(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】容器クロージャを処理するための装置
(51)【国際特許分類】
B65B 55/04 20060101AFI20240401BHJP
A61L 2/16 20060101ALI20240401BHJP
B65B 55/10 20060101ALN20240401BHJP
【FI】
B65B55/04 M
B65B55/04 V
A61L2/16
B65B55/10 A
(21)【出願番号】P 2020513318
(86)(22)【出願日】2018-09-06
(86)【国際出願番号】 EP2018073936
(87)【国際公開番号】W WO2019048516
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-07-30
(31)【優先権主張番号】102017120557.8
(32)【優先日】2017-09-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508120916
【氏名又は名称】クロネス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェーンフェルダー, マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ブッフハウザー, クラウス
(72)【発明者】
【氏名】グリューンヴァルト, アンジェラ
(72)【発明者】
【氏名】クレパッツ, セバスチャン
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/064186(WO,A1)
【文献】特開2001-130516(JP,A)
【文献】特開昭49-116769(JP,A)
【文献】特表平02-503998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 55/04
A61L 2/16
B65B 55/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器クロージャ(11)を処理するための装置(1)であって、前記容器クロージャ(11)を搬送するための、鉛直回転軸(24)を中心に回転可能な搬送ディスク(2)と、前記容器クロージャ(11)を水平方向にガイドするための、前記搬送ディスク(2)の上に配置された螺旋状のクロージャガイド(3)と、を備えた装置(1)において、
前記クロージャガイド(3)が、前記容器クロージャ(11)を上からガイドするための天井ガイド(4)を有し、
前記天井ガイド(4)は、螺旋状に構成された平坦なガイドプレート(40)を有し、前記ガイドプレート(40)は、前記鉛直回転軸(24)の方向に高さ調節可能なマウンティング(42)に固定されていることを特徴とする、装置(1)。
【請求項2】
前記天井ガイド(4)が無段階に高さ調節可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記クロージャガイド(3)が固定されており、且つ/又は、前記搬送ディスク(2)が穿孔されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記容器クロージャ(11)が前記
鉛直回転軸(24)に対して半径方向に入り、そして半径方向に出るように搬送可能なように前記クロージャガイド(3)が構成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記搬送ディスク(2)の回転速度が調節可能であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
