(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】電子加熱式非燃焼型喫煙用具
(51)【国際特許分類】
A24F 40/20 20200101AFI20240401BHJP
A24F 40/40 20200101ALI20240401BHJP
【FI】
A24F40/20
A24F40/40
(21)【出願番号】P 2020547113
(86)(22)【出願日】2019-03-07
(86)【国際出願番号】 IB2019051867
(87)【国際公開番号】W WO2019171331
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2022-02-15
(32)【優先日】2018-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516097871
【氏名又は名称】アール・エイ・アイ・ストラテジック・ホールディングス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サー,ラジェッシュ
(72)【発明者】
【氏名】ウィルバーディング,キャサリン・リン
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン,アンドリーズ
(72)【発明者】
【氏名】シアーズ,スティーブン・ベンソン
(72)【発明者】
【氏名】トーマス,ティモシー・フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ハバード,ソーヤー
(72)【発明者】
【氏名】コナー,ビリー・ティローン
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/156609(WO,A1)
【文献】再公表特許第2010/047389(JP,A1)
【文献】国際公開第2017/033007(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/162691(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/019578(WO,A1)
【文献】特開2017-153496(JP,A)
【文献】特表2016-534730(JP,A)
【文献】特開平06-030753(JP,A)
【文献】国際公開第2016/159013(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/037562(WO,A1)
【文献】特表2016-509481(JP,A)
【文献】特表2018-505696(JP,A)
【文献】国際公開第2017/068100(WO,A1)
【文献】特開平05-115272(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02515502(GB,A)
【文献】特表平08-511176(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0360102(US,A1)
【文献】特開2017-184761(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A24D 1/00- 3/18
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入可能な物質を生成するように構成されたエアロゾル送達装置であって、エアロゾル送達装置が、
閉じた遠位端および開いた係合端を有する制御本体と、
加熱部材と、
制御本体内に配置され、加熱部材を制御するように構成された制御構成要素と、
制御本体内に配置され、制御構成要素に電力を供給するように構成された電源と、
吸入可能な物質媒体を含む取り外し可能なエアロゾル源部材と、
を備え、
エアロゾル源部材が、制御本体の係合端に挿入されるように構成され、被加熱端および吸口端を画定し、被加熱端が、制御本体に挿入されると、加熱部材に近接して配置されるように構成され、
加熱部材が、エアロゾル源部材の少なくとも一部に熱を提供して、吸入可能なエアロゾルを形成するように構成され、エアロゾルが、エアロゾル源部材を通って引き込まれるように構成され、
加熱部材が、制御本体の係合端の一部内に配置された加熱シリンダを囲む可撓性加熱部材を備え、
可撓性加熱部材が、巻かれていない平坦な状態の場合は平面であり、可撓性加熱部材が加熱シリンダの周りに巻かれており、
可撓性加熱部材が、
独立して制御可能な2つのヒータ回路を備え、加熱部材が、エアロゾル源部材の吸入可能な物質媒体の全長に延在する、
エアロゾル送達装置。
【請求項2】
加熱部材の少なくとも一部が、吸入可能な物質媒体と直接接触している、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項3】
制御構成要素が、2.5アンペア~10アンペアの範囲にある、または2.5アンペア~10アンペアの範囲の間の動作電流を提供するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項4】
制御構成要素が、最大96%の電源効率を提供するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項5】
制御構成要素が、10秒未満の温度到達時間を確立するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項6】
吸入可能な物質媒体が、タバコまたはタバコ由来材料を含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項7】
吸入可能な物質媒体の少なくとも一部が、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、再構成されたタバコ材料片、およびタバコキャストシートの内の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項8】
吸入可能な物質媒体の少なくとも一部が、タバコまたはタバコ由来材料を含む押出構造体を具備する、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項9】
エアロゾル源部材が、吸入可能な物質媒体を囲む、紙材料を含む上包を含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項10】
エアロゾル源部材が、エアロゾル源部材の吸口端に近接して配置されたフィルタ材料を含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項11】
エアロゾル源部材の吸口端が、部分的に閉塞される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項12】
制御本体が、周囲の空気が制御本体に入るのを可能にするように構成された1つ以上の換気開口部をさらに含む、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項13】
電源から加熱部材への電流の流れを作動させる吸煙作動式スイッチをさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項14】
電源から加熱部材への電流の流れを作動させる手動押しボタンをさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項15】
電源が電池を備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項16】
電源から加熱部材への、先立って開始された電流の流れを調整するように構成された電流調整構成要素をさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項17】
電流調整構成要素が、時間基準の構成要素を備える、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項18】
電流調整構成要素が、規定された温度が達成されると電気加熱部材への電流を停止するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項19】
電流調整構成要素が、規定された温度が達成されると、電気加熱部材への電流のオフおよびオンをサイクルさせて、規定された期間に亘って規定された温度を維持するように構成される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【請求項20】
エアロゾル源部材が外面を画定し、エアロゾル源部材の長さに沿った流体通路が、エアロゾル源部材内の通路に実質的に限定される、請求項1に記載のエアロゾル送達装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル送達物品および、タバコ成分または他の材料を吸入可能な形態で生成するためのその使用に関する。さらに具体的には、本開示は、人間が消費するためのエアロゾルの形態で吸入可能な物質を提供するために、好ましくは著しく燃焼することなく、電気的発熱を利用してタバコまたはタバコ由来材料を加熱する喫煙用具などのエアロゾル送達装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
タバコの燃焼に基づく喫煙製品の改良品または代替品として、多くの喫煙用具が長年に亘って提案されてきた。例示的な代替品には、固体燃料または液体燃料が燃焼されてタバコに熱を伝達するか、そのような熱源を提供するために化学反応が使用される装置が含まれる。例として、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている喫煙用具が挙げられる。
【0003】
喫煙用具の改良品または代替品の要点は、典型的には、相当量の不完全燃焼および熱分解生成物を送達することなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙に関連する感覚を提供することであった。この目的のために、電気エネルギーを利用して揮発性材料を気化または加熱するか、タバコを著しく燃焼することなく紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供しようとする多くの喫煙製品、香味発生器および薬用吸入器が提案されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書ならびにGriffith,Jr.らの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書およびSearsらの米国特許出願公開第2014/0096781号明細書に記載の背景技術に記載されている様々な代替喫煙用具、エアロゾル送達装置および発熱源を参照されたい。また、例えば、参照により本明細書に組み込まれるBlessらの米国特許出願公開第2015/0220232号明細書中で商標名および商業的供給元によって参照される様々な種類の喫煙用具、エアロゾル送達装置および電気式発熱源を参照されたい。同じく参照によりその全体が本明細書に組み込まれるDePianoらの米国特許出願公開第2015/0245659号明細書では、商標名および商業的供給元によって参照される追加の種類の喫煙用具、エアロゾル送達装置および電気式発熱源が列挙されている。記載されており、場合によっては市販されている他の代表的な紙巻タバコまたは喫煙用具には、参照により本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Brooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、Countsらの米国特許第5,060,671号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Countsらの米国特許第5,388,594号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国特許第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Robinsonらの米国特許第7,726,320号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許出願公開第2009/0095311号明細書、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書、米国特許出願公開第2009/0126745号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Thorensらの米国特許出願公開第2009/0272379号明細書、Monseesらの米国特許出願公開第2009/0260641号明細書および米国特許出願公開第2009/0260642号明細書、Oglesbyらの米国特許出願公開第2008/0149118号明細書および米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書ならびにHonの国際公開第2010/091593号に記載されているものが含まれる。
