(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】車両制御方法および装置
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240329BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240329BHJP
B60W 30/09 20120101ALI20240329BHJP
B60W 30/16 20200101ALI20240329BHJP
B60W 40/04 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/09 H
B60W30/09
B60W30/16
B60W40/04
(21)【出願番号】P 2022550994
(86)(22)【出願日】2020-09-14
(86)【国際出願番号】 CN2020115115
(87)【国際公開番号】W WO2021169248
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202010116095.9
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 楠
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 航
(72)【発明者】
【氏名】李 明超
(72)【発明者】
【氏名】隋 琳琳
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-508727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の車両に適用される車両制御方法であって、前記第1の車両は、少なくとも1つの運転者支援システムを備える形に構成され、前記少なくとも1つの運転者支援システムは、アクティブ状態になっているときに少なくとも1つの車両速度範囲に適用され、
前記第1の車両が少なくとも1つの運転者支援システムを備える形に構成され、前記少なくとも1つの運転者支援システムがアクティブ状態になっているときに少なくとも1つの車両速度範囲に適用されることは、
前記第1の車両が第1の運転者支援システムと第2の運転者支援システムとを備える形に構成され、前記第1の運転者支援システムがアクティブ状態になっているときに第1の車両速度範囲に適用され、前記第2の運転者支援システムがアクティブ状態になっているときに第2の車両速度範囲に適用され、前記第1の車両速度範囲と前記第2の車両速度範囲とが交差を有さないことを含み、前記方法は、
前記第1の車両の近くの動く物体の第1の情報を取得するステップと、
前記第1の情報に基づいて第1のパラメータを割り出すステップと、
前記第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、前記少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させるステップと、
前記第1のパラメータに基づいて、前記少なくとも1つの車両速度範囲を超える第1の車両速度で走行するように前記第1の車両を設定するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、
更新された第1の情報を取得するステップと、
前記更新された第1の情報に基づいて前記第1のパラメータを更新するステップと、
更新された第1のパラメータに基づいて、前記少なくとも1つの車両速度範囲内の第2の車両速度で走行するように前記第1の車両を設定するステップと、
前記更新された第1のパラメータに基づいて、前記少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動するステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記動く物体は第2の車両を含み、前記第1の情報は、前記第2の車両の位置、速度、サイズ、または車種のうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の車両の近くの動く物体の第1の情報を取得する前記ステップは、
受信ユニットを使用することによって、前記動く物体から前記第1の情報を受信するステップ、または
センサを使用することによって、測定により前記動く物体の前記第1の情報を得るステップを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のパラメータは、前記第1の車両と前記動く物体との衝突の危険がないときに前記第1の車両が有することになっている適正運転速度範囲を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、前記少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させる前記ステップは、
前記適正運転速度範囲が、前記アクティブ状態にある前記運転者支援システムが適用される車両速度範囲との交差を有していないと判断するステップと、
前記アクティブ状態にある前記運転者支援システムの前記アクティブ状態を終了させるステップとを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の車両速度は前記適正運転速度範囲内である、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のパラメータは、前記第1の車両と前記動く物体との衝突の危険がないときに前記第1の車両が有することになっている適正運転速度範囲を含み、前記第2の車両速度は前記適正運転速度範囲内である、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記更新された第1のパラメータに基づいて、前記少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動する前記ステップは、
前記少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動するステップであって、前記いずれか1つの運転者支援システムがアクティブ状態にあるときに適用される車両速度範囲が前記第2の車両速度を含む、ステップを含む、請求項2または8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、前記少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させる前記ステップは、
前記第1のパラメータに基づいて、現在前記アクティブ状態にある前記第1の運転者支援システムの前記アクティブ状態を終了させるステップを含み、
前記更新された第1のパラメータに基づいて、前記少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動する前記ステップは、
前記更新された第1のパラメータに基づいて、前記第1の運転者支援システムまたは前記第2の運転者支援システムを起動するステップを含む、請求項2、8、または9に記載の方法。
【請求項11】
第1の車両に適用される車両制御装置であって、前記第1の車両は、少なくとも1つの運転者支援システムを備える形に構成され、前記少なくとも1つの運転者支援システムは、アクティブ状態になっているときに少なくとも1つの車両速度範囲に適用され、
前記第1の車両が少なくとも1つの運転者支援システムを備える形に構成され、前記少なくとも1つの運転者支援システムがアクティブ状態になっているときに少なくとも1つの車両速度範囲に適用されることは、
前記第1の車両が第1の運転者支援システムと第2の運転者支援システムとを備える形に構成され、前記第1の運転者支援システムがアクティブ状態になっているときに第1の車両速度範囲に適用され、前記第2の運転者支援システムがアクティブ状態になっているときに第2の車両速度範囲に適用され、前記第1の車両速度範囲と前記第2の車両速度範囲とが交差を有さないことを含み、前記装置は、取得ユニットと処理ユニットとを含み、
前記取得ユニットは、前記第1の車両の近くの動く物体の第1の情報を取得するように構成され、
前記処理ユニットは、前記第1の情報に基づいて第1のパラメータを割り出すように構成され、
前記処理ユニットは、前記第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、前記少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させるようにさらに構成され、
前記処理ユニットは、前記第1のパラメータに基づいて、前記少なくとも1つの車両速度範囲を超える第1の車両速度で走行するように前記第1の車両を設定するようにさらに構成される、装置。
【請求項12】
前記取得ユニットは、更新された第1の情報を取得するようにさらに構成され、
前記処理ユニットは、前記更新された第1の情報に基づいて前記第1のパラメータを更新するようにさらに構成され、
前記処理ユニットは、更新された第1のパラメータに基づいて、前記少なくとも1つの車両速度範囲内の第2の車両速度で走行するように前記第1の車両を設定するようにさらに構成され、
前記処理ユニットは、前記更新された第1のパラメータに基づいて、前記少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動するようにさらに構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記動く物体は第2の車両を含み、前記第1の情報は、前記第2の車両の位置、速度、サイズ、または車種のうちの少なくともいずれか1つを含む、請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
前記取得ユニットは、受信ユニットまたは測定ユニットを含み、
前記受信ユニットは、前記動く物体から前記第1の情報を受信するように構成され、または、
前記測定ユニットは、測定によって前記動く物体の前記第1の情報を得るように構成される、請求項11から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記第1のパラメータは、前記第1の車両と前記動く物体との衝突の危険がないときに前記第1の車両が有することになっている適正運転速度範囲を含む、請求項11から14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記処理ユニットが、前記第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、前記少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させることは、
前記適正運転速度範囲が、前記アクティブ状態にある前記運転者支援システムの前記アクティブ状態に対応する車両速度範囲との交差を有していないと前記処理ユニットが判断することと、
前記処理ユニットが、前記アクティブ状態にある前記運転者支援システムの前記アクティブ状態を終了させることとを含む、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の車両速度は前記適正運転速度範囲内である、請求項15または16に記載の装置。
【請求項18】
前記第1のパラメータは、前記第1の車両と前記動く物体との衝突の危険がないときに前記第1の車両が有することになっている適正運転速度範囲を含み、前記第2の車両速度は前記適正運転速度範囲内である、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
前記処理ユニットが、前記更新された第1のパラメータに基づいて、前記少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動することは、
前記処理ユニットが、前記少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動することであって、前記いずれか1つの運転者支援システムのアクティブ状態に対応する車両速度範囲は、前記第2の車両速度を含む、ことを含む、請求項12または18に記載の装置。
【請求項20】
前記処理ユニットが、前記第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、前記少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させることは、
前記処理ユニットが、前記第1のパラメータに基づいて、現在前記アクティブ状態にある前記第1の運転者支援システムの前記アクティブ状態を終了させることを含み、
前記処理ユニットが、前記更新された第1のパラメータに基づいて、前記少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動することは、
前記処理ユニットが、前記更新された第1のパラメータに基づいて、前記第1の運転者支援システムまたは前記第2の運転者支援システムを起動することを含む、請求項12、18、または19に記載の装置。
【請求項21】
メモリとプロセッサとを含む、車両制御装置であって、前記メモリはコンピュータプログラム命令を保管し、前記プロセッサは、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を遂行するために、前記コンピュータプログラム命令を実行する、車両制御装置。
【請求項22】
前記装置は、受信器またはセンサのうちの少なくともいずれか一方をさらに含み、前記受信器は、動く物体から第1の情報を受信するように構成され、前記センサは、測定によって前記動く物体の前記第1の情報を得るように構成される、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
プロセッサとインターフェイス回路とを含む、
車両制御装置であって、
前記プロセッサは、前記インターフェイス回路を使用してメモリに結合され、前記プロセッサは、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実施するために、前記メモリ内のプログラムコードを実行するように構成される、車両制御装置。
【請求項24】
コンピュータ命令を含む、コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ命令がプロセッサによって実行されると、車両制御装置が請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を遂行できるようになる、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0002】
本出願はインテリジェント運転技術の分野に関し、より具体的には、車両制御方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
社会の絶え間ない発展に伴い、車両の人気が高まっており、車両に起因する交通渋滞、交通安全、環境汚染などの問題がますます深刻になっている。これらの問題を解決するため、インテリジェントコネクティッドビークルが提案されている。インテリジェントで繋がった車両開発の進化形として、インテリジェントコネクティッドビークルは道路交通の安全性を向上させ、安全で効率的で環境に優しい走行を達成するのに役立つ。
【0004】
インテリジェントコネクティッドビークルは、先進の車載センサと、コントローラと、アクチュエータと、その他の装置が装備されており、最新の通信技術とネットワーク技術を統合して車両対万物(vehicle to everything、V2X)を実現する。インテリジェントコネクティッドビークルの開発傾向は、自動運転技術とネットワーク通信技術を統合して、両方の技術の技術的利点を十分に活用することである。運転者支援システムは、自動運転技術を使用することによって、運転者の運転作業遂行を支援するか、または衝突の危険を積極的に回避/緩和する様々なシステムの総称である。そのようなシステムは、アダプティブクルーズコントロール(adaptive cruise control、ACC)システム、または交通渋滞支援(traffic jam assist、TJA)システムを含む。
【0005】
運転者支援システムは車両速度範囲に相当し、別々の運転者支援システムは別々の車両速度範囲に相当し得る。車両速度が運転者支援システムに対応する車両速度範囲を超えると、運転者支援システムは停止され、車両に対する制御を終了する。安全性やその他の考慮事項のため、運転環境に合致する車両速度が運転者支援システムに対応する車両速度範囲内にないときに、運転者支援システムが依然としてアクティブ状態にあり、対応する車両速度範囲内に留まるように車両の運転速度を制御する場合は、安全上の危険が引き起こされる。この場合に運転者が運転作業を引き継ぐと、車両の自動運転の連続性に影響が及び、ユーザエクスペリエンスが不満足なものとなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願は、車両の自動運転の安全性能とユーザエクスペリエンスを向上させるため、インテリジェント運転技術の分野に適用される車両制御方法を提供する。
【0007】
第1の態様によると、車両制御方法が提供される。車両制御方法は、第1の車両によって遂行されてよく、または第1の車両に配置されたチップ、回路、コンポーネント、システム、もしくは携帯端末によって遂行されてもよく、または車両対万物の他のデバイス(例えば、路側装置RSUまたはアプリケーションサーバ)によって遂行されてもよい。これは本出願で限定されない。車両制御方法は第1の車両に適用され、第1の車両は、少なくとも1つの運転者支援システムを備える形に構成され、少なくとも1つの運転者支援システムはアクティブ状態になっているときに少なくとも1つの車両速度範囲に適用され、本方法は、
第1の車両の近くの動く物体の第1の情報を取得するステップと、第1の情報に基づいて第1のパラメータを割り出すステップと、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させるステップと、第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの車両速度範囲を超える第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定するステップとを含む。
【0008】
少なくとも1つの運転者支援システムがアクティブ状態になっているときに少なくとも1つの車両速度範囲に適用されることは、次のように理解できることに注意されたい。すなわち、運転者支援システムがアクティブ状態になっているときには、第1の車両が、運転者支援システムを起動できる車両速度範囲にある、または運転者支援システムがアクティブ状態になっているときには、該運転者支援システムが、該運転者支援システムを備える形に構成された第1の車両の運転意思決定と運転行動とを制御する。
【0009】
本出願の実施形態において、運転者支援システムがアクティブ状態にあるということは、運転者支援システムを備える形に構成された車両が運転者支援システムの自動制御下にあり、車両が運転者の介入なしに制御され得ることを意味し、またはこれは、運転者支援システムが稼働状態または作動状態にあることを意味し得る。運転者支援システムを備える形に構成された車両を運転者支援システムが制御していない場合は、運転者支援システムが、停止状態、非アクティブ状態、非稼働状態、または非作動状態にあることを意味し得ることは、容易に理解できる。
【0010】
第1の車両の近くの動く物体は、第1の車両の前方の動く物体であってよく、または第1の車両の近くの動く物体は、第1の車両の後方の動く物体であってよく、または第1の車両の近くの動く物体は、第1の車両の側方の動く物体であってよい。加えて、第1の車両の近くには1つ以上の動く物体が存在し得る。第1の車両の近くの動く物体の数は、本出願の実施形態で限定されない。例えば、第1の車両の近くに複数の動く物体がある場合、第1の車両は、複数の動く物体に関する第1の情報を別々に取得できる。
【0011】
例えば、動く物体の可能な形態は、歩行者、車両、またはその他の可動物体を含む。本出願の実施形態が適用されるシナリオが車両対車両(vehicle to vehicle(V2V))通信を含むことを考慮すると、第1の車両の近くの動く物体は、第1の車両の近くの別の車両(区別のために第2の車両と呼ばれる)であり得る。
【0012】
本出願の実施形態で提供される車両制御方法によると、第1の車両が少なくとも1つの運転者支援システムを備える形に構成される場合、現在アクティブ状態にある運転者支援システムのアクティブ状態は、第1の車両の近くの動く物体の取得した第1の情報に基づいて割り出された第1のパラメータに基づいて終了され、第1の車両は、第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの構成された運転者支援システムが適用される車両速度範囲を超えた車両速度で走行するように制御される。したがって、運転環境に適合する安全速度が運転者支援システムに対応する車両速度範囲内にない場合でも、第1の車両は、運転者の介入なしに安全な自動運転を実施でき、その結果、車両の自動運転の安全性能とユーザエクスペリエンスが向上する。
【0013】
第1の情報に基づいて第1のパラメータを割り出すステップは、第1の情報に基づいて第1のパラメータを直接的に割り出すステップであってよく、または第1の情報に基づいて第1のパラメータを間接的に割り出すステップであってよい。例えば、第1の情報に基づいて第1のパラメータを直接的に割り出するステップは、取得した第1の情報に基づく計算によって第1のパラメータを得るステップであってよく、または取得した第1の情報に基づくテーブルルックアップによって第1のパラメータを得るステップであってもよい。別の一例において、第1の情報に基づいて第1のパラメータを間接的に割り出すステップは、取得した第1の情報に基づく計算および/またはテーブルルックアップによって第2のパラメータを得るステップであってよく、第2のパラメータは第1のパラメータを割り出すために使用される。
