(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】ストレーナ組立体
(51)【国際特許分類】
E03C 1/12 20060101AFI20240401BHJP
E03C 1/262 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
E03C1/12 A
E03C1/262 Z
(21)【出願番号】P 2020502689
(86)(22)【出願日】2018-07-20
(86)【国際出願番号】 US2018043014
(87)【国際公開番号】W WO2019018722
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-05-11
(32)【優先日】2017-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520015955
【氏名又は名称】ロビラード,ラッセル,ウェイン
【氏名又は名称原語表記】ROBILLARD,Russel,Wayne
【住所又は居所原語表記】15052 Florida Boulevard,Baton Rouge,LA 70819(US)
(73)【特許権者】
【識別番号】520015966
【氏名又は名称】ロビラード,フレッド,ウェイン
【氏名又は名称原語表記】ROBILLARD,Fred,Wayne
【住所又は居所原語表記】15052 Florida Boulevard,Baton Rouge,LA 70819(US)
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロビラード,ラッセル,ウェイン
(72)【発明者】
【氏名】ロビラード,フレッド,ウェイン
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第106013399(CN,A)
【文献】特開2010-126986(JP,A)
【文献】登録実用新案第3034960(JP,U)
【文献】登録実用新案第3103600(JP,U)
【文献】特開2009-144491(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0005814(US,A1)
【文献】米国特許第08628657(US,B1)
【文献】特開平09-125491(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/12- 1/33
E03F 1/00-11/00
A47B 77/00-77/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
捕捉された食物粒子と器具とから、捕捉された液状廃棄物を分離するための床面に取り付けられた液状廃棄物の受容器で使用するストレーナ組立体であって、床面に取り付けられた液状廃棄物の受容器が、ウェルを形成する垂直壁と床部とを有して構成され、ウェル内には液状廃棄物と捕捉された食物粒子と器具とが収集されて、床部に位置する排出通路から下方に延びる排水管に向かって移動させることができ、
ストレーナ組立体は、
a.シンク排出開口ストレーナ組立体を備え、シンク排出開口ストレーナ組立体は、液状廃棄物を排水管に移動させ、捕捉された食物粒子と器具とが排水管に入るのを阻止できるように配置されており、
b.バスケットストレーナを備え、バスケットストレーナは、ウェル内に収まり、かつ、シンク排出開口ストレーナ組立体に適合する大きさとされて、液状廃棄物がバスケットストレーナを通過してシンク排出開口ストレーナ組立体に移動できるようにし、
バスケットストレーナが、バスケットストレーナを形成する複数の壁と、外周フランジと、隆起した唇部と、隆起した唇部における少なくとも一つの開口部とを備え、外周フランジは複数の壁に取り付けられ、かつ、複数の壁に直角に延びており、隆起した唇部は外周フランジに取り付けられ、かつ、外周フランジに直角に延びており、バスケットストレーナにおいて液体が所定の深さに達したときに、隆起した唇部における少なくとも一つの開口部によって、液体が隆起した唇部を越えずにバスケットストレーナに入ったりバスケットストレーナから出たりできるようになっていることを特徴とするストレーナ組立体。
【請求項2】
請求項1に記載のストレーナ組立体であって、シンク排出開口ストレーナ組立体が、弾力があり拡張可能な中空部材と、剛性支持部材と、ストレーナと、ねじとを備え、
i.中空部材は、雌ねじを有する内側面を備えた通路を有し、排出通路に通る大きさとされており、