【0004】
従来型の紙巻タバコ、葉巻またはパイプの属性の多くに類似する代表的な製品は、Philip Morris IncorporatedによるACCORD(R)、InnoVapor LLCによるALPHA(TM)、JOYE 510(TM)およびM4(TM)、White Cloud CigarettesによるCIRRUS(TM)およびFLING(TM)、Fontem Ventures B.V.によるBLU(TM)、EPUFFER(R)International Inc.によるCOHITA(TM)、COLIBRI(TM)、ELITE CLASSIC(TM)、MAGNUM(TM)、PHANTOM(TM)およびSENSE(TM)、Electronic Cigarettes,Inc.によるDUOPRO(TM)、STORM(TM)およびVAPORKING(R)、Egar AustraliaによるEGAR(TM)、JoyetechによるeGo-C(TM)およびeGo-T(TM)、Elusion UK LtdによるELUSION(TM)、Eonsmoke LLCによるEONSMOKE(R)、FIN Branding Group,LLCによるFIN(TM)、Green Smoke Inc.USAによるSMOKE(R)、Greenarette LLCによるGREENARETTE(TM)、SMOKE STIK(R)によるHALLIGAN(TM)、HENDU(TM)、JET(TM)、MAXXQ(TM)、PINK(TM)およびPITBULL(TM)、Philip Morris International,Inc.によるHEATBAR(TM)、Crown7製のHYDRO IMPERIAL(TM)およびLXE(TM)、LOGIC TechnologyによるLOGIC(TM)およびTHE CUBAN(TM)、Luciano Smokes Inc.によるLUCI(R)、Nicotek,LLCによるMETRO(R)、Sottera,Inc.によるNJOY(R)およびONEJOY(TM)、SS Choice LLCによるNO.7(TM)、PremiumEstore LLCによるPREMIUM ELECTRONIC CIGARETTE(TM)、Ruyan America,Inc.によるRAPP E-MYSTICK(TM)、Red Dragon Products,LLCによるRED DRAGON(TM)、Ruyan Group(Holdings)Ltd.によるRUYAN(R)、Smoker Friendly International,LLCによるSF(R)、The Smart Smoking Electronic Cigarette Company Ltd.によるGREEN SMART SMOKER(R)、Coastline Products LLCによるSMOKE ASSIST(R)、Smoking Everywhere,Inc.によるSMOKING EVERYWHERE(R)、VMR Products LLCによるV2CIGS(TM)、VaporNine LLCによるVAPOR NINE(TM)、Vapor 4 Life,Inc.によるVAPOR4LIFE(R)、E-CigaretteDirect,LLCによるVEPPO(TM)、R.J.Reynolds Vapor CompanyによるVUSE(R)、Mistic EcigsによるMistic Menthol productならびにCN Creative Ltd.によるVype製品として市販されている。さらに他の電気式エアロゾル送達装置、特に、いわゆる電子タバコとして特徴付けられている装置は、Philip Morris InternationalによるCOOLER VISIONS(TM)、DIRECT E-CIG(TM)、DRAGONFLY(TM)、EMIST(TM)、EVERSMOKE(TM)、GAMUCCI(R)、HYBRID FLAME(TM)、KNIGHT STICKS(TM)、ROYAL BLUES(TM)、SMOKETIP(R)、SOUTH BEACH SMOKE(TM)、IQOS(TM)、およびBritish American TobaccoによるGLO(TM)の商号の下に市販されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第9,078,473号明細書
【文献】米国特許第7,726,320号明細書
【文献】米国特許出願公開第2013/0255702号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0096781号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0220232号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0245659号明細書
【文献】米国特許第4,735,217号明細書
【文献】米国特許第4,922,901号明細書
【文献】米国特許第4,947,874号明細書
【文献】米国特許第4,947,875号明細書
【文献】米国特許第5,060,671号明細書
【文献】米国特許第5,249,586号明細書
【文献】米国特許第5,388,594号明細書
【文献】米国特許第5,666,977号明細書
【文献】米国特許第6,053,176号明細書
【文献】米国特許第6,164,287号明細書
【文献】米国特許第6,196,218号明細書
【文献】米国特許第6,810,883号明細書
【文献】米国特許第6,854,461号明細書
【文献】米国特許第7,832,410号明細書
【文献】米国特許第7,513,253号明細書
【文献】米国特許第7,896,006号明細書
【文献】米国特許第6,772,756号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0095311号明細書
【文献】米国特許出願公開第2006/0196518号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0126745号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0188490号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0272379号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0260641号明細書
【文献】米国特許出願公開第2009/0260642号明細書
【文献】米国特許出願公開第2008/0149118号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0024834号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0307518号明細書
【文献】国際公開第2010/091593号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
タバコまたはタバコ由来材料を電気加熱することによって喫煙の味および感覚を生み出す物品は、一貫性の無い性能特性を抱えてきた。電気加熱式喫煙装置は、多くの場合、大きな電池能力を必要とすることにより、さらに制限されてきた。したがって、実質的に燃焼することなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙感覚を提供することができ、性能特性が向上した喫煙用具を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、吸入可能な物質を生成するように構成されたエアロゾル送達装置を提供する。本開示は、限定するものではないが、以下の例示的な実施形態を含む。
【0008】
例示的な実施形態1:吸入可能な物質を生成するように構成されたエアロゾル送達装置であって、エアロゾル送達装置が、閉じた遠位端および開いた係合端を有する実質的に管状の制御本体と、加熱部材と、制御本体内に配置され、加熱部材を制御するように構成された制御構成要素と、制御本体内に配置され、制御構成要素に電力を供給するように構成された電源と、吸入可能な物質媒体を含む実質的に円筒形の取り外し可能なエアロゾル源部材と、を備え、エアロゾル源部材が、制御本体の係合端に挿入されるように構成され、被加熱端および吸口端を画定し、被加熱端が、制御本体に挿入されると、加熱部材に近接して配置されるように構成され、吸口端が、制御本体の係合端を越えて延在するように構成され、加熱部材が、エアロゾル源部材の少なくとも一部に熱を提供して、吸入可能なエアロゾルを形成するように構成され、エアロゾルが、吸入可能な物質媒体の吸口端に加えられる吸引に応答してエアロゾル源部材を通って引き込まれるように構成され、加熱部材が、制御本体の係合端の一部内に配置された加熱シリンダを囲む可撓性加熱部材を含むエアロゾル送達装置。
【0009】
例示的な実施形態2:加熱部材の少なくとも一部が、吸入可能な物質媒体と直接接触している、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0010】
例示的な実施形態3:制御構成要素が、約2.5アンペア~約10アンペアの範囲にある、または約2.5アンペア~約10アンペアの範囲の間の動作電流を提供するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0011】
例示的な実施形態4:制御構成要素が、最大約96%の動力源効率を提供するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0012】
例示的な実施形態5:制御構成要素が、約10秒未満の温度到達時間を確立するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0013】
例示的な実施形態6:吸入可能な物質媒体が、タバコまたはタバコ由来材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0014】
例示的な実施形態7:吸入可能な物質媒体の少なくとも一部が、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、再構成されたタバコ材料片、およびタバコキャストシートの内の少なくとも1つを含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0015】
例示的な実施形態8:吸入可能な物質媒体の少なくとも一部が、タバコまたはタバコ由来材料を含む押出構造体(中央開口部を有する、または有しない)を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0016】
例示的な実施形態9:エアロゾル源部材が、吸入可能な物質媒体を囲む、紙材料を含む上包を具備する、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0017】
例示的な実施形態10:エアロゾル源部材が、エアロゾル源部材の吸口端に近接して配置されたフィルタ材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0018】
例示的な実施形態11:エアロゾル源部材の吸口端が、部分的に閉塞される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0019】
例示的な実施形態12:制御本体が、周囲空気が制御本体に入るのを可能にするように構成された1つ以上の換気開口部をさらに含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0020】
例示的な実施形態13:電源から加熱部材への電流の流れを作動させる吸煙作動式スイッチをさらに備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0021】
例示的な実施形態14:電源から加熱部材への電流の流れを作動させる手動押しボタンをさらに備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0022】
例示的な実施形態15:電源が電池を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0023】
例示的な実施形態16:電源から加熱部材への以前に開始された電流の流れを調整するように構成された電流調整構成要素をさらに含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0024】
例示的な実施形態17:電流調整構成要素が、時間基準の構成要素を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0025】
