(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 17/08 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
F25D17/08 306
(21)【出願番号】P 2020116615
(22)【出願日】2020-07-06
【審査請求日】2023-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立グローバルライフソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】額賀 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】河井 良二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 遵自
(72)【発明者】
【氏名】岡留 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】小沼 智史
(72)【発明者】
【氏名】福井 康仁
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 拳司
【審査官】森山 拓哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-101838(JP,A)
【文献】特開2020-051653(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに異なる温度帯に設定された、または設定可能な第1貯蔵室および第2貯蔵室と、
蒸発器と、
前記蒸発器を収納した蒸発器室と、
第1の方向から前記第1貯蔵室の冷気を前記蒸発器の上流側に戻す第1戻り風路と、
第2の方向から前記第2貯蔵室の冷気を前記蒸発器の上流側に戻す第2戻り風路と、を備え、
前記第1の方向および前記第2の方向は、互いに異なる方向であり、
前記第2の方向における前記第1戻り風路の前記第1貯蔵室側の開口寸法よりも、前記第2の方向における前記第1戻り風路の前記蒸発器室側の開口寸法が大き
く、
前記第1の方向は前記蒸発器の前方から前記蒸発器の上流に冷気を戻す方向であり、
前記第2の方向は前記蒸発器の側方から前記蒸発器の上流側に冷気を戻す方向である
ことを特徴
とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記第1の方向と前記第2の方向のなす角は70度以上110度以下である
ことを特徴とする請求項
1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第2の方向における前記第1戻り風路の前記蒸発器室側の開口寸法は、前記第2の方向における前記蒸発器の寸法より小さい
ことを特徴とする請求項1
または2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
互いに異なる温度帯に設定された、または設定可能な第1貯蔵室および第2貯蔵室と、
蒸発器と、
前記蒸発器を収納した蒸発器室と、
第1の方向から前記第1貯蔵室の冷気を前記蒸発器の上流側に戻す第1戻り風路と、
第2の方向から前記第2貯蔵室の冷気を前記蒸発器の上流側に戻す第2戻り風路と、を備え、
前記第1の方向および前記第2の方向は、互いに異なる方向であり、
前記第2の方向における前記第1戻り風路の前記第1貯蔵室側の開口寸法よりも、前記第2の方向における前記第1戻り風路の前記蒸発器室側の開口寸法が大きく、
前記第1戻り風路は、前記第2戻り風路から離れた側の側面に前記第1貯蔵室側の開口寸法を狭めるように設けられた第1遮蔽部材をさらに備える
ことを特徴
とする冷蔵庫。
【請求項5】
前記第1戻り風路は、前記第2戻り風路に近い側の側面に前記第1貯蔵室側の開口寸法を狭めるように設けられた第2遮蔽部材をさらに備える
ことを特徴とする請求項
4に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記第2遮蔽部材の前記第2
の方向の寸法は、前記第1遮蔽部材の前記第2
の方向の寸法よりも短い
ことを特徴とする請求項
5に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記第1戻り風路の前記第2
の方向の中心が、前記蒸発器の前記第2
の方向の中心よりも前記第2戻り風路
の側に位置する
ことを特徴とする請求項1ないし
6の何れか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記第1戻り風路は、前記第2戻り風路から離れた側の側面が、前記蒸発器側に向かうにつれて前記第2
の方向の寸法が拡大する傾斜面を有する
ことを特徴とする請求項1ないし
7の何れか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記第1戻り風路は、前記第1貯蔵室側の開口から前記蒸発器側の開口に向けて下降する下降部、または前記第1貯蔵室側の開口から前記蒸発器側の開口に向けて上昇する上昇部をさらに備える
ことを特徴とする請求項1ないし
8の何れか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記第1の方向および前記第2の方向とは異なる第3の方向において、前記第1戻り風路の一方側に樋を、他方側に仕切壁を備え、
前記第1戻り風路の前記第1の方向への投影領域であって前記蒸発器よりも前記第1戻り風路に近い領域で、
前記第3の方向において前記仕切壁側に設けられた第3遮蔽部材を備える
ことを特徴とする請求項1ないし
9の何れか一項に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記仕切壁は、前記樋の直上に位置する
ことを特徴とする請求項
10に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却器(蒸発器)によって熱交換された冷気を、送風手段で各貯蔵室に送風する、いわゆる冷気強制循環方式の冷蔵庫において、冷蔵室からの戻り冷気が冷凍室内に流入することを防ぐこと、あるいは、冷凍室からの戻り冷気が冷蔵室に流入することを防ぐことで、冷却効率の低下を抑制できることが知られている。
【0003】
