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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】多層光学デバイスおよびシステム
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20240329BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20240329BHJP
   G02B 6/43 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G02B6/26 301
G02B6/43
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022523329
(86)(22)【出願日】2020-10-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 US2020057390
(87)【国際公開番号】W WO2021086789
(87)【国際公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-06-14
(31)【優先権主張番号】16/667,686
(32)【優先日】2019-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ダンフィ,ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ハチソン,デイビッド
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-121008(JP,A)
【文献】国際公開第2019/050643(WO,A1)
【文献】特開2002-169045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51
G01S17/00-17/95
G01C 3/06- 3/08
G01B11/00-11/30
G02B 5/00- 6/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光検出および測距(LIDAR)デバイスであって、
重なり合う配置で配設された複数の基板であって、少なくとも第1の基板および第2の基板を含む、複数の基板と、
光信号を放出するように構成された光エミッタと、
前記第1の基板上に配設されて前記第1の基板上に第1の光路を画定する第1の導波路であって、前記第1の導波路が、前記光信号を前記第1の光路に沿って誘導し、前記第1の導波路の出力セクションにおいて、前記第1の導波路から前記光信号を前記第2の基板に向かって送信するように構成されている、第1の導波路と、
前記第2の基板上に配設されて前記第2の基板上に第2の光路を画定する第2の導波路であって、前記第2の導波路の入力セクションが、前記第1の導波路の前記出力セクションと重なり合って、前記第2の導波路が、前記第2の導波路の前記入力セクションにおいて、前記第1の導波路から前記光信号を受信し、前記光信号を前記第2の光路に沿って誘導するように構成されている、第2の導波路と、
前記第1の導波路の前記出力セクションと前記第2の導波路の前記入力セクションとを物理的に結合する光学接着剤、を備える、LIDARデバイス。
【請求項2】
前記重なり合う配置の隣接する基板が、少なくとも所定の分離距離だけ離れて離間されている、請求項1に記載のLIDARデバイス。
【請求項3】
前記第1の導波路の前記出力セクションが、前記第2の導波路の前記入力セクションと重なり合う、請求項1に記載のLIDARデバイス。
【請求項4】
前記第1の導波路が、前記第1の基板と前記第2の基板との間に位置されている、請求項1に記載のLIDARデバイス。
【請求項5】
前記第2の導波路が、前記第1の基板と前記第2の基板との間に位置されている、請求項4に記載のLIDARデバイス。
【請求項6】
光を放出するように構成されている光エミッタであって、前記第1の導波路が、前記第1の導波路の第1の端で前記光エミッタから放出された光を受信し、前記第1の導波路の第2の端に向かって前記第1の端で受信された前記光を誘導するように構成されており、前記第1の導波路が、前記第1の端と前記第2の端との間に第1の側面を有し、前記第1の側面が、前記第1の基板上に配設されている、光エミッタ、をさらに備える、請求項1に記載のLIDARデバイス。
【請求項7】
前記出力セクションにおいて前記第1の導波路によって送信された前記光信号が、前記第1の側面とは反対側の前記第1の導波路の第2の側面を通って送信される、請求項6に記載のLIDARデバイス。
【請求項8】
前記第1の導波路の前記出力セクションにおいて、前記第1の導波路の内部に誘導されている前記光信号を前記第1の導波路の前記第2の側面に向かって反射するように構成されているミラーを、さらに備え、
前記反射された光信号が、前記ミラーによって反射された後、前記第2の側面から前記第2の基板に向かって伝搬する、請求項に記載のLIDARデバイス。
【請求項9】
前記第1の導波路が、前記第1の導波路の第2の側面に向かって傾斜している傾斜したエッジを有し、前記ミラーが、前記傾斜したエッジ上に配設されている、請求項8に記載のLIDARデバイス。
【請求項10】
前記傾斜したエッジと前記第1の導波路の前記第2の側面との間の角度が、鋭角である、請求項9に記載のLIDARデバイス。
【請求項11】
前記第1の導波路の前記出力セクションが、前記第1の導波路の前記第2の端にある、請求項6に記載のLIDARデバイス。
【請求項12】
前記第2の導波路の前記入力セクションにおいて前記第1の導波路から受信された前記光信号の少なくとも一部が、前記第2の導波路から前記第2の基板に向かって伝搬し、前記LIDARデバイスが、
前記光信号の前記少なくとも一部を前記第2の導波路に反射して戻すように構成されたミラーを、さらに備える、請求項1に記載のLIDARデバイス。
【請求項13】
前記第2の基板上に配設されて前記第2の基板上に第3の光路を画定する第3の導波路であって、第1のセクションが、第2のセクションに対して閾値距離未満であるように、前記第1の導波路の前記第1のセクションが、第3の導波路の前記第2のセクションと重なり合う、第3の導波路と、
前記第1の導波路の前記第1のセクションと前記第3の導波路の前記第2のセクションとの間に位置付けられた光シールドと、をさらに備える、請求項1に記載のLIDARデバイス。
【請求項14】
前記光シールドが、前記第1のセクションまたは前記第2のセクションに配設された金属コーティング層を含む、請求項13に記載のLIDARデバイス。
【請求項15】
方法であって、
重なり合う配置で配設された複数の基板の第1の基板上の第1の光路を画定する第1の導波路で光を受信することと、
前記第1の導波路の内部で、前記第1の光路に沿って前記第1の導波路の出力セクションに向かって前記光を誘導することと、
前記出力セクションにおいて、前記第1の導波路の外に前記光を前記複数の基板の第2の基板に向かって送信することと、
前記第2の基板上に配設された第2の導波路の入力セクションにおいて、前記第1の導波路の前記出力セクションから送信された光を受信することであって、前記第2の導波路の前記入力セクションが、前記第1の導波路の前記出力セクションと光学接着剤で物理的に結合されること
前記第2の導波路の内部で、前記第2の基板上の前記第2の導波路によって画定される第2の光路に沿って前記光を誘導することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年10月29日に出願された米国特許出願第16/667,686号の優先権を主張し、その出願の全体が参照により本明細書により組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
本明細書に別段の指示がない限り、本項に記載の題材は、本出願の特許請求の範囲に対する先行技術ではなく、本項に含めることよって先行技術であると認められるものではない。
【0003】
光導波路は、他の例の中でもとりわけ、医療デバイス、製造システム、およびリモートセンシングデバイス(例えば、LIDARなど)などの様々なシステムで使用することができる。一般に、光導波路は、ある空間位置(信号が導波路に入る場所)から別の空間位置(信号が導波路から出る場所)に光信号を導くための光路を画定するデバイスである。一例では、光導波路は、その周囲の媒体に対してより高い屈折率を有する光学材料を含み得る。屈折率の違いにより、光学材料(またはその一部)の内部を伝搬する光は、光学材料の1つ以上の壁で反射して光学材料に戻り(例えば、内部全反射(TIR))、その後光学材料の内部に伝搬を続ける場合がある。したがって、光学材料の形状および/または他の物理的特性に応じて、光導波路は、その中に誘導される光信号のための特定の光路を画定し得る。
