(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】発光封体
(51)【国際特許分類】
H01J 65/04 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
H01J65/04 Z
(21)【出願番号】P 2023073567
(22)【出願日】2023-04-27
【審査請求日】2024-03-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【氏名又は名称】柴山 健一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 章夫
(72)【発明者】
【氏名】下牧 将
(72)【発明者】
【氏名】松代 悠
(72)【発明者】
【氏名】杉谷 光平
【審査官】佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】特許第7044954(JP,B1)
【文献】特開2019-029272(JP,A)
【文献】特開2023-054444(JP,A)
【文献】特開2017-152117(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 65/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマを発生させるためのガスを収容している筐体であって、前記プラズマが発生したプラズマ領域において前記プラズマを維持するための第1光を前記プラズマ領域に入射させる第1窓部、及び、前記プラズマから発せられた第2光を前記プラズマ領域から出射させる第2窓部を有する前記筐体と、
前記筐体内において前記プラズマ領域を含む包囲空間を画定しており、前記第1窓部に対応している第1開口、及び前記第2窓部に対応している第2開口を有する包囲部と、を備え、
前記第1窓部は、前記第1開口における前記包囲空間側の開口端に対して前記包囲空間とは反対側に位置しており、
前記第2窓部は、前記第2開口における前記包囲空間側の開口端に対して前記包囲空間とは反対側に位置しており、
前記第1開口及び前記第2開口の少なくとも一方は、前記包囲空間に対して狭められて
おり、
前記第2開口は、前記第2開口における前記包囲空間側の前記開口端が前記第2開口における前記包囲空間とは反対側の開口端よりも小さいテーパ状の開口である、発光封体。
【請求項2】
プラズマを発生させるためのガスを収容している筐体であって、前記プラズマが発生したプラズマ領域において前記プラズマを維持するための第1光を前記プラズマ領域に入射させる第1窓部、及び、前記プラズマから発せられた第2光を前記プラズマ領域から出射させる第2窓部を有する前記筐体と、
前記筐体内において前記プラズマ領域を含む包囲空間を画定しており、前記第1窓部に対応している第1開口、及び前記第2窓部に対応している第2開口を有する包囲部と、を備え、
前記第1窓部は、前記第1開口における前記包囲空間側の開口端に対して前記包囲空間とは反対側に位置しており、
前記第2窓部は、前記第2開口における前記包囲空間側の開口端に対して前記包囲空間とは反対側に位置しており、
前記第1開口及び前記第2開口の少なくとも一方は、前記包囲空間に対して狭められて
おり、
前記第2窓部の一部は、前記第2開口の内側に位置している、発光封体。
【請求項3】
プラズマを発生させるためのガスを収容している筐体であって、前記プラズマが発生したプラズマ領域において前記プラズマを維持するための第1光を前記プラズマ領域に入射させる第1窓部、及び、前記プラズマから発せられた第2光を前記プラズマ領域から出射させる第2窓部を有する前記筐体と、
前記筐体内において前記プラズマ領域を含む包囲空間を画定しており、前記第1窓部に対応している第1開口、及び前記第2窓部に対応している第2開口を有する包囲部と、を備え、
前記第1窓部は、前記第1開口における前記包囲空間側の開口端に対して前記包囲空間とは反対側に位置しており、
前記第2窓部は、前記第2開口における前記包囲空間側の開口端に対して前記包囲空間とは反対側に位置しており、
前記第1開口及び前記第2開口の少なくとも一方は、前記包囲空間に対して狭められて
おり、
前記包囲部の内面のうち前記プラズマ領域を挟んで前記第1窓部と向かい合っている領域は、滑らかな凹面状の領域である、発光封体。
【請求項4】
前記包囲部は、絶縁性材料によって形成されている、請求項1
~3のいずれか一項に記載の発光封体。
【請求項5】
前記包囲部は、互いに別体で形成された第1包囲部材及び第2包囲部材を有し、
前記第1包囲部材は、前記第1開口を画定しており、
前記第2包囲部材は、前記第2開口を画定している、請求項1
~3のいずれか一項に記載の発光封体。
【請求項6】
前記包囲部の内面は、滑らかな凹面状の領域を含み、
前記第1開口及び前記第2開口の少なくとも一方は、前記領域において開口している、請求項1
~3のいずれか一項に記載の発光封体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばレーザ励起光源に適用される発光封体に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ励起光源に適用される発光封体として、プラズマを発生させるためのガスを収容している筐体と、筐体内においてプラズマ領域を含む包囲空間を画定している包囲部と、を備える発光封体であって、筐体が、プラズマを維持するためのレーザ光をプラズマ領域に入射させるレーザ光入射窓部と、プラズマから発せられたプラズマ光をプラズマ領域から出射させるプラズマ光出射窓部と、を有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような発光封体では、筐体内に包囲部が配置されていない場合に比べ、ガスが対流する空間が狭くなるため、当該空間においてガスに対流が発生しにくくなる。ガスの対流が強くなると、筐体外に出射したプラズマ光にノイズ成分が乗ってしまう等の悪影響が生じるため、ガスの対流を抑制することで、出力光の品質が低下することが抑制される。しかし、当該光源を用いる装置の性能向上のためには、更なる出力光の品質の向上が求められている。
【0005】
本発明は、出力光の品質の向上を図ることができる発光封体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の発光封体は、[1]「プラズマを発生させるためのガスを収容している筐体であって、前記プラズマが発生したプラズマ領域において前記プラズマを維持するための第1光を前記プラズマ領域に入射させる第1窓部、及び、前記プラズマから発せられた第2光を前記プラズマ領域から出射させる第2窓部を有する前記筐体と、前記筐体内において前記プラズマ領域を含む包囲空間を画定しており、前記第1窓部に対応している第1開口、及び前記第2窓部に対応している第2開口を有する包囲部と、を備え、前記第1窓部は、前記第1開口における前記包囲空間側の開口端に対して前記包囲空間とは反対側に位置しており、前記第2窓部は、前記第2開口における前記包囲空間側の開口端に対して前記包囲空間とは反対側に位置しており、前記第1開口及び前記第2開口の少なくとも一方は、前記包囲空間に対して狭められている、発光封体」である。
