(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】バイオ医薬組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20240401BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20240401BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20240401BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240401BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240401BHJP
A61P 11/02 20060101ALI20240401BHJP
A61P 11/06 20060101ALI20240401BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240401BHJP
C07K 16/24 20060101ALN20240401BHJP
C12N 15/13 20060101ALN20240401BHJP
【FI】
A61K39/395 U ZNA
A61P1/04
A61P7/00
A61P9/00
A61P11/00
A61P11/02
A61P11/06
A61P17/00
C07K16/24
C12N15/13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019182057
(22)【出願日】2019-10-02
(62)【分割の表示】P 2018510388の分割
【原出願日】2016-08-22
【審査請求日】2019-10-31
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-22
(32)【優先日】2015-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513110104
【氏名又は名称】グラクソスミスクライン、インテレクチュアル、プロパティー、(ナンバー2)、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】GLAXOSMITHKLINE INTELLECTUAL PROPERTY (NO.2) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーナ、エイ.モンク
(72)【発明者】
【氏名】ナレンドラ、ビー.バム
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー、ダリ
(72)【発明者】
【氏名】ミッシェル、スパタラ
【合議体】
【審判長】松波 由美子
【審判官】原口 美和
【審判官】光本 美奈子
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-504742(JP,A)
【文献】特表2000-515494(JP,A)
【文献】特表2014-506578(JP,A)
【文献】特表2018-526369(JP,A)
【文献】World Allergy Organization Journal,2014年,7:32,doi:10.1186/1939-4551-7-32
【文献】Antibody Expression and Production,2011年,Chapter13,pp.293-303
【文献】Clinical Pharmacology in Drug Development,2013年,3(1),pp.57-62
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K39/395-A61K39/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗IL-5抗体混合物を含む組成物であって、
(i)配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列と配列番号2に示される軽鎖アミノ酸配列とを有する抗体
、ならびに
(ii)
該軽鎖アミノ酸配列のN31で脱アミド化された抗体変異体
、
該重鎖アミノ酸配列のW52で酸化された抗体変異体、
該重鎖アミノ酸配列のM64で酸化された抗体変異体、
該重鎖アミノ酸配列のN386で脱アミド化された抗体変異体、
該重鎖アミノ酸配列のM254で酸化された抗体変異体、
該重鎖アミノ酸配列のM360で酸化された抗体変異体、および
該重鎖アミノ酸配列のM430で酸化された抗体変異体
を含む、組成物
であって、
該組成物が、
≦20%の、該軽鎖アミノ酸配列のN31で脱アミド化された抗体変異体、
≦3%の、該重鎖アミノ酸配列のW52で酸化された抗体変異体、
≦50%の、該重鎖アミノ酸配列のM64で酸化された抗体変異体、
≦35%の、該重鎖アミノ酸配列のN386で脱アミド化された抗体変異体、
≦50%の、該重鎖アミノ酸配列のM254で酸化された抗体変異体、
≦50%の、該重鎖アミノ酸配列のM360で酸化された抗体変異体、および
≦50%の、該重鎖アミノ酸配列のM430で酸化された抗体変異体
を含んでなる、組成物。
【請求項2】
前記組成物が、参照標準組成物と比較して少なくとも0.70のIL-5特異的抗原結合活性を有するものであり、前記参照標準組成物が:
(a)配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列と配列番号2に示される軽鎖アミノ酸配列とを有する抗体;
(b)≧98%の、前記抗体(a)のHC C末端リジン欠失変異体、
(c)≧95%の、前記抗体(a)のHC N末端ピログルタミン酸変異体、
(d)5.2%の、配列番号2の残基31が
脱アミド化された前記抗体(a)、
(e)0.9%の、配列番号1の残基M64が酸化された前記抗体(a)、
(f)0.1%の、配列番号1の残基W52が酸化された前記抗体(a)、および
(g)0.4%の
、凝集抗体
変異体
を含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項3】
前記抗体が75mg/mL~100mg/mLの間の濃度である、請求項
1に記載の組成物。
【請求項4】
50%より多くの
、重鎖のC末端リジン残基K449が欠失された
抗体変異体を含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物はさらに、
≦20%
の凝集抗体
変異体を含む、請求項
1に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1~
5のいずれか1項に記載の組成物と、薬学的に許容可能な担体とを含んでなる、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インターロイキン5(IL-5)により媒介される疾患を処置するための組
成物、および関連の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IL-5は、喘息、重症好酸球性喘息、重症喘息、コントロール不良好酸球性喘息、好
酸球性喘息、亜好酸球性喘息、慢性閉塞性肺疾患、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、好酸
球増加症候群、鼻ポリープ、水疱性類天疱瘡および好酸球性食道炎などのいくつかの異な
る疾患において役割を果たす。これらの重篤な疾患は、世界で何億という人を侵している
。
【0003】
メポリズマブは、可溶性IL-5に結合し、可溶性IL-5のその受容体への結合を遮
断するモノクローナル抗体である。IL-5の構造は分泌タンパク質を示し、いずれの細
胞種にも膜結合型のIL-5の証拠はない。よって、Fcエフェクター機能は、メポリズ
マブの作用機序の一部ではない。メポリズマブの作用機序および薬物動態特性に基づけば
、このモノクローナル抗体の生物活性に関与する2つの機能的ドメインが存在する。これ
らは、a)相補性決定領域(CDR)においてIL-5と結合して作用機序を提供し;か
つb)Fc領域において新生児型Fc受容体(FcRn)と結合して半減期を決定する。
製品の開発を通じて行われた詳細にわたる特性評価研究を通じて、脱アミド化、酸化、お
よび凝集がメポリズマブの重要な品質特性であることが決定付けられた。重要なこととし
て、適当な生物機能を確保するためにはこれらの変異体の特定のレベルが維持されなけれ
ばならないことが見出された。
【0004】
よって、メポリズマブの生物機能を維持するため、また、IL-5により媒介される疾
患を処置するための組成物の必要がある。このような組成物および関連の方法が本開示に
より提供される。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一つの態様は、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示
される軽鎖アミノ酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%
同一の重鎖アミノ酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一
の軽鎖アミノ酸配列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であり、前記組成物は、≦8
0%の酸性抗体変異体を含んでなる。
【0006】
本開示の別の態様は、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示さ
れる軽鎖アミノ酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同
一の重鎖アミノ酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の
軽鎖アミノ酸配列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であり、前記組成物は、≦80
%の酸性抗体変異体および≦20%の凝集抗体変異体(凝集した抗体の変異体;aggregat
ed antibody variants)を含んでなる。
【0007】
本開示の別の態様は、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示さ
れる軽鎖アミノ酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同
一の重鎖アミノ酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の
軽鎖アミノ酸配列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であり、前記組成物は、≦25
%の、軽鎖アミノ酸配列のN31で脱アミド化された抗体変異体;および≦20%の凝集
抗体変異体を含んでなる。
【0008】
本開示の別の態様は、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示さ
れる軽鎖アミノ酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同
一の重鎖アミノ酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の
軽鎖アミノ酸配列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であり、前記組成物は、≦25
%の、軽鎖アミノ酸配列のN31で脱アミド化された抗体変異体;≦55%の、重鎖アミ
ノ酸配列のM64で酸化された抗体変異体;≦3%の、重鎖アミノ酸配列のW52で酸化
された変異体;および≦20%の凝集抗体変異体を含んでなる。
【0009】
本開示の別の態様は、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示さ
れる軽鎖アミノ酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同
一の重鎖アミノ酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の
軽鎖アミノ酸配列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であり、前記組成物は、≦25
%の、軽鎖アミノ酸配列のN31で脱アミド化された抗体変異体;≦35%の、重鎖アミ
ノ酸配列のN386で脱アミド化された抗体変異体;および≦20%の凝集抗体変異体を
含んでなる。
【0010】
本開示の別の態様は、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示さ
れる軽鎖アミノ酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同
一の重鎖アミノ酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の
軽鎖アミノ酸配列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であり、前記組成物は、≦25
%の、軽鎖アミノ酸配列のN31で脱アミド化された抗体変異体;≦35%の、重鎖アミ
ノ酸配列のN386で脱アミド化された抗体変異体;≦55%の、重鎖アミノ酸配列のM
64、重鎖アミノ酸配列のM254、重鎖アミノ酸配列のM430で酸化された抗体変異
体;≦3%の、重鎖アミノ酸配列のW52で酸化された抗体変異体;および≦20%の凝
集抗体変異体を含んでなる。
【0011】
本開示の別の態様は、モノクローナル抗体の精製調製物および緩衝剤を含んでなる組成
物であり、前記組成物は6.8~7.2のpHであり、前記緩衝剤は、ヒスチジン、リン
酸塩、クエン酸、クエン酸塩またはその塩であり、前記精製調製物は、
図1に示されるピ
ーク65、ピーク78、ピーク88、ピーク92、主要ピークおよびピーク112により
表されるアイソフォームを含んでなり、前記抗体は、配列番号1のアミノ酸配列と少なく
とも90%の同一性を有する重鎖アミノ酸配列および配列番号2のアミノ酸配列と少なく
とも90%の同一性を有する軽鎖アミノ酸配列を含んでなり、かつ、前記抗体は、チャイ
ニーズハムスター卵巣細胞により生産される。
【0012】
本開示の別の態様は、モノクローナル抗体の精製調製物および緩衝剤を含んでなる組成
物であり、前記組成物は6.8~7.2のpHであり、前記緩衝剤はリン酸塩またはその
塩であり、前記精製調製物は、
図1に示されるピーク65、ピーク78、ピーク88、ピ
ーク92、主要ピークおよびピーク112により表されるアイソフォームを含んでなり、
前記抗体は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖アミノ
酸配列および配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖アミノ
酸配列を含んでなり、かつ、前記抗体は、チャイニーズハムスター卵巣細胞により生産さ
れる。
【0013】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体と;b)組成物のキャピラリー等電点
電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の50%以上を占める前記抗体の主
要形態とを含んでなる組成物である。
【0014】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;b)組成物のキャピラリー等電点電
気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の50%以上を占める前記抗体の主要
形態;ならびにc)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中
のタンパク質の約20%~約45%を占める前記抗体の酸性形態を含んでなる組成物であ
る。
【0015】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;b)組成物のキャピラリー等電点電
気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の50%以上を占める前記抗体の主要
形態;ならびにc)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中
のタンパク質の約1%~約15%を占める前記抗体の塩基性形態を含んでなる組成物であ
る。
【0016】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;b)組成物のキャピラリー等電点電
気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の50%以上を占める前記抗体の主要
形態;c)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパ
ク質の約20%~約45%を占める前記抗体の酸性形態;ならびにd)組成物のキャピラ
リー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の約1%~約15%を占
める前記抗体の塩基性形態を含んでなる組成物である。
【0017】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびにb)アスパラギン299で
脱アミド化された重鎖アミノ酸残基、アスパラギン317で脱アミド化された重鎖アミノ
酸残基、アスパラギン386で脱アミド化された重鎖アミノ酸残基およびアスパラギン3
1で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基から選択される少なくとも1つを含んでなる前記
抗体の脱アミド化形態を含んでなる組成物である。
【0018】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびにb)トリプトファン52で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニ
ン82で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、
システイン222で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖ア
ミノ酸残基、メチオニン360で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化
された重鎖アミノ酸残基、メチオニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン
220で酸化された軽鎖アミノ酸残基から選択される少なくとも1つを含んでなる前記抗
体の酸化形態を含んでなる組成物である。
【0019】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;b)アスパラギン299で脱アミド
化された重鎖アミノ酸残基、アスパラギン317で脱アミド化された重鎖アミノ酸残基、
アスパラギン386で脱アミド化された重鎖アミノ酸残基およびアスパラギン31で脱ア
ミド化された軽鎖アミノ酸残基から選択される少なくとも1つを含んでなる前記抗体の脱
アミド化形態;ならびにc)トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基
、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重鎖ア
ミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で酸化
された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン
4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸残基
から選択される少なくとも1つを含んでなる前記抗体の酸化形態を含んでなる組成物であ
る。
【0020】
本開示の別の態様は、a)配列番号5で示されるCDRH1アミノ酸配列、配列番号6
で示されるCDRH2アミノ酸配列、および配列番号7で示されるCDRH3アミノ酸配
列を有する重鎖可変領域と;配列番号8で示されるCDRL1アミノ酸配列、配列番号9
で示されるCDRL2アミノ酸配列、および配列番号10で示されるCDRL3アミノ酸
配列を有する軽鎖可変領域とを含んでなる抗IL-5抗体;ならびにb)アスパラギン3
1で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含んでなる前記抗体の脱アミド化形態を含んで
なる組成物である。
【0021】
本開示の別の態様は、a)配列番号5で示されるCDRH1アミノ酸配列、配列番号6
で示されるCDRH2アミノ酸配列、および配列番号7で示されるCDRH3アミノ酸配
列を有する重鎖可変領域と;配列番号8で示されるCDRL1アミノ酸配列、配列番号9
で示されるCDRL2アミノ酸配列、および配列番号10で示されるCDRL3アミノ酸
配列を有する軽鎖可変領域とを含んでなる抗IL-5抗体;ならびにb)メチオニン64
で酸化された重鎖アミノ酸残基を含んでなる前記抗体の酸化形態を含んでなる組成物であ
る。
【0022】
本開示の別の態様は、a)配列番号5で示されるCDRH1アミノ酸配列、配列番号6
で示されるCDRH2アミノ酸配列、および配列番号7で示されるCDRH3アミノ酸配
列を有する重鎖可変領域と;配列番号8で示されるCDRL1アミノ酸配列、配列番号9
で示されるCDRL2アミノ酸配列、および配列番号10で示されるCDRL3アミノ酸
配列を有する軽鎖可変領域とを含んでなる抗IL-5抗体;ならびにb)メチオニン64
で酸化された重鎖アミノ酸残基を含んでなる前記抗体の酸化形態;ならびにc)アスパラ
ギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含んでなる前記抗体の脱アミド化形態を
含んでなる組成物である。
【0023】
本開示の別の態様は、a)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域配
列および配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域配列を含んでなる抗I
L-5抗体;ならびにb)アスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含ん
でなる前記抗体の脱アミド化形態を含んでなる組成物である。
【0024】
本開示の別の態様は、a)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域配
列および配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域配列を含んでなる抗I
L-5抗体;ならびにb)トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニ
ン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基、
メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基およびメチオニン4で酸化された軽鎖アミ
ノ酸残基から選択される少なくとも1つを含んでなる前記抗体の酸化形態を含んでなる組
成物である。
【0025】
本開示の別の態様は、a)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域配
列および配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域配列を含んでなる抗I
L-5抗体;b)アスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含んでなる前
記抗体の脱アミド化形態;ならびにc)トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残
基、メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖ア
ミノ酸残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基およびメチオニン4で酸化さ
れた軽鎖アミノ酸残基から選択される少なくとも1つを含んでなる前記抗体の酸化形態を
含んでなる組成物である。
【0026】
本開示の別の態様は、a)アミノ酸残基1のアミノ末端ピログルタミン酸残基、アミノ
酸残基448のカルボキシ末端グリシンアミノ酸残基、299番の脱アミド化アスパラギ
ン残基、317番の脱アミド化アスパラギン残基、386番の脱アミド化アスパラギン残
基、52番の酸化トリプトファン残基、64番の酸化メチオニン残基、82番の酸化メチ
オニン残基、85番の酸化メチオニン残基、222番の酸化システイン、254番の酸化
メチオニン、360番の酸化メチオニンおよび430番の酸化メチオニン残基からなる群
から選択される少なくとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号1で示される
前記抗体重鎖アミノ酸配列の修飾形態;ならびにb)アミノ酸残基31の脱アミド化アス
パラギン残基、4番の酸化メチオニン残基および220番の酸化システインからなる群か
ら選択される少なくとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号2で示される前
記抗体軽鎖アミノ酸配列の修飾形態を有する抗IL-5抗体の集団を含んでなる組成物で
ある。
【0027】
本開示の別の態様は、a)299番の脱アミド化アスパラギン残基、317番の脱アミ
ド化アスパラギン残基、386番の脱アミド化アスパラギン残基、52番の酸化トリプト
ファン残基、64番の酸化メチオニン残基、82番の酸化メチオニン残基、85番の酸化
メチオニン残基、222番の酸化システイン、254番の酸化メチオニン、360番の酸
化メチオニン、および430番の酸化メチオニン残基からなる群から選択される少なくと
も1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号1で示される前記抗体重鎖アミノ酸配
列の修飾形態;ならびにb)アミノ酸残基31の脱アミド化アスパラギン残基、4番の酸
化メチオニン残基および220番の酸化システインからなる群から選択される少なくとも
1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号2で示される前記抗体軽鎖アミノ酸配列
の修飾形態を有する抗IL-5抗体の集団を含んでなる組成物である。
【0028】
本開示の別の態様は、a)299番の脱アミド化アスパラギン残基、317番の脱アミ
ド化アスパラギン残基および386番の脱アミド化アスパラギン残基からなる群から選択
される少なくとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号1で示される前記抗体
重鎖アミノ酸配列の修飾形態;ならびにb)アミノ酸残基31の脱アミド化アスパラギン
残基を含んでなる、配列番号2で示される前記抗体軽鎖アミノ酸配列の修飾形態を有する
抗IL-5抗体の集団を含んでなる組成物である。
【0029】
本開示の別の態様は、a)52番の酸化トリプトファン残基、64番の酸化メチオニン
残基、82番の酸化メチオニン残基、85番の酸化メチオニン残基、222番の酸化シス
テイン、254番の酸化メチオニン、360番の酸化メチオニン、および430番の酸化
メチオニン残基からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでな
る、配列番号1で示される前記抗体重鎖アミノ酸配列の修飾形態;ならびにb)4番の酸
化メチオニン残基および220番の酸化システインから選択される少なくとも1つを含ん
でなる、配列番号2で示される前記抗体軽鎖アミノ酸配列の修飾形態を有する抗IL-5
抗体の集団を含んでなる組成物である。
