(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】液滴検出装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20240401BHJP
B60R 1/20 20220101ALI20240401BHJP
G01N 21/17 20060101ALI20240401BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240401BHJP
H04N 7/18 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
H04N23/60 500
B60R1/20 100
G01N21/17 E
G06T7/00 300F
H04N7/18 J
H04N7/18 K
(21)【出願番号】P 2020056804
(22)【出願日】2020-03-26
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(72)【発明者】
【氏名】平嶋 稔
(72)【発明者】
【氏名】山口 徹
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-130700(JP,A)
【文献】特開2019-140605(JP,A)
【文献】特開2002-207162(JP,A)
【文献】特開2019-029940(JP,A)
【文献】特開2018-049568(JP,A)
【文献】特開2010-273014(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 23/60
B60R 1/20
G01N 21/17
G06T 7/00
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラにより
互いに異なる時刻に生成された
複数の撮影画像を取得する画像取得部と、
前記画像取得部により取得された
複数の撮影画像における所定方向の映像信号のレベル
の時間変化を所定の単位領域ごとに特定し、特定したレベル
の時間変化
と予め設定された液滴候補閾値との比較により液滴候補領域を特定する候補領域特定部と、
前記候補領域特定部により特定された液滴候補領域の形状に基づいて、液滴が前記カメラのレンズに付着しているか否かを判断する液滴判断部と、を備える液滴検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液滴検出装置であって、
前記候補領域特定部は、
前記所定方向の映像信号のレベルの最大値及び最小値を一の単位領域において特定する統計値特定部と、
前記統計値特定部により特定された最大値と最小値との差分絶対値を前記一の単位領域におけるレベル
の時間変化として計算する差分計算部と、
前記差分計算部により計算された差分絶対値を
前記液滴候補閾値と比較した結果に基づいて、前記一の単位領域が前記液滴候補領域に含まれるか否かを判断する領域判断部と、を含む液滴検出装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の液滴検出装置であって、
前記液滴判断部は、
前記液滴候補領域の輪郭を形成する輪郭画素の配列を作成する輪郭特定部と、
前記輪郭画素の数がNである場合、前記輪郭特定部により作成された輪郭画素の配列において、k(kは1以上N/2以下の自然数)番目の画素と、k+N/2番目の画素との距離を計算する距離計算部と、
前記距離計算部により計算された距離のばらつきに基づいて、液滴が前記カメラのレンズに付着しているか否かを判断する距離判断部と、を含む液滴検出装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の液滴検出装置であって、
前記画像取得部は、
前記カメラにより第1時刻に生成された第1撮影画像から、水平方向の第1画素ラインを取得し、前記カメラにより第2時刻に生成された第2撮影画像から、水平方向の第2画素ラインを取得する画素ライン取得部と、
前記画素ライン取得部が前記第1画素ラインを前記第1撮影画像から取得した場合、前記第1画素ラインの位置に基づいて前記第2画素ラインを決定し、決定した前記第2画素ラインを前記画素ライン取得部に通知する画素ライン決定部と、
前記画素ライン取得部により取得された第1画素ラインと第2画素ラインとを含む合成撮影画像を生成する合成部と、を含み、
前記候補領域特定部は、前記合成部により生成された合成撮影画像から前記
液滴候補領域を特定する、液滴検出装置。
【請求項5】
レンズに付着した液滴を検出する液滴検出方法であって、
カメラにより
互いに異なる時刻に生成された
複数の撮影画像を取得するステップと、
前記取得された
複数の撮影画像における所定方向の映像信号のレベル
の時間変化を所定の単位領域ごとに特定し、特定したレベル
の時間変化
と予め設定された液滴候補閾値との比較により液滴候補領域を特定するステップと、
前記特定された液滴候補領域の形状に基づいて、液滴が前記カメラのレンズに付着して
いるか否かを判断するステップと、を備える液滴検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズに付着した液滴を検出する液滴検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載カメラによって撮影された画像は、車室内のモニタに表示される。車載カメラにおいて、汚れがレンズに付着することがある。特許文献1は、車載カメラのレンズに付着した白濁を除去するレンズ洗浄装置を開示している。このレンズ洗浄装置は、車載カメラにより生成された画像の輝度勾配に基づいてレンズの表面の白濁度合いを算出する。レンズに付着する白濁は、例えば、車両が未舗装路を走行することにより巻き上げられる埃等である。このレンズ洗浄装置は、算出した白濁度合いに基づいて、洗浄液又は圧縮空気の噴射形態を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係るレンズ洗浄装置は、レンズに付着した水滴を除去できない場合がある。水滴に含まれる不純物が非常に少ない場合、この水滴が白濁しないためである。
【0005】
また、水滴等の液滴がレンズに付着した場合、車両周辺環境が、カメラにより撮影された画像において、液滴により歪んで表現される虞がある。従って、レンズに液滴が付着した時点で、レンズに付着した液滴を除去することが望ましい。
【0006】
そこで、上記問題点に鑑み、本発明は、レンズに付着した液滴を検出することができる液滴検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、第1の発明は、液滴検出装置であって、画像取得部と、候補
領域特定部と、液滴判断部とを備える。画像取得部は、カメラにより互いに異なる時刻に生成された複数の撮影画像を取得する。候補領域特定部は、画像取得部により取得された撮影画像における所定方向の映像信号のレベルの時間変化を所定の単位領域ごとに特定し、特定したレベルの時間変化と予め設定された液滴候補閾値との比較により液滴候補領域を特定する。液滴判断部は、候補領域特定部により特定された液滴候補領域の形状に基づいて、液滴がカメラのレンズに付着しているか否かを判断する。
【0008】