【0014】
第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させるステップは、第1のパラメータに基づいてアクティブ状態を直接的に終了させるステップであってよく、または第1のパラメータに基づいてアクティブ状態を間接的に終了させるステップであってもよく、例えば、第1のパラメータを使用して他のデータ処理が行われた後に得られる結果に基づいてアクティブ状態を終了させるステップであってもよい。
【0015】
第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの車両速度範囲を超える第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定するステップは、第1のパラメータに基づいて第1の車両速度を直接的に設定するステップであってよく、または第1のパラメータに基づいて第1の車両速度を間接的に設定するステップであってもよく、例えば、第1のパラメータを使用して他のデータ処理が行われた後に得られる結果に基づいて第1の車両速度を設定するステップであってもよい。
【0016】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、本方法は、更新された第1の情報を取得するステップと、更新された第1の情報に基づいて第1のパラメータを更新するステップと、更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの車両速度範囲内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定するステップと、更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動するステップとをさらに含む。
【0017】
さらに、運転環境に適合する車両速度が現在の運転者支援システム(例えば、第1の運転者支援システム)に対応する車両速度範囲内にない場合は、第1の車両の車両速度を第1のパラメータに基づいて制御でき、その結果、第1の車両の車両速度は、少なくとも1つの構成された運転者支援システムのうちの別の運転者支援システム(例えば、第2の運転者支援システム)がアクティブ状態にあるときに適用される車両速度範囲に達し、該別の運転者支援システムが起動され、その結果、第1の車両は該別の運転者支援システムの制御下にあり、車両の自動運転の安全性能が向上する。
【0018】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、第1の車両の近くの動く物体の第1の情報を取得するステップは、第1の車両が、通信ユニットを使用して動く物体から第1の情報を受信するステップを含み、または、センサを用いた測定によって動く物体の第1の情報を得るステップを含む。
【0019】
第1の情報は以下の方式で得られる。すなわち、第1の車両に配置された通信ユニットが、動く物体によって送信される第1の情報を受信でき、または第1の車両に配置されたセンサが、動く物体の第1の情報を得ることができる。解決策の柔軟性を高めるため、第1の情報を得る様々な方式が提案される。
【0020】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、第1のパラメータは、第1の車両と動く物体との衝突の危険がないときに第1の車両が有することになっている適正運転速度範囲を含む。
【0021】
第1のパラメータは、第1の車両と動く物体との衝突の危険がないときに第1の車両が有することになっている適正運転速度範囲であってよい。第1の車両の運転速度は第1のパラメータに基づいて設定されるため、第1の車両と動く物体との衝突は回避でき、自動運転の安全性が向上する。
【0022】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、第1のパラメータは、第1の車両と動く物体との衝突の危険があるかどうかを判断するために使用されるパラメータを含む。第1の車両と動く物体との衝突の危険がないときに、第1の車両の運転速度範囲は適正運転速度範囲を含む。
【0023】
第1のパラメータは、第1の車両と動く物体との衝突の危険があるかどうかを判断するために使用されてよく、第1の車両と動く物体との衝突の危険がないときには、第1の車両が適正運転速度範囲内の速度で走行する。第1の車両の運転速度は第1のパラメータに基づいて設定されるため、第1の車両と動く物体との衝突は回避でき、自動運転の安全性が向上する。
【0024】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、第1の情報は、動く物体の速度情報と動く物体の位置情報とを含む。第1のパラメータは、第1の車両と動く物体との衝突までの推定時間TTCを含む。第1の情報に基づいて第1のパラメータを割り出すステップは、動く物体の速度と第1の車両の車両速度とに基づいて、第1の車両と動く物体との相対速度を計算するステップと、動く物体の位置と第1の車両の位置とに基づいて、第1の車両と動く物体との車間距離を計算するステップと、車間距離と相対速度とに基づいてTTCを計算するステップとを含む。
【0025】
TTCが正ではない数であるか、またはTTCが第1の既定閾値より大きい場合、第1の車両は、第1の車両と動く物体との衝突の危険がないと判断する。
【0026】
第1の既定閾値は、第1の車両と動く物体との衝突の危険があるときのTTCの値であってよい。換言すると、第1の既定閾値は、第1の車両と動く物体との衝突の可能性を判断するために使用されてよい。
【0027】
あるいは、
第1の情報は動く物体の位置情報を含み、第1のパラメータは第1の車両と動く物体との間の時間間隔TIを含む。第1の情報に基づいて第1のパラメータを計算するステップは、動く物体の位置情報と第1の車両の位置とに基づいて第1の車両と第2の車両との車間距離を計算するステップと、車間距離と第1の車両の速度とに基づいてTIを計算するステップとを含む。
【0028】
TIが第2の既定閾値より大きい場合、第1の車両は、第1の車両と動く物体との衝突の危険がないと判断する。
【0029】
第2の既定閾値は、第1の車両と動く物体との衝突の危険があるときのTIの値であってよい。換言すると、第2の既定閾値は、第1の車両と動く物体との衝突の可能性を判断するために使用されてよい。
【0030】
解決策の柔軟性を高めるため、本出願の実施形態は、第1のパラメータに基づいて、第1の車両と動く物体との衝突の危険があるかどうかを判断するための複数の解決策を提供する。
【0031】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させるステップは、適正運転速度範囲が、アクティブ状態にある運転者支援システムが適用される車両速度範囲との交差を有していないと第1の車両が判断するステップと、第1の車両がアクティブ状態にある運転者支援システムのアクティブ状態を終了させるステップとを含む。
【0032】
本出願の実施形態において、第1の運転者支援システムのアクティブ状態を終了させるかどうかは、適正運転速度範囲と、アクティブ状態にある第1の運転者支援システムが適用される車両速度範囲とに交差があるかどうかに基づいて判断でき、運転者支援システムのアクティブ状態を終了させる具体的な実装が提供される。
【0033】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、第1の車両速度は、運転環境に適合する車両速度を満たすために、適正運転速度範囲内にある。
【0034】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、第1のパラメータは、第1の車両と動く物体との衝突の危険がないときに第1の車両が有することになっている適正運転速度範囲を含む。更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの車両速度範囲内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定するステップは、適正運転速度範囲が少なくとも1つの車両速度範囲との交差を有すると判断するステップと、更新された第1のパラメータに基づいて、適正運転速度範囲と少なくとも1つの車両速度範囲との交差内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定するステップとを含む。
【0035】
本出願の実施形態において、第1の車両の運転速度は、適正運転速度範囲と、第1の車両用に構成された少なくとも1つの運転者支援システムが適用される少なくとも1つの車両速度範囲との交差に基づいて決定され、且つ設定されてよい。このようにして、第1の車両の運転速度は、適正運転速度範囲と少なくとも1つの車両速度範囲との交差内にあり、第1の車両が構成された運転者支援システムの制御下でより長い時間にわたって自動的に運転できることが保証される。
【0036】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動するステップは、少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動するステップであって、該いずれか1つの運転者支援システムのアクティブ状態に対応する車両速度範囲が第2の車両速度を含む、ステップを含む。
【0037】
具体的に述べると、第1の車両用に構成された少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システム(例えば、第2の運転者支援システム)が起動されることは、第1の車両用に構成された該運転者支援システムがアクティブ状態にあるときに適用される車両速度範囲が第2の車両速度を含むこととして理解できる。
【0038】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、第1の車両が少なくとも1つの運転者支援システムを備える形に構成され、少なくとも1つの運転者支援システムがアクティブ状態になっているときに少なくとも1つの車両速度範囲に適用されることは、第1の車両が第1の運転者支援システムと第2の運転者支援システムとを備える形に構成され、第1の運転者支援システムがアクティブ状態になっているときに第1の車両速度範囲に適用され、第2の運転者支援システムがアクティブ状態になっているときに第2の車両速度範囲に適用され、第1の車両速度範囲と第2の車両速度範囲とが交差を有さないことを含む。第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させるステップは、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある第1の運転者支援システムのアクティブ状態を終了させるステップを含む。更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動するステップは、更新された第1のパラメータに基づいて、第1の運転者支援システムまたは第2の運転者支援システムを起動するステップを含む。
【0039】
本出願の実施形態で提供される車両制御方法によると、第1の車両が第1の運転者支援システムと第2の運転者支援システムとを備える形に構成され、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲と第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲とに交差がない場合に、車両速度が第1の車両速度範囲の上限または下限に達すると、第1の車両は、取得した第1の情報に基づいて第1のパラメータを割り出し、第1のパラメータに基づいて、第1の車両を加速または減速させるかを判断し、且つ第1の車両が加速または減速するように制御し続けることができ、その結果、第1の車両の車両速度は第1の車両速度範囲を超え、さらに第2の車両速度範囲に達し、第2の運転者支援システムが起動する。この過程で、第1の車両は第1の車両の速度を自動的に制御し、第1の運転者支援システムが終了するときに、第2の運転者支援システムを起動することができる。
【0040】
あるいは、車両速度が第1の車両速度範囲の上限または下限に達すると、第1の車両は、取得した第1の情報に基づいて第1のパラメータを割り出し、第1のパラメータに基づいて、第1の車両の車両速度を決定し、且つ制御し続けることができ、その結果、第1の車両の車両速度は第1の車両速度範囲を超える。後の自動制御過程で、運転環境によって許される安全速度が第1の車両速度範囲内にある場合は、車両速度が第1の車両速度範囲に戻るように制御され、第1の運転者支援システムが再起動する。この過程で、第1の車両は、第1の運転者支援システムが終了したときに、第1の車両の速度を自動的に制御し、運転環境が許すときに第1の運転者支援システムを再起動することができる。
【0041】
第1の運転者支援システムまたは第2の運転者支援システムを起動するステップは、運転者によって引き受けられる必要がない。これは、第1の車両の自動運転の連続性を向上させる。
【0042】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の上限または下限に達するときに、少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つがアクティブ状態になるように、第1のパラメータに基づいて第1の車両の車両速度を制御するステップは、
第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の上限に達したときに、第1の運転者支援システムのアクティブ状態を終了させるために、第1のパラメータに基づいて、第1の車両を加速するように制御するステップと、その後、第1の運転者支援システムが再びアクティブ状態になるように、更新された第1のパラメータに基づいて、第1の車両を減速するように制御するステップ、または
第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達したときに、第1の運転者支援システムのアクティブ状態を終了させるために、第1のパラメータに基づいて、第1の車両を減速するように制御するステップと、その後、第1の運転者支援システムが再びアクティブ状態になるように、更新された第1のパラメータに基づいて、第1の車両を加速するように制御するステップを含む。
【0043】
本出願の実施形態において、第1の車両が第1の運転者支援システムを備える形に構成される場合に、第1の運転者支援システムが終了した後には、第1の車両が、第1のパラメータに基づいて、加速し、次いで減速するように制御されてよく、または第1の車両が、第1のパラメータに基づいて、減速し、次いで加速するように制御されてよく、その結果、第1の車両は第1の運転者支援システムの制御に戻る。これは、運転者支援システムによって車両を制御する時間を伸ばすことができ、それにより、車両の自動運転性能が向上する。
【0044】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、動く物体は第2の車両を含む。
【0045】
可能な一実装において、第1の車両の前方の動く物体は、第1の車両の前方の第2の車両であってよく、第1の情報は、第2の車両の位置と速度とを含む。
【0046】
第1の態様を参照し、第1の態様のいくつかの実装において、第1の情報は、動く物体の種別情報をさらに含む。
【0047】
第1の情報は、動く物体の種別情報を、例えば、車両の車種とサイズとを、さらに含み得る。
【0048】
第2の態様によると、車両制御装置が提供される。車両制御装置は第1の車両に適用され、第1の車両は少なくとも1つの運転者支援システムを備える形に構成され、少なくとも1つの運転者支援システムはアクティブ状態になっているときに少なくとも1つの車両速度範囲に適用される。車両制御装置は、第1の態様、および第1の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を実施するためにコンピュータプログラム命令を実行するように構成されたプロセッサを含む。
【0049】
任意に選べることとして、車両制御装置はメモリをさらに含み得、メモリは、プログラム命令とデータを保管するように構成される。メモリはプロセッサに結合され、プロセッサは、第1の態様、および第1の態様の可能な実装のいずれか1つに記載の方法を実施するために、メモリに保管されたプログラム命令を呼び出して実行することができる。
【0050】
任意に選べることとして、車両制御装置は、通信インターフェイスをさらに含み得、通信インターフェイスは、別のデバイスと通信するために車両制御装置によって使用される。車両制御装置がネットワークデバイスである場合、通信インターフェイスは、トランシーバ、入出力インターフェイス、回路などである。
【0051】
可能な一設計において、車両制御装置はプロセッサと通信インターフェイスとを含む。プロセッサは、通信インターフェイスを通じて外部のデバイスと通信する。
【0052】
装置が第1の態様、および第1の態様の可能な実装のいずれか1つに記載のいずれかの方法を実施するようにするため、プロセッサは、コンピュータプログラムを実行するように構成される。
【0053】
外部のデバイスがプロセッサ以外の物であってよいこと、または装置以外の物であってよいことは理解されよう。
【0054】
別の可能な一設計において、車両制御装置はチップまたはチップシステムである。通信インターフェイスは、チップまたはチップシステム内の入出力インターフェイス、インターフェイス回路、出力回路、入力回路、ピン、関連回路などであってよい。プロセッサは、代わりに、処理回路または論理回路として具現化されてよい。
【0055】
第3の態様によると、コンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータ可読記憶媒体はコンピュータプログラムを保管する。コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、車両制御装置は、第1の態様、および第1の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実施することが可能になる。
【0056】
第4の態様によると、命令を含むコンピュータプログラム製品が提供される。命令がプロセッサによって実行されると、車両制御装置は、第1の態様、および第1の態様の可能な実装のいずれか1つによる方法を実施することが可能になる。
【0057】
第5の態様によると、車両制御装置が提供される。車両制御装置は第1の車両に適用され、第1の車両は少なくとも1つの運転者支援システムを備える形に構成され、少なくとも1つの運転者支援システムはアクティブ状態になっているときに少なくとも1つの車両速度範囲に適用され、車両制御装置は取得ユニットと処理ユニットとを含む。
【0058】
取得ユニットは、第1の車両の近くの動く物体の第1の情報を取得するように構成される。処理ユニットは、第1の情報に基づいて第1のパラメータを割り出すように構成される。処理ユニットは、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させるようにさらに構成される。処理ユニットは、第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの車両速度範囲を超える第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定するようにさらに構成される。
【0059】
第5の態様を参照し、第5の態様のいくつかの実装において、取得ユニットは、更新された第1の情報を取得するようにさらに構成され、処理ユニットは、更新された第1の情報に基づいて第1のパラメータを更新するようにさらに構成され、処理ユニットは、更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの車両速度範囲内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定するようにさらに構成され、処理ユニットは、更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動するようにさらに構成される。
【0060】
第5の態様を参照し、第5の態様のいくつかの実装において、動く物体は第2の車両を含み、第1の情報は、第2の車両の位置、速度、サイズ、または車種のうちの少なくともいずれか1つを含む。
【0061】
第5の態様を参照し、第5の態様のいくつかの実装において、取得ユニットは受信ユニットまたは測定ユニットを含む。受信ユニットは、動く物体から第1の情報を受信するように構成され、または、測定ユニットは、測定によって動く物体の第1の情報を得るように構成される。
【0062】
第5の態様を参照し、第5の態様のいくつかの実装において、第1のパラメータは、第1の車両と動く物体との衝突の危険がないときに第1の車両が有することになっている適正運転速度範囲を含む。
【0063】
第5の態様を参照し、第5の態様のいくつかの実装において、処理ユニットが、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させることは、適正運転速度範囲が、アクティブ状態にある運転者支援システムのアクティブ状態に対応する車両速度範囲との交差を有していないと処理ユニットが判断することと、処理ユニットがアクティブ状態にある運転者支援システムのアクティブ状態を終了させることとを含む。
【0064】
第5の態様を参照し、第5の態様のいくつかの実装において、第1の車両速度は適正運転速度範囲内にある。
【0065】