例えば、下記特許文献1の要約には、「本実施形態の冷蔵庫は、冷気循環方式の冷蔵庫において、冷却器7と送風機を収納し、冷却器カバーで冷凍室背面に区画形成された冷却器室10と、この冷却器室の一側に上下に亙って配設され、下端を冷却器室底面近傍に開口した冷蔵空間からの冷気の戻りダクト32と、冷却器カバーの下方に開口させた冷凍空間冷気の吸い込み口12と、冷却器室の下方部であって吸い込み口の開口端より外側の戻りダクトの開口との間に位置させた板状の遮蔽部材51とからなり、遮蔽部材により、戻りダクトの下端開口からの戻り冷気が吸い込み口へ流入することを遮蔽する。」と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した技術では、種々の要因によって気流を適切に制御できない場合があった。例えば、遮蔽部材によって気流に対する抵抗が大きくなると、風量を十分に確保できない、冷却効率の低下を招く、等の不具合が生じる可能性がある。また、遮蔽部材の寸法や形状によっては、戻りダクトの下端開口からの戻り冷気が吸い込み口へ流入するような乱気流が生じる可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明の冷蔵庫は、互いに異なる温度帯に設定された、または設定可能な第1貯蔵室および第2貯蔵室と、蒸発器と、前記蒸発器を収納した蒸発器室と、第1の方向から前記第1貯蔵室の冷気を前記蒸発器の上流側に戻す第1戻り風路と、第2の方向から前記第2貯蔵室の冷気を前記蒸発器の上流側に戻す第2戻り風路と、を備え、前記第1の方向および前記第2の方向は、互いに異なる方向であり、前記第2の方向における前記第1戻り風路の前記第1貯蔵室側の開口寸法よりも、前記第2の方向における前記第1戻り風路の前記蒸発器室側の開口寸法が大きく、前記第1の方向は前記蒸発器の前方から前記蒸発器の上流に冷気を戻す方向であり、前記第2の方向は前記蒸発器の側方から前記蒸発器の上流側に冷気を戻す方向であることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】好適な第1実施形態による冷蔵庫の正面図である。
【
図7】第2蒸発器室等に形成される気流の一例を示す図である。
【
図8】第1比較例における
図4のVI-VI線矢視断面図である。
【
図12】第1実施形態において発生し得る他の気流の例を示す図である。
【
図13】第2実施形態における
図4のVI-VI線矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
〈第1実施形態の構成〉
図1は、好適な第1実施形態による冷蔵庫100の正面図である。冷蔵庫100は、食品等を冷却する機器であり、冷蔵室R1等が設けられた筐体Mを備えている。
図1の例において冷蔵庫100の内部には、上から順に、冷蔵室R1と、左右に並ぶ製氷室R2および冷凍室R3と、上段切替室R4(第2貯蔵室)と、下段切替室R5(第1貯蔵室)と、が設けられている。
【0009】
冷蔵室R1は、庫内を冷蔵温度帯(0℃以上)の例えば平均的に4℃程度にした冷蔵貯蔵室である。製氷室R2および冷凍室R3は、庫内を冷凍温度帯(-6℃以下)の例えば平均的に-18℃程度にした冷凍貯蔵室である。上段切替室R4および下段切替室R5は、操作部200によって冷凍温度帯または冷蔵温度帯に設定可能な切替貯蔵室で、例えば、平均的に4℃程度にする冷蔵モードと、平均的に-18℃程度にする冷凍モードとに切り替えられる。
【0010】
冷蔵庫100は、断熱箱体20(
図2参照)とともに冷蔵室R1を形成するフレンチ型(いわゆる観音開き型)の冷蔵室ドア11a,11bを備えている。また、冷蔵庫100は、引き出し式のドアとして、製氷室R2のドア12や、冷凍室R3のドア13の他、上段切替室R4のドア14、下段切替室R5のドア15を備えている。これらの各ドアの内部には、断熱材である発泡ウレタンが充填されている。
【0011】
図2は、
図1のII-II線矢視断面図である。なお、
図2では、空気の流れを実線矢印で示している。
冷蔵庫100の庫内・庫外は、発泡断熱材が充填された断熱箱体20によって隔てられている。なお、断熱箱体20の背面や側面、底面等には、上記した発泡断熱材に加えて、真空断熱材21が設けられている。これらの真空断熱材21は、グラスウールやウレタン等の芯材を外包材で包んで構成されている。
【0012】
図2に示すように、冷蔵室R1と冷凍室R3とは、断熱仕切壁22aによって仕切られている(冷蔵室R1と製氷室R2も同様:
図1参照)。冷凍室R3と上段切替室R4とは、断熱仕切壁22bによって仕切られている(製氷室R2と上段切替室R4も同様:
図1参照)。上段切替室R4と下段切替室R5とは、断熱仕切壁22cによって仕切られている。また、上段切替室R4と第2蒸発器室R6(蒸発器室)とは、断熱仕切壁22dによって仕切られている(下段切替室R5と第2蒸発器室R6とも同様)。
【0013】
冷蔵室ドア11a,11bの庫内側には、複数のドアポケットJ1aや複数の棚J1bが設けられている。製氷室R2には、ドア12(
図1参照)と一体に引き出される製氷室容器(図示せず)が設置されている。冷凍室R3には、ドア13と一体に引き出される冷凍室容器J3が設置されている。上段切替室R4には、ドア14と一体に引き出される複数の上段切替室容器J4が設置されている。下段切替室R5には、ドア15と一体に引き出される複数の下段切替室容器J5が設置されている。
【0014】
断熱仕切壁22aの上側には、冷蔵室R1の温度帯よりも低めに設定されたチルド室R1aが設けられている。そして、後記する第1蒸発器EV1や第1送風機Fa1の他、断熱仕切壁22aの内部に設けられたプレートヒータ(不図示)によって、チルド室R1aの温度を所定温度に変化させるようになっている。
【0015】
第1蒸発器EV1は、冷蔵室R1を冷却するためのクロスフィンチューブ式の熱交換器であり、冷蔵室R1の背面側の第1蒸発器室R1bに設けられている。第1蒸発器EV1は、圧縮機40と、機械室凝縮器41(
図4参照)と、断熱箱体20の外周に設けられる壁面凝縮器42と、キャピラリチューブ(不図示)とによって、冷凍サイクルを構成している。また、冷蔵庫100の冷凍サイクルでは、イソブタンを冷媒として用いている。
【0016】
第1蒸発器EV1との熱交換で低温になった空気は、第1蒸発器EV1の上側の第1送風機Fa1によって、吐出風路haおよび吐出口hbを順次に介して、冷蔵室R1に導かれる。このように冷蔵室R1に導かれた空気は、戻り口hcを介して、再び第1蒸発器EV1に導かれる。
【0017】
また、第1蒸発器EV1の下側には、この第1蒸発器EV1から滴り落ちる水を受ける樋23aが設けられている。この樋23aの表面には、除霜ヒータ24aが設置されている。そして、樋23aに溜まった水が凍結した場合であっても、除霜ヒータ24aに通電することで、氷を融解させるようになっている。なお、上記した融解に伴う水は、排水管25(
図4参照)を介して、機械室R7に配置された圧縮機40の上側の蒸発皿26に流れ落ちる。
【0018】
第2蒸発器EV2は、製氷室R2、冷凍室R3、上段切替室R4および下段切替室R5を冷却するためのクロスフィンチューブ式の熱交換器であり、下段切替室R5の背面側の第2蒸発器室R6に設けられている。第2蒸発器EV2は、圧縮機40と、機械室凝縮器41(