【0030】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびにb)組成物のキャピラリー
等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の20%以上を占める前記抗
体の主要形態を含んでなる組成物である。
【0031】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;b)組成物のキャピラリー等電点電
気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の20%以上を占める前記抗体の主要
形態;ならびにc)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中
のタンパク質の最大約80%を占める前記抗体の酸性形態を含んでなる組成物である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】メポリズマブを含んでなる参照標準(RS)組成物の代表的なキャピラリー等電点電気泳動(cIEF)電気泳動図。
【
図2】メポリズマブを含んでなる参照標準組成物(対照)および3日間のpH9.0強制分解を受けたメポリズマブを含んでなる組成物の異なるバッチの代表的なcIEF電気泳動図。
【
図3】メポリズマブを含んでなるRS組成物の代表的な全像サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)クロマトグラム。
【
図4】メポリズマブを含んでなるRS組成物の代表的な拡大
図SECクロマトグラム。
【
図5】メポリズマブを含んでなるRS組成物の代表的なSEC多角度光散乱(MALS)クロマトグラム。
【
図6】メポリズマブを含んでなる組成物のあるバッチの代表的なSEC-MALSクロマトグラム。
【
図7】メポリズマブを含んでなるRS組成物およびメポリズマブを含んでなる7日目のpH3.5ストレス組成物の異なるバッチの代表的なSECクロマトグラム。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示は、インターロイキン5(IL-5)により媒介される疾患を処置するための組
成物、および関連の主題を提供する。
【0034】
用語「喘息」は、本明細書で使用する場合、可逆的気道閉塞および気管支痙攣を特徴と
する気道の炎症性疾患を意味する。一般症状には、喘鳴音、咳、胸部圧迫感、および息切
れが含まれる。
【0035】
本開示の方法では、「喘息」は、「重症好酸球性喘息」であり得る。重症好酸球性喘息
を有する被験体は、過去12か月に喘息および血液1μL当たり300個以上の血中好酸
球を有し得る。重症好酸球性喘息を有する被験体は、表1に記載の判定基準のうち1以上
を満たし得る。
【0036】
【0037】
重要なこととして、これらの判定基準に従う重症好酸球性喘息を有する被験体は、処置
の開始時に血液1μL当たりの好酸球が150個未満であり得る。メポリズマブは、配列
番号1で示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2で示される軽鎖アミノ酸配列を含ん
でなるモノクローナル抗体である。メポリズマブ、およびメポリズマブの重鎖CDRおよ
び軽鎖CDRを含んでなる抗原結合タンパク質、特に、抗体分子は、本開示の方法に従っ
て重症好酸球性喘息を処置するために使用可能である。例えば、メポリズマブ、または関
連の抗原結合タンパク質は、患者において、過去12か月に300細胞/μL以上の血中
好酸球および/または処置の開始時に150細胞/μL以上の血中好酸球および/または
処置の開始時に150細胞/μL未満の血中好酸球により特定されるような重症好酸球性
喘息のアドオン維持療法のために指示され得る。あるいは、メポリズマブ、または関連の
抗原結合タンパク質は、患者において、過去12か月に300細胞/μL以上の血中好酸
球および/または処置の開始時に150細胞/μL以上の血中好酸球により特定されるよ
うな重症好酸球性喘息のアドオン維持療法のために指示され得る。メポリズマブ、または
関連の抗原結合タンパク質は、過去12か月に300細胞/μL以上の血中好酸球および
/または処置の開始時に150細胞/μL未満の血中好酸球により特定されるような重症
好酸球性喘息のアドオン維持療法のために指示され得る。このような患者は12歳以上で
あり得る。メポリズマブ処置は、患者(例えば、増悪の既往歴を有する患者)において喘
息の増悪を軽減し得る。本開示の方法は、メポリズマブ処置が指示される際に使用され得
る(すなわち、このようなメポリズマブによる処置は、本開示の方法と併用され得る)。
メポリズマブによる処置は:
a)増悪頻度の低減をもたらす。プラセボに比べ、メポリズマブによる処置、例えば、
皮下投与される被験体当たり100mgまたは静脈投与される被験体当たり75mgは、
1)臨床上有意な増悪、2)入院またはED受診を要する増悪、および3)入院を要する
増悪の割合を低減し得る。この利益は潜在的に罹患および喘息による致命的イベントの低
減につながり得る。
【0038】
b)一日OCS用量の低減をもたらす:メポリズマブによる処置、例えば、皮下投与さ
れる被験体当たり100mgまたは静脈投与される被験体当たり75mgは、被験体が喘
息管理の欠如を受けることなく並行コルチコステロイドの一日用量を低減することを可能
とし得る。メポリズマブで処置された被験体は、プラセボで処置された被験体での0%に
対して、一日経口コルチコステロイド(OCS)用量においてベースラインから50%の
中央値パーセンテージの低減を達成し得る。加えて、プラセボで処置された被験体の32
%に比べ(p=0.025)、メポリズマブで処置された被験体の54%が、OCS用量
の5.0mgへの低減を達成し得る。
【0039】
c)肺機能に改善をもたらす:プラセボに比べ、メポリズマブ処置、例えば、皮下投与
される被験体当たり100mgまたは静脈投与される被験体当たり75mgで、気管支拡
張薬前および後のFEV1における臨床上関連する変化が証明され得る。いずれの肺機能
の改善もこの被験体集団において、ほとんどは高用量ICS(吸入コルチコステロイド)
および/またはOCS+管理投薬を含む最大喘息療法にあるので、特に重要なものである
。
【0040】
d)喘息管理に改善をもたらす対照:皮下投与される被験体当たり100mgまたは静
脈投与される被験体当たり75mgなどのメポリズマブでは、プラセボに比べ、ACQ-
5に統計的に有意かつ臨床上関連する改善が見られ得、このことは、被験体が既存の喘息
処置にメポリズマブを付加することで喘息管理を達成し得ることを示す。
【0041】
e)生活の質に改善をもたらす:皮下投与される被験体当たり100mgまたは静脈投
与される被験体当たり75mgなどのメポリズマブでは、プラセボに比べ、SGRQスコ
アに統計的に有意かつ臨床上関連する変化が実証され得る。被験体は喘息管理および日常
活動の遂行能に顕著な改善を経験し得る。
【0042】
f)有効性および薬力学的効果の持続性をもたらす:32週および/または52週の処
置持続期間に、耐性の発達を伴わずに、喘息増悪および血中好酸球における持続的低減、
ならびに肺機能、喘息管理、および生活の質における改善が見られ得る。
【0043】
ならびにg)血中好酸球に低減をもたらす。皮下投与される被験体当たり100mgま
たは静脈投与される被験体当たり75mgのメポリズマブなど、メポリズマブを含んでな
る組成物による処置は、血中好酸球の急速な低減をもたらし得る(最初の処置後4週での
最初の評価によりおよそ80%;例えば、250~290細胞/μLから40~60細胞
/μLなど)。
【0044】
本開示の方法では、「喘息」は、「重症喘息」であり得る。重症喘息を有する被験体は
、重症喘息に関する欧州呼吸器学会(European Respiratory Society)/米国胸部学会(Ame
rican Thoracic Society)(ERS/ATS)ガイドラインに記載されている重症喘息の
定義を満たす。よって、重症喘息は、過去1年に喘息に関する国際指針(Global Initiati
ve for Asthma)(GINA)段階4-5喘息に対してガイドラインにより示唆されている
薬剤(高用量吸入コルチコステロイド[ICS]+長期作用型β2-アゴニスト[LAB
A]またはロイコトリエン修飾剤/テオフィリン)、または過去1年の≧50%に被験体
の喘息の管理を維持するために全身コルチコステロイド(CS)による処置を要する喘息
である。メポリズマブを含んでなる組成物による処置は、本開示の方法に従って重症喘息
を処置するために使用され得る。
【0045】
本開示の方法では、「喘息」は、「コントロール不良好酸球性喘息」であり得る。コン
トロール不良好酸球性喘息を有する被験体は、表2に記載される判定基準を満たす。
【0046】
【0047】
メポリズマブを含んでなる組成物による処置は、本開示の方法に従ってコントロール不
良好酸球性喘息を処置するために使用され得る。
【0048】
本開示の方法では、「喘息」は、「好酸球性喘息」であり得る。コントロール不良好酸
球性喘息を有する被験体は、表3に記載されている判定基準を満たす。
【0049】
【0050】
本開示の方法では、「喘息」は、「亜好酸球性喘息」であり得る。コントロール不良好
酸球性喘息を有する被験体は、表4に記載されている判定基準を満たす。
【0051】
【0052】
メポリズマブを含んでなる組成物による処置は亜好酸球性喘息を処置するために使用可
能であり、また、本開示の方法に従って亜好酸球性喘息を処置するためにも使用可能であ
る。
【0053】
用語「水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid)」(BP)は、本明細書で使用する場合、
皮膚層の表皮と真皮の間の空間におけるより適切には水疱として知られる疱疹の形成を含
む、急性または慢性自己免疫性皮膚疾患を意味する。BPは、最も多い自己免疫性疱疹性
皮膚疾患である。BPは、特徴的には100万人に5~35人の年間罹患率で高齢者(>
70歳)を侵す。BPの罹患率は年に平均17%で劇的に増えている。BPは多くの場合
、小胞および疱疹が生じる前に、湿疹または蕁麻疹に似た極めて起痒性の皮膚病変で始ま
る。患者の10~30%では、BPは口腔粘膜も巻き込む。疾病の重篤度は、関連領域な
らびに疾患の活動を評価する自己免疫性水疱性皮膚障害強度スコア(autoimmune bullous
skin disorder intensity score)(ABSIS)の手段により決定することができる。こ
の疾患は接合部接着複合体の構造成分に対する自己免疫応答によるものであり、表皮下の
疱疹形成を伴う真皮-表皮接合の損傷をもたらす。具体的には、半接着斑抗原BP180
およびBP230に対する自己反応性B細胞およびT細胞応答が確認されている。BP1
80に対する自己抗体の血清レベルは、この疾患の重篤度および活動を反映する。T細胞
は、Th1およびTh2の両サイトカイン、主としてIL-4、IL-5およびIL-1
3を産生する記憶CD4+細胞である。IL-5ならびにエオタキシンは、疱疹流体中に
豊富に見られる。IL-5の生産は、実際に血中好酸球増加症およびBP患者の皮膚にお
ける顕著な好酸球浸潤に関連する。好酸球は毒性の顆粒タンパク質(ESP、MBP)お
よびタンパク質分解酵素を放出することにより疱疹形成に臨床上関連すると思われる。
【0054】
用語「好酸球性食道炎(eosinophilic esophagitis)」(EoE)は、本明細書で使用す
る場合、好酸球を含む食道のアレルギー性炎症病態を意味する。症状は、嚥下困難、食塊
閉塞、および胸やけである。EoEは、食道の上皮内腔中の好酸球種の白血球を含む濃厚
な浸潤物を特徴とする。EoEは、アレルギー反応において好酸球が果たす重要な役割に
基づけば、摂取した食物に対するアレルギー反応であると考えられる。EoEを診断する
ためにはEoE診断パネルを使用することができる。EoEはまた、胃食道逆流が1日2
回高用量プロトンポンプ阻害剤(proton-pump inhibitor)(PPI)の6週治験に奏効し
ない場合、または陰極携行式pH試験(negative ambulatory pH study)が胃食道逆流疾患
(gastroesophageal reflux disease)(GERD)を除外しない場合に診断され得る。内
視鏡的には、食道壁に隆起、溝、または輪が見られ得る。場合により食道に複数の輪が見
られることがあり、「波形食道(corrugated esophagus)」またはそれらの輪のネコの食道
との類似性のために「猫食道(feline esophagus)」という言葉につながる。食道に白色浸
出物が存在することも診断の指標となる。内視鏡検査時に採取された生検で、一般に表層
上皮に多数の好酸球が見出せる。診断を行うためには、高倍率の一視野当たり最低15個
の好酸球が必要である。好酸球性炎症は食道だけに限定されず、消化管全体に及ぶ。重要
には、微小膿瘍および基底層の膨張と同様に、脱顆粒好酸球も存在し得る。放射線学的に
は、用語「環状食道(ringed esophagus)」は、食道逆流で見られることのある一過性の横
ひだ(「猫食道」と呼ばれる)の外観とは対照的に、バリウム嚥下検査時の好酸球性食道
炎の外観に対して使用されている。
【0055】
メポリズマブを含んでなる組成物による処置は、本開示の方法に従ってCOPDを処置
するために使用され得る。
【0056】
「慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)」(COPD)を有す
る被験体は、1以上の以下の判定基準を満たし得る:a)過去のCOPD診断:米国胸部
学会/欧州呼吸器学会による定義に従って少なくとも1年間、臨床上記録されたCOPD
の既往歴を有する被験体;b)COPDの重篤度:被験体が以下:COPDの診断を確定
するためには、1秒間サルブタモール前および後の努力呼気肺活量/努力肺活量(FEV
1/FVC)測定値の比が<0.70;サルブタモール後FEV1測定値>20パーセン
トおよび国民健康栄養調査(National Health and Nutrition Examination Survey)(NH
ANES)III参照式を用いて計算した予測正常値の<=80パーセントを呈し得る;
c)増悪歴:12か月内の少なくとも2回の中等度COPD増悪の十分に記録された既往
歴(医療記録の確認など)。中等度は、全身性コルチコステロイド(IM、静脈内、また
は経口)の使用および/または抗生物質による処置、または少なくとも1回の重症COP
D増悪と定義される。重度は、入院を必要としたことと定義される。注:少なくとも1回
の増悪は、被験体が吸入コルチコステロイド(ICS)+長期作用型β2-アゴニスト(
LABA)+長期作用型ムスカリン性アンタゴニスト(LAMA)を服用していた場合に
起こったはずである。注:抗生物質単独の先使用は、その使用が特にCOPDの症状増悪
の処置のためでなかったならば、中等度増悪として適格でない;およびd)並行COPD
療法:十分に記録された、過去12か月間のICS+2回の追加COPD投薬(すなわち
、三重療法)を含む最適化標準治療(SoC)バックグラウンド療法の必要および以下の
判定基準を満たす:医療提供者への受診直前に、最低3か月の吸入コルチコステロイド(
用量>=500マイクログラム(mcg)/日のプロピオン酸フルチカゾン 同等用量追
加);またはLABAおよびLAMAの使用。
【0057】
メポリズマブを含んでなる組成物による処置は、本開示の方法に従ってCOPDを処置
するために使用され得る。
【0058】
用語「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiit
is)」(EGPA)は、本明細書で使用する場合、気道アレルギー性過敏症(アトピー)
の既往歴者における小サイズおよび中サイズの血管の炎症(血管炎)を引き起こす自己免
疫性病態を意味する。EGPAはまた、チャーグ-ストラウス症候群(CSS)またはア
レルギー肉芽腫症とも呼ばれることがある。EGPAは通常、3つのステージで発現する
。初期(前駆)ステージは気道炎症を特徴とし、ほとんど総ての患者が喘息および/また
はアレルギー性鼻炎を経験する。第2ステージは、異常に多数の好酸球(過好酸球増加症
)を特徴とし、これが最も多くは肺および消化管の組織損傷を引き起こす。第3ステージ
は血管炎からなり、これはやがて細胞死に至り、致命的となり得る。
【0059】
EGPAを有する被験体は、1以上の以下の判定基準を満たし得る:a)喘息;b)白
血球百分率10%を超える血中好酸球レベル;c)単神経障害または多発神経障害の存在
;d)不確定肺浸潤物;e)副鼻腔異常の存在;およびe)管外好酸球の組織学的証拠。
分類目的では、患者は、先の6つの判定基準のうち少なくとも4つが陽性であれば、EG
PAを有するとされるべきである。
【0060】
メポリズマブを含んでなる組成物による処置は、本開示の方法に従ってEGPAを処置
するために使用され得る。本開示の組成物は、EGPA患者に、4週間ごとに1回、30
0mgの量で投与され得る。
【0061】
用語「好酸球増加症候群」(HES)は、本明細書で使用する場合、心臓、神経系、ま
たは骨髄いずれかの関与を伴い、認知可能な原因無く、少なくとも6か月、持続的に高い
血中好酸球総数(≧1500好酸球/mm3)を特徴とする疾患を意味する。
【0062】
好酸球増加症候群を有する被験体は、1以上の以下の判定基準を満たし得る:a)記録
された好酸球増加症候群の既往歴;b)6か月間、1500細胞を超える血中好酸球総数
;c)臓器系関与の徴候および症状;およびd)総合評価後に寄生虫、アレルギーまたは
その他の好酸球増加の原因の証拠がない。
【0063】
メポリズマブを含んでなる組成物による処置は、本開示の方法に従って好酸球増加症候
群を処置するために使用され得る。本開示の組成物は、好酸球増加症候群患者に、4週間
ごとに1回、300mgの量で投与され得る。
【0064】
用語「鼻ポリープ」は、本明細書で使用する場合、鼻腔ポリープの存在を特徴とする疾
患を意味する。このようなポリープは鼻腔上部内にあってもよいし、かつ/または中鼻道
自然口ルート(ostiomeatal complex)内に起源してもよい。
【0065】
鼻ポリープを有する被験体は、1以上の以下の判定基準を満たし得る:a)記録された
鼻ポリープの既往歴;またはb)検査(例えば、内視鏡検査)時に明確な鼻腔ポリープ。
【0066】
メポリズマブを含んでなる組成物による処置は、本開示の方法に従って鼻ポリープを処
置するために使用され得る。本開示の組成物は、鼻ポリープ患者に、4週間ごとに1回、
750mgの量で投与され得る。
【0067】
用語「抗体」は、本明細書で使用する場合、免疫グロブリン様ドメイン(例えば、Ig
G、IgM、IgA、IgDまたはIgE)を有する分子を意味し、この種のモノクロー
ナル、組換え、ポリクローナル、モノクローナル、組換え、ポリクローナル、キメラ、ヒ
ト、およびヒト化分子が含まれる。モノクローナル抗体は、抗体を発現する真核細胞クロ
ーンにより生産され得る。モノクローナル抗体はまた、細胞に導入されたこれらをコード
する核酸配列を有するために抗体の重鎖および軽鎖を組換え発現することができる真核細
胞株によっても生産され得る。チャイニーズハムスター卵巣細胞、ハイブリドーマまたは
動物(例えば、ヒト)由来の不死化抗体細胞などの種々の真核細胞株から抗体を生産する
ための方法は周知である。
【0068】
抗体は、ラット、マウス、霊長類(例えば、カニクイザル、旧世界ザルまたは大型類人
猿)、ヒト、または抗体分子をコードする分子生物学の技術を使用して作出された核酸な
どの他の供給源に由来し得る。
【0069】
抗体は、いずれのアイソタイプまたはサブクラスのものであってもよい定常領域を含ん
でなり得る。定常領域は、IgGアイソタイプ、例えば、IgG1、IgG2、IgG3
、IgG4またはその変異体のものであり得る。抗原結合タンパク質定常領域はIgG1
であり得る。
【0070】
抗原結合タンパク質は、抗体が増強されたエフェクター機能/ADCCおよび/または
補体活性化を有するように変異型定常ドメインから選択される1以上の修飾を含んでなり
得る。
【0071】
抗体は、標的抗原に対して結合能があり得る。このような標的抗原の例としては、配列
番号11で示されるアミノ酸配列を含んでなるヒトIL-5が含まれる。
【0072】
配列番号1で示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2で示される軽鎖アミノ酸配列
を含んでなるメポリズマブは抗体の一例である。メポリズマブは、ヒトIL-5に結合し
、その活性に拮抗する。
【0073】
メポリズマブは、組換えヒト化モノクローナル抗体(IgG1、κ)である。メポリズ
マブは、2本の軽鎖と2本の重鎖を有する。
【0074】
メポリズマブ重鎖は、配列番号13で示される核酸配列によりコードされている。メポ
リズマブ重鎖は、449個のアミノ酸を含み、およそ49kDaの推定分子量を有する。
メポリズマブの予測成熟重鎖アミノ酸配列は下記である。
【化1】
【0075】
上記の重鎖アミノ酸配列では、Kabat定義に従う重鎖フレームワークおよびCDR
は、示されている配列のアミノ近位部分からカルボキシ末端部分へと順に、ジグザグ下線
のフレームワーク1、実線下線のCDR1、ジグザグ下線のフレームワーク2、実線下線
のCDR2、ジグザグ下線のフレームワーク3、実線下線のCDR3およびジグザグのフ
レームワーク4として識別される。上記の重鎖アミノ酸配列では、1文字アミノ酸コード
の文字の右にあるアスタリスクは、左にあるアミノ酸残基がN-グリコシル化部位であり
得ることを示す。
【0076】
メポリズマブ軽鎖は、配列番号14で示される核酸配列によりコードされている。メポ
リズマブ軽鎖は220個のアミノ酸残基を含み、およそ24kDaの推定分子量を有する
。成熟軽鎖アミノ酸配列は下記である。
【化2】
【0077】
上記の軽鎖アミノ酸配列では、Kabat定義に従う軽鎖フレームワークおよびCDR
は、示されている配列のアミノ近位部分からカルボキシ末端部分へと順に、ジグザグ下線
のフレームワーク1、実線下線のCDR1、ジグザグ下線のフレームワーク2、実線下線
のCDR2、ジグザグ下線のフレームワーク3、実線下線のCDR3およびジグザグのフ
レームワーク4として識別される。
【0078】
メポリズマブ重鎖と軽鎖は単一のジスルフィド結合により共有結合され、重鎖は2つの
ジスルフィド結合により互いに連結され、典型的なIgG分子となる。両重鎖は、アスパ
ラギン299において複合二分岐オリゴ糖でグリコシル化され得る。予測ポリペプチド分
子量は約146kDaであり、予測炭水化物分子量はおよそ3kDaであり、メポリズマ
ブの推定総分子量は149.2kDaとなる。コードされているメポリズマブは1338
個のアミノ酸残基(軽鎖1本当たり220個のアミノ酸残基、重鎖1本当たり449個の
アミノ酸残基)を有する。メポリズマブの主要pIは約8.7~9.1である。標準的な
表面プラズモン共鳴アッセイを用いて測定した際のメポリズマブとヒトIL-5の分子相
互作用の平衡解離定数(KD)は2.29×10-11M未満である。
【0079】
メポリズマブは、薬学的に許容可能な担体(例えば、無菌水)で再構成され得る、抗体
および賦形剤を含有する凍結乾燥粉末として提供することができる。この再構成医薬組成
物を、次に、皮下または静脈内のいずれかで(例えば、さらに希釈して)投与することが
できる。メポリズマブはまた、抗体、賦形剤および薬学的に許容可能な担体を含有する液
体処方物として提供することもできる。この液体医薬組成物を、次に、皮下または静脈内
のいずれかで(例えば、さらに希釈して)投与することができる。
【0080】
用語「抗体変異体」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つの重鎖、軽鎖、また
はこれらの組合せにおける少なくとも1つのアミノ酸修飾(例えば、異なるアミノ酸側鎖
を有することによる)、翻訳後修飾または他の修飾のために親抗体とは異なり、その結果
、親抗体に対して構造変化(例えば、異なるアミノ酸側鎖、異なる翻訳後修飾または他の
修飾)を生じる抗体を意味する。メポリズマブは、このような親抗体の一例である。構造
変化は、直接的には、LC-MS、直接配列決定などの当技術分野で周知の様々な方法に
よって、または間接的には等電点電気泳動などの方法を介して決定することができる。こ
のような方法は当業者に周知である。
【0081】
用語「IL-5」は、本明細書で使用する場合、配列番号11で示されるアミノ酸配列
を含んでなるヒトIL-5を意味する。
【0082】
用語「特異的に結合する」は、抗原結合タンパク質に関して本明細書で使用する場合、
抗原結合タンパク質が他の(例えば、無関連の)タンパク質と全く結合せずにまたは有意
な結合をせずに標的抗原ならびに標的抗原内の不連続ドメイン、または不連続アミノ酸配
列と結合することを意味する。しかしながら、この用語は、抗原結合タンパク質が近縁の
分子(例えば、高度の配列同一性を有するものまたは別の属もしくは種に由来するもの)
とも交差反応し得るということを排除するものではない。本明細書に記載の抗原結合タン
パク質は、それらが近縁分子と結合するよりも少なくとも2、5、10、50、100、
または1000倍高い親和性でヒトIL-5またはヒトIL-5受容体と結合し得る。
【0083】
抗原結合タンパク質-標的抗原相互作用の結合親和性(KD)は、1mM以下、100
nM以下、10nM以下、2nM以下または1nM以下であり得る。あるいは、KDは
、5~10nMの間;または1~2nMの間であり得る。KDは、1pM~500pMの
間;または500pM~1nMの間であり得る。抗原結合タンパク質の結合親和性は、会
合定数(Ka)および解離定数(Kd)(KD=Kd/Ka)により決定される。結合親
和性は、BIACORE(商標)により、例えば、試験抗体をプロテインAコーティング
センサー表面に捕捉させ、この表面に標的抗原を流すことにより測定され得る。あるいは
、結合親和性は、FORTEBIOにより、例えば、プロテインAコーティングニードル
に試験抗体受容体を捕捉させ、この表面に標的抗原を流すことで測定することができる。
【0084】
Kdは、1×10-3Ms-1以下、1×10-4Ms-1以下、または1×10-5
Ms-1以下であり得る。Kdは、1×10-5Ms-1~1×10-4Ms-1の間;
または1×10-4Ms-1~1×10-3Ms-1の間であり得る。緩慢なKdは抗原
結合タンパク質-標的抗原複合体の緩慢な解離と標的抗原の中和の向上をもたらし得る。
【0085】
用語「特異的抗原結合活性」は、本明細書で使用する場合、表面プラズモン共鳴(SP
R)により測定される抗原結合活性を意味する。IL-5特異的結合活性は、例えば結合
モードで実施されるBIACORE(商標)装置を用いてSPRにより決定され得る。そ
れは結合活性をサンプル中の総タンパク質(例えば、メポリズマブ)含量で割った商であ
る。
【0086】
用語「FcRn結合活性」は、本明細書で使用する場合、表面プラズモン共鳴(SPR
)により測定される新生児Fc(FcRn)受容体結合活性を意味する。FcRn結合は
、BIACORE(商標)装置を用いて決定され得る。それはFcRn受容体の結合活性
をサンプルの総タンパク質濃度で割った商である。
【0087】
特異的抗原結合およびFcRn結合に関するSPR法では、メポリズマブの参照標準を
使用する。メポリズマブ参照標準は、方法が適切に実施されることを保証することを目的
に、アッセイにおいてシステムの適合性およびサンプル比較可能性データ得るために使用
することができる。参照標準は検量線の確立を可能とし、サンプルの濃度はこの曲線から
外挿される。
【0088】
例えば、参照標準は、配列番号1および配列番号2を含んでなる組成物である。別の実
施態様では、参照標準は、配列番号1および配列番号2、ならびに98%以上のHC C
末端リシン欠失変異体、および95%以上のHC N末端ピログルタミン酸変異体を含ん
でなる組成物である。さらなる実施態様では、参照標準は、配列番号1および配列番号2
、ならびに98%以上のHC C末端リシン欠失変異体、95%以上のHC N末端ピロ
グルタミン酸変異体、および6%以下の脱アミド化変異体を含んでなる組成物である。別
の実施態様では、参照標準は、配列番号1および配列番号2、ならびに98%以上のHC
C末端リシン欠失変異体、95%以上のHC N末端ピログルタミン酸変異体、6%以
下の脱アミド化変異体、4%以下のメチオニンまたはシステイン酸化変異体、および0.