第1の発明によれば、液滴検出装置は、レンズに付着した液滴を検出することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明であって、候補領域特定部は、統計値特定部と、差分計算部と、領域判断部とを含む。統計値特定部は、所定方向の映像信号のレベルの最大値及び最小値を一の単位領域において特定する。差分計算部は、統計値特定部により特定された最大値と最小値との差分絶対値を一の単位領域におけるレベルの時間変化として計算する。領域判断部は、差分計算部により計算された差分絶対値を液滴候補閾値と比較した結果に基づいて、一の単位領域が液滴候補領域に含まれるか否かを判断する。
【0010】
第2の発明によれば、一の単位領域におけるレベル変化を容易に特定することができる。
【0011】
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明であって、液滴判断部は、輪郭特定部と、距離計算部と、距離判断部とを含む。輪郭特定部は、液滴候補領域の輪郭を形成する輪郭画素の配列を作成する。距離計算部は、輪郭画素の数がNである場合、輪郭特定部により作成された輪郭画素の配列において、k(kは1以上N/2以下の自然数)番目の画素と、k+N/2番目の画素との距離を計算する。距離判断部は、距離計算部により計算された距離のばらつきに基づいて、液滴がカメラのレンズに付着しているか否かを判断する。
【0012】
第3の発明によれば、レンズに付着した液滴の形状を考慮して液滴がカメラのレンズに付着しているか否かを判断するので、液滴の検出精度を向上させることができる。
【0013】
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明であって、画像取得部は、画素ライン取得部と、画素ライン決定部と、合成部とを含む。画素ライン取得部は、カメラにより第1時刻に生成された第1撮影画像から、水平方向の第1画素ラインを取得し、カメラにより第2時刻に生成された第2撮影画像から、水平方向の第2画素ラインを取得する。画素ライン決定部は、画素ライン取得部が第1画素ラインを第1撮影画像から取得した場合、第1画素ラインの位置に基づいて第2画素ラインを決定し、決定した第2画素ラインを画素ライン取得部に通知する。合成部は、画素ライン取得部により取得された第1画素ラインと第2画素ラインとを含む合成画像を生成する。候補領域特定部は、合成部により生成された合成画像から液滴候補領域を特定する。
【0014】
第4の発明によれば、第1撮影画像及び第2撮影画像から生成された合成画像を用いて、液滴がレンズに付着したか否かを判断するため、1つの撮影画像から取得する情報量を抑制することができる。この結果、液滴検出装置の処理負荷が撮影画像を取得するたびに一時的に高くなることを防ぎつつ、液滴を検出することができる。
【0015】
第5の発明は、レンズに付着した液滴を検出する液滴検出方法であって、a)ステップと、b)ステップと、c)ステップとを備える。a)ステップは、カメラにより互いに異なる時刻に生成された複数の撮影画像を取得する。b)ステップは、取得された撮影画像における所定方向の映像信号のレベルの時間変化を所定の単位領域ごとに特定し、特定したレベルの時間変化と予め設定された液滴候補閾値との比較により液滴候補領域を特定する。c)ステップは、特定された液滴候補領域の形状に基づいて、液滴がカメラのレンズに付着しているか否かを判断する。
【0016】
第5の発明は、第1の発明に用いられる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、レンズに付着した液滴を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施の形態に係る液滴除去システムの構成を示す機能ブロック図である。
【
図2】
図1に示す液滴検出装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図3】
図2に示す候補領域特定部の構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図2に示す液滴判断部の構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図2に示す画像取得部の構成を示す機能ブロック図である。
【
図6】
図1に示す液滴検出装置の動作を示すフローチャート
図1に示す画像取得部により取得された撮影画像の画素ラインの構成を示す図である。
【
図7】
図6に示す合成画像生成処理(ステップS1)を説明する図である。
【
図8】
図7に示す合成画像に含まれる映像信号のレベルの時間変化の一例を示すグラフである。
【
図9】
図2に示す画像取得部により生成された合成画像に含まれる液滴候補領域の一例を示す図である。
【
図10】
図2に示す候補領域特定部5の動作を示すフローチャートである。
【
図11】
図9に示す液滴候補領域50aの拡大図である。
【
図12】
図9に示す液滴候補領域の輪郭画素から生成された配列を示す図である。
【
図13】
図9に示す液滴候補領域50bの拡大図である。
【
図14】
図6に示す液滴判断部処理(ステップS3)を示すフローチャートである。
【
図15】本発明の実施の形態の変形例に係る液滴検出装置の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0020】
[1.液滴除去システム100の構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る液滴除去システム100の構成を示す機能ブロック図である。液滴除去システム100は、カメラCと、液滴検出装置2と、液滴除去装置3とを備える。液滴除去システム100は、カメラCのレンズ上に付着する水滴等の液滴を除去する。
【0021】
カメラCは、例えば、車両の周囲に取り付けられる。車両は、例えば自動車である。カメラCは、車両の周囲を撮影して撮影画像1を生成する。撮影画像1は、アナログ形式の映像信号であり、例えば、コンポジット映像信号である。カメラCは、その生成した撮影画像1を車室内に設置された図示しない表示部に出力する。表示部は、例えば、カーナビゲーション装置のモニタである。車両の運転者や同乗者は、表示部に表示された撮影画像1により、車両の周囲を確認できる。
【0022】
液滴検出装置2は、カメラCにより生成された撮影画像1を受け、その受けた撮影画像1に基づいて液滴がカメラCのレンズに付着しているか否かを判断する。液滴検出装置2は、液滴がカメラCのレンズに付着していると判断した場合、液滴除去装置3を駆動するための駆動信号2Aを出力する。
【0023】
液滴除去装置3は、駆動信号2Aを液滴検出装置2から受けた場合、例えば圧縮した空気をカメラCのレンズに向けて噴射する。圧縮空気がカメラCのレンズに噴射されることにより、レンズに付着した液滴が除去される。
【0024】
[2.1.液滴検出装置2の構成]
図2は、
図1に示す液滴検出装置2の構成を示す機能ブロック図である。
図2を参照して、液滴検出装置2は、画像取得部4と、候補領域特定部5と、液滴判断部6とを備える。
【0025】
画像取得部4は、カメラCにより生成された撮影画像1を取得する。具体的には、画像取得部4は、互いに異なる時刻に生成された複数の撮影画像1から合成画像4Aを生成し、その生成した合成画像4Aを、候補領域特定部5に出力する。合成画像4Aの生成については、後述する。
