(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】3D印刷したアンダーカット鋸スロットを備える膝面取りブロックガイド
(51)【国際特許分類】
A61B 17/15 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
A61B17/15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019201283
(22)【出願日】2019-11-06
【審査請求日】2022-09-21
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バーニス・エイ・ガトレル
(72)【発明者】
【氏名】ラクシャク・ネミラジ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・ディー・ジョーンズ
【審査官】石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-507090(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0185097(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102004028690(DE,A1)
【文献】国際公開第2015/112566(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00-18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)本体であって、
(i)近位表面、
(ii)遠位表面、
(iii)第1の側面、及び
(iv)第2の側面、を含む、本体と、
(b)前記本体によって画定された第1のガイドスロットを含む骨鋸ガイドアセンブリであって、前記第1のガイドスロットが、挿入及び後退経路に沿って、前記近位表面及び前記遠位表面を通って延在し、前記第1のガイドスロットが、前記第1の側面と前記第2の側面との間に延在し、前記第1のガイドスロットが、前記挿入及び後退経路に沿って骨鋸をガイドしている間、前記骨鋸の横方向の移動に適応するように構成され、前記第1のガイドスロットが、第1の内面及び第2の内面を含み、前記第1の内面が、前記挿入及び後退経路から離れて横方向に第1の距離だけ離間され、前記第2の内面が、前記挿入及び後退経路から離れて横方向に第2の距離だけ離間され、前記第1の距離が、前記第2の距離よりも短い、骨鋸ガイドアセンブリと、を備え
、
前記骨鋸は、前記近位表面から前記第1のガイドスロット内に挿入され、
前記第1の内面は、前記近位表面と接触する位置から前記遠位表面に向かって延在し、前記第2の内面は、前記第1の内面の遠位側に位置し、前記遠位表面から近位方向に離間しており、
前記第2の内面に置かれ、前記骨鋸に接触するように構成された複数のリブを更に備える、骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項2】
前記第1の内面が、前記挿入及び後退経路に沿って前記骨鋸をガイドしている間、前記骨鋸に接触するように構成され、前記第2の内面は、前記第1の内面が前記挿入及び後退経路に沿って前記骨鋸をガイドしている間、前記骨鋸に接触しないように構成されている、請求項1に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項3】
前記本体が、上縁部を含み、前記第1のガイドスロットが、前記上縁部に向かって斜角で遠位に延在している、請求項1に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項4】
前記骨鋸ガイドアセンブリが、前記本体によって画定された第2のガイドスロットを更に含み、前記第2のガイドスロットが、前記近位表面及び前記遠位表面を通って延在し、前記第2のガイドスロットが、前記第1の側面と前記第2の側面との間に延在している、請求項3に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項5】
前記本体が、底縁部を備え、前記第2のガイドスロットが、前記底縁部に向かって斜角で遠位に延在している、請求項4に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項6】
前記第1のガイドスロット及び前記第2のガイドスロットが、前記近位表面によって画定された入口スロットに近位に終端している、請求項5に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項7】
前記本体が、前記入口スロットの一部分、前記第1のガイドスロットの一部分及び前記第2のガイドスロットの一部分を画定する、第1の面取りされた角部を更に備える、請求項6に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項8】
前記本体が、前記第1のガイドスロットの一部分を画定する第2の面取りされた角部を更に備える、請求項7に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項9】
前記本体が、前記第2のガイドスロットの一部分を画定する第3の面取りされた角部を更に備える、請求項8に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項10】
前記本体が、前記近位表面及び前記遠位表面を通って延在する複数の貫通穴を画定する、請求項1に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項11】
前記第1のガイドスロットが第3の内面を含み、前記第3の内面が、前記挿入及び後退経路から離れて第1の距離だけ離間されている、請求項
1に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項12】
前記第3の内面が、前記第2の内面に対して遠位にある、請求項
11に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項13】
前記本体が、表面修復された大腿骨に選択的に取り付けるように構成されている、請求項1に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項14】
(a)本体であって、
(i)近位表面、
(ii)遠位表面、
(iii)第1の側面、及び
(iv)第2の側面を含む、本体と、
