(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】折り畳み情報通信体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B42D 15/02 20060101AFI20240401BHJP
B42D 15/08 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
B42D15/02 501E
B42D15/08 B
B42D15/02 501B
(21)【出願番号】P 2020090079
(22)【出願日】2020-04-20
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000105280
【氏名又は名称】ケイディケイ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】木村 義和
(72)【発明者】
【氏名】土屋 雅人
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-025887(JP,A)
【文献】特開2020-006671(JP,A)
【文献】特開2019-034538(JP,A)
【文献】特開2019-111796(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00-25/485
B65D 27/00-27/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項3】
請求項1の折り畳み情報通信体において、横方向の折り線が形成する袋とじ状態の縁辺部分を切除しておく或いは切除することで対向葉片間を剥離することを特徴とした折り畳み情報通信体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数の葉片を折り畳み、剥離可能に一体化した折り畳み情報通信体に関する。詳しくは重なり合う葉片同士の剥離が極めて容易であり、展開後の形態も各葉片が分離することがなく情報の読取も極めて容易であると共に、誤配等の事故がなく個人情報の漏洩を防ぐことが可能な折り畳み情報通信体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、宣伝広告や案内状、パンフレット等の大量の情報を伝達する手段として、各種伝達物を印刷したシート等を折り畳み、封筒に封入封緘して郵送する方法が一般的である。しかし最近では個人情報の管理が重要となり、誤って他人の情報を記載したり、あて先を間違えて記載したために誤配したりする等の事故は極力避けなければならない。また多数の広告宣伝物や個人情報が記入されたシートを封入封緘する作業に掛かる多大な経費を削減したいところである。そのような状況下、例えば特開2000-43456号公報に記載される折り畳み封書用シートが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既述の引用文献に記載される折り畳み封書用シートは、一枚のシートにあて先を含めた一人分の個人情報全てを記載して折り畳み封書に仕上げるため、誤って他人の情報が混じることはない。また折り畳むことで自動的に封書になるため封入封緘の手間も省ける等の長所がある。しかし、突出した封緘片の特殊加工、封緘のための接着剤塗布加工、開封に際して封着辺を引きちぎるための切取ミシン加工、接着部分が容易に剥離するための剥離剤塗布加工、二条のミシン目による開封手段等の複雑で手間の掛かる特殊加工が必要で、既述の長所があるにも関わらず割高についてしまう。
【0005】
本発明の折り畳み情報通信体は、上記問題に鑑み、一枚のシートに情報を記載して折り畳み封書に仕上げるため、一つの封筒に各種情報が記載された複数のシートを封入する際に起こりがちな、他人の情報の誤封入や誤配等の事故が起こらず、開封に際して重なり合う葉片同士の剥離が極めて容易であり、剥離展開後の形態も各葉片が分離することがなく情報の読取も容易である折り畳み情報通信体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の折り畳み情報通信体は、横幅の異なる複数の葉片が横方向に連接された単位シートと、前記単位シートの各葉片と横幅を同じくすると共に縦幅が異なる複数の単位シートが縦方向に連接された情報通信体シートを縦方向の折り線から折り畳み、最終的に横方向の折り線から二つ折りに折り畳むと共に、前記最終的に横方向の折り線から二つ折りに折り畳まれた際に対向する葉片同士の何れか一方の縦方向の縁辺が剥離不能に接着し、前記剥離不能に接着した縦方向の縁辺以外の対向面と残りの対向する各葉片間を疑似接着媒体を介して剥離可能に接着した折り畳み情報通信体であって、表裏何れかの面の少なくとも二縁辺に段差が形成され、剥離開封後に前記剥離不能に接着された縁辺部分で連接されていることを特徴としている。
【0007】