図4参照)と、断熱箱体20の外周に設けられる壁面凝縮器42と、キャピラリチューブ(不図示)とによって、冷凍サイクルを構成している。
【0019】
また、第2蒸発器EV2の下方には、この第2蒸発器EV2から滴り落ちる水を受ける樋23bが設けられている。この樋23bには、除霜ヒータ支持部材27(
図4参照)が設けられ、除霜ヒータ支持部材27上に除霜ヒータ24bが設けられている。除霜ヒータ24bは、例えば、ガラス管ヒータであり、ガラス管の外周にアルミニウム製の放熱フィンを備えたものである。第2蒸発器EV2の除霜時に発生した除霜水(融解水)は樋23bから排水管25(
図4参照)を介して機械室R7に配置された圧縮機40の上側の蒸発皿26に流れ落ちる。なお、除霜ヒータ支持部材27と樋23bは一体成型品となっている。
【0020】
冷蔵庫100は、上段切替室R4および下段切替室R5への送風量を制御し、あるいは送風を遮断する手段として、上段切替室ダンパ101(
図4参照)と、下段切替室ダンパ102(
図4参照)と、製氷・冷凍室ダンパ103と、を備えている。上段切替室ダンパ101は上段切替室R4の背部に実装され、下段切替室ダンパ102は下段切替室R5の背部に実装され、製氷・冷凍室ダンパ103は断熱仕切壁22bの背部に実装されている。冷蔵庫100の断熱箱体20の上面に設置されたカバー28内には、庫外空気の温度・湿度を検出する温湿度センサ29が設置されている。また、冷蔵庫100の各貯蔵室には温度を検出する温度センサ(不図示)が設置されている。また、冷蔵庫100の上部の背面側には、制御基板30が設置されている。
【0021】
上段切替室R4と下段切替室R5の庫内壁面には温度補償ヒータ(不図示)が設けられている。上段切替室R4または下段切替室R5が冷蔵設定の場合に、マイナス温度となった場合は、温度補償ヒータを動作させることで冷蔵温度まで加熱できる。制御基板30は、各センサの出力値や操作部200(
図1参照)における設定、ROMに予め記録されたプログラム等に基づいて、圧縮機40、第1送風機Fa1、第2送風機Fa2(送風機)、機械室送風機Fa3、上段切替室ダンパ101、下段切替室ダンパ102、および製氷・冷凍室ダンパ103の制御を行っている。なお、
図2の残りの風路構成については、後記する。
【0022】
図3は、
図2のIII-III線矢視断面図である。なお、
図3では、空気の流れを実線矢印で示している。
製氷室R2および冷凍室R3には、室内に冷気を吐出する一対の製氷・冷凍室吐出口57と、室外に冷気を排出する冷凍室戻り口58と、が設けられている。また、上段切替室R4の背面における断熱仕切壁22dには、室内に冷気を吐出する一対の上段切替室吐出口51と、室外に冷気を排出する上段切替室戻り口52と、が形成されている。また、下段切替室R5の背面における断熱仕切壁22dには、室内に冷気を吐出する一対の下段切替室吐出口54と、室外に冷気を排出する下段切替室戻り口55(入口開口)と、が形成されている。
【0023】
図4は、
図2のIV-IV線矢視断面図である。なお、
図4においても、空気の流れを実線矢印で示している。また、
図4においては、
図3に示した上段切替室戻り口52および下段切替室戻り口55の投影位置を一点鎖線で示している。制御基板30が第2送風機Fa2を駆動すると、第2蒸発器室R6において第2蒸発器EV2と熱交換して低温になった空気は、昇圧され、第2送風機吐出風路50(吐出風路)に供給される。
【0024】
ここで、上段切替室ダンパ101が開放状態に制御されている場合は、低温になった空気は、第2送風機吐出風路50、上段切替室ダンパ101、および上段切替室吐出口51(
図3参照)を介して上段切替室R4に導かれ、上段切替室容器J4(
図2参照)内の食品を冷却する。上段切替室R4の内部を冷却した空気は、上段切替室戻り口52(
図3参照)から冷凍室戻り風路53(第2戻り風路、
図4参照)を流れて、第2蒸発器室R6に戻り、再び第2蒸発器EV2と熱交換する。
【0025】
また、下段切替室ダンパ102が開放状態に制御されている場合、低温になった空気は、第2送風機吐出風路50、下段切替室ダンパ102、および下段切替室吐出口54(
図3参照)を介して下段切替室R5に導かれ、下段切替室容器J5(
図2参照)内の食品を冷却する。下段切替室R5の内部を冷却した空気は、下段切替室戻り口55(
図3参照)から下段切替室戻り風路56(第1戻り風路、
図2参照)を流れて、第2蒸発器室R6に戻り、再び第2蒸発器EV2と熱交換する。
【0026】
また、製氷・冷凍室ダンパ103が開放状態に制御されている場合は、低温になった空気は、第2送風機吐出風路50、製氷・冷凍室ダンパ103、および製氷・冷凍室吐出口57(
図3参照)を介して製氷室R2および冷凍室R3に導かれ、製氷室R2内の製氷皿(不図示)内の水、容器(不図示)内の氷、冷凍室R3内の容器J3に収納された食品等を冷却する。製氷室R2および冷凍室R3を冷却した空気は、冷凍室戻り口58から冷凍室戻り風路53を介して、第2蒸発器室R6に戻り、再び第2蒸発器EV2と熱交換する。
【0027】
図5は、
図3のV-V線矢視断面図である。なお、
図5では、空気の流れを実線矢印で示している。
図5に示すように、冷凍室戻り風路53は上下に亙って配設され、上端は冷凍室R3(
図3参照)の底面近傍に開口し冷凍室戻り口58を形成している。また、冷凍室戻り風路53の下端は、第2蒸発器室R6(
図4参照)の底面近傍に開口している。また、冷凍室戻り風路53の前方には上段切替室戻り口52が設けられ、該上段切替室戻り口52を介して、上段切替室R4と冷凍室戻り風路53とが接続されている。
【0028】
また、冷凍室戻り風路53のうち冷凍室戻り口58から上段切替室戻り口52までの風路断面積に対して、冷凍室戻り風路53のうち上段切替室戻り口52から下端までの風路断面積が大きくなるように構成されている。例えば、上段切替室R4を冷凍設定とし、上段切替室ダンパ101および製氷・冷凍室ダンパ103(
図4参照)を開状態とすると、冷凍室R3(
図3参照)からの戻り冷気と、上段切替室R4からの戻り冷気とが冷凍室戻り風路53において合流する。この場合においても、合流後の風路断面積が合流前の風路断面積よりも広いため、合流後の風路における通風抵抗の増大を抑えて、冷蔵庫100の冷却効率を高めることができる。
【0029】
図6は、
図4のVI-VI線矢視断面図である。
図6に示すように、第2送風機吐出風路50は第2蒸発器EV2の左側に配置され、冷凍室戻り風路53は、第2蒸発器EV2の右側に配置されている。そして、冷凍室戻り風路53の左辺は開口し、第2蒸発器室R6に連通している。第2蒸発器EV2の前方には、下段切替室戻り風路56が形成され、下段切替室戻り風路56は第2蒸発器室R6と下段切替室R5とを連通させている。また、
