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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】電子走査アンテナ及びその信号処理方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/26 20060101AFI20240401BHJP
   G01S 7/03 20060101ALI20240401BHJP
   H01Q 21/06 20060101ALI20240401BHJP
   H01Q 21/30 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
H01Q3/26 Z
G01S7/03 220
H01Q21/06
H01Q21/30
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020107851
(22)【出願日】2020-06-23
(65)【公開番号】P2022003735
(43)【公開日】2022-01-11
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小島 治夫
【審査官】佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-046201(JP,A)
【文献】特開昭63-157507(JP,A)
【文献】特開平11-027043(JP,A)
【文献】特開2009-081697(JP,A)
【文献】特開2001-007640(JP,A)
【文献】特開平11-186829(JP,A)
【文献】特開平11-088004(JP,A)
【文献】米国特許第05600326(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 3/26
G01S 7/03
H01Q 21/06
H01Q 21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2のアンテナ素子、第3及び第4のアンテナ素子それぞれの送受信処理を行い、前記第1及び第2のアンテナ素子それぞれの受信信号を合成した第1の合成信号を出力し、前記第3及び第4のアンテナ素子それぞれの受信信号を合成した第2の合成信号を出力する4素子一体型の送受信モジュールと、
前記送受信モジュールから出力される第1の合成信号と第2の合成信号を分配合成比較して複数の合成ビームを形成する分配合成比較器と
を具備し、
前記分配合成比較器は、
前記送受信モジュールで得られる第1の合成信号を2分配する第1の2分配器と、
前記送受信モジュールで得られる第2の合成信号を2分配する第2の2分配器と、
前記第1の2分配器の第1の出力と前記第2の2分配器の第1の出力が接続され、全アンテナ素子を分割して複数のビームを形成する90°ハイブリッドによる第1の比較器と、
前記第1の2分配器の第2の出力と前記第2の2分配器の第2の出力が接続され、全アンテナ素子の合成ビームを形成する合成器及び90°ハイブリッドによる第2の比較器と、
前記送受信モジュールにビーム毎に任意の周波数とする複数の独立した送信信号を供給する送信信号供給手段と
を備える電子走査アンテナ。
【請求項2】
第1及び第2のアンテナ素子、第3及び第4のアンテナ素子それぞれの送受信処理を行い、前記第1及び第2のアンテナ素子それぞれの受信信号を合成した第1の合成信号を出力し、前記第3及び第4のアンテナ素子それぞれの受信信号を合成した第2の合成信号を出力する4素子一体型の第1乃至第i(iは2以上の整数)の送受信モジュールと、
前記第1乃至第iの送受信モジュールからそれぞれ出力される第1の合成信号と第2の合成信号を分配合成比較して複数の合成ビームを形成する分配合成比較器と
を具備し、
前記分配合成比較器は、
前記第1乃至第iの送受信モジュールから出力される第1の合成信号をそれぞれ2分配する第1の2分配器群と、
前記第1乃至第iの送受信モジュールから出力される第2の合成信号をそれぞれ2分配する第2の2分配器群と、
前記第1の2分配器群の分配出力と前記第2の2分配器群の分配出力を合成する第1乃至第iの2合成器と、
前記第1乃至第iの2合成器の合成出力を入力してEL(エレベーション)比較合成を行い、その比較合成結果を2系統に出力する90°ハイブリッドによる第1乃至第iのEL比較合成器と、
前記第1乃至第iのEL比較合成器それぞれの一方の出力を合成してEL出力を得るEL合成器と、
前記第1乃至第iのEL比較合成器それぞれの他方の出力を入力してAZ(アジマス)比較合成を行い、その比較結果からAZ出力を得るAZ比較合成器と、
前記第1乃至第iの送受信モジュールにビーム毎に任意の周波数とする複数の独立した送信信号を供給する送信信号供給手段と
を備える電子走査アンテナ。
【請求項3】
第1及び第2のアンテナ素子、第3及び第4のアンテナ素子それぞれの送受信処理を行い、前記第1及び第2のアンテナ素子それぞれの受信信号を合成した第1の合成信号を出力し、前記第3及び第4のアンテナ素子それぞれの受信信号を合成した第2の合成信号を出力する4素子一体型の第1乃至第i(iは2以上の整数)の送受信モジュールと、
前記第1乃至第iの送受信モジュールからそれぞれ出力される第1の合成信号と第2の合成信号を分配合成比較して複数の合成ビームを形成する分配合成比較器と
を具備し、
前記分配合成比較器は、
前記第1乃至第iの送受信モジュールから出力される第1の合成信号をそれぞれ2分配する第1の2分配器群と、
前記第1乃至第iの送受信モジュールから出力される第2の合成信号をそれぞれ2分配する第2の2分配器群と、
