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特許7462620半導体パッケージ、半導体パッケージの製造方法、および、電子装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】半導体パッケージ、半導体パッケージの製造方法、および、電子装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20240329BHJP
   H01L 23/02 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
H01L21/60 301C
H01L23/02 F
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021519271
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(86)【国際出願番号】 JP2020007661
(87)【国際公開番号】W WO2020230404
(87)【国際公開日】2020-11-19
【審査請求日】2023-01-06
(31)【優先権主張番号】P 2019092102
(32)【優先日】2019-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112955
【弁理士】
【氏名又は名称】丸島 敏一
(72)【発明者】
【氏名】金竹 光人
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-257334(JP,A)
【文献】特開2007-141957(JP,A)
【文献】特開2012-054264(JP,A)
【文献】特開2019-040893(JP,A)
【文献】特開2012-169528(JP,A)
【文献】特開2004-253693(JP,A)
【文献】特開2014-049477(JP,A)
【文献】特開2009-010261(JP,A)
【文献】特開2019-050338(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 21/56
H01L 23/02
H01L 23/08
H01L 23/28
H01L 23/29
H01L 23/31
H01L 27/146
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板に積層された半導体チップと、
前記半導体チップのチップ平面に設けられて前記基板にワイヤを介して接続されたバンプと、
保護材と、
前記チップ平面に設けられて前記チップ平面からの高さが前記バンプより高い位置に前記保護材を支持する支持体と、
前記チップ平面に設けられた半導体集積回路と、
前記半導体集積回路の周囲に沿って前記チップ平面に配列された複数のランドと
を具備し、
前記複数のランドの一部に前記バンプが設けられ、残りに前記支持体が設けられる
半導体パッケージ。
【請求項2】
前記保護材および前記半導体チップのそれぞれには電極が設けられ、
前記支持体は、前記電極に接続される
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記保護材を前記半導体チップに接着する接着剤をさらに具備する
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記接着剤は、紫外線硬化性樹脂である
請求項記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記接着剤は、熱硬化性樹脂である
請求項記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記支持体は、前記バンプと異なる複数のバンプを積層した積層バンプである
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記支持体は、半田ボールである
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記支持体は、銅ポストである
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項9】
前記支持体は、ドライフィルムである
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項10】
前記保護材は、カバーガラスであり、
前記半導体集積回路は、画像データを撮像する固体撮像素子である
請求項1記載の半導体パッケージ。
【請求項11】
基板と、
前記基板に積層された半導体チップと、
前記半導体チップのチップ平面に設けられて前記基板にワイヤを介して接続されたバンプと、
保護材と、
前記チップ平面に設けられて前記チップ平面からの高さが前記バンプより高い位置に前記保護材を支持する支持体と
を具備し、
前記保護材には凹部が設けられ、
前記支持体の一端は、前記凹部と嵌合する
半導体パッケージ。
【請求項12】
基板に積層された半導体チップのチップ平面に設けられたバンプと前記基板とをワイヤにより接続する接続手順と、
前記チップ平面からの高さが前記バンプより高い位置に保護材を支持する支持体を前記チップ平面に形成する支持体配置手順と、
前記保護材を配置する保護材配置手順と
を具備し、
前記チップ平面に設けられた半導体集積領域の周囲に沿って前記チップ平面に配列された複数のランドの一部に前記バンプが設けられ、残りに前記支持体が設けられる
半導体パッケージの製造方法。
【請求項13】
前記支持体が形成された後に前記チップ平面において半導体集積回路の周囲に紫外線硬化性樹脂を塗布する塗布手順をさらに具備し、
前記支持体配置手順において、前記紫外線硬化性樹脂が塗布された後に前記保護材を配置して前記紫外線硬化性樹脂を硬化させる
請求項12記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項14】
前記支持体が配置された後に前記チップ平面において半導体集積回路の周囲に熱硬化性樹脂を塗布する塗布手順をさらに具備する