図6に示すように、冷凍室戻り風路53から蒸発器EV2の上流側(下端)に向かって冷気が戻る方向(左右方向。第2方向の一例。)と、下段切替室戻り風路56から蒸発器EV2の上流側(下端)に向かって冷気が戻る方向(前後方向。第1方向の一例。)は、互いに異なる方向となっている。
【0030】
本実施形態では、前記2つの方向は略直角である。このように2つの戻り風路(冷凍室戻り風路53と下段切替室戻り風路56)を異なる方向に設けることで、限られた送風路スペース内で戻り風路の開口面積を拡大し、通風抵抗を低減することで冷却効率を高めている。本実施形態では、冷凍室戻り風路53から蒸発器EV2の上流側(下端)に向かって冷気が戻る方向と、下段切替室戻り風路56から蒸発器EV2の上流側(下端)に向かって冷気が戻る方向のなす角を90度としてスペース効率を最大化しているが、これは最も好ましい角であり、70~110度、好ましくは80~100度、最も好ましくは85~95度とすることができる。
【0031】
下段切替室戻り風路56の前端部においては、左側の側壁に略矩形板状の第1遮蔽部材71が装着されている。そして、下段切替室戻り風路56の前端部において、第1遮蔽部材71以外の部分が下段切替室戻り口55になっている。また、
図3に示したように、下段切替室戻り口55は、下段切替室R5において略矩形状に開口している。また、左右方向における第2蒸発器EV2の中心線EV2c(蒸発器の幅方向の中心)に対して、下段切替室戻り風路56の中心線56c(第1戻り風路の幅方向の中心)は右側に位置し、下段切替室戻り口55の中心線55cは、さらに右側に位置している。
【0032】
図7は、第2蒸発器室R6等に形成される気流の一例を示す図である。
図7においては、気流を実線矢印で示している。但し、
図7においては、上段切替室R4(
図3参照)を冷凍モード、下段切替室R5を冷蔵モードとし、上段切替室ダンパ101(
図4参照)および製氷・冷凍室ダンパ103を開状態、下段切替室ダンパ102を閉状態とした運転モード時に起きる気流を示している。以下、この運転モードを「第1運転モード」と呼ぶ。このモードにおいては、製氷・冷凍室ダンパ103は開状態であるので、製氷・冷凍室ダンパ103を備えない冷蔵庫においても同様の説明ができる。
【0033】
図中の実線矢印に示すように、冷凍室戻り風路53内では冷凍室R3および上段切替室R4(冷凍モード)からの戻り冷気が下方に向かって流れる。そして、冷凍室戻り風路53の下端に至った冷気は、冷凍室戻り風路53の開口部から、第2蒸発器室R6に向かって左下方向に流入する。第2蒸発器室R6に流入した冷気は、第2蒸発器EV2の下部付近に沿って左方向に流れる。
【0034】
樋23bの左端付近および第2送風機吐出風路50(
図6参照)は、第2蒸発器室R6の左端壁面になっている。冷気は、第2蒸発器室R6の左端壁面に到達し、上方に転向される。従って、第2蒸発器EV2の右部分を通過する冷気と比較して、左部分を通過する冷気の速度が高くなる。冷気が、第2蒸発器室R6の左端壁面に衝突する際、その部分の冷気の圧力(静圧)は高くなる。圧力が高くなった部分を第1高圧領域HP1と呼ぶ。
【0035】
第2蒸発器EV2の下方の風路には除霜ヒータ24bが設けられており、除霜運転中には、除霜ヒータ24bの熱で第2蒸発器EV2と樋23bを加熱する必要がある。その際、除霜効率を高めるために、除霜ヒータ24b、第2蒸発器EV2、および樋23bを相互に近接させる必要があり、第2蒸発器EV2の下方の風路面積は、冷凍室戻り風路53の風路面積に比べて小さくなっている。
【0036】
そのため、第2蒸発器EV2の下方の風路では、戻り冷気が縮流(急加速)して圧力(静圧)は低下する。その後、戻り冷気は第2蒸発器EV2に向かって上方向に転向して流れるため、第2蒸発器EV2の下方の風路では、左側に向かうほど風量が低下していき、縮流は徐々に緩和されて圧力(静圧)も回復していく。このように、第2蒸発器EV2の右下側の風路には低圧になる領域が形成される。この領域を低圧領域LPと呼ぶ。
【0037】
また、冷凍室戻り風路53における冷気の流れ方向は下方向であるのに対して、第2蒸発器EV2内では、理想的には、180転向した上方向に冷気が流れることになる。しかし、第2蒸発器EV2内の右部分においては、冷気が180°転向しきれないため、冷気の風速が小さくなる。特に、上述したように、本実施形態においては、第2蒸発器EV2の右下側の風路で冷気が急加速しているため、上方向に流れを転向させることが一層難しくなる。このため、第2蒸発器EV2の左右方向の風速分布が不均一になりやすい。
【0038】
〈第1比較例〉
次に、第1実施形態の動作の特徴を明らかにするため、第1および第2の比較例の構成および動作について説明する。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
まず、第1比較例の全体構成は、上述した第1実施形態のもの(
図1~
図7)と同様であるが、下段切替室戻り風路56、下段切替室戻り口55等の構成は、第1実施形態のもの(
図6参照)とは異なっている。
【0039】
図8は、第1比較例における
図4のVI-VI線矢視断面図である。
図8において、下段切替室戻り風路56の下段切替室R5側の端部には、上述した第1遮蔽部材71(
図6参照)は設けられていない。そのため、当該端部が、そのまま下段切替室戻り口55になっている。また、第1比較例においては、左右方向における第2蒸発器EV2の中心線EV2cと、下段切替室戻り風路56の中心線56cとは一致している。
【0040】
(第1運転モード)
図8においては、気流を実線矢印で示している。但し、
図8においては、
図7と同一の第1運転モードが適用されていることを前提としている。すなわち、上段切替室R4(
図3参照)を冷凍モード、下段切替室R5を冷蔵モードとし、上段切替室ダンパ101(
図4参照)および製氷・冷凍室ダンパ103を開状態、下段切替室ダンパ102を閉状態とした時に起きる気流を示している。
【0041】
一般的に、風路の入口と出口があった場合、風路の入口を閉鎖すれば風路の出口からは有意な冷気は流出しないと考えられる。この一般的な状況によれば、
図8において、下段切替室ダンパ102によって下段切替室R5の風路の入口を閉鎖すれば、下段切替室戻り口55から下段切替室R5(冷蔵モード)に有意な冷気は流入しないはずである。しかし、第1比較例においては、第2蒸発器室R6から下段切替室R5に、開口している下段切替室戻り口55を介して、問題が生じる程度の冷気が流入する。すなわち、第2蒸発器室R6の側方から冷凍室R3および上段切替室R4(冷凍モード)の戻り冷気が流入し、冷蔵モードである下段切替室R5の温度が下がり過ぎる可能性がある。その理由を以下説明する。
【0042】
図8に示すように、第2蒸発器EV2の左部には第1高圧領域HP1が形成され、右部には低圧領域LPが形成される。その理由は、