1%のトリプトファン酸化変異体を含んでなる組成物である。さらなる実施態様では、参
照標準は、配列番号1および配列番号2、ならびに98%以上のHC C末端リシン欠失
変異体、95%以上のHC N末端ピログルタミン酸変異体、6%以下の脱アミド化変異
体、4%以下のメチオニンまたはシステイン酸化変異体、0.1%以下のトリプトファン
酸化変異体、および0.4%以下の凝集変異体を含んでなる組成物である。別の実施態様
では、参照標準は、
図1に示されるピーク65、ピーク78、ピーク88、ピーク92、
主要ピークおよびピーク112により表されるアイソフォームを含んでなる組成物である
。一つの実施態様では、参照標準は、配列番号1および配列番号2、約62.9%の主要
ピーク、約35.9%の酸性ピーク、約1.2%の塩基性ピーク、約99.6%の単量体
、約0.4%の凝集物、約0%の断片、約0.8%のHC脱アミド化N317、約5.5
%のHC脱アミド化N386、約5.2%のHC脱アミド化N31、約0.2%のHC脱
アミド化N299、約0.9%のHC酸化M64、約3.5%のHC酸化M254、約0
.5%のHC酸化M360、約0.5%のHC酸化M430、約0.3%のHC酸化M8
2およびM85、約0.2%のLC酸化M4、約0.0%のLC酸化C220、約0.1
%のHC 酸化W52、98%以上のHC C末端リシン欠失変異体、および95%以上
のHC N末端ピログルタミン酸変異体を含んでなる組成物である。
【0089】
一つの実施態様では、組成物は、≧0.70の特異的IL-5結合活性;および≧70
%のFcRn結合活性を有する。例えば、1.0の特異的IL-5結合活性、および10
0%のFcRn結合活性とされる参照標準に比べて、特異的抗原結合は0.70~1.3
0の範囲であり;かつ/またはFcRn結合は70%~130%の範囲である。
【0090】
IL-5中和ED50比は、参照抗体標準(例えば、配列番号1および配列番号2のア
ミノ酸配列を含んでなるメポリズマブ抗体標準)のED50を抗体サンプル(例えば、メ
ポリズマブ変異体サンプルまたは配列番号1および配列番号2のアミノ酸配列を含んでな
るメポリズマブ抗体を含んでなる組成物の製造バッチのサンプル)のED50で割った商
である。
【0091】
「単離された」とは、抗原結合タンパク質または核酸などの分子が、それが本来見られ
得る環境から取り出されることが意図される。例えば、この分子は、本来、それが通常一
緒に存在する物質から精製されていてもよい。例えば、サンプル中のその分子の質量は、
総質量の95%であり得る。
【0092】
用語「VH」および「VL」は、抗原結合タンパク質のそれぞれ重鎖可変領域および軽
鎖可変領域を意味して本明細書で使用される。
【0093】
「CDR」は、抗原結合タンパク質の相補性決定領域アミノ酸配列と定義される。これ
らは、免疫グロブリン重鎖および軽鎖の超可変領域である。免疫グロブリンの可変部分に
は、3つのCDR重鎖と3つの軽鎖CDR(またはCDR領域)が存在する。よって、「
CDR」は、本明細書で使用する場合、3つ総ての重鎖CDR、3つ総ての軽鎖CDR、
総ての重鎖および軽鎖CDR、または少なくとも1つのCDRを意味し、少なくとも1つ
のCDRはCDRH3である。フレームワーク領域は、これらのCDR領域のそれぞれの
次にくる。許容可能な重鎖可変領域および軽鎖可変領域フレームワーク1、フレームワー
ク 2およびフレームワーク3領域は、当業者により容易に認識される。許容可能な重鎖
定常領域(ヒンジ領域を含む)および軽鎖定常領域も同様に、当業者により容易に認識さ
れる。許容可能な抗体アイソタイプも同様に、当業者により容易に認識される。
【0094】
本明細書を通して、可変ドメイン配列および全長抗体配列のアミノ酸残基は、Kaba
tナンバリング規則に従ってナンバリングされる。同様に、本明細書で使用される用語「
CDR」、「CDRL1」、「CDRL2」、「CDRL3」、「CDRH1」、「CD
RH2」、「CDRH3」は、Kabatナンバリング規則に従う。
【0095】
可変ドメイン配列および全長抗体配列のアミノ酸残基には別のナンバリング規則も存在
することは、当業者には自明であろう。また、CDR配列にも別のナンバリング規則、例
えば、Chothiaナンバリング規則に従って設定されるものがある。抗体の構造およ
びタンパク質折りたたみは、他の残基もCDR配列の一部と考えられることを意味する可
能性があり、当業者にはそうであると理解されるであろう。
【0096】
当業者に利用可能なCDR配列に対する他のナンバリング規則としては、「AbM」(
バース大学)および「contact」(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)法が含
まれる。「最小結合単位」を示すために、Kabat、Chothia、AbMおよびc
ontact法のうち少なくとも2つを用いた最小オーバーラッピング領域を決定するこ
とができる。最小結合単位は、CDRの一部分であり得る。
【0097】
以下の表5は、各CDRまたは結合単位に対して各ナンバリング規則を用いた1つの定
義を示す。表5では、可変ドメインアミノ酸配列をナンバリングするためにKabatナ
ンバリングスキームが使用される。CDR定義には、使用する個々の刊行物によって異な
るものがあることに留意されたい。
【0098】
【0099】
クエリー核酸配列とサブジェクト核酸配列の間の「同一性パーセント」は、ペアワイズ
BLASTNアラインメントが実行された後にサブジェクト核酸配列がクエリー核酸配列
と100%のクエリー被覆率を有する場合にBLASTNアルゴリズムにより計算される
、パーセンテージとして表される「同一性」値である。このようなクエリー核酸配列とサ
ブジェクト核酸配列の間のペアワイズBLASTNアラインメントは、National Center
for Biotechnology Instituteのウェブサイトで利用可能なBLASTNアルゴリズムの
デフォルト設定を用いることにより、低複雑性領域のフィルターを解除して実行される。
重要なこととして、クエリー配列は本明細書の1以上の請求項で特定される核酸配列によ
り記載することができる。
【0100】
本開示の組成物および関連の方法において有用であり、含まれ得る核酸配列は、本開示
で特定される核酸配列(例えば、抗体重鎖または抗体軽鎖をコードする核酸)と約85%
~約100%、約90%~約100%、約95%~約100%の間、約91%、約92%
、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%および約1
00%の同一性を有し得る。本開示では、記載の核酸配列間の同一性パーセントは、上記
に列挙された同一性パーセント範囲の不連続の任意の部分範囲(例えば、特定の範囲内の
整数値または特定の範囲内の不連続の下位値の任意の範囲)も含み得る。
【0101】
クエリーアミノ酸配列とサブジェクトアミノ酸配列の間の「同一性パーセント」は、ペ
アワイズBLASTPアラインメントが実行された後にサブジェクトアミノ酸配列がクエ
リーアミノ酸配列と100%のクエリー被覆率を有する場合にBLASTPアルゴリズム
により計算される、パーセンテージとして表される「同一性」値である。このようなクエ
リーアミノ酸配列とサブジェクトアミノ酸配列の間のペアワイズBLASTPアラインメ
ントは、National Center for Biotechnology Instituteのウェブサイトで利用可能なB
LASTPアルゴリズムのデフォルト設定を用いることにより、低複雑性領域のフィルタ
ーを解除して実行される。重要なこととして、クエリー配列は本明細書の1以上の請求項
で特定されるアミノ酸配列により記載することができる。
【0102】
本開示の組成物および関連の方法において有用であり、含まれ得るアミノ酸配列は、本
開示で特定されるアミノ酸配列(例えば、抗体重鎖または抗体軽鎖)と約85%~約10
0%、約90%~約100%、約95%~約100%の間、約91%、約92%、約93
%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%および約100%の
同一性を有し得る。本開示では、記載のアミノ酸配列間の同一性パーセントは、上記に列
挙された同一性パーセント範囲の不連続の任意の部分範囲(例えば、特定の範囲内の整数
値または特定の範囲内の不連続の下位値の任意の範囲)も含み得る。
【0103】
用語「ペプチド」、「ポリペプチド」、「タンパク質」および「ペプチド鎖」はそれぞ
れ、2つ以上のアミノ酸残基を含んでなる分子を意味する。ペプチドは単量体または重合
体であり得る。
【0104】
特定のアミノ酸置換は「保存的」であると見なされることは、当技術分野で十分に認識
されている。アミノ酸は、共通の側鎖特性に基づいてグループに分けられ、抗原結合タン
パク質の結合親和性の総てまたは実質的に総てを維持するグループ内の置換は、保存的置
換と見なされる。表6参照。本明細書に開示される抗原結合タンパク質は、このような「
保存的」アミノ酸置換を含んでなり得る。
【0105】
【0106】
用語「医薬組成物」は、本明細書で使用する場合、患者への投与に好適な組成物を意味
する。
【0107】
本明細書に記載の医薬組成物は、本明細書に記載の抗体の精製調製物を含んでなり得る
。
【0108】
例えば、医薬調製物は、本明細書に記載の抗体の精製調製物を薬学的に許容可能な担体
と組み合わせて含んでなり得る。
【0109】
一般に、このような医薬組成物は、既知の、許容可能な医薬実務に求められる薬学的に
許容可能な担体を含んでなる。このような担体の例としては、場合により好適なバッファ
ーで5~8の範囲内のpHに緩衝された、無菌担体、例えば、生理食塩水、リンゲル液、
またはデキストロース液が含まれる。
【0110】
医薬組成物は、注射または注入(例えば、静脈内、腹腔内、皮内、皮下、筋肉内、また
は門脈内)により投与され得る。このような組成物は好適には目に見える粒状物質を含ま
ない。医薬組成物は、1mg~10gの間の抗原結合タンパク質、例えば、5mg~1g
の間の抗原結合タンパク質を含んでなり得る。あるいは、組成物は、5mg~500mg
の間、例えば、5mg~50mgの間の抗原結合タンパク質を含んでなり得る。
【0111】
このような医薬組成物の調製方法は、当業者に周知である。医薬組成物は、単位投与形
中1mg~10gの間の抗原結合タンパク質を、場合により、使用説明書とともに含んで
なり得る。医薬組成物は、当業者の周知または自明の方法に従って投与前に再構成するた
めに凍結乾燥(フリーズドライ)されてもよい。抗体がIgG1アイソタイプを有する場
合には、銅により媒介されるこのアイソタイプの抗体の分解の程度を低減するために、医
薬組成物にクエン酸塩(例えば、クエン酸ナトリウム)またはEDTAまたはヒスチジン
などの銅のキレーターを加えてもよい。医薬組成物はまた、アルギニンなどの可溶化剤、
ポリソルベート80などの界面活性剤/抗凝集剤、およびバイアルのヘッドスペースの酸
素を置換するための窒素などの不活性ガスも含んでなり得る。
【0112】
用語「治療上有効な量」は、本明細書で使用する場合、処置される病態(例えば、喘息
、重症好酸球性喘息、コントロール不良好酸球性喘息、好酸球性喘息、亜好酸球性喘息、
慢性閉塞性肺疾患、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)、好酸球増加症候群およ
び鼻ポリープ)の1以上の症状の処置または管理において治療利益をもたらす薬剤(抗体
または医薬組成物など)の量を意味する。喘息を含む重症好酸球性喘息、コントロール不
良好酸球性喘息、好酸球性喘息または亜好酸球性喘息の1以上の症状のこのような処置ま
たは管理の例としては、1)喘息増悪頻度の低減;2)経口または全身性コルチコステロ
イド、入院、および/または救急部(ED)受診を必要とする臨床上有意な初回増悪まで
の時間の短縮;3)入院(挿管および集中治療室への収容を含む)またはED受診を必要
とする増悪の頻度の低減;4)入院またはED受診を必要とする初回増悪までの時間の短
縮;5)臨床的気管支拡張薬前FEV1におけるベースラインからの変化;6)臨床的気
管支拡張薬後FEV1におけるベースラインからの変化;7)喘息コントロール質問票(A
sthma Control Questionnaire)(ACQ)スコアにおけるベースラインからの変化;8)
肺活量測定(例えば、肺活量(vital capacity)(VC)、努力肺活量(forced vital capa
city)(FVC)、0.5、1.0(FEV1)、2.0、および3.0秒の時間間隔で
の努力呼気肺活量(forced expiratory volume)(FEV)、25~75%努力呼気流量(f
orced expiratory flow)(FEF25~75)および最大換気量(maximal voluntary ven
tilation)(MVV) 全肺気量、一回換気量(idal volume)、残気量、呼気予備量、吸気
予備量、吸気量、吸気肺活量、肺活量、機能的残気量、全肺気量のパーセントとして表さ
れる残気量、肺胞ガス量、誘導気道の容積を含む肺の実容積、努力肺活量など)により評
価される肺機能の改善;および9)管理にステロイド(例えば、経口ステロイドまたはス
テロイド様プレドニゾン、プレドニゾロンなど--任意の経路で投与される)を要する喘
息増悪の低減が含まれる。管理にステロイドを要する喘息増悪におけるこのような低減は
、ステロイド(例えば、経口ステロイド)を要する増悪におけるおよそ50%の低減であ
り得る。
【0113】
治療上有効な量および処置計画は一般に経験的に決定され、患者の年齢、体重および健
康状態、ならびに処置される疾患または障害などの因子によって異なり得る。このような
因子は主治医の裁量の範囲内である。
【0114】
被験体に投与される抗原結合タンパク質の用量一般に、1μg/kg~150mg/k
gの間、0.1mg/kg~100mg/kgの間、0.5mg/kg~50mg/kg
の間、1~25mg/kgの間、約0.3mg/kg~約3mg/kgの間または1~1
0mg/被験体の体重kgの間である。例えば、用量は、10mg/kg、30mg/k
g、または60mg/kgであり得る。用量はまた、10mg/kg~110mg/mg
15mg/kg~25mg/kgまたは15mg/kg~100mg/kgであり得る
。抗原結合タンパク質は、例えば、非経口、皮下、静脈内、または筋肉内投与され得る。
用量はまた、被験体当たり約20mg~被験体当たり約750mg、被験体当たり約75
mg~被験体当たり約750mg、被験体当たり約20mg~被験体当たり約200mg
など、被験体当たりに基づいて投与され得る。用量は、これらの用量範囲内のいずれの不
連続の部分範囲であってもよい。例えば、用量(例えば、メポリズマブまたはメポリズマ
ブを含んでなる医薬組成物の用量)はまた、被験体当たり約100mg(例えば、4週間
ごとに1回)、または被験体当たり300mgなど、被験体当たりに基づいて皮下投与さ
れてもよい(または静脈内投与とおよそ同じもしくは匹敵するバイオアベイラビリティが
達成される限り、他の投与用量が皮下であってもよい-例えば、被験体当たり300mg
の総皮下投与用量を達成するために被験体当たり100mgの3用量)。
【0115】
本明細書に示される範囲は、いずれのタイプのものも、特定の記載範囲内の総ての値お
よび特定の範囲のエンドポイントの周辺の値を含む。
【0116】
場合により、治療組成物の有効一日用量は、場合により単位投与形で一日に適当な間隔
で別個に投与される2、3、4、5、6以上の用量で投与されてよい。
【0117】
用量の投与は、2~24時間、例えば、2~12時間、または2~6時間の期間にわた
る低速点滴によるものでもよい。このような投与は副作用の軽減をもたらし得る。
【0118】
用量の投与は、要すれば、1回以上、例えば、1日3回、毎日1回、2日ごとに1回、
1週間に1回、14日ごとに1回、月に1回、3か月ごとに1回、4か月ごとに1回、6
か月ごとに1回、または12か月ごとに1回反復させてよい。本抗原結合タンパク質は、
例えば、6か月以上の期間、週に1回の維持療法により投与してもよい。本抗原結合タン
パク質は、例えば、3~6か月の期間、次いで3~6か月無投与、その後、3~6か月、
再び抗原結合タンパク質の投与など、周期として間欠療法により投与してもよい。
【0119】
例えば、用量は、14日または28日ごとに1回、各投与日に複数用量の形態で皮下投
与してよい。一つの実施態様では、組成物の用量は4週(28日)ごとに1回、100m
gである。
【0120】
本抗原結合タンパク質は、療法を特定の部位に標的化するように被験体に投与し得る。
【0121】
本開示の方法の抗原結合タンパク質は、抗体または小分子阻害剤などの1以上の他の治
療上活性な薬剤と併用してもよい。
【0122】
用語「処置する」およびその文法的変形は、本明細書で使用する場合、治療的療法を意
味する。特定の病態に関して、処置するとは、(1)その病態の生物学的徴候のうち1以
上の病態を改善すること、(2)a)その病態に至るもしくはその病態の一因である生物
学的カスケードにおける1以上の点、またはb)その病態の生物学的徴候のうち1以上に
干渉すること、(3)その病態またはその処置に関連する症状、影響または副作用のうち
1以上を緩和すること、(4)その病態またはその病態の生物学的徴候のうち1以上の進
行を緩徐化すること、あるいは(5)その病態の生物学的徴候のうち1以上の発生を予防
することを意味する。予防的療法もまたそれにより企図される。当業者ならば、「予防」
は絶対的用語でないことを認識するであろう。医学では、「予防」はある病態もしくはそ
の生物学的徴候の尤度もしくは重篤度を実質的に軽減するため、またはそのような病態も
しくはその生物学的徴候の発生を遅延させるための薬物の予防的投与を意味するものと理
解される。
【0123】
用語「個体」、「被験体」および「患者」は、本明細書では互換的に使用される。被験
体は一般にヒトである。被験体はまたマウス、ラット、または霊長類(例えば、マーモセ
ットもしくはサル)などの哺乳動物でもあってもよい。被験体は非ヒト動物であってもよ
い。本開示の抗原結合タンパク質、組成物および方法はまた獣医学的使用も有する。処置
される被験体は農用動物、例えば、雌牛もしくは非去勢雄牛、ヒツジ、ブタ、去勢雄牛、
ヤギまたはウマであり得、またはイヌもしくはネコなどの飼育動物であり得る。動物はい
ずれの齢であってもよく、または成熟成体動物であってもよい。
【0124】
処置は治療的、防止的または予防的であり得る。被験体はそれを必要とするものである
。処置を必要とするものには、未来にその疾患を発症する可能性のある個体に加え、特定
の医学的疾患にすでに罹患している個体が含まれ得る。
【0125】
よって、本明細書に記載される開示の方法、抗原結合タンパク質および組成物は、明示
されていれば、防止的処置または予防的処置にも使用可能である。この場合、本開示の方
法、抗原結合タンパク質および組成物は、疾患の1以上の様相または症状の発生を予防す
るまたは遅延させるために使用することができる。被験体は無症候性であり得る。被験体
はその疾患に対して遺伝的組成物を有し得る。防止上有効な量の抗原結合タンパク質がこ
のような個体に投与される。防止上有効な量は、本明細書に記載される疾患の1以上の様
相または症状の発生を予防するまたは遅延させる量である。
【0126】
本開示の方法、抗原結合タンパク質および組成物は、実行可能な治療的処置をなすため
に、完全な治癒に作用する、またはその疾患の総ての症状または徴候を根絶する必要はな
い。当技術分野で認識されるように、処置の方法で治療薬として使用される薬物は、所与
の病状の重篤度を軽減し得るが、有用な治療薬として認識されるために、その疾患の総て
の徴候を排除する必要はない。同様に、防止的に投与される処置は、実行可能な予防薬を
なすために疾患の発生の防止に完全に有効である必要はない。単に疾患の影響を軽減する
こと(例えば、その症状の数もしくは重篤度を軽減することによる、または別の処置の有
効性を増強することによる、または別の有益な効果をもたらすことによる)、またはその
疾患が起こる(例えば、その疾患の発生を遅延させることによる)もしくは被験体におい
て増悪する尤度を引き下げることで十分である。
【0127】
本開示の一つの態様は、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示
される軽鎖アミノ酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%
同一の重鎖アミノ酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一
の軽鎖アミノ酸配列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であり、前記組成物は、≦8
0%の酸性抗体変異体を含んでなる。
【0128】
一つの実施態様では、組成物は、a)≧0.70のIL-5特異的抗原結合;および/
またはb)≧70%のFcRn結合を有する。IL-5特異的抗原結合、例えば、配列番
号11のアミノ酸配列を含んでなるヒトIL-5への結合は、当技術分野で周知の表面プ
ラズモン共鳴(例えば、BIACORE(商標))などの標準アッセイを用いて測定する
ことができる。FcRn結合も同様に、当技術分野で周知の表面プラズモン共鳴(例えば
、BIACORE(商標))などの標準アッセイを用いて測定することができる。
【0129】
別の実施態様では、a)特異的抗原結合は0.70~1.30の範囲であり;および/
またはb)FcRn結合は70%~130%の範囲である。いくつかの実施態様では、特
異的抗原結合は、約0.9~1.1、0.75~約1、約0.7~約0.8、約0.7、
約0.91~約0.95、約.994~約.997または約0.7~約0.9の範囲であ
り得る。いくつかの実施態様では、FcRn結合は、約70%~約100%、約100%
~約130%、約70%、約80%、約90%、約100%、約110%、約120%、
約80%~約90%、約80%~約100%、約100%~約110%、約110%~約
120%、約120%~約130%、約80%~約120%および約90%~約110%
の範囲であり得る。
【0130】
一つの実施態様では、本組成物は、≦80%の酸性抗体変異体を含んでなる。例えば、
本組成物は、≦75%、≦70%、≦65%、≦60%、≦55%、≦50%、または≦
45%の酸性抗体変異体を含んでなり得る。
【0131】
別の実施態様では、本組成物は、≦35%の脱アミド化抗体変異体を含んでなる。
【0132】
別の実施態様では、本組成物は、≦25%の、軽鎖アミノ酸配列のN31で脱アミド化
された抗体変異体を含んでなる。例えば、本組成物は、≦22.5%、≦20%、≦17
.5%、≦15%、≦12.5、≦10%、または≦7.5%の、軽鎖アミノ酸配列のN
31で脱アミド化された抗体変異体を含んでなり得る。
【0133】
別の実施態様では、本組成物は、≦35%の、重鎖アミノ酸配列のN386で脱アミド
化された抗体変異体を含んでなる。例えば、本組成物は、≦32.5%、≦30%、≦2
5.5%、または≦20%、≦17.5%、≦15%、≦12.5%、≦10%、または
≦7.5%の、重鎖アミノ酸配列のN386で脱アミド化された抗体変異体を含んでなり
得る。
【0134】
別の実施態様では、本組成物は、≦55%の酸化抗体変異体を含んでなる。
【0135】
別の実施態様では、本組成物は、a)重鎖アミノ酸配列のM64;b)重鎖アミノ酸配
列のM254;および/またはc)重鎖アミノ酸配列のM430のうちいずれか1つもし
くは組合せで≦55%の酸化抗体変異体を含んでなる。例えば、本組成物は、≦50%、
≦45%、≦40%、≦35%、≦30%、または≦25%、≦20%、≦15%、≦1
0%、または≦5%の、重鎖アミノ酸配列のM64、M254、および/またはM430
で酸化された抗体変異体を含んでなり得る。
【0136】
別の実施態様では、本組成物は、≦3%の、重鎖アミノ酸配列のW52で酸化された抗
体変異体を含んでなる。例えば、本組成物は、≦2.5%、≦2%、≦1.5%、≦1%
、≦0.5%、≦0.4%、≦0.3%、≦0.25%、≦0.2%、≦0.15%、ま
たは≦0.1%の、重鎖アミノ酸配列のW52で酸化された抗体変異体を含んでなり得る
。
【0137】
別の実施態様では、脱アミド化抗体変異体量および/または酸化変異体量は、ペプチド
マッピングLC-MS/MSにより決定される。
【0138】
別の実施態様では、本組成物は、≦20%の凝集抗体変異体を含んでなる。例えば、本
組成物は、≦17.5%、≦15%、≦12.5、≦10%、≦7.5%、≦5%、また
は≦4%の凝集変異体を含んでなり得る。本組成物は、3%、2%、1%または0.5%
以下の凝集抗体を含んでなり得る。本組成物は、98%以上の単量体抗体を含んでなり得
る。
【0139】
別の実施態様では、凝集抗体変異体は、二量体を含んでなる。このような凝集抗体は、
2つの抗体分子(例えば、2つのIgG1抗体分子)を含んでなり得る。
【0140】
別の実施態様では、凝集抗体変異体量は、サイズ排除クロマトグラフィー(size exclus
ion chromatography)(SEC)により決定される。サイズ排除クロマトグラフィーを実
行し、タンパク質分子のサイズを決定するための方法は当技術分野で周知である。
【0141】
別の実施態様では、本組成物は、≧50%の重鎖アミノ酸配列C末端リシンK449欠
失抗体変異体を含んでなる。例えば、本組成物は、≧60%、≧70%、≧75、≧80
%、≧85%、≧90%、または≧95%の重鎖アミノ酸配列C末端リシンK449欠失
抗体変異体を含んでなり得る。
【0142】
別の実施態様では、本組成物は、≧50%の重鎖アミノ酸配列ピログルタミン酸N末端
抗体変異体を含んでなる。例えば、本組成物は、≧60%、≧70%、≧75、≧80%
、≧85%、≧90%、または≧95%の重鎖アミノ酸配列ピログルタミン酸N末端抗体
変異体を含んでなり得る。
【0143】
別の実施態様では、本組成物は、宿主細胞タンパク質(HCP)を含んでなる。HCP
は、CHO細胞由来であり得る。HCPは、メポリズマブ製品関連物質(すなわち、メポ
リズマブ+メポリズマブ変異体)に対比されるプロセス関連の不純物である。HCPの業
界標準許容限界は100ppm(100ng/mgに相当)までであり得る。本明細書に
記載の組成物中のHCP含量は、≦50ng/mg、≦40ng/mg、≦30ng/m
g、または≦20ng/mgであり得る。例えば、本組成物のHCP含量は、≦10ng
/mgであり得る。特定の実施態様では、本組成物のHCP含量は、≦5ng/mgまた
は≦2ng/mgであり得る。
【0144】
本開示の別の態様は、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示さ
れる軽鎖アミノ酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同
一の重鎖アミノ酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の
軽鎖アミノ酸配列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であり、前記組成物は、≦80
%の酸性抗体変異体および≦20%の凝集抗体変異体を含んでなる。
【0145】
本開示の別の態様は、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示さ
れる軽鎖アミノ酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同
一の重鎖アミノ酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の
軽鎖アミノ酸配列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であり、前記組成物は、≦25
%の、軽鎖アミノ酸配列のN31で脱アミド化された抗体変異体;および≦20%の凝集
抗体変異体を含んでなる。
【0146】
本開示の別の態様は、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示さ
れる軽鎖アミノ酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同
一の重鎖アミノ酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の
軽鎖アミノ酸配列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であり、前記組成物は、≦25
%の、軽鎖アミノ酸配列のN31で脱アミド化された抗体変異体;≦5%の、重鎖アミノ
酸配列のM64で酸化された抗体変異体;≦3%の、重鎖アミノ酸配列のW52で酸化さ
れた変異体;および≦20%の凝集抗体変異体を含んでなる。
【0147】
本開示の別の態様は、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示さ
れる軽鎖アミノ酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同
一の重鎖アミノ酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の
軽鎖アミノ酸配列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であり、前記組成物は、≦25
%の、軽鎖アミノ酸配列のN31で脱アミド化された抗体変異体;≦35%の、重鎖アミ
ノ酸配列のN386で脱アミド化された抗体変異体;および≦20%の凝集抗体変異体を
含んでなる。
【0148】
本開示の別の態様は、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示さ
れる軽鎖アミノ酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同
一の重鎖アミノ酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の
軽鎖アミノ酸配列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であり、前記組成物は、≦25
%の、軽鎖アミノ酸配列のN31で脱アミド化された抗体変異体;≦35%の、重鎖アミ
ノ酸配列のN386で脱アミド化された抗体変異体;≦55%の、重鎖アミノ酸配列のM
64、重鎖アミノ酸配列のM254、重鎖アミノ酸配列のM430で酸化された抗体変異
体;≦3%の、重鎖アミノ酸配列のW52で酸化された抗体変異体;および≦20%の凝
集抗体変異体を含んでなる。
【0149】
本開示の組成物は、6.8~7.2の間のpHまたはpH6.2~pH6.6のpH(
6.3のpH値が好ましい)を提供する、第二リン酸ナトリウム七水和物、リン酸塩、ク
エン酸、クエン酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、および
ヒスチジンからなる群から選択される緩衝剤をさらに含んでなり得る。本開示の組成物中
のバッファーは、約10~30mM、約10~20mM、約20mMまたは約15.5m
Mの範囲で存在し得る。例えば、本開示の組成物中のバッファーは、約20mM、または
約15.5mMの第二リン酸ナトリウム七水和物で存在する。
【0150】
本開示の組成物は、6.2~6.6(含む)のpH(6.3のpH値が好ましい)を提
供する第二リン酸ナトリウム七水和物およびクエン酸緩衝剤を含んでなり得る。第二リン
酸ナトリウム七水和物緩衝剤は、約15~16.4mMの範囲で存在してよく、クエン酸
緩衝剤は、約3.8~4.9mMの範囲で存在し得る。例えば、本開示の組成物は、約1
5.5mMの第二リン酸ナトリウム七水和物および約4.5mMのクエン酸一水和物を含
んでなり得る。
【0151】
本開示の組成物は、糖をさらに含んでなり得る。本開示の組成物は、スクロースをさら
に含んでなり得る。スクロースは、本開示の組成物中に約5~20%;約10~15%、
約11~13%または約12%重量/容量の範囲で存在し得る。
【0152】
本開示の組成物は、ポリソルベート80をさらに含んでなり得る。ポリソルベート80
は、約0.01~0.1%重量/容量の範囲で存在し得る。例えば、ポリソルベート80
は、本開示の組成物中に約0.02%重量/容量、または約0.05%重量/容量で存在
し得る。
【0153】
本開示の組成物は、EDTAをさらに含んでなり得る。EDTAは、約0.01~0.
