(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】スキャンサービスを提供するサーバ、プログラム、および方法
(51)【国際特許分類】
H04L 51/04 20220101AFI20240401BHJP
H04L 67/02 20220101ALI20240401BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
H04L51/04
H04L67/02
H04N1/00 127A
(21)【出願番号】P 2019232161
(22)【出願日】2019-12-23
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】松本 義高
【審査官】岩田 玲彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0050326(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/04
H04L 67/02
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキャンサービスを提供するサーバであって、
チャット機能を提供するチャットサーバから、第1の要求を受信する第1の受信手段と、
前記第1の要求を受信した場合に、スキャン設定に必要な設定項目に関する情報を送信する第1の送信手段と、
前記送信した設定項目に関する情報に基づき情報処理端末において指定されたスキャン設定に関するスキャン設定情報と、投稿先の識別情報とを受信する第2の受信手段と、
前記第2の受信手段で受信した前記スキャン設定情報と前記投稿先の識別情報とを保存する保存手段と、
スキャン機能を有する装置から取得要求を受信する第3の受信手段と、
前記第3の受信手段で前記取得要求を受信した場合に、前記保存手段に保存されているスキャン設定情報を前記装置に送信する第2の送信手段と、
前記装置において前記スキャン設定情報にしたがってスキャン処理を行うことにより生成されたスキャン画像データを、前記装置から受信する第4の受信手段と、
前記第4の受信手段で受信したスキャン画像データに関する情報を、前記投稿先の識別情報によって識別される投稿先に投稿するように要求する第3の送信手段と
を有することを特徴とするサーバ。
【請求項2】
前記第1の要求は、前記チャットサーバにより提供される前記チャット機能を利用する前記情報処理端末において、前記チャット機能に連携する外部サービスとして前記スキャンサービスがユーザにより選択されたことに応じて、前記チャットサーバから送信される、ことを特徴とする請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記第1の送信手段で送信される前記スキャン設定に必要な設定項目に関する情報には、カラー/白黒設定、スキャン解像度の設定、用紙サイズの設定、画像データのフォーマットの設定、の少なくともいずれかが含まれる、ことを特徴とする請求項1または2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記第2の受信手段で受信する前記投稿先の識別情報は、前記情報処理端末において前記スキャン設定を指定する際に選択された特定の投稿またはグループを識別するための情報である、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記保存手段は、前記スキャン設定情報と、前記投稿先の識別情報と、表示期間とを、スキャン情報として保存することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記スキャン情報には、当該スキャン情報を識別するための名称が更に含まれることを特徴とする請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
前記第2の送信手段は、前記第3の受信手段で前記取得要求を受信した場合に、前記保存手段に保存されている前記スキャン設定情報を含む前記スキャン情報を、前記装置に送信することを特徴とする請求項5または6に記載のサーバ。
【請求項8】
前記第4の受信手段で受信したスキャン画像データを、ストレージサーバに登録する登録手段を更に有し、
前記第3の送信手段により前記投稿先の識別情報によって識別される投稿先に投稿するように要求する前記スキャン画像データに関する情報は、前記登録手段により前記ストレージサーバに登録された登録先を識別するための情報であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項9】
コンピュータを、請求項1乃至8の何れか1項に記載のサーバの各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
スキャンサービスを提供する
サーバにより実行される方法であって、
チャット機能を提供するチャットサーバから、第1の要求を受信する第1の受信工程と、
前記第1の要求を受信した場合に、スキャン設定に必要な設定項目に関する情報を送信する第1の送信工程と、
前記送信した設定項目に関する情報に基づき情報処理端末において指定されたスキャン設定に関するスキャン設定情報と、投稿先の識別情報とを受信する第2の受信工程と、
前記第2の受信工程で受信した前記スキャン設定情報と前記投稿先の識別情報とを
、前記サーバの保存手段に保存する保存工程と、
スキャン機能を有する装置から取得要求を受信する第3の受信工程と、
前記第3の受信工程で前記取得要求を受信した場合に、前記保存手段に保存されているスキャン設定情報を前記装置に送信する第2の送信工程と、
前記装置において前記スキャン設定情報にしたがってスキャン処理を行うことにより生成されたスキャン画像データを、前記装置から受信する第4の受信工程と、
前記第4の受信工程で受信したスキャン画像データに関する情報を、前記投稿先の識別情報によって識別される投稿先に投稿するように要求する第3の送信工程と
