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特許7462653高電圧許容型高速インターフェースのための低漏れ電流による電気的過負荷保護
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】高電圧許容型高速インターフェースのための低漏れ電流による電気的過負荷保護
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/329 20060101AFI20240329BHJP
   H01L 29/861 20060101ALI20240329BHJP
   H01L 29/87 20060101ALI20240329BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20240329BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20240329BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20240329BHJP
   H01L 29/866 20060101ALI20240329BHJP
   H01L 21/331 20060101ALI20240329BHJP
   H01L 29/732 20060101ALI20240329BHJP
   H01L 29/747 20060101ALI20240329BHJP
   H01L 29/74 20060101ALI20240329BHJP
   H01L 21/8232 20060101ALI20240329BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
H01L29/90 Z
H01L27/04 H
H01L29/06 301G
H01L29/90 S
H01L29/72 P
H01L29/06 301F
H01L29/747
H01L29/74 G
H01L29/74 F
H01L27/06 F
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021540424
(86)(22)【出願日】2020-01-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 EP2020050205
(87)【国際公開番号】W WO2020144180
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-12-07
(31)【優先権主張番号】62/790,822
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/291,352
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519383544
【氏名又は名称】アナログ・ディヴァイシス・インターナショナル・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ハヴィエル・サルセド
(72)【発明者】
【氏名】スリヴァトサン・パルタサラティ
(72)【発明者】
【氏名】エンリケ・ボッシュ
【審査官】石塚 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-135320(JP,A)
【文献】特開2009-224803(JP,A)
【文献】米国特許第9450402(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0158814(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0050452(US,A1)
【文献】国際公開第2003/063203(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2018/0287378(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/861
H01L 21/329
H01L 27/04
H01L 21/822
H01L 29/06
H01L 21/331
H01L 29/747
H01L 29/74
H01L 21/8232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
低漏れ電流と、高電圧耐性電気過剰応力保護と、を伴う、半導体ダイであって、前記半導体ダイが、
信号パッドと、
前記信号パッドに電気的に接続された内部回路と、
隔離されたノードと基準ノードとの間に電気的に接続された電力クランプと、
前記信号パッドと前記隔離されたノードとの間に電気的に接続された1つ以上の隔離遮断電圧デバイスであって、前記1つ以上の隔離遮断電圧デバイスが、前記電力クランプの静電容量から前記信号パッドを隔離するように動作可能である、隔離遮断電圧デバイスと、
前記電力クランプと並列に接続され、前記基準ノードに結合されたアノードおよび前記隔離されたノードに結合されたカソードを有するクランプ迂回ダイオードと、
前記隔離されたノードに結合されたアノードおよび前記信号パッドに結合されたカソードを有する第1の逆保護ダイオードと、を備える、半導体ダイ。
【請求項2】
前記1つ以上の隔離遮断電圧デバイスが、少なくとも1つのゲートダイオードを備える、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのゲートダイオードが、半導体領域と、前記半導体領域に形成されたp型活性(P+)アノード領域と、前記半導体領域に形成されたn型活性(N+)カソード領域と、前記P+アノード領域と前記N+カソード領域との間の前記半導体領域上の金属ゲートと、を備える、請求項2に記載の半導体ダイ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのゲートダイオードが、n型ウェルと、前記n型ウェルに内に形成されたP+アノード領域と、前記n型ウェルに形成されたN+カソード領域と、前記P+アノード領域と前記N+カソード領域との間の前記n型ウェル上の金属ゲートと、前記n型ウェルの周辺を囲繞するP+リングと、を備える、請求項2に記載の半導体ダイ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのゲートダイオードが、p型ウェルと、p型基板内に形成され、前記p型基板から前記p型ウェルを電気的に隔離するように動作可能なn型タブと、前記p型ウェル内に形成されたP+アノード領域と、前記p型ウェル内に形成されたN+カソード領域と、前記P+アノード領域と前記N+カソード領域との間の前記p型ウェル上の金属ゲートと、を備える、請求項2に記載の半導体ダイ。
【請求項6】
前記1つ以上の隔離遮断電圧デバイスが、少なくとも2つの直列の隔離ダイオードを含む、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項7】
前記電力クランプが、能動的に制御されている、請求項に記載の半導体ダイ。
【請求項8】
前記電力クランプが、検出回路と、バイアス回路と、クランプとを備え、前記検出回路が、前記隔離されたノードにおいて電気過剰応力事象を検出することに応答して、検出信号を起動し、前記バイアス回路が、前記検出信号の起動に応答して、前記クランプをオンにする、請求項に記載の半導体ダイ。
【請求項9】
前記信号パッドが、高精細マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))の家電制御(CEC)パッドである、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項10】
前記電力クランプが、前記信号パッドの電圧を増加させる電気過剰応力に応答して起動するように構成され、前記半導体ダイが、前記信号パッドに電気的に接続されており、かつ前記信号パッドの前記電圧を減少させる電気過剰応力に応答して起動するように構成されている、逆保護回路をさらに備える、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項11】
前記逆保護回路が、ダイオードまたはSCRのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項12】
前記逆保護回路が、2つ以上の直列のゲートダイオードを含む、請求項11または請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項13】
低静電容量と、低漏れ電流と、を伴う、電気過剰応力保護を提供する方法であって、前記方法は、
半導体ダイの信号パッドにおいて、電気過剰応力事象を受け取ることと、
隔離されたノードと基準ノードとの間に電気的に接続されている電力クランプを使用して、前記電気過剰応力事象を放電することと、
前記信号パッドと前記隔離されたノードとの間に介在する少なくとも1つの遮断電圧デバイスを使用して、前記電力クランプの静電容量から前記信号パッドを隔離することと、
クランプ迂回ダイオードおよび第1の逆保護ダイオードを使用して前記電力クランプのための迂回経路を提供することであって、前記クランプ迂回ダイオードが前記電力クランプと並列に接続され、前記基準ノードに結合されたアノードおよび前記隔離されたノードに結合されたカソードを有し、前記第1の逆保護ダイオードが、前記隔離されたノードに結合されたアノードおよび前記信号パッドに結合されたカソードを有する、前記提供することと、を含む、方法。
