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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】照射のための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20240329BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
A61L2/10
A61L9/20
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022096738
(22)【出願日】2022-06-15
(62)【分割の表示】P 2020506342の分割
【原出願日】2018-08-10
(65)【公開番号】P2022120154
(43)【公開日】2022-08-17
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】62/544,214
(32)【優先日】2017-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520038585
【氏名又は名称】アクイセンス テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100094640
【弁理士】
【氏名又は名称】紺野 昭男
(74)【代理人】
【識別番号】100103447
【弁理士】
【氏名又は名称】井波 実
(74)【代理人】
【識別番号】100111730
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 武泰
(74)【代理人】
【識別番号】100180873
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 慶政
(72)【発明者】
【氏名】ペイガン、ジェニファー ゴッドウィン
(72)【発明者】
【氏名】ピュー、スティーブン フランクリン
(72)【発明者】
【氏名】クラウセ、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ラワル、オリバー
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ、リチャード マーク
【審査官】森 健一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0156378(US,A1)
【文献】特開2014-161767(JP,A)
【文献】特開2014-233646(JP,A)
【文献】特開2016-203095(JP,A)
【文献】国際公開第2014/068913(WO,A1)
【文献】特開2009-077707(JP,A)
【文献】特開2017-051887(JP,A)
【文献】特開2015-174026(JP,A)
【文献】特開2014-083470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 2/10
A61L 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照射対象の物質を含有する流体のための照射チャンバと、
前記照射チャンバに結合され、前記照射チャンバ内の流体流を照射するUV放射源と、
冷却チャンバと、
前記UV放射源および前記冷却チャンバ内の流体流に熱結合される熱交換機構と、を備える照射装置であって、
前記照射チャンバは、前記照射チャンバに流入する又は前記照射チャンバから流出する流体流のための第1のポートを有し、
前記冷却チャンバは、前記冷却チャンバに流入する又は前記冷却チャンバから流出する流体流のための第2のポートを有し、
前記照射チャンバと前記冷却チャンバとを連通する第3のポートを有し、
前記冷却チャンバの内部表面の少なくとも一部分は、前記照射チャンバの外部表面の少なくとも一部分を含み、
前記照射チャンバと前記冷却チャンバは壁を共有し、当該壁は、前記冷却チャンバの内部表面の少なくとも一部分であり、かつ前記照射チャンバの外部表面の少なくとも一部分でもある当該一部分を含み、
前記第1のポートは前記照射装置の一方の端部である一端部に設けられ、前記第2のポートは前記照射装置の前記一端部とは反対側である他端部に設けられ、かつ、前記第1のポートにおける流体流の方向と、前記第2のポートにおける流体流の方向が同じであり、
前記第1のポートの照射チャンバとの結合部及び前記第3のポートは前記照射チャンバの一方の端部に並んで設けられ、前記UV放射源は、前記照射チャンバの一方の端部とは反対側の端部に設けられ、
前記第1のポート及び前記第2のポートにおける流体流の方向が、前記第3のポートにおける流体流の方向と逆である、照射装置。
【請求項2】
流体流は、前記第2のポートを入口として前記冷却チャンバに流入し、前記第3のポートを介して前記照射チャンバに流入し、前記第1のポートを出口として流出され、
前記第2のポートを入口として前記冷却チャンバに流入する流体流の方向が、前記第3のポートを出口として前記冷却チャンバから流出する流体流の方向と逆であり、かつ
前記第3のポートを入口として前記照射チャンバに流入する流体流の方向が、前記第1のポートを出口として前記照射チャンバから流出する流体流の方向と逆である、請求項1に記載の照射装置。
【請求項3】
流体流は、前記第1のポートを入口として前記照射チャンバに流入し、前記第3のポートを介して前記冷却チャンバに流入し、前記第2のポートを出口として流出され、
前記第1のポートを入口として前記照射チャンバに流入する流体流の方向が、前記第3のポートを出口として前記照射チャンバから流出する流体流の方向と逆であり、かつ
前記第3のポートを入口として前記冷却チャンバに流入する流体流の方向が、前記第2のポートを出口として前記冷却チャンバから流出する流体流の方向と逆である、請求項1に記載の照射装置。
【請求項4】
前記壁は、前記UV放射源からのUV照射を反射させる、請求項1~3のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項5】
前記熱交換機構が、熱電冷却デバイス、蒸気チャンバ、ヒートシンク、放熱構造、ファン、熱転写材料、流体に熱結合される材料、および冷却コーティングのうちの1つまたは複数を備える、請求項1~のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項6】
前記UV放射源に隣接して配置された防湿乾燥剤をさらに備える、請求項1~のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項7】
記UV放射源が、1つまたは複数のUV-C放射源、あるいはそれらの組み合わせを備える、請求項1~のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項8】
記UV放射源が、アレイに配列された複数の放射源を備える、請求項1~のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項9】
記UV放射源の1つまたは複数の波長が、動的に調整可能である、請求項1~のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項10】
