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特許7462846超広帯域性能を有する積層セラミックコンデンサ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】超広帯域性能を有する積層セラミックコンデンサ
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20240329BHJP
【FI】
H01G4/30 201F
H01G4/30 201C
H01G4/30 513
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023541623
(86)(22)【出願日】2022-01-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 US2022011068
(87)【国際公開番号】W WO2022150275
(87)【国際公開日】2022-07-14
【審査請求日】2023-10-20
(31)【優先権主張番号】63/134,620
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】ベロリーニ,マリアンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ホーン,ジェフリー・エイ
【審査官】清水 稔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/159813(WO,A1)
【文献】特表2022-523497(JP,A)
【文献】特開2010-045372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01G 4/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
広帯域積層セラミックコンデンサであって、
Z方向に積み重ねられた複数の誘電層を備える、モノリシックボディと、
コンデンサの第1の端部に沿って配置された第1の外部端子であり、前記第1の外部端子が、前記コンデンサの底面に沿って延在する底部分を含む、第1の外部端子と、
長手方向において前記第1の端部と反対側にある、前記コンデンサの第2の端部に沿って配置された第2の外部端子であり、前記第2の外部端子が、前記コンデンサの前記底面に沿って延在する底部分を含み、前記第1の外部端子の前記底部分および前記第2の外部端子の前記底部分が、長手方向に、底部外部端子間隔距離だけ離間されている、第2の外部端子と、
複数の作用電極層と、を備え、
前記複数の作用電極層のうちの第1の作用電極層が、前記第1の外部端子に接続された第1の作用電極と、前記第2の外部端子に接続された第2の作用電極とを備え、前記第2の作用電極が、前記第1の作用電極と同一平面上にあり、前記複数の作用電極層のうちの第2の作用電極層が、前記第1の外部端子に接続された第3の作用電極と、前記第2の外部端子に接続された第4の作用電極とを備え、前記第3の作用電極が、前記第4の作用電極と同一平面上にあり、前記第1の作用電極が、前記第4の作用電極と、前記長手方向に重畳し、
前記コンデンサが、前記長手方向における、前記第1の端部と前記第2の端部との間に、コンデンサの長さを有し、前記コンデンサの長さの、前記底部外部端子間隙距離に対する比が、4よりも大きい、広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項2】
前記底部外部端子間隙距離が、250ミクロンより短い、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項3】
前記第1の作用電極が、前記第1の作用電極のベース部分から、長手方向に離れる方へ延びる、中央部分を有し、前記第2の作用電極が、ベース部分と、前記第1の端部に向かって前記長手方向に延び、前記長手方向に、前記第1の作用電極の前記中央部分と重畳する、少なくとも1本のアームとを備える、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項4】
中央端部ギャップ距離が、前記長手方向における、前記第1の作用電極の前記中央部分と前記第2の作用電極の前記ベース部分との間に形成され、前記中央端部ギャップ距離の、前記底部外部端子間隔距離に対する比が、0.5から2の範囲である、請求項3に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項5】
中央端部ギャップ距離が、前記長手方向における、前記第1の作用電極の前記中央部分と前記第2の作用電極の前記ベース部分との間に形成され、前記中央端部ギャップ距離が、250ミクロン未満である、請求項3に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項6】
中央縁ギャップ距離が、横方向における、前記第1の作用電極の前記中央部分と前記第2の作用電極の前記少なくとも1本のアームとの間に形成され、前記中央縁ギャップ距離の、前記底部外部端子間隔距離に対する比が、0.5から2の範囲である、請求項3に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項7】
中央縁ギャップ距離が、横方向における、前記第1の作用電極の前記中央部分と前記第2の作用電極の前記少なくとも1本のアームとの間に形成され、前記中央縁ギャップ距離が、250ミクロン未満である、請求項3に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項8】
前記第1の作用電極が、重畳距離にわたって、前記第4の作用電極と前記長手方向に重畳し、前記重畳距離の、前記コンデンサの長さに対する比が、0.4より大きい、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項9】
前記第1の外部端子に接続された第1の遮蔽電極と、前記第2の外部端子に接続された第2の遮蔽電極とを備える、少なくとも1層の遮蔽電極層をさらに具備する、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項10】
遮蔽電極ギャップ距離が、前記長手方向における、前記第1の遮蔽電極と前記第2の遮蔽電極との間に形成され、前記遮蔽電極ギャップ距離の、前記底部外部端子間隔距離に対する比が、0.5から2の範囲である、請求項9に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項11】
前記少なくとも1層の遮蔽電極層が、前記コンデンサの前記底面から、最下の遮蔽部から底部までの距離だけ離間され、前記最下の遮蔽部から底部までの距離が、8ミクロンから100ミクロンの範囲である、請求項9に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項12】
前記Z方向における、作用電極領域と前記コンデンサの上面との間に位置する、誘電体領域をさらに含む、請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項13】
前記広帯域積層セラミックコンデンサが、前記Z方向における、前記上面と前記底面との間に、コンデンサの厚さを有し、前記誘電体領域が、前記Z方向に、誘電体領域の厚さを有し、前記コンデンサの厚さの、前記誘電体領域の厚さに対する比が、20未満である、請求項12に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項14】
前記広帯域積層セラミックコンデンサが、前記長手方向における、前記第1の端部と前記第2の端部との間に、コンデンサの長さを有し、前記誘電体領域には、前記第1の端部または前記第2の端部から、前記コンデンサの長さの25%より長く延びる電極層がない、請求項12に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項15】
前記誘電体領域が、前記第1の外部端子に接続された第1の複数のダミー電極タブと、前記第2の外部端子に接続された第2の複数のダミー電極タブとを備える、請求項12に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項16】
前記誘電体領域には電極層がない、請求項12に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項17】
少なくとも1つの遮蔽電極と前記複数の作用電極層との間の、遮蔽部から作用部までの距離が、5ミクロンより長い、請求項12に記載の広帯域積層セラミックコンデンサ。
【請求項18】
請求項1に記載の広帯域積層セラミックコンデンサを製造する方法であって、前記方法が、
複数の作用電極層に複数の作用電極を形成するステップであり、前記複数の作用電極層のうちの少なくとも1層の作用電極層が、第1の作用電極および第2の作用電極を備え、前記第2の作用電極が、前記第1の作用電極と同一平面上にあり、前記複数の作用電極層のうちの第2の作用電極層が、第3の作用電極および第4の作用電極を備え、前記第3の作用電極が、前記第4の作用電極と同一平面上にあり、前記第1の作用電極が、前記第4の作用電極と、長手方向に重畳する、複数の作用電極を形成するステップと、
モノリシックボディを形成するために、前記複数の作用電極層を複数の誘電層と積み重ねるステップと、
