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特許7462685縦方向データを解釈して視覚化するための改善されたユーザインタフェースを有するシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】縦方向データを解釈して視覚化するための改善されたユーザインタフェースを有するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G16B 20/20 20190101AFI20240329BHJP
【FI】
G16B20/20
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021573370
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 EP2020066248
(87)【国際公開番号】W WO2020249704
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】62/861,018
(32)【優先日】2019-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/925,158
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ. ホフマン-ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN-LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100138759
【弁理士】
【氏名又は名称】大房 直樹
(72)【発明者】
【氏名】グレワル,アヌープ
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナ,シュバ
(72)【発明者】
【氏名】パン,マテウス・ジアウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ベンカトラマン,マヤ
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-533123(JP,A)
【文献】特表2016-513303(JP,A)
【文献】特表2017-527050(JP,A)
【文献】特表2017-503258(JP,A)
【文献】国際公開第2017/172958(WO,A1)
【文献】特表2022-529276(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16B 5/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を備えるコンピューティング装置であって、
前記コンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから第1のセットの遺伝子バリアントを取得し、前記第1のセットの遺伝子バリアントが、第1の時間に患者から取得された第1の患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来するものであり、
前記コンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから第2のセットの遺伝子バリアントを取得し、前記第2のセットの遺伝子バリアントが、第2の時間に患者から取得された第2の患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来するものであり、
前記第1のセットの遺伝子バリアントおよび前記第2のセットの遺伝子バリアントの双方に関する、経時的な縦方向データを含む臨床的に関連する情報を前記表示画面上に表示し、ここで前記臨床的に関連する情報が、腫瘍純度情報を含む、ように構成される、コンピューティング装置。
【請求項2】
前記臨床的に関連する情報が、腫瘍純度情報およびバリアント対立遺伝子頻度情報の双方を含む、請求項1に記載のコンピューティング装置。
【請求項3】
前記バリアント対立遺伝子頻度情報が、数値的におよびグラフィカル表現の双方で提示される、請求項2に記載のコンピューティング装置。
【請求項4】
前記グラフィカル表現が、バリアント対立遺伝子頻度のレベルと相関する高さを有する可変高さバーであり、前記可変高さバーが、時間と関連付けられる、請求項3に記載のコンピューティング装置。
【請求項5】
前記可変高さバーが、腫瘍純度のレベルに相関する程度に着色されまたは陰影が付けられる、請求項4に記載のコンピューティング装置。
【請求項6】
前記臨床的に関連する情報が、単一の棒グラフで提示される複数の可変高さバーを含む、請求項4に記載のコンピューティング装置。
【請求項7】
前記グラフィカル表現が、バリアント対立遺伝子頻度のレベルと相関する程度まで充填される充填可能なオブジェクトであり、前記充填可能なオブジェクトが、時間と関連付けられる、請求項3に記載のコンピューティング装置。
【請求項8】
前記充填可能なオブジェクトが、腫瘍純度のレベルに相関する色または陰影を使用して充填される、請求項7に記載のコンピューティング装置。
【請求項9】
前記コンピューティング装置が、前記臨床的に関連する情報と共に患者処置情報を表示するようにさらに構成され、前記患者処置情報が、時間情報を含む、請求項1に記載のコンピューティング装置。
【請求項10】
前記コンピューティング装置が、前記表示画面上の単一のパネルに前記臨床的に関連する情報を表示するようにさらに構成される、請求項1に記載のコンピューティング装置。
【請求項11】
表示画面を有するコンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから、前記コンピューティング装置のプロセッサによって第1のセットの遺伝子バリアントを取得することであって、前記第1のセットの遺伝子バリアントが、第1の時間に患者から取得された第1の患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来するものである、第1のセットの遺伝子バリアントを取得することと、
前記コンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから、前記プロセッサによって第2のセットの遺伝子バリアントを取得することであって、前記第2のセットの遺伝子バリアントが、第2の時間に患者から取得された第2の患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来するものである、第2のセットの遺伝子バリアントを取得することと、
前記プロセッサによって、前記第1のセットの遺伝子バリアントおよび前記第2のセットの遺伝子バリアントの双方に関する、経時的な縦方向データを含む臨床的に関連する情報を前記表示画面上に表示することであって、前記臨床的に関連する情報が、腫瘍純度情報を含む、前記第1のセットの遺伝子バリアントおよび前記第2のセットの遺伝子バリアントの双方に関する臨床的に関連する情報を表示することと、を含む、方法。
【請求項12】
前記臨床的に関連する情報が、腫瘍純度情報およびバリアント対立遺伝子頻度情報の双方を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記バリアント対立遺伝子頻度情報が、数値的におよびグラフィカル表現の双方で提示される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記グラフィカル表現が、バリアント対立遺伝子頻度のレベルと相関する高さを有する可変高さバーであり、前記可変高さバーが、時間と関連付けられる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記可変高さバーが、腫瘍純度のレベルに相関する程度に着色されまたは陰影が付けられる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記臨床的に関連する情報が、単一の棒グラフで提示される複数の可変高さバーを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記グラフィカル表現が、バリアント対立遺伝子頻度のレベルと相関する程度まで充填される充填可能なオブジェクトであり、前記充填可能なオブジェクトが、時間と関連付けられる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記プロセッサによって、腫瘍純度のレベルに相関する色または陰影を使用して充填可能なオブジェクトを充填することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記プロセッサによって、前記臨床的に関連する情報と共に患者処置情報を表示することをさらに含み、前記患者処置情報が、時間情報を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記プロセッサによって、前記表示画面上の単一のパネルに前記臨床的に関連する情報を表示することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
DNAシーケンシングを使用したヒトの遺伝的変異の研究は、40年以上前の導入から現在の技術まで、驚異的な発展を遂げた。これにより、ヒトゲノムのシーケンシングと分析とを数日で行うことができる。2000年代半ばに最初の「次世代シーケンシング」(NGS)機器がリリースされたことで、疾患研究に革命が起こり、大幅に低コストで速度が大幅に向上し、ヒトゲノムシーケンス全体を数週間で生成することが可能になった。価格とパフォーマンスとに加えて、新しいシーケンシング技術は、古いシーケンシング技術および遺伝子型同定技術の技術的な弱点のいくつかを補い、新しいものを含むバリアントのゲノムワイドな検出を低コストで可能にすることも証明した。ヒトゲノミクスにおけるNGSのさらなるブレークスルーは、ターゲット濃縮法の導入によって実現し、関心領域の選択的シーケンシングを可能にし、それによって生成する必要のあるシーケンスの量を劇的に削減した。このアプローチは、ゲノム内の標的シーケンスを表すDNAまたはRNAプローブの収集に基づいており、標的領域に由来するDNAフラグメントに結合して抽出することができる。
【0002】
ヒトゲノム(エクソーム)内の全てのタンパク質コード領域のシーケンシングを可能にする全エクソームシーケンシング(WES)は、特に単一遺伝子(「メンデルの法則」)疾患で最も広く使用されるターゲット濃縮法になった。このアプローチは、全ゲノムシーケンシングと比較して、シーケンシングの「負荷」の約2%しか必要とせずに、エキソン(コーディング)とスプライスサイトの双方のバリアントの検出を可能にした。全ての遺伝子の偏りのない分析は、シーケンシングの前に時間のかかる候補遺伝子を選択する必要をなくした。エクソームは、疾患に関連する形質に大きな影響を与える突然変異の約85%を抱えていると推定されている。さらに、エキソニック突然変異は単一遺伝子疾患の大部分を引き起こすことが示され、ミスセンス突然変異とナンセンス突然変異とだけで疾患突然変異の約60%を占めている。
【0003】
ゲノムシーケンシング技術の最近の進歩は、個々のゲノムランドスケープを特徴付け、診断と治療とに関連する突然変異を特定する前例のない機会を提供する。実際、近年、NGSは薬理ゲノミクス研究の質問に対処するためにもますます適用されている。一部の患者が特定の薬に反応しない理由を説明する遺伝的原因を検出するだけでなく、遺伝情報に基づいて薬の成功を予測しようとすることも可能である。特定の遺伝的変異は特定のタンパク質の活性に影響を与える可能性があり、これらを使用して、そのようなタンパク質を標的とする薬物の有効性と毒性との可能性を推定することができる。したがって、NGSには、疾患の原因となるバリアントを見つけることをはるかに超えた用途がある。
【0004】
全てのDNAの約99.5%が全ての人間で共有されている。全ての違いを生むのは0.5%である。遺伝的変異、またはバリアントは、各人のゲノムをその人固有にする違いである。DNAシーケンシングは、個人のDNAシーケンスを、ゲノム参照コンソーシアム(Genome Reference Consortium:GRC)によって維持されている参照ゲノムのDNAシーケンスと比較することにより、個人のバリアントを同定する。平均的な人間のゲノムには何百万もの変異があると考えられている。いくつかのバリアントは遺伝子で発生するが、ほとんどは遺伝子外のDNAシーケンスで発生する。少数の亜種が疾患に関連しているが、ほとんどの亜種は未知の影響を及ぼす。目の色や血液型の違いなど、一部の亜種は人間の違いに寄与する。より多くのDNAシーケンス情報が研究コミュニティで利用可能になるにつれて、いくつかのバリアントの影響がよりよく理解される可能性がある。
【0005】
バリアントの影響を理解することは複雑なプロセスである。バリアントと疾患とを関連付けるAmerican College of Medical Genetics and Genomicsガイドラインに基づくバリアントとその分類に関する多くの公開されている情報源があるが、バリアントに関する知識は絶えず進化しており、これらのソースには矛盾や不正確さがある。さらに、同時発生する突然変異は治療への反応を変える可能性があり、臨床医がバリアントの組み合わせの全ての可能な順列を分析し、治療への影響を解釈することは課題である。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、いくつかの実施形態では、改善されたユーザインタフェースを含むコンピューティング装置を提供する。いくつかの実施形態では、改善されたユーザインタフェースは、治療上の推奨事項を含む、相互作用する遺伝子バリアントに関連する臨床的に関連する情報の視覚化を可能にする。いくつかの実施形態では、改善されたユーザインタフェースは、個々の遺伝子バリアントに関連する臨床的に関連する情報の同時視覚化、および治療上の推奨事項を含む遺伝子バリアント間の相互作用に関連する臨床的に関連する情報の視覚化を容易にする。改善されたユーザインタフェースを介した視覚化は、患者のケアに関する決定が正確且つ効率的に行われるように、医療専門家による臨床的に関連する情報の迅速な解釈を容易にすると考えられている。さらに、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、臨床的に関連する情報の迅速且つ効率的な解釈を可能にする視覚化を医療専門家に提供すると考えられている。
【0007】
いくつかの実施形態では、本開示はまた、シーケンシングされた核酸サンプル、例えば、被験者から得られる核酸サンプルに由来する1つ以上の同定された遺伝子バリアントに関する臨床的に関連する情報のレビュー、解釈、および視覚化を容易にするシステムおよび方法を提供する。本開示は、さらに、少なくとも2つの同定された遺伝子バリアント間の正または負の相互作用に関係するため、臨床的に関連する情報のレビュー、解釈、および視覚化を容易にするシステムおよび方法を提供する。特定の疾患または症状に関連する複数の遺伝子バリアントの相互作用に関する情報を含むデータベースを含むキュレートされたデータベースの使用は、臨床医とその患者の関連する治療オプションへのアクセスを改善しながら、矛盾や不正確さを排除することができると考えられている。さらに、本明細書に記載のシステムは効率的であり、得られたシーケンスデータからのバリアントの迅速な分析および同定、ならびに同定された1つ以上のバリアント(本明細書に記載されるような相互作用する遺伝子バリアントを含む)に関連する全ての関連するキュレートされたデータの迅速な検索を可能にする。
【0008】
本開示の一態様では、表示画面(108)を備えるコンピューティング装置(100)であって、コンピューティング装置(100)は、コンピューティング装置(100)に通信可能に結合された1つ以上のメモリ(104)から複数の遺伝子バリアントであって、患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来する複数の遺伝子バリアントを取得し、複数の遺伝子バリアントの少なくとも2つの遺伝子バリアント間の同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータを含む第1の表現を表示画面(108)に表示し、第1の表現を表示すると同時に、相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントの第1に関連する臨床的に関連する情報を含む第2の表現を表示画面(108)に表示するように構成される。いくつかの実施形態では、相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントの第2に関連する臨床的に関連する情報を含む第3の表現が、表示画面(108)に表示される。
【0009】
いくつかの実施形態では、同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータは、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の相互作用に基づく治療上の推奨事項である。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、特定の薬物または治療プロトコルを投与することではない。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、関心のある疾患に敏感な治療である。いくつかの実施形態では、関心のある疾患に敏感な治療は、第1のしるしでマークされる(例えば、図5Cを参照)。いくつかの実施形態では、関心のある疾患に耐性のある治療は、第2のしるしでマークされる(例えば、図5Cを参照)。いくつかの実施形態では、第1および第2の表現は、単一のパネル内に表示される(例えば、図5Cを参照)。いくつかの実施形態では、単一のパネルは、個々の遺伝子パネル表現である(図5Aの530を参照)。いくつかの実施形態では、第2の表現は、個々の遺伝子パネル表現の第1の部分で視覚化され、第1の表現は、個々の遺伝子パネル表現の第2の部分で視覚化される。いくつかの実施形態では、第1および第2の表現は、別個のパネル内に表示される。いくつかの実施形態では、第1の表現は、相互作用する遺伝子パネル内に表示され(図5Aの510または520を参照)、第2の表現は、個々の遺伝子パネル内に表示される。いくつかの実施形態では、個々の遺伝子パネルは、第1の表現と、少なくとも2つの遺伝子バリアントのうちの第1の同定とをさらに含む。
【0010】
本開示の別の態様は、コンピューティング装置に結合されたディスプレイ上に、患者に由来するサンプル中の1つ以上の遺伝子突然変異の存在に関する関連情報を提示する方法であって、方法は、コンピューティング装置に結合されたメモリ(または、1つ以上のメモリ)から、患者のサンプル(例えば、組織サンプル、腫瘍組織サンプル)に由来するシーケンスデータ内の複数の遺伝子バリアント(例えば、遺伝子突然変異)を取得することと、複数の得られた遺伝子バリアントから得られた少なくとも2つの遺伝子バリアント間の臨床的に関連する相互作用を同定するために1つ以上のデータベースにアクセスすることと、同定された臨床的に関連する相互作用を含む少なくとも1つの視覚化を表示することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの視覚化を含むレポートを生成することをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、同定された臨床的に関連する相互作用を含む少なくとも1つの視覚化は、同定された臨床的に関連する相互作用に基づく1つ以上の治療上の推奨事項を提供するパネルである。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、特定の薬物または治療プロトコルを投与することではない。いくつかの実施形態では、一連の薬物のそれぞれが同定されるが、パネル内で「グレー表示」される(例えば、図5Cを参照)。
【0012】
いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、関心のある疾患に敏感な治療である。いくつかの実施形態では、関心のある疾患に敏感な治療は、第1のしるしでマークされる。いくつかの実施形態では、関心のある疾患に耐性のある治療は、第2のしるしでマークされる(例えば、図5Dを参照)。いくつかの実施形態では、第2のしるしは、「グレー表示された」テキストである。いくつかの実施形態では、第1のしるしは、中実の記号(例えば、中実円)であり、第2のしるしは、中空の記号(例えば、白丸または中空円)である。
【0013】
いくつかの実施形態では、パネルは、相互作用する遺伝子パネル表現である。いくつかの実施形態では、相互作用する遺伝子パネル表現は、臨床的に関連する相互作用が同定された少なくとも2つの得られた遺伝子バリアントをリストする第1の部分と、治療上の推奨事項をレポートする第2の部分とを含む。いくつかの実施形態では、パネルは、個々の遺伝子パネル表現である。いくつかの実施形態では、個々の遺伝子パネル表現は、臨床的に関連する相互作用が同定された少なくとも2つの得られた遺伝子バリアントのうちの1つをリストする第1の部分と、治療上の推奨事項をレポートする第2の部分とを含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、同定された臨床的に関連する相互作用は、関心のある疾患に関係する。いくつかの実施形態では、関心のある疾患は、事前に診断された疾患である。いくつかの実施形態では、事前に診断された疾患は癌である。いくつかの実施形態では、1つ以上のデータベースは、1つ以上のリモートサーバに記憶される。いくつかの実施形態では、1つ以上のデータベースは、キュレートされた臨床情報を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のデータベースの少なくとも1つは、遺伝子バリアントの相互作用に関する臨床情報を含む。いくつかの実施形態では、第1のデータベースは、関心のある疾患について得られた複数の遺伝子バリアントから少なくとも第1の得られた遺伝子バリアントに関する臨床的に関連する情報を検索するためにアクセスされ、第2のデータベースは、関心のある同じ疾患について、少なくとも第1の得られた遺伝子バリアントと、複数の得られた遺伝子バリアントからの少なくとも第2の得られた遺伝子バリアントとの間の相互作用に関する臨床的に関連する情報の検索のためにアクセスされる。いくつかの実施形態では、1つ以上のデータベースへのアクセスは、1つ以上のデータベースに記憶された第1および第2のテーブルへのアクセスを含み、第1のテーブルは、遺伝子バリアントに関する情報を含み、第2のテーブルは、遺伝子バリアント相互作用に関する情報を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの品質メトリックフィルタを適用することによって、得られた複数の遺伝子バリアントをフィルタリングすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの視覚化が表示され、少なくとも2つの視覚化のうちの1つは、個々の遺伝子パネル表現を含む。