【0007】
上記[1]に記載の発光封体では、筐体内においてプラズマ領域を含む包囲空間が包囲部によって画定されている。これにより、筐体内に包囲部が配置されていない場合に比べ、ガスが対流する空間が狭くなるため、当該空間においてガスに対流が発生するのを抑制することができる。更に、包囲部において第1開口及び第2開口の少なくとも一方が包囲空間に対して狭められている。これにより、第1開口及び第2開口の両方が包囲空間に対して狭められていない場合に比べ、包囲空間内のガスが筐体外の環境の影響を受けにくくなるため、筐体外の環境に起因するガスの対流の発生を抑制することができる。よって、上記[1]に記載の発光封体によれば、出力光の品質の向上を図ることができる。
【0008】
本発明の発光封体は、[2]「前記包囲部は、絶縁性材料によって形成されている、上記[1]に記載の発光封体」であってもよい。当該[2]に記載の発光封体によれば、ガスが対流する空間が絶縁性の包囲部によって包囲されているため、包囲部がプラズマに影響を及ぼすことなく、プラズマを安定的に維持することができる。
【0009】
本発明の発光封体は、[3]「前記第2開口は、前記第2開口における前記包囲空間側の前記開口端が前記第2開口における前記包囲空間とは反対側の開口端よりも小さいテーパ状の開口である、上記[1]又は[2]に記載の発光封体」であってもよい。当該[3]に記載の発光封体によれば、包囲部において第2開口を包囲空間に対して狭めつつも、放射状に発せられた第2光を、第2開口及び第2窓部を介して筐体外に効率良く出射させることができる。
【0010】
本発明の発光封体は、[4]「前記包囲部は、互いに別体で形成された第1包囲部材及び第2包囲部材を有し、前記第1包囲部材は、前記第1開口を画定しており、前記第2包囲部材は、前記第2開口を画定している、上記[1]~[3]のいずれか一つに記載の発光封体」であってもよい。当該[4]に記載の発光封体によれば、対流の発生を抑制するために好ましい形状の包囲部を精度良く形成することができる。
【0011】
本発明の発光封体は、[5]「前記包囲部の内面は、滑らかな凹面状の領域を含み、前記第1開口及び前記第2開口の少なくとも一方は、前記領域において開口している、上記[1]~[4]のいずれか一つに記載の発光封体」であってもよい。当該[5]に記載の発光封体によれば、滑らかな凹面状の領域の近傍におけるガスの移動をスムーズにすることができるため、対流によるプラズマへの影響を抑制し、プラズマを安定的に維持することができる。
【0012】
本発明の発光封体は、[6]「前記第2窓部の一部は、前記第2開口の内側に位置している、上記[1]~[5]のいずれか一つに記載の発光封体」であってもよい。当該[6]に記載の発光封体によれば、第2窓部の全部が第2開口の外側に位置している場合に比べ、包囲空間内のガスの対流の発生をより抑制することができる。
【0013】
本発明の発光封体は、[7]「前記包囲部の内面のうち前記プラズマ領域を挟んで前記第1窓部と向かい合っている領域は、滑らかな凹面状の領域である、上記[1]~[6]のいずれか一つに記載の発光封体」であってもよい。当該[7]に記載の発光封体によれば、プラズマを維持するための第1光の入射に伴って、滑らかな凹面状の領域とプラズマ領域との間に生じるガスの移動をスムーズにすることができるため、対流によるプラズマへの影響を抑制し、プラズマを安定的に維持することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、出力光の品質の向上を図ることができる発光封体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】
図1に示されるII-II線に沿っての発光封体の断面図である。
【
図3】
図1に示されるIII-III線に沿っての発光封体の断面図である。
【
図5】
図4に示されるV-V線に沿っての発光封体の断面図である。
【
図6】
図4に示されるVI-VI線に沿っての発光封体の断面図である。
【
図8】
図7に示されるVIII-VIII線に沿っての発光封体の断面図である。
【
図9】
図7に示されるIX-IX線に沿っての発光封体の断面図である。
【
図11】
図10に示されるXI-XI線に沿っての発光封体の断面図である。
【
図12】
図10に示されるXII-XII線に沿っての発光封体の断面図である。
【
図14】
図13に示されるXIV-XIV線に沿っての発光封体の断面図である。
【
図15】
図13に示されるXV-XV線に沿っての発光封体の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
【0017】
図1、
図2及び
図3に示されるように、第1実施形態の発光封体1Aは、筐体2、第1電極3、第2電極4、第1保持部5、包囲部7及び封入管8を備えている。筐体2は、プラズマを発生させるためのガスGを収容している。ガスGは、例えばキセノンガスである。発光封体1Aでは、プラズマを維持するためのレーザ光(第1光)L1がプラズマ領域R(ガスGにおいてプラズマが発生した領域)に入射し、プラズマから発せられたプラズマ光(第2光)L2がプラズマ領域Rから出射する。なお、プラズマから発せられたプラズマ光L2は、実際にはプラズマ領域Rを中心に全方位に放射的に発生するが、便宜上、出力光としてのプラズマ光L2のみ図示する。レーザ光L1の波長は、例えば800nm~1100nm程度であり、プラズマ光L2の波長は、例えば120nm~20μm程度である。発光封体1Aは、レーザ励起光源に適用される装置である。
【0018】
筐体2は、本体部20、レーザ光入射窓部(第1窓部)10A、及び二つのプラズマ光出射窓部(第2窓部)10B,10Cを有している。本体部20は、略直方体状の部材である。本体部20には、収容空間21、三つの窓部用開口22,23,24、及び二つの電極用開口26,27が形成されている。収容空間21は、プラズマ領域Rを含んでいる。窓部用開口22は、収容空間21からZ軸方向における一方側に開口している。窓部用開口23は、収容空間21からX軸方向(Z軸方向に垂直な方向)における一方側に開口している。窓部用開口24は、収容空間21からX軸方向における他方側に開口している。電極用開口26は、収容空間21からY軸方向(X軸方向及びZ軸方向の両方向に垂直な方向)における一方側に開口している。電極用開口27は、収容空間21からY軸方向における他方側に開口している。本体部20の材料は、例えばステンレス鋼等の金属材料である。
【0019】
レーザ光入射窓部10Aは、窓部用開口22を気密に封止している。レーザ光入射窓部10Aは、レーザ光L1をプラズマ領域Rに入射させる。発光封体1Aでは、レーザ光入射窓部10Aは、Z軸方向に平行な光軸A1に沿ってレーザ光L1をプラズマ領域Rに入射させる。換言すれば、レーザ光L1の光軸はA1である。
【0020】
レーザ光入射窓部10Aは、窓部材11及び保持部材12を有している。窓部材11は、光軸A1を中心線とし且つZ軸方向を厚さ方向とする板状に形成されている。窓部材11は、レーザ光L1を透過させる。窓部材11の材料は、少なくともレーザ光L1の波長に関して透過性を有する光透過性材料であって、例えばサファイアである。保持部材12は、光軸A1を中心線とする筒状に形成されている。窓部材11は、保持部材12の内側に配置された状態で、保持部材12によって保持されている。保持部材12の材料は、例えばコバール等の金属材料である。窓部材11の側面は、例えば金属ロウ材等の接合材によって、保持部材12の内面に気密に接合されている。保持部材12の外面は、例えばレーザ溶接によって、窓部用開口22の内面に気密に接合されている。