請求項12記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項15】
基板と、
前記基板に積層された半導体チップと、
前記半導体チップのチップ平面に設けられて前記基板にワイヤを介して接続されたバンプと、
保護材と、
前記チップ平面に設けられて前記チップ平面からの高さが前記バンプより高い位置に前記保護材を支持する支持体と、
前記チップ平面に設けられた半導体集積回路と、
前記半導体集積回路の周囲に沿って前記チップ平面に配列された複数のランドと、
前記半導体集積回路により生成された信号を処理する信号処理回路と
を具備し、
前記複数のランドの一部に前記バンプが設けられ、残りに前記支持体が設けられる
電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、半導体パッケージに関する。詳しくは、保護材により半導体チップを保護した半導体パッケージ、半導体パッケージの製造方法、および、電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体集積回路の取り扱いを容易にするなどの目的で、その半導体集積回路を設けた半導体チップを基板に実装して密閉した半導体パッケージが用いられている。例えば、ワイヤにより基板に半導体チップを電気的に接続し、紫外線硬化性樹脂などの樹脂を用いてカバーガラス等の保護材と半導体チップとを接着した構造の半導体パッケージが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-076154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の半導体パッケージでは、半導体チップ内の固体撮像素子の周囲に硬化前の樹脂を塗布し、保護材(カバーガラスなど)を載置して、その樹脂を紫外線などにより硬化させることにより半導体チップを密閉している。しかしながら、硬化前の樹脂は液状であるため、その状態の樹脂に載置した保護材の表面が基板平面に対して水平にならずに傾くことがある。
【0005】
保護材がカバーガラスの場合、その表面が基板平面に対して傾くと、カバーガラスに入射した光が屈折し、その光の屈折に起因して固体撮像素子の撮像する画像が歪んで画質が低下してしまうおそれがある。ワイヤが保護材に接する程度に樹脂を薄く塗布すれば、基板平面に対して保護材を水平に配置することができるが、ワイヤが保護材に接触することにより損傷するおそれがある。このように、上述の半導体パッケージでは、ワイヤに保護材を接触させずに、基板平面に対して保護材を水平に配置することが困難である。
【0006】
本技術はこのような状況に鑑みて生み出されたものであり、ワイヤボンディングが行われた半導体パッケージにおいて、ワイヤに保護材を接触させずに、基板平面に対して保護材を水平に配置することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本技術は、上述の問題点を解消するためになされたものであり、その第1の側面は、基板と、上記基板に積層された半導体チップと、上記半導体チップのチップ平面に設けられて上記基板にワイヤを介して接続されたバンプと、保護材と、上記チップ平面に設けられて上記チップ平面からの高さが上記バンプより高い位置に上記保護材を支持する支持体とを具備する半導体パッケージである。これにより、ワイヤに接触しない位置で保護材が水平に支持されるという作用をもたらす。
【0008】
また、この第1の側面において、上記保護材および上記半導体チップのそれぞれには電極が設けられ、上記支持体は、上記電極に接続されてもよい。これにより、半導体チップで生じた熱の放熱性能が向上するという作用をもたらす。
【0009】
また、この第1の側面において、上記保護材には凹部が設けられ、上記支持体の一端は、上記凹部と嵌合してもよい。これにより、保護材の位置ずれが抑制されるという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記保護材を上記半導体チップに接着する接着剤をさらに具備してもよい。これにより、保護材が半導体チップに接着されるという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記接着剤は、紫外線硬化性樹脂であってもよい。これにより、紫外線の照射によって保護材が半導体チップに接着されるという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記接着剤は、熱硬化性樹脂であってもよい。これにより、熱処理によって保護材が半導体チップに接着されるという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記支持体は、上記バンプと異なる複数のバンプを積層した積層バンプであってもよい。これにより、製造コストが低減するという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記支持体は、半田ボールであってもよい。これにより、製造コストが低減するという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記支持体は、銅ポストであってもよい。これにより、支持体の高さの精度が向上するという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、上記支持体は、ドライフィルムであってもよい。これにより、支持体の高さの精度が向上するという作用をもたらす。
【0017】
また、この第1の側面において、上記保護材は、カバーガラスであり、画像データを撮像する固体撮像素子が上記チップ平面にさらに設けられてもよい。これにより、画像データが撮像されるという作用をもたらす。
【0018】
また、本技術の第2の側面は、基板に積層された半導体チップのチップ平面に設けられたバンプと上記基板とをワイヤにより接続する接続手順と、上記チップ平面からの高さが上記バンプより高い位置に保護材を支持する支持体を上記チップ平面に形成する支持体配置手順と、上記保護材を配置する保護材配置手順とを具備する半導体パッケージの製造方法である。これにより、ワイヤに接触しない位置で保護材が水平に支持された半導体パッケージが製造されるという作用をもたらす。
