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特許7462676火薬を充填するための最適化された方法およびそのような方法を実施するシステム
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  • 特許-火薬を充填するための最適化された方法およびそのような方法を実施するシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】火薬を充填するための最適化された方法およびそのような方法を実施するシステム
(51)【国際特許分類】
   B65B 3/04 20060101AFI20240329BHJP
   B65B 3/28 20060101ALI20240329BHJP
   B65B 39/00 20060101ALI20240329BHJP
   A61M 5/303 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
B65B3/04
B65B3/28
B65B39/00 A
A61M5/303
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021560916
(86)(22)【出願日】2020-04-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-27
(86)【国際出願番号】 EP2020060591
(87)【国際公開番号】W WO2020212422
(87)【国際公開日】2020-10-22
【審査請求日】2023-02-24
(31)【優先権主張番号】19/04010
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】506257331
【氏名又は名称】クロスジェクト
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オリエル クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】モニエ ステファン
(72)【発明者】
【氏名】カヴィヨン ミシェル
(72)【発明者】
【氏名】ルスーシュ マクシム
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-100792(JP,A)
【文献】特開2014-214962(JP,A)
【文献】特表2004-532049(JP,A)
【文献】特開昭59-091318(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105565007(CN,A)
【文献】特開2004-284634(JP,A)
【文献】特開平11-130001(JP,A)
【文献】特開2005-156354(JP,A)
【文献】特開2005-089088(JP,A)
【文献】スウェーデン国特許発明第00420949(SE,C2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 3/00
B65B 39/00
B65B 1/00
B65G 27/00
G01G 13/00
A61M 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填システム(1)を使用して火薬を容器(2)に充填する充填方法であって、
充填システム(1)は、
火薬を分配するためのリザーバ(10)と、
火薬を測定するための測定装置(11)と、
火薬を前記リザーバ(10)から前記測定装置(11)の収容器(11a)に搬送する火薬搬送装置(12)と、
を少なくとも備え、
火薬が搬送される際に、前記火薬搬送装置(12)を振動周波数制御シーケンスにより、点火剤の前記容器(2)における火薬の充填率に反比例する振動周波数で振動させて、火薬の流量を調整する工程を含み、
前記充填システム(1)は選択装置を備え、
前記選択装置は、収集槽(15)と、前記容器の充填を可能にするように構成された下側漏斗(16)とを含み、
前記測定装置(11)の前記収容器(11a)に含まれる火薬の量を測定する工程と、
前記収容器(11a)に含まれる火薬の量が、前記点火剤の前記容器(2)に投入される所望の量に対応するときには、前記収容器(11a)が前記下側漏斗(16)に対向していることを確認すべく、前記選択装置の位置を確認する工程と、を含むことを特徴とする充填方法。
【請求項2】
請求項1に記載の充填方法において、
前記振動周波数制御シーケンスは、
前記火薬搬送装置(12)を、前記容器の第1充填率に達するまで第1周波数(F1)で振動させる第1フェーズ(100)と、
前記火薬搬送装置(12)を、前記容器の第2充填率に到達するまで第2周波数(F2)で振動させる第2フェーズ(200)と、
を含み、
前記第1周波数(F1)は、前記第2周波数(F2)よりも高いことを特徴とする充填方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の充填方法において、
前記収容器(11a)に含まれる火薬の量が、所望の量に対応していないときには、前記収容器(11a)が前記収集槽(15)に対向していることを確認すべく、前記選択装置の位置を確認する工程を含むことを特徴とする充填方法。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載の充填方法において、
充填システム(1)は、第1下側漏斗と呼ばれる前記下側漏斗(16)に注がれた火薬を収集するための第2下側漏斗(17)を備え、
前記点火剤の前記容器(2)を前記第2下側漏斗(17)の前に搬送する工程と、