図7において説明した通りである。この左右圧力差によって、第2蒸発器EV2の前方にある空間、すなわち下段切替室戻り風路56では、比較的高圧な左側から低圧な右側に向かって循環流が発生する。この循環流により第2蒸発器EV2の左右の圧力分布と風速分布の不均一が緩和される。
【0043】
しかし、図示のように、循環流が下段切替室戻り風路56内に収まらず、下段切替室戻り口55および下段切替室R5まで到達することがある。第2蒸発器室R6内の冷凍冷気と下段切替室R5内の冷蔵冷気とが熱交換し、下段切替室R5が冷え過ぎてしまう恐れがある。また、下段切替室戻り風路56内で生成される循環流が、下段切替室戻り風路56の左端部に衝突すると、周囲よりも圧力が高い第2高圧領域HP2を生成する場合がある。
【0044】
第2高圧領域HP2が生成されると、循環流の一部が下段切替室R5に吹出す現象が起こり、下段切替室R5の庫内温度がさらに低下する恐れがあった。以上のように、循環流により下段切替室R5(冷蔵モード)内が冷え過ぎてしまうと、食品が凍結してしまうため、下段切替室R5内を温度補償ヒータ(不図示)で加熱して冷蔵温度(0℃以上)に保つ必要が生じる。これにより、第1比較例では、消費電力が増大して冷蔵庫100の省エネルギー性能が低下する。
【0045】
(第2運転モード)
次に、第1比較例において、他の運転モードである第2運転モードが適用された場合の現象について説明する。より具体的には、上段切替室R4(
図3参照)を冷蔵モードとし、下段切替室R5を冷凍モードとし、下段切替室ダンパ102(
図4参照)および製氷・冷凍室ダンパ103を閉状態とし、上段切替室ダンパ101を開状態とした場合の現象について説明する。
【0046】
第2運転モードにおいても、第2蒸発器室R6および下段切替室R5の各部においては、第1運転モードと同様に、
図8に示した実線矢印に沿って気流が流れる。すなわち、第2蒸発器EV2の左側に第1高圧領域HP1が形成され、右側に低圧領域LPが形成される。この左右圧力差によって、第2蒸発器EV2の前方にある空間(下段切替室戻り風路56)では、比較的高圧な左側から低圧な右側に向かって循環流が発生する。この循環流により第2蒸発器EV2の左右の圧力分布と風速分布の不均一が緩和される。そして、循環流は下段切替室戻り風路56内に収まらず、下段切替室戻り口55および下段切替室R5まで到達する。
【0047】
ここで、第2運転モードにおいては、第2蒸発器室R6内の、比較的温度の高い冷蔵冷気が、冷凍モードである下段切替室R5に流入することになる。これにより、下段切替室R5の庫内温度が上昇する可能性が生じる。下段切替室R5の庫内温度が上昇すると、制御基板30(
図1参照)は、下段切替室R5を所定の冷凍温度(例えば-18°)まで冷却できる程度の冷凍冷気を第2蒸発器室R6において生成し、下段切替室ダンパ102を介して、その冷凍冷気を下段切替室R5に送風することになる。
【0048】
第2蒸発器室R6において低温の冷凍冷気を生成するためには、例えば、圧縮機40(
図2参照)を高速回転させる必要が生じるため、冷凍サイクル成績係数は低くなる。すなわち、本来は冷蔵温度帯の上段切替室R4のみを単独で冷却できる状態であったとしても、冷凍モードの下段切替室R5に比較的高温の冷蔵冷気が流入すると、第2蒸発器室R6において冷凍冷気を生成する必要が生じる。これは、冷蔵庫100全体として発生する熱量が同一であったとしても、冷凍サイクル成績係数が低い状態で冷蔵庫100を運転することになるため、冷却効率が低下し、冷蔵庫100の省エネルギー性能が低下する。
【0049】
〈第2比較例〉
ここで、上述した第1比較例に対して特許文献1に類似した構成を追加し、貯蔵室間の冷気移動を抑制することも考えられる。例えば、第2蒸発器室R6において下段切替室戻り風路56の周辺に、風路に向かって突出するような遮蔽部材(図示せず)を配置することも考えられる。この構成を、特に図示しないが、第2比較例とする。
上述した第1運転モード(上段切替室R4を冷凍モード、下段切替室R5を冷蔵モードとする運転モード)においては、冷凍室戻り風路53から第2蒸発器室R6の側方に戻す冷気は冷凍温度であるため、冷蔵温度の冷気を戻す場合と比較して、冷却に必要な風量は大きくなる。
【0050】
さらに、この第1運転モードにおいては、製氷室R2、冷凍室R3および上段切替室R4からの戻り冷気が冷凍室戻り風路53から第2蒸発器室R6に戻る。従って、例えば一つの貯蔵室からの冷気が第2蒸発器室R6に戻る場合と比較すると、冷却に必要な風量は、さらに大きくなる。そのため、第2比較例のように、第2蒸発器室R6に遮蔽部材を配置して冷気移動を抑制する構成を採用すると、冷凍室戻り風路53の通風抵抗が増大して、製氷室R2、冷凍室R3および上段切替室R4の冷却に必要な風量が確保できなくなる恐れがある。
【0051】
〈第1実施形態の動作〉
(第1運転モード)
図9は、第1実施形態の動作説明図である。より具体的には、
図9では、
図4のVI-VI線矢視断面図において、第1運転モード(上段切替室R4を冷凍モード、下段切替室R5を冷蔵モード)を適用した場合の空気の流れを実線矢印で示している。
本実施形態においては、比較例(
図8参照)のものと比較すると、下段切替室戻り風路56が第1高圧領域HP1から遠ざかるように配置されている。より具体的には、第2蒸発器EV2の中心線EV2c(
図6参照)よりも、下段切替室戻り風路56の中心線56cが冷凍室戻り風路53に近づくように、下段切替室戻り風路56が配置されている。また、第2蒸発器EV2の幅L1よりも下段切替室戻り風路56の幅L2が狭くなるように構成されている。これにより、下段切替室戻り風路56内の左右圧力差が小さくなり、下段切替室戻り風路56内に生成される循環流も小さくなり、下段切替室R5の冷え過ぎを抑制できる。
【0052】
また、
図6に示したように、本実施形態においては、下段切替室戻り口55の左端部には、第1遮蔽部材71が設けられ、下段切替室戻り風路56の幅L2よりも下段切替室戻り口の幅L3のほうが小さくなるように構成されている。これにより、下段切替室戻り風路56の左端に生じる第2高圧領域HP2と、下段切替室戻り口55とが遠ざかるため、下段切替室戻り口55から下段切替室R5内に流出する冷気量が減少して、下段切替室R5の冷え過ぎを抑制できる。
【0053】
さらに、
図9に示すように、第1遮蔽部材71は、左右方向および上下方向に延在する面を有し、板状の構造を備えている。第1遮蔽部材71の前後寸法は断熱仕切壁22dの前後寸法よりも短く、第1遮蔽部材71は、前後方向について断熱仕切壁22dのうち第2蒸発器室R6から離れた側に配されている。このような構造とすることで、下段切替室戻り風路56の左端に生じる第2高圧領域HP2と下段切替室R5とを一層確実に隔てることができる。これにより、循環流が下段切替室戻り風路56から下段切替室R5に流出しにくくなり、下段切替室R5の冷え過ぎを抑制できる。
【0054】
