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特許7463116情報処理装置、画像形成装置、それらの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】情報処理装置、画像形成装置、それらの制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240401BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240401BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
B41J29/38 401
G06F3/12 305
G06F3/12 324
G06F3/12 331
G06F3/12 387
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020014209
(22)【出願日】2020-01-30
(65)【公開番号】P2021121076
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2023-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 和之
【審査官】花田 尚樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-244321(JP,A)
【文献】特開2012-243114(JP,A)
【文献】特開2017-073018(JP,A)
【文献】特開2019-164537(JP,A)
【文献】特開2019-096024(JP,A)
【文献】特開2018-045523(JP,A)
【文献】特開2006-060861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/00 -29/70
G06F 3/09 - 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置とサーバーシステムで構成される印刷システムであって、
前記情報処理装置は、
画像形成装置を識別する識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記識別情報を前記サーバーシステムに送信する送信手段と、を有し、
前記サーバーシステムは、
前記情報処理装置が送信した前記識別情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した前記識別情報が前記サーバーシステムに記憶されていることに基づき、前記識別情報をデフォルトの画像形成装置の識別情報として設定する設定手段と、
前記受信手段が受信した前記識別情報が前記サーバーシステムに記憶されていないことに基づき、前記識別情報で識別される前記画像形成装置の情報を登録する登録手段と、を有することを特徴とする印刷システム
【請求項2】
前記取得手段は、前記画像形成装置の表示部に表示されたコードを読み取ることにより、前記識別情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の印刷システム
【請求項3】
前記送信手段は、さらにユーザ情報を前記サーバーシステムに送信し、
前記設定手段、前記ユーザ情報に対応づけされる前記デフォルトの画像形成装置の識別情報として受信した前記識別情報を設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷システム
【請求項4】
前記画像形成装置は、
前記サーバーシステムへのログインをするためのログイン画面を前記情報処理装置の表示部に表示させる手段と、
前記ログイン画面に対するユーザ情報及びパスワードの入力を受け付ける受付手段と、をさらに有し、
前記設定手段は、前記受付手段で前記ユーザ情報に対応する正しいパスワードが入力された場合に、前記ユーザ情報に対応づけされる前記デフォルトの画像形成装置の識別情報として前記識別情報を設定することを特徴とする請求項3に記載の印刷システム
【請求項5】
前記設定手段は、前記登録手段により情報が登録された前記画像形成装置の識別情報を前記デフォルトの画像形成装置の識別情報として設定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の印刷システム
【請求項6】
情報処理装置とサーバーシステムで構成される印刷システムの制御方法であって、
画像形成装置を識別する識別情報を取得する取得工程と、