前記第2下側漏斗(17)を前記点火剤の前記容器(2)に連結する工程と、を含むことを特徴とする充填方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載の充填方法において、
前記充填システムは、火薬の粒子の静電保持が回避されるように等電位化されていることを特徴とする充填方法。
【請求項6】
請求項4に記載の充填方法において、
少なくとも前記第1下側漏斗(16)を一定の振動に設定する振動設定工程を含むことを特徴とする充填方法。
【請求項7】
請求項4に記載の充填方法において、
火薬を分配するための少なくとも1つの前記リザーバ(10)が、2つの前記測定装置(11)に関連付けられ、それぞれの前記測定装置(11)が、前記リザーバから、対応する測定装置(11)の収容器(11a)に火薬を搬送するための火薬搬送装置(12)に関連付けられ、火薬が前記火薬搬送装置の1つおよび/または両方の前記火薬搬送装置によって搬送されるときに、前記火薬の流量を調整する工程が実施されることを特徴とする充填方法。
【請求項8】
請求項7に記載の充填方法において、
それぞれの前記測定装置の前記収容器に含まれる火薬の量を測定する工程と、
少なくとも1つの前記収容器(11a)に含まれる火薬の量が、所望の量に対応するときには、所望の量に対応する量の火薬を含む前記収容器が前記第1下側漏斗(16)に対向していることが確認されるように、前記選択装置の位置を確認する工程と、を含むことを特徴とする充填方法。
【請求項9】
点火剤の容器(2)に火薬を充填するためのシステム(1)であって、
火薬を分配するためのリザーバ(10)と、
火薬を測定するための測定装置(11)と、
火薬を前記リザーバ(10)から前記測定装置(11)の収容器(11a)に搬送する火薬搬送装置(12)と、
前記火薬搬送装置(12)に連結された圧電アクチュエータの振動アクチュエータ(12a)と、を備え、
収集槽(15)および下側漏斗(16)を含む選択装置を備え、
前記選択装置は、前記収集槽(15)または前記下側漏斗(16)を前記収容器に対向する位置に設定するように構成されることを特徴とする充填システム。
【請求項10】
請求項9に記載の充填システム(1)において、
振動周波数が前記点火剤の前記容器(2)における火薬の充填率に反比例する振動周波数制御シーケンスを実行するように構成された電子制御装置を備えることを特徴とする充填システム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の充填システム(1)において、
第1下側漏斗(16)と呼ばれる前記下側漏斗(16)と、該第1下側漏斗(16)に注がれた火薬を収集するための第2下側漏斗(17)とを備え、
前記第2下側漏斗(17)は、前もって搬送された前記点火剤の前記容器(2)と結合されるように構成されていることを特徴とする充填システム。
【請求項12】
請求項9~11のいずれか1つに記載の充填システム(1)において、
火薬を分配するための前記リザーバ(10)が2つの前記測定装置(11)に関連付けられ、それぞれの前記測定装置(11)が、前記リザーバから、対応する測定装置(11)の収容器(11a)に火薬を搬送するための火薬搬送装置(12)に関連付けられることを特徴とする充填システム(1)。
【請求項13】
請求項9~12のいずれか1つに記載の充填システムに基づく第1充填システムと、
請求項9~12のいずれか1つに記載の充填システムに基づく第2充填システムと、を備え、
前記第1充填システムは、前記点火剤の容器に第1タイプの火薬を充填するように構成され、前記第2充填システムは、前記点火剤の容器に第2タイプの火薬を充填するように構成されていることを特徴とする充填セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火薬を充填する方法に関する。本発明はまた、前記方法を実施することができる充填システムに関する。本発明による充填方法およびシステムは、火薬を充填する一般的な分野に適用される。本発明による充填方法およびシステムは、点火剤を有する無針注入装置に適用される場合に、特定の用途を見出す。
【背景技術】
【0002】
エネルギー源(例えば、ガス発生器)を用いて作動し、人間医学または獣医学における治療的使用を意図した活性物質の皮内、皮下および筋肉内注射に使用される、予め充填された使い捨ての無針注入装置が知られている。
【0003】
活性物質は、粘性であり得る液体、液体の混合物、またはゲルによって構成される。活性物質はまた、注入のための適切な溶媒に溶解された固体からなってもよく、または適切な液体中の決定された濃度での懸濁液中の粉末状固体によって構成されてもよい。
【0004】
このような注入装置は、公知であり、例えば、特許文献1では、ガス発生器、膨張チャンバ、活性物質を収容するリザーバ、および注射システムを連続的に備える本体を含む。
【0005】
このようなガス発生器は、生火薬と遅い火薬(slow powder)とによって形成された火薬の二成分混合物を収容する容器を含む。
【0006】
リザーバは、注入装置の本体の管状ハウジング内に挿入されて、上側または上流側のプランジャと、下側または下流側のプランジャとによって密封される。リザーバの下方の自由端は、注入軸に沿って軸方向に延在するいくつかの注入チャネルを含む注入ノズルを備える注射システムと協働する。注入チャネルの直径は、チャネルが密閉されるのを回避するために、活性物質の粒度分布に応じている。
【0007】
活性物質の注入を可能にするために、本体は、該本体を包む中空カウル内に、スライド軸に沿って底部から上部へ、休止位置と注入位置との間でスライド可能に取り付けられ、使用者が注入ノズルを皮膚に押し付けたときに本体の駆動が行われる。カウル内での本体の変位は、ガス発生器の始動を可能にし、加圧ガスを発生させ、これにより、プランジャの変位が引き起こされて、患者の皮膚を通して、注射ノズル全体に活性物質を注射する。