【請求項14】
前記電力クランプの前記静電容量から前記信号パッドを隔離することが、少なくとも1つのゲートダイオードを使用して隔離を提供することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記電力クランプを使用して前記電気過剰応力事象を放電することが、前記隔離されたノードにおいて前記電気過剰応力事象を検出することに応答して、検出信号を起動することと、前記検出信号の起動に応答してクランプをオンすることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
2つ以上の直列のゲートダイオードを含む逆保護回路を使用して信号を保護することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記クランプが、前記隔離されたノードと前記基準ノードとの間に直列に接続された第1のクランプ電界効果トランジスタ(FET)および第2のクランプFETを含む、請求項8に記載の半導体ダイ。
【請求項18】
前記バイアス回路が、前記隔離されたノードと前記基準ノードとの間に接続された電圧分割器をさらに含み、中電圧を前記第1のクランプFETのゲートに提供するように構成され、前記バイアス回路が、前記検出信号の起動に応答して前記中電圧をオーバーライドするように構成された、請求項17に記載の半導体ダイ。
【請求項19】
前記第1の逆保護ダイオードのカソードに結合されたアノードと、前記信号パッドに結合されたカソードとを有する第2の逆保護ダイオードをさらに備える、請求項1に記載の半導体ダイ。
【請求項20】
前記1つ以上の隔離遮断電圧デバイスが、前記隔離されたノードに結合されたアノード領域と、前記信号パッドに結合されたカソード領域とを有するゲートされたダイオードを備え、前記アノード領域および前記カソード領域が、半導体レイアウト内に形成され、前記カソード領域が、前記半導体レイアウトの第1の角で接触され、前記カソード領域が、前記第1の角と反対側の前記半導体レイアウトの第2の角で接触される、請求項1に記載の半導体ダイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子システムに関し、より具体的には、低漏れ、低容量、および/または高電圧耐性電気過剰応力保護に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の電子システムは、電気過剰応力事象、または急速に変化する電圧と高電力とを有する短時間の電気信号にさらされ得る。電気過剰応力事象としては、例えば、物体または人から電子システムへの電荷の急な放出から生じる電気過剰応力(EOS)および静電気放電(ESD)が挙げられる。
【0003】
電気過剰応力事象は、ICの比較的小さい領域で過電圧条件および高レベルの電力損失を発生させることによって集積回路(IC)を損傷または破壊する可能性がある。高電力損失は、IC温度を上昇させ得、ゲートオキシドパンチスルー、ジャンクション損傷、金属損傷、および表面電荷蓄積などの多くの問題につながり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
低漏れ電流と、低静電容量と、を伴う電気過剰応力保護が提供される。特定の実施形態では、半導体チップは、チップの電気的インターフェースのパッドで電気過剰応力から保護するための電力クランプを含む。電力クランプは、少なくとも1つの隔離遮断電圧デバイスによってパッドから隔離されている。パッドと電力クランプとの間に隔離遮断電圧デバイスを介在させることによって、パッドは電力クランプの静電容量から遮蔽され、および/またはパッドにおける漏れ電流の量が低減される。よって、電気インターフェースは、半導体チップを損傷する可能性のある電気過剰応力の存在下で堅牢性を維持しながら、高速、迅速な信号伝達、および/または低静電損失で動作することができる。
【0005】
一態様では、低漏れ電流と、高電圧耐性電気過剰応力保護と、を伴う半導体ダイが提供される。半導体ダイは、信号パッドと、信号パッドに電気的に接続された内部回路と、隔離されたノードに電気的に接続された電力クランプと、信号パッドと隔離されたノードとの間に電気的に接続された1つ以上の隔離遮断電圧デバイスと、を含む。1つ以上の隔離遮断電圧デバイスは、電力クランプの静電容量から信号パッドを隔離するように動作可能である。
【0006】
別の態様では、半導体チップのための電気インターフェースが提供される。電気インターフェースは、信号パッドと、信号パッドに電気的に接続された内部回路と、隔離されたノードに電気的に接続された電力クランプと、電力クランプの静電容量から信号パッドを隔離するための手段と、を含む。隔離するための手段は、信号パッドと隔離されたノードとの間に電気的に接続されている。
【0007】
別の態様では、低静電容量と、低漏れ電流と、を伴う電気過剰応力保護を提供する方法が提供される。本方法は、半導体ダイの信号パッドにおいて電気過剰応力事象を受容することと、隔離されたノードに電気的に接続された電力クランプを使用して電気過剰応力事象を放出することと、信号パッドと隔離されたノードとの間に介在している少なくとも1つの隔離遮断電圧デバイスを使用して、電力クランプの静電容量から信号パッドを隔離することと、を含む。
【0008】
別の態様では、電気過剰応力に対する双方向保護を伴う半導体ダイが提供される。半導体ダイは、第1のパッドと、第2のパッドと、第1のパッドと第2のパッドとの間に電気的に接続され、かつ第2のパッドの電圧に対して第1のパッドの電圧を増加させる電気過剰応力に応答して起動するように構成された順方向保護SCRと、第1のパッドと第2のパッドとの間に順方向保護SCRと平行に電気的に接続され、かつ第2のパッドの電圧に対して第1のパッドの電圧を減少させる電気過剰応力に応答して起動するように構成された逆保護SCRと、を含む。ある特定の実施形態において、順方向保護SCRまたは逆保護SCRのうちの少なくとも1つは、1つ以上のゲートダイオードを含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】一実施形態によるチップインターフェースの概略図である。
図1B】別の実施形態によるチップインターフェースの概略図である。
図1C】別の実施形態によるチップインターフェースの概略図である。
図1D】別の実施形態によるチップインターフェースの概略図である。
図1E】別の実施形態によるチップインターフェースの概略図である。
図2A】別の実施形態によるチップインターフェースの概略図である。
図2B】保護回路のレイアウトの一実施形態の平面図である。
図3A】ゲートダイオードのレイアウトの一実施形態の平面図である。
図3B】ゲートダイオードのレイアウトの別の実施形態の平面図である。
図3C】別の実施形態によるゲートダイオードの断面である。
図3D】別の実施形態によるゲートダイオードの断面である。
図3E】ゲートダイオードのゲートおよび第1の金属層のレイアウトの一実施形態の平面図である。
図3F】ゲートダイオードのゲート、第1の金属層、および第2の金属層のレイアウトの一実施形態の平面図である。
図3G】ゲートダイオードのゲート、第2の金属層、および第3の金属層のレイアウトの一実施形態の平面図である。
図3H】ゲートダイオードのゲート、第3の金属層、および第4の金属層のレイアウトの一実施形態の平面図である。
図3I】ゲートダイオードのゲート、第4の金属層、および第5の金属層のレイアウトの一実施形態の平面図である。
図3J】ゲートダイオードのゲート、第5の金属層、および第6の金属層のレイアウトの一実施形態の平面図である。
図3K】ゲートダイオードのゲート、第6の金属層、および第7の金属層のレイアウトの一実施形態の平面図である。
図4】逆保護ダイオードのレイアウトの一実施形態の平面図である。
図5】一実施形態による電力クランプの概略図である。
図6】別の実施形態による電力クランプの概略図である。
図7図6の電力クランプのための1kV人体モデル(HBM)時間掃引シミュレーションの一例のグラフである。
図8図2Aのチップインターフェースの一実施態様のための漏れ電流対温度の一例のグラフである。
図9図2Aのチップインターフェースの一実施態様のための寄生容量対温度の一例のグラフである。
図10A】保護回路のレイアウトの一実施形態の平面図である。
図10B】保護回路のレイアウトの別の実施形態の平面図である。
図11】一実施形態による双方向保護回路の概略図である。
図12】一実施形態による順方向保護SCRの断面である。
図13A】一実施形態による逆保護SCRの断面である。
図13B図13Aの逆保護SCRの一部の回路図である。
図13C】別の実施形態によるチップインターフェースの概略図である。
図14A】双方向保護回路のレイアウトの一実施形態の平面図である。
図14B】順方向保護SCRのレイアウトの一実施形態の平面図である。
図14C】逆保護SCRのレイアウトの別の実施形態の平面図である。
図15A図11の双方向保護回路の一実施態様のための異なる温度に対する電流対電圧のグラフである。
図15B図11の双方向保護回路の一実施態様のための電流対電圧TLP特性のグラフである。
図15C図11の双方向保護回路の一実施態様のための容量対周波数特性のグラフである。