(b)前記本体によって画定された第1のガイドスロットを含む骨鋸ガイドアセンブリであって、前記第1のガイドスロットが、挿入及び後退経路に沿って、前記近位表面及び前記遠位表面を通って延在し、前記第1のガイドスロットが、前記挿入及び後退経路に沿って骨鋸をガイドしている間、前記骨鋸の横方向の移動に適応するように構成され、前記第1のガイドスロットは、
第1の内面が前記挿入及び後退経路に沿って前記骨鋸をガイドしている間、前記骨鋸に接触しないように構成されたオフセット
内面を含む、骨鋸ガイドアセンブリと、を備
え、
前記挿入及び後退経路と垂直方向における前記第1の内面の幅は、前記垂直方向における前記オフセット内面の幅よりも狭く、
前記骨鋸は、前記近位表面から前記第1のガイドスロット内に挿入され、
前記第1の内面は、前記近位表面と接触する位置から前記遠位表面に向かって延在し、前記オフセット内面は、前記第1の内面の遠位側に位置し、前記遠位表面から近位方向に離間しており、
前記オフセット内面に置かれ、前記骨鋸に接触するように構成された複数のリブを更に備える、骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項15】
前記第1のガイドスロットが、前記挿入及び後退経路に沿って前記骨鋸をガイドしている間、前記骨鋸に接触するように構成された接触表面を含む、請求項
14に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項16】
前記オフセット
内面に対して遠位に配置されて
おり、前記遠位表面と接触する位置まで延在する第2の内面を更に含み、
前記垂直方向における前記第2の内面の幅は、前記第1の内面の前記幅と同一である、請求項
15に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【請求項17】
前記本体は、前記近位表面と前記遠位表面との間に配置された面取りされた角部であって、前記面取りされた角部及び前記近位表面が横方向に延在する入口スロットを画定する、面取りされた角部を含
み、
前記骨鋸ガイドアセンブリ
が第2のガイドスロットを含み、前記第1のガイドスロットが、前記横方向に延在する入口スロットから前記遠位表面を通って延在し、前記第2のガイドスロットが、前記横方向に延在する入口スロットから前記遠位表面を通って延在する
、請求項1または16に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部の例では、スロットを画定するブロックガイドを使用して、骨の様々な部分を取り除く際に骨鋸をガイドすることができる。一例としては、膝置換の間の膝面取りブロックガイドの使用が挙げられる。関節形成術とも呼ばれる膝置換は、関節炎又は重症な膝の故障により損傷した膝を表面修復する外科手技である。金属製及び/又はプラスチック製の補綴物を使用して、膝関節を形成する表面修復された大腿骨及び脛骨の端部を膝キャップと共にキャップする。膝の大腿骨部分を表面修復するために、大腿骨上に複数の切削を作製することができる。第1の切削が、大腿骨の端部に作製された後に、大腿骨の新しい露出表面に好適なサイズの膝面取りブロックガイドを取り付けることができる。対応する大腿骨の補綴物を取り付けるために大腿骨を好適に表面修復するため、骨鋸を膝面取りブロックガイドによって画定されたガイドスロットから挿入して、正確な切削を設けることができる。
【0002】
三次元(3D)印刷は、デジタルモデルから三次元固体物体を作製するために使用される、付加型印刷プロセスである。3D印刷は、迅速な試作品、製品製造、金型生成及び金型マスター生成に使用することができる。3D印刷技術は、材料の連続層の適用を伴うので、付加型プロセスと考えられる。これは、多くの場合、最終物体を作製するために材料の除去に依存する、従来の機械加工プロセスとは異なる。3D印刷では、様々な材料を使用することができる。例えば、ポリイミド、アルミド、チタン又は熱可塑性ポリウレタンなどの材料を、3D印刷に使用することができる。いくつかの3D印刷技術は、粉末を基礎材料として利用し、次いでこの粉末を所望の形状に変換して製品を形成する。例えば、レーザ焼結は、粉末の連続薄層、その次の層の上に1つの層を施用することを含む。粉末の各層の施用の間、レーザは、まだ粉末状態にある粉末層の所望の部分の上を移動し、標的とする粉末を一緒に焼結し、最終的に所望の形状を形成する。完了すると、未焼結粉末から最終製品を取り出すことができる。
【0003】
様々な種類の骨切削用ガイドブロックが作製され使用されてきたが、本発明者らの以前には、添付の特許請求の範囲に記載されている発明を誰も作製又は使用したことがないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にこの技術を特許請求する、特許請求の範囲により完結するが、本技術は、以下のある特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでよりよく理解されるものと考えられ、図面において同様の参照符号は同じ要素を特定する。
【
図1A】末期膝関節炎を有する膝の骨の斜視図である。
【
図1B】人工膝を取り付ける準備中に表面修復された後の、
図1Aの骨の斜視図である。
【
図1C】
図1Bの表面修復された骨に取り付けた人工膝の斜視図である。
【
図2】人工膝を取り付ける準備中、大腿骨を表面修復するために使用することができる、例示的な切削用ガイドブロックの斜視図である。
【
図3】
図2切削用ガイドブロックの別の斜視図である。
【
図4A】矢状面に沿って切り取られた、角度オフセット構成にある大腿骨及び脛骨の断面図である。
【
図4B】大腿骨の端部に横断方向切削を含む、矢状面に沿って切り取られた
図4Aの大腿骨の断面図である。
【
図4C】
図2の切削用ガイドブロックが
図4Bの第1の切削に取り付けられており、大腿骨表面に前方冠状切削を作製するために骨鋸が切削用ガイドブロックの冠状切削ガイドスロットから挿入されている、矢状面に沿って切り取られた
図4Aの大腿骨の断面図である。
【
図4D】
図2の切削用ガイドブロックが
図4Bの第1の切削に取り付けられており、大腿骨表面に後方冠状切削を作製するために骨鋸が切削用ガイドブロックの別の冠状切削ガイドスロットから挿入されている、
図4Aの大腿骨の矢状面に沿って切り取られた断面図である。
【
図4E】
図2の切削用ガイドブロックが
図4Bの第1の切削に取り付けられており、大腿骨表面に前方面取り切削を作製するために、骨鋸が切削用ガイドブロックの面取り切削ガイドスロットから挿入されている、矢状面に沿って切り取られた
図4Aの大腿骨の断面図である。
【
図4F】
図2の切削用ガイドブロックが
図4Bの第1の切削に取り付けられており、腿骨表面に後方面取り切削が作製するために、骨鋸が切削用ガイドブロックの別の面取り切削ガイドスロットから挿入されている、矢状面に沿って切り取られた
図4Aの大腿骨の断面図である。
