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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】ガス混合装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 21/02 20060101AFI20240329BHJP
   F02D 19/08 20060101ALI20240329BHJP
   F02B 43/00 20060101ALI20240329BHJP
   F23K 5/00 20060101ALI20240329BHJP
   F23N 1/00 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
F02M21/02 N
F02D19/08 C
F02B43/00 Z
F23K5/00 303
F23N1/00 102Z
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022056328
(22)【出願日】2022-03-30
(65)【公開番号】P2023148358
(43)【公開日】2023-10-13
【審査請求日】2023-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】弁理士法人あいち国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永井 恒輝
(72)【発明者】
【氏名】紺野 大統
(72)【発明者】
【氏名】笹俣 優一
(72)【発明者】
【氏名】川口 元頌
【審査官】櫻田 正紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-071220(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0101566(US,A1)
【文献】特開2011-157860(JP,A)
【文献】特開2013-047495(JP,A)
【文献】特開2013-047497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02M 21/00-21/12
F02B 43/00-45/10
F02D 13/00-28/00
F23K 5/00-5/22
F23N 1/00
5/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料使用機器へ供給する主燃料ガスに、副燃料ガスを目標とする目標混合比率で混合させるガス混合装置であって、
前記副燃料ガスを貯留するタンクと、
前記タンク内の圧力を検出する圧力計と、
前記主燃料ガスに混合する前記副燃料ガスの流量を調整する流量調整弁と、
前記圧力計による前記圧力を利用して、前記流量調整弁の開度を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記圧力が許容上限値以上である場合に、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率が前記目標混合比率に保たれるよう前記流量調整弁の開度を制御する定常制御と、
前記圧力が前記許容上限値未満になるとともに継続して低下する場合に、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率が設定低下率で低下するよう前記流量調整弁の開度を制御する低下時制御と、を行うよう構成されている、ガス混合装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記圧力が前記許容上限値よりも低い許容下限値以上になるとともに継続して上昇する場合に、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率が設定上昇率で上昇するよう前記流量調整弁の開度を制御する上昇時制御と、
前記圧力が前記許容下限値未満に低下する場合に、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率がゼロになるよう、又は前記設定低下率で低下するよう前記流量調整弁の開度を制御する混合停止制御と、を行うよう構成されている、請求項1に記載のガス混合装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記低下時制御を行うときに、前記圧力の低下速度が所定範囲内に小さくなった低下抑制時には、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率を、前記低下抑制時が認定されたときの混合比率に維持するよう前記流量調整弁の開度を制御する低下抑制時制御を行うよう構成されている、請求項1又は2に記載のガス混合装置。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記上昇時制御を行うときに、前記圧力の上昇速度が所定範囲内に小さくなった上昇抑制時には、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率を、前記上昇抑制時が認定されたときの混合比率に維持するよう前記流量調整弁の開度を制御する上昇抑制時制御を行うよう構成されている、請求項2に記載のガス混合装置。
【請求項5】
前記制御装置においては、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率の許容上限値に基づいて前記目標混合比率が設定されるとともに、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率を低下させるときの低下速度の許容値に基づいて前記設定低下率が設定される、請求項1~4のいずれか1項に記載のガス混合装置。
【請求項6】
前記制御装置においては、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率の許容上限値に基づいて前記目標混合比率が設定されるとともに、前記主燃料ガスに対して前記副燃料ガスの混合比率を低下させるときの低下速度の許容値に基づいて前記設定低下率が設定され、かつ、前記主燃料ガスに対して前記副燃料ガスの混合比率を上昇させるときの上昇速度の許容値に基づいて前記設定上昇率が設定される、請求項2又は4に記載のガス混合装置。
【請求項7】
前記制御装置は、前記ガス混合装置の外部からの指令に基づいて、前記定常制御又は前記低下時制御を行う混合制御モードと、前記主燃料ガスへの前記副燃料ガスの混合を停止する混合停止制御モードとに切り替えが可能である、請求項1~6のいずれか1項に記載のガス混合装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記ガス混合装置の外部からの指令に基づいて、前記定常制御、前記低下時制御又は前記上昇時制御を行う混合制御モードと、前記主燃料ガスへの前記副燃料ガスの混合を停止する混合停止制御モードとに切り替えが可能である、請求項2、4又は6のいずれか1項に記載のガス混合装置。
【請求項9】
燃料使用機器へ供給する主燃料ガスに、副燃料ガスを目標とする目標混合比率で混合させるガス混合装置であって、
前記副燃料ガスを貯留するタンクと、
前記タンク内の圧力を検出する圧力計と、
前記主燃料ガスに混合する前記副燃料ガスの流量を調整する流量調整弁と、
前記圧力計による前記圧力を利用して、前記流量調整弁の開度を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記圧力が許容上限値以上である場合に、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率が前記目標混合比率に保たれるよう前記流量調整弁の開度を制御する定常制御と、