図15D図11の双方向保護回路の一実施態様のための電圧対時間TLP特性のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の実施形態の詳細な説明では、本発明の特定の実施形態のさまざまな説明を提示する。しかしながら、本発明は、多数の異なるやり方で具現化することができる。この説明では、同じ参照番号が同一のまたは機能的に類似した要素を示し得る図面を参照する。図に示す要素が必ずしも正確な比率で描かれているわけではないことを理解されたい。また、特定の実施形態は、図面に示されているよりも多くの要素および/または図面に示されている要素のサブセットを含み得ることを理解されたい。さらに、いくつかの実施形態は、2つ以上の図面からの特徴の適切な任意の組み合わせを組み込むことができる。
【0011】
特定の電子システムは、電気過剰応力事象から回路または構成要素を保護するための過剰応力保護回路を含む。電子システムが信頼できることを保証するのを助けるために、メーカーは定義された応力条件下で電子システムをテストすることができ、定義された応力条件は、Joint Electronic Device Engineering Council(JEDEC)、International Electrotechnical Commission(IEC)、およびAutomotive Engineering Council(AEC)などの様々な組織が設定した基準によって説明できる。基準は、電気過剰応力(EOS)および/または静電気放電(ESD)を含む、広範な多数の電気過剰応力事象をカバーし得る。
【0012】
1つ以上の隔離遮断電圧装置によりパッドから隔離された電力クランプ
低漏れ電流と、低静電容量と、を伴う電気過剰応力保護が提供される。特定の実施形態では、半導体チップは、チップの電気的インターフェースのパッドで電気過剰応力から保護するための電力クランプを含む。電力クランプは、少なくとも1つの隔離遮断電圧デバイスによってパッドから隔離されている。パッドと電力クランプとの間に隔離遮断電圧デバイスを介在させることによって、パッドは電力クランプの静電容量から遮蔽され、および/またはパッドにおける漏れ電流の量が低減される。よって、電気インターフェースは、半導体チップを損傷する可能性のある電気過剰応力の存在下で堅牢性を維持しながら、高速、迅速な信号伝達、および/または低静電損失で動作することができる。
【0013】
このような電気過剰応力保護スキームは、漏れ電流および/または容量に対する厳しい制約で動作するパッドを含むが、これらに限定されない、幅広いパッドに適している。例えば、本明細書の教示を使用して、高精細マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))の家電制御(CEC)パッドに保護を提供することができる。
【0014】
隔離遮断電圧デバイスの例には、遮断電圧を超える電圧で伝導しながら、遮断電圧を下回る伝導をほとんどまたはまったく呈しない隔離ダイオード、隔離サイリスタ、および/または他のデバイスが含まれるが、これらに限定されない。
【0015】
図1Aは、一実施形態によるチップインターフェース10の概略図である。チップインターフェース10は、チップピンまたはパッド1と、内部回路2と、隔離ダイオード3と、電力クランプ9と、を含む。チップインターフェース10は、半導体ダイまたはチップのための電気インターフェースの一部に対応する。
【0016】
図示の実施形態では、隔離ダイオード3は、内部回路2の動作に対する電力クランプ9の寄生容量の影響を低減するのを助けるために含まれている。図1Aに示すように、隔離ダイオード3は、パッド1とアース等の基準電圧との間の電力クランプ9と直列に電気的に接続されている。ある特定の実施態様では、基準電圧は、接地パッドなど、チップの別のパッドに接続されている。
【0017】
隔離ダイオードを伴う実施形態が示されているが、本明細書の教示は、他のタイプの隔離遮断電圧デバイスにも適用可能である。例えば、隔離ダイオード、隔離サイリスタ、および/または他の隔離遮断電圧デバイスを使用することができる。さらに、本明細書の教示は、異なるタイプの2つ以上の隔離遮断電圧デバイスの組み合わせを使用する実装にも適用可能である。例えば、1つ以上の隔離ダイオードは、信号パッドと隔離されたノードとの間の1つ以上の隔離サイリスタと直列に電気的に接続することができる。
【0018】
電力クランプ9は、内部回路2に電気過剰応力保護を提供する。例えば、電力クランプ9は、電気的な過剰応力が、パッド1の電圧を(基準電圧と比べて)増加させ、トリガ電圧に到達させるときに、順方向保護を提供するように起動する。図1Aには図示されていないが、ある特定の実施態様では、チップインターフェース10は、パッド1の電圧を基準電圧に比して減少させる電気過剰応力から保護するための逆保護回路をさらに含む。
【0019】
電力クランプ9と隔離ダイオード3との間のノードは、半導体ダイのパッドまたはピンに直接接続されていない隔離されたノード11に対応する。むしろ、隔離されたノード11は、隔離ダイオード3によってパッド1から電気的に隔離され、(例えば、基準電圧が接地パッドによって提供される実装では)電力クランプ9によって基準電圧から電気的に隔離される。隔離されたノード11は、本明細書では仮想供給とも称する。
【0020】
ある特定の電気過剰応力保護回路は、保護回路のトリガ電圧と保護回路の保持電圧との差に対応する、比較的大量のスナップバックを呈する。大量のスナップバックを有する保護回路は、特定の望ましい特性を有し得るが、特定の用途には適していない場合がある。例えば、そのような保護回路の大量のスナップバックおよび/または低保持電圧は、特定のタイプの内部回路および/またはパッドに保護を提供するために受け入れられない場合がある。
【0021】
隔離ダイオード3を含むことは、電力クランプ9の寄生容量から内部回路2を遮蔽または隔離するだけでなく、隔離ダイオード3は、過応力保護のための保持電圧を増加させ、それにより、内部回路2を保護するのに適したより広い範囲の保護回路を可能にする。隔離ダイオード3はまた、電力クランプ9の漏れ電流を低減するのに役立ち、それによって性能を向上させることができる。
【0022】
特定の実施態様では、隔離ダイオード3はゲートダイオードとして実装されている。例えば、ゲートダイオードは、半導体領域(例えば、p型またはn型半導体ウェル)内に形成されるp型領域(例えば、P+領域)および半導体領域内に形成されるn型領域(例えば、N+領域)を含み得る。加えて、半導体領域の表面上のp型領域とn型領域との間には、フィールドプレートまたはゲート(例えば、電界効果トランジスタの金属ゲート)が含まれている。ゲートを伴うダイオードは、本明細書ではゲートダイオードと呼ばれる。
【0023】
ゲートダイオードを使用して隔離ダイオード3を実装することは、プロセス、温度、および/または電圧(PVT)変動の存在下での低容量特性に対する制御の増加など、いくつかの利点を提供する。
【0024】
図1Bは、別の実施形態によるチップインターフェース15の概略図である。チップインターフェース15が、第1の隔離ダイオード3と直列に並ぶ第2の隔離ダイオード4をさらに含むことを除いて、図1Bのチップインターフェース15は、図1Aのチップインターフェース10と同様である。
【0025】
特定の実施態様では、2つ以上の隔離ダイオードが、電力クランプと直列に含まれている。2つ以上の隔離ダイオードを含むことは、寄生容量および/または漏れ電流のさらなる低減を提供することができる。さらに、2つ以上の隔離ダイオードを含むことは、過剰応力保護のための保持電圧を増加させることができ、および/または電力クランプ9のスナップバックの悪影響を減少させることができる。2つの隔離ダイオードを伴う例を示しているが、3つ以上の隔離ダイオードを直列に含めることもできる。
【0026】
図1Cは、別の実施形態によるチップインターフェース20の概略図である。図1Cのチップインターフェース20は、チップインターフェース20が逆保護回路12をさらに含むことを除いて、図1Aのチップインターフェース10と同様である。図1Cに示すように、逆保護回路12は、パッド1と、アースなどの基準電圧との間に電気的に接続されている。
【0027】
逆保護回路12の基準電圧は、電力クランプ9の基準電圧と同じであっても異なっていてもよい。例えば、一例では、逆保護回路12の基準電圧および電力クランプ9の基準電圧は、共用接地パッドなどの共通パッドによって提供される。別の例では、逆保護回路12の基準電圧および電力クランプ9の基準電圧は、別個のパッドによって提供される。別個のパッドを使用する実装では、基準電圧は、同じ電圧レベルまたは異なる電圧レベルであり得る。
【0028】
特定の実施態様では、逆保護回路は、パッドの電圧を減少させる電気過剰応力に対する保護を提供するために含まれている。リバース保護回路の例には、ダイオードおよび/またはシリコン制御整流器(SCR)が含まれるが、これらに限定されない。SCRは、本明細書ではサイリスタとも呼ばれる。
【0029】
図1Dは、別の実施形態によるチップインターフェース25の概略図である。図1Dのチップインターフェース25は、チップインターフェース25が第1の逆保護ダイオード6と第2の逆保護ダイオード7とをさらに含むことを除いて、図1Aのチップインターフェース10と同様である。
【0030】
