(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】電気制御機能層を調節するための調節装置、調節方法、及び機能性ガラス
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20240329BHJP
G02F 1/1334 20060101ALI20240329BHJP
G02F 1/15 20190101ALI20240329BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20240329BHJP
G02F 1/1333 20060101ALI20240329BHJP
G02F 1/17 20190101ALI20240329BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/1334
G02F1/15 502
G02F1/133 505
G02F1/1333
G02F1/17
(21)【出願番号】P 2022530966
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(86)【国際出願番号】 CN2020131523
(87)【国際公開番号】W WO2021104313
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-08-02
(31)【優先権主張番号】201911185264.8
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(72)【発明者】
【氏名】マー スートン
【審査官】近藤 幸浩
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/031606(WO,A1)
【文献】特表2019-502145(JP,A)
【文献】国際公開第2019/011891(WO,A1)
【文献】特開2013-228646(JP,A)
【文献】特開2011-137873(JP,A)
【文献】特表2009-500803(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1334
G02F 1/15
G02F 1/133
G02F 1/1333
G02F 1/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気制御機能層(201)を調節するための調節装置(100)
であって:
交流の入力電圧を受け取り、かつ前記入力電圧の振幅及び周波数を調節して、前記電気制御機能層(201)に作用する電気信号を生成するように構成された、電圧調節器(101);並びに
前記電圧調節器(101)に結合されており、かつ調節信号を受信し、かつ前記調節信号に従って前記電圧調節器(101)に制御信号を送信して、前記入力電圧の前記振幅及び前記周波数を調節するように構成された、コントローラー(103)、ここで、前記制御信号が、電圧の振幅パラメーター及び周波数パラメーターを含む
を含み、
前記電圧調節器(101)が、
前記周波数パラメーターに従って、前記入力電圧の周波数を調節して、調節された第1の中間電圧を生成するように構成された、周波数調節ユニット;並びに
前記周波数調節ユニット及び前記電気制御機能層(201)に結合されており、かつ前記振幅パラメーターに従って、前記第1の中間電圧の振幅を調節して、前記電気信号を生成するように構成された、振幅調節ユニット、
を含む、
調節装置(100)。
【請求項2】
前記制御信号が、前記電気制御機能層(201)が遷移をアクティブにするための待機時間パラメーター又は前記電気制御機能層(201)の遷移速度パラメーターの少なくとも1つパラメーターを更に含む、請求項1に記載の調節装置(100)。
【請求項3】
前記周波数調節ユニットが、
Hブリッジ回路(1021);並びに
前記Hブリッジ回路(1021)及び前記コントローラー(103)に結合されており、かつ前記周波数パラメーターに従って、前記Hブリッジ回路(1021)のスイッチを制御して、前記Hブリッジ回路(1021)に前記入力電圧に基づいて前記第1の中間電圧を生成させるように構成された、パルス幅変調(PWM)回路(1022)
を含む、請求項
1に記載の調節装置(100)。
【請求項4】
前記振幅調節ユニットが、
コンバーター(1012);並びに
前記コンバーター(1012)及び前記コントローラー(103)に結合されており、かつ前記振幅パラメーターに従って、前記コンバーター(1012)を制御して、前記コンバーター(1012)に前記第1の中間電圧に基づいて前記電気信号を生成させるように構成された、デジタルポテンショメーター(1011)
を含む、請求項
1に記載の調節装置(100)。
【請求項5】
前記電気信号が、前記電気制御機能層(201)の光学特性を調節するために使用される、請求項1に記載の調節装置(100)。
【請求項6】
前記光学特性が、ヘイズ、光透過率、色、又は着色の程度のうちの少なくとも1つを含む、請求項
5に記載の調節装置(100)。
【請求項7】
前記コントローラー(103)に結合されており、ユーザーからの命令を受け取り、かつ前記ユーザーからの前記命令に従って、前記コントローラー(103)に前記調節信号を提供するように構成された、相互作用ユニット(104)を更に含む、請求項1に記載の調節装置(100)。
【請求項8】
前記相互作用ユニット(104)が、タッチ装置、光センサー、ジェスチャセンサー、音声センサー、調整ノブ、操作ボタン、又は操作ハンドルのうちの少なくとも1つを含む、請求項
7に記載の調節装置(100)。
【請求項9】
前記パルス幅変調(PWM)回路(1022)は、前記Hブリッジ回路(1021)によって出力される波形が、方形波、正弦波、三角波、又は台形波のうちの少なくとも1つを含むように構成される、請求項
3に記載の調節装置(100)。
【請求項10】
前記電気制御機能層(201)の光学特性を検出し、かつ前記検出された光学特性を表す検出信号を生成するように構成された、光学センサー(105)を更に含む、請求項1に記載の調節装置(100)。
【請求項11】
前記コントローラー(103)が、前記光学センサー(105)結合されており、前記検出信号及び前記調節信号に基づいて光学的差異を決定し、かつ前記光学的差異に基づいて前記電圧調節器(101)を制御して、前記振幅及び前記周波数の少なくとも1つを更に調節するように更に構成される、請求項
10に記載の調節装置(100)。
【請求項12】
前記光学センサー(105)が、ヘイズメーターを含む、請求項
10に記載の調節装置(100)。
【請求項13】
電気制御機能層(201)を調節する方法
であって:
前記電気制御機能層(201)を調節するための調節信号を受信すること;並びに
前記調節信号に従って電圧調節器(101)に制御信号を送信して、前記電圧調節器(101)が受け取った
交流の入力電圧の振幅及び周波数を調節して、それによって、前記電圧調節器(101)が前記電気制御機能層(201)に作用する電気信号を生成すること、ここで、前記制御信号が、電圧の振幅パラメーター及び周波数パラメーターを含む
、
を含み、
前記調節信号に従って前記電圧調節器(101)を制御することが:
周波数調節ユニットを制御し、それによって前記入力電圧の周波数を調節して、調節された第1の中間電圧を生成すること;並びに
前記周波数調節ユニット及び前記電気制御機能層に結合された振幅調節ユニットを制御し、それによって前記第1の中間電圧の振幅を調節して、前記電気信号を生成すること
を含む、
方法。
【請求項14】
前記周波数調節ユニットを制御することが、以下を含む、請求項
13に記載の方法:
Hブリッジ回路(1021)に結合されたパルス幅変調(PWM)回路を制御して、前記周波数パラメーターに従って、前記Hブリッジ回路(1021)のスイッチを制御し、それによって、前記Hブリッジ回路(1021)が前記入力電圧に基づいて前記第1の中間電圧を生成すること。
【請求項15】
前記振幅調節ユニットを制御することが、以下を含む、請求項
13に記載の方法:
デジタルポテンショメーター(1011)を制御して、前記振幅パラメーターに従って、コンバーター(1012)を制御し、それによって、前記コンバーター(1012)が前記第1の中間電圧に基づいて前記電気信号を生成すること。
【請求項16】
前記調節信号を受信することが、相互作用ユニット(104)からの前記調節信号を受信することを含み、
前記相互作用ユニット(104)が、ユーザーからの命令を受け取り、かつ前記ユーザーからの前記命令に従って、コントローラー(103)に前記調節信号を提供するように構成される、
請求項
13に記載の方法。
【請求項17】
光学センサー(105)によって検出された光学特性の検出信号を受信すること、
前記検出信号及び前記調節信号に基づいて光学的差異を決定すること、並びに
前記光学的差異に基づいて前記電圧調節器(101)を制御して、前記振幅及び前記周波数の少なくとも1つを更に調節すること、
を更に含
む、請求項
13に記載の方法。
【請求項18】
ガラス基材;
電気制御機能層(201);及び
請求項1~
12のいずれか一項に記載の前記調節装置(100)
を含
む、機能性ガラス。
【請求項19】
前記電気制御機能層(201)が、エレクトロクロミック(EC)材料、電気誘導透明度変化材料、又はホストゲスト液晶材料のうちの少なくとも1つを含む、請求項
18に記載の機能性ガラス。
【請求項20】
前記電気誘導透明度変化材料が、懸濁粒子デバイス(SPD)、ポリマー分散液晶(PDLC)、ポリマーネットワーク液晶(PNLC)、及びポリマー安定化液晶(PSLC)のいずれか1つを含む、請求項
19に記載の機能性ガラス。
【請求項21】
前記電気誘導透明度変化材料中のポリマーが、透明又は着色されている、請求項
19に記載の機能性ガラス。
【請求項22】
前記エレクトロクロミック(EC)材料、前記電気誘導透明度変化材料、又は前記ホストゲスト液晶材料のうちの少なくとも1つが、順方向、逆方向、又は双安定である、請求項
