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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】ワイパーシステム接続装置用のカバー
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/40 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
B60S1/40 200F
B60S1/40 100B
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022551818
(86)(22)【出願日】2021-02-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2021052611
(87)【国際公開番号】W WO2021170359
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】2002048
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】バンサン、ゴシェ
(72)【発明者】
【氏名】オリビエ、ジョマール
(72)【発明者】
【氏名】エリック、ポトン
【審査官】神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-253924(JP,A)
【文献】特開2016-028947(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0246659(US,A1)
【文献】特開2004-074920(JP,A)
【文献】特開2004-123009(JP,A)
【文献】特開昭61-089151(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00 - 1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイパー(110)のコネクタ(210)とワイパーアーム(120、120’)とを接続する接続装置(200)用のカバー(223)であって、
前記カバー(223)は、前記接続装置(200)のアダプタ(220)に回転可能に装着されるのに適しており、
前記カバー(223)は、その長手方向における一方の端部として、第1端部(231)を有し、
前記第1端部(231)は、前記アダプタ(220)のロッド(228)と相互作用するのに適した少なくとも1つの軸受(235)を含み、
前記カバー(223)は、第1回転方向(S1)において閉鎖されるとともに、第2回転方向(S2)において開放されるように構成され、
前記軸受(235)は、前記第1回転方向(S1)において前記アダプタ(220)の前記ロッド(228)に対する前記軸受(235)の係合を解除可能とするのに適している、少なくとも1つのタブ(250)を含むことを特徴とするカバー(223)。
【請求項2】
前記軸受(235)は、第1ベース(236)及び第2ベース(237)を含み、主延在軸(R’)に沿っ中空円筒形状であって、中空スペース(239)を規定する周壁(238)を含む中空円筒形状であり、
軸方向開口部(240)が、前記周壁(238)に設けられ、
前記軸方向開口部(240)は、前記第1ベース(236)前記第2ベース(237)との間で開口し
前記軸方向開口部(240)は、前記アダプタ(220)の少なくとも1つの前記ロッド(228)を受容するのに適している、
請求項1に記載のカバー(223)。
【請求項3】
前記周壁(238)は、互いに離間するとともに前記周壁(238)に設けられた前記軸方向開口部(240)を規定する第1縁部(241)および第2縁部(242)を形成し、少なくとも1つの前記タブ(250)は、前記第2縁部(242)から延び出す、
請求項2に記載のカバー(223)。
【請求項4】
前記タブ(250)は半円形状であり、その直径(d2)は、前記中空円筒形状の前記第1ベース(236)と前記第2ベース(237)との間において円筒の前記主延在軸(R’)に対して平行に測定した前記軸受(235)の長さよりも小さい、またはこれと等しい、
請求項2または3に記載のカバー(223)。
【請求項5】
前記タブ(250)は、主に主延在平面上に位置し
前記タブ(250)は、主に前記タブ(250)の前記主延在平面に対して横方向の軸に沿うように配置された少なくとも1つのフィンガ(251)を含む、
請求項1~4のいずれか一項に記載のカバー(223)。
【請求項6】
前記カバー(223)は、前記アダプタ(220)と相互作用するのに適した少なくとも1つの保持手段(260)を含み、