前記第1の2分配器群の分配出力と前記第2の2分配器群の分配出力を入力してEL(エレベーション)比較合成を行い、その比較合成結果を2系統に出力する90°ハイブリッドによる第1乃至第iのEL比較合成器と、
前記第1乃至第iのEL比較合成器それぞれの一方の出力を合成してEL出力を得るEL合成器と、
前記第1乃至第iのEL比較合成器それぞれの他方の出力を入力してAZ(アジマス)比較合成を行う第1乃至第iのAZ比較合成器と、
前記第1乃至第iのAZ比較合成器それぞれの出力を合成してAZ出力を得るAZ合成器と、
前記第1乃至第iの送受信モジュールにビーム毎に任意の周波数とする複数の独立した送信信号を供給する送信信号供給手段と
を備える電子走査アンテナ。
【請求項4】
前記送受信モジュールは、入力のRFスイッチとデジタル移相器を一体型したMMIC(モノリシック・マイクロ波集積回路)を内蔵する請求項1乃至3のいずれか記載の電子走査アンテナ。
【請求項5】
第1及び第2のアンテナ素子、第3及び第4のアンテナ素子それぞれの送受信処理を行い、前記第1及び第2のアンテナ素子それぞれの受信信号を合成した第1の合成信号を出力し、前記第3及び第4のアンテナ素子それぞれの受信信号を合成した第2の合成信号を出力する4素子一体型の送受信モジュールで得られる第1の合成信号と第2の合成信号を入力し、
前記送受信モジュールで得られる第1の合成信号と第2の合成信号をそれぞれ2分配し、一方の分配出力を全アンテナ素子の合成ビームとなるように合成器と90°ハイブリッドで比較合成し、他方の分配出力を複数のビームとなるように合成器と90°ハイブリッドで比較合成し、前記送受信モジュールにビーム毎に任意の周波数とする複数の独立した送信信号を供給する電子走査アンテナの信号処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、電子走査アンテナ及びその信号処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子走査アンテナでは、複数のアンテナ素子を平面配列し、複数のアンテナをまとめて送受信を処理する送受信モジュールを複数個併設し、分配合成器において、各送受信モジュールへ送信信号を分配配信し、各送受信モジュールからの受信信号を合成出力する。ただし、送信ビーム、受信ビーム共に1方向の設定となっており、送受信周波数も全アンテナ素子共に同一の周波数となっているため、複数の目標を同時に追跡することはできないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平06-331720号公報
【文献】特開平11-330839号公報
【文献】特表2002-527971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のように、従来の電子走査アンテナの構成では、送信ビーム、受信ビーム共に1方向の設定となり、送受信周波数も全アンテナ素子共に同一の周波数となるため、複数の目標を同時に追跡することができないという問題があった。
【0005】
本発明に係る課題は、従来の1ビーム型電子走査アンテナの機能・性能を維持したまま、ビーム毎に周波数を変えることが可能となり、複数の目標を同時に追跡することが可能となるマルチビーム型の電子走査アンテナ及びその信号処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る電子走査アンテナによれば、第1及び第2のアンテナ素子、第3及び第4のアンテナ素子それぞれの送受信処理を行い、前記第1及び第2のアンテナ素子それぞれの受信信号を合成した第1の合成信号を出力し、前記第3及び第4のアンテナ素子それぞれの受信信号を合成した第2の合成信号を出力する4素子一体型の送受信モジュールと、前記送受信モジュールから出力される第1の合成信号と第2の合成信号を分配合成比較して複数の合成ビームを形成する分配合成比較器とを具備する。前記分配合成比較器は、前記送受信モジュールで得られる第1の合成信号を2分配する第1の2分配器と、前記送受信モジュールで得られる第2の合成信号を2分配する第2の2分配器と、前記第1の2分配器の第1の出力と前記第2の2分配器の第1の出力が接続され、全アンテナ素子を分割して複数のビームを形成する90°ハイブリッドによる第1の比較器と、前記第1の2分配器の第2の出力と前記第2の2分配器の第2の出力が接続され、全アンテナ素子の合成ビームを形成する合成器及び90°ハイブリッドによる第2の比較器と、前記送受信モジュールにビーム毎に任意の周波数とする複数の独立した送信信号を供給する送信信号供給手段とを備える。すなわち、送受信モジュールの受信信号を分配合成比較器内の2分配器で2分配し、一方の信号を全アンテナ素子の合成ビームとなるように、合成器と90°ハイブリッドによる比較合成器の系統に接続し、他方の信号を複数のビームとなるように合成器と90°ハイブリッドによる比較合成器を構成する系統に接続する。これにより、従来の1ビーム型電子走査アンテナの機能・性能を維持したまま、ビーム毎に周波数を変えることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係る電子走査アンテナの構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態が適用される電子走査アンテナのアンテナ素子配列を示す平面図である。
図3図3は、実施形態が適用される電子走査アンテナの送受信モジュールの内部系統を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態が適用される電子走査アンテナのRFスイッチ一体型3ビットMMIC移相器の内部系統を示すブロック図である。