ハウジング(5)が、前記搬送ディスク(2)、前記クロージャガイド(3)及び前記天井ガイド(4)を収容していることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記容器クロージャ(11)を前記搬送ディスク(2)上に供給するためのクロージャフィードフィード(6)が設けられ、且つ/又は、容器クロージャ(11)を前記搬送ディスク(2)から取り出すための出口(7)が設けられていることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記搬送ディスク(2)から前記容器クロージャ(11)を取り出すための複数の出口(7,7’,7”)が設けられていることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記容器クロージャ(11)を前記クロージャガイド(3)から前記少なくとも1つの出口(7)に送出するための放出装置(8)が、前記クロージャガイド(3)と前記少なくとも1つの出口(7)との間に設けられていることを特徴とする、請求項7又は8に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記放出装置(8)が交換可能なインサート(80)を有することを特徴とする、請求項9に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記放出装置(8)が、調節可能な切り替え要素(82)を有し、当該切り替え要素(82)が複数の切り替え位置の間で調節可能であり、当該切り替え要素(82)が、前記切り替え位置の各々において、異なる出口(7,7’,7”)にそれぞれ前記容器クロージャ(11)を送出することを特徴とする、請求項9又は10に記載の装置(1)。
【請求項12】
ドレン(9)が前記ハウジング(5)の底部領域上に配置されている、請求項
6に記載の装置(1)。
【請求項13】
フラッシング媒体の受け入れのためのサージ開口(10)、及び/又は、処理ガスの受け入れのためのガス入口、及び/又は、処理ガスの除去のためのガス出口が設けられていることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項14】
前記クロージャガイド(3)及び/又は前記天井ガイド(4)が、連続したストリップ材料を有することを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項15】
複数のクロージャガイド(3)が設けられていることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項16】
前記装置(1)は、飲料瓶詰め工場において容器クロージャ(11)を殺菌するための装置(1)であることを特徴とする、請求項1に記載の装置(1)。
【請求項17】
前記搬送ディスク(2)が、多数の均一に分布された穿孔(22)を有することを特徴とする、請求項3に記載の装置(1)。
【請求項18】
前記搬送ディスク(2)の前記回転速度を調節することにより、処理されるべき容器クロージャ(11)の滞在時間が調節可能であることを特徴とする、請求項5に記載の装置(1)。
【請求項19】
前記ハウジング(5)は、密閉されたハウジング(5)であることを特徴とする、請求6に記載の装置(1)。
【請求項20】
前記クロージャフィードフィード(6)は、前記容器クロージャ(11)の時間調整式供給のための時間調整式クロージャフィード(6)であり、前記出口(7)は、前記容器クロージャ(11)の時間調整式取り出しのための時間調整式出口(7)であることを特徴とする、請求項7に記載の装置(1)。
【請求項21】
前記出口(7,7’,7”)の各々が、特定の容器クロージャタイプのために設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の装置(1)。
【請求項22】
異なる形状のインサート(80,80’,80”)を前記放出装置(8)内に挿入することが可能であり、各インサート(80,80’,80”)が、前記容器クロージャ(11)を特定の出口(7,7’,7”)に送出するように構成されていることを特徴とする、請求項10に記載の装置(1)。
【請求項23】
前記ドレン(9)が、出口(7)の領域に配置され、前記ドレン(9)が、排出されるべき粒子及び/又は液体が前記装置(1)に隣接したアイソレータ内に排出されるように構成されていることを特徴とする、請求項12に記載の装置(1)。
【請求項24】
前記処理ガスは、過酸化水素であることを特徴とする、請求項13に記載の装置(1)。
【請求項25】
前記ストリップ材料は、ワンピース構造を有するシートメタルストリップであることを特徴とする、請求項14に記載の装置(1)。
【請求項26】
