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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】洗面化粧台
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/00 20060101AFI20240401BHJP
   A47B 67/02 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
A47K1/00 S
A47B67/02 502N
A47K1/00 V
A47K1/00 U
A47K1/00 J
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022026425
(22)【出願日】2022-02-24
(65)【公開番号】P2023122746
(43)【公開日】2023-09-05
【審査請求日】2023-08-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】佃 光史
(72)【発明者】
【氏名】川名 宏平
【審査官】川村 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-099443(JP,A)
【文献】特開2008-082102(JP,A)
【文献】特開2011-083589(JP,A)
【文献】特開平07-197497(JP,A)
【文献】特開2001-269275(JP,A)
【文献】特開2009-089731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00-1/14
E03C 1/00-1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗面化粧台であって、
化粧鏡を備えた化粧鏡ユニットと、
この化粧鏡ユニットの下方に配置された水栓ユニットと、
この水栓ユニットの下方に配置されたボウル部と、を有し、
前記水栓ユニットは、下端に設けられた吐水口から水を吐水するスパウトを備えた天吊り形態の水栓装置と、この水栓装置における水の吐水を制御する機能部と、これらの水栓装置及び機能部を収納する箱体と、前記化粧鏡ユニットの下面が載置される載置部と、を備え、
前記水栓ユニットの箱体は、水栓装置及び機能部の前面を覆う前面部と、水栓装置及び機能部の両側面を覆う側面部と、水栓装置及び機能部の底面を覆う底面部を備え、
前記水栓装置のスパウトは前記箱体の底面部又は前面部に連接され、前記水栓ユニットの載置部の高さは、前記水栓装置及び機能部の高さよりも高い位置に配置され、
前記化粧鏡ユニットの下面は、前記水栓ユニットの載置部の上面により支持されており、
前記水栓ユニットの箱体の前面部、側面部、及び、底面部は、前記水栓ユニットの載置部を介して壁面に取り付けられていることを特徴とする、洗面化粧台。
【請求項2】
前記水栓ユニットの載置部は、幅方向に沿って、複数個設けられている、請求項1に記載の洗面化粧台。
【請求項3】
前記水栓ユニットの箱体の前面部は、前記箱体の側面部及び底面部から取り外し可能となっている、請求項1に記載の洗面化粧台。
【請求項4】
前記水栓ユニットの箱体の前面部は、前記化粧鏡ユニットが前記水栓ユニットの載置部に載置された状態で、前記箱体から取り外し可能であり、
前記水栓ユニットの箱体の前面部を取り外した際に開口が形成され、その開口から正面視で前記水栓装置及び機能部を視認できるように構成されている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の洗面化粧台。
【請求項5】
前記水栓ユニットの箱体の前面部は、その上端が、前記化粧鏡ユニットの下面と前記水栓ユニットの載置部との接合線よりも高い位置に配置されている、請求項1乃至4の何れか1項に記載の洗面化粧台。
【請求項6】
前記水栓ユニットの載置部は、前記側面部の上端の高さと略同一の高さに配置されている、請求項1乃至5の何れか1項に記載の洗面化粧台。
【請求項7】