ii.剛性支持部材は、雄ねじと、剛性支持部材を貫通する第1内側ねじ通路とを有し、弾力があり拡張可能な中空部材にねじ込まれる大きさかつ形状とされており、
iii.ストレーナは、第1内側ねじ通路と一線上に揃えられた第2内側ねじ通路を有し、
iv.ねじは、第1及び第2内側ねじ通路の両方に動作可能に入る大きさとされて、剛性支持部材をストレーナに固定することを特徴とするストレーナ組立体。
【請求項3】
請求項2に記載のストレーナ組立体であって、弾力があり拡張可能な中空部材の最上部における直径が、その最下部における直径よりも大きく、剛性支持部材の雄ねじの直径が、その下部よりも上部で大きいことを特徴とするストレーナ組立体。
【請求項4】
請求項2に記載のストレーナ組立体であって、バスケットストレーナが、ストレーナの上側外周領域に載る大きさとされていることを特徴とするストレーナ組立体。
【請求項5】
請求項1に記載のストレーナ組立体であって、バスケットストレーナが、ドーム形中央部を有するように構成されており、ハンドルがドーム形中央部の頂上に取り付けられていることを特徴とするストレーナ組立体。
【請求項6】
請求項1に記載のストレーナ組立体であって、バスケットストレーナ内に適合する大きさ及び形状とされたバスケットフィルタをさらに備えることを特徴とするストレーナ組立体。
【請求項7】
請求項1に記載のストレーナ組立体であって、バスケットストレーナ内に適合する大きさ及び形状とされたバスケットフィルタをさらに備え、バスケットフィルタが、ドーム形中央部に適合するように配置された開口部の付いた中央隆起部を備え、ハンドルが開口部を貫通することを特徴とするストレーナ組立体。
【請求項8】
請求項
7に記載のストレーナ組立体であって
、バスケットフィルタが
網目のフィルタ壁から形成されており、その網目が液状廃棄物内の微粒子を捕捉できる大きさ
となっていることを特徴とするストレーナ組立体。
【請求項9】
請求項
8に記載のストレーナ組立体であって、微粒子が砂、コーヒー粉、牡蠣殻の破片、お米、割れたガラスの破片を含むことを特徴とするストレーナ組立体。
【請求項10】
請求項1に記載のストレーナ組立体であって、バスケットストレーナが外周フランジを備え、一つ以上のハンドルが外周フランジに取り付けられていることを特徴とするストレーナ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して液状廃棄物の受容器に関し、特に床ドレン、床シンク、床槽、床トレンチ溝及び、その他のストレーナやフィルタを有し、建物の排水システムの床ドレンに入れる液状廃棄物を制御するための同様の液状廃棄物の受容器に関する。
【背景技術】
【0002】
業務用台所を使用する間、食事の準備中、料理中、清掃作業中に様々な液体や食品ごみや調理器具または食器が台所の床に行き着くのが普通である。一日の中でこれらのアイテムが、建物の排水システムの一部を形成する床ドレンに掃かれたり洗われたりすることが普通である。概して床シンクや床槽があり、これらの様々なアイテムが床ドレンに入る前に、受け止められるように配置されている。床槽は基本的には床シンクよりも大きい。床トレンチは床槽の一種である。また床には、ドレンに入れてもよいアイテムをろ過するストレーナ装置を含み、それらのアイテムのうち、床シンクのウェルに残るアイテムは、手動で別々に収集、廃棄または回収されることが普通である。そのようなストレーナ装置の一例として、床シンクの最上面に延びる格子が挙げられる。格子は、人間が誤って床シンクのウェルに足を踏み入れないようにするとともに、より大きなアイテムが床シンクに入るのを阻止するように構成されている。従来技術における発展をよそに、床シンクや床槽のストレーナ装置が詰まったり、望まれないゴミが建物の排水/下水システムに入ったりといった様々な問題が残っている。
【0003】
発明の目的
したがって、本発明の目的は、床シンクや床槽などの液体排水受容器の詰まりをより良く防ぐ、改良されたストレーナ組立体を提供することである。
【0004】
本発明の別の目的は、床シンクや床槽などの液体排水受容器に入ることのできる液体の流速を所望の流速とすることで、液体排水受容器のウェルの中での逆流を防ぐストレーナ組立体を提供することである。
【0005】
本発明のさらに別の目的は、床カバー及び液体排出受容器の外縁からの滑らかで平らで均一な移行部をより簡単に作り出すように構成されたストレーナ組立体を提供することである。
【0006】
本発明のさらに別の目的は、液体排出受容器によって、液体排出受容器の周囲の領域から固体粒子の有無にかかわらず液体を捕らえるようにするか、または液体排出受容器を使用する必要のある衛生器具や配管設備からの間接的な廃棄物を受容するためのストレーナ組立体を提供することである。