1mMの範囲で存在し得る。例えば、EDTAは、約0.05mMで存在し得る。
【0154】
一つの実施態様では、本開示の組成物は、20mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、
容量に対して12重量%のスクロースおよび容量に対して0.05重量%のポリソルベー
ト80をさらに含んでなる。
【0155】
別の実施態様では、本開示の組成物は、15.5mMの第二リン酸ナトリウム、3.9
mMのクエン酸一水和物、容量に対して12重量%のスクロース、容量に対して0.02
重量%のポリソルベート80および0.05mMのEDTAをさらに含んでなる。
【0156】
本開示の組成物は、16.1mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、3.9mMのクエ
ン酸一水和物、容量に対して12重量%のスクロース、容量に対して0.02重量%のポ
リソルベート80容量および0.05mMのEDTAを含有するpH6.2の水性液体処
方物を含んでなり得る。
【0157】
本開示の組成物は、15.2mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、4.8mMのクエ
ン酸一水和物、容量に対して12重量%のスクロース、容量に対して0.02重量%のポ
リソルベート80および0.05mMのEDTAを含有するpH6.2の水性液体処方物
を含んでなり得る。
【0158】
本開示の組成物は、15.8mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、4.2mMのクエ
ン酸一水和物、容量に対して12重量%のスクロース、容量に対して0.02重量%のポ
リソルベート80および0.05mMのEDTAを含有するpH6.4の水性液体処方物
を含んでなり得る。
【0159】
本開示の組成物は、16.3mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、3.7mMのクエ
ン酸一水和物、容量に対して12重量%のスクロース、容量に対して0.02重量%のポ
リソルベート80および0.05mMのEDTAを含有するpH6.6の水性液体処方物
を含んでなり得る。
【0160】
本開示の組成物は、15.5mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、4.5mMのクエ
ン酸一水和物、容量に対して12重量%のスクロース、容量に対して0.02重量%のポ
リソルベート80および0.05mMのEDTAを含有するpH6.3の水性液体処方物
を含んでなり得る。重要なこととして、以下の実施例1の接線濾過および限外濾過交換ス
テップは、本開示の組成物、例えば、6.3のpHで15.5mMの第二リン酸ナトリウ
ム七水和物、4.5mMのクエン酸一水和物(citric citric acid monohydrate)、容量に
対して12重量%のスクロース、容量に対して0.02重量%のポリソルベート80、0
.05mMのEDTAを含んでなる本開示の組成物または他のこのような液体処方物を作
製するために調整され得る。
【0161】
本開示の別の態様は、モノクローナル抗体の精製調製物および緩衝剤を含んでなる組成
物であり、前記組成物は6.8~7.2のpHであり、前記緩衝剤は、ヒスチジン、リン
酸塩、クエン酸、クエン酸塩またはその塩であり、前記精製調製物は、
図1に示されるピ
ーク65、ピーク78、ピーク88、ピーク92、主要ピークおよびピーク112により
表されるアイソフォームを含んでなり、前記抗体は、配列番号1のアミノ酸配列と少なく
とも90%の同一性を有する重鎖アミノ酸配および配列番号2のアミノ酸配列と少なくと
も90%の同一性を有する軽鎖アミノ酸配列を含んでなり、前記抗体は、チャイニーズハ
ムスター卵巣細胞により生産される。本組成物において、重鎖は、配列番号1のアミノ酸
配列と少なくとも95%、96%、96.88%、97%、98%または99%の同一性
を有するアミノ酸配列を含んでなり得る。本組成物において、軽鎖は、配列番号2のアミ
ノ酸配列と少なくとも98%、98.63または99%の同一性を有するアミノ酸配列を
含んでなり得る。
【0162】
一つの実施態様では、緩衝剤は、第二リン酸ナトリウム七水和物、リン酸塩、クエン酸
およびクエン酸塩から選択される少なくとも1つである。
【0163】
別の実施態様では、緩衝剤は、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、またはクエン酸ナ
トリウムである。
【0164】
別の実施態様では、本組成物は、糖、炭水化物および/または塩をさらに含んでなる。
【0165】
別の実施態様では、本組成物は、スクロースを含んでなる。
【0166】
本開示の別の態様は、モノクローナル抗体の精製調製物および緩衝剤を含んでなる組成
物であり、前記組成物は6.8~7.2のpHであり、前記緩衝剤はリン酸塩またはその
塩であり、前記精製調製物は、
図1に示されるピーク65、ピーク78、ピーク88、ピ
ーク92、主要ピークおよびピーク112により表されるアイソフォームを含んでなり、
前記抗体は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖アミノ
酸配列および配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖アミノ
酸配列を含んでなり、前記抗体は、チャイニーズハムスター卵巣細胞により生産される。
【0167】
別の実施態様では、緩衝剤は、第二リン酸ナトリウム七水和物、リン酸塩、クエン酸お
よびクエン酸塩から選択される少なくとも1つである。
【0168】
別の実施態様では、本組成物は、糖をさらに含んでなる。
【0169】
別の実施態様では、前記糖はスクロースである。
【0170】
別の実施態様では、本組成物は、ポリソルベート80を含んでなる。
【0171】
別の実施態様では、本組成物は、20mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、容量に対
して12重量%のスクロースおよび容量に対して0.05重量%のポリソルベート80の
第1の処方物;および15.5mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、3.9mMのクエ
ン酸一水和物、容量に対して12重量%のスクロース、容量に対して0.02重量%のポ
リソルベート80および0.05mMのEDTAの第2の処方物;ならびに26mMの第
二リン酸ナトリウム七水和物、容量に対して15重量%のスクロースおよび容量に対して
0.065重量%のポリソルベート80の第3の処方物から選択される1つを含んでなる
。本組成物は、約6.8~約7.2、約6.1~約6.5または約6~約6.6の間のp
Hであり得る。
【0172】
別の実施態様では、抗体は、配列番号11で示されるアミノ酸配列を含んでなるヒトイ
ンターロイキン-5に対して約3.5×10-11M以下の解離定数を有する。
【0173】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびにb)組成物のキャピラリー
等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の50%以上を占める前記抗
体の主要形態を含んでなる組成物である。前記抗体の主要形態はまた、組成物のキャピラ
リー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の57.9%、59.4
%、および60%以上を占め得る。
【0174】
別の実施態様では、前記抗体の主要形態は、トリプトファン52で酸化された重鎖アミ
ノ酸残基、メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された
重鎖アミノ酸残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン360で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された
軽鎖アミノ酸残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んで
なる。
【0175】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;b)組成物のキャピラリー等電点電
気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の50%以上を占める前記抗体の主要
形態;ならびにc)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中
のタンパク質の約20%~約45%を占める前記抗体の酸性形態を含んでなる組成物であ
る。抗体の酸性形態はまた、組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に
組成物中のタンパク質の37.6%、37.8%、38.4%および39.8%を占め得
る。cIEFにより決定される総酸性ピーク面積は72%といった高いものであり得、な
お0.74のIL-5特異的結合および80%のFcRn結合を保持する。
【0176】
別の実施態様では、前記抗体の酸性形態は、ピーク65の酸性形態、ピーク78の酸性
形態、ピーク88の酸性形態およびピーク92の酸性形態から選択される少なくとも1つ
を含んでなる。
【0177】
別の実施態様では、前記抗体の酸性形態は、アスパラギン299で脱アミド化された重
鎖アミノ酸残基、アスパラギン317で脱アミド化された重鎖アミノ酸残基、アスパラギ
ン386で脱アミド化された重鎖アミノ酸残基およびアスパラギン31で脱アミド化され
た軽鎖アミノ酸残基からなる群から選択される少なくとも1つの脱アミド化アミノ酸残基
を含んでなる。LC N31上の脱アミド化の許容可能なレベルは、ペプチドマッピング
LC MS/MSにより測定した場合17%以上、または17.4%以上である。HC
386上の脱アミド化の許容可能なレベルは、ペプチドマッピングLC MS/MSで測
定した場合30%以上である。許容可能な上限レベルは、組成物中の抗体分子に、SPR
により測定した場合に約0.70~約1.30の抗原結合活性およびSPRにより測定し
た場合に約70%~約130%のFcRn結合活性または本明細書に開示される他の抗原
結合活性値もしくはFcRn結合活性値、または範囲を保持させる特定の変異体のレベル
であり得る。
【0178】
別の実施態様では、前記抗体の酸性形態は、トリプトファン52で酸化された重鎖アミ
ノ酸残基、メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された
重鎖アミノ酸残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン360で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された
軽鎖アミノ酸残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んで
なる。ペプチドマッピングLC-MS/MSにより測定される抗体の重鎖残基上の酸化の
許容可能なレベルは、HC M64、M254、およびM430では約50%、HC W
52では約3%であり得る。許容可能な上限レベルは、組成物中の抗体分子に、SPRに
より測定した場合に約0.70~約1.30の抗原結合活性およびSPRにより測定した
場合に約70%~約130%のFcRn結合活性または本明細書に開示される他の抗原結
合活性値もしくはFcRn結合活性値、または範囲を保持させる特定の変異体のレベルで
あり得る。
【0179】
別の実施態様では、前記抗体の主要形態は、トリプトファン52で酸化された重鎖アミ
ノ酸残基、メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された
重鎖アミノ酸残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン360で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された
軽鎖アミノ酸残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んで
なり;前記抗体の酸性形態は、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチ
オニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残
基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重鎖
アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で酸
化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニ
ン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸残
基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる。
【0180】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;b)組成物のキャピラリー等電点電
気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の50%以上を占める前記抗体の主要
形態;ならびにc)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中
のタンパク質の約1%~約15%を占める前記抗体の塩基性形態を含んでなる組成物であ
る。前記抗体の塩基性形態はまた、組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定し
た際に組成物中のタンパク質の2.2%および2.3%以上を含んでなり得る。
【0181】
別の実施態様では、前記抗体の塩基性形態は、ピーク112の塩基性形態を含んでなる
。
【0182】
別の実施態様では、前記抗体の塩基性形態は、グリシン448であるカルボキシ末端残
基を有する重鎖を含んでなる。
【0183】
別の実施態様では、前記抗体の塩基性形態は、トリプトファン52で酸化された重鎖ア
ミノ酸残基、メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化され
た重鎖アミノ酸残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222
で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチ
オニン360で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ
酸残基、メチオニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化され
た軽鎖アミノ酸残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含ん
でなる。
【0184】
別の実施態様では、前記抗体の主要形態は、トリプトファン52で酸化された重鎖アミ
ノ酸残基、メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された
重鎖アミノ酸残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン360で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された
軽鎖アミノ酸残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んで
なり;前記抗体の塩基性形態は、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メ
チオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重
鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン222で酸化された重鎖アミノ酸
残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる。
【0185】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;b)組成物のキャピラリー等電点電
気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の50%以上を占める前記抗体の主要
形態;c)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパ
ク質の約20%~約45%を占める前記抗体の酸性形態;ならびにd)組成物のキャピラ
リー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の約1%~約15%を占
める前記抗体の塩基性形態を含んでなる組成物である。
【0186】
別の実施態様では、前記抗体の酸性形態は、トリプトファン52で酸化された重鎖アミ
ノ酸残基、メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された
重鎖アミノ酸残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン360で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された
軽鎖アミノ酸残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んで
なり;前記抗体の塩基性形態は、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メ
チオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重
鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン222で酸化された重鎖アミノ酸
残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる。
【0187】
別の実施態様では、前記抗体の主要形態は、トリプトファン52で酸化された重鎖アミ
ノ酸残基、メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された
重鎖アミノ酸残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン360で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された
軽鎖アミノ酸残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んで
なり;前記抗体の酸性形態は、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチ
オニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残
基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重鎖
アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で酸
化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニ
ン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸残
基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなり;前記抗体
の塩基性形態は、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン64で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニ
ン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重鎖アミノ酸残基
、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で酸化された重鎖
アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン4で酸化さ
れた軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸残基からなる群
から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる。
【0188】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびにb)アスパラギン299で
脱アミド化された重鎖アミノ酸残基、アスパラギン317で脱アミド化された重鎖アミノ
酸残基、アスパラギン386で脱アミド化された重鎖アミノ酸残基およびアスパラギン3
1で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基から選択される少なくとも1つを含んでなる前記
抗体の脱アミド化形態を含んでなる組成物である。
【0189】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびにb)トリプトファン52で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニ
ン82で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、
システイン222で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖ア
ミノ酸残基、メチオニン360で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化
された重鎖アミノ酸残基、メチオニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン
220で酸化された軽鎖アミノ酸残基から選択される少なくとも1つを含んでなる前記抗
体の酸化形態を含んでなる組成物である。
【0190】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;b)アスパラギン299で脱アミド
化された重鎖アミノ酸残基、アスパラギン317で脱アミド化された重鎖アミノ酸残基、
アスパラギン386で脱アミド化された重鎖アミノ酸残基およびアスパラギン31で脱ア
ミド化された軽鎖アミノ酸残基から選択される少なくとも1つを含んでなる前記抗体の脱
アミド化形態;ならびにc)トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基
、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重鎖ア
ミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で酸化
された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン
4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸残基
から選択される少なくとも1つを含んでなる前記抗体の酸化形態を含んでなる組成物であ
る。
【0191】
本開示の別の態様は、a)配列番号5で示されるCDRH1アミノ酸配列、配列番号6
で示されるCDRH2アミノ酸配列、および配列番号7で示されるCDRH3アミノ酸配
列を有する重鎖可変領域と;配列番号8で示されるCDRL1アミノ酸配列、配列番号9
で示されるCDRL2アミノ酸配列、および配列番号10で示されるCDRL3アミノ酸
配列を有する軽鎖可変領域とを含んでなる抗IL-5抗体;およびb)アスパラギン31
で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含んでなる前記抗体の脱アミド化形態を含んでな
る組成物である。本組成物において、CDRH2は、配列番号6のアミノ酸配列と少なく
とも85%または87.5%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり得る。本組成物
において、CDRL1は、配列番号8のアミノ酸配列と93%、94%または94.11
%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり得る。
【0192】
本開示の別の態様は、a)配列番号5で示されるCDRH1アミノ酸配列、配列番号6
で示されるCDRH2アミノ酸配列、および配列番号7で示されるCDRH3アミノ酸配
列を有する重鎖可変領域と;配列番号8で示されるCDRL1アミノ酸配列、配列番号9
で示されるCDRL2アミノ酸配列、および配列番号10で示されるCDRL3アミノ酸
配列を有する軽鎖可変領域とを含んでなる抗IL-5抗体;ならびにb)メチオニン64
で酸化された重鎖アミノ酸残基を含んでなる前記抗体の酸化形態を含んでなる組成物であ
る。
【0193】
本開示の別の態様は、a)配列番号5で示されるCDRH1アミノ酸配列、配列番号6
で示されるCDRH2アミノ酸配列、および配列番号7で示されるCDRH3アミノ酸配
列を有する重鎖可変領域と;配列番号8で示されるCDRL1アミノ酸配列、配列番号9
で示されるCDRL2アミノ酸配列、および配列番号10で示されるCDRL3アミノ酸
配列を有する軽鎖可変領域を含んでなる抗IL-5抗体;ならびにb)メチオニン64で
酸化された重鎖アミノ酸残基を含んでなる前記抗体の酸化形態;およびc)アスパラギン
31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含んでなる前記抗体の脱アミド化形態を含ん
でなる組成物である。
【0194】
本開示の別の態様は、a)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域配
列と、配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域配列とを含んでなる抗I
L-5抗体;ならびにb)アスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含ん
でなる前記抗体の脱アミド化形態を含んでなる組成物である。本組成物において、重鎖可
変領域は、配列番号3のアミノ酸配列と少なくとも90%、95%または95.57%の
同一性を有するアミノ酸配列を含んでなり得る。本組成物において、軽鎖可変領域は、配
列番号3のアミノ酸配列と少なくとも90%、98%または98.31%の同一性を有す
るアミノ酸配列を含んでなり得る。
【0195】
本開示の別の態様は、a)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域配
列と、配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域配列とを含んでなる抗I
L-5抗体;ならびにb)トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニ
ン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基、
メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基およびメチオニン4で酸化された軽鎖アミ
ノ酸残基から選択される少なくとも1つを含んでなる前記抗体の酸化形態を含んでなる組
成物である。
【0196】
本開示の別の態様は、a)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域配
列と配列番号4で示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域配列とを含んでなる抗IL
-5抗体;b)アスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含んでなる前記
抗体の脱アミド化形態;ならびにc)トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基
、メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミ
ノ酸残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基およびメチオニン4で酸化され
た軽鎖アミノ酸残基から選択される少なくとも1つを含んでなる前記抗体の酸化形態を含
んでなる組成物である。
【0197】
別の実施態様では、総タンパク質濃度は約75mg/mLである。総タンパク質濃度は
また、約75mg/mL~約150mg/mL、例えば、約75mg/mL~約100m
g/mL、約67.3~約87.5mg/mL、約76gタンパク質/L~約82gタン
パク質/L、約46gタンパク質/L~約66gタンパク質/Lまたは約100mg/m
Lの範囲のいずれの値の対、または単一の値の周辺であってもよい。本組成物において、
サンプル中の抗ヒト-IL-5抗体の純度は97.0%、96%、95%、または80%
、85%以上である。
【0198】
別の実施態様では、本組成物は、a)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測
定した際に組成物中のタンパク質の50%以上を占める前記抗体の主要形態をさらに含ん
でなる。
【0199】
別の実施態様では、本組成物は、a)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測
定した際に組成物中のタンパク質の50%以上を占める前記抗体の主要形態;およびb)
組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の約2
0%~約45%を占める前記抗体の酸性形態をさらに含んでなる。
【0200】
別の実施態様では、本組成物は、a)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測
定した際に組成物中のタンパク質の50%以上を占める前記抗体の主要形態;およびb)
組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の約1
%~約15%を占める前記抗体の塩基性形態をさらに含んでなる。
【0201】
別の実施態様では、本組成物は、a)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測
定した際に組成物中のタンパク質の50%以上を占める前記抗体の主要形態;b)組成物
のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の約20%~
約45%を占める前記抗体の酸性形態;およびc)組成物のキャピラリー等電点電気泳動
を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の約1%~約15%を占める前記抗体の塩基
性形態をさらに含んでなる。
【0202】
本開示の別の態様は、a)アミノ酸残基1のアミノ末端ピログルタミン酸残基、アミノ
酸残基448のカルボキシ末端グリシンアミノ酸残基、299番の脱アミド化アスパラギ
ン(aparagine)残基、317番の脱アミド化アスパラギン残基、386番の脱アミド化ア
スパラギン残基、52番の酸化トリプトファン残基、64番の酸化メチオニン残基、82
番の酸化メチオニン残基、85番の酸化メチオニン残基、222番の酸化システイン残基
、254番の酸化メチオニン、360番の酸化メチオニンおよび430番の酸化メチオニ
ン残基からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列
番号1で示される前記抗体重鎖アミノ酸配列の修飾形態;ならびにb)アミノ酸残基31
の脱アミド化アスパラギン残基、4番の酸化メチオニン残基および220番の酸化システ
イン残基からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配
列番号2で示される前記抗体軽鎖アミノ酸配列の修飾形態を有する抗IL-5抗体の集団
を含んでなる組成物である。
【0203】
別の実施態様では、本組成物は、a)集団の約92%以上が抗体重鎖のアミノ酸残基1
にアミノ末端ピログルタミン酸残基を含んでなり、b)集団の約90%以上が抗体重鎖の
アミノ酸残基448にカルボキシ末端グリシンアミノ酸残基を含んでなり、c)集団の6
.0%以下が抗体重鎖の386番に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなり;d)集団
の約1.5%以下が抗体重鎖の64番に酸化メチオニン残基を含んでなり、e)集団の約
4.5%以下が抗体重鎖の254番の酸化メチオニンを含んでなり、f)集団の約0.8
%以下が抗体重鎖の430番に酸化メチオニン残基を含んでなり、かつ、g)集団の約6
.6%以下が抗体軽鎖のアミノ酸残基31に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなる。
【0204】
別の実施態様では、本組成物は、a)集団の約92%~約99%が抗体重鎖のアミノ酸
残基1にアミノ末端ピログルタミン酸残基を含んでなり、b)集団の約95%~約99.
5%が抗体重鎖のアミノ酸残基448にカルボキシ末端グリシンアミノ酸残基を含んでな
り、c)集団の約0.3%~約1.5%が抗体重鎖の317番に脱アミド化アスパラギン
残基を含んでなり、d)集団の約1.5%~約4.5%が抗体重鎖の386番に脱アミド
化アスパラギン残基を含んでなり;e)集団の約0.5%~約1.5%が抗体重鎖の64
番に酸化メチオニン残基を含んでなり、f)集団の約0.2%~約1.5%が抗体重鎖の
82番に酸化メチオニン残基を含んでなるか、または抗体重鎖の85番に酸化メチオニン
残基を含んでなり、g)集団の約2.5%~約3.5%が抗体重鎖の254番に酸化メチ
オニンを含んでなり、h)集団の約0.4%~約0.8%が抗体重鎖の430番に酸化メ
チオニン残基を含んでなり、i)集団の約3.3%~約6.6%が抗体軽鎖のアミノ酸残
基31に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなり、かつ、j)集団の約0.1%~約1
%が抗体軽鎖の4番の酸化メチオニン残基を含んでなる。
【0205】
別の実施態様では、本組成物は、a)集団の約93.7%~約98.6%が抗体重鎖の
アミノ酸残基1にアミノ末端ピログルタミン酸残基を含んでなり、b)集団の約97.6
%~約99.2%が抗体重鎖のアミノ酸残基448にカルボキシ末端グリシンアミノ酸残
基を含んでなり、c)集団の約0.4%~約1.2%が抗体重鎖の317番に脱アミド化
アスパラギン残基を含んでなり、d)集団の約1.6%~約4.2%が抗体重鎖の386
番に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなり;e)集団の約0.7%~約0.9%が抗
体重鎖の64番に酸化メチオニン残基を含んでなり、f)集団の約0.3%~約1.1%
が抗体重鎖の82番に酸化メチオニン残基を含んでなるか、または抗体重鎖の85番に酸
化メチオニン残基を含んでなり、g)集団の約2.6%~約3.3%が抗体重鎖の254
番に酸化メチオニンを含んでなり、h)集団の約0.5%~約0.7%が抗体重鎖の43
0番に酸化メチオニン残基を含んでなり、i)集団の約3.4%~約6.5%が抗体軽鎖
のアミノ酸残基31に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなり、かつ、j)集団の約0
.2%~約0.8%が抗体軽鎖の4番の酸化メチオニン残基を含んでなる。
【0206】
本開示の別の態様は、a)299番の脱アミド化アスパラギン残基、317番の脱アミ
ド化アスパラギン残基、386番の脱アミド化アスパラギン残基、52番の酸化トリプト
ファン残基、64番の酸化メチオニン残基、82番の酸化メチオニン残基、85番の酸化
メチオニン残基、222番の酸化システイン残基、254番の酸化メチオニン、360番
の酸化メチオニンおよび430番の酸化メチオニン残基からなる群から選択される少なく
とも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号1で示される前記抗体重鎖アミノ酸
配列の修飾形態;ならびにb)アミノ酸残基31の脱アミド化アスパラギン残基、4番の
酸化メチオニン残基および222番の酸化システイン残基からなる群から選択される少な
くとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号2で示される前記抗体軽鎖アミノ
酸配列の修飾形態を有する抗IL-5抗体の集団を含んでなる組成物である。
【0207】
別の実施態様では、本組成物は、a)集団の約0.3%~約1.5%が抗体重鎖の31
7番に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなり、b)集団の約1.5%~約4.5%が
抗体重鎖の386番に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなり;c)集団の約0.5%
~約1.5%が抗体重鎖の64番に酸化メチオニン残基を含んでなり、d)集団の約0.
2%~約1.5%が抗体重鎖の82番に酸化メチオニン残基を含んでなるか、または抗体
重鎖の85番に酸化メチオニン残基を含んでなり、e)集団の約2.5%~約3.5%が
抗体重鎖の254番に酸化メチオニンを含んでなり、f)集団の約0.4%~約0.8%
が抗体重鎖の430番に酸化メチオニン残基を含んでなり、g)集団の約3.3%~約6
.6%が抗体軽鎖のアミノ酸残基31に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなり、かつ
、h)集団の約0.1%~約1%が抗体軽鎖の4番に酸化メチオニン残基を含んでなる。
【0208】
別の実施態様では、本組成物は、a)集団の約0.4%~約1.2%が抗体重鎖の31
7番に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなり、b)集団の約1.6%~約4.2%が
抗体重鎖の386番に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなり;c)集団の約0.7%
~約0.9%が抗体重鎖の64番に酸化メチオニン残基を含んでなり、d)集団の約0.
