(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】保守作業遠隔管理サーバおよび保守作業遠隔管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20240401BHJP
B66B 5/00 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
G06Q10/20
B66B5/00 G
(21)【出願番号】P 2020204867
(22)【出願日】2020-12-10
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000232955
【氏名又は名称】株式会社日立ビルシステム
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】星崎 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】主税 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】野瀬 尊之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 一朗
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-080147(JP,A)
【文献】特開2007-137658(JP,A)
【文献】特開2019-056391(JP,A)
【文献】特開2020-033129(JP,A)
【文献】特開2018-180832(JP,A)
【文献】特開2013-164786(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
B66B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターの保守作業の完了を遠隔で確認する保守作業遠隔管理サーバであって、
撮影された画像を受信する通信部と、
受信した前記画像を記憶する記憶部と、
前記画像を出力する出力部と、
前記画像を撮影するときの撮影ガイド情報を送信する制御部を備え
、
前記制御部は、保守現場に貼付されたマーカ画像を受取り作業情報及び物件情報を特定する作業管理部と、
特定された前記作業情報及び前記物件情報に対応する前記撮影ガイド情報を選ぶガイド管理部と、を有し、
前記撮影ガイド情報は、前記マーカ画像を基準とした撮影範囲を示す情報であり、
前記ガイド管理部は、前記物件情報における前記エレベーターの機械室の機器の配置に対して、撮影可能な前記撮影ガイド情報を選ぶ保守作業遠隔管理サーバ。
【請求項2】
請求項
1に記載の保守作業遠隔管理サーバにおいて、
前記撮影ガイド情報は、交換した部品全体を撮影範囲に収めるための第1撮影範囲と、前記交換した部品の識別情報を確認するための第1撮影範囲より狭い撮影範囲である第2撮影範囲である保守作業遠隔管理サーバ。
【請求項3】
請求項
1に記載の保守作業遠隔管理サーバにおいて、
前記マーカ画像は、
前記エレベーターの制御盤に貼付された二次元コードである保守作業遠隔管理サーバ。
【請求項4】
撮影された画像を受信する通信部と、
受信した前記画像を記憶する記憶部と、
前記画像を出力する出力部と、
前記画像を撮影するときの撮影ガイド情報を送信する制御部と、を備えたサーバによる、エレベーターの保守作業の完了を遠隔で確認する保守作業遠隔管理方法であって、
前記制御部が、保守現場に貼付されたマーカ画像を受取り作業情報及び物件情報を特定するステップと、
前記制御部が、前記作業情報及び前記物件情報に対応する前記撮影ガイド情報を選ぶステップと、を有し、
前記撮影ガイド情報は、前記マーカ画像を基準とした撮影範囲を示す情報であり、
前記制御部は、前記物件情報における前記エレベーターの機械室の機器の配置に対して、撮影可能な前記撮影ガイド情報を選ぶ保守作業遠隔管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保守作業遠隔管理サーバおよび保守作業遠隔管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