を有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャン画像データをビジネスチャット等のSNS(Social Networking Service)に容易に投稿するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置において、スキャンの設定を予め記憶しておき、当該設定を読込むことで設定操作を省略する技術が存在する。スキャン設定として、スキャン画像データの送信先(例えば、メールアドレスや、サーバのフォルダ)を設定することも可能である。そして、画像形成装置上の操作画面に、このスキャン設定をスキャン送信ボタンとして表示し、ユーザが選択したボタンに対応するスキャン設定にしたがって、画像形成装置がスキャン処理を実行し、当該設定されている送信先に送信することもある。
【0003】
また、特許文献1には、SNSサイトの投稿に対して、スキャン文書付きでコメントを送信するためのコメントチケットを作成する技術を開示している。特許文献1では、クライアントPCのブラウザを用いて、SNSサイトの投稿を閲覧している際に、ユーザがコメントチケット作成ボタンを指定すると、当該閲覧中の投稿に対するコメントを投稿するためのコメントチケットが作成される。そして、画像形成装置において、当該作成されたコメントチケットがユーザにより選択されると、スキャン文書を文書管理サイトに格納するとともに、当該登録したスキャン文書の格納先URLとコメントとを、SNSサイトの前記投稿に対するコメントとして送信する。特許文献1では、このように構成することにより、SNSサイトの投稿内容に対して、スキャン文書付きのコメントを簡単な操作で送信できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1では、SNSサイト自体がコメントチケット作成ボタンを表示し、コメントチケットを生成する機能を備える必要があった。また、特許文献1のコメントチケットでは、コメントの送信先となる投稿を特定することはできるが、スキャン解像度などのスキャン設定を予め指定しておくことはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のサーバは、スキャンサービスを提供するサーバであって、チャット機能を提供するチャットサーバから、第1の要求を受信する第1の受信手段と、前記第1の要求を受信した場合に、スキャン設定に必要な設定項目に関する情報を送信する第1の送信手段と、前記送信した設定項目に関する情報に基づき情報処理端末において指定されたスキャン設定に関するスキャン設定情報と、投稿先の識別情報とを受信する第2の受信手段と、前記第2の受信手段で受信した前記スキャン設定情報と前記投稿先の識別情報とを保存する保存手段と、スキャン機能を有する装置から取得要求を受信する第3の受信手段と、前記第3の受信手段で前記取得要求を受信した場合に、前記保存手段に保存されているスキャン設定情報を前記装置に送信する第2の送信手段と、前記装置において前記スキャン設定情報にしたがってスキャン処理を行うことにより生成されたスキャン画像データを、前記装置から受信する第4の受信手段と、前記第4の受信手段で受信したスキャン画像データに関する情報を、前記投稿先の識別情報によって識別される投稿先に投稿するように要求する第3の送信手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ビジネスチャットと連携可能なスキャンサービスを提供することにより、スキャン機能を有する装置から、ビジネスチャットに簡単にスキャン画像データを送信できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】画像処理システムを構成するサーバ及び情報処理端末の構成例を示す図である。
【
図4】画像形成装置の操作部の構成例を示す図である。
【
図5】画像処理システムのスキャン情報生成処理手順を説明するフローチャートである。
【
図6】情報処理端末の実行する処理手順を説明するフローチャートである。
【
図7A】情報処理端末の操作部に表示するビジネスチャットアプリケーション画面の一例を示す図である。
【
図7B】ビジネスチャットアプリケーション画面において、スキャン情報設定画面が呼び出されたときの画面の例を示す図である。
【
図7C】スキャン情報設定画面の詳細を示す図である。
【
図8】画像処理システムのスキャン処理手順を説明するフローチャートである。
【
図9】画像形成装置の実行する処理手順を説明するフローチャートである。
【
図10】画像生成装置機能拡張サーバの実行する処理手順を説明するフローチャートである。
【
図11】画像形成装置の操作部に表示する画面の一例を示す図である。
【
図12】情報処理端末103の操作部に表示する画面の一例を示す図である。
【
図13】画像生成装置機能拡張サーバの実行する処理手順を説明するフローチャートである。
【
図14】情報処理端末103の操作部に表示する画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施例1〕
図1は、本実施例における画像処理システムの構成の一例を表す図である。画像処理システムは、画像形成装置101、102と、情報処理端末103、104と、ビジネスチャットサーバ105と、ストレージサーバ107と、機能拡張サーバ108とを有する。これらの各装置および各サーバは、ネットワーク106により相互に接続されて、通信可能である。
【0010】
図1では、画像形成装置101、102が2つである場合を例に挙げて示すが、画像形成装置の数は任意(1つまたは2以上)である。以下では、画像形成装置101、102を代表して画像形成装置101について説明し、画像形成装置102についての詳細な説明を省略する。尚、ネットワーク106は、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、Internet等、画像処理システム内の装置が相互に通信できるものであればよい。
【0011】
本実施例では、画像形成装置101として、スキャン機能、印刷機能、複写機能などを備える複合機を例にして説明するが、複合機に限るものではない。例えば、スキャン機能を備える装置であれば、後述する本発明の処理を実行可能である。なお、スキャン機能とは、画像形成装置101に備わるスキャナで文書を読み取ることにより生成した画像データを外部に送信したりする機能である。また、印刷機能とは、情報処理端末103、104などから受信した印刷データを印刷する機能である。また複写機能では、スキャナで読み取った文書の画像データを印刷することにより、文書の複写物を得る機能である。
【0012】
