(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】淡水化システム
(51)【国際特許分類】
C02F 1/04 20230101AFI20240329BHJP
F03G 6/00 20060101ALI20240329BHJP
F24S 10/95 20180101ALI20240329BHJP
【FI】
C02F1/04 A
F03G6/00 501
F03G6/00 521
F24S10/95
(21)【出願番号】P 2021546184
(86)(22)【出願日】2019-10-03
(86)【国際出願番号】 US2019054527
(87)【国際公開番号】W WO2020081249
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-09-30
(32)【優先日】2018-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521163569
【氏名又は名称】マーナ,サティシュ
【氏名又は名称原語表記】MAHNA,Satish
【住所又は居所原語表記】23620 Halburton Road,Beachwood,Ohio 44122(US)
(74)【代理人】
【識別番号】100109634
【氏名又は名称】舛谷 威志
(74)【代理人】
【識別番号】100129263
【氏名又は名称】中尾 洋之
(72)【発明者】
【氏名】マーナ,サティシュ
【審査官】石岡 隆
(56)【参考文献】
【文献】特公昭58-008881(JP,B2)
【文献】実公昭50-000190(JP,Y1)
【文献】特開2013-121585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/02-1/18
F03G6/00-6/06
F24S10/00-90/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光を受け、前記太陽光の複数の光線を屈曲させて、前記複数の光線を複数の位置に集束させることによって、前記太陽光を複数の位置に向かわせる複数の太陽集光器と、
1メートルの100万分の3未満の複数の波長の太陽放射を吸収して熱エネルギに変換するように調整された外面を有して複数の位置に配置された複数の集熱要素であって、約3.5%の塩分を有する熱伝達流体に状態変化を誘起するように配置された集熱要素と、
前記熱伝達流体の一部を冷媒として用い、前記熱伝達流体の一部を気体状態から液体状態に凝縮する凝縮器とを備え、
前記複数の集熱要素は、前記複数の太陽集光器によって部分的に囲まれ、前記集熱要素の少なくとも1つは、前記凝縮器への乾燥蒸気の移動を促進する複数の穿孔を有したチャンバを備え
、
前記集熱要素は、相互に水蒸気透過膜によって仕切られた複数のチャンバを備え、
前記複数のチャンバは、複数の異なる容積を内部に有し、
前記集熱要素は、前記熱伝達流体の蒸気への変換を向上させる放射特性を有した第1の管と、前記蒸気の過熱蒸気への変換を向上させる放射特性を有した第2の管とを備える、
浄水システム。
【請求項2】
前記複数の太陽集光器は、複数の放物面状凹面体を備える、請求項1に記載の浄水システム。
【請求項3】
前記複数の太陽集光器は、複数のフレネル集光器を備える、請求項1に記載の浄水システム。
【請求項4】
前記第2の管は、前記熱伝達流体を直接的に封入するように構成される、請求項
1に記載の浄水システム。
【請求項5】
前記集熱要素の少なくとも1つは、第2の集熱要素と共に直接的に真空を取り囲む、請求項1に記載の浄水システム。
【請求項6】
前記複数の集熱要素の少なくとも1つを通過した前記熱伝達流体から、前記複数の集熱要素の前記少なくとも1つを通過しなかった前記熱伝達流体に熱を伝達する調整装置を更に備える、請求項1に記載の浄水システム。
【請求項7】
複数の太陽集光器から太陽光を受け、前記太陽光の複数の光線を屈曲させて、前記複数の光線を複数の位置に集束させることによって、前記太陽光を複数の位置に向かわせるステップを備える方法であって、
1メートルの100万分の3未満の複数の波長の太陽放射を吸収して熱エネルギに変換するように調整された物理的表面を有して複数の位置に配置された複数の集熱要素で、前記太陽光の前記複数の光線を受けるステップと、
前記集熱要素を介し、約3.5%の塩分を有する熱伝達流体に状態変化を誘起するステップと、
前記熱伝達流体の一部を冷媒として用い、凝縮器を介して前記
熱伝達流体の一部を気体状態から液体状態に凝縮するステップとを備え、
前記複数の集熱要素は、前記複数の太陽集光器によって部分的に囲まれ、
前記集熱要素の少なくとも1つは、前記凝縮器への乾燥蒸気の移動を促進する複数の穿孔を有したチャンバを備
え、
前記集熱要素は、相互に水蒸気透過膜によって仕切られた複数のチャンバを備え、
前記集熱要素は、前記熱伝達流体の蒸気への変換を向上させる放射特性を有した第1の管と、前記蒸気の過熱蒸気への変換を向上させる放射特性を有した第2の管とを備える、
方法。
【請求項8】
前記複数の太陽集光器は、複数の放物面状凹面体を備える、請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の太陽集光器は、複数のフレネル集光器を備える、請求項