本発明の折り畳み情報通信体の一つの態様として、情報通信体シートの横方向の折り線部分により袋とじ状態になる縁辺を切除することにより対向葉片間を剥離して開封、展開が可能とすることができる。前記横方向の折り線部分の切除の次期に関しては拘らない。即ち受取人の手元に届く以前に切除されていても構わず、或いは受け取った後に鋏やカッター等で切除しても構わない。また切除位置に破断ミシンを予め施しておくことにより、切除道具なしでも容易に横方向の縁辺部分を手で除去できるように操作しても構わない。
【0008】
また前記態様と異なる開封手段として、情報通信体シートの横方向の折り線に破断ミシンを形成しておいても構わない。そのような場合、折り畳み情報通信体の受取人は、折り畳まれて袋とじ状態となった縁辺の折り線部分に形成された破断ミシンを強制的に破断しながら、対向葉片間を剥離して開封、展開することができる。この場合切除片等のゴミが発生せず容易に剥離展開することができるため極めて至便である。なお前記破断ミシンのカットとアンカットの対比に格別な制限はなくマイクロミシン等も好適に使用することができる。
【0009】
なお、縦方向の折り線に関しては、折りミシンや折り筋が形成されていてもよいが、何ら折り手段を形成することなく、折り機等によりそのまま強制的に折り畳むようにしても構わない。
【0010】
また本発明の折り畳み情報通信体を製造するには、例えば横幅の異なる複数の葉片が横方向に連接された単位シートと、前記単位シートの各葉片と横幅を同じくすると共に縦幅が異なる複数の単位シートが縦方向に連接された情報通信体シートを繰り出す用紙の繰り出し工程と、繰り出された情報通信体シートの疑似接着予定面に疑似接着媒体を形成すると共に完全接着予定面に完全接着媒体を形成する疑似接着媒体及び完全接着媒体の形成工程と、疑似接着媒体及び完全接着媒体が形成された情報通信体シートを縦方向の折り線から縦方向の縁辺に段差を形成するように折り畳む第一の折り畳み工程と、縦方向の折り線から折り畳まれた情報通信体シートを単体の折り畳み情報通信体シートに切除する切除工程と、切除された情報通信体シートを横方向の折り線から横方向の縁辺に段差を形成するように二つ折りに折り畳む第二の折り畳み工程と、二つ折りに折り畳まれた情報通信体シートの対向する疑似接着媒体及び完全接着媒体同士を接着する接着工程とからなる加工工程により製造することができる。
【0011】
上記加工工程では、一つの対応例として情報通信体シートの横方向の折り線に破断ミシンが形成される。前記破断ミシンの形成時期については、予め情報通信体用シートに形成されていても良いが、疑似接着媒体の形成工程の上流及び/又は下流に破断ミシンの形成装置により破断ミシンの形成工程を配置して製造工程中において形成することが好ましい。
【0012】
また、本発明の折り畳み情報通信体を製造するための情報通信体シートは、フォーム印刷等の場合には連続シートに、オフセット印刷やデジタル印刷等の場合には枚葉シートに印刷される。何れの場合にも縦横の余白を製造工程中で切除して廃棄する必要がある。なお連続シートの場合シートを搬送するためのマージナル部分が縦方向の余白となるが、横方向の余白は必ずしも必要なくダイカットローラ等による一本断ちの形式で単品の情報通信体シートに切り出しても構わない。前記構成で各シートに印刷された情報通信体シートの周囲の縦横の余白の切除は、疑似接着媒体形成工程の上流側で行われても良く、下流で行われても構わない。また上流側と下流側に分けて段階的に行われても構わない。
【0013】
本発明の折り畳み情報通信体に使用される資材は、例えば上質紙、マット紙、コート紙等の通常の用紙、合成紙、不織布或いは樹脂フィルムシート等を好適に使用することができる。
そして折り畳まれた対向面同士を剥離可能に接着する、いわゆる疑似接着に使用する疑似接着媒体は、印刷物の疑似接着予定面に形成する際の方式により、大きく以下の3種類に分けられる。
1)後糊方式
印刷後の用紙の疑似接着予定面に疑似接着性のUVニスを塗布して疑似接着性の被膜を形成したもの。前記疑似接着性の被膜同士を対向させて加圧或いは加熱・加圧処理を施すと剥離可能に接着する。エマルジョン型の弱粘着剤を塗布するものもある。
2)先糊方式
印刷前の用紙の疑似接着予定面に、合成ゴム或いは天然ゴム等を主成分とした疑似接着性の媒体を塗布して含浸させたもの。乾燥後に印刷・印字を行い、疑似接着予定面同士を対向させて加圧処理を施すと剥離可能に接着する。
3)フィルム方式
印刷後の用紙の疑似接着予定面に疑似接着性のフィルムシートを被覆(ラミネート)して、前記疑似接着性のフィルムシート同士が対向するように折り合わせ、加熱或いは加熱・加圧処理を施すと剥離可能に接着する。なお、フィルム方式には対向する疑似接着予定面に予め被覆しておいて、折り合わせた後に剥離可能に接着する全面貼り方式と、折り畳んだ用紙の疑似接着予定面間に予め疑似接着している積層フィルムを挟み込み、用紙とフィルム間を接着して剥離可能に一体化する挟み込み方式の二種類がある。
【0014】
また完全接着媒体に関しては、公知の感熱性、感圧性、乾湿性等の各種媒体を使用すればよく、前記接着剤を直に資材に塗工したり基材の両面に形成したものを使用したりすることができる。なお前記完全接着媒体は同じ完全接着媒体同士が対向して密着した際に、所定の条件を加えることで接着性を発揮するものが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の折り畳み情報通信体は、その製造方法において全ての情報を記載した一枚のシートを折り畳み封書形態に仕上げるので、個人情報等を記載した複数の別体のシートをそれぞれ封入封緘する場合に起こる情報の漏洩(他人の情報の混入等)の重大な事故が起きない。
