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特許7462624深層学習に基づく超音波撮像ガイダンス並びに関連するデバイス、システム、及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】深層学習に基づく超音波撮像ガイダンス並びに関連するデバイス、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
A61B8/14
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021520363
(86)(22)【出願日】2019-10-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 EP2019078079
(87)【国際公開番号】W WO2020079077
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】62/746,042
(32)【優先日】2018-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】弁理士法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】トポレク グジェゴジ アンドレイ
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-134386(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0360401(US,A1)
【文献】特開2010-279486(JP,A)
【文献】特表2017-530744(JP,A)
【文献】国際公開第2017/156329(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/161277(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 - 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波画像を取得するためのガイダンスシステムであって、前記ガイダンスシステムは、超音波撮像デバイス、カメラ、及びディスプレイと通信するプロセッサを備え、前記プロセッサは、
第1の位置から対象者の解剖学的構造の目標画像ビューに向かって前記超音波撮像デバイスを再位置決めするために、第1の予測ネットワークの座標系である第1の座標系に基づいて前記第1の位置を表す前記第1の予測ネットワークに基づいて決定される第1の運動制御構成を取得することであって、前記プロセッサは、
前記超音波撮像デバイスから、前記超音波撮像デバイスが前記第1の位置に位置決めされたときに前記対象者の解剖学的構造を表す超音波画像を受信することと、
前記第1の運動制御構成を生成するために前記第1の予測ネットワークを前記超音波画像に適用することと
によって、前記第1の運動制御構成を取得することと、
前記カメラによって撮影された画像に基づいて前記超音波撮像デバイスに関連する位置情報を求めることであって、前記画像は、前記対象者の解剖学的構造と、前記第1の位置に位置決めされた前記超音波撮像デバイスとを含み、前記カメラの座標系である第2の座標系に基づいて前記第1の位置を表す、前記位置情報を求めることと、
前記位置情報に基づいて前記第1の座標系と前記第2の座標系との間の座標系変換を決定することと、
前記第1の運動制御構成及び前記座標系変換に基づいて第2の運動制御構成を決定することと、
前記第1の運動制御構成及び前記第2の運動制御構成に基づいて、前記第1の位置から第2の位置へと前記超音波撮像デバイスを再位置決めする指示を決定し、前記指示を前記ディスプレイに対して出力することと、
を行う、ガイダンスシステム。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記第1の運動制御構成と前記第2の運動制御構成とを結合することによって前記指示を決定する、請求項1に記載のガイダンスシステム。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記第1の運動制御構成と前記第2の運動制御構成との比較に基づいて前記指示を決定する、請求項1に記載のガイダンスシステム。
【請求項4】
前記超音波撮像デバイスはマーカーに結合され、前記画像は前記マーカーを含み、前記プロセッサは、前記超音波撮像デバイスと前記マーカーとの間の相対位置に基づいて前記座標系変換を決定する、請求項1に記載のガイダンスシステム。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記カメラと前記対象者の解剖学的構造との間の相対位置に基づいて前記座標系変換を決定する、請求項1に記載のガイダンスシステム。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記カメラと前記対象者上に位置決めされたマーカーとの間の相対位置に基づいて前記座標系変換を決定する、請求項1に記載のガイダンスシステム。
【請求項7】
前記第1の運動制御構成は、第1の回転又は第1の並進のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のガイダンスシステム。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記対象者の解剖学的構造及び前記超音波撮像デバイスを含む前記画像と、前記超音波撮像デバイスを前記第2の位置に再位置決めするための回転又は並進のうちの少なくとも1つのグラフィカル表現の重畳とを表示するように前記指示を出力する、請求項1に記載のガイダンスシステム。
【請求項9】
前記カメラと前記ディスプレイとを更に備える、請求項1に記載のガイダンスシステム。
【請求項10】
前記カメラと、前記プロセッサと、前記ディスプレイとを備えるモバイルデバイスを更に備える、請求項1に記載のガイダンスシステム。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記第1の運動制御構成を生成するために前記第1の予測ネットワークを前記超音波画像の関心領域に適用することによって前記第1の運動制御構成を取得する、請求項1に記載のガイダンスシステム。
【請求項12】
前記プロセッサは、
前記プロセッサと通信するユーザインタフェースから、前記関心領域の選択を受信すること、又は、
第2の予測ネットワークに基づいて前記関心領域を決定すること
のうちの少なくとも一方によって前記第1の運動制御構成を取得する、
請求項11に記載のガイダンスシステム。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記超音波画像内の関心領域を決定し、決定された前記関心領域に基づいて前記第1の運動制御構成を決定するために前記第1の予測ネットワークを適用することによって前記第1の運動制御構成を取得する、請求項1に記載のガイダンスシステム。
【請求項14】
超音波撮像ガイダンスを提供する方法であって、前記方法は、
第1の位置から対象者の解剖学的構造の目標画像ビューに向かって位置決めされた超音波撮像デバイスを再位置決めするために、第1の予測ネットワークの座標系である第1の座標系に基づいて前記第1の位置を表す前記第1の予測ネットワークに基づいて決定される第1の運動制御構成を取得するステップであって、
前記超音波撮像デバイスから、前記超音波撮像デバイスが前記第1の位置に位置決めされたときに前記対象者の解剖学的構造を表す超音波画像を受信するステップと、
前記第1の運動制御構成を生成するために前記第1の予測ネットワークを前記超音波画像に適用するステップと
を含む、前記第1の運動制御構成を取得するステップと、
カメラによって撮影された画像に基づいて前記超音波撮像デバイスに関連する位置情報を求めるステップであって、前記画像は、前記対象者の解剖学的構造と、前記第1の位置に位置決めされた前記超音波撮像デバイスとを含み、前記カメラの座標系である第2の座標系に基づいて前記第1の位置を表す、前記位置情報を求めるステップと、
前記位置情報に基づいて前記第1の座標系と前記第2の座標系との間の座標系変換を決定するステップと、
前記第1の運動制御構成及び前記座標系変換に基づいて第2の運動制御構成を決定するステップと、
前記第1の運動制御構成及び前記第2の運動制御構成に基づいて、前記第1の位置から第2の位置へと前記超音波撮像デバイスを再位置決めする指示を決定し、前記指示をディスプレイ上に表示するステップと、
を有する、方法。
【請求項15】
前記第1の運動制御構成と前記第2の運動制御構成とに結合関数を適用すること、又は、前記第1の運動制御構成と前記第2の運動制御構成とに比較関数を適用することのうちの少なくとも一方によって、前記指示を決定するステップを更に有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記超音波撮像デバイスはマーカーに結合され、前記画像は前記マーカーを含み、前記方法は、前記超音波撮像デバイスと前記マーカーとの間の相対位置に基づいて前記座標系変換を決定するステップを更に有する、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記カメラと前記対象者の解剖学的構造との間の相対位置に基づいて前記座標系変換を決定するステップを更に有する、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示は、概して、超音波撮像に関し、特には、超音波トランスデューサを所望の撮像平面に位置決めするために視覚的ガイダンス又はフィードバックを提供することに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002] 超音波撮像は、医師が医学的状態を診断及び治療することを助ける非侵襲的な医学的テストである。超音波撮像は、人間の身体内の組織、臓器、及び/又は血流の画像を生成するために高周波音波を使用する。超音波撮像システムは、目標となる身体部分(例えば、組織及び臓器)に向かって音波を送り、反射されて戻ってきたエコーを記録し、それによって目標となる身体部分のサイズ、形状及び質量を定めるために励起又はトリガされ得る超音波トランスデューサ又はトランスデューサアレイを含む。超音波撮像システムは、Bモード及びドップラフローなどの種々の撮像モードを使用する。Bモード撮像では、超音波撮像システムは組織の2次元的画像を作成し、この画像においては、ピクセルの明るさは反射されたエコーの強度に基づく。ドップラフロー撮像では、超音波システムは、ドップラ効果に基づいて流体(例えば、血液)又は組織の動きを求め、反射されたエコーは入射波に対して周波数においてシフトされる。