前記少なくとも1つの保持手段(260)は、前記軸受(235)から離れている、
請求項1~5のいずれか一項に記載のカバー(223)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの保持手段(260)は、前記カバー(223)の内面(233)から延び出してボタン(263)まで延びる枝部(261)を含み、
前記枝部(261)と、前記カバー(223)の前記内面(233)と、前記ボタン(263)とは、前記アダプタ(220)に形成されたリブ(245)を受容するための領域(264)を規定する、
請求項6に記載のカバー(223)。
【請求項8】
ワイパーアーム(120、120’)をワイパー(110)に接続するのに適した接続装置(200)であって、
前記接続装置(200)は、前記ワイパーアーム(110)に取り付けられた少なくとも1つのコネクタ(210)と、前記コネクタ(210)を前記ワイパーアーム(120、120’)に接続するのに適した少なくとも1つのアダプタ(220)と、請求項1~7のいずれか一項に記載の少なくとも1つのカバー(223)と、を備え、
前記カバー(223)は、前記アダプタ(220)に回転可能に装着される、
接続装置(200)。
【請求項9】
前記アダプタ(220)は、前記カバー(223)の前記軸受(235)に受容される少なくとも1つのロッド(228)を備え、
前記アダプタ(220)は、前記ロッド(228)に面する開口(246)を有し、
前記カバー(223)の前記タブ(250)は、前記開口(246)に隣接している
請求項8に記載の接続装置(200)。
【請求項10】
ワイパーアーム(120、120’)による回転に適した少なくとも1つのワイパー(110)を備えるワイパーシステム(100)であって、
前記ワイパーアーム(120、120’)と前記ワイパー(110)とは、請求項8または9に記載の接続装置(200)により互いに接続する、
ワイパーシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、自動車用のワイパーシステムの分野である。より具体的には、本発明の分野は、このようなワイパーシステムのワイパーアームとワイパーとの間で使用される接続手段の分野である。
【背景技術】
【0002】
自動車には、一般に、そのガラス面、特にフロントガラスを洗浄するためのワイパーシステムが設けられている。このようなワイパーシステムは、少なくとも1つのワイパーアームと、このワイパーアームにより駆動されるワイパーと、を備えている。したがって、ワイパーアームは、車両の電気モータに接続している。ワイパーは、洗浄すべきガラス面に接触するのに適した少なくとも1つのワイパーブレードを備えている。接続装置がワイパーとワイパーアームとの間に配置されることによって、ワイパーアームがワイパーを駆動することができる。このような接続装置は、従来的に、ワイパーに取り付けられた少なくとも1つのコネクタと、このコネクタを、ひいてはこれが固定されたワイパーを、ワイパーアームに接続する少なくとも1つのアダプタと、を備えている。
【0003】
現在、多数の異なるワイパーアームが存在しているが、これらのワイパーアームは、それらをワイパーに固定するための多くの異なる接続装置を必要としている。ほとんどの前記ワイパーアームでの使用に適した「ユニバーサル」接続装置が、現在のところ販売されている。
【0004】
前記「ユニバーサル」接続装置の第1の欠点は、装着後に、このような接続装置のアダプタに受容されたワイパーアームが見えたままであるという点にある。これは、アダプタが相互作用するコネクタや、接続装置を形成する別の構造要素も同様である。そこで、アダプタに回転可能に装着されるカバーであって、閉鎖状態においてこれら全ての要素を隠すカバーを追加することが提案された。これにより、装着された接続装置の美観が向上する。さらに、このカバーにより、ワイパーアームとアダプタとの間の接続が確保され得る。しかしながら、このような接続確保機能は、「フックアーム」として一般に知られる特定タイプのアームでしか可能でない。上述のような接続装置が「ピンアーム」として知られるワイパーアームとともに使用される場合、前記カバーは、ワイパーアームと干渉する。このため、接続アームを前記「ピンアーム」とともに使用することを可能にするには、前記カバーを取り外す必要がある。
【0005】
