(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】基準信号分配システム、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム及び基準信号生成方法
(51)【国際特許分類】
H01Q 3/30 20060101AFI20240329BHJP
H01P 5/12 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
H01Q3/30
H01P5/12 Z
(21)【出願番号】P 2022519043
(86)(22)【出願日】2020-07-23
(86)【国際出願番号】 US2020043332
(87)【国際公開番号】W WO2021061265
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-05-20
(32)【優先日】2019-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503455363
【氏名又は名称】レイセオン カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】グウィン,ジョセフ エム.
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/134741(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0142280(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 3/30
H01P 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準信号分配システムであって:
反時計回りの分割された基準信号と時計回りの分割された基準信号を、分周された基準信号から形成するように構成されたパワー・スプリッタ;
少なくとも1つのリング・タップ;
前記反時計回りの分割された基準信号を前記リング・タップに提供し、前記時計回りの分割された基準信号を前記リング・タップに提供するように動作することが可能な分配リングであって、前記リング・タップは、前記反時計回りの分割された基準信号と前記時計回りの分割された基準信号に基づいて位相同期信号を生成するように構成されている、分配リング;及び
前記分周された基準信号を分周器が生成する際の基礎となる基準信号と前記位相同期信号とに部分的に基づいて共通位相基準信号を生成するように構成されたアナログ再生分周器;
を含む基準信号分配システム。
【請求項2】
請求項1に記載の基準信号分配システムにおいて、前記アナログ再生分周器は、前記共通位相基準信号を、前記基準信号分配システムの分配受信機エキサイタ(DREX)へ直接的又は間接的に提供するように更に構成されている、基準信号分配システム。
【請求項3】
請求項1に記載の基準信号分配システムにおいて、
削減された位相ノイズを有する基準信号を生成するように構成されている基準信号源;及び
前記基準信号を分割し、前記分周された基準信号を生成するように構成された前記分周器;
を更に含む、基準信号分配システム。
【請求項4】
請求項3に記載の基準信号分配システムにおいて、前記基準信号を前記基準信号源から受信し、前記基準信号のコピーを前記アナログ再生分周器へ提供するために形成された分配ツリーを更に含む、基準信号分配システム。
【請求項5】
請求項1に記載の基準信号分配システムにおいて、前記分周された基準信号は周波数f/4を有し、前記反時計回りの分割された基準信号は周波数f/4を有し、前記時計回りの分割された基準信号は周波数f/4を有し、前記位相同期信号は周波数f/2を有し、前記共通位相基準信号は周波数f/2を有し、fはヘルツ単位の周波数である、基準信号分配システム。
【請求項6】
請求項1に記載の基準信号分配システムにおいて、
前記分周された基準信号は周波数f/nを有し、前記反時計回りの分割された基準信号は周波数f/(2n)を有し、前記時計回りの分割された基準信号は周波数f/(2n)を有し、fはヘルツ単位の周波数であり、nは正の整数である、基準信号分配システム。
【請求項7】
請求項1に記載の基準信号分配システムにおいて、前記分配リングは、前記リング・タップに通信可能に結合される同軸ケーブル・リングである、基準信号分配システム。
【請求項8】
請求項1に記載の基準信号分配システムにおいて、前記リング・タップは:
前記反時計回りの分割された基準信号と前記時計回りの分割された基準信号をミキサーへ方向付けるように構成された方向性カプラー;
前記反時計回りの分割された基準信号と前記時計回りの分割された基準信号を結合して、分割され結合され基準信号を生成するように構成された前記ミキサー;及び
前記分割され結合された基準信号をフィルタリングして前記位相同期信号を生成するように構成されたバンド・パス・フィルタ;
を更に含む、基準信号分配システム。
【請求項9】
請求項1に記載の基準信号分配システムにおいて、前記アナログ再生分周器は:
アナログ・スイッチであって、前記アナログ・スイッチが閉じている場合に、前記リング・タップから受信した前記位相同期信号を方向性カプラーへ方向付けるように構成されたアナログ・スイッチ;
フィードバック・ネットワークを介して前記位相同期信号を位相ディテクタへ提供するように構成された前記方向性カプラー;
前記方向性カプラーの出力の信号パワーを検出するように構成されたパワー・ディテクタ;及び
基準信号と前記位相同期信号に部分的に基づいて信号出力を提供するように構成された位相ディテクタであって、前記信号出力はバンド・パス・フィルタ、増幅器、及び前記方向性カプラーへ供給されて、前記共通位相基準信号に対応する前記方向性カプラーの前記出力を形成する、位相ディテクタ;
を更に含む、基準信号分配システム。
【請求項10】
請求項9に記載の基準信号分配システムにおいて、前記アナログ再生分周器は、前記位相同期信号を、前記リング・タップから、前記基準信号分配システムの始動期間中に閉じている前記アナログ・スイッチを介して受信するように構成されており、前記位相同期信号は、前記方向性カプラーの出力の信号パワーが所定の閾値未満である場合に受信される、基準信号分配システム。
【請求項11】
請求項10に記載の基準信号分配システムにおいて、前記アナログ再生分周器は、前記アナログ・スイッチが前記基準信号分配システムの前記始動期間後に開いている場合に、前記位相同期信号を前記リング・タップから受信しないように構成されており、前記位相同期信号は、前記方向性カプラーの出力の信号パワーが所定の閾値を上回る場合には受信されない、基準信号分配システム。
【請求項12】
請求項1に記載の基準信号分配システムにおいて、前記分周された基準信号は、前記リング・タップの出力における位相曖昧性の発生を回避するために、前記分配リングに先行して生成される、基準信号分配システム。
【請求項13】
フェーズド・アレイ・アンテナ・システムであって:
複数のアンテナ素子;
基準信号を生成するように構成された基準信号源;
前記基準信号を分周して分周された基準信号を生成するように構成された分周器;
反時計回りの分割された基準信号と時計回りの分割された基準信号を、前記分周された基準信号から形成するように構成されたパワー・スプリッタ;
少なくとも1つのリング・タップ;
前記反時計回りの分割された基準信号を前記リング・タップに提供し、前記時計回りの分割された基準信号を前記リング・タップに提供するように構成された分配リングであって、前記リング・タップは、前記反時計回りの分割された基準信号と前記時計回りの分割された基準信号に基づいて位相同期信号を生成するように構成されている、分配リング;及び
前記位相同期信号と前記基準信号を受信し、共通位相基準信号を生成するように構成された複数のアナログ再生分周器であって、各アナログ再生分周器は前記複数のアンテナ素子のうち対応するアンテナ素子について設けられている、複数のアナログ再生分周器;