前記取得工程において取得された前記識別情報を前記サーバーシステムに送信する送信工程と、
前記送信工程において送信された前記識別情報を前記サーバーシステムが受信する受信工程と、
前記受信工程において受信した前記識別情報が前記サーバーシステムに記憶されていることに基づき、前記識別情報をデフォルトの画像形成装置の識別情報として設定する設定工程と、
前記受信工程において受信した前記識別情報が前記サーバーシステムに記憶されていないことに基づき、前記識別情報で識別される前記画像形成装置の情報を前記サーバーシステムに登録する登録工程と、を有することを特徴とする印刷システムの制御方法。
【請求項7】
前記取得工程は、前記画像形成装置の表示部に表示されたコードを読み取ることにより、前記識別情報を取得することを特徴とする請求項6に記載の印刷システムの制御方法。
【請求項8】
前記送信工程において、さらにユーザ情報を前記サーバーシステムに送信し、
前記設定工程、前記ユーザ情報に対応づけされる前記デフォルトの画像形成装置の識別情報として前記識別情報を設定することを特徴とする請求項6又は7に記載の印刷システムの制御方法。
【請求項9】
前記サーバーシステムへのログインをするためのログイン画面を前記情報処理装置の表示部に表示させる工程と、
前記ログイン画面に対するユーザ情報及びパスワードの入力を受け付ける受付工程と、をさらに有し、
前記設定工程は、前記受付工程において前記ユーザ情報に対応する正しいパスワードが入力された場合に、前記ユーザ情報に対応づけされる前記デフォルトの画像形成装置の識別情報として受信した前記識別情報を設定することを特徴とする請求項8に記載の印刷システムの制御方法。
【請求項10】
前記設定工程は、前記登録工程において情報が登録された前記画像形成装置の識別情報を前記デフォルトの画像形成装置の識別情報として設定することを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の印刷システムの制御方法
【請求項11】
請求項6乃至10の何れか一項に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバシステムに登録されている画像形成装置のデフォルト設定に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クラウドサービスの普及に伴い、印刷機器もネットワーク通信機能を備え、ユーザが端末からインターネットを介して印刷指示を行うクラウドプリントサービスが提供されている。ユーザは様々な端末からインターネット上のクラウドプリントサービスにログインすると、クラウドプリントサービスに登録されているプリンタに印刷が可能となる。しかし、クラウドプリントサービスに登録されているプリンタは様々な場所に存在しており、クラウドプリントサービスに登録されているプリンタが多いと、ユーザが利用したいプリンタを選択する手間が発生する。特許文献1では、利用したいプリンタで画像コードを読み取ると、クラウドプリントサーバがプリンタに与えた物理プリンタIDがユーザの端末に通知される。そして、その物理IDとユーザIDを含む設定要求をクラウドプリントサービスに送ることでプリンタを利用可能にする方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-108950
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の方法だと、あくまでもプリンタを一時利用できるようにする手段であるため、通常利用するプリンタ、いわゆる「デフォルトプリンタ」に設定することはできないという課題が残る。そのため、ユーザは同一のプリンタを使用するにもかかわらず、クラウドプリントサービスに登録されているプリンタから毎回選択するという作業負荷が発生する。また、物理IDはクラウドプリントサービスがプリンタに付与するものとなっているため、クラウドプリントサービスが全てのプリンタの物理IDを管理しなければならないという負荷も発生する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願に記載の印刷システムは、情報処理装置とサーバーシステムで構成される印刷システムであって、前記情報処理装置は、画像形成装置を識別する識別情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得した前記識別情報を前記サーバーシステムに送信する送信手段と、を有し、前記サーバーシステムは、前記情報処理装置が送信した前記識別情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した前記識別情報が前記サーバーシステムに記憶されていることに基づき、前記識別情報をデフォルトの画像形成装置の識別情報として設定する設定手段と、前記受信手段が受信した前記識別情報が前記サーバーシステムに記憶されていないことに基づき、前記識別情報で識別される前記画像形成装置の情報を登録する登録手段と、を有することを特徴とする