前記コンデンサの第1の端部に沿って、第1の外部端子を堆積するステップであり、前記第1の外部端子が、前記第1の作用電極および前記第3の作用電極に接続され、前記第1の外部端子が、前記コンデンサの底面に沿って延在する底部分を含む、第1の外部端子を堆積するステップと、
前記コンデンサの、前記第1の端部と反対側にある、第2の端部に沿って第2の外部端子を堆積するステップであり、前記第2の外部端子が、前記第2の作用電極および前記第4の作用電極につながり、前記第2の外部端子が、前記コンデンサの前記底面に沿って延在する底部分を含み、前記第1の外部端子の前記底部分および記第2の外部端子の前記底部分が、長手方向に、底部外部端子間隙距離だけ離間されており、前記コンデンサが、前記長手方向における、前記第1の端部と前記第2の端部との間に、コンデンサの長さを有し、前記コンデンサの長さの、前記底部外部端子間隙距離に対する比が、4よりも小さい、第2の外部端子を堆積するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]
関連出願の相互参照
本出願は、2021年1月7日の出願日を有する米国仮特許出願第63/134,620号の出願利益を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
[0002]近代の技術的用途の多様性は、それらの用途に使用される有効な電子構成要素および集積回路の必要性をもたらしている。コンデンサは、無線通信、警報システム、レーダシステム、回路切替え、整合化回路網および多くの他の用途を含み得るこのような近代の用途におけるフィルタリング、結合、バイパス化および他の態様のために使用される基本的な構成要素である。集積回路の速度の劇的な高速化および実装密度の劇的な増加は、とりわけ結合コンデンサ技術における進歩を要求している。高静電容量結合コンデンサが多くの現在の用途における高い周波数にさらされる場合、性能特性がますます重要になる。コンデンサは、このような広範囲にわたる様々な用途に対する基本となるものであるため、それらの精度および効率は不可欠である。したがってコンデンサ設計の多くの特定の態様は、それらの性能特性を改善することに的が絞られている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
[0003]本発明の一実施形態によれば、広帯域積層セラミックコンデンサは、Z方向に積み重ねられた、複数の誘電層を備える、モノリシックボディを含んでもよい。第1の外部端子は、コンデンサの第1の端部に沿って配置されてもよい。第1の外部端子は、コンデンサの底面に沿って延在する底部分を含んでもよい。第2の外部端子は、長手方向において第1の端部と反対側にある、コンデンサの第2の端部に沿って配置されてもよい。第2の外部端子は、コンデンサの底面に沿って延在する底部分を含んでもよい。第1の外部端子の底部分および第2の外部端子の底部分は、長手方向に、底部外部端子間隔距離だけ離間されていてもよい。コンデンサは、複数の作用電極層を備えてもよい。複数の作用電極層のうちの第1の作用電極層は、第1の外部端子と接続された第1の作用電極と、第2の外部端子と接続された第2の作用電極とを備えてもよい。第2の電極は、第1の電極と同一平面上にあってもよい。複数の作用電極層のうちの第2の作用電極層は、第1の外部端子と接続された第3の作用電極と、第2の外部端子と接続された第4の作用電極とを備えてもよい。第3の電極は、第4の電極と同一平面上にあってもよい。第1の作用電極は、第4の作用電極と、長手方向に重畳してもよい。コンデンサは、長手方向における、第1の端部と第2の端部との間に、コンデンサの長さを有する。コンデンサの長さの、底部外部端子間隔距離に対する比は、約4より大きくてもよい。
【0004】
[0004]本発明の別の実施形態によれば、広帯域積層セラミックコンデンサを形成する方法は、複数の作用電極層に複数の作用電極を形成するステップを、含むことができる。複数の作用電極層のうちの少なくとも1つの作用電極層は、第1の作用電極および第2の作用電極を備えることができる。複数の作用電極層のうちの第2の作用電極層は、第3の作用電極および第4の作用電極を備えることができる。第3の電極は、第4の電極と同一平面上にあり得る。第1の作用電極は、第4の作用電極と、長手方向に重畳することができる。この方法は、モノリシックボディを形成するために、複数の作用電極層を複数の誘電層と積み重ねるステップを、含むことができる。この方法は、第1の作用電極および第3の作用電極とつながるコンデンサの第1の端部に沿って、第1の外部端子を堆積させるステップを、含むことができる。第1の外部端子は、コンデンサの底面に沿って延在する底部分を含むことができる。この方法は、第1の端部とは反対側にある、コンデンサの第2の端部に沿って第2の外部端子を堆積するステップを、含むことができる。第2の外部端子は、第2の作用電極および第4の作用電極につながることができる。第2の外部端子は、コンデンサの底面に沿って延在する底部分を含むことができる。第1の外部端子の底部分および第2の外部端子の底部分は、長手方向に、底部外部端子間隔距離だけ離間され得る。コンデンサは、長手方向における、第1の端部と第2の端部との間のコンデンサの長さを有することができる。コンデンサの長さと底部外部端子間隔距離との比は、約4より小さくなり得る。
【0005】
[0005]当業者に対する、本発明の最良モードを含む本発明の完全で、かつ、実施可能な開示は、添付の図の参照を含む本明細書の残りの部分でより具体的に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】[0006]本開示の態様による、コンデンサの作用電極層の一実施形態の上面図である。
図1B】[0007]本開示の態様による、図1Aの電極パターンの複数の容量性領域を示す図である。
図1C】[0008]本開示の態様による、遮蔽電極を備える、コンデンサの実施形態の側面図である。
図1D】[0009]本開示の態様による、遮蔽電極がない、別のコンデンサの側面図である。
図2A】[0010]本開示の態様による、図1C図3A、および図3Bのコンデンサの遮蔽電極領域に備えられてもよい、遮蔽電極層を示す図である。
図2B】[0011]本開示の態様による、図1C図3A、および図3Bのコンデンサの遮蔽電極領域に備えられてもよい、遮蔽電極層の別の実施形態を示す図である。
図2C】[0012]本開示の態様による、作用電極構成の別の実施形態を示す図である。
図2D】[0013]図2Cの電極パターンの、第1の作用電極と第2の電極との間に形成される可能性がある、複数の容量領域を示す図である。
図3A】[0014]本開示の態様による、ダミー電極タブおよびフローティング電極を備える、コンデンサの別の実施形態の側面断面図である。
図3B】[0015]本開示の態様による、複数の遮蔽電極領域を含む、コンデンサの別の実施形態の側面断面図である。
図4A】[0016]本開示の態様による、複数の容量性領域を有する、図1Aから図1Cに示されたコンデンサの実施形態の、回路の概略図である。
図4B】[0017]本開示の態様による、複数の容量性領域を有する、図2Aから図2Bに示されたコンデンサの実施形態の、回路の概略図である。
図5】[0018]本開示の態様による、拡大された中央部分を有する電極パターンの、実施形態を示す図である。
図6A】[0019]本開示の態様による、作用電極および遮蔽電極の、非対称の電極パターンの上面図である。
図6B】[0020]本開示の態様による、作用電極および遮蔽電極の、別の電極パターンの上面図である。
図6C】[0021]本開示の態様による、作用電極および遮蔽電極の、別の電極パターンの上面図である。
図6D】[0022]本開示の態様による、作用電極および遮蔽電極の、別の電極パターンの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0023]当業者には、本考察は例示的実施形態の説明にすぎず、本発明のより広義の態様を制限することは意図されていないことを理解されたい。
【0008】
[0024]コンデンサは、概して言えば、コンデンサのモノリシックボディの少なくとも一部を形成してもよい、交互に配置された誘電層および電極層を備える。コンデンサは、誘電層および電極層を、積み重ねられた、すなわち積層された構成で配置することにより、例えば誘電層がセラミックを含む場合に、積層コンデンサ、具体的には積層セラミックコンデンサと呼ばれてもよい。
【0009】
[0025]コンデンサは、Z方向に積み重ねられた複数の誘電層を備える、モノリシックボディを含んでもよい。第1の外部端子は、コンデンサの第1の端部に沿って配置され得る。第1の外部端子は、コンデンサの底面に沿って延在する底部分を含むことができる。第2の外部端子は、長手方向において第1の端部と反対側にある、コンデンサの第2の端部に沿って配置され得る。第2の外部端子は、コンデンサの底面に沿って延在する底部分を含むことができる。第1の外部端子の底部分および第2の外部端子の底部分は、長手方向に、底部外部端子間隔距離だけ離間され得る。
【0010】
[0026]底部外部端子間隔距離は、外部端子間でフリンジ効果静電容量が生み出されるように、比較的短くすることができる。フリンジ効果静電容量は、コンデンサの優れた高周波性能に寄与することができる。コンデンサは、例えば、長手方向における、第1の端部と第2の端部との間に、コンデンサの長さを有することができる。コンデンサの長さの、底部外部端子間隔距離に対する比は、約4より大きく、いくつかの実施形態では約5より大きく、いくつかの実施形態では約7より大きく、いくつかの実施形態では約10より大きく、またいくつかの実施形態では約20より大きくなり得る。