を含む、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム。
【請求項14】
請求項13に記載のフェーズド・アレイ・アンテナ・システムにおいて、
前記共通位相基準信号を、前記アナログ再生分周器から直接的又は間接的に受信し、前記共通位相基準信号を使用して内部信号を生成するように構成された分配受信機エキサイタ(DREX);及び
前記複数のアンテナ素子のうちのアンテナ素子であって、前記DREXに通信可能に結合され、前記アンテナ素子は前記DREXで生成される前記内部信号を用いて制御される、アンテナ素子;
を更に含む、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム。
【請求項15】
請求項13に記載のフェーズド・アレイ・アンテナ・システムにおいて、前記基準信号を前記基準信号源から受信し、前記基準信号のコピーを前記アナログ再生分周器へ提供するために形成された分配ツリーを更に含む、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム。
【請求項16】
請求項13に記載のフェーズド・アレイ・アンテナ・システムにおいて、前記基準信号は周波数fを有し、前記分周器はf/4分周器であり、前記反時計回りの分割された基準信号は周波数f/4を有し、前記時計回りの分割された基準信号は周波数f/4を有し、前記位相同期信号は周波数f/2を有し、前記共通位相基準信号は周波数f/2を有し、fはヘルツ単位の周波数である、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム。
【請求項17】
請求項13に記載のフェーズド・アレイ・アンテナ・システムにおいて、前記リング・タップは:
前記反時計回りの分割された基準信号と前記時計回りの分割された基準信号をミキサーへ方向付けるように構成された方向性カプラー;
前記反時計回りの分割された基準信号と前記時計回りの分割された基準信号を結合して、分割され結合された基準信号を生成するように構成された前記ミキサー;及び
前記分割され結合された基準信号をフィルタリングして前記位相同期信号を生成するように構成されたバンド・パス・フィルタ;
を更に含む、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム。
【請求項18】
請求項13に記載のフェーズド・アレイ・アンテナ・システムにおいて、前記アナログ再生分周器は:
分配ツリーを介して前記基準信号源から前記基準信号を受信するように構成された位相ディテクタ;
アナログ・スイッチであって、前記アナログ・スイッチが閉じている場合に、前記リング・タップから受信した前記位相同期信号を方向性カプラーへ方向付けるように構成されたアナログ・スイッチ;
フィードバック・ネットワークを介して前記位相同期信号を位相ディテクタへ提供するように構成された前記方向性カプラー;及び
前記方向性カプラーの出力の信号パワーを検出するように構成されたパワー・ディテクタ;
を更に含み、前記位相ディテクタは、前記基準信号と前記位相同期信号を結合した信号出力を提供するように更に構成されており、前記信号出力はバンド・パス・フィルタ、増幅器、及び前記方向性カプラーへ供給されて、前記共通位相基準信号に対応する前記方向性カプラーの前記出力を形成する、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム。
【請求項19】
請求項
18に記載のフェーズド・アレイ・アンテナ・システムにおいて、前記アナログ再生分周器は、前記位相同期信号を、前記リング・タップから、前記フェーズド・アレイ・アンテナ・システムの始動期間中に閉じている前記アナログ・スイッチを介して受信するように構成されており、前記位相同期信号は、前記方向性カプラーの出力の信号パワーが所定の閾値未満である場合に受信される、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム。
【請求項20】
請求項19に記載のフェーズド・アレイ・アンテナ・システムにおいて、前記アナログ再生分周器は、前記アナログ・スイッチが前記フェーズド・アレイ・アンテナ・システムの前記始動期間の満了後に開いている場合に、前記位相同期信号を前記リング・タップから受信しないように構成されており、前記位相同期信号は、前記方向性カプラーの出力の信号パワーが所定の閾値を上回る場合には受信されない、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム。
【請求項21】
共通位相基準信号を生成する方法であって:
基準信号を生成するステップ;
前記基準信号を分周して分周された基準信号を生成するようにステップ;
反時計回りの分割された基準信号と時計回りの分割された基準信号を、前記分周された基準信号から形成するステップ;
前記反時計回りの分割された基準信号と前記時計回りの分割された基準信号に基づいて位相同期信号を生成するステップ;及び
前記基準信号と前記位相同期信号に部分的に基づいて前記共通位相基準信号を生成するステップ;
を含む方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、前記共通位相基準信号を使用して、フェーズド・アレイ・アンテナ・システムの1つ以上のアンテナ素子を制御するための内部信号を生成するステップを更に含む、方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法において、前記基準信号は削減された位相ノイズを有する、方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法において、前記基準信号は周波数fを有し、前記分周された基準信号は周波数f/4を有し、前記反時計回りの分割された基準信号は周波数f/4を有し、前記時計回りの分割された基準信号は周波数f/4を有し、前記位相同期信号は周波数f/2を有し、前記共通位相基準信号は周波数f/2を有し、fはヘルツ単位の周波数である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件はフェーズド・アレイ・アンテナ・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0001] フェーズド・アンテナ・アレイはアレイ・アンテナであり、そのラジエータは、共通のアンテナ・パターンを電子的にステアリングできるように、異なる位相シフトで供給を受けることができる。例えば、コンピュータで制御されるアンテナ・アレイは、アンテナを物理的に動かすことなく、異なる方向を指向するように電子的にステアリングされることが可能な電波ビームを生成することができる。フェーズド・アンテナ・アレイでは、送信機からのパワーは、コンピュータによって制御されることが可能な移相器を介してアンテナに供給されることが可能である。移相器は、位相を電子的に変化させることが可能であり、従って、電波のビームを異なる方向にステアリングすることができる。位相シフトを変えることによって、コンピュータはビームの指向角度を変えることができる。
【0003】
[0002] フェーズド・アレイ・アンテナは、ゲインを増大させるために、数十、数百、時には数万の個々のアンテナ素子を含むことが可能であり、フェーズド・アレイ・アンテナは、レーダー、ソナー、データ通信、及びその他の用途で使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
[0003] 本開示の特徴及び利点は、一例として本開示の特徴を描いている添付図面と併せて、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【
図1】[0004]
図1は一例によるフェーズド・アレイ・アンテナ・システムを示す。
【
図2】[0005]