現在使用されている接続装置において、前記カバーを取り外すことは煩雑である。本発明は、このような文脈に該当し、ワイパーシステム接続装置用のカバーであって、前記接続装置のアダプタに対する係合の解除が容易なワイパーシステム接続装置用のカバーを提案する。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明の1つの目的は、接続装置用のカバーであって、前記カバーは、前記接続装置のアダプタに回転可能に装着されるのに適しており、前記カバーは、第1端部と第2端部との間を主として延び、前記第1端部は、前記アダプタのロッドと相互作用するのに適した少なくとも1つの軸受を含み、前記カバーは、第1回転方向において閉鎖されるとともに、第2回転方向において開放されるように構成される、カバーに関する。本発明によれば、前記軸受は、少なくとも1つのタブを備え、前記タブは、前記第1回転方向において、前記アダプタの前記ロッドに対する前記軸受の係合を解除可能とするのに適している。
【0007】
本発明によれば、タブは、カバーの外部に向かって延びる。カバーが回転可能に装着されたアダプタに対して、カバーの係合を解除可能とするためには、本発明によるカバーのユーザがアクセス可能でなければならないことが理解されるであろう。
【0008】
本発明の1つの特徴によれば、前記軸受は、主延在軸に沿って第1ベースと第2ベースとの間を延びる中空円筒形状であって、中空スペースを規定(形成)する周壁を含む中空円筒形状であり、軸方向開口部が、前記周壁に設けられ、前記軸方向開口部は、前記第1ベースから前記第2ベースまで延び、前記軸方向開口部は、前記アダプタの少なくとも1つの前記ロッドを受容するのに適している。換言すれば、周壁はC形状の輪郭を有し、このC形状の端部が周壁に設けられた軸方向開口部を規定(形成)していることが理解されるであろう。この特徴によれば、したがって、前記周壁は、互いに離間するとともに前記周壁に設けられた前記軸方向開口部を規定(形成)する第1縁部および第2縁部を形成し、少なくとも1つの前記タブは、前記第2縁部から延び出す。選択的に、周壁は、弾性材料、すなわち機械的応力を受けた後にその初期形状に戻るように構成された材料から作製され得る。これにより、アダプタのロッドは、周壁に設けられた軸方向開口部を通って軸受の中空スペースに強制的に押し込まれ得る。そして、前記周壁は、その初期状態に復帰することにより、ロッドを軸受の中空スペース内で維持するであろう。
【0009】
本発明の例示的な一実施形態によれば、前記タブは半円形状であり、その直径は、前記中空円筒形状の前記第1ベースと前記第2ベースとの間において前記円筒の前記主延在軸に対して平行に測定した前記軸受の長さよりも小さい、またはこれと等しい。この例示的な実施形態によれば、前記タブは、主に主延在平面に延び、前記タブは、主に前記タブの前記主延在平面に対して横方向の軸に従って延びる少なくとも1つのフィンガを含む。選択的に、タブのフィンガは、主にタブの主延在平面に対して垂直な軸に沿って延び得る。本発明によれば、前記カバーは、前記アダプタと相互作用するのに適した少なくとも1つの保持手段を含み、前記少なくとも1つの保持手段は、前記軸受から離れている。本発明によれば、少なくとも1つの前記保持手段は、例えば、前記カバーの内面から出現して(延び出して)ボタンまで延びる枝部を備え得る。前記枝部と、前記カバーの前記内面と、前記ボタンとは、前記アダプタに形成されたリブを受容するための領域を規定(形成)する。
【0010】
有利には、少なくとも1つのフィンガは、ユーザが圧力を加え得る把持領域を形成する。前記圧力をタブのフィンガに加えることにより、第1回転方向において、すなわち、カバーの閉鎖を可能とする回転方向においてカバーの回転移動が生じる。閉鎖位置にあるカバーは、少なくとも1つの保持手段によりアダプタに保持されるため、フィンガに圧力を加えることにより、アダプタに対する、カバーの係合、より具体的には前記カバーの軸受の係合が最終的に解除されることとなる。
【0011】
また本発明は、ワイパーアームをワイパーに接続するのに適した接続装置であって、前記接続装置は、前記ワイパーアームに取り付けられた少なくとも1つのコネクタと、前記コネクタを前記ワイパーアームに接続するのに適した少なくとも1つのアダプタと、上述の少なくとも1つのカバーと、を備え、前記カバーは、前記アダプタに回転可能に装着される接続装置に関する。本発明によれば、前記アダプタは、前記カバーの前記軸受に受容される少なくとも1つのロッドを備え、前記アダプタは、前記ロッドに面する開口を有し、前記カバーの前記タブは、前記開口を少なくとも部分的に通って延びる。
【0012】
また、本発明は、ワイパーアームによる回転に適した少なくとも1つのワイパーを備えるワイパーシステムであって、前記ワイパーアームと前記ワイパーとは、上述の接続装置により互いに接続するワイパーシステムに関する。
【0013】
最後に、本発明は、本発明による少なくとも1つのワイパーシステムを備えた自動車に関する。
【0014】