【0008】
この注入位置では、活性物質が患者の皮膚を所望の深さまで横切って、活性物質の最適な注入を確実にすることを可能にする、所定の注入圧力を有するジェットにより、活性物質が注入方向に注入ノズルのチャネルから放出される。したがって、これらのジェットの注入圧力は、皮膚内に注入された活性物質の注入深さを決定する。
【0009】
十分な注入を可能にするために、注入ノズルの出口におけるジェットは、所望の量の活性物質の注入を保証する所定の注入時間にわたって、この注入圧力に応じて送達されるべきである。
【0010】
もちろん、これらの圧力振幅、または代わりに注入圧力および注入時間振幅は、注入される活性物質に依存する。
【0011】
したがって、点火剤の火薬は、それぞれ各容器に正確に投与されるべきである。例えば、生火薬の投与量の精度は実質的に1mg程度でよく、一方で、遅い火薬の精度は実質的に2mg程度でもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【文献】仏国特許出願公開第2815544号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
点火剤の大量生産のために最適な生産速度を維持することが望まれる場合、いくつかの点火剤の火薬が誤って投与され、これらの点火剤が取り付けられる注入装置の不適合につながることが注目されてきた。
【0014】
その結果、火薬を正確に投与するために生産速度を低下させることが一般的であり、それによって、減少した数の非適合な点火剤を依然として受け入れながら、点火剤のバッチの生産を制限する。
【0015】
したがって、最適な生産速度を確保しながら、そのような火薬を正確に投与することを可能にする、火薬を充填するための最適化された方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的ために、本発明の主題は、充填システムを用いて容器に火薬を充填する方法であり、充填システムは、火薬を分配するための貯蔵器と、前記火薬を測定するための装置と前記火薬をリザーバから前記測定装置の収容器まで搬送する装置と、を少なくとも備え、前記方法は、前記火薬が搬送されるときに、振動周波数が点火剤の容器の充填率に反比例する振動周波数制御シーケンスに基づいて、少なくとも1つの火薬搬送装置が振動させる、火薬の流量を調整する工程を含む。
【0017】
このような充填方法により、測定装置の収容器内への火薬の一定かつ正確な分布を確保することができる。
【0018】
点火剤の容器の充填率によって、測定装置の収容器内における測定された火薬の量と点火剤の容器内における火薬の所望の量との間の比率が理解されるべきである。
【0019】
火薬の所望の量は、所定の重量設定値、多かれ少なかれ所定の公差に対応する。
【0020】
例えば、点火剤の容器内における火薬の所望の量は、8mg~60mgであり得る。
【0021】
例えば、所定の許容範囲は、0.25mgと2mgとの間に含まれる。例えば、所定の許容範囲は0.5mgである。別の例では、所定の許容範囲は1mgである。
【0022】
有利には、収容器は、容器が生産ライン上を搬送されている間に、点火剤の火薬を、所望の量に調製することを可能にすることができてもよい。
【0023】
換言すれば、このような方法は、後者とは独立して容器に注がなければならない所望の量の火薬を調製することを可能にする。したがって、火薬の測定量が所定の閾値よりも大きいときには、誤って投与された火薬は、容器が不適合であると識別する必要なく集められ得る。実際、誤って投与された火薬は、このようにして回収され、ディスペンサリザーバに再び導入され得る。
【0024】
1つの態様によれば、火薬粒子の最大サイズは、搬送装置の上流に配置された篩によって校正される。
【0025】
実際に、測定装置の収容器内への火薬の移送を停止するためのコマンドが与えられると、最後の粒子が収容器内に落下する前に、所定の遅延時間が経過する。これは、充填システムの制御装置によって受信される情報の取得チェーンの応答時間と、粒子の慣性との両方に起因する。この遅延時間は、収容器に搬送される火薬の量を不正確にする。搬送装置の上流に配置された篩は、この不正確さを制限することを可能にする。
【0026】
本発明の方法の変形例によれば、振動周波数制御シーケンスは、火薬の搬送装置が容器の第1充填率に達するまで第1周波数で振動する第1フェーズを含んでもよい。
【0027】
例えば、容器の第1充填率は、50%~80%、好ましくは少なくとも70%に等しい。
【0028】
1つの態様によれば、振動周波数制御シーケンスは第1フェーズに続く第2フェーズを含んでもよい。第2フェーズでは、火薬の搬送装置は、容器の第2充填率に達するまで、第2周波数で振動する。
【0029】
例えば、容器の第2充填率は、80%よりも高い。例えば、容器の第2充填率は90%よりも高い。
【0030】
1つの態様によれば、第1周波数は、第2周波数よりも高い。
【0031】
例えば、第1周波数は、16Hz~18Hzで構成される。例えば、第1周波数は、実質的に17Hzに等しい。
【0032】
例えば、第2周波数は、13Hz~16Hzで構成される。例えば、第2周波数は、実質的に15Hzに等しい。
【0033】
1つの態様によれば、振動周波数制御シーケンスは、「安定化フェーズ」と呼ばれる第3フェーズを備えることができる。この第3フェーズでは、火薬の測定量が安定するまで、搬送装置の振動が停止される。例えば、第3の安定化フェーズは、1000msと3000msとの間に含まれる持続時間を有する。例えば、第3の安定化フェーズは、2000msに実質的に等しい持続時間を有する。