図5図5は、第2の実施形態に係る電子走査アンテナの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電子走査アンテナの構成を示し、図2乃至図4は、それぞれ本実施形態が適用される電子走査アンテナのアンテナ素子配列、送受信モジュールの内部系統、RFスイッチ一体型3ビットMMIC移相器の内部系統を示している。
【0009】
図1において、アンテナ素子1は送受共用(RF_IN/OUT)で、図2に示すように、EL方向及びAZ方向に8行8列に配置され、同方向1列に並ぶ4素子単位に分割され、それぞれ4素子一体型の第1乃至第16の送受信モジュール2(No. 1~No. 16)に接続される。送受信モジュール2は、内部の移相器によって独立した位相制御が可能で、位相制御により任意の方向に送信ビーム、受信ビームを形成し、送信ビーム形成方向に電波を送信し、受信ビーム形成方向からの到来電波を受信することができる。
【0010】
第1の送受信モジュール2(No. 1)は、図3に示すように、第1乃至第4のアンテナ素子1に対応する第1乃至第4のモジュールユニット2-1~2-4を備える。第1乃至第4のモジュールユニット2-1~2-4は同構成である。
【0011】
第1のモジュールユニット2-1でその構成を説明する。この第1のモジュールユニット2-1は、送受信信号の位相制御を行う移相器(PS)2-11と、送受信を切換制御するTX/RX切替スイッチ(SPDT)2-12と、送信信号を中間増幅する中間増幅器(MPA)2-13と、パルス駆動を行うためのドライバ(DRV)2-14と、出力の利得調整のためのアッテネータ(ATT)2-15と、送信信号を電力増幅する高出力増幅器(HPA)2-16と、サーキュレータ(CIR)2-17と、不要波を除去する帯域制限フィルタ(BEF)2-18と、受信信号の利得を制限するリミッタ(LIM)2-19と、受信信号を低雑音で増幅する低雑音増幅器(LNA)2-1Aと、LNA をその前後でオン・オフ制御するRFスイッチ(SPDT)2-1B1,2-1B2と、受信信号を中間増幅する中間増幅器(MPA)2-1Cとを備える。
【0012】
上記第1及び第2のモジュールユニット2-1、2-2の送受入出力端はそれぞれA系統の2合成器(送信系統では2分配器)2-51の第1及び第2の端子に接続され、この2合成器2-51の第3の端子はA系統の送受信端(T/R-A)に接続される。また、第3及び第4のモジュールユニット2-3、2-4の送受入出力端はB系統の2合成器(送信系統では2分配器)2-52の第1及び第2の端子に接続され、この2合成器2-52の第3の端子はB系統の送受信端(T/R-B)に接続される。第2乃至第16の送受信モジュール2(No. 2~No. 16)についても、第1の送受信モジュール2(No. 1)と同構成である。
【0013】
上記第1の送受信モジュール2(No. 1)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第1及び第2の2分配器(送信系統では2合成器)3-11,3-12の第1の端子に接続される。第1及び第2の2分配器(送信系統では2合成器)3-11,3-12の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第1の2合成器3-21の第1の端子、第2の端子に接続される。第1の2合成器3-21の第3の端子は90°ハイブリッドによる第1のEL比較合成器3-31の第1の端子に接続される。
【0014】
上記第2の送受信モジュール2(No. 2)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第3及び第4の2分配器(送信系統では2合成器)3-13,3-14の第1の端子に接続される。第3及び第4の2分配器(送信系統では2合成器)3-13,3-14の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第2の2合成器3-22の第1の端子、第2の端子に接続される。第2の2合成器3-22の第3の端子は90°ハイブリッドによる第2のEL比較合成器3-32の第1の端子に接続される。
【0015】
上記第3の送受信モジュール2(No. 3)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第5及び第6の2分配器(送信系統では2合成器)3-15,3-16の第1の端子に接続される。第5及び第6の2分配器(送信系統では2合成器)3-15,3-16の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第3の2合成器3-23の第1の端子、第2の端子に接続される。第3の2合成器3-23の第3の端子は90°ハイブリッドによる第3のEL比較合成器3-33の第1の端子に接続される。
【0016】
上記第4の送受信モジュール2(No. 4)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第7及び第8の2分配器(送信系統では2合成器)3-17,3-18の第1の端子に接続される。第7及び第8の2分配器(送信系統では2合成器)3-17,3-18の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第4の2合成器3-24の第1の端子、第2の端子に接続される。第4の2合成器3-24の第3の端子は90°ハイブリッドによる第4のEL比較合成器3-34の第1の端子に接続される。
【0017】
