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  • 特許-シート剥離方法およびシート剥離装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】シート剥離方法およびシート剥離装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
H01L21/68 N
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020034740
(22)【出願日】2020-03-02
(65)【公開番号】P2021141096
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】根本 拓
(72)【発明者】
【氏名】田村 桜子
(72)【発明者】
【氏名】福嶋 康介
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-114270(JP,A)
【文献】特開2011-114271(JP,A)
【文献】特開2019-186488(JP,A)
【文献】特開2011-114272(JP,A)
【文献】特開2011-114273(JP,A)
【文献】特開2011-114274(JP,A)
【文献】特開2011-114275(JP,A)
【文献】特開2010-21344(JP,A)
【文献】特開2004-79743(JP,A)
【文献】特開2016-134588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体に貼付された接着シートを当該被着体から剥離するシート剥離方法であって、
前記被着体に貼付された前記接着シートの剥離開始部の厚みを全体的または部分的に薄くすることで、前記接着シートの剥離開始部の弾性復元力を低下させる弾性復元力低下工程と、
前記弾性復元力を低下させた前記剥離開始部と前記被着体とを相対移動させ、前記被着体から前記接着シートを分割させずに当該接着シート全体を剥離する剥離工程とを実施することを特徴とするシート剥離方法。
【請求項2】
被着体に貼付された接着シートを当該被着体から剥離するシート剥離装置であって、
前記被着体に貼付された前記接着シートの剥離開始部の厚みを全体的または部分的に薄くすることで、前記接着シートの剥離開始部の弾性復元力を低下させる弾性復元力低下手段と、
前記弾性復元力を低下させた前記剥離開始部と前記被着体とを相対移動させ、前記被着体から前記接着シートを分割させずに当該接着シート全体を剥離する剥離手段とを備えていることを特徴とするシート剥離装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート剥離方法およびシート剥離装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被着体に貼付された接着シートの剥離開始部を保持し、当該剥離開始部と被着体とを相対移動させて当該被着体から接着シートを剥離するシート剥離方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-16862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたシート剥離方法では、保護シートF(接着シート)の弾性復元力が大きくなると、半導体ウエハW(被着体)から剥離した直後の接着シートの折り曲げ部ASR(本願の図1(C)参照)の円弧半径が大きくなる。すると、接着シートが被着体をテーブル203(支持手段)から持ち上げようとする力(支持手段における接着シートの支持面から離間する方向であって、当該支持面に直交する方向の力成分)が大きくなり、当該被着体が支持手段から外れて破損する可能性がある。
【0005】
本発明目的は、被着体が支持手段から外れて破損する可能性を極力低減することができるシート剥離方法およびシート剥離装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、接着シートの弾性復元力を低下させるので、接着シートの折り曲げ部の円弧半径が大きくなることが抑制され、当該接着シートが被着体を支持手段から持ち上げようとする力が大きくならなくなり、被着体が支持手段から外れて破損する可能性を極力低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(A)~(C)は、本発明の一実施形態に係るシート剥離装置の説明図。(D)、(E)は、本発明の変形例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な図1(A)の手前方向から観た場合を基準とし、方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1(A)中手前方向で「後」がその逆方向とする。