【0034】
安定化したときに、火薬の測定量が、所望の量に対応するか、または所望の量よりも多いときには、搬送装置の振動周波数制御シーケンスは終了する。
【0035】
安定化したときに、火薬の測定量が、所望の量よりも少ないときには、第3フェーズに続いて、所定の期間にわたって、火薬の搬送装置を第3周波数で振動させる第4フェーズが実行されてもよい。
【0036】
例えば、第4フェーズは、充填率が95~98%の間に含まれる場合に実施される。
第4フェーズは、第3フェーズの後に、火薬の測定量が、所定の設定値に対して所定の公差小さい量よりも小さいときに実施されることに留意されたい。
【0037】
例えば、第4フェーズの所定の持続時間は、500msと1500msとの間に含まれる。例えば、第4フェーズの所定の持続時間は、実質的に1000msに等しい。
【0038】
例えば、第3周波数は、10Hzから20Hzの間で構成される。例えば、第3周波数は、実質的に14Hzに等しい。
【0039】
1つの態様によれば、第2フェーズと第3フェーズとの間で、振動周波数制御シーケンスは第2類似フェーズを含んでもよい。第2類似フェーズでは、火薬の搬送装置は、容器の第2類似充填率に達するまで、第2類似周波数で振動する。
【0040】
例えば、第2類似充填率は95%よりも高い。
【0041】
例えば、第2類似周波数は、第2周波数よりも低い。例えば、第2類似周波数は、8Hzから13Hzの間で構成される。例えば、第2類似周波数は、実質的に10Hzに等しい。
【0042】
1つの態様によれば、振動周波数制御シーケンスは、第4フェーズに続いて、第5の安定化フェーズを含んでもよい。この安定化フェーズでは、火薬の測定量が安定するまで、火薬の搬送装置の振動を停止させる。
【0043】
例えば、第5の安定化フェーズは、1000msと3000msとの間に含まれる持続時間を有する。例えば、第5の安定化フェーズは、約2000msの持続時間を有する。
安定化したときに、火薬の測定量が、所望の量に対応するか、または所望の量よりも多いときには、搬送装置の振動周波数制御シーケンスは終了する。
【0044】
安定化したときに、火薬の測定量が、所望の量よりも少ないときには、第4フェーズおよび第5フェーズは、火薬の測定量が、安定化した状態で、所望の量に対応するまで繰り返される。
【0045】
1つの態様によれば、第1フェーズの前に、振動周波数制御シーケンスは、始動フェーズを含んでもよい。始動フェーズでは、所定の始動期間にわたって、火薬の搬送装置を始動周波数で振動させる。例えば、始動周波数は、第1周波数よりも高い。
【0046】
例えば、始動周波数が18Hz より高い。例えば、始動周波数は、18Hzから20Hzの間で構成される。例えば、始動周波数は、実質的に19Hzに等しい。
【0047】
例えば、所定の始動期間は、150msと250msとの間に含まれる。例えば、所定の始動期間は、170msと210msとの間に含まれる。例えば、所定の始動期間は、実質的に190msに等しい。
【0048】
本発明の変形例によれば、火薬搬送装置の振動設定における位相変化は、始動周波数から第1周波数へ、および/または第1周波数から第2周波数へ、および/または第2周波数から第2類似周波数へ、および/または第2類似周波数からゼロ周波数へ、および/またはゼロ周波数から第3周波数へ、および/または第3周波数からゼロ周波数へ、直接切り換えることによって実行される。
【0049】
言い換えると、振動周波数制御シーケンスの変化を表す、充填率または時間の関数としての周波数の曲線は、階段状の形状であってもよい。
【0050】
言い換えると、位相変化時に、周波数は、中間周波数値を通過することなく、ある値から別の値に切り替わる。
【0051】
例えば、第1フェーズから第2フェーズに切り換わると、搬送装置の振動周波数は、中間周波数値を通過することなく、第1周波数から第2周波数に切り換わる。
【0052】
有利には、これにより、火薬の所望の量に、より迅速に到達することができる。
【0053】
本発明の変形例によれば、火薬搬送装置の振動設定の位相変化は、始動周波数から第1周波数へ、および/または第1周波数から第2周波数へ、および/または第2周波数から第2類似周波数へ、および/または第2類似周波数からゼロ周波数へ、および/またはゼロ周波数から第3周波数へ、および/または第3周波数からゼロ周波数へ、直線的に切り換えることによって実行される。
【0054】
言い換えると、振動周波数制御シーケンスの変化を表す、充填率または時間の関数としての周波数の曲線は、プラトー間の傾斜した曲線部分を含んでもよい。
【0055】
言い換えると、位相変化の間、周波数は、ある値から別の値に漸進的に、すなわち、中間値を通過することによって切り換わる
例えば、第1フェーズから第2フェーズに切り換わると、搬送装置の振動周波数は、中間周波数値を介して、第1周波数から第2周波数に切り換わる。
【0056】
有利には、これはより正確な方法で、火薬の所望の量に到達することができる。
【0057】
上述の変形例のいずれかによる制御シーケンス、ならびに第1、第2、第3周波数、および/または始動周波数、および/または第2類似周波数は、有利には搬送装置を振動させる、すなわち生産を停止させる前に選択される。
【0058】
振動周波数制御シーケンスは、最初は迅速であり、次に、火薬の所望の量に達するまで漸進的に減少する、容器への火薬の充填を確実にすることを可能にする。前述のような振動周波数制御シーケンスを実装した生産ラインの生産率を上げる。
【0059】
1つの態様によれば、充填システムは選択デバイスをさらに含み、選択デバイスは、収集槽および下側漏斗を含む。
【0060】
1つの態様によれば、収集槽は、火薬が誤って投与されたときに、収容器の火薬を収集するように構成される。例えば、収集槽は、火薬の測定量が所望の量を超えるときに、収容器内の火薬を収集するように構成される。