記UV放射源の1つまたは複数の波長が、前記照射対象の物質中の汚染物質の同定に基づいて選択される、請求項1~のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項11】
記UV放射源が、前記照射対象の物質に、波長の組み合わせを送達する、請求項1~10のいずれか一項に記載の照射装置。
【請求項12】
照射チャンバ内に配置された照射対象の物質を含有する流体の照射方法であって、前記照射方法が、
(1)照射装置を用意する工程であって、前記照射装置が、
照射対象の物質を含有する流体のための照射チャンバと、
前記照射チャンバに結合され、前記照射チャンバ内の流体流を照射するUV放射源と、
冷却チャンバと、
前記UV放射源および前記冷却チャンバ内の流体流に熱結合される熱交換機構と、を備え、
前記照射チャンバは、前記照射チャンバに流入する又は前記照射チャンバから流出する流体流のための第1のポートを有し、
前記冷却チャンバは、前記冷却チャンバに流入する又は前記冷却チャンバから流出する流体流のための第2のポートを有し、
前記照射チャンバと前記冷却チャンバとを連通する第3のポートを有し、
前記冷却チャンバの内部表面の少なくとも一部分は、前記照射チャンバの外部表面の少なくとも一部分を含み、
前記照射チャンバと前記冷却チャンバは壁を共有し、当該壁は、前記冷却チャンバの内部表面の少なくとも一部分であり、かつ前記照射チャンバの外部表面の少なくとも一部分でもある当該一部分を含み、
前記第1のポートは前記照射装置の一方の端部である一端部に設けられ、前記第2のポートは前記照射装置の前記一端部とは反対側である他端部に設けられ、かつ、前記第1のポートにおける流体流の方向と、前記第2のポートにおける流体流の方向が同じであり、
前記第1のポートの照射チャンバとの結合部及び前記第3のポートは前記照射チャンバの一方の端部に並んで設けられ、前記UV放射源は、前記照射チャンバの一方の端部とは反対側の端部に設けられ、
前記第1のポート及び前記第2のポートにおける流体流の方向が、前記第3のポートにおける流体流の方向と逆である、工程と、
(2)前記照射装置を使用して、前記照射対象の物質を含有する流体を照射する工程と
を含む、流体の照射方法。
【請求項13】
流体流は、前記第2のポートを入口として前記冷却チャンバに流入し、前記第3のポートを介して前記照射チャンバに流入し、前記第1のポートを出口として流出され、
前記第2のポートを入口として前記冷却チャンバに流入する流体流の方向が、前記第3のポートを出口として前記冷却チャンバから流出する流体流の方向と逆であり、かつ
前記第3のポートを入口として前記照射チャンバに流入する流体流の方向が、前記第1のポートを出口として前記照射チャンバから流出する流体流の方向と逆である、請求項12に記載の照射方法。
【請求項14】
流体流は、前記第1のポートを入口として前記照射チャンバに流入し、前記第3のポートを介して前記冷却チャンバに流入し、前記第2のポートを出口として流出され、
前記第1のポートを入口として前記照射チャンバに流入する流体流の方向が、前記第3のポートを出口として前記照射チャンバから流出する流体流の方向と逆であり、かつ
前記第3のポートを入口として前記冷却チャンバに流入する流体流の方向が、前記第2のポートを出口として前記冷却チャンバから流出する流体流の方向と逆である、請求項12に記載の照射方法。
【請求項15】
前記壁は、前記UV放射源からのUV照射を反射させる、請求項1214のいずれか一項に記載の照射方法。
【請求項16】
前記熱交換機構が、熱電冷却デバイス、蒸気チャンバ、ヒートシンク、放熱構造、ファン、熱転写材料、流体に熱結合される材料、および冷却コーティングのうちの1つまたは複数を備える、請求項1215のいずれか一項に記載の照射方法。
【請求項17】
前記UV放射源に隣接して配置された防湿乾燥剤を用意することをさらに含む、請求項1216のいずれか一項に記載の照射方法。
【請求項18】
記UV放射源が、1つまたは複数のUV-C放射源、あるいはそれらの組み合わせを備える、請求項1217のいずれか一項に記載の照射方法。
【請求項19】
記UV放射源が、アレイに配列された複数の放射源を備える、請求項1218のいずれか一項に記載の照射方法。
【請求項20】
記UV放射源の1つまたは複数の波長は、動的に調整可能である、請求項1219のいずれか一項に記載の照射方法。
【請求項21】
記UV放射源の1つまたは複数の波長は、前記照射対象の物質中の汚染物質の同定に基づいて選択される、請求項1220のいずれか一項に記載の照射方法。
【請求項22】
記UV放射源が、前記照射対象の物質に、波長の組み合わせを送達する、請求項1221のいずれか一項に記載の照射方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般化すれば、照射による流体の消毒のためのシステム、装置、および方法に関する。具体的には、本発明は、照射対象の物質を含有する流体の消毒のための装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体および気体を含む流体の消毒のため紫外線(UV)照射を使用することはよく知られている。流体中の微生物汚染物質を不活化するために紫外線放射を用いるプロセスは、紫外線殺菌照射(Ultraviolet Germicidal Irradiation:UVGI)と呼ばれている。また、紫外線放射は、流体中の有機物質および無機物質の酸化(促進酸化処理(Advance Oxidation Process:AOP)と呼ばれる)にも使用されており、現在、多くの市販のAOPシステムが使用されている。UVGI法およびAOP法を採用するシステムは、予測可能な方法によりUV放射を流体に透過することに依拠している。UVGIシステムの線量(単位:J/cm)は単純に、UV照射(単位:W/cm)と暴露時間(単位:秒)との積として記述することができる。
【0003】
AOPにもUVGIにもUV源が必要である。実用的な目的には、UV源の出力照射は維持され、UV源の使用寿命にわたって予測可能に減衰すべきである。これにより、UV源の交換サイクル並びにシステムの全体的な性能について予測することが可能になる。UV消毒システムは、典型的には、換算等価紫外線照射量(Reduction Equivalent Dose:RED)、ランプ寿命(End of Lamp Life:EOLL)、流体の紫外線透過率(Ultraviolet Transmittance:UVT)、およびファウリング(ランプ窓および反応器)を含む、様々な因子を使用して、特定の性能レベルについて指定される。
【0004】
いくつかのNSF規制およびEPA規制は、予測されるEOLL光出力パワーで動作しているUV源を用いてUV消毒システムを試験することを求めている。UV消毒システムの性能仕様を予測された期間にわたって順守するために、UV源は、予測可能に減衰しなければならない。また、EOLLを長くすることには商業的な利点があり、システム寿命および/またはUV源の交換間隔を延ばすことにつながる。
【0005】