【0003】
[0003] 近年、ベッドサイドにおけるポイントオブケア(POC)超音波撮像が、集中治療室(ICU)及び緊急的な状況において、様々なタイプの診断、例えば、心臓、肝臓及び/又は肺に関連する診断のために支持を得ている。POC超音波撮像システムにおいて、超音波トランスデューサは、モバイルデバイスに接続する手持ち型超音波プローブの形態であり、モバイルデバイスに超音波画像が表示される。臨床的評価の最中に、臨床医は、評価のために特定の解剖学的構造を撮像するために最適な撮像ビューの場所を特定するためにデカルト平面に沿って手持ち型プローブを移動させる。しかしながら、プローブの複数の自由度のために、臨床医にとって最適なビューを見つけることは、時間がかかり、困難なものになる。短縮遠近法で描かれたビュー平面又は撮像平面は、誤診に、及び/又は診察の不必要な繰り返しにつながることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004] 既存の超音波撮像は、臨床的診察及び診断のために有用であることが分かっているが、撮像コンポーネントを所望の撮像平面に位置整合させるための効率的で、正確で、自動的な処置を提供するための向上されたシステム及び技術に対する臨床的必要性が依然として存在する。本開示の実施形態は、超音波診察のために超音波撮像プローブを最適な位置に位置決めする際にユーザを補助及びガイドするハイブリッド自動的プローブ位置決めガイダンス手法を提供する。開示される実施形態は、運動予測の精度を向上させるために、カメラ追跡による画像に基づく運動予測を提供するために深層学習ネットワークを利用する。例えば、臨床医は、関心対象となる患者の解剖学的構造に対する第1の位置に撮像プローブを位置決めし、患者の解剖学的構造の超音波画像を撮影する。同時に、カメラが、撮像プローブ及び患者のカメラ画像を撮影し得る。撮像プローブを所望の撮像ビューに向かって操縦するための第1の運動制御構成を予測するために、深層学習ネットワークが超音波画像に適用され得る。撮像プローブを所望の撮像ビューに向かって操縦するための第2の運動制御構成を決定するために、追跡アルゴリズムがカメラ画像に適用され得る。開示される実施形態は、自動的プローブガイダンスを提供するために、深層学習からの第1の運動制御構成を追跡からの第2の運動制御構成と結合させる。この結合は、自動的プローブガイダンスの精度を向上させ得る。開示される実施形態は、カメラ画像に重畳されるグラフィカル表現を使用してプローブガイダンス指示をリアルタイムで表示する。開示される実施形態は、深層学習ネットワークを適用する前に、関連性のない画像データ及び/又は画像品質の低い画像データをフィルタリングによって取り除くことによって、深層学習に基づく運動検知を更に向上させ得る。画像データのフィルタリングは、深層学習ネットワークの複雑さを低減し得、及び/又は深層学習に基づく運動予測の性能を向上させ得る。開示される実施形態は、任意の超音波撮像システムに適用され得る。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005] 一実施形態において、超音波画像を取得するためのガイダンスシステムは、カメラ及びディスプレイと通信するプロセッサであって、プロセッサは、第1の位置から対象者の解剖学的構造の目標画像ビューに向かって超音波撮像デバイスを再位置決めするために、第1の予測ネットワークに基づいて決定される第1の運動制御構成を取得することと;カメラによって撮影された画像に基づいて超音波撮像デバイスに関連する位置情報を求めることであって、画像は、対象者の解剖学的構造と、第1の位置に位置決めされた超音波撮像デバイスとを含む、位置情報を求めることと;第1の運動制御構成及び超音波撮像デバイスに関連する位置情報に基づいて第1の位置から第2の位置へと超音波撮像デバイスを再位置決めする指示を、ディスプレイに対して出力することとを行うように構成されたプロセッサを備える。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態において、第1の予測ネットワークは、第1の座標系に基づいて第1の位置を表し、カメラによって撮影された画像は、第2の座標系に基づいて第1の位置を表し、プロセッサは、位置情報に基づいて第1の座標系と第2の座標系との間の座標系変換を決定することと;第1の運動制御構成及び座標系変換に基づいて第2の運動制御構成を決定することと;第1の運動制御構成及び第2の運動制御構成に基づいて指示を決定することとを行うように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、第1の運動制御構成と第2の運動制御構成とを結合することによって指示を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、第1の運動制御構成と第2の運動制御構成との比較に基づいて指示を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、超音波撮像デバイスはマーカーに結合され、画像はマーカーを含み、プロセッサは、超音波撮像デバイスとマーカーとの間の相対位置に基づいて座標系変換を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、カメラと対象者の解剖学的構造との間の相対位置に基づいて座標系変換を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、カメラと対象者上に位置決めされたマーカーとの間の相対位置に基づいて座標系変換を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、第1の運動制御構成は、第1の回転又は第1の並進のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、プロセッサは、対象者の解剖学的構造及び超音波撮像デバイスを含む画像と;超音波撮像デバイスを第2の位置に再位置決めするための回転又は並進のうちの少なくとも1つのグラフィカル表現の重畳とを表示するように指示を出力するように構成される。いくつかの実施形態において、特許請求の範囲のガイダンスシステムは、カメラと;ディスプレイとを更に備える。いくつかの実施形態において、ガイダンスシステムは、カメラと、プロセッサと、ディスプレイとを備えるモバイルデバイスを更に備える。いくつかの実施形態において、プロセッサは超音波撮像デバイスと通信し、プロセッサは、超音波撮像デバイスから、超音波撮像デバイスが第1の位置に位置決めされたときに対象者の解剖学的構造を表す超音波画像を受信することと;第1の運動制御構成を生成するために第1の予測ネットワークを超音波画像に適用することとによって第1の運動制御構成を取得するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、第1の運動制御構成を生成するために第1の予測ネットワークを超音波画像の関心領域(ROI)に適用することによって第1の運動制御構成を取得するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、プロセッサと通信するユーザインタフェースから、ROIの選択を受信すること;又は、第2の予測ネットワークに基づいてROIを決定することのうちの少なくとも一方によって第1の運動制御構成を取得するように構成される。いくつかの実施形態において、プロセッサは、超音波画像内の関心領域(ROI)を決定し、決定されたROIに基づいて第1の運動制御構成を決定するために第1の予測ネットワークを適用することによって第1の運動制御構成を取得するように構成される。
【0007】
[0007] 一実施形態において、超音波撮像ガイダンスを提供する方法は、第1の位置から対象者の解剖学的構造の目標画像ビューに向かって位置決めされた超音波撮像デバイスを再位置決めするために、第1の予測ネットワークに基づいて決定される第1の運動制御構成を取得するステップと;カメラによって撮影された画像に基づいて超音波撮像デバイスに関連する位置情報を求めるステップであって、画像は、対象者の解剖学的構造と、第1の位置に位置決めされた超音波撮像デバイスとを含む、ステップと;第1の運動制御構成及び超音波撮像デバイスに関連する位置情報に基づいて第1の位置から第2の位置へと超音波撮像デバイスを再位置決めする指示を、ディスプレイ上に表示するステップとを有する。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態において、第1の予測ネットワークは、第1の座標系に基づいて第1の位置を表し、カメラによって撮影された画像は、第2の座標系に基づいて第1の位置を表し、方法は、位置情報に基づいて第1の座標系と第2の座標系との間の座標系変換を決定するステップと;少なくとも第1の運動制御構成及び座標系変換に基づいて指示を決定するステップとを更に有する。いくつかの実施形態において、方法は、第1の運動制御構成及び座標系変換に基づいて第2の運動制御構成を決定するステップと;第1の運動制御構成と第2の運動制御構成とに結合関数を適用すること;又は、第1の運動制御構成と第2の運動制御構成とに比較関数を適用することのうちの少なくとも一方によって指示を決定するステップとを更に有する。いくつかの実施形態において、超音波撮像デバイスはマーカーに結合され、画像はマーカーを含み、方法は、超音波撮像デバイスとマーカーとの間の相対位置に基づいて座標系変換を決定するステップを更に有する。いくつかの実施形態において、方法は、カメラと対象者の解剖学的構造との間の相対位置に基づいて座標系変換を決定するステップを更に有する。
【0009】