例示的な実施形態18:電流調整構成要素が、規定された温度が達成されると電気加熱部材への電流を停止するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0026】
例示的な実施形態19:電流調整構成要素が、規定された温度が達成されると、電気加熱部材への電流のオフおよびオンをサイクルさせて、規定された期間に亘って規定された温度を維持するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0027】
例示的な実施形態20:エアロゾル源部材が外面を画定し、エアロゾル源部材の長さに沿った流体通路が、エアロゾル源部材内の通路に実質的に限定される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0028】
例示的な実施形態21:吸入可能な物質を生成するように構成されたエアロゾル送達装置であって、エアロゾル送達装置が、閉じた遠位端および開いた係合端を有する実質的に管状の制御本体と、加熱部材と、制御本体内に配置され、加熱部材を制御するように構成された制御構成要素と、制御本体内に配置され、制御構成要素に電力を供給するように構成された電源と、吸入可能な物質媒体を含む実質的に円筒形の取り外し可能なエアロゾル源部材と、を備え、エアロゾル源部材が、制御本体の係合端に挿入されるように構成され、被加熱端および吸口端を画定し、被加熱端が、制御本体に挿入されると、加熱部材に近接して配置されるように構成され、吸口端が、制御本体の係合端を越えて延在するように構成され、加熱部材が、エアロゾル源部材の少なくとも一部に熱を提供して、吸入可能なエアロゾルを形成するように構成され、エアロゾルが、吸入可能な物質媒体の吸口端に加えられる吸引に応答してエアロゾル源部材を通って引き込まれるように構成され、加熱部材が、基部加熱部材および基材加熱部材を備え、基部加熱部材が制御本体に配置され、基材加熱部材がエアロゾル源部材に配置され、基部加熱部材が、基材加熱部材に熱を伝達するように構成されるエアロゾル送達装置。
【0029】
例示的な実施形態22:加熱部材の少なくとも一部が、吸入可能な物質媒体と直接接触している、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0030】
例示的な実施形態23:制御構成要素が、約2.5アンペア~約10アンペアの範囲にある、または約2.5アンペア~約10アンペアの範囲の間の動作電流を提供するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0031】
例示的な実施形態24:制御構成要素が、最大約96%の電源効率を提供するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0032】
例示的な実施形態25:制御構成要素が、約10秒未満の温度到達時間を確立するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0033】
例示的な実施形態26:吸入可能な物質媒体が、タバコまたはタバコ由来材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0034】
例示的な実施形態27:吸入可能な物質媒体の少なくとも一部が、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、再構成されたタバコ材料片、およびタバコキャストシートの内の少なくとも1つを含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0035】
例示的な実施形態28:吸入可能な物質媒体の少なくとも一部が、タバコまたはタバコ由来材料を含む押出構造体(中央開口部を有する、または有しない)を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0036】
例示的な実施形態29:エアロゾル源部材が、吸入可能な物質媒体を囲む、紙材料を含む上包を具備する、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0037】
例示的な実施形態30:エアロゾル源部材が、エアロゾル源部材の吸口端に近接して配置されたフィルタ材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0038】
例示的な実施形態31:エアロゾル源部材の吸口端が、部分的に閉塞される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0039】
例示的な実施形態32:制御本体が、周囲空気が制御本体に入るのを可能にするように構成された1つ以上の換気開口部をさらに含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0040】
例示的な実施形態33:電源から加熱部材への電流の流れを作動させる吸煙作動式スイッチをさらに備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0041】
例示的な実施形態34:電源から加熱部材への電流の流れを作動させる手動押しボタンをさらに備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0042】
例示的な実施形態35:電源が電池を具備する、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0043】
例示的な実施形態36:電源から加熱部材への以前に開始された電流の流れを調整するように構成された電流調整構成要素をさらに備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0044】
例示的な実施形態37:電流調整構成要素が、時間基準の構成要素を備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0045】
例示的な実施形態38:電流調整構成要素が、規定された温度が達成されると電気加熱部材への電流を停止するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0046】
例示的な実施形態39:電流調整構成要素が、規定された温度が達成されると、電気加熱部材への電流のオフおよびオンをサイクルさせて、規定された期間に亘って規定された温度を維持するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0047】
例示的な実施形態40:エアロゾル源部材が外面を画定し、エアロゾル源部材の長さに沿った流体通路が、エアロゾル源部材内の通路に実質的に限定される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0048】
例示的な実施形態41:吸入可能な物質を生成するように構成されたエアロゾル送達装置であって、エアロゾル送達装置が、閉じた遠位端および開いた係合端を有する実質的に管状の制御本体と、加熱部材と、制御本体内に配置され、加熱部材を制御するように構成された制御構成要素と、制御本体内に配置され、制御構成要素に電力を供給するように構成された電源と、吸入可能な物質媒体を含む実質的に円筒形の取り外し可能なエアロゾル源部材と、を備え、エアロゾル源部材が、制御本体の係合端に挿入されるように構成され、被加熱端および吸口端を画定し、被加熱端が、制御本体に挿入されると、加熱部材に近接して配置されるように構成され、吸口端が、制御本体の係合端を越えて延在するように構成され、加熱部材が、エアロゾル源部材の少なくとも一部に熱を提供して、吸入可能なエアロゾルを形成するように構成され、エアロゾルが、吸入可能な物質媒体の吸口端に加えられる吸引に応答してエアロゾル源部材を通って引き込まれるように構成され、加熱部材が、制御本体の係合端の少なくとも一部の中に延びる複数のヒータ突起を備える、エアロゾル送達装置。
【0049】
例示的な実施形態42:加熱部材の少なくとも一部が、吸入可能な物質媒体と直接接触している、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0050】
例示的な実施形態43:制御構成要素が、約2.5アンペア~約10アンペアの範囲にある、または約2.5アンペア~約10アンペアの範囲の間の動作電流を提供するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0051】
例示的な実施形態44:制御構成要素が、最大約96%の電源効率を提供するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0052】
例示的な実施形態45:制御構成要素が、約10秒未満の温度到達時間を確立するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0053】
例示的な実施形態46:吸入可能な物質媒体が、タバコまたはタバコ由来材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0054】
例示的な実施形態47:吸入可能な物質媒体の少なくとも一部が、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、再構成されたタバコ材料片、およびタバコキャストシートの内の少なくとも1つを含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0055】
例示的な実施形態48:吸入可能な物質媒体の少なくとも一部が、タバコまたはタバコ由来材料を含む押出構造体(中央開口部を有する、または有しない)を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0056】
例示的な実施形態49:エアロゾル源部材が、吸入可能な物質媒体を囲む、紙材料を含む上包を具備wする、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0057】
例示的な実施形態50:エアロゾル源部材が、エアロゾル源部材の吸口端に近接して配置されたフィルタ材料を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0058】
例示的な実施形態51:エアロゾル源部材の吸口端が、部分的に閉塞される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0059】
例示的な実施形態52:制御本体が、周囲の空気が制御本体に流入するのを可能にするように構成された1つ以上の換気開口部をさらに含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0060】
例示的な実施形態53:電源から加熱部材への電流の流れを作動させる吸煙作動式スイッチをさらに備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0061】
例示的な実施形態54:電源から加熱部材への電流の流れを作動させる手動押しボタンをさらに備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0062】
例示的な実施形態55:電源が電池を含む、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0063】
例示的な実施形態56:電源から加熱部材への前もって開始された電流の流れを調整するように構成された電流調整構成要素をさらに備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0064】
例示的な実施形態57:電流調整構成要素が、時間基準の構成要素を備える、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0065】
例示的な実施形態58:電流調整構成要素が、規定された温度が達成されると電気加熱部材への電流を停止するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0066】
例示的な実施形態59:電流調整構成要素が、規定された温度が達成されると、電気加熱部材への電流のオフおよびオンをサイクルさせて、規定された期間に亘って規定された温度を維持するように構成される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0067】
例示的な実施形態60:エアロゾル源部材が外面を画定し、エアロゾル源部材の長さに沿った流体通路が、エアロゾル源部材内の通路に実質的に限定される、任意の前述の例示的な実施形態のエアロゾル送達装置または、任意の前述の例示的な実施形態の任意の組合せのエアロゾル送達装置。
【0068】
本開示のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下に簡単に説明する添付の図面と共に、以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。