【0026】
候補領域特定部5は、合成画像4Aを画像取得部4から受け、その受けた合成画像4Aにおける所定方向の映像信号のレベル変化を所定の単位領域ごとに特定する。本実施の形態において、所定方向とは、合成画像4Aの水平走査方向である。所定の単位領域とは、画素である。候補領域特定部5は、特定したレベル変化に基づいて、合成画像4Aにおいて液滴候補領域50を特定する。映像信号のレベル変化及び液滴候補領域50の詳細については、後述する。
【0027】
液滴判断部6は、候補領域特定部5により特定された液滴候補領域50の形状に基づいて、液滴がカメラCのレンズに付着しているか否かを判断する。液滴判断部6は、液滴がカメラCのレンズに付着していると判断した場合、駆動信号2Aを液滴除去装置3に出力する。
【0028】
[2.2.画像取得部4の構成]
図3を参照して、画像取得部4は、画素ライン取得部7と、画素ライン決定部8と、合成部9とを含む。以下の説明において、水平走査方向に一列に並ぶ画素のラインを「画素ライン」と記載する。
【0029】
画素ライン取得部7は、カメラCにより第1時刻に生成された撮影画像1Aから、水平方向の第1画素ラインL1を取得し、カメラCにより第2時刻に生成された撮影画像1Bから、水平方向の第2画素ラインL2を取得する。第2時刻は、第1時刻よりも後の時刻である。
【0030】
本実施の形態において、第1画素ラインL1は、撮影画像1Aの画素ラインのうち、上から数えて奇数番目の画素ラインである。第2画素ラインL2は、撮影画像1Bの画素ラインのうち、上から数えて偶数番目の画素ラインである。
【0031】
画素ライン取得部7は、第1画素ラインを取得した場合、取得した第1画素ラインL1の位置を示すライン位置情報71を画素ライン決定部8に出力する。画素ライン取得部7は、第2画素ラインL2を取得した場合、取得した第2画素ラインL2の位置を示すライン位置情報71を画素ライン決定部8に出力する。
【0032】
画素ライン取得部7は、次に取得すべき画素ラインを指定するライン指定情報72を画素ライン決定部8から受けた場合、受けたライン指定情報72により指定される画素ラインを、新たに取得した撮影画像1から取得する。画素ライン取得部7は、第1画素ラインL1と第2画素ラインL2との各々を取得するたびに、取得した第1画素ラインL1と第2画素ラインL2とを合成部9に出力する。
【0033】
画素ライン決定部8は、ライン位置情報71を画素ライン取得部7から受けた場合、その受けたライン位置情報71により示される画素ラインの位置に基づいて、次に取得すべき画素ラインを決定する。具体的には、ライン位置情報71が第1画素ラインL1を示す場合、画素ライン決定部8は、画素ラインL2を次に取得することを決定する。ライン位置情報71が第2画素ラインL2を示す場合、画素ライン決定部8は、画素ラインL1を次に取得することを決定する。画素ライン決定部8は、決定した画素ラインを示すライン指定情報72を画素ライン取得部7に出力する。
【0034】
合成部9は、第1画素ラインL1と第2画素ラインL2とを、画素ライン取得部7から受け、その受けた第1画素ラインL1と第2画素ラインL2とを含む合成画像4Aを生成する。合成部9は、その生成した合成画像4Aを、候補領域特定部5に出力する。
【0035】
[2.3.候補領域特定部5の構成]
図4を参照して、候補領域特定部5は、統計値特定部10と、差分計算部11と、領域判断部12とを含む。
【0036】
統計値特定部10は、合成画像4Aを画像取得部4から受け、その受けた合成画像4Aに含まれる一の単位領域における画素信号の統計値を特定する。単位領域は、画素である。統計値は、水平走査方向における画像信号のレベルの最大値及び最小値である。
【0037】
具体的には、統計値特定部10は、合成画像4Aに含まれる一の画素ラインに対応する信号を画素ごとに区分し、画素ごとに区分された信号のレベルの最大値及び最小値を特定する。信号のレベルの最大値及び最小値は、合成画像4Aに含まれる全ての画素において特定される。統計値特定部10は、合成画像4Aに含まれる各画素の最大値及び最小値を含む統計値情報101を差分計算部11に出力する。
【0038】
差分計算部11は、統計値特定部10により特定された一の単位領域における最大値と最小値との差分絶対値を一の単位領域におけるレベル最大変化量として計算する。具体的には、差分計算部11は、統計値情報101を統計値特定部10から受け、その受けた統計値情報101を用いて、合成画像4Aに含まれる各画素のレベル最大変化量を計算する。レベル最大変化量は、一の画素における信号のレベルの最大値から信号のレベルの最小値を減算することにより得られる。差分計算部11は、合成画像4Aに含まれる各画素のレベル最大変化量を記録したレベル変化情報111を領域判断部12に出力する。
【0039】
領域判断部12は、差分計算部11により特定された一の単位領域の差分絶対値を所定の液滴候補閾値と比較し、その比較結果に基づいて、一の単位領域が液滴候補領域に含まれるか否かを判断する。所定の液滴候補閾値は、一の単位領域が液滴に対応する場合に取得されるレベル最大変化量に基づいて決定される。
【0040】
具体的には、領域判断部12は、レベル変化情報111を差分計算部11から受ける。領域判断部12は、その受けたレベル変化情報111に記録された各画素のレベル最大変化量を液滴候補閾値と比較する。領域判断部12は、その比較結果に基づいて、合成画像4Aに含まれる各画素が液滴候補領域に含まれるか否かを判断する。領域判断部12は、合成画像4Aの各画素が液滴候補領域に含まれるか否かの判断結果に基づいて、合成画像4Aにおける液滴候補領域50を特定する。
【0041】
[2.4.液滴判断部6の構成]
図5を参照して、液滴判断部6は、輪郭特定部13と、距離計算部14と、距離判断部15とを含む。
【0042】
輪郭特定部13は、液滴候補領域50を候補領域特定部5から受け、その受けた液滴候補領域50の輪郭を形成する輪郭画素を特定する。輪郭特定部13は、特定した輪郭画素の配列131を作成する輪郭特定部13は、その作成した輪郭画素の配列131を、距離計算部14に出力する。
【0043】
距離計算部14は、輪郭画素の配列131を輪郭特定部13から受け、その受けた配列131に含まれる輪郭画素のうち、所定の条件を満たす2つの画素の距離を暫定対向距離141として計算する。具体的には、輪郭画素の数がNである場合、距離計算部14は、配列131において、k番目の画素と、(k+N/2)番目の画素とを特定する。距離計算部14は、特定した2つの画素の距離を暫定対向距離141として計算する。k番目の画素と(k+N/2)番目の画素とは、輪郭画素の形状が円形であると仮定した場合に対向すると想定される画素である。kは1以上N/2以下の自然数である。N/2通りの画素の組み合わせが考えられるため、距離計算部14は、暫定対向距離141の計算をN/2回繰り返す。
【0044】
距離判断部15は、暫定対向距離141を距離計算部14から受け、その受けた暫定対向距離141の統計的ばらつきに基づいて、液滴がカメラCのレンズに付着しているか否かを判断する。距離判断部15は、液滴がカメラCのレンズに付着している場合、駆動信号2Aを液滴除去装置3に出力して、カメラCのレンズに付着した液滴を液滴除去装置3に除去させる。