なお、後述するように、本実施例の画像形成装置101は、機能拡張サーバ108に対して、スキャン時の設定に係るスキャン情報の取得依頼をしたり、文書をスキャンして作成した画像データを送信して画像登録の依頼をしたりすることが可能である。
【0013】
ビジネスチャットサーバ105は、企業内のグループに属するメンバー間において、オンライン上でチャット形式で情報共有等のコミュニケーションを行うためのビジネスチャット機能(社内SNS機能とも呼ばれる)を提供するサーバである。ビジネスチャットサーバ105が実行するビジネスチャットアプリケーションは、外部サービスと連携動作するためのAPIを備える。実施例では、後述するように、ビジネスチャットサーバは、このAPIを用いて、機能拡張サーバと連携動作することにより、画像形成装置でスキャンした画像データをビジネスチャット上で簡単に共有できるようにする。なお、本実施形態では、ビジネスチャットを例にして説明するが、ビジネス目的に限るものではなく、チャット機能(SNS機能)を有するチャットサーバでも実現可能である。
【0014】
機能拡張サーバ108は、画像形成装置101から受信した画像データをストレージサーバ107に送信し、保存を依頼することが可能である。また、保存した画像データの識別情報をストレージ107から受信し、画像データの識別情報をビジネスチャットサーバ105へ送信して、ビジネスチャットに投稿を依頼することが可能である。
【0015】
なお、
図1では、ビジネスチャットサーバ105、ストレージサーバ107および機能拡張サーバ108をそれぞれ1台ずつ記載しているが、1台に限るものではなく複数台で構成されてもよい。また、これらのサーバは、クラウドサービス上で実現される仮想サーバであってもよい。
【0016】
図2は、画像形成装置101の構成の一例を表す図である。画像形成装置101は、コントローラ201、プリンタ202、スキャナ203、および操作部204を有する。コントローラ201は、CPU211、RAM212、HDD213、ネットワークI/F214、プリンタI/F215、スキャナI/F216、操作部I/F217、および拡張I/F218を有する。CPU211は、RAM212、HDD213、ネットワークI/F214、プリンタI/F215、スキャナI/F216、操作部I/F217、および拡張I/F218とデータを授受することが可能である。また、CPU211は、HDD213から読み出した命令(コンピュータプログラム)をRAM212に展開し、RAM212に展開した命令を実行することにより、後述する各処理の実行を制御する。
【0017】
HDD213は、CPU211で実行可能な命令、画像形成装置101で使用する設定値、およびユーザから依頼された処理に関するデータ等を記憶しておくことが可能である。RAM212は、CPU211がHDD213から読み出した命令を一時的に格納するための領域である。またRAM212は、命令の実行に必要な各種のデータを記憶しておくことも可能である。たとえば画像処理では、入稿されたデータをRAM212に展開することで処理を行うことが可能である。
【0018】
ネットワークI/F214は、画像形成システム内の装置とネットワーク通信を行うためのインターフェイスである。ネットワークI/F214は、データ受信を行ったことをCPU211に伝達することや、CPU211からの指示にしたがって、RAM212上のデータをネットワーク106に送信することが可能である。
【0019】
プリンタI/F215は、CPU211からの指示にしたがって印刷対象の印刷データをプリンタ202に送信したり、プリンタ202から受信したプリンタの状態をCPU211に伝達することが可能である。
【0020】
スキャナI/F216は、CPU211から指示された画像読み取り指示をスキャナ203に送信したり、スキャナ203から受信した画像データをCPU211に伝達したり、スキャナ203から受信した当該スキャナの状態の情報をCPU211に伝達したりすることが可能である。
【0021】
操作部I/F217は、操作部204を介して為されたユーザからの指示をCPU211に伝達したり、ユーザが操作するための画面情報を操作部204に表示させたりことが可能である。拡張I/F218は、画像形成装置101に外部機器を接続することを可能とするインターフェイスである。拡張I/F218は、例えば、USB(Universal Serial Bus)形式のインターフェイスを具備する。画像形成装置101は、USBメモリ等の外部記憶装置が拡張I/F218に接続されることにより、当該外部記憶装置に記憶されているデータの読み取りおよび当該外部記憶装置に対するデータの書き込みを行うことが可能である。
【0022】
プリンタ202は、プリンタI/F215を介して受信した画像データを用紙に印刷することができ、また、プリンタ202の状態をプリンタI/F215に伝達することもできる。スキャナ203は、スキャナI/F216を介して受信した画像読み取り指示に従って、スキャナに置かれた文書(用紙)を読み取ることによって得た画像データをスキャナI/F216に伝達することが可能である。また、スキャナ203は、スキャナの状態をスキャナI/F216に伝達することも可能である。操作部204は、ユーザの操作に基づいて、画像形成装置101に対して各種の指示を行うためのインターフェイスである。例えば、操作部204は、タッチパネル液晶画面を具備し、操作画面を表示すると共に、ユーザからの操作を受け付ける。なお操作部204の詳細は後述する。
【0023】
図3(a)は、ビジネスチャットサーバ105の構成例である。ビジネスチャットサーバ105は、CPU301、RAM302、HDD303、ネットワークI/F304から構成される。CPU301は、装置全体の制御を司り、RAM302、HDD303、及びネットワークI/F304の間でデータの授受を制御可能である。また、CPU301はHDD303から読みだした制御プログラム(命令)をRAM302に展開して実行する。ビジネスチャットサーバ105のCPU301は、ビジネスチャットアプリケーションを実行することによりビジネスチャット機能を提供する。また、ビジネスチャットアプリケーションにおける外部サービスとの連携機能を利用して、機能拡張サーバ108によって提供される画像形成装置の機能を使用するサービス(スキャンサービス)が選択された場合は、後述する処理が実行されることになる。すなわち、ユーザにより外部サービスとの連携指示が為された場合、ビジネスチャットサーバ105は、当該外部サービスを利用するためのプログラムを必要に応じて読み込んで実行する。また、HDD303は、ビジネスチャットのグループを識別するための情報や、各ビジネスチャットに投稿された内容を識別するための情報を更に管理することが可能である。