前記水栓ユニットの箱体の底面部は、前記水栓装置及び機能部が配置される第1底面部と前記水栓装置及び機能部が配置されない第2底面部とを備えた分割構造となっている、請求項1乃至6の何れか1項に記載の洗面化粧台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面化粧台に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、洗面化粧台に清掃性・意匠性が求められ、そのため、水栓の根元に汚れがたまりにくく且つ水栓自体が小さくスタイリッシュな天吊り水栓が注目されている。例えば、特許文献1に記載されているように、吊り下げされた形態の天吊り水栓装置を採用した洗面化粧台が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-125633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の洗面化粧台においては、以下説明するように、製造コスト・デザイン自由度の面で問題がある。
【0005】
天吊り水栓装置は、その形態から、天吊り水栓装置の上部にある化粧鏡などの上部材の構造に影響を及ぼし、上部材が天吊り水栓装置と組み合わせる専用品になってしまう。そのため、上部材に汎用性がなくなるので、製造コストがかかってしまい、さらに、デザインの自由度が下がってしまう。
【0006】
上述した特許文献1の洗面化粧台は、化粧鏡ユニットに天吊り水栓装置を備えた水栓ユニットが食い込んで組み合わされるような構造になっており、天吊り水栓装置を備えた水栓ユニットは他の形態の化粧鏡ユニット(上部材)と組み合わせて使用することが困難となり、さらに、化粧鏡ユニットも同様な問題がある。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、本発明は、天吊り水栓装置を採用しても、製造コスト・デザイン自由度上の支障を低減した洗面化粧台を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した問題点を解決するために、本発明は、洗面化粧台であって、上部材と、この上部材の下方に配置された水栓ユニットと、この水栓ユニットの下方に配置されたボウル部と、を有し、水栓ユニットは、下端に設けられた吐水口から水を吐水するスパウトを備えた天吊り形態の水栓装置と、この水栓装置における水の吐水を制御する機能部と、これらの水栓装置及び機能部を収納する箱体と、上部材の下面を載置する載置部と、を備え、水栓ユニットの箱体は、水栓装置及び機能部の前面を覆う前面部と、水栓装置及び機能部の両側面を覆う側面部と、水栓装置及び機能部の底面を覆う底面部を備え、水栓装置は箱体の底面部又は前面部に連接され、水栓ユニットの載置部の高さは、水栓装置及び機能部の高さよりも高い位置に配置されている。
このように構成された本発明によれば、上部材が水栓ユニットの載置部に載置されており、水栓ユニットが上部材に対して独立して設けられ、水栓ユニットと上部材が互いに食い込まないようになっているので、汎用性が高く、デザインの自由度が高い天吊り形態の水栓装置を有する洗面化粧台となる。したがって、本発明によれば、洗面化粧台に天吊り形態の水栓装置を採用しながらも、製造コスト・デザイン自由度上の支障を低減することができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、水栓ユニットの箱体の前面部は、箱体の側面部及び底面部から取り外し可能となっている。
このように構成された、本発明によれば、水栓ユニットの箱体の側面部及び底面部から前面部を取り外して交換することができるので、箱体の前面部を様々なデザインの上部材と組み合わせに対応させて、水栓ユニットの箱体の色等を変更することができ、デザイン自由度がさらに向上する。
【0010】
本発明において、好ましくは、水栓ユニットの箱体の前面部は、上部材が水栓ユニットの載置部に載置された状態で、箱体から取り外し可能であり、水栓ユニットの箱体の前面部を取り外した際に開口が形成され、その開口から正面視で水栓装置及び機能部を視認できるように構成されている。