19に記載の機能性ガラス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、調節装置に関し、より具体的には、電気制御機能層を調節するための調節装置、調節方法、及び機能性ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
産業(自動車産業等)の継続的な発展に伴い、ガラスにますます多くの機能を統合する必要が生じている。例えば、一部の自動車用ガラスは、ユーザーの命令又は周囲環境(例えば、温度、光強度等)の変化に従ってガラスの色及び透明度を調整するために、色変更又は透明度調整機能と統合されている。照明、ディスプレイ、暖房、通信、ホスト-ゲスト相互作用等の機能と統合されたガラスもある。色や透明度を調整する機能を備えたガラスについては、現在、一部の自動車用ガラスは、合わせガラスに配置された電気制御機能層を使用して機能性ガラスを形成している。例えばエレクトロクロミック材料、電気誘導透明度変化材料、又はホストゲスト液晶材料に基づく電気制御機能層は、エレクトロクロミック又は、電気誘導透明度変化等の特性を有するので、電気制御機能層を使用する機能性ガラスの透明性及び/又は色は、電気制御機能層に印加される電圧を調節することによって調節することができ、プライバシー保護等の目的を達成する。
【0003】
従来の電気制御機能層は、主にポリマー分散液晶(PDLC)に基づいている。PDLCは、有機固体ポリマー基材にミクロンサイズの滴が分散した液晶である。液晶分子からなる滴の光軸が自由配向であるため、それらの屈折率は基材の屈折率と一致しない。基材を通過する際に、光は滴によって強く散乱され、不透明な乳白色の状態又は半透明の状態を示す。液晶滴の光軸の配向は、コントローラーを介して電界を印加することによって調節することができ、液晶滴と基材の屈折率が一致すると、液晶は透明な状態を示す。電場が除去された後、液晶滴は初期の光拡散状態を示し、それによって表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のコントローラーのほとんどは、電圧の振幅を調節することによって機能ガラスに適用される電気信号を調節し、それによって機能ガラスの光学特性等のパラメーターを調節する。しかしながら、電圧振幅に対する液晶粒子の特性のために、従来の解決策は、そのような調節オプションがほとんどなく、漸進的調節等の必要な調節方法を達成することができない。本開示の実施形態は、電気制御機能層を調節するための調節装置を提供し、これは、従来の調節装置に存在する上記の問題及び他の潜在的な問題を解決するか、又は少なくとも部分的に解決する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の態様では、電気制御機能層を調節するための調節装置が提供される。前記調節装置は、次を含む:入力電圧を受け取り、かつ前記入力電圧の振幅及び周波数を調節して、前記電気制御機能層に作用する電気信号を生成するように構成された、電圧調節器;並びに、前記調節装置は、前記電圧調節器に結合されており、かつ調節信号を受信し、かつ前記調節信号に従って前記電圧調節器に制御信号を送信して、前記入力電圧の振幅及び周波数を調節するように構成された、コントローラー。ここで、前記制御信号が、電圧の振幅パラメーター及び周波数パラメーターを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、前記制御信号は、前記電気制御機能層が遷移(transition)をアクティブにするための待機時間パラメーター又は前記電気制御機能層の遷移率パラメーターの少なくとも1つパラメーターを更に含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、前記電圧調節器は、次を含む:前記周波数パラメーターに従って、前記入力電圧の周波数を調節して、調節された第1の中間電圧を生成するように構成された、周波数調節ユニット;並びに前記周波数調節ユニット及び前記電気制御機能層に結合されており、かつ前記振幅パラメーターに従って、前記第1の中間電圧の振幅を調節して、前記電気信号を生成するように構成された、振幅調節ユニット。
【0008】
いくつかの実施形態では、前記電圧調節器は、次を含む:前記振幅パラメーターに従って、前記入力電圧の振幅を調節して、調節された第2の中間電圧を生成するように構成された、振幅調節ユニット;並びに、前記振幅調節ユニット及び前記電気制御機能層(201)に結合されており、かつ前記周波数パラメーターに従って、前記第2の中間電圧の周波数を調節して、前記電気信号を生成するように構成された、周波数調節ユニット。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記周波数調節ユニットは、次を含む:Hブリッジ回路;並びに、前記コンバーター及び前記コントローラーに結合されており、かつ周波数パラメーターに従って、前記Hブリッジ回路のスイッチを制御して、前記Hブリッジ回路に前記入力電圧に基づいて前記第1の中間電圧を生成させるか、又は前記Hブリッジ回路に前記第2の中間電圧に基づいて前記電気信号を生成させるように構成された、パルス幅変調回路。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記振幅調節ユニットは、次を含む:コンバーター;並びに、前記コンバーター及び前記コントローラーに結合されており、かつ前記振幅パラメーターに従って、前記コンバーターを制御して、前記コンバーターに前記入力電圧に基づいて前記第2の中間電圧を生成させるか、又は前記コンバーターに前記第1の中間電圧に基づいて前記電気信号を生成させるように構成された、デジタルポテンショメーター。
【0011】
いくつかの実施形態では、前記電気信号は、前記電気制御機能層の光学特性を調節するために使用される。
【0012】
いくつかの実施形態では、前記光学特性は、ヘイズ、光透過率、色、又は着色の程度のうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、前記調節装置は、前記コントローラーに結合されており、ユーザーからの命令を受け取り、かつ前記ユーザーからの前記命令に従って、前記コントローラーに前記調節信号を提供するように構成された、相互作用ユニットを更に含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、前記相互作用ユニットは、タッチ装置、光センサー、ジェスチャセンサー、音声センサー、調整ノブ、操作ボタン、又は操作ハンドルのうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、前記パルス幅変調回路は、前記Hブリッジ回路によって出力される波形が、方形波、正弦波、三角波、又は台形波のうちの少なくとも1つを含むように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、前記調節装置は、前記電気制御機能層の光学特性を検出し、かつ前記検出された光学特性を表す検出信号を生成するように構成された、光学センサーを更に含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、前記コントローラーは、前記光学センサー結合されており、前記検出信号及び前記調節信号に基づいて光学的差異を決定し、かつ前記光学的差異に基づいて前記電圧調節器を制御して、前記振幅及び前記周波数の少なくとも1つを更に調節するように更に構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、前記光学センサーは、ヘイズメーターを含む。
【0019】
本開示の第2の態様では、電気制御機能層を調節する方法が提供される。前記方法は、次を含む:前記電気制御機能層を調節するための調節信号を受信すること;並びに、前記調節信号に従って電圧調節器に制御信号を送信して、前記電圧調節器が受け取った入力電圧の振幅及び周波数を調節して、それによって、前記電圧調節器が前記電気制御機能層に作用する電気信号を生成すること。ここで、前記制御信号は、電圧の振幅パラメーター及び周波数パラメーターを含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、前記調節信号に従って前記電圧調節器を制御することは、次を含む:周波数調節ユニットを制御し、それによって前記入力電圧の周波数を調節して、調節された第1の中間電圧を生成すること;並びに、前記周波数調節ユニット及び前記電気制御機能層に結合された振幅調節ユニットを制御し、それによって、前記第1の中間電圧の振幅を調節して、前記電気信号を生成すること。
【0021】
いくつかの実施形態では、前記調節信号に従って前記電圧調節器を制御することは、次を含む:振幅調節ユニットを制御し、それによって前記入力電圧の振幅を調節して、調節された第2の中間電圧を生成すること;並びに、前記振幅調節ユニット及び前記電気制御機能層に結合された周波数調節ユニットを制御し、それによって、前記第2の中間電圧の周波数を調節して、前記電気信号を生成すること。
【0022】
いくつかの実施形態では、前記周波数調節ユニットを制御することは、次を含む:Hブリッジ回路に結合されたパルス幅変調回路を制御して、前記周波数パラメーターに従って、前記Hブリッジ回路のスイッチを制御し、それによって、前記Hブリッジ回路が前記入力電圧に基づいて前記第1の中間電圧を生成すること、又は前記Hブリッジ回路が前記第2の中間電圧に基づいて前記電気信号を生成すること。
【0023】
いくつかの実施形態では、前記振幅調節ユニットを制御することは、次を含む:デジタルポテンショメーターを制御して、前記振幅パラメーターに従って、前記コンバーターを制御し、それによって、前記コンバーターが前記入力電圧に基づいて前記第2の中間電圧を生成すること、又は前記コンバーターが前記第1の中間電圧に基づいて前記電気信号を生成すること。
【0024】
いくつかの実施形態では、前記調節信号を受信するは、相互作用ユニットからの前記調節信号を受信することを含み、ここで、前記相互作用ユニットは、ユーザーからの命令を受け取り、かつ前記ユーザーからの前記命令に従って、前記コントローラーに前記調節信号を提供するように構成される。