【0024】
【0025】
表1は、ビジネスチャットのグループを識別するための情報を管理するためのテーブルの例である。表1の例では、グループ名として「エンジニアリング」と「マーケティング」の2つの値を設定している。それぞれのグループを識別するための識別情報として、「エンジニアリング」には「https://hooks.businesschat.com/abcd9876」、「マーケティング」には「https://hooks.businesschat.com/efgh5432」が関連付けられている。それぞれの識別情報は、重複することが無いようなURL情報となっている。グループの識別情報は、ビジネスチャットサーバを識別するためのアドレス「hooks.businesschat.com」と、そのビジネスチャットサーバが管理するグループのID(「abcd9876」や「efgh5432」)との組み合わせで構成されている。
【0026】
【0027】
表2は、ビジネスチャットの投稿を識別するための情報を管理するためのテーブルの例である。表2の例では、投稿Noとして「1」、「2」、「3」の3つの値を設定している。それぞれの投稿を識別するための識別情報として、「1」には「https://hooks.businesschat.com/abcd9876/000001」が関連づけられ、「2」には「https://hooks.businesschat.com/abcd9876/000002」が関連づけられ、「3」には「https://hooks.businesschat.com/abcd9876/000003」が関連づけられている。それぞれの識別情報は、重複することが無いような情報となっている。本実施例では、グループの識別情報に、投稿記事のIDを加えたものを、投稿の識別情報として使用する。表2の例では、投稿No「1」「2」「3」の識別情報において、末尾の数字列より上位の文字列は、表1の「エンジニアリング」のグループの識別情報と同じである。よって、表2の識別情報に基づいて、投稿No「1」「2」「3」は、「エンジニアリング」のグループにおける投稿記事であることが識別可能となっている。
【0028】
図3(b)は、ストレージサーバ107の構成例である。ストレージサーバ107は、CPU311、RAM312、HDD313、ネットワークI/F314から構成される。CPU311は、装置全体の制御を司り、RAM312、HDD313、及びネットワークI/F314の間でデータの授受を制御可能である。また、CPU311はHDD313から読みだした制御プログラム(命令)をRAM312に展開して実行する。HDD313には、機能拡張サーバ108からネットワークI/F314を介して受信した画像データと、当該画像データの登録先を識別管理するための識別情報とを蓄積することが可能である。表3は、画像データを識別するための識別情報を管理するテーブルの例である。
【0029】
【0030】
表3の例では、データNo「1」の画像データに対して、当該画像データの登録先を識別するための識別情報として「https://server1.com/content/aabbccdd000001」が関連付けられている。本実施例における画像データの識別情報は、ストレージサーバのアドレスと、当該ストレージサーバ内での画像データのIDとを組み合わせたものであり、重複することが無いような情報となっている。
【0031】
図3(c)は、機能拡張サーバ108の構成例である。機能拡張サーバ108は、CPU321、RAM322、HDD323、ネットワークI/F324から構成される。CPU321は、装置全体の制御を司り、RAM322、HDD323、及びネットワークI/F324の間でデータの授受を制御可能である。また、CPU321はHDD323から読みだした制御プログラム(命令)をRAM322に展開し実行する。HDD323には、画像データの登録先となるストレージサーバを識別するための情報と、スキャン処理に係るスキャン情報(画像形成装置においてスキャン実行する際のスキャン設定、画像データの登録先の情報、画像データの投稿先となるビジネスチャットに関する情報などを含む)を蓄積することが可能である。
【0032】
【0033】
表4は、登録先のストレージサーバを識別するための情報を管理するためのテーブルの例である。表4の例では、登録先名「Server1」に対して、当該登録先を識別するための識別情報として「https://server1.com/」が関連付けられている。なお、表4の「Server1」は、ストレージサーバ107を示す識別情報とする。本実施形態においては、機能拡張サーバにおいて1つのストレージサーバが登録先として予め定められているものとするが、これに限るものではなく、ユーザやグループごとに登録先のストレージサーバが別々に設定されるようにしても構わない。
【0034】
【0035】
表5は、スキャン処理に係る情報を管理するためのテーブルの例である。表5の例では、スキャン情報名として「エンジニアリング#議事録共有」、「スキャン1」、「スキャン2」、「スキャン3」、「スキャン4」を有する4つの情報が格納されている状態を示している。また、各情報において、「カラー」、「解像度」、「用紙サイズ」、「フォーマット」の各項目に対しては、画像形成装置101がスキャン実行する際のパラメータが格納されている。「登録先」の項目に対しては、スキャンによって生成した画像データの登録先となるストレージサーバの情報が格納されている。また、「通知先」の項目に対しては、画像データを生成したことを投稿する通知先の情報が格納されている。また、「表示期間」の項目に対しては、画像形成装置101の操作部204に、そのスキャン情報をメニュー表示(ボタン表示)する期間に関する情報が格納される。後述する例では、スキャン情報名「エンジニアリング#議事録共有」に関する情報が、ビジネスチャットサーバ105から生成されたものとして説明する。なお、本実施形態では、ユーザごとに表5のようなスキャン情報を格納するテーブルを備えるものとするが、これに限るものではない。例えば、表5のテーブルにおいて、更に、ユーザIDの項目を設け、各スキャン情報をどのユーザが利用可能であるかを識別できるようにしてもよい。