【発明の概要】
【0004】
一例では、システムは、重なり合う配置で配設された複数の基板を備える。複数の基板は、少なくとも第1の基板および第2の基板を含む。このシステムはまた、第1の基板上に配設された第1の導波路を備え、第1の基板上に第1の光路を画定する。第1の導波路は、第1の光路に沿って光信号を誘導するように構成される。第1の導波路はまた、第1の導波路の出力セクションにおいて、第1の導波路から第2の基板に向かって光信号を送信するように構成される。このシステムはまた、第2の基板上に配設された第2の導波路を含み、第2の基板上に第2の光路を画定する。第2の導波路の入力セクションは、第1の導波路によって第2の基板に向かって送信された光信号を受信するために、第1の導波路の出力セクションと位置合わせされる。第2の導波路は、第2の光路に沿って入力セクションにおいて受信された光信号を誘導するように構成される。
【0005】
別の例では、光検出および測距(LIDAR)デバイスは、重なり合う配置で配設された複数の基板を含む。複数の基板は、少なくとも第1の基板および第2の基板を備える。LIDARデバイスは、光信号を放出するように構成された光エミッタも備えている。LIDARデバイスはまた、第1の基板上に配設された第1の導波路を含み、第1の基板上に第1の光路を画定する。第1の導波路は、第1の光路に沿って光信号を誘導するように構成される。第1の導波路はまた、第1の導波路の出力セクションにおいて、第1の導波路から第2の基板に向かって光信号を送信するように構成される。LIDARデバイスはまた、第2の基板上に配設された第2の導波路を含み、第2の基板上に第2の光路を画定する。第2の導波路の入力セクションは、第1の導波路の出力セクションと重なり合っている。第2の導波路は、入力セクションにおいて第1の導波路から光信号を受信し、光信号を第2の光路に沿って誘導するように構成される。
【0006】
さらに別の例では、方法は、重なり合う配置で配設された複数の基板の第1の基板上に第1の光路を画定する第1の導波路で光を受信することを含む。この方法はまた、第1の導波路の内部で、第1の光路に沿って第1の導波路の出力セクションに向かって光を誘導することを含む。この方法はまた、出力セクションにおいて、第1の導波路から複数の基板の第2の基板に向かって光を送信することを含む。この方法はまた、第2の基板上に配設された第2の導波路の入力セクションにおいて、第1の導波路の出力セクションから送信された光を受信することを含む。第2の導波路の入力セクションは、第1の導波路の出力セクションと位置合わせされている。この方法はまた、第2の導波路の内部で、第2の基板上の第2の導波路によって画定される第2の光路に沿って光を誘導することを含む。
【0007】
さらに別の例では、システムは、重なり合う配置で配設された複数の基板の第1の基板上に第1の光路を画定する第1の導波路で光を受信するための手段を含む。このシステムはまた、第1の導波路の内部で、第1の光路に沿って第1の導波路の出力セクションに向かって光を誘導するための手段を含む。このシステムはまた、出力セクションにおいて、第1の導波路から複数の基板の第2の基板に向かって光を送信するための手段を含む。このシステムはまた、第2の基板上に配設された第2の導波路の入力セクションにおいて、第1の導波路の出力セクションから送信された光を受信するための手段を備える。第2の導波路の入力セクションは、第1の導波路の出力セクションと位置合わせされている。このシステムはまた、第2の導波路の内部で、第2の基板上の第2の導波路によって画定される第2の光路に沿って光を誘導するための手段を含む。
【0008】
前述の概要は例示にすぎず、決して限定することを意図したものではない。上記の例示的な態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴が、図および以下の「発明を実施するための形態」を参照することによって、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】例示的な実施形態による、多層光学システムを例示する。
図1B図1Aのシステムの断面概略を例示する。
図1C図1Aのシステムの別の断面概略を例示する。
図2A】例示的な実施形態による、LIDARデバイスの簡略化されたブロック図である。
図2B図2AのLIDARデバイスの斜視図を例示する。
図3A】例示的な実施形態による、導波路を含むシステムの例示図である。
図3B図3Aのシステムの断面図を例示する。
図4A】例示的な実施形態による、多層導波路アセンブリを含むシステムの第1の断面図を例示する。
図4B図4Aのシステムの第2の断面図を例示する。
図4C図4Aのシステムの第3の断面図を例示する。
図4D図4Aのシステムの第4の断面図を例示する。
図5】例示的な実施形態による、方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において記載された任意の例示的な実施形態または特徴は、必ずしも他の実施形態または特徴よりも好ましいまたは有利であると解釈されるものではない。本明細書に記載される例示的な実施形態は、限定することを意図するものではない。開示された実装形態の特定の態様を、多種多様な異なる構成で配置および組み合わせることができることが容易に理解されるであろう。さらに、図面に示される特定の配置は、限定するものと見なされるべきではない。他の実装形態は、所与の図面に示される各要素の数が増減されたものが含まれ得ることを理解されたい。加えて、例示される要素のいくつかが、組み合わされるか、または省略され得る。同様に、例示的な実装形態は、図面に例示されない要素を含み得る。
【0011】
I.概要
本明細書に開示されるいくつかの例示的な光学システムは、少なくとも部分的に互いに重なり合う別個の光経路に沿って複数の光信号(例えば、複数の信号チャネル)をルーティングするために使用することができる。一例のシステムは、重なり合う配置で複数の基板(例えば、ガラス基板など)を含む。このシステムはまた、第1の光信号を第1の光路に沿って、および第2の光信号を第2の光路に沿ってルーティングするように構成された導波路の多層アセンブリを含む。多層アセンブリの各層は、複数の基板のそれぞれの基板上に配設された1つ以上の導波路に対応する。
【0012】
いくつかの例では、第1の基板上に配設された第1の導波路は、第2の基板上に配設された第2の導波路に光学的に結合されている。例えば、第1の光路は、第1の導波路の内部の第1の基板に沿って延在し、次いで、第2の導波路の内部の第2の基板に沿って続くことができる。この配置では、例えば、2つの光路(またはその1つ以上のセクション)は、互いに物理的に交差することなく、異なる方向(例えば、非平行など)に延びることができる。一方、代替的な単層導波路配置では、例えば、2つの光路は、代わりに、互いに物理的に十字を切るかまたは交差し得る。
【0013】
他の態様、特徴、実装形態、構成、配置、および利点も可能である。
【0014】
II.例示的なシステムおよびデバイス
図1Aは、例示的な実施形態による、多層光学システム100を例示する。図示されるように、システム100は、重なり合う配置で複数の基板184、186を含む。システム100は、説明の便宜のために、2つの重なり合う基板184および186を含むように図示されていることに留意されたい。代替の実施形態では、システム100は、より少ないまたはより多い基板を代替的に含むことができる。第1の実施形態では、システム100は、単一の基板を代替的に含み得る。この実施形態では、多層光学システム100の第1の層は、単一の基板の第1の側面に配設されている1つ以上の光学部品(例えば、導波路)を含み得、第2の層は、第1の側面の反対側の単一基板の第2の側面に配設されている1つ以上の他の部品を含み得る。第2の実施形態では、システム100は、図1Aに示される基板184、186の重なり合う配置と同様に配置された3つ、4つ、またはそれ以上の基板を含み得る。
【0015】
図示される実施形態では、それぞれの基板184および186の重なり合う側面(例えば、壁)は、互いに実質的に平行に配置されている。しかしながら、代替の実施形態では、所与の基板は、代わりに、基板の重なり合う配置において、隣接する基板に対してあるオフセット角度で傾斜されることができる。