図1Dに示すように、第1の逆保護ダイオード6は、電力クランプ9と平行に電気的に接続されており、第1の逆保護ダイオード6のアノードが、基準電圧に電気的に接続され、第1の逆保護ダイオード6のカソードが、隔離されたノード11に電気的に接続されている。加えて、第2の逆保護ダイオード7は、第1の逆保護ダイオード6と直列に電気的に接続されており、第2の逆保護ダイオード7のアノードが、隔離されたノード11に電気的に接続され、第2の逆保護ダイオード7のカソードが、パッド1に電気的に接続されている。
【0031】
図1Dのチップインターフェース25は、双方向である電気過剰応力保護回路の別の実施形態を示す。例えば、アノード性電気過剰応力事象が、パッド1の電圧を基準電圧に対して減少させると、電流は、第1の逆保護ダイオード6および第2の逆保護ダイオード7を通って伝導し、電気過剰応力を緩和する。
【0032】
図1Eは、別の実施形態によるチップインターフェース30の概略図である。図1Eのチップインターフェース30は、チップインターフェース30が第1の逆保護ダイオード6と、第2の逆保護ダイオード7と、第3の逆保護ダイオード8とをさらに含むことを除いて、図1Bのチップインターフェース15と同様である。
【0033】
図1Eに示すように、第1の逆保護ダイオード6、第2の逆保護ダイオード7、および第3の逆保護ダイオード8は、基準電圧とパッド1との間で直列に電気的に接続される。3つのダイオードが直列に並んでいる例を示したが、逆保護ダイオードがより多く、またはより少なく含まれていてもよい。
【0034】
図1Eのチップインターフェース30は、双方向である電気過剰応力保護回路の別の実施形態を例示する。
【0035】
図2Aは、別の実施形態によるチップインターフェース50の概略図である。チップインターフェース50は、信号パッド21(この例では、HDMI(登録商標)インターフェースのCECピン)と、接地パッド23と、隔離ダイオード3と、第1の逆保護ダイオード13と、第2の逆保護ダイオード14と、(この例では、約3.3Vのトリガ電圧を伴う)電力クランプ29と、内部回路22と、を含む。
【0036】
チップインターフェース50は、信号パッド21と接地パッド23との間に、第1の逆保護ダイオード13および第2の逆保護ダイオード14として直列に実装された逆保護回路を含む。逆保護回路の一例を示しているが、逆保護の他の実装も可能である。さらに、2つの逆保護ダイオードを伴う例を示しているが、より多くまたはより少ない逆保護ダイオードを含んでいてもよい。
【0037】
図示の実施形態では、内部回路22は、第1の受信n型電界効果トランジスタ(NFET)31と、第2の受信NFET32と、受信器33と、受信保護および制御回路34と、第1の受信抵抗35と、第2の受信抵抗36と、を含むCEC受信部分(CEC RX)を含む。図2Aに示すように、受信保護および制御回路34は、第1の受信NFET31および第2の受信NFET32のゲート電圧を制御する。
【0038】
内部回路22は、第1の送信NFET41と、第2の送信NFET42と、送信保護および制御回路43と、を含むCEC送信部(CEC TX)をさらに含む。図2Aに示すように、送信保護および制御回路43は、有効信号(en)を受信し、第1の送信NFET41および第2の送信NFET42のゲート電圧を制御する。内部回路22は、第1の感知抵抗器45と第2の感知抵抗器46とを含むCEC保護部分(CEC PROT)をさらに含み、第1の感知抵抗器45および第2の感知抵抗器46は、受信保護および制御回路34および送信保護および制御回路43に分割電圧を提供する電圧分割器として動作する。分割電圧は、信号パッド21の電圧に関連して変化する。
【0039】
図2Bは、保護回路のレイアウト70の一実施形態の平面図である。レイアウト70は、図2Aの電気インターフェース50のための保護回路レイアウトの一実施態様に対応する。レイアウトは、低漏れ電力クランプセクション61(電力クランプ29のレイアウトに対応)と、アップダイオードセクション62(隔離ダイオード3のレイアウトに対応)と、ダイオードダウンセクション63(第1の逆保護ダイオード13および第2の逆保護ダイオード14のレイアウトに対応)と、を含む。この例では、レイアウト70は、約100μm×140μmの設置面積を有する。
【0040】
図3Aは、ゲートダイオード110のレイアウトの一実施形態の平面図である。
【0041】
ゲートダイオード110は、半導体領域100を含み、半導体領域100は、ドープウェルまたは基板に対応し得る。半導体領域100がp型ドーピングを有する場合、ゲートダイオード110は、p型ゲートダイオードと呼ばれる。加えて、半導体領域100がn型ドーピングを有する場合、ゲートダイオード110は、n型ゲートダイオードと呼ばれる。
【0042】
図3Aを引き続き参照すると、ゲートダイオード110は、P+アノード領域101と、N+カソード領域102と、P+アノード領域101とN+カソード領域102との間の半導体領域100上に延在する金属ゲート103と、をさらに含む。
【0043】
ゲートダイオードを使用して隔離ダイオード(例えば、図1A図2Aの第1の隔離ダイオード3および/または第2の隔離ダイオード4)を実装することは、低減された漏れ電流、減少された寄生容量の減少、および/またはより高い保持電圧など、いくつかの利点を提供する。さらに、ゲートダイオードは、PVT変動の存在下で優れた低静電容量特性を有し得る。本明細書の特定の実施態様では、ゲートダイオードのゲートは、動作中に電気的に浮動している。
【0044】
図3Bは、ゲートダイオード120のレイアウトの別の実施形態の平面図である。ゲートダイオード120は、P+アノード領域101と、N+カソード領域102と、金属ゲート103と、n型ウェル(NW)112と、P+リング115と、を含む。ゲートダイオード120は、この例では、p型基板(PSUB)111内で加工される。
【0045】
図3Bに示すように、NW112においては、P+アノード領域101およびN+カソード領域102が形成されている。よって、図3Bのゲートダイオード120は、n型ゲートダイオードである。P+アノード領域101は、金属化(例えば、半導体ダイのバックエンド処理に関連する金属化)を使用して互いに電気的に接続し、ゲートダイオード120のアノード端子を形成することができる。加えて、N+カソード領域102は、金属化を使用して互いに電気的に接続し、ゲートダイオード120のカソード端子を形成することができる。
【0046】
図示の実施形態では、ゲートダイオード120は、金属化を使用して共に電気的に接続されている複数のセクションまたは脚を含む。複数のセクションを使用してゲートダイオード120を実装することは、コンパクトな面積および/または所望の処理能力などの所望の動作特性を達成するのに役立つ。
【0047】
図3Cは、別の実施形態によるゲートダイオード130の断面である。ゲートダイオード130は、PSUB111内に形成されており、かつP+アノード領域101と、N+カソード領域102と、金属ゲート103と、NW112と、P+ガードリング115と、を含む。
【0048】
図3Cでは、ゲートダイオード130の断面が図示されている。上から見ると、ゲートダイオード130は、平面レイアウト構成または環状構成など、多種多様なやり方で実装されるレイアウトを有し得る。例えば、ゲートダイオード130は、図3Bによる平面レイアウト構成を使用して実装することができる。
【0049】
図示の実施形態では、ゲートダイオード130は、PSUB111内に直接形成されている。しかしながら、本明細書の教示は、基板がドープ支持基板または非ドープ支持基板上にp型エピタキシャル層を含み、ゲートダイオード130がp型エピタキシャル層内で加工されている実装などの他の構成にも適用可能である。図3Bには示されていないが、PSUB111は、典型的には、その中に形成された他のデバイスまたは構造を含む。例えば、本明細書のチップインターフェースの回路のいずれも、半導体ダイの共通基板上で加工することができる。
【0050】
ゲートダイオードは、様々なウェル(例えば、n型ウェル(NW)および/またはp型ウェル(PW)領域)、様々な活性領域(例えば、n型活性(N+)および/またはp型活性(P+)領域)、ゲート構造(例えば、金属ゲート)、および/または他の構造を含み得る。当業者であれば、P+領域は、PWよりも高いドーピング濃度を有し、PWは、p型基板よりも高いドーピング濃度を有することを理解するであろう。加えて、N+領域は、NWよりも高いドーピング濃度を有する。当業者であれば、当該領域における様々な濃度のドーパントを理解するであろう。
【0051】
半導体デバイス内の領域は、異なる不純物または異なる不純物濃度を有する半導体材料の異なる部分をドーピングすることによって定義されるため、異なる領域間の別個の物理的境界は、実際には完成したデバイス内に存在しない場合があるが、代わりに、領域は、互いに移行し得ることを理解されたい。いくつかの境界は、このタイプの図に示され、読者の助けとなるためだけに階段構造として図示される。当業者であれば、p型領域は、ホウ素などのp型半導体材料をドーパントとして含み得る。さらに、n型領域は、リンなどのn型半導体材料をドーパントとして含み得る。
【0052】
電気接続は、ラインを使用して概略的に示されているが、当業者であれば、注釈付き電気接続は、バックエンド処理を介した金属化を部分的に使用して行うことができることを理解するであろう。さらに、特定の実施態様では、接着パッドまたは他の構造を含み得、特定のノードに対応し得る。そのような詳細は、図面を明確にするために省略されている。
【0053】