[0009] 本開示の追加的な態様、特徴及び利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0010】
[0010] 本開示の例示的な実施形態が添付の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】[0011] 本開示の態様による、超音波撮像システムの概略的な図である。
図2】[0012] 本開示の態様による、深層学習に基づく自動的プローブ位置決めガイダンススキームを示す概略的な図である。
図3】[0013] 本開示の態様による、深層学習に基づく自動的プローブ位置決めガイダンススキームのための使用ケースシナリオを示す図である。
図4】[0014] 本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンス方法のフロー図である。
図5】[0015] 本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンス方法から取得された超音波画像を示す図である。
図6】[0016] 本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンス方法のフロー図である。
図7】[0017] 本開示の態様による、訓練データ取得スキームを示す概略的な図である。
図8】[0018] 本開示の態様による、拡張現実(AR)マーカー及びカメラ追跡によって画像に基づく運動予測を実現するハイブリッド自動的プローブ位置決めガイダンススキームを示す概略的な図である。
図9】[0019] 本開示の態様による、ハイブリッドプローブ位置決めガイダンスのための使用ケースシナリオを示す図である。
図10】[0020] 本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンスを提供する超音波システムにおける表示ビューを示す図である。
図11A】[0021] 本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンスを提供する撮像システムにおける表示ビューを示す図である。
図11B】[0022] 本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンスを提供する撮像システムにおける表示ビューを示す図である。
図11C】[0023] 本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンスを提供する撮像システムにおける表示ビューを示す図である。
図11D】[0024] 本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンスを提供する撮像システムにおける表示ビューを示す図である。
図11E】[0025] 本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンスを提供する撮像システムにおける表示ビューを示す図である。
図12】[0026] 本開示の態様による、ハイブリッド自動的プローブ位置決めガイダンス方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[0027] 本開示の原理の理解を促すために、図面に示される実施形態が参照され、これを説明するために特定の用語が使用される。それでもなお、本開示の範囲に対する制限が意図されるものではないことが理解される。本開示が関係する技術分野の当業者に通常想到されるように、説明されるデバイス、システム、及び方法への任意の改変及び更なる修正、並びに本開示の原理の任意の更なる適用は完全に想定され、本開示に含まれる。特には、1つの実施形態に関して説明される特徴、コンポーネント、及び/又はステップは、本開示の他の実施形態に関して説明される特徴、コンポーネント、及び/又はステップと組み合わされ得ることが完全に想定される。しかしながら、簡潔さのために、それらの組み合わせの多くの繰り返しは個別には説明されない。
【0013】
[0028] 図1は、本開示の態様による、超音波撮像システム100の概略的な図である。システム100は、患者の身体のエリア又はボリュームをスキャンするために使用される。システム100は、通信インタフェース又はリンク120を介してホスト130と通信する超音波撮像プローブ110を含む。プローブ110は、トランスデューサ112と、ビーム形成器114と、処理コンポーネント116と、通信インタフェース118とを含む。ホスト130は、ユーザインタフェース(UI)/ディスプレイ132と、処理コンポーネント134と、通信インタフェース136とを含む。
【0014】
[0029] プローブ110は、患者の身体内又は身体外に位置決めされたときに患者の様々な身体部分を撮像するための任意の適切な形態である。実施形態において、プローブ110は、ユーザによる手持ち操作のために構成された筐体を含む外部超音波撮像デバイスである。トランスデューサ112は、トランスデューサ112が患者の皮膚に隣接して及び/又は患者の皮膚に接するように位置決めされるようにユーザがプローブ110の筐体を把持したときに超音波データを取得するように構成され得る。プローブ110は、プローブ110が患者の身体の外側に位置決めされたときに患者の身体内の解剖学的構造の超音波データを取得するように構成される。いくつかの他の実施形態において、プローブ110は、カテーテル、血管内超音波(IVUS)カテーテル、心臓内心エコー検査(ICE)カテーテル、経食道心エコー検査(TEE)プローブ、経胸郭心エコー検査(TTE)プローブ、空洞内プローブ、手持ち型超音波スキャナ、又はパッチに基づく超音波デバイスの形態である。
【0015】
[0030] トランスデューサ112は、解剖学的オブジェクト105に向かって超音波信号を射出し、オブジェクト105から反射されてトランスデューサ112に戻ってきたエコー信号を受信する。超音波トランスデューサ112は、1つ若しくは複数の音響要素及び/又は複数の音響要素などの任意の適切な数の音響要素を含み得る。いくつかの場合において、トランスデューサ112は1つの音響要素を含む。いくつかの場合において、トランスデューサ112は、任意の適切な構成の任意の数の音響要素を有する音響要素のアレイを含む。例えば、トランスデューサ112は、2つの音響要素、4つの音響要素、36個の音響要素、64個の音響要素、128個の音響要素、500個の音響要素、812個の音響要素、及び/又はこれらよりも少ないか又は多い他の個数の音響要素など、1つから1000個の間の音響要素を含み得る。いくつかの場合において、トランスデューサ112は、直線的アレイ、平面的アレイ、湾曲されたアレイ、曲線式のアレイ、周囲アレイ、環状アレイ、位相式アレイ、マトリクスアレイ、1次元的(1D)アレイ、1.x次元的アレイ(例えば、1.5Dアレイ)、又は2次元的(2D)アレイなど、任意の適切な構成の任意の数の音響要素を有する音響要素のアレイを含む。音響要素のアレイ(例えば、1つ若しくは複数の行、1つ若しくは複数の列、及び/又は1つ若しくは複数の向き)は均一に又は個々に制御及び作動され得る。トランスデューサ112は、患者の解剖学的構造の1次元的、2次元的、及び/又は3次元的画像を取得するように構成され得る。いくつかの実施形態において、トランスデューサ112は、圧電微細加工超音波トランスデューサ(PMUT)、容量型微細加工超音波トランスデューサ(CMUT)、単結晶、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、PZT複合体、他の適切なトランスデューサタイプ、及び/又はこれらの組み合わせを含む。
【0016】
[0031] ビーム形成器114はトランスデューサ112に結合される。ビーム形成器114は、例えば、超音波信号の送信及び超音波エコー信号の受信のために、トランスデューサ112を制御する。ビーム形成器114は、反応又は受信された超音波エコー信号に基づいて、処理コンポーネント116に画像信号を提供する。ビーム形成器114は、ビーム形成の複数のステージを含む。ビーム形成は、処理コンポーネント116に結合するための信号ラインの数を低減し得る。いくつかの実施形態において、ビーム形成器114と組み合わされたトランスデューサ112は、超音波撮像コンポーネントと称される。
【0017】
[0032] いくつかの実施形態において、オブジェクト105は、心臓能力評価のために患者の心臓の少なくとも一部分を含む。他の実施形態において、オブジェクト105は、超音波撮像診察に適した患者の任意の解剖学的構造(例えば、肺、血管、心臓、腎臓、及び/又は肝臓)を含む。
【0018】
[0033] 処理コンポーネント116はビーム形成器114に結合される。処理コンポーネント116は、中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、コントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)デバイス、別のハードウェアデバイス、ファームウェアデバイス、又は本明細書において説明される動作を実施するように構成されたこれらの任意の組み合わせを含む。処理コンポーネント134は、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は任意の他のこのような構成としても実現される。処理コンポーネント116は、ビーム形成された信号を処理するように構成される。例えば、処理コンポーネント116は、画像信号を調整するためにフィルタリング及び/又は直交位相復調を実施する。処理コンポーネント116及び/又は134は、オブジェクト105に関連する超音波データを取得するようにトランスデューサ112を制御するように構成され得る。
【0019】
[0034] 通信インタフェース118は処理コンポーネント116に結合される。通信インタフェース118は、1つ又は複数の送信機、1つ又は複数の受信機、1つ又は複数の送受信機、及び/又は通信信号を送信及び/又は受信するための回路を含む。通信インタフェース118は、通信リンク120を介してホスト130に信号を搬送するために適した特定の通信プロトコルを実現するハードウェアコンポーネント及び/又はソフトウェアコンポーネントを含み得る。通信インタフェース118は、通信デバイス又は通信インタフェースモジュールとも称され得る。