各クロージャガイド(3)が、独立的に高さ調節可能な天井ガイド(4)を有することを特徴とする、請求項15に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器クロージャ(栓)を処理するための、好ましくは、飲料瓶詰め工場において容器クロージャを殺菌するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
容器クロージャを処理するための、好ましくは、飲料瓶詰め工場において容器クロージャを殺菌するための装置が公知である。
【0003】
無菌の飲料瓶詰め工場において、乾燥容器クロージャ殺菌システムの使用が当分野で公知であり、このシステムを用いて、充填された容器の上に配置されるべき容器クロージャが殺菌される。容器クロージャ殺菌システムには、例えば、傾斜したチャネルが設けられ、このチャネルに沿って、殺菌されるべき容器クロージャが重力加速度によりスライドし、そこで殺菌剤により殺菌される。この種の容器クロージャ殺菌用装置は、高さが高い構造であり、従って、10メートルもの天井高さを有する大きいホール高さを必要とする。容器クロージャの必要なスループット(処理能力)を得るために、多数の容器クロージャをチャネルを通して常に同時にガイドしなければならない。このため、チャネルを通してガイドされる容器クロージャの動圧により、割り込み又はジャミングが生じる場合がある。
【0004】
従って、容器クロージャを重力によって運ぶ代わりに、ほぼ水平のクロージャガイドが設けられて、このガイドに沿って容器クロージャが搬送装置により殺菌媒体内を通過する装置が公知である。
【0005】
特許文献1から、水平方向に配置されて螺旋状に構成された搬送路を有する、容器クロージャを殺菌するための装置が知られる。容器クロージャは外側から入れられ、搬送路に沿って、多数の移動体(displacement bodies)を用いて移動される。各容器クロージャは、それぞれ2つの移動体の間でガイドされる。この装置において様々な種類又はタイプの容器クロージャを処理することを可能にするために、2つの隣り合う移動体間の距離を、新たに処理されるべき容器クロージャにそれぞれ適合させなければならず、或いは、装置の変更を回避しようとすれば、最大タイプの容器クロージャに設定しなければならない。しかしこれにより、特に、小型の容器クロージャの移動において、容器クロージャの傾斜又は割り込みが生じ得る。
【0006】
特許文献2は、容器クロージャを処理するための装置を開示しており、この装置において、容器クロージャは、その下にある回転搬送ディスクを用いて、水平方向に配置された螺旋状の構造の搬送路に沿って導入され、そして放出される。搬送路に沿った容器クロージャの回転により、容器クロージャの傾斜及び割り込みが生じることがあり、この場合、容器クロージャの処理を中断して詰まりを除去しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】欧州特許出願公開第2039439号明細書
【文献】特開平04-100617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
先行技術から出発して、本発明の目的は、容器クロージャを処理するための、好ましくは、飲料瓶詰め工場において容器クロージャを殺菌するための、改良された装置を提供することである。
【0009】
この目的は、容器クロージャを処理するための、好ましくは、飲料瓶詰め工場において容器クロージャを殺菌するための、請求項1に記載の特徴を有する装置により達成される。有利な改良は、従属請求項、説明及び図面から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、容器クロージャを処理するための、好ましくは、飲料瓶詰め工場において容器クロージャを殺菌するための装置が提供され、この装置は、前記容器クロージャを搬送するための、鉛直回転軸を中心に回転可能な搬送ディスクと、前記容器クロージャを水平方向にガイドするための、前記搬送ディスクの上に配置された螺旋状のクロージャガイドとを備えている。本発明によれば、前記クロージャガイドは、前記容器クロージャを上からガイドするための天井ガイドを有する。
【0011】