図3Cに示すように、ゲートダイオード130は、アノード端子(アノード)と、カソード端子(カソード)と、を含む。加えて、PSUB111に接続するための基板端子(基板)を示す。
【0054】
図3Dは、別の実施形態によるゲートダイオード135の断面である。ゲートダイオード135は、PSUB111内に形成されており、かつP+アノード領域101と、N+カソード領域102と、金属ゲート103と、PW114と、P+ガードリング115と、PWガードリング116と、N+隔離リング117と、NW隔離リング118と、DNW119と、を含む。N+隔離リング117、NW隔離リング118、およびDNW119は、PSUB111からPW114を電気的に隔離するn型隔離タブとして動作する。加えて、P+ガードリング115およびPWガードリング116は、p型ガードリングとして動作する。
【0055】
図示の実施形態では、ゲートダイオード135は、バイポーラトランジスタ構造のベースエミッタ接合部がゲートダイオードとして機能するバイポーラトランジスタ構造を使用して実装されている。ゲートダイオード135は、図3Cのゲートダイオード130に比して、より低い静電容量、より高い隔離、および/またはより低い逆漏れ電流を提供することができる。
【0056】
電気接続は、ラインを使用して断面の上に概略的に示している。図3Dに示すように、ゲートダイオード135は、アノード/ベース端子(アノード/ベース)と、カソード/エミッタ端子(カソード/エミッタ)と、を含む。加えて、n型隔離タブに接続するための隔離/コレクタ端子(ISO/コレクタ)、およびPSUB111/p型ガードリングに接続するための基板端子(SUB)を示す。
【0057】
図3E図3Kは、ゲートダイオードの一実施形態のゲート層および金属化層の平面図を示す。平面図は、42個の金属ゲートを伴う多指実装のための構成図3Dに従う、p型ゲートダイオードのための例示的なチップ金属化を示す。
【0058】
図3Eは、ゲートダイオードのゲートおよび第1の金属層のレイアウトの一実施形態の平面図である。図3Eに示すように、第1の金属層は、ゲートされたダイオードの指間をルーティングし、かつn型隔離タブおよびp型ガードリングへの接続性を提供するために使用される。
【0059】
図3Fは、ゲートダイオードのゲート、第1の金属層、および第2の金属層のレイアウトの一実施形態の平面図である。図3Fに示すように、第1の金属層および第2の金属層は、ゲートダイオードの指を重ね合わせて、強化された過渡電流密度処理能力を提供する。
【0060】
図3Gは、ゲートダイオードのゲート、第2の金属層、および第3の金属層のレイアウトの一実施形態の平面図である。図3Gに示すように、第3の金属層は、金属間寄生容量を低減するために比較的大きな分離を有する一方で、アノード端子およびカソード端子に対して低抵抗を提供する。
【0061】
図3Hは、ゲートダイオードのゲート、第3の金属層、および第4の金属層のレイアウトの一実施形態の平面図である。図3Hに示すように、第4の金属層は、第3の金属層と重複して、低端子抵抗および低減された金属間寄生容量を提供する。
【0062】
図3Iは、ゲートダイオードのゲート、第4の金属層、および第5の金属層のレイアウトの一実施形態の平面図である。図3Iに示すように、第5の金属層は、第4の金属層と重複して、低端子抵抗および低減された金属間寄生容量を提供する。
【0063】
図3Jは、ゲートダイオードのゲート、第5の金属層、および第6の金属層のレイアウトの一実施形態の平面図である。図3Jに示すように、第6の金属層は、第5の金属層と重複して、低端子抵抗および低減された金属間寄生容量を提供する。
【0064】
図3Kは、ゲートダイオードのゲート、第6の金属層、および第7の金属層のレイアウトの一実施形態の平面図である。図3Kに示すように、第7の金属層は、レイアウトの反対側の角付近のアノードおよびカソード端子に接続することによって、電流を分配し、かつデバイアス効果を緩和する役割を果たす。このように金属化を実施することは、低容量、均一な電流密度、および/または低オン状態抵抗を提供するのに役立つ。図3Kに示すように、ゲートダイオードを通る電流経路が図示されている。
【0065】
図4は、逆保護ダイオード190のレイアウトの一実施形態の平面図である。逆保護ダイオード190は、PSUB111内で加工され、かつP+領域と、N+領域と、金属ゲート103と、PW114と、NW118と、DNW119と、p型ガードリング133と、を含む。
【0066】
逆保護ダイオード190は、本明細書の教示に従う、電気インターフェースのための逆保護回路の一実施形態を示す。例えば、逆保護ダイオード190を使用して、図2Aの第1の逆保護ダイオード13および第2の逆保護ダイオード14を実装することができる。逆保護ダイオード190は、電気インターフェースにとって好適な逆保護回路の一例を示すが、逆保護回路の他の実装も、本明細書の教示に従って使用することができる。
【0067】
逆保護ダイオード190は、P+アノード領域121とN+カソード領域122との間に存在する一対の直列ゲートダイオードを含む。P+アノード領域121を、金属化を使用して互いに電気的に接続することで、第1のゲートダイオードのアノード端子を形成することができる。加えて、N+カソード領域122を、金属化を使用して互いに電気的に接続することで、第2のゲートダイオードのカソード端子を形成することができる。さらに、金属化を使用して、第1のゲートダイオードのカソードを第2のゲートダイオードのアノードに接続し、それによって、一対のゲートダイオードを直列に接続することができる。
【0068】
よって、図4のレイアウトは、2つの直列の逆保護ゲートダイオードを含む。加えて、レイアウトは、互いに平行に動作し、かつ金属化を使用して互いに接続された複数のセクションを含む。当業者であれば理解するであろうが、図4のレイアウトは、SCR保護構成要素をさらに含む。
【0069】
ガードリング133は、多種多様に実装することができる。例えば、ガードリング133は、PW134およびその中に形成されるP+領域135を含み得る。特定の実施態様では、P+領域135は、接地に電気的に接続されている。
【0070】
図5は、一実施形態による電力クランプ210の概略図である。電力クランプ210は、第1の端子205と第2の端子206との間に並列に電気的に接続された検出回路201と、バイアス回路202と、クランプ203とを備える。
【0071】
電力クランプ210は、本明細書の教示に従って実装されるチップインターフェースのための電力クランプの一実施形態を示す。例えば、電力クランプ210は、図1A図1Eおよび図13Cの電力クランプ9および/または図2Aの電力クランプ29の一実施形態を示す。
【0072】
能動制御電力クランプは、過剰応力に関連付けられた電気条件を監視することによって電気過剰応力事象の存在を検出するタイプの電力クランプである。能動制御を伴う電力クランプを実装することによって、クランプを提供するためにネイティブジャンクション破壊に依存する実装に比して、比較的速い起動時間、比較的低い静的電力損失、および/または比較的コンパクトな設置面積を達成することができる。
【0073】
図示の電力クランプ210は、能動的に制御されている。例えば、検出回路201は、第1の端子205と第2の端子206との間の電気過剰応力事象の存在を検出することに応答して、検出信号を起動させる。例えば、検出回路201は、経時的に第1の端子205と第2の端子206との間の電圧差の変化を監視することに基づいて電気過剰応力の存在を検出する抵抗キャパシタ(RC)ネットワークを含み得る。
【0074】
図5を引き続き参照すると、バイアス回路202は、クランプ203にバイアスをかけて、高インピーダンスまたはオフ状態と低インピーダンスまたはオン状態との間でクランプ203を制御する。加えて、バイアス回路202は、検出信号の起動に応答してクランプ203をオンにし、電気過剰応力が検出されるとクランプ203をオフにする。
【0075】
図6は、別の実施形態による電力クランプ300の概略図である。電力クランプ300は、検出回路251と、バイアス回路と、クランプ253と、を含む。バイアス回路は、バイアス回路252a/252bと総称される第1のバイアス回路部252aと、第2のバイアス回路部252bと、を含む。図6に示すように、検出回路251、バイアス回路252a/252b、およびクランプ253は、第1の端子241と第2の端子242との間で互いに並列に電気的に接続されている。
【0076】
能動制御電力クランプの一実施形態を図示しているが、本明細書の教示は、多様なやり方で実装される電力クランプに適用可能である。例えば、能動的に制御された電力クランプは、他のやり方で実装された検出回路、バイアス回路、および/またはクランプも含み得る。
【0077】
図示の実施形態では、検出回路251は、第1のコンデンサ261と、第2のコンデンサ262と、第1のダイオード接続PFET263と、第2のダイオード接続PFET264と、を含む。第1のコンデンサ261は、金属化265を使用して迂回してもよく、および/または金属化265は、第1のコンデンサ261および第2のコンデンサ262を直列に電気的に接続するために省略してもよい。図6に示すように、第1のダイオード接続PFET263および第2のダイオード接続PFET264の本体は、第2のバイアス回路部分252bからの中電圧(VMID)によってバイアスされ、動作電圧範囲を延長する、および/または寄生本体ダイオードが特定のバイアス条件下で誤って起動するのを防ぐ。
【0078】