【0016】
いくつかの例では、システム100の複数の基板は、隣接する基板が少なくとも所与の分離距離だけ分離されるように、互いに物理的に結合され得る。例えば、システム100はまた、ボールベアリング、光ファイバ、または2つの基板を少なくとも与えられた分離距離によって互いに物理的に分離するために基板184と基板186との間に配設された任意の他のタイプの中実離間構造などの1つ以上の離間構造(図示せず)を含み得る。所与の分離距離は、システム100の様々な用途に応じて任意の距離であり得る。一実施形態では、所与の分離距離は、10マイクロメートル~1ミリメートルであり得る。他の分離距離も可能である。
【0017】
代替的な例では、システム100内の複数の基板のうちの2つ以上の基板は、互いに物理的に接触し得る(例えば、一方の基板が他方の上に配設されているなど)。例えば、重なり合う配置における基板184および186の隣接する表面は、代替的に、2つの基板間の分離距離なしに物理的に結合され得る(例えば、一緒に接着されるなど)。この例では、2つの基板は、各個々の基板の2倍の厚さを有する単一の組み合わされた基板に効果的に対応し得る。この配置では、例えば、光学部品の2つの層(例えば、組み合わされた基板の外面に配設される)は、個々の基板を、他の個々の基板(例えば、2つの個別の基板を固定された相対配置で物理的に結合する前など)に対して動かす(例えば、スライドするなど)ことによって(例えば、較正、組み立てなどの間に)効率的に位置合わせさせることができる。他の例および/または利点も可能である。
【0018】
基板184、186は、1つ以上の信号ルーティング構造(図1Aには図示せず)および/または基板上に配設された他のタイプの光学デバイスを支持するために好適な任意の基板を含み得る。一実施形態では、基板184、186の重なり合うおよび/または平行な側は、光導波路(図1Aには図示せず)または他の光学部品が装着される装着面として構成され得る。したがって、この実施形態では、それぞれの装着面に配設された光学部品は、光学部品の多層アセンブリ内のそれぞれの層に対応し得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、基板184および/または186は、1つ以上の波長の光に対して少なくとも部分的に透明である、透明または部分的に透明な材料(例えば、スライドガラス、カバーガラス、プラスチックフィルムなど)から形成されるか、またはそれらを含む。例えば、システム100が赤外線波長範囲の光信号をルーティングするために使用される場合、基板184、186で使用される材料は、光の赤外線波長に対して少なくとも部分的に透明であり得る。他の波長も可能である。
【0020】
代替の実施形態では、基板184および/または186は、代わりに、不透明材料(例えば、シリコンまたはガリウムヒ素などの半導体基板、プリント回路基板(PCB)基板、または任意の他のタイプの不透明な基板)から形成されるか、またはそれらを含むことができる。
【0021】
図1Bは、システム100の断面図を例示する。例示目的上、図1Bはx-y-z軸を示しており、ここで、y軸はページを通って延在する。追加的に、システム100の1つ以上の部品は、説明の便宜上、図1Aおよび/または1Bの例示図から省略されていることに留意されたい。
【0022】
図示されるように、システム100はまた、光エミッタ140、導波路150、151、154、156、およびミラー160、161を含む。代替的な例では、システム100は、図示されているものよりも少ないまたは多い部品を含み得る。
【0023】
エミッタ140は、レーザダイオード、ファイバレーザ、発光ダイオード、レーザバー、ナノスタックダイオードバー、フィラメント、LIDAR送光器、または光104を発光する任意の他の光源を含み得る。いくつかの実施形態では、エミッタ140は(連続波レーザとは対照的に)パルスレーザとして実装され、等価な連続パワー出力を維持しながらピークパワーを増加させ得る。他の実装形態も、同様に可能である。
【0024】
そのために、導波路150、151、154、156を、ガラス基板(例えば、ガラス板など)、フォトレジスト材料(例えば、SU-8など)、または放出された光104の1つ以上の波長に対して少なくとも部分的に透明な任意の他の材料から形成することができる。上記のように、いくつかの例では、基板184、186の重なり合う(および/または平行な)側は、光学部品の多層アセンブリにおけるそれぞれの層の装着面として構成され得る。例えば、図1Bに示されるように、1つ以上の光学部品(例えば、導波路156)は、多層光学システム100における光学部品の第1の層として、第1の表面(例えば、基板184の側面184b)上に配設され得、1つ以上の光学部品(例えば、導波路151)は、多層光学システム100内の光学部品の第2の層として第2の表面(例えば、基板184の側面184a)上に配設され得、および1つ以上の光学部品(例えば、導波路150、154、エミッタ140など)は、多層光学システム100内の光学部品の第3の層として、第3の表面(例えば、基板186の側面186a)上に配設することができる。図示されていないが、いくつかの例では、システム100は、代替的または追加的に、基板184および186の他の表面(例えば、側面186b)、および/または他の基板(図示せず)(例えば、システム100は、重なり合う配置で2つ以上の基板184、186などを含み得る)に装着されている光学部品の1つ以上の層を含み得る。
【0025】
いくつかの実施形態では、導波路150、151、154、156は、光リソグラフィを介して図示される基板184、186のそれぞれの表面上に配設することができる。例えば、感光性材料(例えば、フォトレジストなど)を基板184、186上に配設し、次に選択的にエッチングして、図1Bに示されるそれぞれの形状および位置を有する導波路150、151、154、156を形成することができる。そのために、感光性材料は、SU-8または任意の他の感光性材料を含み得る。いくつかの例では、感光性材料は、導波路150、151、154、156に加えて、またはその代わりに、入力カプラー、出力カプラー、および/または他の光学要素などの他の光学要素を形成するようにパターン化され得る。いくつかの実装形態では、導波路150、151、154、156は、そこに導かれる光信号の内部全反射を容易にするためにマルチモード導波路として構成され得る。他の実装形態も、同様に可能である。
【0026】
ミラー160、161は、光104の波長を(少なくとも部分的に)反射するのに好適な反射特性を有する任意の反射材料を含み得る。そのために、例示的な反射材料の非網羅的なリストは、例の中でもとりわけ、金、アルミニウム、他の金属または金属酸化物、合成ポリマー、ハイブリッド顔料(例えば、繊維状粘土および染料など)を含む。
【0027】
図1Bに示される配置例では、エミッタ140は、第1の光信号104を導波路150の「入力セクション」に放出するように位置合わせされている。導波路150の入力セクションは、光信号104が導波路に入る導波路150のセクション(例えば、側面150a)に対応する。さらに、この例では、導波路150は、基板186上に配設され、光信号104を(x方向に)導波路150の側面150bに誘導するための導波路150内部の第1の光路を画定するように成形される。図示されるように、側面150bは、基板184に向かって傾斜しており、ミラー160は、側面150bの傾斜したエッジ上に配設されている。この例では、ミラー160は、(点線によって例示されるように)導波路150から基板184に向かって光信号104を反射する導波路150の「出力ミラー」として構成され得る。光信号104が導波路を出る導波路150のセクションは、本明細書では、導波路150の「出力セクション」と呼ばれ得る。
【0028】
図示されるように、側面150bの傾斜したエッジと側面150cとの間の角度は鋭角である。一実施形態では、傾斜エッジ150bの鋭い傾斜角は45度であり得る。しかしながら、システム100の様々な部品(例えば、導波路、150、151など)の配置に応じて、他の傾斜角度が可能である。
【0029】