【0016】
また開封後完全接着媒体により全ての葉片が分離することなく、一纏めとなった形態で展開するため、情報の確認が容易であると共に各葉片の紛失もない。また疑似接着媒体により一体化(封書化)が単純で容易なため、多種類の広告宣伝物を封筒に纏めて送付する際の、複雑で面倒な封入封緘作業に掛かる人件費や時間のロス等もなくなる。
【0017】
そして良好に密着した各単位シートは段差を剥離の端緒として利用できるため、受取人は極めて容易に各単位シートを分離して内部の情報を確認することができる。
【0018】
さらに本発明の折り畳み封書は、その製造の際に各種接着媒体の形成工程や折り手段の形成工程を含む面倒な作業工程を自動で行えるので、素人でも大量の折り畳み封書を短時間で製造することが可能になる。勿論各工程の作業を専用に行う個別の専用機による作業でも極めて容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(A)は折り畳み情報通信体J1の表面図、(B)は裏面図である。
【
図2】(A)は
図1(A)におけるア-ア線断面図、(B)はイ-イ線断面図である。
【
図3】折り畳み情報通信体J1を剥離展開した状態を示す斜視図である。
【
図4】(A)は折り畳み情報通信体J1及びJ2の製造に共通に用いる情報通信体用紙S1及びS2の
表面図、(B)は裏面図である。
【
図5】(A)は疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートKが被覆された情報通信体用紙S1の表面図、(B)は疑似接着フィルムシートGが被覆された裏面図である。
【
図6】(A)は縦方向の折り線5から折り畳まれた情報通信体用紙S1の平面図、(B)は(A)におけるウ-ウ線断面図、(C)はエ-エ線断面図である。
【
図7】(A)は
図6(A)に示す横方向の折り線6から第一葉片1及び第三葉片3の疑似
接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートK同士が対向するように二つ折りされた情報通信体用紙S1の表面図、(B)は裏面図である。
【
図8】(A)は折り畳み情報通信体J2の表面図、(B)は裏面図である。
【
図9】(A)は
図8(A)におけるオ-オ線断面図、(B)はカ-カ線断面図である。
【
図10】折り畳み情報通信体J2を剥離展開した状態を示す斜視図である。
【
図11】(A)は疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートKが被覆された情報通信体用紙S2の表面図、(B)は疑似接着フィルムシートGが被覆された裏面図である。
【
図12】(A)は縦方向の折り線5から折り畳まれた情報通信体用紙S2の平面図、(B)は(A)におけるキ-キ線断面図、(C)はク-ク線断面図である。
【
図13】(A)は折り畳み情報通信体J3の表面図、(B)は裏面図である。
【
図14】(A)は
図13(A)におけるケ-ケ線断面図、(B)はコ-コ線断面図である。
【
図15】折り畳み情報通信体J3を剥離展開した状態を示す斜視図である。
【
図16】(A)は折り畳み情報通信体J3及びJ4の製造に共通に用いる情報通信体用紙S3及びS4の
表面図、(B)は裏面図である。
【
図17】(A)は疑似接着フィルムシートGが被覆された情報通信体用紙S3の表面図、(B)は疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートKが被覆された裏面図である。
【
図18】(A)は縦方向の折り線17及び18から断面Z字状に折り畳まれた情報通信体用紙S3の平面図、(B)は(A)におけるサ-サ線断面図、(C)はシ-シ線断面図である。
【
図19】(A)は折り畳み情報通信体J4の表面図、(B)は裏面図である。
【
図20】(A)は
図19(A)におけるス-ス線断面図、(B)はセ-セ線断面図である。
【
図21】折り畳み情報通信体J4を剥離展開した状態を示す斜視図である。
【
図22】(A)は疑似接着フィルムシートGが被覆された情報通信体用紙S4の表面図、(B)は疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートKが被覆された裏面図である。
【
図23】(A)は縦方向の折り線17及び18から断面Z字状に折り畳まれた情報通信体用紙S4の平面図、(B)は(A)におけるソ-ソ線断面図、(C)はタ-タ線断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
なお、本実施例では、疑似接着媒体及び完全接着媒体として取り扱いが至便なフィルム方式(全面貼り方式)に沿って説明するが、他の構成の疑似接着媒体や完全接着媒体を用いても構わない。
【実施例】
【0021】
[折り畳み情報通信体J1]