第1のバイアス回路部分252aは、第1のバイポーラトランジスタ271と、第2のバイポーラトランジスタ272と、第3のバイポーラトランジスタ273と、コンデンサ274と、第1の抵抗275と、第2の抵抗276と、を含む。第2のバイアス回路部分252bは、第1のダイオード接続PFET281と、第2のダイオード接続PFET282と、第3のダイオード接続PFET283と、第4のダイオード接続PFET284と、第5のダイオード接続PFET285と、第6のダイオード接続PFET286と、を含む。
【0079】
クランプ253は、本実施形態では、第1のクランプNFET291と第2のクランプNFET292とを含む。クランプNFET291および第2のクランプ292は、電圧処理能力を増加させるために直列に含まれ、特定の実施態様では、プロセス技術のための最小チャネル長(Lmin)を超えるチャネル長を有し、それによって漏れ電流を低減する。一実施形態では、第1のクランプNFET291のチャネル長さLは、Lminよりも大きく、第2のクランプNFET292のチャネル長さLは、LminおよびLの両方よりも大きい。したがって、本実施形態では、L>L>Lminである。別の実施形態では、LまたはLのうちの少なくとも1つは、Lminよりも大きい。
【0080】
電力クランプ300が図1A図2Aおよび/または13Cの電力クランプ9を実装するために使用される実施形態では、電力クランプ300の漏れ電流が、パッド1の総漏れ電流をしのぐ可能性がある。例えば、パッド1の通常の動作中、パッドの電圧の比較的小さな割合が隔離遮断電圧デバイス(例えば、隔離ダイオード3)にわたって現れる一方で、パッドの電圧の比較的大きな割合が電力クランプにわたって現れる。
【0081】
図6の電力クランプ300などの電力クランプの漏れ電流を低減するのを補助するために、電力クランプは、漏れ電流を低減するための1つ以上の特徴を伴って実装され得る。
【0082】
第1の例では、電力クランプは、積層されたクランプデバイス(例えば、第1のクランプNFET291および第2のクランプNFET292を積層すること)によって実装されている。
【0083】
第2の例では、電力クランプは、製造プロセスによって許可される最小チャネル長を超えるトランジスタ長を有する1つ以上のクランプFETを伴って実装されている。例えば、図6の電力クランプ300に関して、第1のクランプNFET291および/または第2のクランプNFET292は、最小チャネル長を超えるチャネル長を伴って実装され得る。一実施態様では、第1のNFET291は、160nm~200nmの範囲、例えば170nmのチャネル長さと、600um~800umの範囲、例えば750umの幅(4などの複数の平行セルを使用して実装される)と、を有する。加えて、一実施態様では、第2のNFET292は、200nm~500nmの範囲、例えば350nmのチャネル長と、600um~800umの範囲、例えば750umの幅(4などの複数の平行セルを使用して実装される)と、を有する。
【0084】
第3の例では、クランプデバイスをバイアスするために使用されるバイアス回路を実装して、漏れ電流を低減することができる。例えば、図6の電力クランプ300に関して、第2のバイアス回路部分252bは、最小チャネル長を超えるチャネル長を伴って実装され得る。一実施態様では、ダイオード接続PFET281~283は、1.5μm~2.5μmの範囲、例えば2μmのチャネル長と、250nm~500nmの範囲、例えば300nmのデバイス幅と、を有し得る一方、ダイオード接続PFET284~286は、0.85μm~1.5μmの範囲、例えば1μmのチャネル長と、250nm~500nmの範囲、例えば300nmのデバイス幅と、を有し得る。
【0085】
第4の例では、電力クランプの様々なコンデンサを実装して、活性デバイスのサイズ(ひいては、漏れ電流)を低減させ得る結合を提供することができる。例えば、図6の電力クランプ300に関して、一実施態様では、コンデンサ274は、400fF~500fFの範囲、例えば450fFの静電容量を有し、一方、コンデンサ261およびコンデンサ262は、500fF~700fFの範囲、例えば550fFの静電容量を有する。
【0086】
第5の例では、検出レジスタは、漏れ電流を低減するために、長いチャネル長を伴う活性トランジスタとして実装されている。例えば、図6の電力クランプ300に関して、一実施態様では、ダイオード接続PFET263~264は、1.5um~2.5umの範囲、例えば2umのチャネル長、および250nm~500nmの範囲、例えば300nmの幅を有する。
【0087】
第6の例では、検出信号を増幅するために使用されるバイアスデバイスのトランジスタ領域は、漏れ電流を低減するために選択されたデバイス領域と共に実装されている。例えば、図6の電力クランプ300に関して、一実施態様では、バイポーラトランジスタ271~273は、50μm~300μmの範囲、例えば100μmのエミッタ領域で実装されている。
【0088】
第7の例では、バイアス回路の抵抗は、漏れ電流を低減するために比較的高い抵抗を伴って実装されている。 例えば、図6の電力クランプ300に関して、一実施態様では、抵抗器275~276は、約50キロオーム以上の抵抗を有する。
【0089】
図7は、図6の電力クランプ300のための1kV人体モデル(HBM)時間掃引シミュレーションの一例のグラフである。このグラフは、電流対時間の上部と、電圧対時間の下部と、を含む。電圧対時間シミュレーションは、第1の端子241の電圧のプロット1302を含む。
【0090】
図7に示すように、電力クランプ300は、この例では、ピーク電流を650mA未満、ピーク電圧を5.5V未満に制限する。
【0091】
図8は、3.6Vの信号パッド入力電圧で動作する図2Aのチップインターフェース50の一実施態様のための漏れ電流対温度の一例のグラフである。
【0092】
グラフは、高速N/高速P(FF)1311と、高速N/低速P(FS)1312と、公称N/公称P(TT)1313と、低速N/高速P1314(SF)1314と、低速N/低速P(SS)1315と、を含む、異なるシミュレーション処理コーナーのプロットを含む。
【0093】
図9は、図2Aのチップインターフェースの一実施態様のための寄生容量対温度の一例のグラフである。
【0094】
グラフは、FF1321と、FS1322と、TT1323と、SF1324と、SS1325と、を含む、異なるシミュレーション処理コーナーのプロットを含む。
【0095】
図7図9は、保護回路のシミュレーション結果の様々な例を示しているが、実装、アプリケーション、および/または処理技術に依存する結果を含む、他のシミュレーション結果も可能である。
【0096】
図10Aは、保護回路のレイアウトの一実施形態の平面図である。図10Aのレイアウトは、図2Bのレイアウト70を参照して上述したように、電力クランプセクション、ダイオードアップセクション、およびダイオードダウンセクションの全般的な位置決めによって実装されている。
【0097】
例えば、レイアウトは、低漏れ電力クランプセクション1401(電力クランプ29のレイアウトに対応)と、アップダイオードセクション1402(隔離ダイオード3のレイアウトに対応)と、ダイオードダウンセクション1403(第1の逆保護ダイオード13および第2の逆保護ダイオード14のレイアウトに対応)と、を含む。この例では、レイアウトは、約96μm×131μmの設置面積を有する。
【0098】
図10Bは、保護回路のレイアウトの別の実施形態の平面図である。図10Bのレイアウトは、レイアウトの上部金属層が図10Bに示され、下部金属層およびドープ半導体領域が省略されていることを除いて、図10Aのレイアウトと同様である。
【0099】
順方向保護と、逆保護SCRと、を伴う双方向保護回路
図11は、一実施形態による双方向保護回路305の概略図である。双方向保護回路305は、順方向保護SCR301と、逆保護SCR302と、を含む。SCRは、サイリスタとも呼ばれる。図示の実施形態では、双方向保護回路305は、第1のパッド303(この例ではAIO)と第2のパッド304(この例では低電力またはVSS)との間に電気的に接続されている。
【0100】
図11に示すように、順方向保護SCR301は、第1のパッド303に電気的に接続されているアノードと、第2のパッド304に電気的に接続されているカソードと、を含む。加えて、逆保護SCR302は、第2のパッド304に電気的に接続されているアノードと、第1のパッド303に電気的に接続されているカソードと、を含む。したがって、順方向保護SCR301および逆保護SCR302は、互いに反平行に電気的に接続される。
【0101】
順方向保護SCR301は、第2のパッド304の電圧と比して、第1のパッド303の電圧を増加させるカソード電気過剰応力に対する保護を提供するように起動する。順方向保護SCR301は、順方向トリガ電圧と、双方向保護回路305の順方向保護特性を制御する順方向保持電圧と、を有する。
【0102】
図11を引き続き参照すると、逆保護SCR302が起動して、第1のパッド303の電圧を第2のパッド304の電圧と比して減少させるアノード電気過剰応力に対する保護を提供する。逆保護SCR302は、逆トリガ電圧と、双方向保護回路305の逆保護特性を制御する逆保持電圧と、を有する。
【0103】
本明細書の特定の実施態様では、順方向保護SCR301および後方保護SCR302は、統合を強化するために、共有ガードリングと共通のレイアウトで実装されている。
【0104】