【0025】
いくつかの実施形態では、前記方法は、光学センサーによって検出された光学特性の検出信号を受信すること、前記検出信号及び前記調節信号に基づいて光学的差異を決定すること、並びに前記光学的差異に基づいて前記電圧調節器を制御して、前記振幅及び前記周波数の少なくとも1つを更に調節することを更に含む。
【0026】
本開示の第3の態様では、機能性ガラスが提供される。前記機能性ガラスは、ガラス基材;電気制御機能層;及び本開示の第1の態様に記載の前記調節装置を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、前記電気制御機能層は、エレクトロクロミック材料、電気誘導透明度変化材料、又はホストゲスト液晶材料のうちの少なくとも1つを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、前記電気誘導透明度変化材料は、懸濁粒子デバイス、ポリマー分散液晶、ポリマーネットワーク液晶、及びポリマー安定化液晶のいずれか1つを含む。
【0029】
いくつかの実施形態では、前記電気誘導透明度変化材料中のポリマーは、透明又は着色されている。
【0030】
いくつかの実施形態では、前記エレクトロクロミック材料、前記電気誘導透明度変化材料、又は前記ホストゲスト液晶材料のうちの少なくとも1つは、順方向、逆方向、又は双安定である。
【0031】
要約部分は、本開示の実施形態の本質的又は重要な特徴を示すこと、又は本開示の範囲を限定することを意図するものではないことが理解されたい。本開示の他の特徴は、以下の説明によって明らかにされるであろう。
【0032】
本開示の上記及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面を参照した本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明を通じて、より明らかになるであろう。ここで、同じ参照記号は一般に同じ要素を指す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、液晶ベースの電気制御機能層の光学特性の変化の原理の概略図である。
【
図2】
図2は、電圧振幅に伴う電気制御機能層のヘイズの変化の曲線を示す図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態による機能性ガラスの概略図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態による調節装置の概略図である。
【
図5】
図5は、本開示の他の実施形態による調節装置の概略図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態による、電気制御機能層を調節するための方法のフローチャートを示す図である。
【0034】
図面全体を通して、同じ又は類似の参照記号は、同じ又は類似の要素を指す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
次に、いくつかの例示的な実施形態を参照して、本開示を詳細に説明する。本開示のこれらの実施形態は、当技術分野の当業者が本開示の技術的解決策の範囲に限定を示唆することなく、本開示をよりよく理解し、したがって実行することを可能にするために提供されることを理解されたい。
【0036】
本明細書において、「含む」という用語及びその変形は、「含むが、これに限定されない」を意味する制限のない用語として読まれるべきである。「に基づく」という用語は、「少なくとも部分的に基づく」と解釈されるべきである。「1つの実施形態」及び「いくつかの実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」として読まれるべきである。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも別の実施形態」として読まれるべきである。「第1」、「第2」等の用語は、異なる又は同じ対象を指す場合がある。明示的又は暗黙的な他の定義は、以下に含まれる場合がある。用語の定義は、文脈で明確に示されていない限り、明細書全体で一貫する。
【0037】
ガラスは技術の継続的な発展に伴い、人々のニーズを満たすためにさまざまな機能を統合する必要もある。本明細書で言及されるガラスは、輸送乗り物(自動車、列車、船、飛行機、及び航空機等)、ディスプレイガラス、又は建築用ガラスに使用されるガラスを指してよい。以下の説明は、本開示の概念を説明するための例として主に自動車用ガラスを取り上げる。他の態様で使用されるガラスは自動車用ガラスに類似しており、以下ではそれぞれ説明しないことを理解されたい。
【0038】
現在、様々な機能を備えたガラスは、一般に機能性ガラス200と呼ばれている。機能性ガラス200のより一般的なタイプは、調光ガラスである。現在、市販されているほとんどの調光ガラスは、2層のガラスの間にポリマー分散液晶(PDLC)層を配置し、そして高温高圧一体接着により一体成形することにより一体成形されている。
【0039】
ポリマー分散液晶層は、ポリマー層と、ポリマー層に分散された液晶滴とを含む。ポリマー層はポリマー材料で作られている。ポリマー層は、一般に、屈折率が液晶滴の通常の屈折率と一致する材料を使用する。ここでの屈折率の一致は、ポリマー層の屈折率が液晶滴の通常の屈折率(すなわち、長軸方向の液晶滴の屈折率)と同じであることを意味し、あるいは、液晶滴の通常の屈折率(すなわち、長軸方向の液晶滴の屈折率)に対するポリマー層の屈折率の比は、0.9~1.1の範囲であることを意味する。
【0040】
制御電極は、ポリマー分散液晶層に面するガラスの2つの層の表面上に形成される。制御電極に電圧を印加することにより、ポリマー分散液晶層に電界が形成される。電界の大きさの変化は、ポリマー分散液晶層を透明状態と不透明状態との間で切り替わるように制御し、それによって調光の目的を達成することができる。
【0041】
例えば、PDLCシステムでは、ネマチック液晶がミクロンサイズの滴の形で固体有機ポリマー基材に均一に分散される。電圧が印加されていない場合、各小さな液晶滴の光軸は優先配向にあるが、全ての滴の光軸は無秩序な配向状態となる。液晶は光学異方性と誘電異方性が強い材料であるため、その実効屈折率は基材の屈折率と一致しない(大きな違いがある)。このとき、
図1の左側に示すように、入射光は強く散乱し、不透明又は半透明の乳白色の状態を示すことができる。外部電界が印加されると、ネマチック液晶分子の光軸の方向は、電界の方向に沿って均一になり、液晶滴の通常の屈折率は、基板の屈折率とある程度一致する。光は基材を通過することができ、基材は、
図1の右側に示されるように、透明又は半透明の状態にある。外部電界が除去された後、液晶粒子は、基材の弾性エネルギーの作用下で元の散乱状態に戻る。したがって、ポリマー分散液晶フィルムは、電界の作用下で電気制御光スイッチング特性を有する。
【0042】
光透過性能は、例えば、ヘイズによって特徴付けられ得る。「ヘイズ」とは、光の散乱能力を指す。具体的には、ヘイズ値は、サンプルを介して入射光の方向から偏向する散乱光の光束と、透過光の光束の比率であり、パーセンテージで表される。例えば、ヘイズ値が大きいほど、マテリアルの光を散乱する能力が強くなり、人々の目が見えにくくなる。上述した
図2の左側に示されているヘイズ値は、最大である。
【0043】
ヘイズ値に加えて、光透過率性能等の光学特性を表す重要なパラメーターは、光透過率である。光透過率は物理的な用語であり、媒体を通過する光の容量と、透明又は半透明の物体を通過する光の光束の、入射光の光束に対するパーセンテージを意味する。つまり、ヘイズとは逆に、光の透過率が高いほど、媒体(電気制御機能層等)の透明度が高くなる。光透過率が低いほど、人々の目は見えにくくなる。
【0044】
ヘイズを例にとると、電気制御機能層のヘイズ値は、電気制御機能層に印加される電圧の振幅とともに変化する。
図2は、電気制御機能層に印加される電圧の振幅とともにヘイズが変化する場合を概略的に示している。
図2の横軸は印加電圧の振幅を表し、縦軸はヘイズ値を表す。印加電圧によるヘイズの変化は線形ではないことが分かる。例えば、電圧値が約5V~15Vの場合、ヘイズは急激に変化する。しかしながら、印加電圧が5V未満及び15Vを超える場合、ヘイズは非常にゆっくりと変化する。
【0045】
以下では、説明を簡単にするために、「遷移率(transition rate)」の概念を紹介する。遷移率とは、例えば、光学特性が調整されたときの単位時間あたりの光学特性の変化の程度を指す。
図2の約5V~15Vの領域に示されているように、この率が大きいほど、単位時間あたりのヘイズ等の光学特性の変化が大きくなる。
図2の5V未満及び15Vを超える領域に示されるように、この率が小さいほど、単位時間あたりの電気信号によって変化する光学特性の程度は小さい。
【0046】
これによってもたらされる問題の1つは、機能性ガラスの光学特性をより細かく調節し、それによって、ユーザーの多様なニーズを満たすためのより多くの調節オプションをユーザーに提供できないことである。必要なモードは、段階的調節モード又は急激な変化の調節モードを含み得る。例えば、電圧の振幅によるヘイズの変化曲線は
図2に示す曲線であるため、機能性ガラスのヘイズを微調節することは現在不可能である。例えば、ヘイズ値を50%から60%に調節する必要がある場合は、電圧振幅の変化を非常に小さくする必要がある。このような非常に小さい電圧振幅の調節は、大きな誤差をもたらし、それは、機能性ガラスのヘイズを細かく調節することを困難にする。
【0047】
本発明者らは、継続的な研究を通じて、電圧振幅に加えて、電気制御機能層201に作用する交流の周波数も機能性ガラスのヘイズ等の光学特性の変化に影響を与えることを発見した。これは、機能性ガラス200の光学的特性及び他のパラメーターさえも細かく調節する機会をもたらす。
【0048】
具体的には、