【0021】
プラズマ光出射窓部10Bは、窓部用開口23を気密に封止している。プラズマ光出射窓部10Bは、プラズマ光L2をプラズマ領域RからX軸方向の一方側へ出射させる。プラズマ光出射窓部10Cは、窓部用開口24を気密に封止している。プラズマ光出射窓部10Cは、プラズマ光L2をプラズマ領域RからX軸方向の他方側へ出射させる。発光封体1Aでは、各プラズマ光出射窓部10B,10Cは、X軸方向に平行な光軸A2に沿ってプラズマ光L2をプラズマ領域Rから出射させる。換言すれば、プラズマ光L2の光軸はA2である。なお、光軸A1と光軸A2とは、プラズマ領域Rの中心において交わっており、本実施形態においては垂直に交わっている。
【0022】
プラズマ光出射窓部10Bは、窓部材13及び保持部材14を有している。窓部材13は、光軸A2を中心線とし且つX軸方向を厚さ方向とする板状に形成されている。窓部材13は、プラズマ光L2を透過させる。窓部材13の材料は、少なくともプラズマ光L2の波長に関して透過性を有する光透過性材料であって、例えばダイヤモンド、サファイア又はフッ化マグネシウムである。保持部材14は、光軸A2を中心線とする筒状に形成されている。窓部材13は、保持部材14の内側に配置された状態で、保持部材14によって保持されている。保持部材14の材料は、例えばコバール等の金属材料である。窓部材13の側面は、例えば金属ロウ材等の接合材によって、保持部材14の内面に気密に接合されている。保持部材14の外面は、例えばレーザ溶接によって、窓部用開口23の内面に気密に接合されている。
【0023】
プラズマ光出射窓部10Cは、窓部材15及び保持部材16を有している。窓部材15は、光軸A2を中心線とし且つX軸方向を厚さ方向とする板状に形成されている。窓部材15は、プラズマ光L2を透過させる。窓部材15の材料は、少なくともプラズマ光L2の波長に関して透過性を有する光透過性材料であって、例えばダイヤモンド、サファイア又はフッ化マグネシウムである。保持部材16は、光軸A2を中心線とする筒状に形成されている。窓部材15は、保持部材16の内側に配置された状態で、保持部材16によって保持されている。保持部材16の材料は、例えばコバール等の金属材料である。窓部材15の側面は、例えば金属ロウ材等の接合材によって、保持部材16の内面に気密に接合されている。保持部材16の外面は、例えばレーザ溶接によって、窓部用開口24の内面に気密に接合されている。
【0024】
第1電極3は、筐体2外から、筐体2の電極用開口26と、後述する包囲部7の電極用開口78とを介して、包囲部7が画定する包囲空間73内に延在している。発光封体1Aでは、第1電極3は、Y軸方向に延在している棒状の部材である。第1電極3の材料は、例えばタングステン等の高融点金属材料である。第1電極3の先端部(第1先端部)31は、筐体2内においてプラズマ領域Rに臨んでいる。発光封体1Aでは、第1電極3の先端部31は、包囲空間73内においてプラズマ領域Rに臨んでおり、包囲部7によって包囲されている。
【0025】
第1保持部5は、Y軸方向に沿って延在している絶縁性の部材であり、第1電極3を保持している。第1保持部5の材料は、高温耐性を有する絶縁材料であって、例えばセラミックである。第1保持部5は、本体部51及び筒状部52,55を有している。筒状部52は、本体部51に対してプラズマ領域Rとは反対側に位置しており、筒状部55は、本体部51に対してプラズマ領域R側に位置している。本体部51及び筒状部52は、筐体2の電極用開口26の外側に配置されており、筒状部55は、筐体2の電極用開口26の内側に配置されている。本体部51には、Y軸方向に沿って本体部51を貫通している貫通孔51aが形成されている。貫通孔51aは、各筒状部52,55の内側に開口している。貫通孔51a内には、第1電極3の中間部32が配置されている。中間部32の側面は、例えば金属ロウ材等の接合材によって、貫通孔51aの内面に気密に接合されている。筒状部52の内側には、第1電極3の基端部33が配置されている。
【0026】
第1保持部5は、筐体2に固定されている。発光封体1Aでは、第1保持部5は、筒状の接続部材9Aを介して筐体2に固定されている。接続部材9Aは、筒状部91A及び内向きフランジ部92Aを有している。内向きフランジ部92Aは、筒状部91Aにおける筐体2とは反対側の端部に設けられている。接続部材9Aの材料は、例えばコバール等の金属材料である。内向きフランジ部92Aは、例えば金属ロウ材等の接合材によって、第1保持部5の本体部51に設けられた外向きフランジ部53に気密に接合されている。筒状部91Aにおける筐体2側の端部は、例えばレーザ溶接によって、筐体2に気密に接合されている。
【0027】
第2電極4は、筐体2の電極用開口27内から、後述する包囲部7の電極用開口79を介して、包囲部7が画定する包囲空間73内に延在している。発光封体1Aでは、第2電極4は、Y軸方向に延在している棒状の部材である。第2電極4の材料は、例えばタングステン等の高融点金属材料である。第2電極4の先端部41は、筐体2内においてプラズマ領域Rに臨んでおり、プラズマ領域Rを挟んで第1電極3の先端部31と向かい合っている。発光封体1Aでは、第2電極4の先端部41は、包囲空間73内においてプラズマ領域Rに臨んでおり、包囲部7によって包囲されている。第2電極4の基端部43の側面は、例えば金属ロウ材等の接合材によって、電極用開口27の内面に気密に接合されている。
【0028】
包囲部7は、筐体2の収容空間21内に配置されている絶縁性の部材である。包囲部7には、包囲空間73、三つの光通過開口74,75,76、及び二つの電極用開口78,79が形成されている。
【0029】
包囲空間73は、プラズマ領域Rを含んでいる。光通過開口74は、包囲空間73からZ軸方向における一方側に開口している。光通過開口75は、包囲空間73からX軸方向における一方側に開口している。光通過開口76は、包囲空間73からX軸方向における他方側に開口している。電極用開口78は、包囲空間73からY軸方向における一方側に開口している。電極用開口79は、包囲空間73からY軸方向における他方側に開口している。
【0030】
光通過開口(第1開口)74は、レーザ光入射窓部10Aに対応している。すなわち、プラズマ領域Rとレーザ光入射窓部10Aとが並んでいる方向(発光封体1Aでは、Z軸方向)から見た場合に、光通過開口74は、レーザ光入射窓部10Aと重なっている。発光封体1Aでは、光通過開口74の中心線は、レーザ光入射窓部10Aの窓部材11の中心線に一致しており(すなわち、光軸A1に一致しており)、光通過開口74は、Z軸方向から見た場合にレーザ光入射窓部10Aの窓部材11に含まれている。光通過開口74は、包囲空間73に対して狭められている。すなわち、プラズマ領域Rと光通過開口74とが並んでいる方向(発光封体1Aでは、Z軸方向)から見た場合に、光通過開口74における包囲空間73側の開口端74aが包囲空間73に含まれている。発光封体1Aでは、光通過開口74は、包囲空間73側の開口端74aが包囲空間73とは反対側の開口端74bよりも小さいステップ状の開口である。レーザ光入射窓部10Aの窓部材11は、光通過開口74の外側に位置している。