前記圧力が前記許容上限値未満であるとともに前記許容上限値よりも低い許容下限値以上である場合には、前記圧力が高いほど前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率を大きくするとともに、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率が設定変化率で変化するよう前記流量調整弁の開度を制御する比例制御と、を行うよう構成されている、ガス混合装置。
【請求項10】
前記主燃料ガスの流量を検出する流量計をさらに備え、
前記制御装置は、
前記流量計による前記主燃料ガスの流量に対して、前記流量調整弁による前記副燃料ガスの流量を調整することによって、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率を調整するよう構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載のガス混合装置。
【請求項11】
前記制御装置は、前記タンク内の圧力の情報、前記流量調整弁の開度の情報、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率、及び前記流量計による前記主燃料ガスの流量の情報のうちの少なくともいずれかを、前記燃料使用機器へ送信するよう構成されている、請求項10に記載のガス混合装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス混合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
都市ガス等の燃料ガスを用いる燃料使用機器においては、都市ガスだけでなく、例えば水素、プロパン等の燃料ガスも用いて燃焼を行いたい場合がある。この場合には、燃料使用機器へ供給される混合燃料ガスを、2種類の燃料ガスを混合させて生成するガス混合装置が用いられる。混合燃料を用いる自動車用エンジンに関するものとしては、例えば、特許文献1に記載されたエンジン制御装置がある。このエンジン制御装置においては、水素ガス及びガソリンの2種類の燃料を、水素モード又はガソリンモードとして単独で用いる、又は遷移モードとして混合させて用いることが記載されている。さらに、このエンジン制御装置においては、エンジンに供給する水素ガスの残量を検知し、検知した残量が所定値以下になったときに、水素モードから遷移モードに切り替え、その後ガソリンモードに切り替えることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-104941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたエンジン制御装置は、遷移モードにおいてエンジンに供給する水素ガスとガソリンの混合比率は、エンジンにおける要求トルク及び吸気充填量に応じて設定している。つまり、エンジン等の燃料使用機器における燃焼制御と連動して、水素ガスとガソリンの混合比率を変更している。そのため、特許文献1のエンジン制御装置においては、混合比率の急激な変化を防止すること、及び燃料使用機器における燃焼制御と独立して混合比率を変更することはできない。
【0005】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたもので、副燃料ガスの混合比率の急激な変化を防止するとともに、主燃料ガスと副燃料ガスの混合比率を燃料使用機器から独立して単独で変更することができるガス混合装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、
燃料使用機器へ供給する主燃料ガスに、副燃料ガスを目標とする目標混合比率で混合させるガス混合装置であって、
前記副燃料ガスを貯留するタンクと、
前記タンク内の圧力を検出する圧力計と、
前記主燃料ガスに混合する前記副燃料ガスの流量を調整する流量調整弁と、
前記圧力計による前記圧力を利用して、前記流量調整弁の開度を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記圧力が許容上限値以上である場合に、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率が前記目標混合比率に保たれるよう前記流量調整弁の開度を制御する定常制御と、
前記圧力が前記許容上限値未満になるとともに継続して低下する場合に、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率が設定低下率で低下するよう前記流量調整弁の開度を制御する低下時制御と、を行うよう構成されている、ガス混合装置にある。
【0007】
本発明の他の態様は、
燃料使用機器へ供給する主燃料ガスに、副燃料ガスを目標とする目標混合比率で混合させるガス混合装置であって、
前記副燃料ガスを貯留するタンクと、
前記タンク内の圧力を検出する圧力計と、
前記主燃料ガスに混合する前記副燃料ガスの流量を調整する流量調整弁と、
前記圧力計による前記圧力を利用して、前記流量調整弁の開度を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
前記圧力が許容上限値以上である場合に、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率が前記目標混合比率に保たれるよう前記流量調整弁の開度を制御する定常制御と、
前記圧力が前記許容上限値未満であるとともに前記許容上限値よりも低い許容下限値以上である場合には、前記圧力が高いほど前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率を大きくするとともに、前記主燃料ガスに対する前記副燃料ガスの混合比率が設定変化率で変化するよう前記流量調整弁の開度を制御する比例制御と、を行うよう構成されている、ガス混合装置にある。
【発明の効果】
【0008】
(一態様のガス混合装置)
前記一態様のガス混合装置の制御装置は、圧力計によって検出される、副燃料ガスを貯留するタンク内の圧力の状態に応じて、流量調整弁によって主燃料ガスに混合する副燃料ガスの流量を調整する。具体的には、制御装置は、圧力が許容上限値以上である場合には定常制御を行い、圧力が許容上限値未満になるとともに継続して低下する場合には低下時制御を行う。
【0009】
制御装置が定常制御を行うことにより、主燃料ガスに対する副燃料ガスの混合比率が目標混合比率に保たれる。主燃料ガスに対する副燃料ガスの混合比率は、主燃料ガス及び副燃料ガスの混合燃料ガスにおける副燃料ガスの混合比率として捉えてもよい。また、制御装置が低下時制御を行うことにより、主燃料ガスに対する副燃料ガスの混合比率が設定低下率で低下する。この低下時制御により、副燃料ガスのタンク内の圧力が、許容上限値未満になるとともに継続して低下する場合には、タンクにおける副燃料ガスの貯留量が少なくなっていく状態に応じて、副燃料ガスの混合比率を設定低下率で低下させることができる。
【0010】
これにより、タンクにおける副燃料ガスの貯留量が少なくなっていく状態において、副燃料ガスの混合比率を、急激に低下させることなく、適切な速度で低下させることができる。また、ガス混合装置は、主燃料ガスと副燃料ガスの混合比率を燃料使用機器から独立して単独で変更することができる。
【0011】
それ故、前記一態様のガス混合装置によれば、副燃料ガスの混合比率の急激な変化を防止するとともに、主燃料ガスと副燃料ガスの混合比率を燃料使用機器から独立して単独で変更することができる。
