(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】織機における糸の位置決めと連続性の制御
(51)【国際特許分類】
D03D 51/28 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
D03D51/28
(21)【出願番号】P 2021557534
(86)(22)【出願日】2020-03-16
(86)【国際出願番号】 FR2020050554
(87)【国際公開番号】W WO2020193907
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-03-01
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】315008740
【氏名又は名称】サフラン エアークラフト エンジンズ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】マチュー ジュリアン シャルラ
【審査官】▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-015360(JP,A)
【文献】特開平10-130970(JP,A)
【文献】特公昭46-023587(JP,B1)
【文献】特開2004-019091(JP,A)
【文献】特開2008-013900(JP,A)
【文献】中国実用新案第206376057(CN,U)
【文献】米国特許第05551485(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D03D 51/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の糸の間を製織することによって織布の生地を作製するための織機(100)を備える、製織装置(400)であって、
前記複数の糸の少なくとも一部が炭素糸(210、211、213、214、215)であり、前記炭素糸(210、211、213、214、215)のそれぞれが、前記織機の上流側に存在する複数の炭素糸格納ボビン(220、221、223、224、225)上に個々に格納される、製織装置(400)において、
前記製織装置(400)は、前記複数の炭素糸格納ボビン(220、221、223、224、225)と前記織機(100)との間に存在する、複数対の第1電気接点(301、303、305、307、309、311)及び第2電気接点(302、304、306、308、310、312)を備え、前記第1電気接点及び前記第2電気接点の各対は炭素糸の経路内に存在し、各対の前記第1電気接点及び前記第2電気接点は、所与の炭素糸と電気的に接触するように意図されており、各対の前記第1電気接点及び前記第2電気接点は、さらに、開回路検出回路(230)に接続されて
おり、
前記複数対の第1電気接点及び第2電気接点の内の前記第1電気接点(301、303、305、307、309、311)は、前記複数の炭素糸格納ボビン(220;221;222;223;224;225)の近傍に存在し、前記複数対の第1電気接点及び第2電気接点の内の前記第2電気接点(302、304、306、308、310、312)は、前記織機(100)の入口の近傍に存在する、製織装置(400)。
【請求項2】
前記複数対の第1電気接点(301、303、305、307、309、311)及び第2電気接点(302、304、306、308、310、312)のそれぞれの接点は、回転可能な導電性素子を備え、各導電性素子は、炭素糸(210;211;212;213;214;215)と接触するように意図されている、請求項
1に記載の
製織装置
(400)。
【請求項3】
前記
製織装置
(400)は、前記開回路検出回路(230)に接続された監視システム(250)と、少なくとも一対の第1電気接点及び第2電気接点の内の複数の電気接点の間の開回路の検出に応答して、前記織機(100)に停止信号又はエラー信号を発するように構成された制御装置とをさらに備える、請求項1
又は2に記載の
製織装置
(400)。
【請求項4】
前記開回路検出回路(230)は、低電圧電気回路である、請求項1~
3のいずれか一項に記載の
製織装置
(400)。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか1項に記載の製織装置(400)における炭素糸の位置決め及び連続性を監視するための方法において、
前記方法は、