次に、導波路151は、導波路150の出力セクションと位置合わせされた導波路151の「入力セクション」で光信号104を受信する。図示されている例では、導波路151の入力セクションは、出力セクション(光信号104が導波路150を出る)と重なり合う導波路151のセクションに対応する。しかしながら、代替の例では、導波路151の入力セクションは、必ずしも導波路150と重なり合うとは限らない。例えば、導波路150は、図1Bに例示されるz方向の代わりに、異なる方向に光信号104を送信するように構成され得る。この場合、導波路151の入力セクションは、異なる位置で導波路150からの光信号104をインターセプトするように位置合わせされ得る(例えば、出力セクションの位置および光信号104が導波路150を出る角度に応じて)。
【0030】
図示される例では、導波路151は、基板184上に配設され、基板184上に(x方向に)第2の光路を画定するように成形される。さらに、図示されるように、導波路151は、導波路151の入力セクションまたはその近くに傾斜したエッジ151a(ミラー161が配設されている)を含む。したがって、ミラー161は、導波路151の入力ミラーとして構成することができ、これは、ミラー161に入射する光信号104(またはその一部)を導波路151に戻し、導波路151の出力セクション(例えば、側面151b)に向かって反射する。図示される例では、導波路151によって画定される第2の光路は、導波路151の出力セクション(例えば、側面151b)に向かってx方向に延びる。
【0031】
図示されるように、導波路151の側面151bは、基板184に向かって傾斜している。この例では、光信号104(導波路151の内部に誘導された)は、エッジ150bで(例えば、内部全反射(TIR)を介して)基板184に向かって内部反射され、次いで、側面151bによって画定される出力位置で導波路151から基板184を通って導波路156に向かって送信され得る。これを容易にするために、例えば、側面151bの傾斜角は、光信号104が、側面151bで光信号104を内部反射するために好適な1つ以上の入射角から(例えば、TIRに必要な臨界角未満など)側面151bに入射するように選択することができる。
【0032】
同様に、システム100はミラー160および161を含むように図示されているが、代替的な例では、システム100は、代わりに、ミラー160および/またはミラー161なしで実装され得る(例えば、光信号104は、それぞれ、ミラー160および/または161によって反射される代わりにエッジ150bおよび/または151aで内部反射され得る)。
【0033】
図示されるように、導波路154は、導波路150と同じシステム100の層に(すなわち、基板186の側186aに)配設される。導波路154は、ページを通過して(すなわち、y方向に)延在して、導波路154内の第3の光路を画定することができる。例えば、導波路154は、第3の光路に沿って光信号104とは異なる第2の光信号を誘導するように構成され得る。この例では、導波路154は、導波路150、151、156)の誘導方向(例えば、x方向)に平行でない方向(例えば、y方向)に延びる。さらに、図示されるように、導波路154の第1のセクションは、導波路151の第2のセクションと重なり合う。例えば、第1のセクションは、第2のセクションまでの閾値距離未満であり得る。
【0034】
図示される例では、導波路156は、多層システム100の第3の層(基板184の側面184b上)に含まれ得、導波路156の入力端156aで光信号104(導波路151から送信される)を受信するように構成され得る。この例では、導波路156は、入力端156a(基板184の表面184b上)の間の光信号104のための第4の光路(例えば、x方向)を画定するように延びる。さらに、図示される例では、入力側面156aは、導波路151に向かって傾斜され得る(例えば、出力側面156bに向かってそれに入射する光信号104を内部反射するための好適な傾斜角度で)。
【0035】
したがって、この例示的な構成では、多層光学システム100は、エミッタ140から導波路151の側面151bまでx方向に延びる光信号104のための組み合わされた光路を画定する。この組み合わされた光路の第1の部分は、多層システム100の第1の層(すなわち、基板186の表面186a上)にあり、組み合わされた光路の第2の部分は、第2の層(すなわち、基板184の表面184a上)にあり、組み合わされた光路の第3の部分は、第3の層(すなわち、基板184の表面184b上)にある。追加的に、システム100は、導波路154内に別個の非平行光路を画定し、これは、光信号104の組み合わされた光路と交差しない(例えば、システム100の異なる層において2つの経路が互いに上下に交差する)。
【0036】
図1Cは、システム100の別の断面図を例示する。図示されるように、システム100はまた、導波路150の出力セクションと導波路151の入力セクションとの間に位置付けられた光学材料188、および導波路154と導波路151との間に位置付けられた光シールド190を含む。
【0037】
光学材料188は、光104の波長に対して少なくとも部分的に透明であり、導波路150、151の屈折率に対する閾値内にある屈折率を有する、任意の材料(例えば、フォトレジスト、SU-8、ガラス、プラスチックなど)から形成され得る。例えば、この配置では、光学材料188は、導波路150から導波路151への光信号104の転送を容易にし得る。いくつかの例では、光学材料188は、入力セクションを出力セクションに物理的に結合するように構成された光学接着剤を含み得る。
【0038】
光シールド190は、互いに干渉する導波路151および154に誘導されるそれぞれの光信号の間の干渉の可能性を低減するように構成され得る(例えば、それぞれの出力セクションの代わりに、それらの重なり合うセクションの近くの導波路から送信され得る部分)。そのために、例えば、光シールド190(またはその一部)は、導波路151および154との間に(例えば、導波路の重なり合うセクションまたはその近くなどに)位置され得る。いくつかの例では、光シールド190は、1つ以上の光吸収材料(例えば、ブラックカーボン、ブラッククロム、ブラックプラスチックなど)を含み得る。他の例では、光シールド190は、追加的または代替的に、1つ以上の反射材料(例えば、金属、金属酸化物など)を含み得る。他の例も可能である。
【0039】
いくつかの実施形態では、光シールド190は、導波路151と重なり合う導波路154の第1のセクション、導波路154と重なり合う導波路151の第2のセクション、または第1のセクションおよび第2のセクションの両方上に配設されたコーティング層(例えば、後の金、銅、他の金属コーティングなど)を含み得る。
【0040】
上記のように、光学システム100は、他の例の中でもとりわけ、光検出および測距(LIDAR)デバイス、医療画像デバイス、データ通信システムなどの様々なシステムおよび技術分野で光信号をルーティングするために使用することができる。
【0041】
図2Aは、例示的な実施形態による、LIDARデバイス200の簡略化されたブロック図である。いくつかの例示的な実施形態では、LIDARデバイス200を、車両に装着し、車両の周囲環境(例えば、オブジェクト298を含むシーンなど)をマッピングするために利用することができる。図示されるように、LIDAR200は、エミッタ140と同様であり得るレーザエミッタ240、光学システム290,コントローラ292、回転プラットフォーム294、および1つ以上のアクチュエータ296を含む。
【0042】
システム290は、1つ以上の光検出器210、不透明材料220、およびレンズ230を含む。代替的に、LIDARデバイス200は、システム100について説明されている任意の部品(例えば、導波路など)のような、図示される部品よりも多いまたは少ない部品を含み得ることに留意されたい。
【0043】
検出器210は、1つ以上の光検出器を含み得る。一実施形態では、検出器210は、レンズ230によって集束された光202を検出するための検出領域を画定する光検出器のアレイを含む。追加的に、光検出器210は、フォトダイオード、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)、他のタイプのアバランシェフォトダイオード(APD)、シリコン光電子増倍体(SiPM)、マルチピクセルフォトンカウンタ(MPPC)、フォトレジスタ、電荷結合デバイス(CCD)、光電池、および/または他のタイプの光検出器などの様々なタイプの光検出器を含み得る。
【0044】