【0012】
(他の態様のガス混合装置)
前記他の態様のガス混合装置の制御装置は、比例制御を行うことによって、副燃料ガスのタンク内の圧力が高いほど主燃料ガスに対する副燃料ガスの混合比率を大きくし、かつ主燃料ガスに対する副燃料ガスの混合比率が設定変化率で低下するようにする。この比例制御により、副燃料ガスのタンク内の圧力が、許容上限値未満であるとともに許容下限値以上である場合には、タンクにおける副燃料ガスの貯留量の増減に応じて、副燃料ガスの混合比率を設定変化率で変化させることができる。
【0013】
これにより、タンクにおける副燃料ガスの貯留量が増減する状態において、副燃料ガスの混合比率を、急激に変化させることなく、適切な速度で変化させることができる。また、ガス混合装置は、主燃料ガスと副燃料ガスの混合比率を燃料使用機器から独立して単独で変更することができる。
【0014】
それ故、前記他の態様のガス混合装置によっても、副燃料ガスの混合比率の急激な変化を防止するとともに、主燃料ガスと副燃料ガスの混合比率を燃料使用機器から独立して単独で変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態1にかかる、ガス混合装置を示す説明図。
図2】実施形態1にかかる、タンク内の副燃料ガスの圧力の時間的変化と、副燃料ガスの混合比率の時間的変化とを示すグラフ。
図3】実施形態1にかかる、流量調整弁の開度と副燃料ガスの混合比率との関係を模式的に示すグラフ。
図4】実施形態1にかかる、メイン制御ルーチンを示すフローチャート。
図5】実施形態1にかかる、定常制御ルーチンを示すフローチャート。
図6】実施形態1にかかる、低下時制御ルーチンを示すフローチャート。
図7】実施形態1にかかる、低下抑制時制御ルーチンを示すフローチャート。
図8】実施形態1にかかる、上昇時制御ルーチンを示すフローチャート。
図9】実施形態1にかかる、上昇抑制時制御ルーチンを示すフローチャート。
図10】実施形態2にかかる、タンク内の副燃料ガスの圧力と副燃料ガスの混合比率との関係を模式的に示すグラフ。
図11】実施形態2にかかる、メイン制御ルーチンを示すフローチャート。
図12】実施形態2にかかる、比例制御ルーチンを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
前述したガス混合装置にかかる好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。
<実施形態1>
本形態のガス混合装置1は、図1に示すように、燃料使用機器7へ供給する主燃料ガスF1に、副燃料ガスF2を目標とする目標混合比率R0で混合させるものである。ガス混合装置1は、副燃料ガスF2を貯留するタンク2と、タンク2内の圧力Pを検出する圧力計3と、主燃料ガスF1に混合する副燃料ガスF2の流量Q2を調整する流量調整弁4と、圧力計3による圧力Pを利用して、流量調整弁4の開度Kを制御する制御装置6とを備える。
【0017】
図2に示すように、制御装置6は、定常制御と低下時制御とを適宜切り替えることが可能である。定常制御は、タンク2内の圧力Pが許容上限値P1以上である場合に、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rが目標混合比率R0に保たれるよう流量調整弁4の開度Kを制御するものである。低下時制御は、タンク2内の圧力Pが許容上限値P1未満になるとともに継続して低下する場合に、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rが設定低下率αで低下するよう流量調整弁4の開度Kを制御するものである。
【0018】
以下に、本形態のガス混合装置1について詳説する。
(ガス混合装置1)
図1に示すように、ガス混合装置1は、燃料ガスを使用する燃料使用機器7へ、主燃料ガスF1と副燃料ガスF2との混合燃料ガスF3を供給するために用いられる。ガス混合装置1は、燃料使用機器7と独立して形成されており、種々の燃料使用機器7に対して混合燃料ガスF3を供給する装置として設置可能である。燃料使用機器7には、バーナ等の燃焼機器、ガスエンジンを含むコージェネレーション機器などがある。
【0019】
(主燃料ガスF1及び副燃料ガスF2)
本形態においては、主燃料ガスF1には都市ガスが用いられ、副燃料ガスF2には水素ガスが用いられる。副燃料ガスF2の単位体積当たりの発熱量は、主燃料ガスF1の単位体積当たりの発熱量に比べて低い。そのため、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rが高くなるほど、燃料使用機器7に供給される混合燃料ガスF3の発熱量が低くなる。燃料使用機器7において消費される混合燃料ガスF3の発熱量は、燃料使用機器7における制御弁の開度の調整によって、必要とされる発熱量に調整される。なお、主燃料ガスF1及び副燃料ガスF2には、互いに異なる組成を有する種々の燃料ガスを用いることができる。
【0020】
主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rは、流量比、質量比、モル比等のいずれの割合から決定してもよい。本形態においては、後述するように、主燃料ガスF1の流量Q1を流量計5によって検出する一方、副燃料ガスF2の流量Q2は直接検出しない。副燃料ガスF2の流量Q2は、流量調整弁4の開度Kと副燃料ガスF2の流量Q2との関係を関係マップとして求めておき、流量調整弁4の開度Kを関係マップに照合して算出すればよい。そして、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rは、流量比として求めればよい。また、混合比率Rは、主燃料ガスF1の流量Q11、副燃料ガスF2の流量Q2を用いて、Q2/Q1、Q2/(Q1+Q2)、Q1/Q2等から求めればよい。
【0021】
流量調整弁4は、体積流量又は質量流量を検出可能なものとしてもよい。この場合には、流量計5による主燃料ガスF1の流量Q11と、流量調整弁4による副燃料ガスF2の流量Q2とによって、副燃料ガスF2の混合比率Rが検出される。
【0022】
(制御装置6以外の構成要素)
図1に示すように、ガス混合装置1は、主燃料ガスF1が供給される主配管11に接続され、副燃料ガスF2のタンク2から主配管11に副燃料ガスF2を混合させるよう構成されている。タンク2は、貯蔵タンク21から副燃料ガスF2の供給を受けて、副燃料ガスF2を一時的に貯蔵するバッファタンクとして使用される。貯蔵タンク21とタンク2との間の配管には、副燃料ガスF2の流量を絞る絞り弁22が配置されている。タンク2には、タンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pを検出する圧力計3が設けられている。圧力計3による圧力Pの情報は、制御装置6へ送信されるよう構成されている。
【0023】
主配管11と、タンク2に繋がる副配管12との合流位置には、主配管11を流れる主燃料ガスF1に副燃料ガスF2を混合させるミキサ13が配置されている。ミキサ13は、主配管11を流れる主燃料ガスF1がノズルを通過するときに、ノズルの外周に発生する負圧によって副配管12を流れる副燃料ガスF2を吸引して、主燃料ガスF1に副燃料ガスF2を混合するものである。
【0024】
主配管11における、ミキサ13の配置位置の上流側の位置には、主燃料ガスF1の流量Q1を検出する流量計5が配置されている。主配管11における、流量計5の配置位置の上流側の位置には、主燃料ガスF1の流量を絞る絞り弁111が配置されている。流量計5による流量Q1の情報は、制御装置6へ送信されるよう構成されている。また、主配管11における、ミキサ13の配置位置の下流側の位置には、主配管11において逆火が生じることを防止するための逆火防止機構14が配置されている。