【0010】
本発明のシート剥離装置EAは、被着体WKに貼付された接着シートASを当該被着体WKから剥離する装置であって、接着シートASの剥離開始部AS1の弾性復元力を低下させる弾性復元力低下手段10と、弾性復元力を低下させた剥離開始部AS1と被着体WKとを相対移動させ、被着体WKから接着シートASを剥離する剥離手段20とを備え、被着体WKを支持する支持手段30の近傍に配置されている。
【0011】
弾性復元力低下手段10は、接着シートASの厚みを部分的に薄くすることで当該接着シートASの弾性復元力を低下させる弾性復元力低下手段10Aが採用されている。このような弾性復元力低下手段10Aは、複数のアームによって構成され、その作業範囲内において、作業部である先端アーム11Aで支持したものを何れの位置、何れの角度にでも変位可能な駆動機器としての所謂多関節ロボット11と、先端アーム11Aに支持された切断部材としての切断刃12とを備えている。
【0012】
剥離手段20は、感熱接着性の剥離用テープPTを繰り出す繰出手段21と、接着シートASに剥離用テープPTを押圧して貼付する押圧手段22と、剥離用テープPTを所定長さに切断する切断手段23と、駆動機器としてのリニアモータ24とを備えている。
繰出手段21は、剥離用テープPTを支持する支持ローラ21Aと、剥離用テープPTを案内するガイドローラ21Bと、駆動機器としてのリニアモータ21Cのスライダ21Dに支持されたスライドプレート21Eと、駆動機器としての直動モータ21Fの出力軸21Gに回転可能に支持された押圧部材としての押えローラ21Hと、一対の把持爪21Jを有する保持手段であって駆動機器としてのチャックシリンダ21Kとを備えている。
押圧手段22は、駆動機器としての直動モータ22Aと、直動モータ22Aの出力軸22Bに支持されたコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段22Cと、加熱手段22Cに支持された押圧部材としての押圧ヘッド22Dとを備えている。
切断手段23は、駆動機器としての直動モータ23Aと、直動モータ23Aの出力軸23Bに支持された切断部材としての切断刃23Cとを備えている。
【0013】
支持手段30は、リニアモータ24のスライダ24Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な支持面31Aを有するテーブル31とを備えている。
【0014】
以上のシート剥離装置EAの動作を説明する。
先ず、図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート剥離装置EAに対し、当該シート剥離装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように剥離用テープPTをセットした後、図示しない操作パネルやパーソナルコンピュータ等の操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。次いで、使用者または、多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、図1中実線で示すように、接着シートASが貼付された被着体WKを支持面31A上に載置すると、支持手段30が図示しない減圧手段を駆動し、支持面31Aでの被着体WKの吸着保持を開始する。
【0015】
その後、弾性復元力低下手段10が多関節ロボット11を駆動し、図1(A)中二点鎖線で示すように、切断刃12で被着体WKに達することのない切込CU(図1(B)参照)を接着シートASに形成することで、当該接着シートASの厚みを部分的に薄くし、当該接着シートASの弾性復元力を低下させる(弾性復元力低下工程)。本実施形態の場合、弾性復元力低下手段10は、図1(B)に示すように、接着シートASの剥離方向(以下、単に「剥離方向」ともいう)に直交する方向と平行な方向に延びる切込CUを、接着シートASの剥離方向に複数形成する。
【0016】
次に、剥離手段20がリニアモータ24を駆動し、テーブル31を右方に移動させ、接着シートASの右端部が押圧ヘッド22Dの直下に位置すると、リニアモータ24の駆動を停止する。そして、剥離手段20がリニアモータ21Cを駆動し、図1(A)中二点鎖線で示すように、スライドプレート21Eを右方に移動させ、一対の把持爪21J間に剥離用テープPTを繰り出す。次いで、剥離手段20が直動モータ21Fおよびリニアモータ21Cを駆動し、押えローラ21Hを上方に退避させるとともに、スライドプレート21Eを初期位置に復帰させた後、チャックシリンダ21Kを駆動し、把持爪21Jで剥離用テープPTを把持する。その後、剥離手段20が直動モータ22Aおよび加熱手段22Cを駆動し、加熱された押圧ヘッド22Dを下降させ、図1(C)に示すように、当該押圧ヘッド22Dで剥離用テープPTを接着シートASの右端部に押圧して貼付することで、剥離開始部AS1を保持する。