多くのタイプのUV源がある。従来は、低圧水銀蒸気ランプ、中圧水銀蒸気ランプ、およびアマルガムランプが消毒用途のUV源として使用されてきた。他のUV源としては、重水素ランプ、発光ダイオード(LED)、レーザ、マイクロプラズマ源、固体電界効果蛍光体デバイスが挙げられる。マイクロプラズマランプは、大型の放電ランプと同じ原理で動作するが、小さな局所的なUV射出ポケットを生成する平面電極を有する。LEDなどの固体光源は、半導体ヘテロ構造のアノードとカソードに電荷注入を適用するアクティブ層における電荷再結合によって、半導体物質中に光を生成する。これらの全UV源の最適な動作温度(UV出力光束および/または寿命が最大になる)は異なる。ほとんどの放電ランプは、水銀蒸気圧がより低いことを理由に、周囲条件が極めて低温であると動作することが困難である。逆に、固体光源の出力は、より低い周囲温度で最大になる。たとえば、低圧水銀ランプの出力パワーは周囲温度40℃でピークになり得るが、265nmのLEDの光出力パワーは、周囲温度と線形関係を示す。LED曲線の傾きはデバイス設計によって変動し得るが、この傾向は、周囲温度がより低いときにより大きな光出力パワーが見られることと同じである。
【0006】
多くのLED製造業者は、最大ジャンクション温度を指定し、この温度を超えてはならない。LEDのジャンクション温度は、LEDのn型半導体層とp型半導体層との間に挟まれたアクティブ層の温度である。最大定格ジャンクション温度を超えると、その結果、LEDの寿命または他の特性が低下することがある。簡略化されたモデルでは、LEDを一連の熱抵抗として表すことができる。たとえば、UV LEDパッケージは、回路基板に実装された表面実装デバイス(SMD)であってもよく、それ自体がヒートシンクまたは他の冷却デバイスに実装されている。ヒートシンクは、パッシブヒートシンク、ペルチェ素子、アクティブエアフロー、ヒートパイプなど、任意の熱交換器又は冷却方法であり得る。LEDは、プリント回路基板(printed circuit board:PCB)、金属コアプリント回路基板(metal core circuit board:MCPCB)、チップオンボード(chip on board:COB)など、様々な電気および熱伝導回路基板に実装され得る。LED自体のジャンクションから周囲環境への各接続点は、それに関連付けられた温度を有している。これらの温度は、LEDのジャンクション温度、回路基板のLEDパッケージ間の温度、回路基板とヒートシンクとの間の温度、および周囲温度を含む。各接続点について、RJSが、パッケージ化された表面実装LEDの熱抵抗であり、RSBが、回路基板の熱抵抗であり、RBAが、ヒートシンクまたは冷却方法の熱抵抗であるように、熱抵抗をモデル化することができる。LEDのジャンクション温度は、(周囲温度)+((各熱抵抗)×(デバイス内の熱に対して損失したパワー)の合計)としてモデル化することができる。この関係は、式1に示される。
【数1】
【0007】
LEDは、UV射出のほとんどを行う側ではなく、電気接続されたチップの側を通じて熱が除去されるという点で、多くのUV源の中でも独特のものである。これは、アーク放電管としても機能する石英スリーブを介した発光と同じ方向において優勢に放熱する水銀蒸気ランプとは対照的である。LEDは、半導体のアクティブ層から直接発光するので、石英窓を必要とせず、光は、半導体の後続層を透過して、周囲に放出される。しかしながら、LEDは、静電気放電、湿気、および酸素または窒素のような周囲の気体に敏感であることがあり、これらは、LEDの電気接点および半導体の性能を劣化させることがある。このため、たいてい、LEDのSMDパッケージには、石英窓が配置されている。LEDが窓によって流体から保護されるUVGIシステムでは、上記の環境の影響を緩和できる場合に、SMDの窓は不要になる。1つまたは複数のLEDを含んでいる基板上の単一の窓は、消毒システムのための圧力容器の一部分として窓が機能して、流体からLEDを分離することができるように、LEDが基板と窓の間に封止されている場合に、流体消毒システムの光学窓として使用することができる。このことを達成するために、エポキシまたはシリコンのようなポッティング化合物を基板と窓の間で使用することができる。ポッティングは、LEDと窓の間の空間にいかなる隙間にも望ましくない湿気又は気体がないことを保証するために、低相対湿度環境で行われてもよく、あるいは、乾燥空気または不活性ガスでパージしてもよい。また、これは、2つではなく1つの石英窓に光を通すので、LEDの出力パワーも増大させる。このタイプの単一の窓ランプパッケージへの追加の利点は、LEDが、窓に多量の熱を伝達する水銀蒸気源とは対照的に、窓にほとんど熱を与えないことである。窓の温度の低下は、窓のファウリングの減少と相関する。窓のファウリングは、窓の全体的なUV透過率を低下させ、それにより、UVGIシステムおよびAOPシステムの性能を低下させる。したがって、UV源を利用する堅牢な製品設計は、熱転写を考慮することにより、動作中のUV源の温度に関与する。かかる方法によって、UV源の寿命および出力パワーをより良好に制御することができる。さらに、UV源を2次パッケージに組み付ける方法を使用して、UV源の出力パワーおよび寿命を向上させることができる。
【0008】
UV源はUVGIシステム内の重要な構成要素であるが、システム効率全体における1つの構成要素にすぎない。システム効率は、反応器効率とUV源効率との積で表すことができる。UVGIシステムの設計では、UV照射への流体の暴露時間(「滞留時間」と呼ばれることもある)を最大にし、それによって、流体が認識する線量を最大にすることが実践的に優れている。反応器効率とは、滞留時間効率と光学効率との組み合わせである。反応器の光学効率は、反応器が、流体中の微生物汚染物質が光子を吸収する可能性を高めるためにどのくらい効率的にUV源からの光子を使用するかの測度である。この可能性を高める1つの方法は、UV源からの光子が、反応器内部を最初に通過する際に吸収されなかった場合に反射し得るように、反応器内で反射材料を使用することである。流体中に吸収材がほとんどなく、反応器内の材料の反射率が高い場合、光子は、反応器内部で複数回反射され得る。
【0009】
参照することにより本明細書の開示の一部とされる、US2012/0318749A1、同2014/0161664A1、および同2014/0240695A1は、明細書中に、照射による流体の消毒に有用な様々な装置、材料、および方法を開示する。しかしながら、当技術において、コンパクトな設置面積を完全に維持しつつ、良好なシステム効率を提供し、適切な熱管理を組み込んでおり、様々なハウジングまたはフローセルと共に使用できる、照射用装置および照射方法の改良が依然として必要である。
【発明の概要】
【0010】
一つの実施形態によれば、本発明は、照射装置であって、照射対象の物質を含有する流体のための少なくとも1つの照射チャンバであって、当該照射チャンバは、照射チャンバに流入する流体流のための少なくとも1つの入口ポート、および照射チャンバから流出する流体流のための少なくとも1つの出口ポートを有する、照射チャンバと、少なくとも1つの冷却チャンバであって、冷却チャンバは、冷却チャンバに流入する流体流のための少なくとも1つの入口ポート、および冷却チャンバから流出する流体流のための少なくとも1つの出口ポートを有する、冷却チャンバと、少なくとも1つの照射チャンバに結合された1つまたは複数のUV放射源と、1つまたは複数の放射源および少なくとも1つの冷却チャンバに熱結合された少なくとも1つの熱交換機構とを備え、少なくとも1つの冷却チャンバの内部表面の少なくとも一部分は、少なくとも1つの照射チャンバの外部表面の少なくとも一部分を含み、少なくとも1つの冷却チャンバは、少なくとも1つの照射チャンバと流体連通している、照射装置に関する。
【0011】