図2は一例によるフェーズド・アレイ・アンテナ・システムの基準信号分配システムを示す。
【
図3】[0006]
図3は一例による基準信号分配システムのリング・タップを示す。
【
図4】[0007]
図4は一例による基準信号分配システムのアナログ再生分周器を示す。
【
図5】[0008]
図5は一例によるフェーズド・アレイ・アンテナ・システムを示す。
【
図6】[0009]
図6は一例によるフェーズド・アレイ・アンテナ・システムで使用するための共通位相基準信号を生成する方法を示す。 [0010] 次に、図示された例示的な実施形態を参照し、それを説明するために本件では特定の言葉が使用される。それにもかかわらず本発明の範囲の制限は意図されていないことが理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0005】
[0011] 本発明を開示及び説明する前に、本発明は、本件で開示される特定の構造、プロセス・ステップ、又は材料には限定されず、関連する分野で通常の知識を有する者によって認識され得る均等物まで拡張されることが理解されるべきである。また、本件で使用される用語は、特定の例のみを説明する目的で使用されており、限定であるようには意図されていないことも理解されるべきである。様々な図面における同一の参照番号は同一の要素を表す。フローチャート及びプロセスで提供される番号は、ステップ及び処理を説明する際の明確性のために提供されており、必ずしも特定の順序やシーケンスを示していない。
【0006】
[0012] 実施例
技術的実施形態の当初の概観が以下で提供され、その後、特定の技術的実施形態が後に更に詳細に説明される。この当初の概要は、読者が技術をより迅速に理解するのを支援するように意図されており、技術の主要な特徴や本質的な特徴を特定するようには意図されておらず、また、クレームされた事項の範囲を限定するようにも意図されていない。
【0007】
[0013] 動作原理
ある構成では、一次理論(first-order theory)は、方向性カプラーの有限指向性、ミキサー・ポート間の有限な分離性、不完全なインピーダンス整合、及び実際のミキサーの複雑さのような実用的な問題を無視することができる。円周cの同軸ケーブル・リング(分配リングとも呼ばれる)内のどこかにある単一リング・タップ出力アセンブリ(カプラー、ミキサー、及びバンド・パス・フィルタを含むもの)に関し、パワー・スプリッタから対象のリング・タップ方向性カプラーまでの時計回りの距離はaで表現され、反時計回りの距離は、a+b=cであるようなbで表現され、ここで距離はメートル単位である。代替的に、出力アセンブリは、RF変調された光又は自由空間光ビームを搬送する光ファイバ伝送媒体におけるものとすることが可能である。更に、上述の同軸ケーブル・リングは、定義された周囲長さを有する限り、円形であることを必要としない。
【0008】
[0014] 一例では、同軸ケーブル・リングにおける基準信号の角周波数はωで表され、秒当たりのラジアンで表される(ω=2π(f/4))。同軸ケーブルの伝搬遅延定数は、メートル当たりδ秒である。非限定的な例として、同軸ケーブルの伝搬遅延定数は、メートル当たり4ナノ秒であるとすることが可能である。同軸ケーブルの電圧減衰定数kは、メートル当たりのネーパー(Nepers)で表される。k=0である場合、同軸ケーブルはロスレス(lossless)である。
【0009】
[0015] 一例では、2つの逆回りの基準信号があり、一方の信号はCWで伝搬し、他方の信号はCCWで伝搬することができる。2つの逆回り基準信号に関し、リング・タップ(及びその方向性カプラー)の位置における同軸ケーブル・リングの対応する電圧_対_時間の関数は、以下のように表される:
【0010】
【数1】
[0016] 一例では、これらの2つの逆回りの基準信号をともにポイントごとに(point-by-point)乗算し(即ち、ScwとSccwを乗算し)、その結果を簡潔にすると、以下のミキサー出力関数が得られる:
【0011】
【数2】
[0017] ミキサー出力関数は、e
-ck/2という第1項、Cos[(b-a)δω]という第2項、及びCos[ω(2t-δc)]という第3項を含む。
【0012】
[0018] 一例では、第1項e-ck/2は、ミキサーの実用性を無視している場合の、パワー・スプリッタ出力からリング・タップ・ミキサー出力まで理論的減衰である。この減衰は、リングの周囲とケーブル特性のみの関数であり、リング・タップ(従って、その方向性カプラー)が取り付けられている、同軸ケーブル・リング内の位置の関数ではない。
【0013】
[0019] 一例では、第2項Cos[(b-a)δω]は、時間の関数ではなく、同軸ケーブル・リング周辺で周期的に変化するDCオフセットである。この第2項は、リング・タップにおけるバンド・パス・フィルタ(又はハイ・パス・フィルタ)によって排除される。
【0014】
[0020] 一例において、第3項Cos[ω(2t-δc)]は、時間の関数であり、リング周囲とケーブル特性のみの関数である遅延とともに、元の信号周波数の2倍の正弦波であり、リング・タップ方向性カプラーが設置される同軸ケーブル・リング内の位置の関数ではない。
【0015】
[0021] この定常性は、同軸ケーブル・リングに保存される基準信号サイクルの数に関係なく、たとえその数が同軸ケーブル・リングの温度変化に伴って変化する場合でさえ、成り立つ。言い換えれば、同軸ケーブル・リングに“2πラジアン(360°)の曖昧さ”は存在せず、πラジアンの曖昧さ(符号反転)も、全てのリング・タップが同じ方向で同軸ケーブル・リングに設置されている場合には存在しない。この2ω信号は、バンド・パス・フィルタを通過し、出力に届けられる一方、DCオフセットは、バンド・パス・フィルタによって排除される。
【0016】
[0022] 一例において、単一リング・タップ出力アセンブリの最終出力関数は、以下のように表される:
【0017】
【数3】
[0023] 一例では、同軸ケーブル・リングが、ケーブル、カプラー、及びパワー・スプリッタ(受動素子である)の集合体で構成されている場合に、同軸ケーブル・リングの周囲は安定しており、たとえ同軸ケーブル・リングの一部分が(例えば、局所的な温度上昇によって)長さを変えたとしても、時間遅延の変化は、リング・タップ方向性カプラーが設置される同軸ケーブル・リング内の位置によらず、同じである。
【0018】
[0024] 一例では、CW信号とCCW信号が同時に存在するが、これは限定ではない。場合によっては、CW信号とCCW信号を同時に存在させることは、分配リング当たりのリング・タップの数が増加した場合に、実用上の困難を招く。この場合、実際の方向性カプラーの方向性制限が、過剰な位相角誤差を引き起こす。一つの解決策は、標準コヒーレント発振器(COHO)を使用して、CW及びCCW信号を時間的に交互に送信し、現在受信されていない基準信号の位相を記憶しておき、その位相の信号を、欠落しているCW/CCW信号の代わりにミキサーに供給することである。別のオプションは、特定の方向のデータが利用可能である場合に、交互にリフレッシュされる2つのCOHOを、方向ごとに1つずつ使用することである。時計回り及び反時計回り信号の受信パワー・レベルを互いに比較することによって、どの方向が現在送信されているかを決定することができる。
【0019】
[0025] ある構成では、CW及びCCW信号の位相は、同相及び直交(I&Q)値として直接的に測定される。その後、複素数の算術計算を行い、定常位相を復元する。この場合、定常位相が使用され、時間オフセットは測定されない。
【0020】
[0026] ある構成では、アナログ再生分周器は、2分周器(divide-by-two divisor)を使用する。しかしながら、アナログ再生分周器は、3分周器、4分周器、5分周器などを使用することができるので、これは限定であるようには意図されていない。除数がNである場合、非同期f/N分周器は、N個の異なる位相のうちの何れかで現れ、それはランダムに現れ、(2π)/Nラジアンの整数倍で分けられたN個の曖昧な位相を生じることに留意されたい。