第5の態様を参照し、第5の態様のいくつかの実装において、第1のパラメータは、第1の車両と動く物体との衝突の危険がないときに第1の車両が有することになっている適正運転速度範囲を含む。処理ユニットが、更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの車両速度範囲内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定することは、適正運転速度範囲が少なくとも1つの車両速度範囲との交差を有すると処理ユニットが判断することと、処理ユニットが、更新された第1のパラメータに基づいて、適正運転速度範囲と少なくとも1つの車両速度範囲との交差内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定することとを含む。
【0066】
第5の態様を参照し、第5の態様のいくつかの実装において、処理ユニットが、更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動することは、処理ユニットが、少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動することを含む。該いずれか1つの運転者支援システムのアクティブ状態に対応する車両速度範囲は、第2の車両速度を含む。
【0067】
第5の態様を参照し、第5の態様のいくつかの実装において、第1の車両が少なくとも1つの運転者支援システムを備える形に構成され、少なくとも1つの運転者支援システムがアクティブ状態になっているときに少なくとも1つの車両速度範囲に適用されることは、第1の車両が第1の運転者支援システムと第2の運転者支援システムとを備える形に構成され、第1の運転者支援システムがアクティブ状態になっているときに第1の車両速度範囲に適用され、第2の運転者支援システムがアクティブ状態になっているときに第2の車両速度範囲に適用され、第1の車両速度範囲と第2の車両速度範囲とが交差を有さないことを含む。処理ユニットが、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させることは、処理ユニットが、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある第1の運転者支援システムのアクティブ状態を終了させることを含む。処理ユニットが、更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動することは、処理ユニットが、更新された第1のパラメータに基づいて、第1の運転者支援システムまたは第2の運転者支援システムを起動することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【
図1】本出願の一実施形態が適用されるインテリジェント運転シナリオの概略図である。
【
図2】本出願の一実施形態による車両の運動方向の概略図である。
【
図3】本出願の一実施形態による車両制御方法のフローチャートである。
【
図4】本出願の一実施形態による第1のパラメータを計算するシナリオの概略図である。
【
図5】本出願の一実施形態による第1の車両を制御する方法のフローチャートである。
【
図6】本出願の一実施形態による第1の車両を制御する別の方法のフローチャートである。
【
図7】本出願の一実施形態による第1の車両を制御するさらに別の方法のフローチャートである。
【
図8】本出願の一実施形態による第1の車両を制御するさらに別の方法のフローチャートである。
【
図9】本出願の一実施形態による第1の車両を制御するさらに別の方法のフローチャートである。
【
図10】本出願の一実施形態による第1の車両を制御するさらなる方法のフローチャートである。
【
図11】本出願の一実施形態による第1の車両を制御するさらなる方法のフローチャートである。
【
図12】本出願の一実施形態による第1の車両を制御するさらなる方法の流れ図である。
【
図13】本出願による車両制御装置1300の構造ブロック図である。
【
図14】本出願の一実施形態に適用可能な第1の車両1400の構造ブロック図である。
【
図15】本出願の一実施形態に適用可能な第1の車両1500の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0069】
以下、添付の図面を参照しながら本出願の技術的解決策を説明する。
【0070】
以下の実施形態で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものであり、本出願を限定するものではない。本出願の明細書と添付の特許請求の範囲で使用される単数形の表現「one(1つ)」、「a(ある)」、「the(その)」、「the foregoing(前述の)」、「this(これ)」、および「the one(その1つ)」は、文脈において明確に別段の指定がない限り、「one or more(1つ以上)」などの表現を含むことをも意図する。本出願の以下の実施形態において、「at least one(少なくとも1つ)」と「one or more(1つ以上)」が、1つ、2つ、またはそれ以上を指すことをさらに理解されたい。
【0071】
本明細書などに記述されている「一実施形態」または「いくつかの実施形態」への言及は、本出願の1つ以上の実施形態が、実施形態と併せて記述されている特定の特徴、構造、または特性を含むことを意味する。したがって、本明細書の様々な箇所に現れる「一実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「いくつかの他の実施形態において」、および「他の実施形態において」などの記述は、必ずしも同じ実施形態を指すことを意味しない。代わりに、これらの記述は、別のやり方で具体的に強調される場合を除き、「全てではないが1つ以上の実施形態」を意味する。「含む」、「含有する」、「有する」という用語、およびそれらの変形はいずれも、別のやり方で具体的に強調される場合を除き、「含み、ただし限定されない」を意味する。
【0072】
本出願の実施形態の技術的解決策は、V2X通信システムに適用できる。社会の絶え間ない発展に伴い、車両の人気が高まっている。車両は移動する人々に利便性をもたらす一方で、人間の社会にいくつかの悪影響を及ぼす。車両台数の急速な増加は、都市交通渋滞、頻繁な交通事故、環境の質の悪化といった一連の問題を引き起こしている。人の安全、輸送効率、環境保護、経済効果などの側面では、完全なインテリジェントトランスポテーションシステム(intelligent transportation system、ITS)が必要である。当然ながら、ITSは現在、世界的な関心事になっている。
【0073】
現在、車両は、車両対車両(vehicle to vehicle、V2V)、車両対インフラ(vehicle to infrastructure、V2I)、車両対歩行者(vehicle to pedestrian、V2P)、または車両対ネットワーク(vehicle to network、V2N)などの通信方式を通じてタイムリーな道路状況情報を得ることができ、またはタイムリーなサービス情報を受け取ることができる。これらの通信方式はV2X通信と総称されることがある(Xはどんなものでも表す)。
【0074】
図1は、本出願の一実施形態が適用されるインテリジェント運転シナリオの概略図である。このシナリオは、V2V通信と、V2P通信と、V2I/N通信とを含んでいる。
図1に示されているように、車両間の通信はV2Vで行われる。車両は、運転速度、運転方向、特定の位置、急激な減速といった車両に関する情報を周囲の車両にブロードキャストできるため、周囲の車両の運転者はその情報を取得し、視線の外の交通状況をよりよく知り、危険を予測し、さらに危険を回避することができる。車両と路側インフラとの間の通信はV2Iで行われる。路側インフラは、車両のために様々なタイプのサービス情報およびデータネットワークのアクセスを提供できる。非駐車料金所や車内エンターテインメントなどの機能は、トラフィックインテリジェンスを大幅に改善する。路側装置(road side unit、RSU)などの路側インフラには2つのタイプがある。ひとつのタイプは端末デバイスタイプのRSUである。RSUは路側に分散されるので、端末デバイスタイプのRSUは非移動状態にあり、モビリティを考慮する必要はない。もうひとつのタイプはネットワークデバイスタイプのRSUである。ネットワークデバイスタイプのRSUは、ネットワークデバイスと通信する車両のためにタイミング同期とリソーススケジューリングを提供できる。車両対人(例えば、車両対歩行者、車両対サイクリスト、車両対運転者、または車両対乗員)通信はV2Pで行われる。車両対ネットワーク通信はV2Nで行われる。V2NとV2IはV2I/Nと総称されることがある。
【0075】
図1が概略図の一例にすぎず、本出願を限定するものではないことを理解されたい。例えば、
図1に示されていない数の車両、歩行者、およびインフラが複数存在し得る。
【0076】
図1は、本出願の一実施形態が適用可能なシナリオを説明している。本出願の技術的解決策の理解を容易にするため、以下では、本出願の技術的解決策のいくつかの基本的コンセプトを簡単に説明する。
【0077】
1.インテリジェントコネクティッドビークル。
インテリジェントコネクティッドビークルは、先進の車載センサと、コントローラと、アクチュエータと、その他の装置が装備されており、最新の通信技術とネットワーク技術を統合してV2Xインテリジェント情報交換および共有を実現し、複雑な環境認識、インテリジェントな意思決定、および協調制御などの機能を提供して、安全で、効率的で、快適で、省エネの運転を実現し、最終的には人の介入を伴う運転を実現する次世代車両である。
【0078】
インテリジェントコネクティッドビークルの開発傾向は、自動運転技術とネットワーク通信技術を統合して、両方の技術の技術的利点を十分に活用することである。自動運転技術は、低水準の先進運転者支援システムから高水準の自動運転システムに徐々に進化している。先進運転者支援システムは、車両に設置された検知、通信、意思決定、実行、およびその他装置を使用して、運転者と車両と運転環境をリアルタイムで監視し、運転者の運転作業遂行を支援するか、または情報および/または運動制御を通じて、例えばACCシステムを通じて、衝突の危険を積極的に回避/緩和する様々なシステムの総称である。ネットワーク通信技術では、最も一般的な車両対車両通信が使用される。車両は、車両の運転速度、運転方向、特定の位置、車両情報(ホイールベース、車両サイズ)といった情報をV2V通信で周囲の車両にブロードキャストできるため、周囲の車両の自動運転システムは、V2V情報に基づいて対応する運転行動決定を下すことができ、例えば、加速、減速、および車線変更を行うことができる。
【0079】
2.アダプティブクルーズコントロールシステム。
車両のクルーズとは、車両が一定の速度で走行することを意味する。したがって、車両のクルーズコントロールシステム(cruise control system、CCS)は定速制御システムとも呼ばれる。ACCシステムは、クルーズコントロール技術に基づいて開発されたインテリジェントな自動速度制御システムである。アダプティブクルーズコントロールシステムは交通状況に基づいて自動的に適切な措置(例えば、加速、減速、およびブレーキ)を取ることができるので、アダプティブクルーズコントロールシステムは、複雑な道路状況を有する道路での運転に良好に適応できる。
【0080】
ACCシステムは、一般的には65km/h~120km/hである一定の車両速度範囲を有する。ACCシステムは、その車両速度範囲内で車両のエンジンや駆動系、制動系を絶え間なく制御することによって車両の縦方向運動(例えば、加速、減速、または一定速度での駆動)を制御し、前方車両との距離を適切に保つことで、運転者の労力を軽減し、運転の安全性を確保する。車両速度範囲を超えると(例えば、車両速度が65km/h未満になると、または120km/hを上回ると)、ACCシステムは自動的に終了し、起動させることはできない。
【0081】
3.交通渋滞支援システム。
TJAシステムもまた、一般的には0km/h~60km/hである一定の車両速度範囲を有する。TJAシステムはその車両速度範囲内で車両の横方向(ステアリングシステム)の動きと縦方向の動きを絶え間なく制御し、その結果、車両は同じ車線を維持し、前方車両に追随し、運転者の運転負担を軽減する。車両速度範囲を超えると(例えば、車両速度が60km/hを超えると)、TJAシステムは自動的に終了し、起動させることはできない。
【0082】
ACCシステムとTJAシステムは、車両のために現在構成できる運転者支援システムを説明するための例にすぎず、本出願の保護範囲を制限するものではない。運転者の運転を支援するため、車両のために別の運転者支援システムを構成することもできる。
【0083】
それぞれの運転者支援システムが一定の車両速度範囲を有し、各車両の運転者支援システムに対応する車両速度範囲が車両製造業者によって使用されるセンサ(例えば、センサの検出距離および目標認識分解能)の性能に左右されることを理解されたい。
【0084】
それぞれの運転者支援システムが運転者支援システムの一定の車両速度範囲を有することは、上記の説明から分かる。車両速度が運転者支援システムに対応する車両速度範囲内にないと、運転者支援システムは、車両の横方向および/または縦方向制御を終了する。あるいは、車両速度が現在の交通環境に適合する車両速度と一致しない場合は、運転者支援システムは上質な支援サービスを提供できない。
【0085】
例えば、交通渋滞が緩和され、前方車両(自車両によって追随される車両)が60km/hを上回る速度で自車両からの距離を伸ばしている。しかしながら、自車両上で作動しているTJAシステムは、依然として60km/hの速度で作動し続ける。これは、安全上の危険(追突)を引き起こしやすい。
【0086】
さらに、車両が複数の運転者支援システムを備える形に構成されている場合は、車両に構成されている別々の運転者支援システムでの車両速度範囲設定が不連続になることがある。例えば、車両はACCシステムとTJAシステムの両方を備える形に構成される。TJAシステムの最高車両速度は60km/hであるが、ACCシステムを起動するための最低車両速度は65km/hである。ACCシステムとTJAシステムは連続的に作動できない。車両が環状道路や幹線道路を走行するときに、運転者支援システムは頻繁に終了し、運転者が運転作業を引き継ぐ。これは、車両の自動運転の連続性に影響を及ぼし、不満足な体験を引き起こす。
【0087】
加えて、車両が1つの運転者支援システムを備える形に構成されている場合に、車両の車両速度が、当該運転者支援システムが適用される車両速度範囲の上限または下限に達したときには、さらに加速するか減速するかを、そしてどのようにしてさらに加速または減速するかを、運転者が決定して操作する必要がある。これは、車両の自動運転性能にも影響する。例えば、車両はTJAシステムを備える形に構成される。TJAシステムの最高車両速度は60km/hである。車両の車両速度がTJAシステムの最高車両速度60km/hに達したときに、車両がさらに加速してよいかどうかは、運転者が車両の周囲環境に基づいて決定する。車両は車両速度を決定または制御できない。これは、車両の自動運転性能に影響を及ぼし、不満足な体験を引き起こす。
【0088】
運転者支援システムが連続的に作動できないために運転者が車両を引き受けるという問題を解決するため、本出願は車両制御方法を提供する。別々の運転者支援システム間に車両速度制御が追加されることによって、別々の運転者支援システムが効果的に接続されるので、車両速度が運転者支援システムの車両速度範囲を超えたときに運転者が車両を引き受けることでシステム運転が不連続になるという問題は解決する。加えて、車両の車両速度が、運転者支援システムが適用される車両速度範囲の上限または下限に達すると、車両が自動的に判断して車両を加速または減速するように制御するので、運転者が車両を引き受けるという問題は解決する。
【0089】
以下、添付の図面を参照しながら本出願の実施形態で提供される車両制御方法を詳しく説明する。本出願で提供される車両制御方法は主に、少なくとも1つの運転者支援システムを備える形に構成された車両に適用され、この車両はV2V通信機能を有する。加えて、本出願で提供される車両制御方法が
図1に示されているシナリオに適用されてよく、V2Xシナリオが少なくとも2台の車両を含み得ることを理解されたい。
【0090】
車両用に構成された運転者支援システムは、縦方向および/または横方向の制御機能を有する。横方向車両運動制御は、Y軸(例えば、
図2のY方向)に沿って車両に対して行われるリアルタイムで連続的な車両運動制御を指し、縦方向車両運動制御は、X軸(例えば、
図2のX方向)に沿って車両に対して行われるリアルタイムで連続的な車両運動制御を指す。
図2は、本出願の一実施形態による車両の運動方向の概略図である。
【0091】
可能な一実装において、
図3(a)に示されている以下の実施形態における第1の車両は、第1の運転者支援システムを備える形に構成される(例えば、第1の車両は、前述のACCシステムまたはTJAシステムを備える形に構成される)。
【0092】
本出願の本実施形態において、第1の車両用に構成される運転者支援システムの具体的なタイプが限定されないことを理解されたい。運転者支援システムは従来技術で知られている運転者支援システムであってよく、または車両制御技術の発展に基づいて将来提案される運転者支援システムであってもよい。
【0093】
本実装において、運転環境に適合する車両速度が第1の運転者支援システムに対応する第1の車両速度範囲内にない場合は、現在アクティブ状態にある第1の運転者支援システムのアクティブ状態を終了させるように第1の車両が制御され得る。さらに、本実装において、第1の車両は、第1の車両速度範囲を超えた車両速度で走行するように制御され得る。
【0094】
図3(a)を参照し、以下では、本実装で第1の車両を制御する方法を詳しく説明する。
図3は、本出願の一実施形態による車両制御方法のフローチャートである。
図3(a)は、第1の車両と動く物体とに関する。
【0095】
可能な一実装において、動く物体は第1の車両の近くの歩行者であってよい。
【0096】
別の可能な一実装において、動く物体は第1の車両の近くの第2の車両であってもよい。
【0097】
さらに別の可能な一実装において、動く物体は第1の車両の近くの別の可動物体であってもよい。
【0098】
本出願の本実施形態で動く物体の具体的な形態が限定されず、第1の車両の近くの動く物体の数も限定されない(1つ以上の動く物体が存在し得る)ことを理解されたい。
【0099】
本出願の本実施形態において、第1の車両の近くは、第1の車両の前方、後方、または側方であると理解できる。具体的な向きは本出願で限定されず、第1の車両が動く物体の関連情報を取得できることを条件とする。
【0100】
理解を容易にするため、また、本出願で提供される本実施形態が適用されることが見込まれるシナリオ(V2V)を考慮し、以下の実施形態では、動く物体が第2の車両である一例を説明に用いる。すなわち、
図3(a)は第1の車両と第2の車両とに関する。
【0101】
本出願で、2台の車両間の情報交換が説明のための一例として用いられることをさらに理解されたい。3台以上の車両があるシナリオにおける車両制御方法は、以下の実施形態で提供される第1の車両の制御方法と同様であり得る。車両制御方法の適用シナリオは、本出願で詳しく説明しない。
【0102】
車両制御方法は、以下のステップの少なくとも一部を含む。
【0103】
S310a:第1の車両は第2の車両の第1の情報を取得する。
【0104】
本出願の本実施形態における第1の情報は、第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の上限または下限に達したときに第1の車両によって取得される前方の動く物体に関する情報を含む。
【0105】
あるいは、本出願の本実施形態において、第1の車両は、前方の動く物体に関する情報をリアルタイムで取得する。第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の上限または下限に達する前であるか、または第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の上限または下限に達するときであるかにかかわらず、第1の車両によって取得される前方の動く物体に関する情報は、第1の情報であり得る。
【0106】
本出願の本実施形態において、第1の車両が前方の動く物体に関する情報をリアルタイムで取得する必要が絶対にあることに限定されないことを理解されたい。第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の上限または下限に達しない場合は、第1の運転者支援システムが第1の車両を制御するので、第1の車両は、第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の上限または下限に近づいた場合にのみ、前方の動く物体に関する情報の取得を開始できる。
【0107】
車両間の情報交換の既存の設計を参照し、以下の実施形態では、第1の車両が前方の動く物体に関する情報をリアルタイムで取得する一例を説明に用いることができる。ただし、これは本出願で限定されない。
【0108】
加えて、以下の実施形態では、動く物体が第2の車両である一例を説明に用いる。この場合、第1の情報は第2の車両に関する情報と呼ばれることもある。
【0109】
可能な一実装において、第2の車両は、第2の車両に関する情報を第1の車両へ送信する。例えば、第1の車両と第2の車両の両方がV2V通信機能を有し、第1の車両と第2の車両は、V2V通信ユニットを使用してそれぞれの情報を交換する。この実装は、第2の車両が第2の車両に関する情報を第1の車両へ送信し、第1の車両のV2V通信ユニットが第2の車両に関する情報を受信することとして理解できる。
【0110】
別の可能な一実装では、第1の車両に配置されたセンサが第2の車両に関する情報を得る。例えば、センサはレーダであってよく、第1の車両はレーダを使用して第2の車両に関する情報を得ることができる。別の一例として、センサはカメラであってもよく、第1の車両はカメラを使用して第2の車両に関する情報を得ることができる。この実装は、第1の車両が第2の車両に関する情報を能動的に得ることとして理解できる。
【0111】
さらに別の可能な一実装では、第1の車両がシステム内の別の車両を使用して第2の車両に関する情報を取得できる。例えば、システムには第3の車両がさらに存在する。第3の車両は第2の車両に関する情報を受信し、第2の車両に関する情報を第1の車両へ転送することができる。