7に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のチャンバは、3つのチャンバから構成される、請求項
7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の管は、チャンバを直接取り囲み、前記第2の管は、3つのチャンバを取り囲む、請求項
7に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の集熱要素の少なくとも1つを通過した前記熱伝達流体から、前記複数の集熱要素の前記少なくとも1つを通過しなかった前記熱伝達流体に熱を伝達する調整装置を更に備える、請求項
7に記載の方法。
【請求項13】
前記気体状態における運動エネルギを電力にするステップを更に備える、請求項
7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権主張]
本出願は、「淡水化システム及び方法」の名称で、2018年10月17日及び2018年12月18日にそれぞれ出願された米国特許仮出願第62/746,856号及び第62/781,125号に基づく優先権を主張する。
【0002】
本出願は、海水からの塩及びそれ以外の不純物の除去に関し、具体的には、淡水を生成する集中型太陽エネルギ式ターンキーシステムに関する。本出願は更に、細菌、ポリオ、ウイルス、アメーバなどの生物学的因子を含む場合がある汚染水の摂取によって引き起こされる疾患を、再生可能エネルギの生成プロセスを介して最小限にすることに関する。このプロセスは海水/海洋水を加熱し、その一部を、生物学的汚染物質が最小限に抑制される湿り蒸気に変換する。
【背景技術】
【0003】
地球の物理的表面の大部分を水が覆うにもかかわらず、多くの地域社会は、極度の飲料水不足に直面している。予測では、多くの国が、今世紀中に極度の水不足に陥るとの見通しである。地球表面の大部分が塩水やそれ以外の鉱物で占められているため、課題は、水の利用可能性ではなく、淡水の入手可能性である。いくつかの方法では、塩分が通過できない半透膜に、海水/海洋水を強制的に通すことによって飲料水を製造する。このようなプロセス(逆浸透)は、多くの場合、過大な量の石油、石炭、及びそれ以外の化石燃料に依存して飲料水を製造する。
【0004】
化石燃料の使用は、大きなカーボンフットプリントを後に残し、環境を汚染して、心臓病、脳卒中、肺疾患、癌などの一因となる。また、炭素系の汚染は、早死、地球温暖化、不規則な気象パターン、氷河の融解、及び海面水位の上昇の一因にもなる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本特許、即ち本出願は、色付きで作成された少なくとも1つの図面を含んでいる。色付き図面を有した本特許、即ち本出願の公開公報の写しは、請求及び必要な手数料の納付によって、特許商標庁が提供することになる。
【0006】
図中の要素は必ずしも同じ縮尺ではなく、本開示の本質を示すことに重点が置かれている。更に、図面において、同様の参照番号は、様々な図にわたって一致する部分を示している。
【0007】
【
図5】淡水化/浄水システムの一部を示す図である。
【
図6】蒸気発生器を備えた、
図5の淡水化/浄水システムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ターンキー淡水化/浄水システム及び方法(システムと称する)は、再生可能で、無尽蔵で、無公害のエネルギ源である太陽光を利用し、海水及び/または廃水(例えば、家庭排水)を飲料水に変換する。いくつかのシステムは、蒸留と制御された圧力とを介し、熱エネルギを電力に変換し、いくつかの適用例では、熱エネルギを蓄積し、海水を飲料水に変換するために使用したり、日照がないときに発電に使用したりして、非再生可能エネルギを消費することなく、または化石燃料やそれ以外の非再生可能エネルギの消費を最小限にして、システムを継続的に稼働可能としている。システムのモジュール性は、当該システムが、多様な地理的領域に役立ち、消費需要を満たし、環境への影響を最小限に抑えながらエネルギ及び飲料水の蓄えを補充できるようにする柔軟性を提供する。
【0009】
図1または
図2において、システムは、海または海洋から汲み上げた、または収容した水(海水または海洋水として互換的に呼称する)といった熱伝達流体を受け取る。海水/海洋水は、202で予備調整され、海水/海洋水を多孔質材に通すことによって、大きな浮遊ごみ、汚染物質、及び粒子を除去し、浮遊粒子状物質から流体を分離するが、塩分や溶解した化学物質(即ち、溶質)から流体を分離することはない。これを、202における、きれいな海水/海洋水及び/または予備調整海水/海洋水と称する。平均して、海水の塩分は、約3.5%、即ち水1000ガロン当たりで約1000分の35の塩を含み得る。
【0010】
ターンキー再生可能システムは、太陽エネルギを集めて太陽光を熱エネルギに変換する集熱要素104に向け太陽光を反射して集光する。1つまたは複数の反射材料または反射器から構成される1つまたは複数の太陽集光器106は、太陽光(例えば、太陽放射)を集熱要素104に向けて反射する。太陽集光器106は、集熱要素104を通って流れる熱伝達流体(予備調整海水/海洋水)の全体にわたって熱を分散させる。