【
図4G】大腿骨が好適に表面修復されて、大腿骨補綴物構成要素が大腿骨にぴったりと嵌っている、矢状面に沿って切り取られた
図4Aの大腿骨の断面図である。
【
図4H】大腿骨が適切に表面修復されて、
図4Gの大腿骨補綴物構成要素が大腿骨に好適に取り付けられている、矢状面に沿って切り取られた
図4Aの大腿骨の断面図である。
【
図5】人工膝を取り付ける準備中、大腿骨を表面修復するために使用することができる、別の例示的な切削用ガイドブロックの斜視図である。
【
図6】
図5の切削用ガイドブロックの別の斜視図である。
【
図7】
図5の線7-7に沿って切り取られた
図5の切削用ブロックの断面斜視図である。
【
図8】
図5の線7-7に沿って切り取られた
図5の切削用ブロックの側面断面図である。
【
図9】骨鋸がガイドスロットから挿入されている、
図5の線7-7に沿って切り取られた
図5の切削用ブロックの拡大側面断面図である。
【
図10】骨鋸がガイドスロットから挿入されている、
図5の線7-7に沿って切り取られた
図5の切削用ブロックの別の実施形態の拡大側面断面図である。
【0005】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本技術の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、その他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付の図面は、本技術のいくつかの態様を示しており、その説明と共に本技術の原理を説明するのに役立つものであるが、本技術は、示される厳密な配置構成に限定されないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本技術の特定の実施例の以下の説明文は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明により、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載される技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、その他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0007】
I.例示的な切削用ガイドブロック
図1Aに示されている膝と類似する、関節炎(12、22)又は他の重症な損傷を有する膝は、膝置換術の良好な候補となり得る。膝置換術では、個々の関節炎部分(12、22)(
図1Aに示されている)を有する大腿骨(10)及び脛骨(20)は、表面修復されて(
図1Bに示されている)、膝の損傷部分を取り除き、次に、個々の補綴物構成要素(30、40)(
図1Cに示されている)でキャップされる。表面修復済み脛骨(20)は、脛骨の補綴物構成要素(40)を収容するために、優れた横方向切削(24)しか必要としないことがある。しかし、表面修復済み大腿骨(10)は、大腿骨補綴物構成要素(30)を収容するために、複数の切削を必要とし得る。一部の例では、表面修復済み大腿骨(10)は、大腿骨補綴物構成要素(30)を収容するために大腿骨(10)を好適に表面修復するため、前方冠状切削(14)、後方冠状切削(15)、横断方向切削(16)、前方面取り切削(18)、及び後方面取り切削(19)を必要とすることがある。
【0008】
4つの切削の作製の際に、4つの切削が互いに対して正確に作製されるように、往復式骨鋸(90)をガイドするためにフォーインワン式(four-in-one)切削用ガイドブロック(60)を使用することができる。特に、以下に一層詳細に記載されているように、フォーインワン式切削用ガイドブロック(60)は、冠状切削(14、15)、及び面取り切削(18、19)の作製を補助することができる。
【0009】
切削用ガイドブロック(60)は、近位表面(62)、遠位表面(64)、第1の横方向縁部(70)、第2の横方向縁部(72)、上縁部(74)、及び底縁部(76)を含む。複数の貫通穴(66)が、近位表面(62)から遠位表面(64)まで延在している。貫通穴(66)は、切削用ガイドブロック(60)が表面修復中に大腿骨(10)に選択的に取り付けられ得るように、固定用構成要素を収容する寸法にされている。更に、遠位表面(64)の一部分は、切削用ガイドブロック(60)が大腿骨(10)に取り付けられているときに、横断方向切削(16)に隣接するように構成されている。
【0010】
上記のように、切削用ガイドブロック(60)は、4つの切削(14、15、18、19)を作製する際に、往復式骨鋸(90)をガイドするように構成されている。したがって、以下に一層詳細に記載されているとおり、切削用ガイドブロック(60)は、一対の冠状切削ガイドスロット(80)及び一対の面取り切削ガイドスロット(84、86)を画定する。
【0011】
冠状切削ガイドスロット(80)は、近位表面(62)から遠位表面(64)まで延在し、横方向縁部(70、72)の境界内部に延在する。
図4C~4Fに最良に見られるように、冠状切削ガイドスロット(80)の1つは、往復式骨鋸(90)をガイドして前方冠状切削(14)を実施するように、上縁部(74)の近傍に配置される一方、別の冠状ガイドスロット(80)は、往復式骨鋸(90)をガイドして後方冠状切削(15)を実施するように、低縁部(76)の近傍に配置されている。
【0012】
面取り切削入口スロット(82)は、近位表面(62)によって画定されている。面取り切削入口スロット(82)は、第1の面取り切削ガイドスロット(84)と第2の面取り切削ガイドスロット(86)とに分岐しており、それぞれが、遠位表面(64)に延在している。面取り切削入口スロット(82)は、骨鋸(90)もまた面取り切削ガイドスロット(84、86)のどちらか一方に更に延在することができるように、往復式骨鋸(90)を収容するような寸法にされている。第1の面取り切削ガイドスロット(84)は、往復式骨鋸(90)をガイドして前方面取り切削(18)を実施するように配置される一方、第2の面取り切削ガイドスロット(86)は、往復式骨鋸(90)をガイドして後方面取り切削(19)を実施するように配置されている。
【0013】
ガイドスロット(80、84、86)及び入口スロット(82)は、ガイドブロック(60)が1つの個々の部品に留まることができるように、横方向縁部(70、72)の間に配置されている。言い換えると、ガイドスロット(80、84、86)及び入口スロット(82)は、横方向縁部(70)から横方向縁部(72)まで全体にわたって延在する場合、ガイドブロック(60)は複数の部分に分割されることになり、これは、4つの骨切削(14、15、18、19)の互いに対する精密さ低下させるおそれがある。
【0014】