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施により、プリンタを目の前にした操作で、そのプリンタを個人のデフォルトプリンタに容易に設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】システム構成を示す図。
図2】クライアント端末とプリンタとプリントサーバのハードウェア構成を示す図。
図3】クライアント端末とプリントサーバのソフトウェア構成を示す図。
図4】第1実施形態に係るデフォルトプリンタ設定アプリの処理の一例を示すフローチャート。
図5】第1実施形態に係るプリントサービスの処理の一例を示すフローチャート。
図6】第2実施形態に係るプリントサービスの処理の一例を示すフローチャート。
図7】第1実施形態に係るデフォルトプリンタ設定アプリのUIの例を示す図。
図8】第1実施形態に係る共有デバイスリストおよび個別デバイスリストの例を示す図。
図9】第3実施形態に係るプリンタとプリントサーバのソフトウェア構成を示す図。
図10】第3実施形態に係るデフォルトプリンタ設定アプリの処理の一例を示すフローチャート。
図11】第4実施形態に係るデフォルトプリンタ設定アプリの処理の一例を示すフローチャート。
図12】第4実施形態に係るプリントサービスの処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0009】
<実施形態1>
図1は本実施形態における印刷用ボットシステムの構成図を示したものである。
【0010】
プリントサーバ101、クライアント端末102、プリンタ103がネットワーク104を介して接続されている。図1ではクライアント端末102とプリンタ103をそれぞれ1つずつ記載しているが、実際は複数であることが通常である。各サーバにおいても、複数台により負荷分散された構成であってもよい。逆に、物理的には1つのサーバが内部で仮想的に各サーバの役割を果たす構成であってもよい。また各サーバは、クラウド上に配置されたクラウドサーバでもよい。ネットワーク104はインターネットなどのWANを想定しているが、社内LANなどの閉じた環境であってもよい。クライアント端末102はPCやタブレット、スマートフォンなどを指しており、ユーザによって直接操作される端末である。クライアント端末102上では任意のアプリケーションソフトウェアを実行可能となっている。プリンタ103は物理用紙に対して実際に印刷を行うデバイスであり、ネットワーク104を介して受信した印刷データを画像データに変換して印刷する。プリントサーバ101は、外部からの印刷指示と文書データを受け付け、印刷データに変換した後、所定のプリンタ103へ印刷データを送信し、印刷指示を行う役割を持つ。クラウド環境にプリントサーバ101を配置する場合には、これをクラウドプリントサーバと呼ぶこともある。プリンタ103に印刷を行うタイミングとしては、ユーザによってプリンタ103上での操作が不要なプッシュ型の方式であってもよいし、ユーザがプリンタ103において印刷開始の操作を行ってから印刷を開始するプル型の方式であってもよい。なお、クラウドサーバ、クラウドプリントサーバは、一台以上のサーバによって構成されるサーバシステムとなっている。なお、プリンタとは、シートに画像を形成する画像形成装置である。
【0011】
次に、図2を用いて本実施形態のシステムの持つそれぞれのデバイスにおけるハードウェア構成について説明する。
【0012】
図2(a)はプリントサーバ101のハードウェア構成を示すブロック図である。プリントサーバ101は記憶部204、制御部201、ネットワーク通信部205を備える。記憶部204はハードディスクやSSDなどの不揮発性の記憶装置を指し、デジタルデータの保存と書き換えが可能である。
【0013】
制御部201はCPU202とメモリ203とから構成され、プリントサーバ101の全体の動作を制御する。CPU202は記憶部204に記憶されたプログラムをメモリ203に展開し、それを実行する。メモリ203はCPU202の主記憶メモリでありワークエリアや各種プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。