【0031】
光通過開口(第2開口)75は、プラズマ光出射窓部10Bに対応している。すなわち、プラズマ領域Rとプラズマ光出射窓部10Bとが並んでいる方向(発光封体1Aでは、X軸方向)から見た場合に、光通過開口75は、プラズマ光出射窓部10Bと重なっている。発光封体1Aでは、光通過開口75の中心線は、プラズマ光出射窓部10Bの窓部材13の中心線に一致しており(すなわち、光軸A2に一致しており)、光通過開口75は、X軸方向から見た場合にプラズマ光出射窓部10Bの窓部材13に含まれている。光通過開口75は、包囲空間73に対して狭められている。すなわち、プラズマ領域Rと光通過開口75とが並んでいる方向(発光封体1Aでは、X軸方向)から見た場合に、光通過開口75における包囲空間73側の開口端75aが包囲空間73に含まれている。発光封体1Aでは、光通過開口75は、包囲空間73側の開口端75aが包囲空間73とは反対側の開口端75bよりも小さいテーパ状の開口である。プラズマ光出射窓部10Bの窓部材13は、光通過開口75の外側に位置している。
【0032】
光通過開口(第2開口)76は、プラズマ光出射窓部10Cに対応している。すなわち、プラズマ領域Rとプラズマ光出射窓部10Cとが並んでいる方向(発光封体1Aでは、X軸方向)から見た場合に、光通過開口76は、プラズマ光出射窓部10Cと重なっている。発光封体1Aでは、光通過開口76の中心線は、プラズマ光出射窓部10Cの窓部材15の中心線に一致しており(すなわち、光軸A2に一致しており)、光通過開口76は、X軸方向から見た場合にプラズマ光出射窓部10Cの窓部材15に含まれている。光通過開口76は、包囲空間73に対して狭められている。すなわち、プラズマ領域Rと光通過開口76とが並んでいる方向(発光封体1Aでは、X軸方向)から見た場合に、光通過開口76における包囲空間73側の開口端76aが包囲空間73に含まれている。発光封体1Aでは、光通過開口76は、包囲空間73側の開口端76aが包囲空間73とは反対側の開口端76bよりも小さいテーパ状の開口である。プラズマ光出射窓部10Cの窓部材15は、光通過開口76の外側に位置している。
【0033】
包囲部7は、第1包囲部材7A、及び二つの第2包囲部材7B,7Cを有している。第1包囲部材7A、及び二つの第2包囲部材7B,7Cは、互いに別体で形成されている。第1包囲部材7A、及び二つの第2包囲部材7B,7Cのそれぞれの材料は、高温耐性を有する絶縁材料であって、例えばセラミックである。特に白色のセラミックを用いた場合、プラズマ光L2を反射することでプラズマ光出射窓部10B及びプラズマ光出射窓部10Cから取り出す光量をより大きくすることができる。第1包囲部材7Aは、包囲空間73の大部分、光通過開口74、及び二つの電極用開口78,79を画定している。第2包囲部材7Bは、光通過開口75、及び包囲空間73における光通過開口75側の一部を画定している。第2包囲部材7Cは、光通過開口76、及び包囲空間73における光通過開口76側の一部を画定している。なお、包囲部7を発光封体1Aの製造時に収容空間21の所望の位置に導入しやすいように、包囲部7の外面形状の少なくとも一部が電極用開口26の内面形状に沿った形状となっている。包囲部7の外面の一部と収容空間21を画定している筐体2の内壁とが当接することで、収容空間21内における包囲部7の位置決めが行われる。第1包囲部材7A、及び二つの第2包囲部材7B,7Cは、互いに組み合わされた状態で、筐体2によって保持されている。
【0034】
第1包囲部材7Aの内面7aは、滑らかな凹面状の領域S1を含んでいる。発光封体1Aでは、領域S1によって囲まれている空間は、X軸方向に沿って延在している中心線を有する円柱状である。X軸方向から見た場合、領域S1は、プラズマ領域Rを中心とする円形状を呈している。つまり、第1包囲部材7Aの内面7aのうちプラズマ領域Rを挟んでレーザ光入射窓部10Aと向かい合っている領域は、滑らかな凹面状の領域S1の一部である。光通過開口74、及び二つの電極用開口78,79は、第1包囲部材7Aの内面7aの領域S1において開口している。なお、電極用開口78,79の直径はそれぞれ第1電極3及び第2電極4の直径よりも僅かに大きい。第1包囲部材7Aと第1電極3及び第2電極4とは僅かな隙間をもって離間している。その隙間の長さは、第1電極3及び第2電極4の直径の1/5以下である。そのため、当該隙間によって、包囲空間73内におけるガスの動向(対流の発生)に大きな影響を与えることなく、各部材の熱膨張や部材の精度及び位置決めのばらつき等の影響を抑制することができる。二つの第2包囲部材7B,7Cは、X軸方向に沿ってプラズマ領域Rを挟み込むように第1包囲部材7Aの内側にそれぞれ配置されている。その際、第1包囲部材7Aの内側に設けられた段差部に第2包囲部材7B,7Cが当接することで、第2包囲部材7B,7Cが位置決めされている。各第2包囲部材7B,7Cは、X軸方向を厚さ方向とする板状の部材である。包囲空間73は、収容空間21内において、第1包囲部材7Aの内面7a、第2包囲部材7Bのプラズマ領域R側の側面、第2包囲部材7Cのプラズマ領域R側の側面、三つの光通過開口74,75,76、及び二つの電極用開口78,79によって包囲されている。つまり、包囲部7は、筐体2内において包囲空間73を画定していると共に、筐体2内においてプラズマ領域Rを包囲している。
【0035】
筐体2の本体部20には、収容空間21内にガスGを封入するための封入孔29が形成されている。封入孔29には、封入管8が接続されている。封入管8の材料は、例えば銅等の金属材料である。封入管8における封入孔29とは反対側の端部は、封止されている。封入管8の外面は、例えば金属ロウ材等の接合材によって、封入孔29の内面に気密に接合されている。
【0036】
以上のように構成された発光封体1Aでは、第2電極4を接地電位とする場合、第1電極3に負の電圧パルス又は正の電圧パルスが印加される。これにより、包囲空間73内のガスGにおいてアーク放電が発生し、第1電極3と第2電極4との間においてプラズマが発生する。このとき、レーザ光入射窓部10Aからプラズマ領域Rにレーザ光L1が入射することで、プラズマ領域Rにおいてプラズマが維持される。そして、プラズマから発せられたプラズマ光L2が、出力光として二つのプラズマ光出射窓部10B,10Cから外部に出射する。
【0037】
以上説明したように、発光封体1Aでは、筐体2内においてプラズマ領域Rを含む包囲空間73が包囲部7によって画定されている。したがって、筐体2内に包囲部7が配置されていない場合に比べ、ガスGが対流する空間が狭くなるため、当該空間においてガスGに対流が発生するのを抑制することができる。更に、包囲部7において三つの光通過開口74,75,76が包囲空間73に対して狭められている。これにより、三つの光通過開口74,75,76のいずれもが包囲空間に対して狭められていない場合に比べ、包囲空間73内のガスGが筐体2外の環境の影響を受けにくくなるため、筐体2外の環境に起因するガスGの対流の発生を抑制することができる。よって、発光封体1Aによれば、出力光の品質の向上を図ることができる。更に、包囲部7において三つの光通過開口74,75,76が包囲空間73に対して狭められていることで、三つの光通過開口74,75,76のいずれもが包囲空間に対して狭められていない場合に比べ、例えばプラズマによって第1電極3及び第2電極4がスパッタされて異物が発生した場合においても、当該異物が三つの光通過開口74,75,76を通過してレーザ光入射窓部10A、プラズマ光出射窓部10B及びプラズマ光出射窓部10Cに到ることを抑制することができる。これにより、各窓部が汚れることによる光量低下といった問題を抑制し、出力光の品質の維持を図ることができる。