図2に示すように、電気制御機能層201に印加される電圧の振幅を調節するだけでは、より透明な調節オプションを提供する等、電気制御機能層201の微調節を達成することはできない。しかしながら、本発明者は、周波数の変化がまた、電気制御機能層201の光透過率及びヘイズ等のパラメーターの変化を引き起こす可能性があることを発見した。本発明者は、電気制御機能層201に作用する電圧の振幅及び周波数の同時調節に関するさらなる研究を実施した。
【0049】
さらなる研究を通じて、本発明者は、先行技術における上記又は他の潜在的な問題を解決するか、又は少なくとも部分的に解決するために、電気制御機能層201を調節するための調節装置100を提案する。周波数調整を導入することによって電圧振幅及び周波数が二重調節される得られた電気信号を用いて、
図2に示される電気信号に対するヘイズの変化曲線を調整することができる。つまり、電圧の振幅と周波数とが二重に調節された電気信号の変化に対して、ヘイズの変化が緩やかになり(曲線の傾きが小さくなり)、これによって、電気制御機能層201の特性をより細かく調節することができる。
【0050】
本明細書で言及される電気制御機能層201は、機能層に異なる電気信号を印加することによっていくつかのパラメーターが変化する層であることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、電気信号を使用して、電気制御機能層201の光学特性を調節することができる。
【0051】
本明細書で言及される電気信号は、いくつかの実施形態では、特定の振幅及び周波数を有する電圧信号を指してよい。ここでの周波数は、いくつかの実施形態では0であり得る、すなわち、電気信号は、直流電気信号を指し得る。更に、いくつかの実施形態では、追加的又は代替的に、電気信号は、電圧信号の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジ、ピーク値、又は谷値のいずれか1つを指すこともできる。すなわち、いくつかの実施形態では、電気制御機能層201はまた、層に印加される電圧の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジ、ピーク値、又は谷値に応答して調節され得る。説明を容易にするために、本開示の概念は、電気信号が交流である例と共に、主に以下に紹介される。電気信号が電圧信号の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジ、ピーク値又は谷値に属する状況はこれに類似しており、以下では繰り返されない。
【0052】
上記の透明性又はヘイズの調節に加えて、本開示の実施形態による調節装置は、色又は着色の程度を含むがこれらに限定されない他の光学的特性を調節することを更に含み得る。換言すれば、電気制御機能層201は、光透過率、ヘイズ、色、又は着色度等の光学特性を変化させることができる液晶ベースの機能層であり得る。例えば、電気制御機能層は、いくつかの実施形態では、エレクトロクロミック(EC)材料、電気誘導透明度変化材料、又はホストゲスト液晶材料のうちの1つを含み得る。
【0053】
例えば、いくつかの実施形態では、電気誘導透明度変化材料中のポリマーは、透明又は着色されていてもよい。ポリマー分散液晶層に二色性染料を添加して、電圧を印加しない場合にポリマー分散液晶層がカラフル又は黒色に見えるようにすることができる。添加される二色性染料の種類に応じて、ポリマー分散液晶層は、電圧が印加されていない場合、緑や赤等のさまざまな異なる色を示すことができる。電気制御機能層に電圧を印加すると、ポリマー分散液晶層の色又は黒の着色度が低下する。電気制御機能層201に印加される電圧が増加するにつれて、ポリマー分散液晶層の着色度は徐々に低下し、無色になる傾向がある。
【0054】
当然、着色の程度の変化の上記の実施は単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。任意他の適切な手段も可能である。例えば、いくつかの代替の実施形態では、エレクトロクロミック材料もまた、実施のために使用され得る。エレクトロクロミック材料とは、外部の電界と電流の作用によって色が変化する可能性のある材料を指す。その本質は、電界の作用下で材料の化学構造が変化し、それが材料の吸収スペクトルの変化を引き起こすことである。エレクトロクロミック材料は、色変化のプロセスに従って、一方向の色変化を伴う不可逆的な色変化材料、及び両方向に色が変化する可能性があるより適用価値のある可逆的な色変化材料に分類され得る。
【0055】
いくつかの代替の実施形態では、電気制御機能層201は、ホストゲスト液晶材料を更に含み得る。ホストゲスト液晶材料は、ホストゲスト効果(ゲストホスト効果とも呼ばれる)に基づく液晶材料である。ホストゲスト効果は、長軸方向及び短軸方向に沿って可視光の吸収が異なる二色性染料をゲストとして、整列した液晶ホストに溶解させた効果である。二色性色素分子(ゲスト)は、ネマチック液晶分子(ホスト)と同じ方向に「ゲストがホストによって変化する」ように配置されることになる。電界の作用によりホストとしての液晶分子の配列が変化すると、それに応じて二色性色素分子の配列方向も変化し、つまり、二色性染料による入射光の吸収も変化する。つまり、電界の作用下で多色染料分子(ゲスト)とネマチック液晶分子(ホスト)を再配列して色を変化させる効果で、色の調節は、ホストゲスト液晶に基づく電気制御機能層に作用する電気信号の差によって可能になる。
【0056】
追加的又は代替的に、調節することができる光学特性に関連する上記のパラメーターに加えて、調節することができる電気制御機能層201のパラメーターは、任意の他の適切なパラメーター、例えば、加熱強度を変更するためのパラメーター、電気制御による光度、又は通信、ディスプレイ、若しくはホストとゲストの相互作用に関連するパラメーター等を更に含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、電気制御機能層201はまた、加熱機能層又は発光機能層であり得る。電気制御機能層201を制御することにより、加熱機能層の加熱強度又は発光機能層の発光強度をより細かく調節する。
【0057】
以下、本開示の概念を、電気制御機能層201の光透過率、ヘイズ、色、着色度等の光学特性の調整を例として説明する。加熱強度及び光度のパラメーター、又は通信、表示又はホスト-ゲスト相互作用に関連するパラメーター等の、電気制御機能層201の他のパラメーターの調節に関して、原則は同じであり、以下では繰り返されない。
【0058】
いくつかの実施形態において、電気的に誘発された透明性を変化させる材料は、以下のタイプのうちの1つを含み得る:懸濁粒子デバイス(SPD)、ポリマー分散液晶(PDLC)、ポリマーネットワーク液晶(PNLC)、又はポリマー安定化液晶(PSLC)。PDLCと比較すると、PNLCの液晶は球状(又は楕円形)の滴ではないが、3次元ポリマーネットワークに分散して連続チャネルネットワークを形成する。ある電気信号が印加された場合、誘電異方性を有する液晶分子は電界トルクを受け、それらのダイレクタ方向は電界と同じままであり、そして入射光が透過し、PNLCフィルムは明るい状態になる。
【0059】
ポリマーネットワーク安定化液晶フィルムは、少量のポリマーがネットワークを形成して液晶の配向を安定化させる新しいタイプの光電複合材料である。通常のポリマー分散液晶フィルムとは異なり、ポリマーネットワーク内の液晶分子の配列配向が異なるために屈折率が変化するため、電界をかけない場合、PSLCフィルムは透明な状態になる。適切な電場が印加されると、ポリマーネットワークと液晶の間の固定効果により、電界内の一部の液晶の再配向が制限されて、それによって、液晶分子は無秩序に配置され、異なる屈折率を示し、入射光を散乱させてPSLCフィルムをファジー状態にする。本開示の実施形態による調節方法及び調節装置100は、上記液晶材料に基づく電気制御機能層201に適用することができ、その結果、適用範囲が広くなる。
【0060】
懸濁粒子デバイス(ライトバルブとも呼ばれる)は、液体の懸濁滴が分布しているフィルムである。光吸収粒子は液体懸濁液に分散している。これらのランダムに配向した微視的粒子は、通常、黒色のセラミック顔料(酸化鉄クロム、酸化物銅クロム、又は酸化ビスマスマンガン)で作られている。これらの粒子は、特に近赤外線放射で熱を反射することができる。このフィルムは、透明な導電性材料でコーティングされた2枚のガラス又はプラスチックプレートの間に封止されている。電圧がない場合、粒子は光を吸収し、光がフィルムを通過するのを防ぐ。電圧が印加されると、粒子は光が通過できるように再配置される。電圧を調整するために単純なスイッチ又は他の制御装置を使用することによって、ユーザーは、窓等の製品によって放出される光、グレア、及び熱を即座に調節することができる。これにより、ユーザーに特定の範囲の透明度が与えられ、印加された電気信号に応じて光透過率が迅速に変化することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、上記のエレクトロクロミック(EC)材料、電気誘導透明度変化材料、又はホストゲスト液晶材料の少なくとも1つは、順方向(forward)、逆方向(reverse)、又は双安定(bistable)である。ここで、「順方向」とは、
図1に示されていることを意味し、電気制御機能層201に電圧が印加されると、電気制御機能層201は不透明状態から透明状態に移行する。「逆方向」は、その逆であり、すなわち、電圧が電気制御機能層201に印加されると、電気制御機能層201は、透明状態から不透明状態に移行する。上記の2つの場合において、電気制御機能層201は、印加された電圧が除去された後、元の不透明又は透明な状態に戻る。
【0062】
「双安定」とは、印加電圧を取り除いても、電気制御機能層201は、電圧が印加されたときの状態を維持することを意味する。例えば、ある振幅及び周波数の電圧を印加したときに、電気制御機能層201のヘイズが50%になった場合、その電圧を取り除いても、「双安定」電気制御機能層201は、他の振幅及び周波数の電圧がそれに作用するまで、ヘイズを維持し続ける。したがって、双安定液晶材料の使用は、より安定したエネルギー節約制御を達成することができる。
【0063】