上記第5の送受信モジュール2(No. 5)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第9及び第10の2分配器(送信系統では2合成器)3-19,3-110の第1の端子に接続される。第9及び第10の2分配器(送信系統では2合成器)3-19,3-110の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第5の2合成器3-25の第1の端子、第2の端子に接続される。第5の2合成器3-25の第3の端子は90°ハイブリッドによる第5のEL比較合成器3-35の第1の端子に接続される。
【0018】
上記第6の送受信モジュール2(No. 6)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第11及び第12の2分配器(送信系統では2合成器)3-111,3-112の第1の端子に接続される。第11及び第12の2分配器(送信系統では2合成器)3-111,3-112の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第6の2合成器3-26の第1の端子、第2の端子に接続される。第6の2合成器3-26の第3の端子は90°ハイブリッドによる第6のEL比較合成器3-36の第1の端子に接続される。
【0019】
上記第7の送受信モジュール2(No. 7)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第13及び第14の2分配器(送信系統では2合成器)3-113,3-114の第1の端子に接続される。第13及び第14の2分配器(送信系統では2合成器)3-113,3-114の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第7の2合成器3-27の第1の端子、第2の端子に接続される。第7の2合成器3-27の第3の端子は90°ハイブリッドによる第7のEL比較合成器3-37の第1の端子に接続される。
【0020】
上記第8の送受信モジュール2(No. 8)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第15及び第16の2分配器(送信系統では2合成器)3-115,3-116の第1の端子に接続される。第15及び第16の2分配器(送信系統では2合成器)3-115,3-116の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第8の2合成器3-28の第1の端子、第2の端子に接続される。第8の2合成器3-28の第3の端子は90°ハイブリッドによる第8のEL比較合成器3-38の第1の端子に接続される。
【0021】
上記第9の送受信モジュール2(No. 9)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第17及び第18の2分配器(送信系統では2合成器)3-117,3-118の第1の端子に接続される。第17及び第18の2分配器(送信系統では2合成器)3-117,3-118の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第9の2合成器3-29の第1の端子、第2の端子に接続される。第9の2合成器3-28の第3の端子は上記第1のEL比較合成器3-31の第2の端子に接続される。
【0022】
上記第10の送受信モジュール2(No. 10)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第19及び第20の2分配器(送信系統では2合成器)3-119,3-120の第1の端子に接続される。第19及び第20の2分配器(送信系統では2合成器)3-119,3-120の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第10の2合成器3-210の第1の端子、第2の端子に接続される。第10の2合成器3-210の第3の端子は上記第2のEL比較合成器3-32の第2の端子に接続される。
【0023】
上記第11の送受信モジュール2(No. 11)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第21及び第22の2分配器(送信系統では2合成器)3-121,3-122の第1の端子に接続される。第21及び第22の2分配器(送信系統では2合成器)3-121,3-122の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第11の2合成器3-211の第1の端子、第2の端子に接続される。第11の2合成器3-211の第3の端子は上記第3のEL比較合成器3-33の第2の端子に接続される。
【0024】
上記第12の送受信モジュール2(No. 12)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第23及び第24の2分配器(送信系統では2合成器)3-123,3-124の第1の端子に接続される。第23及び第24の2分配器(送信系統では2合成器)3-123,3-124の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第12の2合成器3-212の第1の端子、第2の端子に接続される。第12の2合成器3-212の第3の端子は上記第4のEL比較合成器3-34の第2の端子に接続される。
【0025】