図12は、一実施形態による順方向保護SCR350の断面である。順方向保護SCR350は、図11の順方向保護SCR301の一実施形態を示す。
【0105】
図12では、順方向保護SCR350の断面が図示される。上から見ると、順方向保護SCR350は、平面レイアウト構成または環状構成など、多種多様なやり方で実装されるレイアウトを有し得る。
【0106】
図示の実施形態では、順方向保護SCR350は、PSUB306内に直接形成されている。しかしながら、本明細書の教示は、基板がドープされたまたはドープされていない支持基板の上にp型エピタキシャル層を含み、順方向保護SCR350がp型エピタキシャル層において加工される実装などの他の構成にも適用可能である。図12には示されていないが、PSUB306は、典型的には、その中に形成された他のデバイスまたは構造を含む。例えば、順方向保護SCR、逆保護SCR、およびSCRによって保護された内部回路は、共通の基板で製造され得る。
【0107】
順方向保護SCR350は、NW313、PW314、およびPWガードリング318などの様々なNW領域およびPW領域を含む。加えて、様々なN+領域およびP+領域、P+アノード領域312/322、N+カソード領域315、N+補助入力/出力(IO_aux)領域316/326、第1のP+環領域317、および第2のP+環領域319が示されている。P+領域は、PWよりも高いドーピング濃度を有し、PWは、p型基板よりも高いドーピング濃度を有する。加えて、N+領域は、NWよりも高いドーピング濃度を有する。当業者であれば、当該領域における様々な濃度のドーパントを理解するであろう。
【0108】
順方向保護SCR350は、金属ゲート311/321などのフィールドプレートまたはゲートを含む追加の構造をさらに含む。加えて、分離領域310(例えば、浅いトレンチ隔離領域)が図示されている。分離領域310は、p型基板内のトレンチをエッチングすること、二酸化ケイ素(SiO)などの誘電体でトレンチを充填すること、および化学機械的平面化などの任意の適切な方法を使用して余分な誘電体を除去することなど、様々なやり方で形成することができる。
【0109】
半導体デバイス内の領域は、異なる不純物または異なる不純物濃度を有する半導体材料の異なる部分をドーピングすることによって定義されるため、異なる領域間の別個の物理的境界は、実際には完成したデバイス内に存在しない場合があるが、代わりに、領域は、互いに移行し得ることを理解されたい。いくつかの境界は、このタイプの図に示され、読者の助けとなるためだけに階段構造として図示される。当業者であれば、p型領域は、ホウ素などのp型半導体材料をドーパントとして含み得る。さらに、n型領域は、リンなどのn型半導体材料をドーパントとして含み得る。
【0110】
電気接続は、ラインを使用して概略的に示されているが、当業者であれば、注釈付き電気接続は、バックエンド処理を介した金属化を部分的に使用して行うことができることを理解するであろう。さらに、特定の実施態様では、接着パッドまたは他の構造を含み得、かつ信号入出力(IO)、低電力またはVSS、基板VSS、および/またはIO_auxを含むが、これらに限定されない、特定のノードに対応し得る。そのような詳細は、図面を明確にするために省略されている。
【0111】
順方向保護SCR350は、PNPバイポーラトランジスタ341、NPNバイポーラトランジスタ342、およびゲートダイオード343を含む、特定の電気接続およびデバイスを示すように概略的に注釈付けされている。順方向保護SCR350の左半分の特定のデバイスには注釈が付けられているが、当業者であれば、右半分は、順方向保護SCR350の全体的な動作特性を達成するために、左半分のデバイスと組み合わせて動作する類似のデバイスを含み得ることを理解するであろう。
【0112】
PNPバイポーラトランジスタ341は、P+領域312に関連付けられたエミッタと、NW313に関連付けられたベースと、PW314に関連付けられたコレクタと、を含む。加えて、NPNバイポーラトランジスタ342は、N+領域315に関連付けられたエミッタと、PW314に関連付けられたベースと、NW313およびN+領域316に関連付けられたコレクタと、を含む。さらに、ゲートダイオード343は、P+領域312に関連付けられたアノードと、NW313およびN+領域316に関連付けられたカソードと、を含む。図12に示すように、金属ゲート311は、P+領域312とN+領域316との間のNW313の上に形成されている。
【0113】
特定の実施態様では、P+領域317は、金属化を介して電力低電圧に接続されたリングとして実装されている。加えて、第2のリング(PW318/P+領域319)をケルビン接続のために使用することができる。図示の実施形態では、P+領域317は、ネイティブ(NTN)領域内に形成されている。
【0114】
特定の実施態様では、基板は、隔離を強化するために、および/またはラッチアップリスクを軽減するために、別個のパッドに接続することができる。特定の実施態様では、VSSパッドおよびSUBパッドは、オフチップ金属化を使用して同じ電位に接続されている。
【0115】
一実施形態では、N+領域315とP+領域322との間の間隔または距離D1は、約0.2μm~約2μmの範囲であるように選択されている。
【0116】
図13Aは、一実施形態による逆保護SCR450の断面である。逆保護SCR450は、図11の逆保護SCR302の一実施形態を示す。
【0117】
逆保護SCR450は、PSUB306において形成されている。逆保護SCR450は、第1のPW412、第2のPW414、第3のPW474、第1のNW413、第2のNW422、深いNW(DNW)423、およびPWガードリング466などの様々なNW領域およびPW領域を含む。加えて、P+アノード領域411/471、N+カソード領域416/476、N+ダイオードカソード領域417、P+ダイオードアノード領域415/475、P+第1の環領域421、およびP+第2のリング領域467などの様々なN+領域およびP+領域が図示されている。逆保護SCR450は、ゲート領域418/419/420/478/479/480をさらに含む。
【0118】
逆保護SCR450は、PNPバイポーラトランジスタ441、NPNバイポーラトランジスタ442、第1のゲートダイオード443、第2のゲートダイオード444、第1のレジスタ445、第2のレジスタ446、およびダイオード447を含む、特定の電気接続およびデバイスを示すように概略的に注釈付けされている。当業者であれば、逆保護SCR450の左半分および右半分が同様のデバイスを含み得ることを理解するであろう。
【0119】
PNPバイポーラトランジスタ441は、P+領域411およびPW412に関連付けられたエミッタと、NW413に関連付けられたベースと、PW414およびP+領域415に関連付けられたコレクタと、を含む。加えて、NPNバイポーラトランジスタ442は、N+領域416に関連付けられたエミッタと、PW414およびP+領域415に関連付けられたベースと、NW413に関連付けられたコレクタと、を含む。さらに、第1のゲートダイオード443は、P+領域411およびPW412に関連付けられたアノードと、N+領域417に関連付けられたカソードと、金属ゲート418と、を含む。加えて、第2のゲートダイオード444は、P+領域415およびPW414に関連付けられたアノードと、N+領域416に関連付けられたカソードと、金属ゲート419と、を含む。さらに、ダイオード447は、P+領域421に関連付けられたアノードと、NW422および深いNW423に関連付けられたカソードと、を含む。第1の抵抗445は、PW414の抵抗に対応し、第2の抵抗446は、NW422および深いNW423の抵抗に対応する。
【0120】
図示の実施形態では、逆保護SCR450は、PW414とNW413との境界を越えて、およびNW413とPW412との境界を越えて延在する金属ゲート420を含む。
【0121】
逆保護SCR450は、ゲートダイオード誘導SCR伝導を含み、よって、より高速なオン速度などの高性能特性を伴って動作する。
【0122】
一実施形態では、P+領域421は、VDDパッドなどの電源高電圧に電気的に接続されている。しかしながら、P+領域421がIOパッドに電気的に接続されているか、または電気的に浮動している実装など、他の実装も可能である。
【0123】
特定の実施態様では、N+領域416/476は、IOパッド(例えば、図11のAIOパッド303)に電気的に接続されており、P+領域411/471は、1つ以上の低電力パッド(例えば、図11のVSSパッド304)に電気的に接続されている。
【0124】
図13Bは、図13Aの逆保護SCR450の一部の回路図である。図13Bに示すように、回路図は、PNPバイポーラトランジスタ441と、NPNバイポーラトランジスタ442と、第1のゲートダイオード443と、第2のゲートダイオード444と、第1のレジスタ445と、第2のレジスタ446と、ダイオード447と、を含む。
【0125】
第1のゲートダイオード443は、低電力パッドの電圧に比してIOパッドの電圧を減少させる電気過剰応力に応答して、NPNバイポーラトランジスタ442のベースに電流を注入することによって、ダイオード誘導SCR伝導を提供するのを補助する。
【0126】
特定の実施形態では、双方向保護回路は、図12の1つ以上の特徴に従って実装された順方向保護SCRおよび/または図13A~13Bの1つ以上の特徴に従って実装された逆保護SCRを含む。このように双方向保護回路を実装することは、いくつかの利点を提供し得る。