本実施例の折り畳み情報通信体J1は
図1(A)、(B)及び
図2(A)、(B)に記載されるものであるが、その構成は断面図である
図2(A)に示すように、上から第四葉片4、第三葉片3、第一葉片1及び第二葉片2の順に重ね合わされると共に第四葉片4と第三葉片3及び第一葉片1と第二葉片2が、縦方向の折り線5を介してそれぞれ連接されている。そして
図2(B)に示すように、第一葉片1と第三葉片3を第二葉片2と第四葉片4が、挟み込むように横方向の折り線6から折り畳まれている。
【0022】
そして各葉片の対向面間が疑似接着フィルムシートGの介在により剥離可能に接着されると共に、
図2(A)に示すように、第三葉片3及び第一葉片1の縦方向の折り線5側の縁辺が前記縦方向の折り線5を跨ぐ状態で被覆されている完全接着フィルムシートKの介在により剥離不能に接着されている。
【0023】
既述の構成の折り畳み情報通信体J1の受取人は、
図1(A)、(B)及び
図2(B)に破線及び二点鎖線で示す切り落とし線7から、図示されない「ここを切り落とす」やミシン罫と鋏マーク等の表示に従い、鋏やカッター等の切除道具を用いて横方向の折り線6部分を切り落とすことにより折り畳み情報通信体J1の天側の袋とじ状態の縁辺が解放される。
【0024】
そして
図3に示すように、折り畳まれて重ね合わされている各葉片の対向面間を段差部分を利用して剥離開封し、製本状態に展開される折り畳み情報通信体J1の内部に記載されている各種情報を透明或いは半透明の疑似接着フィルムシートGを透して確認することができる。なお剥離開封後の各葉片は第一葉片1及び第三葉片3の縦方向の折り線5側縁辺に沿って形成されている完全接着フィルムシートKにより分離することはなく、製本状態に展開される。
【0025】
なお前記剥離開封に際して
図2(B)に示すように、情報通信体J1の上側縁辺の横方向の折り線6に例えば破断ミシンを形成しておくことで、受取人は袋とじ状態で連接されている各葉片の上側縁辺を、開封動作と共に抵抗なく破断することができ、切除道具を用いた場合と同様に容易に剥離展開することができる。これについては以下の各実施例についても同様である。
【0026】
また前記切り落とし線7を受取人の手元に届く前に予め切除して開放した状態にしておいても構わず、さらに破線の切り落とし線7に破断ミシンを形成しておいて、受取人が切除道具を使用せずそのまま手により横方向の折り線6部分を一挙に破断除去するようにしても構わない。これら開封手段に関しては以下の各実施例でも同様である。
【実施例2】
【0027】
[折り畳み情報通信体J1の製造方法]
本実施例の折り畳み情報通信体J1の製造方法に使用される情報通信体シートS1は、
図4(A)に示すように、横幅の関係が第一葉片1>第二葉片2の2葉片が縦方向の折り線5を介して横方向に連接された単位シートt1と、横幅の関係が同じ第三葉片3(=第一葉片1)>第四葉片4(=第二葉片2)の2葉片が縦方向の折り線5を介して横方向に連接された、前記単位シートt1より縦幅が広い単位シートt2が、横方向の折り線6を介して第一葉片1と第三葉片3及び第二葉片2と第四葉片4がそれぞれ対向するように上下に配置されている。なお本実施例の場合、前記構成により、4葉片の各面積は全て異なることになる。
【0028】
前記情報通信体シートS1は既述の通り、フォーム印刷等で使用される連続シートに印刷されていても構わず、或いはオフセット印刷やデジタル印刷等で使用される枚葉シートに印刷されていても構わない。この点については以下の他の実施例においても同様である。
【0029】
既述の構成の情報通信体シートS1は製造工程の最上流の用紙載せ台に載置され、最上面の情報通信体シートS1から順に、例えば一対或いは複数対のヒートローラからなるラミネータ等公知の被覆装置へ、ピントラクタ、吸着パッドやフィードローラ等の各種シート給紙装置により送り込まれ、
図5(A)及び(B)に斜線で示すように表裏面の疑似接着予定面に疑似接着フィルムシートGが、そして表面の完全接着予定面に完全接着フィルムシートKが被覆される。前記疑似接着フィルムシートGは、表面側においては
図5(A)に示すように第一葉片1と第三葉片3の縦方向の折り線5に沿った部分を除いて被覆されており、裏面側においては同図(B)に示すように4葉片の全面が被覆されている。また完全接着フィルムシートKは同図(A)に示すように縦方向の折り線5を跨ぐ状態で4葉片の一部に被覆されている。
【0030】
なお受取人の開封動作を補助するために、開封側縁辺から疑似接着フィルムシートGを控えて被覆することにより、非接着域を設けて開封を容易にする等の補助手段を講じることができるが、本実施例では折り畳み後開封縁辺に段差が生じるようにして、前記段差を開封動作の補助手段として積極的に採用している。勿論前記非接着域を利用しても構わず、また前記二種類の補助手段を併用しても構わない。この点については以下の他の実施例においても同様である。
【0031】