さらなる詳細、特徴および利点は、以下になされる詳細な説明を読み、以下の図面に例示として示される種々の実施形態を参照することによって、より明瞭に明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の2つの実施形態によるワイパーシステムの分解概略図である。
図2図2は、第1の例示的な実施形態によるワイパーアームとの相互作用に適した、本発明の第1実施形態によるワイパーシステムの接続装置のアダプタの斜視上面図である。
図3図3は、図2に示すアダプタに回転可能に装着されるのに適したカバーの斜視図である。
図4図4は、アダプタの長手方向端部の長手方向断面図であって、カバーが前記アダプタに装着されている図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の特徴、変形例および種々の実施形態は、それらが不適合または相互に排他的でない限り、様々な組み合わせにおいて互いに組み合わせられ得る。特に、以下に説明する特徴の1つの選択肢が、十分に技術的な利点を提供する場合、または十分に本発明を先行技術から区別する場合、この特徴の選択肢のみを他の特徴とは別個に有する本発明の変形例が想定され得る。
【0017】
図面において、長手方向、横方向、側方、左、右、上、下という用語は、本発明によるワイパーシステム100のワイパー1の三面体L、V、Tを基準とした向きを指す。この基準フレームにおいて、長手方向軸Lは、該当する物体の長手方向を表し、横方向軸Tは横方向を表し、鉛直方向軸Vは鉛直方向を表す。この基準フレームにおいて、横方向断面は、横方向および鉛直方向平面、すなわち、三面体の横方向軸Tおよび鉛直方向軸Vを含む平面において得られる断面に相当する。長手方向断面は、長手方向および鉛直方向平面、すなわち、長手方向軸Lおよび鉛直方向軸Vを含む平面において得られる断面を意味する。以下の説明において、「ワイパーアーム」と「アーム」という用語は、区別なく使用される。
【0018】
図1は、本発明の第1の例示的な実施形態および第2の例示的な実施形態による自動車のガラス面を払拭するためのシステム100を、同図において示す。第1例は図1において右側に、第2例は図1において左側に示されている。図示のように、本発明によるワイパーシステム100は、長手方向直線Xに沿って延びる少なくとも1つのワイパー110であって、ワイパーアーム120、120’に接続装置200を介して接続するのに適したワイパー110を備えている。ワイパー110は、より具体的には、払拭すべきガラス面に接触するのに適した少なくとも1つのワイパーブレード111と、ワイパーブレード111を補強するための部材(図示せず)と、ガラス面に沿って流れる空気流から加えられる圧力を、ワイパー110を自動車のガラス面に対して押し付ける力に変換するのに適した空気デフレクタ112と、を備えている。
【0019】
接続装置200は、ワイパー110に取り付けられた少なくとも1つのコネクタ210と、コネクタ210、ひいてはコネクタ210が取り付けられたワイパー110をワイパーアーム120、120’に接続するのに適した少なくとも1つのアダプタ220と、を備えている。ワイパーアーム120、120’は、ワイパーアーム120,120’が結合されているワイパー110を回転させるように構成されている。したがって、前記ワイパーアーム120、120’は、車両に配置された、ワイパーアーム120、120’を回転させるのに適した電気モータ(図示せず)に機械的に接続している。本発明による接続装置200は、ワイパー110と第1の例示的な実施形態によるワイパーアーム120との接続、およびワイパー110と第2の例示的な実施形態によるワイパーアーム120’との接続を可能とするのに適している。したがって、接続装置200のアダプタ220の2つの別個の実施形態は、接続するワイパーアームのタイプに応じて選択され、区別される。
【0020】
ワイパーアーム120、120’の第1および第2の例示的な実施形態との間で共通する特徴、及びアダプタ220の第1および第2実施形態との間で共通する特徴について、最初に説明する。その後、前記例示的な実施形態と実施形態とを互いに区別する特徴について説明する。
【0021】
したがって、図1に示す例示的な実施形態のいずれか一方によるワイパーアーム120、120’は、主に主延在軸Xに従って、第1端部(図示せず)と第2端部121、121’との間において延びている。ワイパーアーム120、120’は、第1端部により電気モータに接続し、第2端部121、121’によりアダプタ220に接続している。
【0022】