3%~約1.1%が抗体重鎖の82番に酸化メチオニン残基を含んでなるか、または抗体
重鎖の85番に酸化メチオニン残基を含んでなり、e)集団の約2.6%~約3.3%が
抗体重鎖の254番に酸化メチオニンを含んでなり、f)集団の約0.5%~約0.7%
が抗体重鎖の430番に酸化メチオニン残基を含んでなり、g)集団の約3.4%~約6
.5%が抗体軽鎖のアミノ酸残基31に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなり、かつ
、h)集団の約0.2%~約0.8%が抗体軽鎖の4番に酸化メチオニン残基を含んでな
る。
【0209】
本開示の別の態様は、a)299番の脱アミド化アスパラギン残基、317番の脱アミ
ド化アスパラギン残基および386番の脱アミド化アスパラギン残基からなる群から選択
される少なくとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号1で示される前記抗体
重鎖アミノ酸配列の修飾形態;ならびにb)アミノ酸残基31に脱アミド化アスパラギン
残基を含んでなる、配列番号2で示される前記抗体軽鎖アミノ酸配列の修飾形態を有する
抗IL-5抗体の集団を含んでなる組成物である。
【0210】
別の実施態様では、本組成物は、a)集団の約0.3%~約1.5%が抗体重鎖の31
7番に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなり、b)集団の約1.5%~約4.5%が
抗体重鎖の386番に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなり;かつ、c)集団の約3
.3%~約6.6%が抗体軽鎖のアミノ酸残基31に脱アミド化アスパラギン残基を含ん
でなる。
【0211】
別の実施態様では、本組成物は、a)集団の約0.4%~約1.2%が抗体重鎖の31
7番に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなり、b)集団の約1.6%~約4.2%が
抗体重鎖の386番に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなり;かつ、c)集団の約3
.4%~約6.5%が抗体軽鎖のアミノ酸残基31に脱アミド化アスパラギン残基を含ん
でなる。
【0212】
本開示の別の態様は、a)52番の酸化トリプトファン残基、64番の酸化メチオニン
残基、82番の酸化メチオニン残基、85番の酸化メチオニン残基、222番の酸化シス
テイン残基、254番の酸化メチオニン、360番の酸化メチオニンおよび430番の酸
化メチオニン残基からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸残基修飾を含んで
なる、配列番号1で示される前記抗体重鎖アミノ酸配列の修飾形態;ならびにb)4番の
酸化メチオニン残基および220番の酸化システイン残基からなる群から選択される少な
くとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号2で示される前記抗体軽鎖アミノ
酸配列の修飾形態を有する抗IL-5抗体の集団を含んでなる組成物である。
【0213】
別の実施態様では、本組成物は、a)集団の約0.5%~約1.5%が抗体重鎖の64
番に酸化メチオニン残基を含んでなり、b)集団の約0.2%~約1.5%が抗体重鎖の
82番に酸化メチオニン残基を含んでなるか、または抗体重鎖の85番に酸化メチオニン
残基を含んでなり、c)集団の約2.5%~約3.5%が抗体重鎖の254番に酸化メチ
オニンを含んでなり、d)集団の約0.4%~約0.8%が抗体重鎖の430番に酸化メ
チオニン残基を含んでなり、かつ、e)集団の約0.1%~約1%は抗体軽鎖の4番に酸
化メチオニン残基を含んでなる。
【0214】
別の実施態様では、本組成物は、a)集団の約0.7%~約0.9%が抗体重鎖の64
番に酸化メチオニン残基を含んでなり、b)集団の約0.3%~約1.1%が抗体重鎖の
82番に酸化メチオニン残基を含んでなるか、または抗体重鎖の85番に酸化メチオニン
残基を含んでなり、c)集団の約2.6%~約3.3%が抗体重鎖の254番に酸化メチ
オニンを含んでなり、d)集団の約0.5%~約0.7%が抗体重鎖の430番に酸化メ
チオニン残基を含んでなり、かつ、e)集団の約0.2%~約0.8%が抗体軽鎖の4番
に酸化メチオニン残基を含んでなる。
【0215】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびにb)組成物のキャピラリー
等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の20%以上を占める前記抗
体の主要形態を含んでなる組成物である。
【0216】
本開示の別の態様は、a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同
一性を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;b)組成物のキャピラリー等電点電
気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質の20%以上を占める前記抗体の主要
形態;ならびにc)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中
のタンパク質の最大約80%を占める前記抗体の酸性形態を含んでなる組成物である。
【0217】
別の実施態様では、本組成物は、喘息、重症好酸球性喘息、重症喘息、コントロール不
良好酸球性喘息、好酸球性喘息、亜好酸球性喘息、慢性閉塞性肺疾患、好酸球性多発血管
炎性肉芽腫症、好酸球増加症候群、鼻ポリープ、水疱性類天疱瘡および好酸球性食道炎か
らなる群から選択される疾患の処置のためのものである。
【0218】
別の実施態様は、被験体において疾患を処置する方法であって、a)喘息、重症好酸球
性喘息、重症喘息、コントロール不良好酸球性喘息、好酸球性喘息、亜好酸球性喘息、慢
性閉塞性肺疾患、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、好酸球増加症候群、鼻ポリープ、水疱
性類天疱瘡および好酸球性食道炎からなる群から選択される疾患を有する被験体を特定す
る工程;およびb)治療上有効な量の本開示による組成物を前記被験体に投与する工程を
含んでなり;それにより前記被験体における疾患が処置される方法である。
【0219】
別の実施態様は、本開示の組成物を生産する方法であって、a)宿主細胞において、配
列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示される軽鎖アミノ酸配列を有
する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖アミノ酸配列およ
び/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配列を有する
抗体変異体を発現させる工程;b)前記細胞を約6.75~約7.00のpHで増殖させ
る工程;c)細胞培養上清を採取する工程;d)細胞培養上清をプロテインA樹脂または
プロテインG樹脂と接触させて抗体分子を結合させる工程;e)前記樹脂から抗体分子を
溶出させて第1の溶出液を得る工程;f)前記第1の溶出液を約3.3~約3.7のpH
で約15~約240分処理して処理済みの第1の溶出液を得る工程;g)処理済みの第1
の溶出液を約8.3~約8.7のロードpHでイオン交換樹脂と接触させる工程;h)イ
オン交換樹脂から第2の溶出液(フロースルー溶出液)を回収し、これを約96時間以内
保持する工程;i)前記第2の溶出液をグアニジンおよび硫酸アンモニウムで処理して溶
液を得る工程;j)前記溶液を疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂床と約12gタン
パク質/L樹脂のロード比~約27gタンパク質/L樹脂のロード比で接触させる工程;
k)抗体分子を含んでなる第3の溶出液を疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂から、
約9樹脂床容量~約11樹脂床容量の溶出勾配容量および最大ピーク高さの約17%~最
大ピーク高さの約23%の溶出ピークカットストップで溶出させる工程;およびl)前記
第3の溶出液を処方する工程を含んでなり;それにより本開示の組成物が生産される方法
である。本開示の方法では、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に
示される軽鎖アミノ酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90
%同一の重鎖アミノ酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同
一の軽鎖アミノ酸配列を有する抗体変異体の発現に好適な任意の核酸配列。例えば、配列
番号13または配列番号14の核酸配列は、真核細胞で抗体を発現させるために使用可能
である。あるいは、配列番号1に示される抗体重鎖アミノ酸配列または配列番号2に示さ
れる抗体軽鎖アミノ酸配列をコードする異なる配列を有する他の核酸配列(例えば、選択
的コドンの使用のため)も使用可能である。本開示の方法では、脱アミド化は、約6.7
5~約7.00のpHで細胞を増殖させることにより制御することができる。本開示の方
法では、脱アミド化は、166日以内のin vitro細胞齢で約12~約18日間細
胞を増殖させることにより制御することができる。本開示の方法では、脱アミド化は、処
理済みの第1の溶出液をイオン交換樹脂と、約8.3~約8.7のロードpHで接触させ
、第2の溶出液をイオン交換樹脂から回収し、これを約96時間以内保持することにより
制御することができる。本開示の方法では、凝集は、フェニルSEPHAROSE(商標
)ファストフロークロマトグラフィー中、疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂床と、
約12gタンパク質/L樹脂のロード比~約27gタンパク質/L樹脂のロード比で接触
させ;抗体分子を含んでなる第3の溶出液を疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂から
、約9樹脂床容量~約11樹脂床容量の溶出勾配容量および最大ピーク高さの約17%~
最大ピーク高さの約23%の溶出ピークカットストップで溶出させることにより制御する
ことができる。凝集はまた、本開示の医薬組成物の最終の濾過、充填および凍結後に約6
時間以内に限定することができる。重要なこととして、本開示の組成物を生産するために
、開示されている方法の工程のいずれを省いてもよく、または組み合わせてもよい。
【0220】
抗体製造の際には、翻訳後修飾が起こり得る。これには特定のリーダー配列の切断、様
々なグリコシル化パターンでの様々な糖部分の付加、脱アミド化(例えば、アスパラギン
またはグルタミン残基における)、酸化(例えば、メチオニン、トリプトファンまたは遊
離システイン残基における)、ジスルフィド結合スクランブル化、異性化(例えば、アス
パラギン酸残基における)、C末端リシンクリッピング(例えば、一方または両方の重鎖
から)、およびN末端グルタミン環化(例えば、重鎖および/または軽鎖における)が含
まれ得る。
【0221】
抗体組成物は、(i)抗体(すなわち、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および
配列番号2に示される軽鎖アミノ酸配列を有する抗体);ならびに(ii)電荷変異体(
例えば、酸性および塩基性変異体)、アミノ酸配列変異体、および抗体構造変異体(例え
ば、凝集および断片化変異体)のうち1以上のまたは組合せを含む抗体変異体を含んでな
り得る。
【0222】
酸性または塩基性抗体変異体は、それらの全体としての酸性または塩基性電荷に基づき
、抗体から特徴付けおよび識別を行うことができる。例えば、抗体組成物の電荷分布は、
キャピラリー等電点電気泳動(capillary isoelectric focussing)(cIEF)またはイ
オン交換クロマトグラフィーを用いて検出することができる。酸性変異体は、脱アミド化
抗体変異体、糖化抗体変異体、シアリル化抗体変異体、および酸化抗体変異体を含んでな
り得る。抗体変異体におけるシステインおよびトリプトファン酸化は、pIシフト(すな
わち、電荷の違い)を生じ、他の酸性抗体変異体で検出される。抗体変異体におけるメチ
オニン酸化は、抗原結合の変化により、またはペプチドマッピングにより、例えば、LC
-MS/MSによってモニタリングすることができる。
【0223】
脱アミド化は、主としてアスパラギン(N)をイソアスパラギン酸(イソアスパラギネ
ート)(iso-D)およびアスパラギン酸(アスパラギネート)(D)におよそ3:1
の比で変換する酵素反応である。従って、この脱アミド化反応は、アスパラギネート(D
)のイソアスパラギネートへの異性化に関連する。アスパラギンの脱アミド化およびアス
パラギネートの異性化は両方とも中間体スクシンイミドを含む。はるかに程度は低いが、
脱アミド化はグルタミン残基でも同様に起こり得る。脱アミド化は、CDR、Fab(非
CDR領域)、またはFc領域内で起こり得る。
【0224】
脱アミド化は抗体の電荷に変化を生じ、その結果、脱アミド化抗体変異体は抗体に比べ
て酸性となる。抗体組成物は、≦35%の脱アミド化抗体変異体を含んでなり得る。例え
ば、軽鎖のN31は、iso-D、Dまたはスクシンイミドに脱アミド化され得る。抗体
組成物は、≦25%の、軽鎖の31番で脱アミド化された抗体変異体を含んでなり得る。
これは、例えば、抗体組成物の≦25%に、抗体の軽鎖の配列に1つのアミノ酸変化を生
じ得る。
【0225】
例えば、重鎖のN386は、iso-D、Dまたはスクシンイミドに脱アミド化され得
る。抗体組成物は、≦35%の、重鎖の386番で脱アミド化された抗体変異体を含んで
なり得る。これは、例えば、抗体組成物の≦35%に、抗体の重鎖の配列に1個のアミノ
酸変化を生じ得る。本組成物は、抗体変異体の混合物を含んでなり得る。脱アミド化イベ
ントは蓄積し得るので、2個以上のアスパラギン残基が脱アミド化される。従って、抗体
組成物は、抗体の重鎖の配列に少なくとも1つのアミノ酸変化および/または抗体の重鎖
の配列に少なくとも1つのアミノ酸変化を含んでなり得る。例えば、抗体組成物は、軽鎖
31番で脱アミド化された抗体変異体および重鎖の386番で脱アミド化された抗体変異
体を含んでなり得る。
【0226】
酸化は、生産および保存中に(すなわち、酸化条件の存在下で)起こり得、直接的には
反応性酸素種により、または間接的には酸化ストレスの二次的副産物との反応により誘導
されるタンパク質の共有結合的修飾をもたらす。酸化は主として主としてメチオニン残基
で起こるが、トリプトファンおよび遊離システイン残基でも起こり得る。酸化はCDR、
Fab(非CDR)領域、またはFc領域で起こり得る。
【0227】
酸化は、抗体の電荷に変化を引き起こし得、その結果、酸化抗体変異体は、抗体に比べ
て酸性となる。一部の酸化抗体変異体は、抗体と同じ電荷を有する。抗体組成物は、≦5
5%の酸化抗体変異体を含んでなり得る。例えば、重鎖のM64、M254、および/ま
たはM430のうちいずれか1つもしくは組合せが酸化され得る。抗体組成物は、≦55
%の、重鎖のM64、M254、および/またはM430のうちいずれか1つもしくは組
合せで酸化された抗体変異体を含んでなり得る。例えば、重鎖のW52が酸化され得る。
抗体組成物は、≦3%の、重鎖のW52で酸化された抗体変異体を含んでなり得る。
【0228】
本組成物は、抗体変異体の混合物を含んでなり得る。従って、抗体組成物は、抗体の重
鎖の配列に少なくとも1つのアミノ酸変化および/または抗体の重鎖の配列に少なくとも
1つのアミノ酸変化を含んでなり得る。例えば、抗体組成物は、軽鎖の31番で脱アミド
化された抗体変異体;ならびに/または重鎖の386番で脱アミド化された抗体変異体;
ならびに/または重鎖のM64、M254、および/もしくはM430および/もしくは
W52のうちいずれか1つもしくは組合せに酸化を含んでなり得る。
【0229】
ジスルフィド結合のスクランブル化は、生産および塩基性保存条件中に起こり得る。あ
る特定の状況下では、ジスルフィド結合は破断または適切に形成しないことがあり、不対
合システイン残基(-SH)を生じる。これらの遊離(不対合)スルフヒドリル(-SH
)がシャッフリングを促進し得る。
【0230】
重鎖および/または軽鎖のN末端グルタミン(Q)およびグルタミン酸塩(グルタミン
酸)(E)は、環化を介してピログルタメート(pGlu)を形成すると思われる。ほと
んどのpGluの形成は生産バイリアクター内で起こると思われるが、それはまた処理お
よび保存条件のpHおよび温度によって、非酵素的に形成される場合もある。N末端Qま
たはEの環化は一般に天然ヒト抗体で見られる。本明細書に記載の抗体組成物は、≧50
%で抗体のN末端にpGluを含んでなり得る。pGluは、重鎖に存在し得る。これは
、例えば、抗体組成物の≧50%に、抗体の重鎖または軽鎖の配列に1つのアミノ酸変化
を生じ得る。
【0231】
本組成物は、抗体変異体の混合物を含んでなり得る。配列変化は蓄積し得るので、本組
成物は重鎖および/または軽鎖に2つ以上の配列変化を含んでなる。従って、本抗体組成
物は、抗体の重鎖の配列に少なくとも1つのアミノ酸変化および/または抗体の重鎖の配
列に少なくとも1つのアミノ酸変化を含んでなり得る。例えば、抗体組成物は、軽鎖の3
1番で脱アミド化された抗体変異体;ならびに/または重鎖の386番で脱アミド化され
た抗体変異体;ならびに/または重鎖のM64、M254、および/もしくはM430お
よび/もしくはW52のうちいずれか1つもしくは組合せに酸化;ならびに/または重鎖
および/もしくは軽鎖のN末端にpGluを含んでなり得る。
【0232】
C末端リシンクリッピングは、カルボキシペプチダーゼにより触媒される酵素反応であ
り、組換えおよび天然ヒト抗体に共通に見られる。このプロセスの変形には、組換え宿主
細胞からの細胞酵素による一方または両方の重鎖からのリシンの除去が含まれる。ヒト被
験体/患者に投与すると、残っているC末端リシンの除去がもたらされる可能性がある。
本明細書に記載の抗体組成物は、≧50%の、抗体のC末端におけるC末端リシン欠失を
含んでなり得る。抗体の一方または両方の重鎖でK449が欠失され得る。従って、重鎖
におけるリシン単一欠失および重鎖におけるリシン二重欠失の2つの抗体変異体が存在す
る。本抗体(すなわち、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示さ
れる軽鎖アミノ酸配列を有する抗体)は、両方のリシンが無傷である/存在する。これは
、例えば、抗体組成物の≧50%に、抗体の重鎖の配列に1つのアミノ酸変化を生じ得る
。
【0233】
本組成物は、抗体変異体の混合物を含んでなり得る。例えば、抗体組成物は、軽鎖の3
1番で脱アミド化された抗体変異体;ならびに/または重鎖の386番で脱アミド化され
た抗体変異体;ならびに/または重鎖のM64、M254、および/もしくはM430お
よび/もしくはW52のうちいずれか1つもしくは組合せに酸化;ならびに/または重鎖
および/もしくは軽鎖のN末端にpGlu;ならびに/またはC末端にC末端リシン欠失
を含んでなり得る。
【0234】
凝集または断片化抗体変異体は、それらのサイズに基づいて抗体から特徴付けおよび識
別を行うことができる。例えば、抗体組成物のサイズ分布は、サイズ排除クロマトグラフ
ィー(SEC)を用いて検出することができる。
【0235】
抗体組成物は、≦20%の凝集抗体変異体を含んでなり得る。凝集抗体変異体は、二量
体を含んでなり得る。本組成物は、抗体変異体の混合物を含んでなり得る。例えば、抗体
組成物は、軽鎖の31番で脱アミド化された抗体変異体;ならびに/または重鎖の386
番で脱アミド化された抗体変異体;ならびに/または重鎖のM64、M254、および/
もしくはM430および/もしくはW52のうちいずれか1つもしくは組合せに酸化;な
らびに/または重鎖および/もしくは軽鎖のN末端にpGlu;ならびに/またはC末端
にC末端リシン欠失;ならびに/または凝集抗体変異体を含んでなり得る。
【0236】
記載の組成物は、1以上の翻訳後修飾を施された、または受けたものであってもよい。
この修飾は、CDR、可変フレームワーク領域、または定常領域で起こり得る。この修飾
は、分子の電荷に変化をもたらし得る。上記の一次アミノ酸配列における翻訳後修飾およ
び変化は、組成物の抗原結合親和性、生物活性、PK/PD、凝集、免疫原性、またはF
c受容体との結合に有意な変化をもたらさない。本組成物は夾雑物質を実質的に含まない
。
【0237】
上記の抗体および抗体変異体を含んでなる抗体組成物は、特異的抗原結合および/また
はFcRn結合を保持する。例えば、上記の抗体および抗体変異体を含んでなる抗体組成
物は、≧0.70のIL-5特異的抗原結合;および/または≧70%のFcRn結合を
有する。従って、変異体のこれらのレベル(%)は、機能に影響を及ぼすことなく抗体組
成物に忍容され得る。
【0238】
本明細書に記載の組成物は、いくつかの従来技術のいずれによって生産されてもよい。
例えば、本組成物は、組換え発現系で発現させ、そこから精製してもよい。一つの実施態
様では、本組成物は、配列番号1および配列番号2を含んでなるポリペプチドの発現に好
適な条件下で宿主細胞を培養し、そこで組成物が発現され、場合により精製され、場合に
より医薬組成物内に処方されるという方法によって生産される。
【0239】
いくつかの異なる発現系および精製計画が本組成物を生産するために使用可能である。
一般に、宿主細胞は、抗体をコードする組換え発現ベクターで形質転換される。哺乳動物
起源の真核細胞株(例えば、CHO、Perc6、HEK293、HeLa、NS0)を
含む広範囲の宿主細胞が使用可能である。好適な宿主細胞としては、CHO(例えば、C
HOK1およびCHO-DG44)などの哺乳動物細胞が含まれる。
【0240】
宿主細胞は、単離された宿主細胞であり得る。宿主細胞は通常、多細胞生物(例えば、
植物または動物)の一部ではない。宿主細胞は非ヒト宿主細胞であってよい。
【0241】
真核生物または哺乳動物細胞宿主とともに使用するための適当なクローニングおよび発
現ベクターならびにクローニング方法は当技術分野で公知である。
【0242】
前記細胞は、本抗体の発現を促進する条件化で培養することができる。例えば、前記細
胞を培養するために生産バイオリアクターが使用される。生産バイオリアクター容量は、
(i)約20,000リットル、約10,000リットル;約5,000リットル;約2
,000リットル;約1,000リットル;または約500リットル;または(ii)5
00~20,000リットルの間;500~10,000リットルの間;500~5,0
00リットルの間;1,000~10,000リットルの間、または2,000~10,
000リットルの間であり得る。例えば、前記細胞は、生産バイオリアクターにて約6.
75~pH7.00のpHで培養することができる。あるいは、前記細胞は生産バイオリ
アクターにて約12~約18日間培養することができる。あるいは、前記細胞は、生産バ
イオリアクターにて約6.75~pH7.00のpHで、約12~約18日間培養するこ
とができる。この培養工程は、脱アミド化抗体変異体のレベルを制御する、例えば、脱ア
ミド化抗体変異体のレベルを低減するための助けとなり得る。
【0243】
本組成物は、従来のタンパク質精製手順により回収および精製することができる。例え
ば、本組成物は、直接培養培地から採取してもよい。細胞培養培地の採取は、例えば、遠
心分離および/または深層濾過による清澄化を介してもよい。本組成物の回収の後、十分
な純度を確保するために精製が行われる。
【0244】
精製では、1以上のクロマトグラフィー工程、例えば、1以上のクロマトグラフィー樹
脂;および/または1回以上の濾過工程を使用することができる。本組成物を精製するた
めに、例えば、プロテインA、G、またはLなどの樹脂を用いたアフィニティークロマト
グラフィーを使用することができる。その代わりに、またはそれに加えて、陽イオン交換
などのイオン交換樹脂を本組成物の精製に使用してもよい。その代わりに、またはそれに
加えて、疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂を本組成物の精製に使用してもよい。あ
るいは、精製工程は、アフィニティークロマトグラフィー樹脂工程、次いで、陽イオン交
換樹脂工程、次いで、疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂工程を含んでなる。
【0245】
例えば、採取物をプロテインA樹脂と接触させる。本組成物を含んでなる溶液をプロテ
インA樹脂から溶出させ、pH3.3~3.7で15~240分処理すればよい。このプ
ロテインA樹脂工程は、凝集抗体変異体のレベルを制御する、例えば、凝集抗体変異体の
レベルを低減するための助けとなり得る。
【0246】
次に、本組成物を含んでなる溶液を深層濾過および/または二重層濾過によりさらに清
澄化してもよい。
【0247】
その代わりに、またはそれに加えて、陰イオン交換樹脂を用いてもよい。本組成物を含
んでなる溶液を、陰イオン交換樹脂(例えば、Q-SEPHAROSE(商標)ファスト
フロー陰イオン交換クロマトグラフィー)と、8.3~8.7のロードpHで接触させる
ことができる。本組成物を含んでなる溶液を陰イオン交換樹脂から溶出させ、96時間以
内保持することができる。この陰イオン交換樹脂工程は、脱アミド化抗体変異体のレベル
を制御する、例えば、脱アミド化抗体変異体のレベルを低減するための助けとなり得る。
【0248】
場合により、グアニジンおよび/または硫酸アンモニウムを、本組成物を含んでなる溶
液に加え、15~240分間保持してもよい。
【0249】
その代わりに、またはそれに加えて、疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂を使用し
てもよい。本組成物を含んでなる溶液を疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂(例えば
、フェニルSEPHAROSE(商標)ファストフロークロマトグラフィー)と、12~
27gタンパク質/L樹脂のロード比で接触させてもよい。例えば、本組成物を含んでな
る溶液を、約9~約11の溶出勾配容量(床容量;BV)を用いて溶出させてもよい。疎
水性相互作用クロマトグラフィー樹脂からの溶出中に約17~約23の溶出ピークカット
ストップ(最大ピーク高さの%)を使用してもよい。この疎水性相互作用クロマトグラフ
ィー樹脂工程は、凝集抗体変異体のレベルを制御する、例えば、凝集抗体変異体のレベル
を低減するための助けとなり得る。
【0250】
次に、本組成物を含んでなる溶液を、ウイルスを除去するために濾過してもよい。その
後、本組成物を含んでなる溶液を、約76gタンパク質/L~約82gタンパク質/L、
または~約100gタンパク質/Lの抗体濃度で処方してよい。本組成物を含んでなる溶
液を容器に充填し、凍結させてもよい。本組成物を含んでなる溶液のアリコートを凍結乾
燥してもよい。凍結乾燥品は、75mg/Lのタンパク質、モノクローナル抗IL-5メ
ポリズマブ抗体および20mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、容量に対して12重量
%のスクロースおよび容量に対して0.05重量%のポリソルベート80を含んでなる、
pH約6.8~約7.2の組成物を作製するために、水の添加により再構成してもよい。
【0251】
別の実施態様では、本開示の組成物は、本開示の組成物を生産するこの方法を用いて生
産される。
【0252】
本開示の別の態様は、モノクローナル抗体の精製調製物および緩衝剤を含んでなる組成
物であり、本組成物は6.2~6.6のpHであり、前記緩衝剤は、ヒスチジン、リン酸
塩、クエン酸、クエン酸一水和物、クエン酸塩またはその塩であり、前記精製調製物は、
図1に示されるピーク65、ピーク78、ピーク88、ピーク92、主要ピークおよびピ
ーク112により表されるアイソフォームを含んでなり、前記抗体は、配列番号1のアミ
ノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖アミノ酸配列と配列番号2のアミノ酸
配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖アミノ酸配列とを含んでなり、かつ、前記
抗体は、チャイニーズハムスター卵巣細胞により生産される。
【0253】
本開示の別の態様は、モノクローナル抗体の精製調製物および緩衝剤を含んでなる組成
物であり、本組成物は6.2~6.6のpHであり、前記緩衝剤は、リン酸塩またはその
塩であり、前記精製調製物は、
図1に示されるピーク65、ピーク78、ピーク88、ピ
ーク92、主要ピークおよびピーク112により表されるアイソフォームを含んでなり、
前記抗体は、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖アミノ
酸配列と配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖アミノ酸配
列とを含んでなり、かつ、前記抗体は、チャイニーズハムスター卵巣細胞により生産され
る。
【0254】
本開示の組成物の別の実施態様では、緩衝剤は、第二リン酸ナトリウム七水和物、リン
酸塩およびクエン酸から選択される少なくとも1つである。
【0255】
本開示の組成物の別の実施態様では、16.1mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、
3.9mMのクエン酸、容量に対して12重量%のスクロース、容量に対して0.02重
量%のポリソルベート80および0.05mMのEDTAの第1の処方物;15.2mM
の第二リン酸ナトリウム七水和物、4.8mMのクエン酸、容量に対して12重量%のス
クロース、容量に対して0.02重量%のポリソルベート80および0.05mMのED
TAの第2の処方物;15.8mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、4.2mMのクエ
ン酸、容量に対して12重量%のスクロース、容量に対して0.02重量%のポリソルベ
ート80および0.05mMのEDTAの第3の処方物;16.3mMの第二リン酸ナト
リウム七水和物、3.7mMのクエン酸、容量に対して12重量%のスクロース、容量に
対して0.02重量%のポリソルベート80および0.05mMのEDTAの第4の処方
物;ならびに15.5mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、4.5mMのクエン酸、容
量に対して12重量%のスクロース、容量に対して0.02重量%のポリソルベート80
および0.05mMのEDTAの第5の処方物から選択される1つを含んでなる。
【0256】
要約すれば、本開示は、以下のものを含む。
1.配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示される軽鎖アミノ酸
配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖アミノ酸
配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配列
を有する抗体変異体を含んでなる組成物であって、≦80%の酸性抗体変異体を含んでな
る、組成物。
【0257】
2.
a)≧0.70のIL-5特異的抗原結合;および/または
b)≧70%のFcRn結合
を有する、1に記載の組成物。
【0258】
3.a)特異的抗原結合が0.70~1.30の範囲であり;かつ/またはb)FcR
n結合が70%~130%の範囲である、2に記載の組成物。
【0259】
4.≦35%の脱アミド化抗体変異体を含んでなる、1~3のいずれか1つに記載の組
成物。
【0260】
5.≦25%の、軽鎖アミノ酸配列のN31で脱アミド化された抗体変異体を含んでな
る、1~4のいずれか1つに記載の組成物。
【0261】
6.≦35%の、重鎖アミノ酸配列のN386で脱アミド化された抗体変異体を含んで
なる、1~5のいずれか1つに記載の組成物。
【0262】
7.