【0069】
本開示は上述の一般的な用語で記載しており、添付の図面をこれから参照するが、これらの図面は必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による、制御本体とエアロゾル源部材とを備えるエアロゾル送達装置の斜視図を示し、ここでエアロゾル源部材と制御本体とは互いに連結されている。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による、エアロゾル源部材と制御本体とが互いに分離されている
図1のエアロゾル送達装置の斜視図を示す。
【
図3】本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置の正面概略図を示す。
【
図5】本開示の別の例示的な実施形態による、制御本体とエアロゾル源部材とを備えるエアロゾル送達装置の斜視図を示し、ここでエアロゾル源部材と制御本体とは互いに連結されている。
【
図6】本開示の例示的な実施形態による、エアロゾル源部材と制御本体とが互いに分離されている
図5のエアロゾル送達装置の斜視図を示す。
【
図7】本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置の正面概略図を示す。
【
図9】本開示の別の例示的な実施形態による、制御本体とエアロゾル源部材とを備えるエアロゾル送達装置の斜視図を示し、ここでエアロゾル源部材と制御本体とは互いに連結されている。
【
図10】本開示の例示的な実施形態による、エアロゾル源部材と制御本体とが互いに分離されている
図9のエアロゾル送達装置の斜視図を示す。
【
図11】本開示の例示的な実施形態による支持シリンダの正面概略図を示す。
【
図13】本開示の例示的な実施形態の加熱部材の上面図を示す。
【
図14】本開示の例示的な実施形態による、
図13の加熱部材を組み込んだ加熱組立体の斜視図を示す。
【
図15】本開示の種々の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置の回路図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0071】
本開示は、以下、その例示的な実施形態を参照して、さらに詳細に記載される。これらの例示的な実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように記載される。実際、本開示は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が、適用される法的要件を満たすように提供される。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、「the」などは、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。また、本明細書では定量的尺度、値、形状的関係などを参照することがあるが、別段の記載がない限り、これらのすべてではないにしてもいずれか1つ以上のものは、技術的な許容範囲などによるものなど、起こり得る許容可能な変形例を説明するように絶対的または近似的であり得る。
【0072】
以下に記載されるように、本開示の例示的な実施形態は、エアロゾル送達装置に関する。本開示によるエアロゾル送達装置は、(好ましくは、材料を著しく燃焼させることなく)材料を加熱して吸入可能な物質を形成するために、電気エネルギーを使用する。そのようなシステムの構成要素は、最も好ましくは手持ち式装置と見なすのに十分に小型の物品の形態を有する。すなわち、エアロゾルが主にタバコの燃焼または熱分解の副産物から生じるという意味では、好ましいエアロゾル送達装置の構成要素を使用しても煙が生成されず、むしろそれらの好ましいシステムを使用すると、その中に組み込まれた特定の成分の揮発または気化に起因する蒸気が生成される。いくつかの例示的な実施形態では、エアロゾル送達装置の構成要素は、電子タバコとして特徴付けられてもよく、これらの電子タバコは、最も好ましくは、タバコおよび/またはタバコ由来成分を組み込み、ひいてはエアロゾル形態のタバコ由来成分を送達する。
【0073】
特定の好ましいエアロゾル送達装置のエアロゾル生成部品は、そのいかなる成分も実質的に燃焼することなく、タバコを点火し燃焼させることによって(ひいては、タバコの煙を吸い込むことによって)使用される紙巻タバコ、葉巻またはパイプを喫煙するという数々の感覚(例えば、吸入および呼気の形式、味または香味の種類、感覚刺激効果、物理的感触、使用形式、目に見えるエアロゾルによってもたらされるような視覚的刺激など)をもたらし得る。例えば、本開示のエアロゾル生成部品のユーザは、喫煙者が従来の種類の喫煙用具を使用するのと同じように、その部品を保持し使用し、その部品によって生成されたエアロゾルを吸入するためにその部品の一端を吸い、選択された時間間隔で吸煙する等々を行うことができる。
【0074】
システムは、一般に、いわゆる「電子タバコ」または「タバコ加熱製品」などのエアロゾル送達装置に関連する実施形態に関して本明細書に記載されているが、機構、構成要素、特徴および方法は、多くの異なる形態で具体化され、様々な物品に関連付けられてもよいことを理解されたい。例えば、本明細書に提供される説明は、従来の喫煙用具(例えば、紙巻タバコ、葉巻、パイプなど)、非燃焼型加熱式タバコ、および本明細書に開示される製品のいずれかのための関連する梱包の実施形態と組み合わせて使用され得る。したがって、本明細書に開示される機構、構成要素、特徴および方法の説明は、エアロゾル送達装置に関する実施形態に関して単なる例として論じられ、様々な他の製品および方法で具体化および使用され得ることを理解されたい。
【0075】
本開示のエアロゾル送達装置はまた、蒸気生成物品または薬剤送達物品として特徴付けられ得る。したがって、そのような物品または装置は、吸入可能な形態または状態で、1つ以上の物質(例えば、香味および/または薬学的有効成分)を提供するように構成され得る。例えば、吸入可能な物質は、実質的に蒸気の形態(すなわち、その臨界点よりも低い温度で気相にある物質)であり得る。あるいは、吸入可能な物質は、エアロゾルの形態(すなわち、微細固体粒子の懸濁液または気体中の液滴)であり得る。分かりやすくするために、本明細書で使用される用語「エアロゾル」は、目に見えるかどうか、また煙状であると見なされ得る形態であるかどうかに関わりなく、人間の吸入に適した形態または種類の蒸気、気体およびエアロゾルを含むことを意味する。吸入可能な物質の物理的形態は、本発明の装置の性質によって必ずしも限定されないが、媒体の性質、および吸入可能な物質が蒸気状態またはエアロゾル状態で存在するかどうかに関して吸入可能な物質自体に応じて決まり得る。いくつかの実施形態では、用語は交換可能であり得る。したがって、簡単にするために、本開示を説明するために使用される用語は、別段の指定がない限り交換可能であると理解される。
【0076】
本開示のエアロゾル送達装置は、一般に、ハウジングと呼ばれ得る外側本体またはシェル内に設けられた多数の構成要素を含む。外側本体またはシェルの全体的な設計は変更可能であり、エアロゾル送達装置の全体的な大きさおよび形状を画定し得る外側本体の形式または構成は変更可能である。典型的には、紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似する細長い本体が、単一の一体型のハウジングから形成され得るか、細長のハウジングが2つ以上の分離可能な本体から形成され得る。例えば、エアロゾル送達装置は、形状が実質的に管状であり、従来の紙巻タバコまたは葉巻の形状に類似し得る細長いシェルまたは本体を備え得る。一例では、エアロゾル送達装置のあらゆる構成要素が、1つのハウジング内に収容される。あるいは、エアロゾル送達装置は、接合かつ分離可能な2つ以上のハウジングを具備し得る。例えば、エアロゾル送達装置は、1つ以上の再使用可能な構成要素(例えば、充電式電池および/または充電式スーパーキャパシタなどの蓄電池、およびその物品の動作を制御するための様々な電子機器)を収容するハウジングを備える制御本体を一端に有し、他端に使い捨て部分(例えば、使い捨て可能な香味含有エアロゾル源部材)を収容する外側本体またはシェルを、取り外しできるように連結可能に備えてもよい。単一ハウジングタイプのユニット内または複数部品の分離可能ハウジングタイプのユニット内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、本明細書に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置の設計と構成要素の配置とを理解してもよい。
【0077】
以下でさらに詳細に説明されるように、本開示のエアロゾル送達装置は、駆動源(すなわち、電源)、少なくとも1つの制御構成要素(例えば、電源から物品の他の構成要素への電流の流れを制御することなどによって、発熱のための電力を作動、制御、調整および停止するための手段、例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としてのマイクロプロセッサ)、ヒータまたは発熱部材(例えば、電気抵抗加熱要素または他の構成要素)、および十分な熱を加えるとエアロゾルを生成することができる吸入可能な物質媒体を含むエアロゾル源部材のいくつかの組合せを含む。様々な実施形態では、エアロゾル源部材は、エアロゾル吸入のためにエアロゾル送達装置を吸引することを可能にするように構成された吸口端または先端(例えば、生成されたエアロゾルが吸引時にそこから引き出され得るように、物品を通る画定された空気流路)を含み得る。
【0078】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素の位置合わせは、様々な実施形態に亘って変化し得る。いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体は、ユーザへのエアロゾル送達を最大にするように、加熱部材に近接して配置されてもよい。しかしながら、他の構成は除外されない。一般に、加熱部材は、加熱部材からの熱が吸入可能な物質媒体(ならびに、いくつかの実施形態では、同様にユーザへの送達のために提供され得る1つ以上の香味料、薬剤など)を揮発させ、ユーザに送達するためのエアロゾルを形成することができるように、吸入可能な物質媒体の近くに十分に配置され得る。加熱部材が吸入可能な物質媒体を加熱すると、エアロゾルが消費者による吸入に適した物理的形態で形成、放出または生成される。前述の用語は、放出する(release)、放出する(releasing)、放出する(releases)または放出された(released)への言及が、形成するまたは生成する(form or generate)、形成するまたは生成する(forming or generating)、形成するまたは生成する(forms or generates)および形成されたまたは生成された(formed or generated)を含むように言い換え可能であることを意味することに留意すべきである。具体的には、吸入可能な物質は、蒸気もしくはエアロゾルまたはそれらの混合物の形態で放出され、このような用語も、別段の定めがない限り、本明細書では言い換え可能に使用される。
【0079】
上記のように、様々な実施形態のエアロゾル送達装置は、電池または他の電源を組み込んで、加熱部材の電力供給、制御システムの電力供給、インジケータの電力供給などのように、エアロゾル送達装置に様々な機能を提供するのに十分な電流の流れを提供してもよい。以下でさらに詳細に説明されるように、電源は様々な実施形態を取り得る。好ましくは、電源は、熱源を急速に作動させるのに十分な電力を供給してエアロゾルを形成し、所望の持続時間に亘る使用を通してエアロゾル送達装置に電力を供給することができる。電源は、好ましくは、エアロゾル送達装置を容易に取り扱うことができるように、エアロゾル送達装置内に都合よく適合するような大きさである。さらに、好ましい電源は、望ましい喫煙経験を損なわないように十分軽量である。
【0080】
上記のように、エアロゾル送達装置は、少なくとも1つの制御構成要素を含み得る。好適な制御構成要素は、いくつかの電子部品を含むことができ、いくつかの例では、プリント回路基板(PCB)から形成され得る。いくつかの例では、電子部品は、1つ以上の例示的な実施形態による、データ処理、アプリケーション実行または他の処理、制御もしくは管理サービスを行うように構成された処理回路を含む。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサコア、マイクロプロセッサ、コプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または、例えば、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、それらのいくつかの組合せなどのような1つ以上の集積回路を含む様々な他の演算装置もしくは処理装置などの様々な形態で具体化されたプロセッサを含み得る。いくつかの例では、処理回路は、プロセッサに連結または統合されたメモリを含むことができ、データ、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラム命令、それらのいくつかの組合せなどを格納してもよい。追加または代替として、制御構成要素は、1つ以上のネットワーク、演算装置または他の適切に有効化された装置との無線通信を可能にする通信インターフェースなどの処理回路に連結または統合され得る1つ以上の入出力周辺機器を含み得る。