複数の糸の間を製織することによって織布の生地を作製するための織機(100)を備え、前記複数の糸の少なくとも一部が炭素糸(210;211;212;213;214;215)であり、前記炭素糸は、それぞれ、前記織機の上流側に存在する複数の炭素糸格納ボビン(220;221;222;223;224;225)の内の1つのボビンに個々に格納される、方法において、
前記方法は、1つ以上の開回路を検出することによって、前記複数の炭素糸格納ボビンと前記織機との間の各炭素糸の存在を監視する段階を備えることを特徴とする方法。
【請求項6】
前記各炭素糸の存在を監視する段階は、各炭素糸を開回路検出回路(230)に接続する段階であって、炭素糸格納ボビン(220;221;222;223;224;225)の近傍で炭素糸(210;211;212;213;214;215)上に第1電気接点を作製する段階と、前記織機(100)の入口近傍で同じ炭素糸上に第2電気接点を作製する段階とを備える、段階を備える、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1電気接点の作製及び第2電気接点の作製は、それぞれ、第1の回転可能な導電性素子及び第2の回転可能な導電性素子によって達成される、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、前記
複数の炭素糸格納ボビン(220;221;222;223;224;225)と前記織機との間の炭素糸の不在を検出することに応答して、前記織機(100)を停止するかエラー信号を発する段階を更に備える、請求項
5~
7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記開回路検出回路(230)は低電圧電気回路である、請求項
6~
8のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は織機の分野に関し、特に複合材料部品の繊維強化材の製造に炭素繊維を使用するものに関する。
【背景技術】
【0002】
縦糸の調製は、整経とも呼ばれ、製織のため又はヘドルの目のための糸を整え、織機の出口に存在する糸と呼ばれるシステムで固定するために、この縦糸の調製は、穿孔された板の中に各々の炭素糸を次々に配置することから成るので、非常に面倒な作業である。この作業は、配置すべき炭素糸の数が、例えば100個以上と非常に多く、各糸間の距離が非常に小さいため、エラーの原因となる。
【0003】
また、適正な縦糸調製を行っても、製織中に1本以上の糸が破損することがある。全ての縦糸の中で1つの炭素糸が破損すると、時には見つけにくくなる。
【0004】
いずれにせよ、最初に糸を正しく配置しなかったり、製織中に糸が破損してしまったりすると、得られた繊維強化材が要求される機械的特性を全て備えていないため、不合格となって原料が無駄になる危険性が生じるという、大きな影響が出る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、織機において炭素糸の正しい位置決めと完全性(連続性)の両方を監視する解決策を有することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的のために、本発明によれば、複数の糸の間を製織することによって織布の生地を作製するための織機を備える製織装置であって、前記複数の糸の前記糸の少なくとも一部は炭素糸であり、炭素糸は、それぞれ、前記織機の上流側に存在する複数の炭素糸格納ボビンの1つのボビン上に個々に格納される、製織装置において、製織装置は、前記格納ボビンと前記織機との間に存在する複数対の第1電気接点及び第2電気接点を備え、各対の第1電気接点及び第2電気接点は、炭素糸の経路内に存在し、各対の前記第1接点及び第2接点は、所与の炭素糸と電気的に接触するように意図されており、各対の第1接点及び第2接点の内の接点は、さらに、開回路検出回路に接続されていることを特徴とする製織装置が提供される。
【0007】
各糸の経路内に存在する一対の電気接点により、本発明の製織装置は、製織の前に織機内の縦糸の調製、並びに、製織の間の各縦糸の完全性を監視することができる。実際、縦糸の調製に関して、縦糸の内の1つ又は複数が誤った位置にある場合、このエラーは、関連する開回路検出回路によって検出され、これによって、操作者は、織機を始動する前に、誤った位置にある各糸を正しく再配置することができる。同様に、製織の間に1つ以上の縦糸が破損した場合、これは、関連する開回路検出回路によって検出され、直ちに介入することが可能になる。
【0008】
本発明の製織装置の第1の特定の特徴によれば、各対の第1電気接点及び第2電気接点の第1接点及び第2接点は、それぞれ、炭素糸格納ボビンの近傍及び織機の入口の近傍に存在する。これは、織機に入る前の縦糸の経路の大部分に及ぶ。