図1において、太陽光に対応する区画は、2つ以上の放物面状凹面体の形状の湾曲ミラー、またはこれに代えて、複数の放物面状凹面体に近似する複数の線形フレネル集光器から構成される。別のシステムでは、別の熱源が使用される。
【0011】
太陽集光器106は、集熱要素104に向けて光線を屈曲させることによって太陽光を集光し、集熱要素104が熱を吸収し、当該集熱要素104を通って流れる熱伝達流体(予備調整海水/海洋水)に、この熱を放出する。いくつかの適用例では、集熱要素104によって、熱伝達流体が大気圧(約14.6959ポンド/平方インチ)未満の圧力に制限され、これによって、熱伝達流体の沸点及び凝固点が低下する。
【0012】
半透明及び/または不透明なシール(例えば、ガラス製及び/または金属製)は、所望の圧力レベルを維持し、熱膨張及び熱収縮を補償する。再生可能な水サイクルの第1段階の間、集熱要素104を通って流れる熱伝達流体(予備調整海水/海洋水)は、太陽集光器106から集熱要素104に向けて反射された後の太陽放射で加熱される。熱伝達流体(予備調整海水/海洋水)の温度上昇に伴い、予備調整海水/海洋水の一部が、蒸気へと変換し始める。蒸気は、軽くなっていくにつれて、熱伝達要素302を分割する隔壁/仕切り310/404に形成された孔を通って、上部チャンバ306/402(
図4に示す)に上昇する。蒸気は、電気及び/または電力を生成する蒸気タービン及び/または発電機108における水の誘発を最小限に抑える圧力で、過熱状態に別々に導かれる(206)。その後、過熱蒸気は、流体の凝縮を経る再生可能な水サイクルの第2段階を経て、精製された飲料水に復水される。蒸気に変換されない予備調整海水/海洋水(212)は、熱交換器102に戻される。
【0013】
システムの柔軟性により、予備調整海水/海洋水の代わりに冷媒として作用する溶融塩または油といった別の熱伝達流体を使用し、蒸気を冷却するプロセスで加熱された別の熱伝達流体を高温の塩/油貯蔵タンク(後述)に貯蔵することによって、日が照っていないときの水の脱塩及び発電が容易となる。一部のシステムにおいて、高温の塩/油貯蔵タンクに蓄えられた熱エネルギは、日が照っていないときに、予備調整海水/海洋水の加熱に使用され、それによって、太陽エネルギが利用できないときに、淡水化/精製された飲料水の生成及び電力の生成が可能となる。
【0014】
図1において、過熱蒸気と凝縮流体とは同じ発生源から生じている。例示的な使用事例では、過熱蒸気及び凝縮流体が、塩水、または異なる物理的状態に変換された予備調整海水/海洋水を含む。システムは、本明細書に記載したプロセスフロー及び特性、並びに図示するプロセスフロー及び特性を実行して、機械的動力、電力、及び/または淡水を生成し、及び/または汚染水を浄化する。
【0015】
予備調整海水/海洋水は、熱交換器102を通して加熱され、当該熱交換器102は、集熱要素104の出口から戻された残留水から、予備調整海水/海洋水に熱を伝達する。最初の通過では、熱伝達流体(例えば、太陽集光器106を通過する水)の温度が、流入する予備調整海水/海洋水の温度と実質的に等しいので、濾過された海水は熱交換器102を介して加熱されない。集熱要素104/太陽集光器106を通過した後、熱伝達流体(予備調整海水/海洋水)が加熱され、次に、加熱された水が集熱要素104から戻るとき、その加熱された水が、流入する予備調整海水/海洋水102の加熱に使用される。後述するように、より高濃度の塩分を含有して集熱要素104から戻る予備調整海水/海洋水(例えば、熱伝達流体)は、水混合器112内で未調整の海水と混合される。それは、海に戻す前に、3対1またはそれ以外の適切な比率で混合され、海に戻す水の塩分含有量が、あまり高濃度とならず、海洋生物に有害とならないようにしている。
【0016】
204において、太陽集光器106(放物面状凹面体として示される)は、太陽の放射エネルギを熱エネルギに変換する。太陽によって発せられて受け取った太陽放射を、太陽集光器106の長手方向に延びる集熱要素104に向けて反射させることによって、熱伝達が生じる。
図1及び
図2において、集熱要素104は、放物面状凹面体/太陽集光器106の焦点距離の位置に配置された溝内に配設されている。太陽集光器106は、太陽に対して南北方向に配向され、春分点及び秋分点(3月21日及び9月21日)に合わせて調整された追跡システムを介し、太陽の動きを追跡することにより、太陽集光器106の姿勢を、太陽に対して垂直に維持する。この様な配向により、日中は、連続的な太陽放射が、確実に集熱要素104に集中した状態となる。いくつかのシステムでは、太陽集光器106が、太陽の通常の熱的強度の約30~100倍に太陽放射を集光する。太陽集光器106の反射面の少なくとも一部に太陽光を受光するシステムを含むいくつかのシステムでは、季節的/追跡補償が適用されない。別のシステムでは、太陽集光器106の反射面の少なくとも一部に確実に太陽光を受光するようにするために、季節的/追跡補償が適用される。
【0017】