【0019】
また、この第2の側面において、上記支持体が形成された後に上記チップ平面において半導体集積回路の周囲に紫外線硬化性樹脂を塗布する塗布手順をさらに具備し、上記支持体配置手順において、上記紫外線硬化性樹脂が塗布された後に上記保護材を配置して上記紫外線硬化性樹脂を硬化させてもよい。これにより、紫外線の照射によって保護材が半導体チップに接着されるという作用をもたらす。
【0020】
また、この第2の側面において、上記支持体が配置された後に上記チップ平面において半導体集積回路の周囲に熱硬化性樹脂を塗布する塗布手順をさらに具備してもよい。これにより、熱処理によって保護材が半導体チップに接着されるという作用をもたらす。
【0021】
また、本技術の第2の側面は、基板と、上記基板に積層された半導体チップと、上記半導体チップのチップ平面に設けられて上記基板にワイヤを介して接続されたバンプと、保護材と、上記チップ平面に設けられて上記チップ平面からの高さが上記バンプより高い位置に上記保護材を支持する支持体と、上記半導体集積回路により生成された信号を処理する信号処理回路とを具備する電子装置である。これにより、ワイヤに接触しない位置で保護材が水平に支持された半導体パッケージにおいて信号が処理されるという作用をもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本技術の第1の実施の形態における電子装置の一構成例を示すブロック図である。
図2】本技術の第1の実施の形態における半導体パッケージの断面図および上面図の一例である。
図3】本技術の第1の実施の形態における支持体を増設した半導体パッケージの上面図の一例である。
図4】比較例における半導体パッケージの断面図および上面図の一例である。
図5】本技術の第1の実施の形態におけるカバーガラスの接着までの工程を説明するための図である。
図6】本技術の第1の実施の形態における個片化までの工程を説明するための図である。
図7】本技術の第1の実施の形態における半導体パッケージの製造方法の一例を示すフローチャートである。
図8】本技術の第1の実施の形態の第1の変形例における半導体パッケージの断面図および上面図の一例である。
図9】本技術の第1の実施の形態の第1の変形例におけるカバーガラスの接着までの工程を説明するための図である。
図10】本技術の第1の実施の形態の第2の変形例における半導体パッケージの断面図の一例である。
図11】本技術の第1の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージの断面図の一例である。
図12】本技術の第1の実施の形態の第4の変形例における半導体パッケージの断面図の一例である。
図13】本技術の第2の実施の形態における半導体パッケージの断面図の一例である。
図14】本技術の第2の実施の形態における半導体パッケージの上面図の一例である。
図15】本技術の第3の実施の形態における半導体パッケージの断面図の一例である。
図16】車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
図17】撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(半導体チップに支持体を形成する例)
2.第2の実施の形態(半導体チップに支持体を形成し、支持体を電極に接続する例)
3.第3の実施の形態(半導体チップに支持体を形成し、支持体を凹部に嵌合する例)
4.移動体への応用例
【0024】
<1.第1の実施の形態>
[電子装置の構成例]
図1は、本技術の第1の実施の形態における電子装置100の一構成例を示すブロック図である。この電子装置100は、画像データを撮像するための装置であり、光学部110、固体撮像素子120およびDSP(Digital Signal Processing)回路130を備える。さらに電子装置100は、表示部140、操作部150、バス160、フレームメモリ170、記憶部180および電源部190を備える。電子装置100としては、例えば、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラの他、スマートフォンやパーソナルコンピュータ、車載カメラ等が想定される。
【0025】
光学部110は、被写体からの光を集光して固体撮像素子120に導くものである。固体撮像素子120は、垂直同期信号に同期して、光電変換により画像データを生成するものである。ここで、垂直同期信号は、撮像のタイミングを示す所定周波数の周期信号である。固体撮像素子120は、生成した画像データをDSP回路130に供給する。
【0026】
DSP回路130は、固体撮像素子120からの画像データに対して所定の信号処理を実行するものである。このDSP回路130は、処理後の画像データをバス160を介してフレームメモリ170などに出力する。なお、DSP回路130は、特許請求の範囲に記載の信号処理回路の一例である。
【0027】
表示部140は、画像データを表示するものである。表示部140としては、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネルが想定される。操作部150は、ユーザの操作に従って操作信号を生成するものである。
【0028】
バス160は、光学部110、固体撮像素子120、DSP回路130、表示部140、操作部150、フレームメモリ170、記憶部180および電源部190が互いにデータをやりとりするための共通の経路である。
【0029】
フレームメモリ170は、画像データを保持するものである。記憶部180は、画像データなどの様々なデータを記憶するものである。電源部190は、固体撮像素子120、DSP回路130や表示部140などに電源を供給するものである。
【0030】
上述の構成において、例えば、固体撮像素子120およびDSP回路130は、半導体パッケージ内に実装される。
【0031】
[半導体パッケージの構成例]