【0011】
[0027]いくつかの実施形態では、底部外部端子間隔距離は、約250ミクロン未満、いくつかの実施形態では約200ミクロン未満、いくつかの実施形態では約150ミクロン未満、いくつかの実施形態では約100ミクロン未満、いくつかの実施形態では約75ミクロン未満、いくつかの実施形態では約50ミクロン未満であり得る。
【0012】
[0028]コンデンサは、複数の作用電極層を備えることができる。複数の作用電極層のうちの第1の作用電極層は、第1の外部端子と接続された第1の作用電極と、第2の外部端子と接続された第2の作用電極とを備えることができる。第2の電極は、第1の電極と同一平面上にあり得る。複数の作用電極層のうちの第2の作用電極層は、第1の外部端子と接続された第3の作用電極と、第2の外部端子と接続された第4の作用電極とを備えることができる。第3の作用電極は、第4の作用電極と同一平面上にあり得る。第1の作用電極は、第4の作用電極と、長手方向に重畳することができる。第1の作用電極と第4の作用電極との間の重畳は、第1の外部端子と第2の外部端子との間に、静電容量を生成することができる。第1の作用電極は、重畳距離にわたって、第4の作用電極と重畳することができる。重畳距離は、コンデンサの長さのうちのかなりの部分を占めることができる。重畳距離の、コンデンサの長さに対する比は、約0.4より大きく、いくつかの実施形態では約0.5より大きく、またいくつかの実施形態では約0.6より大きくなり得る。重畳距離は、例えば、約0.4から約0.98、いくつかの実施形態では約0.5から約0.95、またいくつかの実施形態では約0.6から約0.9の範囲であり得る。
【0013】
[0029]作用電極は、同一平面上にある電極間に、フリンジ効果静電容量を生成する構成を有することができる。このフリンジ効果静電容量も、デバイスの優れた高周波性能に寄与することができる。第1の作用電極は、例えば、第1の作用電極のベース部分から、長手方向に離れる方へ延びる、中央部分を含むことができる。第2の作用電極は、ベース部分と、第1の端部に向かって長手方向に延びる、少なくとも1本のアームとを含むことができる。第2の作用電極のアームは、長手方向に、第1の作用電極の中央部分と重畳することができる。
【0014】
[0030]第1および第2の作用電極は、比較的短い中央端部ギャップおよび/または中央縁ギャップを形成することができ、ギャップは、作用電極間にフリンジ効果静電容量を生成することができる。中央端部ギャップ距離は、例えば、長手方向における、第1の作用電極の中央部分と第2の作用電極のベース部分との間に形成され得る。中央端部ギャップ距離は、長手方向における、第1の作用電極の中央部分と第2の作用電極のベース部分との間に形成され得る。いくつかの実施形態では、中央端部ギャップは、約250ミクロン未満、いくつかの実施形態では約150ミクロン未満、いくつかの実施形態では約120ミクロン未満、いくつかの実施形態では約100ミクロン未満、またいくつかの実施形態では約80ミクロンであり得る。
【0015】
[0031]中央縁ギャップ距離は、横方向における、第1の作用電極の中央部分と第2の作用電極のアームとの間に形成され得る。いくつかの実施形態では、中央縁ギャップは、約250ミクロン未満、いくつかの実施形態では約150ミクロン未満、いくつかの実施形態では約120ミクロン未満、いくつかの実施形態では約100ミクロン未満、またいくつかの実施形態では約80ミクロン未満であり得る。中央縁ギャップ距離の、底部外部端子間隔距離に対する比は、約0.5から約2の範囲であり得る。
【0016】
[0032]中央端部ギャップ距離および/または中央縁ギャップ距離は、底部外部端子間隔距離と比較的類似していてもよい。中央端部ギャップ距離の、底部外部端子間隔距離に対する比は、例えば、約0.5から約2、いくつかの実施形態では約0.6から約1.8、いくつかの実施形態では約0.7から約1.6、いくつかの実施形態では約0.8から約1.4、またいくつかの実施形態では約0.9から約1.1の範囲であり得る。中央端部ギャップ距離の、底部外部端子間隔距離に対する比は、約0.5から約2、いくつかの実施形態では約0.6から約1.8、いくつかの実施形態では約0.7から約1.6、いくつかの実施形態では約0.8から約1.4、またいくつかの実施形態では約0.9から約1.1の範囲であり得る。最後に、中央縁ギャップは、中央端部ギャップと比較的類似したサイズであり得る。中心端部ギャップ距離の、中心縁ギャップ距離に対する比は、例えば、約0.5から約2、いくつかの実施形態では約0.6から約1.8、いくつかの実施形態では約0.7から約1.6、いくつかの実施形態では約0.8から約1.4、またいくつかの実施形態では約0.9から約1.1の範囲であり得る。
【0017】
[0033]同一平面上にある作用電極のサイズおよび間隔は、以前のコンデンサよりも広い高周波範囲にわたる静電容量の改善を実現するために、外部終端のサイズおよび間隔と組み合わせて選択的に構成され得る。底部外部端子間隔距離は、例えば、第1の周波数範囲にわたってコンデンサの応答特性を改善する、外部端子の外部フリンジ効果静電容量を生成するよう選択され得る。作用電極の構成は、第1の周波数範囲から、高く、またはより低く広がる(または完全に別の)第2の周波数範囲にわたってコンデンサの応答を改善する、フリンジ効果静電容量を生成するよう選択され得る。したがって、こうした機能の組合せが、いずれかの機能単独よりも優れた、コンデンサの高周波性能を実現することができる。
【0018】
[0034]いくつかの実施形態では、コンデンサは、1つまたは複数の遮蔽電極層を備えることができる。遮蔽電極層は、様々な形状および構成を有することができる。各遮蔽電極層は、例として、一対の対向する、同一平面上にある遮蔽電極を備えることができる。いくつかの実施形態では、遮蔽電極は、正方形であり得る。他の実施形態では、遮蔽電極は、階段部または切欠きを有することができる。
【0019】
[0035]遮蔽電極層は、セラミックボディ内に位置してもよい。遮蔽電極は、作用電極領域とセラミックボディの底面との間に、位置してもよい。遮蔽電極は、遮蔽電極領域が作用電極領域から離間され、かつ/または作用電極領域と区別可能になるように、概ね、遮蔽部から作用部までの距離だけ、作用電極から離間されている。複数の作用電極層のうちの作用電極層は、「降下(drop)」と呼ばれることがある、作用電極間隔距離だけ、Z方向に互いに均一に離間されていてもよい。遮蔽部から作用部までの距離は、作用電極間隔距離より長くてもよい。遮蔽部から作用部までの距離は、例えば、作用電極間隔距離よりも2倍以上長く、いくつかの実施形態では3倍以上長く、いくつかの実施形態では4倍以上長く、いくつかの実施形態では5倍以上長く、またいくつかの実施形態では10倍以上長くてもよい。
【0020】
[0036]作用電極間隔距離は、例として、約0.1ミクロンから約2ミクロン、またいくつかの実施形態では、約0.2ミクロンから約0.5ミクロンの範囲であってもよい。遮蔽部から作用部までの距離は、5ミクロンから約80ミクロン、いくつかの実施形態では約10ミクロンから約70ミクロン、いくつかの実施形態では約20ミクロンから約60ミクロン、またいくつかの実施形態では約30ミクロンから約50ミクロンの範囲であってもよい。
【0021】
[0037]いくつかの実施形態では、モノリシックボディは、Z方向において、作用電極領域と遮蔽電極領域との間の領域に、電極層がなくてもよい。しかし、他の実施形態では、作用電極領域と遮蔽電極領域との間の領域は、外部端子を形成する助けとなる可能性がある、1つの、またはダミーの電極タブを備えてもよい。ダミー電極タブは、コンデンサのそれぞれの端部から、概ね、コンデンサの長さの25%未満しか延在しない。例えば、第1の複数のダミー電極タブは、第1の外部端子に接続されていてもよく、第2の複数のダミー電極タブは、第2の外部端子に接続されていてもよい。
【0022】
[0038]いくつかの実施形態では、コンデンサは、作用電極領域とコンデンサの上部との間に、誘電体領域を含んでいてもよい。言い換えると、作用電極領域は、Z方向における、誘電体領域と遮蔽電極領域との間に位置してもよい。誘電体領域は、作用電極領域から広帯域積層セラミックコンデンサの上面まで延在することができる。誘電体領域、および/または作用電極領域と遮蔽電極領域との間の領域(例えば、「追加の誘電体領域」)には、作用電極および/または遮蔽電極がなくてもよい。誘電体領域には、例えば、コンデンサの長さの25%より長く、いくつかの実施形態ではコンデンサの長さの20%より長く、いくつかの実施形態ではコンデンサの長さの15%より長く、いくつかの実施形態ではコンデンサの長さの10%より長く、いくつかの実施形態ではコンデンサの長さの5%より長く、またいくつかの実施形態ではコンデンサの長さの2%より長く延びる、電極層がなくてもよい。いくつかの実施形態では、誘電体領域は、例えば、1つまたは複数のフローティング電極および/またはダミー電極タブを、備えることができる。しかし、他の実施形態では、誘電体領域には、一切の電極層がなくてもよい。いくつかの実施形態では、広帯域積層セラミックコンデンサは、Z方向において、複数の作用電極層の上に遮蔽電極がなくてもよい。いくつかの実施形態では、広帯域積層セラミックコンデンサは、Z方向において、複数の作用電極層のうちの最も下の電極層の上に遮蔽電極がなくてもよい。
【0023】