前記クロージャガイドが、前記容器クロージャを上からガイドするための天井ガイドを有するという事実により、前記容器クロージャが常に、最適な処理結果が得られる所定位置に適切な向きで保持されることが可能になる。具体的には、前記容器クロージャの、前記搬送ディスクによる搬送中の傾き及び/又は割り込みを回避できる。前記天井ガイドは、前記容器クロージャを、前記容器クロージャの、前記搬送ディスクとは反対の側でガイドする。もしも、前記クロージャガイドに沿って搬送されている容器クロージャが傾斜モーメントを受けると、これにより前記容器クロージャは、適切に向けられた位置から外れてしまうであろう。そこで、前記天井ガイドを用いることにより、傾斜モーメントにより生じる前記容器クロージャの傾斜運動が制限され、又は完全な回避もされる。すなわち、このようにして、前記容器クロージャは、前記クロージャガイド全体を通じての水平方向と、前記天井ガイドを用いることによる上からとの両方においてガイドされる。この結果、前記容器クロージャを4方向から包囲することが可能になる。
【0012】
従って、搬送路に沿った運動方向のみが、前記容器クロージャのための運動の選択肢として残される。
【0013】
好ましくは、前記クロージャガイド及び/又は前記搬送ディスク及び/又は前記天井ガイドは、実質的に、前記容器クロージャの、前記予め画成されたガイド路に沿ったガイドが実現されるように配置される。
【0014】
好ましくは、このように形成されたガイド路により形成された平面、或いは当該ガイド路がその上に延在する平面が、前記水平方向に対して傾斜を有し、この傾斜において、前記容器クロージャの傾斜角度に従って作用する滑降力は、前記容器クロージャの、前記搬送ディスクによる搬送が損なわれないか、ごく僅かであるように十分に低い。好ましくは、前記水平方向に対する傾斜角度は0度~5度であり、特に好ましくは、0度~3度である。非常に特に好ましくは、前記クロージャガイド、前記搬送ディスク及び/又は前記天井ガイドは、前記容器クロージャを、ほぼ水平のガイド路に沿ってガイドすることが実現するように、ほぼ水平方向に配向されている。
【0015】
従って、用語「鉛直」(“vertical”)が、重力加速度方向、及び、重力加速度方向からの偏差が±5度、好ましくは±3度、特に好ましくは偏差を有さない方向を示すことが理解されよう。
【0016】
別の好ましい実施形態において、前記搬送ディスクにより形成された平面は水平方向に配置され、水平方向に対する傾斜は全く存在しない。すなわち、前記搬送ディスクは、垂直に(“plumb”)配置され、且つ、正確に水平方向に向けられている。そして、前記搬送ディスクと共に、前記クロージャガイド及び前記天井ガイドも、好ましくは水平の構造であり、従って、これらのガイドも同様に垂直に(“plumb”)向けられている。
【0017】
別の好ましい実施形態によれば、前記天井ガイドは高さ調節可能であり、好ましくは無段階に高さ調節可能である。その結果、前記搬送ディスクと前記天井ガイドとの間の距離は、処理されるべき前記容器クロージャの高さに適合可能となり、これにより、前記装置は、異なる種類の容器クロージャを処理するために使用可能となる。このようにしなければ、前記天井ガイドと前記容器クロージャとの間の余剰距離による傾き又は割り込みが生じるであろう。好ましくは、前記天井ガイドの高さは、運ばれるべき前記容器クロージャと前記天井ガイドとの間に、予め決められた距離(好ましくは、1mm~10mm、特に好ましくは、2mm~8mm、非常に特に好ましくは、4mm~6mmの距離)が存在するように設定される。すなわち、前記天井ガイドの高さは、前記搬送ディスクと前記天井ガイドとの間に存在する鉛直方向距離が、処理されるべきそれぞれの容器クロージャタイプに上述の距離を足した高さに対応するように設定される。
【0018】
用語「高さ調節可能」(“height-adjustable”)が、前記鉛直回転軸の方向における調節を意味すると理解されたい。
【0019】
別の好ましい実施形態により、前記クロージャガイドを取り付ければ、特にシンプルで頑強で且つ費用対効果の高い構造を得ることが可能である。
【0020】
処理媒体、好ましくは殺菌媒体、特に好ましくは過酸化水素(H2O2)が、前記容器クロージャに、前記容器クロージャの搬送中に到達することを可能にするために、別の好ましい実施形態による前記搬送ディスクは穿孔されており、前記搬送ディスクは、好ましくは多数の、好ましくは均一に分布された穿孔を有する。
【0021】