【0045】
[3.動作]
[3.1.液滴検出装置2の動作]
図6は、
図1に示す液滴検出装置2の動作を示すフローチャートである。液滴検出装置2は、カメラCが撮影画像1の生成を開始した場合、
図6に示す処理を開始する。
【0046】
図6を参照して、画像取得部4は、カメラCにより生成された複数の撮影画像1を用いて合成画像4Aを生成する(ステップS1)。候補領域特定部5は、ステップS1で生成された合成画像4Aにおける液滴候補領域50を特定する(ステップS2)。液滴判断部6は、ステップS2で特定された液滴候補領域50の形状に基づいて、液滴がカメラCのレンズに付着しているか否かを判断する(ステップS3)。液滴判断部6は、液滴がカメラCのレンズに付着していると判断した場合、液滴除去装置3を駆動させる。
【0047】
液滴検出装置2は、カメラCが撮影画像1の生成を終了したか否かを判断する(ステップS4)。カメラCが撮影画像1の生成を継続している場合(ステップS4においてYes)、液滴検出装置2は、ステップS1に戻る。カメラCが撮影画像1の生成を終了している場合(ステップS4においてNo)、液滴検出装置2は、
図6に示す処理を終了する。
【0048】
[3.2.合成画像4Aの生成(ステップS1)]
図7は、
図6に示す合成画像生成処理(ステップS1)を説明する図である。
図7に示す例では、合成画像4Aは、撮影画像1A及び撮影画像1Bから生成される。合成画像4Aのサイズは、撮影画像1A及び1Bのサイズと同じである。撮影画像1Aは、時刻t1において、カメラCにより生成される。撮影画像1Bは、時刻t1より後の時刻t2において、カメラCにより生成される。撮影画像1Bは、撮影画像1Aの次のフレームである。
【0049】
撮影画像1Aは、画素ラインLa1~La10を含む。画素ラインLa1は、撮影画像1Aの上端に位置する。画素ラインLa2は、画素ラインLa1の下に隣接する。画素ラインLa10は、撮影画像1Aの下端に位置する。
【0050】
撮影画像1Bは、画素ラインLb1~Lb10を含む。画素ラインLb1~Lb10の位置は、画素ラインLa1~La10の位置に対応する。
【0051】
画素ライン取得部7は、撮影画像1AをカメラCから受けた場合、撮影画像1Aから第1画素ラインを取得する。第1画素ラインは、撮影画像1の上から数えて、奇数番目の画素ラインである。具体的には、撮影画像1Aにおける第1画素ラインは、画素ラインLa1,La3,・・・,La9である。画素ライン取得部7は、取得した画素ラインLa1,La3,・・・,La9の位置を示すライン位置情報71を画素ライン決定部8に出力する。画素ライン取得部7は、撮影画像1BをカメラCから受けるまで待機する。
【0052】
画素ライン決定部8は、第1画素ラインを示すライン位置情報71に基づいて、撮影画像1Bから取得すべき画素ラインを決定する。具体的には、ライン位置情報71が第1画素ラインを示すため、画素ライン決定部8は、第2画素ラインを撮影画像1Bから取得することを決定する。第2画素ラインは、撮影画像1Bにおいて偶数番目の画素ラインである。撮影画像1Bにおいて、第2画素ラインは、画素ラインLb2,Lb4,・・・,Lb10である。画素ライン決定部8は、画素ラインLb2,Lb4,・・・,Lb10を示すライン指定情報72を画素ライン取得部7に出力する。
【0053】
画素ライン取得部7は、撮影画像1BをカメラCから受けた場合、第2画素ラインを指定するライン指定情報72に基づいて、画素ラインLb2,Lb4,・・・L10を撮影画像1Bから取得する。
【0054】
合成部9は、第1画素ラインと第2画素ラインを画素ライン取得部7から受け、その受けた第1画素ラインL1と第2画素ラインL2とを含む合成画像4Aを生成する。具体的には、合成部9は、撮影画像1Aから取得された画素ラインLa1,La3,・・・,La9を、合成画像4Aにおける奇数番目の画素ラインに配置する。合成部9は、撮影画像1Bから取得された画素ラインLb2,Lb4,・・・,Lb10を、合成画像4Aにおける偶数番目の画素ラインに配置する。
【0055】
つまり、合成部9は、撮影画像1A及び1Bにおける画素ラインの位置と同じ合成画像4Aの位置に、第1画素ライン及び第2画素ラインの各々を配置する。
図7に示すように、撮影画像1Aの画素ラインと、撮影画像1Bの画素ラインとが、合成画像4Aにおいて交互に配置される。
【0056】
画像取得部4は、撮影画像1A及び1Bから合成画像4Aを生成した後に、上記の処理を繰り返す。合成画像4Aのフレーム間隔は、撮影画像1のフレーム間隔の2倍である。
【0057】
なお、画像取得部4は、3以上の撮影画像1を用いて合成画像を生成してもよい。この場合であっても、合成部9は、撮影画像1から取得された画素ラインの位置と、合成画像4Aに配置される画素ラインの位置とは同じである。合成画像4Aが、6つの撮影画像1Aから生成される場合、合成画像4Aのフレーム間隔は、撮影画像1のフレーム間隔の6倍である。
【0058】
[3.3.液滴候補領域の特定]
候補領域特定部5は、合成画像4Aに含まれる各画素が液滴候補領域に含まれるか否かを判断する。これにより、合成画像4Aに含まれる各画素が液滴候補領域に含まれるか否かが判断される。
【0059】
[3.3.1.各画素の信号の取得]
統計値特定部10が、合成部9から合成画像4Aを取得し、取得した合成画像4Aに含まれる各画素の統計値を取得する。統計値は、具体的には、最大値及び最小値である。
【0060】
統計値特定部10は、合成画像4Aに含まれる各画素のレベルの最大値及び最小値を特定するにあたり、合成画像4Aに含まれる各画素の信号を取得する。合成画像4Aに含まれる各画素の信号は、アナログ形式の映像信号である。合成画像4Aが、アナログ形式の映像信号である撮影画像1から生成されるためである。以下、
図7に示す画素ラインLa1及びLb2を例として、各画素の信号を取得する統計値特定部10の動作を説明する。
【0061】
なお、画素ラインLa1は、画素P1~P10を含む。画素P1は、画素ラインLa1の左端に位置する。画素Pmは、画素Pm+1の左に隣接する。mは、1以上R-1以下の整数である。Rは、画素ラインLa1に含まれる画素数であり、
図7に示す例では10である。画素P10は、画素ラインLa1の右端に位置する。
【0062】
統計値特定部10は、合成画像4Aの垂直同期信号を取得した場合、画素ラインLa1の信号の取得を開始するとともに、その受けた合成画像4Aの水平同期信号のカウントを開始する。画素ラインLa1は、合成画像4Aの映像信号のうち、垂直同期信号を取得した時刻から1回目の水平同期信号の時刻までの期間における信号に相当する。従って、統計値特定部10は、1回目の水平同期信号を取得した時刻に、画素ラインLa1の信号の取得を終了する。統計値特定部10は、画素ラインLa1の映像信号を画素ごとに区分することにより、画素ラインLa1に含まれる画素P1~P10の各々に対応する信号を取得する。
【0063】
図8は、合成画像4Aに含まれる映像信号のレベルの時間変化の一例を示すグラフである。
図8を参照して、時刻t0が、合成画像4Aの垂直同期信号の時刻である。時刻t3が、合成画像4Aにおける1回目の水平同期信号の時刻である。従って、時刻t0から時刻t3までの期間TLが、画素ラインLa1の映像信号に相当する。
【0064】