別の実施形態によれば、本発明は、照射チャンバ内に配置された照射対象の物質を含有している流体の照射方法であって、照射方法は、(1)照射装置を用意する工程であって、照射装置は、照射対象の物質を含有する流体のための少なくとも1つの照射チャンバであって、前記照射チャンバは、照射チャンバに流入する流体流のための少なくとも1つの入口ポート、および照射チャンバから流出する流体流のための少なくとも1つの出口ポートを有する、照射チャンバと、少なくとも1つの冷却チャンバであって、冷却チャンバは、冷却チャンバに流入する流体流のための少なくとも1つの入口ポート、および冷却チャンバから流出する流体流のための少なくとも1つの出口ポートを有する、冷却チャンバと、少なくとも1つの照射チャンバに結合された1つまたは複数のUV放射源と、1つまたは複数の放射源および少なくとも1つの冷却チャンバに熱結合された少なくとも1つの熱交換機構と、を備え、少なくとも1つの冷却チャンバの内部表面の少なくとも一部分は、少なくとも1つの照射チャンバの外部表面の少なくとも一部分を含み、少なくとも1つの冷却チャンバは、少なくとも1つの照射チャンバと流体連通している、照射装置を用意する工程と、(2)前記照射装置を使用して、照射対象の物質を含有している流体を照射する工程とを含む、流体の照射方法に関する。
【0012】
別の実施形態によれば、本発明は、照射装置及び方法であって、照射対象の物質を含有する流体のための少なくとも1つの照射チャンバであって、前記照射チャンバは、照射チャンバに流入する流体流のための少なくとも1つの入口ポート、および照射チャンバから流出する流体流のための少なくとも1つの出口ポートを有する、照射チャンバと、少なくとも1つの冷却チャンバであって、冷却チャンバは、冷却チャンバに流入する流体流のための少なくとも1つの入口ポート、および冷却チャンバから流出する流体流のための少なくとも1つの出口ポートを有する、冷却チャンバと、少なくとも1つの照射チャンバに結合された1つまたは複数のUV放射源と、1つまたは複数の放射源および少なくとも1つの冷却チャンバに熱結合された少なくとも1つの熱交換機構と、を備える、照射装置及び方法に関する。
【0013】
本発明は、同様の参照番号が同様の装置構成要素を適宜示している様々な図面を参照して本明細書に例示および記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の照射装置の1つの例示的実施形態を示す平面側面図である。
図2】線2-2に沿った、図1の装置の断面図である。
図3】本発明の別の装置を示す平面側面図である。
図4】線4-4に沿った、図3の装置の断面図である。
図5】本発明の別の装置の一部分を示す平面側面図である。
図6】線6-6に沿った、図5の装置の一部分の断面図である。
図7】本発明の別の装置を示す平面側面図である。
図8】線8-8に沿った、図7の装置の断面図である。
図9】本発明の別の装置を示す平面側面図である。
図10】線10-10に沿った、図9の装置の断面図である。
図11】本発明の別の装置を示す平面側面図である。
図12】線12-12に沿った、図11の装置の断面図である。
図13】本発明の別の装置を示す平面側面図である。
図14】線14-14に沿った、図13の装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、2次反応器チャンバを利用してUV源を冷却し、一つの実施形態によれば、システム内部における照射対象の物質を含有している流体の暴露時間も延ばす、改良されたUV照射装置、消毒システムおよび方法を提供する。UV源は、UV放射を原則的に反射し、最小限のUV放射を透過させる材料で内部表面が通常作製されている1次反応器チャンバを直接照射する。一つの実施形態によれば、2次反応器の内部表面の少なくとも一部分は、1次反応器チャンバの外部表面の少なくとも一部分を含む。したがって、2次反応器チャンバは、1次反応器の材料を透過するUV放射の一部を受ける。一つの実施形態によれば、2次冷却チャンバは、1次照射チャンバと流体連通している。UV源の冷却は、UV源および2次冷却チャンバ内の流体に熱結合される少なくとも1つの熱交換機構によって達成される。
【0016】
別の実施形態によれば、UV照射装置、消毒システム、および方法は、1つまたは複数の放射源からの放射の一部分が、照射チャンバから、1つまたは複数の2次チャンバ(冷却チャンバまたは出口導管を含むが、これらには限定されない)へと透過され、それによって、1つまたは複数の2次チャンバの表面に配置された放射が、微生物学的汚染の伝播を抑制する消毒効果を提供するように設計される。照射装置の表面への微生物の付着(以下「バイオフィルム」形成と呼ぶ)により、かかる汚染物質が上記表面を流れている流体に移る可能性があることに起因して、健康へのリスクが高まることがある。UV照射のプロセスは、処理された流体には残留殺生物成分を与えないので、消毒システム内におけるバイオフィルムを抑制することが望ましい。照射装置および消毒システムのファウリングは、装置およびシステムの下流領域(主要な照射チャンバよりも後のプロセスチェーンである「最終段階」を含むがそれに限定されない)において最も重度に回避される。一つの実施形態によれば、UV源により射出される放射のわずかな部分が、処理装置およびシステムの照射面に方向転換され得る。反応器の流体接触面は静止しているので、任意のセグメントの照射期間は、UV源の総照射期間と等しい。したがって、バイオフィルムの抑制を実現するために必要な照射は、反応器チャンバを通過する流体に対するものなど、一時的な照射に必要な量よりもはるかに少ない。低い照射と比較的低いUVパワーを必要とすることにより、反応器の流体消毒性能に著しい影響を与えることなく、バイオフィルムを抑制するために、放射源から射出されるパワーのごく一部を除去することができる。したがって、1つまたは複数の放射源からの放射の一部分を1つまたは複数の2次チャンバの表面へと透過して、その上でのバイオフィルム形成を抑制することができる。
【0017】
本発明の一つの実施形態によれば、装置は2つの3次元チャンバを有し、各々が、チャンバに出入りする流体の流れのための少なくとも1つの入口ポートと少なくとも1つの出口ポートとを有している。UV放射源は、チャンバのうちの一方、照射チャンバの内部に放射を提供する。放射源は、他方のチャンバ、冷却チャンバへの熱接続を有している。この熱接続は、UV源に接続された熱交換機構の背面および/または前面と冷却チャンバ内の流体との間にある。2つのチャンバは流体接続しており、チャンバのうちの一方の入口が、他方のチャンバの出口となる。照射チャンバは、典型的には、UV源からのUV放射を原則的に反射し、UV放射の透過を最小限に抑える材料で構築される。冷却チャンバの内部の少なくとも一部分は、照射チャンバの外部で構成されている。したがって、照射チャンバの材料を透過するUV放射は、冷却チャンバのUV源として機能する。これにより、UV放射への流体の暴露時間が長くなり、流体が認識する線量が増大する。さらに、冷却チャンバの表面へと透過される放射により、その上でのバイオフィルム形成が抑制される。
【0018】