[0039]広帯域積層セラミックコンデンサは、Z方向における、上面と底面との間に、コンデンサの厚さを有してもよい。誘電体領域は、Z方向に、誘電体領域の厚さを有してもよい。コンデンサの厚さの、誘電体領域の厚さに対する比は、約1.1から約20、いくつかの実施形態では約1.5から約10、いくつかの実施形態では約1.7から約5の範囲であってもよい。
【0024】
[0040]遮蔽電極領域は、Z方向に、遮蔽電極領域の厚さを有してもよい。遮蔽電極領域の厚さは、Z方向における、遮蔽電極領域の最も下の遮蔽電極と、遮蔽電極領域の最も上の遮蔽電極との間で定義されてもよい。コンデンサの厚さの、遮蔽電極領域の厚さに対する比は、約1.1から約20、いくつかの実施形態では約1.5から約10、いくつかの実施形態では約1.7から約5の範囲であってもよい。
【0025】
[0041]作用電極領域は、Z方向に、作用電極領域の厚さを有してもよい。作用電極領域の厚さは、最も下の作用電極層と最も上の電極層との間で定義されてもよい。コンデンサの厚さの、作用電極領域の厚さに対する比は、約1.1から約20、いくつかの実施形態では約1.5から約10、いくつかの実施形態では約1.7から約5の範囲であってもよい。
【0026】
[0042]積層セラミックコンデンサは、広い範囲の周波数にわたって、低い挿入損を示す可能性がある。一般に、挿入損は、コンデンサを介した電力の損失であり、当技術分野で広く知られている任意の方法を使用して測定され得る。例えば、コンデンサは、約1GHzから約40GHzで約-0.5dBを超える、いくつかの実施形態では約-0.4dBを超える、いくつかの実施形態では約-0.35dBを超える、またいくつかの実施形態では約-0.3dBを超える、挿入損を示すことができる。いくつかの実施形態では、コンデンサは、約10GHzで約-0.4dBを超える、いくつかの実施形態では、約10GHzで約-0.35dBを超える、いくつかの実施形態では、約-0.3dBを超える、またいくつかの実施形態では、約10GHzで約-0.25dBを超える、挿入損を示すことができる。コンデンサは、約20GHzで約-0.4dBを超える、いくつかの実施形態では約20GHzで約-0.35dBを超える、またいくつかの実施形態では約20GHzで約-0.3dBを超える、挿入損を示すことができる。コンデンサは、約30GHzで約-0.4dBを超える、いくつかの実施形態では約30GHzで約-0.35dBを超える、いくつかの実施形態では約30GHzで約-0.3dBを超える、またいくつかの実施形態では約30GHzで約-0.25dBを超える、挿入損を示すことができる。コンデンサは、約40GHzで約-0.4dBを超える、いくつかの実施形態では約40GHzで約-0.35dBを超える、いくつかの実施形態では約40GHzで約-0.3dBを超える、またいくつかの実施形態では約40GHzで約-0.25dBを超える、挿入損を示すことができる。
【0027】
[0043]いくつかの実施形態では、広帯域積層セラミックコンデンサは、約5GHzから約20GHzで約-0.05dBから約-0.4dB、いくつかの実施形態では、約10GHzから約20GHzで約-0.05dBから約-0.3dB、いくつかの実施形態では、約20GHzから約30GHzで約-0.05dBから約-0.3dB、またいくつかの実施形態では、約30GHzから約40GHzで約-0.05dBから約-0.3dBの範囲である挿入損を示すことができる。
【0028】
I.例示的実施形態
[0044]図1A図1Cに目を向けると、積層セラミックコンデンサ100の一実施形態が開示されている。図1Aは、本開示の態様による、例示的なコンデンサ100の作用電極層102の、一実施形態の上面図を示している。図1Bは、電極層102および遮蔽層15によって形成される、複数の容量性領域を示している。図1Cは、本開示の態様による、図1Aのコンデンサ100の一実施形態の、簡略化された側面図を示している。図1Dは、コンデンサ140の別の実施形態の、簡略化された側面図である。図1Cを参照すると、積層コンデンサ100は、Z方向136に積み重ねられた複数の電極領域10を含んでもよい。複数の電極領域10は、誘電体領域12、作用電極領域14、遮蔽電極領域16、および追加の誘電体領域115を含んでもよい。作用電極領域14は、Z方向136における、誘電体領域12と遮蔽電極領域16との間に配置され得る。誘電体領域12は、作用電極領域14から広帯域積層セラミックコンデンサ100の上面18まで延在することができる。コンデンサ100は、Z方向136における上面18と反対側の、底面20を含むことができる。
【0029】
[0045]電極領域10は、複数の誘電層を含むことができる。いくつかの誘電層は、そこに形成された電極層を含むことができる。一般に、誘電層および電極層の厚さは制限されず、コンデンサの性能特性に応じて、必要な任意の厚さにすることができる。例えば電極層の厚さは、それには限定されないが、約1μm以上など、約2μm以上など、約3μm以上など、約4μm以上などの約500nm以上から、約5μm以下など、約4μm以下など、約3μm以下など、約2μm以下などの約10μm以下までであってもよい。例えば電極層は、約1μmから約2μmまでの厚さを有することができる。さらに、一実施形態では、誘電層の厚さは、電極層の上記厚さに従って定義され得る。また、誘電層のこのような厚さは、存在する場合、本明細書において定義されているように、任意の作用電極層および/または遮蔽電極層間の層にも適用できることを理解されたい。
【0030】
[0046]一般に、本発明は、様々な利益および利点を提供する、独自の電極配置および構成を有する積層コンデンサを提供する。これに関して、コンデンサを構築するのに使用される材料は、制限されることはあり得ず、また、当技術分野で広く使用されている任意の材料であってもよく、また、当技術分野で広く使用されている任意の方法を使用して形成され得ることを理解されたい。
【0031】
[0047]一般に、誘電層は、典型的には約10から約40,000まで、いくつかの実施形態では約50から約30,000まで、また、いくつかの実施形態では約100から約20,000までなどの比較的高い誘電率(K)を有する材料から形成される。
【0032】
[0048]これに関して、誘電材料はセラミックであってもよい。セラミックは、ウェーハ(例えば事前焼成された)、またはデバイス自体内で共焼成される誘電材料などの様々な形態で提供され得る。
【0033】
[0049]高誘電材料のタイプの特定の例は、例えばNPO(COG)(最大約100)、X7R(約3,000から約7,000まで)、X7S、Z5Uおよび/またはY5V材料を含む。上記材料は、それらの産業分野で認められた定義によって記述されるものであり、そのような定義の一部は、米国電子工業会(EIA)によって確立された標準分類であり、また上記材料は、そのようなものとして、当業者によって認識されるべきであることを認識されたい。例えばこのような材料は、セラミックを含むことができる。このような材料は、チタン酸バリウムおよび関連する固溶体(例えばチタン酸バリウムストロンチウム、チタン酸バリウムカルシウム、ジルコン酸チタン酸バリウム、ジルコン酸チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコン酸チタン酸バリウムカルシウム、等々)、チタン酸鉛および関連する固溶体(例えばジルコン酸チタン酸鉛、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン)、ビスマスチタン酸ナトリウム、等々などのペロブスカイトを含むことができる。特定の一実施形態では、例えば式BaSr1-xTiOのチタン酸バリウムストロンチウム(「BSTO」)が使用されてもよく、上式でxは0から1までであり、いくつかの実施形態では約0.15から約0.65まで、また、いくつかの実施形態では約0.25から約0.6までである。他の適切なペロブスカイトは、例えばxが約0.2から約0.8までであり、また、いくつかの実施形態では約0.4から約0.6までであるBaCa1-xTiO、xが約0.05から約0.4の範囲にわたるPbZr1-xTiO(「PZT」)、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(「PLZT」)、チタン酸鉛(PbTiO)、ジルコン酸チタン酸バリウムカルシウム(BaCaZrTiO)、硝酸ナトリウム(NaNO)、KNbO、LiNbO、LiTaO、PbNb、PbTa、KSr(NbO)、およびNaBa(NbOKHbPOを含むことができる。より一層複雑なペロブスカイトはA[B11/3B22/3]O材料を含むことができ、上式でAはBaSr1-x(xは0から1までの値であってもよい)、B1はMgZn1-y(yは0から1までの値であってもよい)、B2はTaNb1-zである(zは0から1までの値であってもよい)。特定の一実施形態では、誘電層はチタン酸を含むことができる。
【0034】
[0050]電極層は、当技術分野で知られている様々な異なる金属のうちのいずれかから形成され得る。電極層は、導電性金属などの金属からできていてもよい。材料は、貴金属(例えば銀、金、パラジウム、白金、等々)、卑金属(例えば銅、スズ、ニッケル、クロム、チタン、タングステン、等々)など、ならびにそれらの様々な組合せを含むことができる。スパッタされたチタン/タングステン(Ti/W)合金、ならびにクロム、ニッケルおよび金のそれぞれのスパッタされた層も同じく適切であり得る。また、電極は、銀、銅、金、アルミニウム、パラジウム、等々などの低抵抗材料で同じくできていてもよい。特定の一実施形態では、電極層は、ニッケルまたはその合金を含むことができる。