統計値特定部10は、画素ラインLa1の信号を1画素あたりの時間で区分することにより、画素P1~P10の信号を取得する。1画素あたりの時間は、1水平走査期間である期間TLを水平走査方向における画素の数で除することにより得られる。統計値特定部10は、時刻t0から時刻t1までの期間Taの信号を、画素P1の信号として取得する。統計値特定部10は、時刻t1から時刻t2までの期間Tbの信号を、画素P2の信号として取得する。
図8では、画素P3~画素P10の信号の表示を省略している。
【0065】
なお、統計値特定部10は、合成画像4Aのうち、1回目の水平同期信号の時刻から2回目の水平同期信号の時刻までの信号を、画素ラインLb2として取得する。合成画像4Aに含まれる他の画素ラインの信号も、画素ラインLb2と同様に取得される。
【0066】
[3.3.2.統計値の取得]
統計値特定部10は、合成画像4Aに含まれる画素から一の画素を選択し、選択した画素の信号のレベルの最大値及び最小値を取得する。以下、液滴検出装置2の動作の説明において、
図8を参照しながら、統計値特定部10の動作を説明する。
【0067】
統計値特定部10は、画素P1の統計値として最大値A1及び最小値A2を特定する。期間Taが画素P1に対応するためである。統計値特定部10は、画素P1の最大値及び最小値を記録した統計値情報101を差分計算部11に出力する。
【0068】
画素P2が選択された場合、統計値特定部10は、画素P2に対応する信号のレベルの統計値として、最大値A3及び最小値A4を特定する。期間Tbが画素P2に対応するためである。統計値特定部10は、画素P1及びP2と同様に、合成画像4Aに含まれる他の画素の統計値を特定する。
【0069】
[3.3.3.レベル最大変化量の計算]
差分計算部11は、統計値特定部10から受けた画素P1の統計値情報101に基づいて、画素P1のレベル最大変化量を計算する。以下、画素P1及びP2を例として差分計算部11の動作を説明する。
【0070】
差分計算部11は、画素P1の最大値A1及び最小値A2を統計値情報101から取得する。差分計算部11は、その取得した最大値A1と最小値A2との差分絶対値を画素P1のレベル最大変化量として計算する。差分計算部11は、画素P1のレベル最大変化量と画素P1の位置とを紐づけたレベル変化情報111を生成する。なお、画素P2のレベル最大変化量は、最大値A3と最小値A4の差分絶対値である。統計値特定部10は、画素P1及びP2と同様に、合成画像4Aに含まれる他の画素のレベル最大変化量を計算する。
【0071】
[3.3.4.液滴候補閾値との比較]
領域判断部12は、レベル変化情報111に記録されたレベル最大変化量に基づいて、合成画像4Aに含まれる各画素が液滴候補領域に含まれるか否かを判断する。以下、画素P1を例として領域判断部12の動作を説明する。
【0072】
領域判断部12は、差分計算部11から受けたレベル変化情報111から画素P1のレベル最大変化量を取得し、取得したレベル最大変化量を予め設定された液滴候補閾値と比較する。画素P1のレベル最大変化量が液滴候補閾値よりも小さい場合、領域判断部12は、画素P1が液滴候補領域に含まれると判断する。液滴がカメラCのレンズに付着した場合、液滴が付着した位置に対応する画素の信号のレベル最大変化量が小さくなる傾向にあるためである。画素P1のレベル最大変化量が液滴候補閾値を超える場合、領域判断部12は、画素P1が背景領域に含まれると判断する。なお、背景領域は、合成画像において液滴が付着していない領域である。
【0073】
画素P1が液滴候補領域に含まれるか否かの判断がされた後に、統計値取得部10は、新たな画素(例えば、画素P2)を選択する。画素P1と同様に、選択された画素のレベル最大変化量に基づいて、選択された画素が液滴候補領域に含まれるか否かが判断される。
【0074】
[3.3.5.液滴候補領域の決定]
領域判断部12は、合成画像4Aに含まれる各画素が液滴候補領域に含まれるか否かを判断した結果に基づいて、合成画像4Aにおける液滴候補領域を特定する。以下の説明において、液滴候補領域に含まれると判断された画素を「候補画素」と記載する。
【0075】
図9は、画像取得部4により生成された合成画像4Aに含まれる液滴候補領域の一例を示す図である。
図9を例にして、液滴候補領域を決定する領域判断部12の動作を説明する。
【0076】
領域判断部12は、候補画素が連続する領域をラベリング処理により特定し、特定した領域を液滴候補領域に決定する。
図9において、候補画素が連続する領域は、画素Pa1~Pa18により囲まれた領域50aと、画素Pb1~Pb12からなる領域50bである。領域判断部12は、領域50a及び50bの各々を液滴候補領域に決定する。領域50aは、カメラCのレンズに付着した雨滴に対応する。領域50bは、道路に描かれた白線に対応する。
図9に示す領域50aにおいて、画素Pa1~Pa18を除く画素の表示を省略している。後述する
図11及び
図13についても同様である。
【0077】
以下の説明において、領域50aを「液滴候補領域50a」と記載し、領域50bを「液滴候補領域50b」と記載する。 詳細については後述するが、一の液滴候補領域に含まれる画素群が所定の条件を満たす場合、一の液滴候補領域は、フロントガラスに付着した雨滴であると判断される。
【0078】
[3.3.6.候補領域特定部5の動作]
図10は、
図2に示す候補領域特定部5の動作を示すフローチャートである。候補領域特定部5は、合成画像4Aを画像取得部4から受けた場合、
図10に示す処理を開始する。
【0079】
図10を参照して、統計値特定部10は、合成画像4Aに含まれる各画素の信号を取得する(ステップS201)。
【0080】
統計値特定部10は、合成画像4Aに含まれる画素のうち一つを選択する(ステップS202)。
【0081】
統計値特定部10は、ステップS202で選択した画素の信号のレベルの最大値及び最小値を特定する(ステップS203)。
【0082】
差分計算部11は、ステップS203で特定された最大値及び最小値に基づいて、ステップS202で選択した画素の信号のレベル最大変化量を計算する(ステップS204)。
【0083】
領域判断部12は、ステップS204で計算されたレベル最大変化量を液滴候補閾値と比較する(ステップS205)。レベル最大変化量が液滴候補閾値より小さい場合(ステップS205においてYes)、領域判断部12は、ステップ202で選択した画素が液滴候補領域に含まれると判断する(ステップS206)。レベルの最大変化量が液滴候補閾値を超える場合(ステップS205においてNo)、領域判断部12は、ステップ202で選択した画素が背景領域に含まれると判断する(ステップS207)。
【0084】
合成画像4Aにおける全ての画素が選択された場合(ステップS208においてYes)、領域判断部12は、連続する候補画素の領域を液滴候補領域50に決定する(ステップS209)。これにより、候補領域特定部5は、
図10に示す処理を終了する。ステップS202で選択されていない画素がある場合(ステップS208においてNo)、候補領域特定部5は、ステップS202に戻る。
【0085】
候補領域特定部5は、ステップS202で新たに実行する場合、液滴候補領域50に含まれるか否かの判断がされていない画素を選択する。画素を選択する順序は、ランダムでもよいし、予め設定されていてもよい。
【0086】
[3.4.液滴判断]