以下において、本開示の概念は、主に、順方向のポリマー分散液晶を含む電気制御機能層201を例として説明することに留意されたい。電気制御機能層201が上記の他の材料を含む場合、原理は同じであり、以下では繰り返さない。
【0064】
このような電気制御機能層201をガラスに適用して機能性ガラス200を形成する例を
図3に示す。ガラスは、電気制御機能層201の両側に配置された第1のガラス202及び第2のガラス203を含む。第1のガラス202及び第2のガラス203は両方とも単層ガラスである。製造工程では、フロートガラス、板ガラス、強化ガラス等、既存の異なる技術によって製造された様々な種類のガラスを使用することができる。第1のガラス202及び第2のガラス203の形状は、特定の曲率を有する板ガラス又は湾曲ガラスであり得る。第1のガラス202及び第2のガラス203は、一定の透明性を有する。
【0065】
電気制御機能層201は、第1のガラス202と第2のガラス203との間に配置されている。電気制御機能層201の光透過率、ヘイズ、色、又は着色度のいずれか1つを変更することにより、機能性ガラス200の光透過率、ヘイズ、色、又は着色度もそれに応じて変更される。
【0066】
当然、
図3に示した配置方法に加えて、電気制御機能層201を他の方式でガラス上に配置することもできることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、電気制御機能層201はまた、ガラス上に複数のセクションで配置され得る。例えば、いくつかの実施形態では、機能性ガラス200は、特定のパターンでガラスの間に配置された複数の電気制御機能層201を含み得る。複数の電気制御機能層201を別々に制御して、光透過率、ヘイズ、色又は着色度の異なる変化を示すことにより、機能性ガラス200は、全体として、グラデーションパターン等の異なるパターン又はテクスチャを示し得る。
【0067】
ガラス間に配置されることに加えて、いくつかの実施形態では、電気制御機能層201はまた、例えば、接着剤によって機能性ガラス200の側面に配置され得る。更に、いくつかの代替の実施形態では、電気制御機能層201を単独で使用することもできる。
【0068】
次に、本開示の実施形態による調節装置100により、上記電気制御機能層201をどのように調節するかについて説明する。
図4は、調節装置100の概略図を示している。図に示されているように、一般に、本開示の実施形態による調節装置100は、電圧調節器101及びコントローラー103を含む。調節装置100は、電気制御機能層201に作用する電気信号を制御することができる任意の適切な場合、例えば、自動車、電車、船、航空機等の乗り物、又は建築内等の場合に適用することができる。
【0069】
電圧調節器101は、例えば、自動車の電源に結合されて、入力電圧を受け取ることができる。電圧調節器101は、入力電圧の振幅及び周波数を調節して、電気制御機能層201に作用する電気信号を生成することができる。例えば、電圧調節器101は、
図4に示すように、動車電源からのDC電力入力を、特定の周波数及び振幅を有するAC電力又は電気信号に変換することができる。
【0070】
上記は、電圧調節器101に接続される電圧が、例えば、自動車のDC電圧である場合を説明している。電気信号が交流である場合、いくつかの実施形態では、交流は、正弦波形を有する交流を指し得る。いくつかの代替の実施形態では、電気制御機能層201に作用する交流電流はまた、方形波、三角波、台形波、又は任意の他の適切な波形のうちの少なくとも1つを有し得る。
【0071】
当然、調節装置100AC電力を備えた建物に適用される場合、電圧調節器101はまた、入力AC電力の振幅及び周波数を直接調節して、電気制御機能層201に作用する交流電流を生成することができることを理解されたい。
【0072】
コントローラー103は、電圧調節器101に結合されており、調節信号を受信し、調節信号に従って電圧調調節101を制御して、入力電圧の振幅及び周波数を調節することができる。具体的には、コントローラー103は、調節信号に従って電圧調節器101に電圧の振幅パラメーター及び周波数パラメーターを含む制御信号を送信して、入力電圧の振幅及び周波数を調節する。このようにして、電気制御機能層201は、必要に応じて、調節信号で調節することができる。
【0073】
電気制御機能層201によって調節される光学特性等のターゲット特性に対応するターゲット振幅及びターゲット周波数を指すことに加えて、本明細書で言及される電圧の振幅パラメーター及び周波数パラメーターは、初期特性からターゲット特性への調節に必要なすべてのプロセス振幅パラメーター及びプロセス周波数パラメーターを更に含む。例えば、コントローラー103によって送信される制御信号は、調節されるターゲット特性に対応するターゲット振幅及びターゲット周波数を含むだけでなく、調節モード(例えば、段階的調節モード又は急激な変化調節モード)に対応し、初期振幅及び周波数からターゲット振幅及び周波数への変更に必要なプロセス振幅パラメーター及び周波数パラメーターを含む。プロセス振幅パラメーター及び周波数パラメーターは、手動プリセット、特定の関数的関係による計算等の任意の適切な方法で取得することができることを理解されたいが、これについては以下では詳細に説明しない。
【0074】
従来の解決策とは異なり、本開示の実施形態による調節装置100は、入力電圧の振幅及び周波数を同時に制御して、電気制御機能層201をより細かく調節することができる。例えば、振幅調節のみの従来の解決策では、ヘイズは、約5V~15Vの電圧付近で10%又は20%の段階(gradation)でのみ調節できる。本開示の実施形態による調節装置100では、電気制御機能層201のヘイズ等の光学特性は、5%又は1%未満の段階的でより細かい調節を達成することができる。つまり、ユーザーは、5%又は1%未満の段階でガラスの透明度を漸進的又は漸進的に調節することができ、それによって、ユーザーにより多様な調節オプションをもたらすことができる。
【0075】
そのようなより多様でより細かい調節は、人間の感覚により快適な体験をもたらすことができる。つまり、ユーザーの体験が向上される。同時に、この微調節の実現は、電気制御機能層201のより多様な制御を可能にする可能性があり、これについては後で更に説明する。
【0076】
更に、微調節の実現により、電気制御機能層201を任意の適切な方法又はモードで調節することも可能になる。例えば、いくつかの実施形態では、電気制御機能層201は、特定の遷移率で、徐々に、突然に、又は任意の所望のモードで、線形に調節され得る。例えば、電気制御機能層201はまた、曲線の漸進的調節モードで(すなわち、変化する遷移率で調節され得る。対応する遷移率パラメーターが適切に設定されている限り、曲線の漸進的調節モードは線形の漸進的調節モードに似ており、これについては、以下で更に説明する。理解を容易にするために、以下は、本開示の概念を説明するための例として、主に線形漸進調節モードを取り上げ、他の調節モードは線形漸進調節モードに類似しており、以下では詳細に説明しない。
【0077】
そのような望ましい調節がどのように実施されるかは、ヘイズの変化とともに以下に説明される。光透過率、色又は着色の程度の原理は、ヘイズの場合と同様である。
【0078】
上述したように、電気制御機能層201のヘイズが電圧の振幅を調節するのみで変化する場合、ヘイズの変化傾向は、
図2に示す曲線を表す。発明者の研究の発見によれば、電気制御機能層201に印加される電圧の周波数が低いほど、ヘイズは低くなる。周波数が増加するにつれて、ヘイズは徐々に増加し、電気制御機能層201は透明から不透明に変化する。
【0079】
この発見により、例えば、電気制御機能層201の光学特性の微調節を達成するために、電圧の振幅に対してヘイズが大きく変化する領域(例えば、
図2に示される5V~15Vの間の領域)に示すように、電圧の周波数を上げることにより、このようなヘイズの遷移の程度(すなわち、遷移率)を効果的に平坦化する(すなわち、遷移率が小さくなる)ことができる。同様に、ヘイズが電圧の振幅に対して小さく変化する領域(例えば、
図2に示される5V未満及び15Vを超える領域)では、遷移率は、電圧の周波数を低下させることによって増加する。
【0080】
本開示の実施形態による調節装置は、制御信号に電圧の振幅パラメーター及び周波数パラメーターを含ませることによって、電気制御機能層201の微調節を実現することが分かる。
【0081】
例えば、強い外光がある場合、ユーザーが機能性ガラス200を透明にするように命令した後、光学特性の変化の小さな遷移率を設定することが可能であり、すなわち、機能性ガラス200をゆっくりと透明に移行させて、ユーザーが遷移に適応できるようにすることが可能である。いくつかの実施形態では、例えば、ユーザーがボタンでヘイズを調節する場合、遷移率を大きくして、ヘイズが急速に変化するようにすることができる。
【0082】
電圧の振幅パラメーターと周波数パラメーターを含むことに加えて、制御信号は、追加的又は代替的に、いくつかの実施形態において、電気制御機能層201が遷移をアクティブにするための待機時間パラメーター又は電気制御機能層201が遷移する遷移率パラメーターのうちの少なくとも1つを含み得る。このような構成は、調節装置100がユーザー体験を更に向上することを可能にする。
【0083】
例えば、待機時間を設置することで、ユーザーの誤操作による誤調節を効果的に防ぐことができる。すなわち、ユーザーは、待機時間内に入力誤差を調整して、電気制御機能層201を正確かつ所望の方法で調節することができる。例えば、順方向のPDLCを例にとり、ユーザーが半透明効果、つまり目標光透過率が50%になることを期待していると仮定すると、待機時間を2秒に設定することで、電気制御機能層は2秒後に通電されるか、電気制御機能層は2秒後に目標電圧振幅と周波数で印加される。このような設定は、誤操作を効果的に防ぐことができ、つまり、ユーザーは2秒以内に起こりうる誤操作を完全に変更できる。同時に、待機時間を設定すると、ユーザーのさまざまなニーズに対応し、ユーザー体験を向上させることができる。例えば、ユーザーがボタンを押すと、所定の待機時間待機した後、光学特性が突然調節されることができて、ユーザー体験が向上される。