【0036】
機能拡張サーバ108は、ビジネスチャットサーバ105からスキャン項目の送信要求を受けると、一般的なスキャナで設定可能なスキャン設定に係るスキャン項目に関する情報を送信する。また、機能拡張サーバ108は、ビジネスチャットサーバ105を介してユーザにより指定されたスキャン設定に関するスキャン情報を受信すると、その情報を表5のテーブルに保存する。このとき、どのユーザにより指定されたスキャン情報であるかを判別可能なように、当該指定されたスキャン情報と当該指定を行ったユーザIDとを関連づけて保存する。また、機能拡張サーバ108は、画像形成装置101からスキャン画像データを受信すると、登録先として指定されているストレージサーバ107にそのスキャン画像データを送信して格納させ、スキャン画像データをストレージサーバに格納したことを示す通知を、通知先として指定されているビジネスチャットサーバ105に送信する。
【0037】
図3(d)は、情報処理端末103の構成図である。情報処理端末103は、CPU331、RAM332、HDD333、ネットワークI/F334、操作部I/F335、操作部336から構成される。CPU331は、装置全体の制御を司り、RAM332、HDD333、ネットワークI/F334、操作部I/F335、及び操作部336の間でデータの授受を制御可能である。また、CPU331はHDD333から読みだした制御プログラム(命令)をRAM332に展開し実行する。操作部I/F335は、操作部336から入力されたユーザからの指示をCPU331に伝達したり、CPU331による表示制御に基づき、表示すべき操作画面に関する情報を操作部336に伝達するインタフェースである。情報処理端末103には、ビジネスチャットを利用するためのアプリケーションがインストールされており、該アプリケーションを実行することで、ビジネスチャットサーバにより提供されるビジネスチャット機能を利用することができる。また、ビジネスチャットサーバによるビジネスチャット機能が、Webアプリケーションとして提供されている場合は、情報処理端末103は、Webブラウザを介してWebアプリケーションを実行することでビジネスチャットを利用する形態でも構わない。
【0038】
図4は画像形成装置101の操作部204の一例を表した図である。操作部204は、タッチパネル画面401と、各種数字等の設定キー402、キャンセルキー404、開始キー403で構成されている。ユーザは、タッチパネル画面401および設定キー402を用いて、各ジョブの設定を行い、開始キー403の押下によりジョブを開始する。なお一度開始したジョブはキャンセルキー404を押下することでジョブ中に中止することが可能である。ここで示すジョブとは、たとえばコピージョブや、ネットワークI/F214を介してスキャンした画像データを機能拡張サーバ108に送信することなどが挙げられる。
【0039】
以下では、本実施例における一連の処理フローについて図面を用いて説明する。
【0040】
[スキャン情報の生成に関する処理フローの説明]
情報処理端末103のユーザがビジネスチャットを利用しているときに、スキャン画像を当該ビジネスチャットに投稿するための、スキャン処理に係るスキャン情報を生成する処理について、
図5、
図6、
図7A~7Cを用いて説明する。情報処理端末103、ビジネスチャットサーバ105、機能拡張サーバ108、ストレージサーバ107、のそれぞれのCPUの制御に基づき、
図5の各ステップの処理が実行される。
【0041】
図7Aは、情報処理端末において表示されるビジネスチャットアプリケーション画面700の表示例である。グループ表示部701に、ユーザが利用可能なチャットのグループを表示し、グループ表示部701で選択されているグループにおいて交換されているメッセージ(チャット内容)がメッセージ表示エリア702に表示される。また、ユーザ自身がメッセージを投稿する場合は、メッセージ入力エリア704に所望のメッセージを入力して送信する。連携キー703がユーザにより選択されると、
図7Bのように、ビジネスチャットアプリケーションと連携済みである外部サービス一覧メニュー705が表示される。ユーザは、連携キー703を選択することで表示される外部サービス一覧メニュー705から、利用したい外部サービスを選択することで外部サービスを利用することが可能となっている。本実施例では、外部サービス一覧メニュー705に連携済みの「画像形成装置機能拡張サーバ」(画像形成装置の機能を利用するための機能拡張サーバによるサービス)が登録されている状態である。なお、ビジネスチャットアプリケーションと連携可能な外部サービスは、外部サービス及びビジネスチャットアプリケーションが、ネットワークを通じて通信可能であり、且つ、お互いに連携可能なAPIが公開されており、相互に連携可能なサービス形態のものである。また、外部サービスとビジネスチャットアプリケーションは事前に認証など連携するように設定済みであることを前提にして説明する。なお、連携方法については特に問わない。また、「画像形成装置機能拡張サーバ」以外の外部サービス例としては、各種ストレージサービス(例えば、Google LLCが提供するGoogle Drive)などがある。
【0042】
図5の処理フローについて説明する。まず、情報処理端末103のユーザが、ビジネスチャットの画面を閲覧している際に、連携キー703を選択し、外部サービス一覧メニュー705から外部サービスとして、機能拡張サーバによって提供されるスキャンサービスを選択したものとする。すなわち、
図7Bの例では、「画像形成装置機能拡張サーバ」の項目を選択したものとする。この機能拡張サーバ108によって提供される外部サービス(スキャンサービス)が選択されると、情報処理端末は、ネットワークI/F334を介してスキャン情報の設定を行う際の画面に関する情報の取得要求(スキャン情報設定取得要求)を、ビジネスチャットサーバ105へ送信する(S501)。
【0043】
ビジネスチャットサーバ105は、情報処理端末103からスキャン情報設定取得要求を受信したことを検知すると(S502)、スキャン項目に関する情報の取得要求(スキャン項目取得要求)を機能拡張サーバ108へ送信する(S503)。
【0044】