太陽集光器106によって集められた熱は、熱伝達流体(予備調整海水/海洋水)の一部を蒸気に変換する集熱要素104に保持されている熱伝達流体(予備調整海水/海洋水)に、物理的状態変化を誘起する。いくつかのシステムでは、この物理的状態変化が一定の圧力下で生じる。任意に設けられる206において、残留水から分離された蒸気は、集熱要素104の一部または付随する装置内で加熱され、過熱された乾燥蒸気を生成する。過熱された乾燥蒸気は、飽和蒸気及び/または液体への凝縮、並びに水の誘発を生じることなく、タービン108及び/または発電機へと流れる際に、ある程度の内部エネルギを失う(例えば、冷却)可能性がある。
【0018】
図1及び
図2において、過熱された乾燥蒸気は、タービンブレード(例えば、タービン)108及び/または往復ピストン(例えば、発電機)に対する機械的膨張によって運動反応を発生させ、これによってロータ及び/またはピストンを作動させ、208において動力が与えられる。圧力誘起が加わると、過熱蒸気は、タービン108またはエンジン/発電機を通過する際に圧縮性ガスとして残り、水の誘発に伴って発生する可能性のある水障害を防止する。206での選択的な過熱により、熱効率が向上する。タービン108及び発電機において、水誘発の障害は、スラスト軸受の故障、ブレード損傷、熱亀裂、摩擦損傷、永久歪み、リング損傷、及び制御障害を引き起こすが、開示技術は、これらを防止し、別の適用例では、これらを著しく最小化する。
【0019】
210において、蒸気及び/または過熱蒸気は、淡水をもたらす凝縮器110によって飽和温度まで冷却される。過熱蒸気が冷える際には、凝縮する前に熱を放出し、潜熱(蒸発エンタルピ)を放出する。過熱蒸気が飽和レベルまで冷却するときに放出される熱は、熱伝達流体に吸収される。いくつかのシステムでは、凝縮器110によって使用される凝縮流体または冷媒が、202で予備調整された非加熱の海水/海洋水からなる。いくつかのシステムでは、溶融塩または油といった別の熱交換媒体が使用され、吸収した熱エネルギは、後述するカスケード式潜在エネルギ蓄積システムに蓄積される。使用する冷媒は、冷却されて淡水化する蒸気と直接接触することはない。
【0020】
精製水の沸点を下回る沸点を有した揮発性有機化合物の存在を最小限に抑えるために、いくつかの集熱要素104は、熱伝達流体が精製水の沸点未満に加熱されるときに気体となった有機化合物を排出することによって、当該有機化合物を放出するか、または分離して収集する。精製された水蒸気を貯留する前に、遠隔システムまたは膨張タンク内に、これらのガスを排出または捕捉することにより、公知の蒸留水プロセスで見つかる不純物が除去または低減される。このようなプロセス制御により、開示するシステムが、精製水の沸点を下回る沸点を有した農薬、除草剤、発癌性物質、及び/またはそれ以外の揮発性化学物質を除去することが可能となる。結果として得られた精製水は、公知の蒸留精製水よりも極めて高い純度を有する。精製水は、溶解した固形物または不純物の不純物負荷が約100万分の1を超えない水である。
【0021】
同様に、精製水の沸点を上回る沸点を有した他の汚染物質及び/または不純物が、確実に気体状態に変換されないようにするために、集熱要素104内で温度が調節される。幾つかのシステムでは、集熱要素104に向けられる熱エネルギを調節し(例えば、日光を遮断する、太陽集光器106の位置を変えて太陽光の向きを変えるなど)、温度閾値に達した場合または温度閾値を超えた場合に、集熱要素104から熱及び/または媒体を放出し、及び/または所定の温度に達するかまたは温度範囲が維持されるまで、より冷たい所定容量の熱伝達流体を集熱要素104に補充することによって、温度管理が維持される。
【0022】
212において、集熱要素104の出口から戻される加熱された残留水は、熱交換器102を通して送給され、当該熱交換器102が、集熱要素104の出口から戻された残留流体から、集熱要素104の入口に供給する熱伝達流体(予備調整海水/海洋水)に熱を伝達する。この熱交換は、未処理の流体と処理済みの流体とを互いに直接接触させることなく行われる。
図1に示すように、凝縮器110から流入する加熱された凝縮流体(予備調整海水/海洋水)は、集熱要素104の入口に供給する熱伝達流体(予備調整海水/海洋水)と混合される。
【0023】
加熱された残留水を海/海洋に戻す前に、当該残留水の排出(例えば、温度、組成、塩分、汚染物質など)を調節するために、混合器112/214で希釈を行う。熱伝達流体が予備調整海水/海洋水である場合、残留水は、希釈前には一般的に濃度が高く、重くなっており、希釈せずに海洋に戻すと、それより塩分が少ない海水よりも下に沈むことになる。その放出は、未処理のままであれば、海流及び海洋生物に影響を及ぼすことになる。
図1及び
図2において、残留水は、システムの排出物の塩分濃度が平均して実質的に3.5%(~+/-4%)になるまで、混合器112を介して希釈される。その後、例えば、温度範囲及び塩分レベルといった別の所望の測定基準を達成するように希釈してもよい。いくつかの例示的な使用事例では、混合器112が、集熱要素104から戻される残留水の体積の約2.5~3倍に残留水を希釈して、所望の温度及び塩分レベルを達成する。