【0016】
本開示の別の態様は、関心のある疾患(例えば、診断された疾患)に臨床的に関連するコンピューティング装置に結合されたディスプレイ上に提示する方法であって、方法は、(i)患者から得られた核酸サンプルに由来するバリアントデータを取得することであって、バリアントデータが、コンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから得られる、取得することと、(ii)任意に、グラフィカルユーザインタフェース上で、取得されたバリアントデータをフィルタリングすることができるように、1つ以上のユーザ設定可能なフィルタリング設定に対応する第1のユーザ入力を受信することと、(iii)臨床的に関連する情報を含む1つ以上のデータベースにアクセスすることにより、得られた遺伝子バリアントの少なくとも2つの間の相互作用に関連する臨床的に関連する情報を同定することと、(iv)グラフィカルユーザインタフェース上に、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の相互作用に関連する臨床的に関連する情報を含む視覚化を表示することと、を含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の相互作用に関する臨床的に関連する情報を含む少なくとも視覚化を含むレポートを生成することをさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、1つ以上のユーザ設定可能なフィルタリング設定は、ユーザ設定可能なバリアント品質設定およびユーザ設定可能な遺伝子データベースプレゼンス設定を含む。いくつかの実施形態では、ユーザが構成可能なバリアント品質設定は、読み取り深度およびバリアント対立遺伝子頻度を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のユーザ設定可能なフィルタリング設定は、(i)注釈を追加することと、(ii)同定された臨床的に関連する情報から治療オプションを含めるまたは除外することと、(iii)同定された臨床的に関連する情報の層評価を再分類することと、を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、視覚化は、相互作用している少なくとも2つの遺伝子バリアントをリスト化する第1の部分と、治療上の推奨事項をレポートする第2の部分とを有する相互作用遺伝子パネル表現である。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、少なくとも2つの得られた遺伝子バリアント間の遺伝子相互作用の存在下で関心のある疾患に敏感な治療である。いくつかの実施形態では、関心のある疾患に敏感な治療は、第2のパネル内で第1のしるしでマークされる。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの得られた遺伝子バリアント間の相互作用を考慮して、関心のある疾患に耐性のある治療は、第2のパネル内で第2のしるしでマークされる。
【0019】
いくつかの実施形態では、方法は、フィルタリングされたバリアントデータに由来する1つ以上の個々の遺伝子バリアントに関連する臨床的に関連する情報の同定をグラフィカルユーザインタフェース上に表示することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の個々の遺伝子パネル表現を表示することをさらに含み、個々の遺伝子パネル表現の少なくとも1つは、相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントの1つに関する臨床的に関連する情報を含む。いくつかの実施形態では、個々の遺伝子パネル表現は、バリアント対立遺伝子頻度統計または読み取り深度統計のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0020】
本開示の別の態様は、表示画面を有するコンピューティング装置上に、複数の遺伝子バリアントの少なくとも2つの遺伝子バリアント間の同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータを含む第1の表現を表示することと、相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントのうちの少なくとも1つに関連する臨床的に関連する情報を含む第2の表現を表示画面上に表示することと、を含む方法である。いくつかの実施形態では、複数の遺伝子バリアントは、患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来する。いくつかの実施形態では、複数の遺伝子バリアントは、コンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから得られる。
【0021】
いくつかの実施形態では、同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータは、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の相互作用に基づく治療上の推奨事項である。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、特定の薬物または治療プロトコルを投与することではない。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、関心のある疾患に敏感な治療である。いくつかの実施形態では、関心のある疾患に敏感な治療は、第1のしるしでマークされ、関心のある疾患に耐性のある治療は、第2のしるしでマークされる。いくつかの実施形態では、第1および第2の表現は、単一のパネル内に表示され、単一のパネルは、個々の遺伝子パネル表現である。いくつかの実施形態では、第2の表現は、個々の遺伝子パネル表現の第1の部分で視覚化され、第1の表現は、個々の遺伝子パネル表現の第2の部分で視覚化される。いくつかの実施形態では、第1および第2の表現は、別個のパネル内に表示される。
【0022】
本開示の別の態様は、コンピューティングシステムの1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンピューティングシステムに、複数の遺伝子バリアントの少なくとも2つの遺伝子バリアント間の同定された臨床的に関連する相互作用に関連するデータを含む第1の表現を表示画面に表示させ、さらに、相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントの少なくとも1つに関する臨床的に関連する情報を含む第2の表現を表示画面に表示させ、複数の遺伝子バリアントが、患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来する、命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体である。いくつかの実施形態では、複数の遺伝子バリアントは、コンピューティングに通信可能に結合された1つ以上のメモリから得られる。いくつかの実施形態では、同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータは、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の相互作用に基づく治療上の推奨事項である。
【0023】
別の実施形態では、表示画面を有するコンピューティング装置が提供される。コンピューティング装置は、コンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから第1のセットの遺伝子バリアントを取得し、第1のセットの遺伝子バリアントが、第1の時間に患者から取得された第1の患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来するものであり、コンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから第2のセットの遺伝子バリアントを取得し、第2のセットの遺伝子バリアントが、第2の時間に患者から取得された第2の患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来するものであり、第1のセットの遺伝子バリアントおよび第2のセットの遺伝子バリアントの双方に関する臨床的に関連する情報を表示画面上に表示し、ここで臨床的に関連する情報が時間情報を含むように構成される。
【0024】
いくつかの実施形態では、臨床的に関連する情報は、腫瘍純度情報およびバリアント対立遺伝子頻度情報の双方を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、バリアント対立遺伝子頻度情報は、数値的およびグラフィカル表現の双方で提示される。いくつかの実施形態では、グラフィカル表現は、バリアント対立遺伝子頻度のレベルと相関する高さを有する可変高さバーであり、可変高さバーは、時間と関連付けられる。いくつかの実施形態では、可変高さバーは、腫瘍純度のレベルに相関する程度に着色されまたは陰影が付けられる。いくつかの実施形態では、臨床的に関連する情報は、単一の棒グラフで提示される複数の可変高さバーを含む。
【0026】
いくつかの実施形態では、グラフィカル表現は、バリアント対立遺伝子頻度のレベルと相関する程度まで充填される充填可能なオブジェクトであり、充填可能なオブジェクトは、時間と関連付けられる。いくつかの実施形態では、充填可能なオブジェクトは、腫瘍純度のレベルに相関する色または陰影を使用して充填される。
【0027】
いくつかの実施形態では、コンピューティング装置は、臨床的に関連する情報と共に患者処置情報を表示するようにさらに構成され、患者処置情報は、時間情報を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、コンピューティング装置は、表示画面上の単一のパネルに臨床的に関連する情報を表示するようにさらに構成される。
【0029】
いくつかの実施形態では、方法が提供される。方法は、表示画面を有するコンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから第1のセットの遺伝子バリアントを取得することであって、第1のセットの遺伝子バリアントが、第1の時間に患者から取得された第1の患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来するものである、第1のセットの遺伝子バリアントを取得することと、コンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから第2のセットの遺伝子バリアントを取得することであって、第2のセットの遺伝子バリアントが、第2の時間に患者から取得された第2の患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来するものである、第2のセットの遺伝子バリアントを取得することと、第1のセットの遺伝子バリアントおよび第2のセットの遺伝子バリアントの双方に関連する臨床的に関連する情報を表示画面上に表示することであって、臨床的に関連する情報が時間情報を含む、第1のセットの遺伝子バリアントおよび第2のセットの遺伝子バリアントの双方に関連する臨床的に関連する情報を表示することと、を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、臨床的に関連する情報は、腫瘍純度情報およびバリアント対立遺伝子頻度情報の双方を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、バリアント対立遺伝子頻度情報は、数値的およびグラフィカル表現の双方で提示される。
【0032】
いくつかの実施形態では、グラフィカル表現は、バリアント対立遺伝子頻度のレベルと相関する高さを有する可変高さバーであり、可変高さバーは、時間と関連付けられる。いくつかの実施形態では、可変高さバーは、腫瘍純度のレベルに相関する程度に着色されまたは陰影が付けられる。いくつかの実施形態では、臨床的に関連する情報は、単一の棒グラフで提示される複数の可変高さバーを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、グラフィカル表現は、バリアント対立遺伝子頻度のレベルと相関する程度まで充填される充填可能なオブジェクトであり、充填可能なオブジェクトは、時間と関連付けられる。いくつかの実施形態では、方法は、腫瘍純度のレベルに相関する色または陰影を使用して充填可能なオブジェクトを充填することをさらに含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、方法は、臨床的に関連する情報と共に患者処置情報を表示することをさらに含み、患者処置情報は、時間情報を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、方法は、表示画面上の単一のパネルに臨床的に関連する情報を表示することをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
本開示の特徴の一般的な理解のために、図面を参照する。図面では、同一の要素を特定するために、全体を通して同様の参照符号が使用されている。
【0037】
特許または出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含む。この特許または特許出願の刊行物のカラー図面付きの写しは、要求と必要な料金の支払いとに応じて庁に提供される。
【0038】
図1】いくつかの実施形態にかかる、1つ以上のプロセッサおよびシーケンシング装置を有するコンピュータを含むシステムであって、コンピュータおよびシーケンシング装置がネットワークなどを介して通信可能に結合される、システムを示している。
図2】いくつかの実施形態にかかる、各コンポーネントが、バス、ネットワーク、または他の有線または無線相互接続を介して通信可能に結合される、処理サブシステム、記憶サブシステム、出力装置、および入力装置を含むシステムを示している。システムはまた、リモートアクセスを可能にするソフトウェア、すなわち、クライアントポータルまたはクライアントインタフェースを含むことができる。
図3】いくつかの実施形態にかかる、ネットワークを介してクライアントインタフェースと通信可能に結合されたシステムのブロック図を示している。
図4】いくつかの実施形態にかかる、被験者の核酸サンプルにおいて同定された突然変異に基づく被験者に対する治療上の推奨事項を含むレポートを生成するステップを示すフローチャートを示している。
図5A】いくつかの実施形態にかかる、各パネルに、同定された遺伝子バリアントまたは相互作用する遺伝子バリアントに関する臨床的に関連する情報が入力されている、複数のパネルを含むデータ視覚化領域を示している。
図5B】いくつかの実施形態にかかる、臨床的に関連する情報内に入力された表現を示している。
図5C】いくつかの実施形態にかかる、臨床的に関連する情報内に入力された表現を示している。
図5D】いくつかの実施形態にかかる、臨床的に関連する情報内に入力された表現を示している。
図5E】いくつかの実施形態にかかる、個々の同定された遺伝子バリアントまたは相互作用する同定された遺伝子バリアントに関する臨床的に関連する情報の視覚化を示している。
図5F】いくつかの実施形態にかかる、図5Aの表現510と比較して、より詳細な臨床的に関連する情報を提供する表現を示している。
図5G】いくつかの実施形態にかかる、臨床的に関連する情報内に入力された表現を示している。
図5H】いくつかの実施形態にかかる、臨床的に関連する情報内に入力された表現を示している。
図6A】いくつかの実施形態にかかる、臨床的に関連する情報を含む1つ以上の視覚化またはレポートを遠隔で生成する方法を示している。
図6B】いくつかの実施形態にかかる、承認のためにドラフトレポートをレビューする方法を示している。
図7】いくつかの実施形態にかかる、最終レポートを検索および/またはレビューする方法を示している。
図8A】いくつかの実施形態にかかる、代表的なしるしを含む臨床的に関連する情報内に入力された表現を示している。
図8B】いくつかの実施形態にかかる、代表的なしるしを含む臨床的に関連する情報内に入力された表現を示している。
図9A】いくつかの実施形態にかかる、列内に配置された治療上の推奨事項を含む、臨床的に関連する情報内に入力された表現を示している。
図9B】いくつかの実施形態にかかる、列内に配置された治療上の推奨事項を含む、臨床的に関連する情報内に入力された表現を示している。
図10】いくつかの実施形態にかかる、各パネルに、同定された遺伝子に関連する臨床的に関連する情報が入力され、個々のパネルの前に相互作用する遺伝子バリアントが同定される(相互作用の要約)、複数のパネルを含むデータ視覚化領域を示している。
図11】いくつかの実施形態にかかる、臨床的に関連する情報の1つ以上の表現または視覚化を表示するステップを示すフローチャートを提供している。
図12】いくつかの実施形態にかかる、臨床的に関連する情報の1つ以上の表現または視覚化を表示するステップを示すフローチャートを提供している。
図13A】経時的に患者の縦方向データを提供するデータ視覚化パネルおよび/またはレポートの様々な実施形態を示している。
図13B】経時的に患者の縦方向データを提供するデータ視覚化パネルおよび/またはレポートの様々な実施形態を示している。
図13C】経時的に患者の縦方向データを提供するデータ視覚化パネルおよび/またはレポートの様々な実施形態を示している。
図13D】経時的に患者の縦方向データを提供するデータ視覚化パネルおよび/またはレポートの様々な実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0039】
反対に明確に示されない限り、複数のステップまたは行為を含む本明細書において特許請求の範囲に記載される任意の方法において、方法のステップまたは行為の順序は、必ずしも方法のステップまたは行為が記載される順序に限定されないことも理解されたい。
【0040】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が別途明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。同様に、「または」という単語は、文脈が別途明確に指示しない限り、「および」を含むことを意図している。「含む」という用語は、「AまたはBを含む」がA、B、またはAおよびBを含むことを意味するように、包括的に定義される。
【0041】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、「または」は、上記で定義された「および/または」と同じ意味を有することを理解されたい。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「または」または「および/または」は、包括的であると解釈されるものとする。すなわち、要素の数またはリストの少なくとも1つを含むが、複数、および必要に応じて追加のリストに記載されていない項目を含むと解釈される。「のうちの1つのみ」または「のうちの正確に1つ」、または特許請求の範囲で使用される場合、「から構成される」など、反対に明確に示される用語のみは、数または要素のリストのうちの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用される「または」という用語は、「いずれか」、「のうちの1つ」、「のうちの1つのみ」または「のうちの正確に1つ」など、排他的な用語が先行する場合にのみ、排他的な代替案(すなわち、「一方または他方であるが双方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。「から本質的に構成される」は、特許請求の範囲で使用される場合、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0042】
「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などの用語は、交換可能に使用され、同じ意味を有する。同様に、「備える(comprises)」、「含む(includes)」、「有する(has)」などは、交換可能に使用され、同じ意味を有する。具体的には、各用語は、「備える」という一般的な米国特許法の定義と一致して定義されているため、「少なくとも以下」を意味するオープンな用語として解釈され、また、追加の特徴、制限、態様などを除外しないように解釈される。したがって、例えば、「構成要素a、b、およびcを有するデバイス」は、デバイスが少なくとも構成要素a、b、およびcを含むことを意味する。同様に、句:「ステップa、b、およびcを含む方法」は、その方法が少なくともステップa、b、およびcを含むことを意味する。さらに、ステップおよびプロセスは、ここにおいて特定の順序で概説されることができるが、当業者は、順序付けのステップおよびプロセスが変化し得ることを認識するであろう。
【0043】
本明細書の明細書および特許請求の範囲で使用される場合、1つ以上の要素のリストに関連する「少なくとも1つ」という句は、要素のリストの任意の1つ以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、必ずしも要素のリスト内に具体的にリスト化されているありとあらゆる要素の少なくとも1つを含まなくてもなく、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外するものではない。この定義はまた、「少なくとも1つ」という句が参照する要素のリスト内で具体的に特定される要素以外の要素が、具体的に特定されるそれらの要素に関連するかどうかにかかわらず、必要に応じて存在することができることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または、同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一実施形態では、少なくとも1つ、必要に応じて2つ以上のAを含み、Bが存在しない(および必要に応じて、B以外の要素を含む)を指すことができ、別の実施形態では、少なくとも1つ、必要に応じて2つ以上のBを含み、Aが存在しない(および必要に応じて、A以外の要素を含む)を指すことができ、さらに別の実施形態では、少なくとも1つ、必要に応じて2つ以上のAを含み、少なくとも1つ、必要に応じて2つ以上のBを含む(および必要に応じて、他の要素を含む)を指すことができるなどである。