機能拡張サーバ108は、ビジネスチャットサーバ105からのスキャン項目取得要求を受信したことを検知すると(S504)、スキャン設定に必要な設定項目に関する情報と、表4の登録先となるストレージサーバに関する情報とに基づいて、スキャン項目情報を生成して、当該生成したスキャン項目情報をビジネスチャットサーバ105へ送信する(S505)。なお、スキャン設定には、一般的なスキャナで指定可能な設定項目が含まれ、例えば、「カラー/白黒設定」や「スキャン解像度設定」や「用紙サイズの設定」や「生成される画像データのフォーマットの設定」などが含まれる。
【0045】
ビジネスチャットサーバ105は、機能拡張サーバ108からスキャン項目情報を受信したことを検知すると(S506)、当該受信したスキャン項目情報に含まれる登録先の情報に基づいて、当該登録先であるストレージサーバ107に、当該ストレージサーバ107内の格納先として利用可能なフォルダに関する情報の取得要求(フォルダ取得要求)を送信する(S507)。
【0046】
ストレージサーバ107は、ビジネスチャットサーバ105からのフォルダ取得要求を受信したことを検知すると(S508)、当該ストレージサーバで利用可能なフォルダに関するフォルダリスト情報を生成して、ビジネスチャットサーバ105へ送信する(S509)。
【0047】
ビジネスチャットサーバ105は、ストレージサーバ107からフォルダリスト情報を受信したことを検知すると(S510)、S506で受信したスキャン項目情報とS510で受信したフォルダリスト情報とに基づいて、スキャン情報を設定する画面に関する描画データを生成する(S511)。本実施例では、描画データはHTML(Hyper Text Markup Language)などのWebページ記述言語により記述されたページ記述データと、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語で記述されたスクリプトデータとを含んでいる。ページ記述データにはさらに、S506で受信したスキャン項目情報と、S510で受信したフォルダリスト情報とが静的データとして含まれている。また、スクリプトデータには、ページ記述データに含まれる静的データと、送信先の情報処理端末103にて入力されうるユーザからの指示とに応じた画面表示の制御手順が含まれている。ビジネスチャットサーバ105は、続いて当該生成した描画データを情報処理端末103に送信する(S512)。
【0048】
情報処理端末103は、ビジネスチャットサーバ105から描画データを受信したことを検知すると(S513)、当該描画データに基づいてスキャン情報を設定するための画面を表示して、スキャン情報設定処理を実施する(S514)。
図6は、S514で情報処理端末103によって実行されるスキャン情報設定処理の詳細フローを説明する図である。本フローチャートに係るプログラムは、情報処理端末103のHDD333に格納されており、RAM332によって読み出され、CPU331によって実行される。
【0049】
CPU331は、S513にて受信した描画データに含まれるスキャン項目情報を取得する(S601)。続いてCPU331は、操作部336上にスキャン情報を設定するための画面を描画する(S602)。本画面をスキャン情報設定画面と呼称する。
【0050】
図7Cは、S602にてCPU331が操作部336上に描画するスキャン情報設定画面710の例を示す図である。スキャン情報設定画面710は、ビジネスチャットアプリケーションの画面700上にポップアップ表示される。スキャン情報設定画面710には、スキャン時に利用する「カラー/白黒設定」や「解像度設定」や「用紙サイズの設定」や「生成される画像データのフォーマットの設定」に関わる項目711~714が選択可能に表示される。また、スキャン情報設定画面710には、スキャン画像データの登録先を選択するための項目715、画像形成装置101で表示するボタンの「表示期間」を設定するための項目716や、当該ボタンの名称である「表示文字列」を設定するための項目717も含まれる。さらに、項目711~717で設定した内容に基づいてスキャン情報を生成指示するためのボタン718と、スキャンサービスをキャンセルするためのボタンとで構成される。
【0051】
続いて情報処理端末103のCPU331は、ユーザ操作に基づき、生成ボタン718が押下されたかを判定する(S603)。S603で生成ボタンが押下された場合(S603でYesの場合)、CPU331は、表示期間716としていずれのボタンが選択されたかを判定する(S604)。S604で「既定」が選択されたと判定した場合、CPU331は、表示期間として1回(選択可能回数1回)を設定する。S604で「当日」が選択されたと判定した場合、CPU331は、表示期間として、「処理当日の日付」(当日中なら複数回選択可能)を設定する。S604で「無し」が選択されたと判定した場合、CPU331は、表示期間として「無し」(すなわち、期間および回数制限無し)に設定する。
【0052】
続いてCPU331は、ボタンの表示文字列として、項目717の「任意の文字列」がONに選択されてその右側の入力欄に文字列が入力されたかを判定する(S608)。S608で「任意の文字列」が選択されなかった場合、CPU331は、ビジネスチャットで現在選択中のグループ名をボタン名として設定する(S609)。一方、S608で「任意の文字列」が選択・入力されていた場合、CPU331は、グループ名と当該入力された任意の文字列とを組み合わせた文字列を、ボタン名として設定する(S610)。
【0053】
さらに、CPU331は、ビジネスチャットのメッセージ表示エリア702に表示されている投稿のいずれかが選択されているかどうかを判定する(S611)。CPU331は、ビジネスチャット画面上の投稿が選択されている場合(S611でYesの場合)、表2の情報に基づいて、当該選択中の投稿を識別するための投稿識別情報を設定する(S612)。一方、投稿が選択されていない場合(S611でNoの場合)、CPU331は、表1の情報に基づいて、当該選択中のグループを識別するグループ識別情報を設定する(S613)。
【0054】
そして、CPU331は、スキャン情報設定画面710のスキャン項目711~714から取得したスキャン設定に関わる情報(スキャン設定情報)と、S605~S607で取得した表示期間情報と、登録先項目715の情報から取得した登録先情報と、S609~S610で取得したボタン名情報と、S612~S613で取得した投稿先の識別情報(投稿識別情報またはグループ識別情報)とを、スキャン情報として設定する(S614)。