【0061】
例えば、収集槽は、火薬の測定量が、所定の設定値に対して所定の許容差を加えた値を超えたときに、収容器内の火薬を収集するように構成される。
【0062】
1つの態様によれば、下側漏斗は、収容器内に収容された火薬の測定量が所望の量に対応するときに、収容器内の火薬を容器に導入できるように構成される。
【0063】
例えば、収容器は、約180°回転して、火薬を収集槽または下側漏斗に注ぐように構成される。
【0064】
1つの態様によると、本方法は、収容器に含まれる火薬の量を測定する工程と、収容器に含まれる火薬の量が、所望の量に対応する所定の値に等しい場合、収容器が下側漏斗に対向して配置されていることが確認されるように、選択装置の位置を確認する工程と、を含む。
【0065】
この方法のこれらの工程により、下側漏斗は、収容器内に含まれる火薬の量が所望の量に対応する場合にのみ火薬を容器内に導入するために、火薬を収集する。したがって、製造チェーンの出口で非適合であると考えられる点火剤の数が低減される。
【0066】
1つの態様によれば、本方法は、収容器が下側漏斗に対向して配置されていないときには、収容器に対向するように下側漏斗を搬送する工程を含む。
【0067】
本方法の別の変形例によれば、本方法は、収容器に含まれる火薬の量が、所望の量に対応する所定の値に等しくないときに、収容器が収集槽に対向して配置されていることが確認されるように、選択装置の位置をチェックする工程を含む。
【0068】
本方法のこの工程により、収容器の誤って投与された内容物を収集することができ、このことは、この火薬を再び使用することを可能にする。
【0069】
1つの態様によれば、収容器が収集槽に対向して配置されていないときには、この方法は、収容器に対向するように収集槽を搬送する工程を含む。
【0070】
本方法の別の変形例によれば、充填システムは、第1下側漏斗と呼ばれる前記下側漏斗と、該第1下側漏斗に注がれた火薬を収集するための第2下側漏斗とを備える。
【0071】
第2下側漏斗は、損失を制限しながら容器内に火薬を導入することができるように、容器に連結されるように構成される。
【0072】
1つの態様によれば、本方法は、前記第2下側漏斗に対向して前記点火剤の容器を搬送する工程と、第2下側漏斗を点火剤の容器に連結する工程とを含む。
【0073】
容器と第2下側漏斗との結合は、収容器が所望の量に対応する量の火薬を含んでいることが決定されたときに行われることを理解されたい。
【0074】
収容器が所望の量に対応する量の火薬を含んでいると判定されたときには、第1下側漏斗は、第2下側漏斗に対向して配置されることを理解されたい。
【0075】
本方法のこれらの工程により、容器が所望の量に対応する量の火薬を含んでいることが決定された後にのみ、容器と第2下側漏斗とを結合させることができる。
【0076】
1つの態様によれば、充填システムは、収容器内に収容された火薬を収集するための上側漏斗を備える。上側漏斗は、収容器の下側に配置されるように構成される。
【0077】
1つの態様によれば、収容器に含まれる火薬の量が所望の量に対応するときには、第1下側漏斗が上側漏斗の下側に配置される。
【0078】
1つの態様によれば、収容器に含まれる火薬の量が所望の量に対応しないときには、収集槽が上側漏斗の下側に配置される。
【0079】
本発明の別の実施形態によれば、充填システムは、火薬粒子の静電保持を回避するように等電位にされる。
【0080】
本発明の別の実施形態によれば、本方法は、漏斗の少なくとも1つが一定の振動に設定される振動設定ステップを含む。
【0081】
例えば、漏斗のうちの少なくとも1つは、圧電アクチュエータなどの少なくとも1つの振動アクチュエータを使用して振動させる。
【0082】
有利には、各漏斗を振動させる。
【0083】
本方法の変形例によれば、火薬を分配するための少なくとも1つのリザーバは、2つの火薬測定装置に関連付けられ、各火薬測定装置は、リザーバから対応する測定装置の容器まで火薬を搬送するための搬送装置に関連付けられ、火薬の流量を調整する工程は、火薬が搬送装置のいずれか1つによって搬送されるときに実施される。
【0084】
したがって、点火剤の生産速度が増加する。
【0085】
1つ態様によれば、充填システムは、各収容器に対して、対応する収容器に対向して配置された火薬を収集するための上側漏斗を備える。
【0086】
1つの態様によれば、本方法は、測定装置の各収容器に含まれる火薬の量を測定する工程と、少なくとも1つの収容器に含まれる火薬の量が所望の量に対応するときには、所望の量に対応する量の火薬を含む収容器が、下側漏斗に対向して配置されていることが確認されるように、選択装置の位置を確認する工程とを含む。
【0087】
したがって、上述の利点に加えて、収容器のうちの1つに含まれる火薬の量が所望の量に対応しないときには、製造速度は影響を受けない。
【0088】
各収容器が適切に投与されたときには、これらの収容器のいずれか1つが、その中に含まれる火薬を点火剤の容器に注ぐように保持されることを理解されたい。
【0089】
1つの態様によれば、前述の方法は、容器に第1タイプの火薬を充填するように構成された第1充填システムと、容器に第2タイプの火薬を充填するように構成された第2充填システムとによって実施されるように構成される。
【0090】
例えば、第1タイプの火薬は遅い火薬であり、第2タイプの火薬は生火薬であり、またはその逆である。
【0091】
1つの態様によれば、容器は、第1タイプの火薬で充填されるように第1充填システムに向かって搬送され、次いで、第2タイプの火薬で充填されるように第2充填システムに向かって搬送されるように構成される。
【0092】