【0044】
本明細書で使用される場合、「フィルタリング」という用語は、1つ以上のデータセットを変更することを指す。フィルタリングとは、データセットからデータポイント(臨床情報など)を保持、追加、減算、または追加することを意味する。フィルタリングとは、データセット内の1つ以上のデータポイントをマスキングすることを意味する。フィルタリングとは、データセット内のデータポイントのマスキングを解除することを意味する。いくつかの実施形態では、フィルタリングは反復プロセスである。いくつかの実施形態では、フィルタリングは、1つ以上のフィルタを使用して実行される。いくつかの実施形態では、1つのフィルタによって除去またはマスクされたデータポイントは、第2のフィルタによって追加されるか、またはマスク解除される。いくつかの実施形態では、フィルタリングは、バリアントのリストに対して実行される。フィルタリングされたデータセットは、元のデータセットよりも小さくても大きくてもかまわない。いくつかの実施形態では、フィルタリングされたデータセットは、元のデータセットから削除されていないデータポイントを含む。
【0045】
本明細書で使用される場合、「読み取り深度」または「シーケンシング深度」という用語は、シーケンスがシーケンシングされた回数(シーケンシングの深さ)を指す。例として、読み取り深度は、複数のシーケンス実行結果を整列させ、特定のサイズ(例えば、100bp)の重複しないウィンドウで読み取りの開始位置をカウントすることによって決定されることができる。コピー数多型は、当該技術分野において知られている方法を使用して、読み取り深度に基づいて決定されることができる。例えば、Yoon et al.,Genome Research 2009 September;19(9):1586-1592;Xie et al.,BMC Bioinformatics 2009 Mar.6;10:80;またはMedvedev et al.,Nature Methods 2009 November;6(11 Suppl):S13-20に記載されている方法を使用する。
【0046】
本明細書で使用される場合、「シーケンスデータ」または「シーケンシングデータ」という用語は、当業者に知られている核酸分子に関する任意のシーケンス情報を指す。シーケンスデータは、核酸配列に変換されなければならないDNAまたはRNA配列、修飾された核酸、一本鎖または二本鎖配列、あるいはアミノ酸配列に関する情報を含むことができる。シーケンスデータは、シーケンシング装置、取得日、読み取り長、シーケンシングの方向、シーケンシングされた実体の起源、隣接するシーケンスまたは読み取り、反復の存在、または当業者に知られている他の適切なパラメータに関する情報をさらに含むことができる。シーケンスデータは、当業者に知られている任意の適切なフォーマット、アーカイブ、コーディング、または文書で提示されることができる。
【0047】
本明細書で使用される場合、「ユーザインタフェース」という用語は、ユーザ、例えば遺伝学者などのエンドユーザがコマンドおよびデータを入力し、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)などの結果を受け取ることを可能にするインタフェースを指す。「ユーザインタフェース」および「グラフィカルユーザインタフェース」という用語は、本明細書では交換可能に使用される。
【0048】
本明細書で使用される場合、「バリアント」または「遺伝的バリアント」という用語は、遺伝子の代替形態、ゲノムシーケンス、またはそれらの一部を指す。バリアントは、ゲノムの変化に対応して、タンパク質またはRNAレベルで参照されることもできる。いくつかの実施形態では、バリアントは、タンパク質配列中のアミノ酸の変化を引き起こすが、RNAスプライシング、翻訳、または他のレベルの転写または翻訳調節に関してなど、そうでなければタンパク質または細胞の機能または活性に影響を及ぼすことができる。バリアント」はまた、コードされたポリペプチドのアミノ酸シーケンスを変化させない(すなわち、保存された変化)位置で、集団において最も一般的なシーケンスとシーケンスが異なるポリペプチドを指すことができる。遺伝的変異ポリペプチドは、リスクハプロタイプによってコードされるか、保護ハプロタイプによってコードされるか、または中性ハプロタイプによってコードされることができる。遺伝的変異ポリペプチドは、リスクに関連付けられるか、保護に関連付けられることができるか、または中性とすることができる。遺伝的バリアントの非限定的な例は、フレームシフト、獲得停止、喪失開始、スプライスアクセプター、スプライスドナー、喪失停止、ミスセンス、スプライス領域、同義およびコピー数変異を含む。非限定的なタイプのコピー数多型は、欠失および重複を含む。
【0049】
本明細書でさらに詳細に説明するように、本開示は、ヒト患者の核酸サンプル(例えば、腫瘍に由来するサンプル)から得られたシーケンスデータなどのシーケンスデータで同定された1つ以上の遺伝子バリアント(例えば、同じまたは異なる遺伝子のバリアント)の解釈を容易にするシステム、方法、およびインタフェースを提供する。場合によっては、単一のゲノムバリアントを探すことは完全に決定的ではないかもしれない。例えば、存在(または不在)または単一のゲノム変異に基づいて予測的な治療結果を探すことは、限られた状況であるという点で最適ではない可能性がある。治療結果に正または負の寄与を有するものなどの他の遺伝子バリアントを考慮することにより、複数の遺伝子バリアントを考慮して最適な治療を施すことができるように、改善されたガイダンスが臨床医に提供されることができる。このようにして、本開示は、特定のバリアントが互いにどのように関連または相互作用するかについての臨床的重要性を解釈し、相互作用の臨床的重要性および/または相互作用する遺伝子の存在に基づくユーザまたは臨床医への推奨事項を視覚化またはレポートするためのシステムおよび方法を提供する。本明細書に記載のシステムおよび方法は効率的であり、得られたシーケンスデータからの遺伝子バリアントの迅速な分析および同定、ならびに1つ以上のバリアント(相互作用する遺伝子バリアントを含む)に関連付けられた関連するキュレートされたデータの迅速な検索を可能にする。さらに、本明細書に記載のシステムおよび方法は、最適且つ組織化された方法で、(コンピュータディスプレイまたはコンピューティング装置を操作するユーザなどへの)遺伝子バリアントの、ならびに遺伝子バリアント間の相互作用に関する情報の視覚化およびレポートを可能にする。いくつかの実施形態では、システムおよび方法は、ユーザ(例えば、医療専門家、遺伝学者、医師など)による臨床的に関連する情報を含む視覚化の迅速な解釈を可能にし、それにより、迅速な解釈は、患者ケアの改善につながる可能性がある迅速且つ正確な医学的決定を容易にする。いくつかの実施形態では、視覚化は、簡略化された方法でより多くの情報をユーザに提供し、臨床的に関連する情報のより迅速なレビューを可能にし、遺伝子相互作用に関連するデータの効率的なレビューを容易にする。
【0050】
いくつかの実施形態では、本開示は、治療上の推奨事項を含む、遺伝子バリアントおよび相互作用する遺伝子バリアントに関連する臨床的に関連する情報の視覚化を可能にするように適合された改善されたユーザインタフェースを備えるシステムを提供する。いくつかの実施形態では、改善されたユーザインタフェースは、個々の遺伝子バリアントに関連する臨床的に関連する情報の同時視覚化、および治療上の推奨事項を含む遺伝子バリアント間の相互作用に関連する臨床的に関連する情報の視覚化を容易にする。改善されたユーザインタフェースを介した視覚化は、患者のケアに関する決定が正確且つ効率的に行われるように、医療専門家による臨床的に関連する情報の迅速な解釈を容易にすると考えられている。さらに、本明細書に開示されるシステムおよび方法は、臨床的に関連する情報の迅速、正確、且つ効率的なレビューおよび解釈を可能にする視覚化を医療専門家に提供すると考えられている。
【0051】
いくつかの実施形態では、本開示は、ユーザが検索されたゲノムバリアントおよび対応する臨床情報のデータセットをレビューすることを可能にするデータ視覚化システムを提供する。いくつかの実施形態では、データ視覚化システムは、臨床データをインタラクティブにレビューおよび解釈するためのグラフィカルユーザインタフェースを提供する。データ視覚化システムはまた、ユーザが、被験者の核酸サンプルに見られる複数の遺伝子バリアント間の相互関係を理解することも可能にする。組織化されたパネル(ユーザ対話型パネルなど)などによる情報の視覚化は、関連する臨床情報の伝達を容易にし、ユーザが提示された臨床データを効果的に解釈し、取得したデータをレポートする前に必要な変更(例えば、注釈、再分類など)を行うことを可能にする。データ視覚化システムはまた、レビューおよび解釈された臨床情報を要約したレポートを生成するために利用されることもできる。
【0052】
いくつかの実施形態では、本開示のシステムは、被験者(例えば、治療的治療を必要とするヒト患者)から得られたシーケンスデータの解釈およびレポートを容易にするように構成されている。いくつかの実施形態では、シーケンスデータは、シーケンシング装置を使用するシーケンシング操作から導出され、シーケンスデータは、後の解釈およびレポートのために、ネットワーク化されたデータベースなどのデータベースに記憶される。例えば、シーケンスデータは、シーケンス装置を使用して導出され、記憶サブシステム104またはネットワーク化されたサーバ上にあるファイル(例えば、バリアント呼び出し形式、BED形式、またはBEDPE形式で)に記憶されることができ、それにより、ファイルは、その後に遺伝子バリアントの同定、同定された遺伝子バリアント(または複数の遺伝子バリアント間の相互作用)に関連する関連臨床情報の検索、視覚化、および/またはレポート(図1を参照)を行うために取得されることができる。いくつかの実施形態では、バリアント分析およびレポートアプリケーションなどのソフトウェアは、システム上で直接実行され、シーケンスデータは、解釈およびレポートのためにネットワーク化されたサーバから取得される(図2を参照)。他の実施形態では、バリアント分析およびレポートアプリケーションなどのソフトウェアは、リモートシステム上で実行され、クライアントインタフェースまたはクライアントポータルがシステムにアクセスするために使用され、それによって、シーケンスデータは、解釈およびレポートのためにクライアントインタフェースを介してリモートシステムにアップロードされることができる(図2および図3を参照)。
【0053】
本明細書で提供されるシステムおよび方法は、目的の任意の遺伝子における任意のバリアントの解釈およびレポートに適用されることができる。例示的なバリアントは、一塩基多型、点突然変異、挿入、欠失、および転座を含む。例えば、システムおよび方法は、任意の特定の遺伝子(例えば、EGFR p.L858RおよびEGFR p.T790M)内で検出された複数の変異を含む、EGFR遺伝子またはBRCA1遺伝子内で検出された変異を解釈およびレポートするために利用されることができる。
【0054】
図1は、処理サブシステム102に通信可能に結合されたシーケンシング装置110を含むシステム100(コンピュータまたはコンピューティング装置)を示している。シーケンシング装置110は、直接(例えば、1つ以上の通信ケーブルを介して)または1つ以上の有線および/または無線ネットワーク130を介して、処理サブシステム102に結合されることができる。いくつかの実施形態では、処理サブシステム102は、シーケンシング装置110に含まれるか、またはそれと統合されることができる。いくつかの実施形態では、システム100は、特定のユーザ構成可能パラメータを使用して特定の操作を実行し、取得された結果のシーケンスデータを処理サブシステム102または記憶サブシステム(例えば、ローカル記憶サブシステムまたはネットワーク記憶装置)に送信するようにシーケンス装置110に命令するソフトウェアを含むことができる。いくつかの実施形態では、処理サブシステム102またはシーケンシング装置110のいずれかは、ネットワーク130に結合されることができる。いくつかの実施形態では、記憶装置は、シーケンスデータ、患者情報、および/または他の組織データを記憶または検索するためにネットワーク130に結合される。処理サブシステム102は、ユーザまたはオペレータ(例えば、技術者または遺伝学者)からコマンドを受信するためのディスプレイ108および1つ以上の入力装置(図示せず)を含むことができる。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェースは、処理サブシステム102によってレンダリングされ、ディスプレイ108に提供されて、(i)シーケンシングデータおよび/または患者データの分析、解釈、および/またはレポートを容易にし、(ii)シーケンス装置からデータを取得し、(iii)シーケンスデータ、患者情報、またはネットワークを介して利用可能なデータベースなどの他の臨床情報を取得する。いくつかの実施形態では、ネットワーク130は、クライアントインタフェースまたはクライアントポータル(図示せず)を介するなどして、リモートで処理サブシステム102および/またはシーケンシング装置110へのアクセスを可能にする。このようにして、リモートユーザは、バリアント分析およびレポート作成ソフトウェアが処理サブシステム102上でリモートで実行されることができるように、処理サブシステム102にアクセスすることができる。いくつかの実施形態では、クライアントインタフェースまたはクライアントポータルはまた、シーケンスデータの分析および解釈の後に、記憶されたレポートの検索を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、クライアントインタフェースまたはクライアントポータルは、処理サブシステム102、またはそれと通信可能に結合された任意の取り付けられたローカルもしくはネットワーク化された記憶装置へのシーケンスデータの転送を容易にすることができる。サンプルをシーケンシングする方法は、国際公開第2017/123316号および国際公開第2017/181134号に記載されており、それらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0055】
図2は、本開示の実施形態にかかるシステム100のブロック図である。システム100は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ハンドヘルド装置(例えば、スマートフォン、メディアプレーヤ)などを含む、任意のタイプのユーザ操作可能なコンピューティング装置を使用して実装されることができる。システム100は、以下により詳細に論じられるように、処理サブシステム102、記憶サブシステム104、ユーザ入力装置106、ディスプレイ108、およびバス114を介して通信するネットワークインタフェース112などのいくつかの相互接続されたコンポーネントを含むことができる。いくつかの実施形態では、図2に示されるシステム100は、リモートでアクセスされることができ、1人以上のリモートユーザは、記憶サブシステム104内に記憶されたシーケンスデータまたは記憶サブシステム104にリモートでアップロードされたシーケンスデータが解釈、視覚化、および/またはレポートされることができるように、ネットワークを介してなどのシステム100にアクセスすることができる。
【0056】
処理サブシステム102は、1つ以上のコアを有することができる単一のプロセッサ、またはそれぞれが1つ以上のコアを有する複数のプロセッサを含むことができる。いくつかの実施形態では、処理サブシステム102は、1つ以上の汎用プロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(GPU)などの専用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、またはこれらおよび他のタイプのプロセッサの任意の組み合わせを含むことができる。いくつかの実施形態では、処理サブシステム内のいくつかまたは全てのプロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのカスタマイズされた回路を使用して実装されることができる。いくつかの実施形態では、そのような集積回路は、回路自体に記憶されている命令を実行する。他の実施形態では、処理サブシステム102は、記憶サブシステム104に記憶された命令を検索および実行することができ、命令は、ユーザがクライアントポータル116を介するなどしてシステムにローカルまたはリモートでアクセスするかどうかに関係なく、処理サブシステム102によって実行されることができる。例として、処理サブシステム102は、ローカルまたはネットワーク化された記憶システム内に記憶されたバリアントデータ(例えば、バリアント呼び出し形式で)を受信および処理する命令を実行し、検索された臨床要約および/または同定された遺伝子バリアントに関連する治療上の推奨事項と一緒に入力バリアントデータから同定された遺伝子バリアントを表示することができる。
【0057】
記憶サブシステム104は、システムメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、および永続記憶装置などの様々なメモリユニットを含むことができる。ROMは、システム100の処理サブシステム102および他のモジュールを処理することによって必要とされる静的データおよび命令を記憶することができる。永続記憶装置は、読み取りおよび書き込みメモリ装置とすることができる。この永続記憶装置は、システム100の電源が切られているときでさえも命令およびデータを記憶する不揮発性メモリユニットとすることができる。いくつかの実施形態では、大容量記憶装置(磁気または光ディスクまたはフラッシュメモリなど)が永続記憶装置として使用されることができる。他の実施形態は、永続記憶装置としてリムーバブル記憶装置(例えば、フラッシュドライブ)を使用することができる。システムメモリは、読み取りおよび書き込みメモリ装置、またはダイナミックランダムアクセスメモリなどの揮発性の読み取りおよび書き込みメモリとすることができる。システムメモリは、プロセッサが実行時に必要とする命令とデータの一部または全てを記憶することができる。
【0058】
記憶サブシステム104は、様々なタイプの半導体メモリチップ(DRAM、SRAM、SDRAM、フラッシュメモリ、プログラム可能な読み取り専用メモリ)などを含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体の任意の組み合わせを含むことができる。磁気ディスクおよび/または光ディスクも使用されることができる。いくつかの実施形態では、記憶サブシステム104は、読み取り可能および/または書き込み可能とすることができるリムーバブル記憶メディアを含むことができる。このようなメディアの例は、コンパクトディスク(CD)、読み取り専用デジタル多用途ディスク(DVD-ROM、2層DVD-ROMなど)、読み取り専用および記録可能なBlu-ray(登録商標)ディスク、超高密度光ディスク、フラッシュメモリカード(SDカード、ミニSDカード、マイクロSDカードなど)などを含む。いくつかの実施形態では、データおよび他の情報(例えば、シーケンスデータ、患者情報、臨床データ、組織データ、キュレートされたデータなど)は、1つ以上の遠隔場所、例えば、クラウド記憶に記憶され、システム100の他のコンポーネントと同期されることができる。記憶サブシステム104は、キュレートされた情報のデータベースを含むことができる。本明細書で「メモリ」または「メモリ」という用語が使用される場合、それらは、複数のメモリなどの1つ以上のメモリを指すことができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、記憶サブシステム104は、バリアント分析およびレポートアプリケーション120などの、処理サブシステム102によって実行される1つ以上のソフトウェアプログラムを記憶することができる。「ソフトウェア」は、一般に、処理サブシステム102によって実行されると、システム100に様々な動作を実行させ、したがってソフトウェアプログラムの動作を実行および実施する1つ以上の特定のマシン実装を定義する一連の命令を指す。したがって、「ソフトウェア」はまた、ファームウェアまたは組み込みアプリケーション、あるいは処理サブシステム102によって読み取り可能および実行可能な任意の他のタイプの命令を含むことができる。ソフトウェアは、単一のプログラムとして、または必要に応じて相互作用する個別のプログラムまたはプログラムモジュールのコレクションとして実装されることができる。いくつかの実施形態では、プログラムおよび/またはデータは、不揮発性記憶に記憶され、プログラム実行中に全体的または部分的に揮発性作業メモリにコピーされることができる。記憶サブシステム104から、処理サブシステム102は、以下に説明する動作を含む様々な動作を実行するために、実行するプログラム命令および処理するデータを取得することができる。ソフトウェアの例は、バリアント分析およびレポートアプリケーション120を含む。ソフトウェアは、システム100上でローカルに実行されることができるが、クライアントポータル116を介するなど、リモートでアクセスおよび/または制御されることができる。例えば、ソフトウェアのインスタンスは、システム100上でローカルに実行されることができるが、リモートオペレータは、ネットワーク接続されたクライアントポータル116を介してソフトウェアにアクセスすることができ、その結果、ファイル(例えば、バリアント呼び出し形式、BED形式、またはBEDPE形式などのバリアントデータを含むもの)が記憶サブシステム104にアップロードされることができ、それによって、リモートユーザは、対象のバリアントデータの解釈、視覚化、および/またはレポートが実行されることができるように、ソフトウェアのインスタンスを制御することができる。
【0060】
ユーザインタフェースは、ディスプレイ装置108、および/または1つ以上の他のユーザ出力装置(図示せず)に設けられることができる。ユーザインタフェースは、例えば、メニューバー、メタデータペイン、ツールバー、ドロップダウンメニュー、および臨床的に関連するデータの視覚的表現を含むことができる。入力装置106は、ユーザがシステム100に信号を提供することができる任意の装置を含むことができ、システム100は、信号を特定のユーザ要求または情報を示すものとして解釈することができる。いくつかの実施形態では、ユーザインタフェースによって提供される表現は、ユーザ(リモートまたはローカルのいずれか)との相互作用を容易にする。例えば、ユーザは、特定のユーザ設定可能設定またはパラメータを選択することができ、その結果、検索されたデータセットは、ユーザ設定可能設定またはパラメータの選択に従って変更されることができる。様々な実施形態では、入力装置106は、キーボードタッチパッド、タッチスクリーン(例えば、ディスプレイ108のディスプレイ表面上のタッチセンシティブオーバーレイ)、マウスまたは他のポインティング装置、スクロールホイール、クリックホイール、ダイヤル、ボタン、スイッチ、キーパッド、マイクなどのいずれかまたは全てを含むことができる。