【0025】
副配管12には、副配管12を流れる副燃料ガスF2の流量Q2を調整するための流量調整弁4が配置されている。流量調整弁4は、副燃料ガスF2が通過する流路の開度Kを調整して、副燃料ガスF2の流量Q2を調整可能である。流量調整弁4は、制御装置6によって操作可能なコントロールバルブによって構成されている。
【0026】
副配管12における、タンク2と流量調整弁4との間の位置には、流量調整弁4に流れる副燃料ガスF2の圧力Pを一定にするための減圧弁15が配置されている。減圧弁15を用いることにより、貯蔵タンク21内の圧力Pが許容上限値P1以上の範囲で変動しても、流量調整弁4に供給される副燃料ガスF2の圧力Pが変動しないようにすることができる。
【0027】
(制御装置6)
図2に示すように、本形態の制御装置6は、定常制御、低下時制御の他に、上昇時制御、混合停止制御、低下抑制時制御又は上昇抑制時制御に適宜切り替えることが可能である。上昇時制御は、圧力Pが許容上限値P1よりも低い許容下限値P2以上になるとともに継続して上昇する場合に、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rが設定上昇率βで上昇するよう流量調整弁4の開度Kを制御するものである。混合停止制御は、圧力Pが許容下限値P2未満に低下する場合に、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rがゼロになるよう、又は設定低下率αで低下するよう流量調整弁4の開度Kを制御するものである。
【0028】
低下抑制時制御は、低下時制御を行うときに、圧力Pの低下速度が所定範囲内に小さくなった低下抑制時には、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rを、低下抑制時が認定されたときの混合比率Rに維持するよう流量調整弁4の開度Kを制御するものである。上昇抑制時制御は、上昇時制御を行うときに、圧力Pの上昇速度が所定範囲内に小さくなった上昇抑制時には、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rを、上昇抑制時が認定されたときの混合比率Rに維持するよう流量調整弁4の開度Kを制御するものである。
【0029】
制御装置6は、流量計5による主燃料ガスF1の流量Q1に対して、流量調整弁4による副燃料ガスF2の流量Q2を調整することによって、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rを調整するよう構成されている。この構成により、制御装置6は、主配管11に供給される主燃料ガスF1の流量Q1が変動しても、この変動に応じて流量調整弁4の開度Kを微調整して、副燃料ガスF2の混合比率Rを微調整することができる。
【0030】
本形態の流量調整弁4は、副燃料ガスF2の流量Q2を直接検出するものではない。そのため、次に示す関係マップM1を用いて、副燃料ガスF2の混合比率Rの制御を行えばよい。具体的には、図3には、主燃料ガスF1の流量Q1をパラメータとした、流量調整弁4の開度Kと副燃料ガスF2の混合比率Rとの関係を模式的に示す。この関係は、関係マップM1として制御装置6に記憶させておけばよい。
【0031】
制御装置6においては、主燃料ガスF1の流量Q1が増加する方向に変動するときには、流量調整弁4の開度Kが大きくなる方向に補正されることによって、副燃料ガスF2の混合比率Rが変動しないように制御される。一方、主燃料ガスF1の流量Q1が減少する方向に変動するときには、流量調整弁4の開度Kが小さくなる方向に補正されることによって、副燃料ガスF2の混合比率Rが変動しないように制御される。
【0032】
制御装置6は、ガス混合装置1の外部からの指令に基づいて、定常制御、低下時制御又は上昇時制御を行う混合制御モードと、主燃料ガスF1への副燃料ガスF2の混合を停止する混合停止制御モードとに切り替えが可能である。ガス混合装置1の外部からの指令は、本形態においては、燃料使用機器7からの指令とする。混合制御モードにおいては、主燃料ガスF1と副燃料ガスF2との混合燃料ガスF3が生成され、混合燃料ガスF3を燃料使用機器7へ供給可能である。混合停止制御モードにおいては、主燃料ガスF1を燃料使用機器7へ供給可能である。なお、ガス混合装置1の制御装置6が上昇時制御を行わない場合には、混合制御モードは、定常制御又は低下時制御を行う制御モードとしてもよい。
【0033】
制御装置6は、タンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pの情報、流量調整弁4の開度Kの情報、及び流量計5による主燃料ガスF1の流量Q1の情報を、燃料使用機器7へ送信するよう構成してもよい。また、制御装置6は、副燃料ガスF2の混合比率Rの情報を、燃料使用機器7へ送信するよう構成してもよい。また、燃料使用機器7においては、流量調整弁4の開度Kの情報及び流量計5による主燃料ガスF1の流量Q1の情報に基づいて、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rを推定してもよい。
【0034】
(定常制御)
圧力計3によるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが許容上限値P1以上に維持される場合には、制御装置6は定常制御を行う。貯蔵タンク21からタンク2への副燃料ガスF2の供給が十分に行われるときには、タンク2内の圧力Pは許容上限値P1以上に保たれる。許容上限値P1は、タンク2における副燃料ガスF2の圧力Pが十分に高いために、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rを低下させる必要がない圧力値として設定されている。許容上限値P1は、例えば、タンク2の標準設定圧力Pの70~95%の圧力値として設定してもよい。
【0035】
定常制御における目標混合比率R0は、所定の許容変動範囲を有して設定される。この許容変動範囲は、主燃料ガスF1の流量Q1の変動及び副燃料ガスF2の流量Q2の変動を考慮して決定すればよい。
【0036】
主燃料ガスF1に都市ガスを用いるとともに副燃料ガスF2に水素を用いる場合には、副燃料ガスF2の単位体積当たりの発熱量は、主燃料ガスF1の単位体積当たりの発熱量に比べて低く、燃料使用機器7に供給される混合燃料ガスF3の発熱量を適切に確保するためには、副燃料ガスF2の混合比率Rには許容上限値が設定される。また、制御装置6においては、副燃料ガスF2の混合比率Rの許容上限値に基づいて目標混合比率R0が設定される。本形態の目標混合比率R0は、許容上限値とする。目標混合比率R0は、燃料使用機器7からの要求に応じて、許容上限値以下の範囲内で適宜変更してもよい。
【0037】
なお、例えば、主燃料ガスF1に都市ガスを用いるとともに副燃料ガスF2にプロパンを用いる場合には、副燃料ガスF2の単位体積当たりの発熱量は、主燃料ガスF1の単位体積当たりの発熱量に比べて高くなる。この場合にも、燃料使用機器7に供給される混合燃料ガスF3の発熱量を適切にするために、副燃料ガスF2の混合比率Rには許容上限値が設定される。
【0038】
(低下時制御)
低下時制御は、貯蔵タンク21における副燃料ガスF2の貯蔵量が減少し、貯蔵タンク21からタンク2への副燃料ガスF2の供給量が不足する場合に、燃料使用機器7を故障から保護するために、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rを緩やかに低下させるものである。この場合には、混合燃料ガスF3における主燃料ガスF1の混合比率Rが緩やかに上昇するようにし、燃料使用機器7に供給される混合燃料ガスF3の発熱量の急激な変化を抑制する。