図2は、本技術の第1の実施の形態における半導体パッケージ200の断面図および上面図の一例である。同図におけるaは、半導体パッケージ200の断面図の一例であり、同図におけるbは、半導体パッケージ200の上面図の一例である。
【0032】
同図におけるaに例示するように、半導体パッケージ200内には、カバーガラス210、半導体チップ220および回路基板230が配置される。
【0033】
以下、回路基板230の基板平面に垂直な方向を「Z方向」とし、基板平面に平行な所定方向を「X方向」とする。また、X方向およびZ方向に垂直な方向を「Y方向」とする。同図におけるaは、X方向から見た断面図である。
【0034】
カバーガラス210は、半導体チップ220を保護するものである。このカバーガラス210の両面のうち一方に、光学部110からの光が入射される。同図における矢印は、光の入射方向を示す。以下、回路基板230から光学部110への方向を上方とする。なお、カバーガラス210は、特許請求の範囲に記載の保護材の一例である。
【0035】
回路基板230の上面には、複数のバンプ232が設けられ、下面には複数の半田ボール233が設けられる。この回路基板230には、例えば、DSP回路130(不図示)が配置される。なお、回路基板230は、特許請求の範囲に記載の基板の一例である。
【0036】
また、回路基板230の上方に半導体チップ220が積層される。この半導体チップ220の上面をチップ平面として、そのチップ平面には、複数のバンプ222と、複数の支持体251と、固体撮像素子120と、接着剤241とが設けられる。また、回路基板230の基板平面のうちカバーガラス210および半導体チップ220の周囲は、封止樹脂242により封入されている。
【0037】
同図におけるbに例示するように、半導体チップ220の上面(すなわち、チップ平面)において、固体撮像素子120の周囲に接着剤241が塗布され、複数のランド221が配置される。これらのランド221の一部にバンプ222が設けられ、残りに支持体251が設けられる。支持体251は、例えば、チップ平面の4隅に配置される。これらの4隅の支持体251のそれぞれの高さは、同一に設定される。なお、同図におけるbにおいて、カバーガラス210および封止樹脂242は、記載の便宜上、省略されている。
【0038】
接着剤241は、カバーガラス210と半導体チップ220とを接着するものである。この接着剤241として、例えば、紫外線硬化性樹脂が用いられる。固体撮像素子120の周囲の接着剤241および支持体251により、カバーガラス210と固体撮像素子120との間には密閉された空間が形成されている。言い換えれば、半導体パッケージ200の構造は、中空構造である。
【0039】
また、回路基板230の上面において、半導体チップ220の周囲に複数のランド231が配置される。それらのランド231のそれぞれにバンプ232が設けられる。このバンプ232は、回路基板230の回路(DSP回路130など)に電気的に接続される。
【0040】
そして、回路基板230側のバンプ232は、半導体チップ220側のバンプ222とワイヤ129を介して接続される。すなわち、半導体チップ220は、ワイヤボンディングにより回路基板230に実装されている。また、バンプ222は、半導体チップ220上の固体撮像素子120に電気的に接続される。
【0041】
また、支持体251は、カバーガラス210を支持する部材であり、複数のバンプを積層した積層バンプにより実現されている。バンプの積層により、支持体251のチップ平面からの高さは、1段のバンプ222よりも高くなっている。バンプの積層により支持体251を製造することにより、ワイヤボンディングのためのバンプ222を製造する際と同じ工程により、支持体251を製造することができる。これにより、バンプ222と異なる工程で支持体251を製造する場合と比較して製造コストを削減することができる。
【0042】
また、バンプの段数を変更することにより、半導体チップ220とカバーガラス210との間の距離d1を容易に変更することができる。例えば、距離d1を100マイクロメートル(μm)以上にすることもできる。
【0043】
上述したように、回路基板230に半導体チップ220が積層され、そのチップ平面にバンプ222と固体撮像素子120と支持体251とが設けられている。バンプ222は、ワイヤ129を介して回路基板230に接続され、また、固体撮像素子120に接続される。その回路基板230は、半田ボール233を介して、半導体パッケージ200の外部の回路と接続される。また、支持体251は、バンプ222よりも高いため、バンプ222よりも高い位置にカバーガラス210を支持することができる。
【0044】
支持体251がバンプ222よりも高い位置でカバーガラス210を支持することにより、ワイヤ129にカバーガラス210を接触させずに、カバーガラス210を配置することができる。4隅の支持体251のそれぞれの高さは同一であるため、カバーガラス210の表面は、回路基板230の基板平面に対して水平となる。
【0045】
ワイヤ129にカバーガラス210を接触させないことにより、ワイヤ129が損傷することや、ワイヤ129のストレスの増大により、電気信号(画像データなど)にノイズが生じることを防止することができる。また、支持体251を十分に高くしてカバーガラス210と半導体チップ220とを離すことにより、カバーガラス210上にゴミなどの遮蔽物がある場合であっても、画像上の遮蔽物を小さくし、画質低下を抑制することができる。
【0046】
なお、支持体251をチップ平面の4隅に配置しているが、この配置に限定されない。例えば、図3に例示するように、4隅に加えて、半導体チップ220の辺に沿って支持体251を配置することもできる。支持体251の個数を増大することにより、カバーガラス210の傾きをより確実に無くすことができる。なお、4隅には支持体251を配置せず、4隅以外の固体撮像素子120の周囲に支持体251を配置することもできる。
【0047】
また、半導体チップ220上に固体撮像素子120を配置しているが、この構成に限定されない。ToF(Time of Flight)センサーなど、固体撮像素子120以外の半導体集積回路を半導体チップ220上に配置することもできる。なお、固体撮像素子120は、特許請求の範囲に記載の半導体集積回路の一例である。