a)重鎖アミノ酸配列のM64;
b)重鎖アミノ酸配列のM254;および/または
c)重鎖アミノ酸配列のM430
のうちいずれか1つまたは組合せで≦55%の酸化抗体変異体を含んでなる、1~6のい
ずれか1つに記載の組成物。
【0263】
8.≦3%の、重鎖アミノ酸配列のW52で酸化された抗体変異体を含んでなる、1~
7のいずれか1つに記載の組成物。
【0264】
9.脱アミド化抗体変異体量および/または酸化変異体量がペプチドマッピングLC-
MS/MSにより決定される、4~8のいずれか1つに記載の組成物。
【0265】
10.≦20%の凝集抗体変異体を含んでなる、1~9のいずれか1つに記載の組成物
。
【0266】
11.前記凝集抗体変異体が二量体を含んでなる、10に記載の組成物。
【0267】
12.前記凝集抗体変異体量がSECにより決定される、10または11に記載の組成
物。
【0268】
13.≧50%の重鎖アミノ酸配列C末端リシンK449欠失抗体変異体を含んでなる
、1~12のいずれか1つに記載の組成物。
【0269】
14.≧50%の重鎖アミノ酸配列ピログルタミン酸N末端抗体変異体を含んでなる、
1~13のいずれか1つに記載の組成物。
【0270】
15.配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示される軽鎖アミノ
酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖アミノ
酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配
列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であって、≦80%の酸性抗体変異体および≦
20%の凝集抗体変異体を含んでなる、組成物。
【0271】
16.配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示される軽鎖アミノ
酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖アミノ
酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配
列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であって、≦25%の、軽鎖アミノ酸配列のN
31で脱アミド化された抗体変異体;および≦20%の凝集抗体変異体を含んでなる、組
成物。
【0272】
17.配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示される軽鎖アミノ
酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖アミノ
酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配
列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であって、≦25%の、軽鎖アミノ酸配列のN
31で脱アミド化された抗体変異体;≦55%の、重鎖アミノ酸配列のM64で酸化され
た抗体変異体;≦3%の、重鎖アミノ酸配列のW52で酸化された抗体変異体;および≦
20%の凝集抗体変異体を含んでなる、組成物。
【0273】
18.配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示される軽鎖アミノ
酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖アミノ
酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配
列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であって、≦25%の、軽鎖アミノ酸配列のN
31で脱アミド化された抗体変異体;≦35%の、重鎖アミノ酸配列のN386で脱アミ
ド化された抗体変異体;および≦20%の凝集抗体変異体を含んでなる、組成物。
【0274】
19.配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示される軽鎖アミノ
酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖アミノ
酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配
列を有する抗体変異体を含んでなる組成物であって、≦25%の、軽鎖アミノ酸配列のN
31で脱アミド化された抗体変異体;≦35%の、重鎖アミノ酸配列のN386で脱アミ
ド化された抗体変異体;≦55%の、重鎖アミノ酸配列のM64、重鎖アミノ酸配列のM
254、重鎖アミノ酸配列のM430で酸化された抗体変異体;≦3%の、重鎖アミノ酸
配列のW52で酸化された抗体変異体;および≦20%凝集抗体変異体を含んでなる、組
成物。
【0275】
20.モノクローナル抗体の精製調製物および緩衝剤を含み、
6.8~7.2のpHであり、
前記緩衝剤がヒスチジン、リン酸塩、クエン酸、クエン酸塩またはその塩であり、
前記精製調製物が、
図1に示されるピーク65、ピーク78、ピーク88、ピーク92
、主要ピークおよびピーク112により表されるアイソフォームを含んでなり、
前記抗体が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖アミ
ノ酸配列および配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖アミ
ノ酸配列を含んでなり、かつ、
前記抗体がチャイニーズハムスター卵巣細胞により生産される、
組成物。
【0276】
21.前記緩衝剤が第二リン酸ナトリウム七水和物、リン酸塩、クエン酸およびクエン
酸塩から選択される少なくとも1つである、20の組成物。
【0277】
22.前記緩衝剤がリン酸ナトリウム、リン酸カリウム、またはクエン酸ナトリウムで
ある、22の組成物。
【0278】
23.糖、炭水化物および/または塩をさらに含んでなる、22の組成物。
【0279】
24.スクロースを含んでなる、23の組成物。
【0280】
25.モノクローナル抗体の精製調製物および緩衝剤を含んでなり、
6.8~7.2のpHであり、
前記緩衝剤がリン酸塩またはその塩であり、
前記精製調製物が、
図1に示される,ピーク65、ピーク78、ピーク88、ピーク9
2、主要ピークおよびピーク112により表されるアイソフォームを含んでなり、
前記抗体が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖アミ
ノ酸配列および配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖アミ
ノ酸配列を含んでなり、かつ、
前記抗体がチャイニーズハムスター卵巣細胞により生産される、
組成物。
【0281】
26.前記緩衝剤が第二リン酸ナトリウム七水和物、リン酸塩、クエン酸およびクエン
酸塩から選択される少なくとも1つである、25の組成物。
【0282】
27.糖をさらに含んでなる、26の組成物。
【0283】
28.前記糖がスクロースである、27の組成物。
【0284】
29.ポリソルベート80を含んでなる、28の組成物。
【0285】
30.20mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、容量に対して12重量%のスクロー
スおよび容量に対して0.05重量%のポリソルベート80の第1の処方物;15.5m
Mの第二リン酸ナトリウム七水和物、3.9mMのクエン酸一水和物、容量に対して12
重量%のスクロース、容量に対して0.02重量%のポリソルベート80および0.05
mMのEDTAの第2の処方物;ならびに26mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、容
量に対して15重量%のスクロースおよび容量に対して0.065重量%のポリソルベー
ト80の第3の処方物から選択される1つを含んでなる、29の組成物。
【0286】
31.前記抗体が配列番号11で示されるアミノ酸配列を含んでなるヒトインターロイ
キン-5に対して約3.5×10-11M以下の解離定数を有する、29の組成物。
【0287】
32.前記モノクローナル抗体濃度が約75mg/mLまたは約100mg/mLであ
る、31の組成物。
【0288】
33.前記抗体が配列番号11で示されるアミノ酸配列を含んでなるヒトインターロイ
キン-5に対して約3.5×10-11M以下の解離定数を有する、30の組成物。
【0289】
34.前記モノクローナル抗体濃度が約75mg/mLまたは約100mg/mLであ
る、33の組成物。
【0290】
35.
a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖配列
および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖配列
を含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の50%以上を占める前記抗体の主要形態
を含んでなる、組成物。
【0291】
36.前記抗体の主要形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メ
チオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重
鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸
残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる、35の
組成物。
【0292】
37.
a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖配列
および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖配列
を含んでなる抗IL-5抗体;
b)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の50%以上を占める前記抗体の主要形態;ならびに
c)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の約20%~約45%を占める前記抗体の酸性形態
を含んでなる、組成物。
【0293】
38.前記抗体の酸性形態が、ピーク65の酸性形態、ピーク78の酸性形態、ピーク
88の酸性形態およびピーク92の酸性形態から選択される少なくとも1つを含んでなる
、37の組成物。
【0294】
39.前記抗体の酸性形態が、アスパラギン299で脱アミド化された重鎖アミノ酸残
基、アスパラギン317で脱アミド化された重鎖アミノ酸残基、アスパラギン386で脱
アミド化された重鎖アミノ酸残基およびアスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ
酸残基からなる群から選択される少なくとも1つの脱アミド化アミノ酸残基を含んでなる
、38の組成物。
【0295】
40.前記抗体の主要形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メ
チオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重
鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸
残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる、39の
組成物。
【0296】
41.前記抗体の酸性形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メ
チオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重
鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸
残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる、39の
組成物。
【0297】
42.前記抗体の主要形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メ
チオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重
鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸
残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなり;かつ、
前記抗体の酸性形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニ
ン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基、
メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重鎖アミ
ノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で酸化さ
れた重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン4
で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸残基か
らなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる、
39の組成物。
【0298】
43.
a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖配列
および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖配列
を含んでなる抗IL-5抗体;
b)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の50%以上を占める前記抗体の主要形態;ならびに
c)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の約1%~約15%を占める前記抗体の塩基性形態
を含んでなる、組成物。
【0299】
44.前記抗体の塩基性形態がピーク112の塩基性形態を含んでなる、43の組成物
。
【0300】
45.前記抗体の塩基性形態が、グリシン448であるカルボキシ末端残基を有する重
鎖を含んでなる、44の組成物。
【0301】
46.前記抗体の主要形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メ
チオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重
鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸
残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる、45の
組成物。
【0302】
47.前記抗体の塩基性形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、
メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ
酸残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された
重鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360
で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチ
オニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された重鎖アミノ
酸残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる、45
の組成物。
【0303】
48.前記抗体の主要形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メ
チオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重
鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された重鎖アミノ酸
残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなり;かつ、
前記抗体の塩基性形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基
、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重鎖ア
ミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で酸化
された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン
4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸残基
からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる、
45の組成物。
【0304】
49.
a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖配列
および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖配列
を含んでなる抗IL-5抗体;
b)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の50%以上を占める前記抗体の主要形態;
c)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の約20%~約45%を占める前記抗体の酸性形態;ならびに
d)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の約1%~約15%を占める前記抗体の塩基性形態
を含んでなる、組成物。
【0305】
50.前記抗体の酸性形態が、ピーク65の酸性形態、ピーク78の酸性形態、ピーク
88の酸性形態およびピーク92の酸性形態から選択される少なくとも1つを含んでなる
、49の組成物。
【0306】
51.前記抗体の酸性形態が、アスパラギン299で脱アミド化された重鎖アミノ酸残
基、アスパラギン317で脱アミド化された重鎖アミノ酸残基、アスパラギン386で脱
アミド化された重鎖アミノ酸残基およびアスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ
酸残基からなる群から選択される少なくとも1つの脱アミド化アミノ酸残基を含んでなる
、50の組成物。
【0307】
52.前記抗体の塩基性形態がピーク112の塩基性形態を含んでなる、49の組成物
。
【0308】
53.前記抗体の塩基性形態が、グリシン448であるカルボキシ末端残基を有する重
鎖を含んでなる、52の組成物。
【0309】
54.前記抗体の主要形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メ
チオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重
鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸
残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる、49の
組成物。
【0310】
55.前記抗体の酸性形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メ
チオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重
鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された重鎖アミノ酸
残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる、49の
組成物。
【0311】
56.前記抗体の塩基性形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、
メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ
酸残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された
重鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360
で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチ
オニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ
酸残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる、49
の組成物。
【0312】
57.前記抗体の主要形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メ
チオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重
鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン222で酸化された重鎖アミノ酸
残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなり;かつ、
前記抗体の酸性形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニ
ン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基、
メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重鎖アミ
ノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で酸化さ
れた重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン4
で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸残基か
らなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる、
49の組成物。
【0313】
58.前記抗体の酸性形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メ
チオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重
鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸
残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなり;かつ、
前記抗体の塩基性形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基
、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重鎖ア
ミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で酸化
された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン
4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸残基
からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる、
49の組成物。
【0314】
59.前記抗体の主要形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メ
チオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重
鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸
残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなり;かつ、
前記抗体の塩基性形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基
、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重鎖ア
ミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で酸化
された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン
4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸残基
からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる、
49の組成物。
【0315】
60.前記抗体の主要形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メ
チオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸
残基、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重
鎖アミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で
酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸
残基からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなり;
前記抗体の酸性形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニ
ン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基、
メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン220で酸化された重鎖アミ
ノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で酸化さ
れた重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン4
で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸残基か
らなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなり;かつ、
前記抗体の塩基性形態が、トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオ
ニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基
、メチオニン85で酸化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重鎖ア
ミノ酸残基、メチオニン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で酸化
された重鎖アミノ酸残基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン
4で酸化された軽鎖アミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸残基
からなる群から選択される少なくとも1つの酸化アミノ酸残基を含んでなる、
49の組成物。
【0316】
61. a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重
鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽
鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)アスパラギン299で脱アミド化された重鎖アミノ酸残基、アスパラギン317で
脱アミド化された重鎖アミノ酸残基、アスパラギン386で脱アミド化された重鎖アミノ
酸残基およびアスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基から選択される少な
くとも1つを含んでなる前記抗体の脱アミド化形態
を含んでなる、組成物。
【0317】
62.
a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖配列
および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖配列
を含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン64で酸化された
重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン85で酸
化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニ
ン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で酸化された重鎖アミノ酸残
基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン4で酸化された軽鎖ア
ミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸残基から選択される少なく
とも1つを含んでなる前記抗体の酸化形態
を含んでなる、組成物。
【0318】
63.
a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖配列
および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖配列
を含んでなる抗IL-5抗体;
b)アスパラギン299で脱アミド化された重鎖アミノ酸残基、アスパラギン317で
脱アミド化された重鎖アミノ酸残基、アスパラギン386で脱アミド化された重鎖アミノ
酸残基およびアスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基から選択される少な
くとも1つを含んでなる前記抗体の脱アミド化形態;ならびに
c)トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン64で酸化された
重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン85で酸
化された重鎖アミノ酸残基、システイン222で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニ
ン254で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン360で酸化された重鎖アミノ酸残
基、メチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン4で酸化された軽鎖ア
ミノ酸残基およびシステイン220で酸化された軽鎖アミノ酸残基から選択される少なく
とも1つを含んでなる前記抗体の酸化形態
を含んでなる、組成物。
【0319】
64.
a)配列番号5で示されるCDRH1アミノ酸配列、配列番号6で示されるCDRH2
アミノ酸配列、および配列番号7で示されるCDRH3アミノ酸配列を有する重鎖可変領
域と;配列番号8で示されるCDRL1アミノ酸配列、配列番号9で示されるCDRL2
アミノ酸配列、および配列番号10で示されるCDRL3アミノ酸配列を有する軽鎖可変
領域とを含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)アスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含んでなる前記抗体の脱
アミド化形態
を含んでなる、組成物。
【0320】
65.
a)配列番号5で示されるCDRH1アミノ酸配列、配列番号6で示されるCDRH2
アミノ酸配列、および配列番号7で示されるCDRH3アミノ酸配列を有する重鎖可変領
域と;配列番号8で示されるCDRL1アミノ酸配列、配列番号9で示されるCDRL2
アミノ酸配列、および配列番号10で示されるCDRL3アミノ酸配列を有する軽鎖可変
領域とを含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基およびメチオニン64で酸化さ
れた重鎖アミノ酸残基から選択される少なくとも1つを含んでなる前記抗体の酸化形態
を含んでなる、組成物。
【0321】
66.
a)配列番号5で示されるCDRH1アミノ酸配列、配列番号6で示されるCDRH2
アミノ酸配列、および配列番号7で示されるCDRH3アミノ酸配列を有する重鎖可変領
域と;配列番号8で示されるCDRL1アミノ酸配列、配列番号9で示されるCDRL2
アミノ酸配列、および配列番号10で示されるCDRL3アミノ酸配列を有する軽鎖可変
領域とを含んでなる抗IL-5抗体;
b)トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基およびメチオニン64で酸化さ
れた重鎖アミノ酸残基から選択される少なくとも1つを含んでなる前記抗体の酸化形態;
ならびに
c)アスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含んでなる前記抗体の脱
アミド化形態
を含んでなる、組成物。
【0322】
67.
a)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域配列および配列番号4で
示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)アスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含んでなる前記抗体の脱
アミド化形態
を含んでなる、組成物。
【0323】
68.
a)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域配列および配列番号4で
示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン64で酸化された
重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン85で酸
化された重鎖アミノ酸残基およびメチオニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基から選択さ
れる少なくとも1つを含んでなる前記抗体の酸化形態
を含んでなる、組成物。
【0324】
69.
a)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域配列および配列番号4で
示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域配列を含んでなる抗IL-5抗体;
b)アスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含んでなる前記抗体の脱
アミド化形態;ならびに
c)トリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン64で酸化された
重鎖アミノ酸残基、メチオニン82で酸化された重鎖アミノ酸残基、メチオニン85で酸
化された重鎖アミノ酸残基およびメチオニン4で酸化された軽鎖アミノ酸残基から選択さ
れる少なくとも1つを含んでなる前記抗体の酸化形態
を含んでなる、組成物。
【0325】
70.
a)アミノ酸残基1のアミノ末端ピログルタミン酸残基、アミノ酸残基448のカルボ
キシ末端グリシンアミノ酸残基、299番の脱アミド化アスパラギン残基、317番の脱
アミド化アスパラギン残基、386番の脱アミド化アスパラギン残基、52番の酸化トリ
プトファン残基、64番の酸化メチオニン残基、82番の酸化メチオニン残基、85番の
酸化メチオニン残基、222番の酸化システイン、254番の酸化メチオニン、360番
の酸化メチオニンおよび430番の酸化メチオニン残基からなる群から選択される;少な
くとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号1で示される前記抗体重鎖アミノ
酸配列の修飾形態、ならびに
b)アミノ酸残基31の脱アミド化アスパラギン残基、4番の酸化メチオニン残基およ
び220番の酸化システインからなる群から選択される.少なくとも1つのアミノ酸残基
修飾←を含んでなる、配列番号2で示される前記抗体軽鎖アミノ酸配列の修飾形態
を有する抗IL-5抗体の集団を含んでなる、組成物。
【0326】
71.
a)集団の約92%以上が抗体重鎖のアミノ酸残基1にアミノ末端ピログルタミン酸残
基を含んでなり、
b)集団の約90%以上が抗体重鎖のアミノ酸残基448にカルボキシ末端グリシンア
ミノ酸残基を含んでなり、
c)集団の6.0%以下が抗体重鎖の386番に脱アミド化アスパラギン残基を含んで
なり、
d)集団の約1.5%以下が抗体重鎖の64番に酸化メチオニン残基を含んでなり、
e)集団の約4.5%以下が抗体重鎖の254番に酸化メチオニンを含んでなり、
f)集団の約0.8%以下が抗体重鎖の430番に酸化メチオニン残基を含んでなり、
かつ、
g)集団の約6.6%以下が抗体軽鎖のアミノ酸残基31に脱アミド化アスパラギン残
基を含んでなる、
70の組成物。
【0327】
72.
a)集団の約93.7%~約98.6%が抗体重鎖のアミノ酸残基1にアミノ末端ピロ
グルタミン酸残基を含んでなり、
b)集団の約97.6%~約99.2%が抗体重鎖のアミノ酸残基448にカルボキシ
末端グリシンアミノ酸残基を含んでなり、
c)集団の約0.4%~約1.2%が抗体重鎖の317番に脱アミド化アスパラギン残
基を含んでなり、
d)集団の約1.6%~約4.2%が抗体重鎖の386番に脱アミド化アスパラギン残
基を含んでなり、
e)集団の約0.7%~約0.9%が抗体重鎖の64番に酸化メチオニン残基を含んで
なり、
f)集団の約0.3%~約1.1%が抗体重鎖の82番に酸化メチオニン残基または抗
体重鎖の85番に酸化メチオニン残基を含んでなり、
g)集団の約2.6%~約3.3%が抗体重鎖の254番に酸化メチオニンを含んでな
り、
h)集団の約0.5%~約0.7%が抗体重鎖の430番に酸化メチオニン残基を含ん
でなり、
i)集団の約3.4%~約6.5%が抗体軽鎖のアミノ酸残基31に脱アミド化アスパ
ラギン残基を含んでなり、かつ、
j)集団の約0.2%~約0.8%が抗体軽鎖の4番に酸化メチオニン残基を含んでな
る、
71の組成物。
【0328】
73.
a)299番の脱アミド化アスパラギン残基、317番の脱アミド化アスパラギン残基
、386番の脱アミド化アスパラギン残基、52番の酸化トリプトファン残基、64番の
酸化メチオニン残基、82番の酸化メチオニン残基、85番の酸化メチオニン残基、22
2番の酸化システイン254、番の酸化メチオニン、254番の酸化メチオニン、360
番の酸化メチオニンおよび430番の酸化メチオニン残基からなる群から選択される少な
くとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号1で示される前記抗体重鎖アミノ
酸配列の修飾形態;ならびに
b)アミノ酸残基31の脱アミド化アスパラギン残基、4番の酸化メチオニン残基およ
び220番の酸化システインからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸残基修
飾を含んでなる、配列番号2で示される前記抗体軽鎖アミノ酸配列の修飾形態
を有する抗IL-5抗体の集団を含んでなる、組成物。
【0329】
74.
a)集団の約0.3%~約1.5%が抗体重鎖の317番に脱アミド化アスパラギン残
基を含んでなり、
b)集団の約1.5%~約4.5%が抗体重鎖の386番に脱アミド化アスパラギン残
基を含んでなり、
c)集団の約0.5%~約1.5%が抗体重鎖の64番に酸化メチオニン残基を含んで
なり、
d)集団の約0.2%~約1.5%が抗体重鎖の82番に酸化メチオニン残基または抗
体重鎖の85番に酸化メチオニン残基を含んでなり、
e)集団の約2.5%~約3.5%が抗体重鎖の254番に酸化メチオニンを含んでな
り、
f)集団の約0.4%~約0.8%が抗体重鎖の430番に酸化メチオニン残基を含ん
でなり、
g)集団の約3.3%~約6.6%が抗体軽鎖アミノ酸残基31に脱アミド化アスパラ
ギン残基を含んでなり、かつ、
h)集団の約0.1%~約1%が抗体軽鎖の4番に酸化メチオニン残基を含んでなる、
73の組成物。
【0330】
75.
a)集団の約0.4%~約1.2%が抗体重鎖の317番にアミド化アスパラギン残基
を含んでなり、
b)集団の約1.6%~約4.2%が抗体重鎖の386番に脱アミド化アスパラギン残
基を含んでなり、
c)集団の約0.7%~約0.9%が抗体重鎖の64番に酸化メチオニン残基を含んで
なり、
d)集団の約0.3%~約1.1%が抗体重鎖の82番に酸化メチオニン残基または抗
体重鎖の85番に酸化メチオニン残基を含んでなり、
e)集団の約2.6%~約3.3%が抗体重鎖の254番に酸化メチオニンを含んでな
り、
f)集団の約0.5%~約0.7%が抗体重鎖の430番に酸化メチオニン残基を含ん
でなり、
g)集団の約3.4%~約6.5%が抗体軽鎖のアミノ酸残基31に脱アミド化アスパ
ラギン残基を含んでなり、かつ、
h)集団の約0.2%~約0.8%が抗体軽鎖の4番に酸化メチオニン残基を含んでなる
、
74の組成物。
【0331】
76.
a)299番の脱アミド化アスパラギン残基、317番の脱アミド化アスパラギン残基
および386番の脱アミド化アスパラギン残基からなる群から選択される少なくとも1つ
のアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号1で示される前記抗体重鎖アミノ酸配列の修
飾形態;ならびに
b)アミノ酸残基31に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなる、配列番号2で示さ
れる前記抗体軽鎖アミノ酸配列の修飾形態
を有する抗IL-5抗体の集団を含んでなる、組成物。
【0332】
77.
a)集団の約0.3%~約1.5%が抗体重鎖の317番に脱アミド化アスパラギン残
基を含んでなり、
b)集団の約1.5%~約4.5%が抗体重鎖の386番に脱アミド化アスパラギン残
基を含んでなり、かつ、
c)集団の約3.3%~約6.6%が抗体軽鎖のアミノ酸残基31に脱アミド化アスパ
ラギン残基を含んでなる、
76の組成物。
【0333】
78.
a)集団の約0.4%~約1.2%が抗体重鎖の317番に脱アミド化アスパラギン残
基を含んでなり、
b)集団の約1.6%~約4.2%が抗体重鎖の386番に脱アミド化アスパラギン残
基を含んでなり、かつ、
c)集団の約3.4%~約6.5%が抗体軽鎖のアミノ酸残基31に脱アミド化アスパ
ラギン残基を含んでなる、
77の組成物。
【0334】
79.
a)52番の酸化トリプトファン残基、64番の酸化メチオニン残基、82番の酸化メ
チオニン残基、85番の酸化メチオニン残基、222番の酸化システイン、254番の酸
化メチオニン、360番の酸化メチオニンおよび430番の酸化メチオニン残基からなる
群から選択される少なくとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号1で示され
る前記抗体重鎖アミノ酸配列の修飾形態;ならびに
b)4番の酸化メチオニン残基および220番の酸化システインからなる群から選択さ
れる少なくとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号2で示される前記抗体軽
鎖アミノ酸配列の修飾形態
を有する抗IL-5抗体の集団を含んでなる、組成物。
【0335】
80.
c)集団の約0.5%~約1.5%が抗体重鎖の64番に酸化メチオニン残基を含んで
なり、
d)集団の約0.2%~約1.5%が抗体重鎖の82番に酸化メチオニン残基または抗
体重鎖の85番に酸化メチオニン残基を含んでなり、
e)集団の約2.5%~約3.5%が抗体重鎖の254番に酸化メチオニンを含んでな
り、
f)集団の約0.4%~約0.8%が抗体重鎖の430番に酸化メチオニン残基を含ん
でなり、かつ、
g)集団の約0.1%~約1%が抗体軽鎖の4番に酸化メチオニン残基を含んでなり、
79の組成物。
【0336】
81.
a)集団の約0.7%~約0.9%が抗体重鎖の64番に酸化メチオニン残基を含んで
なり、
b)集団の約0.3%~約1.1%が抗体重鎖の82番に酸化メチオニン残基または抗
体重鎖の85番に酸化メチオニン残基を含んでなり、
c)集団の約2.6%~約3.3%が抗体重鎖の254番に酸化メチオニンを含んでな
り、
d)集団の約0.5%~約0.7%に抗体重鎖の430番に酸化メチオニン残基を含ん
でなり、かつ、
e)集団の約0.2%~約0.8%が抗体軽鎖の4番に酸化メチオニン残基を含んでな
る、
80の組成物。
【0337】
82.
a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖配列
および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖配列
を含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の20%以上を占める前記抗体の主要形態
を含んでなる、組成物。
【0338】
83.
a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖配列
および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖配列
を含んでなる抗IL-5抗体;
b)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の20%以上を占める前記抗体の主要形態;ならびに
c)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の最大約80%を占める前記抗体の酸性形態、
を含んでなる、組成物。
【0339】
84.喘息、重症好酸球性喘息、重症喘息、コントロール不良好酸球性喘息、好酸球性
喘息、亜好酸球性喘息、慢性閉塞性肺疾患、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、好酸球増加
症候群、鼻ポリープ、水疱性類天疱瘡および好酸球性食道炎からなる群から選択される疾
患の処置のための、1~83のいずれかに記載の組成物。
【0340】
85.被験体において疾患を処置する方法であって、
a)喘息、重症好酸球性喘息、重症喘息、コントロール不良好酸球性喘息、好酸球性喘
息、亜好酸球性喘息、慢性閉塞性肺疾患、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、好酸球増加症
候群、鼻ポリープ、水疱性類天疱瘡および好酸球性食道炎からなる群から選択される疾患
を有する被験体を特定する工程;および
b)治療上有効な量の1~84のいずれかに記載の組成物を前記被験体に投与する工程
を含んでなり、それにより、前記被験体の疾患が処置される、方法。
【0341】
86.