図示の実施形態のいずれか一方によるアダプタ220は、主に長手方向Dにおいて、すなわち、図示の三面体の長手方向軸Lに対して平行な方向において延びるとともに、例えば図2に示す互いに離間する少なくとも第1側壁221および第2側壁222であって、少なくとも1つの横方向壁により互いに接続している第1側壁221および第2側壁222を備えている。換言すれば、スペース225が、第1側壁221と第2側壁222との間に形成されている。図示のように、第1側壁221は、第1鉛直方向および長手方向平面、すなわち、図示の三面体の長手方向軸Lおよび鉛直方向軸Vを含む平面に含まれる。また、第2側壁222は、第1鉛直方向および長手方向平面とは別の第2鉛直方向および長手方向平面に含まれる。換言すれば、第1側壁221および第2側壁222は、主に互いに対して平行な2つの平面において延びていることが理解されるであろう。アダプタ220は、その側壁221、222の各々に設けられた少なくとも1つの貫通孔224をさらに備えている。これらの孔224は、ワイパーアーム120、120’のアダプタ220に対する回転のためのシャフトを受容するのに適している。換言すれば、第1側壁221に設けられた孔224と第2側壁222に設けられた孔224は、同軸である。
【0023】
図面において右側に示された第1の例示的な実施形態によれば、ワイパーアーム120の第2端部121は、上壁123により互いに接続した少なくとも2つの側面122を備えている。この第1の例示的な実施形態によるワイパーアーム120は、少なくとも1つのシャフト124をさらに備えている。シャフト124は、第2端部121の側面122の一方から延び出すとともに、2つの側面122から離れるように図示の三面体の横方向軸Tに対して平行に延びている。より具体的には、前記シャフト124は、該当する側面122の外面から、すなわち、第2端部121の他方の側面122とは反対の方向を向く前記側面122の面から延び出ている。また、ワイパーアーム120は、少なくとも第1部分126と少なくとも第2部分127とを備える少なくとも1つのバー125を備えている。第1部分126は、シャフト124を保持する側面122の外面からも第2端部121の上壁123からも延び出ている。第2部分127は、ワイパーアーム120が前記ワイパー110に接続している場合に、第1部分126に対して横方向にワイパー110に向かって延びる。前記ワイパーアーム120は、本発明の第1実施形態によるアダプタ220に取り外し可能に接続するのに適している。
【0024】
図1において同じく右側に図示された本発明の第1実施形態によるアダプタ220は、上述の2つの実施形態に共通する全ての特徴を備えている。本発明の第1実施形態によれば、孔224は、第1の例示的な実施形態によるワイパーアーム120のシャフト124を受容するのに適している。したがって、前記シャフト124は、ワイパーアーム120のワイパー110に対する回転軸を規定(形成)している。バー125は、アダプタ220の側壁221、222のうちの一方の側壁の外面、すなわち、他方の側壁の反対方向を向く該当する側壁の面に押し付けるのに適している。より具体的には、装着状態において、ワイパーアーム120の第2端部121の側面122の外面であって、シャフト124が延び出す外面は、アダプタ220の側壁の一方、本例において第1側壁221と対面するよう配置され、バー125の第1部分126は、第1側壁221と第2側壁222との間に形成されたスペース225を部分的に覆うように延び、バー125の第2部分127は、他方の側壁、本例において第2側壁222の外面に面して配置されることが理解されるであろう。例えば、バー125の第2部分127は、第2側壁222の前記外面に接触して配置され得る。これにより、第1の例示的な実施形態によるワイパーアーム120と本発明の第1実施形態によるアダプタとの間の接続を安定させることができる。
【0025】
図1において左側に示す第2の例示的な実施形態によるワイパーアーム120’は、特にその第2端部121’の形状において第1の例示的な実施形態によるワイパーアーム120と異なっている。したがって、第2の例示的な実施形態によるワイパーアーム120’の第2端部121’は、フックの形状をしており、その湾曲部は、長手方向および鉛直方向平面、すなわち、図示の三面体の長手方向軸Lおよび鉛直方向軸Vを含む平面に含まれている。前記ワイパーアーム120’は、同じく図1の左側に示す本発明の第2実施形態によるアダプタ220と取り外し可能に接続するのに適している。より具体的には、ワイパーアーム120’の第2端部121’を形成するフックは、アダプタ220の第1側壁221を第2側壁222に接続する横壁を囲む。換言すれば、第2の例示的な実施形態によるワイパーアーム120’は、アダプタ220の第1側壁221と第2側壁222との間に形成されたスペース225に少なくとも部分的に受容されることが理解されるであろう。
【0026】