図4A~4Hは、膝の大腿骨部分(10)を表面修復及びキャップする例示的な過程を示している。
図4Aは、参照のため、オフセット角度の関係にある、患者の大腿骨(10)と脛骨(20)を示している。オフセット角度位置にある脛骨(20)の場合、大腿骨(10)の前方部分(11)は、脛骨(20)から離れる方向に面している一方、大腿骨(10)の後方部分(13)は、脛骨(20)の方向に面している。
【0015】
操作者は、挿入及び後退経路(2)に沿って、往復式骨鋸(90)を挿入することによって、大腿骨(10)上に横断方向切削(16)を、最初に作製することができる。本明細書の教示を鑑みて当業者に明白なように、任意の好適なガイド機構を使用して、経路(2)に沿って骨鋸(90)をガイドし、大腿骨(10)上に切削(16)を作製することができる。往復式骨鋸(90)は、経路(2)に沿って大腿骨(10)に対して挿入されている間、紙面の奥と手前との間で、したがって挿入及び後退経路(2)を横断して前後に往復運動して、切削(16)を作製することが理解されるべきである。したがって、骨鋸(90)は、大腿骨(10)上で横方向切削(16)を作製するために経路(2)に沿って挿入されているため、骨を切削する鋸動作を生み出しているのは紙面の奥と手前との間での運動であり、経路(2)に沿った運動ではない。
【0016】
次に、
図4Cで示されているように、切削用ガイドブロック(60)は、本明細書における教示を鑑みて当業者に明白な任意の手段を利用して、大腿骨(10)に取り付けることができる。例えば、ピン、軸などの固定要素は、切削用ガイドブロック(60)を大腿骨(10)に好適に取り付けるために、貫通穴(66)、及び切削(16)により露出された大腿骨(10)の部分に一時的に挿入され得る。このような固定要素は、切削過程が完了した後に取り除かれてもよい。切削用ガイドブロック(60)は、異なるサイズの補綴物(30)向けに、異なるサイズの状態にされてもよい。本明細書における教示を鑑みて当業者に明白であるように、操作者は、任意の好適な方法を使用して、どのサイズの切削用ガイドブロック(60)が使用されるべきかを判定することができる。
【0017】
次に、操作者は、大腿骨(10)に好適に取り付けられた適切なサイズの切削用ガイドブロック(60)を用いて、互いに対して適切なサイズにされた切削(14、15、18、19)を作製するために、往復式骨鋸(90)を様々なガイドスロット(80、84、86)に挿入することができる。したがって、
図4Cにやはり示されているとおり、操作者は、骨鋸(90)が近位表面(62)を介して上縁部(74)の近傍の冠状切削ガイドスロット(80)に入り、遠位表面(64)を過ぎて延在するように、挿入及び後退経路(4)に沿って往復式骨鋸(90)を挿入することによって前方冠状切削(14)を作製して、前方冠状切削(14)を完了することができる。次に、
図4Dに示されているとおり、操作者は、骨鋸(90)が近位表面(62)を介して底縁部(76)の近傍の冠状切削ガイドスロット(80)に入り、遠位表面(64)を過ぎて延在するように、挿入及び後退経路(6)に沿って往復式骨鋸(90)を挿入することによって後方冠状切削(15)を作製して、後方冠状切削(15)を完了することができる。
【0018】
往復式骨鋸(90)は、挿入及び後退経路(4、6)に沿って大腿骨(10)に挿入されている間、往復運動が個々の経路(4、6)に対して横方向の経路に沿うように、紙面の奥と手前との間での鋸動作で前後に往復運動して(14、15)を作製切削することを理解すべきである。したがって、骨鋸(90)は、大腿骨(10)に冠状切削(14、15)を作製するために経路(4、6)に沿って挿入されているため、骨を切削する鋸動作を生み出しているのは紙面の奥と手前との間での前後運動であり、経路(4、6)に沿った運動ではない。
【0019】
次に、
図4Eに示されているとおり、操作者は、骨鋸(90)が面取り切削入口スロット(82)に入り、第1の面取り切削ガイドスロット(84)に延在し、遠位表面(64)を過ぎて延在するように、挿入及び後退経路(8)に沿って往復式骨鋸(90)を挿入することによって前方面取り切削(18)を作製して、前方面取り切削(18)を完了することができる。次に、
図4Fに示されているとおり、操作者は、骨鋸(90)が面取り切削入口スロット(82)に入り、第2の面取り切削ガイドスロット(86)に延在し、遠位表面(64)を過ぎて延在するように、挿入及び後退経路(9)に沿って往復式骨鋸(90)を挿入することによって後方面取り切削(19)を作製して、後方面取り切削(19)を完了することができる。
【0020】
往復式骨鋸(90)は、挿入及び後退経路(8、9)に沿って大腿骨(10)に挿入されている間、往復運動が個々の経路(8、9)に対して横方向の経路に沿うように、紙面の奥と手前との間での鋸動作で前後に往復運動して切削(18、19)を作製することを理解すべきである。したがって、骨鋸(90)は、大腿骨(10)に面取り切削(18、19)を作製するために経路(8、9)に沿って挿入されているため、骨を切削する鋸動作を生み出しているのは、紙面の奥と手前との間での前後運動であり、経路(8、9)に沿った運動ではない。例は、切削(14、15、18、19)がある特定の順序で作製されることを示しているが、本明細書の教示を鑑みて当業者に明白となるように、切削(14、15、18、19)を作製する任意の他の好適な順序が利用されてもよいことを理解すべきである。
【0021】
次に、すべての切削(14、15、16、18、19)が作製されると、操作者は、本明細書の教示を鑑みて当業者に明白な任意の手段を利用することにより、切削用ガイドブロック(60)を好適に取り外すことができる。
図4Gに示されているとおり、操作者は、取り外された切削用ガイドブロック(60)を用いて、大腿骨補綴物構成要素(30)の相補的内面(32)と新しく作製された切削(14、15、16、18、19)とをぴったりと嵌めて、
図4Hに示されているとおり、大腿骨(10)上に、大腿骨補綴物構成要素(30)を挿入することができる。操作者は、本明細書における教示を鑑みて当業者に明白な任意の好適な手段を使用して、大腿骨(10)上の大腿骨補綴物構成要素(30)を連結することができる。例えば、骨セメントは、大腿骨補綴物構成要素(30)を大腿骨(10)と連結するために使用することができる。
【0022】
II.3D印刷したアンダーカット鋸スロットを有する代替的な例となる切削用ガイドブロック
正確な骨切削(14、15、18、19)を作製するために往復式骨鋸(90)を好適にガイドするため、鋸ガイドスロット(80、84、86)は、鋸動作の間、往復式骨鋸(90)を挿入/後退経路にぴったりと嵌った状態を維持するほど十分に狭いことが望ましい場合がある。骨鋸(90)は、