UV放射源(単数または複数)は、1つまたは複数のUV-C放射源、あるいはそれらの組み合わせを備えてもよい。典型的には、UV放射源(単数または複数)は、照射チャンバまたは冷却チャンバの壁の中/上の支持構造に結合される。支持構造は、UV放射源(単数または複数)(UV-C放射源であってもよい)を保持しており、それにより、支持構造はUV放射を選択的に、照射対象の物質が選択的に配置される照射チャンバの内部に向ける。ピーク波長は(動的に)選択および/または調整することができ、所与の有機体の作用スペクトルを標的にし、それにより、消毒効率を向上させるように、複数の波長を利用することができる。たとえば、1つまたは複数のUV放射源の1つまたは複数の波長は、照射対象の物質中の汚染物質の同定に基づいて選択され得る。1つまたは複数のUV放射源は、照射対象の物質に1つまたは複数の波長あるいは波長の組み合わせを送達することができる。波長は、照射対象の物質中で蛍光を誘発することがあり、それにより、照射対象の物質中の汚染物質の同定が可能になる。任意選択的に、照射対象の物質は、バンドギャップ電気光励起により半導体表面で過酸化水素を生成させて消毒するために、n型単結晶半導体に隣接して配置されてもよい。熱は、熱交換機構(熱電冷却デバイス、蒸気チャンバ、ヒートシンク、放熱構造、ファン、熱転写材料、流体に熱結合される材料、およびUV放射源(単数または複数)に実質的に隣接して配置される冷却コーティングのうちの1つまたは複数など)を使用して管理され、任意選択的には回復される。一つの実施形態によれば、熱交換機構は、ヒートシンクまたは熱転写材料、あるいはそれらの組み合わせである。照射装置は、支持構造に結合された、および/またはその中に配置された防湿乾燥剤を使用して、耐湿性にすることができる。照射アセンブリは、流量、水質、ユーザ入力、または他の動作条件に基づいて、照射対象の物質へのUV放射の送達を動的に制御するための監視/検出機構および制御回路を含むことができる。最終的には、関連する性能データを搭載型のまたは外部のデータ記憶ユニットに記憶することができる。
【0019】
本発明の様々な実施形態によれば、単一のLED「ダイ」あるいはマトリックスまたはアレイに配列された複数のLED「ダイ」を含む、UV放射源パッケージを含む、モジュール半導体UV LED実装構成が提供され得る。約200nmから約800nmまで、UV放射スペクトルと可視放射スペクトルの両方の複数の波長を提供するようにLEDダイを選択することができる。1つの例示的実施形態によれば、マトリックスまたはアレイは、ヌクレオカプシドの吸収メカニズム(ピーク発光の中心が280nm付近である)を飽和させ、同時に、ピーク発光波長が約250~280nmに及ぶ核酸のピーク吸収を標的とするために、約200~320nmの範囲のLEDダイ発光波長を含む。別の例示的実施形態によれば、様々な細菌やウイルスを標的とするために使用される低圧または中圧のHgベースのUVランプの光出力スペクトルを模倣することを意図して、LEDダイのマトリックスまたはアレイは、約240~260nm、約260~344nm、約350~380nm、約400~450nm、または約500~600nmのうち少なくとも1つを含む複数の波長を利用する。さらなる例示的実施形態は、TiO2、NiO、SnO2などのn型半導体の結晶膜の近位で水中の病原体または汚染物質の光触媒酸化を可能にするために、約350nm~400nmのLEDダイ発光波長と組み合わせた、約250nm~300nmの殺菌波長を射出するLEDダイのマトリックスまたはアレイである。さらなる例示的実施形態は、生物由来の粒子のNADH、およびトリプトファンの蛍光スペクトルを可能にするために、マトリックスまたはアレイに配列された約250~320nmおよび約320~400nmの波長を射出する複数のLEDダイを含むモジュール式実装構成である。別の例示的実施形態によれば、市販のSETI UV Clean(商標)LEDパッケージが使用される。Bergquist Company(商標)から入手できるものなど、熱伝導性の金属コア回路基板(MCPCB)に接合された個別のLEDダイスまたは単一のダイを使用してもよい。
【0020】
LEDパッケージを、照射チャンバの窓ポートに実装するように構成された放熱シンクに接続してもよい。モジュールの実装面には、LEDパッケージを乾燥剤と共に封入するシールまたはガスケットを設けてもよく、それにより、湿気の凝結が低減される。ヒートシンクは、円形、正方形、または別の適切な形状であってもよい。任意選択的には、LEDからの熱は、強制空気によって冷却されるヒートシンクに対する熱電冷却器または他の手段の助けによって伝導される。LEDパッケージは、交換可能モジュールの一部として含まれる制御および電力回路に電気接続され得る。動作温度や運転時間など、遠隔測定データおよび追跡情報を提供するために、交換可能なモジュール内に回路が含まれる。
【0021】
パッケージ化されたUV LED、または複数のUV LEDのマトリックスまたはアレイをヒートシンクに取り付けてもよい。複数のUV波長を使用して、特定の微生物への影響を最適化することができる。裏面熱抽出は、熱電冷却(thermoelectric cooling:TEC)チャンバおよび/または蒸気チャンバにより支援してもよい。さらに、UV LEDパッケージは、ダイヤモンドナノ粒子を含浸したシリコンポリマーなどの熱伝導性の高い被覆層(UV LEDパッケージは、単結晶構造を有し得る)を介した伝導によって上面冷却され得る。
【0022】
ヒートシンクおよびUV放射射出ハウジングの金属部分の表面は、LEDおよびアクセサリのダイまたはパッケージを実装するために平坦にしてもよく、あるいは任意選択的に、LEDの凹面反射構造を提供するために、および/または、取り付け手段を提供するために凹んでいてもよい。ヒートシンクは、内部にねじ切りされた丸形ベゼルを有するヒートシンクの例示的実施形態でねじ留めすることによって、あるいは、バヨネットコネクタを用いて接続された丸形ベゼルを有するヒートシンクの例示的実施形態で捻ることによって、接触接着、スプリングピン、クランプ、回転するクリップ、ねじなどを含むがそれらには限定にされない様々な方法によって、照射装置に取り付けてもよい。
【0023】
任意選択的に、UV放射源の電気制御および/または電子制御用の構成要素を、前述のような密封ユニットに含めてもよく、それにより、それらの構成要素は、前述のように、エルミート性、乾燥剤の使用、またはそれらの組み合わせを通じて外部環境からの保護を維持しながら、UV放射源に対して作用することがある。さらに、これらの構成要素をMCPCB上へのコロケーション、他の場合には、熱交換機構への後続の熱ユニオンを使用して、たとえば電力変換構成要素などが発生する熱を抽出してよい。加えて、これらの電気および/または電子構成要素は、UV放射源(フォトダイオード、熱電対、サーミスタ、音響センサ、ホールプローブ、電流プローブなどを含むがこれらには限定されない)の動作条件およびステータスを判定するセンサを含んでもよい。
【0024】
放射エミッタモジュールは、任意選択的に湿気や湿度に対処するために取り付けられた電子機器および乾燥物質を含む、ユーザ交換可能なユニットであってもよい。取り付けられた電子機器は、個々の識別番号およびテレメトリートラッキング、並びに大型システムから簡単に接続解除するための相互接続を含むことができる。
【0025】
LEDパッケージの冷却は、LEDパッケージとヒートシンクとの間に位置するTECチャンバまたは蒸気チャンバによって支援され得る。TECは、貫通孔設計などの不規則なパッケージ形状の周囲に接触させるように位置する単一のTECまたは複数のモジュールの形態をとってもよい。さらに、生成された廃熱からエネルギーを回収するために、電熱モジュールを含んでもよい。
【0026】
UV放射は、LEDダイから、透過性窓、ポリマー、空気、および/またはアパーチュアを通して、照射チャンバへと透過され得る。透過性窓には、使用されるLEDの選択に適した透過スペクトル、たとえばUV-C範囲を有する。