【0081】
本開示のエアロゾル送達装置内の構成要素のさらに具体的な形式、構成および配置は、以下に提供されるさらなる開示に照らして明らかになるであろう。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、様々なエアロゾル送達装置構成要素の選択を理解することができる。さらに、市販の電子エアロゾル送達装置を考慮して、エアロゾル送達装置内の構成要素の配置を理解してもよい。
【0082】
これに関して、
図1は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置100を示す。エアロゾル送達装置100は、制御本体102およびエアロゾル源部材104を含み得る。様々な実施形態では、エアロゾル源部材104および制御本体102は、機能する関係で恒久的または取り外し可能に位置合わせされ得る。これに関して、
図1は連結構成のエアロゾル送達装置100を示し、
図2は分離構成のエアロゾル送達装置100を示す。様々な機構が制御本体102にエアロゾル源部材104を接続して、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、スライド嵌合、磁気係合などをもたらしてもよい。
【0083】
様々な実施形態では、本開示によるエアロゾル送達装置100は、限定するものではないが、実質的に棒状または実質的に管状または実質的に円筒形として画定され得る全体形状を含む、様々な全体形状を有し得る。
図1~
図4の実施形態では、装置100は、実質的に円形断面を有する。しかしながら、他の断面形状(例えば、楕円形、正方形、三角形など)もまた、本開示に包含される。物品の物理的形状を説明するそのような言語は、制御本体102およびエアロゾル源部材104を含む、その個々の構成要素にも適用され得る。他の実施形態では、制御本体は、小さな箱形など、別の手持ち形状を取ってもよい。
【0084】
特定の実施形態では、制御本体102およびエアロゾル源部材104の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。例えば、制御本体102は、交換式電池または充電式電池、固体電池、薄膜固体電池、充電式スーパーキャパシタなどを有してもよく、したがって、壁面充電器への接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルもしくはコネクタ(例えば、USB2.0、3.0、3.1、USBタイプC)などを介したコンピュータへの接続、光電池(時に太陽電池と呼ばれる)、もしくは太陽電池のソーラーパネルへの接続、または誘導無線充電(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)によるQi無線充電規格に準拠した無線充電を含む)を使用する充電器などの無線充電器、または無線周波数(RF)ベースの充電器を含むあらゆる種類の再充電技術と組み合わされてもよい。誘導無線充電システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSurらの米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に記載されている。さらに、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材104は、使い捨て装置を含み得る。制御本体と共に使用するための同様の使い捨て構成要素は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されている。
【0085】
図示される実施形態では、エアロゾル源部材104は、制御本体102に挿入されるように構成された被加熱端106と、エアロゾルを生成するためにユーザが吸引する吸口端108とを含む。被加熱端106の少なくとも一部は、吸入可能な物質媒体110を含み得る。以下でさらに詳細に説明するように、吸入可能な物質媒体110は、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、タバコキャストシート、再構成されたタバコ材料もしくはそれらの組合せ、および/または微粉砕タバコの混合物、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物、または任意の無機材料(炭酸カルシウムなど)、任意の香味およびエアロゾル形成材料と混合されて実質的に固体、半固体もしくは成形可能な(例えば、押し出された)基材を形成する他のタバコ形態を含み得る。代表的な種類の固体および半固体の吸入可能な物質媒体構築物および配合物は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるThomasらの米国特許第8,424,538号明細書、Sebastianらの米国特許第8,464,726号明細書、Connerらの米国特許出願公開第2015/0083150号明細書、Ademeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書および2015年6月30日に出願されたNordskogらの米国特許出願公開第2017/0000188号明細書に開示されている。
【0086】
様々な実施形態では、エアロゾル源部材104またはその一部は、エアロゾル源部材104に追加の構造および/または支持を提供するのに有用な任意の材料から形成され得る上包材料112(
図2を参照)に巻かれ得る。様々な実施形態では、エアロゾル源部材104の吸口端108は、酢酸セルロース材料またはポリプロピレン材料から作製され得るフィルタ114を含み得る。フィルタ114は、エアロゾル源部材の吸口端の構造的完全性を高め、および/または所望により濾過能力を提供し、および/または吸引に対する抵抗を提供してもよい。上包材料は、セルロース材料などの紙または他の繊維状材料を含み得る、熱伝達に抵抗する材料を含み得る。上包材料はまた、繊維状材料内に埋め込まれたまたは分散された少なくとも1つのフィラー材料を含み得る。様々な実施形態では、フィラー材料は、水不溶性粒子の形態を有し得る。さらに、フィラー材料は無機成分を組み込んでもよい。様々な実施形態では、上包は、下にあるバルク層などの複数の層と、紙巻タバコ内の典型的な包装紙などの上にある層とから形成されてもよい。このような材料には、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲藁、および/またはエスパルトなどの軽量の「ラグ繊維(rag fiber)」が含まれ得る。上包はまた、酢酸セルロースなど、従来の紙巻タバコのフィルタ要素に典型的に使用される材料を含み得る。さらに、エアロゾル源部材の吸口端108での上包の過剰な長さは、以下に記載されるように、消費者の口から吸入可能な物質媒体110を単に分離するように、もしくはフィルタ材料を配置するための空間を提供するように、または物品に対する吸引に影響を与えるように、もしくは吸引中に装置を出る蒸気もしくはエアロゾルの流れ特性に影響を与えるように機能し得る。本開示と共に使用され得る上包材料の構成に関する追加の説明は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に見出され得る。
【0087】
様々な実施形態では、エアロゾル源部材104の吸入可能な物質媒体110と吸口端108との間に他の構成要素が存在してもよく、吸口端108はフィルタ114を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材104の吸入可能な物質媒体110と吸口端108との間に、エアギャップ;冷却空気用の相変化材料;香味放出媒体;選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維;フィルタ媒体としてのエアロゲル粒子;および他の好適な材料の内の1つまたは任意の組合せが配置されてもよい。
【0088】
以下でさらに詳細に説明されるように、本開示は、伝導性熱源を使用して、吸入可能な物質媒体を加熱する。様々な実施形態では、伝導性熱源は、エアロゾル源部材、特に、エアロゾル源部材の吸入可能な物質媒体と直接接触するか、それに近接する加熱部材を含む加熱組立体を備え得る。以下でさらに詳細に説明されるように、加熱組立体または加熱部材は、制御本体および/またはエアロゾル源部材に配置され得る。場合によっては、吸入可能な物質媒体は、加熱組立体の機能として機能するか、加熱組立体の機能を促進し得る、吸入可能な物質媒体に接触する構造体、または吸入可能な物質媒体に埋め込まれるか、吸入可能な物質媒体の一部である複数のビーズもしくは粒子を含み得る。
【0089】
一部の装置では、加熱部材は、抵抗加熱要素を備え得る。抵抗加熱要素は、それを通って電流が導かれた際に熱を生成するように構成されてもよい。様々な実施形態では、加熱部材は、箔、発泡体、ディスク、らせん、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、ストリップ、リボンまたは円筒の形態など、様々な形態で設けられてもよい。そのような加熱要素は金属材料を含むことが多く、電流を通すことに関連する電気抵抗の結果として熱を生成するように構成される。そのような抵抗加熱要素は、吸入可能な物質媒体に近接して配置されてもよい。あるいは、加熱部材は、固体または半固体の吸入可能な物質媒体と接触して配置されてもよい。そのような構成は、吸入可能な物質媒体を加熱して、エアロゾルを生成し得る。本開示と共に使用可能であり得る様々な導電性基材が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるGriffithらの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書に記載されている。様々な加熱部材構成のいくつかの非限定的な例には、加熱部材または要素がエアロゾル源部材に近接して配置される構成が挙げられる。例えば、いくつかの例では、加熱要素の少なくとも一部が、エアロゾル源部材の少なくとも一部を囲んでもよい。他の例では、1つ以上の加熱要素が、制御本体に挿入されると、エアロゾル源部材の外部に隣接して配置されてもよい。他の例では、エアロゾル源部材が制御本体に挿入されると、加熱要素の少なくとも一部がエアロゾル源部材の少なくとも一部を貫通してもよい(例えば、エアロゾル源部材を貫通する1つ以上の突起および/またはスパイクなど)。
【0090】
本開示の例示的な実施形態に従って、
図3は、エアロゾル送達装置100の正面概略図を示し、
図4は、
図3のエアロゾル送達装置100の断面図を示す。図に示されているように、この例示的な実施形態のエアロゾル送達装置100は、吸入可能な物質媒体110と直接接触する、複数のヒータ突起の形態の加熱部材132を含む加熱組立体128を含む。特に、図示される実施形態の制御本体102は、その係合端に画定された開口部119を含むハウジング118を備える。制御本体102はまた、流量センサ120(例えば、吸煙センサまたは圧力スイッチ)と、制御構成要素123(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としての処理回路、マイクロプロセッサおよび/またはマイクロコントローラを含むプリント回路基板(PCB)など)と、電源124(例えば、充電式であってよい電池、および/または充電式スーパーキャパシタ)と、インジケータ126(例えば、発光ダイオード(LED))を含む端部キャップとを含む。一実施形態では、インジケータ126は、1つ以上の発光ダイオード、量子ドットベースの発光ダイオードなどを含んでもよい。インジケータ126は、制御構成要素123と通信し、例えば、制御本体102に連結された際に、ユーザがエアロゾル源部材104を吸引すると、流量センサ120によって検出されるのに従って点灯されてもよい。
【0091】
他の動作指標も本開示に包含される。例えば、また、動作の視覚インジケータは、喫煙経験の進行を示すために、光の色または強度の変化を含む。動作の触覚インジケータおよび動作の音響インジケータも同様に本開示に包含される。さらに、動作のそのようなインジケータの組合せも、単一の喫煙用具に使用されるのに適している。別の態様によれば、装置は、1つ以上のインジケータまたは兆候表示、例えば、電源に残っている電力量、喫煙経験の進行、熱源の作動に対応する表示など、喫煙用具の動作に対応する情報を提供するように構成されたディスプレイなどを含み得る。
【0092】