【0020】
[0035] 通信リンク120は任意の適切な通信リンクである。例えば、通信リンク120は、ユニバーサルシリアルバス(USB)リンク又はEthernetリンクなどの有線リンクである。代替的に、通信リンク120は、超広帯域(UWB)リンク、Institute of Electrical and Electronics Engineers(IEEE)802.11WiFiリンク、Bluetoothリンクなどの無線リンクである。
【0021】
[0036] ホスト130において、通信インタフェース136は画像信号を受信する。通信インタフェース136は、通信インタフェース118と実質的に同様である。ホスト130は、ワークステーション、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、タブレット、モバイルフォン、手持ち型パーソナルコンピュータ、モバイルデバイス、及び/又は超音波コンソールなどの任意の適切なコンピューティング及びディスプレイデバイスである。
【0022】
[0037] 処理コンポーネント134は通信インタフェース136に結合される。処理コンポーネント134は、ソフトウェアコンポーネントとハードウェアコンポーネントとの組み合わせとして実現される。処理コンポーネント134は、中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、コントローラ、FPGAデバイス、別のハードウェアデバイス、ファームウェアデバイス、又は本明細書において説明される動作を実施するように構成されたこれらの任意の組み合わせを含む。処理コンポーネント134は、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連動する1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又は任意の他のこのような構成としても実現される。処理コンポーネント134は、プローブ110から受信された画像信号から画像データを生成するように構成され得る。処理コンポーネント134は、最新式の信号処理及び/又は画像処理技術を画像信号に適用し得る。いくつかの実施形態において、処理コンポーネント134は、画像データから3次元的(3D)ボリューム画像を形成し得る。いくつかの実施形態において、処理コンポーネント134は、オブジェクト105の超音波画像のストリーミング映像を提供するために画像データにリアルタイム処理を実施し得る。
【0023】
[0038] いくつかの実施形態において、処理コンポーネント134は、オブジェクト105の最適なビューを撮影するための位置にプローブ110を位置決めする際に自動的ガイダンスを提供し得る。本明細書においてより詳細に説明されるように、処理コンポーネント134は、現在の位置における現在の撮像ビュー及び診察のための特定の臨床的特性を含む目標撮像ビューに基づいてプローブ110を現在位置から最適な位置へと操縦するための運動制御構成又は動きベクトル(例えば、回転及び/又は並進)を決定するために、深層学習に基づく技術(例えば、予測ネットワーク)を適用し得る。
【0024】
[0039] いくつかの実施形態において、システム100は、ホスト130に結合された、又はホスト130内に一体化されたカメラ150を含む。カメラ150は、超音波診察中に、プローブ110及び超音波診察されている患者の画像を撮影するように構成され得る。処理コンポーネント134は、患者(例えば、診察されている患者の特定の身体部分又は解剖学的構造)に対するプローブ110の位置決めを追跡するように構成され得る。本明細書においてより詳細に説明されるように、処理コンポーネント134は、プローブ110を操縦するための運動制御構成を生成し、カメラ150によって撮影された画像から生成された情報を追跡し、運動制御構成及びカメラ追跡情報に基づいて超音波診察のために最適なビューへとプローブ110を移動するように臨床医をガイドする指示を生成するために、予測ネットワークを使用し得る。
【0025】
[0040] UI/ディスプレイ132は処理コンポーネント134に結合される。ディスプレイ132は、モニタ又は任意の適切なディスプレイである。本明細書においてより詳細に説明されるように、UI/ディスプレイ132は、超音波画像、カメラによって撮影された画像、及び/又は最適な撮像ビューをリアルタイムで取得するためにプローブ110を位置決めするための指示を表示するように構成される。
【0026】
[0041] 実施形態において、システム100はPOCシステムである。ホスト130は、タブレット、スマートフォン、並びに/又は内蔵式デジタルカメラ150及び一体型UI/ディスプレイ132を含む他の適切なモバイルデバイスである。例えば、POCは、ICU、ER、緊急状況における病院/診療所の外におけるものなどである。他の実施形態において、システム100は、POC以外の病院の病室又は診療所環境における使用のために構成された撮像システムである。実施形態において、システム100はPOC心エコー検査システムである。POC心エコー検査は、特定の臨床的問題に応えるために、治療にあたる医師によって患者のベッドサイドにおいて実施される集中的な、目標指向の経胸郭心エコー図を指す。POC超音波(POCUS)は、いくつかの有益性を提供し得る。例えば、POCUSは、救急医(EP)に、診断にかかる時間を短縮させることを助け得るリアルタイム臨床情報へのアクセスを与える。時間は、救急診療部(ED)において常に貴重なリソースである。迅速で正確なベッドサイド超音波診察は、重大な合併症を回避し、ポイントオブケア医師に更なる診断のために専門部門へと患者を搬送させることを助け得る。
【0027】
[0042] 実施形態において、システム100は、サーバー/クライアント環境において動作し、そこでは、ホスト130は、患者のいる場所であって患者の画像が取得される場所とは異なる遠隔的な場所に位置するサーバーである。サーバーは、取得された画像を受信し、深層学習ネットワークを適用することによってプローブガイダンス指示を決定し得る。UI/ディスプレイ132は、ホスト130とは別個のデバイスである。例えば、UI/ディスプレイ132はタブレットであってよい。UI/ディスプレイ132は、患者のいる場所に位置し得る。UI/ディスプレイ132は、サーバーと通信するウェブクライアントアプリケーションを実行し得る。ウェブクライアントアプリケーションは、サーバーからプローブガイダンス指示を受信し得、プローブガイダンス指示を表示するグラフィカルインタフェースを提供し得る。患者のいる場所で診察を実施する臨床医は、UI/ディスプレイ132からのプローブガイダンス指示を読み、それに従ってプローブ110を操縦し得る。
【0028】
[0043] システム100は、超音波撮像の様々なステージにおける使用のために構成され得る。実施形態において、システム100は、超音波画像を収集し、プローブ110の動きを追跡して、深層学習ネットワークの訓練のための訓練データセットを形成するために使用される。例えば、ホスト130は、メモリ138を含み、これは、キャッシュメモリ(例えば、処理コンポーネント134のキャッシュメモリ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気抵抗RAM(MRAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、固体メモリデバイス、ハードディスクドライブ、固体ドライブ、他の形態の揮発性及び不揮発性メモリ、又は異なるタイプのメモリの組み合わせなどの任意の適切な記憶デバイスである。メモリ138は、深層学習に基づく訓練のための訓練データセット140を記憶するように構成され得る。
【0029】
[0044] いくつかの実施形態において、システム100は、プローブの位置決めのために深層学習ネットワークを訓練するために使用される。例えば、深層学習ネットワークは、プローブ位置と、対応する画像ビューと、目標画像ビューとを関連付けることによって訓練される。深層学習ネットワークは、目標画像ビューに向かってプローブ(例えば、プローブ110)を移動させる最適な動き(例えば、回転及び/又は並進)を予測するために訓練される。訓練済みの深層学習ネットワークは、後の使用のためにメモリ138に記憶され得る。
【0030】
[0045] いくつかの実施形態において、システム100は、ライブ超音波診察のために臨床環境において使用され、自動的プローブ位置決めガイダンスを提供するために訓練済み深層学習ネットワークが適用され、画像に基づく追跡のためにプローブ110の画像を撮影するためにカメラ150が使用される。深層学習に基づいて予測された動きは、画像に基づく追跡情報とともに、超音波診察のために最適なビューの場所を特定する際に臨床医をガイドするために使用され得る。自動的プローブ位置決めガイダンスのための訓練データの収集、深層学習ネットワークの訓練、並びに深層学習技術及び画像に基づく追跡技術の適用のための機構は、本明細書においてより詳細に説明される。
【0031】
[0046] システム100は、ビーム形成器114及び処理コンポーネント116によってそれぞれ実施されるビーム形成機能及び信号処理機能をプローブ110に有するものとして示されたが、いくつかの実施形態において、ビーム形成機能及び/又は信号処理機能のうちの少なくともいくつかは、ホスト130において実施されてよい。いくつかの他の実施形態において、プローブ110は、超音波エコー信号を、例えばいくつかのゲイン制御及び/又はフィルタリングを施しつつ、処理のためにホスト130に伝送する。加えて、プローブ110の通信インタフェース118は、業界標準の物理的コネクタ及び/又は独自開発の物理的コネクタであってよく、通信リンク120は、任意の業界標準のケーブル、同軸ケーブル、及び/又は独自開発のケーブルを含む。概して、システム100は任意のタイプの超音波撮像システムを表し、超音波撮像機能は、プローブ(例えば、トランスデューサ112を含む)、ホスト、及び/又はプローブとホストとの間の任意の中間処理サブシステムにおいて任意の適切なやり方で分割される。更に、システム100は、患者に対するプローブの動きを追跡するためのカメラ150を有するものとして示されたが、いくつかの実施形態において、システム100は、患者に、プローブ110に、又は診察が実施されている任意の適切な場所に位置付けられた、任意の適切な追跡デバイスを含む。