【0027】
ここで図1および図2を参照すると、本発明の1つの例示的実施形態によれば、照射装置Aは2つの3次元チャンバ1および2を含み、各々が、チャンバに出入りする流体の流れのための入口ポートと出口ポートとを有している。照射チャンバ1は、チャンバに流入する流体流のための入口ポート4と、チャンバから流出する流体流のための出口ポート5とを有する。冷却チャンバ2は、チャンバに流入する流体流のための入口ポート3と、チャンバから流出する流体流のための出口ポート4とを有する。冷却チャンバ2と照射チャンバ1とは、流体接続および流体連通しており、ポート4は、冷却チャンバの出口ポートとしても、照射チャンバの入口ポートとしても機能する。UV放射源6は、照射チャンバ1の内部に放射を提供する。放射源は、冷却チャンバ2に熱接続している。この熱接続は、少なくとも1つの熱交換機構の背面および/または前面の間にあり、放射源と冷却チャンバ内の流体とに熱接続または熱結合されている。一つの実施形態によれば、熱交換機構は、ヒートシンク8である。単一の石英光学窓7は、照射チャンバ1内の流体から石英光学窓を保護するように、UV放射源6の上に配置される。UV放射源は、熱交換機構と窓との間に封止されており、それにより、窓は、消毒システムのための圧力容器の一部分として、かつ、UV放射源を照射チャンバ内の流体から分離するために機能する。
【0028】
照射チャンバ1は、典型的には、UV源からのUV放射を原則的に反射し、UV放射の透過を最小限に抑える材料で構築される。冷却チャンバ2の内部表面の少なくとも一部分は、照射チャンバ1の外部表面の少なくとも一部分を含む。冷却チャンバ(単数または複数)の内部表面は、典型的には、照射チャンバ(単数または複数)の外部表面の少なくとも実質的部分を、より典型的には、照射チャンバ(単数または複数)の外部表面の実質的にすべてを含み、それにより、冷却チャンバ(単数または複数)は、照射チャンバ(単数または複数)を実質的または完全に封入する。一つの実施形態によれば、照射装置内の1つまたは複数の照射チャンバの外部表面全体は、照射装置内の1つまたは複数の冷却チャンバの内部表面全体の、少なくとも約20%、典型的には少なくとも約30%、より典型的には少なくとも約40%である。照射チャンバ1の材料を透過するUV放射は、冷却チャンバ2のUV源として機能する。したがって、記載した2チャンバシステムを通過する任意の粒子が受ける線量Dは、次の式で表すことができる。
【数2】
式中、tおよびtはそれぞれ、チャンバ1および2内の粒子の滞留時間であり、φおよびφはそれぞれ、チャンバ1および2内の粒子が認識する放射束である。
【0029】
別の実施形態によれば、UV源は、金属コアプリント回路基板(MCPCB)、プリント回路基板(PCB)、または他の誘電体材料などの熱転写材料に電気接続および熱接続しているLEDである。熱転写材料は、冷却チャンバ2内の流体と直接接触しており、LEDと流体との間に熱経路が提供される。この場合、流体、たとえば水の温度がジャンクション温度よりも低い場合に流体がLEDを冷却する。熱転写材料は、放射源と冷却チャンバ内の流体とに熱接続または熱結合された熱交換機構として機能する。
【0030】
別個の実施形態によれば、UV源は、金属コアプリント回路基板(MCPCB)、プリント回路基板(PCB)、または他の誘電体材料などの熱転写材料に電気接続および熱接続しているLEDであり、かかる熱転写材料は、照射チャンバ1内の流体と直接接触している別の第2の熱転写材料と接触しており、LEDと流体と間の熱経路が提供される。この場合、流体、たとえば水の温度がジャンクション温度よりも低い場合に流体がLEDを冷却する。第2の熱転写材料は、金属、誘電体、半導体、プラスチック、または任意の他の熱伝導材料であり得る。熱転写材料は、放射源と冷却チャンバ内の流体とに熱接続または熱結合された熱交換機構として機能する。
【0031】
別の実施形態によれば、冷却チャンバ2はまた、図1図2に示した複合型システムの構造的完全性を高める機能も果たし、それによって、システム全体(チャンバ1および2)の圧力定格が増大する。たとえば、冷却チャンバを、照射チャンバの作製に使用される材料よりも引張強度が高い材料で作製してもよい。
【0032】
別の実施形態によれば、照射チャンバと1つまたは複数の冷却チャンバもしくは他の2次チャンバと間の光学結合は、UV放射が照射チャンバから冷却チャンバまたは他の2次チャンバに入射することを可能にするために照射チャンバの内部を通る1つまたは複数の丸穴を介して実現され得る。また、丸穴(単数または複数)が冷却チャンバ(単数または複数)と流体接続していてもよく、照射チャンバと2次チャンバと間の流体連通を高めることがある。丸穴を透過して冷却チャンバまたは他の2次チャンバの表面に達する放射は、それらの表面でのバイオフィルム形成、および装置の下流領域において起こり得る微生物汚染を抑制する。したがって、照射装置の流体出口構造の一部分は、照射チャンバの1つまたは複数の丸穴または他の開口部を通る直接照射、あるいはチャンバの材料を通る部分的透過のいずれかによって、照射チャンバに光学結合することができ、それによって、出口構造の表面を照射し、バイオフィルム形成を抑制する。UV放射を統合型UV消毒用の装置、システム、および方法においてバイオフィルム抑制材として使用することができる。これは、使用していない期間における周期的な「オンサイクル」での装置、システム、および方法のインテリジェント制御を含んでもよく、それにより、一定の静菌効果が与えられ得る。一つの実施形態によれば、照射チャンバ1と冷却チャンバ2との間の光学的結合は、UV放射がチャンバ1からチャンバ2に入射することを可能にするためにチャンバ1の内部を通る少なくとも1つの小さな丸穴を介して実現され得る。丸穴(単数または複数)は、チャンバ2と流体接続していてもよく、チャンバ1とチャンバ2と間の流体連通を高めることができる。また、少なくとも1つの小さな丸穴を透過し、チャンバ1の材料を通る部分透過によってチャンバ2の表面に達する放射は、チャンバ2の表面でのバイオフィルム形成、および装置の下流領域において起こり得る微生物汚染を抑制する。
【0033】
本発明の別の実施形態によれば、UV源は、放射を照射チャンバへと透過し、照射チャンバとは構造的に異なる冷却チャンバに熱的結合されている。図3および図4に示す実施形態によれば、照射装置Bは2つの3次元チャンバ9および10を含み、各々が、チャンバに出入りする流体の流れのための入口ポートと出口ポートとを有している。照射チャンバ9は、チャンバに流入する流体流のための入口ポート12と、チャンバから流出する流体流のための出口ポート13とを有する。冷却チャンバ10は、チャンバに流入する流体流のための入口ポート11と、チャンバから流出する流体流のための出口ポート17とを有する。しかしながら、冷却チャンバ10と照射チャンバ9とは構造的に異なり、流体接続または流体連通していない。UV放射源14は、照射チャンバ9の内部に放射を提供する。放射源は、冷却チャンバ10に熱接続している。この熱接続は、少なくとも1つの熱交換機構の背面および/または前面の間にあり、放射源と冷却チャンバ内の流体とに熱接続または熱結合されている。一つの実施形態によれば、熱交換機構は、ヒートシンク16である。単一の石英光学窓15は、照射チャンバ9内の流体から石英光学窓を保護するように、UV放射源14の上に配置される。UV放射源は、熱交換機構と窓との間に封止されており、それにより、窓は、消毒システムのための圧力容器の一部分として、かつ、UV放射源を照射チャンバ内の流体から分離するために機能する。照射チャンバ9は、UV源からのUV放射を原則的に反射し、UV放射の透過を最小限に抑える材料で構築される。