部品交換などの保守点検の作業を行った際、作業者によっては、その作業が適切に完了したか否か、別の者による確認が必要となる場合がある。この場合、作業者とは別の者が、作業完了確認のたびに作業現場に出向いており、特に作業現場が遠隔地の場合には往復の移動が大きな負担となっている。そこで、作業者が現場で撮影した画像を遠隔にある監視センタへ送信し、監視センタ側で適切な作業が行われたかを確認する方法が考えられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、「保守対象機器の点検項目を保守員が所持する情報発信機に送信すると共に、当該点検項目に関して保守点検の作業終了後の撮影を促す点検項目送信手段と、この点検項目送信手段によって送信した点検項目の作業報告として、上記情報発信機から画像データを受信する作業報告受信手段と、この作業報告受信手段によって画像データを受信できた場合に保守点検作業が完了したものと判断する作業完了判断手段とを具備したことを特徴とする保守点検管理システム」が開示されている(特許文献1の請求項1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、作業者が撮影した画像の画角や構図が悪く、交換部品の一部が認識できない場合や、交換部品の一部が撮影できていない場合は、作業対象の状況が確認できず、撮影のやり直しのために手戻りが発生するなど、作業の完了確認に手間を要する懸念がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、作業者が保守点検の対象の状況を適切な画角や構図で撮影でき、作業状況を確実に確認することの可能な保守作業遠隔管理サーバおよび保守作業遠隔管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、保守作業の完了を遠隔で確認する保守作業遠隔管理サーバであって、撮影された画像を受信する通信部と、受信した前記画像を記憶する記憶部と、前記画像を出力する出力部と、前記画像を撮影するときの撮影ガイド情報を送信する制御部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、作業者が保守点検の対象の状況を適切な画角や構図で撮影でき、作業状況を確実に確認することの可能な保守作業遠隔管理サーバおよび保守作業遠隔管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る保守作業遠隔管理システムの構成の例を示す概念図
【
図2】一例として、エレベーター制御盤と、画像記録端末に表示される撮影ガイドと、の位置関係を示す図
【
図3】撮影ガイドで区画された撮影範囲内の様子の例を示す図
【
図4】保守作業遠隔管理サーバの作業計画データベースに格納される、保守点検の作業計画の例を示す表
【
図5】保守作業遠隔管理サーバのガイド設定データベースに格納される、作業情報および製造番号情報と対応するガイド情報とを紐付けたテーブルの一例
【
図6】本発明の実施形態の遠隔作業管理システムにおいて、作業者が作業対象の画像を撮影する際の処理の例を示すフローチャート
【
図7】エレベーター設置現場の機器の配置に応じた撮影ガイドの選択例を示す図
【
図8】
図3に示す撮影ガイド5の当初の画角を調整した様子の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態を説明する。なお、本実施形態では、作業対象として、エレベーターの制御盤内の消耗部品の交換作業を例に挙げて説明するが、作業対象は、エスカレーターやその他の装置の部品であったり、部品交換以外の保守点検作業であったりしても良い。
【0011】
図1は、本実施形態に係る保守作業遠隔管理システムの構成の例を示す概念図である。
図1に示す通り、保守作業遠隔管理システムは、エレベーターが設置された現場で作業者が交換後の部品等を撮影するための画像記録端末1と、エレベーターを遠隔で監視する監視センタなどに設置される保守作業遠隔管理サーバ2と、画像記録端末1および保守作業遠隔管理サーバ2を接続する通信回線3と、で構成されている。
【0012】
画像記録端末1は、作業対象を撮影する撮像部11と、撮像部11で撮影した画像や保守作業遠隔管理サーバ2から送信される撮影ガイド情報などを出力する出力部12と、保守作業遠隔管理サーバ2へ撮影画像を送信したり保守作業遠隔管理サーバ2から撮影ガイド情報を受信したりする通信部13と、これらを制御する制御部14と、を備えている。