さらに、本実施形態では、上述の第2比較例のように、第2蒸発器室R6に遮蔽部材を配置せずとも、循環流が下段切替室戻り風路56から下段切替室R5へ流出することを抑制できる。言い換えると、上段切替室R4への送風量を損なわずに、下段切替室R5の冷え過ぎを抑制できるため、上段切替室R4の冷却時間を短くして圧縮機の消費電力量を低減できる。さらに、本実施形態では、下段切替室R5の温度補償ヒータの消費電力量を低減できるため、これらの特徴を両立して、冷蔵庫100の省エネルギー性能を高めることができる。
【0055】
図10は
図2の要部の拡大図である。すなわち、
図10は
図2の第2蒸発器EV2の近傍を拡大した図である。
図10においても、空気の流れを実線矢印で示している。
図10に示すように、本実施形態においては、第2蒸発器EV2と下段切替室R5との間には下段切替室戻り口55のみならず、下段切替室戻り風路56を備えている。これにより、第2蒸発器EV2の付近で循環流が生成された場合においても、下段切替室戻り風路56内に循環流が留まって、下段切替室R5の冷え過ぎを抑制できる。
【0056】
また、下段切替室戻り風路56の下面には、下段切替室戻り口55から第2蒸発器室R6に向かって斜めに下降する下降部56sが形成されている。これにより、下段切替室戻り風路56も、下段切替室戻り口55から第2蒸発器室R6に向かって斜めに下降するように形成されている。これにより、冷蔵庫100の限られた奥行寸法内で風路長を確保できるため、下段切替室戻り風路56内に、循環流が一層留りやすくなり、下段切替室R5の冷え過ぎをさらに抑制できる。
【0057】
なお、
図10に示す例では、下段切替室戻り風路56は下段切替室戻り口55から第2蒸発器室R6側の出口に向かって下降しているが、これとは逆に下段切替室戻り口55から第2蒸発器室R6に向かって上昇するように下段切替室戻り風路56を形成してもよい。すなわち、下段切替室戻り風路56の下面に、下段切替室戻り口55から第2蒸発器室R6に向かって斜めに上昇する上昇部(図示せず)を形成してもよい。
【0058】
また、本実施形態においては、下段切替室戻り風路56内において、下段切替室R5と第2蒸発器EV2の間に第3遮蔽部材59を設けている。第3遮蔽部材59は、下段切替室戻り風路56の後方向への投影領域に少なくとも一部が含まれている。また、第3遮蔽部材59の位置としては、前後方向については下段切替室よりも第2蒸発器EV2に近いことが好ましく、本実施形態では樋23bの直上に位置している。上下方向(第3の方向の一例。)については樋23bから離れた側が好ましく、本実施形態では、下端が切替室戻り風路56に対向する断熱仕切壁22dからさらに下側に延在している。
【0059】
さらに、第3遮蔽部材59は上下方向および左右方向に延在する面を有する板状である。左右寸法は、下段切替室戻り風路56の左右寸法に略同一にすることができる。このような構造により、第2蒸発器EV2において左右圧力分布や左右風速分布が生成された場合であっても、循環流が一層生成されにくくなるため、下段切替室R5の冷え過ぎをさらに抑制できる。また、下段切替室戻り風路56のスペースを大きくすることができ、循環流がより風路内に留まりやすくなる。さらに、第2蒸発器EV2に左右圧力分布と左右風速分布があった場合であっても、循環流が一層生成されにくくなるため、下段切替室R5の冷え過ぎをさらに抑制できる。
【0060】
(第2運転モード)
次に、本実施形態において、第2運転モードが適用された場合の現象について説明する。上述したように、第2運転モードは、上段切替室R4(
図3参照)を冷蔵モードとし、下段切替室R5を冷凍モードとし、下段切替室ダンパ102(
図4参照)および製氷・冷凍室ダンパ103を閉状態とし、上段切替室ダンパ101を開状態とした運転モードである。
【0061】
この場合においても、第2蒸発器室R6および下段切替室R5の各部において、
図9に示した実線矢印に沿って気流流れる。
上述したように、本実施形態においては、第2蒸発器EV2の左側にできる第1高圧領域HP1と下段切替室戻り風路56とが遠ざかるように、下段切替室戻り風路56の中心線56cを、第2蒸発器EV2の中心線EV2cよりも冷凍室戻り風路53に近づけている。これにより、下段切替室戻り風路56内の左右圧力差が小さくなり、下段切替室戻り風路56内に生成される循環流も小さくなる。従って、第2運転モードにおいては、下段切替室R5の温度上昇を抑制できる。
【0062】
また、上述したように、本実施形態においては、下段切替室戻り口55の左端部に第1遮蔽部材71を設け、下段切替室戻り風路56の幅L2よりも下段切替室戻り口の幅L3を短くした。これにより、第2運転モードにおいては、下段切替室戻り口55から下段切替室R5内に流出する冷蔵冷気が減少して、下段切替室R5の温度上昇を一層抑制できる。また、上述したように、第1遮蔽部材71は、左右方向および上下方向に延在する面を有し、前後方向に短い板状の構造を備えている。第1遮蔽部材71の前後寸法は断熱仕切壁22dの前後寸法よりも短く、第1遮蔽部材71は、前後方向について断熱仕切壁22dのうち第2蒸発器室R6から離れた側に配されている。これにより、第2運転モードにおいては、冷蔵冷気が下段切替室戻り風路56から下段切替室R5に一層流出しにくくなり、下段切替室R5の温度上昇を一層抑制できる。
【0063】
さらに、本実施形態では、上述の第2比較例のように、第2蒸発器室R6に遮蔽部材を配置せずとも、循環流が下段切替室戻り風路56から下段切替室R5へ流出することを抑制できる。これにより、第2運転モードにおいては、上段切替室R4への送風量を損なわずに、下段切替室R5の温度上昇を抑制できるため、上段切替室R4および下段切替室R5の冷却時間を短くして圧縮機の消費電力量を低減できる。このように、本実施形態では、第2運転モードにおいても、様々な特徴を発揮することによって、冷蔵庫100の省エネルギー性能を高めることができる。
【0064】
(第3運転モード)
次に、本実施形態において、他の運転モードである第3運転モードが適用された場合の現象について説明する。ここで、第3運転モードとは、上段切替室R4(
図3参照)を冷蔵モードとし、下段切替室R5を冷凍モードとし、下段切替室ダンパ102(
図4参照)を開状態とし、上段切替室ダンパ101および製氷・冷凍室ダンパ103を閉状態とした運転モードである。
【0065】
図11は、第1実施形態の他の動作説明図であり、第3運転モードにおける空気の流れを実線矢印で示している。
第3運転モードにおいては、図示のように、下段切替室吐出口54から下段切替室R5に冷凍冷気が吐出され、下段切替室戻り口55から冷凍冷気が第2蒸発器室R6に戻る。本実施形態では、下段切替室戻り口55に第1遮蔽部材71が設けられているため、下段切替室戻り口55の開口面積は、第1比較例のもの(
図8参照)よりも小さくなる。
【0066】