【0014】
ネットワーク通信部205は外部のネットワーク104と通信を行う装置であり、ネットワーク104を介して外部のサーバやクライアント端末等とのデジタルデータの入出力を行う。
【0015】
図2(b)はクライアント端末102のハードウェア構成を示すブロック図である。クライアント端末102は表示部216、操作部217、記憶部214、制御部211、ネットワーク通信部215を備える。表示部216は液晶ディスプレイなどユーザに対して視覚的な情報をリアルタイムに表示するための装置である。操作部217はキーボードやマウスなどによりユーザからの入力を受け付けるための装置である。タッチパネルなど、表示部216と操作部217の両方の機能を備え持つ装置を用いることもある。
【0016】
画像読み取り部218は、デバイスのパネル上に表示されたり筐体に付帯されていたりする二次元コードを読み取るための装置である。
【0017】
記憶部214、制御部211、ネットワーク通信部215の説明はプリントサーバ101のものと同等であるため割愛する。
【0018】
図2(c)はプリンタ103のハードウェア構成を示すブロック図である。プリンタ103は表示部226、操作部227、記憶部224、制御部221、ネットワーク通信部225、印刷部228を備える。表示部226はプリンタ103に備え付けのタッチパネルやLEDなど、ユーザに対して情報をリアルタイムに表示するための装置である。操作部227はユーザからの入力を受け付けるための装置であり、タッチパネルに加えてテンキーなどのハードキーを含むこともある。記憶部224、制御部221についてはプリントサーバ101のものと同等であるため説明を割愛する。ネットワーク通信部225は外部のネットワーク104と通信を行う装置であり、主に印刷データの受信を行ったり、エラーなどのプリンタ103の状態について外部のサーバ等に向けて送信したりする役割を持つ。印刷部228はカセットやトレイに用意された用紙に対して、給紙、印字、排紙の一連の動作を行うことで印刷処理を行う装置である。印字の方式は電子写真方式やインクジェット方式など特に限定されない。排紙時に使用される両面ユニットやステイプル、パンチ処理などのフィニッシング装置も印刷部228に含まれる。なお、本実施形態ではプリンタ103の例として印刷機能のみを行うシングルファンクションプリンタについて説明しているが、スキャナ機能やFAX機能も合わせて持つマルチファンクションプリンタ(複合機)を用いてもよい。
【0019】
次に、図3を用いて本実施形態のシステムのそれぞれのデバイスにおけるソフトウェア構成について説明する。
【0020】
図3(a)はプリントサーバ101のソフトウェア構成を示す図である。プリントサービス301は外部から受信した印刷データを登録済みのプリンタ(例えばプリンタ103)に対して、ネットワーク104経由で送信し実行させるサービスである。ファイルストレージ302はプリントサーバ101の記憶部204内に用意された領域である。ファイルストレージ302にはプリントサービス301に登録済みのユーザ情報、ユーザの保持するプリンタに関する情報、ユーザごとのデフォルト印刷設定、印刷設定のリストなどが保存されており、プリントサービス301によって使用される。また、プリントサービス301で利用可能なデバイスを管理するのもプリントサービス301の役割である。プリントサービス301は、プリントサービスに登録されているプリンタにおいて、全利用者が利用を許可されているプリンタの一覧を共有デバイスリスト(図8(a))として管理する。また、プリントサービス301は、その共有デバイスリストのプリンタの中から個々のユーザが各自で利用するものとして選出しているプリンタの一覧を個別デバイスリスト(図8(b))として管理する。また、共有デバイスリストと個別デバイスリストはファイルストレージ302に保存される。
【0021】
図3(b)はクライアント端末102のソフトウェア構成を示すブロック図である。デフォルトプリンタ設定アプリ311は、プリントサービスにデフォルトプリンタ設定要求を出すための、ユーザとのインタフェースの役割を果たすソフトウェアアプリケーションである。具体的には、表示部216に、プリントサービス301へログインするためのUI(ログイン画面)や二次元コードを読み取るためのUIを表示する。画像読み取り部218で読み取った二次元コードからデバイス固有ID(デバイスを識別する識別情報のこと。)を抽出することや、そのデバイス固有IDを添えてデフォルトプリンタ設定要求をプリントサーバ101に送信することもデフォルトプリンタ設定アプリ311の役割である。