【0007】
本発明のさらに別の目的は、華氏212°以上の温度が必要となる使用が可能となる材料から構成されるストレーナ組立体を提供することである。
【0008】
本発明のさらに別の目的は、液状廃棄物の受容器とそのストレーナ組立体とが、必要な耐衝撃性と剛性の両方をもたらす材料から構成されるようにすることである。
【0009】
本発明のさらに別の目的は、液状廃棄物の受容器を提供することであって、その受容器によって床面と床面の下の任意の基板との間の防水をよりよくすると同時に、受容器の上面の高さを床面に必要な高さと同じにすることである。
【0010】
本発明のさらに別の目的は、液状廃棄物の受容器とそのストレーナ組立体とを、排水管の内径の差異を吸収するように構成され、それによって排水管に対するストレーナ組立体の取り付けを容易かつ迅速に行えるようにすることである。
【0011】
本発明のさらに別の目的は、液状廃棄物の受容器のろ過の完全性を損なうことなく、液状廃棄物の受容器から任意のストレーナ組立体を簡単かつ迅速に取り外せるように構成された、液状廃棄物の受容器を提供することである。
【0012】
本発明のさらに別の目的は、ストレーナ組立体が任意の液体または固体の廃棄物の粒子を保持し、それらをストレーナ組立体から容易に除去できるようにすることである。
【0013】
本発明のさらに別の目的は、例えば砂、コーヒー粉、牡蠣の殻、米およびその他の類似の粒子などのより小さな粒子を確実に捕捉するとともに、ストレーナ組立体の開口部または排水システムのトラップのいずれかを詰まらせる可能性のある繊維質の食物および他のアイテムが排水管に入るのを確実に防ぐことのできる、ストレーナ組立体を提供することである。
【0014】
本発明のさらに別の目的は、足を踏み入れない様々な領域に配置されるストレーナ組立体を提供することである。このストレーナ組立体は、例えばストーブ(stoves)やキャビネットなどの、ドレンに対する最初のフィルタとしても機能でき、通常は間接排水(indirect waste)を受けるように使用される。
【0015】
本発明の他の利点及び目的は、後述する本発明の明細書から、当業者にとって特有であるかまたは明らかである。
【発明の概要】
【0016】
本願発明のこれらの目的は、例えば本願で図示したり説明したりした液状廃棄物の受容器を使用することによって達成できる。この受容器は格子ストレーナを利用し、この格子ストレーナを液状廃棄物の受容器の開口面の上に置いて開口面上に延びるようにしたとき、格子ストレーナの上に立った人の重量を支えるように構成されている。この格子には、所定の大きさの一連の開口部が設けられており、液状廃棄物に含まれる大きなアイテムを捕捉するとともに、液状廃棄物及び小さいアイテムを、格子の開口部に通過させて直接的または間接的に液状廃棄物の受容器のウェルに移動させることができる。加えて、液状廃棄物の受容器は、ウェル排水開口ストレーナ組立体と、バスケットストレーナと、バスケットフィルタの結合体を備えるストレーナ組立体を組み込んでいる。ウェル排水開口ストレーナ組立体は剛性支持構造体を備え、この構造体を柔軟性のある密閉部材にねじ込むと、ウェル排水開口ストレーナ組立体を液状廃棄物の受容器の排出管に取り付けることができる。当該排出管は、液状廃棄物のウェルから建物の排水/下水システムの排水管へと延びている。剛性支持構造体は、垂直な軸方向中心の通路を有することが好ましい。この通路は、ドーム形ストレーナ内の同様の大きさの通路と一直線に配置され、剛性支持構造体の通路に入るねじが、ドーム形ストレーナ内に延びて、2つの部品を互いに動作可能に取り付けることができるようになっている。この実施例において、バスケットストレーナが取り外されたとき、ねじに容易にアクセスすることはできない。これにより、排出管からドーム形ストレーナ組立体を意図せず取り外してしまっても、望ましくないものが建物の排水/下水システムの排水管に流れてしまうのを防ぐことができる。この特徴を利用するため、最初に、ねじによって剛性支持部材をドーム形ストレーナに取り付け、その後、剛性支持部材を柔軟性のある密閉部材にねじ込む。
【0017】