前記の通り疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートKが被覆された情報通信体シートS1は、次に周囲の不要な縦方向の余白が切除され、また縦方向の折り線5に折りミシンが形成される。なお前記縦方向の余白切除工程或いは折りミシンの折り手段形成工程の配置(形成の時期)に格別な制限はなく、前記疑似接着フィルムシートG或いは完全接着フィルムシートKによる疑似接着媒体及び完全接着媒体の形成工程の上流側に配置しても良く、また下流側に配置しても構わない。さらに上流側と下流側に分けて配置しておいて段階的に形成しても構わない。さらにまた加工工程に入る以前の段階で予めしておいても構わない。
【0032】
縦方向の余白が切除され、縦方向の折り線5に折りミシンが形成された情報通信体シートS1は、次に横方向の余白が切除されて単体の情報通信体シートS1に切り出された後に
図6(A)、(B)及び(C)に記載されるように、縦方向の折り線5から第二葉片2と第一葉片1及び第四葉片4と第三葉片3が対向するように二つ折りに折り畳まれる。
【0033】
次に
図6(A)に二点鎖線で示す横方向の折り線6から、同図(B)及び(C)に示す、第一葉片1と第三葉片3に被覆されている疑似接着フィルムシートG同士が対向するように二つ折りに折り畳まれて
図7(A)及び(B)に示す状態に仕上げられるのである。なお、この時点では、各対向面間は未接着状態である。
【0034】
前記横方向の折り線6には、公知の折り手段(例えば折りミシンや折り筋等)が形成されていることが好ましいが、何も形成せずに折り機により強制的に折り畳んでも構わない。また後述するが、横方向の折り線6に破断ミシンを形成しておけば、情報通信体J1の完成後に受取人が切除道具を使用する必要がなく、開封動作と共に前記破断ミシンを破断しながら剥離できるので極めて至便である。これについては以下の他の実施例においても同様である。
【0035】
また情報通信体シートS1は、最終的に二つ折りに折り畳まれる時点で単体のシートに切り出されていることが好ましいが、必ずしもその必要はなく後述する接着工程後に切り出しても構わない。これら余白の切除、各種折り手段の形成等に関する事項は以下の実施例においても同様である。
【0036】
そして次に、例えば加圧ローラ等による加圧装置、或いはヒートローラやヒータパネルと加圧ローラの組み合わせ等からなる加圧或いは加熱・加圧装置による接着工程により、対向する疑似接着フィルムシートG同士及び完全接着フィルムシートK同士がそれぞれ接着され、折り畳まれた情報通信体シートS1全体が剥離可能或いは剥離不能にそれぞれ接着され一体化される。このようにして折り畳み情報通信体J1は製造されるのである。
【0037】
なお上記製造方法では、横方向の折り線6には何も施さずに折り機等により強制的に折り畳んでいるが、その場合切取線7に「ここを切り落とす」やミシン罫と鋏マーク等の表示をしておけば、受取人が自ら切除して前記横方向の折り線6により袋とじ状態となっていた縁辺を除去して開封することができるのである。また前記切取線7から袋とじ縁辺を予め切除しておいて、解放状態のまま受取人の手元に届くようにしても構わない。その場合、接着工程の下流に切除工程を追加して配置すればよいのである。
【0038】
また既述の通り、前記横方向の折り線6に折りミシンを兼ね破断ミシンを形成しておいて、受取人が切除道具を使用することなく前記破断ミシンを破断しながら袋とじ状態を開放して展開できるよう操作しておいても構わない。その場合切除屑等が発生せず、また切除道具も必要ないため極めて至便である。このような横方向の折り線6からの折り畳みにより、袋とじ状態になる縁辺の切除等による開放は、以下の実施例においても同様である。
【0039】
既述の加工工程は専用ラインにより用紙を積載すれば自動的に最終の接着工程までを流れ作業で行うインラインのシステムで作業しても構わないが、例えば各工程別に独立した専用の加工装置を使用して、それぞれの加工工程(被覆工程、切除工程、折り工程、接着工程等)をオフラインの工程で行っても構わない。この点については以下の他の実施例においても同様である。
【実施例3】
【0040】
[折り畳み情報通信体J2]
本実施例の折り畳み情報通信体J2は
図8(A)、(B)及び
図9(A)、(B)に記載されるものであるが、その構成は断面図である
図9(A)に示すように、上から第四葉片4、第三葉片3、第一葉片1及び第二葉片2の順に重ね合わされると共に第四葉片4と第三葉片3及び第一葉片1と第二葉片2が縦方向の折り線5を介してそれぞれ連接されている。そして
図9(B)に示すように、第一葉片1と第三葉片3を第二葉片2と第四葉片4が、挟み込むように横方向の折り線6から折り畳まれている。
【0041】
そして各葉片の対向面間が疑似接着フィルムシートGの介在により剥離可能に接着されると共に、
図9(A)に示すように、第三葉片3及び第一葉片1の縦方向の折り線5側と逆側の縁辺が完全接着フィルムシートKを介して剥離
不能に接着されている。
【0042】
既述の構成の折り畳み情報通信体J2の受取人は、
図8(A)、(B)及び
図9(B)に破線と二点鎖線で示す切り落とし線7から、図示されない「ここを切り落とす」やミシン
罫と鋏マーク等の表示に従い、鋏やカッター等の切除道具を用いて横方向の折り線6部分を切り落とすことにより、折り畳み情報通信体J2の天側の袋とじ状態の縁辺が解放される。
【0043】