【0038】
発光封体1Aでは、包囲部7は、絶縁性材料によって形成されている。これにより、ガスGが対流する空間が絶縁性の包囲部7によって包囲されているため、包囲部7がプラズマに影響を及ぼすことなく、プラズマを安定的に維持することができる。更に、包囲空間73内のガスGが金属製の筐体2によって冷却されるのを抑制できるため、対流を安定化することができ、対流によるプラズマへの影響を抑制し、プラズマを安定的に維持することができる。更に、包囲部7を介して第1電極3と第2電極4とが電気的に接続されてしまうことを抑制できるので、プラズマを確実に発生することができる。
【0039】
発光封体1Aでは、光通過開口75は、光通過開口75における包囲空間73側の開口端75aが光通過開口75における包囲空間73とは反対側の開口端75bよりも小さいテーパ状の開口である。これにより、包囲部7において光通過開口75を包囲空間73に対して狭めつつも、放射状に発せられたプラズマ光L2を、光通過開口75及びプラズマ光出射窓部10Bを介して筐体2外に効率良く出射させることができる。発光封体1Aでは、光通過開口76は、光通過開口76における包囲空間73側の開口端76aが光通過開口76における包囲空間73とは反対側の開口端76bよりも小さいテーパ状の開口である。これにより、包囲部7において光通過開口76を包囲空間73に対して狭めつつも、放射状に発せられたプラズマ光L2を、光通過開口76及びプラズマ光出射窓部10Cを介して筐体2外に効率良く出射させることができる。
【0040】
発光封体1Aでは、包囲部7は、第1包囲部材7A、及び二つの第2包囲部材7B,7Cを有しており、第1包囲部材7A、及び二つの第2包囲部材7B,7Cは、互いに別体で形成されている。第1包囲部材7Aは、光通過開口74を画定しており、第2包囲部材7Bは、光通過開口75を画定しており、第2包囲部材7Cは、光通過開口76を画定している。これにより、対流の発生を抑制するために好ましい形状の包囲部7を精度良く形成することができる。例えば包囲部7の形状は複雑であるため単一の部材で一体に形成することは困難だが、包囲部7を第1包囲部材7A、及び二つの第2包囲部材7B,7Cに分割して構成することで、包囲部7を精度良く形成することができる。そして、第1包囲部材7A、及び二つの第2包囲部材7B,7Cのそれぞれに三つの光通過開口74,75,76を精度良く形成することができるため、所望の光軸を精度良く備えた発光封体1Aを得ることができる。
【0041】
発光封体1Aでは、包囲部7の第1包囲部材7Aの内面7aは、滑らかな凹面状の領域S1を含み、光通過開口74は、領域S1において開口している。これにより、滑らかな凹面状の領域S1の近傍におけるガスの移動をスムーズにすることができるため、対流によるプラズマへの影響を抑制し、プラズマを安定的に維持することができる。
【0042】
発光封体1Aでは、包囲部7の第1包囲部材7Aの内面7aのうちプラズマ領域Rを挟んでレーザ光入射窓部10Aと向かい合っている領域は、滑らかな凹面状の領域S1である。これにより、プラズマを維持するためのレーザ光L1の入射に伴って、滑らかな凹面状の領域S1とプラズマ領域Rとの間に生じるガスの移動をスムーズにすることができるため、対流によるプラズマへの影響を抑制し、プラズマを安定的に維持することができる。また、プラズマを透過したレーザ光L1が内面7aに入射しても、その反射光がレーザ光入射窓部10Aに向かうことを抑制できるため、当該反射光によってレーザが破損する等の悪影響を抑制することができる。
【0043】
発光封体1Aでは、レーザ光入射窓部10Aは、光通過開口74における包囲空間73側の開口端74aに対して包囲空間73とは反対側に位置している。これにより、レーザ光入射窓部10Aが包囲空間73内に位置している場合に比べ、レーザ光入射窓部10Aがプラズマ領域Rにおいて発生した荷電粒子の影響を受けにくくなるため、レーザ光入射窓部10Aの損傷を抑制することができる。発光封体1Aでは、プラズマ光出射窓部10Bは、光通過開口75における包囲空間73側の開口端75aに対して包囲空間73とは反対側に位置している。これにより、プラズマ光出射窓部10Bが包囲空間73内に位置している場合に比べ、プラズマ光出射窓部10Bがプラズマ領域Rにおいて発生した荷電粒子の影響を受けにくくなるため、当該荷電粒子によるプラズマ光出射窓部10Bの損傷を抑制することができる。発光封体1Aでは、プラズマ光出射窓部10Cは、光通過開口76における包囲空間73側の開口端76aに対して包囲空間73とは反対側に位置している。これにより、プラズマ光出射窓部10Cが包囲空間73内に位置している場合に比べ、プラズマ光出射窓部10Cがプラズマ領域Rにおいて発生した荷電粒子の影響を受けにくくなるため、当該荷電粒子によるプラズマ光出射窓部10Cの損傷を抑制することができる。
[第2実施形態]
【0044】
図4、
図5及び
図6に示されるように、第2実施形態の発光封体1Bは、二つの光通過開口74,76の両方が、第1包囲部材7Aの内面7aのうち滑らかな凹面状の領域S1において開口している点、及び、光通過開口75が、第2包囲部材7Bの内面7bのうち滑らかな凹面状の領域S2において開口している点で第1実施形態の発光封体1Aと主に相違している。以下、第2実施形態の発光封体1Bについて、第1実施形態の発光封体1Aとの相違点を中心に説明する。
【0045】
包囲部7は、第1包囲部材7A、及び第2包囲部材7Bを有している。第1包囲部材7A、及び第2包囲部材7Bは、互いに別体で形成されている。第1包囲部材7A、及び第2包囲部材7Bのそれぞれの材料は、高温耐性を有する絶縁材料であって、例えばセラミックである。特に白色のセラミックを用いた場合、プラズマ光L2を反射することでプラズマ光出射窓部10B及びプラズマ光出射窓部10Cから取り出す光量をより大きくすることができる。第1包囲部材7Aは、包囲空間73の大部分、二つの光通過開口74,76、及び二つの電極用開口78,79を画定している。第2包囲部材7Bは、光通過開口75、及び包囲空間73における光通過開口75側の一部を画定している。なお、包囲部7を発光封体1Bの製造時に収容空間21の所望の位置に導入しやすいように、包囲部7の外面形状の少なくとも一部が電極用開口26の内面形状に沿った形状となっている。包囲部7の外面の一部と収容空間21を画定している筐体2の内壁とが当接することで、収容空間21内における包囲部7の位置決めが行われる。第1包囲部材7A、及び第2包囲部材7Bは、互いに組み合わされた状態で、筐体2によって保持されている。
【0046】