可能な電源の例は、その各々の開示全体が参照により本明細書に組み込まれるPeckerarらの米国特許第9,484,155号明細書および2015年10月21日に出願されたSurらの米国特許出願公開第2017/0112191号明細書に記載されている。流量センサに関して、エアロゾル送達装置用の様々なマイクロコントローラ、センサおよびスイッチを含む代表的な電流調整構成要素および他の電流制御構成要素が、いずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,875号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書、Nguyenらの米国特許第7,040,314号明細書ならびにPanの米国特許第8,205,622号明細書に記載されている。参照によりその全体が本明細書に組み込まれるAmpoliniらの米国特許第9,423,152号明細書に記載された制御方式も参照される。
【0093】
本開示のエアロゾル送達装置には、さらに別の構成要素が利用され得る。例えば、Sprinkelらの米国特許第5,154,192号明細書は、喫煙用具のためのインジケータを開示しており、Sprinkel,Jr.の米国特許第5,261,424号明細書は、吸引に関連したユーザの唇の動作を検出し、次いで加熱装置の加熱を引き起こす、装置の吸口端に関連し得る圧電センサを開示しており、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書は、マウスピースを通る圧力の降下に応答して加熱負荷アレイへのエネルギー流を制御するための吸煙センサを開示しており、Harrisらの米国特許第5,967,148号明細書は、挿入された構成要素の赤外線透過性の不均一性を検出する識別機と、構成要素が容器に挿入された際に検出ルーチンを実行するコントローラとを含む喫煙装置内の容器を開示しており、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書は、複数の差動位相を有する規定済みの実行可能な電力サイクルを記載しており、Watkinsらの米国特許第5,934,289号明細書は、フォトニック-オプトロニック(photonic-optronic)構成要素を開示しており、Countsらの米国特許第5,954,979号明細書は、喫煙装置を通る引込み抵抗を変化させるための手段を開示しており、Blakeらの米国特許第6,803,545号明細書は、喫煙装置に使用するための特定の電池構成を開示しており、Griffenらの米国特許第7,293,565号明細書は、喫煙装置と共に使用するための様々な充電システムを開示しており、Fernandoらの米国特許第8,402,976号明細書は、充電を容易にし、装置のコンピュータ制御を可能にする喫煙装置用コンピュータインターフェース手段を開示しており、Fernandoらの米国特許第8,689,804号明細書は、喫煙装置用識別システムを開示しており、Flickによる国際公開第2010/003480号は、エアロゾル生成システムを用いた吸煙を示す流体流感知システムを開示しており、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0094】
本明細書で使用され得る、電子エアロゾル送達物品に関連する構成要素および開示材料または構成要素の追加の例には、Gerthらの米国特許第4,735,217号明細書、Morganらの米国特許第5,249,586号明細書、Higginsらの米国特許第5,666,977号明細書、Adamsらの米国特許第6,053,176号明細書、Whiteの米国特許第6,164,287号明細書、Vogesの米国特許第6,196,218号明細書、Felterらの米国特許第6,810,883号明細書、Nicholsの米国特許第6,854,461号明細書、Honの米国特許第7,832,410号明細書、Kobayashiの米国特許第7,513,253号明細書、Hamanoの米国特許第7,896,006号明細書、Shayanの米国特許第6,772,756号明細書、Honの米国特許第8,156,944号明細書および米国特許第8,375,957号明細書、Thorensらの米国特許第8,794,231号明細書、Oglesbyらの米国特許第8,851,083号明細書、Monseesらの米国特許第8,915,254号明細書および米国特許第8,925,555号明細書、DePianoらの米国特許第9,220,302号明細書、Honの米国特許出願公開第2006/0196518号明細書および米国特許出願公開第2009/0188490号明細書、Oglesbyらの米国特許出願公開第2010/0024834号明細書、Wangの米国特許出願公開第2010/0307518号明細書、Honの国際公開第2010/091593号ならびにFooの国際公開第2013/089551号が挙げられ、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに、2015年10月13日に出願されたWormらの米国特許出願番号第2017-0099877号明細書は、エアロゾル送達装置とエアロゾル送達装置用のフォブ形状(fob-shape)構成とに含まれ得るカプセルを開示しており、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。様々な実施形態では、前述の文献によって開示された様々な材料が本装置に組み込まれてもよく、前述の開示はいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0095】
図3および
図4を再び参照すると、図示される実施形態の制御本体102は、エアロゾル源部材104の吸入可能な物質媒体110を加熱するように構成された加熱組立体128を含む。本開示の様々な実施形態の加熱組立体は様々な形態を取り得るが、
図3および
図4に示される特定の実施形態では、加熱組立体128は外側シリンダ130および加熱部材132を備え、加熱部材132は、この実施形態では、受台134から延びる複数のヒータ突起を備える。図示される実施形態では、外側シリンダ130は、外側シリンダ130内のヒータ突起132によって生成された熱を維持し、さらに具体的には、吸入可能な物質媒体110内にヒータ突起132によって生成された熱を維持するように、ステンレス鋼から構築された二重壁真空チューブを含む。様々な実施形態では、ヒータ突起132は、限定するものではないが、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、鋼、真鍮、青銅、グラファイトまたはそれらの任意の組合せを含む1つ以上の導電性材料から構築され得る。
【0096】
図示されるように、加熱組立体128は、ハウジング118の係合端に近接して延在してもよく、吸入可能な物質媒体110を含むエアロゾル源部材104の被加熱端106の一部を実質的に囲むように構成されてもよい。このように、加熱組立体128は、ほぼ管状の構成を画定してもよい。
図3および
図4に示すように、複数のヒータ突起132は、外側シリンダ130によって囲まれて受容チャンバ136を形成する。このように、様々な実施形態では、外側シリンダ130は、限定するものではないが、絶縁性ポリマー(例えば、プラスチックまたはセルロース)、ガラス、ゴム、セラミック、磁器、二重壁真空構造体またはそれらの任意の組合せを含む非導電性の断熱材および/または構築物を備え得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、加熱組立体128の1つ以上の部分または構成要素は、吸入可能な物質媒体110と組み合わせられ得る、パッケージ化され得る、および/または一体であり得る(例えば、中に埋め込まれる)。例えば、いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体は、上記のような材料から形成されることができ、その中に混合された1つ以上の導電性材料を含み得る。これらの実施形態のいくつかでは、エアロゾル源部材が制御本体の受容チャンバに挿入されると、接点が電気エネルギー源と電気的に接続するように、吸入可能な物質媒体に接点が直接接続可能となる。あるいは、接点は、電気エネルギー源と一体であり得る、エアロゾル源部材が制御本体の受容チャンバに挿入されると、接点が吸入可能な物質媒体と電気的に接続するように、受容チャンバの中に延在し得る。吸入可能な物質媒体中に導電性材料が存在するため、電気エネルギー源から吸入可能な物質媒体への電力の印加により電流が流れ、ひいては導電性材料から熱が生成される。したがって、いくつかの実施形態では、加熱部材は、吸入可能な物質媒体と一体であると説明され得る。非限定的な例として、グラファイトまたは他の好適な導電性材料が、吸入可能な物質媒体を形成する材料と混合されるか、吸入可能な物質媒体を形成する材料に埋め込まれるか、吸入可能な物質媒体を形成する材料の上または中に他の方法で直接存在して、加熱部材を媒体と一体にしてもよい。
【0098】
上記のように、図示される実施形態では、外側シリンダ130はまた、エアロゾル源部材104がハウジング118に挿入されると、エアロゾル源部材104の適切な配置を容易にするように機能し得る。様々な実施形態では、加熱組立体128の外側シリンダ130は、ハウジング118の内面と係合して、ハウジング118に対して加熱組立体128を位置合わせさせてもよい。これにより、加熱組立体128間の固定された連結の結果として、加熱組立体128の長手方向軸が、ハウジング118の長手方向軸に実質的に平行に延在し得る。特に、支持シリンダ130は、ハウジング118の開口部119から受台134まで延在して、受容チャンバ136を形成してもよい。図示される実施形態では、外側シリンダ130の内径は、対応するエアロゾル源部材104の外径よりもわずかに大きいか、対応するエアロゾル源部材104の外径にほぼ等しくてよく(例えば、スライド嵌合を形成するため)、その結果、外側シリンダ130は、制御本体102に対してエアロゾル源部材104を適切な位置(例えば、側方位置)に案内するように構成される。
【0099】
図示される実施形態では、制御本体102は、エアロゾル源部材104が制御本体102に挿入されると、ヒータ突起132が、エアロゾル源部材104の被加熱端106の吸入可能な物質媒体110の少なくとも一部のほぼ半径方向中心に配置されるように構成される。このように、固体または半固体の吸入可能な物質媒体110と組み合わせて使用される場合、ヒータ突起132は、吸入可能な物質媒体110と直接接触していてもよい。他の実施形態では、例えば、管構造体を画定する、押出成型された吸入可能な物質媒体と組み合わせて使用される場合、ヒータ突起132は、押出管構造体の内面によって画定されるキャビティの内側に配置されてもよく、押出管構造体の内面に接触しない。
【0100】
図3および
図4を再び参照すると、消費者は、使用中に、加熱組立体128、特に、吸入可能な物質媒体110(またはその特定の層)に隣接する加熱突起132の加熱を開始する。吸入可能な物質媒体110の加熱は、エアロゾル源部材104内の吸入可能な物質を放出して、吸入可能な物質を生成する。消費者がエアロゾル源部材104の吸口端108を吸うと、制御本体102の開口部または隙間122を通ってエアロゾル源部材104に空気が吸引される。吸引された材料がエアロゾル源部材104の吸口端108を出る際に、吸引された空気と放出された吸入可能な物質との組合せが消費者によって吸入される。いくつかの実施形態では、消費者は、加熱を開始するために、押しボタンまたは同様の構成要素を手動で作動させてもよく、それにより、加熱組立体の加熱部材が、電池または他のエネルギー源から電気エネルギーを受け取る。電気エネルギーは、所定の長さの時間に亘って供給されてもよいし、手動で制御されてもよい。いくつかの実施形態では、電気エネルギーの流れは、装置を用いた吸煙の合間に実質的に継続しない(ただし、エネルギー流は、周囲温度よりも高いベースライン温度(例えば、作動加熱温度への急速加熱を容易にする温度)を維持するように継続してもよい)。しかしながら、図示される実施形態では、加熱は、流量センサ120などの1つ以上のセンサを使用することによる消費者の吸煙動作によって開始される。吸煙が中止されると、加熱が停止するか減少される。消費者が十分な回数の吸煙を行って、十分な量の吸入可能な物質(例えば、典型的な喫煙経験と同等となるのに十分な量)を放出すると、エアロゾル源部材104は、制御本体102から取り外され、捨てられ得る。いくつかの実施形態では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPhillipsらの米国特許出願第15/707,461号明細書で説明されているように、静電容量感知要素および他のセンサなどの追加の感知要素が使用されてもよい。
【0101】