【0084】
電気制御機能層201のより細かい調節はまた、必要に応じて電気制御機能層201の遷移率を調節する能力において具体化される。上述したように、遷移率は、ユーザーの好みに応じて調節することも、又は外光の強度等に応じて自動的に調節することもできる。更に、微調節を実施する場合、遷移率は、必要に応じて、より大きく、より小さく、又は可変に設定することができる(すなわち、上記で説明した曲線の漸進的調節モードに対応する)。例えば、いくつかの実施形態では、急激な変化モードは、上記の遷移率をより大きくすることによって達成され得る。例えば、調節信号に従ってコントローラー103によって送信される制御信号が、急激な変化モードにおいて1秒の遷移時間内にヘイズを50%から0に変化させることである場合、送信された制御信号は、変化を実行するための遷移率、並びにそれに対応する電圧の所望の振幅及び周波数を含み、それによって上記の機能を達成する。更に、いくつかの代替の実施形態では、急激な変化モードは、所定の待機時間後に、電圧の振幅及び周波数を必要な光学特性に対応する振幅及び周波数に直接調節することを指すこともできる。
【0085】
上述した制御信号は、任意の適切な方法でコントローラー103によって送信され得る。例えば、いくつかの実施形態では、これらの制御信号は、機能性ガラス200が出荷されるとき、又は調節装置100が出荷されるときに、調節装置100のメモリ又はコントローラー103に組み込まれ得る。例えば、対応するパラメーターは、ユーザーによって提示された要件に従って設定されてよく、制御信号は、コントローラー103又はそれに結合されたメモリに組み込まれてよい。したがって、コントローラー103は、受信された調節信号に従って組み込まれた制御信号を送信して、電気制御機能層201を調節することができる。
【0086】
いくつかの実施形態では、コントローラー103によって受信された調節信号は、相互作用ユニット104を介してコントローラー103に提供され得る。言い換えれば、調節装置100は、相互作用ユニット104を更に含んでよい。相互作用ユニット104は、コントローラー103に結合されており、ユーザーの命令を受信し、ユーザーの命令に従ってコントローラー103に調整信号を提供することができる。
【0087】
例えば、いくつかの実施形態では、
図3に示されるように、相互作用ユニット104は、機能性ガラス200に統合されたタッチ装置であり得る。タッチ装置は、ガラスの表面上又はガラスの間に配置された帯状のタッチ装置であり得る。例えば、ユーザーは、ストリップ状のタッチ装置の一端から他端まで(例えば、左から右へ、又は下から上へ)指をスライドさせて、機能性ガラス200のヘイズを増加させる機能を実現することができる。ユーザーがヘイズを減らしたい場合は、ストリップ型のタッチ装置において指を右から左又は上から下にスライドさせることができる。言い換えれば、ユーザーの命令は、タッチ装置を介して入力され得る。
【0088】
更に、タッチ装置は、静電容量式タッチ、抵抗性タッチ、弾性表面波タッチ、又は赤外線タッチ等の様々なタッチ技術を採用することができるが、これらに限定されない。
【0089】
上記の一方向のスライドに加えて、タッチ装置は、タッチジェスチャを受信し、タッチジェスチャに従って調節信号を提供することもできる。例えば、いくつかの実施形態では、タッチ装置は、複数のタッチジェスチャを受け取ることができ、各タッチジェスチャは、ヘイズ又は光透過率の所定のレベルに対応する。例えば、ダブルタップタッチジェスチャは、ヘイズ値100%に対応し、つまり、タッチ装置をダブルタップすると、電気制御機能層201が不透明な状態になる。例えば、電気制御機能層201のヘイズ値は、マルチタップタッチジェスチャによって段階的に変更され得る。例えば、タップするたびに、ヘイズは10%ずつ増加するため、ヘイズ値は0%、10%、20%、…、及び100%の間で周期的に切り替わる。つまり、電気制御機能層201は、透明状態と不透明状態との間で徐々に周期的に切り替わる。
【0090】
相互作用ユニット104がタッチ装置である上述の実施形態は、単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。任意の他の適切な方法又は手段も可能である。例えば、いくつかの実施形態では、相互作用ユニット104はまた、光センサー、ジェスチャセンサー、音声センサー、調整ノブ、操作ボタン、又は操作ハンドルの少なくとも1つを含み得るが、これらに限定されない。
【0091】
例えば、いくつかの実施形態では、相互作用ユニット104は、音声センサーであり得る。例えば、運転中にユーザーが機能性ガラスのヘイズを増やしたい場合は、「ヘイズを増やす」等の音声制御コマンドを発声するだけで済む。音声コマンドは、音声センサーでキャプチャできる。音声センサーは、自動車のコントローラーに結合されているか、又はコントローラー自体を有しており、コントローラーは、音声コマンドを解析及びデコードし、それを調節装置100のコントローラー103によって認識できる調整信号に変換することができる。したがって、コントローラー103は、調節信号に従って、電気制御機能層201のヘイズを増加させることができる。
【0092】
ヘイズの線形段階的調節が実現されるため、ユーザーの音声制御コマンドに従ってヘイズを線形に変更するときに、ユーザーが現在のヘイズがより快適であると感じた場合、いつでも音声センサーを介してヘイズの変更を停止することができる。例えば、ユーザーが音声制御でヘイズを80%に増やしたい場合、ヘイズが変化して50%に変化する際に、ユーザーはこの50%が適切であると感じれば、音声制御によってヘイズの変化を止め、ヘイズを希望の50%に保つことができる。したがって、線形の漸進的調節及び適切な相互作用手段を通じて、多様な制御が達成され、ユーザー体験が向上されることが分かる。
【0093】
以下、上記の機能を実行する回路を例として説明する。電圧の振幅及び周波数の調節を達成するために、いくつかの実施形態では、電圧調節器101は、振幅及び周波数をそれぞれ調節するための周波数調節ユニット及び振幅調節ユニットを含むことができる。換言すれば、上記の振幅及び周波数調節は、順次又は同時に実行され得る。上記の機能の実現は、電圧の振幅が最初に調整されるか、電圧の周波数が最初に調整されるか、又は両方が一緒に調整されるかにかかわらず影響を受けないことを理解されたい。
【0094】
例えば、調節装置が建物に適用されている場合、建物では通常AC電源が使用されているため、周波数調節ユニットは、最初に入力電圧の周波数を調節して、第1の中間電圧を生成することができ、そして、周波数調節ユニットと電気制御機能層201との間に結合された振幅調節ユニットは、第1の中間電圧の振幅を調節して、電気制御機能層201に作用する電圧を生成する。
【0095】
いくつかの代替の実施形態では、調節装置100が、DC電源を備えた環境、例えば自動車に適用される場合、振幅調節ユニットは、最初に入力電圧の振幅を調節して、調節された第2の中間電圧を生成し得る。第2の中間電圧の周波数は、振幅調節ユニットと電気制御機能層201との間に結合された周波数調節ユニットによって調節されて、電気制御機能層201に作用する電圧を生成する。
【0096】
当然、上記の2つのタイプの調節の実施形態は、単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。任意他の適切の調節手段も可能である。例えば、いくつかの実施形態では、電圧超越器101はまた、1つのモジュールのみからなることができ、それによって、周波数及び振幅の同時調節が実現される。
【0097】
いくつかの実施形態では、周波数調整ユニットは、
図5に示されるように、Hブリッジ回路1021及びパルス幅変調回路1022を含むことができる。Hブリッジ回路1021は、それに接続された負荷又は出力端子の両端の電圧を反転させることができる回路である。回路内のスイッチ(例えば、三極真空管)を制御して、出力端子での電圧の反転を規則的に実現することによって、DCからACの移行及びAC周波数の調節を実現することができる。例えば、Hブリッジ回路1021及びコントローラー103に結合されたパルス幅変調回路1022は、周波数パラメーターに従って、Hブリッジ回路1021内のスイッチを制御することができる。
【0098】
このようにして、Hブリッジ回路1021によって出力された電圧の周波数は、周波数パラメーターに対応するようにされる。いくつかの実施形態では、パルス幅変調回路1022は、Hブリッジ回路に、方形波、正弦波、三角波、又は台形波のうちの少なくとも1つを出力させることができる。当然、パルス幅変調回路による調節に加えて、いくつかの代替の実施形態では、Hブリッジ回路1021はまた、近似方形波制御又はカスケードされたマルチレベル制御方法を使用することによって実施され得る。
【0099】
当然、Hブリッジ回路1021及び適切な調整手段を介して周波数を調節する上記の実施形態は、単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。任意の他の適切な手段も可能である。例えば、いくつかの実施形態では、追加的又は代替的に、周波数調節ユニットはまた、周波数コンバーターを含み得る。
【0100】
振幅調節ユニットの場合、いくつかの実施形態では、振幅調節ユニットは、コンバーター1012及びデジタルポテンショメーター1011を含むことができる。デジタルポテンショメーター1011は、コントローラー103とコンバーター1012との間に結合されている。コンバーター1012は、DCコンバーターであってよい。いくつかの代替の実施形態では、コンバーター1012はまた、DC-ACコンバーター又はACコンバーターであってよい。
【0101】
デジタルポテンショメーター1011は、振幅パラメーターに従ってコンバーター1012を制御することができ、それによって、コンバーター1012は、入力電圧に基づいて第2の中間電圧を生成するか、又は第1の中間電圧に基づいて電気制御機能層201に作用する所定の振幅の電圧を生成する。
【0102】