【0022】
ファイルストレージ312はクライアント端末102の記憶部214内に用意されたユーザファイル保存用の領域であり、ユーザは画像読み取り部218で読み取った画像データや抽出した固有デバイスIDを保存することができる。デフォルトプリンタ設定アプリ311はファイルストレージ312にアクセスする権限を持つ。なお、本実施形態及びそれ以外の実施形態では、プリントサーバは一台以上のサーバにより構成されるプリントサーバーシステムとするのが好ましい。
【0023】
次に図4図5、および図7を用いて本実施形態におけるアプリやサービスの処理について説明する。
【0024】
図4は、クライアント端末側(情報処理装置)のデフォルトプリンタ設定処理の例について示している。
【0025】
図4に示す処理はすべてクライアント端末102の記憶部214に格納されたデフォルトプリンタ設定アプリ311のプログラムがメモリ213にロードされてCPU212によって実行される。
【0026】
まず、デフォルトプリンタ設定アプリ311は、プリンタのパネル上に表示されているか、もしくは、プリンタの筐体に付帯している二次元コードを、画像読み取り部218でスキャンする(s401、図7(a))。次に、デフォルトプリンタ設定アプリ311は、読み取った二次元コードの画像を解析してデバイス固有IDを抽出する(s402)。そして、デフォルトプリンタ設定アプリ311は、プリントサービス301へのログインUIを表示して、ユーザ情報及びパスワードの入力を促す(s403、図7(b))。ユーザ情報に対応する正しいパスワードの入力が行われた場合に、プリントサービス301ではユーザのログインが成功したと判定する。デフォルトプリンタ設定アプリ311は、ユーザのプリントサービス301へのログインが成功したか否かを判定する(s404)。
【0027】
s404でプリントサービス301へのログインに成功したならば、デフォルトプリンタ設定アプリ311は、プリントサービス301からクレデンシャル情報を受け取る。クレデンシャル情報には、例えばIDトークンのような、認証済みユーザの属性が含まれる署名済みデータが用いられる。そして、デフォルトプリンタ設定アプリ311は、デバイス固有IDとクレデンシャル情報を添えてデフォルトプリンタ設定要求をプリントサーバ101に送信する(s405)。デフォルトプリンタ設定アプリ311は、プリントサーバ101からの応答によってデフォルトプリンタ設定が成功したか否かを判定する(s406)。s406で、デフォルトプリンタ設定が成功した場合は、デフォルトプリンタ設定アプリ311は、表示部216にプリンタ一覧画面を表示する(s407、図7(c))。プリンタ一覧画面には更新された個別デバイスリストに登録されているプリンタの一覧(701)とデフォルトプリンタ設定(702)が表示される。一方、s406で、デフォルトプリンタ設定が失敗した場合は、デフォルトプリンタ設定アプリ311は、表示部216にエラー情報を表示する(s408、図7(d))。
【0028】
また、s406で、プリントサービス301へのログインに失敗した場合も、デフォルトプリンタ設定アプリ311は、表示部216にエラー情報を表示する(s409、図7(e))。
【0029】
なお、デフォルトプリンタとは、予め選択されているプリンタであり、手動によるプリンタの選択がされなければ、それを用いて印刷が行われるプリンタとなっている。
【0030】
図5は、プリントサーバ101側のデフォルトプリンタ設定処理の例について示している。
【0031】
図5に示す処理はすべてプリントサーバ101の記憶部204に格納されたプリントサービス301のプログラムがメモリ203にロードされてCPU202によって実行される。
【0032】
図5のフローは、プリントサービス301がデフォルトプリンタ設定要求を受信した結果、s501が始まる。
【0033】
まず、プリントサービス301がデフォルトプリンタ設定要求を受信する(s501)。プリントサービス301は、受信したデフォルトプリンタ設定要求に添えてあったクレデンシャル情報を現在ログイン中のユーザ情報と照合する(s502)。s502にて、クレデンシャル情報と現在ログイン中のユーザ情報が一致した場合は、プリントサービス301は、受信したデフォルトプリンタ設定要求に添えてあったデバイス固有IDを個別デバイスリストと照合する(s503)。一方、s502にて、クレデンシャル情報と現在ログイン中のユーザ情報が不一致の場合は、プリントサービス301は、クライアント端末102にエラーを返す(s507)。s503にて、そのデバイス固有IDが個別デバイスリストに登録されているいずれかのデバイス固有IDと一致した場合は、プリントサービス301は、そのデバイス固有IDを持つプリンタをデフォルトプリンタに設定する(s506)。