【0055】
図5の説明に戻る。情報処理端末は、S614にて設定したスキャン情報を、ビジネスチャットサーバ105へ送信する(S515)。ビジネスチャットサーバ105は、情報処理端末103からスキャン情報を受信したことを検知すると(S516)、当該スキャン情報に基づくボタンを画像形成装置に表示させるためのスキャン情報設定要求を、機能拡張サーバ108へ送信する(S517)。機能拡張サーバ108のCPU321は、ビジネスチャットサーバからのスキャン情報設定要求を受信したことを検知すると(S518)、スキャン情報をHDD323に格納し(S519)、本フローを終了する。例えば、スキャン情報として、表5の例で示した「エンジニアリング#議事録共有」が格納される。なお、ビジネスチャットサーバは、ビジネスチャット機能にログインして利用しているユーザを特定しているので、S517でスキャン情報設定要求を送信する際にどのユーザからの設定要求なのかを示すユーザ情報も送信することができる。したがって、機能拡張サーバ108は、どのユーザから指定された情報なのか識別できるように、受信したスキャン情報と当該設定を行ったユーザのユーザ情報(ユーザID)とを関連づけて保存することができる。
【0056】
[スキャン情報に基づき実行する処理フローの説明]
図8は、画像形成装置において表示されるボタンが選択された場合に行われるスキャン処理の処理フローを説明するフローチャートである。
【0057】
まず、画像形成装置101は、ユーザが画像形成装置にログインすると、当該ログインしているユーザに係るスキャン情報の取得要求を、機能拡張サーバ108へ送信する(S801)。機能拡張サーバ108は、スキャン情報取得要求を受信したことを検知すると(S802)、HDD323から当該ユーザに係るスキャン情報(表5の例で示した情報)を読みだして、画像形成装置101へ送信する(S803)。どのスキャン情報を送信すべきかは、ユーザIDに基づいて特定することができる。
【0058】
図9は、S803において機能拡張サーバ108によって実行されるスキャン情報送信の詳細フローを説明する図である。本フローチャートに係るプログラムは、機能拡張サーバ108のHDD323に格納されており、RAM322によって読み出され、CPU321によって実行される。
【0059】
まず、CPU321は、表5のスキャン情報のうち、当該ユーザに係るスキャン情報の1つをHDD323から取得する(S901)。続いて、CPU321は、S901で取得したスキャン情報の表示期間を判定する(S902)。S902の判定の結果、既定(1回)だった場合、表示期間を過去の日付に変更する(S903)。S902の判定の結果、当日だった場合、CPU321は、表示期間がスキャン情報取得要求がなされた処理当日の日付よりも過去の日付か判定する(S904)。S904の判定の結果、過去の日付であると判定した場合(S904でYesの場合)、当該スキャン情報を削除する(S905)。続いてCPU321は、未処理のスキャン情報が存在するかどうかを判定する(S906)。S906の判定の結果、未処理のスキャン情報が存在すると判定した場合(S906でYes)の場合、CPU321は、次のスキャン情報を処理対象にして(S901)、S902~S905の処理を繰り返す。S906の判定の結果、未処理のスキャン情報が存在しないと判定した場合(S906でNoの場合)、CPU321は、S905で削除したスキャン情報以外のスキャン情報を画像形成装置101へ送信する(S907)。
【0060】
図8に戻り、画像形成装置101は、機能拡張サーバ108からスキャン情報を受信したことを検知すると(S804)、タッチパネル401上に当該受信したスキャン情報を選択するためのメニュー画面を描画する(S805)。S805で描画される画面は、画像形成装置101のユーザの指示に基づきスキャン実行する際に使用するスキャン情報を表示する画面であるため、スキャン情報表示画面と呼称する。
【0061】
図11は、S805にてCPU211がタッチパネル401上に描画するスキャン情報表示画面1100の例を示す図である。画面遷移を促すページ送り部1101と、各スキャン情報に対応するボタンを表示するスキャンボタン表示部1102とで構成される。ページ送り部1101は、現在のページと総ページ数とを「/」で区切って表示する。
図11の例では、現在のページは「1」、総ページ数は「2」となっている。「←」ボタンによって前のページへ、「→」ボタンによって次のページへ遷移する。スキャンボタン表示部1102には、S901で取得したスキャン情報に従って「エンジニアリング#議事録共有」のスキャンボタン1103が表示されている。ユーザが「エンジニアリング#議事録共有」で示したボタン1103を選択すると、当該ボタンに対応するスキャン情報を用いてスキャン処理を実施する。
【0062】
図8に戻り、CPU211は、スキャンボタン1103の押下などによる原稿のスキャン指示を受信すると、スキャナ203に対して当該スキャン情報で設定されているスキャン設定に基づくスキャン指示を行うことにより、スキャン処理を実行し、画像データを生成する(S806)。続いて、CPU211は、S806にて生成したスキャン画像データと、当該押下されたスキャンボタン1103に対応するスキャン情報(少なくとも、登録先情報と投稿先の識別情報とを含む情報)とを、機能拡張サーバ108に送信する(S807)。
【0063】
機能拡張サーバ108は、画像形成装置101から画像データとスキャン情報とを受信したことを検知すると(S808)、当該受信したスキャン情報に含まれる登録先の情報に従って、当該スキャン画像データをストレージサーバ107へ送信する(S809)。
【0064】
ストレージサーバ107は、機能拡張サーバ108から画像データを受信したことを検知すると(S810)、当該画像データをHDD313へ保存する(S811)。そして、ストレージサーバは、HDD313へ保存した画像データを識別するための情報(表3のデータNo「1」)を生成し、機能拡張サーバ108へ送信する(S812)。
【0065】
機能拡張サーバ108は、ストレージサーバ107が生成した画像データ識別情報を受信したことを検知すると(S813)、スキャン画像データ登録通知設定処理を実施する(S814)。
【0066】