【0048】
また、カバーガラス210により半導体チップ220を保護しているが、この構成に限定されない。搭載される半導体集積回路が光の入射を要しないものであれば、プラスチックなど、カバーガラス210以外の保護材により半導体チップ220を保護することもできる。
【0049】
また、接着剤241として、紫外線硬化性樹脂を用いているが、この構成に限定されない。後述する熱硬化性樹脂など、紫外線硬化性樹脂以外の物質を接着剤として用いることができる。
【0050】
図4は、支持体251を設けない比較例における半導体パッケージの断面図および上面図の一例である。同図におけるaは、比較例の半導体パッケージの断面図の一例であり、同図におけるbは、比較例の半導体パッケージの上面図の一例である。
【0051】
同図におけるaおよびbに例示するように、支持体251を配置しない構成では、ワイヤの損傷を回避するために、接着剤の厚み(言い換えれば、高さ)を十分に大きくする必要がある。硬化する前の接着剤は液状であるため、その状態の接着剤にカバーガラスを載置すると、カバーガラスの表面が基板平面に対して傾くことがある。カバーガラスが傾くと、そのカバーガラスに入射した光が屈折し、その光の屈折に起因して固体撮像素子の撮像する画像が歪んで画質が低下してしまうおそれがある。
【0052】
傾きを無くすには、例えば、国際公開第2008/032404号明細書に記載のように、カバーガラスがワイヤに接する程度の高さ(20マイクロメートルなど)になるように接着剤を薄く塗布すればよい。しかし、この構成では、ワイヤがカバーガラスに接触するおそれがある。ワイヤがカバーガラスに接触すると、ワイヤが損傷するおそれや、ワイヤのストレスの増大により電気信号にノイズが生じるおそれがある。また、カバーガラスの高さが低くなり、カバーガラスの下面の欠陥が生じるおそれがある。
【0053】
これに対して、支持体251を配置する構成では、バンプ222よりも高い位置にカバーガラス210を支持することができるため、ワイヤ129にカバーガラス210を接触させずに、カバーガラス210を水平に配置することができる。
【0054】
[半導体パッケージの製造方法]
図5は、本技術の第1の実施の形態におけるカバーガラス210の接着までの工程を説明するための図である。同図におけるaは、ワイヤボンディングの工程を説明するための図である。同図におけるbは、支持体251の設置の工程を説明するための図である。同図におけるcは、接着剤241の塗布の工程を説明するための図である。同図におけるdは、カバーガラス210の接着の工程を説明するための図である。
【0055】
同図におけるaに例示するように半導体パッケージ200の製造システムは、ワイヤボンディングにより回路基板230に半導体チップ220を接合する。半導体チップ220上のバンプ222のチップ平面からの高さはd2である。次に同図におけるbに例示するように、製造システムは、半導体チップ220の4隅に支持体251を設置する。この支持体251の高さd1は、前述したようにバンプ222の高さd2より高い。ワイヤ129が接触しないように、高さd1は十分に大きな値に設定される。
【0056】
そして、同図におけるcに例示するように、製造システムは、接着剤241を固体撮像素子120の周囲に塗布する。この接着剤241として、紫外線硬化性樹脂が用いられるものとする。続いて、同図におけるdに例示するように、製造システムは、カバーガラス210を搭載し、紫外線の照射により接着剤241(紫外線硬化性樹脂)を硬化させる。これにより、カバーガラス210が半導体チップ220に接着される。
【0057】
図6は、本技術の第1の実施の形態における個片化までの工程を説明するための図である。同図におけるaは、封止および半田ボールの形成の工程を説明するための図である。同図におけるbは、個片化の工程を説明するための図である。
【0058】
同図におけるaに例示するように、製造システムは、回路基板230の基板平面のうちカバーガラス210および半導体チップ220の周囲に封止樹脂242を流し込み、封入する。また、製造システムは、半導体パッケージ200を外部に接続するための半田ボール233を回路基板230の下面に形成する。そして、同図におけるbに例示するように、製造システムは、ダイシングソーなどにより回路基板230等を切り出して、複数の半導体パッケージ200に個片化する。
【0059】
図7は、本技術の第1の実施の形態における半導体パッケージ200の製造方法の一例を示すフローチャートである。製造システムは、ワイヤボンディングにより回路基板230に半導体チップ220を接合し(ステップS901)、支持体251を設置する(ステップS902)。そして、製造システムは、接着剤241を固体撮像素子120の周囲に塗布し(ステップS903)、接着剤241によりカバーガラス210を半導体チップ220に接着する(ステップS904)。
【0060】
続いて、製造システムは、封止樹脂242により封止し、半田ボール233を回路基板230の下面に形成する(ステップS905)。そして、製造システムは、ダイシングソーなどにより回路基板230等を切り出して、複数の半導体パッケージ200に個片化する(ステップS906)。
【0061】
このように、本技術の第1の実施の形態によれば、支持体251が、バンプ222より高い位置にカバーガラス210を支持するため、ワイヤ129にカバーガラス210を接触させずにカバーガラス210を水平に配置することができる。これにより、カバーガラス210の接触によるワイヤ129の損傷やノイズの発生を防止しつつ、カバーガラス210の傾きを無くすことができる。
【0062】
[第1の変形例]
上述の第1の実施の形態では、紫外線硬化性樹脂を接着剤241として用いていたが、紫外線硬化性樹脂は、一般に光の透過率や反射率が高い。このため、紫外線硬化性樹脂を透過した光や、紫外線硬化樹脂で反射した光が固体撮像素子120に入射され、画像データにフレアやゴーストが生じるおそれがある。この第1の実施の形態の第1の変形例の半導体パッケージ200は、接着剤として熱硬化性樹脂を用いる点において第1の実施の形態と異なる。
【0063】