【0112】
前述のいくつかの可能な実装が、第1の車両が第2の車両に関する情報を取得するいくつかの可能な方式を説明するための例にすぎず、本出願の保護範囲を制限するものではないことを理解されたい。第1の車両は、代わりに、別の方式で第2の車両に関する情報を取得してもよい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0113】
例えば、第1の車両が第1の情報を取得するときに、第1の車両が第1の運転者支援システムによって制御されることは、第1の運転者支援システムがアクティブ状態にあることとして理解できる。例えば、第1の車両と第2の車両は走行過程で互いに絶え間なく通信できる。第1の車両が第1の情報を受信すると、ACCシステムは、第2の車両から適切な距離を保つように第1の車両を制御して、運転者の労力を軽減する。
【0114】
本出願の本実施形態における運転者支援システムがアクティブ状態にあることが、運転者支援システムを備える形に構成された車両が運転者支援システムの自動制御下にあり、運転者の介入なしに車両を制御できることを意味することを理解されたい。
【0115】
第2の車両はV2V通信機能を有するので、第2の車両に関する情報を第1の車両へ送信できる。任意に選べることとして、第1の車両は第1の車両に関する情報を第2の車両へ送信することもできる。本出願の本実施形態では、第1の車両が制御される一例を主に説明に用いる。したがって、第1の車両が第1の車両に関する情報を第2の車両へ送信するかどうかと、第1の車両に関する情報を第2の車両へどのように送信するかは、限定されない。
【0116】
任意に選べることとして、本出願の本実施形態における車両がV2V通信機能を有することは、V2V通信機能を有する通信モジュールが車両に装備されることであり得る。通信モジュールはV2X制御システムに統合されてよく、または通信モジュールは、車両が車内情報を交換するシステム端末(例えば、T-BoXなどの車載デバイス)に統合されてもよい。V2V通信機能を有する車両の現在の設計を参照されたい。これは本出願で限定されない。
【0117】
具体的に述べると、本出願では、第2の車両に配置された通信モジュールが、第2の車両の関連情報(例えば、車両速度、位置、および車種情報)を第1の車両(または別の車両)へ送信(またはブロードキャスト)するように構成され、第1の車両に配置された通信モジュールは、第2の車両によって送信される第2の車両に関する情報を受信するように構成される。
【0118】
可能な一実装において、第2の車両は第1の車両と同じ車線の前方車両である。
【0119】
別の可能な一実装において、第2の車両は、第1の車両の車線に車線変更しようとしており、第1の車両の前方に位置する車両である。
【0120】
さらに別の可能な一実装において、第2の車両は、第1の車両の車線の隣接車線に車線変更しようとしており、第1の車両の前方に位置する車両である。
【0121】
第1の車両と第2の車両との具体的な位置関係が本出願の本実施形態で限定されないことを理解されたい。第2の車両は、第1の車両の前方にあり、衝突の危険があり得るか、または衝突の危険がない車両である。
【0122】
さらに、第1の車両は、第1の情報を取得した後に、第1の情報に基づいて第1のパラメータを割り出すことができる。
図3(a)に示されている方法の手順は、S320a:第1の車両が第1のパラメータを割り出すことをさらに含む。
【0123】
さらに、第1の車両は、第1のパラメータを割り出した後に、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある第1の運転者支援システムのアクティブ状態を終了させることができる。この場合、
図3(a)に示されている方法の手順は、S330a:第1の車両が第1の運転者支援システムを終了させることをさらに含む。
【0124】
例えば、第1の車両が、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある第1の運転者支援システムのアクティブ状態を終了させることは、第1の車両が、第1のパラメータに基づいて、第1の車両の適正運転速度範囲と第1の車両速度範囲とに交差がないと判断した場合に、第1の車両がアクティブ状態の第1の運転者支援システムを終了させることができることを、すなわち、第1の運転者支援システムがアクティブ状態を終了させ、非アクティブ状態に切り替わることを含む。第1の車両の適正運転速度範囲は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないときに、第1の車両の運転速度が属する速度範囲を意味する。
【0125】
第1の車両は、第1の運転者支援システムが終了された後に、第1のパラメータに基づいて、第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定できる。この場合、
図3(a)に示されている方法の手順は、S340a:第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定することをさらに含む。
【0126】
さらに、第1の車両が、第1のパラメータに基づいて、第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定することは、第1の車両が、第1のパラメータに基づいて、適正運転速度範囲内の車両速度で走行するように第1の車両を設定することを含む。
【0127】
可能な一実装において、第1のパラメータは、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がない場合に、第1の車両が有することになっている適正運転速度範囲を指示する。本実装において、第1の車両の適正運転速度範囲は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があるかどうかに基づいて判断でき、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があるかどうかは、第1の情報に基づいて判断できる。
【0128】
例えば、第1の運転者支援システムはACCシステムであり、適用される第1の車両速度範囲は、65km/h~120km/hである。
【0129】
第1の車両の車両速度が65km/hに達すると、第1の車両は、第1の情報に基づいて、第1の車両と第2の車両との衝突の危険を回避するために、第1の車両の運転速度が65km/h未満であるべきであると判断する。第1の車両の車両速度が65km/hに達したときに第1の車両が第1の情報を取得し、第1の車両が、第1の情報に基づいて、第1の車両が65km/hで走行した場合に第2の車両と衝突する可能性があると判断することは理解されよう。この場合、第1の車両は、第1の情報に基づいて、衝突を回避するために、減速し、65km/hを下回る第1の車両速度で走行し続ける必要があるとさらに判断する。この場合、第1の車両は、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にあるACCシステムのアクティブ状態を終了させ、第1のパラメータに基づいて、65km/h未満の車両速度で走行するように第1の車両を設定する。
【0130】
別の可能な一実装において、第1のパラメータは、第1の車両と動く物体との衝突の危険があるかどうかを判断するために使用されるパラメータを含む。第1の車両と動く物体との衝突の危険がないときに、第1の車両の運転速度範囲は適正運転速度範囲を含む。
【0131】
本実装において、第1の情報に基づいて第1のパラメータを割り出すステップは、第1の車両が取得した第1の情報に基づく計算によって第1のパラメータを得るステップであってよく、または第1の車両が取得した第1の情報に基づくテーブルルックアップによって第1のパラメータを得るステップであってもよい。以下、第1の情報に基づく計算によって第1のパラメータを得る方法を簡単に説明する。
【0132】
具体的に述べると、第1の情報に含まれる第2の車両に関する様々な情報に基づいて、第1の車両によって計算で得られる第1のパラメータは、以下の2つの可能性を含む。
【0133】
可能性1:
第1の情報が第2の車両の車両速度情報と第2の車両の位置情報とを含む場合、第1のパラメータは、第1の車両と第2の車両との衝突までの推定時間(time to collision、TTC)を含む。TTCパラメータが時間とともに変化することを理解されたい。換言すると、第1の車両はTTCを絶えず計算する。TTCが時間とともに変化するという特性を反映するため、本出願ではパラメータTTCをTTC(t)と表記する。
【0134】
図4は、本出願の一実施形態による第1のパラメータを計算するシナリオの概略図である。具体的に述べると、
図4(a)に示されているシナリオに基づいて、第1の車両が第1のパラメータを計算することは以下の手順を含む。
【0135】
第1の車両は、第1の情報に含まれる第2の車両の車両速度情報に基づいて、第2の車両の車両速度を知る。第1の車両は、第2の車両の車両速度と第1の車両の車両速度とに基づいて、第1の車両と第2の車両との相対車両速度(V1(t)-V2(t))を計算する。
【0136】
第1の車両は、第1の情報に含まれる第2の車両の位置情報に基づいて第2の車両の位置をさらに知ることができる。第1の車両は、第2の車両の位置と第1の車両の位置とに基づいて、第1の車両と第2の車両との車間距離(X(t))を計算する。
【0137】
第1の車両は、第1の車両と第2の車両との相対車両速度と第1の車両と第2の車両との車間距離とを得た後に、第1の車両と第2の車両との相対車両速度と第1の車両と第2の車両との車間距離とに基づいて、以下のようにTTC(t)を計算できる。
TTC(t)=X(t)/(V1(t)-V2(t))
【0138】
可能性2:
第1の情報が第2の車両の位置情報を含む場合は、第1のパラメータは第1の車両と第2の車両との時間間隔(time interval、TI)を含む。TIパラメータが時間とともに変化することを理解されたい。換言すると、第1の車両はTIを絶えず計算する。TIが時間とともに変化する特性を反映するため、本出願ではパラメータTIをTI(t)と表記する。具体的に述べると、
図4(b)に示されているシナリオに基づいて、第1の車両が第1のパラメータを計算することは以下の手順を含む。
【0139】
第1の車両は、第1の情報に含まれる第2の車両の位置情報に基づいて第2の車両の位置をさらに知ることができる。第1の車両は、第2の車両の位置と第1の車両の位置とに基づいて、第1の車両と第2の車両との車間距離を計算する。
【0140】
第1の車両は、第1の車両と第2の車両との車間距離を得た後に、第1の車両と第2の車両との車間距離(X(t))と第1の車両の車両速度(V1(t))とに基づいて、以下のようにTI(t)を計算できる。
TI(t)=V1(t)/X(t)である。
【0141】
第1の情報が、可能性1および/または可能性2で別の情報をさらに含み得ることを理解されたい。上記の説明は、第1の情報が第2の車両の位置情報と第2の車両の車両速度情報とを含む場合に、計算によってTTC(t)を得ることができ、第2の車両に関する情報が第2の車両の位置情報を含む場合に、計算によってTI(t)を得ることができることを示しているにすぎない。第2の車両に関する情報が他の情報を含むかどうか、または第1のパラメータが別の形をとってよいかどうかは、本出願で限定されない。例えば、第1のパラメータは可能性1においてTI(t)であってもよい。別の一例として、第2の車両に関する情報は第2の車両の車種情報(車両サイズなど)をさらに含み得る。
【0142】
第1の車両が第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行する過程で、第1の車両が更新された第1の情報を取得し、更新された第1の情報に基づいて更新された第1のパラメータを割り出すことができることを理解されたい。
図3(a)に示されている方法の手順は、S350a:第1の車両が更新された第1の情報を取得することと、S360a:第1の車両が更新された第1のパラメータを割り出すこととをさらに含む。
【0143】
例えば、第1の車両は、更新された第1のパラメータを割り出した後に、更新された第1のパラメータに基づいて、第1の車両速度範囲内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定する。すなわち、
図3(a)に示されている方法の手順は、S370a:第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定することをさらに含む。
【0144】
第1の車両が、更新された第1のパラメータに基づいて、第1の車両速度範囲内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定することは、以下を含む。
【0145】
第1の車両は、適正運転速度範囲と第1の車両速度範囲とに交差があると判断する。
【0146】
第1の車両は、適正運転速度範囲と第1の車両速度範囲との交差内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定する。
【0147】
第1の車両が第1の車両速度範囲内の第2の車両速度で走行することが、第1の車両が更新された第1のパラメータに基づいて第1の運転者支援システムを再起動できることを意味することを理解されたい。すなわち、
図3(a)に示されている方法の手順は、S380a:第1の車両が第1の運転者支援システムを再起動することをさらに含む。
【0148】
具体的に述べると、第1の車両は、以下のいくつかの可能な方式で第1の運転者支援システムを再起動する。
【0149】
方式1:
S320aの可能性1に対応し、第1のパラメータはTTC(t)であり、第1の車両は前述の第1の運転者支援システムを備える形に構成される。
【0150】
TTC(t)が正ではない数であるか、またはTTC(t)が第1の既定閾値より大きい場合は、第1の運転者支援システムが第1の車両を加速するように制御する。車両速度が第1の車両速度範囲の上限に達すると、第1の車両は、TTC(t)に基づいて、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないと判断する。第1の車両は、第1の車両の適正運転速度範囲が第1の車両速度範囲を超えていると判断した場合に、第1の運転者支援システムに終了することを指示し、第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行するために、第1の車両を加速し続けるように制御する。第1の車両が第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行する過程で、第1の車両は、更新された第1の情報を取得し、更新された第1の情報に基づいて更新された第1のパラメータを割り出し、次いで、更新された第1のパラメータに基づいて(例えば、更新された第1のパラメータは、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があることを指示し、第1の車両は、第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲内にあると判断できる)、第1の車両を減速するように制御することができ、その結果、第1の車両の車両速度は第1の車両速度範囲に戻り、第1の運転者支援システムは再び作動状態になる。
【0151】
例えば、第1の運転者支援システムはTJAシステム(適用される車両速度範囲は0km/h~60km/h)である。車両速度が60km/hに達すると、第1の車両は、第1のパラメータに基づいて、衝突の危険がないと判断し、第1の車両が走行できる車両速度範囲が60km/hより大きいと判断し、第1の運転者支援システムに終了することを指示し、第1の車両を加速し続けるように制御し、0km/h~60km/hを超える車両速度で走行するように第1の車両を設定する。第1の車両が0km/h~60km/hを超える車両速度で走行する過程で、第1の車両は、更新された第1の情報を取得し、更新された第1の情報に基づいて更新された第1のパラメータを割り出すことができる。第1の車両と第2の車両との衝突の危険があることを更新された第1のパラメータが指示する場合、第1の車両は0km/h~60km/h内の車両速度で走行することになる。この場合、第1の車両は第1の車両の車両速度を60km/hに戻し、TJAシステムを再起動する。
【0152】
任意に選べることとして、第1の既定閾値は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がある場合に、TTC(t)の値を含む。
【0153】
任意に選べることとして、第1の既定閾値は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がある場合に、TTC(t)の値より大きい値を含む。
【0154】
任意に選べることとして、第1の既定閾値は別の既定値を含む。ここでは例を説明しない。唯一限定される必要があるのは、計算されたTTCが第1の既定閾値より大きい場合に、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないことである。
【0155】
方式2:
S320の可能性1に対応し、第1のパラメータはTTC(t)であり、第1の車両は前述の第1の運転者支援システムを備える形に構成される。
【0156】
TTC(t)が第1の既定閾値以下の正の数である場合は、第1の運転者支援システムが第1の車両を減速するように制御する。車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達すると、第1の車両は、TTC(t)に基づいて、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があると判断する。第1の車両は、第1の車両の適正運転速度範囲が第1の車両速度範囲より低いと判断した場合に、第1の運転者支援システムに終了することを指示し、第1の車両速度範囲より低い第1の車両速度で走行するために、第1の車両を減速し続けるように制御する。第1の車両が第1の車両速度範囲より低い第1の車両速度で走行する過程で、第1の車両は、更新された第1の情報を取得し、更新された第1の情報に基づいて更新された第1のパラメータを割り出し、次いで、更新された第1のパラメータに基づいて(例えば、更新された第1のパラメータは、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないことを指示し、第1の車両は、第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲内にあると判断できる)、第1の車両を加速するように制御することができ、その結果、第1の車両の車両速度は第1の車両速度範囲に戻り、第1の運転者支援システムは再び作動状態になる。
【0157】
例えば、第1の運転者支援システムはACCシステム(適用される車両速度範囲は65km/h~120km/h)である。車両速度が65km/hに達すると、第1の車両は、第1のパラメータに基づいて、衝突の危険があると判断し、第1の車両が走行できる車両速度範囲が65km/h未満であると判断し、第1の運転者支援システムに終了することを指示し、第1の車両を減速し続けるように制御し、65km/h~120km/hを超えた車両速度で走行するように第1の車両を設定する。第1の車両が65km/h~120km/hを超えた車両速度で走行する過程で、第1の車両は、更新された第1の情報を取得し、更新された第1の情報に基づいて更新された第1のパラメータを割り出すことができる。第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないことを更新された第1のパラメータが指示する場合、第1の車両は65km/h~120km/hの車両速度で走行することになる。この場合、第1の車両は第1の車両の車両速度を65km/hに戻し、ACCシステムを再起動する。
【0158】
方式3:
S320aの可能性2に対応し、第1のパラメータはTI(t)であり、第1の車両は前述の第1の運転者支援システムを備える形に構成される。
【0159】
TI(t)が第2の既定閾値より大きい場合は、第1の運転者支援システムが第1の車両を加速するように制御する。車両速度が第1の車両速度範囲の上限に達すると、第1の車両は、TI(t)に基づいて、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないと判断する。第1の車両は、第1の車両の適正運転速度範囲が第1の車両速度範囲を超えていると判断した場合に、第1の運転者支援システムに終了することを指示し、第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行するために、第1の車両を加速し続けるように制御する。第1の車両が第1の車両速度範囲より低い第1の車両速度で走行する過程で、第1の車両は、更新された第1の情報を取得し、更新された第1の情報に基づいて更新された第1のパラメータを割り出し、次いで、更新された第1のパラメータに基づいて(例えば、第1のパラメータは、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があることを指示し、第1の車両は、第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲内にあると判断できる)、第1の車両を減速するように制御することができ、その結果、第1の車両の車両速度は第1の車両速度範囲に戻り、第1の運転者支援システムは再び作動状態になる。
【0160】
任意に選べることとして、第2の既定閾値は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がある場合に、TI(t)の値を含む。
【0161】
任意に選べることとして、第2の既定閾値は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がある場合に、TI(t)の値より大きい値を含む。