【0061】
ディスプレイ108は、システム100によって生成された画像(例えば、複数の遺伝子バリアントのうちの1つ以上および任意の数の複数の遺伝子バリアント間の相互作用を含む表現または視覚化)を表示することができ、様々な画像生成技術、例えば、カソード,光線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)を含む発光ダイオード(LED)、投影システムなど、およびサポートする電子機器(デジタルからアナログ、またはアナログ-デジタル変換器、信号プロセッサなど)を含むことができる。いくつかの実施形態は、入力装置および出力装置の双方として機能するタッチスクリーンなどの装置を含むことができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイ108に加えて、またはその代わりに、他のユーザ出力装置を提供することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、ユーザインタフェースは、ディスプレイ108の特定の領域内の可視画像要素が、ユーザ入力装置106を使用してユーザが選択するアクティブ要素、対話型要素、または制御要素として定義されるグラフィカルユーザインタフェースを提供することができる。例えば、ユーザは、ユーザ入力装置106を操作して、画面上のカーソルまたはポインタを制御要素上に配置し、ボタンを「クリック」して選択を示すことができる(選択は、指定されたアクションまたはルーチンを実行するための信号を送信する)。例えば、ユーザは、ユーザ入力装置106を操作して、動作の開始、すなわち、フィルタリング操作を開始し、レポートの生成を開始し、表示された1つ以上の視覚化または表現の注釈を開始することを達成するであろうユーザインタフェース内のアイコンを選択することができる。別の例として、ユーザは、レンダリングされたデータ視覚化領域(図5Aの500を参照)内の表現(例えば、パネル)をクリックして、1つ以上の同定された遺伝子バリアントまたは少なくとも2つの遺伝子バリアント間の相互作用に関連する臨床的に関連する情報(図5Fを参照)に関するさらなる詳細を提供する新しいウィンドウまたは新しいユーザインタフェース画面が提示されるようにすることができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、ユーザは、アイコン、ボタン、コンテキストメニュー、ドロップダウンメニュー、トグルスイッチなどの一連のユーザ構成可能オプションと相互作用して、一連のユーザ構成可能なパラメータを定義するように、ユーザ入力装置106を操作することができる。ユーザが構成可能なパラメータの選択は、例えば、データセットを変更するために使用されることができる。例えば、そして本明細書にさらに開示されるように、ユーザは、ユーザインタフェース内のフィルタ構成サブメニューまたはポップアップウィンドウ内に表示されるパラメータなどの特定のユーザ設定可能なフィルタパラメータを選択することができ、それにより、選択によって生成される信号は、特定のバリアントデータ(バリアント呼び出し形式データファイル内に埋め込まれている特定の患者のゲノムデータなど)が、特定のユーザが選択可能なフィールド/基準に対して選択されたカットオフ値に基づいてレポートに含められたり、レポートから除外されたりすることができる。別の例として、ユーザ入力装置106は、特定のデータベースまたはキュレートされたコレクション内の検索を有効または無効にするために、フィルタ構成パネルでボックスをチェックするために利用されることができる。さらに別の例として、値(例えば、パーセンテージ値)は、入力装置106を介してオペレータによって提供されることができ、フィルタリングは、入力されたユーザ設定可能な値に基づいて開始されることができる。
【0064】
あるいは、ユーザは、タッチスクリーン装置上の制御要素に(例えば、指またはスタイラスで)触れることができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、制御要素に関連する1つ以上の単語を話すことができる(単語は、例えば、要素上のラベルまたは要素に関連する機能とすることができる)。いくつかの実施形態では、タッチセンシティブ装置上のユーザジェスチャは、入力コマンドとして認識および解釈することができる。これらのジェスチャは、ディスプレイ108上の特定の領域に関連付けることができるが、関連付ける必要はない。他のユーザインタフェースも実装されることができる。
【0065】
ネットワークインタフェース112は、システム100にデータ通信機能を提供することができる。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース112は、無線音声および/またはデータネットワークにアクセスするための無線周波数(RF)トランシーバコンポーネントを含むことができる(例えば、携帯電話技術、3G、4GまたはEDGEなどの高度なデータネットワーク技術、5G、WiFi(IEEE 802.11ファミリ標準)、または他のモバイル通信技術、またはそれらの任意の組み合わせ、GPS受信機コンポーネント、および/または他のコンポーネントを使用する)。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース112は、無線インタフェースに加えて、またはその代わりに、有線ネットワーク接続(例えば、イーサネット)を提供することができる。ネットワークインタフェース112は、ハードウェア(例えば、アンテナ、変調器/復調器、エンコーダ/デコーダ、および他のアナログおよび/またはデジタル信号処理回路)およびソフトウェアコンポーネントの組み合わせを使用して実装されることができる。ネットワークインタフェース112は、クライアントポータル116を介するなど、システム100へのリモートアクセスを容易にすることができる(例えば、リモートユーザは、リモートコンピュータを介してシステム100にアクセスすることができ、リモートコンピュータは、ネットワークインタフェース112を介してシステム100と相互作用する)。いくつかの実施形態では、クライアントポータル116は、リモートコンピュータまたは他のコンピューティング装置上のリモートユーザによって実行されるスタンドアロンアプリケーションである。他の実施形態では、クライアントポータル116は、ネットワークを介してシステム100にアクセスするリモートコンピュータまたは他のコンピューティング装置上で実行されるウェブブラウザである。
【0066】
バス114は、システム100の多数のコンポーネントを通信可能に接続する様々なシステム、周辺機器、およびチップセットバスを含むことができる。例えば、バス114は、処理サブシステム102を記憶サブシステム104と通信可能に結合することができる。バス114はまた、入力装置106およびディスプレイ108に接続することができる。バス114はまた、ネットワークインタフェース112を介して処理サブシステム102をネットワークに結合することができる。このようにして、システム100は、複数のコンピュータシステムのネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、イントラネット、またはインターネットなどのネットワークのネットワーク)に接続することができる。当業者は、シーケンシング装置、走査装置、組織処理システムなどの追加のコンポーネントがバス114に接続されることができることを理解するであろう。
【0067】
いくつかの実施形態は、コンピュータプログラム命令をコンピュータ可読記憶媒体に記憶するマイクロプロセッサ、記憶装置およびメモリなどの電子部品を含む。本明細書で説明される機能の多くは、コンピュータ可読記憶媒体上に符号化されたプログラム命令のセットとして指定されるプロセスとして実装されることができる。これらのプログラム命令が1つ以上の処理ユニットによって実行されると、それらは、処理ユニットに、プログラム命令に示される様々な動作を実行させる。プログラム命令またはコンピュータコードの例は、コンパイラによって生成されるようなマシンコード、およびコンピュータ、電子コンポーネント、またはインタプリタを使用するマイクロプロセッサによって実行される高レベルのコードを含むファイルを含む。
【0068】
適切なプログラミングを通じて、処理サブシステム102は、システム100に様々な機能を提供することができる。例えば、処理サブシステム102は、ユーザインタフェースを有するバリアント分析およびレポートアプリケーション120を実行することができる。または、ビューアアプリケーション(Webブラウザなど)または他のビューアウィンドウを実行して、公開されている臨床レポート(治療効果と特定のバリアントとの相関関係の観察など)を含む臨床レポートのレビューおよび/または分析を可能にすることができる。バリアント分析およびレポートアプリケーション120は、ローカルデータベースまたはネットワーク化されたデータベースなどのデータベースからコンテンツを検索および表示する機能などの様々な機能を提供することができる(例えば、データベースは、キュレートされた情報を有するもの、キュレートされた情報の要約、参照、引用、または追加の臨床情報のための他のデータベースまたはソースへのリンクなどを含む)。
【0069】
いくつかの実施形態では、バリアント分析およびレポートアプリケーション120は、処理サブシステム102内の1つ以上のプロセッサによって実行されると、インタフェース動作の態様を実装する様々な相互運用モジュール(例えば、コードのブロック)を組み込む。例えば、バリアント分析およびレポートアプリケーション120は、コンテンツフェッチャ122、コンテンツレンダラ124、GUIレンダラ126、およびUIインタプリタ128を含むことができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、コンテンツフェッチャ122は、ローカルデータベース(例えば、記憶サブシステム104)またはネットワークインタフェース112と相互作用(例えば、アクセス)して、シーケンスデータ、遺伝子バリアントデータ、患者データ、予測された治療反応データ、臨床内容(例えば、臨床概要、臨床要約など)、および生物学的内容(例えば、遺伝子生物学的要約、バリアント機能要約など)などのコンテンツアイテムをフェッチまたは取得するための命令を含むことができる。いくつかの実施形態では、コンテンツフェッチャ122は、システム(例えば、コンピュータ装置)に通信可能に結合された1つ以上のメモリから複数の遺伝子バリアントを取得するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の遺伝子バリアントは、患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来する。いくつかの実施形態では、データはまた、公開データベースから検索されることができる。いくつかの実施形態では、コンテンツフェッチャ122は、1つ以上のキュレートされたデータベースから情報を検索することができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、コンテンツレンダラ124は、1つ以上のソースからフェッチされたコンテンツアイテムを解釈し、次に、レンダリングされたコンテンツを、GUIレンダリングされた126によって生成された表現に移入または配信するための命令を含むことができる。例えば、コンテンツレンダラ124は、1つ以上のレンダリングされたパネル(本明細書に記載)に、同定された遺伝子バリアント(または相互作用する遺伝子バリアント)およびコンテンツフェッチャ122によって検索された対応するコンテンツを取り込むことができる。いくつかの実施形態では、コンテンツレンダラ124は、レンダリングされたGUI126によってレンダリングされているタイプ視覚化に基づいて大量の情報を提供し、情報は、検索されたコンテンツの要約または要約、および/または治療的介入の簡単な要約を含むことができる。例えば、GUIレンダラ126が一連のパネルを提供する場合、コンテンツフェッチャ124は、ユーザの好みによるなど、一連のパネルに要約情報または「高レベル」情報を入力する。しかしながら、GUIレンダラ126がより詳細な情報を伝達するためにウィンドウをレンダリングする場合、コンテンツレンダラ124は、パネルに入力された情報と比較して、比較的高いレベルの情報をそれらのウィンドウに入力する。いくつかの実施形態では、コンテンツレンダラ124は、1つ以上の遺伝子バリアントおよび/または少なくとも2つの遺伝子バリアント(例えば、第1、第2、第3、または第n番目の表現または視覚化)間の同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータを含む複数の表現または視覚化を表示画面に表示するように構成される。
【0072】
いくつかの実施形態では、コンテンツレンダラ124は、複数の遺伝子バリアントの少なくとも2つの遺伝子バリアント間の同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータを含む第1の表現を表示画面に表示するように構成される。いくつかの実施形態では、コンテンツレンダラ124は、相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントの第1に関連する臨床的に関連する情報を含む、前述の第1の表現とともに、第2の表現を表示画面に表示するように構成される。いくつかの実施形態では、コンテンツレンダラ124は、相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントの第2に関連する臨床的に関連する情報を含む、前述の第1および第2の表現とともに、第3の表現を表示画面に表示するように構成される。いくつかの実施形態では、第1、第2、および第3の表現が同時に表示される。
【0073】
いくつかの実施形態では、GUIレンダラ126は、コンテンツレンダラ 124または他のシステムモジュールによってレンダリングされるコンテンツ項目とともにユーザに提示されるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)要素を作成する。GUIレンダラ126は、メニューバー、ウィンドウオーバーレイ、構成パネル、ポップアップメニュー、注釈入力ウィンドウ、パネルなどのGUI要素の位置および外観を定義するコードを含むことができ、これらのそれぞれは、対話型要素とすることができる。いくつかの実施形態では、GUIレンダラ126は、臨床的に関連する情報のオペレータへの提示に対応するために様々なサイズを有するパネルを生成することができ、それにより、パネルは、オペレータによるレビューを促進するための特定のしるしを含むことができる(例えば、図8Aおよび図8Bを参照)。GUIレンダラ126はまた、ユーザまたはオペレータがシステム100と対話し、および/またはデータ分析の特定の側面および検索された臨床、生物学、および/または治療情報のレポートを制御できるようなワークスペースを提供することができる。
【0074】
UIインタプリタ128は、例えば、ユーザ入力装置106を介してユーザ入力を受信することができ、入力を解釈して、データ分析およびレポートアプリケーション120を順序付けることによって実行されるアクションを決定することができる。例えば、UIインタプリタ28は、ユーザが選択したGUI要素(例えば、アイコン、またはメニュー、コンテキストメニュー、ドロップダウンリスト、ボタン、パネルなどの選択可能な項目)を決定し、対応するアクションを開始する(例えば、注釈、追加のコンテンツ情報の表示、エクスポート用の最終レポートの生成)。
【0075】
例として、GUIレンダラ126は、コンテンツフェッチャ122によって検索された情報で(例えば、コンテンツレンダラ124で)入力されることができる一連のパネルを生成することができる。パネルの例が図5Aに示されている。これらのパネルは、対話型パネルとすることができる。ユーザが任意の特定のパネル(例えば、図5Aのパネル510)(例えば、UIインタプリタ128によって解釈される)をクリックすると、GUIレンダラ126は、複数のウィンドウまたは表現を含む新しい画面をレンダリングすることができる(図5Fを参照)。続いて、複数のレンダリングされたウィンドウまたは表現は、コンテンツレンダラ124によって(例えば、コンテンツフェッチャ122によって検索された情報で)情報が入力される。(例えば、キュレートされたデータベースおよび/または公開データベースを含む1つ以上のデータベースから)取得および入力できるコンテンツには、治療オプション、臨床ブリーフおよび要約、生物学的および機能的要約、分類情報、統計、および/またはグラフィカルバリアントアラインメント表現が含まれる場合がある。このようにして、図5Aに示されるようなパネルは、特定の遺伝子バリアントまたは遺伝子バリアントの組み合わせの存在または不在に基づいて、高レベルの情報(例えば、要約情報または推奨事項)をユーザに提供することができる。比較すると、図5Fに示されているようなウィンドウおよび表現は、図5Aのパネルで提供される情報と比較して、より高いレベルの詳細をユーザに提供し、このより高いレベルの詳細は、1つ以上の同定された遺伝子バリアント間の相関をよりよく理解および/または解釈し、臨床的に関連する情報を検索し、治療上の推奨事項/情報を提供するなど、必要に応じてユーザによって具体的に要求されることができる。
【0076】
システム100は例示的なものであり、変形および変更が可能であることが理解されよう。さらに、システム100は特定のブロックを参照して説明されているが、これらのブロックは説明の便宜上定義されており、構成部品の特定の物理的配置を意味することを意図するものではないことを理解されたい。さらに、ブロックは物理的に異なるコンポーネントに対応する必要はない。ブロックは、例えば、プロセッサをプログラミングしたり、適切な制御回路を提供したりするなど、様々な動作を実行するように構成されることができる。本開示の実施形態は、回路とソフトウェアの任意の組み合わせを使用して実装される電子装置を含む様々な装置で実現されることができる。バリアント分析およびレポートアプリケーション120も例示的であり、特定の実装は、本明細書で説明されるよりも多いまたは少ないモジュールを含むことができる。さらに、特定のモジュールは特定の機能を実行するものとして説明されることができるが、そのような説明は、モジュールによって実行される特定の機能またはそのようなモジュール内に含まれる特定の命令セットを意味することを意図しない。
【0077】
図3は、ネットワーク130およびシステム100(図1および図2に示されるシステムなど)と通信するクライアントインタフェース140を示している。クライアントインタフェース140は、スタンドアロンアプリケーション(例えば、スタンドアロンバリアント分析およびレポート作成ソフトウェア)、またはソフトウェア120へのリモートアクセスを可能にするウェブブラウザまたは他のインタフェースソフトウェアとすることができる。例えば、クライアントインタフェース140は、リモートオペレータがシステム100(図1および2に示されるシステムなど)にログインし、記憶されたシーケンスデータ(記憶サブシステム104または他のネットワーク接続記憶装置に記憶されたデータなど)、または、処理のためにシステム100にアップロードされたシーケンスデータにアクセスすることを可能にする。もちろん、クライアントインタフェース140は、本明細書で説明されるソフトウェアモジュールのいずれかを含むことができる。このようにして、リモートユーザは、システムの要素(例えば、構成可能な要素)とリモートで対話して、シーケンスデータを解釈およびレポートすることができる(例えば、遺伝学者は、フィルタリングパラメータのようなユーザ構成可能なパラメータを選択し、フィルタリング操作に応じてシステムにより取得されたキュレートされた情報をレビューし、情報を注釈付けし、選択したデータベースからの情報を選択的に追加または削除し、および/またはレビュー用のレポートを生成することができる)。いくつかの実施形態では、システム100は、クライアントインタフェース140を介してリモートユーザから要求を受信することができ、要求は、アップロードされたシーケンスデータに基づいて生成されるレポートの要求を含むことができる(例えば、リモートユーザは、シーケンスデータをアップロードすることができ、異なるオペレータが、アップロードされたシーケンスデータを解釈し、適切なレポートを生成するために必要な手順を実行することができる)。あるいは、リモートオペレータは、クライアントインタフェース140を使用して、生成されたレポートをレビューすることができる(例えば、臨床医は、クライアントインタフェース140を使用して、患者について生成されたレポートをレビューし、レポート内で提供される推奨事項に基づいて治療を処方または推奨することができる)。さらに他の実施形態では、クライアントインタフェース140は、患者が以前に収集されシーケンシングされたサンプルに基づいてレポートを閲覧することを可能にする患者ポータルとして機能することができる。
【0078】
本開示はまた、遺伝子バリアント(または相互作用する遺伝子バリアント)を同定し、それらの同定された遺伝子バリアントを臨床的に関連する情報と照合する方法を提供する。同定された遺伝子バリアントと臨床的に関連する情報とのマッチングは、レポートに含めるための情報の解釈を支援するために視覚化されることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の同定された遺伝子バリアント(または相互作用する遺伝子バリアント)に関連するキュレートされた臨床情報を含むレポートを生成することができ、レポートは、システム100のユーザによってレビューおよび/または解釈される視覚化された情報に基づいて生成されることができる。
【0079】
図4を参照すると、バリアントデータは、最初にシステム100によって受信される(ステップ400)。バリアントデータは、特定の疾患または症状と診断されたヒト患者などの被験者から得られた核サンプルに由来することができる。いくつかの実施形態では、バリアントデータは、患者から(すなわち、シーケンシング装置110でシーケンシングされた患者の核酸サンプルから)得られた核酸配列情報に見出されるバリアントまたは突然変異を含む。突然変異とは、遺伝情報の変化を指す。当該技術分野で知られているように、突然変異には、置換、挿入または欠失(INDEL)、転座、逆位、染色体異常などが含まれる。
