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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
G03G21/16 104
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020094048
(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公開番号】P2021189294
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片平 興
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-080797(JP,A)
【文献】特開2018-066794(JP,A)
【文献】特開平11-174761(JP,A)
【文献】米国特許第06377764(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
G03G 15/00
G03G 21/16-21/18
H05K 5/00- 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体の表面に形成されたトナー像をシートに転写して画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部の上部に設けられ、装置枠体を含み、前記画像形成部により画像が形成されたシートの後処理、または、原稿の画像の読み取りを行うように構成された上部装置と、
前記感光体を支持する支持部と、前記支持部から曲げられた第1突出部を有する第1枠体と、
前記第1枠体の前記支持部から離れており、前記第1枠体の前記第1突出部に支持される第2枠体と、
前記第2枠体、及び、前記装置枠体に連結される連結部材と、
を備え
前記第1突出部は前記感光体の回転軸線方向に延び、
鉛直方向について、前記第1突出部は前記支持部の上端に対するよりも前記支持部の下端に対して近いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
感光体の表面に形成されたトナー像をシートに転写して画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部の上部に設けられ、装置枠体を含み、前記画像形成部により画像が形成されたシートの後処理、または、原稿の画像の読み取りを行うように構成された上部装置と、
前記感光体を支持する支持部と、前記支持部から曲げられた第1突出部を有する第1枠体と、
電子回路基板が取り付けられ、前記第1枠体の前記支持部に固定されることなく前記第1枠体の前記第1突出部に支持される第2枠体と、
前記第2枠体、及び、前記装置枠体に連結される連結部材と、
を備え
前記第1突出部は前記感光体の回転軸線方向に延び、
鉛直方向について、前記第1突出部は前記支持部の上端に対するよりも前記支持部の下端に対して近いことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記第1枠体、前記第2枠体は、板金によって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記回転軸線方向において前記第1枠体と対向して配置され、前記第1枠体とともに前記感光体を支持する対向枠体を有することを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記回転軸線方向において、前記支持部が前記対向枠体と前記第2枠体の間に位置されるように、前記第2枠体が配置されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記対向枠体は、板金によって形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1枠体は、前記支持部から曲げられた、前記第1突出部とは異なる第2突出部を有し、
前記連結部材は、前記第1枠体の前記第2突出部と前記第2枠体に連結されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記連結部材は、第1連結部と第2連結部とを含み、前記第1連結部は前記第2突出部と前記第2枠体に連結され、前記第2連結部は前記第1連結部と前記装置枠体に連結されていることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第2突出部は、前記支持部の上端から曲げられた部分であることを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記連結部材は、前記第2枠体の被係合部に係合し、前記第2枠体との間で位置決めを行う係合部を備えることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記第1枠体の前記第1突出部は、絞り加工によって形成された第1絞り形状部を有し、前記第2枠体は、前記第1絞り形状部と接触する、絞り加工によって形成された第2絞り形状部を有することを特徴とする請求項乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