第1包囲部材7Aの内面7aは、滑らかな凹面状の領域S1を含んでいる。発光封体1Bでは、領域S1は、球面状の面を含む面である。領域S1のうち球面状の面以外の部分によって囲まれている空間は、円柱状である。光通過開口76は、領域S1の球面状の面の部分において開口している。光通過開口74、及び二つの電極用開口78,79は、領域S1の球面状の面の部分、及び領域S1のうち球面状の面以外の部分にわたって開口している。つまり、二つの光通過開口74,76は、領域S1において開口している。なお、電極用開口78,79の直径はそれぞれ第1電極3及び第2電極4の直径よりも僅かに大きい。第1包囲部材7Aと第1電極3及び第2電極4とは僅かな隙間をもって離間している。その隙間の長さは、第1電極3及び第2電極4の直径の1/5以下である。そのため、包囲空間73内におけるガスの動向(対流の発生)に大きな影響を与えることなく、各部材の熱膨張や部材の精度及び位置決めのばらつき等の影響を抑制することができる。第2包囲部材7Bは、X軸方向に沿って第1包囲部材7Aとの間にプラズマ領域Rを挟み込むように第1包囲部材7Aの内側に配置されている。その際、第1包囲部材7Aの内側に設けられた段差部に第2包囲部材7Bが当接することで、第2包囲部材7Bが位置決めされている。第2包囲部材7Bの内面7bは、滑らかな凹面状の領域S2を含んでいる。発光封体1Bでは、領域S2は、球面状の面である。光通過開口75は、領域S1において開口している。包囲空間73は、収容空間21内において、第1包囲部材7Aの内面7a、第2包囲部材7Bの内面7b、三つの光通過開口74,75,76、及び二つの電極用開口78,79によって包囲されている。つまり、包囲部7は、筐体2内において包囲空間73を画定していると共に、筐体2内においてプラズマ領域Rを包囲している。
【0047】
以上説明したように、発光封体1Bでは、包囲部7の第1包囲部材7Aの内面7aは、滑らかな凹面状の領域S1を含み、二つの光通過開口74,76は、領域S1において開口している。これにより、滑らかな凹面状の領域S1の近傍におけるガスの移動をスムーズにすることができるため、対流によるプラズマへの影響を抑制し、プラズマを安定的に維持することができる。
[第3実施形態]
【0048】
図7、
図8及び
図9に示されるように、第3実施形態の発光封体1Cは、筐体2がレーザ光出射窓部10Dを有している点、及び、包囲部7がレーザ光通過窓部10Eを有している点で第1実施形態の発光封体1Aと主に相違している。以下、第3実施形態の発光封体1Cについて、第1実施形態の発光封体1Aとの相違点を中心に説明する。
【0049】
筐体2は、本体部20、レーザ光入射窓部10A、プラズマ光出射窓部10C、及びレーザ光出射窓部10Dを有している。本体部20には、収容空間21、三つの窓部用開口22,24,25、及び二つの電極用開口26,27が形成されている。収容空間21は、プラズマ領域Rを含んでいる。窓部用開口22は、収容空間21からZ軸方向における一方側に開口している。窓部用開口25は、収容空間21からZ軸方向における他方側に開口している。窓部用開口24は、収容空間21からX軸方向における一方側に開口している。電極用開口26は、収容空間21からY軸方向における一方側に開口している。電極用開口27は、収容空間21からY軸方向における他方側に開口している。
【0050】
レーザ光出射窓部10Dは、窓部用開口25を気密に封止している。レーザ光出射窓部10Dは、プラズマを透過したレーザ光L1をプラズマ領域Rから出射させる。本実施形態においては、プラズマを透過したレーザ光L1に加え、プラズマ領域Rからレーザ光出射窓部10D側に出射されたプラズマ光L2も出射させるが、図面の簡略化のために図示はしない。なお、レーザ光出射窓部10Dから出射されるプラズマ光L2の光軸はレーザ光L1と同軸である。発光封体1Cでは、レーザ光出射窓部10Dは、光軸A1に沿ってレーザ光L1をプラズマ領域Rから出射させる。換言すれば、レーザ光出射窓部10Dからの出射光は、レーザ光L1の光軸A1と同軸の光軸を有する。
【0051】
レーザ光出射窓部10Dは、窓部材17及び保持部材18を有している。窓部材17は、光軸A1を中心線とし且つZ軸方向を厚さ方向とする板状に形成されている。窓部材17は、レーザ光L1を透過させる。窓部材17の材料は、少なくともレーザ光L1の波長に関して透過性を有する光透過性材料であり、より好ましくはレーザ光L1の波長に加えてプラズマ光L2の波長に関しても透過性を有する光透過性材料である。本実施形態においては、窓部材17の材料は、レーザ光L1およびプラズマ光L2の両方の波長に関して透過性を有する材料であって、例えばサファイアである。保持部材18は、光軸A1を中心線とする筒状に形成されている。窓部材17は、保持部材18の内側に配置された状態で、保持部材18によって保持されている。保持部材18の材料は、例えばコバール等の金属材料である。窓部材17の側面は、例えば金属ロウ材等の接合材によって、保持部材18の内面に気密に接合されている。保持部材18の外面は、例えばレーザ溶接によって、窓部用開口25の内面に気密に接合されている。
【0052】
包囲部7は、レーザ光通過窓部10Eを有している。包囲部7には、包囲空間73、三つの光通過開口74,76,77、及び二つの電極用開口78,79が形成されている。包囲空間73は、プラズマ領域Rを含んでいる。光通過開口74は、包囲空間73からZ軸方向における一方側に開口している。光通過開口77は、包囲空間73からZ軸方向における他方側に開口している。光通過開口76は、包囲空間73からX軸方向における一方側に開口している。電極用開口78は、包囲空間73からY軸方向における一方側に開口している。電極用開口79は、包囲空間73からY軸方向における他方側に開口している。
【0053】
光通過開口77は、レーザ光出射窓部10Dに対応している。すなわち、プラズマ領域Rとレーザ光出射窓部10Dとが並んでいる方向(発光封体1Cでは、Z軸方向)から見た場合に、光通過開口77は、レーザ光出射窓部10Dと重なっている。発光封体1Cでは、光通過開口77の中心線は、レーザ光出射窓部10Dの窓部材17の中心線に一致しており(すなわち、光軸A1に一致しており)、光通過開口77は、Z軸方向から見た場合にレーザ光出射窓部10Dの窓部材17に含まれている。光通過開口77は、包囲空間73に対して狭められている。すなわち、プラズマ領域Rと光通過開口77とが並んでいる方向(発光封体1Aでは、Z軸方向)から見た場合に、光通過開口77における包囲空間73側の開口端77aが包囲空間73に含まれている。発光封体1Cでは、光通過開口77は、包囲空間73側の開口端77aが包囲空間73とは反対側の開口端77bよりも小さいステップ状の開口である。レーザ光出射窓部10Dの窓部材17は、光通過開口77の外側に位置している。
【0054】