【0021】
[0027] ある構成では、同軸ケーブル・リングは2つのケーブルを使用し、その場合に、第1ケーブルがCWに使用され、第2ケーブルがCCWに使用される。このアプローチは、CW信号とCCW信号との間の分離を改善するかもしれないが、同軸ケーブル・リングの両方のケーブルがリング・タップ・ペアの間で同じ遅延を有することを保証するために、ケーブル・ペアの注意深いマッチングを必要とする可能性がある。
【0022】
[0028] ある構成では、注入信号(又はf/2位相同期信号)が、アナログ再生周波数分周器における方向性カプラーの他の不使用ポートに供給される。しかしながら、注入信号(又はf/2位相同期信号)は、代わりに、アナログ再生分周器の発振器フィードバック・ループ内の他の位置に供給されてもよい。
【0023】
[0029] フェーズド・アレイ・アンテナ・システムにおける基準信号分配システム
ある構成では、フェーズド・アレイ・システムにおいて、システムのアンテナ・アレイ素子は、制御された位相で調和して動作する。例えば、アンテナ・アレイ素子に対して生成され提供される無線周波数(RF)波形は、同相であることによって、調和して動作することができる。
【0024】
[0030] 従来のフェーズド・アレイ・システムでは、単一受信機エキサイタ(Receiver-Exciter,REX)ユニットが波形を生成し、ケーブル、スプリッタ及びドライバ増幅器のツリーがRF波形をアレイ・フェース(array face)に分配する。従来のシステムでは、RF波形が生成された元の基準は、種々のREXユニットの近くに位置する周波数時間システム又はサブシステム(FTS)ユニットによって提供される。従来のシステムでは、アレイ・フェース当たり1つのREXユニットに加えて、冗長性のためのバックアップREXユニットが存在するであろう。
【0025】
[0031] 現代のフェーズド・アレイ・システムでは、アレイ・フェース当たりの1つのREXユニットは、アンテナ素子のアレイに直接的に埋め込まれた複数の分散REX(Distributed REX,DREX)ユニットに置き換えられている。DREXは、内部で使用される基準信号を、周波数時間ソース又はシステム(FTS)のような共通ソースによって提供される少なくとも単一の周波数及び位相の基準から生成することができる。DREXにおける基準信号の並列生成の1つの利点は、独立に動作する発生回路によって生じるノイズが相関せず、従って電圧ではなくパワーとして結合することである。DREXが同じ位相を有する基準信号を内的に生成することを確実にするために、共通位相基準をDREXに提供することができる。例えば、共通位相基準は、DREXが分周器回路を含む場合に有用である可能性があり、分周器回路は、同期していない場合に、ランダムな位相曖昧性を生じさせる可能性がある。
【0026】
[0032] 現代のシステムに関するこれまでの解決策では、制御された経路長を有する専用基準分配システムを使用することができ、この場合、ケーブルは、複数のRFテスト周波数で特定の挿入位相にトリミングすることができる。専用基準分配システムの一例は、パイロット・パルス分配システムである。専用基準配線システムは高価であり、温度変化及び経時変化に対する正確な補償を維持することは困難である可能性がある。
【0027】
[0033] 現代のシステムに関する別の過去の解決法では、一対の逆回り又は逆伝搬基準信号又は線形周波数変調(linear frequency modulation (LFM))チャープを使用することができる。例えば、LFMチャープのような、逆回り又は逆方向に伝搬する基準信号のペアの数学的な複素数積は、一定の位相を有する可能性がある。逆回り又は逆伝搬基準信号アプローチの利点は、ケーブル・プラントが注意深く建造されたり、精密な電気的長さに切断されたり、及び/又は数学的に個々に測定及び補償されたりするように要求されないことである。しかしながら、このアプローチは、位相の曖昧さ(例えば、180度の曖昧さ)を生じさせる可能性があり、これらの曖昧さを除去することが望ましい。
【0028】
[0034] 更に、上述した現代のシステムに関する過去の解決策では、種々の基準信号周波数を生成するために使用される分周器は、デジタル的に実装される。デジタル・ディバイダは、便利で容易に同期するが、アナログ再生分周器よりもノイズが多い。
【0029】
[0035] 本技術において、アナログ再生分周器は、アレイ・フェース(即ち、アンテナ素子のアレイの面)にわたって同じ位相を達成するように同期させることが可能であり、デジタル・ディバイダと比較して低い位相ノイズである。低い位相ノイズは、システム全体のパフォーマンスにとって有益である。例えば、より高い位相ノイズでは、リターン信号がより高い位相ノイズによってマスクされる可能性があるので、リターン信号の検出がより困難になる可能性がある。従って、アナログ再生分周器によって生成される低い位相ノイズは、信号検出を改善することができる。アナログ再生分周器は、基準信号の注入によってアナログ再生分周器が同期できるように、電子フィードバック発振器の形態とすることが可能である。より具体的には、アナログ再生分周器は、リング・ケーブル上の逆回り基準信号を使用して同期させることができ、これは、一定の位相を有する注入信号を提供することができる。リング・ケーブル上で逆回り基準信号を使用するアナログ再生分周器同期のこのアプローチは、アナログ再生分周器を含むフェーズド・アレイ・アンテナ・システム(例えば、無線通信システムで使用されるフェーズド・アレイ・アンテナ)に適用することが可能である。この定常位相アプローチはまた、デジタル・ディバイダを同期させるために使用されてもよい。更に、このアプローチは、精密部品又は製造技術、又は経時変化によって必要とされる再較正を必要としない。従って、本技術では、ケーブルの厳密な位相整合の困難性や費用を伴うことなく、また、経時性や温度に関して整合性を維持することなく、アナログ再生分周器を並列に注入ロック(injection-locking)することによって、アレイ・フェースにわたって同一の又はほぼ同一の位相を達成することができる。
【0030】
[0036] 精密に分周された基準分配システムを必要とせずに、位相の曖昧性を防止するために、複数の分散されたアナログ分周器を同期させる技術が提供される。これは、逆回り基準信号を使用する信号分配リングを使用して、一定の位相とともに所望の周波数まで乗算される分数周波数基準信号を分配することによって達成され、これは、注入ロックによってアナログ分周器を同期させるために使用される。
【0031】
[0037]
図1は、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム100の一例を示す。フェーズド・アレイ・アンテナ・システム100は、通信システム(例えば、第5世代通信システム)、レーダー・システム、ソナー・システム等で使用されるフェーズド・アレイ・アンテナに含まれることが可能である。フェーズド・アレイ・アンテナ・システム100は、第1アンテナ112、第2アンテナ122、及び第Nアンテナ132のような複数のアンテナを含むことが可能であり、Nは正の整数である。フェーズド・アレイ・アンテナ・システム100は、複数のDREXを含むことが可能であり、所定のDREXは所定のアンテナに通信可能に結合することができる。例えば、第1DREX 114は第1アンテナ112に通信可能に結合することが可能であり、第2DREX 124は第2アンテナ122に通信可能に結合することが可能であり、第N DREX 134は第3アンテナ132に通信可能に結合することが可能である。第1DREX 114は第1エキサイタ116と第1レシーバ118を含むことが可能であり、第2DREX 124は第2エキサイタ126と第2レシーバ128を含むことが可能であり、第N DREX 114は第Nエキサイタ136と第Nレシーバ1N8を含むことが可能である。