このように構成された本発明によれば、水栓ユニットの箱体の前面部を取り外した際に開口が形成され、その開口から正面視で水栓装置及び機能部を視認できるようになっているので、上部材を取り外さずに水栓ユニットのメンテナンスを行うことができ、よりメンテナンス性が高くなる。
【0011】
本発明において、好ましくは、水栓ユニットの箱体の前面部は、前記上部材の下面と水栓ユニットの載置部との接合線よりも高い位置に配置されている。
このように構成された本発明によれば、水栓ユニットの箱体の前面部が、上部材の下面と水栓ユニットの載置部との接合線よりも高い位置に配置されているので、水栓ユニットの箱体の前面部により、上部材の下面と水栓ユニットの載置部との接合線を隠すことができ、そのため、接合線に汚れが浸入することを低減し、使用者の視界に接合線が入ることを防ぐことができる。したがって、本発明によれば、より清掃性・意匠性が高くなる。
【0012】
本発明において好ましくは、水栓ユニットの載置部は、側面部の上端の高さと略同一の高さに配置されている。
このように構成された本発明によれば、水栓ユニットの載置部と側面部の上端の高さと略同一の高さに配置されているため、水栓ユニットの箱体内の水栓装置及び機能部が水栓ユニットの側面から露出することを防ぐことができ、意匠性が高い上、使用者が意図せず水栓装置及び機能部に触れて、使用者がケガをしたり、水栓装置及び機能部が故障してしまう可能性を低減することができ、安全性が高い。
【0013】
本発明において好ましくは、水栓ユニット底面部は、水栓装置及び機能部が配置される第1底面部と水栓装置及び機能部が配置されない第2底面部とを備えた分割構造となっている。
このように構成された本発明によれば、底面部の水栓装置及び機能部が配置される第1底面部と、水栓装置及び機能部が配置されていない第2底面部とを備えた分割構造となっているため、水栓装置及び機能部が配置された第1底面部を統一しても、第2底面部の幅を変更することにより使用者が希望する様々な洗面化粧台幅に合わせて水栓ユニットの幅を変更できるので、施工性・汎用性が高い。
【発明の効果】
【0014】
本発明の洗面化粧台によれば、天吊り水栓装置を採用しても、製造コスト・デザイン自由度上の支障を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による洗面化粧台を示す正面図である。
図2図1の側面図である。
図3】本発明の一実施形態の洗面化粧台の水栓ユニットを示す斜視図である。
図4図3の水栓ユニットの部品展開図である。
図5】水栓ユニットを示す図2の部分拡大図である。
図6】本発明の一実施形態による洗面化粧台の水栓ユニットの箱体の前面部を取り外した状態の水栓ユニットを示す正面図である。
図7】本発明の一実施形態による洗面化粧台の前面部と上部材を取りはずした状態の水栓ユニットを示す正面図である。
図8】本発明の一実施形態による洗面化粧台の前面部と上部材を取りはずした状態の水栓ユニットを示す斜視図である。
図9】水栓ユニットに携帯端末を載置した洗面化粧台を示す正面図である。
図10図9の部分拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、添付図面を参照して、本発明の一実施形態による洗面化粧台を説明する。
先ず、図1及び図2により、本発明の一実施形態による洗面化粧台について説明する。図1は本発明の一実施形態による洗面化粧台を示す正面図であり、図2図1の側面図である。ここで、本明細書においては、洗面化粧台の使用者が立つ側を「前方」、壁側を「後方」として説明する。
【0017】
図1及び図2に示すように、本発明の一実施形態による洗面化粧台1は、その上方に、上部材2を有し、この上部材2は、化粧鏡4と、この化粧鏡4の後方(背面側)に設けられた収納棚6と、化粧鏡4の上端に設けられた照明装置8を備えている。また、化粧鏡4は、収納棚6の前面の右側及び左側を覆う鏡扉4a、4bを備えている。化粧鏡4は、洗面化粧台1の正面に立つ使用者を映すように構成され、また、収納棚6は、洗面道具等を収納することができるようになっている。この収納棚6は壁面9に取り付けられている。
【0018】