そして
図10に示すように折り畳まれて重ね合わされている各葉片の対向面間を段差部分を利用して剥離開封し、蛇腹状に展開される折り畳み情報通信体J2の内部に記載されている各種情報を透明或いは半透明の疑似接着フィルムシートGを透して確認することができる。なお剥離開封後の各葉片は第一葉片1及び第三葉片3の縁辺に沿って形成されている完全接着フィルムシートKにより分離することはなく、蛇腹状に展開される。
【実施例4】
【0044】
[折り畳み情報通信体J2の製造方法]
本実施例の折り畳み情報通信体J2の製造方法に使用される情報通信体シートS2は、
図4(A)に示すように前記実施例2で使用される情報通信体シートS1と同じで、横幅の関係が第一葉片1>第二葉片2の2葉片が縦方向の折り線5を介して横方向に連接された単位シートt1と、横幅の関係が同じ第三葉片3(=第一葉片1)>第四葉片4(=第二葉片2)の2葉片が縦方向の折り線5を介して横方向に連接された、前記単位シートt1より縦幅が広い単位シートt2が、横方向の折り線6を介して第一葉片1と第三葉片3及び第二葉片2と第四葉片4がそれぞれ対向するように上下に配置されている。なお本実施例の場合、前記構成により、4葉片の各面積は全て異なることになる。
【0045】
既述の構成の情報通信体シートS2は製造工程の最上流の用紙載せ台に載置され、最上面の情報通信体シートS2から順に、例えば一対或いは複数対のヒートローラからなるラミネータ等公知の被覆装置へ、ピントラクタ、吸着パッドやフィードローラ等の各種シート給紙装置により送り込まれ、
図11(A)及び(B)に斜線で示すように表裏面の疑似接着予定面に疑似接着フィルムシートGが、そして表面の完全接着予定面に完全接着フィルムシートKが被覆される。前記疑似接着フィルムシートGは、表面側においては
図11(A)に示すように第一葉片1と第三葉片3の外側縁辺に沿った部分を除いて被覆されており、裏面側においては同図(B)に示すように4葉片の全面が被覆されている。また完全接着フィルムシートKは同図(A)に示すように第一葉片1及び第三葉片3の外側縁辺に沿って被覆されている。
【0046】
前記の通り疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートKが被覆された情報通信体シートS2は、次に周囲の不要な縦方向の余白が切除され、また縦方向の折り線5に折りミシンが形成される。なお前記縦方向の余白切除工程或いは折りミシンの折り手段形成工程の配置(形成の時期)に格別な制限はなく、前記疑似接着フィルムシートG或いは完全接着フィルムシートKによる疑似接着媒体及び完全接着媒体の形成工程の上流側に配置しても良く、また下流側に配置しても構わない。さらに上流側と下流側に分けて配置しておいて段階的に形成しても構わない。さらにまた加工工程に入る以前の段階で予めしておいても構わない。
【0047】
縦方向の余白が切除され、縦方向の折り線5に折りミシンが形成された情報通信体シートS2は、次に横方向の余白が切除されて単体の情報通信体シートS2に切り出された後に
図12(A)、(B)及び(C)に記載されるように、縦方向の折り線5から第二葉片2と第一葉片1及び第四葉片4と第三葉片3が対向するように二つ折りに折り畳まれる。
【0048】
次に
図12(A)に二点鎖線で示す横方向の折り線6から、同図(B)及び(C)に示す、第一葉片1と第三葉片3に被覆されている疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートK同士が対向するように二つ折りに折り畳まれ、
図9(A)及び(B)に示す状態に仕上げられるのである。なお、この時点では、各対向面間は未接着状態である。
【0049】
そして次に、例えば加圧ローラ等による加圧装置、或いはヒートローラやヒータパネルと加圧ローラの組み合わせ等からなる加熱・加圧装置による接着工程により、対向する疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートK同士がそれぞれ接着され、折り畳まれた情報通信体シートS2全体が剥離可能或いは剥離不能にそれぞれ接着される。このようにして折り畳み情報通信体J2は製造される。
【実施例5】
【0050】
[折り畳み情報通信体J3]
本実施例の折り畳み情報通信体J3は
図13(A)、(B)及び
図14(A)、(B)に記載されるものであるが、その構成は
図14(A)の断面図に示すように、上から第四葉片14、第五葉片15、第六葉片16、第三葉片13、第二葉片12及び第一葉片11の順に重ね合わされると共に、第四葉片14、第五葉片15及び第六葉片16が縦方向の折り線17及び18を介して連接され、さらに第三葉片13、第二葉片12及び第一葉片11も縦方向の折り線17及び18を介して連接され、それぞれ断面Z字状或いはS字状に折り畳まれている。そして同図(B)に示すように、第六葉片16と第三葉片13を第五葉片15と第二葉片12が挟み込むように、さらに第五葉片15と第二葉片12を第四葉片14と第一葉片11が挟み込むように横方向の折り線19で折り込まれている。
【0051】
既述の構成の折り畳み情報通信体J3の受取人は、
図13(A)、(B)及び