図8は、本技術の第1の実施の形態の第1の変形例における半導体パッケージ200の断面図および上面図の一例である。同図におけるaは、第1の実施の形態の第1の変形例における半導体パッケージ200の断面図の一例であり、同図におけるbは、第1の実施の形態の第1の変形例における半導体パッケージ200の上面図の一例である。
【0064】
同図におけるaおよびbに例示するように、第1の実施の形態の第1の変形例の半導体パッケージ200は、接着剤241の代わりに接着剤243が塗布される点において第1の実施の形態と異なる。この接着剤243として、例えば、熱硬化性樹脂が用いられる。この熱硬化性樹脂の色は、一般に黒色など、透過率および反射率の低い色である。このような熱硬化性樹脂を固体撮像素子120の周囲に塗布することにより、フレア等の発生を抑制することができる。
【0065】
図9は、本技術の第1の実施の形態の第1の変形例におけるカバーガラス210の接着までの工程を説明するための図である。同図におけるaは、ワイヤボンディングの工程を説明するための図である。同図におけるbは、支持体251の設置の工程を説明するための図である。同図におけるcは、カバーガラス210の配置の工程を説明するための図である。同図におけるdは、接着剤243の塗布の工程を説明するための図である。
【0066】
同図におけるaに例示するように半導体パッケージ200の製造システムは、ワイヤボンディングにより回路基板230に半導体チップ220を接合する。次に同図におけるbに例示するように、製造システムは、半導体チップ220の4隅に支持体251を設置する。
【0067】
そして、同図におけるcに例示するように、製造システムは、カバーガラス210を配置する。続いて同図におけるdに例示するように製造システムは、チップ平面において固体撮像素子120の周囲に熱硬化性樹脂を接着剤243として塗布し、熱処理により硬化させる。
【0068】
このように、本技術の第1の実施の形態の第1の変形例によれば、透過率および反射率の低い熱硬化性樹脂を接着剤243として塗布したため、反射光や透過光に起因して生じるフレアやゴーストの発生を抑制することができる。
【0069】
[第2の変形例]
上述の第1の実施の形態では、複数段のバンプを積層することにより支持体251を形成していたが、バンプの段数が多くなるほど工数が増大するおそれがある。この第1の実施の形態の第2の変形例の半導体パッケージ200は、半田ボールを支持体として配置する点において第1の実施の形態と異なる。
【0070】
図10は、本技術の第1の実施の形態の第2の変形例における半導体パッケージ200の断面図の一例である。この第1の実施の形態の第2の変形例の半導体パッケージ200は、支持体251の代わりに支持体252が配置される点において第1の実施の形態と異なる。この支持体252として、半田ボールが用いられる。半田ボールの高さは、第1の実施の形態と同様にバンプ222よりも高い。半田ボールを支持体252として用いることにより、複数のバンプを積層する第1の実施の形態と比較して、支持体252を形成する際の工数を削減することができる。また、半田ボールの材料は、バンプの材料と比較して安価であるため、半田ボールの使用により製造コストを削減することができる。
【0071】
なお、第1の実施の形態の第2の変形例に、第1の変形例を適用することができる。
【0072】
このように、本技術の第1の実施の形態の第2の変形例によれば、半田ボールを支持体252として配置したため、複数段のバンプを支持体として配置する場合と比較して、工数や製造コストを削減することができる。
【0073】
[第3の変形例]
上述の第1の実施の形態では、複数段のバンプを積層することにより支持体251を形成していたが、バンプの段数の調整により高さを高精度で制御することは困難である。この第1の実施の形態の第3の変形例の半導体パッケージ200は、銅ポストを支持体として配置する点において第1の実施の形態と異なる。
【0074】
図11は、本技術の第1の実施の形態の第3の変形例における半導体パッケージ200の断面図の一例である。この第1の実施の形態の第3の変形例の半導体パッケージ200は、支持体251の代わりに支持体253が配置される点において第1の実施の形態と異なる。この支持体253として、銅ポストが用いられる。銅ポストの高さは、第1の実施の形態と同様にバンプ222よりも高い。ここで、銅ポストは、円柱状の銅製の部材であり、銅ピラーとも呼ばれる。この銅ポストは、ウェハープロセスでの製造が可能であり、その高さのばらつきを数マイクロメートル(μm)レベルで制御することができる。このため、高精度で、支持体253の高さを制御することができる。
【0075】
なお、第1の実施の形態の第3の変形例に、第1の変形例を適用することができる。
【0076】
このように、本技術の第1の実施の形態の第3の変形例によれば、銅ポストを支持体253として配置したため、複数のバンプを支持体として配置する場合と比較して高さの精度を向上させることができる。
【0077】
[第4の変形例]
上述の第1の実施の形態では、複数段のバンプを積層することにより支持体251を形成していたが、バンプの段数の調整により高さを高精度で制御することは困難である。この第1の実施の形態の第4の変形例の半導体パッケージ200は、ドライフィルムを支持体として配置する点において第1の実施の形態と異なる。
【0078】
図12は、本技術の第1の実施の形態の第4の変形例における半導体パッケージ200の断面図の一例である。この第1の実施の形態の第4の変形例の半導体パッケージ200は、支持体251の代わりに支持体254が配置される点において第1の実施の形態と異なる。この支持体254として、ドライフィルムが用いられる。ドライフィルムの高さ(言い換えれば、厚み)は、第1の実施の形態と同様にバンプ222よりも高い。ここで、ドライフィルムは、乳剤層、ポリエステルや、ハレーション防止層で構成される感光性フィルムである。このドライフィルムは、ウェハープロセスでの製造が可能であり、その厚みのばらつきを数マイクロメートル(μm)レベルで制御することができる。このため、高精度で、支持体254の高さを制御することができる。
【0079】
なお、第1の実施の形態の第4の変形例に、第1の変形例を適用することができる。
【0080】