この上部材2の下方には、詳細は後述する、水栓ユニット10が設けられ、この水栓ユニット10の下方には、カウンター面12が設けられ、このカウンター面12に、水栓ユニット10から吐水される水を受ける凹み形状のボウル部14が形成されている。さらん、カウンター面12の下方には収納用のキャビネット16が設けられている。これらの水栓ユニット10、カウンター面12及びキャビネット16は壁面9に取り付けられている。
【0019】
次に、図3乃至図5により、水栓ユニット10について説明する。図3は本発明の一実施形態の洗面化粧台の水栓ユニットを示す斜視図であり、図4図3の水栓ユニットの部品展開図であり、図5は水栓ユニットを示す図2の部分拡大図である。
図3及び図4に示すように、水栓ユニット10は、箱形状の箱体18を備えており、この箱体18は、前方を覆う前面部20と、両側の側面を覆う側面部22と、底面を覆う底面部24を備えている。
【0020】
水栓ユニット10の箱体18の内部には、天吊り形態の水栓装置26が設けられている。この水栓装置26は、その下端に設けられた吐水口26aから水を吐水するスパウト26bと、吐水及び止水状態を操作するハンドル26cと、使用者の手指が所定の吐止水検知範囲内に入ったことを検知する吐水センサ26dを備えている。この水栓装置26のスパウト26b及びハンドル26cは、箱体18の底面部24に連接されている。また、スパウト26b及びハンドル26cは、箱体18の前面部20に連接されてもよい。
【0021】
水栓装置26のスパウト26bは、前方斜め下方に向けて突出する概ね円筒形の部材であり、その下端の吐水口26aからボウル部14に向けて吐水するようになっている。水栓装置26のスパウト26の吐水口26aは、洗面化粧台1の略中央に位置している。また、吐水口26aから吐水される水の軌跡を吐水線Aとし、吐水線Aとカウンター面14の交点をXとする(図2参照)と、水栓ユニット10の前端10a及びスパウト6の吐水口26aは、交点Xよりも後方に位置するようになっている。
【0022】
水栓ユニット10の内部には、さらに、水栓装置26の吐止水や照明装置8のオン・オフを制御するための機能部28も設けられている。
【0023】
水栓ユニット10の箱体18の底面部24には、照明装置8を操作するための照明センサ30が設けられている。上述した照明装置8は、LED照明であり、水栓装置26のスパウト26bやカウンター面12を上方から照明するようになっている。
【0024】
図4に示すように、水栓ユニット10は、さらに、化粧鏡4の下面を支持する載置部32を備えている。この載置部32は、幅方向に沿って3つの載置部32a、32b、32cが設けられ、それぞれ、壁面9に取り付けされている。
【0025】
水栓ユニット10の箱体18の底面部24は、水栓装置26及び機能部28が配置される第1底面部24aと、水栓装置26及び機能部28が配置されていない第2底面部24b、24cとを備えた分割構造となっている。第1底面部24aは幅方向の略中央に配置され、第2底面部24b、24cは、第1底面部24aを挟むように第1底面部24aの幅方向の両側に設けられている。また、第2底面部24b、24cには、水栓装置26及び機能部28が設けられていないため、幅方向の長さが異なる他の第2底面部と差し替えることにより、幅方向の長さを簡単に調整することができる。
【0026】
水栓ユニット10の箱体18の前面部20は、箱体18の側面部22及び底面部24から取り外し可能となっている。さらに、図5に示すように、水栓ユニット10の箱体18の前面部20は、その上端20aが、上部材2の収納棚6の下面6aと水栓ユニット4の載置部32との接合線Bよりも高い位置に配置されている。
さらに、図4に示すように、上述した載置部32の両側にある載置部32a、32cには、箱体18の前面部20、側面部22、底面部24(側面部22と底面部24の取り付けについては図8参照)が取り付けられ、これにより、水栓ユニット10の箱体18が、壁面9に取り付けられるようになっている。
【0027】
図6は本発明の一実施形態による洗面化粧台の水栓ユニットの箱体の前面部を取り外した状態の水栓ユニットを示す正面図である。
