向)として特定する。案内部15はそのカメラ方向と反対の方向(例えば、カメラ方向と180°またはほぼ180°離れた方向)を案内方向として設定する。
【0059】
図7はカメラ方向を説明するための図である。
図7の例では、カメラ2が対象者9の右下側から該対象者9を映す場合を示す。この例では、案内部15はXY座標の第3象限内に位置するカメラ位置301を取得し、座標原点からカメラ位置301へ向かう方向311を、反射領域の代表点302からカメラ位置301へと向かうカメラ方向として特定する。ここで、代表点302は反射領域内の任意の1画素の位置を示す。座標原点は代表点302に近いので、見なしのカメラ方向311が実際のカメラ方向312に近似すると考えることができる。案内部15はカメラ方向として方向312ではなく方向311を特定することに留意されたい。案内部15はカメラ方向311と反対の方向(例えば、カメラ方向311と180°またはほぼ180°離れた方向)を案内方向として設定する。
【0060】
反射特性が拡散反射であると推定された場合には、案内部15は例えば、案内方向をランダムに設定する。
【0061】
図6に戻って、ステップS43では、案内部15が、決定された案内方向に基づく案内メッセージを出力する。例えば、案内部15は「もう少し左を向いてください。」というような案内メッセージを出力する。
【0062】
上述したように、画像記録システム1は学習済みモデルを用いてもよい。この場合には、学習済みモデルは、画像記録システム1によって生成されてもよいし、画像記録システム1とは異なるコンピュータシステムによって生成されてもよい。
【0063】
上述したように、画像記録システム1は学習済みモデルを用いてもよい。この場合には、学習済みモデルは、画像記録システム1によって生成されてもよいし、画像記録システム1とは異なるコンピュータシステムによって生成されてもよい。
【0064】
カメラ2(およびビューファインダ3)は、携帯端末とは独立して用意されてもよい。例えば、一眼レフカメラがカメラ2(およびビューファインダ3)として用いられてもよい。この場合には、一眼レフカメラから得られる画像と、携帯端末の各種センサから得られるデータとを用いて上記実施形態が実現されてもよい。
【0065】
本開示において、「少なくとも一つのプロセッサが、第1の処理を実行し、第2の処理を実行し、…第nの処理を実行する。」との表現、またはこれに対応する表現は、第1の処理から第nの処理までのn個の処理の実行主体(すなわちプロセッサ)が途中で変わる場合を含む概念を示す。すなわち、この表現は、n個の処理のすべてが同じプロセッサで実行される場合と、n個の処理においてプロセッサが任意の方針で変わる場合との双方を含む概念を示す。
【0066】
上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0067】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)または送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0068】
例えば、本開示の一実施の形態における画像記録システム1は、本開示の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図8は、画像記録システム1で用いられるコンピュータ100のハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ100は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含んでもよい。
【0069】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。画像記録システム1のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0070】
画像記録システム1における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0071】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。
【0072】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、画像記録システム1の各機能要素は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0073】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施の形態に係る方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0074】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及びストレージ1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0075】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。
【0076】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカ、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0077】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0078】
また、コンピュータ100は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0079】
以上説明したように、本開示の一側面に係る画像記録システムは少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、対象者の口腔を示す口腔画像を受け付け、口腔が映っている領域である口腔領域を口腔画像から特定し、口腔領域の複数の画素のそれぞれについて輝度値を取得し、輝度値が所与の閾値以上である画素である高反射画素が存在しない場合には口腔の画像を記憶装置に格納し、高反射画素が存在する場合には口腔の画像を記憶装置に格納しない。
【0080】
このような側面においては、口腔画像の口腔領域を構成する画素の輝度値の大きさに応じてその口腔画像を記憶装置に格納するか否かが決定される。輝度値が所与の閾値よりも高い高反射画素は、口腔内の唾液による光の反射の結果である蓋然性が高い。したがって、その高反射画素が存在する口腔画像はその好ましくない反射のために口腔を良好に捉えていない可能性がある。口腔領域を構成する各画素の輝度値が許容範囲内である場合に限って口腔画像を記録することで、口腔の診断に用いられる適切な画像を簡易に取得することができる。
【0081】
他の側面に係る画像記録システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、カメラの捕捉領域内に映った口腔を示す口腔画像を受け付け、高反射画素が存在しない場合には、口腔の画像を撮影して口腔画像ファイルを生成し、該口腔画像ファイルを記憶装置に格納し、高反射画素が存在する場合には、捕捉領域に対する対象者の顔の向きを変更させるための案内メッセージを出力してもよい。この場合には、高反射画素が存在しない場合に限って口腔が撮影され、高反射画素が存在する場合には、その撮影を可能にするための案内が出力される。したがって、口腔の診断に用いられる適切な画像を簡易に撮影できる。
【0082】
他の側面に係る画像記録システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、連続して存在する複数の高反射画素の集合である反射領域が存在する場合に、該反射領域における光の反射特性を推定し、捕捉領域に映る対象者の顔を向けさせる方向である案内方向を反射特性に基づいて決定し、案内方向に基づく案内メッセージを出力してもよい。この場合には、口腔内で発生した反射の特性が推定され、対象者の顔を向けさせる方向がその反射特性に基づいて決定される。この処理によって、口腔画像の取得のために対象者の顔の向きを適切に案内できる。
【0083】
他の側面に係る画像記録システムでは、記録条件が、少なくとも一つのプロセッサが、反射領域を示す画像である反射領域画像を解析して、反射特性が鏡面反射であるか否かを推定し、反射特性が鏡面反射であると推定した場合に、反射領域からカメラへの方向をカメラ方向として推定し、カメラ方向と反対の方向を案内方向として設定してもよい。この一連の処理によって、鏡面反射が現われなくなるように対象者の顔の向きを適切に案内することができる。
【0084】
他の側面に係る画像記録システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、反射領域を示す画像である反射領域画像を解析して、反射特性が拡散反射であるか否かを推定し、反射特性が拡散反射であると推定した場合に、案内方向をランダムに設定してもよい。この場合には、拡散反射が現われなくなるように対象者の顔の向きを決めるための処理が、単純なランダム決定によって実現できる。そのため、その処理に掛かる画像記録システムの計算負荷を抑制できる。
【0085】
他の側面に係る画像記録システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、反射領域画像を解析して、反射領域の部位を推定し、該部位に基づいて反射特性を推定してもよい。反射特性は口腔内の部位に依存し得るので、その一連の処理によって反射特性を精度良く推定できる。
【0086】
他の側面に係る画像記録システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、反射領域画像に対してエッジ処理を実行して、エッジに関する特徴量を算出し、該特徴量に基づいて反射特性を推定してもよい。この特徴量は反射領域の滑らかさを反映するので、反射特性とも関連する。したがって、その特徴量を考慮することで反射特性を精度良く推定できる。
【0087】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0088】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージなどであってもよい。
【0089】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0090】
本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0091】
本開示において基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局及び基地局以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GWなどが考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0092】
情報等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0093】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0094】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0095】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0096】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0097】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0098】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0099】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0100】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0101】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0102】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0103】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0104】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0105】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0106】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0107】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0108】
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、基地局が有する機能をユーザ端末が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0109】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、ユーザ端末が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0110】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0111】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0112】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0113】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0114】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0115】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0116】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【符号の説明】
【0117】
1…画像記録システム、2…カメラ、3…ビューファインダ、4…ディスプレイ、9…対象者、10…画像処理部、11…受付部、12…判定部、13…記録部、14…画像記憶部、15…案内部、301…カメラ位置、302…反射領域の代表点、311…見なしのカメラ方向、312…実際のカメラ方向。