【0162】
任意に選べることとして、第2の既定閾値は別の既定値を含む。ここでは例を説明しない。唯一限定される必要があるのは、計算されたTIが第2の既定閾値より大きい場合に、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないことである。
【0163】
方式4:
S320aの可能性2に対応し、第1のパラメータはTI(t)であり、第1の車両は前述の第1の運転者支援システムを備える形に構成される。
【0164】
TI(t)が第2の既定閾値以下である場合は、第1の運転者支援システムが第1の車両を減速するように制御する。車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達すると、第1の車両は、TI(t)に基づいて、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があると判断する。第1の車両は、第1の車両の適正運転速度範囲が第1の車両速度範囲より低いと判断した場合に、第1の運転者支援システムに終了することを指示し、第1の車両速度範囲より低い第1の車両速度で走行するために、第1の車両を減速し続けるように制御する。第1の車両が第1の車両速度範囲より低い第1の車両速度で走行する過程で、第1の車両は、更新された第1の情報を取得し、更新された第1の情報に基づいて更新された第1のパラメータを割り出し、次いで、更新された第1のパラメータに基づいて(例えば、第1のパラメータは、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないことを指示し、第1の車両は、第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲内にあると判断できる)、第1の車両を加速するように制御することができ、その結果、第1の車両の車両速度は第1の車両速度範囲に戻り、第1の運転者支援システムは再び作動状態になる。
【0165】
方式1から方式4は、第1の車両が第1の運転者支援システムを備える形に構成される場合に、第1の車両の車両速度が第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲の上限または下限に達したときに、第1の車両が、第1のパラメータに基づいて、第1の運転者支援システムを終了させ、第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定することができるという内容を説明している。さらに、第1の車両が第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行する過程で、第1の車両は、更新された第1のパラメータを得、更新された第1のパラメータに基づいて第1の運転者支援システムを再起動し、第1の車両速度範囲内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定することができる。この過程で運転者が車両を引き受ける必要はない。これは車両の自動運転性能を向上させる。
【0166】
方式1から方式4が、第1の車両が、更新された第1のパラメータに基づいて、構成された第1の運転者支援システムを再起動できることを示していることに理解されたい。第1の車両が複数の運転者支援システムを備える形に構成される場合、第1の車両は、更新された第1のパラメータに基づいて、複数の構成された運転者支援システムのうちの一運転者支援システムを起動できる。以下、
図3(b)を参照しながら説明を提供する。
【0167】
別の可能な一実装において、
図3(b)に示されている以下の実施形態における第1の車両は、2つ以上の運転者支援システムを備える形に構成される。第1の車両が、第1の運転者支援システムと第2の運転者支援システムとを備える形に構成され(例えば、第1の車両は、ACCシステムとTJAシステムとを備える形に構成される)、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲と第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲とに交差がないものと仮定する。
【0168】
例えば、第1の運転者支援システムがACCシステムであるなら、65km/h≦第1の車両速度範囲≦120km/hである。第2の運転者支援システムがTJAシステムであるなら、0km/h≦第2の車両速度範囲≦60km/hである。あるいは、第1の運転者支援システムがTJAシステムであるなら、0km/h≦第1の車両速度範囲≦60km/hである。第2の運転者支援システムがACCシステムであるなら、65km/h≦第2の車両速度範囲≦120km/hである。
【0169】
本実装において、本出願の本実施形態において、第1の車両用に構成される2つの運転者支援システムの具体的なタイプが限定されないことを理解されたい。運転者支援システムは従来技術で知られている運転者支援システムであってよく、または車両制御技術の発展に基づいて将来提案される運転者支援システムであってもよい。
【0170】
加えて、本実装において、第1の運転者支援システムと第2の運転者支援システムが別々に適用される車両速度範囲は限定されず、第1の運転者支援システムと第2の運転者支援システムが別々に適用される車両速度範囲間に交差がないこと、すなわち、2つの運転者支援システムの連続作動は直接的に実施できないことのみが限定される。第1の運転者支援システムと第2の運転者支援システムが別々に適用される車両速度範囲間に交差がある場合に、車両の車両速度が交差によってカバーされる車両速度範囲内になると、異なる運転者支援システム間に衝突が生じる可能性があり、安全上の問題が引き起こされることは理解されよう。
【0171】
本実装において、本出願の本実施形態において、第1の車両で構成される運転者支援システムの具体的な数が限定されず、2つ以上の運転者支援システムが存在し得ることをさらに理解されたい。説明を容易にするため、本出願の本実施形態では、第1の車両で2つの運転者支援システム(第1の運転者支援システムと第2の運転者支援システム)が構成される一例を説明に用いる。第1の車両で少なくとも2つの運転者支援システムが構成される場合に、異なる運転者支援システム間で連続性を実現する方法については、第1の運転者支援システムと第2の運転者支援システムとの間で連続性を実現する以下の解決策を参照されたい。第1の車両で少なくとも2つの運転者支援システムが構成される事例については、本出願で詳しく説明しない。
【0172】
以下、
図3(b)を参照しながら、本実装で第1の車両を制御する方法を詳しく説明する。
図3(b)は第1の車両と動く物体とに関する。
【0173】
図3(b)に対応する実施形態における動く物体が、
図3(a)に対応する実施形態における動く物体と同様であることを理解されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
図3(a)に対応する実施形態と同様、
図3(b)に対応する実施形態における動く物体は、第1の車両の前方にある第2の車両を一例として用いて説明する。
【0174】
車両制御方法は、以下のステップの少なくとも一部を含む。
【0175】
S310b:第1の車両は第2の車両の第1の情報を取得する。これはS310aと同様であり、ここでは詳細を再度説明しない。
【0176】
さらに、第1の車両は、第1の情報を取得した後に、第1の情報に基づいて第1のパラメータを割り出すことができる。
図3(b)に示されている方法の手順は、S320b:第1の車両が第1のパラメータを割り出すことをさらに含む。これはS320aと同様であり、ここでは詳細を再度説明しない。
【0177】
可能な一実装において、第1の車両は、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある第1の運転者支援システムのアクティブ状態を終了させ、第1のパラメータに基づいて、第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定することができる。本実装において、第1の車両は、第1のパラメータを割り出した後に、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある第1の運転者支援システムのアクティブ状態を終了させることができる。この場合、
図3(b)に示されている方法の手順は、S330b:第1の車両が第1の運転者支援システムを終了させることをさらに含む。これはS330aと同様であり、ここでは詳細を再度説明しない。
【0178】
第1の車両は、第1の運転者支援システムが終了した後に、第1のパラメータに基づいて、第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定できる。この場合、
図3(b)に示されている方法の手順は、S340b:第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定することをさらに含む。これはS340aと同様であり、ここでは詳細を再度説明しない。
【0179】
別の可能な一実装において、第1の車両は、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある第1の運転者支援システムのアクティブ状態を維持し、第1のパラメータに基づいて、第1の車両速度範囲内の車両速度で走行するように第1の車両を設定することができる。本実装において、第1の車両は、第1のパラメータを割り出した後に、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある第1の運転者支援システムのアクティブ状態を維持できる。
【0180】
第1の車両が第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行する過程で、第1の車両が更新された第1の情報を取得し、更新された第1の情報に基づいて更新された第1のパラメータを割り出すことができることを理解されたい。
図3(b)に示されている方法の手順は、S350b:第1の車両が更新された第1の情報を取得することと、S360b:第1の車両が更新された第1のパラメータを割り出すこととをさらに含む。
【0181】
例えば、第1の車両は、更新された第1のパラメータを割り出した後に、更新された第1のパラメータに基づいて、第2の車両速度範囲内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定する。すなわち、
図3(b)に示されている方法の手順は、S370a:第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定することをさらに含む。
【0182】
第1の車両が、更新された第1のパラメータに基づいて、第2の車両速度範囲内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定することは、以下を含む。
【0183】
第1の車両は、適正運転速度範囲と第2の車両速度範囲とに交差があると判断する。
【0184】
第1の車両は、適正運転速度範囲と第2の車両速度範囲との交差内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定する。
【0185】
第1の車両が第2の車両速度範囲内の第2の車両速度で走行することが、第1の車両が更新された第1のパラメータに基づいて第2の運転者支援システムを起動できることを意味することを理解されたい。すなわち、
図3(b)に示されている方法の手順は、S380b:第1の車両が第2の運転者支援システムを起動することをさらに含む。
【0186】
図3(b)に示されている実施形態において、第1の車両は、第1のパラメータに基づいて、作動状態を維持するように第1の運転者支援システムを制御でき、または第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の上限または第1の車両速度範囲の下限に達したときに、第1の車両は、第1のパラメータに基づいて、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があるかどうかをさらに判断できる。第1の車両は、第1の車両の適正運転速度範囲が第1の車両速度範囲内にないと判断した場合に、第1の運転者支援システムのアクティブ状態を終了させ、第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行するために、第1の車両を加速または減速するように制御し、更新された第1のパラメータに基づいて、第1の車両の車両速度を第2の車両速度範囲の上限または第2の車両速度範囲の下限に到達させて、第2の運転者支援システムを起動する。
【0187】
具体的に述べると、
図3(b)に示されている車両制御方法では、運転者が頻繁に車両を引き受けて制御する必要がない。第1の車両は、第1の運転者支援システムのアクティブ状態を終了させ、第1の車両の車両速度が第2の運転者支援システムに対応する第2の車両速度範囲の上限または下限に達するように、第1の車両の車両速度を自動的に制御することができる。このようにして、第2の運転者支援システムが第1の車両の制御を引き継ぐ。この手順では、運転者の介入がなく、自動運転の連続性が向上する。
【0188】
具体的に述べると、第1のパラメータの前述の可能性に対応し、第1の車両は、以下のいくつかの方式で第1の車両を制御する。
【0189】
方式1:
S320の可能性1に対応し、第1のパラメータはTTC(t)である。
【0190】
TTC(t)が正ではない数であるか、またはTTC(t)が第1の既定閾値より大きく、第1の車両速度範囲の下限が第2の車両速度範囲の上限より大きい場合、第1の車両は、TTC(t)に基づいて、第1の運転者支援システムがアクティブ状態を維持するように制御する。
【0191】
TTC(t)が正ではない数(例えば、V1(t)-V2(t)が0または負の数)である場合は、第1の車両の車両速度が第2の車両の車両速度以下であることを意味することを理解されたい。現在、衝突は発生していないため、第1の車両の車両速度が第2の車両の車両速度以下であれば、衝突が発生する見込みはない。TTC(t)が正ではない数である場合は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険はないと考えられる。
【0192】
TTC(t)が正ではない数であるか、またはTTC(t)が第1の既定閾値より大きい場合に、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないことは、上記の説明から分かる。第1の車両速度範囲の下限が第2の車両速度範囲の上限より大きい場合は、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲と第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲との交差はなく、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲の下限は、第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲の上限より大きい。
【0193】
例えば、第1の運転者支援システムはACCシステム(適用される第1の車両速度範囲は65km/h~120km/h)であり、第2の運転者支援システムはTJAシステム(適用される第2の車両速度範囲は0km/h~60km/h)である。説明を容易にするため、方式1では、第1の運転者支援システムがACCシステムであり、第2の運転者支援システムがTJAシステムである一例を説明に用いる。
【0194】
図5は、本出願の一実施形態による第1の車両を制御するフローチャートである。具体的に述べると、方式1において、第1の車両が第1のパラメータに基づいて第1の車両を制御する具体的な手順は、以下を含む。
【0195】
S510:第1の車両は第2の車両に関する情報を取得する。
【0196】
第2の車両に関する情報は、第2の車両の車両速度情報と第2の車両の位置情報とを含む。
【0197】
S520:第1の車両はTTC#1(t)を計算する。
【0198】
第1の車両は、第2の車両の車両速度と第1の車両の車両速度とに基づいて第1の車両と第2の車両との相対速度v#1(t)を計算し、第1の車両は、第2の車両の位置と第1の車両の位置とに基づいて第1の車両と第2の車両との車間距離x#1(t)を計算し、TTC#1(t)=x#1(t)/v#1(t)である。
【0199】
S530:第1の車両は、TTC#1(t)が正ではない数であるかどうかを判断する。
【0200】
方式1において、TTC#1(t)は正ではない数であり得る。
【0201】
S540:第1の車両は、TTC#1(t)が第1の既定閾値より大きいかどうかを判断する。
【0202】
方式1において、TTC#1(t)は第1の既定閾値より大きい値であり得る。
【0203】
S520が遂行された後にS540が遂行される可能性があり、またはS530が遂行された後にS540が遂行される可能性があることを(例えば、S530で判断結果が「いいえ」である場合)理解されたい。これは本実施形態で限定されない。
【0204】
S550:ACCはアクティブ状態を維持する。
【0205】
方式1において、第1の車両の移動速度は、ACCが適用される第1の車両速度範囲内に維持される。
【0206】
例えば、第1の車両は加速できるが、速度範囲は120km/h以下である。
【0207】
走行過程において、第1の車両が、第2の車両に関する更新された情報を取得し、取得した第2の車両に関する更新された情報に基づいて、衝突が発生するかどうかを判断し、判断結果に基づいて第1の車両を制御できることを理解されたい。
【0208】
方式2:
S320の可能性1に対応し、第1のパラメータはTTC(t)である。
【0209】
TTC(t)が正ではない数であるか、またはTTC(t)が第1の既定閾値より大きく、第1の車両速度範囲の上限が第2の車両速度範囲の下限に満たない場合、第1の運転者支援システムは、第1の車両を加速するように制御する。車両速度が第1の車両速度範囲の上限に達すると、第1の車両は、TTC(t)に基づいて、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないと判断する。第1の車両は、第1の車両の適正運転速度範囲が第1の車両速度範囲を超えていると判断した場合に、第1の運転者支援システムに終了することを指示し、第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行するために、第1の車両を加速し続けるように制御する。
【0210】
第1の車両が第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行する過程で、第1の車両は、更新された第1の情報を取得し、更新された第1の情報に基づいて更新された第1のパラメータを割り出し、次いで、更新された第1のパラメータに基づいて(例えば、更新された第1のパラメータは、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないことを指示し、第1の車両は、第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲内にあると判断できる)、第1の車両を加速するように制御することができ、その結果、第1の車両の車両速度は第2の車両速度範囲の下限に達し、第2の運転者支援システムが起動する。
【0211】
方式1で説明されているものと同様、TTC(t)が正ではない数であるか、またはTTC(t)が第1の既定閾値より大きい場合は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険はない。第1の車両速度範囲の上限が第2の車両速度範囲の下限に満たない場合は、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲と第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲との交差はなく、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲の上限は、第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲の下限より大きい。
【0212】
例えば、第1の運転者支援システムはTJAシステム(適用される第1の車両速度範囲は0km/h~60km/h)であり、第2の運転者支援システムはACCシステム(適用される第2の車両速度範囲は65km/h~120km/h)である。説明を容易にするため、方式2では、第1の運転者支援システムがTJAシステムであり、第2の運転者支援システムがACCシステムである一例を説明に用いる。
【0213】
図6は、本出願の一実施形態による第1の車両を制御する別のフローチャートである。具体的に述べると、方式2において、第1の車両が第1の車両を制御する具体的な手順は、以下を含む。
【0214】
S610:第1の車両は第2の車両に関する情報を取得する。
【0215】
第2の車両に関する情報は、第2の車両の車両速度情報と第2の車両の位置情報とを含む。
【0216】
S620:第1の車両はTTC#2(t)を計算する。
【0217】
第1の車両は、第2の車両の車両速度と第1の車両の車両速度とに基づいて第1の車両と第2の車両との相対速度v#2(t)を計算し、第1の車両は、第2の車両の位置と第1の車両の位置とに基づいて第1の車両と第2の車両との車間距離x#2(t)を計算し、TTC#2(t)=x#2(t)/v#2(t)である。
【0218】
S630:第1の車両は、TTC#2(t)が正ではない数であるかどうかを判断する。
【0219】
方式2において、TTC#2(t)は正ではない数であり得る。
【0220】
S640:第1の車両は、TTC#2(t)が第1の既定閾値より大きいかどうかを判断する。
【0221】
方式2において、TTC#2(t)は第1の既定閾値より大きい値であり得る。
【0222】