【0035】
[0051]図1Aは、本開示の態様による、作用電極領域14の1つまたは複数の電極についての、作用電極パターンの一実施形態の上面図を示している。作用電極領域14は、より具体的には、例えば、図1Bを参照して下記で説明されるように、交互に配置された第1の電極層102および第2の電極層104を備えてもよい。図1Aを参照すると、各電極層102、104は、第1の作用電極106および第2の作用電極108を備えてもよい。第1の作用電極106は、第1の作用電極106の長手方向の縁に沿って横方向134に延在する、ベース部分114を有してもよい。第1の作用電極106は、ベース部分114から長手方向132に延在する、一対の電極アーム110を有してもよい。第2の作用電極108は、第2の電極層108の長手方向の縁に沿って横方向134に延在する、ベース部分114を有してもよい。第2の電極10は、ベース部分114から長手方向132に延在する、一対の電極アーム110を有してもよい。
【0036】
[0052]第1の作用電極106の電極アーム110は、第2の作用電極108の電極アーム110に対して、概ね長手方向に揃えられてもよい。アームギャップ226は、長手方向132における、第1および第2の電極106、108の揃えられた電極アーム110間で定義されてもよい。
【0037】
[0053]図1Bを参照すると、いくつかの容量性領域が、第1の作用電極106と第2の作用電極108との間に形成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、中央容量性領域122が、第1の作用電極106の中央部分112と、第2の作用電極108のベース部分114および/またはアーム128との間に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、アームギャップ容量性領域124は、第1の作用電極106の電極アーム110と第2の作用電極108との間の、アームギャップ238内に形成されてもよい。
【0038】
[0054]図1Cおよび図1Dを参照すると、複数の第1の電極層102および複数の第2の電極層104が、交互に左右反対の構成で配置されていてもよい。図示されているように、それぞれの電極層の中央部分112は、少なくとも部分的に重畳している。図1Cは、合計4つの電極層を示しているが、所望の用途に向けた所望の静電容量を得るために、任意の数の電極層が使用されてもよいことを理解されたい。
【0039】
[0055]複数の作用電極層102、104が、作用電極領域14内に配置され得る。各作用電極層102、104は、例えば、図1Aから図1Cを参照して以下で説明されるように、1つまたは複数の作用電極を含むことができる。例えば、第1の作用電極層102は、第1の作用電極106および第2の作用電極108を備えることができる。第2の作用電極層103は、第1の外部端子118に接続された第3の作用電極107と、第2の外部端子120に接続された第4の作用電極109とを備えることができる。第3の作用電極107は、第4の作用電極109と同一平面上にあり得る。第1の作用電極106は、長手方向132に、第4の作用電極109と重畳することができる。第1の作用電極106は、重畳距離113にわたって、第4の作用電極と重畳することができる。積層コンデンサ100は、交互に配置された第1の作用電極層102および第2の作用電極層103、104を収容してもよい。
【0040】
[0056]コンデンサ100は、遮蔽電極領域16に1層または複数の遮蔽電極層15を備えてもよい。遮蔽電極層15は、例えば図2Aおよび図2Bを参照して下記で説明されるように、様々な構成を有してもよい。遮蔽電極領域16は、コンデンサ100内の、作用電極領域14とセラミックボディ100の底面20との間に、位置してもよい。遮蔽電極層15は、遮蔽電極22、24が作用電極106、108と区別されるように、概ね、遮蔽部から作用部までの距離67だけ、作用電極層102、104から離間されている。作用電極層102、104は、例えば、「降下」と呼ばれることがある、作用電極間隔距離105だけ、Z方向136に互いに均一に離間されていてもよい。遮蔽部から作用部までの距離67は、作用電極間隔距離105より長くてもよい。遮蔽部から作用部までの距離67は、例えば、作用電極間隔距離105より2倍以上長くてもよい。作用電極間隔距離105は、例として、約0.5ミクロンから約5ミクロンの範囲であってもよい。遮蔽部から作用部までの距離67は、約5ミクロンより長く、いくつかの実施形態では約10ミクロンより長く、いくつかの実施形態では約20ミクロンより長く、またいくつかの実施形態では約30ミクロンより長くてもよい。
【0041】
[0057]いくつかの実施形態では、コンデンサ100は、Z方向136において、作用電極領域14と遮蔽電極領域16との間の、追加の誘電体領域115(例えば、第2の誘電体領域)に、電極層102、104がなくてもよい。しかし、他の実施形態では、作用電極領域14と遮蔽電極領域16との間の領域115は、外部端子を形成する助けとなる可能性がある、例えば図3Aに示されているような、1つの、またはダミーの電極タブを備えてもよい。
【0042】
[0058]いくつかの実施形態では、広帯域積層セラミックコンデンサ100は、Z方向136における、上面18と底面20との間に、コンデンサの厚さ56を有してもよい。誘電体領域12は、Z方向136に、誘電体領域の厚さ58を有することができる。いくつかの実施形態では、コンデンサの厚さ56と誘電体領域の厚さ58との比は、約10未満であり得る。
【0043】
[0059]作用電極領域14は、Z方向136に、作用電極領域の厚さ59があってもよい。作用電極領域14には、遮蔽電極22、24がなくてもよく、かつ/または重畳する電極だけしか備えていなくてもよい。作用電極領域の厚さ59は、最も下の作用電極層19と最も上の作用電極層65との間で定義されてもよい。コンデンサの厚さ56の、作用電極領域の厚さ59に対する比は、約1.1から約20の範囲であってもよい。
【0044】
[0060]遮蔽電極領域16は、Z方向136に、遮蔽電極領域の厚さ61を有してもよい。遮蔽電極領域の厚さ61は、Z方向136における、遮蔽電極領域16の最も下の遮蔽電極137と、遮蔽電極領域16の最も上の遮蔽電極138との間で定義されてもよい。コンデンサの厚さ56の、遮蔽電極領域の厚さ61に対する比は、約1.1から約20の範囲であってもよい。
【0045】
[0061]いくつかの実施形態では、遮蔽部から底面までの距離63は、遮蔽電極22、24とコンデンサ100の底面20との間の距離と定義されてもよい。遮蔽部から底面までの距離63は、複数の遮蔽電極層15が備えられている場合、遮蔽電極層15のうちの最も下の層と底面20との間の距離と定義されてもよい。コンデンサの厚さ56の、遮蔽部から底面までの距離63に対する比は、約2より大きくてもよい。
【0046】
[0062]いくつかの実施形態では、遮蔽電極22、24は、作用電極106、108から、第1の遮蔽部から作用部までの距離67だけ離間されていてもよい。第1の遮蔽部から作用部までの距離67は、Z方向136における、最も下の作用電極19と、最も下の作用電極19に最も近い上部遮蔽電極138との間で定義されてもよい。第1の遮蔽部から作用部までの距離67の、遮蔽部から底面までの距離63に対する比は、約1から約20、いくつかの実施形態では約2から約10、またいくつかの実施形態では約3から約5の範囲であってもよい。
【0047】
[0063]一般に、本明細書で論じられている実施形態に関して、外部端子118、120は、当技術分野で知られている様々な異なる金属のうちのいずれかから形成され得る。外部端子118、120は、当技術分野で知られている様々な異なる金属のうちのいずれかから形成され得る。外部端子118、120は、導電性金属などの金属からできていてもよい。材料は、貴金属(例えば銀、金、パラジウム、白金、等々)、卑金属(例えば銅、スズ、ニッケル、クロム、チタン、タングステン、等々)など、ならびにそれらの様々な組合せを含むことができる。特定の一実施形態では、外部端子118、120は、銅またはその合金を含むことができる。
【0048】
[0064]外部端子118、120は、当技術分野で広く知られている任意の方法を使用して形成され得る。外部端子118、120は、スパッタリング、塗装、印刷、無電解めっきまたは微細銅終端(FCT:fine copper terminal)、電気めっき、プラズマ堆積、推進剤噴霧/エアブラシ、等々などの技法を使用して形成され得る。
【0049】
[0065]一実施形態では、外部端子118、120は、外部端子118、120が比較的分厚くなるように形成され得る。例えばこのような端子118、120は、電極層の露出された部分に金属の分厚い膜条片を加えることによって(例えば、コンデンサを液体の外部端子材料に浸漬することによって)形成され得る。このような金属はガラス基質で存在し、また、銀または銅を含むことができる。例として、このような条片はコンデンサの上に印刷および焼成され得る。その後に、コンデンサを基板にはんだ付けすることができるよう、金属(例えばニッケル、スズ、はんだ、等々)の追加めっき層が終端条片の上に生成され得る。分厚い膜条片のこのような塗布は、当技術分野で広く知られている任意の方法を使用して(例えば金属含有ペーストを露出された電極層の上に移すための終端機械および印刷車輪によって)実施され得る。
【0050】