【0017】
次に、剥離手段20が直動モータ21Fを駆動し、押えローラ21Hを初期位置に復帰させた後、直動モータ23Aを駆動し、図1(C)に示すように、切断刃23Cを下降させて剥離用テープPTを切断する。そして、剥離手段20が直動モータ22A、23Aを駆動し、押圧ヘッド22Dおよび切断刃23Cを初期位置に復帰させた後、リニアモータ24を駆動し、図1(C)中二点鎖線に示すように、テーブル31を右方に移動させ、被着体WKから接着シートASを剥離する(剥離工程)。この際、切込CUが形成されていない接着シートASの場合、図1(C)中二点鎖線で示すように、折り曲げ部ASRは、円弧半径の大きな折り曲げ部ASR1となるが、切込CUによって弾性復元力が低下した接着シートASでは、折り曲げ部ASR1に比べて円弧半径の小さな折り曲げ部ASR2となる。
【0018】
被着体WKから接着シートAS全体が剥離されると、剥離手段20がリニアモータ24の駆動を停止した後、支持手段30が図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面31Aでの被着体WKの吸着保持を解除する。次いで、剥離手段20がチャックシリンダ21Kを駆動し、把持爪21Jを初期位置に復帰させて剥離用テープPTの把持を解除し、剥離した接着シートASを回収する箱や袋等の図示しない回収手段や使用者に接着シートASを受け渡す。その後、使用者または図示しない搬送手段が被着体WKを次工程に搬送した後、各手段がそれぞれの駆動機器を駆動し、それぞれの部材を初期位置に復帰させ、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0019】
以上のような実施形態によれば、接着シートASの弾性復元力を低下させるので、接着シートASの折り曲げ部ASRの円弧半径が大きくなることが抑制され、当該接着シートASが被着体WKを支持手段30から持ち上げようとする力が大きくならなくなり、被着体WKが支持手段30から外れて破損する可能性を極力低減することができる。
【0020】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれる。
【0021】
例えば、弾性復元力低下手段10は、図1(D)に示すように、切断刃23Cで接着シートASに溝DCを形成する構成が採用されてもよく、このような溝DCは、例えば、同図に示すような断面視V字形状でもよいし、その他U字形状、コ字形状等、どのような形状でもよいし、同図の二点鎖線で示すように、溝DCの上部が連接していてもよい。
弾性復元力低下手段10は、剥離方向に直交する方向と平行でない方向に延びる切込CUや溝DCを形成してもよいし、互いに平行な、または、互いに並行でない切込CUや溝DCを、接着シートASの剥離方向に複数形成してもよいし、互いに交差するように複数の切込CUや溝DCを形成してもよいし、接着シートAS全体に切込CUや溝DCを形成してもよいし、剥離用テープPTが貼付された接着シートASに切込CUや溝DCを形成してもよいし、接着シートASの所定の部分に切込CUや溝DCを形成してもよいし、単数の切込CUや溝DCを形成してもよいし、図1(B)に示すように、被着体WKの外縁に達する切込CUや溝DCを形成してもよいし、被着体WKの外縁に達することのない切込CUや溝DCを形成してもよいし、切込CUや溝DCは、直線、湾曲線、屈曲線、波線、円環状の線、多角環状の線等、どのような形状であってもよい。
弾性復元力低下手段10は、図1(E)に示すように、接着シートASを全体的に薄くすることで当該接着シートASの弾性復元力を低下させる弾性復元力低下手段10Bが採用されてもよい。このような弾性復元力低下手段10Bは、例えば、駆動機器としての回動モータ13の出力軸13Aに支持されたグラインダ、砥石、やすり、サンドペーパ等の研削手段14を備えた構成が例示できる。なお、弾性復元力低下手段10Bは、例えば、研削手段14で接着シートASを部分的に薄くすることで当該接着シートASの弾性復元力を低下させてもよい。
弾性復元力低下手段10は、接着シートASを全体的または部分的に柔らかくすることで当該接着シートASの弾性復元力を低下させるものでもよく、例えば、接着シートASが加熱や冷却によって柔らかくなって弾性復元力が低下するものの場合、接着シートASに熱風や熱湯等を付与したり、冷却風や冷水等を付与したりして当該接着シートの弾性復元力を低下させてもよいし、接着シートASがマイクロ波、X線、ガンマ線、紫外線、可視光線、赤外線等のエネルギー線の付与や、薬液の付与等で柔らかくなり、弾性復元力が低下するものの場合、接着シートASにエネルギー線を付与したり、薬液を付与したりすることで当該接着シートASの弾性復元力を低下させてもよく、熱風、熱湯、冷却風、冷水、エネルギー線または薬液等は、接着シートASの全体に付与したり、接着シートASの所定の部分に付与したりして、接着シートASを全体的または部分的に柔らかくしてもよい。