様々な実施形態では、エアロゾル源部材104は、管状などの適切な構造を形成かつ維持し、その中に吸入可能な物質媒体110を保持するのに適した任意の材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材104は、単一の壁または他の実施形態では多数の壁から形成されてもよく、本明細書でさらに説明されるように、電気加熱部材によって提供される加熱温度である少なくともある温度で、その構造的完全性を維持する(例えば、劣化しない)ように耐熱性の材料(天然または合成)から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、耐熱性ポリマーが使用得るが、他の実施形態では、エアロゾル源部材104は、実質的にストロー状の紙などの紙から形成されてもよい。本明細書でさらに説明されるように、エアロゾル源部材104は、それを通る蒸気の移動を実質的に防止するように機能する、それに関連する1つ以上の層を有し得る。例示的な一実施形態では、アルミニウム箔層が、エアロゾル源部材の1つの表面に積層され得る。セラミック材料も使用され得る。さらなる実施形態では、吸入可能な物質媒体から熱を不必要に移動させないように、断熱材が使用されてもよい。エアロゾル源部材104は、単層から形成される場合、好ましくは約0.2mm~約7.5mm、約0.5mm~約4.0mm、約0.5mm~約3.0mmまたは約1.0mm~約3.0mmの厚さを有し得る。上記の機能を提供するために使用され得るか、上記の材料および構成要素の代替品として使用され得る追加の例示的な種類の構成要素および材料は、Crooksらの米国特許出願公開第2010/00186757号明細書、Crooksらの米国特許出願公開第2010/00186757号明細書およびSebastianらの米国特許出願公開第2011/0041861号明細書に記載される種類のものとしてもよく、これらの文献の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0102】
上述したように、エアロゾル源部材104は、部材104の被加熱端106に近接する吸入可能な物質媒体110を含む。様々な実施形態では、吸入可能な物質媒体110は、加熱されると、香味含有物質などの吸入可能な物質を放出する任意の材料であってよい。
図3~
図4の実施形態では、吸入可能な物質媒体110は、吸入可能な物質を含む固体基材を具備する。様々な実施形態では、吸入可能な物質は、具体的には、タバコ成分またはタバコ由来材料(すなわち、タバコから直接単離され得る、タバコ中に天然に見出される材料、または合成的に調製される材料)であり得る。例えば、吸入可能な物質媒体は、不活性基材と組み合わされたタバコ抽出物またはその画分を含み得る。吸入可能な物質媒体は、燃焼温度よりも低い温度に加熱されると吸入可能な物質を放出する未燃焼タバコまたは未燃焼タバコを含有する組成物をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体は、タバコ凝縮物またはその画分(すなわち、タバコの燃焼によって生成され、香味およびおそらくニコチンを残す、煙の凝縮成分)を含み得る。
【0103】
本開示に有用なタバコ材料は様々なものが可能であり、例えば、黄色種タバコ、バーレータバコ、オリエンタルタバコもしくはメリーランドタバコ、暗色タバコ、暗色火干タバコおよびラスチカタバコ、ならびに他の希少もしくは特製タバコ、またはそれらのブレンドを含み得る。タバコ材料はまた、いわゆる「ブレンド」形態および加工済み形態、例えば、加工済みタバコステム(例えば、カットロールステムまたはカットパフステム)、体積膨張タバコ(例えば、有利にはカットフィラー形態のパフタバコ、例えば、ドライアイス膨張タバコ(DIET))、再構成されたタバコ(例えば、紙形成タイプ加工またはキャストシートタイプ加工を使用して製造された再構成されたタバコ)を含み得る。様々な代表的なタバコの種類、加工された種類のタバコ、およびタバコブレンドの種類が、参照により本明細書に組み込まれるLawsonらの米国特許第4,836,224号明細書、Perfettiらの米国特許第4,924,888号明細書、Brownらの米国特許第5,056,537号明細書、Brinkleyらの米国特許第5,159,942号明細書、Gentryの米国特許第5,220,930号明細書、Blakleyらの米国特許第5,360,023号明細書、Shaferらの米国特許第6,701,936号明細書、Liらの米国特許第7,011,096号明細書およびLiらの米国特許第7,017,585号明細書、Lawsonらの米国特許第7,025,066号明細書、Perfettiらの米国特許出願公開第2004/0255965号明細書、Beremanの国際公開第02/37990号ならびにBombickらのFund.Appl.Toxicol.,39,p.11-17(1997)に記載されている。本開示によるものを含め、喫煙装置に有用であり得る追加の例示的なタバコ組成物は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRobinsonらの米国特許第7,726,320号明細書に開示されている。
【0104】
さらに、吸入可能な物質媒体は、吸入可能な物質またはその前駆体が内部に組み込まれるか、そうでなければその上に堆積される不活性基材を含んでもよい。例えば、吸入可能な物質を含む液体が、不活性基材上にコーティングされるか、不活性基材に吸収または吸着されてもよく、その結果、熱を加えると、吸入可能な物質が、正圧または負圧の印加により本発明の物品から引き出され得る形態で放出される。いくつかの態様では、吸入可能な物質媒体は、カットフィラー形態の風味豊かな芳香性タバコのブレンドを含み得る。別の態様では、吸入可能な物質媒体は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるPryorらの米国特許第4,807,809号明細書、Pryorらの米国特許第4,889,143号明細書およびRakerの米国特許第5,025,814号明細書に記載されているような再構成されたタバコ材料を含み得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体は、エアロゾル前駆体組成物(例えば、保湿剤、例えば、プロピレングリコール、グリセリンなど)および/または少なくとも1つの香味剤、ならびに熱源によるエアロゾル送達構成要素の点火、熱分解、燃焼および/または焦げ付きの防止を助けるように構成された燃焼遅延剤(例えば、リン酸二アンモニウムおよび/または別の塩)を組み込むように処理、製造、生成および/または加工されたタバコ、タバコ成分および/またはタバコ由来材料を含み得る。喫煙用具、特に、喫煙用具内の実質的にあらゆるタバコを意図的に燃焼させないように設計される喫煙用具にタバコを組み込むための様々な様式および方法が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるBrooksらの米国特許第4,947,874号明細書、Cantrellらの米国特許第7,647,932号明細書、Robinsonらの米国特許第8,079,371号明細書、Banerjeeらの米国特許第7,290,549号明細書およびCrooksらの米国特許出願公開第2007/0215167号明細書に記載されている。
【0106】
いくつかの実施形態では、他の難燃性/燃焼遅延性材料および添加剤が、吸入可能な物質媒体内に含まれてもよく、有機リン化合物、ホウ砂、水和アルミナ、グラファイト、トリポリリン酸カリウム、ジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトールおよびポリオールを含んでもよい。窒素ホスホン酸塩、リン酸一アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、臭化アンモニウム、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸エタノールアンモニウム、スルファミン酸アンモニウム、ハロゲン化有機化合物、チオ尿素および酸化アンチモンなどの他のものが使用されてもよい。吸入可能な物質媒体および/または他の構成要素(単独で、または互いにおよび/または他の材料と組み合わせたものにかかわらず)に使用される難燃性材料、燃焼遅延性材料および/または焦げ付き遅延性材料の各態様では、望ましい特性は、望ましくないガス放出または溶融型挙動を伴わずに提供されることが好ましい。追加の香味料、香味剤、添加剤および他の可能な増強成分は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPhillipsらの米国特許出願第15/707,461号明細書に記載されている。
【0107】
吸入可能な物質(例えば、一般に、香味、ニコチンまたは医薬品)に加えて、吸入可能な物質媒体は、1つ以上のエアロゾル形成材料または蒸気形成材料、例えば、多価アルコール(例えば、グリセリン、プロピレングリコールまたはそれらの混合物)および/または水を含み得る。代表的な種類のエアロゾル形成材料は、参照により本明細書に組み込まれるSensabaugh,Jr.らの米国特許第4,793,365号明細書およびJakobらの米国特許第5,101,839号明細書、Biggsらの国際公開第98/57556号ならびにChemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco,R.J.Reynolds Tobacco Company Monograph(1988)に記載されている。いくつかの態様では、吸入可能な物質媒体は、十分な熱が加えられると(および必要に応じて空気により冷却されると)目に見えるエアロゾルを生成し、エアロゾル送達構成要素は煙状のエアロゾルを生成する。他の態様では、エアロゾル送達構成要素は、実質的に目に見えないが、香味または質感などの他の特性によって存在すると認識されるエアロゾルを生成する。したがって、生成されるエアロゾルの性質は、エアロゾル送達構成要素の特定の構成要素に応じて変動する。エアロゾル送達構成要素は、タバコを燃焼させることによって生成される煙の化学的性質と比較して、化学的に単純である。
【0108】
タバコアロマオイル、タバコエッセンス、噴霧乾燥タバコ抽出物、凍結乾燥タバコ抽出物、タバコダストなどの追加のタバコ材料が、蒸気形成材料またはエアロゾル形成材料と組み合わせられてもよい。また、吸入可能な物質自体が、加熱時に吸入可能な物質が蒸気、エアロゾルまたはそれらの組合せとして放出される形態であってよいことを理解されたい。他の実施形態では、吸入可能な物質は、必ずしも蒸気またはエアロゾルの形態で放出する必要はない場合があるが、それと組み合わせられ得る蒸気形成材料またはエアロゾル形成材料は、加熱時に蒸気またはエアロゾルを形成し、吸入可能な物質自体の担体として本質的に機能することができる。したがって、吸入可能な物質は、基材上にコーティングされているか、基材に吸収されているか、基材に吸着されているか、基材の天然成分(すなわち、基材を形成する材料、例えば、タバコまたはタバコ由来材料)であると特徴付けられ得る。同じく、エアロゾル形成材料または蒸気形成材料も同様に特徴付けられ得る。特定の実施形態では、吸入可能な物質媒体は、吸入可能な物質を含む基材と、それに含まれる別個のエアロゾル形成材料とを特に具備し得る。このように、使用中、基材は加熱されてもよく、エアロゾル形成材料は、それと共に吸入可能な物質を取り込んで蒸気形態に揮発されてもよい。特定の例では、吸入可能な物質媒体は、タバコのスラリーおよびエアロゾル形成材料および/または蒸気形成材料がその上にコーティングされるか、その中に吸収または吸着される固体基材を含み得る。基材成分は、吸入可能な物質の放出を促進するために加熱部材が達成する、本明細書に記載の温度で燃焼しないか、他の方法で劣化しない任意の材料であってよい。例えば、タバコ紙(例えば、タバコ繊維および/または再構成されたタバコを含む紙状材料)を含む紙材料が使用されてもよい。したがって、様々な実施形態では、吸入可能な物質媒体は、吸入可能な物質を含むこと、代わりに吸入可能な物質および別個のエアロゾル形成剤または蒸気形成剤を含むこと、代わりに吸入可能な物質および基材を含むこと、または代わりに吸入可能な物質媒体、別個のエアロゾル形成剤もしくは蒸気形成剤および基材を含むこととして特徴付けられてもよい。したがって、基材は、吸入可能な物質およびエアロゾル形成剤または蒸気形成剤の一方または両方を含有得る。
【0109】
本開示のいくつかの態様では、吸入可能な物質媒体は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるStoneらの米国特許出願公開第2012/0042885号明細書に記載されているように、押出材料として構成され得る。本開示のさらに別の態様では、吸入可能な物質媒体は、タバコ、タバコ関連材料、グリセリン、水および/または結合剤材料を含むか、それらから本質的に構成される押出構造体および/または基材として構成され得るが、特定の配合物は結合剤材料を含まない。様々な実施形態では、結合剤材料は、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ガム(例えば、グアーガム)、キサンタン、プルランおよび/またはアルジネートを含め、タバコ配合物に一般的に使用される任意の結合剤材料であってよい。いくつかの態様によれば、エアロゾル送達構成要素に含められる結合剤材料は、エアロゾル送達構成要素の構造的形状および/または完全性を実質的に維持するように構成され得る。様々な代表的な結合剤、結合剤の特性、結合剤の使用法、および結合剤の量は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRakerらの米国特許第4,924,887号明細書に記載されている。