液滴判断部6は、候補領域特定部5により特定された液滴候補領域50の形状に基づいて、液滴がカメラCのレンズに付着しているか否かを判断する。液滴判断部6は、液滴がカメラCのレンズに付着していると判断した場合、液滴除去装置3を駆動させる。
【0087】
[3.4.1.輪郭画素の特定]
輪郭特定部13は、液滴候補領域50を領域判断部12から受け、受けた液滴候補領域50から一の液滴候補領域を選択し、選択した液滴候補領域の輪郭を形成する輪郭画素を特定する。
【0088】
以下、選択された一の液滴候補領域が
図9に示す液滴候補領域50aである場合を例にして、輪郭特定部13の動作を説明する。
【0089】
図11は、
図9に示す液滴候補領域50aの拡大図である。
図11を参照して、輪郭特定部13は、液滴候補領域50aに含まれる画素のうち、画素Pa1~Pa18を輪郭画素として特定する。具体的には、輪郭特定部13は、液滴候補領域50aに含まれる候補画素を1つ選択する。選択した候補画素の全ての頂点のうち少なくとも1つの頂点が、候補画素ではない画素の頂点と一致する場合、輪郭特定部13は、選択した候補画素が輪郭画素であると判断する。あるいは、選択した候補画素が、液滴候補領域50aに含まれる他の候補画素に接していない辺を少なくとも1つ有する場合、輪郭特定部13は、選択した候補画素が輪郭画素であると判断してもよい。
【0090】
[3.4.2.除外閾値との比較]
輪郭特定部13は、特定した輪郭画素Pa1~Pa18の画素数を予め設定された除外閾値と比較する。除外閾値は、例えば、8である。比較の結果、輪郭画素Pa1~Pa18の画素数が除外閾値以上であるため、輪郭特定部13は、輪郭画素Pa1~Pa18を含む液滴候補領域50aの判断を継続する。選択した液滴候補領域50に含まれる輪郭画素の数が除外閾値より小さい場合、輪郭特定部13は、選択した液滴候補領域50の判断を終了する。これにより、カメラCのレンズに付着する液滴が、ユーザの視認に影響を及ぼさない程度の大きさであるものを除外することができる。また、液滴候補領域が略円形であるか否かを判断する精度を向上することができる。
【0091】
[3.4.3.輪郭画素の配列の作成]
図11を参照して、輪郭特定部13は、輪郭画素Pa1を配列の先頭画素として選択し、輪郭画素の配列の要素番号を「1」に決定する。輪郭特定部13は、選択した輪郭画素Pa1から反時計回りの順に輪郭画素を特定し、特定した輪郭画素に配列の要素番号を付与する。配列の要素番号は、輪郭画素の各々に付与される。輪郭特定部13は、輪郭画素の各々に付与した要素番号にしたがって配列131を生成する。配列131の要素数は、輪郭画素の数に位置する。
【0092】
図12は、
図9に示す液滴候補領域50aの輪郭画素から生成された配列131を示す図である。
図12に示す各画素の下に配置された数値が、配列131の要素番号である。
【0093】
[3.4.4.形状判断]
カメラCのレンズに付着した液滴は、液滴の表面張力によって略円形となる。従って、液滴候補領域50aが液滴である場合、液滴の輪郭上に位置する画素のうち下記の対向条件を満たす2つの画素を結ぶ線分は、円の直径に相当する。対向条件は、液滴の輪郭上に位置する画素のうち液滴候補領域50aの重心を挟んで対向することである。対向条件を満たす画素のペアを変更した場合であっても、変更されたペアに含まれる2つの画素を結ぶ線分が、円の直径に相当することに変わりはない。液滴候補領域50aが液滴である場合、対向する2つの画素の距離の分散は、小さくなると考えられる。
【0094】
距離計算部14は、液滴候補領域50aに含まれる画素のうち、液滴候補領域50aが液滴であれば対向すると想定される2つの画素を特定する。距離計算部14は、特定した2つの画素の距離を暫定対向距離141として計算する。以下、詳しく説明する。
【0095】
図11及び
図12を参照して、液滴候補領域50aが液滴である場合、輪郭画素Pa1~Pa18は、液滴の輪郭に沿って均等に配置される。k番目の画素から最も離れた画素は、(k+2/N)番目の画素である。Nは、輪郭画素の数であり、kは、1以上(2/N)以下の自然数である。距離計算部14は、k番目の画素と(k+2/N)番目の画素とを含む画素のペアを特定する。距離計算部14は、特定した画素のペアに含まれる2つの画素の距離を計算する。
【0096】
図12において、Nは18である。従って、距離計算部14は、k=1の場合、距離計算部14により特定される輪郭画素は、画素Pa1及びPa10である。距離計算部14は、画素Pa1から画素Pa10までの距離Mk1を暫定対向距離141として計算する。k=2の場合、特定される輪郭画素は、画素Pa2及びPa11である。距離計算部14は、画素Pa2から画素Pa11までの距離Mk2を暫定対向距離141として計算する。その後、距離計算部14は、kをインクリメントする。距離計算部14は、kが9に達するまで、暫定対向距離141を計算する処理を繰り返す。
【0097】
距離判断部15は、距離計算部14により計算された全ての暫定対向距離141の分散を計算する。なお、距離判断部15は、計算された全ての暫定対向距離141の統計的ばらつきを計算するのであれば、分散でなくてもよい。距離判断部15は、計算した分散を予め設定された分散閾値と比較し、その比較結果に基づいて液滴候補領域50aが液滴であるか否かを判断する。分散閾値は、カメラのレンズに付着した液滴を用いて事前に計算される。
【0098】
図12に示すように、液滴候補領域50aは、雨滴に対応するため、液滴候補領域50aから計算された分散は、分散閾値よりも低い。距離判断部15は、液滴候補領域50aが円形に近い形状を有しているため、液滴であると判断する。つまり、液滴候補領域50aは、液滴領域であると判断される。
【0099】
以下、液滴候補領域50bの形状判断について説明する。
図13は、
図9に示す液滴候補領域50bの拡大図である。
【0100】
図13を参照して、距離計算部14は、液滴候補領域50bが液滴であれば対向すると想定される2つの画素を、液滴候補領域50bに含まれる輪郭画素Pb1~Pb12の中から特定する。例えば、距離計算部14は、輪郭画素Pb1及びPb7を特定し、輪郭画素Pb1から輪郭画素Pb7までの距離Nk1を計算する。距離計算部14は、輪郭画素Pb3及びPb9を特定し、輪郭画素Pb3から輪郭画素Pb9までの距離Nk2を計算する。
【0101】
液滴候補領域50bは、上述のように道路に描かれた白線に対応しており、円形ではない。距離Nk2が距離Nk1の数倍よりも大きいため、液滴候補領域50bから計算される分散は、分散閾値以上である。液滴候補領域50bが液滴でないため、距離判断部15は、液滴候補領域50bが背景領域であると判断する。
【0102】
[3.4.5.液滴判断部6の動作]
図14は、
図6に示す液滴判断部処理(ステップS3)を示すフローチャートである。液滴判断部6は、合成画像4Aに含まれる液滴候補領域を候補領域特定部5から受けた場合、
図14に示す処理を開始する。
【0103】
図14を参照して、輪郭特定部13は、候補領域特定部5から受けた液滴候補領域の中から液滴候補領域を1つ選択する(ステップS104)。
【0104】
輪郭特定部13は、ステップS104で選択した液滴候補候補領域の輪郭画素を特定する(ステップS105)。
【0105】