上記第13の送受信モジュール2(No. 13)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第25及び第26の2分配器(送信系統では2合成器)3-125,3-126の第1の端子に接続される。第25及び第26の2分配器(送信系統では2合成器)3-125,3-126の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第13の2合成器3-213の第1の端子、第2の端子に接続される。第13の2合成器3-213の第3の端子は上記第5のEL比較合成器3-35の第2の端子に接続される。
【0026】
上記第14の送受信モジュール2(No. 14)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第27及び第28の2分配器(送信系統では2合成器)3-127,3-128の第1の端子に接続される。第27及び第28の2分配器(送信系統では2合成器)3-127,3-128の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第14の2合成器3-214の第1の端子、第2の端子に接続される。第14の2合成器3-214の第3の端子は上記第6のEL比較合成器3-36の第2の端子に接続される。
【0027】
上記第15の送受信モジュール2(No. 15)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第29及び第30の2分配器(送信系統では2合成器)3-129,3-130の第1の端子に接続される。第29及び第30の2分配器(送信系統では2合成器)3-129,3-130の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第15の2合成器3-215の第1の端子、第2の端子に接続される。第15の2合成器3-215の第3の端子は上記第7のEL比較合成器3-37の第2の端子に接続される。
【0028】
上記第16の送受信モジュール2(No. 16)の2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、それぞれ分配合成比較器3の第31及び第32の2分配器(送信系統では2合成器)3-131,3-132の第1の端子に接続される。第31及び第32の2分配器(送信系統では2合成器)3-131,3-132の第2の端子は第2の実施形態用で、第3の端子はそれぞれ第16の2合成器3-216の第1の端子、第2の端子に接続される。第16の2合成器3-215の第3の端子は上記第8のEL比較合成器3-38の第2の端子に接続される。
【0029】
上記第1乃至第8のEL比較合成器3-31~3-38の第3の端子(EL1~EL8出力端子)はそれぞれ8合成器3-4の第1乃至第8の端子に接続される。8合成器3-4の第9の端子はEL出力端に接続される。また、上記第1乃至第4のEL比較合成器3-31~3-34の第4の端子はそれぞれ第1乃至第4のサーキュレータ3-41~3-44を介して第1の4合成器3-51の第1乃至第4の端子に接続され、上記第5乃至第8のEL比較合成器3-35~3-38の第4の端子はそれぞれ第5乃至第8のサーキュレータ3-45~3-48を介して第2の4合成器3-52の第1乃至第4の端子に接続される。上記第1及び第2の4合成器3-51,3-52の第5の端子はそれぞれAZ比較合成器3-6の第1の端子、第2の端子に接続される。AZ比較合成器3-6の第3の端子はΣ出力端に接続され、第4の端子はAZ出力端に接続される。
【0030】
上記第1乃至第8のサーキュレータ3-41~3-48には、それぞれTX入力端から入力される送信信号を8分配器3-7で8分配された信号が供給される。
【0031】
ここで、上記モジュールユニット2-1(2-2~2-4も同様)の移相器(PS)2-11及びTX/RX切替スイッチ(SPDT)2-12は、図3において破線内で示すように一体化され、MMIC(モノリシック・マイクロ波集積回路)によりRFスイッチを一体型した3ビット構成のデジタル移相器2-1Dで実現される。
【0032】
図4は、上記RFスイッチ一体型3ビットMMIC移相器2-1Dの内部系統を示すブロック図である。この移相器2-1Dは、一般的な3ビット構成とした場合で、位相差45度の線路(L1)、位相差90度の線路(L2)、位相差180度の線路(L3)をそれぞれ前後に配置されたSPDTによるRFスイッチSW11,SW12,SW21,SW12,SW31,SW12の切換により、45度ステップで位相が切り替わる構成となっている。さらに、MMIC移相器2-1Dには、TX/RX切替スイッチ(SPDT)2-12が内蔵される。この場合、MMIC内は既に線路切換用のRFスイッチが多数内蔵されているため、MMICの製作コストは殆ど上昇しない。
【0033】
上記構成による電子走査アンテナでは、送信信号TXが入力されると、8分配器3-7で8系統の送信信号TX1~TX8に分配され、それぞれ第1乃至第8のサーキュレータ3-41~3-48を介して第1乃至第8のEL比較合成器3-31-1~3-38の第4の端子に入力され、それぞれの第1の端子から第1群の第1乃至第8の2合成器3-21~3-28の第3の端子に分配され、第2の端子から第2群の第9乃至第16の2合成器3-29~3-216に分配される。
【0034】
第1群の第1乃至第8の2合成器3-21~3-28に入力された送信信号はA系統とB系統に分配され、それぞれ第1乃至第16の2分配器3-11~3-116を介して第1乃至第8の送受信モジュール2(No. 1~No. 8)のA系統とB系統に供給される。
【0035】
第2群の第9乃至第16の2合成器3-29~3-216に入力された送信信号はA系統とB系統に分配され、それぞれ第17乃至第32の2分配器3-117~3-132を介して第9乃至第16の送受信モジュール2(No. 9~No. 16)のA系統とB系統に供給される。