不透明材料220(例えば、マスク、アパーチャストプなど)は、レンズ230によって集束されるシーン(例えば、バックグラウンド光)から戻される光202の一部分が検出器210に送信されることを阻止し得る。例えば、不透明材料220は、検出器210によって実行される測定の精度に悪影響を及ぼす可能性がある特定のバックグラウンド光を阻止するように構成され得る。代替的または追加的に、不透明材料220は、検出器210などによって検出可能な波長域の光を阻止し得る。一例では、不透明材料220は、入射光の一部分を吸収することにより透過を阻止し得る。別の例では、不透明材料220は、入射光の一部分を反射することにより透過を阻止し得る。不透明材料220の例示的な実装形態の非網羅的なリストは、考えられるものの中でもとりわけ、エッチングされた金属、ポリマー基板、2軸配向ポリエチレンテレフタレート(BoPET)シート、または不透明マスクで覆われたガラスを含む。いくつかの例では、不透明材料220は、集束された光202(またはその一部)が不透明材料220を透過することができる1つ以上のアパーチャを含み得る。
【0045】
レンズ230は、シーンから不透明材料220のアパーチャに向かって戻る光202を集束させることができる。この配置により、レンズ230でのシーンから収集された光強度は、光202が投影される断面積が低減されるように集束され得る(すなわち、光202の空間パワー密度を増加させる)。そのためにも、レンズ230は、とりわけ例の中でも、収束レンズ、両凸レンズ、および/または球面レンズを含み得る。代替的に、レンズ230を、前後に位置付けられるレンズの連続セットとして実装することができる(例えば、光を第1の方向に集束する両凸レンズ、および光を第2の方向に集束する追加の両凸レンズ)。他のタイプのレンズおよび/またはレンズ配置も可能である。加えて、システム290は、レンズ230に入射する光202を不透明材料220上に集束させるのを支援するために、レンズ230の近くに位置付けられた他の光学要素(例えば、ミラーなど)を含み得る。
【0046】
デバイス200は、エミッタ240を動作させて、オブジェクト298を含むシーンに向かって光202を放出し得る。そのために、いくつかの実装形態では、エミッタ240(および/またはデバイス200の1つ以上の他の部品)を、LIDARデバイス200のLIDAR送光器として構成することができる。次いで、デバイス200は、シーンからの光202の反射を検出して、オブジェクト298に関する情報を判定し得る。そのために、いくつかの実装形態では、検出器210(および/またはシステム290の1つ以上の他の部品)を、LIDARデバイス200のLIDAR受信器として構成することができる。
【0047】
コントローラ292は、LIDARデバイス200の1つ以上の部品を制御し、1つ以上の部品から受信した信号を分析するように構成され得る。そのために、コントローラ292は、デバイス200を動作させるためにデバイス200のメモリ(図示せず)に記憶された命令を実行する1つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサなど)を含み得る。追加的または代替的に、コントローラ292は、本明細書に記載される様々な機能のうちの1つ以上を実行するように配線されたデジタルまたはアナログ回路を含み得る。
【0048】
回転プラットフォーム294は、軸の周りに回転して、LIDAR200のポインティング方向(例えば、環境に対する放出光202の方向など)を調整するように構成され得る。そのために、回転プラットフォーム294を、LIDAR200の1つ以上の部品を支持するのに好適な任意の中実材料から形成することができる。例えば、システム290(および/またはエミッタ240)は、回転プラットフォーム294の回転に応答して特定の相対配置を維持しながら、これらの部品の各々が環境に対して移動するように、回転プラットフォーム294によって(直接的または間接的に)支持され得る。特に、LIDAR200が周囲環境を走査しながらLIDAR200のポインティング方向を調整し得るように、装着された部品を軸の周りに(同時に)回転させることが可能である。このようにして、回転プラットフォーム294を回転軸の周りの異なる方向に作動させることにより、LIDAR200のポインティング方向を水平に調整することができる。一例では、LIDAR200を車両に装着することができ、回転プラットフォーム294を、車両からの様々な方向で周囲環境の領域を走査するために回転させることができる。
【0049】
このようにしてプラットフォーム294を回転させるために、1つ以上のアクチュエータ296が回転プラットフォーム294を作動させ得る。そのために、アクチュエータ296は、考えられるものの中でもとりわけ、モータ、空気圧アクチュエータ、油圧ピストン、および/または圧電アクチュエータを含み得る。
【0050】
この配置により、コントローラ292は、環境に関する情報を取得するために、アクチュエータ296を動作させて回転プラットフォーム294を多様に回転させることが可能である。一例では、回転プラットフォーム294を、軸の周りのいずれかの方向に回転させることが可能である。別の例では、回転プラットフォーム294は、LIDAR200が環境の360°視野(FOV)を走査するように、軸の周りの周回転を実行し得る。また別の例では、回転プラットフォーム294を特定の範囲内で回転させて(例えば、繰り返し、軸の周りの第1の角度位置から第2の角度位置まで回転させて第1の角度位置に戻すことによって、など)、環境のより狭いFOVを走査することができる。他の例も可能である。
【0051】
また、回転プラットフォーム294を、LIDAR200に様々なリフレッシュレートで環境を走査させるために、様々な周波数で回転させることが可能である。一実施形態では、LIDAR200は、3Hz~30Hzのリフレッシュレートを有するように構成され得る。例えば、LIDAR200が10Hzのリフレッシュレートで360°FOVを走査するように構成されている場合、アクチュエータ296は、プラットフォーム294を毎秒10周分だけ回転させ得る。他のリフレッシュレートも可能である。
【0052】
図2Bは、LIDARデバイス200の斜視図を例示する。いくつかの実施形態では、デバイス200は、放出された光をエミッタ240から環境に向かって方向付けることと、入射光202をシステム290の中に集束させることの両方のための単一の共有レンズ230を含むように構成され得る。他の実施形態では、デバイス200は、レンズ230とは異なる放出された光240を方向付けるための別個の送光器レンズ(図示せず)を含み得る。
【0053】
図2Bに示されるように、LIDAR200は、回転軸201を中心に回転するように構成され得る。したがって、LIDAR200は、軸201を中心としたLIDAR200の様々な回転位置に応じて、周囲環境の様々な領域を走査することができる。例えば、デバイス200(および/または別のコンピューティングシステム)は、LIDARが軸201を中心に回転するときに、LIDAR200の様々なポインティング方向に関連付けられたデータを処理することにより、デバイス200の環境の360°(またはそれ未満)ビューの三次元マップを判定することができる。
【0054】
いくつかの例では、軸201は実質的に垂直であり得る。これらの例では、システム290(およびエミッタ240)を軸201の周りに回転させることにより、デバイス200のポインティング方向を水平に調整することができる。
【0055】
いくつかの例では、デバイス200は、(軸201に対して)傾けられて、LIDAR200のFOVの垂直範囲を調整することができる。例として、LIDARデバイス200を、車両の上に装着することができる。この例では、システム290(およびエミッタ240)を、(例えば、車両に向かって)傾けて、車両が位置決めされた運転面に近い環境の領域から、車両の上方にある環境の領域からのデータ点よりも多くのデータ点を収集することができる。LIDARデバイス200の、他の装着位置、傾斜構成、および/または用途も可能である(例えば、車両の異なる側面上、ロボットデバイス上、または任意の他の装着面上)。
【0056】
ここで図2Aに戻ると、いくつかの実装形態では、コントローラ292は、検出器210によって測定された信号に関連付けられたタイミング情報を使用して、オブジェクト298の位置(例えば、LIDARデバイス200からの距離)を判定し得る。例えば、レーザエミッタ240がパルスレーザである実施形態では、コントローラ292は、出力光パルスのタイミングを監視し、それらのタイミングをアレイ210により測定された信号パルスのタイミングと比較することができる。例えば、コントローラ292は、光の速度と光パルスの移動時間(タイミングを比較することにより計算することができる)とに基づいて、デバイス200とオブジェクト298との間の距離を推定することができる。一実施形態では、プラットフォーム294の回転中に、エミッタ240は光パルス(例えば、光202)を放出することができ、システム290は、放出された光パルスの反射を検出することができる。デバイス200(またはデバイス200からのデータを処理する別のコンピュータシステム)は、走査環境の放出された光パルスとその検出された反射との1つ以上の特性(例えば、タイミング、パルス長、光強度など)の比較に基づいて、走査環境の3次元(3D)表現を生成することができる。