従って、別の好ましい実施形態による前記クロージャガイドが、前記容器クロージャが前記回転軸に対して半径方向に入り、そして半径方向に出るように搬送されるように構成されるならば、特に良好な処理結果が得られるであろう。前記容器クロージャを半径方向に入れて半径方向に出すことにより、経路が外側に移動して直径が増大し、また円周も増大するため、前記容器クロージャ同士の距離が次第に大きくなる。こうして、個々の前記容器クロージャ間の距離が次第に大きくなり、これが、前記容器クロージャが積み重なることを防止する。
【0022】
別の好ましい実施形態によれば、前記搬送ディスクの回転速度が調節可能であり、好ましくは、前記搬送ディスクの前記回転速度を調節することにより、処理されるべき容器クロージャの滞在時間が調節可能である。これにより、前記処理されるべき容器クロージャが前記装置内に常に、必要な時間にわたって滞在し、そして、処理、好ましくは殺菌を施されることが可能になる。さらに、これにより、前記容器クロージャが前記クロージャガイドの末端に到達するクロックレートも調節され得る。
【0023】
別の好ましい実施形態によれば、ハウジング、好ましくは密閉されたハウジングが、前記搬送ディスク、前記クロージャガイド及び前記天井ガイドを収容している。その結果、前記ハウジング内部に、前記容器クロージャの前記処理のために必要な気候環境又は望ましい気候環境をその内部で合目的に調節し得る処理チャンバが設けられ得る。好ましくは、前記ハウジング内部に、処理媒体、好ましくは殺菌媒体、特に好ましくは過酸化水素が導入される。
【0024】
別の好ましい実施形態によれば、前記容器クロージャを前記搬送ディスク上に供給するためのクロージャフィード、好ましくは、前記容器クロージャの時間調整式供給のための時間調整式クロージャフィードが設けられる。これにより、前記容器クロージャを前記搬送ディスクに合目的に供給することが可能である。
【0025】
別の好ましい実施形態によれば、前記容器クロージャを前記搬送ディスクから取り出すための出口、好ましくは、前記容器クロージャの時間調整式取り出しのための時間調整式出口が設けられる。これにより、前記容器クロージャを前記搬送ディスクから合目的に取り出すことが可能である。
【0026】
別の好ましい実施形態によれば、前記搬送ディスクから前記容器クロージャを取り出すための複数の出口が設けられており、好ましくは、前記出口の各々が、特定の容器クロージャタイプのために設けられている。従って、前記装置は、異なる容器クロージャタイプを処理するために使用可能となり、複数の出口が設けられているために、前記装置を含むシステムは、前記装置内でのみ変更が必要であるように構成され得る。具体的には、クリーンルームシステム又は無菌システムにおいて、充填された容器を前記容器クロージャによりキャップするキャッパチャンバにおいてクリーンルーム雰囲気への侵害が防止され得る。
【0027】
こうして、各出口に従って、それぞれの容器クロージャタイプに割り当てられた下流側の搬送装置(例えば、搬送レール)が設けられることができ、そして、この搬送装置を用いて、前記容器クロージャは、次なる処理設備(例えばキャッパ)へと運ばれる。
【0028】
別の好ましい実施形態によれば、前記容器クロージャを前記クロージャガイドから前記少なくとも1つの出口に送出するための放出装置が、前記クロージャガイドと前記少なくとも1つの出口との間に設けられている。
【0029】
前記装置の、1つのクロージャタイプの処理から別のクロージャタイプの処理のための変更を単純にすることを可能にするために、別の好ましい実施形態によれば、交換可能なインサートを有することができ、好ましくは、異なる形状のインサートを前記放出装置内に挿入することが可能であり、各インサートは、前記容器クロージャを特定の出口に送出するように構成されている。好ましくは、前記出口の各々が、1以上の特定の容器クロージャタイプのために設けられる。処理されるべき容器クロージャのタイプに応じて適切なインサートが使用され、前記容器クロージャは、それぞれ、前記それぞれの容器タイプの放出のために設けられた前記出口に送出される。
【0030】
別の好ましい実施形態によれば、前記放出装置が、調節可能な切り替え要素を有し、当該切り替え要素が複数の切り替え位置の間で調節可能であり、前記切り替え要素が、前記切り替え位置の各々において、異なる出口に前記容器クロージャを送出するならば、前記装置は、1つのタイプの前記容器クロージャの処理から別のタイプの前記容器クロージャの処理へと容易に変更できる。この場合、前記変更は、特に、切り替えの簡単な調節により、好ましくは、制御コマンドの結果として実現され得る。従って、前記装置の前記ハウジングへの侵入も、前記ハウジングを開くことも必要でない。