このため、下段切替室戻り口55のみの通風抵抗を考えると、本実施形態における下段切替室戻り口55の通風抵抗は、第1比較例のものよりも大きくなる。このように、下段切替室戻り口55の通風抵抗が大きくなると、下段切替室吐出口54から吐出される冷気の風量は、第1比較例(
図8参照)よりも少なくなり、冷却効率が低下するのではないか、との懸念が生じる余地がある。
【0067】
しかし、本実施形態においては、第1遮蔽部材71を設けることで、下段切替室吐出口54と下段切替室戻り口55との距離を長くすることができる。これにより、下段切替室吐出口54から吐出された冷気のほとんどが下段切替室戻り口55にショートカットすることなく、下段切替室R5の冷却に寄与できるために、冷却効率が向上する効果が生じる。このように、本実施形態においては、冷却に寄与できる冷気の割合を大きくできるため、下段切替室戻り口55の通風抵抗が大きくなる不利を補うことができ、第3運転モードにおいて、省エネルギー性能を大きく悪化させることはない。
【0068】
なお、上述した現象は、上段切替室R4(
図3参照)を冷凍モードとし、下段切替室R5を冷蔵モードとし、下段切替室ダンパ102(
図4参照)を開状態とし、上段切替室ダンパ101および製氷・冷凍室ダンパ103を閉状態とした運転モードにおいても、同様に発生する。
このように、本実施形態によれば、冷蔵用の貯蔵室と冷凍用の貯蔵室とを1つの蒸発器で冷却する冷気循環式の冷蔵庫において、冷却中の貯蔵室への送風量を損なわずに、冷却中の貯蔵室から非冷却中の貯蔵室への冷気(熱)の移動を抑制して、省エネルギー性能を高めることができる。
【0069】
[第2実施形態]
次に、好適な第2実施形態について説明するが、最初に上述した第1実施形態において生じ得る問題について説明しておく。
図12は、第1実施形態において発生し得る他の気流の例を示す図である。
第1実施形態に示した構成においても、下段切替室戻り風路56から下段切替室R5に流入する気流は充分に抑制できるが、各部の寸法や形状によっては、当該気流を充分に抑制できない場合が生じ得る。
図12は、そのような場合の具体例であり、より詳細には、
図4のVI-VI線矢視断面図において、第1運転モード(上段切替室R4を冷凍モード、下段切替室R5を冷蔵モード)を適用した場合の空気の流れを実線矢印で示している。
【0070】
上述したように、第1実施形態では、下段切替室戻り口55の左端に第1遮蔽部材71を設けることで、下段切替室戻り風路56の左端部の第2高圧領域HP2から下段切替室R5に冷気が吹出すことを抑制している。第1遮蔽部材71に衝突した冷気は右方向に転向して下段切替室戻り風路56の右端部に衝突する。その際、衝突の状況次第で、下段切替室戻り口55の右端部付近に、周囲よりも高圧になる第3高圧領域HP3が生成される場合がある。この第3高圧領域HP3が下段切替室R5よりも高圧である場合は、第3高圧領域HP3から下段切替室R5に向かって循環流の一部が吹出すことがある。そこで、第2実施形態は、この第3高圧領域HP3による影響を抑制するものである。
【0071】
次に、第2実施形態の具体的な構成を説明する。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態の各部に対応する部分には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。まず、第2実施形態の全体構成は、上述した第1実施形態のもの(
図1~
図7、
図9、
図10)と同様であるが、下段切替室戻り風路56、下段切替室戻り口55等の構成は、上述した第1実施形態のもの(
図6参照)とは異なっている。
【0072】
図13は、第2実施形態における
図4のVI-VI線矢視断面図である。
本実施形態においては、第1実施形態と同様に、下段切替室戻り口55の左端部に第1遮蔽部材71が設けられている。さらに、本実施形態においては、下段切替室戻り口55の右端部に第2遮蔽部材72が設けられている。さらに、下段切替室戻り風路56の左側面には、下段切替室戻り風路56の幅L2を後方に向かうほど広くするように傾斜面56aが形成されている。
【0073】
図14は、第2実施形態の動作説明図である。より具体的には、
図14では、
図4のVI-VI線矢視断面図において、第1運転モード(上段切替室R4を冷凍モード、下段切替室R5を冷蔵モード)を適用した場合の空気の流れを実線矢印で示している。
【0074】
本実施形態においても、第1実施形態のもの(
図9参照)と同様に、第2蒸発器EV2の左側に第1高圧領域HP1が形成され、右側に低圧領域LPが形成される。この左右圧力差によって、下段切替室戻り風路56では、循環流が発生する。また、本実施形態においても、第1実施形態のものと同様に、第1遮蔽部材71を設けているため、第2高圧領域HP2から下段切替室R5内に流出する冷気量を減少させることができる。
【0075】
また、下段切替室戻り口55の右端部に設けた第2遮蔽部材72によって、第3高圧領域HP3と下段切替室戻り口55とが遠ざかるため、下段切替室戻り口55から下段切替室R5内に流出する冷気量を小さくでき、下段切替室R5の冷え過ぎを抑制できる。
さらに、下段切替室戻り風路56の左側面に傾斜面56aを設けたため、第2高圧領域HP2における冷気の衝突を抑制できるとともに、衝突後の冷気がそのまま第2蒸発器EV2に流れやすくなる。これにより、冷気の循環流量を抑制して下段切替室R5の冷え過ぎを抑制できる。
【0076】
[実施形態の効果]
以上のように好適な実施形態によれば、冷蔵庫100は、互いに異なる温度帯に設定された、または設定可能な第1貯蔵室(R5)および第2貯蔵室(R4)と、蒸発器(EV2)と、蒸発器(EV2)を収納した蒸発器室(R6)と、第1の方向から第1貯蔵室(R5)の冷気を蒸発器(EV2)の上流側に戻す第1戻り風路(56)と、第2の方向から第2貯蔵室(R4)の冷気を蒸発器(EV2)の上流側に戻す第2戻り風路(53)と、を備え、第1の方向および第2の方向は、互いに異なる方向であり、第2の方向における第1戻り風路(56)の第1貯蔵室(R5)側の開口寸法(L3)よりも、第2の方向における第1戻り風路(56)の蒸発器室(R6)側の開口寸法(L2)が大きい。
また、好適な実施形態による冷蔵庫100は、他の観点においては、互いに異なる温度帯に設定された、または設定可能な第1貯蔵室(R5)および第2貯蔵室(R4)と、蒸発器(EV2)と、蒸発器(EV2)を収納した蒸発器室(R6)と、第1の方向から第1貯蔵室(R5)の冷気を蒸発器(EV2)の上流側に戻す第1戻り風路(56)と、第2の方向から第2貯蔵室(R4)の冷気を蒸発器(EV2)の上流側に戻す第2戻り風路(53)と、を備え、第1の方向および第2の方向は、互いに異なる方向であり、第1の方向および第2の方向とは異なる第3の方向において、第1戻り風路(56)の一方側に樋(23b)を、他方側に仕切壁(22d)を備え、第1戻り風路(56)の第1の方向への投影領域であって蒸発器(EV2)よりも第1戻り風路(56)に近い領域で、第3の方向において仕切壁(22d)側に設けられた遮蔽部材(59)を備える。