有利には点火剤が注入装置のリザーバに含まれるその活性物質が有利には以下の活性物質を含む群から選択され得る、無針注入装置のために提供される:
メトトレキサート、アドレナリン、スマトリプタン、ヒドロコルチゾン、ミダゾラム、アポモルヒネ、メチルナルトレキソンブロミド、フィトメナジオン、塩酸クロルプロマジン、酢酸ズクロペンチキソール、ダナパロイドナトリウム、エノキサパリンナトリウム、エストラジオールシピオナート、酢酸メドロキシプロゲステロン、メドロパリンカルシウム、酢酸メチルプレドニゾロン、ヘパリンカルシウム、テルブタリン。
【0093】
有利には火薬の量が、成功した注入を可能にするように選択されて、注入ノズルの出口におけるジェットは、所望の量の活性物質の注入を保証する所定の注入時間にわたって、注入圧力に従って送達される。
【0094】
本開示はさらに、容器に火薬を充填するためのシステムに関し、充填システムは、火薬を分配するためのリザーバと、火薬を測定するための装置と、火薬をリザーバから測定装置の収容器まで搬送する装置と、を備える。
【0095】
充填システムは、火薬を搬送する装置に連結された、圧電アクチュエータなどの少なくとも1つの振動アクチュエータを備える。
【0096】
振動アクチュエータは、限定されず、電気式、機械式または空気圧式であってもよい。
【0097】
1つの態様によれば、充填システムは、上記で定義した方法を実施するように適合される。
【0098】
1つの態様によれば、充填システムは、振動周波数制御シーケンスを実施すべく振動アクチュエータを制御するように構成された電子制御装置を更に含む。振動周波数は、点火剤の容器の充填率に反比例する。
【0099】
振動周波数制御シーケンスは、前述の特徴のうちのいずれか1つに従う。
【0100】
有利には、測定装置は、地面のような中立基準フレームに直接機械的に連結される。これにより、充填システムを構成する要素の機械的外乱によって、測定装置の収容器内に含まれる火薬の量の測定が悪化しないことを確実にすることが可能である。
【0101】
充填システムはメインフレームを備え、このメインフレームは、測定装置のフレームとは別に基準フレームとリンクされており、測定装置は、充填システムの他の構成要素から機械的に絶縁されていることを理解されたい。
【0102】
さらに有利には、測定装置が振動防止中立接続部によって中立基準フレームに連結される。このようなフレキシブルな接続は、1つまたは複数の振動ダンパによって達成されてもよい。
【0103】
このような充填システムの構成により、充填システムを構成する要素の機械的外乱が測定装置に影響を及ぼさないようになり、測定装置の精度を向上させることができる。
有利には、少なくとも1つの振動アクチュエータがアースなどの中立基準フレームに機械的に直接リンクされる。次いで、火薬の量の測定を歪める可能性のある、充填システムを構成する他の要素へのこれらの振動の伝播を制限することが可能である。
【0104】
充填システムの一実施形態によれば、火薬を分配するための少なくとも1つのリザーバは2つの火薬測定装置に関連付けられ、各火薬測定装置は、リザーバから対応する測定装置の収容器まで火薬を搬送するための装置に関連付けられる。
【0105】
有利には、充填システムの各測定装置が前述の特徴を備えることができる。
【0106】
1つの態様によれば、充填システムは、測定装置の各収容器に対して、対応する収容器に収容された火薬を収集するための上側漏斗を備える。
【0107】
1つの態様によれば、充填システムは選択装置をさらに含み、選択装置は収集槽と下側漏斗とを含み、選択装置は、収集槽または下側漏斗を、収容器に対向する位置に設定するように構成される。
【0108】
1つの態様によれば、電子制御装置は、収容器に含まれる火薬の測定量を所望の量と比較するように構成される。
【0109】
1つの態様によれば、収容器内の火薬の測定量が所望の量に対応するときには、電子制御装置は、下側漏斗が収容器に対向して配置されていることが確認されるように、選択装置を制御するように構成される。
【0110】
1つ態様によれば、この場合、下側漏斗が収容器に対向して配置されていないときには、電子制御装置は、下側漏斗を収容器に対向して配置するように、選択装置を制御するように構成される。
【0111】
1つの態様によれば、収容器内の火薬の測定量が所望の量に対応しないときには、電子制御装置は、収集槽が収容器に対向して配置されていることが確認されるように、選択装置を制御するように構成される。
【0112】
1つの態様によれば、この場合、収集槽が収容器に対向して配置されていないときには、電子制御装置は、収集槽を収容器に対向して配置するように、選択装置を制御するように構成される。
【0113】
充填システムの一実施形態によれば、充填システムは第1下側漏斗と呼ばれる前記下側漏斗と、第1下側漏斗に注がれた火薬を収集するための第2下側漏斗とを備え、第2下側漏斗は事前に搬送された点火剤の容器と結合されるように構成されている。
【0114】
充填システムの一実施形態によれば、第2下側漏斗の出口開口部は、点火剤の容器の入口開口部との結合が容易になるように傾斜している。
【0115】
1つの態様によれば、収容器内の火薬の測定量が所望の量に対応するときには、電子制御装置は、容器を第1下側漏斗に対向して配置するように、容器を搬送するためのラインを制御するように構成される。
【0116】
1つの態様によれば、収容器内の火薬の測定量が所望の量に対応するときには、電子制御装置は、容器を第2下側漏斗に対向して配置するように、容器を搬送するためのラインを制御するように構成される。
【0117】
1つの態様によれば、収容器内の火薬の測定量が所望の量に対応するときには、電子制御装置は、第2下側漏斗を制御して、前に搬送された容器と結合するように構成される 。