【0034】
一方、s503にて、そのデバイス固有IDと一致するプリンタが個別デバイスリスト内に無かった場合は、プリントサービス301は、そのデバイス固有IDを共有デバイスリストと照合する(s504)。s504にて、そのデバイス固有IDと一致するプリンタが共有デバイスリスト内にあった場合は、プリントサービス301は、そのデバイス固有IDをユーザの個別デバイスリストに記録する。これにより、プリンタをユーザ毎の利用デバイスとして登録する(s505)。そして、プリントサービス301は、さらにそのデバイス固有IDを持つプリンタをデフォルトプリンタに設定する(s506)。一方、s504にて、そのデバイス固有IDが一致するプリンタが共有デバイスリスト内に無かった場合は、プリントサービス301は、クライアント端末102にエラーを返す(s508、図7(e))。
【0035】
以上のように、クライアント端末102におけるデフォルトプリントアプリ311とプリントサーバ101のプリントサービス301が連携して処理することにより、プリンタの固有デバイスIDを基にユーザ毎にデフォルトプリンタ設定をすることが可能となる。また、ユーザはプリンタを目の前にして操作するため、印刷対象プリンタの名称やIPアドレス等を記憶する手間が省かれ利便性が向上する。また、ユーザが印刷対象プリンタを共有プリンタのリストから毎回選択し直す必要が無いため、ユーザ作業の負荷も削減される。
【0036】
以上のように、本実施形態では、ユーザは、ログインが行われた後で明示的にデフォルトプリンタを手動で選択する必要がなく、プリンタの表示部に表示された二次元コードをただ撮影するだけで、そのプリンタをデフォルトプリンタに設定することが可能となる。
【0037】
<実施形態2>
実施形態1では、ユーザがクライアント端末102のデフォルトプリンタ設定アプリ311で二次元コードを読み取ることでデフォルトプリンタを設定する方法の例について説明した。本実施形態では、さらに、管理者が容易に共有デバイスリストにプリンタを登録する方法について説明する。
【0038】
本実施形態に係る具体的な処理について、図6を用いて説明する。なお、ここでは実施形態1との違いについてのみ説明する。システム構成、ハードウェア/ソフトウェア構成、それぞれの処理フローについては一部を除き実施形態1と同じであるため説明を省略する。
【0039】
図6は、プリントサーバ101側の共有デバイスリストへの登録処理ならびにデフォルトプリンタ設定処理の例について示している。
【0040】
図6に示す処理はすべてプリントサーバ101の記憶部204に格納されたプリントサービス301のプログラムがメモリ203にロードされてCPU202によって実行される。
【0041】
図6(a)のフローは、プリントサービス301がデフォルトプリンタ設定要求を受信した結果、s601が始まる。
【0042】
s601からs607までの処理は、図5のs501からs507までの処理と同じであるため説明を省略する。s604で、共有デバイスリストに、固有デバイスIDが一致するプリンタが無い場合に、プリントサービス301は共有デバイス登録処理を実施する(s608)。
【0043】
共有デバイス登録処理の具体例を図6(b)に示す。
【0044】
プリントサーバ101は、ファイルストレージ302に保存されているユーザ情報を参照し、ユーザが共有デバイス登録権限を有しているか否かを判定する(s611)。
【0045】
s611にて、ユーザが共有デバイス登録権限を有している場合は、プリントサーバ101は、共有デバイスリストに固有デバイスIDを記録することで、プリンタを共有デバイスとして登録する(s612)。そして、プリントサーバ101は、さらにそのユーザの個別デバイスリストにその固有デバイスIDを記録することでプリンタをユーザ毎の利用デバイスとして登録する(s613)。そして、プリントサービス301は、さらにそのデバイス固有IDを持つプリンタをデフォルトプリンタに設定する(s614)。そして、s611にて、プリントサービス301は、クライアント端末102にエラーを返す(s615)。
【0046】
以上、本実施形態によれば、プリントサービス301は、共有デバイスリストにプリンタを登録し、デフォルトプリンタの設定を行う。
【0047】
そのため、ユーザはプリンタを目の前にして操作するため、印刷対象プリンタの名称やIPアドレス等を記憶する手間が省かれ利便性が向上する。
【0048】
また、プリンタの管理者自身も、新規プリンタを容易に共有デバイスリストに登録することができ、プリンタ管理作業の負荷が軽減される。