このように、本技術の第1の実施の形態の第4の変形例によれば、ドライフィルムを支持体254として配置したため、複数のバンプを支持体として配置する場合と比較して高さの精度を向上させることができる。
【0081】
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、支持体251をカバーガラス210の下面に直接、接続していたが、半導体チップ220の発熱量が多い場合、その熱を十分に放熱することができないおそれがある。この第2の実施の形態の半導体パッケージ200は、カバーガラス210の下面に電極を設け、その電極に支持体251を接続することにより、放熱性能を向上させた点において第1の実施の形態と異なる。
【0082】
図13は、本技術の第2の実施の形態における半導体パッケージ200の断面図の一例である。この第2の実施の形態の半導体パッケージ200は、電極211および223がさらに形成される点において第1の実施の形態と異なる。
【0083】
電極211は、カバーガラス210の下面において、支持体251の配置箇所(4隅など)に形成される。電極223は、半導体チップ220の上面(すなわち、チップ表面)において、支持体251の配置箇所(4隅など)に形成される。支持体251の上端は、電極211に接続され、下端は、電極223に接続される。
【0084】
電極211および223の材質はメタルであり、信号を伝送しないものとする。なお、これらの電極が信号を伝送する構成であってもよい。この場合、電極211および223に回路(DSP回路130など)が接続される。また、上側の電極211に接続される信号線は、例えば、カバーガラス210を貫通した経路に配線される。
【0085】
同図における白抜きの矢印は、熱が伝導する経路を示す。同図に例示するように半導体チップ220で生じた熱は、電極223、支持体251および電極211を経由して、カバーガラス210に伝導される。電極223および211の材質は、メタルであるため、カバーガラス210よりも熱伝導率が高い。このため、これらの電極の追加により、半導体チップ220で生じた熱の放熱性能を向上させることができる。放熱性能の向上により、半導体チップ220や回路基板230の反りや、それらに設けられた回路(固体撮像素子120など)の誤動作を防止することができる。
【0086】
なお、第2の実施の形態に、第1乃至第3の変形例を適用することができる。
【0087】
また、電極223をグランドに接続することにより、電極223および211を電磁シールドとして機能させることもできる。この場合には、図14に例示するように、固体撮像素子120の周囲を覆うように電極211を形成するなど、電極223や211の面積を拡大することが望ましい。
【0088】
このように、本技術の第2の実施の形態によれば、電極223および211を設けて支持体251に接続したため、半導体チップ220で生じた熱の放熱性能を向上させることができる。これにより、半導体チップ220や回路基板230の反りや、それらに設けられた回路の誤動作を防止することができる。
【0089】
<3.第3の実施の形態>
上述の第1の実施の形態では、支持体251をカバーガラス210の下面に直接、接続していたが、硬化前の接着剤241は液状であるため、カバーガラス210のX方向やY方向における位置が規定の位置からずれるおそれがある。この第3の実施の形態の半導体パッケージ200は、カバーガラス210に凹部212を形成し、その凹部212に支持体251を嵌合させて位置ずれを防止する点において第1の実施の形態と異なる。
【0090】
図15は、本技術の第3の実施の形態における半導体パッケージ200の断面図の一例である。この第3の実施の形態の半導体パッケージ200は、カバーガラス210の下面に凹部212が形成される点において第1の実施の形態と異なる。
【0091】
凹部212は、カバーガラス210の下面において、支持体251の配置箇所(4隅など)に形成される。支持体251の上端は、この凹部212に嵌合して配置される。これにより、基板平面に平行な方向(X方向やY方向)における、カバーガラス210の位置ずれを防止することができる。
【0092】
なお、第3の実施の形態に、第1乃至第4の変形例を適用することができる。
【0093】
このように、本技術の第3の実施の形態によれば、カバーガラス210の凹部212に支持体251の一端が嵌合するため、基板平面に平行な方向におけるカバーガラス210の位置ずれを防止することができる。
【0094】
<4.移動体への応用例>
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0095】
図16は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0096】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図16に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0097】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0098】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0099】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0100】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0101】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0102】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0103】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0104】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0105】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図16の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0106】