図1において、希釈用の流体は、集熱要素104に供給する熱伝達流体(予備調整海水/海洋水)の供給源によって供給される。
【0024】
集熱要素104は、過熱管302と、過熱管302を取り囲んで同軸状に配置された集熱管304とを備えている。
図3及び
図4において、集熱管304は、所定の光学特性及び放射特性を備えた選択的吸収体表面を有する非反射性ガラスからなる。表面と厚さは、1メートルの100万分の3未満の波長の放射線を吸収し、太陽放射によって伝達されるエネルギの約8~9%を効果的に捕捉するように選択されている。いくつかのシステムでは、集熱管304が真空状態に封止されて維持されることで、熱損失を減少させ、過熱管302を酸化から保護する。本明細書に開示するいくつかの集熱要素104は、ガラス及び金属シール及び金属ベローズを使用して、過熱管302と集熱管304との間の熱膨張を制御する。金属ベローズは弾性容器であり、圧力が発生して加わったときに、ある条件で収縮または伸長される。
【0025】
いくつかのシステムにおいて、集熱要素104を構成する過熱管302と集熱管304とは異なる放射特性を有する。いくつかのシステムでは、これら過熱管302及び集熱管304の表面が、選択的な吸収範囲を有する。いくつかの過熱管302は、熱伝達流体(予備調整海水/海洋水)の蒸気及び過熱蒸気への変換を向上させる予め定められた放射特性を有し、集熱管304は、過熱管302と比較して、高作動温度における熱損失を低減する。表面は、高い太陽光吸収率と低い温度損失率とを組み合わせ、表面が、所定のレベルの熱放射を受け取って、そのレベルを維持するように、温度範囲を制御するようにしてもよい。いくつかのシステムでは、集熱要素104の表面特性の幾つかまたは全てが、1メートルの約100万分の3(例えば、~3μm)未満の波長の放射線を吸収するように調整され、太陽放射によって伝達されるエネルギの約8~9%を効果的に捕捉する。いくつかのシステムでは、集熱要素104の表面特性のいくつかまたは全てが、開示されたスペクトルの範囲外となる加熱特性を提供する可視光及び赤外光の波長を吸収するように調整される。
【0026】
図3及び
図4において、予備調整された熱伝達流体(例えば、予備調整海水)を直接受け入れる過熱管302は、共有の穿孔凹状隔壁310によって分離された第1及び第2の放物面状チャンバを備え、この穿孔凹状隔壁310は、U字状チャンバ306とU字状チャンバ308との間での直接的なふるいごしの連通を提供する。図示するように、穿孔凹状隔壁310の湾曲(例えば、メニスカスの湾曲)は、上下が逆の放物面状チャンバまたはかまぼこ状チャンバ(例えば、第2のチャンバ306)に緯度頂点を誘導することが可能であり、これによって水滴が集まり、凹状の放物面状チャンバまたは三日月状チャンバ(例えば、第1のチャンバ308)の一部に向かって落下する。
【0027】
動作中、太陽集光器106によって反射された太陽エネルギは、集熱管304によって吸収され、過熱管302に伝達される。エネルギによって、熱伝達流体、即ち、この例示的な使用事例では予備調整海水/海洋水の沸点を超えると、この海水/海洋水から、湿り蒸気及び浮遊水滴が生成される。水滴は蒸気よりも大きな質量及び大きな慣性を有するので、水滴を通過させる開口と比較して断面積が大きい穿孔凹状隔壁310の非穿孔部分により、穿孔凹状隔壁310の非穿孔部分に水滴が集められ、この水滴が第1のチャンバ308内に留まる。穿孔凹状隔壁310の開口を通過する水滴及び蒸気は、穿孔凹状隔壁310の湾曲によって誘発される乱流の影響を受ける。乱流は、穿孔凹状隔壁310の開口を通過したより大きな質量及び慣性の水滴を、熱伝達流体のより冷えた部分の上方にある共通の穿孔凹状隔壁310の部分に集める。これは、液体状態の熱伝達流体(予備調整海水/海洋水)を、蒸気/水蒸気状態の熱伝達流体(予備調整海水/海洋水)から分離するのを補助するものである。温度の違いは、断面で示される第1のチャンバに限定される熱伝達流体のグレースケール部分または着色部分によって示される(例えば、赤い部分、即ち部分310は、最も高い温度を意味し、青い部分、即ち部分314は、最も低い温度を意味し、紫の部分、即ち部分312は、熱伝達流体の最も高い温度と最も低い温度との間となる熱伝達流体の中間温度を表す)。
【0028】
図示するように、第2のチャンバ306の断面積は、第1のチャンバ308の断面積よりも大きい。第2のチャンバ306の流動断面積が大きいほど、そしてまた、第1のチャンバ308の大きさが小さいほど、第2のチャンバ308内の浮遊媒体の速度が大きく低下する。これにより、第2のチャンバ308内の浮遊水滴の運動エネルギを低減させ、これに代わる大きさのチャンバよりも多くの水滴を浮遊状態から落下させ、大量の過熱蒸気を生成する。
【0029】
別の代替システムにおいて、過熱管302は、必要に応じて流量制限器(図示せず)を備え、熱が過熱管302に伝達されるときに、この流量制限器が、熱伝達流体(例えば、予備調整海水/海洋水)の乱流を減少させ、熱を第1のチャンバ308内に蓄積するようにしてもよい。この流量制限器は、過熱管302と一体的に組み付けられ、または一体的な部位であってもよく、第1のチャンバ308内の加熱及び冷却表面積を増加させることによって、第1のチャンバ308の一部において、より的確に制御可能な定常状態の温度範囲を維持するようにしてもよい。