【0009】
本発明の製織装置の第2の特定の特徴によれば、複数対の第1電気接点及び第2電気接点の各接点は、回転可能な導電性素子を備え、各導電性素子は、複数の炭素糸の内の1つの糸と接触することが意図されている。このように、糸が電気接点上を通過するときの糸の摩耗が大幅に減少する。
【0010】
本発明の製織装置の第3の特定の特徴によれば、この製織装置は、さらに、開回路検出回路に接続された監視システムと、少なくとも一対の第1電気接点及び第2電気接点の電気接点の間の開回路の検出に応答して、織機に停止信号又はエラー信号を発するように構成される制御装置とを備える。したがって、このシステムは、1つ以上の縦糸において事象が発生した場合に、織機を自動的に制御することができる。
【0011】
本発明の製織装置の第4の特定の特徴によれば、開回路検出回路は、低電圧電気回路である。これにより、製織装置の中でアーク放電が発生する可能性を防ぐ。
【0012】
本発明は、また、本発明による織機における炭素糸の位置決め及び連続性を監視する方法であって、複数の糸の間を製織することによって織布の生地を作製するための織機を備え、複数の糸の少なくとも一部が炭素糸であり、炭素糸の各々が織機の上流側に存在する複数の炭素糸格納ボビンの1つのボビンに個々に格納されている、方法において、1つ又は複数の開回路を検出することによって、格納ボビンと織機との間の各炭素糸の存在を監視する段階を備えることを特徴とする方法に関する。
【0013】
本発明の方法は、縦糸調製の終わりにおける縦糸の正しい位置決めを監視し、織機が始動する前に任意の位置決めのエラーを修正することを可能にし、従って、コンプライアントな製織を保証する。さらに、製織の間、本発明の方法によって、縦糸の破損をリアルタイムで検出することができ、従って、必要に応じて迅速に修正手段を適用することができる。
【0014】
本発明の製織方法の第1の特定の特徴によれば、各炭素糸の存在を監視する段階は、炭素糸格納ボビンの近傍で炭素糸上に第1電気接点を作製する段階と、織機の入口近傍で同じ炭素糸上に第2電気接点を作製する段階とを備える、各炭素糸を開回路検出回路に接続する段階を備える。
【0015】
本発明の製織方法の第2の特定の特徴によれば、第1電気接点及び第2電気接点の係合は、第1の回転可能な導電性素子及び第2の回転可能な導電性素子によってそれぞれ達成される。
【0016】
本発明の製織方法の第3の特定の特徴によれば、製織方法は、さらに、格納ボビンと織機との間に炭素糸の不在を検出することに応答して、織機を停止する段階、又は、エラー信号を発する段階を備える。
【0017】
本発明の製織方法の第4の特定の特徴によれば、開回路検出回路は、低電圧電気回路である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】単一の
図1は、本発明の一実施形態による製織装置の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、一般に、織機の上流においてボビンに格納されかつ織機出口に巻き出される炭素繊維糸を用いて、繊維状の生地を製造するために使用される織機に適用される。本発明は、特に、縦糸の層と横糸の層との間の二次元(2D)及び三次元(3D)又は多層の製織によって、繊維状の生地又は織物を製造するために使用される、ジャカード織機に適用される。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による製織装置400を非常に概略的に示す。製織装置400は、炭素糸(炭素繊維で構成される糸)で縦送りされた織機100を備える。分かりやすくするために、
図1は、それぞれ6つのボビン220~225上に格納された6つのみの炭素縦糸210~215を図示している。ボビンは、クリール(
図1には示されていない)とも呼ばれるラック内に格納されている。従来、織機100は、上流から下流側に、第1ビーム110と、ロッド又はバー120(1つ又は複数のホッパーで置き換えることができる)と、ハーネス130と、リード140と、シャトル又はランス150と、縦糸を収集して織布の生地を巻き上げることを意図した、第2ビーム又はローラ160とを備える。ハーネス130には、縦糸210から215が通過する眼(図示せず)を有するヘドル131が設けられており、このヘドル131は、横糸230を通過させることを意図したシャトル150の経路の軸線に通路又は格納部分(shed)を作製するように、上方又は下方に移動させられる。
【0021】