【0031】
前記装置から汚染物質を排出するために、さらなる好ましい実施形態によれば、ドレンを前記ハウジングの底部領域上に配置でき、前記ドレンは、好ましくは出口の領域に配置され、前記ドレンは、好ましくは、排出されるべき粒子及び/又は液体が前記装置に隣接したアイソレータ内に排出可能なように構成されている。好ましくは、前記ドレンは、前記容器クロージャを前記装置から前記装置の下流の処理装置(好ましくは、容器に前記容器クロージャでキャップをするためのキャッパ)に又は、前記容器クロージャを前記キャッピング装置に搬送するための搬送装置に配送するための出口と共に構成される。従って、結果として、別個の出口を設ける必要はなく、また、除去されるべき前記物質は、前記さらなる処理装置を収容しているチャンバ内に導入され得る。
【0032】
別の好ましい実施形態によれば、フラッシング媒体の受け入れのためのサージ開口、及び/又は、処理媒体、好ましくは処理ガス、特に好ましくは過酸化水素の受け入れのためのガス入口、及び/又は、処理媒体、好ましくは処理ガス、特に好ましくは過酸化水素の除去のためのガス出口が設けられている。これにより、前記装置のフラッシング又は処理媒体の流れが得られる。
【0033】
前記容器クロージャの、前記クロージャガイド及び/又は前記天井ガイドを通しての特に確実なガイドを得るために、さらなる好ましい実施形態によれば、前記クロージャガイド及び/又は前記天井ガイドは、連続した、好ましくはワンピース構造のストリップ材料、好ましくはシートメタルストリップを有し得る。
【0034】
別の好ましい実施形態によれば、複数のクロージャガイドを設けて、好ましくは各クロージャガイドが、独立的に高さ調節可能な天井ガイドを有するならば、前記装置のスループット又はアウトプットを容易に増大できる。
【0035】
本発明の好ましいさらなる実施形態を、以下の図面の説明により、さらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】容器クロージャを処理するための、第1の実施形態による装置の側面斜視図を概略的に示す。
【
図2】
図1の装置の断面斜視詳細図を概略的に示す。
【
図4】
図1の装置のさらなる断面図を概略的に示す。
【
図5】
図1の装置のさらなる断面図を概略的に示す。
【
図6】容器クロージャを処理するための、さらなる実施形態による装置の断面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下に、好ましい例示的な実施形態を、図面に基づいて記載する。本明細書の異なる図において、同一の、類似の又は同様の機能の要素には同一の参照符号を付してあり、また、これらの要素の繰り返しの説明は、冗長性を避けるために部分的に省略する。
【0038】
図1に、容器クロージャを処理するための、第1の実施形態による装置1の側面斜視図が概略的に示されている。装置1は、ベース部(図示せず)、側壁52及び着脱可能なカバープレート54を含む、密閉されたハウジング5を有する。処理されるべき容器クロージャを装置1内に供給するために、時間調整式の(クロックド)クロージャフィード(供給部)6がカバープレート54上に配置されている。クロージャフィード6は、装置1の上流にあるクロージャソーティング装置(図示せず)から、ソートされた、処理されるべき容器クロージャを、クロージャスライド62を介して受け取る。クロージャフィード6はロック60を有し、ロック60を用いることで、処理されるべき容器クロージャが個々に導入され得る。
【0039】
ハウジング5には出口開口部70も配置されており、出口開口部70に、処理された容器クロージャを装置1から取り出すための出口7が配置されている。飲料瓶詰め工場において、出口開口部70又は出口7は、処理された容器クロージャを容器キャッパに供給するさらなる搬送装置(図示せず)に密閉的に接続され得る。
【0040】
出口7の出口開口部70は、ハウジング5の底部領域の上に部分的に延在しており、出口開口部70は、さらに、排出されるべき粒子及び/又は液体をハウジング5から排出するためのドレン9として設けられている。これにより、排出されるべき粒子及び/又は液体が、装置1に隣接しているアイソレータへと排出され得る。
【0041】
図2は、