【0032】
[0038]
図1は、DREX (114,124,134)毎に1つのアンテナ・サブアレイ(112,122,132)を有するフェーズド・アレイ・アンテナ・システムを描いているが、これは視覚的な簡明性のためである。全てのアンテナ・サブアレイに対して1つのDREX、又はアンテナ・サブアレイ当たり複数のDREX、又はそれらの任意の組み合わせとすることが可能である。サブアレイは、アンテナ・アレイ素子の集まりである。アンテナ素子は実際のアンテナ・ラジエータである。例えば、各々が100個の素子を有する例えば100個のサブアレイにおいて、10000個の素子が集められてもよい。
【0033】
[0039] ある構成では、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム100は、基準信号分配システム140を含むことができる。基準信号分配システム140は、第1DREX 114、第2DREX 124、及び第3DREX 134のような各々のDREXに、共通の位相基準信号を供給することができる。共通位相基準信号は、共通位相を有する基準信号であるとすることが可能である。DREXは、各々、基準信号分配システム140から提供される共通位相基準信号を使用して、同じ位相を有する内部信号を生成することができる。言い換えると、基準信号分配システム140は、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム100における各DREXに、共通位相基準信号を提供するための共通ソースとして機能することが可能であり、その結果、各DREXは、同じ位相を有する内部信号を生成することができる。
【0034】
[0040]
図2は、フェーズド・アレイ・アンテナ・システムの基準信号分配システム200の一例を示す。基準信号分配システム200は、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム内の複数のDREXへ送信されることが可能な共通位相基準信号を提供することができる。例えば、基準信号分配システム200は、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム内の複数のDREXに通信可能に結合することができる。以下で更に詳細に説明されるように、基準信号分配システム200は、基準信号源202、分配ツリー204、分周器206(例えば、f/4分周器)、パワー・スプリッタ208(例えば、1:2のパワー分配を実行するRF素子)、分配リング210(又は、同軸ケーブル・リングとも呼ばれる)、リング・タップ212、及び複数のアナログ再生分周器214を含むことが可能である。
【0035】
[0041] 一例では、基準信号源202は、低雑音基準信号源とすることができる。換言すれば、基準信号源202は、低い位相ノイズしか有しない基準信号を供給することができる。典型的には、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム毎に1つの基準信号源202が存在するが、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム毎に複数の並列的な基準信号源が考えられるので、図示の例は限定であるようには意図されていない。基準信号源202は、周波数fを有する基準信号を供給することができる。基準信号源202は、分配ツリー204を駆動することに加えて、分周器206を介して分配リング210も駆動することができる。
【0036】
[0042] 一例では、分配ツリー204は、周波数fを有する基準信号(例えば、低い位相ノイズを有する基準信号)を、基準信号源202から受信することができ、分配ツリー204は、周波数fを有する基準信号のコピーを、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム内の複数のアナログ再生分周器214の各々に提供することができる。分配ツリー204は、信頼性のために受動素子を用いて実現されることが可能であり、受動素子の場合、それらは冗長であることを必要としない。
【0037】
[0043] 一例では、分周器206は、周波数fを有する基準信号(例えば、低い位相ノイズを有する基準信号)を、基準信号源202から受信することができる。この例では、分周器206はf/4分周器であってもよい。換言すれば、この例では、分周器206は、周波数fを有する基準信号を入力として受信し、周波数f/4を有する基準信号の出力を生成することができる。分周器206は、リング・タップ212による後の周波数倍増を補償するために、分配の前に基準信号の周波数を減少させることができる(例えば、fからf/4に減少させることができる)。
【0038】
[0044] 一例では、分周器206から出力される周波数f/4を有する基準信号は、パワー・スプリッタ208に供給され、次いで分配リング210に供給されることが可能である。分配リング210は、信頼性のために、受動素子を使用して、実装されることが可能であり、受動素子の場合、冗長であることを必要としない。分配リング210は、周波数f/4を有する基準信号を、分配リング210のリング・タップ212に搬送することができる。例えば、周波数f/4を有する基準信号は、分配リング210の周りを反対方向に伝搬する一対の同じ信号を使用して、リング・タップ212に搬送することが可能であり、一方の信号は時計回りに伝搬することが可能であり(CW)、他方の信号は反時計回りに伝搬することが可能であり(CCW)、双方の信号は、同軸ケーブル又は他のケーブルのような同一の物理ケーブルにおけるものである。換言すれば、分配リング210は、周波数f/4を有するCW基準信号(本件ではCWの分割された基準信号とも呼ばれる)及び周波数f/4を有するCCW基準信号(本件ではCCWの分割された基準信号とも呼ばれる)を、分配リング210内のリング・タップ212に搬送することができる。
【0039】
[0045] 一例において、リング・タップ212は、周波数f/4を有するCW基準信号と周波数f/4を有するCCW基準信号を受信することができ、既知の共通位相(又は一定の位相)を有する周波数f/2の基準信号を生成することができる。換言すれば、リング・タップ212は、複数のアナログ再生分周器214の各々に供給することが可能なf/2位相同期信号を生成することができる。f/2位相同期信号は、複数のアナログ再生分周器214の各々を、共通位相に同期させるように機能することができる。f/2位相同期信号は、180度の位相曖昧性なしに所望の基準周波数におけるものとすることができる。
【0040】
[0046] 一例では、所与のアナログ再生分周器214は、f/2位相同期信号を、対応するリング・タップ212から受信することができる。更に、所与のアナログ再生分周器214は、周波数fを有する基準信号を、分配ツリー204から受信することができる。f/2位相同期信号と周波数fを有する基準信号とは、アナログ再生分周器214に対する入力として提供されることが可能であり、アナログ再生分周器214の出力は、周波数f/2を有する信号(本件では共通位相基準信号とも呼ばれる)とすることができる。
【0041】
[0047] 一例では、f/2位相同期信号の入力は共通位相を有するので、周波数f/2を有する信号の出力もまた共通位相を有することができる。周波数f/2を有する信号は、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム内の対応するDREXのようなユーザーに供給されることが可能である。更に、複数のアナログ再生分周器214の各々からの周波数f/2を有する信号は、共通位相を有することが可能であるので、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム内の対応するDREXもまた、共通位相とともに周波数f/2を有する信号を受信することが可能である。
【0042】