図14(B)に破線と二点鎖線で示す切り落とし線20から、図示されない「ここを切り落とす」やミシン罫と鋏マーク等の表示に従い、鋏やカッター等の切除道具を用いて横方向の折り線19部分を切り落とすことにより、折り畳み情報通信体J3の天側の袋とじ状態の縁辺が解放される。そして
図15に示すように、折り畳まれて重ね合わされている各葉片の対向面間を剥離開封し、変則的な製本状態で展開される折り畳み情報通信体J3の内部に記載されている各種情報を、透明或いは半透明の疑似接着フィルムシートGを透して確認することができる。
【0052】
なお本実施例の場合、前記
図14(A)に示すように、第六葉片16と第三葉片13の対向面間の折り線18側の縁辺が、完全接着フィルムシートKにより剥離不能に接着されているため、全ての葉片は分離することなく一部製本状態に展開される。
【実施例6】
【0053】
[折り畳み報通信体J3の製造方法]
本実施例の折り畳み情報通信体J3の製造方法に使用される情報通信体シートS3は、
図16(A)及び(B)に示すように横幅の関係が第一葉片11<第二葉片12<第三葉片13の3葉片が縦方向の折り線17及び18を介して横方向に連接された単位シートt3と、同様に横幅の関係が第四葉片14(=第一葉片11)<第五葉片15(=第二葉片12)<第六葉片16(=第三葉片13)の3葉片が縦方向の折り線17及び18を介して横方向に連接された単位シートt4が、横方向の折り線19を介して第一葉片11と第四葉片14、第二葉片12と第五葉片15及び第三葉片13と第六葉片16がそれぞれ対向するように上下に連接されているものである。なお縦幅の関係は単位シートt3<単位シートt4であり前記構成によれば前記8葉片の面積は全て異なることになる。
【0054】
既述の構成の情報通信体シートS3は製造工程の最上流の用紙載せ台に載置され、最上面の情報通信体シートS3から順に、例えば一対或いは複数対のヒートローラからなるラミネータ等の被覆装置へ送り込まれ、
図17(A)及び(B)に斜線で示すように表裏面の疑似接着予定面に疑似接着フィルムシートGが、完全接着予定面に完全接着フィルムシートKが被覆される。前記疑似接着予定面は表面側においては
図17(A)に示すように、第二葉片12と第五葉片15の略全面と第三葉片13と第六葉片16の全面であり、裏面側においては同図(B)に示すように、第三葉片13、第六葉片16、第二葉片12及び第五葉片15の縦方向の折り線18に沿った帯状の領域を除いた部分と、第一葉片11及び第四葉片14の全面である。
【0055】
また完全接着予定面は
図17(B)に示すように、第三葉片13、第六葉片16、第二葉片12及び第五葉片15の縦方向の折り線18に跨った帯状の領域である。なお受取人の開封動作を補助するために既述の各種操作を施しても構わない。
【0056】
前記の通り疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートKが被覆された情報通信体シートS3は、例えば周囲の不要な余白部分を切除した後に(切除する時期に関しては格別な制限はない)第一の折り畳みとして
図18(A)、(B)及び(C)に示すように、縦方向の折り線17から第一葉片11と第二葉片12の裏面同士(第四葉片14と第五葉片15の裏面同士)、また縦方向の折り線18から第二葉片12と第三葉片13の表面同士(第五葉片15と第六葉片16の表面同士)が対向するように断面Z字状に折り畳まれる。
【0057】
そして次に
図18(A)に一点鎖線で示す横方向の折り線19から、第三葉片13と第六葉片16の疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートKが被覆されている面同士が対向するように、
図14(A)に示す状態に大きく二つ折りに折り畳まれる。なおこの時点で情報通信体シートS3は、単体のシートに切り出されていることが好ましく、また各対向面間は未接着状態である。
【0058】
そして次に、例えば加圧ローラ等による加圧装置、或いはヒートローラやヒータパネルと加圧ローラの組み合わせ等からなる加熱・加圧装置による一体化工程により、対向する疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートK同士が接着され、
図13(A)、(B)及び
図14(A)、(B)に示す折り畳み情報通信体J3が製造されるのである。
【実施例7】
【0059】
[折り畳み情報通信体J4]
本実施例の折り畳み情報通信体J4は
図19(A)、(B)及び
図20(A)、(B)に記載されるものであるが、その構成は
図20(A)の断面図に示すように、上から第四葉片14、第五葉片15、第六葉片16、第三葉片13、第二葉片12及び第一葉片11の順に重ね合わされると共に、第四葉片14、第五葉片15及び第六葉片16が縦方向の折り線17及び18を介して連接され、さらに第三葉片13、第二葉片12及び第一葉片11も縦方向の折り線17及び18を介して連接され、それぞれ断面Z字状或いはS字状に折り畳まれ第六葉片16と第三葉片13で接している。そして