a)≧0.70のIL-5特異的抗原結合;および/または
b)≧70%のFcRn結合
を有する、20~83の組成物。
【0342】
87.a)特異的抗原結合が0.70~1.30の範囲であり;かつ/またはb)Fc
Rn結合が70%~130%の範囲である、20~83の組成物。
【0343】
88.≦20%の凝集抗体変異体を含んでなる、20~83の組成物。
【0344】
89.前記凝集抗体変異体が二量体を含んでなる、20~83の組成物。
【0345】
90.1~83の組成物を生産する方法であって、
a)宿主細胞で、配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示される
軽鎖アミノ酸配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の
重鎖アミノ酸配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖
アミノ酸配列を有する抗体変異体を発現させる工程;
b)前記細胞を約6.75~約7.00のpHにて、166日以内のin vitro
細胞齢で約12~約18日間増殖させる工程;
c)細胞培養上清を採取する工程;
d)前記細胞培養上清をプロテインA樹脂またはプロテインG樹脂と接触させて抗体分
子を結合させる工程;
e)前記抗体分子を前記樹脂から溶出させて第1の溶出液を得る工程;
f)前記第1の溶出液を約3.3~約3.7のpHで約15~約240分間処理して、
処理済みの第1の溶出液を得る工程;
g)前記処理済みの第1の溶出液を陰イオン交換樹脂と、約8.3~約8.7のロード
pHで接触させる工程;
h)前記陰イオン交換樹脂から第2の溶出液を回収し、これを約96時間以内保持する
工程;
i)前記第2の溶出液をグアニジンおよび硫酸アンモニウムで処理して溶液を得る工程
;
j)前記溶液を疎水性相互作用クロマトグラフィー樹脂床と、約12gタンパク質/L
樹脂のロード比~約27gタンパク質/L樹脂のロード比で接触させる工程;
k)前記抗体分子を含んでなる第3の溶出液を前記疎水性相互作用クロマトグラフィー
樹脂から、約9樹脂床容量~約11樹脂床容量の溶出勾配容量および最大ピーク高さの約
17%~最大ピーク高さの約23%の溶出ピークカットストップで溶出させる工程;およ
び
l)前記第3の溶出液を処方する工程
を含んでなり、それにより1~83の組成物が生産される、方法。
【0346】
91.90の方法により生産される1~83の組成物。
【0347】
92.モノクローナル抗体の精製調製物および緩衝剤を含んでなり、
6.2~6.6のpHであり、
前記緩衝剤がヒスチジン、リン酸塩、クエン酸、クエン酸一水和物、クエン酸塩または
その塩であり、
前記精製調製物が、
図1に示されるピーク65、ピーク78、ピーク88、ピーク92
、主要ピークおよびピーク112により表されるアイソフォームを含んでなり、
前記抗体が配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖アミノ
酸配列および配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖アミノ
酸配列を含んでなり、かつ、
前記抗体がチャイニーズハムスター卵巣細胞により生産される、
組成物。
【0348】
93.前記緩衝剤が第二リン酸ナトリウム七水和物、リン酸塩、クエン酸およびクエン
酸一水和物から選択される少なくとも1つである、92の組成物。
【0349】
94.前記緩衝剤がリン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸、クエン酸一水和物
またはクエン酸ナトリウムである、92の組成物。
【0350】
95.糖、炭水化物および/または塩をさらに含んでなる、92の組成物。
【0351】
96.スクロースを含んでなる、95の組成物。
【0352】
97.モノクローナル抗体の精製調製物および緩衝剤を含んでなり、
6.2~6.6のpHであり、
前記緩衝剤がリン酸塩またはその塩であり、
前記精製調製物が、
図1に示されるピーク65、ピーク78、ピーク88、ピーク92
、主要ピークおよびピーク112により表されるアイソフォームを含んでなり、
前記抗体が配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖アミノ
酸配列および配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖アミノ
酸配列を含んでなり、かつ、
前記抗体がチャイニーズハムスター卵巣細胞により生産される、
組成物。
【0353】
98.前記緩衝剤が第二リン酸ナトリウム七水和物、リン酸塩、クエン酸、クエン酸一
水和物およびクエン酸塩から選択される少なくとも1つである、97の組成物。
【0354】
99.糖をさらに含んでなる、98の組成物。
【0355】
100.前記糖がスクロースである、99の組成物。
【0356】
101.ポリソルベート80を含んでなる、100の組成物。
【0357】
102.16.1mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、3.9mMのクエン酸一水和
物、容量に対して12重量%のスクロース、容量に対して0.02重量%のポリソルベー
ト80および0.05mMのEDTAの第1の処方物;15.2mMの第二リン酸ナトリ
ウム七水和物、4.8mMのクエン酸一水和物、容量に対して12重量%のスクロース、
容量に対して0.02重量%のポリソルベート80および0.05mMのEDTAの第2
の処方物;15.8mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、4.2mMのクエン酸一水和
物、容量に対して12重量%のスクロース、容量に対して0.02重量%のポリソルベー
ト80および0.05mMのEDTAの第3の処方物;16.3mMの第二リン酸ナトリ
ウム七水和物、3.7mMのクエン酸一水和物、容量に対して12重量%のスクロース、
容量に対して0.02重量%のポリソルベート80および0.05mMのEDTAの第4
の処方物;ならびに15.5mMの第二リン酸ナトリウム七水和物、4.5mMのクエン
酸一水和物、容量に対して12重量%のスクロース、容量に対して0.02重量%のポリ
ソルベート80および0.05mMのEDTAの第5の処方物から選択される1つを含ん
でなる、101の組成物。
【0358】
103.前記抗体が配列番号11で示されるアミノ酸配列を含んでなるヒトインターロ
イキン-5に対して約3.5×10-11M以下の解離定数を有する、101の組成物。
【0359】
104.前記モノクローナル抗体濃度が約75mg/mLまたは約100mg/mLで
ある、101の組成物。
【0360】
105.前記抗体が配列番号11で示されるアミノ酸配列を含んでなるヒトインターロ
イキン-5に対して約3.5×10-11M以下の解離定数を有する、102の組成物。
【0361】
106.前記抗体が約75mg/ml~約100mg/mlの間の濃度である、1~1
05のいずれか1つに記載の組成物。
【0362】
107.
a)6.8~7.2の間のpHを提供する、第二リン酸ナトリウム七水和物、リン酸塩
、クエン酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、およびヒスチ
ジンからなる群から選択される緩衝剤;および/または
b)糖;および/または
c)ポリソルベート80;および/またはd)EDTA
のうちの1つまたは組合せをさらに含んでなる、1~106のいずれか1つに記載の組成
物。
【0363】
108.
a)6.2~6.6の間のpHを提供する、第二リン酸ナトリウム七水和物、リン酸塩
、クエン酸塩、クエン酸一水和物、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリ
ウム、およびヒスチジンからなる群から選択される緩衝剤;および/または
b)糖;および/または
c)ポリソルベート80;および/またはd)EDTA
のうちの1つまたは組合せをさらに含んでなる、1~107のいずれか1つに記載の組成
物。
【0364】
33.療法において使用するための、1~108のいずれかに記載の組成物。
【0365】
35.喘息、重症好酸球性喘息、重症喘息、コントロール不良好酸球性喘息、好酸球性
喘息、亜好酸球性喘息、慢性閉塞性肺疾患、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、好酸球増加
症候群、鼻ポリープ、水疱性類天疱瘡および好酸球性食道炎の処置に使用するための、1
~108のいずれかに記載の組成物。
【実施例】
【0366】
実施例1
組成物の作製
モノクローナル抗IL-5抗体メポリズマブを含んでなる組成物の複数のバッチを作製
した。
【0367】
配列番号13および配列番号14で示される核酸配列を含んでなる発現ベクター構築物
で安定トランスフェクトされたチャイニーズハムスター卵巣細胞の接種物を、液体細胞培
養培地を含有する5000Lのバイオリアクターで培養した。これらの核酸によりコード
されている成熟抗体はメポリズマブであり、配列番号1で示される重鎖アミノ酸配列およ
び配列番号2で示される軽鎖アミノ酸配列を含んでなる。
【0368】
バイオリアクターは、約34.5℃~約35.5℃の温度で作動させた。空気および酸
素は培養培地中に散布し、約6.75~7.00のpHを維持した。培養期間は約12~
18日であった。in vitro細胞齢(マスターセルバンクの最初の解凍から採取ま
での培養日数)は166日以内であった。この後、清澄な細胞培養上清を細胞培養培地の
遠心分離および深層濾過により採取した。次に、この清澄な上清をプロテインAクロマト
グラフィーに付し、このクロマトグラフィーカラムから不純物を洗い流した。次に、抗体
分子を含む結合タンパク質をプロテインAカラムから溶出させ、約3.3~3.7のpH
で約15~240分間処理した。その後、この処理調製物を約pH4.3~4.7に調整
し、約20~1110分間保持した。次に、この処理調製物をデプスフィルターおよび0
.5/0.2μm二層フィルターの濾過トレインで清澄化した。その後、濾過した調製物
を約8.3~8.7のロードpHでQ-SEPHAROSE(商標)ファストフロー陰イ
オン交換クロマトグラフィーに付し、クロマトグラフィーカラムから溶出させた。次に、
この溶出液を約96時間以内保持した。その後、グアニジンおよび硫酸アンモニウムを加
えた。グアニジンを約1.8M~2.2Mの濃度まで加え、約15~240分間保持した
。その後、この溶液を約12gタンパク質/L樹脂~約27g/L樹脂のロード比、約9
~約11の溶出勾配容量(床容量;BV)、および約17~約23の溶出ピークカットス
トップ(最大ピーク高さの%)でフェニルSEPHAROSE(商標)ファストフローク
ロマトグラフィーに付した。その後、Planova 20Nウイルス除去フィルターを
用いてウイルス濾過を行った。次に、この濾液を約46gタンパク質/L~約66gタン
パク質/Lの目標濃度に調整し、約20mMの第二リン酸ナトリウム七水和物および容量
に対して12重量%のスクロースを含んでなる溶液を用いた接線濾過および限外濾過交換
によりバルク原薬(bulk drug substances)(BDS)を処方した。その後、この溶液を7
6gタンパク質/L~約82gタンパク質/Lの目標濃度に調整し、容量に対して約0.
05重量%のポリソルベート80を加えた。その後、この溶液を0.5/0.2μmPE
Sフィルターで濾過し、溶液の容器を充填し、凍結させた。薬物製品は当技術分野で周知
の製造法による解凍およびバルクコンテナの組合せ、その後のバルクのバイアルへの濾過
、凍結乾燥、封栓および圧着を含む無菌製造法を用いて製造した。最終的な薬物製品調製
物は、単回使用バイアル中の凍結乾燥薬物製品である。
【0369】
生産された各バッチからの凍結乾燥品を水の添加により再構成し、100mg/mLの
タンパク質、モノクローナル抗IL-5メポリズマブ抗体および26mMの第二リン酸ナ
トリウム七水和物、容量に対して15重量%のスクロースおよび容量に対して0.065
重量%のポリソルベート80を含んでなる組成物を約6.8~約7.2のpHで作製した
。
【0370】
実施例2
組成物の特性評価
上記のように作製されたモノクローナル抗IL-5抗体を含んでなる組成物のバッチか
らのサンプルを特性決定した。
【0371】
キャピラリー等電点電気泳動(cIEF)は、この組成物(例えば、組成物参照標準(
RS)101245722)中の6つの抗体アイソフォームの存在を一貫して示した。図
1参照。これらのアイソフォームは、
図1に示されるピーク65、ピーク78、ピーク8
8、ピーク92、主要ピークおよびピーク112のアイソフォームである。本組成物のサ
ンプルを、標準法を用いてcIEFに付した。cIEFにより分析されるサンプルにpI
7.9およびpI9.46標準を含めた。
図1に示されるcIEF電気泳動図は、複数の
バッチからの組成物に代表的なものである。
【0372】
電気泳動図は、本組成物が抗体の主要形態、酸性形態および塩基性形態を含んでなるこ
とを示す。主要形態は
図1に見て取ることができ、場合によってはピーク100としても
特定される。前記抗体の酸性形態は、
図1のピーク65、ピーク78、ピーク88および
ピーク92の形態に相当する。抗体の塩基性形態は、
図1のピーク112の形態に相当す
る。
【0373】
ピークの割り当てに使用される式は次の通りである:
ピーク名=int{(pIピーク-8)/(pIメイン-8)*100}式中:int=
整数およびpIピーク=呼称されるピークのpI。表7は、モノクローナル抗IL-5抗
体を含んでなる組成物のcIEF電気泳動図に関するピーク命名規則を示す。ここに記載
されるように決定されたピークの名称は観測された電気泳動/クロマトグラフィーパター
ンに基づいて確認する必要がある。ここに記載される範囲内にないピークは、上式に従っ
て処理する必要がある。
【0374】
【0375】
電気泳動図ピークの積分解析を行った。表8参照。
【0376】
【0377】
これは、主要形態がサンプルの総ピーク面積の50.0%以上に相当したことを示した
(約58.1%~62.3%の間の値が同様に見られる)。これはまた、酸性形態がサン
プルの総ピーク面積の45.0%以下に相当したことを示した(約20%~約45%の間
、例えば、32.2%~40.7%の間が同様に見られる)。塩基性形態は、サンプルの
総ピーク面積の約1%~約15%に相当した(約1.2%~約4.9%の間の値が同様に
見られる)。
【0378】
次に、cIEFにより得られた主要形態、酸性形態および塩基性形態のピーク画分を、
弱陽イオン交換(WCX)、トリプシンペプチドマッピングおよび液体クロマトグラフィ
ー-質量分析/質量分析(LC-MS/MS)によりさらに分析した。標準的方法をこれ
らの分析に使用した。
【0379】
これらのWCX、トリプシンペプチドマッピングおよびLC-MS/MSの結果は、主
要形態ピーク画分が2つのIgG1 mAb修飾を含んでいたことを示した。よって、配
列番号 の抗体重鎖アミノ酸配列では、99.6%のN末端グルタミン(Gln、Q)が
環化されてピログルタミン酸(pGlu)となっており、重鎖(HC)C末端リシン(L
ys、K)449の99.9%が切断されていた。一般に、試験したバッチのpGluレ
ベルは>95.0%であり、C末端K449不在のHCのレベルは>98.0%であった
。
【0380】
これらのWCX、トリプシンペプチドマッピングおよびLC-MS/MS結果はまた、
酸性形態ピークに関して、脱アミド化に特徴的な1ダルトン質量シフトが見られたことを
示した。ペプチドマッピングLC-MS/MSは、酸性形態ピークが脱アミド化抗体種の
混合物を含有することを示した。脱アミド化は、配列番号1で示されるアミノ酸配列のH
C N386および配列番号2で示されるアミノ酸配列のLC N31で主として見られ
た。配列番号1で示されるアミノ酸配列のHC N317では、より低レベルの脱アミド
化も見られた。
【0381】
全体として、この実験データは、配列番号1で示されるアミノ酸配列のアスパラギン残
基HC N317、HC N386、HC N299および配列番号2で示されるアミノ
酸配列のLC N31は脱アミド化に対して感受性があったことを示した。
【0382】
これらのWCX、トリプシンペプチドマッピングおよびLC-MS/MSは、塩基性形
態ピークに関して、このピークの抗体形態が少なくとも1つの重鎖カルボキシ末端リシン
アミノ酸残基を無傷で有していたことを示した。無傷のリシンを有する抗体種は、これら
が存在しない他の形態に比べて、これらの残基に由来する余分な正電荷のために塩基性領
域に移動する。よって、ピーク112などの塩基性形態は、一方または両方の重鎖アミノ
酸配列が配列番号1で示されるカルボキシ末端リシンアミノ酸配列を無傷で有する抗体形
態に相当する。
【0383】
モノクローナル抗IL-5抗体を含んでなる組成物の一次配列決定もまた、標準LC-
MS/MS技術により行った。これらの解析では、組成物中の抗体分子の一次構造および
アミノ酸配列を調べた。特に、これらの解析は、抗IL-5抗体においてどのアミノ酸残
基が脱アミド化、酸化、環化され、または不在であったか、および組成物中に存在する抗
IL-5抗体の集団(例えば、配列番号13の核酸配列および配列番号14の核酸配列か
ら発現されたもの)中のこれらのパーセンテージを示した。表9参照。
【0384】
【0385】
抗体変異体
メポリズマブは、可溶性IL-5と結合し、可溶性IL-5がその受容体と結合するの
を遮断する。IL-5の構造は分泌型タンパク質であることを示し、いずれの細胞種にも
IL-5の膜結合型の証拠はない。よって、Fcエフェクター機能はメポリズマブ作用機
序(MOA)の一部ではない。メポリズマブのMOAおよびPK特性に基づけば、この抗
体の生物活性に関与する2つの機能があり、それはCDRを介したIL-5への結合とF
c領域を介したFcRn受容体への結合である。
【0386】
上記で行った、下記に示されるような詳細な特性評価研究を通じ、少なくとも脱アミド
化(deamidaton)、酸化、および凝集がメポリズマブの組成物中で抗体変異体に至り得るこ
と、およびこれらの変異体がメポリズマブの機能に影響を及ぼし得ることが決定付けられ
た。適当な生物機能を確保するためには、これらの変異体の特定のレベルが維持されなけ
ればならない。本明細書では、機能は、0.70~1.30特異的抗原結合活性(IL5
-結合)および70%~130%FcRn結合という許容範囲内で記載される。よって、
機能に影響を及ぼす抗体変異体を同定するための工程には、(i)抗体変異体が形態され
るか、(ii)その変異体が機能に影響を及ぼすか、および(iii)どの程度の変異体
が機能的組成物をもたらし得るかということが含まれる。
【0387】
機能
IL-5結合:それまでに作成された総ての原薬(DS)および薬物製品(DP)リリ
ースデータおよび安定性データを用いて許容可能な抗原結合機能活性範囲を計算するため
に、統計分析を行った。計算された統計範囲を臨床試験と比較し、効力に及ぼす製品関連
変異体の既知の影響に基づいて評価した。この分析に基づけば、リリース時および保存寿
命の終了時の許容可能な抗原結合機能活性範囲は、0.70~1.30の特異的抗原結合
である。
【0388】
IL-5特異的結合は、結合モードで行うBIACORE(商標)装置を用いた表面プ
ラズモン共鳴(SPR)により決定した。このSPRアッセイは、効力に関連したメポリ
ズマブおよびメポリズマブ変異体の変化から生じる抗原結合の低下を検出することができ
る。
【0389】
SPRは、メポリズマブの特異的抗原結合活性を決定するために使用する。まず、メポ
リズマブ参照標準を固定化されたプロテインAを含有するCM5センサーチップの表面に
注入し、次に、固定濃度の希釈IL-5タンパク質を注入し、IL-5が、捕捉されたメ
ポリズマブサンプルに結合することを可能とする。メポリズマブのIL-5への機能的結
合として報告される、IL-5に結合したメポリズマブの濃度は、対応するメポリズマブ
参照標準検量線から決定される。SPR結果はIL-5に対するメポリズマブの機能的結
合濃度を総タンパク質濃度で割った商として報告した。
【0390】
FcRn結合:メポリズマブの新生児Fc(FcRn)受容体結合活性もまた、BIA
CORE(商標)装置を用いた表面プラズモン共鳴(SPR)により測定した。それまで
にメポリズマブ製品開発中に作成された結果、既知のアッセイ変数、および同様のmAb
製品に関して作成された結果に基づき、許容可能なFcRn結合機能活性範囲は70~1
30%であると決定された。
【0391】
メポリズマブのFc領域はFcRnと結合し、この相互作用は、メポリズマブの長い血
清半減期(平均終末半減期=20日)を反映する。SPRアッセイでは、固定化されたF
cRn受容体を含有するニトリロ三酢酸(NTA)センサーチップを用いて固定濃度のメ
ポリズマブを捕捉させた。まず、Ni2+を固定濃度で注入し、NTAを介したNi2+
のキレート化によりNTAセンサーチップに捕捉した。次に、FcRn受容体を固定濃度
で注入し、FcRn受容体のα鎖のC末端にある6×ヒスチジンタグが、予め捕捉されて
いたNi2+に結合する。次に、標準曲線濃度範囲内で希釈しておいたメポリズマブを、
捕捉されたFcRn受容体を含有するNTAセンサーチップの表面に注入した。FcRn
受容体に結合したメポリズマブの濃度を、対応するメポリズマブ参照標準検量線から外挿
した。このSPR結果は、FcRn受容体に対するメポリズマブの機能的結合濃度を総タ
ンパク質濃度で割った商として報告した。
【0392】
特異的抗原結合およびFcRn結合のためのこのSPR法は、メポリズマブの参照標準
を使用する。メポリズマブ参照標準は単に、方法が適切に実施されていることを保証する
ためにシステムの適合性およびサンプル比較データを得る目的で、アッセイで使用される
。参照標準は検量線の確立を可能とし、サンプルの濃度はこの曲線から外挿される。
【0393】
酸性変異体
次に、抗体機能/有効性、すなわち、抗原結合およびFcRn結合活性に及ぼす酸性変
異体のレベルの上昇、例えば、脱アミド化の影響を決定するために強制分解試験を行った
。
【0394】
pH9.0での強制分解試験では、組成物は6N水酸化ナトリウムでpH9.0に調整
し、40℃で30日間インキュベートした。サンプルを0、3、7、14および30日目
に採取し、対照として使用した非ストレス組成物と比較した。次に、pH9.0ストレス
サンプルをcIEFにより分析した。これらの結果を表10および
図1で示す(0日目お
よび3日目)。pH9.0ストレス組成物は、14日目にcIEFアッセイの能力を超え
て分解されたので、7日までの結果だけを表10に示す。pH9.0で3日間のストレス
条件では、全酸性領域は、組成物の2つの異なるバッチについて74.4%および71.