【0080】
いくつかの実施形態では、バリアントデータは、システム100にアップロードまたはシステム100によって検索されることができるバリアント呼び出し形式で提供される。いくつかの実施形態では、バリアント呼び出し形式ファイルに含まれるデータは、を表す。いくつかの実施形態では、バリアント呼び出し形式ファイルは、例えば、染色体(CHROM)、バリアントの開始(POS)の1ベースの位置、バリアントの一意の識別子(ID)、参照対立遺伝子(REF)、代替の非参照対立遺伝子のコンマ区切りリスト(ALT)、phred-scaled品質スコア(QUAL)、サイトフィルタリング情報(FILTER)、およびセミコロンで区切られた追加のユーザ拡張可能注釈(INFO)のリストを表すデータ列に対応する8つの列を含む。
【0081】
システム100が提供されたバリアントデータを解析した後、遺伝子のバリアントが決定される(ステップ401)。次に、特定された疾患または症状について決定された遺伝子バリアントのそれぞれに関連する臨床的に関連する情報が検索される(ステップ402)。いくつかの実施形態では、臨床的に関連する情報は、医学文献のキュレートされたデータベースから検索される。いくつかの実施形態では、キュレートされたデータベースは、利用可能な医学文献の蒸留を表し(例えば、査読されたジャーナル記事で公に利用可能)、キュレートされたデータベースが維持される、すなわち、新しい文献が利用可能になったときに最新に保たれる。
【0082】
いくつかの実施形態では、キュレートされたデータベースは、既知の遺伝子バリアントおよびそれらの既知の遺伝子バリアントに関する情報を含む。いくつかの実施形態では、キュレートされたデータベースは、特定の遺伝子バリアントを、承認された、または推奨される治療、併用療法、または治療プロトコルと相関させる。他の実施形態では、キュレートされたデータベースはまた、遺伝子バリアントに関連する生物学的および機能的情報の要約を含む。他の実施形態では、キュレートされたデータベースは、国立バイオテクノロジー情報センター(NCBI)によって収集された記事、データ、またはその他の情報など、ソース資料への相互参照またはハイパーリンクをさらに含む。いくつかの実施形態では、キュレートされたデータベースは、遺伝子バリアントの位置、すなわち、染色体の位置、位置、およびヌクレオチドの変化に関する情報をさらに含む。
【0083】
いくつかの実施形態では、各遺伝子バリアント(または遺伝子バリアントのグループ)の臨床的に関連する情報は、キュレートされたデータベース内の特定のメタデータフィールドを決定された遺伝子バリアントと照合することによって検索される。いくつかの実施形態では、「p.表記法」または「c.表記法」は、決定された遺伝子バリアントをデータベース内のものにマッピングするために使用される。いくつかの実施形態では、地理的な場所または地域に対して異なるマッチングを実行することができる(例えば、治療プロトコルまたは薬物は、特定の地域または国では承認されない場合がある)。次に、コンテンツフェッチャ122を使用するなどして、データベースメタデータと患者が決定した遺伝子バリアントおよび診断された疾患/症状との照合に基づいて、臨床的に関連する情報を特定することができる。
【0084】
例えば、患者が決定した遺伝子バリアントと患者が診断した疾患/症状は、それぞれ、キュレートされたデータベースのメタデータフィールド(バリアントメタデータ、バイオマーカーメタデータ、疾患タイプメタデータなど)と比較されることができる。さらなる例として、患者が非小細胞肺癌と診断されたと仮定する。さらに、患者が突然変異EGFR p.L858Rを持っていると仮定する。次に、患者の診断された疾患(非小細胞肺癌)と決定された突然変異(EGFR p.L858R)が、キュレートされたデータベースのメタデータフィールドと比較される。非小細胞肺癌に関連するEGFR p.L858Rを示すエントリに対して一致が返される。当業者は、EGFR p.L858R突然変異が他の診断された症状に共通である可能性があることを理解するであろうが、一致は、決定された遺伝子バリアントおよび診断された疾患/症状の双方が一致する場合にのみ返される。
【0085】
当業者は、さらに、一致が複数の遺伝子バリアントに対しても行われ得ることを理解するであろう。例えば、非小細胞肺癌と診断された患者のEGFR p.L858RとEGFR p.T790Mの突然変異の相互作用を説明するデータベースエントリは、非小細胞肺癌の診断エントリおよびEGFR p.L858RとEGFR p.T790Mとの双方の突然変異のエントリを含む患者エントリとのみ一致する。
【0086】
次に、検索された臨床的に関連する情報は、ディスプレイ108上のユーザインタフェースを介するなどして視覚化することができる(図11および/または図12を参照)。いくつかの実施形態では、視覚化は、臨床的に関連する情報の迅速かつ効率的なレビューを可能にし、迅速で、正確で、情報に基づいた意思決定および改善された患者ケアを可能にする。いくつかの実施形態では、グラフィカルユーザインタフェースは、データ視覚化領域を含む(図5Aの500を参照)。いくつかの実施形態では、GUIレンダラ126は、データ視覚化領域500内に1つ以上の表現を生成し、これは、検索された情報(例えば、患者の1つ以上の決定された遺伝子バリアント情報に関連する同定された臨床的に関連する情報の要約)の少なくとも一部をそれぞれ個別に入力することができる。いくつかの実施形態では、表現は、ユーザが解釈、分析、および/または相互作用することができるグラフィックおよび/またはテキスト情報を含む。ユーザは、表現内の情報を確認し、情報に変更を加えたり、本明細書に記載されているように情報に注釈を追加したりすることができる。
【0087】
他の実施形態では、GUIレンダラ126は、1つ以上のパネルを生成し、次に、1つ以上の生成されたパネルのそれぞれは、キュレートされたデータベースから検索された臨床的に関連する情報の少なくともいくつかを個別に入力することができる(ステップ403)(図5Aも参照)。いくつかの実施形態では、パネルのそれぞれは、そこに検索および入力された臨床的に関連するコンテンツの量などに従って、1つの次元で等しくサイズ設定され、別の次元で動的にサイズ変更可能である。いくつかの実施形態では、パネルは、同定された遺伝子バリアントの要約、および同定された1つ以上の遺伝子バリアントを有する患者の特定の疾患または症状を治療するための臨床的に承認または推奨される治療法を含むことができる(例えば、図5Aの510、520、530または540を参照)。いくつかの実施形態では、入力されたパネルは、臨床的に関連する情報がキュレートされた公開されたジャーナル記事または他のソース資料の要約を含むことができる(例えば、1つまたは2つの文の要約)。いくつかの実施形態では、要約は、ユーザの好みに応じて表示または非表示にすることができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、パネルは、図5Aの510および520などの相互作用する遺伝子パネルである。これらの例では、相互作用する遺伝子が、治療上の推奨事項とともに特定されている。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、特定の薬物または治療プロトコルを投与することではない。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、関心のある疾患に敏感な治療である。臨床要約情報は、パネル510および520内に表示するために利用可能であるが、ユーザの好みに基づいて非表示にされる(比較のために、関連する臨床情報の短い要約を示す図8Bを参照されたい)。
【0089】
他の実施形態では、パネルは、図5Aの530および540などの個々の遺伝子パネルである。これらの例では、個々の遺伝子が、治療上の推奨事項と短い臨床要約とともに特定されている。ユーザの好みによっては、短い臨床要約が非表示にされてもよい。これらの例では、統計情報も個々の遺伝子パネルに表示される。いくつかの実施形態では、分類評価は、相互作用する遺伝子パネルおよび個々の遺伝子パネルの双方に表示される。いくつかの実施形態では、推奨される治療アプローチは、使用が推奨されていない治療法よりも推奨事項がより目立つように表示されるように、目立つボックス内に提示される。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、図5Aのようにパネルの第2の部分に現れる。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、互いに一列に並んでいる、すなわち、単一の列に配置されている(図5Aを参照)。他の実施形態では、治療上の推奨事項は、1つ以上の列に並べられている(図9Aおよび図9Bを参照)。いくつかの実施形態では、相互作用する遺伝子バリアントは、パネル内に示されていないが、図10に示されているように、それぞれの個々の遺伝子パネルの上に示されている。
【0090】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つの表現が生成される。いくつかの実施形態では、生成された少なくとも2つの表現(すなわち、第1および第2の表現)は、単一のパネル内に表示される。いくつかの実施形態では、単一のパネルは、本明細書に記載されるように、個々の遺伝子パネル表現である。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの表現の第2の表現は、個々の遺伝子パネル表現の第1の部分で視覚化され、少なくとも2つの表現の第1の表現は、個々の遺伝子パネル表現の第2の部分で視覚化される。
【0091】
他の実施形態では、少なくとも2つの表現が別個のパネル内に表示される。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの表現の第1の表現は、相互作用する遺伝子パネル内に表示され(本明細書に記載のように)、少なくとも2つの表現の第2の表現は、個々の遺伝子パネル内に表示される。いくつかの実施形態では、個々の遺伝子パネルは、少なくとも2つの遺伝子バリアントのうちの最初のものの第1の表現および同定をさらに含む。
【0092】
いくつかの実施形態では、ユーザは、情報を変更したり、注釈を付けたりすることができるように、入力されたパネルと対話することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、ユーザインタフェース106を使用して特定のパネルを選択することができ、新しいウィンドウ、オーバーレイ、またはスクリーンは、GUIレンダラ126によって準備され、検索された情報が入力されることができる(図5Fを参照)。いくつかの実施形態では、新しいウィンドウ、オーバーレイ、またはスクリーンは、1つ以上の生成されたパネル内に含まれなかったソース資料への追加の臨床情報および/または引用を含む(図5Aのパネル510を図5Fと比較する)。いくつかの実施形態では、新しいウィンドウ、オーバーレイ、またはスクリーンは、治療オプション、臨床要約および要約、生物学的および機能的要約、分類情報、および/または統計を含む異なる情報を個別に入力できる複数の重複しないボックスを含む。いくつかの実施形態では、ユーザは、特定のユーザ構成可能パラメータを選択することによってコンテンツを変更することができるように、またはそのような注釈を追加することができるように、検索された情報が入力されたボックスと対話することができる。
【0093】
いくつかの実施形態では、1つ以上のパネルは、複数の遺伝子バリアントの存在および/またはそれら自体または他の遺伝子バリアントとの相互作用に関する臨床的に関連する情報で占められている(例えば、図5Aの501を参照)。いくつかの実施形態では、複数のゲノムバリアントは、特定のゲノムバリアントの表現型効果に対する追加の感受性または耐性を与えることが知られている(例えば、公開された文献ソースまたはキュレートされたデータベース内の情報から)。いくつかの実施形態では、キュレートされたデータベースは、表現型効果に対する追加の感受性または耐性を示す遺伝的変異間の関係を説明するブリーフまたは参照全体を含むことができ、1つ以上のパネルは、それらの互いに相互作用する複数の遺伝子バリアントに一致するキュレートされたデータベースからの情報を取り込むことができる。
【0094】
当業者は、複数のバリアントの存在が臨床的アプローチまたは臨床的結果に影響を及ぼすことができることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、1つの遺伝的バリアントと1つ以上の他の遺伝的バリアントとの同時発生は、臨床的に有意な効果を有することができ、それにより、推奨事項または承認された治療コースの交代をもたらす。例えば、特定の治療オプションは、患者が特定の第1の遺伝子バリアントを有する場合に承認および/または示されることができる。しかしながら、その同じ治療オプションは、その第1の遺伝子バリアントを有し、第2の遺伝子バリアントも有する患者において有効な選択肢ではない可能性があり、第2の遺伝子バリアントは、第1の遺伝子バリアントを有することの臨床的重要性を低下させる(すなわち、第1の遺伝子バリアントのみを有するのと比較して、1つ以上の治療プロトコルで第1および第2の遺伝子バリアントの双方を有することには否定的な意味がある)。別の例として、患者が第1の遺伝子バリアントを有するときに単一の治療オプションが承認および/または示されると仮定すると、第2の遺伝子バリアントの存在は、治療オプションを拡大することができ、すなわち、単一の承認および/または示された追加の治療オプションを提供することができる。この第2の例では、第2の遺伝子バリアントの存在がプラスの効果を引き起こす。したがって、特定の遺伝子バリアントの存在が別の遺伝子バリアントと負または正の相互作用を有するときはいつでも、臨床的アプローチ、臨床治療プロトコル、または臨床転帰は、2つまたはそれ以上の遺伝子変異間の相互作用の存在(または不在)に基づいて変更されることができる。
【0095】
別の例として、非小細胞肺癌の患者は、通常、複数の標的療法に対する感受性に関連するEGFR p.L858Rバリアントについて試験陽性である可能性がある。しかしながら、評価は、EGFRにおける、1つ以上の他のバリアント(またはバリアントの欠如)の存在によって、または、さらに言えば、複数の標的療法の1つに対する患者の応答を改変することが知られているまたは信じられる他の遺伝子によって改変されることができる(繰り返すが、公開された文献または他のキュレートされた情報源による)。この特定の例によれば、どの標的療法を利用すべきかという評価は、EGFR p.T790Mの陽性の存在によって変更され、それによって、この第2の遺伝子バリアントの存在により、複数の標的療法の1つを除く全てが治療に対して顕著な耐性を有する(図5Aのパネル510を参照。オシメルチニブは、EGFR p.L858RバリアントEGFR p.T790Mの双方が試験陽性である患者の推奨される治療オプションとして示されるが(例えば、第1のしるしを介して)、アファチニブ、エルロチニブ、ゲフィチニブは、これらのバリアントの双方が存在する場合、(例えば、第2のしるしを介して)耐性を示す)。
【0096】
別の例として、患者は、BRAF野生型、MET融合、NRAS野生型について試験陽性であり、この相互作用の結果として、カプマチニブに敏感である可能性がある。別の例によれば、患者は、EGFRエクソン19挿入、KRAS活性化突然変異について試験陽性であり、この相互作用の結果として、エルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、およびオシメルチニブに耐性がある可能性がある。さらに別の例によれば、患者は、MTOR p.F1888LおよびMTOR p.L2230Vについて試験陽性であり、この相互作用の結果として、シロリムスに敏感である可能性がある。
【0097】
いくつかの実施形態では、パネルは、特定の臨床情報について同定された遺伝子バリアントの数を示すしるし(例えば整数値)を含むことができる(パネル510がしるし「2」を含む図5Aのパネル510および520を参照)。パネル520は、EGFR p.C797S、EGFR p.L858RおよびEGFR p.T790M遺伝子バリアントの存在を示すしるし「3」を含むが、EGFR p.L858RおよびEGFR p.T790M遺伝子バリアントの存在を示す。
【0098】
いくつかの実施形態では、図5Bを参照して、パネルは、1つ以上の遺伝子バリアントの同定、臨床的重要性のランク付け(例えば、分類評価、層評価)、および特定の疾患または症状に対する治療上の推奨事項で占められている。他の実施形態では、図5Cを参照すると、パネルには、1つ以上の遺伝子バリアントの同定、臨床的重要性のランク付け、および特定の疾患や症状の治療に適切または不適切(またはさらにはあまり適切でない)のいずれかであるそれらの1つ以上の薬物の同定を含む特定の疾患または症状に対する治療上の推奨事項が入力される。いくつかの実施形態では、特定の疾患または症状を治療するのに適しているそれらの薬物は、不適切またはあまり適切でないそれらの薬物から際立って視覚化される。いくつかの実施形態では、関心のある疾患に敏感な治療は、第1のしるしでマークされる。そして、関心のある疾患に耐性のある治療は、第2のしるしでマークされる。例えば、適切なそれらの薬物は、目立つボックス内に提示され得、および/またはいくつかの一般的な正のしるし(例えば、「+」記号、塗りつぶされたオブジェクト)を含むことができる。同様に、不適切または不適切な薬物は、比較的抽象的な方法で提示される可能性があり、多くは、いくつかの一般的な負のしるしを含む(例えば、適切な薬物と比較して明るいテキストの陰影、「-」記号、「×」)。他の適切なしるしは、図8Aおよび図8Bに示されている。
【0099】
さらに他の実施形態では、図5Dを参照すると、パネルは、1つ以上のバリアント同定、フィルタリング統計、ランク付け、および簡単な臨床要約を提供する第1のサブセクションに分けられることができる。第2のサブセクションは、図5Cに関して上で述べたように、特定されたバリアントに関連する特定の疾患または症状を治療するのに適切、不適切、またはあまり適切でない薬物の特定を含むことができる。いくつかの実施形態では、パネルは、別のパネルへの相互参照、例えば、別のパネルへのハイパーリンクを含むことができる。他の実施形態では、パネルは、他の公開された情報またはキュレートされた情報へのリンクを提供することができる。
【0100】
さらに別の実施形態では、図5Gおよび図5Hを参照すると、パネルは、遺伝子バリアント情報、分類ランキング、統計、および治療上の推奨事項のリストを含むことができる。いくつかの実施形態では、図5Hを参照すると、相互作用するバリアントは、別個のパネル内に示されることができるが、第1の遺伝子バリアントの第1のパネルは、第1の色付きのしるしを含み、第2の遺伝子バリアントの第2のパネルは、第2の色付きのしるしを含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、入力されたパネルは、臨床的重要性または分類ランキングに従ってソートされる(これは、臨床データおよび情報の迅速且つ効率的なレビューをさらに強化し、改善された(より迅速でより正確な)患者ケアを可能にする)。いくつかの実施形態では、任意の特定のバリアントまたはバリアントのグループの臨床的重要性は、複数の層に分けられることができる。例として、Tier I-Aは、特定のバリアント(またはバリアントのグループ化)の専門的なガイドラインに記載されているように、規制機関(FDAなど)によって承認された治療法を表すことができる。Tier I-Bは、特定のバリアント(またはバリアントのグループ化)に関する分野の専門家からのコンセンサスを備えた強力な研究を表すことができる。Tier II-Cは、特定のバリアント(またはバリアントのグループ化)についていくつかのコンセンサスを持った複数の公開された研究からのサポートを受けて、異なる疾患または症状(例えば、異なる腫瘍タイプ)に対する規制機関による承認された治療または治験治療を表すことができる。Tier II-Dは、特定のバリアント(またはバリアントのグループ化)についてのコンセンサスがない前臨床試験またはいくつかの症例レポートを表すことができる。Tier IIIは、臨床的意義が不明なバリアントを表すことができる。Tier IVは、良性または良性の可能性のあるバリアント(またはバリアントのグループ)を表すことができる。「未分類」層は、まだ分類または調査されていないバリアントを表すことができる。
【0102】
例えば、図5Aに示されるように、パネル510および520は、双方とも、複数の遺伝子バリアントが配置されたパネルを含み、それらの層ランクに従って分類され、特に、I-Aの層評価を有するパネル510は、II-Dの層評価を有するパネル520の前に配置される。いくつかの実施形態では、複数の遺伝子バリアントを有するパネルは、単一の遺伝子バリアントを有するパネルの前に配置される。例えば、パネル510および520は、パネル530および540の前に配置される(ここで、パネル530および540は、上記のものに従って、それらの層評価に従ってさらに配置される)。
【0103】
いくつかの実施形態では、表現またはパネルは、特定の遺伝子バリアントまたは遺伝子バリアントのグループについて検索された情報が所定の最小層評価を満たす場合にのみ、検索された臨床的に関連する情報が生成および入力される。例えば、表現またはパネルは、階層I-A、I-B、II-C、およびII-Dにおいて臨床的に関連する情報に対してレンダリングされることができる。パネルは、比較的臨床的に関連性の低い同定情報、例えば、取得されてティアIIIと未分類のティアとにランク付けされた情報に対して生成されない場合があるが、その情報はシステムのユーザが引き続き利用することができる。例えば、コンテンツレンダラ124は、コンテンツフェッチャ122から関連情報を受信した後、図5Eに示されるような、それらのティアIIIおよび未分類のエントリのリストを生成することができる。このあまり臨床的に関連性のない情報について、コンテンツレンダラ124は、少なくとも、決定された遺伝子バリアントまたは遺伝子バリアントのグループの同定、層評価、特定の統計、および/または情報が検索されたデータベースを提供する(図5Eを参照)。いくつかの実施形態では、ユーザは、データがより高い層(すなわち、より臨床的に関連性のある層)に再分類されることができるように、またはリストに注釈が付けられることができるように、それらのデータのリストと対話することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、リストされた個々のアイテムをクリックすることができ、新しいウィンドウ、オーバーレイ、または画面が生成され、本明細書で説明するように、追加の関連情報が入力される。