弾性復元力低下手段10は、切込CUの形成、溝DCの形成、接着シートASの研削、熱風や熱湯の付与、冷却風や冷水の付与、エネルギー線の付与、薬液の付与等、それらのうち少なくとも2つを接着シートASに施すことによって当該接着シートASの弾性復元力を低下させてもよいし、被着体WKに貼付される前の接着シートASの弾性復元力を低下させてもよい。
【0022】
剥離手段20は、例えば、チャックシリンダ21Kを支持するスライダを有する駆動機器としてのリニアモータを採用し、テーブル31を移動させずにまたは移動させつつ、チャックシリンダ21Kを移動させることで、剥離開始部AS1と被着体WKとを相対移動させてもよいし、多関節ロボット等の駆動機器でチャックシリンダ21Kとテーブル31とを相対移動させてもよいし、作業者が剥離開始部AS1と被着体WKとを相対移動させてもよいし、切込CUが形成された位置に剥離用テープPTを貼付してもよいし、切込CUが形成されていない位置に剥離用テープPTを貼付してもよいし、剥離用テープPTを用いることなく、弾性復元力を低下させた剥離開始部AS1を吸着パッドやチャックシリンダ等の保持手段で直接保持して当該剥離開始部AS1と被着体WKとを相対移動させてもよい。
剥離用テープPTは、感圧接着性の剥離用テープPTが採用されてもよい。なお、感圧接着性の剥離用テープPTが採用された場合、剥離手段20は、加熱手段22Cが備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
押圧手段22は、放電加熱器、マイクロ波照射装置、温風吹付装置等の加熱手段を採用してもよいし、加熱手段に代えてまたは併用して、押圧ヘッド22Dを振動させる超音波振動装置やバイブレータ等の振動手段を採用してもよい。
【0023】
支持手段30は、図示しない減圧手段が備わっていなくてもよいし、本発明のシート剥離装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0024】
シート剥離装置EAは、被着体WKを研削して当該被着体WKの厚みを薄くする研削手段が備わっていてもよいし、ダイシングテープやエキスパンドテープ等の他の接着シートを介して被着体WKとフレーム部材とを一体化する一体化手段が備わっていてもよい。
フレーム部材は、環状のものや、環状でない(外周が繋がっていない)もの、円形、楕円形、三角形以上の多角形、その他の形状であってもよい。
【0025】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、剥離工程は、被着体から接着シートを剥離する工程であればどのような工程でもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0026】
接着シートAS、剥離用テープPTおよび被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートASおよび被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートASは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよい。また、このような接着シートASは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層との間に中間層を有するもの、基材の上面にカバー層を有する等3層以上のもの、更には、基材を接着剤層から剥離することのできる所謂両面接着シートのようなものであってもよく、両面接着シートは、単層又は複層の中間層を有するものや、中間層のない単層又は複層のものであってよい。また、被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0027】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる。
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラや押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ゴム、樹脂、スポンジ等の部材を採用したり、大気やガス等の気体の吹き付けにより押圧する構成を採用したりしてもよいし、押圧するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0028】
EA…シート剥離装置
10…弾性復元力低下手段
20…剥離手段
AS…接着シート
AS1…剥離開始部
WK…被着体
図1