【0034】
別の実施形態によれば、照射チャンバ9および冷却チャンバ10は、構造安定性のために単一の硬質フレームに依存している。チャンバ同士の仕切りは、主に非構造的である材料で実現される。別の実施形態によれば、チャンバ同士の仕切りは半透性であり、チャンバ間における流体束が可能になる。
【0035】
別の実施形態によれば、UV放射源は、照射チャンバの内側に部分的または全体的に結合または実装されている熱転写材料に熱接続されている。熱転写材料は、UV源から照射チャンバ内の流体へのチャンバの内部を介した伝導熱転写を行う。一つの実施形態によれば、UV源は、金属コアプリント回路基板(MCPCB)、プリント回路基板(PCB)、または他の誘電体材料などの熱転写材料に電気接続および熱接続しているLEDである。熱転写材料は、照射チャンバ内の流体と直接接触しており、LEDと流体との間に熱経路が提供される。この場合、流体、たとえば水の温度がジャンクション温度よりも低い場合に流体がLEDを冷却する。熱転写材料は、放射源と冷却チャンバ内の流体とに熱接続または熱結合された熱交換機構として機能する。
【0036】
別の実施形態によれば、UV源は、金属コアプリント回路基板(MCPCB)、プリント回路基板(PCB)、または他の誘電体材料などの熱転写材料に電気接続および熱接続しているLEDであり、かかる熱転写材料は、照射チャンバ内の流体と直接接触している別の熱転写材料と接触しており、LEDと流体と間の熱経路が提供される。この場合、流体、たとえば水の温度がジャンクション温度よりも低い場合に流体がLEDを冷却する。熱転写材料は、金属、誘電体、半導体、プラスチック、または任意の他の熱伝導材料であり得る。熱転写材料は、放射源と冷却チャンバ内の流体とに熱接続または熱結合された熱交換機構として機能する。図5および図6は、本発明の1つのかかる装置の一部分を示している。一つの実施形態によれば、図3および図4に示す装置Bを、図3および図4の冷却チャンバ、UV放射源、および熱交換機構の代わりに、図5および図6に示す冷却チャンバ21、UV放射源18、並びに熱交換機構19および20装置Cを含むように修正してもよい。冷却チャンバ21は、チャンバに流入する流体流のための入口ポート22と、チャンバから流出する流体流のための出口ポート23とを有する。UV放射源18は、照射チャンバの内部に放射を提供する。UV源は、金属、誘電体、半導体、プラスチック、または任意の他の熱伝導材料(たとえば、金属コアプリント回路基板(MCPCB)、プリント回路基板(PCB)、または他の誘電体材料)などの熱転写材料19に電気接続および熱接続している。熱転写材料19は、ヒートシンクまたは上述のような別個の熱転写材料など、別の熱交換機構20と接触しており、かかる熱交換機構は、照射チャンバ内の流体と直接接触しており、UV放射源と流体との間に熱経路が提供される。この場合、流体、たとえば水の温度がジャンクション温度よりも低い場合に流体がUV放射源を冷却する。また、放射源は、放射源と冷却チャンバ内の流体とに熱接続または熱結合された熱交換機構19および20を介して、冷却チャンバ21に熱接続している。別の実施形態によれば、UV源18はまた、熱転写材料19にUV放射を提供する。
【0037】
別の実施形態によれば、UV源は、反応器照射チャンバ内の流体と直接接触しているマイクロプラズマランプであり、ランプと流体との間に直接熱経路が提供される。この場合、流体がランプを冷却する。図7および図8に示す実施形態では、照射装置Dは、チャンバに出入りする流体の流れのための入口ポート24と出口ポート25とを有する3次元照射チャンバ23を含む。マイクロプラズマランプのUV放射源26は、照射チャンバ23の内部に放射を提供する。マイクロプラズマランプは、チャンバ23内の流体と直接接触しているので、ランプと流体との間に直接熱経路を提供し、それによって、ランプを冷却する。一つの実施形態によれば、マイクロプラズマランプは、照射チャンバ内の流体と直接接触している熱転写材料と熱接続しており、ランプと流体との間に直接熱経路が提供される。熱転写材料は、金属、誘電体、半導体、プラスチック、または任意の他の熱伝導材料であり得る。熱転写材料は、ランプからのUV放射の一部分を反射してもよい。別の実施形態によれば、熱転写材料は、照射チャンバ内の流体と直接接触している別個の熱転写材料と接触しており、ランプと流体との間に熱経路が提供される。これらの場合、流体がランプを冷却する。したがって、図7および図8に示す実施形態を、本明細書で図示および記載されている他の照射装置の照射チャンバとして使用してもよい。
【0038】
別の実施形態によれば、本発明は、複数のUV放射源と、少なくとも1つの入口ポートおよび1つの出口ポートを各々が有する複数の照射チャンバとを提供する。各UV放射源は、主に、単一の照射チャンバに光学結合される。すべての照射チャンバは、任意の照射チャンバを通過するすべての流体が冷却チャンバも通過するように、単一の冷却チャンバに流体結合される。このようにすると、冷却チャンバを通過する流体束は、すべての照射チャンバを通る流体流の合計と等しくなる。さらに、すべてのUV源は、冷却チャンバの内部を介して流体束に熱結合される。
【0039】
別の実施形態によれば、本発明は、複数のUV放射源と、少なくとも1つの入口ポートおよび1つの出口ポートを各々が有する複数の照射チャンバとを提供する。各UV放射源は、主に、単一の照射チャンバに光学結合される。すべてのUV放射源は、単一の冷却チャンバに熱結合される。照射チャンバのうちの1つまたは複数は流体接続しており、1つのチャンバの出口は、別のチャンバの入口である。
【0040】
別の実施形態によれば、本発明は、複数のUV放射源と、少なくとも1つの入口ポートおよび1つの出口ポートを各々が有する複数の照射チャンバとを提供する。各UV放射源は、主に、単一の照射チャンバに光学結合される。UV放射源はすべて、単一の冷却チャンバに熱結合される。照射チャンバのうちの1つまたは複数は流体接続しており、1つのチャンバの出口は、別のチャンバの入口である。さらに、冷却チャンバは、照射チャンバのうちの1つまたは複数に流体接続しており、冷却チャンバの出口は、照射チャンバのうちの1つまたは複数の入口である。
【0041】
上述の実施形態によれば、複数の照射チャンバは、任意の照射チャンバを通過するすべての流体が冷却チャンバも通過するように、単一の冷却チャンバに流体結合される。複数の照射チャンバを単一の冷却チャンバに流体結合して単一のユニットを形成するのと同様に、これらの個々のユニットのセットを、並列または直列に組み合わせて配列してもよく、各ユニットへの入口は、入口における総流量(並列の場合)または全体の流量(直接の場合)の一部、あるいは各ユニットの直接構成および並列構成の混合を構成する。
【0042】