9%であることが認められた。
【0395】
【0396】
次に、異なるバッチからの組成物のpH9.0強制分解試験サンプルを、標準表面プラ
ズモン共鳴(surface plasmon reasonance)(SPR)法を用いて、特異的抗原結合活性
(表11)およびFcRn結合活性(表12)に関して試験した。
【0397】
【0398】
【0399】
3日目の(すなわち、約72~74%酸性変異体)のIL5特異的結合活性は、pH9
.0強制分解を受けた組成物の両バッチで0.74であった。FcRn結合活性はpH9
.0強制分解を受けた組成物の両バッチでそれぞれ82%および80%であった。これら
の値は、各アッセイの受容判定基準内であった。特異的抗原結合活性の受容判定基準は0
.70~1.30であり、FcRn結合の受容判定基準は70%~130%である。よっ
て、メポリズマブ組成物の機能を維持するための酸性変異体は、約74%といった高いも
のであり得る。
【0400】
脱アミド化
強制分解試験は、脱アミド化に対して感受性があることと思われるどの残基が実際に脱
アミド化するか、および脱アミド化変異体が機能に影響を及ぼすか、および機能を維持す
るために組成物内にどの程度の脱アミド化が許容されるかを決定することができる。脱ア
ミド化に対して感受性があると実験的に決定されたアスパラギン残基は、HC N317
、HC N386、HC N299、およびLC N31である。強制分解試験は、抗原
結合活性に及ぼす、配列番号2で示される抗体軽鎖アミノ酸配列における脱アミド化LC
N31レベルの上昇の影響を決定するために行った。これらの試験では、異なるバッチ
からの組成物を6N水酸化ナトリウムでpH9.0に調整し、40℃で30日間インキュ
ベートした。0、3、7、14および30日目にサンプルを採取し、対照として使用した
非ストレス組成物(例えば、参照標準)と比較した。pH9.0ストレスサンプルをペプ
チドマッピングLC-MS/MSにより試験した。これらの結果を表13に示す。メポリ
ズマブがpH9.0で3日間保持される場合、配列番号2で示される抗体軽鎖アミノ酸配
列中の脱アミド化LC N31のレベルは、組成物の異なるバッチで17.4%および1
6.8%であった。表13参照。pH9.0で3日間保持されたメポリズマブに関する抗
原およびFcRN結合データを表11および表12に示す。
【0401】
【0402】
従って、3日目の、0.74の特異的抗原結合活性(表11)、および84%および8
2%のFcRn結合活性(表12)は、最大17%前後のN31における脱アミド化、お
よび最大28%前後のN386における脱アミド化(表13)は、機能的組成物を0.7
0~1.30特異的抗原結合活性および70%~130%FcRn結合の許容可能な範囲
内に維持できることを示す。
【0403】
酸化
組成物の重鎖および軽鎖中のメチオニンおよび他のアミノ酸残基の酸化に対する感受性
を実験的に検討するために強制分解試験を行った。強制分解試験は、酸化に対して感受性
があると思われるどの残基が実際に酸化するか、およびその酸化変異体が機能に影響を及
ぼすか、および機能/有効性(抗原結合および/またはFcRn結合)を維持するために
組成物内にどの程度の酸化が許容されるかを決定することができる。
【0404】
酸化を誘導するために、組成物のサンプルを室温(RT)で48時間、0.1%過酸化
水素(H2O2)とともにインキュベートした。サンプルを0、6、12、24、および
48時間で回収した。これらを、対照として使用した非ストレス組成物(例えば、参照標
準)と比較した。これらの試験から、最も酸化傾向の大きいメチオニン(M)残基として
、配列番号1で示される抗体重鎖アミノ酸配列のHC M64、HC M82、HC M
85、HC M254、HC M360、HC M430、および配列番号2で示される
抗体軽鎖アミノ酸配列のLC M4が含まれると決定された。最も酸化傾向の大きいメチ
オニン(M)残基として、HC CDR2内に位置するM64;Fc領域内のFcRnお
よびプロテインA結合ポケット内に位置するM254およびM430;ならびに配列番号
1で示される抗体重鎖アミノ酸配列のM360が含まれる。程度は低いが酸化傾向のある
メチオニン残基としては、配列番号1で示される抗体重鎖アミノ酸配列のHC M4、H
C M82、およびHC M85が含まれた。加えて、配列番号2で示される抗体軽鎖ア
ミノ酸配列のLC C220は、化学誘導条件下で酸化傾向があることが決定付けられた
。重要なこととして、LC C220およびHC C222は、重鎖および軽鎖を連結す
る鎖内ジスルフィド結合を形成する。
【0405】
メチオニン酸化から生じるスルホキシドおよびシステイン酸化から生じるスルホン酸の
レベルはペプチドマッピングLC-MS/MSを用いて測定し、表14にまとめる。HC
M64、M254、M360、およびM430は、0.1%過酸化水素(H2O2)と
ともにインキュベートした後48時間の時点で70%を超えるものが酸化された。
【0406】
【0407】
組成物中の抗体による特異的抗原結合をSPRにより測定した。これは、表15に要約
されるように異なるH2O2ストレスバッチにおける48時間での特異的抗原結合活性の
より大きな低下を示した。この抗原結合の低下は、ペプチドマッピングLC-MS/MS
により見られた比較的高レベルのM64酸化と相関がある。組成物の異なるバッチからの
供試サンプルの特異的抗原結合活性は、それぞれおよそ15%および32%低下した。メ
ポリズマブが85.6%酸化されても、特異的抗原結合活性はなお0.57で保持された
。 メポリズマブの酸化の累積レベルと特異的抗原結合活性の間の線形関係を用い、最悪
の場合、HC M64はおよそ50%酸化され得るが、組成物中の抗体は抗原結合活性を
なお0.70~1.30の範囲に保持するであろうことが決定付けられた。
【0408】
【0409】
組成物の異なるバッチからのH2O2ストレスサンプルのFcRn結合活性プロフィー
ルは極めて類似しており、表16に示されるように、対照(非処理参照標準)に比べて4
8時間の時点のFcRn結合活性に実質的低下を伴った。HC M254およびHC M
430はFc領域内に位置し、酸化された場合、FcRn結合に低下をもたらすことが示
されている。強制分解試験の際に作成されたペプチドマッピング結果に基づけば、組成物
がH2O2で48時間化学的に酸化される場合、異なるバッチで見られる酸化HC M2
54およびHC M430のレベルは≧95%である。FcRn結合結果は、組成物の異
なるバッチからのH2O2ストレスサンプルで抗原FcRn結合におけるおよそ80%の
低下を示した。メポリズマブが≧90%酸化されても、FcRn結合活性はなお22%で
保持された。メポリズマブの酸化の累積レベルとFcRn結合活性の間の線形関係を用い
、最悪の場合、HC M254およびHC M430は50%酸化され得るが、組成物中
の抗体はFcRn結合活性をなお70%~130%の範囲に保持するであろうことが決定
付けられた。
【0410】
【0411】
組成物の異なるバッチおいて抗体の抗原結合活性に及ぼす光により誘導されるトリプト
ファン酸化の影響を決定するために光ストレス試験を行った。これは、抗体重鎖のトリプ
トファンW52に酸化傾向があることを示した。これらの試験では、異なるバッチからの
組成物に180万lux-hrの可視光を25℃でおよそ60時間当てて光ストレスを誘
導した。0、3、7、14、および30時間で回収したサンプルを、対照として使用した
組成物の非ストレス参照標準と比較した。トリプトファン酸化から生じる二酸化/キヌレ
ニンのレベルは、表17に要約されるように、露光ストレス組成物の異なるバッチにおい
て極めて類似していた。60時間の露光後にHC W52酸化の増加が検出された。
【0412】
【0413】
露光ストレス組成物の異なるバッチの抗体の特異的抗原結合活性プロフィールは、特異
的抗原結合活性の経時的低下を示した。これを表18に要約する。メポリズマブがおよそ
7%酸化されても、特異的抗原結合活性はなお0.53で保持された。メポリズマブにお
けるトリプトファン酸化の累積レベルと特異的抗原結合活性の間の線形関係を用い、最悪
の場合、W52は3%酸化され得るが、組成物中の抗体は抗原結合活性をなお0.70~
1.30の範囲に保持するであろうことが決定付けられた。
【0414】
【0415】
よって、機能(IL-5結合、および/またはFcRn結合)を維持するために、HC
M64は50%まで酸化可能であり、HC M254およびHC M430は50%ま
で酸化可能であり、W52は3%まで酸化され得る。
【0416】
凝集
組成物中の抗体のサイズ分布を、標準非変性サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)
法を使用することによりモニタリングした。
図3および
図4に示されるように、RS組成
物SECプロフィールにおいて3つのピークが検出された。相対パーセンテージ面積99
.4%の、7.9分の主要ピークは単量体と同定され、相対パーセンテージ面積0.5%
の、およそ6.7分の小ピークは凝集物と同定された。第2の小ピークはいくつかのバッ
チで見られており、主要ピークの後に溶出し、断片の存在を示す。一般に、このピークは
SECアッセイQL0.1を下回る。
【0417】
凝集物ピークを、SECを多角度光散乱(multi-angle light scattering)(MALS)
検出および分析的超遠心分離(analytical ultracentrifugation)(AUC)とともに用い
てさらに特性評価した。結果は、RS組成物に関しては
図5に、また、組成物の異なるバ
ッチに関しては
図6示されるように、SEC-MALSプロフィールが先に溶出するピー
ク(二量体)と後に溶出するピーク(単量体)を含有することを示す。各ピークを横断す
る線は、検出された種のモル質量および二量体ピークの位置(サンプル中の二量体の存在
量が少ないためにクロマトグラムでは見えにくい)を表す。
【0418】
SEC-MALSデータを、抗体単量体および二量体のモル質量を計算するために使用
した。RS組成物中の、および組成物の異なるバッチの、単量体の得られたモル質量を、
表19に示されるように、148,760kDaのメポリズマブ単量体理論質量に匹敵し
た。サンプル中に存在するこの種のレベルが少ないために、二量体に関して見られた分子
量に変動が検出された。
【0419】
【0420】
自己会合平衡またはより高次の凝集物のクロマトグラフィー分離からの排除の摂動が無
いことを確認するために、SECを含む画分に基づく方法に対する補足的技術として沈降
速度曲線下面積(AUC)積分解析を使用した。AUC解析の結果は、c(s)分布は、
表20に示されるように、組成物のRSバッチおよび組成物の別のバッチの両方で2.8
1Sの沈降係数を有する、単量体と同定される1つの主要種(主要ピーク);ならびに組
成物のRSバッチでは4.87Sおよび組成物の別のバッチでは5.10Sの沈降係数を
有する、二量体と同定される1つの凝集物ピークを含有することを示した。PRSとBD
Sの間の沈降係数値の違いは実質的なものとは見なされず、サンプル内の二量体の存在量
が少ないことによるものである。検出された唯一の高分子量種は二量体であり、これはS
EC-UVおよびSEC-MALS結果と一致する。
【0421】
【0422】
単量体および二量体に関して決定された沈降係数は、IgG1モノクローナル抗体に関
して慣例的に見られる値より低かった。メポリズマブの処方物は12%(w/v)スクロ
ースを含有し、極めて粘稠なサンプルとなり、組成物中のこれらの抗体分子に見られるよ
り低い沈降係数を生じる。SEC-UV、SEC-MALS、およびAUC解析の結果は
、組成物中の凝集物種が抗体二量体であることを示す。
【0423】
抗原結合活性に及ぼす凝集物の影響を検討するため、異なるバッチからの組成物に対し
て低pH試験を行った。異なるバッチからの組成物サンプルを5N塩酸でpH3.5に調
整した。pH3.5に調整したサンプルを、次に、40℃で30日間インキュベートして
化学修飾を誘導した。0、3、7、14および30日にサンプルを採取し、対照として使
用した組成物の非ストレスRSサンプルと比較した。これは、組成物が低pH3.5で化
学的にストレスを受けた場合、凝集が主要分解経路の1つであることを示した。
【0424】
組成物のpH3.5ストレスサンプルのSEC分解プロフィールを
図7に示し、表21
に要約する。低pH3.5ストレス条件下で、組成物の異なるバッチ間で凝集速度の違い
が見られた。しかしながら、30日までに組成物の両バッチは平衡に達し、同等レベルの
凝集を示す。この異なるバッチ間の凝集速度の違いは、これらのバッチで非共有結合性二
量体に対して共有結合性二量体のレベルが高いことによるものである。組成物のMDS1
バッチに見られるより緩慢な凝集速度は、MDS2バッチに比べて非共有結合性二量体の
割合が高いことによるものであり、非共有結合性二量体は平衡が達成されるまで会合した
り解離したりし、凝集物形態の全体的な速度を緩慢にし得る。
【0425】
【0426】
組成物のpH3.5ストレスバッチのサンプルの特異的抗原結合活性プロフィールは、
表22に要約されるように、特異的抗原結合活性に経時的低下を示した。
【0427】
【0428】
組成物のpH3.5ストレスバッチのサンプルのFcRn結合活性プロフィールは、表
23に要約されるように、FcRn結合活性に経時的低下を示した。
【0429】
【0430】
要約すれば、表21~23は、サンプル中に存在する凝集物がおよそ40%である場合
に、抗原結合およびFcRn結合におよそ50%の低下が見られることを示す。メポリズ
マブがおよそ40%凝集した場合でも、特異的抗原結合活性はなお0.57で保持され、
FcRn結合活性は51%で保持された(表22 MDS2 3日目)。共有結合性二量
体と非有結合性二量体の比が異なるために、3日目のMDS1とMDS2の間で凝集物含
量に若干異なる分解プロフィールが見られた(表21)。
【0431】
メポリズマブの凝集と特異的抗原活性およびFcRn結合活性の間の線形関係はMDS
2から使用し、最悪の場合、メポリズマブは20%凝集物となり得るが、組成物中の抗体
は抗原結合活性をなお0.70~1.30の範囲に、また、70~130%のFcRn結
合活性に保持するであろうことが決定付けられた。
【0432】
従って、メポリズマブを含んでなる組成物中の抗体は20%が凝集物であり得るが、な
おIL-5結合活性を0.70~1.30の範囲に、また、FcRn結合活性を70%~
130%の範囲に保持する。
【0433】
HCP
メポリズマブ組成物中の残存CHO宿主細胞タンパク質レベルを、酵素結合免疫吸着ア
ッセイ(enzyme-linked immunosorbent assay)(ELISA)を用いて測定する。この方
法では、メポリズマブの生産プロセス条件を模倣した条件下で増殖させたCHO細胞株の
天然抗原に対して生産された抗体を使用する。
【0434】
メポリズマブ組成物では、HCP含量の許容可能な範囲は≦10ng/mgであること
が決定された。この範囲は、それまでに作成されたリリースデータに由来し、真の分析的
およびプロセス変動を表す。原薬の37の異なるバッチは以下のHCP含量を有していた
:1.1ng/mg(2バッチ)、1.0ng/mg(5バッチ)、0.9ng/mg(
1バッチ)、0.8ng/mg(3バッチ)、0.7ng/mg(1バッチ)、0.6(
1バッチ)、0.5ng/mg(1バッチ)、<0.5ng/mg(4バッチ)、<1n
g/mg(19バッチ)。
【0435】
要約すると、メポリズマブの生物活性に関与する2つの有力な機能があり、それはCD
Rを介したIL-5への結合とFc領域を介したFcRn受容体への結合である。上記で
行った詳細な特性評価研究を通じ、特定の脱アミド化抗体変異体、特に、酸化抗体変異体
、および凝集抗体変異体が、メポリズマブの組成物の機能に影響を及ぼし得ることが決定
付けられた。従って、適当な機能/有効性を確保するためにはこれらの変異体の特定のレ
ベルが維持される必要がある。
【0436】
実施例3
非公式配列表
下記の下線は、CDRのKabat定義に従い、抗体の可変重鎖および可変軽鎖部分に
おけるCDR配列またはこれらのCDR配列をコードする核酸配列を特定する。例えば、
配列番号1では、フレームワークおよびCDRが、示されている配列のアミノ近位部分か
らカルボキシ末端部分へと順に、プレーンテキストフレームワーク1、下線のCDR1、
プレーンテキストフレームワーク2、下線のCDR2、プレーンテキストフレームワーク
3、下線のCDR3およびプレーンテキストフレームワーク4として表されている。一文
字アミノ酸コードの文字の右にあるアスタリスクは、左にあるアミノ酸残基がN-グリコ
シル化部位であることを示す。このスキームは例えば、配列番号1~4、11、12およ
び19~22などに使用されている。これらの配列に示されるアミノ末端メチオニン残基
は切断され得る。よって、これらの配列は、ここでアミノ末端メチオニン残基を示してい
れば、そのようなアミノ末端メチオニン残基を欠くこれらのタンパク質の切断型も開示す
ると考えるべきである。核酸配列はDNA核酸配列として表され、「t」核酸残基を含み
、対応するRNA配列は、また、「t」核酸残基が「u」核酸残基も表すと見なされ得る
ように開示されるものと考えるべきである。加えて、5’近位の「atg」開始コドンお
よび3’近位の「taa」、「tag」、および「tga」終止コドンは、以下のcDN
A核酸配列から省かれている。例えば、配列番号31~34などの場合がそうである。
【0437】
【0438】
【0439】
【0440】
【0441】
【0442】
【0443】
【0444】
【0445】
【0446】
【0447】
ヒトIL-5(成熟タンパク質)
配列番号11
【化13】
【0448】
ヒトIL-5受容体サブユニットαアイソフォーム1(成熟タンパク質)
配列番号12
【化14】
【0449】
メポリズマブ全長重鎖コードDNA
配列番号13
【化15】
【0450】
メポリズマブ全長軽鎖コードDNA
配列番号14
【化16】
【0451】
本発明はここに十分に記載され、当業者には、添付の特許請求の範囲の趣旨または範囲
から逸脱することなく、それに対して多くの変更および修飾がなされ得ることが自明であ
る。
本出願の発明の例として、以下のものが挙げられる。
[1] 配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示される軽鎖アミノ酸
配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖アミノ酸
配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配列
を有する抗体変異体を含んでなる組成物であって、≦80%の酸性抗体変異体を含んでな
る、組成物。
[2] 配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示される軽鎖アミノ酸
配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖アミノ酸
配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配列
を有する抗体変異体を含んでなる組成物であって、≦80%の酸性抗体変異体および≦2
0%の凝集抗体変異体を含んでなる、組成物。
[3] 配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示される軽鎖アミノ酸
配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖アミノ酸
配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配列
を有する抗体変異体を含んでなる組成物であって、≦25%の、軽鎖アミノ酸配列のN3
1で脱アミド化された抗体変異体、および≦20%の凝集抗体変異体を含んでなる、組成
物。
[4] 配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示される軽鎖アミノ酸
配列、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖アミノ酸配列および/
もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配列を有する抗体
変異体を含んでなる組成物であって、≦25%の、軽鎖アミノ酸配列のN31で脱アミド
化された抗体変異体;≦55%の、重鎖アミノ酸配列のM64で酸化された抗体変異体;
≦3%の、重鎖アミノ酸配列のW52で酸化された抗体変異体;および≦20%の凝集抗
体変異体を含んでなる、組成物。
[5] 配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示される軽鎖アミノ酸
配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖アミノ酸
配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配列
を有する抗体変異体を含んでなる組成物であって、≦25%の、軽鎖アミノ酸配列のN3
1で脱アミド化された抗体変異体;≦35%の、重鎖アミノ酸配列のN386で脱アミド
化された抗体変異体;および≦20%の凝集抗体変異体を含んでなる、組成物。
[6] 配列番号1に示される重鎖アミノ酸配列および配列番号2に示される軽鎖アミノ酸
配列を有する抗体、または前記重鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の重鎖アミノ酸
配列および/もしくは前記軽鎖アミノ酸配列と少なくとも90%同一の軽鎖アミノ酸配列
を有する抗体変異体を含んでなる組成物であって、≦25%の、軽鎖アミノ酸配列のN3
1で脱アミド化された抗体変異体;≦35%の、重鎖アミノ酸配列のN386で脱アミド
化された抗体変異体;≦55%の、重鎖アミノ酸配列のM64、重鎖アミノ酸配列のM2
54、重鎖アミノ酸配列のM430で酸化された抗体変異体;≦3%の、重鎖アミノ酸配
列のW52で酸化された抗体変異体;および≦20%の凝集抗体変異体を含んでなる、組
成物。
[7] モノクローナル抗体の精製調製物および緩衝剤を含んでなる組成物であって、
6.8~7.2のpHであり、
前記緩衝剤がヒスチジン、リン酸もしくはクエン酸、またはその塩であり、
前記精製調製物が、図1に示されるピーク65、ピーク78、ピーク88、ピーク92
、主要ピークおよびピーク112により表されるアイソフォームを含んでなり、
前記抗体が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖アミ
ノ酸配列および配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖アミ
ノ酸配列を含んでなり、かつ、
前記抗体がチャイニーズハムスター卵巣細胞により生産される、組成物。
[8] モノクローナル抗体の精製調製物および緩衝剤を含んでなる組成物であって、
6.8~7.2のpHであり、
前記緩衝剤がリン酸またはその塩であり、
前記精製調製物が、図1に示されるピーク65、ピーク78、ピーク88、ピーク92
、主要ピークおよびピーク112により表されるアイソフォームを含んでなり、
前記抗体が、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖アミ
ノ酸配列および配列番号2のアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖アミ
ノ酸配列を含んでなり、かつ
前記抗体がチャイニーズハムスター卵巣細胞により生産される、組成物。
[9] a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重鎖
配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽鎖
配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の50%以上を占める前記抗体の主要形態
を含んでなる、組成物。
[10] a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重
鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽
鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;
b)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の50%以上を占める前記抗体の主要形態;ならびに
c)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の約20%~約45%を占める前記抗体の酸性形態
を含んでなる、組成物。
[11] a)抗配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する
重鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する
軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;
b)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の50%以上を占める前記抗体の主要形態;ならびに
c)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の約1%~約15%を占める前記抗体の塩基性形態
を含んでなる、組成物。
[12] a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重
鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽
鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;
b)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の50%以上を占める前記抗体の主要形態;
c)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の約20%~約45%を占める前記抗体の酸性形態;ならびに
d)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の約1%~約15%を占める前記抗体の塩基性形態
を含んでなる、組成物。
[13] a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重
鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽
鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)35%以下のアスパラギン386で脱アミド化された重鎖アミノ酸残基および25
%以下のアスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基からなる群から選択され
る少なくとも1つを含んでなる前記抗体の脱アミド化形態
を含んでなる、組成物。
[14] a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重
鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽
鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)3%以下のトリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、55%以下のメチ
オニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、50%以下のメチオニン254で酸化された
重鎖アミノ酸残基、50%以下のメチオニン360で酸化された重鎖アミノ酸残基、およ
び50%以下のメチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基からなる群から選択され
る少なくとも1つを含んでなる前記抗体の酸化形態
を含んでなる、組成物。
[15] a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重
鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽
鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;
b)35%以下のアスパラギン386で脱アミド化された重鎖アミノ酸残基および25
%以下のアスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基からなる群から選択され
る少なくとも1つを含んでなる前記抗体の脱アミド化形態;ならびに
c)3%以下のトリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、50%以下のメチ
オニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基、50%以下のメチオニン254で酸化された
重鎖アミノ酸残基、50%以下のメチオニン360で酸化された重鎖アミノ酸残基、およ
び50%以下のメチオニン430で酸化された重鎖アミノ酸残基からなる群から選択され
る少なくとも1つを含んでなる前記抗体の酸化形態
を含んでなる、組成物。
[16] a)配列番号5で示されるCDRH1アミノ酸配列、配列番号6で示されるCD
RH2アミノ酸配列、および配列番号7で示されるCDRH3アミノ酸配列を有する重鎖
可変領域と;配列番号8で示されるCDRL1アミノ酸配列、配列番号9で示されるCD
RL2アミノ酸配列、および配列番号10で示されるCDRL3アミノ酸配列を有する軽
鎖可変領域とを含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)25%以下の、アスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含んでな
る前記抗体の脱アミド化形態
を含んでなる、組成物。
[17] a)配列番号5で示されるCDRH1アミノ酸配列、配列番号6で示されるCD
RH2アミノ酸配列、および配列番号7で示されるCDRH3アミノ酸配列を有する重鎖
可変領域と;配列番号8で示されるCDRL1アミノ酸配列、配列番号9で示されるCD
RL2アミノ酸配列、および配列番号10で示されるCDRL3アミノ酸配列を有する軽
鎖可変領域とを含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)3%以下のトリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基および50%以下の
メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基からなる群から選択される少なくとも1つ
を含んでなる前記抗体の酸化形態
を含んでなる、組成物。
[18] a)配列番号5で示されるCDRH1アミノ酸配列、配列番号6で示されるCD
RH2アミノ酸配列、および配列番号7で示されるCDRH3アミノ酸配列を有する重鎖
可変領域と;配列番号8で示されるCDRL1アミノ酸配列、配列番号9で示されるCD
RL2アミノ酸配列、および配列番号10で示されるCDRL3アミノ酸配列を有する軽
鎖可変領域とを含んでなる抗IL-5抗体;
b)3%以下のトリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基および50%以下の
メチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基からなる群から選択される少なくとも1つ
を含んでなる前記抗体の酸化形態;ならびに
c)25%以下の、アスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含んでな
る前記抗体の脱アミド化形態
を含んでなる、組成物。
[19] a)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域配列および配列番
号4で示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域配列を含んでなる抗IL-5抗体;な
らびに
b)25%以下の、アスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含んでな
る前記抗体の脱アミド化形態
を含んでなる、組成物。
[20] a)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域配列および配列番
号4で示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域配列を含んでなる抗IL-5抗体;な
らびに
b)3%以下のトリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、および50%以下
のメチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基からなる群から選択される少なくとも1
つを含んでなる前記抗体の酸化形態
を含んでなる、組成物。
[21] a)配列番号3で示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域配列および配列番
号4で示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域配列を含んでなる抗IL-5抗体;
b)25%以下の、アスパラギン31で脱アミド化された軽鎖アミノ酸残基を含んでな
る前記抗体の脱アミド化形態;ならびに
c)3%以下のトリプトファン52で酸化された重鎖アミノ酸残基、および50%以下
のメチオニン64で酸化された重鎖アミノ酸残基からなる群から選択される少なくとも1
つを含んでなる前記抗体の酸化形態
を含んでなる、組成物。
[22] a)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する重鎖配列および配列番号2で示
されるアミノ酸配列を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;
b)アミノ酸残基1のアミノ末端ピログルタミン酸残基、アミノ酸残基448のカルボ
キシ末端グリシンアミノ酸残基、386番の脱アミド化アスパラギン残基、52番の酸化
トリプトファン残基、64番の酸化メチオニン残基、254番の酸化メチオニン、360
番の酸化メチオニンおよび430番の酸化メチオニン残基からなる群から選択される少な
くとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号1で示される前記抗体重鎖アミノ
酸配列の修飾形態;ならびに
c)アミノ酸残基31に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなる、配列番号2で示さ
れる前記抗体軽鎖アミノ酸配列の修飾形態
を有する、抗IL-5抗体の集団を含んでなる、組成物。
[23] a)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する重鎖配列および配列番号2で示
されるアミノ酸配列を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;
b)386番の脱アミド化アスパラギン残基、52番の酸化トリプトファン残基、64
番の酸化メチオニン残基、254番の酸化メチオニン、254番の酸化メチオニン、36
0番の酸化メチオニンおよび430番の酸化メチオニン残基からなる群から選択される少
なくとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号1で示される前記抗体重鎖アミ
ノ酸配列の修飾形態;ならびに
c)アミノ酸残基31に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなる、配列番号2で示さ
れる前記抗体軽鎖アミノ酸配列の修飾形態
を有する抗IL-5抗体の集団を含んでなる、組成物。
[24] a)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する重鎖配列および配列番号2で示
されるアミノ酸配列を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;
b)386番に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなる、配列番号1で示される前記
抗体重鎖アミノ酸配列の修飾形態;ならびに
c)アミノ酸残基31に脱アミド化アスパラギン残基を含んでなる、配列番号2で示さ
れる前記抗体軽鎖アミノ酸配列の修飾形態
を有する抗IL-5抗体の集団を含んでなる、組成物。
[25] a)配列番号1で示されるアミノ酸配列を有する重鎖配列および配列番号2で示
されるアミノ酸配列を有する軽鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)52番の酸化トリプトファン残基、64番の酸化メチオニン残基、254番の酸化
メチオニン、360番の酸化メチオニンおよび430番の酸化メチオニン残基からなる群
から選択される少なくとも1つのアミノ酸残基修飾を含んでなる、配列番号1で示される
前記抗体重鎖アミノ酸配列の修飾形態
を有する抗IL-5抗体の集団を含んでなる、組成物。
[26] a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重
鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽
鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;ならびに
b)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の20%以上を占める前記抗体の主要形態
を含んでなる、組成物。
[27] a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する重
鎖配列および配列番号2に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有する軽
鎖配列を含んでなる抗IL-5抗体;
b)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の20%以上を占める前記抗体の主要形態;ならびに
c)組成物のキャピラリー等電点電気泳動を用いて測定した際に組成物中のタンパク質
の最大約80%を占める前記抗体の酸性形態
を含んでなる、組成物。
[28] 前記抗体が約75mg/ml~約100mg/mlの間の濃度である、請求項1
~27のいずれか一項に記載の組成物。
[29] (a)6.8~7.2の間のpHを与える、第二リン酸ナトリウム七水和物、リ
ン酸塩、クエン酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、および
ヒスチジンからなる群から選択される緩衝剤;および/または
(b)糖;および/または
(c)ポリソルベート80;および/または
(d)EDTA
のうちの1つまたは組合せをさらに含んでなる、上記[1]~[28]のいずれか一項に記載
の組成物。
[30] 配列番号1および配列番号2を含んでなる参照標準組成物と比べて、少なくとも
0.70のIL-5特異的抗原結合活性;および/または少なくとも70%のFcRn結
合活性を有する、上記[1]~[29]のいずれか一項に記載の組成物。
[31] 被験体において疾患を処置する方法であって、
a)喘息、重症好酸球性喘息、重症喘息、コントロール不良好酸球性喘息、好酸球性喘
息、亜好酸球性喘息、慢性閉塞性肺疾患、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、好酸球増加症
候群、鼻ポリープ、水疱性類天疱瘡および好酸球性食道炎からなる群から選択される疾患
を有する被験体を特定する工程;および
b)治療上有効な量の上記[1]~[30]のいずれか一項に記載の組成物を前記被験体に
投与する工程
を含んでなり、それにより前記被験体における疾患が処置される、方法。
[32] 前記組成物が、4週間に1回、100mgの用量で投与される、上記[31]に記
載の方法。
[33] 療法において使用するための、上記[1]~[30]のいずれか一項に記載の組成物
。
[34] 上記[1]~[30]のいずれか一項に記載の組成物と、薬学的に許容可能な担体と
を含んでなる、医薬組成物。
[35] 喘息、重症好酸球性喘息、重症喘息、コントロール不良好酸球性喘息、好酸球性
喘息、亜好酸球性喘息、慢性閉塞性肺疾患、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、好酸球増加
症候群、鼻ポリープ、水疱性類天疱瘡および好酸球性食道炎の処置において使用するため
の、上記[1]~[30]のいずれか一項に記載の組成物。
【配列表】