当然、コンバーター1012及びデジタルポテンショメーター1011を含む振幅調節ユニットに関する上記の実施形態は、単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。任意の他の適切な手段も可能である。例えば、いくつかの実施形態では、追加的又は代替的に、振幅調節ユニットはまた、RCブリッジ発振回路を含み得る。
【0103】
図5は、上記の機能を実現できる回路の概略図を示す。例えば、回路は、自動車に実装されることができ、それによって上記機能は自動車状で実現されることができる。上記のコントローラー103及び電圧調節器101は、回路基板上に配置することができる。上記の2つの部分に加えて、回路基板は、ブーストユニット122を更に含むことができ、ブーストユニットは、電圧調節器101(例えば、コンバーター1012)と自動車電源120との間に配置されて、自動車電源電圧(通常は12V)を、電気制御機能層201を制御するのに必要な電圧にブーストすることができる。
【0104】
更に、いくつかの実施形態では、回路基板は、バックコンバーター121を含むことができ、バックコンバーターは、自動車の電源電圧をデジタル入力電圧(例えば、一般に5V)に降圧し、それによって、コントローラー103、相互作用ユニット104、及び/又は他のチップ123に電力を供給することができる。
図5の矢印の方向は、電気信号の流入方向を示している。光電絶縁回路は、いくつかの構成要素の間、例えば、バックコンバーター121と他のチップ123との間、コントローラー103と相互作用ユニット104との間、及びコントローラー103とデジタルポテンショメーター1011とパルス幅変調回路1022との間で使用できることに留意されたい。これは、回路基板上の高電圧モジュールと低電圧モジュールとの間の干渉を効果的に回避することができ、それによって制御の安定性が改善される。
【0105】
上述した構成要素に加えて、追加的又は代替的に、いくつかの実施形態では、調整装置100は、
図5に示されるように、光学センサー105を更に含み得る。光学センサー105は、電気制御機能層201の光学特性を検出し、検出された光学特性を表す検出信号を生成することができる。これは、電気制御機能層201の調整中にフィードバック制御を達成することを可能にする。
【0106】
例えば、いくつかの実施形態では、コントローラー103は、光学センサー105に結合することができ、検出信号及び調節信号に従って光学的差異を決定することができる。ここでの光学的差異とは、達成される光学的特性と検出される光学的特性との差異を意味する。光学的差異がある場合は、調節で必要な光学特性が達成されていないことを意味する。このとき、コントローラー103は、電圧調節器101を制御して、光学的差異に基づいて振幅及び周波数の少なくとも1つを更に調整して、最終的に所定の光学特性を実現することができる。
【0107】
電気制御機能層201のより正確な調節は、光学センサー105を導入することによって実現される。更に、いくつかの実施形態では、光学センサー105はまた、ディスプレイユニットに結合されて、ディスプレイユニットに検出信号を表示することができ、それによって、ユーザーは現在のヘイズをより視覚的に理解できるようになり、それによってユーザー体験が向上される。
【0108】
いくつかの実施形態では、光学センサー105は、ヘイズメーターを含み得る。ヘイズメーターは、電気制御機能層201又は機能ガラス200の適切な位置に配置して、電気制御機能層のヘイズを検出することができる。勿論、いくつかの代替の実施形態では、光学センサー105は、光強度を検出する光強度センサーを含み得る。ヘイズ、光透過率、色又は着色の程度の変化は、光強度の変化に影響を与えるので、機能性ガラス200の近くの光強度の変化を検出することによって、機能性ガラス200の光学的特性に関する検出信号は、コスト効果の高い方法で得ることができる。
【0109】
当然、上述した構成要素が全て回路基板上に配置されている上記の実施形態は、単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。任意の他の適切な配置も可能である。例えば、いくつかの代替の実施形態では、上記のこれらの構成要素は、必要に応じてそれぞれ異なる回路基板上に配置されてよく、データ接続は、これらの異なる回路基板間、及び調節装置100と他の制御ユニット(自動車の制御ユニット等)との間で、有線接続方式又は無線接続方式で実行することができる。
【0110】
有線接続方式は、コントローラエリアネットワーク(CAN)バス、ローカル相互接続ネットワーク(LIN)バス、シリアルペリフェラルインターフェイス(SPI)、Inter-Integrated Circuit(I2C)バス、ユニバーサル・エイシンクロナス・レシーバー・トランスミッター(UART)等を含むが、これらに限定されない。無線接続方式は、WiFi、ブルートゥース、Zigbee、ブルートゥース・ロー・エナジー(BLE)6LoWPAN、近距離無線通信(NFC)、WiFi ダイレクト接続、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)、LTE、スペクトラム拡散技術ベースの超長距離無線伝送方式(LoRa)、狭帯域モノのインターネット(NB-IoT)、又はLTE-Mを含むが、これらに限定されない。更に、いくつかの代替の実施形態では、回路基板上の上記の回路は、チップの形で実装され得る。
【0111】
本開示の別の態様によれば、電気制御機能層201を調節するための方法も提供される。
図6は、この方法によるフローチャートを示している。
図6に示されているように、310において、電気制御機能層103を調整するための調節信号が受信される。調節信号は、ユーザーの命令に従って、相互作用ユニット104によって提供され得る。
【0112】
320において、制御信号は、調節信号に従って電圧調節器101に送信され、電圧調節器101から受け取った入力電圧の振幅及び周波数を調節して、それによって、電圧調節器101は、電気制御機能層201に作用する電気信号を生成する。制御信号は、電圧の振幅パラメーター及び周波数パラメーターを含む。このようにして、電気制御機能層201のより多様な制御が達成され、ユーザー体験が向上される。
【0113】
いくつかの実施形態では、調節信号に従って電圧調節器101を制御することは、以下を含む:周波数調節ユニットを制御し、それによって入力電圧の周波数を調節して、調節された第1の中間電圧を生成すること;並びに、周波数調節ユニット及び電気制御機能層に結合された振幅調節ユニットを制御し、それによって第1の中間電圧の振幅を調節して、電気信号を生成すること。
【0114】
いくつかの実施形態では、調節信号に従って電圧調節器101を制御することは、以下を含む:振幅調節ユニットを制御し、それによって入力電圧の振幅を調節し、調節された第2の中間電圧を生成すること;並びに、振幅調節ユニット及び電気制御機能層に結合された周波数調節ユニットを制御し、それによって第2の中間電圧の周波数を制御して、電気信号を生成すること。この2つの制御方法は、調節装置100が異なる環境に適応することを可能にし、調節方法及び調節装置100の適用性を改善することができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、周波数調節ユニットを制御することは、Hブリッジ回路1021に結合されたパルス幅変調回路を制御して、周波数パラメーターに従って、Hブリッジ回路1021内のスイッチを制御することを含み、それによって、Hブリッジ回路1021は、入力電圧に基づいて第1の中間電圧を生成するか、又は第2の中間電圧に基づいて電気信号を生成する。
【0116】
いくつかの実施形態では、振幅調節ユニットを制御することは、以下を含む:デジタルポテンショメーター1011を制御して、振幅パラメーターに従ってコンバーター1012を制御すること、それによってコンバーター1012は、入力電圧に基づいて第2の中間電圧を生成するか、又は第1の中間電圧に基づいて電気信号を生成する。このようにして、電気制御機能層201の調節は、コスト効果の高い方法で達成することができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、調節信号を受信することは、相互作用ユニット(104)からの調節信号を受信することを含み、ここで、相互作用ユニット(104)は、ユーザーからの命令を受け取り、かつ前記ユーザーからの前記命令に従って、コントローラー(103)に調節信号を提供することができる。
【0118】
いくつかの実施形態では、この方法は、光学センサー(105)によって検出された光学特性の検出信号を受信すること、検出信号及び調節信号に基づいて光学的差異を決定すること、並びに光学的差異に基づいて電圧調節器(101)を制御して、振幅及び周波数の少なくとも1つを更に調節して、電気制御機能層201を調節すること、を更に含み得る。
【0119】
上述の方法は、コンピュータプログラムの形式でコンピュータ可読媒体に格納することができ、これは、上述したコントローラー103によって実行して、上記の動作を実行することができる。
【0120】
本開示の別の態様は、
図3に示されるように、機能性ガラス200を更に提供する。ガラス基材(例えば、上述した第1のガラス及び/又は第2のガラス)に加えて、機能性ガラス200は、上記の電気制御機能層201及び調節装置100を更に含む。いくつかの実施形態では、機能性ガラス200はまた、上記の相互作用ユニット104と統合され得る。調節装置100は、相互作用ユニット104及び電気制御機能層201に結合されている。電気制御機能層201は、積層することによって、第1のガラス202と第2のガラス203との間に統合されて、合わせガラスを形成することができる。
【0121】
本開示の実施形態によれば、調節装置100は、相互作用ユニット104と一緒に機能ガラス200に統合されてよく、又は相互作用ユニット104と一緒に構成要素を構成してよく、又は機能性ガラス200と一緒に構成要素を構成してよいことを理解されたい。調節装置100また、独立した構成要素として、機能性ガラス200及び相互作用ユニット104の両方の外側に配置され得る。