【0039】
本形態の低下時制御は、圧力計3によるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが、許容上限値P1未満になった後、許容上限値P1以上に回復せず、継続して低下する場合に実行される。圧力Pが継続して低下する状態は、圧力計3による圧力Pが、許容上限値P1未満になって所定時間経過した後に、所定量以上低下していることによって認定される。本形態においては、燃料使用機器7に供給される主燃料ガスF1の流量Q1はほぼ一定に保たれる。そのため、低下時制御における設定低下率αは、副燃料ガスF2の混合比率Rが一定の速度で低下するよう、流量調整弁4の開度Kを一定の速度で小さくすることによって設定される。
【0040】
図3に示したように、定常制御において、燃料使用機器7に供給される主燃料ガスF1の流量Q1が変動する場合には、流量計5による主燃料ガスF1の流量Q1の変動に応じた補正も行って、流量調整弁4の開度Kが調整される。低下時制御においても、燃料使用機器7に供給される主燃料ガスF1の流量Q1が変動する場合には、流量計5による主燃料ガスF1の流量Q1の変動に応じた補正も行って、流量調整弁4の開度Kを小さくする速度が調整される。
【0041】
タンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが継続して低下することが認定された低下時には、低下時の流量調整弁4の開度Kが初期開度K0として認定される。そして、低下時制御においては、流量調整弁4の開度Kを、所定時間ごとに初期開度K0から所定量ずつ小さくする制御が行われる。所定時間ごとに流量調整弁4の開度Kを小さくする所定量は、混合比率Rが設定低下率αで低下するように設定される。流量調整弁4の開度Kが小さく変更されるときには、流量計5による主燃料ガスF1の流量Q1の変動に応じた補正が行われて、混合比率Rが設定低下率αで低下するための、流量調整弁4の開度Kを小さくする所定量が決定される。
【0042】
低下時制御の設定低下率αは、低下時制御において、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rを低下させるときの低下速度の許容値に基づいて設定される。混合比率Rの低下速度は、混合比率Rの単位時間当たりの低下量として示される。混合比率Rの低下速度の許容値は、燃料使用機器7における、燃料の単位体積当たりの発熱量の許容変化量等の仕様に応じて、大きくなり過ぎない範囲で適宜設定される。本形態の設定低下率αは、混合比率Rの低下速度の許容値とする。設定低下率αは、燃料使用機器7からの要求に応じて、混合比率Rの低下速度の許容値以下の範囲内で適宜変更してもよい。
【0043】
(上昇時制御)
上昇時制御は、貯蔵タンク21に副燃料ガスF2が補充され、貯蔵タンク21からタンク2への副燃料ガスF2が供給されることによって、タンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが上昇する場合に、燃料使用機器7を故障から保護するために、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rを緩やかに上昇させるものである。この場合には、混合燃料ガスF3における主燃料ガスF1の混合比率Rが緩やかに低下するようにし、燃料使用機器7に供給される混合燃料ガスF3の発熱量の急激な変化を抑制する。
【0044】
本形態の上昇時制御は、圧力計3によるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが、許容下限値P2未満になった後、許容下限値P2以上に継続して上昇する場合に実行される。圧力Pが継続して上昇する状態は、圧力計3による圧力Pが、許容下限値P2未満から許容下限値P2以上になって所定時間経過した後に、所定量以上上昇していることによって認定される。本形態においては、燃料使用機器7に供給される主燃料ガスF1の流量Q1はほぼ一定に保たれる。そのため、上昇時制御における設定上昇率βは、副燃料ガスF2の混合比率Rが一定の速度で上昇するよう、流量調整弁4の開度Kを一定の速度で大きくすることによって設定される。
【0045】
上昇時制御においても、燃料使用機器7に供給される主燃料ガスF1の流量Q1が変動する場合には、主燃料ガスF1の流量Q1の変動に応じた補正も行って、流量調整弁4の開度Kを大きくする速度が調整される。
【0046】
タンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが継続して上昇することが認定された上昇時には、上昇時の流量調整弁4の開度Kが初期開度K0として認定される。そして、上昇時制御においては、流量調整弁4の開度Kを、所定時間ごとに初期開度K0から所定量ずつ大きくする制御が行われる。所定時間ごとに流量調整弁4の開度Kを大きくする所定量は、混合比率Rが設定上昇率βで上昇するように設定される。流量調整弁4の開度Kが大きく変更されるときには、流量計5による主燃料ガスF1の流量Q1の変動に応じた補正が行われて、混合比率Rが設定上昇率βで上昇するための、流量調整弁4の開度Kを大きくする所定量が決定される。
【0047】
上昇時制御の設定上昇率βは、上昇時制御において、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rを上昇させるときの上昇速度の許容値に基づいて設定される。混合比率Rの上昇速度は、混合比率Rの単位時間当たりの上昇量として示される。混合比率Rの上昇速度の許容値は、燃料使用機器7における、燃料の単位体積当たりの発熱量の許容変化量等の仕様に応じて、大きくなり過ぎない範囲で適宜設定される。本形態の設定上昇率βは、混合比率Rの上昇速度の許容値とする。設定上昇率βは、燃料使用機器7からの要求に応じて、混合比率Rの上昇速度の許容値以下の範囲内で適宜変更してもよい。
【0048】
(混合停止制御)
混合停止制御は、圧力計3によるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが許容下限値P2未満に低下する場合に、燃料使用機器7を故障から保護するために、副燃料ガスF2の混合比率Rを速やかに低下させるものである。この場合に、副燃料ガスF2の混合比率Rが既に大きく低下しているときには、副燃料ガスF2の混合比率Rがゼロになるようにしても、燃料使用機器7における混合燃料ガスF3の供給に大きな支障はない。また、混合停止制御は、低下時制御の延長上として、圧力計3による圧力Pが許容下限値P2にあるときからゼロに低下するまで、低下時制御の場合と同じ設定低下率αで、流量調整弁4の開度Kを小さくしてもよい。
【0049】
(低下抑制時制御)
低下抑制時制御は、低下時制御を行う場合に、圧力計3によるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pの低下速度が所定範囲内に小さくなったとき、換言すれば圧力Pの低下がほぼなくなったときに実行される。このときには、制御装置6が低下抑制時を認定し、流量調整弁4の開度Kを低下抑制時が認定されたときの混合比率Rに維持する。
【0050】
(上昇抑制時制御)
上昇抑制時制御は、上昇時制御を行う場合に、圧力計3によるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pの上昇速度が所定範囲内に小さくなったとき、換言すれば圧力Pの上昇がほぼなくなったときに実行される。このときには、制御装置6が上昇抑制時を認定し、流量調整弁4の開度Kを上昇抑制時が認定されたときの混合比率Rに維持する。