図6に示すように、水栓ユニット10の箱体18の前面部20は、化粧鏡4が水栓ユニット10の載置部32(32a、32b、32c)に載置された状態で、箱体18の側面部22及び底面部24から取り外し可能となっている。水栓ユニット10の箱体18の前面部20を取り外すと箱体18に開口が形成され、この開口から正面視で水栓装置26及び機能部28を視認できるようになっている。
【0028】
図7は本発明の一実施形態による洗面化粧台の前面部と上部材を取りはずした状態の水栓ユニットを示す正面図であり、図8は本発明の一実施形態による洗面化粧台の前面部と上部材を取りはずした状態の水栓ユニットを示す斜視図である。
【0029】
図7及び図8に示すように、水栓ユニット10の載置部32(32a、32b、32c)の高さは、水栓装置26及び機能部28の高さよりも高い位置に配置され、且つ、箱体18の側面部22の上端の高さと略同一の高さに配置されている。
【0030】
次に、図9及び図10により、上述した洗面化粧台1の水栓ユニット10をスマートフォン等の携帯端末40を載置するための棚部として使用する場合について説明する。図10は水栓ユニットに携帯端末を載置した洗面化粧台を示す正面図であり、図10図9の部分拡大側面図である。
【0031】
図9及び図10に示すように、水栓ユニット10の箱体18の前面部20は、断面が略L字形状に形成されている。このL字形状の一部が前方に突出する平面となっているので、この平面を、携帯端末40を載置するための棚部42として使用できるようになっている。使用者は、携帯端末40をこの棚部42に載置し、携帯端末40で動画等を視聴しながら身支度等を行うことができるようになっている。
【0032】
具体的に説明すると、棚部42は、携帯端末40の下端を載せることにより携帯端末40を載置可能な携帯端末載置部44と、携帯端末40の上端を寄りかからせることが可能な寄掛り部46と、を備えている。棚部42の寄掛り部46は化粧鏡4の収納棚6の前側端よりも前方(手前)、化粧鏡4の鏡扉4a、4bの下側よりも下方に位置するように配置されている。
【0033】
さらに、図10に示すように、棚部42の携帯端末載置部44は、化粧鏡4の鏡扉4a、4bの前側端に沿って上下方向に延びる仮想線Cと携帯端末載置部44に載置された携帯端末40とが交差するように配置されている。さらに、棚部42の携帯端末載置部44は携帯端末40の下端の位置を保つように上方に突出した立ち上がり部48を備えている。
【0034】
棚部42は寄掛かり部46から幅D(mm)だけ突出しており、携帯端末載置部44から鏡扉4a、4bの下端までの高さはH(mm)である。具体的には、棚部42に載置している携帯端末40は、例えば大型スマートフォンに大きめのカバーを装着した状態の幅Dを90mm迄と想定し、立てかけ作業性も加味して携帯端末載置部44から鏡扉4a、4bまでの高さHを95mm以上としている。また、携帯端末載置部44には携帯端末40以外に、例えばメガネなどを載置することができる。折りたたみ状態のメガネの奥行寸法を50mm迄と想定している。このため、幅Dは、50mm程度が好ましい。
【0035】
次に、上述した本発明の一実施形態による洗面化粧台1の作用効果を説明する。
第1に、上述した本実施形態によれば、上部材2が水栓ユニット10の載置部32に載置されており、水栓ユニット10が上部材2に対して独立して設けられ、水栓ユニット10と上部材2が互いに食い込まないようになっているので、汎用性が高く、デザインの自由度が高い天吊り形態の水栓装置26を有する洗面化粧台1となる。したがって、本実施形態によれば、洗面化粧台1に天吊り形態の水栓装置26を採用しながらも、製造コスト・デザイン自由度上の支障を低減することができる。
【0036】
第2に、本実施形態によれば、水栓ユニット10の箱体18の側面部22及び底面部24から前面部20を取り外して交換することができるので、箱体18の前面部20を様々なデザインの化粧鏡4と組み合わせに対応させて、水栓ユニット10の箱体18の色等を変更することができ、デザイン自由度がさらに向上する。
【0037】