バスケットストレーナは、ウェル排出開口ストレーナ組立体の上、かつ、液状廃棄物の受容器の支持棚に置けるような大きさおよび形状とされている。バスケットストレーナは開口部を有し、開口部は格子ストレーナを通過したアイテムを捕捉するための第2の所定の大きさ及び形状を有するが、そのアイテムは排水管に入って欲しくないものであり、液状廃棄物の受容器から簡単かつ迅速に取り出したいものである。バスケットストレーナにはハンドルが設けられており、液状廃棄物の受容器からバスケットストレーナを素早く取り外せるようになっている。好ましい実施例として、バスケットストレーナにはフラップも設けられている。フラップは、バスケットストレーナの外周フランジに対して上方角度方向に延びており、利用者が液状廃棄物の受容器からバスケットストレーナを取り外すために、バスケットストレーナを掴むための追加的な手段を提供する。
【0018】
好ましい実施例として、液状廃棄物の受容器は、バスケットストレーナにフィットする形状のバスケットフィルタを含むこともできる。バスケットフィルタが開口部を有し、バスケットストレーナのハンドルがその開口部を通して延び、バスケットフィルタとバスケットストレーナの両方を同時に迅速かつ簡単に取り出せるようにすることが好ましい。バスケットフィルタは、小さなメッシュタイプの壁を有する。この壁により、集まってドレンシステムのトラップを詰まらせる可能性のある微粒子、例えばコーヒー粉、砂粒、砂、牡蠣殻の破片、米粒および特定の繊維質の食物の粒子、繊維などがバスケットストレーナを通過するのを防ぐことができる。
【0019】
上述したことは、以下の詳細な説明がよりよく理解されるように、本発明の特徴と技術的長所についてむしろ広く概説したものである。本発明の追加的な特徴及び長所については以下で説明し、本発明の請求の範囲の主題を形成する。当業者であれば理解できるはずであるが、開示された着想および具体的な実施例は、本発明と同じ目的を達成するための他の形態および方法を修正または設計するための基礎としてただちに利用可能である。同様に、当業者であれば理解できることであるが、そのような均等な形態及び方法は、添付の請求の範囲に示したような発明の主旨及び範囲から逸脱するものではない。発明の特徴と思われる新規な特徴は、その構成および操作の方法の両方に関して、さらなる目的と長所とともに、以下の本発明の好ましい実施例の図面および説明からよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、台所の床に落ちた廃水や他のごみを集めるのに使用する床槽の平面図である。
【
図2】
図2は、新規なストレーナ組立体の好ましい一実施例を斜め前から見た分解組立図であり、
図1に示した床槽の下かつ床槽のウェル内に配置されるバスケットストレーナと、ウェル排出開口ストレーナ組立体を含む。
【
図3】
図3は、新規な外周構造を有する槽ドレンのウェル内に配置された、
図2に示したストレーナ組立体の断面図である。
【
図4】
図4は、ウェル排水開口ストレーナ組立体の好ましい一実施例を斜め前から見た分解斜視図であり、雌ねじを有する弾性部材と、雄ねじを有する剛性支持部材と、剛性支持部材の上に配置され、そこにねじなどの固定手段によって取り付けられるドーム形ストレーナとを備える。
【
図5】
図5は、新規なストレーナ組立体の断面図であり、柔軟な拡張可能な部材と、剛性支持部材と、ウェル排水開口ストレーナと、バスケットストレーナの位置を示す。
【
図6】
図6は、床シンクで使用するストレーナ組立体を斜め前から見た分解組立図であり、好ましい一実施例のバスケットストレーナのバスケットストレーナにぴったりと入るバスケットフィルタをさらに備える。
【
図7】
図7は、バスケットフィルタを斜め前から見た図である。
【
図8】
図8は、
図7に示したバスケットストレーナの側面図である。
【
図9】
図9は、別の好ましい一実施例のバスケットストレーナを斜め前から見た図であり、バスケットストレーナは隆起した唇壁部を有し、バスケットストレーナの外周フランジ部から上方に延びる、連続するドレン開口部が設けられており、ハンドルが外周フランジ部から外向きに伸びている。
【
図13】
図13は、床シンクに配置された
図9のバスケットストレーナの部分断面図である。
【
図14】
図14は、床シンクに配置されたストレーナ組立体のバスケットストレーナとバスケットフィルタを斜め前から見た部分図である。
【
図15-17】
図15‐17は、新規な床槽などの廃棄物受容器の外周外側フランジ部の3つの断面図であり、滑らかで、平らで、均一な面を実現するために使用されるものであり、これらは、防水加工層、シンセット層、タイル層及びグラウトの使用を含む様々な方法を利用するとき、またはシンセット層、タイル層及びグラウトの使用を含む方法を利用するとき、または床コーティングの使用を含む方法を利用するときに、槽ドレンと、床カバーによって形成される。
【発明を実施するための形態】
【0021】
では次に