図4C~4Fに示されるそれぞれの視点から見て、紙面の奥と手前との間で前後に往復するため、骨鋸(90)は、骨を切削するために、切削用ガイドブロック(60)の使用中に、鋸ガイドスロット(80、84、86)を画定する内面を骨鋸(90)と接触させることができる。骨鋸(90)が往復運動している間の、骨鋸(90)と、鋸ガイドスロット(80、84、86)を画定する内面との接触は、摩擦接触により、多量の熱エネルギーの蓄積を引き起こし得る。このような摩擦からあまりにも多量の熱が蓄積すると、骨鋸(90)のゆがみ又は弱化、鋸ガイドスロット(80、84、86)を画定する内面のゆがみ若しくはこの内面への他の構造的な破損、骨への熱的破損、又は他の望ましくない結果などの、望ましくない結果が起こり得る。したがって、骨鋸(90)が挿入/後退経路にぴったりと嵌った状態を好適に維持することが依然として可能であるが、骨鋸(90)とガイドスロット(80、84、86)の内面との間の接触を少なくし、これにより摩擦を低減し、これにより過度な熱エネルギーの蓄積を防止する鋸ガイドスロット(80、84、86)を有する切削用ガイドブロック(60)を有することが望ましい場合がある。
【0023】
図5~7は、4つの切削が互いに対して正確に作製されるように、4つの切削の作製の際に往復式骨鋸(90)をガイドするために使用され得る、例示的な3D印刷されたフォーインワン式切削用ガイドブロック(160)を示している。本発明の教示を鑑みて当業者に明白であるように、任意の好適な3D印刷過程を利用して、フォーインワン式切削用ガイドブロック(160)を形成することができる。切削用ガイドブロック(160)は、上で記載されている切削用ガイドブロック(60)と実質的に類似しており、差異は、以下に詳しく述べられている。したがって、フォーインワン式切削用ガイドブロック(160)は、冠状切削(14、15)、及び面取り切削(18、19)の作製を補助することができる。しかし、切削用ガイドブロック(160)は、ガイドスロット(180、184、186)を有しており、これらのそれぞれは、骨鋸(90)により隙間を画定するような寸法にされている凹型中間内面(114)を有している一方、骨鋸(90)は、骨を鋸で切るためのガイドスロット(180、184、186)内で往復運動する。
【0024】
切削用ガイドブロック(160)は、近位表面(162)、遠位表面(164)、第1の横方向縁部(170)、第2の横方向縁部(172)、上縁部(174)及び底縁部(176)を含む。複数の貫通穴(166)が、近位表面(162)から遠位表面(164)まで延在している。貫通穴(166)は、固定用構成要素(例えば、軸、ピンなど)を収容する寸法にされており、こうして、切削用ガイドブロック(160)は、表面修復中、大腿骨(10)に選択的に取り付けることができる。更に、遠位表面(164)の一部分は、切削用ガイドブロック(160)が大腿骨(10)に取り付けられているときに、横断方向切削(16)に隣接するように構成されている。
【0025】
上記のように、切削用ガイドブロック(160)は、4つの切削(14、15、18、19)を作製する際に、往復式骨鋸(90)をガイドするように構成されている。したがって、上に記載されている切削用ガイドブロック(60)と同様に(以下に差異が詳細に述べられている)、切削用ガイドブロック(160)は、一対の冠状切削ガイドスロット(180)及び一対の面取り切削ガイドスロット(184、186)を画定する。
【0026】
冠状切削ガイドスロット(180)は、近位表面(162)から遠位表面(164)まで延在し、横方向縁部(170、172)の間に延在している。
図8に最良に見られるように、冠状切削ガイドスロット(180)の1つは、往復式骨鋸(90)をガイドして前方冠状切削(14)を実施するように、上縁部(174)の近傍に配置される一方、別の冠状ガイドスロット(180)は、往復式骨鋸(90)をガイドして後方冠状切削(15)を実施するように、低縁部(176)の近傍に配置されている。
【0027】
面取り切削入口スロット(182)は、近位表面(162)によって画定されている。面取り切削入口スロット(182)は、第1の面取り切削ガイドスロット(184)と第2の面取り切削ガイドスロット(186)に分岐しており、それぞれが、遠位表面(164)に延在している。面取り切削入口スロット(182)は、往復式骨鋸(90)を収容するような寸法にされており、こうして、骨鋸(90)はまた、面取り切削ガイドスロット(184、186)のどちらか一方に更に延在することができる。特に、面取り切削入口スロット(182)は、骨鋸(90)を第1の面取り切削ガイドスロット(184)にガイドするように構成された表面(190)に第1のリードを含む一方、面取り切削入口スロット(182)は、骨鋸(90)を第2の面取り切削ガイドスロット(186)にガイドするように構成された表面(192)に、第2のリードを含む。更に、面取り切削入口スロット(182)は、3つの面取りされた縁部(188)によって部分的に画定されている。第1の面取り切削ガイドスロット(184)は、往復式骨鋸(90)をガイドして前方面取り切削(18)を実施するように配置され、第2の面取り切削ガイドスロット(186)は、往復式骨鋸(90)をガイドして後方面取り切削(19)を実施するように配置されている。
【0028】
ガイドスロット(180、184、186)は、切削用ガイドブロック(160)が1つの個々の部品に留まることができるように、横方向縁部(170、172)の間に配置されている。言い換えると、ガイドスロット(180、184、186)は、横方向縁部(170)から横方向縁部(172)まで全体にわたって延在する場合、切削用ガイドブロック(160)は複数の部品に分割されることになり、これは、4つの骨切削(14、15、18、19)の互いに対する精密さを低下させるおそれがある。
【0029】
上記のとおり、従来では、ガイドスロット(80、84、86)は、上の説明に従って骨を鋸切削している間、骨鋸(90)を好適にガイドするよう、ガイドスロット(80、84、86)の全長に沿って平坦かつ真っ直ぐな側壁と一緒になって狭くなっている。しかし、本例の切削用ガイドブロック(160)は、3D印刷などの付加型プロセスにより製造されるので、ガイドスロット(180、184、186)は、骨鋸(90)を好適にガイドしている間、骨鋸(90)との接触を最小限にするように構成された寸法に変更することができる。ガイドスロット(180、184、186)の、従来的な成形技術及び/又は機械加工技術を使用するこのような寸法の変更は、可能とはなり得ない。
【0030】
本例では、各ガイドスロット(180、184、186)は、一対の近位内面(110)、一対の遠位内面(112)及び一対の中間内面(114)を含む。近位内面(110)及び遠位内面(112)は、どちらも、上の説明に従う例示的な使用の間、骨鋸(90)を好適にガイドするような寸法にされている。したがって、骨鋸(90)は、