【0104】
いくつかの実施形態では、GUIレンダラ126は、選択されると、1つ以上の操作を開始することができる、ユーザが選択可能な要素を有する1つ以上のメニューバーを表示する。例えば、メニューバーは、ユーザが層の1つを選択したときに、それらの層に関連するパネルおよび他の情報のみがユーザインタフェース内に表示されるように、様々な層のリストを含むことができる。いくつかの実施形態では、GUIレンダラ126は、選択されると、フィルタリング操作ウィンドウ(本明細書でさらに説明される)を開く要素を表示する。フィルタリング操作ウィンドウは、検索された臨床的に関連するキュレートされた情報のフィルタリングに関連する適切な値(例えば、整数値またはパーセンテージ値)を入力するための複数のユーザ選択可能な要素、トグルスイッチ、およびボックスを含むことができる。さらに他の実施形態では、GUIレンダラ126は、他のユーザが選択可能な要素、例えば、選択すると、テキストフィールド、例えばタイトルまたはキャプションの挿入を可能にする要素を表示する。さらに別の実施形態では、GUIレンダラ126は、(特定の疾患について同定された遺伝子バリアントについて検索された情報の全体に基づいて)レポートを生成し、レポートを承認し、および/またはレポートを拒否するためのユーザ選択可能な要素を表示する。さらに別の実施形態では、GUIレンダラ126は、システムオペレータによって提供された、またはバリアント呼び出し形式ファイル内に含まれたメタデータなどの関連するメタデータを含むパネルを表示する。
【0105】
いくつかの実施形態では、1つ以上の入力されたパネル(例えば、相互作用する遺伝子パネルまたは個々の遺伝子パネルのいずれか)のいずれかに含まれる情報を洗練することができる(ステップ404)。いくつかの実施形態では、改良には、本明細書でさらに説明するようなフィルタリングデータが含まれる。例えば、遺伝学者または他のオペレータは、1つ以上のパネルのいずれかで提示された臨床的に関連する情報を確認し、注釈を追加したり、そこに提示された情報を変更したりすることができる。さらなる例として、オペレータは、ユーザインタフェース装置106を使用して、選択されたときに、パネルから特定の示された治療法を除去する特定の構成アイテムを選択することができる。最後に、臨床レポートは、1つ以上のパネル内に提示された(および/またはユーザによって洗練された)キュレートされた情報に基づいて生成されることができる(ステップ405)。
【0106】
図6Aは、リモートユーザがシステム100にアクセスして、癌の治療を必要としている患者などの患者から得られたシーケンスデータに基づいて患者のレポートを生成することができるフローチャートを示している。いくつかの実施形態では、リモートユーザは、クライアントポータルにアクセスし、システム100にリモート接続する。アクセスが達成されると、新しい患者の症例記録が生成されることができる(ステップ600)。メタデータは、患者名、症例同定、患者の生年月日、診断、医師の注文、サンプル収集日、サンプルタイプなどを含む新しい患者症例記録に追加されることができる。次に、バリアントデータを含むファイルがシステム100にアップロードされ(ステップ610)、リモートユーザはまた、患者が診断された疾患または症状を示す。バリアントデータのアップロードに続いて、システム100は、アップロードされたデータを解析し、アップロード情報内の1つ以上の遺伝子バリアントを決定し、1つ以上の決定された遺伝子バリアントに基づいて臨床的に関連する情報を同定する(図4を参照)。また、上記のように、表現またはパネルは、臨床的に関連する情報がリモートユーザに提示され、同定された臨床的に関連する情報のレビューを容易にすることができるように、システム100によって生成される(ステップ620)。いくつかの実施形態では、リモートユーザは、ユーザが構成可能なフィルタリング設定を確立することができるように、特定のインタフェース要素と相互作用することによってフィルタリング操作を開始することができる(ステップ630)。オプションのフィルタリングに続いて、リモートユーザは、同定された臨床的に関連する情報(および/またはフィルタリングされた情報)を洗練することができる(ステップ640)。例えば、リモートユーザは、特定の情報を再分類したり、要約やその他の注釈を提供したりすることができる。洗練後、レビューのためにレポートが生成されることができる(650)。いくつかの実施形態では、生成されるレポートは、第2の当事者、例えば別の遺伝学者、監督者による承認のためのドラフトレポートである。他の実施形態では、生成されたレポートは、臨床医(例えば、治療する医師)に送信する準備ができている最終レポートである。
【0107】
図6Bは、リモートユーザ(例えば、別の遺伝学者、実験室監督者など)がシステム100にアクセスして、(ステップ650から)以前に生成されたレポートをレビューおよび/または承認することができるフローチャートを示している。いくつかの実施形態では、リモートユーザは、システム100へのリモートアクセスを再び達成し、その後、既存の患者の症例記録を開くか、さもなければ検索する(ステップ660)。次に、リモートユーザは、選択されたフィルタ(ステップ670)および洗練されたキュレートされた情報(ステップ680)をレビューすることができる。次に、リモートユーザは、レポートを承認するかどうかについて決定を下すことができる(ステップ690)。いくつかの実施形態では、リモートユーザは、同定されて洗練されたキュレートされた情報が関連するか、さらなる洗練が必要であるか、および/または臨床医がその治療を必要とする患者の治療決定を行うのに有用であるかどうかを決定する。いくつかの実施形態では、承認されたレポートは臨床医に送信される。他の実施形態では、承認されたレポートは、検索のためにクライアントポータルを介してアクセス可能にされる、すなわち、検索されるまで、記憶サブシステム104またはネットワーク接続記憶装置に記憶される。
【0108】
図7は、リモートユーザ、例えば、臨床医が、システム100にアクセスして、承認されたレポートを取得することができるフローチャートを示している。いくつかの実施形態では、リモートユーザは、システム100(ステップ700)にアクセスして、承認されたレポート(ステップ710)を検索する。次に、リモートユーザはレポートを確認し、治療アプローチについて決定を下す。癌を患っている患者の状況では、臨床的に関連する情報を患者の決定された1つ以上の遺伝子バリアントに結び付けるレポート内で提供される推奨事項に基づいて推奨される標的療法を投与する(ステップ720)。
【0109】
本明細書に記載されるように、いくつかの実施形態では、対象のシーケンスデータから決定された遺伝子バリアントは、フィルタリングされることができる。いくつかの実施形態では、GUIレンダラ126は、1つ以上のユーザ構成可能なフィルタリング設定またはパラメータを含むポップアップウィンドウまたはドロップダウンメニューを提供することができる。いくつかの実施形態では、決定された遺伝子バリアントは、1つ以上の品質測定基準を使用してフィルタリングされることができる。いくつかの実施形態では、品質メトリクスは、読み取り深度フィルタおよびバリアント対立遺伝子頻度フィルタを含む。いくつかの実施形態では、読み取り深度フィルタは、バリアントが同じ内で検出または測定された回数を考慮する。いくつかの実施形態では、ユーザは、読み取り深度フィルタに整数値を入力することができ、ソフトウェアは、入力された整数値に基づいてフィルタリングすることができる。いくつかの実施形態では、バリアント対立遺伝子頻度フィルタは、読み取りの総数に比例して遺伝子変異が存在する頻度を考慮する。いくつかの実施形態では、ユーザは、パーセンテージ値バリアント対立遺伝子頻度フィルタを入力することができ、ソフトウェアは、入力されたパーセンテージ値に基づいてフィルタリングすることができる。
【0110】
いくつかの実施形態では、決定された遺伝子バリアントは、同定された臨床的に関連する情報が、体細胞突然変異および/または生殖細胞突然変異に関する情報をカタログ化するデータベースなどの1つ以上のデータベースに存在するかまたは存在しないかを評価することによってフィルタリングされることができる。フィルタリング設定と評価されるデータベースに応じて、データは視覚化またはレポートに含まれる場合と含まれない場合がある。これらのフィルタの目的は、バリアントが公開データベース、例えば癌の体細胞突然カタログ(「COSMIC」)に存在しない場合、バリアントを削除(フィルタで除去)することである。例えば、COSMICは、例えば肺癌で一般的に見られるバリアントをリスト化している。バリアント分析およびレポート作成ソフトウェアのユーザは、(COSMICに従って)肺癌で観察されたことのないバリアントを削除し、少なくとも1回は観察されたバリアントにのみ焦点を当てたい場合がある。このようにして、全てのバリアントを通過するトリアージプロセスがより高速になる。別の使用例は、母集団周波数フィルタリング(ExAC)である。顧客は、標的母集団でよく見られるバリアントを削除(フィルタで除去)したい場合がある。すなわち、母集団の(例えば)5%より上で見られるバリアントを除外するようにフィルタを設定することができる。
【0111】
いくつかの実施形態では、特定の体細胞突然変異が1つの特定のデータベースまたは別のデータベースに「見出される」か「確認される」かを評価するために、ユーザ構成可能な設定が選択されることができる。いくつかの実施形態では、ユーザは特定の整数値を入力することができ、データは、決定された遺伝子バリアントについてデータベース内に少なくとも入力された整数値の量のデータセット(例えば、サンプル、ケースなど)が存在するかどうかに基づいてフィルタリングされることができる。いくつかの実施形態では、データベースは、癌における体細胞突然変異のカタログ(COSMIC)である。他の実施形態では、データベースは、国立衛生研究所から入手可能な癌ゲノムアトラスである。いくつかの実施形態では、データベースは、エクソームアグリゲーションコンソーシアムデータベースである。例として、フィルタは、以下のパラメータを含むことができる:(i)COSMICで少なくとも1回見られた場合にのみ含む(#サンプル>=1)。(ii)読み取り深度が500読み取り以上の場合にのみ含む(RD>=500)。(iii)バリアント対立遺伝子頻度が2%以上(VAF>=2%)の場合にのみ含む。
【0112】
いくつかの実施形態では、遺伝子バリアントデータは、自動的にフィルタリングされる。いくつかの実施形態では、患者が有する疾患または症状のタイプに応じて、異なる自動フィルタが適用されることができる。いくつかの実施形態では、利用されるアッセイに応じて、異なる自動フィルタが適用されることができる。例えば、システムは、同じアッセイからの全てのVCFにデフォルトのフィルタセットを適用するように構成されることができる。
【0113】
縦方向データの視覚化
【0114】
図13A図13Dは、経時的な本縦方向データを提示するパネルおよび/またはレポートの様々な実施形態を示している。これは、ユーザ(すなわち、臨床医、遺伝学者、および/または腫瘍学者)が、患者の腫瘍が経時的にどのように発症し、および/またはどのように処置に応答したかを迅速且つ直感的に理解することを可能にする。例えば、処置に応答して、患者の腫瘍/癌は、最終的に処置に対する耐性を発達させる可能性があり、潜在的に他の処置または腫瘍特性が処置に変化または適応する可能性があり、これは患者の腫瘍サンプル中の特定のバリアントの上昇および/または下降によって示されることができる。縦方向データは、腫瘍純度(TP)およびバリアント対立遺伝子頻度(VAF)を含むことができる。患者の処置計画(すなわち、処置の種類および処置が投与された場合)などの他のデータもまた、縦方向データに含まれ、および/または統合されることができる。縦方向データの視覚化は、本明細書に記載のシステム、装置、および方法の他の実施形態のいずれかと共に使用、包含、および/または統合されることができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の異なる時間がパネルまたはレポートに示される。いくつかの実施形態では、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の異なる時間がパネルまたはレポートに示される。いくつかの実施形態では、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個以下の異なる時間がパネルまたはレポートに示される。いくつかの実施形態では、過剰な量のデータでユーザを圧倒する可能性を低減するために、総時間数のサブセットのみがユーザに示される。いくつかの実施形態では、時間のサブセットは、時間間の時間を等間隔にすることによって選択されることができる。他の実施形態では、バリアントプロファイルに対する有意な変化がユーザに示されることを確実にするために、時点間に生じたバリアントプロファイルの有意な変化(すなわち、所定とすることができる閾値を超える変化)に基づいて時点のサブセットが選択されることができる。
【0116】
例えば、図13Aは、4つの異なる時点で測定されたEGFR遺伝子の臨床的に有意なバリアントに関するデータをユーザに提示するパネルを示している。この実施形態では、腫瘍サンプル中の癌細胞の割合の尺度である腫瘍純度(TP)が、目的の遺伝子のバリアント対立遺伝子画分(VAF)と共に提示される。この実施形態では、データは、表形式およびグラフィカル形式の双方で提示され、TPおよびVAFの数値は、表形式で示されて配置され、グラフィカル表現は、TPおよびVAFをより粗い定量的方法で示すために使用される。図13AにおけるVAFの特定のグラフィカル表現は、様々な高さを有するバー1300であり、全高バーは100%VAFを表し、ゼロ高バー(すなわち、バーなし)は0%VAFを表す。可変高さバーは、図示のようにテーブル内の各VAF番号の隣に配置されることができ、図示のように棒グラフ1302で共に別々に提示されることもできる。棒グラフ1302は、特定の変形例についてのVAFの経時変化をグラフで示す。さらに、TPは、バー1300および棒グラフ1302において、バー1300の色、暗さ、および/または陰影のレベルによってグラフィカルに表される。例えば、図示のように、より暗い色または陰影は、より高いTPレベルを表し、より明るい色または陰影レベルは、より低いTPレベルを表す。
【0117】
図13Bは、図13Aに示すバー1300の代わりに使用されることができるグラフィカル表現の別の実施形態を示している。バー1300の代わりに、グリッド、正方形、長方形、円、楕円、または他の形状などのオブジェクト1304は、VAFに基づいて充填されるか、または充填されないことができる。100%VAFは、完全に充填されたオブジェクト1304によって表されることができ、0%VAFは、完全に充填されていないオブジェクト1304によって表されることができる。図示のように、グリッドタイプのオブジェクト1304が示される。いくつかの実施形態では、オブジェクト1304は、VAF(すなわち、50%VAFのために50個のセルを充填する)に従って充填されることができるいくつかのセル(すなわち、100個のセル)に分割されることができる。図13Bはまた、図13Aと同様に、データを表形式で提示する。さらに、TPは、オブジェクト1304の充填された部分の色、暗さ、および/または陰影のレベルによって、充填されたオブジェクト1304内にグラフィカルに表される。例えば、図示のように、より暗い色または陰影は、より高いTPレベルを表し、より明るい色または陰影レベルは、より低いTPレベルを表す。
【0118】
図13Cは、縦方向データを提示する別の方法を示している。ここで、縦方向TPおよびVAFデータは、数値と共に含まれるグラフィカル表現と共に、関心のある各バリアントのパネルに含まれる。図示のように、バータイプ表現が使用されて、TPレベルを示すために使用される色/陰影でVAFレベルを示すことができる。図13Bに示すタイプなど、他のタイプのグラフィカル表現が使用されることができる。図13A図13Cとの間の主な相違点は、図13Aでは、関心のある全てのバリアントの縦方向データが単一のパネルに提示されることができるが、図13Cの縦方向データは、それぞれのバリアントパネルの各バリアントについて提示されるということである。
【0119】
図13Dは、臨床医に送信されるレポートが、縦方向データを提示する要約セクションも含むことができることを示している。例えば、要約セクションは、図13A図13Cについて本明細書で説明した方法でデータを提示することができる。図示のように、経時的なVAFおよびTPを含む縦方向データは、数値データを編成するための表形式と、図13Aに示されているグラフィカル表現に類似する色/陰影を有する棒グラフとの双方を使用して示されている。いくつかの実施形態では、要約セクションは、レポートの最初または上部に提示されることができ、他の実施形態では、要約セクションは、レポートの最後に提示されることができる。いくつかの実施形態では、要約セクションは、レポートの最後と最初の双方に提示されることができる。
【0120】
追加の実施形態
【0121】
本開示の一態様は、患者に由来する核酸サンプル中の1つ以上の遺伝子突然変異の存在に基づいて、患者の診断された疾患(例えば、癌)に関連する臨床情報を要約する方法であって、方法は、(i)患者の核酸サンプルに由来するシーケンスデータ内の複数の遺伝子バリアントを決定することと、(ii)複数の決定された遺伝子バリアントのそれぞれを、キュレートされた臨床情報のデータベース内のメタデータフィールドに一致させることと、(iii)決定された遺伝子バリアントとデータベースメタデータフィールドとの間の一致のそれぞれについて、患者の診断された疾患に関連するキュレートされたデータベース内の臨床的に関連する情報を同定することと、(iv)各一致について同定された臨床的に関連する情報の少なくともいくつかを組み込んだ視覚化(ユーザインタフェース内など)をレンダリングすることであって、視覚化の少なくとも1つが、決定された複数の遺伝子バリアントの少なくとも2つの遺伝子バリアント間の相互作用に関するデータを含む、レンダリングすることと、を含む、方法である。いくつかの実施形態では、方法は、レンダリングされた視覚化の少なくともいくつかを含むレポートを生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、患者の診断された疾患の治療などのために、レポートを臨床医に送信することをさらに含む。
【0122】
いくつかの実施形態では、複数の決定された遺伝子バリアントのうちの少なくとも2つの相互作用に関するデータは、相互作用の効果を説明する臨床レポートまたはジャーナル記事の要約である。いくつかの実施形態では、複数の決定された遺伝子バリアントのうちの少なくとも2つの相互作用に関するデータは、治療上の推奨事項である。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、特定の薬物または治療プロトコルを投与することではない。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、規制当局によって承認された標的生物療法である。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、規制当局によって承認された治療プロトコルである。
【0123】
いくつかの実施形態では、レンダリングされた視覚化は、個々の遺伝子パネル表現および相互作用する遺伝子パネル表現を含む。いくつかの実施形態では、相互作用する遺伝子パネル表現は、複数の決定された遺伝子バリアントの少なくとも2つの同定された遺伝子バリアントの相互作用に関するデータを含む。いくつかの実施形態では、相互作用する遺伝子パネル表現は、複数の決定された遺伝子バリアントの少なくとも2つの同定された遺伝子バリアントをリストする第1の部分と、治療上の推奨事項をレポートする第2の部分とを含む。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、相互作用の存在下で患者の疾患に敏感な治療である。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、異なる疾患または症状に対して他の方法で承認されている治療薬の適応外使用である。いくつかの実施形態では、患者の疾患に敏感な治療は、第2のパネル内で第1のしるし(例えば、太字のテキスト、目立つボックス、「+」記号など)でマークされる。いくつかの実施形態では、患者の疾患に耐性のある治療は、第2のパネル内で第2のしるし(例えば、比較的明るいまたは異なる色のテキスト、「-」記号、「X」など)でマークされる。いくつかの実施形態では、パネルは、パネルをクリックすることによって、パネル内で提供される情報内と比較して、さらなる情報またはより詳細な情報を提供する新しいウィンドウまたは画面が生成されるような対話型パネルである。
【0124】
いくつかの実施形態では、個々の遺伝子パネル表現は、一致のそれぞれについて同定された臨床的に関連する情報の少なくともいくつかを組み込んでいる。いくつかの実施形態では、個々の遺伝子パネルは、単一の遺伝子(相互作用しない遺伝子、または相互作用する遺伝子など)のみの識別を含む。いくつかの実施形態では、個々の遺伝子パネル表現は、バリアント対立遺伝子頻度統計または読み取り深度統計のうちの少なくとも1つをさらに含む。いくつかの実施形態では、個々の遺伝子パネル表現および相互作用する遺伝子パネル表現は、分類評価(例えば、本明細書に記載されるような層評価)を含む。
【0125】
いくつかの実施形態では、方法は、決定された複数の遺伝子バリアントをフィルタリングすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、決定された複数の遺伝子バリアントのフィルタリングは、少なくとも1つの品質メトリックフィルタを適用することを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの品質メトリックフィルタは、読み取り深度フィルタおよび変形対立遺伝子頻度フィルタからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、決定された複数の遺伝子バリアントのフィルタリングは、同定された臨床的に関連する情報が1つ以上の遺伝子データベースに存在するか存在しないかを評価することを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の遺伝子データベースは、体細胞突然変異データベースおよび生殖細胞突然変異データベースである。いくつかの実施形態では、1つ以上の遺伝子データベースは、治癒した証拠ステートメントデータベース、集団頻度データベース、および/またはタンパク質転帰予測データベースである。[マルコ-他にどのような種類のデータベースが参照されることができるか?]