【0122】
上記から分かるように、本開示の実施形態による調節装置100及び調節方法ならびに機能性ガラス200は、電気制御機能層のヘイズ等のパラメーターを、電圧の振幅や周波数等の電気信号の変化とともに、より多様かつより細かく調整することを可能にし、したがって、ユーザーにより多くのオプションを提供することができる。更に、本開示はまた、線形漸進的調節モード、曲線の漸進的調節モード、又は急激な変化モード等の光学特性を制御するための複数の調節モードを実装する。このようなより多様な調節モードは、人間の感覚により快適な体験をもたらすことができる。同時に、そのような線形調節の実現は、電気制御機能層201のより多様な制御を可能にし、ユーザー体験が向上される。
【0123】
本開示の様々な実施形態の上記の説明は、本開示への限定を示唆することなく、本開示の原理についての例示又は説明の目的で提示されていることを理解されたい。したがって、本開示の精神及び原則の範囲内でのいかなる修正、同等の代替、改善等も、本開示の保護範囲に含まれるものとする。更に、添付の特許請求の範囲は、その範囲及び境界と同等の範囲及び境界に該当するすべての変更及び修正を網羅することを意図している。
本発明は、下記の態様を含む:
〈態様1〉
以下を含む、電気制御機能層(201)を調節するための調節装置(100):
入力電圧を受け取り、かつ前記入力電圧の振幅及び周波数を調節して、前記電気制御機能層(201)に作用する電気信号を生成するように構成された、電圧調節器(101);並びに
前記電圧調節器(101)に結合されており、かつ調節信号を受信し、かつ前記調節信号に従って前記電圧調節器(101)に制御信号を送信して、前記入力電圧の前記振幅及び前記周波数を調節するように構成された、コントローラー(103)、ここで、前記制御信号が、電圧の振幅パラメーター及び周波数パラメーターを含む。
〈態様2〉
前記制御信号が、前記電気制御機能層(201)が遷移をアクティブにするための待機時間パラメーター又は前記電気制御機能層(201)の遷移速度パラメーターの少なくとも1つパラメーターを更に含む、態様1に記載の調節装置(100)。
〈態様3〉
前記電圧調節器(101)が、
前記周波数パラメーターに従って、前記入力電圧の周波数を調節して、調節された第1の中間電圧を生成するように構成された、周波数調節ユニット;並びに
前記周波数調節ユニット及び前記電気制御機能層(201)に結合されており、かつ前記振幅パラメーターに従って、前記第1の中間電圧の振幅を調節して、前記電気信号を生成するように構成された、振幅調節ユニット、
を含む、態様1に記載の調節装置(100)。
〈態様4〉
前記電圧調節器(101)が、
前記振幅パラメーターに従って、前記入力電圧の振幅を調節して、調節された第2の中間電圧を生成するように構成された、振幅調節ユニット;並びに、
前記振幅調節ユニット及び前記電気制御機能層(201)に結合されており、かつ前記周波数パラメーターに従って、前記第2の中間電圧の周波数を調節して、前記電気信号を生成するように構成された、周波数調節ユニット、
を含む、態様1に記載の調節装置(100)。
〈態様5〉
前記周波数調節ユニットが、
Hブリッジ回路(1021);並びに
前記Hブリッジ回路(1021)及び前記コントローラー(103)に結合されており、かつ前記周波数パラメーターに従って、前記Hブリッジ回路(1021)のスイッチを制御して、前記Hブリッジ回路(1021)に前記入力電圧に基づいて前記第1の中間電圧を生成させるか、又は前記Hブリッジ回路(1021)に前記第2の中間電圧に基づいて前記電気信号を生成させるように構成された、パルス幅変調(PWM)回路(1022)
を含む、態様3又は4に記載の調節装置(100)。
〈態様6〉
前記振幅調節ユニットが、
コンバーター(1012);並びに
前記コンバーター(1012)及び前記コントローラー(103)に結合されており、かつ前記振幅パラメーターに従って、前記コンバーター(1012)を制御して、前記コンバーター(1012)に前記入力電圧に基づいて前記第2の中間電圧を生成させるか、又は前記コンバーター(1012)に前記第1の中間電圧に基づいて前記電気信号を生成させるように構成された、デジタルポテンショメーター(1011)
を含む、態様1に記載の調節装置(100)。
〈態様7〉
前記電気信号が、前記電気制御機能層(201)の光学特性を調節するために使用される、態様1に記載の調節装置(100)。
〈態様8〉
前記光学特性が、ヘイズ、光透過率、色、又は着色の程度のうちの少なくとも1つを含む、態様7に記載の調節装置(100)。
〈態様9〉
前記コントローラー(103)に結合されており、ユーザーからの命令を受け取り、かつ前記ユーザーからの前記命令に従って、前記コントローラー(103)に前記調節信号を提供するように構成された、相互作用ユニット(104)を更に含む、態様1に記載の調節装置(100)。
〈態様10〉
前記相互作用ユニット(104)が、タッチ装置、光センサー、ジェスチャセンサー、音声センサー、調整ノブ、操作ボタン、又は操作ハンドルのうちの少なくとも1つを含む、態様9に記載の調節装置(100)。
〈態様11〉
前記パルス幅変調(PWM)回路(1022)は、前記Hブリッジ回路(1021)によって出力される波形が、方形波、正弦波、三角波、又は台形波のうちの少なくとも1つを含むように構成される、態様5に記載の調節装置(100)。
〈態様12〉
前記電気制御機能層(201)の光学特性を検出し、かつ前記検出された光学特性を表す検出信号を生成するように構成された、光学センサー(105)を更に含む、態様1に記載の調節装置(100)。
〈態様13〉
前記コントローラー(103)が、前記光学センサー(105)結合されており、前記検出信号及び前記調節信号に基づいて光学的差異を決定し、かつ前記光学的差異に基づいて前記電圧調節器(101)を制御して、前記振幅及び前記周波数の少なくとも1つを更に調節するように更に構成される、態様12に記載の調節装置(100)。
〈態様14〉
前記光学センサー(105)が、ヘイズメーターを含む、態様12に記載の調節装置(100)。
〈態様15〉
以下を含む、電気制御機能層(201)を調節する方法:
前記電気制御機能層(201)を調節するための調節信号を受信すること;並びに
前記調節信号に従って電圧調節器(101)に制御信号を送信して、前記電圧調節器(101)が受け取った入力電圧の振幅及び周波数を調節して、それによって、前記電圧調節器(101)が前記電気制御機能層(201)に作用する電気信号を生成すること、ここで、前記制御信号が、電圧の振幅パラメーター及び周波数パラメーターを含む。
〈態様16〉
前記調節信号に従って前記電圧調節器(101)を制御することが以下を含む、態様15に記載の方法:
周波数調節ユニットを制御し、それによって前記入力電圧の周波数を調節して、調節された第1の中間電圧を生成すること;並びに
前記周波数調節ユニット及び前記電気制御機能層に結合された振幅調節ユニットを制御し、それによって前記第1の中間電圧の振幅を調節して、前記電気信号を生成すること。
〈態様17〉
前記調節信号に従って前記電圧調節器(101)を制御することが、以下を含む、態様15に記載の方法:
振幅調節ユニットを制御し、それによって前記入力電圧の振幅を調節して、調節された第2の中間電圧を生成すること;並びに
前記振幅調節ユニット及び前記電気制御機能層に結合された周波数調節ユニットを制御し、それによって、前記第2の中間電圧の周波数を調節して、前記電気信号を生成すること。
〈態様18〉
前記周波数調節ユニットを制御することが、以下を含む、態様16又は17に記載の方法:
Hブリッジ回路(1021)に結合されたパルス幅変調(PWM)回路を制御して、前記周波数パラメーターに従って、前記Hブリッジ回路(1021)のスイッチを制御し、それによって、前記Hブリッジ回路(1021)が前記入力電圧に基づいて前記第1の中間電圧を生成すること、又は前記Hブリッジ回路(1021)が前記第2の中間電圧に基づいて前記電気信号を生成すること。
〈態様19〉
前記振幅調節ユニットを制御することが、以下を含む、態様16又は17に記載の方法:
デジタルポテンショメーター(1011)を制御して、前記振幅パラメーターに従って、前記コンバーター(1012)を制御し、それによって、前記コンバーター(1012)が前記入力電圧に基づいて前記第2の中間電圧を生成すること、又は前記コンバーター(1012)が前記第1の中間電圧に基づいて前記電気信号を生成すること。
〈態様20〉
前記調節信号を受信することが、相互作用ユニット(104)からの前記調節信号を受信することを含み、
前記相互作用ユニット(104)が、ユーザーからの命令を受け取り、かつ前記ユーザーからの前記命令に従って、前記コントローラー(103)に前記調節信号を提供するように構成される、
態様15に記載の方法。
〈態様21〉
光学センサー(105)によって検出された光学特性の検出信号を受信すること、
前記検出信号及び前記調節信号に基づいて光学的差異を決定すること、並びに
前記光学的差異に基づいて前記電圧調節器(101)を制御して、前記振幅及び前記周波数の少なくとも1つを更に調節すること、
を更に含み、態様15に記載の方法。
〈態様22〉
ガラス基材;
電気制御機能層(201);及び
態様1~14のいずれか一項に記載の前記調節装置(100)
を含み、機能性ガラス。
〈態様23〉
前記電気制御機能層(201)が、エレクトロクロミック(EC)材料、電気誘導透明度変化材料、又はホストゲスト液晶材料のうちの少なくとも1つを含む、態様22に記載の機能性ガラス。
〈態様24〉
前記電気誘導透明度変化材料が、懸濁粒子デバイス(SPD)、ポリマー分散液晶(PDLC)、ポリマーネットワーク液晶(PNLC)、及びポリマー安定化液晶(PSLC)のいずれか1つを含む、態様23に記載の機能性ガラス。
〈態様25〉
前記電気誘導透明度変化材料中のポリマーが、透明又は着色されている、態様23に記載の機能性ガラス。
〈態様26〉
前記エレクトロクロミック(EC)材料、前記電気誘導透明度変化材料、又は前記ホストゲスト液晶材料のうちの少なくとも1つが、順方向、逆方向、又は双安定である、態様23に記載の機能性ガラス。