図1~2を見ると、図示したような床槽などの液状廃棄物の受容器1は、フレーム2を有して構成され、フレーム2の外周は外側フランジ3を形成し、外側フランジ3は外側フランジ3の上方に延びる長方形の肩部材4を有する。肩部材2の外側側壁5には、外側フランジ3が肩部材2の最上面7の下方に延びる平面6を形成している。平面6によって、床部8(
図15~17参照)の導入が可能となる。床部8は、防水材料層や、シンセット(thinset)材料層、タイルその他の表面材料層で構成されていてもよく、肩部材4の最上面7と同じ高さであってもよい。したがって、床部8と、床部8の下の例えばコンクリートなどの任意の基板との間のより良い防水が得られる一方で、同時に、肩部材の最上面7を床部8と同じ高さにすることで、人が液状廃棄物の受容器1でつまずく可能性を最小限にすることができる。
【0022】
肩部材の内側側壁9に対して、肩部材4は外側フランジ3の下方で延びて、棚部または座部10を形成しており、その上に格子11を配置して床槽1のウェル12を覆うことができる。このウェル12は、底部17に向かって下方に傾斜する壁13~16によって形成されている。底部17には、下方に傾斜してシンク23を形成する壁19~22を有する収集開口部18が設けられている。シンク23には排出通路24が設けられている。通路24は動作可能に配置され、通路24を通過する任意の水やその他の物質が、ビルの排水/下水システム(図示せず)の排出管25に流れるようにできる。
【0023】
図2~3により良く示すように、格子11には連続する開口部26が設けられており、液体やその他の物質をウェル12に入れられるようにする一方で、大きいまたは幅広い器具などのアイテムがウェル12に入るのを防いでいる。格子11を棚部または座部10に置くと、格子11の最上面27は、肩部材の最上面7と同じ高さとなる。コンクリートの台所床の所望の位置に床槽1を取り付けるため、4本の脚アンカー28がコンクリート床に埋め込まれる。この埋め込む位置は、肩部材4の内側面30によって形成される肩部材の部分29が4本の脚アンカー28の上に載るようにすることによって、4本の脚アンカー28が床槽1を支持できる位置である。それぞれの脚アンカー28は、中空で、内部にねじが形成された柱28Aと、外部にねじが形成されたシャフト28Cと、柱28Aの最上部の延出端に取り付けされるワッシャー28Bとからなり、シャフト28Cは柱28Aにねじ込まれてナット28Dによって位置が固定される。このように配置することによって、床槽1の高さ調節をすることができ、外側フランジの平らな表面6の上にグラウトで固めるか、そうでなければ固定される床のタイル(図示せず)と同じ高さに配置する助けとなる。
【0024】
図3は、床槽1の好ましい実施例を示し、結合された2種の材料フレーム2から構成され、この材料フレーム2は、床槽1とウェル12を形成する。フレーム2は最上層31を含む。最上層31は、例えばゴム、プラスチック及びその他の類似の材料などの柔らかくて弾力のある耐衝撃材料を有する材料から構成される。この最上層31は、例えば陶磁器類やガラスの調理用鍋や平鍋などの、フレーム2に落下するものの破損を防ぐ助けとなる。なぜならば、食品サービスの従業員が沸騰水を床槽1に直接注ぎこむことは珍しくなく、最上層31の構造的安定性に対して歪曲したりダメージを与えたりすることなく、少なくとも212°Fの温度に耐えることのできる材料から最上層31が構成されることも好ましく、同様にフレーム2の底層32に対するその接着が失敗しないことも好ましい。底層32は、例えばステンレス鋼、ファイバーグラス及びその他の類似の材料などの構造強度を与える材料から構成されることが好ましい。この底層32は耐久性を提供し、例えば人が格子11の上に立ったり、落下した鉄製のポットやフライパン及び類似の調理器具が底層32に当たったりして、フレームが物理的な力を受けたときに、フレームの形状を保持する助けとなる。
【0025】
図2~5は、本願発明の新規なストレーナ組立体33の好ましい一実施例を説明する。好ましい実施例において示したストレーナ組立体33は、シンク排出開口ストレーナ組立体34(