【0032】
[0047] 概して、システム100及びプローブ110、並びに/又は本明細書において説明される他のデバイスは、患者の身体の任意の適切な解剖学的構造及び/又は管腔を診察するために利用され得る。いくつかの場合において、プローブ110は、患者の身体の解剖学的構造及び/又は管腔内に位置決めされ得る。他の場合において、プローブ110は、身体の内側の解剖学的構造及び/又は管腔を診察するために身体の外側に位置決めされ得る。解剖学的構造及び/又は管腔は、流体が充満された又は流体に包囲された、天然及び人工の両方の構造を表す。例えば、本開示のプローブは、患者の食道内に位置決めされ得、及び/又は、これを診察するために使用され得る。いくつかの実施形態において、本開示のプローブは、これらに限定されるわけではないが、肝臓、心臓、腎臓、胆のう、すい臓、肺を含む臓器;管;腸;脳、硬膜嚢、脊髄、及び末梢神経を含む神経系構造;尿路;並びに血液内の弁、心臓の室若しくは他の部分、及び/又は身体の他の系を含む任意の数の解剖学的場所及び組織タイプを診察するために使用される。身体の内側の解剖学的構造及び/又は管腔は、心血管系、末梢血管系、神経血管系、腎血管系などの患者の血管系の動脈又は静脈としての血管、及び/又は身体の内側の任意の他の適切な管腔である。天然の構造に加えて、本開示のプローブは、これらに限定されるわけではないが、心臓弁、ステント、シャント、フィルタ、及び他のデバイスなどの人工の構造を診察するために使用される。
【0033】
[0048] 図2は、本開示の態様による、深層学習に基づく自動的プローブ位置決めガイダンススキーム200を示す概略的な図である。スキームはシステム100によって実施され得る。スキーム200は、深層学習ネットワーク204を含む。深層学習ネットワーク204は、1つ又は複数の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)210を含む。CNN210は、現在の撮像ビューに基づいて患者の解剖学的構造(例えば、患者の心臓)の特定のビューを撮影するために最適な撮像位置又は撮像平面へと超音波撮像プローブ(例えば、プローブ110)を移動させるための動きのセットを提供するように訓練される。
【0034】
[0049] 例として、臨床医は、目標画像ビューを選択し、患者の心臓に対する第1の位置にプローブを位置決めする。プローブは、第1の位置において患者の心臓の画像202(例えば、現在の画像ビュー)を撮影する。スキーム200は、訓練済みCNN210を画像202に適用する。CNN210は、第1の位置において撮影された現在の画像202に基づいて運動制御構成206を出力する。運動制御構成206は、剛体運動の任意のベクトルパラメータ表示及び/又は非ベクトルパラメータ表示を含む。パラメータ表示は、目標画像ビューに向かってプローブを移動させるためのオイラー角、四元数、マトリックス、指数写像、並びに/又は、回転及び/若しくは並進(例えば、並進の方向及び大きさを含む)を表す角度-軸の形態であってよい。
【0035】
[0050] CNN210は、N個の畳み込み層220のセットと、これに続くK個の全結合層240のセットとを含み、ここで、N及びKは任意の正の整数である。各全結合層240は、M個のニューロンを含み得、ここで、Mは任意の正の整数である。N、K及びMの値は実施形態に応じて変化する。いくつかの場合において、Nは約8であり、Kは約2であり、及びMは約1000であり得る。各畳み込み層220は、非線形変換を実施し、これは、バッチ正規化、正規化線形関数(ReLU)、プーリング、ドロップアウト、又は畳み込みなどの動作の合成関数である。各畳み込み層は、画像202から特徴を抽出するように構成されたフィルタ222のセットを含む。加えて、各畳み込み層220は、正規化された特徴マップを抽出するように構成された非線形関数(例えば、正規化非線形(ReLU)動作を含む)を含む。全結合層240は、非線形であり、最後の畳み込み層220(N)の高次元出力を徐々に縮小して、目標画像ビューに向かってプローブを移動させるための候補運動制御構成252のセット(例えば、各々が回転及び/又は並進を含む)を生成する。CNN210は、目標画像ビューに向かうプローブの運動を記述する運動制御構成206のベクトル又は非ベクトルパラメータ表現を出力する。
【0036】
[0051] CNN210は、シミュレートされたデータから生成された画像、制御環境において擬似模型から取得された画像、臨床環境中に取得されたライブ画像、又はこれらの組み合わせを含む訓練データセットを使用して訓練され得る。訓練データセットは、画像と、対応するプローブの動きとの関連付けを更に含む。本明細書においてより詳細に説明されるように、CNN210の訓練は、フィルタ222及び232の係数を調節することによって画像及び関連するプローブの動きから特徴(例えば、臨床的な特性)を抽出し、学習する。
【0037】
[0052] 図3は、深層学習に基づく自動的プローブ位置決めガイダンススキーム200のための使用ケースシナリオ300を示す。シナリオ300において、プローブ(例えば、プローブ110)が患者に対する第1の位置に位置決めされたときに患者の心臓の現在の画像ビュー310が撮影される。現在の画像ビュー310は、スキーム200における画像202に対応する。CNN210は現在の画像ビュー310に適用される。CNN210は運動制御構成320(例えば、運動制御構成206)を生成する。運動制御構成320は、以下のように表現され、
T∈SE(3) (1)
ここで、Tはプローブを移動させるための剛体(例えば、候補運動制御構成252)の出力最適運動制御構成320(例えば、回転及び/又は並進)を表し、SE(3)は特殊ユークリッド群を表す。
【0038】
[0053] 運動制御構成320を取得した後、臨床医は、運動制御構成320に従ってプローブを次の位置に再位置決めする。プローブを次の位置(例えば、最適な撮像位置に対応する位置)に再位置決めした後、患者の心臓の目標画像ビュー330が撮影される。図から分かるように、目標画像ビュー330は、心臓の室の明瞭なビューを提供する。
【0039】
[0054] シナリオ300は、運動制御構成320が、一度の試行又はCNN210の一度の適用によって目標撮像ビューを撮影するために最適な撮像位置にプローブを導くことを示しているが、いくつかの実施形態において、CNN210は、次に撮影された画像ビューに再適用される。換言すれば、臨床医は、CNN210の複数回の適用に基づいて、最適な撮像位置に到達するために複数回にわたってプローブを再位置決めすることを必要とされる。
【0040】
[0055] 深層学習による画像に基づく運動予測は、いくつかの利点を提供し得る。例えば、CNN210のエンドツーエンドの学習又は訓練の最中に抽出される豊富な特徴のおかげで、運動予測性能が解剖学的差異(例えば、患者の大きさ及び/又は心臓の場所)から独立している。しかしながら、運動予測性能は、例えば、品質の低い音響結合、品質の低い音響窓の位置決め(例えば、心臓の診察における肋骨の陰影効果)、及び/又は最適以下の呼吸状態に起因する品質の低い入力画像から影響を受けることがある。故に、本開示は、運動予測のために深層学習ネットワークを適用する前に、特定の診察に無関係の画像データ又は品質の低い画像データをフィルタリングによって取り除く技術を提供する。
【0041】
[0056] 図4は、本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンス方法400のフロー図である。方法400のステップは、例えば処理コンポーネント134によって実行されるシステム100を使用して実行され得る。示されるように、方法400はいくつかの列挙されたステップを有するが、方法400の実施形態は、列挙されたステップの前、後、及び間に追加的なステップを有してよい。いくつかの実施形態において、列挙されたステップのうちの1つ又は複数が省略されてよく、又は、異なる順序で実施されてよい。方法400は、図2に関して説明されたスキーム200におけるものと同様の機構を用いる。方法400は、入力画像から関心領域(ROI)(例えば、臨床的に関連する特徴)を追加的に検知し、運動予測のために深層学習ネットワークをROIに適用する。図5は、本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンス方法400から取得された超音波画像510、520、及び530を示す。方法400は、以下において図5を参照して説明される。
【0042】
[0057] ステップ410において、方法400は、患者の解剖学的構造の画像(例えば、画像202及び現在の画像ビュー310)を取得するステップを有する。例えば、臨床医は、プローブ(例えば、プローブ110)を、診察されている患者の解剖学的構造に近接した第1の位置に位置決めする。例として、臨床医は、患者に心臓の診察を実施し、患者の心臓の画像510を取得する。
【0043】
[0058] ステップ420において、方法400は、画像510からROI512を検知するステップを有する。ROI512は、患者の心臓に対応する画像510の領域を含む。
【0044】
[0059] ステップ430において、方法400は、画像510のROI512に深層学習ネットワーク(例えば、深層学習ネットワーク204)を適用するステップを有する。深層学習ネットワークは、画像510のROI512に基づいてプローブを位置決めするための運動制御構成(例えば、運動制御構成206及び320)を生成する。
【0045】
[0060] ステップ440において、方法400は、例えば、プローブの回転及び/又は並進を示すグラフィカルインタフェースの形態の運動制御構成をディスプレイ(例えば、UI/ディスプレイ132)に出力するステップを有する。こうして、臨床医は、表示された指示に従ってプローブを再位置決めする。
【0046】
[0061] 方法400は、最適な撮像ビューが撮影されるまでステップ410~440を繰り返す。例えば、方法400の最初の反復の後、画像520が撮影される。方法400は、画像520からROI522を検知し、深層学習ネットワークをROI522に適用するまで繰り返されてよい。第2の反復の後、画像530が撮影される。再び、方法400は、画像530からROI532を検知し、深層学習ネットワークをROI532に適用するまで繰り返されてよい。図から観察されるように、各反復の後、心臓の室のより良好な撮像ビューが撮影される。