【0036】
各送受信モジュール2において、A系統の送受入出力端から入力される送信信号は、2合成器2-51で2系統に分配される。一方の送信信号は、第1のモジュールユニット2-1に入力され、移相器(PS)2-11で位相制御され、TX/RX切替スイッチ(SPDT)2-12の送信選択時に当該スイッチを通過し、送信系中間増幅器(MPA)2-13で中間増幅され、ドライバ(DRV)2-14でパルス駆動され、アッテネータ(ATT)2-15で利得調整され、高出力増幅器(HPA)2-16で電力増幅され、サーキュレータ(CIR)2-17を経て、帯域制限フィルタ(BEF)2-18で帯域制限を受けて、アンテナ素子1から送信される。他方の送信信号は、第2のモジュールユニット2-2に入力され、第1のモジュールユニット2-1と同様に処理される。
【0037】
第1のモジュールユニット2-1において、アンテナ素子1の受信信号は、帯域制限フィルタ(BEF)2-18で帯域制限され、サーキュレータ(CIR)2-17を経て、リミッタ(LIM)2-19で利得制限され、低雑音増幅器(LNA)2-1Aにより低雑音で増幅され、RFスイッチ(SPDT)2-1Bで必要に応じてLNAオフとされ、受信系中間増幅器(MPA)2-1Cで中間増幅され、TX/RX切替スイッチ(SPDT)2-12の受信選択時に移相器(PS)2-11で位相制御を受けて送受入出力端から出力される。第2のモジュールユニット2-2において、アンテナ素子1の受信信号は、第1のモジュールユニット2-1と同様に処理される。上記第1及び第2のジュールユニット2-1,2-2の受信信号は、2合成器2-51で合成されてA系統受信信号として出力される。
【0038】
上記A系統の処理は、B系統についても同様であり、B系統の送受入出力端から入力される送信信号は、2合成器2-52で2系統に分配された後、第3及び第4のモジュールユニット2-3,2-4を経て送信され、それぞれの受信信号は第3及び第4のモジュールユニット2-3,2-4を経て2合成器2-52で合成されてB系統受信信号として出力される。
【0039】
上記第1乃至第8の送受信モジュール2で得られたA系統受信信号とB系統受信信号はそれぞれ分配合成比較器3に供給され、第1乃至第16の2分配器3-11~3-116で2分配され、第3の端子から出力されるA系統受信信号とB系統受信信号が第1乃至第8の2合成器3-21~3-28で合成されて第1乃至第8のEL比較合成器3-31~3-38の第1の端子に供給される。また、上記第9乃至第16の送受信モジュール2で得られたA系統受信信号とB系統受信信号はそれぞれ分配合成比較器3に供給され、第17乃至第32の2分配器3-117~3-132で2分配され、第3の端子から出力されるA系統受信信号とB系統受信信号が第9乃至第16の2合成器3-29~3-216で合成されて第1乃至第8のEL比較合成器3-31~3-38の第2の端子に供給される。
【0040】
第1乃至第8のEL比較合成器3-31~3-38の第3の端子から出力される合成信号は、8合成器3-4で合成されて、EL出力端から出力される。
【0041】
上記第1乃至第8のEL比較合成器3-31~3-38の第4の端子から出力される合成信号は、それぞれ第1乃至第4のサーキュレータ3-41~3-44を介して第1の4合成器3-51の第1乃至第4の端子に供給され、上記第5乃至第8のEL比較合成器3-35~3-38の第4の端子はそれぞれ第5乃至第8のサーキュレータ3-45~3-48を介して第2の4合成器3-52の第1乃至第4の端子に供給される。上記第1及び第2の4合成器3-51,3-52で合成された受信信号は、それぞれAZ比較合成器3-6の第1の端子、第2の端子に供給され、AZ比較合成器3-6の第3の端子からΣ信号が出力され、第4の端子からAZ合成信号が出力され、1ビーム型電子走査アンテナとして機能する。
【0042】
(第2の実施形態)
図5は、第2の実施形態に係る電子走査アンテナの構成を示すブロック図である。図5において、図1と同一部分には同一符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0043】
この電子走査アンテナでは、図2及び図3に点線で示すように、8行8列のアンテナ全体をEL方向、AZ方向に4分割して第1乃至第4のアンテナANT#1~ANT#4が形成される。
【0044】
第1のアンテナANT#1は、第1乃至第4の送受信モジュール2(No. 1~No. 4)を備える。第1乃至第4の送受信モジュール2(No. 1~No. 4)それぞれの2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、分配合成比較器3の第1及び第2の2分配器3-11,3-12、第3及び第4の2分配器3-13,3-14、第5及び第6の2分配器3-15,3-16、第7及び第8の2分配器3-17,3-18の第1の端子に接続される。対をなす第1及び第2の2分配器3-11~3-12、第3及び第4の2分配器3-13,3-14、第5及び第6の2分配器3-15,3-16、第7及び第8の2分配器3-17,3-18それぞれの第2の端子は、対応する第1乃至第4のEL比較合成器3-31~3-34それぞれの第1の端子、第2の端子に接続され、第3の端子は第1の実施形態用である。第1乃至第4のEL比較合成器3-31~3-34それぞれの第3の端子は第1の4合成器3-81の第1乃至第4の端子に接続される。第1の4合成器3-81の第5の端子はANT#1_EL出力端子に接続される。第1乃至第4のEL比較合成器3-31~3-34それぞれの第4の端子はサーキュレータ3-41~3-44を介して、第1の2合成器3-91の第1の端子、第2の端子、第2の2合成器3-92の第1の端子、第2の端子に順に接続される。第1及び第2の2合成器3-91,3-92の第3の端子はそれぞれ90°ハイブリッドによる第1のAZ比較合成器3-A1の第1の端子、第2の端子に接続され、第1のAZ比較合成器3-A1の第3の端子はANT#1_Σ出力端子に接続され、第4の端子はANT#1_AZ出力端子に接続される。上記サーキュレータ3-41~3-44はそれぞれ第1の4分配器3-B1の第1乃至第4の端子に接続される。第1の4分配器3-B1の第5の端子は第1のアンテナ向けの送信信号TX#1の入力端子に接続される。