図4参照)と、バスケットストレーナ35とを備える。シンク排出開口ストレーナ組立体34は、ウェル排出通路24内に延びる建物の下水道/ドレンシステムの排出管25に取り付けられる。バスケットストレーナ35は、シンク排出開口ストレーナ組立体34に被せるように構成されており、ウェル12を形成する壁部13~16の最上部に載っている。より好ましくは、ウェル排出開口ストレーナ組立体34は、シンク通路24の内側にぴったりフィットする大きさ及び形状の弾性部材または柔軟性のある部材36を備える。部材36は、通路24の内径の差異に適応するのに十分な柔軟性を有するのが好ましい。部材36には雌ねじ38が設けられている。ウェル開口ストレーナ組立体34はまた、剛性支持部材38を備え、剛性支持部材38には部材36の雌ねじ38に操作可能に取り付けできる雄ねじ39が設けられている。好ましい一実施例として、部材36のねじ37は、部材36の頂部41よりも部材36の底部40において幅広になっている。他方で、剛性支持部材38の雄ねじ39は、剛性支持部材38の底部43よりも、剛性支持部材38の頂部42において幅広になっている。その結果、剛性支持部材38が部材36に挿入されたとき、部材36の底部40が外向きに拡張されて、通路24に対して部材36をよりよくシールできる。剛性支持部材38を部材36から取り外すときに、通路24から容易に取り外すことができるように、部材36は元の形状に戻るのに十分に弾性的であることが好ましい。別の好ましい実施例において、部材36には外側の柔軟なリブが設けられている。このリブは曲げることができ、部材36と通路24の内壁との間に必要な摩擦力を提供することによって、通路24の内径の差異に適応することができる。本実施例において、部材36の内壁は、ねじ山のない滑らかなものとすることができ、剛性支持部材38には、部材36にセルフタップできるテーパ雄ねじを設けることができる。ウェル開口ストレーナ組立体34はまた、ドーム形ストレーナ44を備える。ドーム形ストレーナ44は剛性支持部材38に載って、連結ねじ45によって剛性支持部材38に固定される。連結ねじ45は、剛性支持部材38のねじ付中央垂直整合ねじ通路46及び47と、ドーム形ストレーナ44とをそれぞれ操作可能に貫通している。
図3にみられるように、ドーム形ストレーナ44は、その外側周囲48もウェル床49に載り、連結ねじ45がドーム形ストレーナ44に挿入されたときに、連結ねじ45によってウェル床49に対してしっかりと保持される大きさとされることが好ましい。
【0026】
図4にみられるように、剛性支持部材38の好ましい実施例として、壁部55~58によって形成される4つの通路51~54を有して構成される本体50を有する。壁部55~58は、本体の中央部59から外向きに放射状に延び、本体の中央部59にはねじ通路46が貫通している。この実施例において、ドーム形ストレーナ44には、本体の中央部61の周りに配置された複数の通路60が設けられており、中央部61の内部にねじ込み口47が延びている。ドーム形ストレーナ44を通って流れる水やその他の物質を制御できるように、通路60の大きさと形状は異なっていてもよい。好ましい実施例として、ドーム形ストレーナ44の底部周辺領域62に、一連の隔てられた背圧開放開口部63が設けられてもよく、それによってドレンシステムに背圧がある場合に、余分な水がウェル12に逆流できるようになる。
【0027】
図2~5及び
図9~12にみられるように、バスケットストレーナ35は、その外周フランジ64がシンク壁19~22の溝または着座領域65に載る大きさとされている。着座領域65は、ストレーナバスケット35の配置(深さ方向と領域方向の両方)に関するガイドを提供するとともに、ストレーナバスケット35が所望の位置からより確実に抜け出さないようにすることができる。その代わりに、ドーム形ストレーナ44は、その上側周辺領域67に位置する着座領域66を有して構成することができる。これもまた、ストレーナバスケット35を安定して配置するための安定した場所を提供する助けとなり、ストレーナバスケット35をシンク排出通路24の上方に保持して、ストレーナバスケット35を通過する十分な水を確保することができる。またこれらの構成により、シンク排出開口ストレーナ組立体34の本来のフィルタリング目的の完全性を損なわずに、ストレーナバスケット35を簡単かつ素早く取り外すこともできる。4つのバスケットストレーナの溝付き垂直壁68~71とコーナー壁72~75とは、ウェル12内に延びるように構成される。垂直壁68~71の垂直壁溝76は、バスケットストレーナ35の床部77から外周フランジ64まで延びていることが好ましい。垂直壁溝76の幅を利用して、バスケットストレーナ35を通過してドーム形ストレーナ44まで流れてもよい廃棄物またはごみの、大きさや種類を規制することができる。バスケットストレーナの床部77には、ドーム形ストレーナ44の上にフィットする大きさとされた、突起したドーム形中央部78が設けられている。ハンドル79は、ドーム形中央部78の最上部に固定されて、バスケットストレーナ35を持ち上げて取り外そうとする人が、バスケットストレーナ35内のごみに手を入れないで済むように補助するものである。バスケットストレーナ35内のごみは、例えば割れたガラス片などの鋭い物を含む可能性があり、ハンドル79は、ドーム形ストレーナ44によって捕捉された任意のごみを除去するために、当該人がシンク開口ストレーナ組立体34にアクセスしなくて済むように補助するものである。バスケットストレーナの床部77は、一連の開口部80を有して構成され、バスケットストレーナ44内の水がウェル12に集められるようになっている。さらに、ドーム形中央部78は、一連の円弧形状の開口部81を有して構成されており、バスケットストレーナ35内の水が流れて、ドーム形ストレーナ44の廃水の通路60を通過するようになっている。