図20(B)に示すように、第六葉片16と第三葉片13を第五葉片15と第二葉片12が挟み込むように、さらに第五葉片15と第二葉片12を第四葉片14と第一葉片11が挟み込むように横方向の折り線19で折り込まれている。
【0060】
既述の構成の折り畳み情報通信体J4の受取人は、
図19(A)、(B)及び
図20(B)に破線と二点鎖線で示す切り落とし線20から、図示されない「ここを切り落とす」やミシン罫と鋏マーク等の表示に従い、鋏やカッター等の切除道具を用いて横方向の折り線19部分を切り落とすことにより、折り畳み情報通信体J4の天側の袋とじ状態の縁辺が解放される。そして
図21に示すように、折り畳まれて重ね合わされている各葉片の対向面間を剥離開封し、蛇腹状に展開される折り畳み情報通信体J4の内部に記載されている各種情報を透明或いは半透明の疑似接着フィルムシートGを透して確認することができる。
【0061】
なお本実施例の場合、前記
図20(A)に示すように、第六葉片16と第三葉片13の対向面間の縦方向の折り線18と対向する側の縁辺が、完全接着フィルムシートKにより剥離不能に接着されているため、全ての葉片は分離することなく蛇腹状に展開される。
【実施例8】
【0062】
[折り畳み情報通信体J4の製造方法]
本実施例の折り畳み情報通信体J4の製造方法に使用される情報通信体シートS4は、前記実施例
6で使用した
図16(A)及び(B)に示す情報通信体シートS3と全く同じで、8葉片の各面積は全て異なることになる。
【0063】
既述の構成の情報通信体シートS4は製造工程の最上流の用紙載せ台に載置され、最上面の情報通信体シートS4から順に、例えば一対或いは複数対のヒートローラからなるラミネータ等の被覆装置へ送り込まれ、
図22(A)及び(B)に斜線で示すように表裏面の疑似接着予定面に疑似接着フィルムシートGが、完全接着予定面に完全接着フィルムシートKが被覆される。前記疑似接着予定面は表面側においては
図22(A)に示すように、第二葉片12と第五葉片15の略全面と第三葉片13と第六葉片16の全面であり、裏面側においては同図(B)に示すように、第三葉片13、第六葉片16の縦方向の折り線18と対向する外側の縁辺に沿った帯状の領域を除いた部分以外の全面である。
【0064】
また完全接着予定面は
図22(B)に示すように、第三葉片13及び第六葉片16の縦方向の折り線18と対向する外側の縁辺に沿った帯状の領域である。なお受取人の開封動作を補助するために既述の各種操作を施しても構わない。
【0065】
前記の通り疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートKが被覆された情報通信体シートS4は、例えば周囲の不要な余白部分を切除した後に(切除する時期に関しては格別な制限はない)第一の折り畳みとして
図23(A)、(B)及び(C)に示すように、縦方向の折り線17から第一葉片11と第二葉片12の裏面同士(第四葉片14と第五葉片15の裏面同士)、また縦方向の折り線18から第二葉片12と第三葉片13の表面同士(第五葉片15と第六葉片16の表面同士)が対向するように断面Z字状に折り畳まれる。
【0066】
そして次に
図23(A)に二点鎖線で示す横方向の折り線19から、第三葉片13と第六葉片16の疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートKが被覆されている面同士が対向するように大きく二つ折りに折り畳まれる。なおこの時点で情報通信体シートS4は、単体のシートに切り出されていることが好ましく、また各対向面間は未接着状態である。
【0067】
そして次に、例えば加圧ローラ等による加圧装置、或いはヒートローラやヒータパネルと加圧ローラの組み合わせ等からなる加熱・加圧装置による一体化工程により、対向する疑似接着フィルムシートG及び完全接着フィルムシートK同士が接着され、
図19(A)、(B)及び
図20(A)、(B)に示す折り畳み情報通信体J4が製造されるのである。
【0068】
なお本発明は上記実施例に限られるものではない。
例えば、単位シートの連接葉片数に制限はない。また折り畳み情報通信体の仕上がりサイズに関しても格別な制限はなく、角型封筒のサイズや業界でゆうメールやメール便等称される各種サイズ(例えばB5やA4サイズ等)に使用することが可能である。さらに既述の通り段差による開封手段のみならず、疑似接着フィルムシートGを開封縁辺から控えて貼り込むことにより設けられる、非接着域をさらなる剥離の端緒として設けても構わない。さらにまた、実施例1及び5の折り畳み情報通信体J1及びJ3では、完全接着フィルムシートKは縦方向の折り線5及び18を跨いで貼り込まれているため最終的に表出してしまう。従って前記各縦方向の折り線を跨ぐことなく手前で被覆を止めることにより、最終的に完全接着フィルムシートKが表出しないよう操作しても構わない。
【符号の説明】
【0069】
J1、J2、J3、J4 折り畳み情報通信体
S1、S2、S3、S4 情報通信体シート
t1、t2、t3、t4 単位シート
G 疑似接着フィルムシート
K 完全接着フィルムシート
1、2、3、4、11、12、13、14、15、16 葉片
5、17、18 縦方向の折り線
6、19 横方向の折り線
7、20 切り落とし線