図9で上から見て、紙面の奥と手前との間での鋸動作で往復運動をするので、近位内面(110)及び遠位内面(112)は、骨鋸(90)に接触することがある。この往復運動は、摩擦による熱を発生することがある。しかし、中間内面(114)は、近位内面(110)及び遠位内面(112)から離れて凹んでいる。言い換えると、中間内面(114)は、近位内面(110)及び遠位内面(112)と比べて、挿入及び後退経路(4、6、8、9)から離れてある距離だけオフセットされる。したがって、
図9に最良に示されているとおり、骨鋸(90)は、上から見て、紙面の奥と手前との間で前後に往復運動するため、骨鋸(90)は、中間内面(114)に接触することはなく、そのため、上記の切削用ガイドブロック(60)のガイドスロット(80、84、86)と比べて、熱エネルギーはそれほど蓄積されない。近位内面(110)及び遠位内面(112)は、依然として、骨鋸(90)と十分に接触しており、こうして、骨鋸(90)は、挿入及び後退経路(4、6、8、9)に好適にぴったりと嵌められていることを理解すべきである。面取りされた縁部(188)もまた、面取り切削入口スロット(182)から挿入されると、骨鋸(90)との摩擦を低減することができる。
【0031】
本例では、中間内面(114)は、骨鋸(90)に接触しないよう、挿入及び後退経路(4、6、8、9)から離れてオフセットされる一方、近位内面(110)及び遠位内面(112)は、骨鋸(90)に接触してこれをガイドする。しかし、このパターンは、単なる任意選択に過ぎない。
図10は、上記のガイドスロット(180、184、186)の代わりに使用することができる、代替ガイドスロット(280)を示している。ガイドスロットは、近位内面(210)、遠位内面(212)及び中間内面(214)を有しており、これらは、上記の近位内面(110)、遠位内面(112)及び中間内面(114)に実質的に類似している。しかし、中間内面はまた、骨鋸(90)が挿入及び後退経路(4、6、8、9)にぴったりと嵌った状態を維持させるために、骨鋸(90)に接触するようやはり構成された複数のリブ(220)を備える。リブ(220)により、近位内面(210)及び遠位内面(212)は、従来の近位内面(110)及び遠位内面(112)より短くすることが可能となる。リブ(220)は、一層厚い基材を使用した台形で示されている矩形、又は本明細書の教示を鑑みて当業者に明白な任意の他の好適な形状とすることができる。リブ(220)の端部は、平坦である代わりに、点とすることができる。リブ(220)は、ガイドスロットの全長を動くことができるか、又はリブ(220)は、中間内面(214)に沿った様々な位置に個別に置かれてもよい。
【0032】
本明細書の教示を鑑みて当業者に明白なように、挿入及び後退経路(4、6、8、9)から離れてオフセットされた表面の任意の好適なパターンが使用され得る。例えば、スロット(180、184、186)の内面は、1つ又は複数の方向に、起伏様式、ジグザグ様式又は段々様式などの繰り返し様式で、挿入及び後退経路(4、6、8、9)からオフセットされ得る。骨鋸(90)に接触しているスロット(180、184、186)の内面の一部分により、骨鋸(90)は挿入及び後退経路(4、6、8、9)と十分にぴったりと嵌ることができることを依然として理解すべきである。
【0033】
III.例示的な組合せ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、種々の非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではないと理解すべきである。一切の棄権を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の種々の教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられている。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも、考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されないかぎり、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0034】
(a)本体であって、(i)近位表面、(ii)遠位表面、(iii)第1の側面、及び(iv)第2の側面を含む、本体と、(b)本体によって画定された第1のガイドスロットを含む骨鋸ガイドアセンブリであって、第1のガイドスロットが、挿入及び後退経路に沿って、近位表面及び遠位表面を通って延在し、第1のガイドスロットが、第1の側面と第2の側面との間に延在し、第1のガイドスロットが、挿入及び後退経路に沿って骨鋸をガイドしている間、骨鋸の横方向の移動に適応するように構成され、第1のガイドスロットが、第1の内面及び第2の内面を含み、第1の内面が、挿入及び後退経路から離れて横方向に第1の距離だけ離間され、第2の内面が、挿入及び後退経路から離れて横方向に第2の距離だけ離間され、第1の距離が、第2の距離よりも短い、骨鋸ガイドアセンブリと、を備える、骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例2】
【0035】
第1の内面が、挿入及び後退経路に沿って骨鋸をガイドしている間、骨鋸に接触するように構成され、第1の内面は、挿入及び後退経路に沿って骨鋸をガイドしている間、第2の内面が骨鋸に接触しないように構成されている、実施例1に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例3】
【0036】
本体が、上縁部を含み、第1のガイドスロットが、上縁部に向かって斜角で遠位に延在している、実施例1~2のいずれか1つ以上に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例4】
【0037】
骨鋸ガイドアセンブリが、本体によって画定された第2のガイドスロットを更に含み、第2のガイドスロットが、近位表面及び遠位表面を通って延在し、第2のガイドスロットが、第1の側面と第2の側面との間に延在している、実施例3に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例5】
【0038】
本体が、底縁部を備え、第2のガイドスロットが、底縁部に向かって斜角で遠位に延在している、実施例4に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例6】
【0039】
第1のガイドスロット及び第2のガイドスロットが、近位表面によって画定された入口スロットに近位で終端している、実施例5に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例7】