図1の装置1の断面斜視詳細図を概略的に示している。ハウジング5が、容器クロージャを搬送するための、鉛直回転軸24を中心に回転可能な搬送ディスク2を収容している。また、ハウジング5は、搬送ディスク2の上に配置された、容器クロージャを水平方向にガイドするための螺旋状のクロージャガイド3も収容している。クロージャガイド3は、連続的な、螺旋状シートメタルストリップ30を有し、螺旋状シートメタルストリップ30は、好ましくはワンピース構造であり、複数の梁32上に固定的に配置されている。螺旋状シートメタルストリップ30の下に、均一に分布された多数の穿孔22を有する搬送ディスク2が配置されている。
【0042】
さらに、容器クロージャを上からガイドするための高さ調節可能な天井ガイド4が設けられている。天井ガイド4は、螺旋状に構成された平坦なガイドプレート40を有し、ガイドプレート40は、回転軸24の方向に高さ調節可能なマウンティング42に固定されている。マウンティング42を回転軸24の方向に変位させることにより、ガイドプレート40と搬送ディスク2との間に存在する距離が変更される。
【0043】
処理されるべき容器クロージャの処理のために、搬送ディスク2は、回転するように設定されている。処理されるべき容器クロージャは、クロージャフィード6(
図1を参照)を介して、回転軸24付近のクロージャガイド4の初期領域にて搬送ディスク2上に供給される。搬送ディスク2の回転運動の結果として、搬送ディスク2上に存在する容器クロージャが、クロージャガイド3上で、クロージャガイド3の形状により画成されたガイド路に沿って回転される。こうして、容器クロージャは、回転軸24に対して半径方向に入れられ、そして半径方向に出される。容器クロージャを半径方向に入れて半径方向に出すことにより、経路が外側に移動して直径が増大し、また円周も増大するため、容器クロージャ同士の距離が次第に大きくなる。こうして、個々の容器クロージャ間の距離が次第に大きくなり、これが、容器クロージャの積み重なりを防止する。
【0044】
天井ガイド4は、ガイドプレート40がシートメタルストリップ30の間に延在するように配置されている。天井ガイド4は、最適な処理結果が得られる所定位置に適切な向きで容器クロージャが常に保持されることを可能にする。具体的には、容器クロージャの傾き及び/又は割り込みを回避できる。ここで、天井ガイド4は容器クロージャを、容器クロージャの、搬送ディスクとは反対の側でガイドする。もしも、クロージャガイド3に沿って搬送されている容器クロージャが傾斜モーメントを受けると、これにより容器クロージャは、適切に向けられた位置から外れてしまうであろう。そこで、天井ガイド4を用いることにより、傾斜モーメントにより生じる容器クロージャの傾斜運動が回避される。このように、容器クロージャは、クロージャガイド3全体を通じての水平方向と、天井ガイド4を用いることによる上からとの両方においてガイドされる。
【0045】
搬送ディスク2の穿孔22を通って、汚染物質が搬送ディスク2からハウジング5の下層ベース52上に落下する。ベース52付近の側壁54に、フラッシング媒体を受け入れるためのサージ開口10が配置されている。受け入れられたフラッシング媒体により、ベース52が洗い流され、汚染物質、例えば粒子及び/又は液体がドレン9の方向に洗い流されてドレン9を通って出ていく(
図1を参照)。有益な排水を保証するために、ベース52はドレン9の方向にわずかに(本発明の場合、約3度の角度)傾斜されている。従って、ベース52は、水又は洗浄剤がその上に残り得る鉛直面を全く有さない。その結果、洗浄後の装置1の乾燥時間も短く保ち得る。
【0046】
ハウジング5内に、さらに、処理ガス(この場合、過酸化水素)を受け入れるための複数のガス入口(図示せず)、及び、処理ガス(この場合、過酸化水素)を除去するための複数のガス出口(図示せず)が設けられている。ガス入口及びガス出口を設けることにより、ハウジング内部を通過する処理ガス流を発生させることができ、こうして、搬送ディスク2上に存在する容器クロージャが処理ガス流に接触し、それにより、殺菌される。ガス入口及びガス出口の基本的な構造自体は公知であり、例えば、欧州特許出願公開第2039439号明細書から知られる。
【0047】
別の実施形態において、唯一のガス入口が、好ましくは、ハウジング5の中央領域に設けられる。ガス入口は、例えば、クロージャフィード6付近に設けられる。
【0048】
1以上のガス出口を出口7,7’,7”の領域に設けることができる可能である。
【0049】