【0051】
(ガス混合装置1の動作の一例)
図2には、タンク2内の副燃料ガスF2の圧力P及び副燃料ガスF2の混合比率Rの時間的変化を示す。図2のt1、t2の期間において、混合停止制御モードから混合制御モードに変更されるときには、副燃料ガスF2の混合比率Rが設定上昇率βで上昇するよう、流量調整弁4の開度Kが徐々に大きく変化する。次いで、t3の期間において、副燃料ガスF2の混合比率Rが目標混合比率R0になったときには、定常制御が行われる。
【0052】
次いで、t4の期間において、タンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが許容上限値P1未満になるときには、低下時制御が行われ、副燃料ガスF2の混合比率Rが設定低下率αで低下するよう、流量調整弁4の開度Kが徐々に小さく変化する。次いで、t5の期間において、タンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pがほとんど低下しなくなったときには、低下抑制時制御が行われ、副燃料ガスF2の混合比率Rが変化しないよう、流量調整弁4の開度Kがほとんど変化しない。
【0053】
次いで、t6の期間において、タンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが再び低下するときには、低下時制御が行われ、副燃料ガスF2の混合比率Rが設定低下率αで低下するよう、流量調整弁4の開度Kが徐々に小さく変化する。次いで、t7の期間において、タンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが上昇するときには、上昇時制御が行われ、副燃料ガスF2の混合比率Rが設定上昇率βで上昇するよう、流量調整弁4の開度Kが徐々に大きく変化する。
【0054】
次いで、t8の期間において、タンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pがほとんど上昇しなくなったときには、上昇抑制時制御が行われ、副燃料ガスF2の混合比率Rが変化しないよう、流量調整弁4の開度Kがほとんど変化しない。次いで、t9の期間において、タンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが再び上昇するときには、上昇時制御が行われ、副燃料ガスF2の混合比率Rが設定上昇率βで上昇するよう、流量調整弁4の開度Kが徐々に大きく変化する。
【0055】
次いで、t10の期間において、タンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが上限値に到達したときには、定常制御が行われ、副燃料ガスF2の混合比率Rが目標混合比率R0になるよう、流量調整弁4の開度Kが制御される。次いで、t11の期間において、混合制御モードから混合停止制御モードに変更されるときには、副燃料ガスF2の混合比率Rが設定低下率αで低下するよう、流量調整弁4の開度Kが徐々に小さく変化する。
【0056】
(制御方法)
ガス混合装置1による混合燃料ガスF3を生成する制御方法の一例について、図4図9のフローチャートを参照して説明する。以下の各ステップにおける動作は、制御装置6によって行われる。ガス混合装置1の制御を行うに当たっては、図4に示すように、メイン制御ルーチンにおいて、圧力計3によってタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが検出される(ステップS101)。次いで、タンク2内の圧力Pが許容上限値P1以上であるか否かが判定される(ステップS102)。タンク2内の圧力Pが許容上限値P1以上である場合には、定常制御が実行される(ステップS103)。
【0057】
タンク2内の圧力Pが許容上限値P1以上でない場合には、タンク2内の圧力Pが継続して低下したか否かが判定される(ステップS104)。タンク2内の圧力Pが継続して低下した場合には、低下時制御が実行される(ステップS105)。次いで、タンク2内の圧力Pが継続して低下していない場合には、タンク2内の圧力Pが許容下限値P2未満であるか否かが判定される(ステップS106)。
【0058】
タンク2内の圧力Pが許容下限値P2未満である場合には、混合停止制御が実行される(ステップS107)。次いで、タンク2内の圧力Pが許容下限値P2未満でない場合には、タンク2内の圧力Pが継続して上昇したか否かが判定される(ステップS108)。タンク2内の圧力Pが継続して上昇した場合には、上昇時制御が実行される(ステップS109)。なお、図示は省略するが、燃料使用機器7等からの指令があった場合には、ガス混合装置1の制御が停止される。
【0059】
(定常制御ルーチン)
定常制御ルーチンにおいては、図5に示すように、流量計5によって主配管11を流れる主燃料ガスF1の流量Q1が検出される(ステップS201)。次いで、主燃料ガスF1の流量Q1が関係マップM1に照合され、関係マップM1に基づいて、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rを目標混合比率R0に保つための流量調整弁4の設定開度が決定される(ステップS202)。次いで、流量調整弁4の開度Kが設定開度に操作され、副配管12を流れる副燃料ガスF2の流量Q2が設定される(ステップS203)。
【0060】
(低下時制御)
低下時制御ルーチンにおいては、図6に示すように、タンク2内の圧力Pが低下する低下時が認定される(ステップS301)。また、低下時における流量調整弁4の開度Kが初期開度K0として記憶される(ステップS302)。そして、低下時における主配管11を流れる主燃料ガスF1の流量Q1が流量計5によって検出される(ステップS303)。次いで、流量計5による主燃料ガスF1の流量Q1に応じた補正が行われて、混合比率Rが設定低下率αで低下するための、流量調整弁4の開度Kを小さくする所定量が決定され、流量調整弁4の開度Kが所定量だけ小さくなるよう操作される(ステップS304)。
【0061】
次いで、圧力計3によってタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが検出される(ステップS305)。次いで、圧力計3よるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pの低下が所定の範囲内に小さくなったか否かが判定される(ステップS306)。圧力Pの低下が所定の範囲内に小さくなった場合には、低下抑制時制御が実行される(ステップS307)。一方、圧力Pの低下が所定の範囲内に小さくなっていない場合には、圧力計3によるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが許容下限値P2未満になったか否かが判定される(ステップS308)。圧力Pが許容下限値P2未満になった場合には、低下時制御が終了し、図4の混合停止制御として、流量調整弁4の開度Kがゼロに絞られる(ステップS107)。
【0062】
圧力Pが許容下限値P2未満になっていない場合には、流量調整弁4の開度Kがゼロになったか否かが判定される(ステップS309)。流量調整弁4の開度Kがゼロになった場合には、主燃料ガスF1のみが燃料使用機器7へ供給されることになり、低下時制御が終了する。この場合は、流量調整弁4の開度Kが所定時間ごとに小さくなっていくことにより、流量調整弁4の開度Kがゼロになる場合である。
【0063】