【0077】
これにより、冷蔵庫100における気流を適切に制御できる。例えば、冷蔵貯蔵室と冷凍貯蔵室とを1つの蒸発器で冷却する冷気循環式の冷蔵庫において、冷却中の貯蔵室への送風量を損なわずに、冷却中の貯蔵室から非冷却中の貯蔵室への冷気(熱)の移動を抑制して、省エネルギー性能を高めることができる。
【0078】
また、第1の方向は蒸発器(EV2)の前方から蒸発器(EV2)の上流に冷気を戻す方向であり、第2の方向は蒸発器(EV2)の側方から蒸発器(EV2)の上流側に冷気を戻す方向であることが一層好ましい。また、第1の方向と第2の方向のなす角は70度以上110度以下であることが一層好ましい。また、第2の方向における第1戻り風路(56)の蒸発器室(R6)側の開口寸法(L2)は、第2の方向における蒸発器(EV2)の寸法(L1)より小さいことが一層好ましい。これにより、第1戻り風路(56)内の左右圧力差が小さくなり、第1戻り風路(56)内に生成される循環流も小さくなり、第1戻り風路(56)から第1貯蔵室(R5)に流入する風量を抑制できる。
【0079】
また、第1戻り風路(56)は、第2戻り風路(53)から離れた側の側面に第1貯蔵室(R5)側の開口寸法(L3)を狭めるように設けられた第1遮蔽部材(71)をさらに備えると一層好ましい。これにより、第2高圧領域HP2(
図8参照)から第1貯蔵室(R5)に流入する風量を抑制できる。
【0080】
また、第1戻り風路(56)は、第2戻り風路(53)に近い側の側面に第1貯蔵室(R5)側の開口寸法(L3)を狭めるように設けられた第2遮蔽部材(72)をさらに備えると一層好ましい。これにより、第3高圧領域HP3(
図14参照)から第1貯蔵室(R5)に流入する風量を抑制できる。
【0081】
また、第2遮蔽部材(72)の第2方向の寸法(L5)は、第1遮蔽部材(71)の第2方向の寸法(L4)よりも短くすると一層好ましい。第3高圧領域HP3は第2高圧領域HP2よりも小さくなるため、幅寸法(L5)は幅寸法(L4)よりも短くても充分であり、短くすることによって入口開口(55)の幅寸法(L3)を長くすることができる。
【0082】
また、第1戻り風路(56)の第2方向の中心(56c)が、蒸発器(EV2)の第2方向の中心(EV2c)よりも第2戻り風路(53)側に位置すると一層好ましい。これにより、第1戻り風路(56)内の左右圧力差を一層小さくできるため、第1戻り風路(56)内に生成される循環流も一層小さくでき、第1戻り風路(56)から第1貯蔵室(R5)に流入する風量を一層抑制できる。
【0083】
また、第1戻り風路(56)は、第2戻り風路(53)から離れた側の側面が、蒸発器(EV2)側に向かうにつれて第2方向の寸法が拡大する傾斜面(56a)を有すると、一層好ましい。これにより、第2高圧領域HP2における冷気の衝突を抑制でき、第1戻り風路(56)から第1貯蔵室(R5)に流入する風量を一層抑制できる。
【0084】
また、第1戻り風路(56)は、第1貯蔵室(R5)側の開口(55)から蒸発器(EV2)側の開口(56b)に向けて下降する下降部(56s)、または第1貯蔵室(R5)側の開口(55)から蒸発器(EV2)側の開口(56b)に向けて上昇する上昇部をさらに備えることが一層好ましい。これにより、限られた奥行寸法内で第1戻り風路(56)の風路長を確保できるため、第1戻り風路(56)内に、循環流が一層留りやすくなり、第1戻り風路(56)から第1貯蔵室(R5)に流入する風量を一層抑制できる。
【0085】
また、第1の方向および第2の方向とは異なる第3の方向において、第1戻り風路(56)の一方側に樋(23b)を、他方側に仕切壁(22d)を備え、第1戻り風路(56)の第1の方向への投影領域であって蒸発器(EV2)よりも第1戻り風路(56)に近い領域で、第3の方向において仕切壁(22d)側に設けられた第3遮蔽部材(59)を備えると一層好ましい。また、仕切壁(22d)は、樋(23b)の直上に位置すると一層好ましい。これにより、第1戻り風路(56)のスペースを大きくすることができ、循環流が第1戻り風路(56)内に一層留まりやすくなる。
【0086】
[変形例]
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。上述した実施形態は本発明を理解しやすく説明するために例示したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について削除し、もしくは他の構成の追加・置換をすることが可能である。また、図中に示した制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上で必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。上記実施形態に対して可能な変形は、例えば以下のようなものである。
【0087】
(1)上述した第2実施形態(
図13参照)においては、傾斜面56aを下段切替室戻り風路56の左側面に設けたため、傾斜面56aは上断面(
図13)から確認できる形状になっている。しかし、傾斜面56aを下段切替室戻り風路56の上面または下面に形成する等、傾斜面56aを前断面から確認できる形状としても、同様な効果が得られる。
【0088】
(2)上述した第2実施形態においては、下段切替室戻り風路56に傾斜面56aを形成したが(
図13参照)、第1実施形態の下段切替室戻り風路56(
図6参照)に対しても同様の傾斜面56aを形成してもよい。
【0089】
(3)上述した第2実施形態においては、第1遮蔽部材71および第2遮蔽部材72(
図13参照)を省略してもよい。すなわち、下段切替室戻り風路56に傾斜面56aを形成したことにより、下段切替室戻り風路56の下段切替室戻り口55の幅L3よりも、後端部56bの幅L2を大きくできるため、これによって気流を適切に制御できる。
【符号の説明】
【0090】
50 第2送風機吐出風路(吐出風路)
53 冷凍室戻り風路(第2戻り風路)
55 下段切替室戻り口(入口開口)
56 下段切替室戻り風路(第1戻り風路)
56a 傾斜面
56b 後端部(出口開口)
56c 中心線(第1戻り風路の幅方向の中心)
56s 下降部
59 第3遮蔽部材
71 第1遮蔽部材
72 第2遮蔽部材
100 冷蔵庫
L1 幅(蒸発器の幅寸法)
L2 幅(第1戻り風路の出口開口の幅寸法)
L3 幅(第1戻り風路の入口開口の幅寸法)
L4 幅(第1遮蔽部材の幅寸法)
L5 幅(第2遮蔽部材の幅寸法)
R4 上段切替室(第2貯蔵室)
R5 下段切替室(第1貯蔵室)
R6 第2蒸発器室(蒸発器室)
EV2 第2蒸発器(蒸発器)
Fa2 第2送風機(送風機)
EV2c 中心線(蒸発器の幅方向の中心)