【0126】
いくつかの実施形態では、方法は、表示された視覚化に注釈を付けることをさらに含む(例えば、情報の変更、要約の追加、分類または層評価の変更、治療法の追加または削除など)。いくつかの実施形態では、患者の疾患は、遺伝子疾患である。いくつかの実施形態では、患者の疾患は、自己免疫疾患である。いくつかの実施形態では、患者の疾患は癌の一形態である。いくつかの実施形態では、癌は、一次治療および/または二次治療に反応しない。
【0127】
本開示の別の態様は、診断された疾患(例えば、癌)の治療を必要とする患者のためにキュレートされた臨床情報を要約する方法であって、方法は、(i)患者から得られた核酸サンプルに由来する変異データを受け取ることと、(ii)グラフィカルユーザインタフェース上で、受信されたバリアントデータがフィルタリングされることができるように、ユーザ設定可能なフィルタリング設定に対応する第1のユーザ入力を受信することと、(iii)グラフィカルユーザインタフェース上に、フィルタリングされたバリアントデータから派生した少なくとも2つの遺伝子バリアントの相互作用に関連する臨床的に関連する情報の同定を表示することであって、同定された情報が患者の診断された疾患に関連する、表示することと、(iv)グラフィカルユーザインタフェース上で、少なくとも2つの遺伝子バリアントの相互作用に関連する特定された臨床的に関連する情報のユーザの改良に対応する第2のユーザ入力を受け取ることと、(v)グラフィカルユーザインタフェース上に、少なくとも2つの遺伝子バリアントの相互作用に関連する洗練されて同定された臨床的に関連する情報を含む視覚化を表示することと、を含む、方法である。いくつかの実施形態では、方法は、視覚化の少なくともいくつかを含むレポートを生成することをさらに含む。
【0128】
いくつかの実施形態では、ユーザ設定可能なフィルタリング設定は、ユーザ設定可能なバリアント品質設定およびユーザ設定可能な遺伝子データベースプレゼンス設定を含む。いくつかの実施形態では、ユーザが構成可能なバリアント品質設定は、読み取り深度およびバリアント対立遺伝子頻度を含む。いくつかの実施形態では、ユーザの改良は、(i)注釈を追加することと、(ii)同定された臨床的に関連する情報から治療オプションを含めるまたは除外することと、(iii)同定された臨床的に関連する情報の層評価を再分類することと、を含む。
【0129】
いくつかの実施形態では、視覚化は、相互作用している少なくとも2つの遺伝子バリアントをリスト化する第1の部分と、治療上の推奨事項をレポートする第2の部分とを有する相互作用遺伝子パネル表現である。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、遺伝子相互作用の存在下での患者の疾患に敏感な治療である。いくつかの実施形態では、患者の疾患に敏感な治療は、第2のパネル内で第1のしるしでマークされる。いくつかの実施形態では、患者の疾患に耐性のある治療は、第2のパネル内で第2のしるしでマークされる。
【0130】
いくつかの実施形態では、方法は、フィルタリングされたバリアントデータに由来する1つ以上の個々の遺伝子バリアントに関連する臨床的に関連する情報の同定をグラフィカルユーザインタフェース上に表示することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、1つ以上の個々の遺伝子パネル表現を表示することをさらに含む。いくつかの実施形態では、個々の遺伝子パネル表現は、個々の遺伝子バリアントをリスト化する第1の部分と、個々の遺伝子バリアントの治療上の推奨をレポートする第2の部分とを含む。いくつかの実施形態では、個々の遺伝子パネル表現は、バリアント対立遺伝子頻度統計または読み取り深度統計のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0131】
本開示の別の態様は、治療を必要とする患者の臨床的に重要な情報をレポートするためのシステムであって、このシステムは、(i)1つ以上のプロセッサと、(ii)1つ以上のプロセッサに結合されたメモリであって、1つ以上のプロセッサによって実行されると、システムに、患者からのシーケンシングされた核酸サンプルに由来する受け取ったバリアントデータを解析することによって複数の遺伝子バリアントを決定することと、キュレートされたデータベースから、決定された複数の遺伝的変異のそれぞれに関する臨床的に関連する情報を検索することと、検索された臨床的に関連する情報が入力されたパネルを表示することであって、少なくとも1つのパネルが、決定された複数の遺伝的バリアントの少なくとも2つの遺伝子バリアント間の相互作用の同定を含む、表示することと、表示されたパネルを含むレポートを編集することと、を含む動作を実行させるコンピュータ実行可能命令を記憶するメモリと、を備える、システムである。
【0132】
いくつかの実施形態では、複数の決定された遺伝子バリアントの少なくとも2つの決定された遺伝子バリアント間の相互作用の同定は、相互作用の効果を説明する臨床レポートの要約である。いくつかの実施形態では、複数の決定された遺伝子バリアントの少なくとも2つの決定された遺伝子バリアント間の相互作用の同定は、治療上の推奨事項である。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、特定の薬物または治療プロトコルを投与することではない。いくつかの実施形態では、パネルは、個々の遺伝子パネル表現および相互作用する遺伝子パネル表現を含む。
【0133】
いくつかの実施形態では、相互作用する遺伝子パネル表現は、複数の決定された遺伝子バリアントのうちの少なくとも2つの決定された遺伝子バリアントの相互作用に関するデータを含む。いくつかの実施形態では、相互作用する遺伝子パネルは、複数の決定された遺伝子バリアントの少なくとも2つの決定された遺伝子バリアントをリスト化する第1の部分と、治療上の推奨をレポートする第2の部分とを含む。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、遺伝子相互作用の存在下での患者の疾患に敏感な治療である。いくつかの実施形態では、個々の遺伝子パネル表現のそれぞれは、決定された遺伝子バリアントの1つについて検索された臨床的に関連する情報の少なくともいくつかを組み込んでいる。いくつかの実施形態では、個々の遺伝子パネル表現は、バリアント対立遺伝子頻度統計または読み取り深度統計のうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0134】
いくつかの実施形態では、システムは、決定された複数の遺伝子バリアントまたは検索された臨床的に関連する情報を洗練するための命令をさらに含む。いくつかの実施形態では、決定された複数の遺伝子バリアントの改良は、少なくとも1つの品質メトリックフィルタを適用することを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの品質メトリックフィルタは、読み取り深度フィルタおよび変形対立遺伝子頻度フィルタからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、検索された臨床的に関連する情報の改良は、1つ以上の注釈を追加することを含む。
【0135】
本開示の別の態様は、患者に由来するサンプル中の1つ以上の遺伝子突然変異の存在に基づいて、患者の診断された疾患に関連する臨床情報を要約するための命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法が、患者のサンプルに由来するシーケンスデータ内の複数の遺伝子バリアントを決定することと、決定された複数の遺伝子バリアントのそれぞれを、キュレートされた臨床情報のデータベース内のメタデータフィールドに一致させることと、決定された遺伝子バリアントとデータベースメタデータフィールドとの間の一致のそれぞれについて、患者の診断された疾患に関連する臨床的に関連する情報を同定することと、各一致について同定された臨床的に関連する情報の少なくともいくつかを組み込んだ視覚化を表示することと、を含み、視覚化の少なくとも1つが、複数の決定された遺伝子バリアントの少なくとも2つの決定された遺伝子バリアントの相互作用に関するデータを含む、非一時的コンピュータ可読媒体である。
【0136】
いくつかの実施形態では、表示された視覚化に基づいてレポートを生成するための命令が含まれる。いくつかの実施形態では、表示された視覚化は、個々の遺伝子パネル表現および相互作用する遺伝子パネル表現を含む。いくつかの実施形態では、相互作用する遺伝子パネル表現は、複数の決定された遺伝子バリアントのうちの少なくとも2つの決定された遺伝子バリアントの相互作用に関するデータを含む。いくつかの実施形態では、相互作用する遺伝子パネルは、複数の決定された遺伝子バリアントの少なくとも2つの決定された遺伝子バリアントをリスト化する第1の部分と、治療上の推奨をレポートする第2の部分とを含む。
【0137】
本開示の別の態様は、コンピューティング装置に結合されたディスプレイ上に、患者に由来するサンプル中の1つ以上の遺伝子突然変異の存在に関する関連情報を提示する方法であって、1つ以上のデータベースにアクセスして、患者のサンプルに由来するシーケンスデータ内で得られた複数の遺伝子バリアントから、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の臨床的に関連する相互作用を同定することと、アクセスすることと、ディスプレイ上に、少なくとも2つの遺伝子バリアントの間で同定された臨床的に関連する相互作用の少なくとも1つの視覚化を表示することと、を含む、方法である。
【0138】
本開示の別の態様は、コンピューティング装置に結合されたディスプレイ上に、患者に由来するサンプル中の1つ以上の遺伝子突然変異の存在に関する関連情報を提示する方法であって、コンピューティング装置に対して結合されたメモリから患者のサンプルに由来するシーケンスデータ内の複数の遺伝子バリアントを取得することと、1つ以上のデータベースにアクセスして、得られた複数の遺伝子バリアントからの少なくとも2つの遺伝子バリアント間の臨床的に関連する相互作用を同定することと、ディスプレイ上に、少なくとも2つの遺伝子バリアントの間で同定された臨床的に関連する相互作用の少なくとも1つの視覚化を表示することと、を含む、方法である。
【0139】
いくつかの実施形態では、同定された臨床的に関連する相互作用の少なくとも1つの視覚化は、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の同定された臨床的に関連する相互作用に関連する少なくとも1つの治療上の推奨事項の視覚的表現を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの治療上の推奨は、少なくとも2つの遺伝子バリアントのうちの少なくとも1つに対して推奨される特定の薬物または治療プロトコルを投与することではない。いくつかの実施形態では、特定の薬物または治療プロトコルが同定されるが、少なくとも2つの遺伝子バリアントのうちの少なくとも1つに対して推奨される少なくとも1つの他の薬物または治療プロトコルと視覚的に区別される。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、関心のある疾患に敏感な治療である。いくつかの実施形態では、関心のある疾患に敏感な治療は、第1のしるしでマークされ、関心のある疾患に耐性のある治療は、第2のしるしでマークされる。いくつかの実施形態では、第2のしるしは、グレー表示されたテキストである。いくつかの実施形態では、第1のしるしは中実の記号であり、第2のしるしは中空の記号である。
【0140】
いくつかの実施形態では、視覚的表現は、相互作用する遺伝子パネル表現である。いくつかの実施形態では、相互作用する遺伝子パネル表現は、臨床的に関連する相互作用が同定された少なくとも2つの得られた遺伝子バリアントをリストする第1の部分と、治療上の推奨事項をレポートする第2の部分とを含む。いくつかの実施形態では、視覚的表現は、個々の遺伝子パネル表現である。いくつかの実施形態では、個々の遺伝子パネル表現は、臨床的に関連する相互作用が同定された少なくとも2つの得られた遺伝子バリアントのうちの1つをリストする第1の部分と、治療上の推奨事項をレポートする第2の部分とを含む。
【0141】
いくつかの実施形態では、同定された臨床的に関連する相互作用は、関心のある疾患に関係し、この方法は、記憶から関心のある疾患を取得することをさらに含む。いくつかの実施形態では、関心のある疾患は、事前に診断された疾患である。いくつかの実施形態では、事前に診断された疾患は癌である。いくつかの実施形態では、1つ以上のデータベースは、1つ以上のリモートサーバに記憶される。いくつかの実施形態では、1つ以上のデータベースは、キュレートされた臨床情報を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のデータベースの少なくとも1つは、遺伝子バリアントの相互作用に関する臨床情報を含む。いくつかの実施形態では、第1のデータベースは、関心のある疾患について得られた複数の遺伝子バリアントから少なくとも第1の得られた遺伝子バリアントに関する臨床的に関連する情報を検索するためにアクセスされ、第2のデータベースは、関心のある同じ疾患について、少なくとも第1の得られた遺伝子バリアントと、複数の得られた遺伝子バリアントからの少なくとも第2の得られた遺伝子バリアントとの間の相互作用に関する臨床的に関連する情報の検索のためにアクセスされる。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの視覚化を含むレポートを生成することをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の同定された臨床的に関連する相互作用の少なくとも2つの視覚化が表示され、少なくとも2つの視覚化のうちの1つは、個々の遺伝子パネル表現を含む。いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの品質メトリックフィルタを適用することによって、得られた複数の遺伝子バリアントをフィルタリングすることをさらに含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のデータベースへのアクセスは、1つ以上のデータベースに記憶された第1および第2のテーブルへのアクセスを含み、第1のテーブルは、遺伝子バリアントに関する情報を含み、第2のテーブルは、遺伝子バリアント相互作用に関する情報を含む。
【0142】
本開示の別の態様は、表示画面を備えるコンピューティング装置であって、コンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから複数の遺伝子バリアントを取得し、複数の遺伝子バリアントが、患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来しており、複数の遺伝子バリアントの少なくとも2つの遺伝子バリアント間の同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータを含む第1の表現を表示画面に表示し、第1の表現を表示すると同時に、相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントの第1に関連する臨床的に関連する情報を含む第2の表現を表示画面に表示する、ように構成される、コンピューティング装置である。
【0143】
本開示の別の態様は、表示画面を備えるコンピューティング装置であって、複数の遺伝子バリアントの少なくとも2つの遺伝子バリアント間の同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータを含む第1の表現をディスプレイ画面に表示し、第1の表現を表示すると同時に、相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントの第1に関連する臨床的に関連する情報を含む第2の表現を表示画面に表示するように構成され、複数の遺伝子バリアントが、患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来し、複数の遺伝子バリアントが、コンピューティング装置に通信可能に結合された1つまたはそれ以上のメモリから得られる、コンピューティング装置である(図11を参照)。
【0144】
いくつかの実施形態では、相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントの第2に関連する臨床的に関連する情報を含む第3の表現が表示される。いくつかの実施形態では、同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータは、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の相互作用に基づく治療上の推奨事項である。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、特定の薬物または治療プロトコルを投与することではない。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、関心のある疾患に敏感な治療である。いくつかの実施形態では、関心のある疾患に敏感な治療は、第1のしるしでマークされ、関心のある疾患に耐性のある治療は、第2のしるしでマークされる。いくつかの実施形態では、第1および第2の表現は、単一のパネル内に表示される。いくつかの実施形態では、単一のパネルは、個々の遺伝子パネル表現である。いくつかの実施形態では、第2の表現は、個々の遺伝子パネル表現の第1の部分で視覚化され、第1の表現は、個々の遺伝子パネル表現の第2の部分で視覚化される。いくつかの実施形態では、第1および第2の表現は、別個のパネル内に表示される。いくつかの実施形態では、第1の表現は、相互作用する遺伝子パネル内に表示され、第2の表現は、個々の遺伝子パネル内に表示される。いくつかの実施形態では、個々の遺伝子パネルは、少なくとも2つの遺伝子バリアントのうちの最初のものの第1の表現および同定をさらに含む。いくつかの実施形態では、同定された臨床的に関連する相互作用は、関心のある疾患に関係する。いくつかの実施形態では、関心のある疾患は、事前に診断された疾患である。いくつかの実施形態では、事前に診断された疾患は癌である。
【0145】
本開示の別の態様は、関心のある疾患に関連する臨床的に関連する情報を視覚化するためのシステムであって、このシステムは、以下を備える。(i)1つ以上のプロセッサと、(ii)1つ以上のプロセッサに結合されたメモリであって、1つ以上のプロセッサによって実行されると、システムに、1つ以上のメモリに記憶された複数の遺伝子バリアントを取得することであって、バリアントデータが、患者からのシーケンシングされた核酸サンプルに由来する、取得することと、臨床的に関連する情報を含む1つ以上のキュレートされたデータベースにアクセスして、複数の取得された遺伝的変異から少なくとも2つの遺伝的変異間の臨床的に関連する相互作用を同定することと、同定された臨床的に関連する相互作用を含む表示画面上に少なくとも1つの視覚化を表示することと、を含む動作を実行させるコンピュータ実行可能命令を記憶するメモリ。
【0146】
いくつかの実施形態では、同定された臨床的に関連する相互作用を含む少なくとも1つの視覚化は、同定された臨床的に関連する相互作用に基づく1つ以上の治療上の推奨事項を提供する表現である。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、特定の薬物または治療プロトコルを投与することではない。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、関心のある疾患に敏感な治療である。いくつかの実施形態では、関心のある疾患に敏感な治療は、第1のしるしでマークされ、関心のある疾患に耐性のある治療は、第2のしるしでマークされる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの視覚化は、相互作用が同定された少なくとも2つの決定された遺伝子バリアントをリスト化する第1の部分と、治療上の推奨事項をレポートする第2の部分とを有するパネルを含む。
【0147】
本開示の別の態様は、表示画面を有するコンピューティング装置上に、複数の遺伝子バリアントの少なくとも2つの遺伝子バリアント間の同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータを含む第1の表現を表示することと、表示画面上に、相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントのうちの少なくとも1つに関する臨床的に関連する情報を含む第2の表現を表示することと、を含み、複数の遺伝子バリアントが、患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来し、複数の遺伝子バリアントが、コンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから得られる、方法である(図12を参照)。いくつかの実施形態では、同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータは、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の相互作用に基づく治療上の推奨事項である。いくつかの実施形態では、治療上の推奨事項は、特定の薬物または治療プロトコルを投与することではない。いくつかの実施形態において、治療の推奨は、関心のある疾患に敏感な治療である。いくつかの実施形態では、関心のある疾患に敏感な治療は、第1のしるしでマークされ、関心のある疾患に耐性のある治療法は、第2のしるしでマークされる。いくつかの実施形態では、第1および第2の表現は、単一のパネル内に表示される。いくつかの実施形態では、単一のパネルは、個々の遺伝子パネル表現である。いくつかの実施形態では、第2の表現は、個々の遺伝子パネル表現の第1の部分で視覚化され、第1の表現は、個々の遺伝子パネル表現の第2の部分で視覚化される。いくつかの実施形態では、第1および第2の表現は、別個のパネル内に表示される。
【0148】