[0048] 一例では、分配リング210は、複数のリング・タップ212を含むことが可能であり、ここで、所与のリング・タップ212は、フェーズド・アレイ・アンテナ・システムの所与のDREXに対応することが可能な所与のアナログ再生分周器214に対応することが可能である。換言すれば、フェーズド・アレイ・アンテナ・システムにおいて、リング・タップ212、アナログ再生分周器214、及びDREXの間に1対1の比率関係が存在し得る。
【0043】
[0049] 一例では、基準信号源202のような共通基準周波数源から駆動される複数の分配リング210が存在し、並列に複数の分周器206(例えば、複数のf/4分周器)が存在する場合に、複数の分周器206は、分周器リセット制御ラインを使用して同期させることができる。一例において、分周器206はデジタル周波数分周器であるとすることが可能である。
【0044】
[0050]
図3は、基準信号分配システムのリング・タップ300の一例を示す。リング・タップ300は、方向性カプラー302、ミキサー304、及びバンド・パス・フィルタ306(例えば、f/2バンド・パス・フィルタ)を含むことができる。リング・タップ300は、基準信号分配システムの分配リングに挿入される複数のリング・タップのうちの1つであるとすることが可能である。
【0045】
[0051] 一例では、リング・タップ300に含まれる方向性カプラー302は、周波数f/4を有するCW基準信号と、周波数f/4を有するCCW基準信号とを、ミキサー304に供給することができる。ミキサー304は、周波数f/4のCW及びCCW基準信号を結合し、分配リング周囲の位置によって異なる直流(DC)オフセットを生じさせることができる。更に、周波数f/4のCW及びCCW基準信号を結合し、(2×f/4)、即ちf/2の基準信号(本件では分割され結合された基準信号とも呼ばれる)を生成することができる。ミキサー304によって生成される周波数f/2の基準信号は、リング・タップ300が存在する分配リング内の場所に依存するのでは無く、分配リングの周囲に依存する位相を有する可能性である。
【0046】
[0052] 一例では、ミキサー304によって生成された周波数f/2の基準信号は、バンド・パス・フィルタ306に供給されることが可能である。バンド・パス・フィルタ306は、DCオフセットを除去し、ランダム・ノイズを低減し、それにより、f/2位相同期信号を提供することができる。f/2位相同期信号は、注入ロックのために、関連するアナログ再生分周器に供給されることが可能である。
【0047】
[0053] 一例において、分配リングが代わりに周波数f/2の基準信号で駆動されたならば、その結果は周波数fの基準周波数となり、事後的な分散された周波数分割が必要とされるであろう。そのアプローチは、アナログ再生分周器におけるものと同種の位相曖昧性を被るであろう。
【0048】
[0054] 本技術では、分配に先立って、基準信号源の近くで周波数分割を実行し、基準信号分配システムの中又は後で周波数乗算が実行されることしか必要とせず、これは有用であり、なぜなら周波数乗算は位相曖昧性ではないからである。
【0049】
[0055]
図4は、基準信号分配システムのアナログ再生分周器400の一例を示す。アナログ再生分周器400は、基準信号分配システムの分配リング当たり複数個のアナログ再生分周器のうちの1つとすることが可能である。アナログ再生分周器400は、位相検出器402、バンド・パス・フィルタ404(例えば、f/2バンド・パス・フィルタ)、増幅器406、方向性カプラー408、パワー・ディテクタ410、アナログ・スイッチ412、及びフィードバック・ネットワーク414を含むことができる。アナログ再生分周器400は、パワー・ディテクタ410及びアナログ・スイッチ412のような、標準的なアナログ再生分周器には見受けられない新しい構成要素を含むことができる。更に、アナログ再生分周器400は、標準的なアナログ再生分周器には見受けられない、方向性カプラー408のための新たな用途を実現することができる。
【0050】
[0056] 一例では、周波数fの基準信号は、位相検出器402において、基準信号分配システム内の分配ツリーから受信することができる。更に、f/2位相同期信号は、方向性カプラー408において、基準信号分配システム内の関連するリング・タップから、アナログ・スイッチ412を介して受信することができる。f/2位相同期信号は、アナログ・スイッチ412がクローズにされている場合に、方向性カプラー408で受信することができる。f/2位相同期信号は、方向性カプラー408からフィードバック・ネットワーク414へ方向付けられることが可能であり、次いで、f/2位相同期信号は位相ディテクタ402へ方向付けられることが可能である。
【0051】
[0057] 一例では、位相ディテクタ402は、周波数fの基準信号とf/2位相同期信号を受信することができる。位相ディテクタ402は、周波数fの基準信号とf/2位相同期信号に対して、周波数加算及び減算演算を実行することができる。従って、位相ディテクタ402は、f/2信号及び3f/2信号を生成することができる。f/2信号及び3f/2信号は、バンド・パス・フィルタ404に供給されることが可能である。この例では、バンド・パス・フィルタ404は、f/2バンド・パス・フィルタであるとすることが可能である。従って、この例では、3f/2信号を排除することが可能であり、f/2信号はバンド・パス・フィルタ404を通過して増幅器406に供給されることが可能である。増幅器からのf/2信号は、方向性カプラー408に供給され、次いで、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム内の対応するDREXのようなユーザーに供給されることが可能である。
【0052】
[0058] 一例では、方向性カプラー408は、2つの機能を果たすことができる。方向性カプラー408の第1機能は、増幅器からf/2信号の一部を抽出し、フィードバック・ネットワーク414を介して位相検出器402へフィードバックできることである。方向性カプラー408の第2機能は、同じ発振器ループの注入ロックのための注入ポートとして機能できることであり、これはカプラー・ポート間に存在する低減した損失を活用できる。従って、第2機能を用いて、方向性カプラー408は、増幅器406からの出力信号を、パワー・ディテクタ410及びアナログ・スイッチ412に供給し、次いで、フィードバック・ネットワーク414を介して位相ディテクタ402に供給することができる。出力信号が周波数f/2を有する場合、周波数f/2の信号は、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム内の対応するDREXのようなユーザーに供給されることが可能である。換言すれば、パワー・ディテクタ410は、出力信号のパワー・レベルを測定するために使用されることが可能である。
【0053】
[0059] 一例では、アナログ再生分周器400が始動する場合に、最初はほぼゼロの出力信号(即ち、方向性カプラー408からの出力信号)が存在する可能性があるが、増幅されたノイズがアナログ再生分周器400の発振器ループの周りを循環するにつれて、発振振幅がアナログ再生分周器400の回路構成要素によって制限されるまで、通常のノイズが繰り返し増幅される十分なループ利得が存在し得る。(注入された信号のような)正しい周波数における信号が起動時に供給されると、たとえその信号が非常に微弱であったとしても、発振はその注入された信号から成長し、従ってその信号と同位相になることが可能である。この例では、注入された信号は、リング・タップによって提供されるf/2位相同期信号であるとすることが可能である。
【0054】