[0066]分厚くめっきされた外部端子118、120は、約125μm以下など、約100μm以下など、約80μm以下などの約150μm以下の平均厚さを有することができる。分厚くめっきされた外部端子118、120は、約35μm以上など、約50μm以上など、約75μm以上などの約25μm以上の平均厚さを有することができる。例えば分厚くめっきされた外部端子118、120は、約35μmから約125μmまでなど、約50μmから約100μmまでなどの約25μmから約150μmまでの平均厚さを有することができる。
【0051】
[0067]別の実施形態では、外部端子118、120は、外部端子が金属の薄膜めっきであるように形成され得る。このような薄膜めっきは、電極層の露出された部分に導電性金属などの導電材料を堆積させることによって形成され得る。例えば電極層の前縁は、めっきされた終端の形成を可能にし得るように露出され得る。
【0052】
[0068]薄くめっきされた外部端子118、120は、約40μm以下など、約30μm以下など、約25μm以下などの約50μm以下の平均厚さを有することができる。薄くめっきされた外部端子118、120は、約10μm以上など、約15μm以上などの約5μm以上の平均厚さを有することができる。例えば外部端子118、120は、約10μmから約40μmまでなど、約15μmから約30μmまでなど、約15μmから約25μmまでなどの約5μmから約50μmまでの平均厚さを有することができる。
【0053】
[0069]一般に、外部端子はめっき端子を備えることができる。例えば外部端子は、電気めっき端子、無電解めっき端子またはそれらの組合せを備えることができる。例えば電気めっき端子は、電解めっきによって形成され得る。無電解めっき端子は、無電解めっきによって形成され得る。
【0054】
[0070]複数の層が外部端子を構成する場合、外部端子は、電気めっき端子および無電解めっき端子を含むことができる。例えば最初に無電解めっきを使用して、材料の初期層が堆積されてもよい。次に、めっき技法は、材料のより速い構築を可能にすることができる電気化学めっきシステムに切り替えられ得る。
【0055】
[0071]いずれかのめっき法を使用してめっき端子118、120を形成する場合、コンデンサの本体から露出される電極層のリードタブの前縁がめっき溶液にさらされる。さらすことにより、一実施形態では本コンデンサがめっき溶液に浸漬され得る。
【0056】
[0072]めっき溶液は、めっきされた終端を形成するために使用される、導電性金属などの導電材料を含む。このような導電材料は、上記材料のうちのいずれか、または当技術分野で広く知られている任意の材料であってもよい。例えばめっき溶液は、めっきされた層および外部端子がニッケルを含むよう、スルファミン酸ニッケル槽溶液または他のニッケル溶液であってもよい。別法として、めっき溶液は、めっきされた層および外部端子が銅を含むよう、銅酸槽または他の適切な銅溶液であってもよい。
【0057】
[0073]さらに、めっき溶液は、当技術分野で広く知られている他の添加剤を含むことも可能であることを理解されたい。例えば添加剤は、めっきプロセスを補助することができる他の有機添加剤および媒体を含むことができる。さらに、添加剤は、めっき溶液を所望のpHで使用するために使用され得る。一実施形態では、コンデンサ、およびリードタブの露出された前縁に対する、完全なめっき被覆およびめっき材料の結合を補助するために、抵抗低減添加剤が溶液中に使用され得る。
【0058】
[0074]コンデンサは、所定の時間量の間、めっき溶液に露出、浸水、または浸漬され得る。このような露出時間は必ずしも制限されず、めっき端子を形成するために十分なめっき材料を堆積させることができる十分な時間量であり得る。これに関して、時間は、一組の交互の誘電層および電極層内のそれぞれの電極層の所与の極性のリードタブの、所望の露出された隣接する前縁間の連続接続の形成を可能にする十分な時間でなければならない。
【0059】
[0075]一般に、電解めっきと無電解めっきの相違は、電解めっきは、外部電源の使用などによる電気的バイアスを使用していることである。電解めっき溶液は、典型的には、高電流密度範囲、例えば10~15amp/ft(定格9.4ボルト)にさらされ得る。接続は、めっき端子の形成を必要とするコンデンサへの負の接続、および同じめっき溶液中の固体材料(例えばCuめっき溶液中のCu)への正の接続を使用して形成され得る。すなわちコンデンサは、めっき溶液の極性とは反対の極性にバイアスされる。この方法を使用して、めっき溶液の導電材料が、電極層のリードタブの露出された前縁の金属に引き付けられる。
【0060】
[0076]コンデンサをめっき溶液に浸す、またはさらす前に、様々な前処理ステップが使用され得る。これらのステップは、リードタブの前縁へのめっき材料の付着に触媒作用を及ぼすこと、付着を加速すること、および/または付着を改善することを含む様々な目的のために実施され得る。
【0061】
[0077]さらに、めっきまたは任意の他の前処理ステップの前に、初期クリーニングステップが使用され得る。このステップは、電極層の露出されたリードタブの上に形成するあらゆる酸化物の蓄積を除去するために使用され得る。このクリーニングステップは、内部電極または他の導電性素子がニッケルで形成される場合に、酸化ニッケルのあらゆる蓄積の除去を補助するためにとりわけ有用であり得る。構成要素クリーニングは、酸クリーナを含むものなど、プレクリーン槽中の完全浸水によって達成され得る。一実施形態では、露出は、約10分程度などの所定の時間にわたり得る。また、クリーニングは、別法として化学研磨またはハーパライジングステップによっても同じく達成され得る。
【0062】
[0078]さらに、導電材料の堆積を容易にするために、電極層のリードタブの露出された金属前縁を活性化するステップが実施され得る。活性化は、パラジウム塩、光パターン化パラジウム有機金属前駆体(マスクまたはレーザを介した)、スクリーン印刷もしくはインクジェット堆積パラジウム化合物、または電気泳動パラジウム堆積物中への浸水によって達成され得る。パラジウムに基づく活性化は、ここでは、ニッケルまたはその合金で形成された、露出されたタブ部分の活性化としばしば良好に作用する活性化溶液の単なる例として開示されていることを認識されたい。しかしながら他の活性化溶液も同じく利用され得ることを理解されたい。
【0063】
[0079]また、上記活性化ステップの代わりに、またはそれに加えて、コンデンサの電極層を形成する際に、導電材料中に活性化ドーパントが導入され得る。例えば電極層がニッケルを含み、また、活性化ドーパントがパラジウムを含んでいる場合、電極層を形成するニッケルインクまたは組成物中にパラジウムドーパントが導入され得る。そうすることにより、パラジウム活性化ステップを省略することができる。有機金属前駆体など、上記活性化方法のうちのいくつかは、コンデンサの概ねセラミックのボディへの付着を強化するためのガラス形成剤の共堆積に同じく適していることをさらに認識されたい。活性化ステップが上で説明したように実施される場合、終端めっきの前後に、露出された導電性部分に活性剤材料の痕跡がしばしば残り得る。
【0064】
[0080]さらに、めっき後の後処理ステップが同じく使用され得る。このようなステップは、材料の付着の強化および/または改善を含む様々な目的のために実施され得る。例えばめっきステップを実施した後に、加熱(または焼きなまし)ステップが使用され得る。このような加熱は、焼付け、レーザサブジェクション、UV露光、マイクロ波露出、アーク溶接、等々によって実施され得る。
【0065】
[0081]本明細書において示されているように、外部端子は少なくとも1つのめっき層を含むことができる。一実施形態では、外部端子は1つのめっき層のみを備えることができる。しかしながら外部端子は複数のめっき層を備えることができることを理解されたい。例えば外部端子は、第1のめっき層および第2のめっき層を備えることができる。さらに、外部端子は第3のめっき層を同じく備えることができる。これらのめっき層の材料は、上で言及した、当技術分野で広く知られている任意の材料であってもよい。
【0066】
[0082]例えば第1のめっき層などの1つのめっき層は、銅またはその合金を含むことができる。第2のめっき層などの別のめっき層は、ニッケルまたはその合金を含むことができる。第3のめっき層などの別のめっき層は、スズ、鉛、金、または合金などの組合せを含むことができる。別法としては、初期めっき層がニッケルを含み、スズまたは金のめっき層がそれに続いてもよい。別の実施形態では、銅の初期めっき層が形成され、次にニッケル層が形成され得る。
【0067】
[0083]一実施形態では、初期すなわち第1のめっき層は、導電性金属(例えば銅)であってもよい。この領域は、次に、密閉のために抵抗体高分子材料を含む第2の層で被覆され得る。この領域は、次に、抵抗性高分子材料を選択的に除去するために研磨され、次に、導電性金属材料(例えば銅)を含む第3の層で再びめっきされ得る。
【0068】
[0084]初期めっき層の上方の上記第2の層は、はんだバリア層、例えばニッケル-はんだバリア層に対応し得る。いくつかの実施形態では、上記層は、初期無電解または電解めっき層(例えばめっき銅)の頂部に金属(例えばニッケル)の追加層を電気めっきすることによって形成され得る。上記はんだバリア層のための他の例示的材料は、ニッケル-リン、金および銀を含む。上記はんだバリア層の上の第3の層は、いくつかの実施形態では、めっきされたNi、Ni/Cr、Ag、Pd、Sn、Pb/Sn、または他の適切なめっきされたはんだなどの導電性層に対応し得る。
【0069】