【0118】
本開示はさらに、前述の特徴のいずれか1つによる第1充填システムと、前述の特徴のいずれか1つによる第2充填システムとを備える充填セットに関する。
【0119】
第1充填システムは、第1タイプの火薬で容器を充填するように構成され、第2充填システムは、第2タイプの火薬で容器を充填するように構成される。
【0120】
本発明の他の態様、目的、および利点は、非限定的な例として提供される好ましい実施形態の以下の詳細な説明を、添付の図面を参照して読むことによって明らかになるのであろう
【図面の簡単な説明】
【0121】
図1】充填システムを模式的に示す。
図2】充填システムの側面図を模式的に示す。
図3】ディスペンサシステムの振動周波数制御シーケンスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0122】
図1および図2には、本明細書に定義された方法を実施するように適合された点火剤を容器2に充填するためのシステム1が示されている。
【0123】
充填システム1は、本明細書に記載の方法のステップを実行するように構成された電子制御装置を使用して制御される。
【0124】
充填システム1は、点火剤の容器2への充填を大量に行うために、製造ラインに搭載されている。
【0125】
図1では、このような生産ラインの進行方向を長手方向Lで表している。
【0126】
図2において、進行方向は、長手方向Lに直交する方向Tで表されている。
【0127】
また、長手方向Lおよび直交する方向Tのそれぞれに直交する垂直方向Vも表す。
【0128】
図示のように、充填システム1は、火薬を分配するための少なくとも1つのリザーバ10と、この火薬を測定するための装置11と、この火薬をリザーバ10から測定装置11の収容器11aまで搬送するための装置12とを備える。
【0129】
圧電アクチュエータのような振動アクチュエータ12aが、この火薬を搬送するために装置に連結されている。
【0130】
次いで、振動アクチュエータ12aは、振動周波数に従って振動を発生する。振動周波数は可変である。
【0131】
有利には、測定装置11が地面などの中立基準フレームR0に機械的に直接接続される。このような基準フレームに対する機械的依存性により、収容器11aに含まれる火薬の量の測定が、充填システム1を構成する要素からの機械的外乱によって変更されないことを確実にすることができる。
【0132】
同様に、少なくとも1つの振動アクチュエータ12aは、地面などの中立基準フレームR0に機械的に直接接続されている。そして、収容器に含まれる火薬の量の測定を歪めるおそれのある、充填システム1を構成する他の要素へのこれらの振動の伝播を制限することができる。
【0133】
有利には、搬送装置12はホッパーを備えることができる。
【0134】
測定装置11は、ここではスプーンの形態で表されている計量器を形成するように収容器11aが固定される目盛りによって形成されてもよい。
【0135】
図2に示すように、充填システム1は2つの火薬測定装置11を備え、各火薬測定装置11は、リザーバ10から対応する測定装置11の収容器11aまで火薬を搬送するための装置12に関連付けられている。
【0136】
有利には、各測定装置11及び搬送装置12に対してリザーバ10を設けることができる。
【0137】
測定装置11の各収容器11aは、対応する収容器11a内に収容された火薬を収集するための上側漏斗13に関連付けられている。
【0138】
収容器11aを選択するための装置は、収集槽15及び下側漏斗16を含む。有利には、選択装置が収集槽15および/または下側漏斗16を上側漏斗13に対向して配置するように意図されている。
【0139】
この目的のために、選択装置の収集槽15および/または下側漏斗16は、生産ラインの進行方向に沿って並進するように案内される。
【0140】
充填システムは、第1下側漏斗16と呼ばれる前記下側漏斗と、第1下側漏斗16に注がれた火薬を収集するための第2下側漏斗17とを備え、第2下側漏斗17は、前もって搬送された点火剤の容器2と結合されるように意図される。
【0141】
第2下側漏斗17の出口開口17aは、点火剤の容器2の入口開口2aとの結合を容易にするために傾斜している。
【0142】
ここで、本明細書に記載されている火薬を容器に充填することを可能にする方法のステップを説明する。
【0143】
火薬が搬送されると、火薬の流量を制御する工程が実行され、各搬送装置12を振動周波数制御シーケンスにより振動させる。振動周波数は、点火剤の容器2の充填率に反比例する。
【0144】
図3は、充填時間に対するパーセンテージ形式の充填率Trで示された振動周波数制御シーケンスを例示している。
【0145】
振動周波数制御シーケンスは、容器の所望の充填率の50%~80%、好ましくは少なくとも75%からなる第1含有率に達するまで、16Hz~18Hz、好ましくは17Hzからなる第1周波数F1で搬送装置12を振動させる第1フェーズ100と、次に、容器の所望の充填率の80%~95%、好ましくは少なくとも90%からなる第2充填率に達するまで、13Hz~16Hz、好ましくは15Hzからなる第2周波数F2で搬送装置12を振動させる第2フェーズ200とを含む。
【0146】
この例では、振動周波数制御シーケンスは、好ましくは8Hz~13Hz、好ましくは10Hzからなる第2類似周波数F2’で搬送装置を振動させる第2類似フェーズ200’を含む。前記第2類似周波数F2’は前記第2周波数F2よりも低い。
【0147】
次いで、振動周波数制御シーケンスは、第3フェーズ300を含み、このフェーズでは、火薬の測定量の安定化まで、搬送装置12の振動が、例えば、実質的に2000msに等しい期間にわたって停止される。
【0148】