【0057】
デバイス200の部品について図示される様々な機能ブロックを、図示される配置とは異なる様々な方法で再分布させる、再配置する、組み合わせる、および/または分離することができることに留意されたい。
【0058】
図3Aは、例示的な実施形態による、導波路350を含むシステム300の例示図である。図3Bは、システム300の断面図を例示する。いくつかの実装形態では、システム300を、送光器240とシステム290に代えてまたは加えて、デバイス200とともに使用することができる。図示されるように、システム300は、それぞれデバイス200、光202、およびオブジェクト298と同様に、シーン内のオブジェクト398によって反射された光302を測定し得る。さらに、図示されるように、システム300は、光検出器アレイ310、不透明材料320、レンズ330、および光源340を含み、これらはそれぞれ検出器210、材料220、レンズ230、およびエミッタ240と同様であり得る。
【0059】
図示されるように、システム100はまた、不透明材料320内に画定されたアパーチャ320aを含む。例として、アパーチャ320aは楕円形を有するように図示されている。しかしながら、他のアパーチャ形状も可能である(例えば、円形、長方形、または他の形状)。アパーチャ320aは、光が透過される不透明材料320内のポートを提供する。アパーチャ320aは、様々な方法で不透明材料320内に画定され得る。一例では、不透明材料320(例えば、金属など)をエッチングして、アパーチャ320aを画定し得る。別の例では、不透明材料320を、マスクで覆われたガラス基板として構成し得、マスクは、アパーチャ320aを画定するギャップを含み得る(例えば、フォトリソグラフィなどを介して)。様々な実施形態では、アパーチャ320aは、少なくとも光検出器アレイ310によって検出可能な光の波長に対して、部分的または完全に透明であり得る。例えば、不透明材料320がマスクで覆われたガラス基板である場合、アパーチャ320aは、アパーチャ320aが完全に中空ではなく、ガラスで作製されているように、マスクで覆われていないガラス基板の一部分として画定され得る。したがって、いくつかの場合に、アパーチャ320aは、光302の1つ以上の波長に対してほぼ透明であるが、完全には透明ではない場合がある。代替的に、いくつかの場合に、アパーチャ320aは、不透明材料320の中空領域として形成され得る。他のアパーチャの実装も可能である。
【0060】
図示されるように、システム300はまた、導波路350(例えば、光導波路など)を含み、これは、導波路150、151、および/または154のいずれかに類似し得る。図示されるように、システム300はまた、入力ミラー360および出力ミラー370を含み、これらは、ミラー160および/または161のいずれかに類似し得る。
【0061】
図示されている例では、導波路350は、不透明材料320とアレイ310との間に位置付けられている。しかしながら、他の例では、不透明材料320は、代わりに、導波路350とアレイ310との間に位置付けすることができる。図示されるように、導波路350は、導波路350の一部が集束光302の伝搬経路内に延在し、導波路350の別の部分が集束光302の伝搬経路の外側に延びるように配置され得る。結果として、アパーチャ320aを透過した集束光302の第1の部分は、導波路350上に投射され得る(導波路350の表面上の影付きの領域によって例示されるように)。
【0062】
図3Bに最良に示されるように、集束光302の第2の部分が、導波路350を通って伝搬することなく、レンズ330からアレイ310に伝搬し得る。
【0063】
いくつかの場合に、集束光302の第1の部分は(導波路350上に投影されている)、導波路350の透明領域を通って伝搬し得る(例えば、側面350cから側面350dへ、次いで導波路350からアレイ310に向かって、ミラー370によってインターセプトされることなく。しかしながら、いくつかの例では、集束光302の第1の部分は、ミラー370によって少なくとも部分的にインターセプトされ、次いでアレイ310から反射され得る(例えば、導波路350の内部で導かれるなど)。
【0064】
これを緩和するために、いくつかの実装形態では、ミラー370を、アパーチャ320aおよび/またはミラー370の位置での集束光302の投影面積に対して、小さなサイズを有するように構成することができる。これらの例では、集束光302の大部分は、ミラー370(および/または導波路350)に隣接して伝搬し、アレイ310に向かって伝搬し続け得る。代替的に、ミラー370を、アレイ310に向かう伝搬のためにミラー370を通して入射する集束光302の少なくとも一部分を送信する部分的または選択的反射材料(例えば、ハーフミラー、ダイクロイックミラー、偏光ビームスプリッタなど)から形成することができる。したがって、これらの例でも、より大量の集束光302が最終的にアレイ310に到達し得る。
【0065】
いくつかの例では、入力ミラー360は、放出された光304(エミッタ340からミラー360によってインターセプトされる)を導波路350に方向付けるように構成され得る。次に、導波路350は、導波路350内の光304を出力ミラー370に向かって誘導する。次に、出力ミラー370は、導波路350からアパーチャ320aに向かって誘導光304を反射し得る。
【0066】
例えば、図3Bに最良に示されるように、入力ミラー360は、導波路350の側面350cに向かってオフセット角度359で傾斜され得る。例えば、ミラー360と側面350cとの間の角度は、ミラー360と側面360dとの間の角度未満であり得る。一実施形態では、ミラー360のオフセット角度または傾斜角度359は45°である。しかしながら、他の角度も可能である。図示される実施形態では、ミラー360は、導波路350の側面350a上に配設されている。したがって、この実施形態では、放出された光304は、側面350cを通って導波路350に伝搬し、次に側面350aからミラー360に向かって伝搬し得る。次に、ミラー360は、光304を反射して、好適な入射角で側面350aを通って導波路350に戻し、その結果、導波路350は、光304を側面350bに向かって誘導することができる。例えば、導波路350は、側面350aと350cとの間の角度359が、側面350aと側面350dとの間の角度(すなわち、側面350aが側面350cに対して傾斜している)未満であるように形成することができる。次いで、ミラー360を側面350a上に配設することができる(例えば、化学気相成長、スパッタリング、機械的結合、または別の処理を介して)。しかしながら、他の実施形態では、ミラー360を、代替的に導波路350の内側に(例えば、側面350aと側面350bとの間に)配設することができるか、または物理的に導波路350から分離され得る。
【0067】
図3Bに最良に示されているように、出力ミラー370はまた、導波路350の側面350cに向かって傾斜され得る。例えば、ミラー370と側面350cとの間の角度371は、ミラー370と側面360dとの間の角度未満であり得る。一実施形態では、ミラー370のオフセット角度または傾斜角度371は45°である。しかしながら、他の角度も可能である。したがって、いくつかの例では、入力ミラー360は、側面350cに向かって第1の方向(例えば、図3Bの図では時計回りに)に、傾斜され得、出力ミラー370は、側面350cに向かって第2の方向(例えば、第1の方向と反対に)に、傾斜され得る。出力ミラー370は、ミラー360と同様に様々な方法で物理的に実装することができる(例えば、導波路350の傾斜側350bに配設されるなど)。
【0068】
さらに、いくつかの例では、導波路350は、導波路350を囲む材料の屈折率とは異なる屈折率を有する材料から形成され得る。したがって、導波路350は、導波路350の1つ以上のエッジ、側面、壁などでの内部反射(例えば、内部全反射、漏れ全反射など)を介して、導波路内部で伝搬する光の少なくとも一部分を誘導し得る。例えば、図3Bに示されるように、導波路350は、導波路350の側面350c、350d、および/または他の側面での内部反射を介して、放出光304(エミッタ340から受信される)を側面350bに向かって誘導し得る。