【0013】
撮像部11は、一定の画角の画像を取得するものであり、画像記録端末1がカメラ付き携帯電話の場合、デジタルカメラに相当する。出力部12は、画像記録端末1のインターフェースであり、画像記録端末1がカメラ付き携帯電話の場合、液晶ディスプレイに相当する。通信部13は、保守作業遠隔管理サーバ2と通信するものであり、画像記録端末1がカメラ付き携帯電話の場合、携帯電話回線との通信部に相当する。制御部14は、CPUなどの一般的に知られる情報処理部で構成され、さらに処理や制御の内容ごとに、撮像部11を制御する撮像制御部141と、出力部12を制御する出力制御部142と、通信部13を制御する通信制御部143と、撮像部11が撮影した画像の処理を行う画像処理部144と、を有する。
【0014】
画像記録端末1の撮像部11が撮影した画像は、制御部14に送られ、制御部14から出力部12に送信することで、出力部12を表示できる。また、制御部14が撮像部11から受け取った画像に対して、画像処理部144が後述する撮影ガイド5を重畳する画像処理を行うことで、出力部12は、撮影中の画像と撮影ガイド5とを同時に表示することができる。
【0015】
次に、保守作業遠隔管理サーバ2は、撮影ガイド5を表示させるための撮影ガイド情報を画像記録端末1へ送信したり画像記録端末1が撮影した画像を受信したりする通信部21と、受信した画像などを記憶する記憶部22と、監視センタの監視者が作業対象の状況を確認するために画像を出力する出力部23と、これらを制御する制御部24と、で構成されている。
【0016】
記憶部22は、ROM、RAMなどの一般的に知られる記憶情報媒体で構成され、画像記録端末から受信した画像を案件ごとに格納する画像データベース221と、保守点検の作業計画を格納する作業計画データベース222と、作業対象および物件情報と対応する撮影ガイド情報とを紐づけて格納するガイド設定データベース223と、を有する。
【0017】
制御部24は、CPUなどの一般的に知られる情報処理部で構成され、さらに処理や制御の内容ごとに、通信部21を制御する通信制御部241と、出力部23を制御する出力制御部242と、画像記録端末1が撮影したマーカ47の画像を受取り撮影対象を特定する作業管理部243と、特定した撮影対象に対応する撮影ガイド情報を選ぶガイド管理部244と、を有する。
【0018】
以下、画像記録端末1によって撮影される作業対象について説明する。エレベーターに使用される部品は、電気的または機械的な摩耗などの経年劣化による定期的な交換や、故障発生時の交換が必要であり、作業者が現地で交換した際には、部品交換の履歴を記録することが必要になる。
【0019】
図2は、一例として、エレベーター制御盤4と、画像記録端末1に表示される撮影ガイド5と、の位置関係を示す図である。
図2に示すように、エレベーター制御盤4内には、制御基板41、定電圧電源装置42、冷却ファン43、一般にコンタクタとして知られる接触器44、一般にブレーカとして知られる開閉器45、その他の基板46、などの部品が存在している。特に、定電圧電源装置42や開閉器45は、数年に一度の定期的に交換が必要な部品である。そこで、エレベーター制御盤4内の部品のうち、定電圧電源装置42の部品交換を作業対象とした場合を例に挙げて説明する。
【0020】
作業対象である定電圧電源装置42の近傍には、マーカ47として、二次元コードが貼付されている。なお、マーカ47は、二次元コード以外のものであっても良い。一方、画像記録端末1に表示される撮影ガイド5には、マーカ位置合わせ枠51が含まれている。このため、定電圧電源装置42の交換が完了した作業者は、画像記録端末1の表示部12を見ながら、マーカ47の画像がマーカ位置合わせ枠51内に収まるように画角および構図を定め、その状態で画像を撮影する。なお、撮影ガイド5には、作業対象の凡その位置が認識できるように、作業対象領域52も表示される。
【0021】
図3は、撮影ガイド5で区画された撮影範囲内の様子の例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態の撮影ガイド5は、マーカ47の画像を基準とした撮影範囲を既定するものである。この撮影ガイド5に従って作業者が撮影することで、撮影ガイド5内に作業対象である定電圧電源装置42が確実に入るだけでなく、適切な解像度の画像により定電圧電源装置42の状態を確認することが可能となる。なお、撮影ガイド5、マーカ位置合わせ枠51および作業対象領域52を示す表示は、図示のものに限定されず、対象の輪郭に沿って、他の矩形や円形、三角形などとしても良い。