本開示の別の態様は、コンピューティングシステムの1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンピューティングシステムに、複数の遺伝子バリアントの少なくとも2つの遺伝子バリアント間の同定された臨床的に関連する相互作用に関連するデータを含む第1の表現を表示画面に表示させ、さらに、相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントの少なくとも1つに関する臨床的に関連する情報を含む第2の表現を表示画面に表示させ、複数の遺伝子バリアントが、患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来し、複数の遺伝子バリアントが、コンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから得られる、命令を記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体である。いくつかの実施形態では、同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータは、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の相互作用に基づく治療上の推奨事項である。
【0149】
本明細書に記載の主題および動作の実施形態は、デジタル電子回路、または本明細書に開示される構造およびそれらの構造的均等物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェア、またはそれらの1つ以上の組み合わせで実装されることができる。本明細書に記載の主題の実施形態は、1つ以上のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のために、またはデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実装されることができる。本明細書で説明されるモジュールのいずれも、プロセッサによって実行されるロジックを含むことができる。本明細書で使用される「ロジック」は、プロセッサの動作に影響を与えるために適用されることができる命令信号および/またはデータの形態を有する任意の情報を指す。ソフトウェアはロジックの例である。
【0150】
コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶装置、コンピュータ可読記憶基板、ランダムまたはシリアルアクセスメモリアレイまたは装置、あるいはそれらの1つ以上の組み合わせとすることができるか、またはそれらに含まれることができる。さらに、コンピュータ記憶媒体は伝搬信号ではないが、コンピュータ記憶媒体は、人工的に生成された伝搬信号に符号化されたコンピュータプログラム命令のソースまたは宛先とすることができる。コンピュータ記憶媒体はまた、1つ以上の別個の物理的コンポーネントまたは媒体(例えば、複数のCD、ディスク、または他の記憶装置)とすることができるか、またはそれらに含まれることができる。本明細書に記載されている動作は、1つ以上のコンピュータ可読記憶装置に記憶されているか、または他のソースから受信されたデータに対してデータ処理装置によって実行される動作として実装されることができる。
【0151】
「プログラムされたプロセッサ」という用語は、データを処理するためのあらゆる種類の装置、装置、およびマシンを包含し、例えば、プログラム可能なマイクロプロセッサ、コンピュータ、チップ上のシステム、または前述の複数のもの、またはそれらの組み合わせを含む。装置は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)などの特別な目的のロジック回路を含むことができる。装置はまた、ハードウェアに加えて、当該コンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン、またはそれらの1つ以上の組み合わせを構成するコードを含むことができる。装置および実行環境は、ウェブサービス、分散コンピューティング、グリッドコンピューティングインフラストラクチャなど、様々な異なるコンピューティングモデルインフラストラクチャを実現することができる。
【0152】
コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとも呼ばれる)は、コンパイルまたは解釈された言語、宣言言語または手続き型言語を含む、あらゆる形式のプログラミング言語で記述されることができ、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、オブジェクト、またはコンピューティング環境での使用に適したその他のユニットとして含む、あらゆる形式で展開されることができる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応することができるが、対応する必要はない。プログラムは、他のプログラムまたはデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語ドキュメントに保存された1つ以上のスクリプト)、当該プログラム専用の単一ファイル、または複数の調整されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を記憶するファイル)に記憶されることができる。コンピュータプログラムは、1台のコンピュータ、または1つのサイトに配置されているか、複数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続されている複数のコンピュータで実行されるように展開されることができる。
【0153】
本明細書に記載のプロセスおよびロジックフローは、1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセッサによって実行され、入力データを操作して出力を生成することによってアクションを実行することができる。プロセスおよびロジックフローは、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)またはASIC(特定用途向け集積回路)などの特殊用途のロジック回路によって実行されることもでき、装置は、それらとして実装されることもできる。
【0154】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用および特殊目的の双方のマイクロプロセッサ、および任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサを含む。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリ、あるいはその双方から命令とデータを受信する。コンピュータの本質的な要素は、命令に従ってアクションを実行するためのプロセッサと、命令およびデータを記憶するための1つ以上のメモリ装置である。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶装置、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、または光ディスクを含むか、またはデータを受信するか、データを転送するか、またはその双方に動作可能に結合される。しかしながら、コンピュータは、そのような装置を必要とするわけではない。さらに、コンピュータは、ほんの数例を挙げると、別の装置、例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオまたはビデオプレーヤ、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)受信機、またはポータブル記憶装置(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ)に組み込まれることができる。コンピュータプログラムの命令およびデータを記憶するのに適した装置は、例として半導体メモリ装置、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリ装置を含む、全ての形態の不揮発性メモリ、メディアおよびメモリ装置、磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク、光磁気ディスク、およびCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む。プロセッサおよびメモリは、特別な目的のロジック回路によって補完され、またはこれに組み込まれることができる。
【0155】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載の主題の実施形態は、ディスプレイ装置、例えば、LDC(液晶ディスプレイ)、LED(発光ダイオード)ディスプレイ、またはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、ユーザに情報を表示するためのディスプレイ、およびユーザがコンピュータに入力を提供することができる、キーボードおよびポインティング装置、例えば、マウスまたはトラックボールを有するコンピュータ上に実装されることができる。いくつかの実装形態では、タッチスクリーンが使用されて、情報を表示し、ユーザからの入力を受け取ることができる。他の種類の装置が使用されて、ユーザとの対話を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、または触覚的フィードバックなど、任意の形態の感覚的フィードバックとすることができる。また、ユーザからの入力は、音響、音声、または触覚入力を含む任意の形式で受信されることができる。さらに、コンピュータは、例えば、Webブラウザから受信した要求に応答して、ユーザのクライアント装置上のWebブラウザにWebページを送信することによるなど、ユーザが使用する装置との間でドキュメントを送受信することにより、ユーザと対話することができる。
【0156】
本明細書に記載される主題の実施形態は、例えば、データサーバとしてのバックエンドコンポーネントを含むか、またはアプリケーションサーバなどのミドルウェアコンポーネントを含むか、または、例えば、ユーザがこの明細書に記載されている主題の実装と対話することができるグラフィカルユーザインタフェースまたはWebブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンドコンポーネント、または1つ以上のそのようなバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンドコンポーネントの任意の組み合わせを含むコンピューティングシステムに実装されることができる。システムのコンポーネントは、デジタルデータ通信の任意の形式または媒体、例えば通信ネットワークによって相互接続されることができる。通信ネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)およびワイドエリアネットワーク(「WAN」)、ネットワーク間(例えば、インターネット)、およびピアツーピアネットワーク(例えば、アドホックピア-ピアツーピアネットワーク)を含む。例えば、図1のネットワーク20は、1つ以上のローカルエリアネットワークを含むことができる。
【0157】
コンピューティングシステムは、任意の数のクライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、通常、互いにリモートであり、通常、通信ネットワークを介して相互作用する。クライアントおよびサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され且つクライアント-サーバの関係を互いに有するコンピュータプログラムによって発生する。いくつかの実施形態では、サーバは、(例えば、データを表示し、クライアント装置と対話するユーザからのユーザ入力を受信する目的で)データ(例えば、HTMLページ)をクライアント装置に送信する。クライアント装置で生成されたデータ(例えば、ユーザの操作の結果)は、サーバにおいてクライアント装置から受信されることができる。
【0158】
追加の実施形態1:表示画面を備えるコンピューティング装置であって、コンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから複数の遺伝子バリアントを取得し、複数の遺伝子バリアントが、患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来し、複数の遺伝子バリアントの少なくとも2つの遺伝子バリアント間の同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータを含む第1の表現を表示画面に表示するように構成されたコンピューティング装置。いくつかの実施形態では、コンピューティング装置は、相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントの第1に関連する臨床的に関連する情報を含む第2の表現を(第1の表現と共に)表示画面に表示するようにさらに構成される。
【0159】
追加の実施形態2:相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントのうちの第2に関連する臨床的に関連する情報を含む第3の表現が表示される、追加の実施形態1のコンピューティング装置。
【0160】
追加の実施形態3:同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータが、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の相互作用に基づく治療上の推奨事項である、追加の実施形態1のコンピューティング装置。
【0161】
追加の実施形態4:治療上の推奨事項が、特定の薬物または治療プロトコルを投与することではない、追加の実施形態3のコンピューティング装置。
【0162】
追加の実施形態5:治療上の推奨事項が、関心のある疾患に敏感な治療である、追加の実施形態3のコンピューティング装置。
【0163】
追加の実施形態6:関心のある疾患に敏感な治療が第1のしるしでマークされ、関心のある疾患に耐性のある治療が、第2のしるしでマークされる、追加の実施形態5のコンピューティング装置。
【0164】
追加の実施形態7:第1および第2の表現が単一のパネル内に表示される、追加の実施形態1のコンピューティング装置。
【0165】
追加の実施形態8:単一のパネルが個々の遺伝子パネル表現である、追加の実施形態7のコンピューティング装置。
【0166】
追加の実施形態9:第2の表現が、個々の遺伝子パネル表現の第1の部分で視覚化され、第1の表現が、個々の遺伝子パネル表現の第2の部分で視覚化される、追加の実施形態8のコンピューティング装置。
【0167】
追加の実施形態10:第1および第2の表現が別個のパネル内に表示される、追加の実施形態1のコンピューティング装置。
【0168】
追加の実施形態11:第1の表現が、相互作用する遺伝子パネル内に表示され、第2の表現が、個々の遺伝子パネル内に表示される、追加の実施形態10のコンピューティング装置。
【0169】
追加の実施形態12:個々の遺伝子パネルが、少なくとも2つの遺伝子バリアントのうちの第1の遺伝子バリアントの第1の表現および同定をさらに含む、追加の実施形態11のコンピューティング装置。
【0170】
追加の実施形態13:複数の遺伝子バリアントの少なくとも2つの遺伝子バリアント間の同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータを含む第1の表現を、表示画面を有するコンピューティング装置上に表示することと、相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントのうちの少なくとも1つに関する臨床的に関連する情報を含む第2の表現を表示画面上に表示することと、を含み、複数の遺伝子バリアントが、患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来し、複数の遺伝子バリアントが、前記コンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから得られる、方法。
【0171】
追加の実施形態14:同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータが、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の相互作用に基づく治療上の推奨事項である、追加の実施形態13の方法。
【0172】
追加の実施形態15:治療上の推奨事項が、特定の薬物または治療プロトコルを投与することではない、追加の実施形態14の方法。
【0173】
追加の実施形態16:治療上の推奨事項が関心のある疾患に敏感な治療である、追加の実施形態13の方法。
【0174】
追加の実施形態17:関心のある疾患に敏感な治療が第1のしるしでマークされ、関心のある疾患に耐性のある治療法は、第2のしるしでマークされる、追加の実施形態16の方法。
【0175】
追加の実施形態18:第1および第2の表現が単一のパネル内に表示され、単一のパネルが個々の遺伝子パネル表現である、追加の実施形態13の方法。
【0176】
追加の実施形態19:第2の表現が個々の遺伝子パネル表現の第1の部分で視覚化され、第1の表現が個々の遺伝子パネル表現の第2の部分で視覚化される、追加の実施形態18の方法。
【0177】
追加の実施形態20:第1および第2の表現が別個のパネル内に表示される、追加の実施形態13の方法。
【0178】
追加の実施形態21:患者に由来するサンプル中の1つ以上の遺伝子突然変異の存在に関する関連情報をコンピューティング装置に結合されたディスプレイ上に提示する方法であって、コンピューティング装置に結合されたメモリから複数の患者のサンプルに由来するシーケンスデータ内の遺伝子変異を取得することと、1つ以上のデータベースにアクセスして、得られた複数の遺伝子バリアントからの少なくとも2つの遺伝子バリアント間の臨床的に関連する相互作用を同定することと、ディスプレイ上に、少なくとも2つの遺伝子バリアントの間で同定された臨床的に関連する相互作用の少なくとも1つの視覚化を表示することと、を含む、方法。
【0179】
追加の実施形態22:同定された臨床的に関連する相互作用の少なくとも1つの視覚化が、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の同定された臨床的に関連する相互作用に関連する少なくとも1つの治療推奨の視覚的表現を含む、追加の実施形態21の方法。
【0180】
追加の実施形態23:少なくとも1つの治療上の推奨事項が、少なくとも2つの遺伝子バリアントのうちの少なくとも1つに対して推奨される特定の薬物または治療プロトコルを投与することではない、追加の実施形態22の方法。
【0181】
追加の実施形態24:特定の薬物または治療プロトコルが同定されるが、少なくとも2つの遺伝子バリアントのうちの少なくとも1つに対して推奨される少なくとも1つの他の薬物または治療プロトコルと視覚的に区別される、追加の実施形態23の方法。
【0182】
追加の実施形態25:治療上の推奨事項が関心のある疾患に敏感な治療であり、関心のある疾患に敏感な治療が第1のしるしでマークされ、関心のある疾患に耐性のある治療法は、グレー表示されたテキストでマークされる、追加の実施形態22の方法。
【0183】
追加の実施形態26:視覚的表現が相互作用遺伝子パネル表現であり、相互作用遺伝子パネル表現が、臨床的に関連する相互作用が同定された少なくとも2つの得られた遺伝子バリアントをリスト化する第1の部分と、治療上の推奨事項をレポートする第2の部分とを含む、追加の実施形態22の方法。
【0184】
追加の実施形態27:視覚的表現が個々の遺伝子パネル表現であり、個々の遺伝子パネル表現が、臨床的に関連する相互作用が同定された少なくとも2つの得られた遺伝子バリアントのうちの1つをリスト化する第1の部分と、治療上の推奨事項をレポートする第2の部分とを含む、追加の実施形態22の方法。
【0185】
追加の実施形態28:1つ以上のデータベースが1つ以上のリモートサーバに記憶され、1つ以上のデータベースがキュレートされた臨床情報を含み、1つ以上のデータベースの少なくとも1つが遺伝子バリアントの相互作用に関連する臨床情報を含む、追加の実施形態22の方法。
【0186】
追加の実施形態29:1つ以上のデータベースにアクセスすることが、1つ以上のデータベースに記憶された第1および第2のテーブルにアクセスすることを含み、第1のテーブルは遺伝子バリアントに関する情報を含み、第2のテーブルが遺伝子バリアントの相互作用に関する情報を含む、追加の実施形態28の方法。
【0187】
追加の実施形態30:コンピューティングシステムの1つ以上のプロセッサによって実行されると、コンピューティングシステムに、少なくとも2つの間の同定された臨床的に関連する相互作用に関連するデータを含む第1の表現を表示させ、複数の遺伝子バリアントの遺伝子バリアント、および相互作用が同定された少なくとも2つの遺伝子バリアントのうちの少なくとも1つに関する臨床的に関連する情報を含む第2の表現を表示画面にさらに表示させる、命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体。いくつかの実施形態では、複数の遺伝子バリアントは、患者サンプルに由来するシーケンスデータに由来し、複数の遺伝子バリアントは、コンピューティング装置に通信可能に結合された1つ以上のメモリから得られる。いくつかの実施形態では、同定された臨床的に関連する相互作用に関するデータは、少なくとも2つの遺伝子バリアント間の相互作用に基づく治療上の推奨事項である。
【0188】
本明細書中で言及されるおよび/または出願データシートにおいてリスト化される全ての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願、および非特許刊行物は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。実施形態の態様は、必要に応じて、様々な特許、出願、および刊行物の概念を使用してさらに別の実施形態を提供するように変更されることができる。
【0189】
本開示は、いくつかの例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、本開示の原理の精神および範囲内に含まれるであろう多くの他の変更および実施形態が当業者によって考案されることができることを理解されたい。より具体的には、合理的な変形および変更は、本開示の精神から逸脱することなく、前述の開示、図面、および添付の特許請求の範囲内の主題の組み合わせ構成の構成部品および/または配置において可能である。構成部品および/または配置の変形および変更に加えて、代替の使用法も当業者にとって明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図13D