[0060] 一例では、一旦、正しい位相の振動が確立されると(例えば、f/2については、2つの可能性がある)、リング・タップからの信号の更なる注入は不要であり、過剰な位相ノイズを生じさせる可能性があるので、注入信号の振幅を急激に減少させる方式が望まれる。パワー・ディテクタ410とアナログ・スイッチ412は、注入信号振幅を低減するために使用されることが可能である。例えば、発振振幅が低減するか又は閾値を下回る場合、パワー・ディテクタの出力は低減されることが可能であり、アナログ・スイッチ412(アナログ伝送ゲートとしても知られる)は、完全な設計振幅で注入信号を送信するように設定することが可能であり、それによって注入ロッキングを生じさせる。注入信号は、関連リング・タップから受信したf/2位相同期信号であるとすることが可能である。換言すれば、発振振幅が所定の閾値を下回る場合、アナログ・スイッチ412はクローズにされることが可能であり、注入信号は、方向性カプラー408に、そしてアナログ再生分周器400の発振ループを介して供給されることが可能である。発振振幅が、規定された時間の間に、増加したか、又は規定された閾値を上回った場合、パワー・ディテクタの出力も増加させることが可能である。この場合、アナログ・スイッチ412は、注入信号(又は、関連するリング・タップからのf/2位相同期信号)をブロックすることができ、典型的な自立再生ディバイダ処理を開始することができる。換言すれば、発振振幅が規定された閾値を上回る場合、アナログ・スイッチ412はオープンにされることが可能であり、注入信号は、方向性カプラー408又はアナログ再生分周器400の発振ループには供給されない。微弱な注入された基準信号によって引き起こされる位相ノイズが重要でない場合、(関連するリング・タップからの)到来する基準信号を単に減衰させ、それを直接的に方向性カプラー408に供給し、パワー検出器410とアナログ・スイッチ412を省略してもよい。
【0055】
[0061] 従って、注入信号(又はf/2位相同期信号)は、スタートアップ期間の間に限り、リング・タップから受信されることが可能である。スタートアップの後、出力パワーがフル・パワー付近で安定した場合、注入信号は、リング・タップから受信されなくてよい。
【0056】
[0062] 一例において、アナログ再生分周器400の出力は、周波数f/2を有する信号であるとすることが可能である。周波数f/2を有する信号は、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム内の対応するDREXのようなユーザーに供給されることが可能である。更に、複数のアナログ再生分周器の各々からの周波数f/2を有する信号は、共通の位相を有することが可能であるので、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム内の対応するDREXもまた、共通の位相とともに周波数f/2を有する信号を受信することができる。
【0057】
[0063]
図5は、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム500の一例を示す。フェーズド・アレイ・アンテナ・システム500は、基準信号を生成するように構成された基準信号源510を含むことができる。フェーズド・アレイ・アンテナ・システム500は、基準信号源510から基準信号を受信し、基準信号のコピーをアナログ再生分周器550に供給するように構成された分配ツリー520を含むことができる。フェーズド・アレイ・アンテナ・システム500は、基準信号を分割し、分割された基準信号を生成するように構成された周波数ディバイダ530を含むことができる。フェーズド・アレイ・アンテナ・システム500は、パワー・スプリッタ542とリング・タップ544を含む分配リング540を含むことができる。パワー・スプリッタ542は、分割された基準信号から、反時計回りの分割された基準信号と時計回りの分割された基準信号を生成するように構成することができる。分配リング540は、反時計回りの分割された基準信号をリング・タップ544に供給し、時計回りの分割された基準信号をリング・タップ544に供給することができる。リング・タップ544は、反時計回りの分割された基準信号と時計回りの分割された基準信号に基づいて、位相同期信号を生成するように構成することができる。アナログ再生分周器550は、位相同期信号と基準信号を受信し、共通位相基準信号を生成するように構成することができる。
【0058】
[0064] 一例では、基準信号源510、分配ツリー520、周波数ディバイダ530、分配リング540、及びアナログ回生分配器550は、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム500の基準信号分配システム505に含まれることが可能である。
【0059】
[0065] ある構成では、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム500は、分散されたレシーバ・エキサイタ560とアンテナ素子570を含むことができる。DREX 560は、アナログ再生分周器550から共通位相基準信号を受信し、共通位相基準信号を使用して内部信号を生成するように構成することができる。アンテナ素子570は、DREX 560に通信可能に結合されることが可能であり、アンテナ素子570は、DREX 560で生成される内部信号を使用して制御されることが可能である。
【0060】
[0066] 一例では、基準信号は周波数fを有することが可能であり、分周器はf/4分周器であるとすることが可能であり、反時計回りの分割された基準信号は周波数f/4を有することが可能であり、時計回りの分割された基準信号は周波数f/4を有することが可能であり、位相同期信号は周波数f/2を有することが可能であり、共通位相基準信号は周波数f/2を有することが可能であり、fはヘルツ単位の周波数である。
【0061】
[0067] 一例では、リング・タップ544は、方向性カプラー、ミキサー、及びバンド・パス・フィルタを含むことができる。方向性カプラーは、反時計回りの分割された基準信号と時計回りの分割された基準信号を、ミキサーに方向付けるように構成することができる。ミキサーは、反時計回りの分割された基準信号と時計回りの分割された基準信号とを結合して、分割され合成された基準信号を生成するように構成することができる。バンド・パス・フィルタは、分割され合成された基準信号をフィルタリングして、位相同期信号を生成するように構成することができる。
【0062】
[0068] 一例では、アナログ再生分周器550は、位相ディテクタ、アナログ・スイッチ、方向性カプラー、及びパワー・ディテクタを含む。位相ディテクタは、分配ツリー520を介して基準信号源510から基準信号を受信するように構成することができる。アナログ・スイッチは、アナログ・スイッチがクローズにされた場合に、リング・タップ544から受信した位相同期信号を方向性カプラーへ方向付けるように構成することができる。方向性カプラーは、位相同期信号を、フィードバック・ネットワークを介して位相ディテクタへ供給するように構成することができる。パワー・ディテクタは、方向性カプラーの出力の信号パワーを検出するように構成することができる。更に、位相ディテクタは、基準信号と位相同期信号とを結合した信号出力を提供するように更に構成することができ、信号出力は、バンド・パス・フィルタ、増幅器、及び方向性カプラーに提供され、共通位相基準信号に対応する方向性カプラーの出力を生成する。
【0063】
[0069] 一例では、アナログ再生分周器550は、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム500の起動期間中にクローズにされたアナログ・スイッチを介して、リング・タップ544から位相同期信号を受信するように構成されることが可能であり、方向性カプラーの出力の信号パワーが、所定の閾値を下回った場合に、位相同期信号を受信することができる。別の例では、アナログ再生分周器550は、フェーズド・アレイ・アンテナ・システム500の起動期間後にアナログ・スイッチがオープンにされた場合に、リング・タップ544から位相同期信号を受信しないように構成されることが可能であり、位相同期信号は、方向性カプラーの出力の信号パワーが、所定の閾値を上回った場合には受信されない。