【0047】
[0062] 運動予測のために深層学習ネットワークがROI512、522、及び532において動作するように限定することは、いくつかの利点を提供し得る。例えば、計算負荷が低減され得、深層学習ネットワークのサイズが低減され得、及び/又はフレームレートが向上され得る。複雑性が低減されることで、より低コストで、より性能の低い、及び/又はよりサイズの小さな処理コンポーネント上で、深層学習に基づいた運動予測の実現が可能となる。
【0048】
[0063] 実施形態において、ステップ420におけるROI検知は、深層学習ネットワーク204と同様の予測ネットワークを介して実施され得る。別の実施形態において、単一の深層学習ネットワークが、ROI検知及び運動予測を提供するために訓練され得る。
【0049】
[0064] 図6は、本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンス方法600のフロー図である。方法600のステップは、例えば処理コンポーネント134によって実行されるシステム100を使用して実行され得る。示されるように、方法600はいくつかの列挙されたステップを有するが、方法600の実施形態は、列挙されたステップの前、後、及び間に追加的なステップを有してよい。いくつかの実施形態において、列挙されたステップのうちの1つ又は複数が省略されてよく、又は、異なる順序で実施されてよい。方法600は、図2に関して説明されたスキーム200におけるものと同様の機構を用いる。方法600は、運動予測のために深層学習ネットワークを適用する前に、品質の低い入力画像を追加的にフィルタリングによって取り除く。
【0050】
[0065] ステップ610において、方法600は、患者の解剖学的構造の画像(例えば、画像202、510、520、及び530並びに現在の画像ビュー310)を取得するステップを有する。例えば、臨床医は、プローブ(例えば、プローブ110)を、診察されている患者の解剖学的構造に近接した第1の位置に位置決めする。
【0051】
[0066] ステップ620において、方法600は、例えば画像品質測定に基づいて画像を分類するステップを有する。いくつかの場合において、分類のためにソフトマックス関数が適用され得る。
【0052】
[0067] ステップ630において、方法600は、画像が良好な品質を有するかを判定する。
【0053】
[0068] 画像が良好な品質を有するとき、方法600はステップ640に進む。ステップ640において、方法600は、深層学習ネットワーク(例えば、深層学習ネットワーク204)を画像に適用するステップを有する。深層学習ネットワークは、最適な撮像ビューに向かってプローブを位置決めするための運動制御構成(例えば、運動制御構成206及び320)を生成する。
【0054】
[0069] ステップ650において、方法600は、例えばプローブの回転及び/又は並進を示すグラフィカルインタフェースの形態の運動制御構成をディスプレイ(例えば、UI/ディスプレイ132)に出力するステップを有する。こうして、臨床医は、表示された指示に従ってプローブを再位置決めする。
【0055】
[0070] ステップ620に戻ると、画像が低品質であるとき、方法600は、画像を廃棄し、次の画像を取得するためにステップ610に戻る。
【0056】
[0071] 実施形態において、ステップ620における分類は、深層学習ネットワーク204と同様の予測ネットワークを介して実施され得る。別の実施形態において、単一の深層学習ネットワークが、画像分類及び運動予測を提供するために訓練され得る。
【0057】
[0072] いくつかの実施形態において、方法600は、方法400とともに使用される。一実施例において、ROI検知、画像分類、及び運動予測は、任意の適切な組み合わせの1つ又は複数の予測ネットワークを介して実施され得る。別の実施例において、ROI検知及び/又は画像分類は、深層学習ネットワークを適用する前に、臨床医によって実施され得る。
【0058】
[0073] 画像に基づく運動予測の精度は、画像品質の影響を受けやすい。例えば、特定の撮像位置で協働することが困難な(例えば、肥満及び/又は肋間空間が小さいことによる)特定の患者について高品質画像を取得することは困難である。故に、本開示は、ARマーカーを画像に基づく運動予測と組み合わせることによって画像に基づく運動予測への補助を提供する技術を提供する。
【0059】
[0074] 図7は、本開示の態様による、訓練データ取得スキーム700を示す概略的な図である。スキーム700は、自動的プローブガイダンスにおいて運動予測を提供する深層学習ネットワーク(例えば、深層学習ネットワーク204)を訓練するための訓練データ(例えば、訓練データセット140)を収集するためにオフラインで実施される。スキーム700は、擬似模型702を使用して訓練データを収集する。スキーム700は、代替的に、臨床的断層撮影検査から訓練データを収集するように構成されてよい。
【0060】
[0075] 例として、スキーム700は、心臓の診察のために訓練データを収集する。患者トラッカー740が、擬似模型702の心臓の場所をマークする擬似模型702上に位置決めされる。患者トラッカー740は、ベルトストラップ730によって擬似模型702に固定される。スキーム700は、プローブ750を使用して擬似模型702の心臓の画像を取得する。プローブ750はプローブ110と同様のものである。プローブ750は、モバイルデバイス720(例えば、タブレット又はスマートフォン)に結合され、取得された画像は、訓練データセットを作成するためにモバイルデバイス720に伝送され得る。モバイルデバイス720はホスト130と同様のものである。プローブトラッカー760がプローブ750に装着される。スキーム700は更に、擬似模型702の心臓に対するプローブ750の動きをプローブトラッカー760及び患者トラッカー740をそれぞれ介して追跡するために、光学的撮影デバイス710又はカメラ(例えば、カメラ150)を利用する。光学的撮影デバイス710は、追跡システム770に通信可能に結合される。スキーム700は、代替的に又は追加的に、プローブ750の動きを追跡するために電磁的追跡システムなどの位置測定システムを用いる。
【0061】
[0076] モバイルデバイス720は、様々な撮像位置に位置決めされたプローブ750によって擬似模型702の心臓の画像を収集する。追跡システム770は、患者トラッカー740に対するプローブトラッカー760の動き(例えば、回転及び/又は並進)を記録するように構成されたコンピューティング及び処理コンポーネント(例えば、ホスト130)を含む。モバイルデバイス720は、収集された画像にタイムスタンプを付し得る。同様に、追跡システム770は、記録された動きにタイムスタンプを付し得る。スキーム700は、画像のタイムスタンプ及び動きのタイムスタンプに基づいて、収集された画像を対応するプローブの動きに同期させ得、及び関連付け得る。同期後に、スキーム700は、画像を対応する動きに関連付けることによって訓練データセットを作成し得る。
【0062】
[0077] スキーム700は、擬似模型702の心臓に対するプローブ750の動きの追跡を補助するために患者トラッカー740及びプローブトラッカー760を使用するが、患者トラッカー740及び/又はプローブトラッカー760の使用は任意選択的なものであり得る。加えて、スキーム700は、任意の適切な解剖学的構造(例えば、肺、腎臓、肝臓、及び/又は任意の臓器、組織、脈管)の画像を収集するため、及び訓練データセットを生成するためにプローブの動きを追跡するために適用され得る。
【0063】
[0078] 訓練データセットを収集した後、訓練データセットは、例えば順方向伝搬を使用して深層学習ネットワーク204に供給され得る。深層学習ネットワーク204の訓練への入力は2-タプル(例えば、画像と、姿勢又は運動制御構成とを含む)である。フィルタ222及び232のための係数は、ネットワーク204の出力誤差を最小化するために、例えば逆方向伝搬又は逆伝搬を使用して調節される。
【0064】
[0079] 図8は、本開示の態様による、ARマーカー及びカメラ追跡によって画像に基づく運動予測を実現するハイブリッド自動的プローブ位置決めガイダンススキーム800を示す概略的な図である。スキーム800はシステム100によって実施され得る。スキーム800は、患者の解剖学的構造(例えば、心臓、肺、肝臓、腎臓、及び/又は任意の臓器、脈管、組織若しくは構造)の画像(例えば、画像202、510、520、及び530)を取得するために、プローブ110及び750と同様のプローブ802を用いる。ARマーカー804はプローブ802に結合される。スキーム800は、プローブ802及びプローブマーカー804の位置及び動きのカメラ画像をリアルタイムで同時に撮影するために、光学的撮影デバイス710及びカメラ150と同様のカメラ801を用いる。
【0065】
[0080] スキーム800において、臨床医は、診察されている患者の解剖学的構造の画像806を撮影するために、プローブ802を第1の位置に位置決めする。同時に、カメラ801は、プローブ802(例えば、位置及び/又は動き)のカメラ画像808をリアルタイムで撮影する。
【0066】
[0081] 画像806は、深層学習ネットワーク204と同様の深層学習ネットワーク810に入力される。深層学習ネットワーク810は、プローブ802を所望の又は目標の撮像位置に向かって再位置決めするための第1の運動制御構成812を生成する。運動制御構成812は、第1の座標系(例えば、深層学習ネットワーク810による出力の座標系)に対する回転及び/又は並進を含む。第1の座標系は、深層学習ネットワーク810の訓練中に定められる。第1の座標系は、訓練中に取得された画像において特定された特徴(例えば、心尖部四腔断層像など)によって定められた心臓のローカルな座標系である。
【0067】