輪郭特定部13は、ステップS105で特定した輪郭画素の画素数を除外閾値と比較する(ステップS106)。輪郭画素の画素数が除外閾値以上の場合(ステップS106においてYes)、輪郭特定部13は、輪郭画素の配列を作成する(ステップS107)。輪郭画素の画素数が除外閾値より小さい場合(ステップS106においてNo)、輪郭特定部13は、ステップS104で選択した液滴候補候補領域が背景領域であると判断する(ステップS114)。その後、液滴判断部6は、後述するステップS115に進む。
【0106】
距離計算部14は、ステップS107で作成された配列を用いて、選択された液滴候補領域が液滴である場合に対向すると想定される輪郭画素のペアを特定する(ステップS108)。
【0107】
距離計算部14は、ステップS108で決定した2つの輪郭画素の距離を暫定対向距離141として計算する(ステップS109)。
【0108】
距離計算部14は、ステップS108で特定されていない輪郭画素のペアがある場合(ステップS110においてNo)、ステップS108及びステップS109の処理を繰り返す。ステップS108で全ての輪郭画素のペアが特定された場合(ステップS110においてYes)、距離計算部14は、ステップS109で計算された全ての距離の分散を計算する(ステップS111)。
【0109】
なお、選択された液滴候補領域に含まれある輪郭画素の数が奇数である場合、距離計算部14は、ステップS110で、ステップS108で特定されなかった輪郭画素の数が1であるか否かを判断する。特定されなかった輪郭画素の数が1である場合、距離計算部14は、ステップS111に進む。
【0110】
距離判断部15は、ステップS111で計算された分散を分散閾値と比較する(ステップS112)。ステップS111で計算された分散が分散閾値以下の場合(ステップS112においてYes)、距離判断部15は、ステップS104で選択した液滴候補領域が液滴領域であると判断する(ステップS113)。
【0111】
ステップS111で計算された距離の分散が分散閾値を超える場合(ステップS112においてNo)、ステップS104で選択した液滴候補候補領域が背景領域であると判断する(ステップS114)。
【0112】
ステップS113又はS115の後に、液滴判断部6は、ステップS104において未だ選択されていない液滴候補領域があるか否かを判断する(ステップS115)。液滴候補候補領域がある場合(ステップS115においてNo)、液滴判断部6は、新たな液滴候補領域を選択するために、ステップS104に戻る。全ての液滴候補領域が選択された場合(ステップS115においてYes)液滴判断部6は、液滴判断部処理(ステップS3)を終了する。
【0113】
液滴判断部6は、合成画像4Aに含まれる全ての液滴候補領域を判断した後に、液滴除去装置3を駆動するか否かを判断する。例えば、液滴判断部6は、合成画像4Aに含まれる液滴領域の数が基準値を超える場合、液滴除去装置3を駆動することを決定する。
【0114】
あるいは、液滴判断部6は、合成画像4Aに含まれる液滴領域の面積が予め設定された面積基準値を超える場合、液滴除去装置3を駆動することを決定する。例えば、液滴判断部6は、液滴領域であると判断された液滴候補領域に含まれる画素の数の積算値を液滴領域の面積として用いればよい。
【0115】
以上説明したように、液滴検出装置2は、撮影画像1における画素ごとの映像信号のレベル変化に基づいて液滴候補領域50を特定する。液滴検出装置2は、特定した液滴候補領域50の形状に基づいて、液滴がカメラCのレンズに付着しているか否かを判断することができ、レンズに付着した液滴を検出することができる。
【0116】
液滴検出装置2は、映像信号のレベルの最大値及び最小値を一の画素において特定する。液滴検出装置2は、特定された最大値と最小値との差分絶対値を一の画素におけるレベル変化として計算するので、一の画素におけるレベル変化を容易に特定することができる。
【0117】
液滴検出装置2は、特定された液滴候補領域50の輪郭を形成する輪郭画素を用いて、液滴がカメラCのレンズに付着しているか否かを判断する。すなわち、液滴検出装置2は、カメラCのレンズに付着した液滴の形状を考慮して液滴がカメラのレンズに付着しているか否かを判断するので、液滴の検出精度を向上させることができる。
【0118】
液滴検出装置2は、撮影画像1A及び撮影画像1Bから生成された合成画像4Aを用いて、液滴がレンズに付着したか否かを判断するため、1つの撮影画像から取得する情報量を抑制することができる。この結果、液滴検出装置2の処理負荷が撮影画像を取得するたびに一時的に高くなることを防ぎつつ、液滴を検出することができる。
【0119】
[変形例]
上記実施の形態では、液滴検出装置2が、撮影画像1から合成画像4Aを生成した後に、合成画像4Aに含まれる画素のレベル最大変化量を取得する例を説明した。しかし、液滴検出装置2は、画素ラインの取得と並行して、画素ラインに含まれる各画素のレベル最大変化量を取得してもよい。
【0120】
図15は、本発明の実施の形態の変形例に係る液滴検出装置2の動作を示すフローチャートである。本変形例に係る液滴検出装置2は、
図6に示す処理を実行する際に、ステップS1及びS2に代えて
図15に示す処理を実行する。
図15に示す処理の結果、撮影画像1と同じサイズの液滴候補画像が生成される。液滴候補画像に含まれる各画素は、液滴候補領域に含まれるか否かを示す。
【0121】
画像取得部4は、撮影画像1から取得すべき画素ラインを設定する(ステップS501)。例えば、画素ライン決定部8は、上記実施形態と同様に、撮影画像1Aにおける奇数番目の画素ラインを示すライン指定情報72を生成する。
【0122】
図15に示されていないが、画像取得部4は、ステップS501の実行時において、水平同期信号のカウント値を1に初期化する。撮影画像1に含まれる画素は、上から順に入力されるためである。
【0123】
画像取得部4は、映像信号の映像信号の入力を開始する。画像取得部4は、水平同期信号のカウント値がライン指定情報72で指定された画素ラインに対応するか否かを判断する(ステップS502)。
【0124】
カウント値がライン指定情報72で指定された画素ラインに対応しない場合(ステップS502においてNo)、画像取得部4は、1画素ラインに相当する時間が経過するまで待機する(ステップS508)。例えば、カウント値が2であり、かつ、ライン指定情報72が上から奇数番目の画素ラインを指定している場合、カウント値がライン指定情報72に対応しない。この場合、画像取得部4は、上から3番目の画素ラインの入力が開始されるまで待機する。
【0125】
カウント値がライン指定情報72で指定された画素ラインに対応する場合(ステップS502においてYes)、画像取得部4は、画素ラインの取得を開始する(ステップS503)。画像取得部4は、1画素の信号を取得する(ステップS504)。
【0126】
候補領域特定部5は、ステップS504で取得された画素の信号の統計値を取得する(ステップS505)。統計値は、最大値及び最小値である。ステップS505は、
図10に示すステップS203に対応する。候補領域特定部5は、ステップS505で取得した統計値に基づいて、統計値を取得した画素のレベル最大変化量を計算する(ステップS506)。ステップS506は、
図10に示すステップS204に対応する。候補領域特定部5は、統計値を特定した画素のレベル最大変化量に基づいて、統計値を特定した画素が液滴候補領域に含まれるか否かを判断する(ステップS507)。ステップS507は、