【0045】
第2のアンテナANT#2は、第5乃至第8の送受信モジュール2(No. 5~No. 8)を備える。第5乃至第8の送受信モジュール2(No. 5~No. 8)それぞれの2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、分配合成比較器3の第9及び第10の2分配器3-19,3-110、第11及び第12の2分配器3-111,3-112、第13及び第14の2分配器3-113,3-114、第15及び第16の2分配器3-115,3-116の第1の端子に接続される。対をなす第9及び第10の2分配器3-19,3-110、第11及び第12の2分配器3-111,3-112、第13及び第14の2分配器3-113,3-114、第15及び第16の2分配器3-115,3-116それぞれの第2の端子は、対応する第5乃至第8のEL比較合成器3-35~3-38それぞれの第1の端子、第2の端子に接続され、第3の端子は第1の実施形態用である。第5乃至第8のEL比較合成器3-35~3-38それぞれの第3の端子は第2の4合成器3-82の第1乃至第4の端子に接続される。第2の4合成器3-82の第5の端子はANT#2_EL出力端子に接続される。第5乃至第8のEL比較合成器3-35~3-38それぞれの第4の端子はサーキュレータ3-45~3-48を介して、第3の2合成器3-93の第1の端子、第2の端子、第4の2合成器3-94の第1の端子、第2の端子に順に接続される。第3及び第4の2合成器3-93,3-94の第3の端子はそれぞれ90°ハイブリッドによる第2のAZ比較合成器3-A2の第1の端子、第2の端子に接続され、第2のAZ比較合成器3-A2の第3の端子はANT#2_Σ出力端子に接続され、第4の端子はANT#2_AZ出力端子に接続される。上記サーキュレータ3-45~3-48はそれぞれ第2の4分配器3-B2の第1乃至第4の端子に接続される。第2の4分配器3-B2の第5の端子は第2のアンテナ向けの送信信号TX#2の入力端子に接続される。
【0046】
第3のアンテナANT#3は、第9乃至第12の送受信モジュール2(No. 9~No. 12)を備える。第9乃至第12の送受信モジュール2(No. 9~No. 12)それぞれの2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、分配合成比較器3の第17及び第18の2分配器3-117,3-118、第19及び第20の2分配器3-119,3-120、第21及び第22の2分配器3-121,3-122、第23及び第24の2分配器3-123,3-124の第1の端子に接続される。対をなす第17及び第18の2分配器3-117,3-118、第19及び第20の2分配器3-119,3-120、第21及び第22の2分配器3-121,3-122、第23及び第24の2分配器3-123,3-124それぞれの第2の端子は、対応する第9乃至第12のEL比較合成器3-39~3-312それぞれの第1の端子、第2の端子に接続され、第3の端子は第1の実施形態用である。第9乃至第12のEL比較合成器3-39~3-312それぞれの第3の端子は第3の4合成器3-83の第1乃至第4の端子に接続される。第3の4合成器3-83の第5の端子はANT#3_EL出力端子に接続される。第9乃至第12のEL比較合成器3-39~3-312それぞれの第4の端子はサーキュレータ3-49~3-412を介して、第5の2合成器3-95の第1の端子、第2の端子、第6の2合成器3-96の第1の端子、第2の端子に順に接続される。第5及び第6の2合成器3-95,3-96の第3の端子はそれぞれ90°ハイブリッドによる第3のAZ比較合成器3-A3の第1の端子、第2の端子に接続され、第3のAZ比較合成器3-A3の第3の端子はANT#3_Σ出力端子に接続され、第4の端子はANT#3_AZ出力端子に接続される。上記サーキュレータ3-49~3-412はそれぞれ第3の4分配器3-B3の第1乃至第4の端子に接続される。第3の4分配器3-B3の第5の端子は第2のアンテナ向けの送信信号TX#3の入力端子に接続される。
【0047】
第4のアンテナANT#4は、第13乃至第16の送受信モジュール2(No. 13~No. 16)を備える。第13乃至第16の送受信モジュール2(No. 13~No. 16)それぞれの2系統の送受信端(T/R-A, T/R-B)は、分配合成比較器3の第25及び第26の2分配器3-125,3-126、第27及び第28の2分配器3-127,3-128、第29及び第30の2分配器3-129,3-130、第31及び第32の2分配器3-131,3-132の第1の端子に接続される。対をなす第25及び第26の2分配器3-125,3-126、第27及び第28の2分配器3-127,3-128、第29及び第30の2分配器3-129,3-130、第31及び第32の2分配器3-131,3-132それぞれの第2の端子は、対応する第13乃至第16のEL比較合成器3-313~3-316それぞれの第1の端子、第2の端子に接続され、第3の端子は第1の実施形態用である。