インレットを保持する保持部材をさらに有し、前記第2枠体が前記第1突出部に固定されるように、前記第2枠体が前記保持部材に固定され、前記保持部材が前記第1突出部に固定されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記第2枠体は、前記第1突出部と板金で形成された底部連結部材とを介して、前記支持部の下端に対して固定されていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記底部連結部材は、インレットを保持するように構成されていることを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
ハンドルをさらに有し、前記第2枠体は前記ハンドルに固定され、前記第2枠体が前記第1突出部に固定されるように、前記ハンドルは前記第1突出部に固定されていることを特徴とする請求項13または14に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記装置枠体は、板金であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記支持部は鉛直方向に延びることを特徴とする請求項1乃至16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記第2枠体は前記第1突出部の上方に位置されていることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記支持部は、前記感光体を有するカートリッジを支持するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記第2枠体は、電子回路基板が取り付けられた枠体であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記第2枠体の上端は、前記支持部の上端よりも高いことを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項22】
前記連結部材は板金によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至21のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項23】
前記連結部材は少なくとも一つの曲げ形状を有することを特徴とする請求項1乃至22のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項24】
前記第2枠体は、前記鉛直方向に延びる第1部分と、前記第1部分から曲げられ、前記感光体の回転軸線方向に延びる第2部分とを含むことを特徴とする請求項1乃至23のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真プロセスを用いて記録媒体に画像を形成する電子写真複写機、レーザビームプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置においては、画像を形成する画像形成部の上部に、原稿の画像を読み取る画像読取部や、画像が形成されたシートに綴じ処理などを行う後処理部を設ける構成が知られている。この構成では、画像形成部の枠体が、画像読取部や後処理部を支持することになる。
【0003】
このような構成において、画像読取部を支持するために、画像読取部を支持する支柱と、電子回路基板が取り付けられる箱型部材と、支柱と箱型部材とを連結する連結部材と、支柱、箱型部材、連結部材が固定された、画像形成部の枠体の一部を構成する側板と、電子回路基板を備えた構成が提案されている(特許文献1)。このようにして、箱型部材も支柱と一体となって、画像読取部を支持する構成とし、画像読取部の自重による負荷が側板と箱型部材に分散されるようにして、側板のみに連結部材を連結させる構成と比較して側板が変形することを抑制することを可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-008300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成において、側板は感光体を支持する第1部分と、第1部分の下端部から曲げられた第2部分を有する。また箱型部材は、側板の第1部分に連結されており、第2部分には連結されていない。このように箱型部材に対して支柱を連結させ、箱型部材が側板の第2部分に連結されていない構成においては、物流時の衝撃等によって画像読取部に外力が加わって側板の第1部分に対して箱型部材を介して外力が伝達される際に、外力が側板の第2部分に分散されない。このため、側板の第1部分が変形して側板の第1部分に支持された、感光体と他の部材との位置関係がずれて画像品質に悪影響を及ぼすおそれがある。
【0006】