【0028】
図6は、床シンク82内のストレーナ組立体33の別の好ましい一実施例の使用について説明する。別の好ましい一実施例において、床シンク82の肩部材83は、一連の水抜き穴84を有して構成され、タイル仕上げの床下に漏出した廃液が水抜き穴84に流れた後、床シンク82に流れるようになっている。このことは、いかなる廃液も土壌に浸透しないようにすることが望ましいグレードの建築で、床がコンクリートスラブではない、多層(multi-story)の用途または任意の状況における防水用途のために重要である。
【0029】
さらに本実施例でも説明するように、ストレーナ組立体33は、ウェル排出開口ストレーナ組立体34やバスケットストレーナ35だけでなく、
図7~8でより詳細に説明するようにバスケットフィルタ85も備える。バスケットフィルタ85は、垂直補強部材88によって互いに取り付けられた別々の水平補強部材87から形成される、垂直な外周フレーム86を有して構成される。網目型材料89は、水平補強部材87及び垂直補強部材88にそれぞれ固定されて、中程度サイズから微粒子サイズのごみ(例えば砂、コーヒーの粉、牡蠣殻、米および類似の粒子)がバスケットストレーナ35から飛び出さないように設計された垂直バスケットフィルタ壁90を形成する。フィルタ壁90の網目サイズもまた、下水の排水管25を詰まらせる可能性のある、繊維質の食物やその他の類似の繊維質材料がシンク排出通路24に入らないようにするよう選択されるのが好ましい。この特徴は、建物のドレン/下水システムにおける、水では容易に流されない物質や、Pトラップの底に沈殿しがちな物質を防止するのに重要である。フィルタ壁90は、垂直フィルタ壁90が溝付き垂直壁68~71と垂直コーナー壁72~75とに隣接して配置された状態で、バスケットストレーナ35内にフィットする大きさとされている。バスケットフィルタ85の床部91は、網目型材料89を有する円形補強部材92と、下側の水平補強部材87とによって形成される。網目型材料89は、円形補強部材92と水平補強部材87とに取り付けられている。バスケットフィルタ85はさらに、円形補強部材92から上方向に延びる、ドーム形の網目型材料93を有して形成される。開口部94は、ドーム形の網93の最上領域95に形成されて、ハンドル79が開口部94を通過して延びるのを許容する大きさとされており、ハンドル79を掴んだ人がバスケットフィルタ85とバスケットストレーナ44とを持ち上げて、ウェル排出開口ストレーナ組立体34にアクセスできるようにうまく手助けする。開口部94の完全性は、補強部材97を開口部94の外周回りに固定することによって保持される。
【0030】
図9~14は、バスケットストレーナ44の別の好ましい実施例を説明しており、特に、足元領域でない(non-foot)通行エリアにおいて有用である。このエリアは、例えばコンロ(stove)やキャビネットの下などであり、間接排水を受けるのに通常使用されるドレン用の一次フィルタとしても機能し得る。本実施例において、バスケットストレーナ44にはバスケットストレーナの外周フランジ64の最上面99から上方向に延びる、隆起した唇部98が設けられており、排出通路24から液体が跳ねるのをより良く防いだり、不要な外来ごみが意図せず排出通路24に落下するのを防いだりすることができる。隆起した唇部98は、一連のオーバーフロー/背圧開口部100を有しており、ドレンのオーバーフローレベルと任意の間接的な廃棄物排水管との間の空隙を妨げることなく、塞がれた排水管路から床上に水が溢れるようにしている。開口部100は、床部から来た水をバスケットストレーナ35に入れて、かつ、最終的に排出管25に入れられる大きさとすることができる。
【0031】