搬送ディスク2の回転速度は調節可能であり、従って、処理されるべき容器クロージャ11の滞在時間が調節可能である。
【0050】
図3は、
図1の装置1の断面図を概略的に示す。既に上述したように、クロージャフィード6が、処理されるべき容器クロージャ11をクロージャガイド3の中央領域にガイドする。搬送ディスク2(図示せず)の、回転軸24を中心とした回転運動(図中に参照符号26により示されている)の結果、容器クロージャ11は、回転軸24に対して螺旋状クロージャガイド3に沿って移動され、半径方向に入り、そして半径方向に出ていき、こうして、搬送中に処理ガスに接触する。次いで、容器クロージャ11は、放出装置8(容器クロージャ11を搬送ディスク2から取り出してハウジング5から放出するためにクロージャガイド3と複数の出口7,7’,7”との間に配置されている)へと前進する。出口7,7’,7”の各々は、本発明において、特定の容器タイプの容器クロージャの放出のために設けられている。
【0051】
好ましい実施形態において、放出装置8は、容器クロージャのクロックドリリース(時間調整式放出)も提供できる。
【0052】
この場合、放出装置8は、第1のタイプの容器クロージャ11を第1出口7に送出するように構成された第1インサート80を有する。第1インサート80は、交換可能であるように構成されている。装置1が、異なるタイプの容器クロージャ11を処理するために変更を要する場合、このインサートを取り外し、その代わりに異なるインサートを取り付けできる。
【0053】
図4に、
図1の装置1の、第2のタイプの容器クロージャ11の処理のために変更された後の断面図が概略的に示されている。この変更により、放出装置8は、第1インサート80の代わりに第2インサート80’を有している。第2インサート80’は、装置1における位置及びインサートの形状が、第1インサート80とは異なる。このように、第2インサート80’は、第2のタイプの容器クロージャ11を第2出口7’に送出するように構成されている。
【0054】
図5に、
図1の装置1の、第3のタイプの容器クロージャ11の処理のために変更された後の断面図が概略的に示されている。この変更により、放出装置8は、第1インサート80及び第2インサート80’の代わりに第3インサート80”を有している。第3インサート80”は、装置1における位置及びインサートの形状が第1インサート80及び第2インサート80’とは異なる。このように、第3インサート80”は、第3のタイプの容器クロージャ11を第3出口7”に送出するように構成されている。
【0055】
図6に、容器クロージャ11の処理のためのさらなる実施形態による装置1の断面図が概略的に示されている。この装置の構造に関し、装置1は、
図1~
図5の装置1にほぼ対応しており、
図6に示されている例示的実施形態による装置1は、異なる交換可能なインサートの代わりに、調節可能な切り替え要素82を有する放出装置8を有する。切り替え要素82は、枢動軸84を中心に、複数の切り替え位置間の枢動範囲86内で枢動可能であり、切り替え要素82は、切り替え位置の各々において、容器クロージャ11を、それぞれ異なる出口7,7’,7”に送出する。
図6において、切り替え部82は、第2切り替え位置に配置された状態で示されており、従って、容器クロージャ11は、第2出口7’に送出される。異なるタイプの容器クロージャ11の処理用に装置を切り替えるためにすべきことは、切り替え部82を異なる切り替え位置にセットすることだけである。2つのインサートを交換するためにハウジング5を開けることは必要でない。
【0056】
例示的実施形態において説明した全ての個々の特徴を、適用可能であれば、本発明の範囲から逸脱せずに互いに組み合わせても、且つ/又は交換してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 装置
2 搬送ディスク
20 支持アーム
22 穿孔
24 回転軸
26 回転運動
3 クロージャガイド
30 シートメタルストリップ
32 梁
4 天井ガイド
40 ガイドプレート
42 マウンティング
5 ハウジング
50 ベース部
52 側壁
54 カバープレート
6 クロージャフィード
60 ロック
62 クロージャスライド
7 出口
70 出口開口部
8 放出装置
80 インサート
82 切り替え部
84 枢動軸
86 枢動範囲
9 ドレン
10 サージ開口
11 容器