以下により詳細に説明するように、本発明の第2実施形態による前記アダプタ220は、その長手方向端部の一方に配置されたカバー223を備えているという点で、第1実施形態によるアダプタ220と異なる。このカバー223は、アダプタ220に回転可能に装着されるとともに、少なくとも第1開放位置および第2閉鎖位置を取るのに適している。図1は、閉鎖位置にあるカバー223を示している。有利には、閉鎖位置にある場合の前記カバー223の少なくとも一部が、第2の例示的な実施形態によるワイパーアーム120’の第2端部121’を形成するフックに押し当てられることにより、ワイパーアーム120’の長手方向軸Lに沿った移動が防止されることで、ワイパーアーム120’とアダプタ220との間の接続が確保されている。
【0027】
しかしながら、以下により詳細に記載するように、前記カバー223は、本発明による接続装置200と第1の例示的な実施形態によるワイパーアーム120との接続に使用することはできない。前記カバー223は、少なくとも第1の例示的な実施形態によるワイパーアーム120の側面122と干渉するため、第1の例示的な実施形態によるワイパーアーム120を前記アダプタ220に装着可能とするためには、前記カバー223を前記アダプタ220から係合解除する必要がある。この目的のために、カバー223は、以下に説明する図3に示す係合解除手段を備えている。
【0028】
本発明の第1実施形態によるアダプタ220について、すなわち、カバーを有さないため本発明の第1の例示的な実施形態によるワイパーアームと相互作用するのに適したアダプタ220について、図2を参照しつつ詳細に説明する。
【0029】
アダプタ220は、主に長手方向Dにおいて、第1長手方向端部226と第2長手方向端部227との間を延びている。上述のように、アダプタ220は、主に互いに対して平行な、2つの長手方向および鉛直方向平面において延びる第1側壁221および第2側壁222により形成されている。第1長手方向端部226は、アダプタ220の後壁229により閉鎖されていることに留意されたい。後壁229は、第1側壁221と第2側壁222との間において、前記第1側壁221および前記第2側壁222に対して横方向に延びている。より具体的には、図示例によれば、アダプタ220の前記後壁229は、主に横方向および鉛直方向平面において、すなわち、図示の三面体の横方向軸Tおよび鉛直方向軸Vを含む平面において延びている。換言すれば、アダプタ220の前記後壁229は、アダプタ220の第1側壁221および第2側壁222に対して垂直に、または実質的に垂直に延びている。前記後壁229は、選択される実施形態に関係なく、換言すれば、アダプタ220が第1の例示的な実施形態または第2の例示的な実施形態によるワイパーアームのいずれとともに使用されるかに関係なく、アダプタ220に存在する。
【0030】
アダプタ220の第2長手方向端部227は、第1側壁221と第2側壁222とを互いに接続するロッド228により部分的に閉鎖されている。ただし、開口246が、前記ロッド228に面してアダプタに形成されていることに留意されたい。図示例によれば、前記ロッド228は、より具体的には、横方向回転軸Rを有する円筒状又は円柱状の形状、或いは実質的に円筒状又は円柱状の形状を有している。すなわち、前記回転軸Rは、図示の三面体の横方向軸Tに対して平行に延びている。換言すれば、ロッド228は、第1側壁221および第2側壁222に対して垂直に延びている。前記ロッド228は、選択される実施形態に関係なくアダプタ220に存在する。以下でより詳細に説明するように、アダプタ220の前記ロッド228は、第2実施形態による使用時に、アダプタのカバーに形成された軸受に受容されるのに適している。
【0031】
また、図2は、同様に第1側壁221を第2側壁222に接続する上述の横壁230を示している。図示例によれば、前記横壁230は、より具体的には、図示の三面体の横方向軸Tに対して平行に延びており、したがって第1側壁221および第2側壁222に対して垂直である。上述のように、前記横壁230は、第2の例示的な実施形態によるワイパーアームの第2端部を形成するフックに受容されることに適している。
【0032】
最後に、図2は、アダプタ220の各側壁221、222にそれぞれ設けられた孔224であって、例えば第1実施形態によるワイパーアームのシャフトを受容するのに適した孔224を示している。
【0033】
本発明による第2実施形態によるアダプタの使用時にアダプタに回転可能に装着されるのに適したカバー223について、図3を参照してより詳細に説明する。前記カバー223は、全体として湾曲した形状を有し、第1端部231と第2端部232との間を延びている。前記カバー223は、カバー223の前記アダプタへの装着時にアダプタの第1側壁と第2側壁との間に形成されるスペースに面する内面233と、内面233の反対方向に面する、すなわちアダプタの外部環境を向く外面234と、を有している。
【0034】