[0082] 追跡アルゴリズム820は、ライブカメラ画像808に基づいて、ARマーカー804の座標系とカメラ801(例えば、光学的追跡)の座標系との間の座標系変換822を決定する。カメラ801の座標系は第2の座標系と称される。例えば、追跡アルゴリズム820は、ARマーカー804を特定し、プローブ802の動きに対応するARマーカー804の動きを追跡する画像処理技術を適用する。ARマーカー804には、画像処理アルゴリズムによって容易に認識又は特定され得る特定の視覚的パターンが刻み込まれ得る。
【0068】
[0083] 実施形態において、ARマーカー804は、プローブ802とARマーカー座標系との間の変換を取得するために超音波プローブ802に対して較正される。追跡アルゴリズム820は、第2の座標系における患者の解剖学的構造に対するプローブ802と関連する位置情報を追跡する。座標系変換822は、第2の座標系に対する回転及び/又は並進を含む。
【0069】
[0084] 第1の座標系と第2の座標系とは異なる。第1の運動制御構成812及び座標系変換822は、座標系変換コンポーネント830に入力される。座標系変換コンポーネント830は、座標系変換822を第1の運動制御構成812に適用し、第1の座標系に対する、変換された運動制御構成を生み、これは第2の運動制御構成832と称される。座標系変換は、座標系が基準座標系と位置整合するように座標系の回転及び/又は並進を含む。
【0070】
[0085] 実施形態において、座標系変換コンポーネント830は、以下に示される変換を適用する。
cameraTDL=cameraTmarker×markerTprobe×probeTDL (2)
ここで、probeTDLは、ローカルな解剖学的に定められた座標系(例えば、深層学習ネットワーク810の第1の座標系)からプローブ802への座標系変換を表す。ローカルな解剖学的構造に基づく座標系は、訓練プロセスにおいて任意的に選ばれてよい。markerTprobeは、プローブ802からARマーカー804への座標系変換を表す。cameraTmarkerは、ARマーカー804からカメラ801への座標系変換(例えば、座標系変換822)を表す。cameraTDLは、座標系変換コンポーネント830によって実施される座標系変換、すなわち、深層学習ネットワーク810によって出力された第1の運動制御構成812(例えば、患者の心臓などの関心対象の解剖学的構造のローカルな座標に対して)と、カメラに基づく追跡アルゴリズム820との間の変換を表す。こうして、変換cameraTDLは、深層学習ネットワーク810とカメラ801との間の座標系の位置合わせを表す。
【0071】
[0086] 実施形態において、変換markerTprobeは、固定的であり得、結合されたARマーカー804を有するプローブ802の製造中に較正され得る。別の実施形態において、ARマーカー804は、システムの動作中に(例えば、スキーム800を実施するときに)、再現可能な位置決めを提供し得る取り付け機構を介してプローブ801に装着され得る。いくつかの他の実施形態において、ARマーカー804は、既知の刻印された内部ランドマークを有する外部超音波擬似模型を使用して、超音波プローブ802及び画像(例えば、カメラ画像)に対して較正され得る。
【0072】
[0087] 実施形態において、変換cameraTDLは、診察の開始時に決定され得、診察中に更新され得る。等式(2)は、断層撮影診察中に患者に対してカメラ801が固定的な場所に位置していると想定していることに留意されたい。
【0073】
[0088] 実施形態において、カメラ801は診察中に移動している。そのため、座標系変換822は、カメラ801を異なる場所に移動させることを考慮することを必要とされる。このような実施形態において、座標系変換コンポーネント830は、以下に示される変換を適用し得る。
patientTDL=patientTcamera×cameraTmarker×markerTprobe×probeTDL (3)
ここで、patientTcameraは、カメラ801から診察されている患者への座標変換を表す。患者座標系は、患者マーカー760と同様の患者マーカーによって定められ得る。
【0074】
[0089] 概して、座標系変換コンポーネント830は、第1の座標系(例えば、第1の運動制御構成812を表すために使用される)及び第2の座標系(例えば、カメラ801のもの)を共通の標準座標系に位置整合させるために変換を適用する。
【0075】
[0090] 変換を適用した後、第1の運動制御構成812を第2の運動制御構成832と結合して第3の運動制御構成842を生成するために、結合関数840が適用される。実施形態において、結合関数840は、第1の運動制御構成812を第2の運動制御構成832と平均化する。実施形態において、結合関数840は、第1の運動制御構成812と第2の運動制御構成832とを特定の重み付けを使用して結合する。例として、深層学習ネットワーク810によって予測された第1の運動制御構成812の精度を確認するために第1の運動制御構成812は第2の運動制御構成832と比較され得、結合関数840は、この比較に依存する。例えば、もしも比較が特定の閾値を満足するならば、第1の運動制御構成812は第2の運動制御構成832と平均化され得、又は第2の運動制御構成832によって置き換えられ得る。本明細書において以下により詳細に説明されるように、第3の運動制御構成842は、臨床医に対してプローブ位置決めガイダンスを提供するためにグラフィカルインタフェース(例えば、UI/ディスプレイ132)に出力され得る。
【0076】
[0091] 臨床医は、プローブ位置決めガイダンス指示に従ってプローブ802を再位置決めする。臨床医は、診察のための最適な撮像位置に到達するまでスキーム800を繰り返してプローブ802を再位置決めする。
【0077】
[0092] いくつかの実施形態において、スキーム800は、臨床医が診察に使用されたプローブ再位置決めシーケンスを思い出すことを欲する場合に備えて、追跡座標系(例えば、第2の座標系)に基づいて診察に使用されたプローブ再位置決めシーケンスを記憶する。
【0078】
[0093] いくつかの実施形態において、スキーム800は、方法400及び/又は600とともに使用される。例えば、深層学習ネットワーク810は、プローブ運動予測に加えて、方法400において示されたROI検知及び/又は方法600において示された画像分類を含む。
【0079】
[0094] 実施形態において、音波検査者は、画像に基づくガイダンス(例えば、深層学習に基づく運動予測)を使用して心尖部四腔断層像を見つける。心尖部四腔断層像を見つけた後、例えば等式(2)又は等式(3)において示されたように、深層学習ネットワーク810とカメラとの間の位置合わせが実施される。位置合わせの後、カメラは同一の位置(例えば、固定的位置)に保たれ得る。さもなければ、位置合わせが繰り返される。深層学習ネットワーク810によって予測された運動は、カメラ801から取得された追跡情報と組み合わされ得る。この組み合わせは、予測された運動及び追跡情報への平均化関数の適用を含む。代替的に、この組み合わせは、予測された運動の確認(例えば、サニティーチェック)として追跡を使用する。いくつかの場合において、ユーザがプローブ802の位置決めを思い出すことを欲する場合に備えて、基準位置は、トラッカー座標系(例えば、第2の座標系)内に保たれる。
【0080】
[0095] 図9は、本開示の態様による、ハイブリッドプローブ位置決めガイダンスのための使用ケースシナリオ900を示す。シナリオ900は、スキーム800を使用した超音波診察におけるシナリオに対応する。シナリオ900において、臨床医は、プローブ910(例えば、プローブ802)を使用して患者902に超音波診察を実施する。臨床医は、後方を向いたカメラ(例えばカメラ150及び801並びに光学的撮影デバイス710)を備えるモバイルデバイス920を使用して、モバイルデバイス920のディスプレイに示されているように、プローブ910及び診察されている患者902の解剖学的構造のカメラ画像を撮影する。例として、プローブ910は、心臓の超音波診察のために患者902の心臓の場所904の近くに置かれる。モバイルデバイス920は、図8に関して上に説明されたスキーム800を実施し得る。例えば、モバイルデバイス920は、プローブ910によって取得された画像を受信し得、プローブ910を最適な撮像位置に操縦するための第1の運動制御構成(例えば、第1の運動制御構成812)を予測するために深層学習ネットワーク(例えば、深層学習ネットワーク204及び810)を適用し得る。モバイルデバイス920は、座標系変換(例えば、座標系変換822)を決定するために追跡アルゴリズム820を実施し得、深層学習によって予測された運動制御構成に座標系変換を適用し得る。以下においてより詳細に説明されるように、モバイルデバイス920は、グラフィカル表現を使用してプローブガイダンス指示を表示し得る。
【0081】
[0096] 図10は、本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンスを提供する撮像システムにおける表示ビュー1000を示す。表示ビュー1000は、スキーム800を実施するモバイルデバイス920上の表示ビューに対応する。表示ビュー1000は、プローブ910のカメラ画像1010(例えば、カメラ画像808)を含み、プローブ910の画像の上にプローブガイダンス指示(例えば、回転1012)が重畳されている。回転1012は、第3の運動制御構成842に対応する。表示ビュー1000は、プローブ910によって、例えば第1の撮像位置及び後続の撮像位置において取得された超音波画像1020を更に含む。こうして、臨床医は、表示ビュー1000上の指示(例えば、回転1012)に基づいてプローブ910を操縦し、同時に、プローブ910が1つの位置から別の位置へと位置を変化するときに超音波画像1020を観察する。表示ビュー1000はモバイルデバイス920を使用するものとして示されているが、同様の表示ビューが、システム100のUI/ディスプレイ132上に、又は、超音波撮像システムにおける任意のディスプレイ上に提供され得る。
【0082】