[0085]さらに、抵抗性合金被覆またはより高い抵抗金属合金被覆、例えば無電解Ni-P合金をこのような金属めっきの上に提供するために、電気めっきステップが後続する金属めっきの層が形成され得る。しかしながら本明細書における完全な開示から当業者が理解することになるように、任意の金属被覆を含むことも可能であることを理解されたい。
【0070】
[0086]上記ステップは、すべて、バレルめっき、流動床めっきおよび/またはフロースルーめっき終端プロセスなどのバルクプロセスとして生じてもよく、それらのすべては当技術分野で広く知られていることを認識されたい。このようなバルクプロセスによれば、複数の構成要素を一度に処理することができ、有効で、かつ、迅速な終端プロセスを提供する。これは、個々の構成要素の処理を必要とする厚膜終端の印刷などの従来の終端方法に関してとりわけ有利である。
【0071】
[0087]本明細書において説明されているように、外部端子の形成は、概して、電極層のリードタブの露出された前縁の位置によって案内される。このような現象は、コンデンサ上の選択された周辺位置における電極層の露出された導電性金属の構成によって外部めっき端子の形成が決定されるため、「自己決定(self-determining)」と呼ばれ得る。いくつかの実施形態では、コンデンサは、他の電極(例えば、作用電極または遮蔽電極)を含んでいないコンデンサのモノリシックボディの部分に沿って、露出した導電性金属を設ける、「ダミータブ」を含むことができる。
【0072】
[0088]また、コンデンサの端子を形成するための追加の技術も同じく本技術の範囲内であり得ることを認識されたい。例示的代替は、それらに限定されないが、厚膜導電性層または薄膜導電性層の両方を形成するための、めっき、磁性、マスキング、電気泳動/静電、スパッタリング、真空蒸着、印刷または他の技法による終端の形成を含む。
【0073】
[0089]図2Aは、コンデンサ100のモノリシックボディ内の、遮蔽電極領域16(図1Cに示されている)内に含まれ得る、遮蔽電極層26を示している。上記で示されたように、第1の遮蔽電極22は、長手方向132に平行(例えば、図1Eに示されている上面および下面18、20と平行)であり得る。第1の遮蔽電極22は、横方向134に揃えられ、第1の外部端子118(図1Eに示されている)および第1の端部119とは反対側に面する第1の長手方向の縁28を有することができる。第1の遮蔽電極22は、横方向134と揃えられ、第1の外部端子(図1Eに示されている)および第1の端部119とは反対側に面する第2の長手方向の縁30を有することができる。第2の長手方向の縁30は、第1の長手方向の縁28から長手方向132に、遮蔽電極オフセット距離32だけオフセットされ得る。
【0074】
[0090]第2の遮蔽電極24は、第2の外部端子120(図1Eに示されている)および第2の端部121に接続され得る。第2の遮蔽電極24は、Z方向136に、第1の遮蔽電極22とほぼ揃えられ得る(図1Eに示されている)。第2の遮蔽電極24は、第1の遮蔽電極22と同様の構成を有することができる。例えば、第2の遮蔽電極24は、横方向134に揃えられ、第2の外部端子120(図1Eに示されている)および第2の端部121とは反対側に面する第1の長手方向の縁28を有することができる。第2の遮蔽電極24は、横方向134に揃えられ、第2の外部端子120(図1Eに示されている)および第2の端部121とは反対側に面する第2の長手方向の縁30を有することができる。第2の遮蔽電極24の第2の長手方向の縁30は、第2の遮蔽電極24の第1の長手方向の縁28から長手方向132に、遮蔽電極オフセット距離32だけオフセットされ得る。
【0075】
[0091]第1の遮蔽容量性領域34は、第1および第2の遮蔽電極119、121の第1の長手方向の縁28間に形成され得る。第2の遮蔽容量性領域36は、第1および第2の遮蔽電極119、121の第2の長手方向の縁30間に形成され得る。いくつかの実施形態では、第1の長手方向の縁28の横方向134の幅38は、第1の遮蔽電極22の横方向134の幅40より短くてもよい。
【0076】
[0092]第1の遮蔽ギャップ距離42は、長手方向132における、第1の遮蔽電極22の第1の長手方向の縁28と第2の遮蔽電極24の第1の長手方向の縁28との間に形成され得る。第2の遮蔽ギャップ距離44は、長手方向132における、第1の遮蔽電極22の第2の横方向の縁30と第2の遮蔽電極22の第2の横方向の縁30との間に形成され得る。
【0077】
[0093]いくつかの実施形態では、第3の遮蔽ギャップ距離46は、第1の遮蔽電極22の第3の長手方向の縁48と第2の遮蔽電極24の第3の長手方向の縁48との間に形成され得る。第3の遮蔽容量性領域51は、第1および第2の遮蔽電極119、121の第3の長手方向の縁48間に形成され得る。いくつかの実施形態では、第3の遮蔽ギャップ距離46が、第2の遮蔽ギャップ距離44にほぼ等しくてもよく、その結果第3の遮蔽容量性領域51は、第2の遮蔽容量性領域36とサイズおよび形状が実質的に類似し得る。例えば、いくつかの実施形態では、第1の遮蔽電極22および/または第2の遮蔽電極24は、長手方向132に延びる長手方向の中心線50に関して対称であり得る。
【0078】
[0094]しかしながら、他の実施形態では、第3の容量性領域51が、第2の容量性領域36とは異なるサイズおよび/または形状であり、第2の容量性領域とは異なる静電容量を生成するように、第3の遮蔽ギャップ距離46は、第2の遮蔽ギャップ距離44より長くてもよく、または短くてもよい。
【0079】
[0095]いくつかの実施形態では、1つまたは複数の遮蔽電極22、24は、長方形であってもよいことを理解されたい。言い換えれば、遮蔽電極オフセット距離32が、ゼロまたはほぼゼロであってもよく、その結果、第1の長手方向の縁28および第2の長手方向の縁30は、揃えられるか、またはほぼ揃えられる。
【0080】
[0096]図2Bは、遮蔽電極層200の別の実施形態を示している。コンデンサ100のモノリシックボディ内の、遮蔽電極領域16(図1Cに示されている)内に備えられていてもよい、遮蔽電極層200。第1の遮蔽電極222は、長手方向132と平行(例えば、図1Eで示された上面18および底面20と平行)であってもよい。第1の遮蔽電極222は、概ね、正方形または長方形の形状を有してもよい。第2の遮蔽電極224は、第2の外部端子120(図1Cおよび図1Dに示されている)および第2の端部121に接続されていてもよい。第2の遮蔽電極224は、Z方向136において、第1の遮蔽電極222とほぼ揃えられていてもよい(図1Cおよび図1Dに示されている)。第2の遮蔽電極224は、第1の遮蔽電極22と同様の構成を有してもよい。単一の遮蔽容量性領域234は、第1の遮蔽電極222と第2の遮蔽電極224との間に形成されてもよい。
【0081】
[0097]加えて、図2Cは、本開示の態様による、作用電極104の構成の別の実施形態を示している。作用電極104は、主部分128および階段部分130を含む、電極アーム110を含んでもよい。より具体的には、第1の作用電極106の電極アーム110は、横方向134に延在し、階段部分130の縁を画定し得る、第1の長手方向の縁60を含むことができる。第2の長手方向の縁62は、横方向134に延在することができ、アーム110の主部分128の縁を画定することができる。第1の長手方向の縁60は、第2の長手方向の縁62から長手方向132に、アームのオフセット距離64だけオフセットされ得る。第1の作用電極106および/または第2の電極108の一方または両方の電極アーム110は、それぞれの主および階段部分128、130を含むことができる。例えば、両方の電極106、108の両方のアーム110は、例えば図2Aに示されるように、それぞれの主部分128および階段部分130を含むことができる。主アームギャップ240は、揃えられたアーム110の階段部分130間に形成され得る。階段アームギャップ242は、揃えられたアーム110の主部分128間に形成され得る。
【0082】
[0098]図2Dは、図2Cの電極パターンの第1の作用電極106と第2の電極108との間に形成され得る複数の容量性領域を示している。例えば、いくつかの実施形態では、中央容量性領域122が、第1の作用電極106の中央部分112と、第2の電極108のベース部分114および/またはアーム110との間に形成され得る。いくつかの実施形態では、主アームギャップ容量性領域125は、主アームギャップ240内に形成され得、階段ギャップ容量性領域126は、階段アームギャップ242内に形成され得る。
【0083】
[0099]図3Aを参照すると、いくつかの実施形態では、誘電体領域12および/または追加の誘電体領域115には、コンデンサ100の第1の端部119または第2の端部120から、コンデンサ100の長さ21の25%より長く延びる電極層がなくてもよい(ボックス17によって概略的に示されている)。かかる実施形態では、誘電体領域12および/または追加の誘電体領域115は、例えば、1つまたは複数のフローティング電極および/またはダミー電極タブを備えてもよい。しかし、他の実施形態では、誘電体領域12および/または追加の誘電体領域115には、例えば図1Cおよび図1Dを参照して上記で説明されたように、一切の電極層がなくてもよい。いくつかの実施形態では、広帯域積層セラミックコンデンサ100は、Z方向136において、複数の作用電極層102、104より上に遮蔽電極22、24がなくてもよい。いくつかの実施形態では、広帯域積層セラミックコンデンサ100は、Z方向136において、複数の作用電極層102、104のうちの最も下の電極層19より上に、遮蔽電極22、24がなくてもよい。ダミータブ電極52、54、55、57は、例えば微細銅終端プロセスを使用した端子118、120の堆積および/または形成の、助けとなる可能性がある。ダミータブ電極52、54、55、57は、第1の端部119または第2の端部121から、コンデンサの長さ21の25%未満しか延在しなくてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、遮蔽電極領域16と作用電極領域14との間の領域115は、ダミータブ電極55、57を備えていてもよい。