そこで本発明は、画像形成部の上部に後処理部や画像読取部を有する画像形成装置において、感光体を支持する枠体が変形することを抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る画像形成装置の代表的な構成は、感光体の表面に形成されたトナー像をシートに転写して画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部の上部に設けられ、装置枠体を含み、前記画像形成部により画像が形成されたシートの後処理、または、原稿の画像の読み取りを行うように構成された上部装置と、前記感光体を支持する支持部と、前記支持部から曲げられた第1突出部を有する第1枠体と、前記第1枠体の前記支持部から離れており、前記第1枠体の前記第1突出部に支持される第2枠体と、前記第2枠体、及び、前記装置枠体に連結される連結部材と、を備え、前記第1突出部は前記感光体の回転軸線方向に延び、鉛直方向について、前記第1突出部は前記支持部の上端に対するよりも前記支持部の下端に対して近いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成部の上部に後処理部や画像読取部を有する画像形成装置において、感光体を支持する枠体が変形することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】画像形成装置の断面概略図である。
図2】画像形成装置の枠体の構成を示す概略図である。
図3】画像形成装置の枠体の領域D1を矢印Y方向から見た図である。
図4】画像形成装置の枠体の領域D2の拡大図である。
図5】画像形成装置の枠体の構成を示す概略図である。
図6】画像形成装置の枠体の領域D3の拡大図である。
図7】画像形成装置の枠体の構成を示す図である。
図8】画像形成装置の枠体の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
<画像形成装置>
以下、まず本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体構成を画像形成時の動作とともに図面を参照しながら説明する。なお、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0011】
図1は、画像形成装置Aの断面概略図である。図1に示す様に、画像形成装置Aは、シートSに画像を形成する画像形成部50と、画像形成部50の上部に配置された後処理部60を備える。後処理部60は、画像形成部50によって画像が形成されたシートSに対して後述する所定の処理を行う。
【0012】
画像形成部50は、シートSにトナー像を形成する部材として、感光ドラム2、帯電ローラ(不図示)、現像装置(不図示)が一体化されたプロセスカートリッジ1、レーザスキャナユニット3、転写ローラ7を備える。また画像形成部50は、シートSに担持されたトナー像をシートSに定着させる定着装置9や、シートSが収納されるシートカセット5などを備える。
【0013】
画像形成装置Aによって画像形成を行う場合、まず不図示の制御部が画像形成ジョブ信号を受信する。これによりピックアップローラ4や給送ローラ8が回転し、シートカセット5に収納されたシートSがレジストローラ6に送り出される。レジストローラ6は、所定のタイミングで感光ドラム2(感光体)と転写ローラ7から形成される転写部にシートSを送り出す。
【0014】
またプロセスカートリッジ1においては、帯電ローラ(不図示)に電圧が印加され、帯電ローラと接触する感光ドラム2の表面が帯電させられる。次に、レーザスキャナユニット3が感光ドラム2に対して画像データに応じてレーザ光を照射する。これにより感光ドラム2の表面の電位が部分的に低下し、画像データに応じた静電潜像が形成される。その後、現像装置(不図示)は、感光ドラム2に形成された静電潜像にトナーを付着させ、感光ドラム2の表面にトナー像を形成する。
【0015】
次に、感光ドラム2に担持されたトナー像は、感光ドラム2の回転によって転写部に送り込まれる。そして転写ローラ7に正極性の電圧が印加されることで、感光ドラム2に担持されたトナー像がシートSに転写される。その後、トナー像が転写されたシートSは、定着装置9において加熱・加圧処理が施される。これによりトナー像がシートSに定着されてシートSに画像が形成される。
【0016】
次に、後処理部60による処理をユーザが指定していない場合、画像が形成されたシートSは、排出ローラ13によって排出部14に排出される。これに対して後処理部60による処理をユーザが指定している場合、画像が形成されたシートSは、後処理部60に搬送される。その後、シートSは、後処理部60において複数枚取り纏められ、ステープラー等で一体とされる綴じ処理や穴があけられるパンチ処理等の処理が施され、排出トレイ69a又は排出トレイ69bに排出される。
【0017】
なお、シートSの両面に画像を形成する場合、定着装置9を通過したシートSは、フラッパ12により経路が切り替えられて反転ローラ15に送られる。その後、シートSは、反転ローラ15によってスイッチバック方式で表裏が反転され、両面搬送パス17を通ってレジストローラ6に再度搬送され、シートSの裏面に表面と同様に画像が形成される。
【0018】
<後処理部の支持構成>
次に、後処理部60の支持構成について説明する。
【0019】
図2は、画像形成装置Aの枠体の構成を示す概略図である。図3は、図2に示す領域D1を矢印Y方向から見た図である。図4は、図2に示す領域D2の拡大図である。
【0020】