[0097] 図11A図11Eは、スキーム800によって提供されるプローブ位置決めガイダンスシナリオのいくつかの例を示す。図11Aは、本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンスを提供する撮像システム(例えば、システム100)における表示ビュー1110を示す。表示ビュー1110は、モバイルデバイス920のスクリーン上の表示ビューに対応する。表示ビュー1110は表示ビュー1000と同様のものであるが、バツ印1112によって表されるように、プローブ位置が正しくないという指摘を示している。バツ印1112は、画像に基づくガイダンスを提供するために画像品質が十分でないことの警告として働く。画像が低品質であることは、不適切な音響窓、品質の低い音響結合、解剖学的構造に関連すること(肋間空間が小さいこと又は特定の解剖学的異常)に起因し得る。
【0083】
[0098] 図11Bは、本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンスを提供する撮像システム(例えば、システム100)における表示ビュー1120を示す。表示ビュー1120は、モバイルデバイス920のスクリーン上の表示ビューに対応する。表示ビュー1120は表示ビュー1000と同様のものであるが、矢印1122によって表されるように、プローブ910を左に向かって横に移動させる並進指示を示している。
【0084】
[0099] 図11Cは、本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンスを提供する撮像システム(例えば、システム100)における表示ビュー1130を示す。表示ビュー1130は、モバイルデバイス920のスクリーン上の表示ビューに対応する。表示ビュー1130は表示ビュー1000と同様のものであるが、回転シンボル1132によって表されるように、プローブ910を反時計回り方向に回転させる回転指示を示している。
【0085】
[00100] 図11Dは、本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンスを提供する撮像システム(例えば、システム100)における表示ビュー1140を示す。表示ビュー1140は、モバイルデバイス920のスクリーン上の表示ビューに対応する。表示ビュー1140は表示ビュー1000と同様のものであるが、異なるGUIビューを提供している。表示ビュー1140は、回転シンボル1142によって表されるように、プローブ910を反時計回り方向に回転させる回転指示を示している。表示ビュー1140は、プローブ910によって撮影された超音波画像1144を含む。
【0086】
[00101] 図11Eは、本開示の態様による、自動的プローブ位置決めガイダンスを提供する撮像システム(例えば、システム100)における表示ビュー1150を示す。表示ビュー1150は、モバイルデバイス920のスクリーン上の表示ビューに対応する。表示ビュー1150は表示ビュー1140と同様のものである。例えば、表示ビュー1150は、回転シンボル1152によって表されるように、プローブ910を反時計回り方向に回転させる回転指示を、プローブ910によって撮影された超音波画像1154とともに示している。しかしながら、表示ビュー1150は、診察されている解剖学的構造を表す擬似模型画像1156の上にプローブ910を重畳することによる、診察されている解剖学的構造(例えば、患者の心臓)に対するプローブ910の位置の図解を追加的に含む。表示ビュー1140及び1150に示されているGUIを利用するとき、ガイダンス情報がモバイルデバイス920のスクリーン上に直接的に表示されるので、ARマーカー(例えば、マーカー804)の使用は必要とされない。
【0087】
[00102] 図12は、本開示の態様による、ハイブリッド自動的プローブ位置決めガイダンス方法のフロー図である。方法1200のステップは、プローブ110、750、802、及び910などの超音波撮像プローブの、又はホスト130及びモバイルデバイス920などのホストのコンピューティングデバイス(例えば、プロセッサ、処理ユニット、及び/又は他の適切なコンポーネント)によって実行され得る。方法1200は、図4図6図8図9図10図11A図11B及び図11Cに関してそれぞれ説明された方法400及び600、スキーム800、シナリオ900、表示ビュー1000、1110、1120、及び1130におけるものと同様の機構を用いる。示されるように、方法1200はいくつかの列挙されたステップを有するが、方法1200の実施形態は、列挙されたステップの前、後、及び間に追加的なステップを有してよい。いくつかの実施形態において、列挙されたステップのうちの1つ又は複数が省略されてよく、又は、異なる順序で実施されてよい。
【0088】
[00103] ステップ1210において、方法1200は、第1の位置から対象者の解剖学的構造(例えば、オブジェクト105又は患者の心臓の場所904)の目標画像ビューに向かって位置決めされた超音波撮像デバイス(例えば、プローブ110、750、802、及び910)を再位置決めするために第1の運動制御構成(例えば、第1の運動制御構成812)を取得するステップを有する。第1の運動制御構成は第1の予測ネットワーク(例えば、深層学習ネットワーク204及び810)に基づいて決定される。
【0089】
[00104] ステップ1220において、方法1200は、カメラ(例えば、カメラ150及び801並びに光学的撮影デバイス710)によって撮影された画像(例えば、カメラ画像808及び1010)に基づいて、超音波撮像デバイスに関連する位置情報を求めるステップを有する。画像は、対象者の解剖学的構造と、第1の位置に位置決めされた超音波撮像デバイスとを含む。
【0090】
[00105] ステップ1230において、方法1200は、第1の運動制御構成及び位置情報に基づいて第1の位置から第2の位置へと超音波撮像デバイスを再位置決めする指示を、ディスプレイ(例えば、UI/ディスプレイ132又はモバイルデバイス920)上に表示するステップを有する。指示は、表示ビュー1000、1110、1120、及び1130において示されるように表示され得る。
【0091】
[00106] 実施形態において、第1の予測ネットワークは、第1の座標系に基づいて第1の位置を表し、カメラによって撮影された画像は、第2の座標系に基づいて第1の位置を表す。方法1200は、位置情報に基づいて第1の座標系と第2の座標系との間の座標系変換(例えば、変換822)を決定するステップを更に有する。座標系変換は、上に説明された等式(2)及び(3)と同様のものである。方法1200は、少なくとも第1の運動制御構成及び座標系変換に基づいて指示を決定するステップを更に有する。
【0092】
[00107] 実施形態において、方法1200は、第1の運動制御構成及び座標系変換に基づいて第2の運動制御構成(例えば、変換された、又は第2の運動制御構成832)を決定するステップを更に有する。方法1200は、第1の運動制御構成と第2の運動制御構成とに結合関数(例えば、結合関数840)を適用すること、又は、第1の運動制御構成と第2の運動制御構成とに比較関数を適用することのうちの少なくとも一方によって指示を決定するステップを更に有する。
【0093】
[00108] 実施形態において、超音波撮像デバイスはマーカー(例えば、ARマーカー804)に結合され、画像はマーカーを含む。方法1200は、超音波撮像デバイスとマーカー(例えば、markerTprobe)との間の相対位置に基づいて座標系変換を決定するステップを更に有する。
【0094】
[00109] 実施形態において、方法1200は、例えばカメラが対象者の解剖学的構造に対して移動しているときに、カメラと対象者の解剖学的構造(例えば、patientTcamera)との間の相対位置に基づいて座標系変換を決定するステップを更に有する。
【0095】
[00110] 本開示は、診察されている対象者に対するプローブの動きを追跡するためのカメラ(例えば、カメラ150及び801)又は光学的撮影デバイス(例えば、光学的撮影デバイス710)の使用を説明しているが、追跡は、適切な電磁放射(例えば、赤外線、高周波など)などの任意の適切な媒体を利用する任意の適切な追跡デバイスを使用することによって達成されてよい。
【0096】
[00111] 本開示の態様は、いくつかの有益性を提供し得る。例えば、プローブ位置決めガイダンスを自動化するための深層学習ネットワークの使用は、超音波診察のために最適な撮像ビューの場所を特定する際に臨床医を補助し得る。深層学習ネットワークによって学習される豊富な特徴は、患者の大きさ及び/又は解剖学的構造から独立したプローブ位置決めガイダンスを提供し得る。ROI検知及び/又は画像分類を含むことは、深層学習ネットワークの動作を臨床的に関連するデータ及び高品質入力画像に限定し得、それによって深層学習ネットワークのサイズ及び/又は複雑性を低減し、及び/又は運動予測性能を向上させる。深層学習に基づく運動予測に加えてカメラ追跡を含むことは、自動的プローブガイダンスの精度を向上させ得、臨床医に視覚的なフィードバックを提供し得る。プローブ、患者、及びプローブガイダンス指示を含むカメラビューと、一連の超音波画像を含む超音波ビューとのリアルタイムでの同時的な表示(例えば、表示ビュー1000、1110、1120、1130、1140、及び1150において示されたもの)は、超音波診察のワークフローを容易にし得、明瞭で使い易い指示を臨床医に提供し得る。本開示は、経胸郭心エコー検査(TTE)における使用に適しており、例えば、超音波トランスデューサの正確な設置(例えば、患者の心臓の解剖学的構造に対して正しい位置及び向きでの設置)においてユーザを補助する。本開示は、光学的又は電磁的追跡などのいかなる外部追跡デバイスにも頼ることなく画像に基づくガイダンスを提供する。故に、画像に基づくガイダンスは、低コストな可搬式デバイスにおける実施態様に適している。
【0097】
[00112] 当業者は、上に説明された装置、システム、及び方法は様々なやり方で修正され得ることを認識するであろう。故に、当業者は、本開示によって包含される実施形態は、上に説明された特定の例示的な実施形態に限定されるものではないことを理解するであろう。この点に関して、例示的な実施形態が図示及び説明されたが、前述の開示において広範な修正例、変更例、及び代替例が意図される。本開示の範囲から逸脱することなくこのような変形が前述のことになされ得ることが理解される。故に、添付の特許請求の範囲は、広範に、本開示と首尾一貫したやり方で解釈されることが適切である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図12