【0030】
図4は、本明細書に記載して図示するシステムの機能及びプロセスフローを実行する別の代替システムを示している。更に、
図4には、穿孔凹状隔壁310及び穿孔凹状隔壁404によって、第1のチャンバ308を第2のチャンバ306から分離するチャンバ402(直径方向断面で示す)が含まれる。図示するように、穿孔凹状隔壁310及び穿孔凹状隔壁404の湾曲(例えば、メニスカスの湾曲)は、チャンバ402(例えば、第3のチャンバ306)内の蒸気流の緯度頂点を、穿孔凹状隔壁310及び穿孔凹状隔壁404のそれぞれの頂点に誘導する。いくつかのシステムでは、方向性のある流れを確立するために、頂点が仮想縦軸に沿って実質的に整列される。
【0031】
動作中、太陽集光器106によって反射された太陽エネルギは、集熱管304によって吸収され、熱放射を介して過熱管302に伝達される。エネルギが熱伝達流体(例えば、汚染水)を、揮発性有機化合物の沸点よりも高いが、精製水の沸点よりも低い温度に暖めると、汚染物質蒸気及び浮遊汚染液滴が生成される。温度を維持した状態で、有機化合物が熱伝達流体から除去され、補助的な遠隔システムまたはタンク(図示せず)に汚染物質及び蒸気を放出することによって、有機化合物が排出される。精製水蒸気が生成される前に、これらのガスを補助システムまたはタンク内に放出して捕捉することにより、熱伝達流体内に残留する不純物が削減される。
【0032】
エネルギが、熱伝達流体を精製水(例えば、この例示的な使用事例では、海水内の精製水)の沸点を超えて暖めると、湿り蒸気及び浮遊水滴が生成される。水滴は、蒸気よりも大きな質量及び大きな慣性を有するので、水滴を通過させる開口と比較して断面積が大きい穿孔凹状隔壁310の非穿孔部分により、穿孔凹状隔壁310の非穿孔部分に水滴を集め、第1のチャンバ308に向けて開口を通過させる。穿孔凹状隔壁310の開口を通って第3のチャンバ402に入る水滴及び水蒸気は、凹状隔壁310及び凸状隔壁404のそれぞれの湾曲によって誘起される乱流の影響を受ける。この乱流は、穿孔凹状障壁310を通過して第3のチャンバ402に入ったより大きな質量及び慣性の水滴を、開口を通し、第1のチャンバ308に落下させて戻す。第3のチャンバ402内の過熱蒸気が(本明細書に記載する後プロセスを介して)凝縮されると、蒸留して得られた水は、精製水の沸点を下回る沸点の農薬、除草剤、発癌性物質、及び/またはそれ以外の揮発性化学物質を実質的に含まない。得られた精製水は、公知の蒸留水よりも極めて高い純度を有する。
【0033】
図5及び
図6は、本明細書に記載して図示するシステムの機能及びプロセスフローを実行する代替の淡水化システムを示している。
図5及び
図6において、カスケード式潜在エネルギ蓄積システムは、要求に応じた追加のエネルギの供給、及び/または制御装置の要求に応じたエネルギの送給を行う。予備エネルギは、蒸気発生器602を介して蒸気を直接発生させるのに必要な熱出力を供給することが可能であり、より多くの蒸気及び/または電力を提供することによってターンキー淡水化システムの出力を増加させるために使用することが可能であり、及び/またはシステムを連続的に動作させることが可能である(例えば、1日に24時間、週に7日)。カスケード式潜在エネルギ蓄積システムは、複数のタンク604及びタンク606を備え、この場合には、低温貯蔵タンク604内の溶融塩または油といった熱交換媒体が、凝縮器110内の冷媒として使用される。凝縮器110が蒸気または過熱蒸気を冷却すると、熱交換媒体(例えば、溶融塩または油)は、蒸気または過熱蒸気が放出した熱を吸収し、その後、この熱が高温貯蔵タンク606に蓄えられる。必要に応じ、熱交換媒体は、蒸気発生器602を通って流れ、当該蒸気発生器602では、蒸気発生器602を流れる熱伝達流体(例えば、予備調整海水/海洋水)に熱が伝達され、過熱蒸気が直接生成される。次に、蒸気発生器602を流れる熱交換媒体は、低温貯蔵タンク604に戻る。その後、日照があって集熱要素104を通過する熱伝達流体(予備調整海水/海洋水)を加熱するために太陽放射が使用される日中に生成された蒸気及び/または過熱蒸気によって、熱交換媒体が、(一部のシステムではポンプを介して)高温貯蔵タンク606に戻る前、凝縮器110を通過する際に再加熱される。この代替システムでは、熱伝達流体(溶融塩または油)を使用して、過熱蒸気、精製水、電気、及び/またはバックアップ電力を、集合的に、または個別のシステムで生成する。夜間や曇りの日など、システムを駆動するための太陽エネルギが不十分な場合、カスケード式潜在エネルギ貯蔵システムは、主要な動力源として機能する。
【0034】
いくつかのシステムでは、家庭排水を浄化するために集熱要素104が使用される。この家庭排水は、下水(例えば、工場排水)よりも有機物含有量が少ない家庭からの排水である。浮遊不純物を除去した後、家庭排水を集熱要素104に通し、当該家庭排水を所望の沸点まで加熱することにより、精製水として戻す前に、家庭排水を高水準となるまで処理する。戻された精製水により、他の精製水供給源の必要性が減り、上水道に対する需要を著しく減らすことができる。更に、