次いで、所定時間が経過したか否かが判定される(ステップS310)。所定時間が経過したときには、主配管11を流れる主燃料ガスF1の流量Q1が流量計5によって再び検出され(ステップS303)、流量調整弁4の開度Kがさらに所定量だけ小さくなるよう操作される(ステップS304)。所定時間が経過するまでは、ステップS305~S310が繰り返し実行される。また、低下時制御が終了するまでは、ステップS303~S310が繰り返し実行される。
【0064】
(低下抑制時制御)
低下抑制時制御ルーチンにおいては、図7に示すように、圧力計3よるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pの低下が所定の範囲内に小さくなったときが低下抑制時と認定される(ステップS401)。次いで、低下抑制時における主配管11を流れる主燃料ガスF1の流量Q1が流量計5によって検出される(ステップS402)。次いで、流量計5による主燃料ガスF1の流量Q1に応じた補正が行われて、低下抑制時の混合比率Rが維持されるよう、流量調整弁4の開度Kが操作される(ステップS403)。
【0065】
次いで、圧力計3によるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが所定の範囲を超えて変動したか否かが判定される(ステップS404)。圧力Pが所定の範囲を超えて変動した場合には、低下抑制時制御が終了する。圧力Pが所定の範囲を超えて変動するまでは、ステップS402~S404が繰り返し実行される。
【0066】
(混合停止制御)
図4の混合停止制御ルーチン(ステップS107)においては、流量調整弁4の開度Kをゼロにする。これにより、燃料使用機器7には、主燃料ガスF1のみが供給され、燃料使用機器7において、主燃料ガスF1の専用燃焼運転が行われる。なお、混合停止制御ルーチンにおいては、圧力計3による圧力Pがゼロに低下するまで、低下時制御の場合と同じ設定低下率αで、流量調整弁4の開度Kを小さくしてもよい。
【0067】
(上昇時制御)
上昇時制御ルーチンにおいては、図8に示すように、タンク2内の圧力Pが上昇する上昇時が認定される(ステップS501)。また、上昇時における流量調整弁4の開度Kが初期開度K0として記憶される(ステップS502)。そして、上昇時における主配管11を流れる主燃料ガスF1の流量Q1が流量計5によって検出される(ステップS503)。次いで、流量計5による主燃料ガスF1の流量Q1に応じた補正が行われて、混合比率Rが設定上昇率βで上昇するための、流量調整弁4の開度Kを大きくする所定量が決定され、流量調整弁4の開度Kが所定量だけ大きくなるよう操作される(ステップS504)。
【0068】
次いで、圧力計3によってタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが検出される(ステップS505)。次いで、圧力計3よるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pの上昇が所定の範囲内に小さくなったか否かが判定される(ステップS506)。圧力Pの上昇が所定の範囲内に小さくなった場合には、上昇抑制時制御が実行される(ステップS507)。一方、圧力Pの上昇が所定の範囲内に小さくなっていない場合には、圧力計3によるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが許容上限値P1以上になったか否かが判定される(ステップS508)。圧力Pが許容上限値P1以上になった場合には、上昇時制御が終了し、図4の定常制御が実行される(ステップS103)。
【0069】
圧力Pが許容上限値P1以上になっていない場合には、流量調整弁4の開度Kが、定常制御を行う場合の目標混合比率R0を実現するための設定開度になったか否かが判定される(ステップS509)。流量調整弁4の開度Kが設定開度になった場合には、目標混合比率R0の主燃料ガスF1及び副燃料ガスF2が燃料使用機器7へ供給されることになり、上昇時制御が終了する。この場合は、図4の定常制御(ステップS103)が実行されることになる。
【0070】
次いで、所定時間が経過したか否かが判定される(ステップS510)。所定時間が経過したときには、主配管11を流れる主燃料ガスF1の流量Q1が流量計5によって再び検出され(ステップS503)、流量調整弁4の開度Kがさらに所定量だけ大きくなるよう操作される(ステップS504)。所定時間が経過するまでは、ステップS505~S510が繰り返し実行される。また、上昇時制御が終了するまでは、ステップS503~S510が繰り返し実行される。
【0071】
(上昇抑制時制御)
上昇抑制時制御ルーチンにおいては、図9に示すように、圧力計3よるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pの上昇が所定の範囲内に小さくなったときが上昇抑制時と認定される(ステップS601)。次いで、上昇抑制時における主配管11を流れる主燃料ガスF1の流量Q1が流量計5によって検出される(ステップS602)。次いで、流量計5による主燃料ガスF1の流量Q1に応じた補正が行われて、上昇抑制時の混合比率Rが維持されるよう、流量調整弁4の開度Kが操作される(ステップS603)。
【0072】
次いで、圧力計3によるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが所定の範囲を超えて変動したか否かが判定される(ステップS604)。圧力Pが所定の範囲を超えて変動した場合には、上昇抑制時制御が終了する。圧力Pが所定の範囲を超えて変動するまでは、ステップS602~S604が繰り返し実行される。
【0073】
(作用効果)
本形態のガス混合装置1の制御装置6は、圧力計3によって検出される、副燃料ガスF2を貯留するタンク2内の圧力Pの状態に応じて、流量調整弁4によって主燃料ガスF1に混合する副燃料ガスF2の流量Q2を調整する。具体的には、制御装置6は、目標混合比率R0で生成する混合燃料ガスF3を燃料使用機器7に供給する定常制御、及び主燃料ガスF1のみを燃料使用機器7に供給する混合停止制御の他に、所定の設定低下率αで副燃料ガスF2の混合比率Rを低下させる低下時制御、又は所定の設定上昇率βで副燃料ガスF2の混合比率Rを上昇させる上昇時制御を実行する。
【0074】
制御装置6が低下時制御を行うことにより、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rが設定低下率αで低下する。この低下時制御により、副燃料ガスF2のタンク2内の圧力Pが、許容上限値P1未満になるとともに継続して低下する場合には、タンク2における副燃料ガスF2の貯留量が少なくなっていく状態に応じて、副燃料ガスF2の混合比率Rを設定低下率αで低下させることができる。これにより、タンク2における副燃料ガスF2の貯留量が少なくなっていく状態において、副燃料ガスF2の混合比率Rの急激な低下を防止することができる。
【0075】
制御装置6が上昇時制御を行うことにより、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rが設定上昇率βで上昇する。この上昇時制御により、副燃料ガスF2のタンク2内の圧力Pが、許容下限値P2未満に低い状態から許容下限値P2以上に継続して上昇する場合には、タンク2における副燃料ガスF2の貯留量が多くなっていく状態に応じて、副燃料ガスF2の混合比率Rを設定上昇率βで上昇させることができる。これにより、タンク2における副燃料ガスF2の貯留量が多くなっていく状態において、副燃料ガスF2の混合比率Rの急激な上昇を防止することができる。
【0076】