S620が遂行された後にS640が遂行される可能性があり、またはS630が遂行された後にS640が遂行される可能性があることを(例えば、S630で判断結果が「いいえ」である場合)理解されたい。これは本実施形態で限定されない。
【0223】
TTC#2(t)が正ではない数であるか、または第1の既定閾値より大きい場合は、TJAが第1の車両を加速するように制御する。すなわち、
図6に示されている手順は、S650:TJAを維持することをさらに含む。
【0224】
S660:第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の上限に達しているかどうかを判断する。
【0225】
S670:第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の上限に達すると、第1の車両は、TTC#2(t)に基づいて、衝突の危険がないと判断し、第1の運転者支援システムに作動状態を終了することを指示する。第1の車両は、TTC#2(t)に基づいて、第1の車両を加速し続けるように制御し、その結果、第1の車両の車両速度は第2の車両速度範囲の下限に達し、第2の運転者支援システムが起動する。すなわち、
図6に示されている手順は、S680:ACCを起動することをさらに含む。
【0226】
第1の車両が加速し、速度が第1の車両速度範囲の上限に達すると、第1の車両が、TTC#2(t)に基づいて、衝突の危険がまだないと判断し、第1の運転者支援システムが終了することを理解されたい。車両制御システムの現在の設計によると、第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の上限に達し、衝突の危険がないと運転者が判断した場合は、加速するために、運転者が第1の車両を引き受ける。
【0227】
方式2において、第1の運転者支援システムが第1の車両を加速するように制御し、速度が第1の車両速度範囲の上限に達すると、第1の車両は、TTC#2(t)に基づいて、衝突の危険がまだないと判断し、第1の運転者支援システムは作動状態を終了し、車両内の制御システム(例えば、V2X制御システムと呼ばれることもある)は、加速を続けるために第1の車両を引き受け、その結果、第1の車両の車両速度は第2の車両速度範囲の下限に達し、第2の運転者支援システムが起動する。
【0228】
具体的に述べると、第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲の下限に達すると、第2の運転者支援システムが起動され、第2の運転者支援システムが第1の車両を引き受ける。
【0229】
前述の手順では、運転者が第1の車両を引き受ける必要はない。衝突の危険がないと第1の車両が判断した場合は、第1の運転者支援システムが第1の車両を加速するように制御し、加速の過程で、第2の車両との衝突の危険があるかどうかを監視し続ける。第1の運転者支援システムが第1の車両を加速するように制御し、速度が第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲の上限に達したときに、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がまだない場合は、第1の運転者支援システムが終了し、第1の車両内の制御システム(例えば、V2X制御システムと呼ばれることもある)は、第1の車両を加速し続けるように制御する。第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲の下限に達すると、第2の運転者支援システムが起動され、第2の運転者支援システムが第1の車両を引き受ける。
【0230】
任意に選べることとして、制御システムが第1の車両を加速し続けるように制御する過程で、第1の車両は、第2の車両との衝突の危険があるかどうかを監視し続ける。第1の車両と第2の車両との衝突の危険がある場合は、制御システムが第1の車両を減速するように制御し、その結果、第1の車両の車両速度は第1の車両速度範囲の上限に達し、第1の運転者支援システムが再起動される。
【0231】
本出願の本実施形態で、制御システムが第1の運転者支援システムと第2の運転者支援システムとの切り替えの連続性をどのように改善するかが主に説明されることを理解されたい。制御システムの具体的な車両速度制御機能は詳しく説明しない。制御システムが第1のパラメータに基づいて車両速度を連続的に制御できることに注意されたい。
【0232】
方式3:
S320の可能性1に対応し、第1のパラメータはTTC(t)である。
【0233】
TTC(t)が第1の既定閾値以下であり、第1の車両速度範囲の下限が第2の車両速度範囲の上限より大きい場合は、第1の運転者支援システムが第1の車両を減速するように制御する。車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達すると、第1の車両は、TTC(t)に基づいて、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があると判断する。第1の車両は、第1の車両の適正運転速度範囲が第1の車両速度範囲未満であると判断した場合に、第1の運転者支援システムに終了することを指示し、第1の車両速度範囲より低い第1の車両速度で走行するために、第1の車両を減速し続けるように制御する。
【0234】
第1の車両が第1の車両速度範囲より低い第1の車両速度で走行する過程で、第1の車両は、更新された第1の情報を取得し、更新された第1の情報に基づいて更新された第1のパラメータを割り出し、次いで、更新された第1のパラメータに基づいて(例えば、更新された第1のパラメータは、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないことを指示し、第1の車両は、第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲内にあると判断できる)、第1の車両を減速し続けるように制御することができ、その結果、第1の車両の車両速度は第2の車両速度範囲の下限に達し、第2の運転者支援システムが起動する。
【0235】
方式1で説明されているものと同様、TTC(t)が第1の既定閾値より大きい場合は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険はない。TTC(t)が第1の既定閾値以下である場合は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があることを意味する。したがって、方式3では、衝突を回避するために、第1の車両が車両速度を落とす必要がある。第1の車両速度範囲の下限が第2の車両速度範囲の上限より大きい場合は、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲と第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲との交差はなく、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲の下限は、第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲の上限より大きい。
【0236】
例えば、第1の運転者支援システムはACCシステム(適用される第1の車両速度範囲は65km/h~120km/h)であり、第2の運転者支援システムはTJAシステム(適用される第2の車両速度範囲は0km/h~60km/h)である。説明を容易にするため、方式3では、第1の運転者支援システムがACCシステムであり、第2の運転者支援システムがTJAシステムである一例を説明に用いる。
【0237】
図7は、本出願の一実施形態による第1の車両を制御するさらに別のフローチャートである。具体的に述べると、方式3において、第1の車両が第1の車両を制御する具体的な手順は、以下を含む。
【0238】
S710:第1の車両は第2の車両に関する情報を取得する。
【0239】
第2の車両に関する情報は、第2の車両の車両速度情報と第2の車両の位置情報とを含む。
【0240】
S720:第1の車両はTTC#3(t)を計算する。
【0241】
第1の車両は、第2の車両の車両速度と第1の車両の車両速度とに基づいて第1の車両と第2の車両との相対速度v#3(t)を計算し、第1の車両は、第2の車両の位置と第1の車両の位置とに基づいて第1の車両と第2の車両との車間距離x#3(t)を計算し、TTC#3(t)=x#3(t)/v#3(t)である。
【0242】
S730:第1の車両は、TTC#3(t)が正ではない数であるかどうかを判断する。
【0243】
方式3において、TTC#3(t)は正の数である。
【0244】
S740:第1の車両は、TTC#3(t)が第1の既定閾値より大きいかどうかを判断する。
【0245】
方式3において、TTC#3(t)は第1の既定閾値以下の値である。
【0246】
S730が遂行された後にS740が遂行される可能性があり、すなわち、TTC#3(t)が正の数であると判断された後には、TTC#3(t)が第1の既定閾値以下の値であると判断されることを理解されたい。あるいは、S740とS730が1つのステップに組み合わされてもよく、すなわち、S720の後には、TTC#3(t)が0より大きく且つ第1の既定閾値以下の値であるかどうかが直接判断される。これは本実施形態で限定されない。
【0247】
TTC#3(t)が第1の既定閾値以下の正の数である場合は、ACCが第1の車両を減速させるように制御する。すなわち、
図7に示されている手順は、S750:ACCを維持することをさらに含む。
【0248】
S760:第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達しているかどうかを判断する。
【0249】
S770:第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達すると、第1の車両は、TTC#3(t)に基づいて、衝突の危険があると判断し、第1の運転者支援システムに作動状態を終了することを指示する。第1の車両は、TTC#3(t)に基づいて、第1の車両を減速し続けるように制御し、その結果、第1の車両の車両速度は第2の車両速度範囲の上限に達し、第2の運転者支援システムが起動して作動状態になる。すなわち、
図7に示されている手順は、S780:TJAを起動することをさらに含む。
【0250】
第1の車両が減速し、速度が第1の車両速度範囲の下限に達すると、第1の車両が、TTC#3(t)に基づいて、衝突の危険があると判断し、第1の運転者支援システムが終了することを理解されたい。車両制御システムの現在の設計によると、第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達し、衝突の危険があると運転者が判断した場合は、減速するために、運転者が第1の車両を引き受ける。
【0251】
方式3において、第1の運転者支援システムが第1の車両を減速するように制御し、速度が第1の車両速度範囲の下限に達すると、第1の車両は、TTC#3(t)に基づいて、衝突の危険があると判断し、第1の運転者支援システムは作動状態を終了し、車両内の制御システム(例えば、V2X制御システムと呼ばれることもある)は、減速を続けるために第1の車両を引き受け、その結果、第1の車両の車両速度は第2の車両速度範囲の上限に達し、第2の運転者支援システムが起動する。
【0252】
具体的に述べると、第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲の上限に達すると、第2の運転者支援システムが起動され、第2の運転者支援システムが第1の車両を引き受ける。
【0253】
前述の手順では、運転者が第1の車両を引き受ける必要はない。第2の車両との衝突の危険があると第1の車両が判断した場合は、第1の運転者支援システムが第1の車両を減速するように制御し、減速の過程で、第2の車両との衝突の危険があるかどうかを監視し続ける。第1の運転者支援システムが第1の車両を減速するように制御し、速度が第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲の下限に達したときに、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がまだある場合は、第1の運転者支援システムが終了し、第1の車両内の制御システム(例えば、V2X制御システムと呼ばれることもある)は、第1の車両を減速し続けるように制御する。第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲の上限に達すると、第2の運転者支援システムが起動され、第2の運転者支援システムが第1の車両を引き受ける。
【0254】
任意に選べることとして、制御システムが第1の車両を減速し続けるように制御する過程で、第1の車両は、第2の車両との衝突の危険があるかどうかを監視し続ける。第1の車両と第2の車両との衝突の危険がない場合は、制御システムが第1の車両を加速するように制御し、その結果、第1の車両の車両速度は第1の車両速度範囲の下限に達し、第1の運転者支援システムが再起動される。
【0255】
さらに、方式3において、第2の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲が0km/hを含まない場合に、例えば、第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲が10km/h~60km/hである場合に、第1の車両の車両速度が10km/hに達すると、更新されたTTC#3(t)に基づいて、衝突がさらに発生する可能性があると判断される。
図7に示されている手順は、S790:第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲の下限に達しているかどうかを判断することをさらに含む。第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲の下限に達すると、第1の車両は、更新されたTTC#3(t)に基づいて、衝突の危険があると判断し、第2の運転者支援システムは作動状態を終了する。第1の車両は、更新されたTTC#3(t)に基づいて、第1の車両の速度が0km/hになるまで減速し続けるように第1の車両を制御する。
【0256】
方式4:
S320の可能性1に対応し、第1のパラメータはTTC(t)である。
【0257】
TTC(t)が第1の既定閾値以下の正の数であり、第1の車両速度範囲の上限が第2の車両速度範囲の下限に満たない場合、第1の車両は、TTC(t)に基づいて、作動状態を維持するように第1の運転者支援システムを制御する。
【0258】
方式1で説明されているものと同様、TTC(t)が第1の既定閾値より大きい場合は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険はない。TTC(t)が第1の既定閾値以下である場合は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があることを意味する。したがって、方式4では、衝突を回避するために、第1の車両が車両速度を落とす必要がある。第1の車両速度範囲の上限が第2の車両速度範囲の下限に満たない場合は、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲と第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲との交差はなく、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲の上限は、第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲の下限より大きい。
【0259】
例えば、第1の運転者支援システムはTJAシステム(適用される第1の車両速度範囲は0km/h~60km/h)であり、第2の運転者支援システムはACCシステム(適用される第2の車両速度範囲は65km/h~120km/h)である。説明を容易にするため、方式4では、第1の運転者支援システムがTJAシステムであり、第2の運転者支援システムがACCシステムである一例を説明に用いる。
【0260】
図8は、本出願の一実施形態による第1の車両を制御するさらに別のフローチャートである。具体的に述べると、方式4において、第1の車両が第1の車両を制御する具体的な手順は、以下を含む。
【0261】
S810:第1の車両は第2の車両に関する情報を取得する。
【0262】
第2の車両に関する情報は、第2の車両の車両速度情報と第2の車両の位置情報とを含む。
【0263】
S820:第1の車両はTTC#4(t)を計算する。
【0264】
第1の車両は、第2の車両の車両速度と第1の車両の車両速度とに基づいて第1の車両と第2の車両との相対速度v#4(t)を計算し、第1の車両は、第2の車両の位置と第1の車両の位置とに基づいて第1の車両と第2の車両との車間距離x#4(t)を計算し、TTC#4(t)=x#4(t)/v#4(t)である。
【0265】
S830:第1の車両は、TTC#4(t)が正ではない数であるかどうかを判断する。
【0266】
方式4において、TTC#4(t)は正の数である。
【0267】
S840:第1の車両は、TTC#4(t)が第1の既定閾値より大きいかどうかを判断する。
【0268】
方式4において、TTC#4(t)は第1の既定閾値以下の値である。
【0269】
S830が遂行された後にS840が遂行される可能性があり、すなわち、TTC#4(t)が正の数であると判断された後には、TTC#4(t)が第1の既定閾値以下の値であると判断されることを理解されたい。あるいは、S840とS830が1つのステップに組み合わされてもよく、すなわち、S820の後には、TTC#4(t)が0より大きく且つ第1の既定閾値以下の値であるかどうかが直接判断される。これは本実施形態で限定されない。
【0270】
TTC#4(t)が第1の既定閾値以下の正の数である場合は、第1の車両が減速する必要がある。第1の車両速度範囲の上限は第2の車両速度範囲の下限より小さいため、第1の車両を現在制御している第1の運転者支援システムは、第1の車両を減速するように制御する。
図8に示されている手順は、S850:TJAがアクティブ状態を維持することをさらに含む。
【0271】
例えば、TJAは第1の車両を減速するように制御する。走行過程において、第1の車両は、第2の車両に関する更新された情報を取得し、取得した第2の車両に関する更新された情報に基づいて、衝突が発生するかどうかを判断し、判断結果に基づいて第1の車両を制御する。更新されたTTC#4(t)に基づいて、衝突が発生する可能性があると継続的に判断される場合、TJAは、第1の車両の速度が0km/hになるまで減速するように第1の車両を制御できる。
【0272】
さらに、方式4において、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲が0km/hを含まない場合に、例えば、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲が10km/h~60km/hである場合に、第1の車両の車両速度が10km/hに達すると、更新されたTTC#4(t)に基づいて、衝突がさらに発生する可能性があると判断される。
図8に示されている手順は、S860:第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達しているかどうかを判断することをさらに含む。第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達すると、第1の車両は、更新されたTTC#4(t)に基づいて、衝突の危険があると判断し、第1の運転者支援システムは作動状態を終了する。第1の車両は、更新されたTTC#4(t)に基づいて、第1の車両の速度が0km/hになるまで減速し続けるように第1の車両を制御する。
【0273】
方式1から方式4における第2の車両に関する情報が、第2の車両の車両速度情報および第2の車両の位置情報以外の他の情報を含み得、例えば、第2の車両のサイズ情報や車種情報などをさらに含み得ることを理解されたい。ここでは第2の車両に関する情報を再度詳しく説明しない。
【0274】
方式5:
S320の可能性2に対応し、第1のパラメータはTI(t)である。
【0275】
TI(t)が第2の既定閾値より大きく、第1の車両速度範囲の下限が第2の車両速度範囲の上限より大きい場合は、第1の車両が、TI(t)に基づいて、アクティブ状態を維持するように第1の運転者支援システムを制御する。
【0276】
TI(t)が第2の既定閾値より大きい場合は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険はない。第1の車両速度範囲の下限が第2の車両速度範囲の上限より大きい場合は、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲と第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲との交差はなく、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲の下限は、第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲の上限より大きい。
【0277】
例えば、第1の運転者支援システムはACCシステム(適用される第1の車両速度範囲は65km/h~120km/h)であり、第2の運転者支援システムはTJAシステム(適用される第2の車両速度範囲は0km/h~60km/h)である。説明を容易にするため、方式1では、第1の運転者支援システムがACCシステムであり、第2の運転者支援システムがTJAシステムである一例を説明に用いる。
【0278】
図9は、本出願の一実施形態による第1の車両を制御するさらに別のフローチャートである。具体的に述べると、方式5において、第1の車両が第1のパラメータに基づいて第1の車両を制御する具体的な手順は、以下を含む。