本発明によれば、製織装置400は、格納ボビンと織機との間に存在する、複数対の第1電気接点及び第2電気接点をさらに備え、これら複数対の電気接点は、糸位置決め及び連続性の監視システム300の一部を形成する。より正確には、ここに記載される例では、この監視システムは、炭素縦糸210、211、212、213、214及び215にそれぞれ電気的に接触させることを意図した、6対の第1電気接点301、303、305、307、309、311及び第2電気接点302、304、306、308、310、312を備える。好ましくは、縦糸の織機への製織に先立って、縦糸の経路の大部分に及ぶように、第1電気接点301、303、305、307及び309は、好ましくは、ボビン220~225の近傍に配置され、第2電気接点は、織機100の入口の近傍に配置される。各対の電気接点は、以下により詳細に説明する開回路検出回路に接続されている。
【0022】
本発明において、有利な使用は、炭素糸を構成する炭素繊維の導電特性から成る。実際、炭素繊維は黒鉛ドメイン(graphitic domain)から構成されているため、黒鉛の電気的性質を有している。グラファイトは、グラフェン面の方向に非常に良好な電気伝導率を持つ異方性材料である。黒鉛ドメインは繊維の長手方向に配向されているので、黒鉛ドメインは糸の方向に良好な熱的性質及び電気的性質を有する。したがって、繊維の電気抵抗率は、そのグラファイトの性質が増加すると減少し、その電気抵抗率の値の範囲は、高弾性率の繊維(350GPa~500GPa)では900μΩ・cm、低弾性率(200GPa~300GPa)では1650μΩ・cmである。
【0023】
従って、織機の入口における各縦糸の存在は、各糸の経路内に存在する一対の電気接点によって、連続的に(すなわち、製織の前及び製織の間で)監視することができる。各対の電気接点は、静的とすることができ、すなわち、各対の電気接点のそれぞれは、炭素糸が摺動する導電性表面を有する固定要素から構成される。本発明の別の特徴によれば、各電気接点は、回転可能な導電性素子によって構成することができ、これにより、炭素糸に対する摩擦力が最小化され、炭素糸に対する損傷のリスクが低減される。ここで説明する例では、一対の第1電気接点301、303、305、307、309、311及び第2電気接点302、304、306、308、310、312は、銅などの導電性金属材料からなるローラからなる。したがって、炭素糸が格納ボビンと織機との間で移動することによって、一対の第1電気接点及び第2電気接点を形成する2つのローラが回転し、したがって、摩擦によって摩耗することなく、炭素糸との永久的な電気接点が維持される。ここで使用されるローラは、糸に過度の力を及ぼすことなく、糸との電気的接触をより良好に監視するために、選択的にばね支持体と関連する、プーリ式又はホイール式とすることができる。
【0024】
糸位置決め及び連続性の監視システム300は、それぞれが所与の一対の第1電気接点及び第2電気接点に接続されている、複数の開回路検出回路を備える。
【0025】
分かりやすくするために、
図1には、1つの開回路検出回路230のみが示されており、この開回路検出回路230は、炭素糸210の経路内に存在する、第1電気接点301及び第2電気接点302に接続されている。5つの他の開回路検出回路は、それぞれ、一対の第1電気接点303、305、307、309、311及び第2電気接点304、306、308、310、312に接続されている。
【0026】
開回路検出回路230は、抵抗器232と直列に関連した電圧発生器231を備える。開回路検出回路230は、抵抗器232と並列に接続された電圧計233をさらに備える。電圧計233によってなされる電圧測定値は、アナログ・デジタル変換器234を介して、例えばコンピュータなどの監視装置250に送られる。
【0027】
各対の電気接点の内の電気接点は、開回路検出回路をループさせるために使用される。一対の電気接点の内の少なくとも1つの電気接点と炭素糸の接触が無いか又は無くなった場合、開回路検出回路はオープンになり、電圧計によって測定される電圧auxはゼロになる。
【0028】
監視装置250は、特定の開回路検出回路によって提供される各電圧測定信号のための専用入力を備え、開回路の検出時にどの炭素糸が破損しているかあるいは不正確に配置されているかを判定することができる。
【0029】
上述した開回路検出回路230は、一実施形態の開回路検出回路の一例にすぎない。当業者は、開回路検出回路を作製するための他の構造を考慮することに困難はないであろう。
【0030】
1つ又は複数の開回路が検出された場合、監視装置は、エラー信号を発し、その故障を操作者に警告することができる。監視装置は、製織を止めて原料の損失を最小化するために、炭素糸の破損に対応する開回路の検出時に停止信号を織機制御装置に送るために、織機制御装置にさらに接続することができる。