図2に示す様に、画像形成装置Aは、画像形成部50の枠体として、板金で形成され、感光ドラム2の回転軸線方向(矢印Y方向)において互いに対向して配置される右側板19(第1枠体)と左側板20(第4枠体)を有する。右側板19は、鉛直方向に延びた第1部分19aと、第1部分19aの鉛直下端から交差する(水平)方向へ曲げられ、載置面からの抗力を受ける第2部分19bと、第1部分19aの鉛直上端から第2部分19bと平行に曲げられて形成された第3部分19cを有する。また左側板20は、右側板19の第1部分19aと対向し、鉛直方向に延びた第1部分20aと、第1部分20aの鉛直下端から交差する(水平)方向へ曲げられて形成された第2部分20bと、第1部分20aの鉛直上端から第2部分20bと平行に曲げられて形成された第3部分20cを有する。
【0021】
右側板19の第1部分19aや、左側板20の第1部分20aには、プロセスカートリッジ1の移動をガイドするガイドレール(不図示)や、プロセスカートリッジ1が装着される装着部(不図示)が設けられている。このように右側板19の第1部分19aや左側板20の第1部分20aによってプロセスカートリッジ1が支持され、感光ドラム2や帯電ローラ(不図示)が支持される。
【0022】
また画像形成装置Aは、画像形成部50の枠体として、板金で形成され、右側板19と左側板20を連結する複数の中間ステー21と、右側板19に対して左側板20が配置された側と反対側に配置された基板保持部材22(第2枠体)を有する。基板保持部材22は、右側板19の第1部分20aには固定されていない。また基板保持部材22の下端部は、右側板19の第2部分19bに不図示のビスによって固定されている。基板保持部材22には、商用電源の電圧を各デバイスで使用される電圧に変換する電源基板や、画像形成部50の駆動を制御するエンジン基板や、画像処理を行うコントローラ基板などの不図示の電子回路基板が取り付けられる。
【0023】
また図3に示す様に、右側板19の第2部分19bには、絞り加工によって形成された複数の絞り形状部19b1が間隔を空けて設けられている。また基板保持部材22の下端部における右側板19の絞り形状部19b1と対応する位置には、絞り加工によって形成され、絞り形状部19b1と接触する絞り形状部22bが設けられている。これらの絞り形状部19b1、22bは、右側板19の第2部分19bと基板保持部材22の位置を合わせる際の目印となるため、組立作業性を向上させることができる。また基板保持部材22の矢印Z方向の高さが公差等によって指定の寸法からずれている場合でも、右側板19の第2部分19bと基板保持部材22を容易に接触させることができる。なお、絞り形状部19b1、22bの代わりに、U曲げ形状や、突起形状を設ける構成としても、上記同様の効果を得ることができる。
【0024】
また画像形成装置Aは、後処理部60の枠体(第3枠体)として、互いに対向して配置される右側板61及び左側板62と、右側板61と左側板62を連結する複数の中間ステー63を有する。右側板61、左側板62、中間ステー63は、板金で形成されている。
【0025】
また画像形成装置Aは、後処理部60の枠体と画像形成部50の枠体を連結させる部材として、右側板61と基板保持部材22を連結させる連結部材70を有する。この連結部材70は、板金で形成されており、右側板61及び基板保持部材22に対して不図示のビスによってそれぞれ固定されて連結されている。
【0026】
また図4に示す様に、連結部材70は、位置決めピン70a(係合部)を有する。また基板保持部材22の天面には、位置決めピン70aが挿入されて係合する位置決め孔22a(被係合部)が形成されている。位置決めピン70aが位置決め孔22aに挿入されることで、連結部材70と基板保持部材22の位置が決まる。なお、基板保持部材22に位置決めピンを設け、右側板61に位置決め孔を設ける構成としてもよい。
【0027】
このように本実施形態では、基板保持部材22は、右側板19の第2部分19bに固定されている。このような構成により、物流時の衝撃等によって後処理部60に大きな外力が加わった際に、外力を右側板19の第1部分19aに伝達されることを低減しつつ、外力を右側板19の第2部分19bで受けることができる。また基板保持部材22は、右側板19における感光ドラム2を支持する第1部分19aに固定されていない。このような構成により、物流時の衝撃等によって後処理部60に大きな外力が加わった際に右側板19の第1部分19aに外力が更に伝達されにくくなる。従って、右側板19の第1部分19aが変形することが抑制され、感光ドラム2とレーザスキャナユニット3や転写ローラ7などの他の部材との位置関係がずれて画像品質に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0028】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置の構成について説明する。第1実施形態と説明の重複する部分については、同一の図面、同一の符号を付して説明を省略する。
【0029】
図5は、本実施形態に係る画像形成装置Aの枠体の構成を示す概略図である。図6は、図5に示す領域D3の拡大図である。図5図6に示す様に、本実施形態に係る画像形成装置Aは、後処理部60の枠体と画像形成部50の枠体を連結させる部材として、連結部材70の他に、板金で形成された連結部材75を有する構成である。
【0030】