図7に示す浄化システムを通した水の流用により、下水道に流入する廃水の量を減少させ、それにより、精製水を供給して廃水として戻すためのエネルギ需要、及び廃水を処理するために必要とされる資源が更に減少する。更に、浄化システムは、家庭排水の発生源の現場で局所的に使用することが可能であり、精製水を生成し、送給するために必要な資源を削減することができる。
【0035】
動作中、太陽集光器106によって反射された太陽エネルギは、集熱管304によって吸収され、熱放射を介して過熱管302に伝達される。エネルギが、集熱要素104内において水の沸点を超えるまで家庭排水を温めると、熱湯及び湿り蒸気中の熱エネルギが、ウイルス、細菌、原虫、蠕虫卵、真菌、及びそれ以外の家庭排水内の病原体といった生物学的に活性な生物を死滅させ、または不活性化する。いくつかのシステムでは、有機化合物も、本明細書に記載するようにして、家庭排水から除去され、補助システム及び/またはタンクに排出される。精製水蒸気が生成される前に、これらのガスを放出し、捕捉することにより、そうでない場合には残留する可能性がある不純物を更に削減する。一旦精製されれば、処理された水は、携帯用もしくは非携帯用に供され、または濾過することができる。
【0036】
開示したシステムの各々は、本明細書に記載する流体の流れ及び処理をリアルタイムで制御及び監視する太陽エネルギ集中制御システム(例えば、コントローラ)によって調整及び管理される。いくつかの制御システムは、サーモスタットと圧力センサと共に使用されるフルレンジの流量制御を提供するコントローラ・アクチュエータと共に作動する。
【0037】
本明細書に開示し、説明するシステム及び方法のそれぞれは、自動的に動作し、独立して動作するが、それらは、他のシステム及び方法に包含されてもよいし、ターンキーシステムを介し、電力及び/または精製水、及び/または淡水の生成及び/または貯蔵を行うために使用されるプロセスのうちのいくつかまたは全てを任意の回数(N)反復して実行してもよい。代替のシステムは、もっぱら精製水を生成するシステム、及びもっぱら電力を生成するシステムを含め、1つ以上の図に記載または開示される構造及び機能の、複数の配管を介した任意の組み合わせを含んでいてもよい。更に、本明細書に例示的に開示するシステムは、開示された何らかの要素(例えば、タービン108、凝縮器110、及び/または熱交換器102、フィルタなどのうちの1つまたは複数)がない状態で実施してもよいし、従来技術に開示されるが本明細書では明確に開示していない要素を含む、本明細書で明確に開示しない何らかの要素がない状態(例えば、除外)で実施してもよい。図示し、及び/または本明細書で説明する機能、動作、またはタスクは、コントローラによって実行されて非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された1組または複数組のロジックまたは命令に応答して実行してもよい。機能、動作、またはタスクは、ソフトウェア命令、命令セット、記憶媒体、プロセッサ、または処理方策に依存せず、単独でまたは組み合わせて動作するソフトウェア、ハードウェア、集積回路、ファームウェア、マイクロコードなどによって実行してもよい。
【0038】
本明細書に開示する「結合された」という用語は、直接的な結合及び間接的な結合の両方が包含されることを意図するものである。従って、第1及び第2の要素が互いに直接的に接続される場合のほか、第1の要素が中間構成要素を介して第2の要素に接続され、この中間構成要素が、直接的に、または1つ以上の更なる中間構成要素を介して第2の要素に接続されている場合に、第1の要素と第2の要素とが結合されると言う。用語「実質的に」または「約」は、必ずしも完全に特定されたものではなく、特定されたものを大部分とする範囲を包含する。この用語は、開示された値及び/または所与の値または範囲の5~10%の範囲内の変動など、無意味な量を除く全てを包含する。用語「乾燥蒸気」及び「過熱蒸気」は、飽和温度にあるが、浮遊する水粒子を含まない蒸気である。乾燥蒸気及び過熱蒸気は、実質的に水分を含まず、非常に高い乾燥率を有する。本発明の場合、乾燥蒸気及び過熱蒸気は、1%の半分以下の水分を含有する。デバイスまたはフローがコマンドイベント及び/または要求に応答するとき、デバイスや、デバイスが実行している動作といった別のフローの動作及び/またはステップは、必然的に、先行するコマンド、イベント、動作、及び/またはフローの直接または間接の結果として生じる。即ち、動作及び/またはフローは、先行する動作及び/またはフローの結果として生じる。別のデバイスに応答するデバイスは、単に別の動作に従うだけの動作(即ち、デバイスの応答)以上のものを必要とする。
【0039】
開示したターンキー淡水化/浄化システムは、再生可能で、無尽蔵で、無公害のエネルギ源を利用し、海水及び廃水を精製飲料水に変換する。独自のプロセスを介し、システムは電力を生成し、いくつかの適用例では、この電力を貯蔵し、これにより、システムは、エネルギを導入することなく、連続的な動作が可能になる。このシステムは、多様で厳しい地理的領域に対応し、エネルギ及び飲料水の基準及び消費需要を満たし、環境への影響を最小限に抑えながら、エネルギ及び飲料水の蓄えを補充する。
【0040】