また、ガス混合装置1は、主燃料ガスF1に対して副燃料ガスF2を目標混合比率R0で混合させた混合燃料ガスF3を単独で生成するよう構成されている。そして、ガス混合装置1は、燃料使用機器7から独立して、目標混合比率R0の混合燃料ガスF3を生成し、混合燃料ガスF3の混合比率Rを変更することができる。これにより、ガス混合装置1は、種々の燃料使用機器7に対して適用することができる。
【0077】
それ故、本形態のガス混合装置1によれば、副燃料ガスF2の混合比率Rの急激な変化を防止するとともに、燃料使用機器7から独立して、目標混合比率R0の混合燃料ガスF3を生成し、混合燃料ガスF3の混合比率Rを変更することができる。
【0078】
<実施形態2>
本形態においては、ガス混合装置1の制御装置6が、定常制御の他に、低下時制御、上昇時制御、低下抑制時制御、上昇抑制時制御の代わりに、比例制御を行う場合について示す。比例制御は、圧力計3によるタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが許容上限値P1未満であるとともに許容下限値P2以上である場合には、圧力Pが高いほど主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rを大きくするとともに、主燃料ガスF1に対する副燃料ガスF2の混合比率Rが設定変化率γで変化するよう流量調整弁4の開度Kを制御するものである。
【0079】
比例制御においては、タンク2内の圧力Pが許容上限値P1とほぼ同じであるときに、副燃料ガスF2の混合比率Rが目標混合比率R0になるよう、流量調整弁4の開度Kが調整される。そして、タンク2内の圧力Pが許容上限値P1から低くなるに連れて、流量調整弁4の開度Kが、目標混合比率R0の場合に比べて小さくなるよう決定される。流量調整弁4の開度Kは、実施形態1と同様に、流量計5による主燃料ガスF1の流量Q1の変動を加味して補正される。
【0080】
比例制御における流量調整弁4の開度Kの変化は、副燃料ガスF2の混合比率Rが所定の設定変化率γで変化するように制御される。設定変化率γは、流量調整弁4の開度Kを一定の速度で変化させること、換言すれば、単位時間当たりの流量調整弁4の開度Kの変化量を一定にすることによって設定される。本形態の設定変化率γは、燃料使用機器7において許容される、混合比率Rの変化速度の許容値とする。
【0081】
図10に示すように、比例制御においては、圧力Pと副燃料ガスの混合比率Rとの関係を示す関係マップM2が用いられる。関係マップM2は、制御装置6内に記憶されている。比例制御における流量調整弁4の開度Kは、関係マップM2に圧力Pが照合され、圧力Pに応じた副燃料ガスの混合比率Rが読み取られることによって決定される。圧力Pが高くなるほど、流量調整弁4の開度Kを大きくして、副燃料ガスF2の混合比率Rが大きくなるよう流量調整弁4の開度Kが変更される。
【0082】
タンク2内の圧力Pが許容上限値P1以上である場合には、実施形態1と同様に、定常制御が行われる。また、タンク2内の圧力Pが許容下限値P2未満である場合には、実施形態1と同様に、混合停止制御を行えばよい。
【0083】
(制御方法)
ガス混合装置1による混合燃料ガスF3を生成する制御方法の一例について、図11及び図12のフローチャートを参照して説明する。以下の各ステップにおける動作は、制御装置6によって行われる。ガス混合装置1の制御を行うに当たっては、図11に示すように、圧力計3によってタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが検出される(ステップS701)。次いで、タンク2内の圧力Pが許容上限値P1以上であるか否かが判定される(ステップS702)。タンク2内の圧力Pが許容上限値P1以上である場合には、定常制御が実行される(ステップS703)。
【0084】
タンク2内の圧力Pが許容上限値P1以上でない場合には、タンク2内の圧力Pが許容下限値P2未満であるか否かが判定される(ステップS704)。タンク2内の圧力Pが許容下限値P2未満である場合には、混合停止制御が実行される(ステップS705)。一方、タンク2内の圧力Pが許容下限値P2未満でない場合には、比例制御が実行される(ステップS706)。なお、図示は省略するが、燃料使用機器7等からの指令があった場合には、ガス混合装置1の制御が停止される。
【0085】
(比例制御)
比例制御ルーチンにおいては、図12に示すように、まず、流量計5によって主配管11を流れる主燃料ガスF1の流量Q1が検出される(ステップS801)。また、圧力計3によってタンク2内の副燃料ガスF2の圧力Pが検出される(ステップS802)。次いで、圧力Pが関係マップM2に照合され、圧力Pに応じた副燃料ガスの混合比率Rが読み取られ、主燃料ガスF1の流量Q1の変動に応じた補正を行って、この混合比率Rを実現するための流量調整弁4の開度Kが決定される(ステップS803)。次いで、流量調整弁4の開度Kが、所定の設定変化率γで変更操作され、副配管12を流れる副燃料ガスF2の流量Q2が設定される(ステップS804)。
【0086】
本形態においては、比例制御により、副燃料ガスF2のタンク2内の圧力Pが、許容上限値P1未満であるとともに許容下限値P2以上である場合には、タンク2における副燃料ガスF2の貯留量の増減に応じて、副燃料ガスF2の混合比率Rを設定変化率γで変化させることができる。これにより、タンク2における副燃料ガスF2の貯留量が増減する状態において、副燃料ガスF2の混合比率Rを、急激に変化させることなく、適切な速度で変化させることができる。
【0087】
本形態のガス混合装置1における、その他の構成、作用効果等については、実施形態1の構成、作用効果等と同様である。また、本形態においても、実施形態1に示した符号と同一の符号が示す構成要素は、実施形態1の構成要素と同様である。
【0088】
<他の実施形態>
ガス混合装置1は、燃料混焼機器として構成された燃料使用機器7の燃料供給配管に接続し、燃料使用機器7と一体化されたガス混合燃焼システムを構成していてもよい。
【0089】
また、主配管11を流れる主燃料ガスF1の流量がほとんど変動しない場合には、流量計5は使用しないことも可能である。また、タンク2は使用せず、貯蔵タンク21をタンク2として使用し、圧力計3は、貯蔵タンク21の圧力を検出してもよい。
【0090】
また、水素の貯蔵タンク21の代わりに、又は貯蔵タンク21と併用して、水電解、化石燃料の改質等によって水素を製造するオンサイト水素製造装置を用いてもよい。この場合には、オンサイト水素製造装置に不具合が生じること、メンテナンスが必要になること等がある。特に、水電解を行う場合には、天候等により水素の製造ができないこともある。これらの事態においては、ガス混合装置1への水素の供給ができなくなることが想定される。これらの事態においては、ガス混合装置1から燃料使用機器7へは、主燃料ガスF1としての都市ガスのみを供給することになる。なお、オンサイト水素製造装置を用いる場合には、圧力計3が設けられた、タンク2又は貯蔵タンク21を用いる。
【0091】
本発明は、各実施形態のみに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲においてさらに異なる実施形態を構成することが可能である。また、本発明は、様々な変形例、均等範囲内の変形例等を含む。
【符号の説明】
【0092】
1 ガス混合装置
11 主配管
12 副配管
13 ミキサ
14 逆火防止機構
15 減圧弁
2 タンク
21 貯蔵タンク
3 圧力計
4 流量調整弁
5 流量計
6 制御装置
7 燃料使用機器
F1 主燃料ガス
F2 副燃料ガス
F3 混合燃料ガス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12