【0031】
本発明により、織機が始動される前の糸の正しい位置決めと、織機方法を通した糸の完全性又は連続性の両方を監視することができる。
また、本開示は以下の発明を含む。
第1の態様は、
複数の糸の間を製織することによって織布の生地を作製するための織機(100)を備える、製織装置(400)であって、
前記複数の糸の少なくとも一部が炭素糸(210、211、213、214、215)であり、前記炭素糸(210、211、213、214、215)のそれぞれが、前記織機の上流側に存在する複数の炭素糸格納ボビン(220、221、223、224、225)上に個々に格納される、製織装置(400)において、
前記製織装置(400)は、前記複数の炭素糸格納ボビン(220、221、223、224、225)と前記織機(100)との間に存在する、複数対の第1電気接点(301、303、305、307、309、311)及び第2電気接点(302、304、306、308、310、312)を備え、前記第1電気接点及び前記第2電気接点の各対は炭素糸の経路内に存在し、各対の前記第1電気接点及び前記第2電気接点は、所与の炭素糸と電気的に接触するように意図されており、各対の前記第1電気接点及び前記第2電気接点は、さらに、開回路検出回路(230)に接続されている、製織装置(400)である。
第2の態様は、
前記複数対の第1電気接点及び第2電気接点の内の前記第1電気接点(301、303、305、307、309、311)は、前記複数の炭素糸格納ボビン(220;221;222;223;224;225)の近傍に存在し、前記複数対の第1電気接点及び第2電気接点の内の前記第2電気接点(302、304、306、308、310、312)は、前記織機(100)の入口の近傍に存在する、第1の態様における製織装置(400)である。
第3の態様は、
前記複数対の第1電気接点(301、303、305、307、309、311)及び第2電気接点(302、304、306、308、310、312)のそれぞれの接点は、回転可能な導電性素子を備え、各導電性素子は、炭素糸(210;211;212;213;214;215)と接触するように意図されている、第1の態様又は第2の態様における製織装置(400)である。
第4の態様は、
前記製織装置(400)は、前記開回路検出回路(230)に接続された監視システム(250)と、少なくとも一対の第1電気接点及び第2電気接点の内の複数の電気接点の間の開回路の検出に応答して、前記織機(100)に停止信号又はエラー信号を発するように構成された制御装置とをさらに備える、第1の態様~第3の態様のいずれか1つにおける製織装置(400)である。
第5の態様は、
前記開回路検出回路(230)は、低電圧電気回路である、第1の態様~第4の態様のいずれか1つにおける装置である。
第6の態様は、
第1の態様~第5の態様のいずれか1つにおける製織装置(400)における炭素糸の位置決め及び連続性を監視するための方法において、
前記方法は、
複数の糸の間を製織することによって織布の生地を作製するための織機(100)を備え、前記複数の糸の少なくとも一部が炭素糸(210;211;212;213;214;215)であり、前記炭素糸は、それぞれ、前記織機の上流側に存在する複数の炭素糸格納ボビン(220;221;222;223;224;225)の内の1つのボビンに個々に格納される、方法において、
前記方法は、1つ以上の開回路を検出することによって、前記複数の炭素糸格納ボビンと前記織機との間の各炭素糸の存在を監視する段階を備えることを特徴とする方法である。
第7の態様は、
前記各炭素糸の存在を監視する段階は、各炭素糸を開回路検出回路(230)に接続する段階であって、炭素糸格納ボビン(220;221;222;223;224;225)の近傍で炭素糸(210;211;212;213;214;215)上に第1電気接点を作製する段階と、前記織機(100)の入口近傍で同じ炭素糸上に第2電気接点を作製する段階とを備える、段階を備える、第6の態様における方法である。
第8の態様は、
前記第1電気接点の作製及び第2電気接点の作製は、それぞれ、第1の回転可能な導電性素子及び第2の回転可能な導電性素子によって達成される、第7の態様における方法である。
第9の態様は、
前記方法は、前記格納ボビン(220;221;222;223;224;225)と前記織機との間の炭素糸の不在を検出することに応答して、前記織機(100)を停止するかエラー信号を発する段階を更に備える、第6の態様~第8の態様のいずれか1つにおける方法である。
第10の態様は、
前記開回路検出回路(230)は低電圧電気回路である、第7の態様~第9の態様のいずれか1つにおける方法である。