【0049】
<実施形態3>
実施形態1では、ユーザがクライアント端末102のデフォルトプリンタ設定アプリで二次元コードを読み取ることでデフォルトプリンタを設定する方法の例について説明した。
【0050】
デフォルトプリンタ設定アプリはプリンタ103にあっても良い。すなわち、本実施形態では、さらに、ユーザがプリンタ103のデフォルトプリンタ設定アプリを起動することでデフォルトプリンタを設定する方法の例について説明する。
【0051】
本実施形態に係る具体的な処理について、図9および図10を用いて説明する。なお、ここでは実施形態1との違いについてのみ説明する。システム構成、ハードウェア/ソフトウェア構成、それぞれの処理フローについては一部を除き実施形態1と同じであるため説明を省略する。
【0052】
図9(a)はプリントサーバ101のソフトウェア構成を示すブロック図である。これは図3(a)のプリントサーバ101のソフトウェア構成と同一であるため説明を省略する。
【0053】
図9(b)はプリンタ103のソフトウェア構成を示すブロック図である。デフォルトプリンタ設定アプリ901は、クライアント端末102のデフォルトプリンタ設定アプリ311と同じである。
【0054】
ファイルストレージ902はプリンタ103の記憶部224内に用意されたユーザファイル保存用の領域であり、ユーザは取得した固有デバイスIDを保存することができる。デフォルトプリンタ設定アプリ901はファイルストレージ902にアクセスする権限を持つ。
【0055】
次に本実施形態におけるアプリの処理について説明する。
【0056】
図10は、プリンタでデフォルトプリンタ設定アプリを実施した場合のデフォルトプリンタ処理の例について示している。
【0057】
図10に示す処理はすべてプリンタ103の記憶部224に格納されたデフォルトプリンタ設定アプリ901のプログラムがメモリ223にロードされてCPU222によって実行される。
【0058】
図10のフローは、ユーザがプリンタのパネル上のUIからデフォルトプリンタ設定アプリ901を起動した結果、s1001が始まる。
【0059】
デフォルトプリンタ設定アプリ901は、プリンタのパネル上のUIから起動されると、直接プリンタからデバイス固有IDを取得する(s1001)。
【0060】
s1002からs1008までの処理は、図4のs403からs409までの処理と同じであるため説明を省略する。
【0061】
以上、本実施形態によれば、プリンタ103のデフォルトプリンタ設定アプリ901は、プリンタの固有デバイスIDを取得し、そのプリンタの固有デバイスIDを基にユーザ毎にデフォルトプリンタ設定をすることが可能となる。
【0062】
また、ユーザはクライアント端末が無い場合でも容易にデフォルトプリンタ設定をすることが可能となる。
【0063】
<実施形態4>
実施形態1では、ユーザがクライアント端末102のデフォルトプリンタ設定アプリで二次元コードを読み取ることでデフォルトプリンタを直ちに設定する方法の例について説明した。
【0064】
本実施形態では、さらに、ユーザに「デフォルトに設定するかどうか」を確認し、確認結果に応じて設定を行う方法について説明する。
【0065】
本実施形態に係る具体的な処理について、図11および図12を用いて説明する。なお、ここでは実施形態1との違いについてのみ説明する。システム構成、ハードウェア/ソフトウェア構成、それぞれの処理フローについては一部を除き実施形態1と同じであるため説明を省略する。
【0066】
図11は、クライアント端末側のデフォルトプリンタ設定処理の例について示している。
【0067】
図11に示す処理はすべてクライアント端末102の記憶部214に格納されたデフォルトプリンタ設定アプリ311のプログラムがメモリ213にロードされてCPU212によって実行される。
【0068】
まず、デフォルトプリンタ設定アプリ311は、スキャンのUIと手入力のUIの選択肢をユーザに提示する(s1101)。s1101にて、スキャンのUIが選択された場合は、スキャン起点の処理フローとなり、s1102、s1103、s1105、s1106は、s401からs404までの処理と同じであるため説明を省略する。一方、s1101にて、手入力のUIが選択された場合は、手入力起点の処理フローとなり、デフォルトプリンタ設定アプリ311は、ユーザによるデバイス固有IDの入力を受け付ける。手入力起点の処理フローにおいてもs1105、s1106は、s403からs404までの処理と同じであるため説明を省略する。s1106でプリントサービス301へのログインに成功したならば、デフォルトプリンタ設定アプリ311は、プリントサービス301からクレデンシャル情報を受け取る。そして、デフォルトプリンタ設定アプリ311は、デバイス固有IDやクレデンシャル情報から構成されるデフォルトプリンタ設定要求情報に、スキャン起点か手入力起点かの起点情報を追加する(s1107)。そして、デフォルトプリンタ設定アプリ311は、デフォルトプリンタ設定要求をプリントサーバ101に送信する(s1108)。s1109からs1012までの処理は、図4のs406からs408までの処理と同じであるため説明を省略する。