【0022】
図4は、保守作業遠隔管理サーバ2の作業計画データベース222に格納される、保守点検の作業計画の例を示す表である。作業計画は、日々計画される物件と作業内容を紐付けたものであり、日時情報、物件情報(製造番号情報)、作業情報からなる。したがって、製造番号情報が示されたマーカ47を作業者が画像記録端末1の撮像部11で撮影し、画像処理部144等によって読み取られた製造番号情報に基づき、保守作業遠隔管理サーバ2の作業管理部243が作業計画データベース222を参照することで、作業情報を特定できる。例えば、作業日が2020年9月1日、マーカ47で読み取られた製造番号が123456-01であった場合、
図4に示す作業計画データベース222により、対応する作業内容が作業Aであることが特定される。
【0023】
ここで、作業情報(作業対象)が同じであっても、作業対象である各部品の位置や寸法は製造番号情報(物件)ごとに異なるため、マーカ47の貼付位置や撮影すべき画像の画角および構図は同じとは限らない。したがって、作業対象だけでなく物件情報も考慮して、利用する撮影ガイド5を決定する必要がある。
【0024】
図5は、保守作業遠隔管理サーバ2のガイド設定データベース223に格納される、作業情報および製造番号情報と対応するガイド情報とを紐付けたテーブルの一例である。保守作業遠隔管理サーバ2のガイド管理部244は、
図5に示すガイド設定データベース223を参照することで、作業対象および物件ごとに採用すべきガイド情報を選ぶことができる。例えば、製造番号123456-01において、作業Aの作業状況を撮影する場合はA1のガイドが用いられ、作業Bの作業状況を撮影する場合はB1のガイドが用いられる。
【0025】
図6は、本実施形態の保守作業遠隔管理システムにおいて、作業者が作業対象の画像を撮影する際の処理の例を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、現地の作業者は、画像記録端末1の撮像部11を用いてマーカ47の画像を撮影する(ステップS101)。次に、画像記録端末1の画像処理部144が、マーカ47に示された製造番号など物件の情報を読み取る(ステップS102)。その後、画像記録端末1の通信部13が、通信回線3を介して読取情報を保守作業遠隔管理サーバ2へ送信する(ステップS103)。
【0026】
保守作業遠隔管理サーバ2の通信部21が読取情報を受信すると、保守作業遠隔管理サーバ2の作業管理部243が、当該物件の当日の作業計画について、作業計画データベース222内を検索し、対応する作業情報を特定する(ステップS104)。また、作業管理部243は、特定した作業情報について、作業完了後の画像取得が必要か否かを判定する(ステップS105)。作業対象が部品交換の場合など、画像取得が必要な場合は、保守作業遠隔管理サーバ2のガイド管理部244が、ガイド設定データベース223に基づき、当該作業対象および当該物件に対応した撮影ガイド情報を選ぶ(ステップS106)。すると、保守作業遠隔管理サーバ2の通信部21が、選ばれた撮影ガイド情報を画像記録端末1へ送信する(ステップS107)。
【0027】
画像記録端末1の通信部13が撮影ガイド情報を受信すると、画像記録端末1の出力部12が、撮影中の画像とともに撮影ガイド5を出力する(ステップS108)。作業者は、保守点検の作業完了後、画像記録端末1の出力部12を見ながら、撮影ガイド5のマーカ位置合わせ枠51にマーカ47が収まるような画角および構図で、作業対象の撮影を行う(ステップS109)。
【0028】
図7は、エレベーター設置現場(機械室6)の機器の配置に応じた撮影ガイド5の選択例を示す図である。ここでは、作業対象としてエレベーター制御盤4内の定電圧電源装置42の交換作業を想定し、マーカ47がエレベーター制御盤4の扉の内面に貼付されている場合を例に挙げて説明する。撮影ガイド5は、マーカ47と作業対象である定電圧電源装置42との両方が1つの画像に含まれるような画角および構図とする必要がある。作業対象を明瞭に撮影するために、基本的には、定電圧電源装置42の正面である