【0064】
[0070]
図6は、フェーズド・アレイ・アンテナ・システムで使用するための共通位相基準信号を生成する方法のフローチャートを示す。本方法は、ブロック610におけるように、基準信号を生成することを含むことができる。本方法は、ブロック620におけるように、基準信号を分割して、分割された基準信号を生成することを含むことができる。本方法は、ブロック630におけるように、分割された基準信号から、反時計回りの分割された基準信号と時計回りの分割された基準信号とを生成することを含むことができる。本方法は、ブロック640におけるように、反時計回りの分割された基準信号と時計回りの分割された基準信号とに基づいて、位相同期信号を生成することを含むことができる。本方法は、ブロック650におけるように、基準信号と位相同期信号に部分的に基づいて共通位相基準信号を生成することを含むことができる。更に、本方法は、共通位相基準信号を使用して、フェーズド・アレイ・アンテナ・システムの1つ以上のアンテナ素子を制御するための内部信号を生成することを含むことができる。
【0065】
[0071] 本技術に関して提示されるフローチャートは、特定の実行順序を示しているかもしれないが、実行順序は、図示されたものと相違してもよい。例えば、2つ以上のブロックの順序が、示された順序に対して配置し直してもよい。また、連続して示される2つ以上のブロックは、並列的に又は部分的に並列に実行されてもよい。一部の構成では、フローチャートに示される1つ以上のブロックが省略され又はスキップされてもよい。機能強化されたユーティリティ、アカウンティング、パフォーマンス、メジャーメント、トラブル・シューティング、又は類似の理由のために、任意数のカウンタ、状態変数、ワーニング・セマフォ、又はメッセージが、論理フローに追加されてもよい。
【0066】
[0072] 本明細書で説明される機能ユニットのうちの幾つかは、それらの実装の独立性をよりいっそう特に強調するために、モジュールとしてラベル付けされている。例えば、モジュールは、カスタムVLSI(Very Large Scale Integration)回路又はゲートアレイ、市販の半導体であって、論理チップ、トランジスタ、又はその他のディスクリート素子のようなものを含むハードウェア回路として実装されてもよい。モジュールはまた、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ、プログラマブル・アレイ・ロジック、プログラマブル・ロジック・デバイス等のようなプログラマブル・ハードウェア・デバイスにおいて実装されてもよい。
【0067】
[0073] また、モジュールは、種々のタイプのプロセッサで実行するためのソフトウェアにおいて実装されてもよい。実行可能コードの識別されたモジュールは、例えば、オブジェクト、プロシジャ、又はファンクションとして組織化されることが可能なコンピュータ命令の1つ以上のブロックを含むことができる。それにもかかわらず、識別されるモジュールの実行ファイルは、物理的に一緒に配置されることを必要とせず、モジュールを含む様々な場所に格納される異種の命令を含み、論理的に一緒にされた場合にモジュールに関して述べられている目的を達成することができる。
【0068】
[0074] 実際、実行可能コードのモジュールは、単一の命令、又は多くの命令であってもよく、幾つもの異なるコード・セグメントにわたって、様々なプログラムの中で、及び幾つものメモリ・デバイスにわたって、分散されてもよい。同様に、処理データは、本件ではモジュール内で識別され図示されてもよく、また、任意の好適な形態で具体化され、任意の好適なタイプのデータ構造内で組織化されてもよい。動作データは、単一のデータ・セットとして収集されてもよく、又は様々な記憶装置にわたることを包含する様々な場所にわたって分散されてもよい。モジュールは、受動的又は能動的であってもよく、所望の機能を実行するように動作することが可能なエージェントを含む。
【0069】
[0075] 本件で説明される技術は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラム・モジュール、又はその他のデータのような情報の記憶のための任意の技術で実施される、揮発性及び不揮発性の、取り外し可能な及び取り外し可能でない媒体を含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することも可能である。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、RAM、ROM、電気的に消去可能なプログラマブル・リード・オンリー・メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ又はその他のメモリ技術、コンパクト・ディスク・リード・オンリー・メモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)又はその他の光学記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置又はその他の磁気記憶装置、又は何らかの他のコンピュータ記憶媒体であって、所望の情報及び説明された技術を記憶するために使用することが可能なものを含むが、これらに限定されない。
【0070】
[0076] 本件で説明されるデバイスはまた、デバイスが、他のデバイスと通信することを可能にする通信接続又はネットワーキング装置及びネットワーキング接続を含んでもよい。通信接続は通信媒体の一例である。通信媒体は、典型的には、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラム・モジュール、及びその他のデータを、変調されたデータ信号、例えば搬送波又はその他の伝送機構に組み込むものであり、任意の情報伝達媒体を含む。“変調されたデータ信号”とは、情報を信号にエンコードするような方法で、設定又は変更された1つ以上の特徴を有する信号を意味する。一例として、限定ではないが、通信媒体は、有線ネットワーク又は直接的な有線接続のような有線媒体、及び音響、無線周波数、赤外線、及びその他の無線媒体のような無線媒体を含む。本件で使用されるようなコンピュータ読み取り可能な媒体という用語は、通信媒体を含む。
【0071】
[0077] 図面に例示された実施例が参照され、本件ではそれを説明するために特定の言葉が使用されている。それでもなお、本技術の範囲の制限はそれによって意図されていないことが理解されるであろう。本件で例示された特徴の変更及び更なる修正、並びに本件で例示された実施例の追加的な応用であって、関連する分野の当業者に把握され、且つ本開示の範疇にあるものは、本説明の範囲内であると考えられるべきである。
【0072】
[0078] 更に、説明された特性、構造、又は特徴は、1つ以上の実施例で任意の適切な方法で組み合わせられてもよい。先の説明では、説明された技術の例の完全な理解をもたらすために様々な構成例のような、多数の具体的な詳細が提供された。しかしながら、当業者は、この技術が1つ以上の特定の詳細なしに、又は他の方法、構成要素、デバイスなどを用いて実施することができることを理解するであろう。他の例では、周知の構造又は動作は、技術の側面を不明瞭にすることを避けるために、詳細には示されないか又は説明されていない。
【0073】
[0079] 対象事項は、構造的な特徴及び/又は動作に特有の言葉で説明されているが、添付のクレームにおいて定義される対象事項は、必ずしも上述の特定の特徴や動作に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、上述の特定の特徴や作用は、クレームを実施する例示的な形態として開示される。説明された技術の精神及び範囲から逸脱することなく、多数の修正及び代替的な構成を案出することができる。