【0069】
図12は、プリントサーバ101側のデフォルトプリンタ設定処理の例について示している。
【0070】
図12に示す処理はすべてプリントサーバ101の記憶部204に格納されたプリントサービス301のプログラムがメモリ203にロードされてCPU202によって実行される。
【0071】
図12のフローは、プリントサービス301がデフォルトプリンタ設定要求を受信した結果、s1201が始まる。
【0072】
まず、プリントサービス301がデフォルトプリンタ設定要求を受信する(s1201)。
【0073】
プリントサービス301は、受信したデフォルトプリンタ設定要求に添えてあったクレデンシャル情報を現在ログイン中のユーザ情報と照合する(s1202)。s1202にて、クレデンシャル情報と現在ログイン中のユーザ情報が一致した場合は、プリントサービス301は、受信したデフォルトプリンタ設定要求に添えてあったデバイス固有IDを個別デバイスリストと照合する(s1203)。一方、s502にて、クレデンシャル情報と現在ログイン中のユーザ情報が不一致の場合は、プリントサービス301は、クライアント端末102にエラーを返す(s1208)。s1203にて、そのデバイス固有IDが個別デバイスリストに登録されているいずれかのデバイス固有IDと一致した場合は、プリントサービス301は、デフォルトプリンタ設定要求情報の起点情報から、スキャン起点か否かを判定する(s1206)。一方、s1203にて、そのデバイス固有IDと一致するプリンタが個別デバイスリスト内に無かった場合は、プリントサービス301は、そのデバイス固有IDを共有デバイスリストと照合する(s1204)。s1204にて、そのデバイス固有IDと一致するプリンタが共有デバイスリスト内にあった場合は、プリントサービス301は、そのデバイス固有IDをユーザの個別デバイスリストに記録することでプリンタをユーザ毎の利用デバイスとして登録する(s1205)。そして、プリントサービス301は、デフォルトプリンタ設定要求情報の起点情報から、スキャン起点か否かを判定する(s1206)。一方、s1204にて、そのデバイス固有IDが一致するプリンタが共有デバイスリスト内に無かった場合は、プリントサービス301は、クライアント端末102にエラーを返す(s1209、図7(e))。s1206にて、スキャン起点と判定した場合は、直ちにデフォルトプリンタに設定するため、プリントサービス301は、そのデバイス固有IDを持つプリンタをデフォルトプリンタに設定する(s1207)。一方、s1206にて、手入力起点と判定した場合は、そのデバイス固有IDを持つプリンタを「デフォルトに設定するかどうか」をユーザに確認する(s1210)。s1211にて、ユーザへの確認でユーザの同意が得られたと判定した場合は、プリントサービス301は、そのデバイス固有IDを持つプリンタをデフォルトプリンタに設定する(s1207)。一方、s1211にて、ユーザへの確認でユーザの同意が得られなかったと判定した場合は、プリントサービス301は、処理を終了する。
【0074】
以上、本実施例によれば、プリントサービス301は、スキャン起点か手入力起点かを判定した結果に応じて、ユーザに「デフォルトに設定するかどうか」を確認し、確認結果に応じてデフォルトプリンタ設定を行う。そのため、プリンタを目の前にして操作したことが確実なスキャン起点の場合は、直ちにデフォルトプリンタの設定が可能になる。一方、プリンタを目の前にしていない場合も想定される手入力起点の場合は、ユーザに確認することで、ユーザの利便性を損なうことなく誤操作を抑制することが可能となる。
【0075】
<その他の実施例>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0076】
101 プリントサーバ
102 クライアント端末
103 プリンタ
301 プリントサービス
311 デフォルトプリンタ設定アプリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12