【0127】
一例では、そのような実施形態は、例えば、約3.5Vまでの公称信号伝達を伴って動作する、信号パッド(IO)の低静電容量、低漏れ、および/または高電圧公差動作のための低トリガ接地基準ESD保護クランプとして機能することができる。例えば、そのようなクランプは、1.8Vより大きく、6V未満の高電圧公差セルとして機能することができる。さらに、クランプは、並列に動作し、かつ単一の構成要素としてモデル化することができる一対のSCRを含む。このような実施形態は、例えば、金属トランジスタゲートを使用して実装されたフィールドプレートを伴うゲート付きダイオードを含み得る。そのようなクランプは、28nmプロセスなどの小さなトランジスタ幾何学形状プロセスを含む、多種多様な加工技術で加工することができる。
【0128】
図13Cは、別の実施形態によるチップインターフェース455の概略図である。図13Cのチップインターフェース455は、第1の隔離サイリスタ450aと、第2の隔離サイリスタ450bと、を含むことを優先して、チップインターフェース455が隔離ダイオード3を省略することを除いて、図1Aのチップインターフェース10と同様である。
【0129】
図13Cに示すように、第1の隔離サイリスタ450aは、パッド1に電気的に接続されているアノードと、隔離されたノード11に電気的に接続されているカソードと、を含む。加えて、第2の隔離サイリスタ450bは、第1の隔離サイリスタ450aと反平行に電気的に接続されており、かつ隔離されたノード11に電気的に接続されるアノードと、パッド1に電気的に接続されるカソードと、を含む。
【0130】
いくつかの実施態様では、電力クランプ9は、電力クランプを囲繞するリングとして専用のp-n接合部を形成し、かつそれに応じて接続することによって(例えば、逆保護p-n接合ダイオードとして機能するように)、電力クランプ構成の一部として内蔵された逆伝導能力を提供するように構成することができる。しかし、これは大きな周辺機器をもたらす可能性があり、かついくつかの高速インターフェースアプリケーションに適していない可能性のあるレベルまで静電容量および漏れを増加させる可能性がある。加えて、または代替的に、図1Dおよび図1Eの教示に従って、電力クランプは、この図には示されていない、電流伝導のための電力クランプと逆に並行して形成された別個の低静電容量ダイオード(例えば、所与の電流処理能力のための低静電容量のために最適化されたp-n接合ダイオード)を有するように構成され得る。この逆導電デバイスは、供給クランプと平行に接続することができる。一実施形態では、逆伝導ダイオードは、図3Cおよび/または図3Dの実施形態に従って実装されている。
【0131】
本明細書の教示は、隔離ダイオードおよび/または隔離サイリスタを含む、多種多様なタイプの隔離遮断電圧デバイスに適用可能である。例えば、本明細書の実施形態のいずれも(例えば、図1A~2Aのチップインターフェースのいずれも)、1つ以上の隔離ダイオード、1つ以上の隔離サイリスタ、またはそれらの任意の適切な組み合わせを使用して実装することができる。
【0132】
一実施形態では、第1の隔離サイリスタ450Aおよび/または第2の隔離サイリスタ450Bは、図13Aおよび図13Bの実施形態を使用して実装されている。そのような実施形態では、IOパッドに対して示される図13Aおよび図13Bの接続は、図13Cのパッド1に接続され得るが、低電力に対して示される図13Aおよび図13Bの接続は、代わりに、図13Cの隔離されたノード11に接続され得る。この構成では、図13Aおよび図13Bの実施形態の2つの端子は、反平行構成で配置されている。各反平行サイリスタ実施形態におけるDNWダイオード447アノードの固有の接続(図には示されていない)は、浮動するように構成することができる。
【0133】
図14Aは、双方向保護回路のレイアウト510の一実施形態の平面図である。レイアウト510は、図11の双方向保護回路305のレイアウトの一実施形態を示す。
【0134】
レイアウト510は、順方向保護SCRのレイアウトに対応する第1のセクション501と、逆保護SCRのレイアウトに対応する第2のセクション502と、ガードリング503と、を含む。特定の実施態様では、順方向保護SCRおよび逆保護SCRのレイアウトは、順方向保護SCRを通って流れる電流が、逆保護SCRを通って流れる電流に実質的に直交するように実装されている。
【0135】
よって、逆保護電流は、実質的に1つの方向(例えば、x軸に沿って)に流れ得る一方で、順方向保護電流は、実質的に別の方向(例えば、y軸に沿って)に流れ得る。一例では、第1のセクション501を通って電流を運ぶ金属は、第2のセクション502を通って電流を運ぶ金属と直交する。別の例では、第1のセクション501内の金属ゲートおよび第2のセクション502内の金属ゲートのレイアウトは、互いに直交している。
【0136】
図14Bは、順方向保護SCRのレイアウト511の一実施形態の平面図である。図14Bのレイアウト511は、図12の順方向保護回路350の平面図の一実施形態を示す。一実施形態では、レイアウト511は、図14Aの双方向保護回路の第1のセクション501に含まれる。
【0137】
図14Cは、逆保護SCRのレイアウト512の別の実施形態の平面図である。図14Cのレイアウト512は、図13Aの逆保護回路450の平面図の一実施形態を示す。一実施形態では、レイアウト512は、図14Aの双方向保護回路の第2のセクション502に含まれる。
【0138】
図15Aは、図11の双方向保護回路305の一実施態様のための異なる温度に対する電流対電圧のグラフである。グラフは、温度にわたる2.5V SCRセルDC特性の一例に対応する。
【0139】
図15Bは、図11の双方向保護回路の一実施態様のための電流対電圧TLP特性のグラフである。グラフは、2.5V SCRセルTLP特性の一例に対応する。
【0140】
図15Cは、図11の双方向保護回路の一実施態様のための静電容量対周波数特性のグラフである。グラフは、周波数に対する2.5V SCRセルCーV特性の一例に対応する。グラフは、双方向保護回路にわたる差分DCバイアス電圧のプロットを含む。
【0141】
図15Dは、図11の双方向保護回路305の一実施態様のための電圧対時間TLP特性のグラフである。グラフは、1Aにおける2.5V SCRセルVFTLP特性の一例に対応する。
【0142】
図15A図15Dは、双方向保護回路のシミュレーション結果の一例を示すが、実装、アプリケーション、および/または処理技術に依存する結果を含む、他のシミュレーション結果も可能である。
【0143】
アプリケーション
上記のスキームを採用するデバイスは、様々な電子システムに実装することができる。電子システムの例としては、家庭用電子製品、家庭用電子製品の部品、電子試験機器、通信インフラストラクチャアプリケーションなどが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、電子システムは、通信、産業、医療、および自動車用途のためのものを含む未完成製品を含み得る。
【0144】
結論
前述の説明は、共に「接続されている」または「結合されている」要素または特徴を指す場合がある。本明細書で使用される場合、別段の明示的な記載がない限り、「接続されている」とは、1つの要素/特徴が、必ずしも機械的にではなく、別の要素/特徴に直接的または間接的に接続されていることを意味する。同様に、別段の明示的な記載がない限り、「結合されている」とは、1つの要素/特徴が、必ずしも機械的にではなく、別の要素/特徴に直接的または間接的に結合されていることを意味する。したがって、図に示される様々な概略図は、要素および構成要素の例示的な配置を図示しているが、追加の介在要素、デバイス、特徴、または構成要素が、実際の実施形態に存在し得る(図示の回路の機能性が悪影響を受けないことを前提とする)。
【0145】
特定の例示的な実施形態を記載してきたが、これらの実施形態は例としてのみ提示したものであり、本開示の範囲を限定する意図はない。実際のところ、本明細書中に記載される新規の装置、方法、およびシステムは、様々な他の形式で具現化されてよく、さらに、本明細書中に記載される方法およびシステムの形式の様々な省略、置換および変更は、本開示の精神から逸脱せずになされ得る。例えば、開示された実施形態は、所与の配置で提示されるが、代替の実施形態が、異なる構成要素および/または回路トポロジで同様の機能を実行してもよく、いくつかの要素は、削除され、移動され、追加され、細分化され、組み合わされ、および/または修正されてもよい。これらの要素の各々は、様々な異なるやり方で実装されてもよい。上述の様々な実施形態の要素および動作の任意の適切な組み合わせを組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【0146】
ここで提示される請求項は、USPTOでの出願のための単一の従属形式であるが、それが明らかに技術的に実現不可能である場合を除き、任意の請求項が同じタイプの任意の先行する請求項に依存し得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0147】
10 チップインターフェース
1 チップピンまたはパッド
2 内部回路
3 隔離ダイオード
9 電力クランプ
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図15D