図17は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0107】
図17では、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0108】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0109】
なお、図17には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0110】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0111】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0112】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0113】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0114】
以上、本開示に係る技術が適用され得る車両制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部12031等に適用され得る。具体的には、図1の電子装置100は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、カバーガラスの傾きの防止によって、より見やすい撮影画像を得ることができるため、ドライバの疲労を軽減することが可能になる。
【0115】
なお、上述の実施の形態は本技術を具現化するための一例を示したものであり、実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本技術の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本技術は実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
【0116】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって、限定されるものではなく、また、他の効果があってもよい。
【0117】
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)基板と、
前記基板に積層された半導体チップと、
前記半導体チップのチップ平面に設けられて前記基板にワイヤを介して接続されたバンプと、
保護材と、
前記チップ平面に設けられて前記チップ平面からの高さが前記バンプより高い位置に前記保護材を支持する支持体と
を具備する半導体パッケージ。
(2)前記保護材および前記半導体チップのそれぞれには電極が設けられ、
前記支持体は、前記電極に接続される
前記(1)記載の半導体パッケージ。
(3)前記保護材には凹部が設けられ、
前記支持体の一端は、前記凹部と嵌合する
前記(1)記載の半導体パッケージ。
(4)前記保護材を前記半導体チップに接着する接着剤をさらに具備する
前記(1)から(3)のいずれかに記載の半導体パッケージ。
(5)前記接着剤は、紫外線硬化性樹脂である
前記(4)記載の半導体パッケージ。
(6)前記接着剤は、熱硬化性樹脂である
前記(4)記載の半導体パッケージ。
(7)前記支持体は、前記バンプと異なる複数のバンプを積層した積層バンプである
前記(1)から(6)のいずれかに記載の半導体パッケージ。
(8)前記支持体は、半田ボールである
前記(1)から(6)のいずれかに記載の半導体パッケージ。
(9)前記支持体は、銅ポストである
前記(1)から(6)のいずれかに記載の半導体パッケージ。
(10)前記支持体は、ドライフィルムである
前記(1)から(6)のいずれかに記載の半導体パッケージ。
(11)前記保護材は、カバーガラスであり、
画像データを撮像する固体撮像素子が前記チップ平面にさらに設けられる
前記(1)から(10)のいずれかに記載の半導体パッケージ。
(12)基板に積層された半導体チップのチップ平面に設けられたバンプと前記基板とをワイヤにより接続する接続手順と、
前記チップ平面からの高さが前記バンプより高い位置に保護材を支持する支持体を前記チップ平面に形成する支持体配置手順と、
前記保護材を配置する保護材配置手順と
を具備する半導体パッケージの製造方法。
(13)前記支持体が形成された後に前記チップ平面において半導体集積回路の周囲に紫外線硬化性樹脂を塗布する塗布手順をさらに具備し、
前記支持体配置手順において、前記紫外線硬化性樹脂が塗布された後に前記保護材を配置して前記紫外線硬化性樹脂を硬化させる
前記(12)記載の半導体パッケージの製造方法。
(14)前記支持体が配置された後に前記チップ平面において半導体集積回路の周囲に熱硬化性樹脂を塗布する塗布手順をさらに具備する
前記(12)記載の半導体パッケージの製造方法。
(15)基板と、
前記基板に積層された半導体チップと、
前記半導体チップのチップ平面に設けられて前記基板にワイヤを介して接続されたバンプと、
保護材と、
前記チップ平面に設けられて前記チップ平面からの高さが前記バンプより高い位置に前記保護材を支持する支持体と、
前記半導体集積回路により生成された信号を処理する信号処理回路と
を具備する電子装置。
【符号の説明】
【0118】
100 電子装置
110 光学部
120 固体撮像素子
130 DSP(Digital Signal Processing)回路
140 表示部
150 操作部
160 バス
170 フレームメモリ
180 記録部
190 電源部
200 半導体パッケージ
210 カバーガラス
211、223 電極
212 凹部
220 半導体チップ
221、231 ランド
222、232 バンプ
230 回路基板
233 半田ボール
241、243 接着剤
242 封止樹脂
251~254 支持体
12031 撮像部
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