【0069】
図3Bに示されるように、アパーチャ320aは、光304をレンズ330に向かって透過させるために、導波路350の出力セクションに隣接して位置され得る。次いで、レンズ330は、光304をシーンに向かって方向付け得る。次いで、放出光304は、シーン内の1つ以上のオブジェクト(例えば、オブジェクト398)で反射し、レンズ330に(例えば、シーンからの光302の一部として)戻り得る。次に、レンズ330は、アパーチャ320aを通して光302(放出された光304の反射を含む)をアレイ310に向かって集束させることができる。
【0070】
この配置では、システム300は、システム300が集束光302(例えば、アパーチャ320a)を受け取る実質的に同じ物理的位置(例えば、アパーチャ320a)から光304を放出し得る。放出光304の透過経路と集束光302の受信経路とはともに位置合わせされている(例えば、両方の経路はアパーチャ320aの視点からのものである)ため、システム300は視差の影響を受けにくい可能性がある。例えば、システム300を含むLIDARデバイスからのデータを使用して、視差に関連するエラーの影響を受けにくいシーン(ポイントクラウドなど)の表現を生成し得る。
【0071】
図示されるシステム300の部品および特徴のサイズ、位置、配向、および形状は、必ずしも縮尺通りではなく、説明の便宜のためにのみ図示されるものとして例示されていることに留意されたい。また、システム300は、図示される部品よりも少ないまたは多い部品を含むことができ、図示される部品のうちの1つ以上を、別々に物理的に組み合わせ、および/または物理的に別々の部品に分割することが可能であることに留意されたい。
【0072】
第1の実施形態では、導波路350は、代替的に、円筒形状または任意の他の形状を有することができる。追加的に、いくつかの例では、導波路350を、剛性構造体(例えば、スラブ導波路)または可撓性構造体(例えば、光ファイバ)として実装することができる。第2の実施形態では、導波路350は、図3Aおよび3Bに示される垂直の長方形の構成の代わりに、湾曲した形状または他のタイプの形状を有し得る。第3の実施形態では、導波路350は、傾斜したエッジ350aなしで代替的に実施することができる。例えば、側面350aは、側面350cおよび350dに対して同じ(例えば、垂直など)角度であり得る。第4の実施形態では、ミラー360、370は、システム300から省略され得、代わりに、導波路350は、ミラー360、370について上で説明された機能を実行するように構成され得る。例えば、導波路350の側面350aおよび350bは、光304を導波路350の内外に反射するTIRミラーとして実装することができる。
【0073】
図4Aは、例示的な実施形態による、複数の導波路を含むシステム400の第1の断面図を例示する。例示目的上、図4Aは、x-y-z軸を示しており、z軸は、ページを通して延在している。システム400は、システム100、290、および/または300と同様であり得、システム290および送光器240に代えてまたは加えて、LIDARデバイス200を伴って使用することができる。
【0074】
図示されるように、システム400は、エミッタ140と各々が同様の送光器440および442と、各々が導波路150と同様であり得る複数の導波路450、452、454、456と、各々がミラー160と同様であり得る複数の出力ミラー460、462、464、466と、を含む。いくつかの例では、図4Aに示されるシステム400の光学部品は、複数の重なり合う基板の第1の基板(例えば、基板186)上に配設された光学部品の第1の層に対応し得る。図1Bに戻り参照すると、例えば、ページの表面に沿った導波路450の側面は、導波路150の側面150cと同様であり得る。
【0075】
図示される例では、送光器440は第1の光信号404を放出し、送光器442は第2の光信号406を放出する。導波路450は、光信号404の第1の光部分404aを受容し、ミラー460に向かって誘導し、次に、ミラー460は、光部分404aを、導波路の出力セクション(導波路の影付き領域として例示される)において、導波路450からz方向(すなわち、ページの外)に反射する。同様に、導波路452は、第2の光経路に沿って第1の光信号404の第2の光部分404bを誘導し、導波路454は、第3の光経路に沿って第2の光信号406の第3の光部分406aを誘導し、導波路456は、第4の光路に沿って第4の光部分406bを誘導する。
【0076】
図4Bは、システム400の第2の断面図を例示し、z軸はまた、ページを通して延在している。図4Bに示されるように、システム400はまた、各々がシステム100の導波路151に類似し得る、導波路451、453、455、457と、各々がシステム100のミラー161に類似し得る、入力ミラー461、463、465、467と、各々がシステム300のミラー370に類似し得る、出力ミラー470、472、474、476とを含む、
【0077】
図4Bに示されるシステム400の光学部品は、図4Aに示される光学部品の第1の層と重なり合う光学部品の第2の層に対応し得る。例として、図1Bに戻って参照すると、図4Aに示されるシステム400の光学部品は、基板186の表面186a上に配設することができ、図4Bに示されるシステム400の光学部品は、基板184の表面184a上に配設することができる。この例では、図4Bのページの表面に沿った導波路451の側面は、図1Bの基板184上に配設された導波路151の側面に類似し得る。
【0078】
例えば、システム100のミラー161と同様に、システム400の入力ミラー461は、光部分404a(図4Aに示されるように導波路450から送信される)を受信し得る。次に、ミラー461は、それに入射する光部分404aを反射して導波路451に戻し、次に、導波路は、光部分404aをミラー470に向かって誘導し得る。次に、導波路350の出力ミラー370と同様に、出力ミラー470は、導波路の出力セクション(影付き領域)において、導波路451から、光部分404aをz方向(ページの外)に反射し得る。
【0079】
同様に、図4Bに示されるように、入力ミラー463、導波路453、および出力ミラー472は、光部分406aの光路を画定し、入力ミラー465、導波路455、および出力ミラー474は、光部分404bの光路を画定し、入力ミラー467、導波路457、および出力ミラー476は、光部分406bの光路を画定する。
【0080】
図4Cは、例示的な実施形態による、システム400の第3の断面図を例示する。図4Cに示されるように、システム400はまた、システム300の不透明材料320と同様であり得る不透明材料420を含んでいる。図4Cに示すように、不透明材料420は、アパーチャ420a、420b、420c、および420dによって例示される複数のアパーチャを画定し、これらの各々は、アパーチャ320aと同様であり得る。例えば、アパーチャ420aは、それぞれ、アパーチャ320aおよび出力ミラー370と同様に、出力ミラー470と位置合わせされ得る。例えば、アパーチャ420aは、z軸の方向に出力ミラー470と重なり得て、導波路450から出力ミラー470によって反射された光404aを受信する。同様に、アパーチャ420bは、出力ミラー472と位置合わせされて、光部分406aを受容し得、アパーチャ420cは、出力ミラー474と位置合わせされて、光部分404bを受容し得、アパーチャ420dは、出力ミラー476と位置合わせされて、光部分404bを受信し得る。したがって、各アパーチャは、システム400のそれぞれの送信チャネルの位置に関連付けられ得る。
【0081】
追加的に、いくつかの例では、シーンからの光(例えば、図4Bのページに伝搬する)は、不透明材料320に集束される光302と同様に、不透明材料420に集束され得る。これらの例では、システム400は、このように、アパーチャ420a、420b、420c、420dなどのそれぞれの位置において、不透明材料420に投影された集束光のそれぞれの部分に関連付けられている複数の受信チャネルを提供し得る。例えば、アパーチャ420aを透過した集束光の第1の部分は、第1の受信チャネルに関連する第1の光検出器によってインターセプトされ得、アパーチャ420bを透過した集束光の第2の部分は、第2の受信チャネルに関連する第2の光検出器によってインターセプトされ得、アパーチャ420cを透過した集束光の第3の部分は、第3の受信チャネルに関連する第3の光検出器によってインターセプトされ得、アパーチャ420dを透過した集束光の第4の部分は、第4の受信チャネルに関連する第4の光検出器によってインターセプトされ得る。