この第3フェーズに続いて、火薬の測定量が所望の量に対応するときには、振動周波数制御シーケンスは終了し、収容器に適切に投与されたとみなされる。この方法は、この投与量の火薬が容器に充填されるまで続けられ得る。
【0149】
火薬の測定量が所望の量の粉末よりも多いときには、振動周波数制御シーケンスは終了し、容器に誤って投与されたとみなされる。この方法は、この投与量の火薬を廃棄または回復するまで続けられ得る。
【0150】
第3フェーズ300に続いて、火薬の測定量が所望の量よりも小さいときには、例えば充填率が95~98%の間に含まれるときには、第4フェーズ40を実行することができる。この場合、搬送装置12を、有利には10Hz~20Hz、より好ましくは14Hzからなる第3周波数F3で、所定の期間、例えば1000msにわたって振動させることができる。その後、第3フェーズと同様の新しい安定化フェーズ、ここでは第5フェーズを実行することができる。
【0151】
この第5フェーズにおいて、火薬の測定量が所望の量に対応するときには、振動周波数制御シーケンスは終了され、収容器に適切に投与されたとみなされる。この方法は、この投与量の火薬投が容器に充填されるまで続けることができる。
【0152】
火薬の測定量のうち、例えば充填率が95~98%の間に含まれるときには、所望の量に達するまで、第4フェーズおよび第5フェーズを繰り返すことができる。
【0153】
火薬の測定量が所望の量よりも多いときには、振動周波数制御シーケンスは終了し、収容器に誤って投与されたとみなされる。この方法は、この投与量の火薬を廃棄または回復するまで続けることができる。
【0154】
さらに、第1フェーズ100の前に、例えば190msに等しい所定の始動期間にわたって、搬送装置12を始動周波数FDで振動させる始動フェーズを実行することが可能である。これにより、所望の充填率に、より迅速に到達することが可能になる。
【0155】
例えば、始動周波数FDは18Hzより高い。例えば、始動周波数FDは、18Hzから20Hzの間で構成される。例えば、始動周波数FDは、実質的に19Hzに等しい。
【0156】
第1周波数は「超高速周波数」と呼ばれ、第2周波数は「高速周波数」と呼ばれ、第2類似周波数は「低速周波数」と呼ばれ、第3周波数は「ブースト周波数」と呼ばれる。
【0157】
第3フェーズ300から出発して、火薬粒子は、最後の振動段階に続いて注ぐことによって連続的に収容器内に運ばれる。この第3フェーズ300では、収容器に含まれる火薬の測定量は、時間の経過により落ち着く。
【0158】
火薬の流量を調整する工程と同時に、測定装置11の各収容器11aに含まれる火薬を測定する工程が実行される。
【0159】
少なくとも1つの収容器11a内の収容された火薬の測定量が、容器2に火薬を充填するための所望の量に対応する所定の値に等しいときには、選択装置の位置を確認する工程が実行され、この工程では、前記所定の値を含む前記収容器11aに関連する上側漏斗13が、下側漏斗17に対向して配置されていることが確認される。
【0160】
少なくとも1つの収容器11aまたは各収容器11aが適切に投与されると、これらの収容器11aのいずれか1つが保持されて、その中に含まれる火薬を点火剤の容器2に注ぐ。
【0161】
少なくとも1つの収容器11aに含まれる火薬の測定量が、所定の値に等しくないときには、選択装置の位置を確認する工程が実行され、この工程では、前記所定の値を含まない前記収容器11aに関連する上側漏斗13が収集槽15に対向して配置されていることが確認される。
【0162】
収集槽15が上部漏斗13と対向していないときには、選択装置は、この位置設定を達成するために変位される。
【0163】
次に、生産ラインを中断することなく、誤った投与量の容器11aの内容物が収集槽に受け取られる。
【0164】
収容器11aに内容物が適切に投与されているときには、選択装置の位置を確認する工程が行われる。そこでは、前記適切に投与された収容器11aに関連する上側漏斗13が、第1下側漏斗16に対向して配置されていることが確認される。
【0165】
第1下側漏斗16が上側漏斗13に対向していないとき、選択装置は、この位置設定を達成するように変位される。
【0166】
次に、第2下側漏斗17に対向するように点火剤の容器2を搬送する工程が実行され、次に、第2下側漏斗17を点火剤の容器2に結合する工程が実行される。
【0167】
適切に投与された収容器11aは、そこに含まれる火薬の測定量が、所望の量に対応する所定の値に等しい収容器11aに対応していることを理解されたい。
【0168】
結合工程では、この結合を達成するために、第2下側漏斗17が垂直方向に変位される。
【0169】
次に、収容器内の火薬は、対応する上側漏斗13に注がれ、重力によって、事前に搬送された点火剤の容器まで搬送される。ここでは、収容器は、内容物を注ぐために回転されるように構成されたステムを有するスプーンによって形成される。この目的のために、測定装置は、この目的のために設けられたモータを含むことができる。
【0170】
もちろん、火薬が搬送される漏斗はこの移送を可能にするために、連続的に互いに隣接して配置される。
【0171】
漏斗を振動させて、この移送を容易にし、この移送中のいかなる火薬の蓄積現象も回避することができる。
【0172】
また、漏斗を等電位にして、すべての静電現象を回避することも可能である。
【0173】
もちろん、本発明は、上述した例に限定されるものではなく、本発明の範囲から逸脱することなく、これらの例に多くの構成をもたらすことができる。特に、本発明の異なる特徴、形状、変形、および実施形態はこれらが互換性のない、または互いに排除しない範囲で、様々な組合せに従って互いに関連付けることができる。具体的には、前述の変形形態および実施形態のすべてを一緒に組み合わせることができる。
図1
図2
図3