レーザ光通過窓部10Eは、光通過開口77に配置されている。レーザ光通過窓部10Eは、レーザ光出射窓部10Dと向かい合っていると共に、プラズマ領域Rを挟んでレーザ光入射窓部10Aと向かい合っている。レーザ光通過窓部10Eは、プラズマを透過したレーザ光L1をプラズマ領域Rから出射させる。本実施形態においては、プラズマを透過したレーザ光L1に加え、プラズマ領域Rからレーザ光通過窓部10E側に出射されたプラズマ光L2も出射させるが、図面の簡略化のために図示はしない。なお、レーザ光通過窓部10Eから出射されるプラズマ光L2の光軸はレーザ光L1と同軸である。発光封体1Cでは、レーザ光通過窓部10Eは、光軸A1に沿ってレーザ光L1をプラズマ領域Rから出射させる。換言すれば、レーザ光通過窓部10Eからの出射光は、レーザ光L1の光軸A1と同軸の光軸を有する。レーザ光通過窓部10Eは、絶縁性の窓部材19を有している。窓部材19は、光軸A1を中心線とし且つZ軸方向を厚さ方向とする板状に形成されている。窓部材19は、レーザ光L1を透過させる。窓部材19の材料は、少なくともレーザ光L1の波長に関して透過性を有する光透過性材料であり、より好ましくはレーザ光L1の波長に加えてプラズマ光L2の波長に関しても透過性を有する光透過性材料である。本実施形態においては、窓部材19の材料は、レーザ光L1およびプラズマ光L2の両方の波長に関して透過性を有する材料であって、例えばサファイアである。レーザ光通過窓部10Eの光通過領域(レーザ光L1が通過する領域)は、遮光性を有する第2包囲部材7Cの壁部71bによって画定されている。発光封体1Cでは、窓部材19の光通過領域が壁部71bによって画定されている。換言すれば、プラズマ領域Rと光通過開口77とが並んでいる方向(発光封体1Cでは、Z軸方向)から見た場合に、窓部材19の光通過領域が壁部71bによって包囲されている。
【0055】
発光封体1Cでは、包囲部7は、第1包囲部材7A、第2包囲部材7C、及び第3包囲部材7Dを有している。第1包囲部材7A、第2包囲部材7C、及び第3包囲部材7Dは、互いに別体で形成されている。第1包囲部材7Aは、光通過開口74、及び包囲空間73における光通過開口74側の一部を画定している。第2包囲部材7Cは、包囲空間73の大部分、光通過開口76、光通過開口77における包囲空間73側の一部分を画定している。第3包囲部材7Dは、光通過開口77の大部分を画定している。第1包囲部材7A、第2包囲部材7C、及び第3包囲部材7Dのそれぞれの材料は、高温耐性を有する絶縁材料であって、例えばセラミックである。特に白色のセラミックを用いた場合、プラズマ光L2を反射することでプラズマ光出射窓部10Cから取り出す光量をより大きくすることができる。窓部材19は、第2包囲部材7Cと第3包囲部材7Dとによって挟持されている。第1包囲部材7A、第2包囲部材7C、及び第3包囲部材7Dは、窓部材19と共に互いに組み合わされた状態で、筐体2によって保持されている。
【0056】
以上説明したように、発光封体1Cでは、包囲部7が、プラズマを透過したレーザ光L1をプラズマ領域Rから出射させるレーザ光通過窓部10Eを有している。したがって、ガスGに対流が発生しにくくなるようにガスGが対流する空間を狭くしても、当該空間に入射したレーザ光L1のうちプラズマを透過したレーザ光L1がレーザ光通過窓部10Eを透過するため、プラズマを透過したレーザ光L1の照射によって包囲部7が損傷を受けにくくなる。よって、発光封体1Cによれば、出力光の品質の向上及び装置としての寿命の向上の両立を図ることができる。
[第4実施形態]
【0057】
図10、
図11及び
図12に示されるように、第4実施形態の発光封体1Dは、プラズマ光出射窓部10Bの一部が光通過開口75の内側に位置している点、及び、プラズマ光出射窓部10Cの一部が光通過開口76の内側に位置している点で第1実施形態の発光封体1Aと主に相違している。以下、第4実施形態の発光封体1Dについて、第1実施形態の発光封体1Aとの相違点を中心に説明する。
【0058】
包囲部7には、包囲空間73、三つの光通過開口74,75,76、及び二つの電極用開口78,79が形成されている。包囲空間73は、プラズマ領域Rを含んでいる。光通過開口74は、包囲空間73からZ軸方向における一方側に開口している。光通過開口75は、包囲空間73からX軸方向における一方側に開口している。光通過開口76は、包囲空間73からX軸方向における他方側に開口している。電極用開口78は、包囲空間73からY軸方向における一方側に開口している。電極用開口79は、包囲空間73からY軸方向における他方側に開口している。
【0059】
光通過開口75は、包囲空間73側の開口端75aが包囲空間73とは反対側の開口端75bよりも小さいステップ状の開口である。光通過開口76は、包囲空間73側の開口端76aが包囲空間73とは反対側の開口端76bよりも小さいステップ状の開口である。プラズマ光出射窓部10Bの一部は、光通過開口75の内側に位置している。発光封体1Dでは、プラズマ光出射窓部10Bの窓部材13における包囲空間73側の端面が、光通過開口75における開口端75a、及び光通過開口75における開口端75bの間に位置している。プラズマ光出射窓部10Cの一部は、光通過開口76の内側に位置している。発光封体1Dでは、プラズマ光出射窓部10Cの窓部材15における包囲空間73側の端面が、光通過開口76における開口端76a、及び光通過開口76における開口端76bの間に位置している。
【0060】
以上説明したように、発光封体1Dでは、プラズマ光出射窓部10Bの一部は、光通過開口75の内側に位置している。これにより、プラズマ光出射窓部10Bの全部が光通過開口75の外側に位置している場合に比べ、包囲空間73内のガスGの対流の発生をより抑制することができる。発光封体1Dでは、プラズマ光出射窓部10Cの一部は、光通過開口76の内側に位置している。これにより、プラズマ光出射窓部10Cの全部が光通過開口76の外側に位置している場合に比べ、包囲空間73内のガスGの対流の発生をより抑制することができる。
[第5実施形態]
【0061】
図13、
図14及び
図15に示されるように、第5実施形態の発光封体1Eは、包囲部7の第1包囲部分71が第1保持部5に設けられている点、及び、包囲部7の第2包囲部分72が第2保持部6に設けられている点で第3実施形態の発光封体1Cと主に相違している。以下、第5実施形態の発光封体1Eについて、第3実施形態の発光封体1Cとの相違点を中心に説明する。
【0062】
第1保持部5は、Y軸方向に沿って延在している絶縁性の部材であり、第1電極3を保持している。第1保持部5は、例えばセラミック等の高温耐性を有する絶縁材料からなる。第1保持部5は、本体部51及び筒状部52を有している。本体部51の一部は筐体2の内部に位置しており、本体部51の残部は筐体2の外部に位置している。筒状部52は、本体部51のうち筐体2の外部に位置している部分に設けられている。筒状部52は、本体部51に対してプラズマ領域Rとは反対側に位置している。本体部51には、Y軸方向に沿って本体部51を貫通している貫通孔51aが形成されている。貫通孔51aは、筒状部52の内側に開口している。貫通孔51a内には、第1電極3の中間部32が配置されている。中間部32の側面は、例えば金属ロウ材等の接合材によって、貫通孔51aの内面に気密に接合されている。筒状部52の内側には、第1電極3の基端部33が配置されている。
【0063】
第2電極4は、筐体2外から、筐体2の電極用開口27と、包囲部7の電極用開口79とを介して、包囲部7が画定する包囲空間73内に延在している。発光封体1Eでは、第2電極4は、Y軸方向に延在している棒状の部材である。第2電極4の材料は、例えばタングステン等の高融点金属材料である。第2電極4の先端部41は、筐体2内においてプラズマ領域Rに臨んでいる。発光封体1Eでは、第2電極4の先端部41は、包囲空間73内においてプラズマ領域Rに臨んでおり、包囲部7によって包囲されている。