図10に示すステップS205~S207に対応する。
【0127】
画像取得部4は、水平同期信号及び垂直同期信号の両者が入力されない場合(ステップS509においてNo)、次の画素が液滴候補領域に含まれるか否かを判断するためにステップS504に戻る。
【0128】
画像取得部4は、水平同期信号が入力された場合(ステップS509においてYes、ステップS510においてYes)、水平同期信号のカウント値をインクリメントする(ステップS511)。その後、画像取得部4は、新たな画素ラインを取得するために、ステップS502に戻る。
【0129】
垂直同期信号が入力された場合(ステップS509においてYes、ステップS510においてNo)、画像取得部4は、1フレーム分の撮影画像1の入力が終了したと判断する。この場合、画像取得部4が、液滴候補画像を生成することができる画素ラインを取得したか否かを判断する(ステップS512)。
【0130】
上記実施の形態では、上から奇数番目の画素ラインを撮影画像1Aから取得した時点では、合成画像4Aは生成されない。同様に、候補領域特定部5は、上から奇数番目の画素ラインを撮影画像1Aから取得した時点では、液滴候補画像を生成することができない。この場合、1フレーム分の画素ラインを取得していないため(ステップS512においてNo)、画像取得部4は、ステップS501に戻る。上から偶数番目の画素ラインを撮影画像1Bから取得するためである。
【0131】
1フレーム分の画素ラインを複数の撮影画像1から取得した場合(ステップS512においてYes)、候補領域特定部5は、各画素についてのステップS507の結果に基づいて、液滴候補画像を生成する(ステップS513)。その後、候補領域特定部5は、液滴候補画像をラベリング処理することにより、液滴候補領域を特定する。
【0132】
なお、
図8に示すステップS504は、ステップS505~S507と並行して実行される。
【0133】
画像取得部4は、垂直同期信号が入力される時刻t0から、画素ラインLa1の取得を開始する。時刻t0から時刻t1までの期間が1画素分の時間に相当するため、画像取得部4は、時刻t0から時刻t1までの映像信号を画素P1の信号として取得する(ステップS504)。候補領域特定部5は、時刻t0から時刻t1までの映像信号に基づいて、画素P1が液滴候補領域に含まれるか否かを判断する(ステップS505~S507)。
【0134】
撮影画像1Aの映像信号の入力は、時刻t1以降も継続している。画像取得部4は、候補領域特定部5における上述の画素P1の判断と並行して、時刻t1から時刻t2までの映像信号を画素P2の信号として取得する(ステップS504)。候補領域特定部5は、画素P2の信号に基づいて、画素P2が液滴候補領域に含まれるか否かを判断する。以下、画素P3~P10の信号の取得と、画素P3~P10が液滴候補領域に含まれるの判断が繰り返される。この結果、画素の映像信号の取得と、画素が液滴候補領域に含まれるか否かの判断とが並行して実行される。
【0135】
[その他の変形例]
上記実施の形態では、単位領域が1つの画素である例を説明したが、これに限られない。単位領域は、水平方向に並ぶ複数の画素であってもよいし、垂直方向に並ぶ複数の画素であってもよい。あるいは、単位領域は、水平方向に並ぶ複数の画素と、垂直方向に並ぶ複数の画素とを含む矩形であってもよい。
【0136】
上記実施の形態では、候補領域特定部5が、レベル最大変化量を用いて各画素が液滴候補領域に含まれるか否かを判断する例を説明したが、これに限られない。候補領域特定部5は、各画素のレベル変化を取得できればよい。例えば、候補領域特定部5は、画素の信号の極値を特定し、特定した極値の分散をレベル変化量として特定してもよい。
【0137】
上記実施の形態では、液滴判断部6が、輪郭画素から計算される暫定対向距離141の統計的ばらつきに基づいて、液滴候補領域が液滴であるか否かを判断する例を説明したが、これに限られない。液滴判断部6が液滴候補領域の形状に基づいて液滴候補領域が液滴であるか否かを判断するのであれば、液滴判断部6が使用するアルゴリズムは特に限定されない。例えば、液滴判断部6は、ハフ変換を用いてもよい。
【0138】
上記実施の形態では、撮影画像1がアナログ形式の画像信号である例を説明したが、これに限られない。撮影画像1は、ディジタル形式の画像信号であってもよい。この場合、画像取得部4は、カメラから受けた撮影画像1をD/A(Digital to Analog)変換することにより、アナログ形式の撮影画像1を生成すればよい。
【0139】
上記実施の形態において、液滴検出装置2の各機能ブロックは、LSI等の半導体装置により個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全部を含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0140】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用しても良い。
【0141】
また、液滴検出装置2の各機能ブロックにより実行される処理の一部又は全部は、プログラムにより実現されるものであってもよい。上記各実施の形態の各機能ブロックの処理の一部又は全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われる。それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。
【0142】
また、上記実施の形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア(OS(オペレーティングシステム)、ミドルウェア、あるいは、所定のライブラリとともに実現される場合を含む。)により実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。
【0143】
また、上記実施の形態における処理方法の実行順序は、必ずしも、上記実施の形態の記載に制限されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、実行順序を入れ替えてもよい。
【0144】
前述した方法をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで、コンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD-ROM、MO、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、大容量DVD、次世代DVD、半導体メモリを挙げることができる。
【0145】
上記コンピュータプログラムは、上記記録媒体に記録されたものに限られず、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク等を経由して伝送されるものであってもよい。
【0146】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0147】
2 液滴検出装置
3 液滴除去装置
4 画像取得部
5 候補領域特定部
6 液滴判断部
7 画素ライン取得部
8 画素ライン決定部
9 合成部
10 統計値特定部
11 差分計算部
12 領域判断部
13 輪郭特定部
14 距離計算部
15 距離判断部