本発明の主題は、とりわけ、以下の態様(番号により引用)に関わるものであってもよい。
1. 太陽光を受け、前記太陽光の複数の光線を屈曲させて、前記複数の光線を複数の位置に集束させることによって、前記太陽光を複数の位置に向かわせる複数の太陽集光器と、
1メートルの100万分の3未満の複数の波長の太陽放射を吸収して熱エネルギに変換するように調整された外面を有して複数の位置に配置された複数の集熱要素であって、約3.5%の塩分を有する熱伝達流体に状態変化を誘起するように配置された集熱要素と、
前記熱伝達流体の一部を冷媒として用い、前記熱伝達流体の一部を気体状態から液体状態に凝縮する凝縮器とを備え、
前記複数の集熱要素は、前記複数の太陽集光器によって部分的に囲まれ、前記集熱要素の少なくとも1つは、前記凝縮器への乾燥蒸気の移動を促進する複数の穿孔を有したチャンバを備える、
浄水システム。
2. 前記複数の太陽集光器は、複数の放物面状凹面体を備える、1項に記載の態様の浄水システム。
3. 前記複数の太陽集光器は、複数のフレネル集光器を備える、1~2項のいずれかに記載の態様の浄水システム。
4. 前記集熱要素は、相互にふるいごしの連通を行う複数のチャンバを備える、1~3項のいずれかに記載の態様の浄水システム。
5. 前記複数のチャンバは、複数の異なる容積を内部に有する、4項に記載の態様の浄水システム。
6. 前記集熱要素は、前記熱伝達流体の蒸気への変換を向上させる放射特性を有した第1の管と、前記蒸気の過熱水蒸気への変換を向上させる放射特性を有した第2の管とを備える、5項に記載の態様の浄水システム。
7. 前記第2の管は、前記熱伝達流体を直接的に封入するように構成される、6項に記載の態様の浄水システム。
8. 前記集熱要素の少なくとも1つは、第2の集熱要素と共に直接的に真空を取り囲む、1~7項のいずれかに記載の態様の浄水システム。
9. 前記複数の集熱要素の少なくとも1つを通過した前記熱伝達流体から、前記複数の集熱要素の前記少なくとも1つを通過しなかった前記熱伝達流体に熱を伝達する調整装置を更に備える、1~8項のいずれかに記載の態様の浄水システム。
10. 太陽光を受け、前記太陽光の複数の光線を屈曲させて、前記複数の光線を複数の位置に集束させることによって、前記太陽光を複数の位置に向かわせる複数の太陽集光器と、
複数の波長の太陽放射を吸収して変換するように調整された外面を有して複数の位置に配置された複数の集熱要素とを備え、
前記複数の集熱要素は、前記複数の太陽集光器によって部分的に囲まれ、
前記集熱要素の少なくとも1つは、凝縮器への蒸気の移動を促進する複数の穿孔を有したチャンバを備える、
浄水システム。
11. 前記集熱要素の前記少なくとも1つは、複数のチャンバを備える、10項に記載の態様の浄水システム。
12. 複数の太陽集光器から太陽光を受け、前記太陽光の複数の光線を屈曲させて、前記複数の光線を複数の位置に集束させることによって、前記太陽光を複数の位置に向かわせるステップを備える方法であって、
1メートルの100万分の3未満の複数の波長の太陽放射を吸収して熱エネルギに変換するように調整された物理的表面を有して複数の位置に配置された複数の集熱要素で、前記太陽光の前記複数の光線を受けるステップと、
前記集熱要素を介し、約3.5%の塩分を有する熱伝達流体に状態変化を誘起するステップと、
前記熱伝達流体の一部を冷媒として用い、凝縮器を介して前記熱伝達流体の一部を気体状態から液体状態に凝縮するステップとを備え、
前記複数の集熱要素は、前記複数の太陽集光器によって部分的に囲まれ、
前記集熱要素の少なくとも1つは、前記凝縮器への乾燥蒸気の移動を促進する複数の穿孔を有したチャンバを備える、
方法。
13. 前記複数の太陽集光器は、複数の放物面状凹面体を備える、12項に記載の態様の方法。
14. 前記複数の太陽集光器は、複数のフレネル集光器を備える、12~13項のいずれかに記載の態様の方法。
15. 前記集熱要素は、相互にふるいごしの連通を行う複数のチャンバを備える、12~14項のいずれかに記載の態様の方法。
16. 前記複数のチャンバは、3つのチャンバから構成される、15項に記載の態様の方法。
17. 前記集熱要素は、前記熱伝達流体の蒸気への変換を向上させる放射特性を有した第1の管と、前記蒸気の過熱水蒸気への変換を向上させる放射特性を有した第2の管とを備える、15項に記載の態様の方法。
18. 前記第1の管は、チャンバを直接取り囲み、前記第2の管は、3つのチャンバを取り囲む、17項に記載の態様の方法。
19. 前記複数の集熱要素の少なくとも1つを通過した前記熱伝達流体から、前記複数の集熱要素の前記少なくとも1つを通過しなかった前記熱伝達流体に熱を伝達する調整装置を更に備える、12~18項のいずれかに記載の態様の方法。
20. 前記気体状態における運動エネルギを電力に変換するステップを更に備える、12~19項のいずれかに記載の態様の方法。
【0041】
別のシステム、方法、特徴、及び利点は、図面及び詳細な説明を考察することにより、当業者に明らかであろうし、または明らかになろう。そのような更なるシステム、方法、特徴、及び利点は、いずれも、本明細書に含まれ、本発明の範囲内にあり、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図される。