【0084】
[00100]いくつかの実施形態では、コンデンサ100は、1つまたは複数のフローティング電極を含むことができる。フローティング電極111は、誘電体領域12内に配置され得る。しかしながら、他の実施形態では、フローティング電極111は、作用電極領域14内に配置され得る。一般に、このような浮動電極111は、外部端子118、120に直接接続されていない。フローティング電極は、当技術分野で知られている任意の方法に従って配置され、かつ、構成され得る。例えばフローティング電極は、作用電極層の第1の作用電極および/または第2の作用電極の中央部分など、少なくとも一部と重畳するように設けられ得る。これに関して、フローティング電極層は、第1の電極層および第2の内部電極層と交互に層状にされ、配置され得る。これに関して、このような層は誘電層によって分離され得る。さらに、このようなフローティング電極は、当技術分野で広く知られている任意の形状を有することができる。例えば、一実施形態では、フローティング電極層は、ダガー様構成を有する少なくとも1つのフローティング電極を含むことができる。例えばこのような構成は、本明細書において説明されている第1の電極の構成および形状に類似していてもよい。しかしながらこのような第1の電極は、階段部分を有する電極アームを含んでいても、または含んでいなくてもよいことを理解されたい。
【0085】
[00101]図3Bは、本開示の態様による、コンデンサ160の別の例示的な実施形態を示している。コンデンサ160は、図3Bのコンデンサ160が、追加の遮蔽電極領域166を含んでもよいことを除いて、図1Dのコンデンサ100と概ね同様であってもよい。コンデンサ160は、概ね、長手方向の中心線165に関して対称であってもよい。追加の遮蔽電極領域166は、概ね、遮蔽電極領域16と同じように構成されてもよい。作用電極領域14と追加の遮蔽電極領域166との間の誘電体領域168は、概して、電極層がないか、またはコンデンサ160の長さ21の25%より長く延びる電極層がなくてもよい(領域168は、例えば、いくつかの実施形態では、ダミー電極を備えてもよい)。コンデンサ160は、図3Bに示されているように取り付けられてもよく、長手方向の中心線165の周りに180度回転した向きで、取り付けられてもよい。
【0086】
[00102]図4Aは、図1Cの電極パターンの3つの容量性素子、すなわち隣り合う電極層間の1次容量性素子112’、中央容量性素子122’、およびアームギャップ容量性要素124’を、概略的に示している。容量性素子112’、122’、および124’は、それぞれ、図1Bの中央領域112、中央容量性領域122、およびアームギャップ容量性領域124に対応する。さらに、図4において、外部端子は118および128として示されている。
【0087】
[00103]図4Bは、図2Bの電極構成の4つの容量性素子を概略的に示しており、容量性素子112’、122’および125’、ならびに126’が、それぞれ、図2Bの中央領域112、容量性領域122、主アームギャップ容量性領域125、および階段ギャップ容量性領域126に対応する。様々なギャップの寸法は、図4Aおよび図4Bに示される容量性素子のそれぞれの所望の静電容量値を達成するように選択的に設計され得ることを理解されたい。より具体的には、コンデンサの構成、および電極層の数、電極対の重畳している中央部分の表面積、電極を分離している距離、誘電体材料の誘電率、等々などの様々なパラメータが、所望の静電容量値を達成するように選択され得る。それにもかかわらず、本明細書において開示されているコンデンサは、有効な広帯域性能を提供するために、直列および並列に組み合わされたコンデンサのアレイを含むことができる。
【0088】
[00104]一例示的超広帯域コンデンサの実施形態では、1次コンデンサ112’は、通常、約数キロヘルツ(kHz)から約200メガヘルツ(MHz)程度などの概ねより低い周波数範囲で動作するよう適合される、比較的大きい静電容量に対応し、一方、2次コンデンサ122’、124’、125’および/または126’は、通常、約200メガヘルツ(MHz)から数ギガヘルツ(GHz)程度などの比較的より高い周波数範囲で動作するよう構成される、比較的より小さい値のコンデンサに対応し得る。
【0089】
[00105]図5は、作用電極層102、104、および遮蔽電極層15の電極パターン150の、別の実施形態を示している。層の電極パターン150は、概ね、図1Aを参照して上記で説明された電極層と同様であってもよい。しかし、中央部分112が、中央部分112の一部分にわたって、横方向に拡大されていてもよい。中央縁ギャップ距離23は、横方向134における、第1の電極の中央部分122と第2の電極アーム110との間で定義されてもよい。中央端部ギャップ距離25は、長手方向132における、第1の作用電極106の中央部分122と第2の作用電極108のベース部分114との間で定義されてもよい。いくつかの実施形態では、中央縁ギャップ距離23は、中央端部ギャップ距離25とほぼ等しくてもよい。
【0090】
[00106]第1の作用電極106の中央部分112は、第1の位置に第1の幅27を有し、第2の位置に第1の幅27よりも長い第2の幅29を有してもよい。第1の幅27の第1の位置は、長手方向132において、第2の幅の第2の位置からオフセットされてもよい。かかる構成は、中央縁ギャップ距離23を変更することなく、Z方向136に隣接する電極の中央部分112間の、重畳する面積を調整できるようにする可能性がある。
【0091】
[00107]図6Aから図6Dは、作用電極層102、104および遮蔽電極層15の電極パターンの、追加の実施形態を示している。例えば、図6Aを参照すると、いくつかの実施形態では、第1の電極106および第2の電極108のそれぞれが、図2に関して上記で説明された一対のアーム110、202の代わりに、単一のアーム110を備えてもよい。これに関して、このような電極は、ベースから延在する中央部分を含む1つの電極と、やはりベース部分から延在する1つの電極アームとを含むことができる。一方、対向電極は、ベース部分と、このような第2の電極のベース部分から延在するただ1つの電極アームとを含むことができる。
【0092】
[00108]図6Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第1の電極106および第2の電極108のそれぞれは、中央部分112を含むことができる。例えば、各電極106、108は、それぞれのベース部分から延在する2つの電極アーム110、202など、少なくとも1つの電極アーム110、202に加えて、それぞれのベース部分から延在する中央部分112を含むことができる。
【0093】
[00109]図6Cを参照すると、いくつかの実施形態では、電極106、108の電極アーム110、202は、電極アームの主部分の内側横方向の縁324から外方へ、電極層の電極106、108のうちの少なくとも一方の横方向中心線236から離れる方向にオフセットされた、階段部分130を有することができる。最後に、図6Dを参照すると、いくつかの実施形態では、電極106、108の電極アーム110は、電極アーム110、202の外側横方向の縁322および内側横方向の縁324の両方からオフセットされた階段部分130を有することができる。作用電極層および遮蔽電極層の電極パターンは、本明細書で例示され、説明された実施形態に加えて、当技術分野で知られているどんな好適な構成を有してもよい。
【0094】
II.試験方法
[00110]試験アセンブリが、本開示の態様によるコンデンサの挿入損および反射損などの性能特性を試験するために、使用され得る。例えば、コンデンサが、試験基板に取り付けられ得る。入力ラインおよび出力ラインはそれぞれ、試験基板に接続され得る。試験基板は、入力ラインおよび出力ラインをコンデンサのそれぞれの外部終端に電気的に接続する、マイクロストリップラインを含むことができる。
【0095】
[00111]入力信号は、ソース信号発生器(例えば、1806 Keithley 2400シリーズソースメジャーユニット(SMU)、例えば、Keithley 2410-C SMU)を使用して入力ラインに供給され得、その結果得られるコンデンサの出力信号は、出力ラインで測定され得る(例えば、ソース信号発生器を使用して)。これは、コンデンサの様々な構成に対して繰り返された。
【0096】
[00112]本発明のこれらおよび他の修正および変更は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者によって実践され得る。さらに、様々な実施形態の態様は、全体または部分の両方において相互に交換され得ることを理解されたい。さらに、当業者は、以上の説明は単なる例にすぎず、添付の特許請求の範囲においてさらに説明されている本発明を制限することは意図されていないことを認識するであろう。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D