図7のA点から撮影する撮影ガイド5を選択するのが理想である。しかし、エレベーター制御盤4の正面に巻上機7などの機器が設置されており、A点から撮影することが困難な場合は、定電圧電源装置42の斜め前であるB点から撮影する撮影ガイド5が選択される。このように、本実施形態では、物件ごとに採用可能な撮影ガイド5が選択されるため、作業者が現場で撮影の方法について困惑することなく、作業対象を確実に取得することが可能となる。
【0029】
さらに、
図7に示す例の場合、マーカ47がエレベーター制御盤4の扉の内面に貼付されているため、扉の開いている角度によって、マーカ47と作業対象である定電圧電源装置42との位置関係が変わってしまうことがある。また、画像記録端末1の撮像部11の仕様によってB点からの画角が異なる場合や、作業者の身長の影響などによって撮影点の高さが一定しない場合がある。このように、同じ物件の同じ作業対象であっても完全に同じ画角で撮影することは困難であることから、撮影ガイド5に画角調整機能を持たせても良い。
【0030】
図8は、
図3に示す撮影ガイド5の当初の画角を調整した様子の例を示す図である。
図8に示す例では、画像記録端末1の画像処理部144による画角調整の結果、当初のマーカ位置合わせ枠51aが下方の51bに移動し、当初の作業対象領域52aが52bに縮小している。このように、画像処理部144は、現地の機器の配置に基づき、撮影対象であるマーカ47や作業対象の概形を表す枠について、縮小/拡大、移動/回転、互いの枠の位置関係の変更、などを行うことができる。その結果、類似の撮影ガイド5が集約され、記憶しておく撮影ガイド5の種類が少なくて済むため、記憶部の残容量や検索速度の低下を抑制することも可能となる。
【0031】
以上述べた通り、本実施形態の保守作業遠隔管理システムによれば、保守場所に貼付されたマーカ47に示された情報に基づいて作業内容を特定し、当該作業内容と現地の環境に適合した撮影ガイド5を提供できる。このため、作業者が保守点検の対象の状況を適切な画角や構図で撮影でき、撮影のやり直しのための手戻りが発生することなく、発遠隔の監視センタにおいても作業状況を確実に確認することが可能である。
【0032】
なお、前述の実施形態では、マーカ47をエレベーター制御盤4の工場出荷時に予め貼付しておくことを前提としているが、現地で周囲の機器の配置を確認した上でマーカ47を貼付しても良い。この場合、画像記録端末1の撮像部11でマーカ47と作業対象が収まるような画像を撮影し、画像記録端末1の通信部13によって保守作業遠隔管理サーバ2へ送信する。そして、保守作業遠隔管理サーバ2のガイド管理部244が、撮影画像に輪郭検出などの画像分析を施すことにより、マーカ47と作業対象の相対位置を特定し、撮影ガイド情報としてガイド設定データベース223に登録する。なお、マーカ47および作業対象の位置は、現地にて手動で入力するようにしても良い。
【0033】
また、前述の実施形態では、部品交換後の画像を撮影するものであったが、撮影のタイミングとしては、部品交換前や部品交換中(古い部品を取り外した状態)であっても良い。さらに、部品交換後の画像撮影を複数回に分けて行うことも考えられる。例えば、最初の撮影時には、交換した部品全体を撮影範囲に収めるための第1撮影範囲が撮影ガイドとして表示され、次の撮影時には、交換した部品の識別情報を確認するための第1撮影範囲より狭い第2撮影範囲が撮影ガイドとして表示されても良い。この場合、部品の取付状況が確認できるだけでなく、正しい部品が取り付けられたのかも確認できる。
【符号の説明】
【0034】
1 画像記録端末
11 撮像部
12 出力部
13 通信部
14 制御部
141 撮像制御部
142 出力制御部
143 通信制御部
144 画像処理部
2 保守作業遠隔管理サーバ
21 通信部
22 記憶部
221 画像データベース
222 作業計画データベース
223 ガイド設定データベース
23 出力部
24 制御部
241 通信制御部
242 出力制御部
243 作業管理部
244 ガイド管理部
3 通信回線
4 エレベーター制御盤
41 制御基板
42 定電圧電源装置
43 冷却ファン
44 接触器
45 開閉器
46 その他の基板
47 マーカ
5 撮影ガイド
51 マーカ位置合わせ枠
52 作業対象領域
6 機械室
7 巻上機