【0082】
この配置では、各透過チャネルは、対応する受信チャネルに関連付けられた受信経路と(それぞれのアパーチャを通して)ともに位置合わせされた透過経路に関連付けられ得る。
【0083】
図4Dは、システム400の第4の断面図を例示しており、z軸はまた、ページの外を指している。図4Dに示されるように、システム400はまた、それぞれが光検出器210および/または310のいずれかに類似し得る受信器410、412、414、および416によって例示される複数の受信器を装着する支持構造480を含む。さらに、図示されるように、システム400はまた、1つ以上の光シールド482を含む。
【0084】
受信器410、412、414、416、418などの各々は、1つ以上の光検出器を含み得る。追加的に、各受信器は、不透明材料420のそれぞれのアパーチャ(図4Cに図示)を通して送信した集束光をインターセプトするように配置され得る。例えば、受信器410、412、414、416は、それぞれアパーチャ420a、420b、420c、420d(図4Cに図示)を通して透過される集束光をインターセプトするように配置され得る。一実施形態では、受信器410、412、414、416は、それぞれ、出力ミラー470、472、474、476に(例えば、z軸の方向に)重なり合うように位置付けられ得る。
【0085】
支持構造480は、受信器410、412、414、416などを支持するのに好適な材料特性を有する中実構造を含み得る。一例では、支持構造480は、受信器410、412、414、416、418などの光検出器がそれに装着されているプリント回路基板(PCB)を含み得る。
【0086】
光シールド482は、受信器410、412、414、416などの周りに配置された1つ以上の光吸収材料(例えば、ブラックカーボン、ブラッククロム、ブラックプラスチックなど)を含み得る。いくつかの例では、光シールド482は、外部光源(例えば、周囲光など)からの光が受信器410、412、414、416などに到達するのを防ぎ(または低減し)得る。代替的または追加的に、いくつかの例では、光シールド482は、受信器410、412、414、416などに関連する受信チャネル間のクロストークを防ぐかまたは低減する。したがって、光シールド482は、受信器410、412、414、416などを相互から光学的に分離するように構成され得る。
【0087】
ここで図4Cに戻ると、上記のように、不透明材料420は、アパーチャ410、412、414、416などのグリッドを画定する。したがって、システム400がLIDARデバイスに含まれるいくつかの例では、不透明材料420の各アパーチャは、LIDARの視野(FOV)のそれぞれの部分に向かって光を透過させ、FOVの同じそれぞれの部分から戻る透過光の反射部分も受信する。したがって、各アパーチャは、LIDARの送信/受信チャネルに関連付けられ得る。一実施形態では、不透明材料420は、64個のアパーチャを4列含むことができ、水平方向に(例えば、y軸に沿って)隣接するアパーチャの各列は、アパーチャの別の列から垂直オフセットによって(例えば、z軸に沿って)分離される。したがって、この実施形態では、システム400は、4×64=256個のともに位置合わせされている送信/受信チャネルを提供し得る。他の実施形態では、システム400は、異なる数の送信/受信チャネル(したがって、異なる数の関連付けられたアパーチャ)を含み得る。
【0088】
追加的に、この例のLIDARは、複数の光エミッタを有することができ、それらの各々は、1つ以上の送信/受信チャネルに割り当てられる。例えば、図4Aに戻ると、光エミッタ440は、アパーチャ420aおよび420c(図4Cに図示)に関連する送信/受信チャネルを走査するために、光部分404aおよび404bを送信し、光エミッタ442は、開口420bおよび420dに関連するチャネルを走査するために、光部分406aおよび406bを送信する。
【0089】
したがって、いくつかの例では、システム100および400について説明した配置などの多層光学システム配置を、LIDARデバイス(または光信号に基づいて動作する他のデバイス)で使用して、光信号を複数の光エミッタから非平行光経路(例えば、光部分406aおよび404bの光経路)および空間効率の良い様態で、複数の空間的に分離された送信/チャネルにルーティングする。
【0090】
システム400の様々な部品について図4A図4Dに示される様々なサイズ、形状、および位置は必ずしも縮尺通りではなく、説明の便宜のためのみに図示されるものとして例示されていることに留意されたい。
【0091】
III.例示的な方法
図5は、例示的な実施形態による方法500のフローチャートである。方法700は、例えば、システム100、290、300、400および/またはデバイス200とともに使用され得る方法の実施形態を提示する。方法500は、ブロック502~508のうちの1つ以上によって例示されるように、1つ以上の動作、機能、またはアクションを含み得る。ブロックは連続した順序で例示されているが、これらのブロックは、場合によっては、並行して、および/または本明細書で記載されたものとは異なる順序で実行され得る。また、様々なブロックは、所望の実装に基づいて、より少ないブロックに組み合わされ、さらなるブロックに分割され、および/または除去され得る。
【0092】
さらに、方法500ならびに本明細書で開示される他のプロセスおよび方法について、フローチャートは、本実施形態のうちの1つの可能な実装の機能および操作を示す。これに関して、各ブロックは、モジュール、セグメント、製造または操作プロセスの一部、またはプログラムコードの一部を表すことができ、それにはプロセス内の特定の論理機能またはステップを実行するためのプロセッサによって実行可能な1つまたは複数の命令が含まれる。プログラムコードは、例えば、ディスクまたはハードドライブを含むストレージデバイスのような任意のタイプのコンピュータ可読媒体に記憶され得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、データを短期間にわたって記憶するコンピュータ可読媒体などの非一時的なコンピュータ可読媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、リードオンリーメモリ(ROM)、光ディスクまたは磁気ディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)のような補助ストレージまたは永続長期ストレージなどの非一時的なコンピュータ可読媒体も含み得る。コンピュータ可読媒体は、任意の他の揮発性または不揮発性ストレージシステムとすることもできる。コンピュータ可読媒体は、例えば、コンピュータ可読ストレージ媒体、または有形のストレージデバイスであると考えられ得る。さらに、方法500および本明細書で開示される他のプロセスおよび方法について、図5の各ブロックは、プロセス内の特定の論理機能を実行するように配線された回路を表すことができる。
【0093】
ブロック502において、方法500は、重なり合う配置にある複数の基板(例えば、基板184および186)の第1の基板(例えば、基板186)上の第1の光路を画定する第1の導波路(例えば、導波路150)で光(例えば、光104)を受信することを含む。ブロック504において、方法500は、第1の導波路の内部で、第1の光路に沿って第1の導波路の出力セクションに向かって光を誘導することを含む。ブロック506において、方法500は、出力セクションにおいて、第1の導波路から複数の基板の第2の基板(例えば、基板184)に向かって光を送信することを含む。ブロック508において、方法500は、第2の基板上に配設された第2の導波路(例えば、導波路151)の入力セクションにおいて、第1の導波路(例えば、導波路150)の出力セクションから送信された光を受信することを含む。ブロック510において、方法500は、第2の導波路の内部で、第2の基板上の第2の導波路によって画定される第2の光路に沿って光を誘導することを含む。
【0094】
IV.結論
上記の詳細な説明は、添付の図を参照して、開示されたシステム、デバイス、および方法の様々な特徴および機能を説明している。本明細書では様々な態様および実施形態が開示されているが、他の態様および実施形態も明らかであろう。本明細書で開示された様々な態様および実施形態は、例示のみを目的とするものであり、限定することを意図するものではなく、真の範囲は以下の特許請求の範囲によって示される。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5