図9および図10に示す実施形態によれば、照射装置Eは、3つの3次元チャンバ、2つの照射チャンバ31、および冷却チャンバ27を含む。各チャンバは、チャンバに出入りする流体の流れのための入口ポートと出口ポートとを有する。各照射チャンバ31は、チャンバに流入する流体流のための入口ポート30と、チャンバから流出する流体流のための出口ポート28とを有する。冷却チャンバ27は、チャンバに流入する流体流のための入口ポート29と、チャンバから流出する流体流のための2つの出口ポート30とを有する。冷却チャンバ27と照射チャンバ31とは、流体接続および流体連通しており、ポート30は、冷却チャンバの出口ポートとしても、照射チャンバの入口ポートとしても機能する。UV放射源34は、照射チャンバ31の内部に放射を提供する。放射源は、冷却チャンバ27に熱接続している。この熱接続は、少なくとも1つの熱交換機構の背面および/または前面の間にあり、各放射源と冷却チャンバ内の流体とに熱接続または熱結合されている。一つの実施形態によれば、熱交換機構は、ヒートシンク33を介している。単一の石英光学窓32は、照射チャンバ内の流体から石英光学窓を保護するように、各UV放射源34の上に配置される。UV放射源は、熱交換機構と窓との間に封止されており、それにより、窓は、消毒システムのための圧力容器の一部分として、かつ、UV放射源を照射チャンバ内の流体から分離するために機能する。前述のように、各UV放射源34は、主に、単一の照射チャンバ31に光学結合される。UV放射源はすべて、単一の冷却チャンバ27に熱結合される。照射チャンバ31は、冷却チャンバの出口30は照射チャンバの入口なので、冷却チャンバ27と互いに流体接続および流体連通している。
【0043】
別の実施形態によれば、UV源から流体束への熱転写は、チャンバの表面に組み込まれており、かつ、そのチャンバ内の流体束と熱接触している公称的に平坦な表面による伝導熱転写を介して実現される。たとえば、図2および図10に示した実施形態では、UV源から冷却チャンバ内の流体への熱転写は、照射チャンバの外面および冷却チャンバの内面に組み込まれており、かつ、冷却チャンバ内の流体束と熱接触しているヒートシンクの公称的に平坦な表面による伝導熱転写を介して実現される。
【0044】
別の実施形態によれば、UV源から流体束への熱転写は、流体束のうちのいくつかまたはすべての流路に配置された多孔質構造による伝導熱転写を介して実現される。多孔質構造は、流体束への効率的な伝導熱転写を行うために表面積が最大になるように設計されていてもよい。伝導熱転写を最大化するために使用される多孔質構造は、流体束の乱流混合および/または層流特性を促進し得る。
【0045】
本発明の一つの実施形態によれば、2つの3次元チャンバは、チャンバに出入りする流体の流れのための少なくとも1つの入口ポートと少なくとも1つの出口ポートとを有する。UV源は、マイクロプラズマランプなどの平坦な光源であり、両側からUV放射を射出する。UV源は照射チャンバと冷却チャンバとの間に位置しており、両方のチャンバに放射を提供する。一つの実施形態によれば、2つのチャンバは流体接続しており、チャンバのうちの一方の入口が、他方のチャンバの出口となる。別の実施形態によれば、平坦なUV源の各面が各チャンバの側壁の一部分として機能する。
【0046】
次に、図11および図12に示される実施形態を参照すると、照射装置Fは、チャンバに出入りする流体の流れのための入口ポートと出口ポートとを各々が有する2つの3次元チャンバ37および38を含む。照射チャンバ37は、チャンバに流入する流体流のための入口ポート40と、チャンバから流出する流体流のための出口ポート41とを有する。冷却チャンバ38は、チャンバに流入する流体流のための入口ポート39と、チャンバから流出する流体流のための出口ポート40とを有する。冷却チャンバ38と照射チャンバ37とは、流体接続および流体連通しており、ポート40は、冷却チャンバの出口ポートおよび照射チャンバの入口ポートとして機能する。平坦なUV放射源42は、照射チャンバ37の内部および冷却チャンバ38の内部に放射を提供するマイクロプラズマランプである。UV源は照射チャンバと冷却チャンバとの間に位置しており、両方のチャンバに放射を提供する。平坦なUV源の各面が各チャンバの側壁の一部分として機能する。UV放射源42は、照射チャンバおよび冷却チャンバ内の流体からUV放射源を保護するように、両側を覆う石英スリーブまたは光学窓を有する。UV放射源は、窓の間に封止されており、それにより、窓は、消毒システムのための圧力容器の一部分とし、かつ、UV放射源を照射チャンバ内の流体から分離するために機能する。
【0047】
一つの実施形態によれば、照射チャンバ37は、UV源からのUV放射を原則的に反射する材料で構築され、冷却チャンバ38は、UV放射を原則的に吸収する材料で構築されている。別の実施形態によれば、照射チャンバ37と冷却チャンバ38の両方が、UV源からのUV放射線を原則的に反射する材料で構築される。別の実施形態によれば、照射チャンバ37と冷却チャンバ38の両方が、UV源からのUV放射を原則的に吸収する材料で構築される。
【0048】
本発明の別の実施形態によれば、本明細書に記載されるUV源は、図13および図14に示すUVエミッタアセンブリGなどのUVエミッタを備えていてもよい。UVエミッタ45は、金属コアプリント回路基板などの熱転写材料または導体44とUV透過性窓47との間にUVエミッタを部分的または完全に封入する、環境封止されたハウジングの内部に埋め込まれている。別の実施形態によれば、封止されたハウジングは、窓47などの原則的にUV透過性窓と、原則的に熱伝導性のカップ43などのヒートシンクを備えており、これらを組み合わせて、回路基板上の1つまたは複数のUV LEDが配置され、かつ、カップに熱接続している、封入容積を形成する。ポッティング化合物48は、熱伝導性カップと窓との間の隙間を埋め、LEDの周囲のキープアウト領域46が小さくなる。一つの実施形態によれば、熱伝導性カップは単一の金属シートの変形によって作製される。熱伝導性カップは、電気接続が入る、および/または出るための、並びに/あるいは液体ポッティング化合物の注入のための1つまたは複数のポートを有してもよい。別の実施形態によれば、熱伝導性カップは、UVエミッタとの熱転写を原則的に意図する少なくとも1つの面を備える。
【0049】
本発明の他の実施形態によれば、光学的に透明な窓は石英またはサファイア、あるいは原則的にUVに透明なポリマーで作製される。ポッティング化合物は、原則的に、熱伝導性カップ内に光学的に透明な窓を保持してもよく、アセンブリの構造的構成要素として機能してもよい。UVエミッタは、基板に実装されたUV放射源を備えてもよく、制御システムがさらに基板に実装されている。UV放射源は、LED、プラズマ放電源、または固体蛍光体射出デバイスのうちの少なくとも1つまたはそれらの組み合わせを備えていてもよい。基板はプリント回路基板を備えていてもよい。基板は、UV放射源と外部熱リザーバとの間に効率的な熱経路を生成するように設計されていてもよい。基板は、ポッティング化合物とUV放射源との接触を防止する手段を提供してもよい。基板は、UV放射源と光学的に透明な窓との相対的な位置決めを規定する手段を提供してもよい。制御システムは、定電流ソースまたは定電流シンクを備えていてもよい。
【0050】
本発明は、特定の実施形態またはその実施例を参照して本明細書に例示および説明されているが、当業者には、他の実施形態および実施例が同様の機能を実行し得ること、および/または同様の結果を達成し得ることが容易に明らかになるであろう。同様に、開示された技術の他の応用例が可能であることが明らかになるであろう。かかる同等の実施形態、実施例、および応用例はすべて、本発明の趣旨および範囲に含まれ、添付の請求項により網羅されることが意図される。
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