第3に、本実施形態によれば、水栓ユニット10の箱体18の前面部20を取り外した際に開口が形成され、その開口から正面視で水栓装置26及び機能部28を視認できるようになっているので、上部材2を取り外さずに水栓ユニット10のメンテナンスを行うことができ、よりメンテナンス性が高くなる。
【0038】
第4に、本実施形態によれば、水栓ユニット10の箱体18の前面部20が、上部材2の下面と水栓ユニット10の載置部32との接合線Bよりも高い位置に配置されているので、水栓ユニット10の箱体18の前面部20により、上部材2の下面と水栓ユニット10の載置部32との接合線Bを隠すことができ、そのため、接合線Bに汚れが浸入することを低減し、使用者の視界に接合線Bが入ることを防ぐことができる。したがって、本実施形態によれば、より清掃性・意匠性が高くなる。
【0039】
第5に、本実施形態によれば、水栓ユニット10の載置部32と側面部22の上端の高さと略同一の高さに配置されているため、水栓ユニット10の箱体18内の水栓装置26及び機能部28が水栓ユニット10の側面から露出することを防ぐことができ、意匠性が高い上、使用者が意図せず水栓装置26及び機能部28に触れて、使用者がケガをしたり、水栓装置26及び機能部28が故障してしまう可能性を低減することができ、安全性が高い。
【0040】
第6に、本実施形態によれば、底面部24の水栓装置26及び機能部28が配置される第1底面部24aと、水栓装置26及び機能部28が配置されていない第2底面部24b、24cとを備えた分割構造となっているため、水栓装置26及び機能部28が配置された第1底面部24aを統一しても、第2底面部24b、24cの幅を変更することにより使用者が希望する様々な洗面化粧台幅に合わせて水栓ユニットの幅を変更できるので、施工性・汎用性が高い。
【0041】
次に、本実施形態による洗面化粧台1の水栓ユニット10を携帯端末40を載置するための棚部42として使用した場合の作用効果を説明する。
第1に、本実施形態によれば、棚部42の携帯端末載置部44に携帯端末40を置いたときに、携帯端末40の上端が化粧鏡4の鏡扉4a、4bではなく、鏡扉4a、4bの下方に位置する寄掛り部46に寄り掛るようにしているため、鏡扉4a、4bの開閉時に載置された携帯端末40が邪魔にならず、携帯端末40が鏡扉4a、4bの一部を隠してしまって使用範囲が狭くなることもない。さらに、本実施携帯によれば、棚部42の寄掛り部46は化粧鏡4の収納棚6の前側端よりも手前に位置しているため、棚部42の携帯端末載置部44に載置された携帯端末40の全体が化粧鏡4の収納棚6よりも手前に位置するため、収納棚6に邪魔されて携帯端末40の画面が見えにくくなる問題も低減される。このように、本実施形態によれば、洗面化粧台1で携帯端末40の画面を確認しながら身支度を可能としながらも、使い勝手が良好となる。
【0042】
第2に、本実施形態によれば、洗面化粧台1の使用者は、通常、洗面化粧台1において水栓装置26の吐水口26aが配置されている幅方向の略中央の前に立って身支度等行うので、洗面化粧台1の幅方向の略中央に使用者の目線が集まることが多い。そのため、使用者は大きく目線を動かすことなく動画視聴しながら、身支度できる。
【0043】
第3に、本実施形態によれば、鏡扉4a、4bと携帯端末40が使用者から見てほぼ同じ奥行に配置されるので、大きく目の焦点を変えることなく動画視聴しながら身支度できる。
【0044】
第4に、本実施形態によれば、携帯端末40を寄掛り部46に立てかけたときに、携帯端末40の下端を立ち上がり部48に当接させて位置を保ち安定させることができるので、携帯端末40が倒れたり、棚部42から落ちてしまうといった虞が低減される。
【符号の説明】
【0045】
1 洗面化粧台
2 上部材
4 化粧鏡
4a、4b 鏡扉
6 収納棚
10 水栓ユニット
14 ボウル部
18 箱体
20 前面部
22 側面部
24 底面部
24a 第1底面部
24b、24c 第2底面部
26 水栓装置
26a 吐水口
26b スパウト
28 機能部
32 載置部
40 携帯端末
42 棚部
44 携帯端末載置部
46 寄掛り部
48 立ち上がり部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10