連結部材75は、連結部材70に対して不図示のビスによって固定されている。また連結部材75の天面には、位置決めピン70aが挿入されて係合する位置決め孔75aが形成されている。位置決めピン70aが位置決め孔75aに挿入されることで、連結部材70に対する連結部材75の位置が決まる。なお、連結部材75に位置決めピンを設け、連結部材70に位置決め孔を設ける構成としてもよい。
【0031】
また連結部材75は、基板保持部材22及び右側板19の第3部分19cに対して不図示のビスによって固定されて連結されている。このように連結部材75を、右側板19における感光ドラム2を支持する第1部分19aではなく、第2部分19bに固定された基板保持部材22と、右側板19の第3部分19cに連結させる。このような構成により、物流時の衝撃等によって後処理部60に大きな外力が加わった際に右側板19の第1部分19aに外力が伝達されにくくなり、第1部分19aが変形することが抑制される。従って、感光ドラム2と他の部材との位置関係がずれて画像品質に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。また連結部材75の矢印Z方向の長さを調整することで、画像形成装置Aの排出部14の空間の広さを調整することができる。
【0032】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る画像形成装置の構成について説明する。第1実施形態、第2実施形態と説明の重複する部分については、同一の図面、同一の符号を付して説明を省略する。
【0033】
図7は、本実施形態に係る画像形成装置Aの枠体の構成を示す図であり、図2に示す領域D1に相当する位置を矢印Y方向から見た図である。図7に示す様に、本実施形態に係る画像形成装置Aは、電源を供給するための不図示のインレットを保持するインレット板金40と、画像形成装置Aを持ち上げ時に把持されるハンドル41を備える。その他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
【0034】
インレット板金40とハンドル41は、基板保持部材22の鉛直方向(矢印Z方向)の下方の位置であり、右側板19の第3部分19cの上方の位置に配置されている。つまりインレット板金40とハンドル41は、基板保持部材22の第2部分と右側板19の第3部分19cに挟み込まれる位置に配置されている。
【0035】
インレット板金40(保持部材)の上端部は、基板保持部材22の下端部と接触し、両者は不図示のビスによって固定されている。またインレット板金40の下端部は、右側板19の第2部分19bに対して不図示のビスによって固定されている。さらにインレット板金40の下端部において、右側板19の第2部分19bに形成された絞り形状部19b1と対応する位置には、絞り加工により形成され、絞り形状部19b1と接触する絞り形状部40aが設けられている。
【0036】
ハンドル41は、複数のリブ41aを有し、リブ41aの上端部と基板保持部材22の下端部は不図示のビスによって固定されている。またハンドル41の下端部は、右側板19の第2部分19bに対して不図示のビスによって固定されている。またハンドル41の第2部分は、右側板19の第2部分19bに形成された絞り形状部19b1に載置されている。
【0037】
つまり基板保持部材22の下端部は、インレット板金40とハンドル41を介して、右側板19の第2部分19bに固定される。このような構成により、物流時の衝撃等によって後処理部60に大きな外力が加わった際に、外力を右側板19の第2部分19bで受けることができ、右側板19の第1部分19aに伝達される外力を低減させることができる。従って、右側板19の第1部分19aが変形することが抑制され、感光ドラム2とレーザスキャナユニット3や転写ローラ7などの他の部材との位置関係がずれて画像品質に悪影響を及ぼすことを抑制することができる。
【0038】
なお、第1~第3実施形態では、右側板19のみに基板保持部材22を固定する構成について説明したものの、本発明はこれに限られるものではない。例えば図8に示す様に、左側板20の第2部分20bに固定される基板保持部材94と、基板保持部材94と後処理部60の左側板62に連結される連結部材93を設ける構成とすることで、後処理部60の支持強度を向上させることができる。
【0039】
また第1~第3実施形態では、画像形成部50の上部に後処理部60を備える画像形成装置Aについて説明したものの、本発明はこれに限られるものではない。即ち、後処理部60の代わりに、原稿の画像を読み取る画像読取部を備える画像形成装置Aにおいて、画像読取部を後処理部60と同様に支持する構成としても、上記同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0040】
2…感光ドラム(感光体)
19…右側板(第1枠体)
19a…第1部分
19b…第2部分
19b1…絞り形状部
19c…第3部分
20…左側板(第4枠体)
22…基板保持部材(第2枠体)
22a…位置決め孔(被係合部)
22b…絞り形状部
40…インレット板金(保持部材)
50…画像形成部
60…後処理部
61…右側板(第3枠体)
70…連結部材
70a…位置決めピン(係合部)
75…連結部材
A…画像形成装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8