【0279】
S910:第1の車両は第2の車両に関する情報を取得する。
【0280】
第2の車両に関する情報は、第2の車両の位置情報を含む。
【0281】
S920:第1の車両はTI#1(t)を計算する。
【0282】
第1の車両は、第2の車両の位置と第1の車両の位置とに基づいて第1の車両と第2の車両との車間距離x#1(t)を計算し、第1の車両の車両速度はVS#1(t)であり、TI#1(t)=VS#1(t)/x#1(t)である。
【0283】
S930:第1の車両は、TI#1(t)が第2の既定閾値より大きいかどうかを判断する。
【0284】
方式1において、TI#1(t)は第2の既定閾値より大きい値である。
【0285】
S940:ACCはアクティブ状態を維持する。
【0286】
方式1において、第1の車両の移動速度は、ACCが適用される第1の車両速度範囲内に維持される。
【0287】
例えば、第1の車両は加速できるが、速度範囲は120km/h以下である。
【0288】
走行過程において、第1の車両が、第2の車両に関する更新された情報を取得し、取得した第2の車両に関する更新された情報に基づいて、衝突が発生するかどうかを判断し、判断結果に基づいて第1の車両を制御できることを理解されたい。
【0289】
方式6:
S320の可能性2に対応し、第1のパラメータはTI(t)である。
【0290】
TI(t)が第2の既定閾値より大きく、第1の車両速度範囲の上限が第2の車両速度範囲の下限に満たない場合は、第1の運転者支援システムが第1の車両を加速するように制御する。車両速度が第1の車両速度範囲の上限を超える場合は、第1の車両が、TI(t)に基づいて、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないと判断する。第1の車両は、第1の車両の適正運転速度範囲が第1の車両速度範囲を超えていると判断した場合に、第1の運転者支援システムに終了することを指示し、第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行するために、第1の車両を加速し続けるように制御する。
【0291】
第1の車両が第1の車両速度範囲を超えた第1の車両速度で走行する過程で、第1の車両は、更新された第1の情報を取得し、更新された第1の情報に基づいて更新された第1のパラメータを割り出し、次いで、更新された第1のパラメータに基づいて(例えば、更新された第1のパラメータは、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないことを指示し、第1の車両は、第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲内にあると判断できる)、第1の車両を加速するように制御することができ、その結果、第1の車両の車両速度は第2の車両速度範囲の下限に達し、第2の運転者支援システムが起動する。
【0292】
方式5の説明と同様、TI(t)が第2の既定閾値より大きい場合は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険はない。第1の車両速度範囲の上限が第2の車両速度範囲の下限に満たない場合は、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲と第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲との交差はなく、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲の上限は、第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲の下限より大きい。
【0293】
例えば、第1の運転者支援システムはTJAシステム(適用される第1の車両速度範囲は0km/h~60km/h)であり、第2の運転者支援システムはACCシステム(適用される第2の車両速度範囲は65km/h~120km/h)である。説明を容易にするため、方式6では、第1の運転者支援システムがTJAシステムであり、第2の運転者支援システムがACCシステムである一例を説明に用いる。
【0294】
図10は、本出願の一実施形態による第1の車両を制御するさらなるフローチャートである。具体的に述べると、方式6において、第1の車両が第1の車両を制御する具体的な手順は、以下を含む。
【0295】
S1010:第1の車両は第2の車両に関する情報を取得する。
【0296】
第2の車両に関する情報は、第2の車両の位置情報を含む。
【0297】
S1020:第1の車両はTI#2(t)を計算する。
【0298】
第1の車両は、第2の車両の位置と第1の車両の位置とに基づいて第1の車両と第2の車両との車間距離x#2(t)を計算し、第1の車両の車両速度はVS#2(t)であり、TI#2(t)=VS#2(t)/x#2(t)である。
【0299】
S1030:第1の車両は、TI#1(t)が第2の既定閾値より大きいかどうかを判断する。
【0300】
方式6において、TI#2(t)は第2の既定閾値より大きい値である。
【0301】
TI#2(t)が第2の既定閾値より大きい場合は、TJAが第1の車両を加速するように制御する。すなわち、
図10に示されている手順は、S1040:TJAを維持することをさらに含む。
【0302】
S1050:第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の上限に達しているかどうかを判断する。
【0303】
S1060:第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の上限に達すると、第1の車両は、TI#2(t)に基づいて、衝突の危険がないと判断し、第1の運転者支援システムに作動状態を終了することを指示する。第1の車両は、TI#2(t)に基づいて、第1の車両を加速し続けるように制御し、その結果、第1の車両の車両速度は第2の車両速度範囲の下限に達し、第2の運転者支援システムが起動する。すなわち、
図10に示されている手順は、S1070:ACCを起動することをさらに含む。
【0304】
第1の車両が加速し、速度が第1の車両速度範囲の上限に達すると、第1の車両が、TI#2(t)に基づいて、衝突の危険がまだないと判断し、第1の運転者支援システムが終了することを理解されたい。車両制御システムの現在の設計によると、第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の上限に達し、衝突の危険がないと運転者が判断した場合は、加速するために、運転者が第1の車両を引き受ける。
【0305】
方式6において、第1の運転者支援システムが第1の車両を加速するように制御し、速度が第1の車両速度範囲の上限に達すると、第1の車両は、TI#2(t)に基づいて、衝突の危険がまだないと判断し、第1の運転者支援システムは作動状態を終了し、車両内の制御システム(例えば、V2X制御システムと呼ばれることもある)は、加速を続けるために第1の車両を引き受け、その結果、第1の車両の車両速度は第2の車両速度範囲の下限に達し、第2の運転者支援システムが起動する。
【0306】
具体的に述べると、第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲の下限に達すると、第2の運転者支援システムが起動され、第2の運転者支援システムが第1の車両を引き受ける。
【0307】
前述の手順では、運転者が第1の車両を引き受ける必要はない。衝突の危険がないと第1の車両が判断した場合は、第1の運転者支援システムが第1の車両を加速するように制御し、第2の車両との衝突の危険があるかどうかを監視し続ける。第1の運転者支援システムが第1の車両を加速するように制御し、速度が第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲の上限に達したときに、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がまだない場合は、第1の運転者支援システムが終了し、第1の車両内の制御システム(例えば、V2X制御システムと呼ばれることもある)は、第1の車両を加速し続けるように制御する。第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲の下限に達すると、第2の運転者支援システムが起動され、第2の運転者支援システムが第1の車両を引き受ける。
【0308】
方式7:
S320の可能性2に対応し、第1のパラメータはTI(t)である。
【0309】
TI(t)が第2の既定閾値以下であり、第1の車両速度範囲の下限が第2の車両速度範囲の上限より大きい場合は、第1の運転者支援システムが第1の車両を減速するように制御する。車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達すると、第1の車両は、TI(t)に基づいて、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があると判断する。第1の車両は、第1の車両の適正運転速度範囲が第1の車両速度範囲未満であると判断した場合に、第1の運転者支援システムに終了することを指示し、第1の車両速度範囲より低い第1の車両速度で走行するために、第1の車両を減速し続けるように制御する。
【0310】
第1の車両が第1の車両速度範囲より低い第1の車両速度で走行する過程で、第1の車両は、更新された第1の情報を取得し、更新された第1の情報に基づいて更新された第1のパラメータを割り出し、次いで、更新された第1のパラメータに基づいて(例えば、更新された第1のパラメータは、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がないことを指示し、第1の車両は、第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲内にあると判断できる)、第1の車両を減速し続けるように制御することができ、その結果、第1の車両の車両速度は第2の車両速度範囲の下限に達し、第2の運転者支援システムが起動する。
【0311】
方式5で説明されているものと同様、TI(t)が第2の既定閾値より大きい場合は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険はない。TI(t)が第2の既定閾値以下である場合は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があることを意味する。したがって、方式7では、衝突を回避するために、第1の車両が車両速度を落とす必要がある。第1の車両速度範囲の下限が第2の車両速度範囲の上限より大きい場合は、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲と第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲との交差はなく、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲の下限は、第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲の上限より大きい。
【0312】
例えば、第1の運転者支援システムはACCシステム(適用される第1の車両速度範囲は65km/h~120km/h)であり、第2の運転者支援システムはTJAシステム(適用される第2の車両速度範囲は0km/h~60km/h)である。説明を容易にするため、方式7では、第1の運転者支援システムがACCシステムであり、第2の運転者支援システムがTJAシステムである一例を説明に用いる。
【0313】
図11は、本出願の一実施形態による第1の車両を制御するさらなるフローチャートである。具体的に述べると、方式7において、第1の車両が第1の車両を制御する具体的な手順は、以下を含む。
【0314】
S1110:第1の車両は第2の車両に関する情報を取得する。
【0315】
第2の車両に関する情報は、第2の車両の位置情報を含む。
【0316】
S1120:第1の車両はTI#3(t)を計算する。
【0317】
第1の車両は、第2の車両の位置と第1の車両の位置とに基づいて第1の車両と第2の車両との車間距離x#3(t)を計算し、第1の車両の車両速度はVS#3(t)であり、TI#3(t)=VS#3(t)/x#3(t)である。
【0318】
S1130:第1の車両は、TI#3(t)が第2の既定閾値より大きいかどうかを判断する。
【0319】
方式7において、TI#3(t)は第2の既定閾値以下の値である。
【0320】
TI#3(t)が第2の既定閾値以下の正の数である場合は、ACCが第1の車両を減速するように制御する。すなわち、
図11に示されている手順は、S1140:ACCを維持することをさらに含む。
【0321】
S1150:第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達しているかどうかを判断する。
【0322】
S1160:第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達すると、第1の車両は、TI#3(t)に基づいて、衝突の危険があると判断し、第1の運転者支援システムに作動状態を終了することを指示する。第1の車両は、TI#3(t)に基づいて、第1の車両を減速し続けるように制御し、その結果、第1の車両の車両速度は第2の車両速度範囲の上限に達し、第2の運転者支援システムが起動する。すなわち、
図11に示されている手順は、S1170:TJAを起動することをさらに含む。
【0323】
第1の車両が減速し、速度が第1の車両速度範囲の下限に達すると、第1の車両が、TI#3(t)に基づいて、衝突の危険があると判断し、第1の運転者支援システムが終了することを理解されたい。車両制御システムの現在の設計によると、第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達し、衝突の危険があると運転者が判断した場合は、減速するために、運転者が第1の車両を引き受ける。
【0324】
方式7において、第1の運転者支援システムが第1の車両を減速するように制御し、速度が第1の車両速度範囲の下限に達すると、第1の車両は、TI#3(t)に基づいて、衝突の危険があると判断し、第1の運転者支援システムは作動状態を終了し、車両内の制御システム(例えば、V2X制御システムと呼ばれることもある)は、減速を続けるために第1の車両を引き受け、その結果、第1の車両の車両速度は第2の車両速度範囲の上限に達し、第2の運転者支援システムが起動する。
【0325】
具体的に述べると、第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲の上限に達すると、第2の運転者支援システムが起動され、第2の運転者支援システムが第1の車両を引き受ける。
【0326】
前述の手順では、運転者が第1の車両を引き受ける必要はない。第2の車両との衝突の危険があると第1の車両が判断した場合は、第1の運転者支援システムが第1の車両を減速するように制御し、減速の過程で、第2の車両との衝突の危険があるかどうかを監視し続ける。第1の運転者支援システムが第1の車両を減速するように制御し、速度が第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲の下限に達したときに、第1の車両と第2の車両との衝突の危険がまだある場合は、第1の運転者支援システムが終了し、第1の車両内の制御システム(例えば、V2X制御システムと呼ばれることもある)は、第1の車両を減速し続けるように制御する。第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲の上限に達すると、第2の運転者支援システムが起動され、第2の運転者支援システムが第1の車両を引き受ける。
【0327】
さらに、方式7において、第2の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲が0km/hを含まない場合に、例えば、第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲が10km/h~60km/hである場合に、第1の車両の車両速度が10km/hに達すると、更新されたTI#3(t)に基づいて、衝突がさらに発生する可能性があると判断される。
図11に示されている手順は、S1180:第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲の下限に達しているかどうかを判断することをさらに含む。第1の車両の車両速度が第2の車両速度範囲の下限に達すると、第1の車両は、更新されたTI#3(t)に基づいて、衝突の危険があると判断し、第2の運転者支援システムは作動状態を終了する。第1の車両は、更新されたTTCに基づいて、第1の車両の速度が0km/hになるまで減速し続けるように第1の車両を制御する。
【0328】
方式8:
S320の可能性2に対応し、第1のパラメータはTI(t)である。
【0329】
TI(t)が第2の既定閾値以下であり、第1の車両速度範囲の上限が第2の車両速度範囲の下限に満たない場合は、第1の車両が、TI(t)に基づいて、作動状態を維持するように第1の運転者支援システムを制御する。
【0330】
方式5で説明されているものと同様、TI(t)が第2の既定閾値より大きい場合は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険はない。TI(t)が第2の既定閾値以下である場合は、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があることを意味する。したがって、方式10では、衝突を回避するために、第1の車両が車両速度を落とす必要がある。第1の車両速度範囲の上限が第2の車両速度範囲の下限に満たない場合は、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲と第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲との交差はなく、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲の上限は、第2の運転者支援システムが適用される第2の車両速度範囲の下限より大きい。
【0331】
例えば、第1の運転者支援システムはTJAシステム(適用される第1の車両速度範囲は0km/h~60km/h)であり、第2の運転者支援システムはACCシステム(適用される第2の車両速度範囲は65km/h~120km/h)である。説明を容易にするため、方式8では、第1の運転者支援システムがTJAシステムであり、第2の運転者支援システムがACCシステムである一例を説明に用いる。
【0332】
図12は、本出願の一実施形態による第1の車両を制御するさらなるフローチャートである。具体的に述べると、方式8において、第1の車両が第1の車両を制御する具体的な手順は、以下を含む。
【0333】
S1210:第1の車両は第2の車両に関する情報を取得する。
【0334】
第2の車両に関する情報は、第2の車両の位置情報を含む。
【0335】
S1220:第1の車両はTI#4(t)を計算する。
【0336】
第1の車両は、第2の車両の位置と第1の車両の位置とに基づいて第1の車両と第2の車両との車間距離x#4(t)を計算し、第1の車両の車両速度はVS#4(t)であり、TI#4(t)=VS#4(t)/x#4(t)である。
【0337】
S1230:第1の車両は、TI#4(t)が第2の既定閾値より大きいかどうかを判断する。
【0338】
方式8において、TI#4(t)は第2の既定閾値以下の値である。
【0339】
TI#4(t)が第2の既定閾値以下の正の数である場合は、第1の車両が減速する必要がある。第1の車両速度範囲の上限は第2の車両速度範囲の下限より小さいため、第1の車両を現在制御している第1の運転者支援システムは、第1の車両を減速するように制御する。
図12に示されている手順は、S1240:TJAがアクティブ状態を維持することをさらに含む。
【0340】
例えば、TJAは第1の車両を減速するように制御する。走行過程において、第1の車両は、第2の車両に関する更新された情報を取得し、取得した第2の車両に関する更新された情報に基づいて、衝突が発生するかどうかを判断し、判断結果に基づいて第1の車両を制御する。判断結果に基づいて、衝突が発生する可能性があると継続的に判断される場合、TJAは、第1の車両の速度が0km/hになるまで減速するように第1の車両を制御できる。
【0341】
さらに、方式8において、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲が0km/hを含まない場合に、例えば、第1の運転者支援システムが適用される第1の車両速度範囲が10km/h~60km/hである場合に、第1の車両の車両速度が10km/hに達すると、TI#4(t)に基づいて、衝突がさらに発生する可能性があると判断される。
図12に示されている手順は、S1250:第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達しているかどうかを判断することをさらに含む。第1の車両の車両速度が第1の車両速度範囲の下限に達すると、第1の車両は、TI#4(t)に基づいて、衝突の危険があると判断し、第1の運転者支援システムは作動状態を終了する。第1の車両は、TI#4(t)に基づいて、第1の車両の速度が0km/hになるまで減速し続けるように第1の車両を制御する。
【0342】
方式5から方式8における第2の車両に関する情報が、第2の車両の位置情報以外の他の情報を含み得、例えば、第2の車両の車両速度情報および/または第2の車両のサイズ情報をさらに含み得ることを理解されたい。ここでは第2の車両に関する情報を再度詳しく説明しない。
【0343】
方式1から方式4で第2の車両に関する情報が第2の車両の車両速度情報と第2の車両の位置情報とを含む場合は、方式1から方式4でTIを計算することもでき、TI(t)に基づいて第1の車両を制御するステップが、方式5から方式8のそれと同様であることをさらに理解されたい。ここでは詳細を再度説明しない。