【0040】
本体が、入口スロットの一部分、第1のガイドスロットの一部分及び第2のガイドスロットの一部分を画定する、第1の面取りされた角部(corned)を更に備える、実施例6に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例8】
【0041】
本体が、第1のガイドスロットの一部分を画定する第2の面取りされた角部を更に備える、実施例7に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例9】
【0042】
本体が、第2のガイドスロットの一部分を画定する第3の面取りされた角部を更に備える、実施例8に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例10】
【0043】
本体が、近位表面及び遠位表面を通って延在する複数の貫通穴を画定する、実施例1~9のいずれか1つ以上に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例11】
【0044】
第2の内面に置かれた複数のリブを更に備える、実施例1~10のいずれか1つ以上に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例12】
【0045】
第1のガイドスロットが第3の内面を含み、第3の内面が、挿入及び後退経路から離れて第1の距離だけ離間されている、実施例11に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例13】
【0046】
第3の内面が、第2の内面に対して遠位にある、実施例12に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例14】
【0047】
第1の内面が、第2の内面に対して近位にある、実施例13に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例15】
【0048】
本体が、表面修復された大腿骨に選択的に取り付けるように構成されている、実施例1~14のいずれか1つ以上に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例16】
【0049】
(a)本体であって、(i)近位表面、(ii)遠位表面、(iii)第1の側面、及び(iv)第2の側面を含む、本体と、(b)本体によって画定された第1のガイドスロットを含む骨鋸ガイドアセンブリであって、第1のガイドスロットが、挿入及び後退経路に沿って、近位表面及び遠位表面を通って延在し、第1のガイドスロットが、挿入及び後退経路に沿って骨鋸をガイドしている間、骨鋸の横方向の移動に適応するように構成され、第1のガイドスロットは、第1の内面が挿入及び後退経路に沿って骨鋸をガイドしている間、骨鋸に接触しないように構成されたオフセット表面を含む、骨鋸ガイドアセンブリと、を備える、骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例17】
【0050】
オフセット表面が、近位表面と遠位表面との間に配置されている、実施例16に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例18】
【0051】
第1のガイドスロットが、挿入及び後退経路に沿って骨鋸をガイドしている間、骨鋸に接触するように構成された接触表面を含む、実施例17に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例19】
【0052】
接触表面が、オフセット表面に対して近位表面及び遠位に配置されている、実施例18に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【実施例20】
【0053】
(a)本体であって、(i)近位表面、(ii)遠位表面、並びに(iii)近位表面と遠位表面との間に配置された面取りされた角部であって、面取りされた角部及び近位表面が横方向に延在する入口スロットを画定する、面取りされた角部を含む、本体と、(b)骨鋸ガイドアセンブリであって、骨鋸ガイドアセンブリが第1のガイドスロット及び第2のガイドスロットを含み、第1のガイドスロットが、横方向に延在する入口スロットから遠位表面を通って延在し、第2のガイドスロットが、横方向に延在する入口スロットから遠位表面を通って延在する、骨鋸ガイドアセンブリと、を備える、骨鋸切削用ガイドブロック。
【0054】
IV.その他
本明細書に記載の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は複数を、本明細書に記載の他の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は複数と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、当業者には直ちに明らかとなろう。このような改変及び変形形態は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0055】
本明細書に参考として組み込まれると言及されたいかなる特許、公報、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれる、と理解されなければならない。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとするが、既存の定義、記述、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、組み込まれる文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲でしか組み込まれないものとする。
【0056】
以上、本発明の種々の実施形態を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な改変により、本明細書に記載される方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。このような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかとなるであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして、理解されたい。
【0057】
〔実施の態様〕
(1) (a)本体であって、
(i)近位表面、
(ii)遠位表面、
(iii)第1の側面、及び
(iv)第2の側面、を含む、本体と、