第13乃至第16のEL比較合成器3-313~3-316それぞれの第3の端子は第4の4合成器3-84の第1乃至第4の端子に接続される。第4の4合成器3-84の第5の端子はANT#4_EL出力端子に接続される。第13乃至第16のEL比較合成器3-313~3-316それぞれの第4の端子はサーキュレータ3-413~3-416を介して、第7の2合成器3-97の第1の端子、第2の端子、第8の2合成器3-98の第1の端子、第2の端子に順に接続される。第7及び第8の2合成器3-97,3-98の第3の端子はそれぞれ90°ハイブリッドによる第4のAZ比較合成器3-A4の第1の端子、第2の端子に接続され、第4のAZ比較合成器3-A4の第3の端子はANT#4_Σ出力端子に接続され、第4の端子はANT#4_AZ出力端子に接続される。
【0048】
上記構成による電子走査アンテナにおいて、送信信号は、第1乃至第4のアンテナANT#1~ANT#4に任意の周波数で個別に与えられ、それぞれに対応する分配合成器及び送受信モジュールを通じてそれぞれのアンテナから出力される。
【0049】
一方、受信については、第1のアンテナANT#1では、第1乃至第4の送受信モジュール(No. 1~No. 4)それぞれのA系統の受信信号とB系統の受信信号を第1乃至第4のEL比較合成器3-31~3-34で比較し、比較出力を第1の4合成器3-81で合成することにより、ANT#1EL信号が得られる。また、第1及び第2のEL比較合成器3-31,3-32の比較出力の合成信号と第3及び第4のEL比較合成器3-33,3-34の比較出力の合成信号とを第1のAZ比較合成器3-A1で比較することで、ANT#1Σ信号及びANT#1AZ信号が得られる。
【0050】
同様に、第2のアンテナANT#2では、第5乃至第8の送受信モジュール(No. 5~No. 8)それぞれのA系統の受信信号とB系統の受信信号を第5乃至第8のEL比較合成器3-35~3-38で比較し、比較出力を第2の4合成器3-84で合成することにより、ANT#2EL信号が得られる。また、第5及び第6のEL比較合成器3-35,3-36の比較出力の合成信号と第7及び第8のEL比較合成器3-37,3-38の比較出力の合成信号とを第2のAZ比較合成器3-A2で比較することで、ANT#2Σ信号及びANT#2AZ信号が得られる。
【0051】
同様に、第3のアンテナANT#3では、第9乃至第12の送受信モジュール(No. 9~No. 12)それぞれのA系統の受信信号とB系統の受信信号を第9乃至第12のEL比較合成器3-39~3-312で比較し、比較出力を第3の4合成器3-83で合成することにより、ANT#3EL信号が得られる。また、第9及び第10のEL比較合成器3-39,3-310の比較出力の合成信号と第11及び第12のEL比較合成器3-311,3-312の比較出力の合成信号とを第3のAZ比較合成器3-A3で比較することで、ANT#3Σ信号及びANT#3AZ信号が得られる。
【0052】
同様に、第4のアンテナANT#4では、第13乃至第16の送受信モジュール(No. 13~No. 16)それぞれのA系統の受信信号とB系統の受信信号を第13乃至第16のEL比較合成器3-313~3-316で比較し、比較出力を第4の4合成器3-84で合成することにより、ANT#4EL信号が得られる。また、第13及び第14のEL比較合成器3-313,3-314の比較出力の合成信号と第15及び第16のEL比較合成器3-315,3-316の比較出力の合成信号とを第4のAZ比較合成器3-A4で比較することで、ANT#4Σ信号及びANT#4AZ信号が得られる。
【0053】
以上のように、第2の実施形態では、アンテナを複数群に分割し、それぞれ独立した電子走査アンテナとして機能する。また、送信入力は4系統あり、それぞれのアンテナ送信周波数は独立に設定できるため、電波干渉による問題は発生しない。また、送受信モジュールの受信系出力を分配合成比較器3内で1ビーム用とマルチビーム用の独立した比較合成器を設けることで、従来の1ビーム型電子走査アンテナの機能・性能を維持したまま、ビーム毎に周波数を変えることが可能となり、複数の目標を同時に追跡することが可能となる。
【0054】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1…アンテナ素子、
2…送受信モジュール(No. 1~No. 16)、2-1~2-4…モジュールユニット、
2-11…移相器(PS)、2-12…TX/RX切替スイッチ(SPDT)、2-13…中間増幅器(MPA)、2-14…ドライバ(DRV)、2-15…アッテネータ(ATT)、2-16…高出力増幅器(HPA)、2-17…サーキュレータ(CIR)、2-18…帯域制限フィルタ(BEF)、2-19…リミッタ(LIM)、2-1A…低雑音増幅器(LNA)、2-1B1,2-1B2…RFスイッチ(SPDT)、2-1C…中間増幅器(MPA)、2-51,2-52…2合成器、
2-1D…RFスイッチ一体型3ビットMMIC移相器、L1…位相差45度の線路、L2…位相差90度の線路、L3…位相差180度の線路、SW11,SW12,SW21,SW12,SW31,SW12…RFスイッチ、
3…分配合成比較器、3-11~3-132…2分配器(2合成器)、3-21~3-216…2合成器、3-31~3-316…EL比較合成器、3-4…8合成器、3-41~3-416…サーキュレータ、3-51、3-52…4合成器、3-6…AZ比較合成器、3-7…8分配器、3-81~3-84…4合成器、3-91~3-98…2合成器、3-A1~3-A4…AZ比較合成器、3-B1~3-B4…4分配器。
図1
図2
図3
図4
図5