図10は、S814で機能拡張サーバ108によって実行されるスキャン画像データ登録通知設定の詳細フローを説明する図である。本フローチャートに係るプログラムは、機能拡張サーバ108のHDD323に格納されており、RAM322によって読み出され、CPU321によって実行される。
【0067】
まず、CPU321は、S808にて受信したスキャン情報を読み出す(S1001)。CPU321は、S1001にて読みだしたスキャン情報から投稿先の識別情報(通知先)を取得して、通知先が設定されているかを判定する(S1002)。CPU321は、通知先が設定されていると判断した場合(S1002でYesの場合)、S813で受信した画像データ識別情報(画像データが格納されているストレージサーバの格納場所に関する情報)を読み出す(S1003)。そして、CPU321は、通知先に通知するメッセージを生成する(S1004)。本実施例では、固定メッセージとして「共有します。」を生成する。CPU321は、S1003で読みだした画像データ識別情報とS1004で生成したメッセージを含むスキャン画像データ登録通知情報を生成する(S1005)。
【0068】
図8に戻り、機能拡張サーバは、S1005で生成したスキャン画像データ登録通知情報を、S808で受信したスキャン情報に含まれている投稿先の識別情報に基づき特定される通知先であるビジネスチャットサーバ105へ送信する(S815)。すなわち、「投稿先の識別情報」に基づいて特定される、ビジネスチャットサーバ内の投稿(例えば、表2の投稿No「3」)もしくはビジネスチャットサーバ内のグループのタイムラインに対して、S1005で生成したスキャン画像データ登録通知情報に基づく投稿処理を行うように要求する。
【0069】
ビジネスチャットサーバ105は、画像データ登録通知情報を受信したことを検知すると(S816)、スキャン画像データ登録通知情報と、「投稿先の識別情報」に基づいて特定される、ビジネスチャットサーバ内の投稿(例えば、表2の投稿No「3」)もしくはビジネスチャットサーバ内のグループのタイムラインを関連付けしてHDD323へ保存する(S817)。ビジネスチャットサーバは、スキャン画像データ登録通知情報から画像データ識別情報を取得して、スキャン画像データの登録先であるストレージサーバ107に対してスキャン画像データ取得要求を送信する(S818)。
【0070】
ストレージサーバ107は、スキャン画像データ取得要求を受信したことを検知すると(S819)、画像データ識別情報に基づき特定されるスキャン画像データをHDD313から取得して、ビジネスチャットサーバ105へ送信する(S820)。
【0071】
ビジネスチャットサーバ105は、ストレージサーバからスキャン画像データを受信したことを検知すると(S821)、当該受信したスキャン画像データに基づき描画データを生成し、当該生成した描画データをS817で保存した特定の投稿もしくはグループのタイムラインに投稿する(S822)。ビジネスチャットサーバ105は、情報処理端末からアクセスがあった場合、S822にて生成した描画データが投稿されたビジネスチャットのタイムラインを情報処理端末103へ送信する(S823)。情報処理端末103は、描画データを受信したことを検知すると(S824)、操作部336上にビジネスチャットアプリケーションの画面に当該スキャン画像データに基づく描画データを含むビジネスチャットのタイムラインの描画を行い(S825)、本フローを終了する。
【0072】
図12は、S825にてCPU331が操作部336上に投稿1201を含むビジネスチャットアプリケーション画面700の例を示す図である。投稿1201は、S1004で生成したメッセージとS820で生成した画像データを含めて表示する。
図12の例では、画像データは、「PDF」のような画像データタイプを示す文字画像であるが、画像データの縮小画像でも構わない。なお、投稿1201には、ユーザにより選択されると、対応するスキャン画像データが情報処理端末にダウンロードされて表示されるように、スキャン画像データへのリンクが埋め込まれている。
【0073】
〔実施例2〕
実施例2では、複数のスキャン画像データを投稿する場合、画像ごとに別々に投稿するのではなく、先頭画像と格納先を投稿する例について説明する。なお、本実施例の説明にあたり、実施例1と重複する構成や処理手順には共通の付番でしめし、それらの説明は省略し、実施例1とは異なる構成や処理手順についての説明のみを行う。
【0074】
図13は、S814の、本実施例2における詳細な処理手順を説明するフローチャートである。本フローに係るプログラムは、機能拡張サーバ108のHDD323に格納されており、RAM322によって読み出され、CPU321によって実行される。
【0075】
まず、CPU321は、S808にて受信したスキャン情報を読み出す(S1301)。続いてCPU321は、当該取得したスキャン情報から通知先を取得して、通知先が設定されているかを判定する(S1302)。CPU321は、通知先が設定されていると判断した場合(S1302でYesの場合)、S813で受信した画像データ識別情報を読み出す(S1303)。CPU321は、S808で受信したスキャン画像データを読み出す(S1304)。CPU321は、スキャン画像データが複数かどうかを判定する(S1305)。CPU321は、複数のスキャン画像データであると判断した場合(S1305がYesの場合)、S1301にて取得したスキャン情報から各スキャン画像データの登録先のフォルダ情報を取得する。CPU321は、通知先に通知するメッセージを生成する(S1307)。本実施例では、固定メッセージとして「共有します。」を生成する。CPU321は、S1303、S1306とS1307で取得した画像データ識別情報、登録先情報とメッセージを含めたスキャン画像データ登録通知情報を生成する(S1308)。
【0076】
図14は、S1308にて生成したスキャン画像データ登録通知情報を、S825にてCPU331が操作部336上に投稿1401を含むビジネスチャットアプリケーション画面700の例を示す図である。投稿1401は、S1307で生成したメッセージとS820で生成した画像データを含めて表示する。
図14の例では、登録先の情報として「Folder」のアイコンが更に表示される。フォルダのアイコンがユーザにより選択されると、ストレージサーバのフォルダが表示されるようにリンクが埋め込まれる。また、画像データは、「PDF」のような画像データタイプを示す文字画像で示しているが、画像データの先頭ページの縮小画像でも構わない。