(b)前記本体によって画定された第1のガイドスロットを含む骨鋸ガイドアセンブリであって、前記第1のガイドスロットが、挿入及び後退経路に沿って、前記近位表面及び前記遠位表面を通って延在し、前記第1のガイドスロットが、前記第1の側面と前記第2の側面との間に延在し、前記第1のガイドスロットが、前記挿入及び後退経路に沿って骨鋸をガイドしている間、前記骨鋸の横方向の移動に適応するように構成され、前記第1のガイドスロットが、第1の内面及び第2の内面を含み、前記第1の内面が、前記挿入及び後退経路から離れて横方向に第1の距離だけ離間され、前記第2の内面が、前記挿入及び後退経路から離れて横方向に第2の距離だけ離間され、前記第1の距離が、前記第2の距離よりも短い、骨鋸ガイドアセンブリと、を備える、骨鋸切削用ガイドブロック。
(2) 前記第1の内面が、前記挿入及び後退経路に沿って前記骨鋸をガイドしている間、前記骨鋸に接触するように構成され、前記第2の内面は、前記第1の内面が前記挿入及び後退経路に沿って前記骨鋸をガイドしている間、前記骨鋸に接触しないように構成されている、実施態様1に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
(3) 前記本体が、上縁部を含み、前記第1のガイドスロットが、前記上縁部に向かって斜角で遠位に延在している、実施態様1に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
(4) 前記骨鋸ガイドアセンブリが、前記本体によって画定された第2のガイドスロットを更に含み、前記第2のガイドスロットが、前記近位表面及び前記遠位表面を通って延在し、前記第2のガイドスロットが、前記第1の側面と前記第2の側面との間に延在している、実施態様3に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
(5) 前記本体が、底縁部を備え、前記第2のガイドスロットが、前記底縁部に向かって斜角で遠位に延在している、実施態様4に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【0058】
(6) 前記第1のガイドスロット及び前記第2のガイドスロットが、前記近位表面によって画定された入口スロットに近位に終端している、実施態様5に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
(7) 前記本体が、前記入口スロットの一部分、前記第1のガイドスロットの一部分及び前記第2のガイドスロットの一部分を画定する、第1の面取りされた角部を更に備える、実施態様6に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
(8) 前記本体が、前記第1のガイドスロットの一部分を画定する第2の面取りされた角部を更に備える、実施態様7に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
(9) 前記本体が、前記第2のガイドスロットの一部分を画定する第3の面取りされた角部を更に備える、実施態様8に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
(10) 前記本体が、前記近位表面及び前記遠位表面を通って延在する複数の貫通穴を画定する、実施態様1に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【0059】
(11) 前記第2の内面に置かれた複数のリブを更に備える、実施態様1に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
(12) 前記第1のガイドスロットが第3の内面を含み、前記第3の内面が、前記挿入及び後退経路から離れて第1の距離だけ離間されている、実施態様11に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
(13) 前記第3の内面が、前記第2の内面に対して遠位にある、実施態様12に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
(14) 前記第1の内面が、前記第2の内面に対して近位にある、実施態様13に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
(15) 前記本体が、表面修復された大腿骨に選択的に取り付けるように構成されている、実施態様1に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
【0060】
(16) (a)本体であって、
(i)近位表面、
(ii)遠位表面、
(iii)第1の側面、及び
(iv)第2の側面を含む、本体と、
(b)前記本体によって画定された第1のガイドスロットを含む骨鋸ガイドアセンブリであって、前記第1のガイドスロットが、挿入及び後退経路に沿って、前記近位表面及び前記遠位表面を通って延在し、前記第1のガイドスロットが、前記挿入及び後退経路に沿って骨鋸をガイドしている間、前記骨鋸の横方向の移動に適応するように構成され、前記第1のガイドスロットは、前記第1の内面が前記挿入及び後退経路に沿って前記骨鋸をガイドしている間、前記骨鋸に接触しないように構成されたオフセット表面を含む、骨鋸ガイドアセンブリと、を備える、骨鋸切削用ガイドブロック。
(17) 前記オフセット表面が、前記近位表面と前記遠位表面との間に配置されている、実施態様16に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
(18) 前記第1のガイドスロットが、前記挿入及び後退経路に沿って前記骨鋸をガイドしている間、前記骨鋸に接触するように構成された接触表面を含む、実施態様17に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
(19) 前記接触表面が、前記オフセット表面に対して近位及び遠位に配置されている、実施態様18に記載の骨鋸切削用ガイドブロック。
(20) (a)本体であって、
(i)近位表面、
(ii)遠位表面、並びに
(iii)前記近位表面と前記遠位表面との間に配置された面取りされた角部であって、前記面取りされた角部及び前記近位表面が横方向に延在する入口スロットを画定する、面取りされた角部を含む、本体と、
(b)骨鋸ガイドアセンブリであって、前記骨鋸ガイドアセンブリが第1のガイドスロット及び第2のガイドスロットを含み、前記第1のガイドスロットが、前記横方向に延在する入口スロットから前記遠位表面を通って延在し、前記第2のガイドスロットが、前記横方向に延在する入口スロットから前記遠位表面を通って延在する、骨鋸ガイドアセンブリと、を備える、骨鋸切削用ガイドブロック。