【0344】
可能な一実装において、本出願では、第1の車両は、第1のパラメータに基づいて第1の車両のターンをさらに制御できる。例えば、第1のパラメータが得られたと判断し、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があると判断した場合、第1の車両は、衝突を回避するために、第1の車両のターンを制御することによって第1の車両の走行車線を変更できる。本出願は主に、異なる運転者支援システム間の切り替えの連続性を向上させる方法と、自動運転性能を向上させる方法に関する。衝突を回避する方法に関する詳細はここでは説明しない。
【0345】
可能な一実装において、第2の車両が第1の車両の後方の車両である場合は、
図3(b)に示されている方式1から方式8とは異なり、第1の車両が第1のパラメータに基づいて第1の車両を制御する方式は以下の通りである。第1の車両が計算によって第1のパラメータを得、第1の車両と第2の車両との衝突の危険があると判断した場合、第1の車両は、危険を回避するため、加速できる。
【0346】
前述のプロセスの順序番号は、前述の方法の実施形態における実行順序を意味しない。プロセスの実行順序は、プロセスの機能と内部ロジックとに基づいて決定されるべきであり、本出願の実施形態における実施プロセスを制限するべきではない。加えて、前述の方法の実施形態の作業には、実行される必要のない作業もある可能性がある。
【0347】
前述の方法の実施形態の第1の車両が、実施形態のステップの一部または全部を遂行できることを理解されたい。これらのステップまたは作業は例にすぎない。本出願の実施形態は、他の作業を、または様々な作業のバリエーションを、遂行することをさらに含み得る。
【0348】
本出願の実施形態において、特に明記しない限り、または論理的な矛盾がない限り、様々な実施形態間で用語および/または説明が一貫しており、相互に参照でき、様々な実施形態の技術的特徴を、その内部論理的関係に基づいて組み合わせて、新たな実施形態を形成できることをさらに理解されたい。
【0349】
以上、
図3から
図12を参照しながら本出願の実施形態で提供される車両制御方法を詳しく説明した。以下では、
図13から
図15を参照しながら本出願の実施形態で提供される車両制御装置を詳しく説明する。
【0350】
図13は、本出願による車両制御装置1300の構造ブロック図である。
図13に示されているように、装置1300は、取得ユニット1310と処理ユニット1320とを含む。
【0351】
取得ユニット1310は、第1の車両の近くの動く物体の第1の情報を取得するように構成される。
【0352】
処理ユニット1320は、第1の情報に基づいて第1のパラメータを割り出すように構成される。
【0353】
処理ユニット1320は、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させ、且つ第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの車両速度範囲を超える第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定するようにさらに構成される。
【0354】
例えば、取得ユニット1310は、更新された第1の情報を取得するようにさらに構成される。
【0355】
処理ユニット1320は、更新された第1の情報に基づいて第1のパラメータを更新するようにさらに構成される。
【0356】
処理ユニット1320は、更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの車両速度範囲内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定するようにさらに構成される。
【0357】
処理ユニット1320は、更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動するようにさらに構成される。
【0358】
例えば、取得ユニット1310は受信ユニットまたは測定ユニットを含む。
【0359】
取得ユニット1310が第1の車両の近くの動く物体の第1の情報を取得することは、以下を含む。
【0360】
受信ユニットは、動く物体から第1の情報を受信するように構成され、または、測定ユニットは、測定によって動く物体の第1の情報を得るように構成される。
【0361】
例えば、処理ユニット1320が、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させることは、以下を含む。
【0362】
処理ユニット1320は、適正運転速度範囲が、アクティブ状態にある運転者支援システムのアクティブ状態に対応する車両速度範囲との交差を有していないと判断する。
【0363】
処理ユニット1320は、アクティブ状態にある運転者支援システムのアクティブ状態を終了させる。
【0364】
例えば、処理ユニット1320が、第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの車両速度範囲を超える第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定することは、処理ユニット1320が、適正運転速度範囲内の第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定することを含む。
【0365】
例えば、第1のパラメータは、第1の車両と動く物体との衝突の危険がないときに第1の車両が有することになっている適正運転速度範囲を含む。処理ユニット1320が、更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの車両速度範囲内の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定することは、以下を含む。
【0366】
処理ユニット1320は、適正運転速度範囲と少なくとも1つの車両速度範囲とに交差があると判断する。
【0367】
処理ユニット1320は、第2の車両速度を、適正運転速度範囲と少なくとも1つの車両速度範囲との交差内に設定する。
【0368】
例えば、処理ユニット1320が、更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動することは、以下を含む。
【0369】
処理ユニット1320は、少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動する。該いずれか1つの運転者支援システムのアクティブ状態に対応する車両速度範囲は、第2の車両速度を含む。
【0370】
例えば、第1の車両が少なくとも1つの運転者支援システムを備える形に構成され、少なくとも1つの運転者支援システムのアクティブ状態が少なくとも1つの車両速度範囲に対応することは、第1の車両が第1の運転者支援システムと第2の運転者支援システムとを備える形に構成され、第1の運転者支援システムのアクティブ状態が第1の車両速度範囲に対応し、第2の運転者支援システムのアクティブ状態が第2の車両速度範囲に対応し、第1の車両速度範囲と第2の車両速度範囲とが交差を有さないことを含む。
【0371】
処理ユニット1320が、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある、少なくとも1つの運転者支援システムのうちの一運転者支援システムのアクティブ状態を終了させることは、以下を含む。
【0372】
処理ユニット1320は、第1のパラメータに基づいて、現在アクティブ状態にある第1の運転者支援システムのアクティブ状態を終了させる。
【0373】
処理ユニット1320が、更新された第1のパラメータに基づいて、少なくとも1つの運転者支援システムのうちのいずれか1つを起動することは、以下を含む。
【0374】
処理ユニット1320は、更新された第1のパラメータに基づいて、第1の運転者支援システムまたは第2の運転者支援システムを起動する。
【0375】
装置1300は、
図3から
図12に示されている方法の実施形態の実行体に相当する。装置1300は、方法の実施形態における第1の車両であってよく、または方法の実施形態における第1の車両内のチップ、回路、コンポーネント、システム、もしくは機能モジュールは、車両対万物における別のデバイス(例えば、路側装置RSUまたはアプリケーションサーバ)であってもよい。装置1300の対応するユニットは、
図3から
図12に示されている方法の実施形態の対応するステップを遂行するように構成される。
【0376】
装置1300内の取得ユニット1310は、方法の実施形態で第1の車両の対応する取得関連ステップを遂行するように構成され、例えば、
図3(a)の第1の情報を取得するステップS310aを遂行し、
図3(a)の更新された第1の情報を取得するステップS350aを遂行し、
図3(b)の第1の情報を取得するステップS310bを遂行し、
図3(b)の更新された第1の情報を取得するステップS350bを遂行し、
図5から
図12の第2の車両に関する情報を取得するステップを遂行するように、構成される。
【0377】
装置1300内の処理ユニット1320は、方法の実施形態で第1の車両の対応する処理関連ステップを遂行するように構成され、例えば、
図3(a)の第1のパラメータを割り出すステップS320aを遂行し、
図3(a)の第1の運転者支援システムを終了させるステップS330aを遂行し、
図3(a)の第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定するステップS330aを遂行し、
図3(a)の更新された第1のパラメータを割り出すステップS360aを遂行し、
図3(a)の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定するステップS370aを遂行し、
図3(a)の第1の運転者支援システムを再起動するステップS380aを遂行し、
図3(b)の第1のパラメータを割り出すステップS320bを遂行し、
図3(b)の第1の運転者支援システムを終了させるステップS330bを遂行し、
図3(b)の第1の車両速度で走行するように第1の車両を設定するステップS330bを遂行し、
図3(b)の更新された第1のパラメータを割り出すステップS360bを遂行し、
図3(b)の第2の車両速度で走行するように第1の車両を設定するステップS370bを遂行し、
図3(b)の第2の運転者支援システムを起動するステップS380bを遂行し、
図4から
図8のTTCを計算するステップを遂行し、
図4から
図8のTTCと0との値関係およびTTCと第1の閾値との値関係を判断するステップを遂行し、
図3(a)の第1の運転者支援システムを再起動するステップS330aを遂行し、
図3(b)の第1の車両を制御するステップS330bを遂行し、
図4から
図8の第1の車両を制御するステップを遂行するように、構成される。
【0378】
図13のユニットのうちのいずれか1つ以上のみが、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって実装されてよい。ソフトウェアまたはファームウェアは、コンピュータプログラム命令またはコードを含み、ただしこれらに限定されず、ハードウェアプロセッサによって実行されてよい。ハードウェアは、様々な集積回路を、例えば、中央処理装置(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または特定用途向け集積回路(ASIC)を、含み、ただしこれらに限定されない。前述のユニットは独立して存在してよく、または全面的にか部分的に統合されてもよい。
【0379】
図14は、本出願の一実施形態に適用可能な第1の車両1400の構造ブロック図である。第1の車両1400は、
図1に示されているシステムに適用できる。説明を容易にするため、
図14は第1の車両の主要コンポーネントのみを示している。
図14に示されているように、第1の車両1400は、プロセッサと、メモリと、制御回路と、アンテナと、入出力装置とを含む。
【0380】
メモリはコンピュータプログラム命令を保管する。プロセッサは、
図3から
図12に示されている方法の実施形態で説明されている車両制御方法を遂行するために、コンピュータプログラム命令を実行する。アンテナと入出力装置は、第1の情報を取得するように構成されてよい。制御回路は、車両がプロセッサによって設定された速度で走行するように、車両動力装置を制御するように構成されてよい。
【0381】
当業者であれば、説明を容易にするために、
図14がただ1つのメモリとただ1つのプロセッサを示していることを理解できる。実際には、第1の車両が複数のプロセッサおよびメモリを含み得る。メモリは、記憶媒体や記憶装置などと呼ばれることもある。これは本出願の実施形態で限定されない。
【0382】
図15は、本出願の一実施形態に適用可能な第1の車両1500の構造の概略図である。第1の車両1500は、
図1に示されているシステムに適用できる。説明を容易にするため、
図15は第1の車両の主要コンポーネントのみを示している。
図15に示されているように、第1の車両1500は、プロセッサ1510と、メモリ1520と、センサ1530とを含む。
【0383】
メモリ1520はコンピュータプログラム命令を保管する。プロセッサ1510は、
図3から
図12に示されている方法の実施形態で説明されている車両制御方法を遂行するために、コンピュータプログラム命令を実行する。センサ1530は、第1の情報を取得するように構成されてよい。本出願はコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ可読記憶媒体は命令を保管する。命令がコンピュータ上で実行されると、車両制御装置は、
図3から
図12に示されている方法のステップを遂行することが可能になる。
【0384】
本出願は、命令を含むコンピュータプログラム製品をさらに提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行すると、車両制御装置は、
図3から
図12に示されている方法のステップを遂行することが可能になる。
【0385】
本出願は、プロセッサを含むチップをさらに提供する。プロセッサは、本出願で提供される車両制御方法で第1の車両によって遂行される対応する作業および/または手順を遂行するために、メモリに保管されたコンピュータプログラムを読み取り、且つ実行するように構成される。任意に選べることとして、チップはメモリをさらに含む。メモリとプロセッサは、回路または配線を使用してメモリに接続される。プロセッサは、メモリ内のコンピュータプログラムを読み取り、且つ実行するように構成される。さらに、任意に選べることとして、チップは通信インターフェイスを含む。プロセッサは通信インターフェイスに接続される。通信インターフェイスは、処理される必要があるデータおよび/または情報を受信するように構成される。プロセッサは通信インターフェイスからデータおよび/または情報を取得し、データおよび/または情報を処理する。通信インターフェイスは、チップ内の入出力インターフェイス、インターフェイス回路、出力回路、入力回路、ピン、関連回路などであってよい。プロセッサは、代わりに、処理回路または論理回路として具現化されてよい。
【0386】
前述のチップは、代わりに、チップシステムに置き換えられてよい。ここでは詳細を再度説明しない。プロセッサは、様々なCPU、DSP、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、または人工知能プロセッサを含み、ただしこれらに限定されない。
【0387】
本出願において、「含む」、「有する」という用語、および他の何らかの変形は、非排他的な包含をカバーすることを意味し、例えば、ステップまたはユニットの列挙を含むプロセス、方法、システム、製品、またはデバイスは、明確に列挙されているそれらのステップまたはユニットに必ずしも限定されず、明示的に列挙されていない、またはそのようなプロセス、方法、製品、もしくはデバイスに固有の、他のステップまたはユニットを含み得る。
【0388】
加えて、本出願における「および/または」という用語は、関連する対象間の関連関係のみを記述し、3つの関係が存在し得ることを表す。例えば、Aおよび/またはBは、以下の3つの場合を、すなわち、Aのみが存在する場合、AとBの両方が存在する場合、およびBのみが存在する場合を、表し得る。加えて、本明細書における文字「/」は、一般的に、関連する対象間の「または」関係を示す。本出願における「少なくとも1つ」という用語は、「1つ」および「2つ以上」を表し得る。例えば、A、B、およびCのうちの少なくとも1つは、以下の7つの場合を、すなわち、Aのみが存在する場合、Bのみが存在する場合、Cのみが存在する場合、AとBの両方が存在する場合、AとCの両方が存在する場合、CとBの両方が存在する場合、ならびにA、B、およびCが存在する場合を、示し得る。
【0389】
当業者なら、本出願で提供される実施形態の説明が相互に参照可能であることを明確に理解できる。説明を容易且つ簡潔にするため、例えば、本出願の実施形態で提供される装置およびデバイスの機能ならびに遂行されるステップについては、本出願の方法の実施形態の関連する説明を参照されたい。様々な方法の実施形態間で、また様々な装置の実施形態間で、参照を行うこともできる。
【0390】
当業者なら、方法の実施形態のステップの全部または一部が、関連するハードウェアに命令するプログラムによって実施され得ることを理解できる。プログラムはコンピュータ可読記憶媒体に保管されてよい。プログラムが実行されると、方法の実施形態のステップの一部または全部が遂行される。前述の記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスク、または光ディスクなど、プログラムコードを保管できる様々な媒体を含む。
【0391】
前述の実施形態の全部または一部は、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせを使用することによって実装されてよい。ソフトウェアを使用して実施形態を実装する場合は、実施形態の全部または一部をコンピュータプログラム製品の形で実装できる。コンピュータプログラム製品は1つ以上のコンピュータ命令を含む。コンピュータプログラム命令がコンピュータに読み込まれて実行されると、本出願の実施形態による手順または機能が全面的にか部分的に生成される。コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、または他のプログラム可能な装置であってよい。コンピュータ命令はコンピュータ可読記憶媒体に保管されてよく、または或るコンピュータ可読記憶媒体から別のコンピュータ可読記憶媒体へ送信されてよい。例えば、コンピュータ命令は、或るウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデータセンターから別のウェブサイト、コンピュータ、サーバ、またはデーデータセンターへ、有線方式(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、またはデジタル加入者回線(DSL))で、または無線方式(例えば、赤外線、電波、またはマイクロ波)で、送信されてよい。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータによってアクセス可能な何らかの使用可能な媒体であってよく、または1つ以上の使用可能な媒体を統合したデータ記憶装置、例えばサーバまたはデータセンターであってよい。使用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、または磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、半導体媒体(例えば、ソリッドステートディスクSolid State Disk(SSD))などであってよい。
【0392】
本出願で提供されるいくつかの実施形態において、開示されているシステム、装置、および方法が、本出願の範囲から逸脱することなく、別のやり方で実装され得ることを理解されたい。例えば、説明されている実施形態は一例にすぎない。例えば、モジュールまたはユニットへの分割は論理的な機能分割にすぎず、実際の実装では別の分割であってもよい。例えば、複数のユニットまたはコンポーネントが組み合わされるか、または別のシステムに統合されてもよく、またはいくつかの機能が無視されてもよく、または実行されなくてもよい。別々の部分として説明されているユニットは物理的に別々であってもなくてよく、ユニットとして表示されている部分は物理的なユニットであってもなくてよく、1箇所に配置されてよく、複数のネットワークユニット上に分散されてもよい。実施形態の解決策の目的を達成するため、実際の要件に基づいてモジュールの一部または全部が選択されてよい。当業者なら、創造的な努力を払わずとも実施形態を理解し、実装できる。
【0393】
加えて、システム、装置、方法、および様々な実施形態を示す概略図は、本出願の範囲から逸脱することなく、他のシステム、モジュール、技術、または方法と組み合わせること、または統合することができる。加えて、表示または論述されている相互結合または直接結合または通信接続は、いくつかのインターフェイスを通じて実装されてよい。装置またはユニット間の間接結合または通信接続は、電子的形態、機械的形態、またはその他の形態で実装されてよい。
【0394】
前述の説明は、本出願の特定の実装にすぎず、本出願の保護範囲を限定することを意図するものではない。本出願に開示されている技術的範囲内で当業者によって容易に考え出されるいかなるバリエーションや置換も、本出願の保護範囲内に入るものとする。したがって、本出願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0395】
1300 車両制御装置
1310 取得ユニット
1320 処理ユニット
1400 車両
1500 車両
1510 プロセッサ
1520 メモリ
1530 センサ