上述のように、カバー223は、アダプタに回転可能に装着されるのに適している。この目的のために、カバー223は、アダプタの第2長手方向端部において、前記アダプタの第1側壁と第2側壁との間に形成されたロッドと相互作用するのに適した軸受235を備えている。前記軸受235は、カバー223の内面233から延び出すとともに、主延在軸R’に沿って第1ベース236と第2ベース237との間に延びる中空円筒の形状にある。換言すれば、前記軸受235は、中空スペース239を規定(形成)する円筒状周壁238を備えている。以下に詳細に説明するように、前記中空スペース239は、アダプタに形成されたロッドを少なくとも部分的に受容するのに適している。換言すれば、軸受235の周壁238により画定された中空スペース239は、アダプタのロッドの寸法を補完する寸法を有している。前記軸受235は、周壁238に設けられた軸方向開口部240、すなわち、第1ベース236と第2ベース237との間において軸受235の中空円筒形状の主延在軸R’に対して平行に延びる開口部も有している。したがって、軸受235の中空スペース239を規定(形成)する周壁238は、C形状の輪郭、すなわち、長手方向および鉛直方向平面、すなわち図示の三面体の長手方向軸Lおよび鉛直方向軸Vを含む平面において見た場合にC形状を有することが理解されるであろう。
【0035】
したがって、軸受235の周壁238に設けられた軸方向開口部240は、周壁238の部分によりそれぞれ形成された第1縁部241および第2縁部242により、本例において、C形状の輪郭の端部により画定(形成)されている。前記軸方向開口部240は、アダプタのロッドが軸受235の中空スペース239に挿入されることを許容するように構成されている。換言すれば、前記軸方向開口部240を規定(形成)する第1縁部241と第2縁部242との間において中空円筒の主延在軸R’に対して垂直に測定した軸方向開口部240の寸法d1は、アダプタのロッドの直径よりも大きい、またはこれと等しい。有利には、軸受235の周壁238は、弾性材料、すなわち機械的応力を受けた後にその初期形状に戻るように構成された材料から作製され得る。これにより、周壁は、変形してロッドの中空スペース239への強制的な挿入を許容し、その後、アダプタの前記ロッドを軸受235の中空スペース239内で保持すべくその初期状態に復帰する。また、カバー223がアダプタのロッドを中心として回転し得るように、アダプタのロッドと周壁238の内面243、すなわち前記周壁238の中空スペース239を向く面との間に間隙が設けられる。換言すれば、軸受235の中空スペース239の直径は、アダプタのロッドの直径よりも大きいことが理解されるであろう。これらの寸法を、例えば図4に示す。
【0036】
また、軸受235は、周壁238に設けられた軸方向開口部240を規定(形成)する第2縁部242からカバー223の外部に向かって延びるタブ250を備えている。前記タブ250は、カバー223のアダプタへの装着後にカバー223の係合解除を許容するように構成されている。前記タブ250は、より具体的には、半円形状であり、その直径d2は、軸受235の長さ、すなわち軸受235の主延在軸R’に沿ってその円筒形状の第1ベース236と第2ベース237との間で測定した軸受235の寸法よりも小さい、またはこれと等しい。タブ250は、タブ250の主延在平面、すなわち前記タブ250が主に延びる平面に対して横方向の平面において延びるフィンガ251も備えている。本発明の特定例によれば、フィンガ251は、タブ250の主延在平面に対して垂直な軸に沿って延び得る。
【0037】
また、カバー223は、軸受235の周壁238から延び出す少なくとも1つの補強リブ244であって、カバー223の湾曲に追従して延びる補強リブ244を備えている。図示例によれば、カバー223は、より具体的には、主に2つの平行な面において延びる2つの補強リブ244を備えている。前記補強リブ244は、カバー223の構造を維持する助けとなるとともに、上述の第2の例示的な実施形態によるワイパーアームのフックに隣接するカバー223の部分を形成する助けとなる。
【0038】
最後に、カバー223は、カバー223をアダプタに保持する助けとなる保持手段260を備えている。前記保持手段260は、少なくとも1つの枝部261を備えている。枝部261は、図示の三面体の鉛直方向軸Vに対して平行な方向において、枝部261がカバー223の内面233から延び出る第1端部262とボタン263の形状を有する第2端部との間で延びている。例えば図4に示すように、少なくとも1つの枝部261と、その第2端部を形成するボタン263と、カバー223の枝部261が延び出す内面233とは、一体となって、アダプタの側壁のうちの一方の側壁に形成されたリブを受容するための領域264を規定(形成)している。換言すれば、軸受235とともに、前記保持手段は、カバー223をアダプタ220に保持する助けとなる。図示例によれば、保持手段260は、より具体的には、上述の枝部と同一の2つの枝部261により形成されている。すなわち、枝部261の各々は、カバー223の内面233から延び出すとともに、ボタン263により形成される第2端部まで延びる。各枝部261および各ボタン263は、カバー223の内面233とともに、アダプタに形成されたリブを受容するための領域264を規定(形成)している。また、2つの前記枝部261は、互いに平行に延びていることに留意されたい。