【0064】
発光封体1Eは、第2保持部6を備えている。第2保持部6は、Y軸方向に沿って延在している絶縁性の部材であり、第2電極4を保持している。第2保持部6の材料は、高温耐性を有する絶縁材料であって、例えばセラミックである。第2保持部6は、本体部61及び筒状部62を有している。本体部61の一部は筐体2の内部に位置しており、本体部61の残部は筐体2の外部に位置している。筒状部62は、本体部61のうち筐体2の外部に位置している部分に設けられている。筒状部62は、本体部61に対してプラズマ領域Rとは反対側に位置している。本体部61には、Y軸方向に沿って本体部61を貫通している貫通孔61aが形成されている。貫通孔61aは、筒状部62の内側に開口している。貫通孔61a内には、第2電極4の中間部42が配置されている。中間部42の側面は、例えば金属ロウ材等の接合材によって、貫通孔61aの内面に気密に接合されている。筒状部62の内側には、第2電極4の基端部43が配置されている。
【0065】
第2保持部6は、筐体2に固定されている。発光封体1Eでは、第2保持部6は、筒状の接続部材9Bを介して筐体2に固定されている。接続部材9Bは、筒状部91B及び内向きフランジ部92Bを有している。内向きフランジ部92Bは、筒状部91Bにおける筐体2とは反対側の端部に設けられている。接続部材9Bの材料は、例えばコバール等の金属材料である。内向きフランジ部92Bは、例えば金属ロウ材等の接合材によって、第2保持部6の本体部61に設けられた外向きフランジ部63に気密に接合されている。筒状部91Bにおける筐体2側の端部は、例えばレーザ溶接によって、筐体2に気密に接合されている。
【0066】
包囲部7には、包囲空間73、三つの光通過開口74,76,77、及び二つの電極用開口78,79が形成されている。包囲空間73は、プラズマ領域Rを含んでいる。光通過開口74は、包囲空間73からZ軸方向における一方側に開口している。光通過開口77は、包囲空間73からZ軸方向における他方側に開口している。光通過開口76は、包囲空間73からX軸方向における一方側に開口している。電極用開口78は、包囲空間73からY軸方向における一方側に開口している。電極用開口79は、包囲空間73からY軸方向における他方側に開口している。包囲部7の材料は、高温耐性を有する絶縁材料であって、例えばセラミックである。特に白色のセラミックを用いた場合、プラズマ光L2を反射することでプラズマ光出射窓部10Cから取り出す光量をより大きくすることができる。
【0067】
包囲部7は、第1包囲部分71及び第2包囲部分72を有している。第1包囲部分71は、包囲空間73の大部分、三つの光通過開口74,76,77、及び電極用開口78を画定している。第2包囲部分72は、電極用開口79、及び包囲空間73の電極用開口79側の一部を画定している。第1包囲部分71は、電極用開口78が第1保持部5の貫通孔51aと連通した状態で、第1保持部5と一体で形成されている。つまり、第1包囲部分71は第1保持部5に設けられている。第1包囲部分71は、電極用開口79が第2保持部6の貫通孔61aと連通した状態で、第2保持部6と一体で形成されている。つまり、第2包囲部分72は第2保持部6に設けられている。
【0068】
以上説明したように、発光封体1Eでは、包囲部7の第1包囲部分71が、第1電極3を保持している絶縁性の第1保持部5に設けられており、包囲部7の第2包囲部分72が、第2電極4を保持している絶縁性の第2保持部6に設けられている。これにより、第1電極3を保持している第1保持部5、及び第2電極4を保持している第2保持部6を利用して、包囲部7を構成することができる。
[変形例]
【0069】
本発明は、上述した実施形態に限定されない。第1実施形態の発光封体1Aでは、第2包囲部材7Bは板状の部材であったが、第2包囲部材7Bは光通過開口75を画定していればよい。一例として、第2包囲部材7Bは略立方体状の部材であってもよい。第1実施形態の発光封体1Aでは、第2包囲部材7Cは板状の部材であったが、第2包囲部材7Cは光通過開口76を画定していればよい。一例として、第2包囲部材7Cは略立方体状の部材であってもよい。
【0070】
第1実施形態の発光封体1A、第2実施形態の発光封体1B、及び第4実施形態の発光封体1Dでは、包囲部7において、三つの光通過開口74,75,76のうち少なくとも一つの開口が、包囲空間73に対して狭められていればよい。第3実施形態の発光封体1C及び第5実施形態の発光封体1Eでは、包囲部7において、二つの光通過開口74,76のうち少なくとも一方が、包囲空間73に対して狭められていればよい。これらの場合にも、ガスGに対流が発生するのを確実に抑制することができる。
【0071】
第5実施形態の発光封体1Eでは、包囲部7の第1包囲部分71が、第1電極3を保持している絶縁性の第1保持部5に設けられていたが、包囲部7の全体が、第1電極3を保持している絶縁性の第1保持部5に設けられていてもよい。
【0072】
第1実施形態の発光封体1A、第2実施形態の発光封体1B、第3実施形態の発光封体1C、第4実施形態の発光封体1D、及び第5実施形態の発光封体1Eは、第1電極3及び第2電極4を備えていなくてもよい。その場合にも、レーザ光L1をガスGに照射することで、プラズマを発生させることができる。
【0073】
第2実施形態の発光封体1Bでは、二つの光通過開口74,76が領域S1において開口していたが、二つの光通過開口74,76の少なくとも一方が領域S1において開口していればよい。
【0074】
第4実施形態の発光封体1Dでは、プラズマ光出射窓部10Bの一部が光通過開口75の内側に位置しており、プラズマ光出射窓部10Cの一部が光通過開口76の内側に位置していたが、レーザ光入射窓部10Aの一部が光通過開口74の内側に位置していてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1A,1B,1C,1D,1E…発光封体、2…筐体、7…包囲部、7A…第1包囲部材、7a,7b…内面、7B,7C…第2包囲部材、10A…レーザ光入射窓部(第1窓部)、10B,10C…プラズマ光出射窓部(第2窓部)、73…包囲空間、74a,74b,75a,75b,76a,76b,77a,77b…開口端、74…光通過開口(第1開口)、75,76…光通過開口(第2開口)、G…ガス、L1…レーザ光(第1光)、L2…プラズマ光(第2光)、R…プラズマ領域、S1,S2…領域。
【要約】
【課題】出力光の品質の向上を図ることができる発光封体を提供する。
【解決手段】発光封体1Aは、レーザ光L1をプラズマ領域Rに入射させるレーザ光入射窓部10A、及び、プラズマ光L2をプラズマ領域Rから出射させるプラズマ光出射窓部10Bを有する筐体2と、筐体2内においてプラズマ領域Rを含む包囲空間73を画定しており、レーザ光入射窓部10Aに対応している光通過開口74、及びプラズマ光出射窓部10Bに対応している光通過開口75を有する包囲部7と、を備える。レーザ光入射窓部10Aは、光通過開口74における包囲空間73側の開口端74aに対して包囲空間73とは反対側に位置しており、プラズマ光出射窓部10Bは、光通過開口75における包囲空間73側の開口端75aに対して包囲空間73とは反対側に位置している。二つの光通過開口74,75は、包囲空間73に対して狭められている。
【選択図】
図1