好ましい別の一実施例として、バスケットストレーナの外周フランジ64は、少なくとも一つのハンドル101を有し、より好ましくは少なくとも第2ハンドル102を有する。これらのハンドルは、外周フランジ64の対抗する端部領域103及び104から上方向に延びている。これらのハンドル101,102は、床槽または床シンクが料理用コンロや他のタイプの台所器具の下に配置されているときに、特に有用である。この状況において、人が料理用コンロの下に手を伸ばしてハンドル101または102の一つを掴み、バスケットストレーナ35をウェル排出開口ストレーナ組立体34から持ち上げることができる。
【0032】
図15~17は、床槽1の新規な外周構造がどれくらい、平らな台所床と床槽の組み合わせたものを単純化するかを示す。いくつかの技術を共通して使用して、床の覆い105と床槽1とを、床槽の座部106に配置されるその格子5とつなげることができる。
図15に示した一つの方法は、まず、コンクリート108とタイル109などの表面材料との間に防水材107を適用することである。次に、シンセット材110を防水材107とタイル109の間に配置して、タイル109を所定の位置に保持する。タイル109とその他の外側フランジ112との間のどんな隙間111もグラウト113で埋めることができる。この方法では、タイル109と床槽1によって所望の水準の滑らかな接合とするために時間がかかり、しかも熟練工を必要とする。この方法は、新規な床槽の外周外側フランジ112とともに構成された床槽1で用いることでより、さらに容易に利用することができる。外側フランジ112は、格子11が載る座部106を有して構成されている。座部106の後壁114は、格子11の格子最上面115及び肩部材117の最上面116と実質的に同じ高さである。
図15に示した実施例において、外側フランジ112の延長端117は、肩部材の最上面116よりも低くなるように形成されており、その差は防水材107、シンセット110及びタイル109を取り付けたときに、肩部材の最上面116と格子の最上面115と同じ高さにするのに十分な量となっている。グラウト113を使用することで、タイル109と肩部材117の間の任意の隙間も塞ぐことができ、所望の滑らかで平らな表面を完成させることができる。
【0033】
図16は、防水材107を使用されていないことを除いて、同様の方法を示す。繰り返しになるが、
図15に示すように、座部106の後壁114は、格子の最上面115及び肩部材の最上面116と実質的に同じ高さである。この場合、延長端118は、肩部材の最上面116よりも低くなるように形成されており、その差はシンセット110とタイル109とを取り付けたときに、肩部材の最上面116と同じ高さにするのに十分な量となっている。
【0034】
図17は、新規な床コーティング119を使用した外側フランジ112の構造を示す。コーティング119は、高い衝撃強度、高い荷重撓み温度及び剛性を伴う優れた耐候性能と性能保持を有する複合物から形成される。好ましくは、コーティング119の引張強度が6100psi以上を示し、引張係数が280,000psi以上を示し、曲げ弾性率が280,00psi以上を示し、5%ひずみで曲げ応力が9,500psi以上を示し、圧縮強度が7,500psi以上を示し、せん断強度が5,800psi以上を示し、支持強度が29,000psi以上を示し、荷重撓み温度が212°F以上を示し、熱膨張率が44μin/in/°Fであり、絶縁耐力>300V/milを示す。より好ましい実施例において、コーティング119は、共押出しされた、非常に高い耐衝撃性のポリカーボネートABS及びアクリル組成物のシートである。この床コーティング119を使用することにより、産業界において実践されている防水、シンセッティング及びグラウティングの工程を無くすことができる。
【0035】
本願発明及びその利益について詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲によって規定される発明の主旨及び範囲を逸脱することなく、様々な変更、置換及び代替が可能であることは当然に理解できるはずである。さらに、本願の範囲は明細書等で説明したプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法およびステップの特定の実施例に限定されることを意図するものではない。当業者が本発明の開示から理解できるように、本願明細書に説明した実施例と、実質的に同じ機能を発揮し、または、実質的に同じ結果となる、現存するまたは今後開発されるプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法およびステップを、本願発明に従って利用してもよい。したがって、添付の特許請求の範囲は、例えばプロセス、機械、製造物、組成物、手段、方法またはステップなどをそれらの範囲内に含むことを意図する。