【0039】
図4は、カバー223が装着されたアダプタ220の第2端部227の長手方向断面図である。換言すれば、図4は、本発明の第2実施形態によるアダプタ220の第2端部227の長手方向断面を示す。
【0040】
上述のように、カバー223は、アダプタ220のロッド228に回転可能に装着されるとともに、少なくとも閉鎖位置と少なくとも開放位置とを取るように構成されている。図4に示すように、閉鎖位置において、カバー223は、本発明の第2の例示的な実施形態によるワイパーアームの第2端部を形成するフックの長手方向移動に対する止め具を形成する。開放位置において、カバー223は、本発明の第2の例示的な実施形態によるワイパーアームの第2端部を形成する前記フックの挿入を可能とする。したがって、カバー223は、第1回転方向S1において閉鎖され得るとともに、第1回転方向S1とは反対の第2回転方向S2において開放され得る。
【0041】
上述のように、前記回転は、特に、ロッド228が、それが受容される中空スペース239の直径d4よりも小さい直径d3を有しているために可能である。また、図4は、アダプタ220に形成された、より具体的には、前記アダプタ220の側壁221、222の各々の内面に形成されたリブ245のうちの1つであって、保持手段260により形成された2つの受容領域264のうちの一方に受容されたものを示す。
【0042】
カバー223がその閉鎖位置にある場合、カバー223のタブ250は、アダプタ220を越えて、すなわちアダプタ220の外部に延びる。より具体的には、前記タブ250は、アダプタ220に形成された開口246を通ってカバー223の外部に向かって延びる。特に、少なくともフィンガ251は、アダプタ220の外部に延びて、ユーザが圧力を加え得る把持領域を形成する。タブ250の前記フィンガ251に圧力を加えることにより、ユーザはカバー223をロッド228から取り外すことができることが理解されるであろう。より具体的には、前記フィンガ251に加えられた圧力により、第1回転方向S1において、すなわち、カバーの閉鎖を可能とする回転方向において、カバー223は回転し続けようとする。第1回転方向S1におけるカバー223の回転は、リブ245と保持手段260の受容領域264との相互作用により防止されるため、フィンガに加えられた圧力により、カバー223、より具体的には前記カバー223の軸受235は、強制的にロッド228から係合解除される。したがって、非常に容易にカバー223をアダプタ220から取り外すことができ、本発明による接続装置200を異なるタイプのワイパーアームに簡単かつ迅速に適合させることができる。
【0043】
最後に、図4は、アダプタ220の側壁221、222に設けられた孔224であって、第1の例示的な実施形態によるワイパーアームのシャフトを受容するのに適した孔224を示している。図4において、第1の例示的な実施形態による前記ワイパーアームは、カバー223と干渉するため、このタイプのワイパーアームにおいて本発明による接続装置の使用を可能とするには、カバー223を取り外す必要があることが明瞭に分かる。
【0044】
以上から、カバー223は、第2の例示的な実施形態によるワイパーアーム120’と第2実施形態によるアダプタ220との接続を確保し、かつ第2の例示的な実施形態によるワイパーアーム120’の前記アダプタ220への接続を可能とするために、カバー223が取り外し可能であることが理解されるであろう。上述のように、本発明により、アダプタ220に対するカバー223の係合を簡単に解除することができるため、本発明は、上述の少なくとも2つのタイプのアームと容易に利用され得る。
【0045】
以上から、本発明は、少なくとも2つの異なるタイプのワイパーアームとの使用に容易に適合させ得るワイパーをワイパーアームに接続するための接続装置を提案することが理解されるであろう。上述の説明は、本発明の範囲を限定しないことが理解されるであろう。本明細書に記載されていない例示的な実施形態に従って製造されたワイパーアームとともに接続装置を使用することは、特に、本発明の範囲から逸脱することなく想定され得る。
図1
図2
図3
図4