【0110】
いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体は、エアロゾル生成プロセス全体を通じてその構造を実質的に維持するようにさらに構成される。すなわち、吸入可能な物質媒体は、エアロゾル生成プロセス全体を通じてその形状を実質的に維持するように構成される(すなわち、エアロゾル送達構成要素は、加えられた剪断応力下で連続的に変形しない)。いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体成分は、液体および/またはいくらかの水分含有量を含み得るが、いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体は、エアロゾル生成プロセス全体を通じて実質的に固体のままであり、エアロゾル生成プロセス全体を通じてその構造的完全性を実質的に維持するように構成される。実質的に固体のエアロゾル送達構成要素に適した例示的なタバコおよび/またはタバコ関連材料は、Ademeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書、Searsらの米国特許出願公開第2015/0335070号明細書、Whiteの米国特許第6,204,287号明細書およびHearnらの米国特許第5,060,676号明細書に記載されており、これらはいずれも、それぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0111】
さらに別の態様では、吸入可能な物質媒体は、マルメライザー処理された、および/またはマルメライザー処理されていないタバコから形成された押出構造体および/または基材を含んでもよい。マルメライザー処理されたタバコは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBanerjeeらの米国特許第5,105,831号明細書によって知られている。マルメライザー処理されたタバコは、本明細書に記載の結合剤、および/または香味剤と併せて、グリセロール(約20~約30重量パーセント)、炭酸カルシウム(一般に約10~約60重量パーセント、多くの場合、約40~約60重量パーセント)と共に、約20~約50パーセント(重量)のタバコブレンドを粉末形態で含む。
【0112】
別の態様では、吸入可能な物質媒体は、タバコ関連材料を有する複数のマイクロカプセル、ビーズ、顆粒などを含み得る。例えば、代表的なマイクロカプセルは、形状がほぼ球形であってよく、タバコ由来抽出物などの液体中心領域を含む外側カバーまたはシェルを有してもよい。いくつかの態様では、エアロゾル送達構成要素は、それぞれが中空円筒形状に形成された複数のマイクロカプセルを含み得る。一態様では、エアロゾル送達構成要素は、中空円筒形状に形成された複数のマイクロカプセルの構造的形状および/または完全性を維持するように構成された結合剤材料を含み得る。本開示の吸入可能な物質媒体に含まれ得る様々な他の構成および構成要素は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている。別の態様では、吸入可能な物質媒体は、1つ以上の熱伝導性材料を含み得る。熱伝導性材料を含む基材部分の例は、参照により本明細書に組み込まれる、2018年2月26日に出願された「Heat Conducting Substrate For Electrically Heated Aerosol Delivery Device」と題されるSebastianの米国特許出願番号第15/905,320号明細書に記載されている。
【0113】
様々な実施形態では、本開示の装置の特定の性能を提供するために、吸入可能な物質媒体への張力付与が含まれてもよい。本明細書で別途説明するように、特に紙などの比較的低い熱伝達を示す基材が使用される場合、熱が効率的に伝達されるように、吸入可能な物質媒体が比較的薄い厚さを有することが有益であり得る。しかしながら、薄い厚さの基材は、特定の寸法では比較的低い強度を有し、他の寸法では比較的高い強度を示す可能性がある。例えば、張力の加わった薄い紙は、圧縮された同じ紙の強度と比較して高い強度を示す。張力を付与することにより、加熱される吸入可能な物質媒体(使用される基材または存在し得る蒸気バリアを含む)の表面に対する加熱部材の直接接触を容易にすることもできる。エアロゾル源部材の吸入可能な物質媒体の様々な他の構成は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に見られる同様の構成の説明に見出され得る。
【0114】
図3および
図4を再び参照すると、エアロゾル源部材104の被加熱端106は、制御本体102に挿入するための大きさおよび形状である。様々な実施形態では、制御本体102の受容チャンバ136は、内面および外面を有する壁によって画定され、内面が受容チャンバ136の内部容積を規定すると特徴付けられ得る。例えば、図示される実施形態では、外側シリンダ130は、受容チャンバ136の内部容積を規定する内面を画定する。したがって、エアロゾル源部材104の最大外径(または実施形態の特定の断面形状に応じて他の寸法)は、制御本体102の受容チャンバ136の開放端の壁の内面での内径(または他の寸法)よりも小さい大きさであり得る。いくつかの実施形態では、それぞれの直径の差は、エアロゾル源部材が受容チャンバ136にぴったりと合い、摩擦力が、エアロゾル源部材104が力を加えられることなく移動するのを防ぐように十分に小さくてよい。一方、この差は、エアロゾル源部材104が過度の力を必要とせずに受容チャンバ136に滑り込む、または受容チャンバ136から滑り出るのを可能にするのに十分であり得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置100の全体的な大きさは、紙巻タバコまたは葉巻の形状に匹敵する大きさを取り得る。したがって、装置は、約5mm~約25mm、約5mm~約20mm、約6mm~約15mmまたは約6mm~約10mmの直径を有し得る。様々な実施形態では、そのような寸法は、制御本体102の外径に特に対応し得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材104は、約4mm~約6mmの直径を有し得る。加えて、制御本体102およびエアロゾル源部材は、同様に、全長に関して特徴付けられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、制御本体は、約40mm~約140mm、約45mm~約110mmまたは約50mm~約100mmの長さを有し得る。エアロゾル源部材は、約20mm~約60mm、約25mm~約55mmまたは約30mm~約50mmの長さを有し得る。
【0116】
図示される実施形態では、制御本体102は、電気加熱部材132に電力を供給することを含め、エアロゾル送達装置100の様々な機能を制御する制御構成要素123を含む。例えば、制御構成要素123は、導電性ワイヤ(図示せず)によって電源124に接続された制御回路(本明細書でさらに説明されるように、追加の構成要素に接続され得る)を含み得る。様々な実施形態では、制御回路は、加熱組立体128、特に加熱部材132が、消費者による吸入のための吸入可能な、物質の放出のために吸入可能な物質媒体110を加熱するための電気エネルギーをいつどのように受け取るかを制御し得る。いくつかの実施形態では、そのような制御は、以下でさらに詳細に説明される流量センサおよび/または感圧スイッチの作動などによって作動されてもよい。
【0117】
上述のように、例示的な実施形態のエアロゾル送達装置100は、電子タバコもしくは非燃焼型加熱式装置のいずれかとの関連で、または両方の機能を含む装置の場合であっても、回路を含み得る。
図15は、本開示の様々な例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置の回路図を示す。図示されるように、エアロゾル送達装置は、流量センサ120、制御構成要素123、電源124、インジケータ126および加熱部材132を含む。上述のように、制御構成要素は、電気を熱に変換し、それによってエアロゾル前駆体組成物の成分を気化させるように構成された加熱部材に制御可能に電力を供給するように連結され、構成される。図示されるように、制御構成要素は加熱部材に連結され、電源から加熱部材への電圧を下げ、電流を上げることにより加熱部材に電力を供給するように構成されたバックレギュレータ回路402を含む。バックレギュレータ回路は、フィードバック機能を含んでも含まなくてもよい。好適なバックレギュレータ回路の一例には、フィードバック機能を含む、Analog Devices製のモデルADP2165またはモデルADP2166 DC-DCレギュレータが挙げられる。
【0118】
図15に示すように、バックレギュレータ回路402がフィードバック機能を有する例では、制御構成要素123は、加熱部材132およびバックレギュレータ回路に連結されたオペアンプ回路404を含む。これらの例では、オペアンプ回路は、加熱部材からの出力電圧を増幅して、バックレギュレータ回路にフィードバックされる比較的高い電圧を生成するように構成され得る。示されるようないくつかの例では、オペアンプ回路は非反転オペアンプ回路である。
【0119】
また、
図15に示すように、バックレギュレータ回路402は、電源124からの電圧をステップダウンし、電流をステップアップするように構成された電力段406と、オペアンプ回路404からの比較的高い電圧を使用して、バックレギュレータ回路から加熱部材132への出力電圧を調整するように構成されたフィードバック制御回路408とを含み得る。フィードバック制御回路は、誤差増幅器410およびパルス幅変調(PWM)コンパレータ412をさらに含み得る。誤差増幅器は、比較的高い電圧と基準電圧との比較に基づいて制御電圧を生成するように構成され得る。また、PWMコンパレータは、制御電圧を使用して、バックレギュレータ回路から加熱部材への出力電圧を調整するために使用されるPWM波形を生成するように構成され得る。
【0120】
いくつかの例では、エアロゾル送達装置100は、電源124が接続または接続可能である正極端子414を含む端子を有する。制御構成要素123は、バックレギュレータ回路402と正極端子との間にハイサイドロードスイッチ(LS)416をさらに含んでもよく、ハイサイドロードスイッチは、電源と加熱部材132を含む負荷とを接続および切断し、バックレギュレータ回路への入力電流を制限するように構成される。これは、電流スパイクが閾値安全率を超える場合に備えて、保護回路としても機能する。すなわち、ハイサイドロードスイッチは、入力電流が閾値安全率を超えないようにするという点で、安全機能としても機能する。
【0121】
さらに、流量センサ120は、正極端子414とハイサイドロードスイッチ416との間にあり得る。センサは、エアロゾル送達装置100の少なくとも一部を通る空気流によって引き起こされる圧力の測定値を生成し、圧力の測定値を対応する電気信号に変換するように構成され得る。制御構成要素123のプロセッサ418は、対応する電気信号を受け取り、それに応答して負荷に電源124を接続するようにハイサイドロードスイッチを制御するように構成され得る。また、いくつかの例では、エアロゾル送達装置100は、オペアンプ回路404とバックレギュレータ回路402との間に直列に連結された抵抗器R1をさらに含む。これらの例では、抵抗器は、オペアンプ回路からバックレギュレータ回路にフィードバックされる電流を制限するように構成され得る。エアロゾル送達装置用の回路の他の実施形態は、参照により本明細書に組み込まれる、2018年3月9日に出願された「Buck Regulator With Operational Amplifier Feedback For An Aerosol Delivery Device」と題されるSurの米国特許出願番号第15/916,696号明細書に記載されている。
【0122】
上記のように、制御構成要素は、吸入可能な物質媒体110に提供される熱量を厳密に制御するように構成され得る。エアロゾル形成物質を十分な体積で揮発させて、一回の吸煙に所望の投与量の吸入可能な物質を提供するのに必要な熱は、使用される特定の物質ごとに異なり得るが、いくつかの実施形態では、加熱部材は、少なくとも120℃、少なくとも130℃または少なくとも140℃の温度に加熱し得る。いくつかの実施形態では、適切な量のエアロゾル形成物質を揮発させ、ひいては所望の投与量の吸入可能な物質を提供するために、加熱温度は、少なくとも150℃、少なくとも200℃、少なくとも220℃、少なくとも300℃または少なくとも350℃であり得る。しかしながら、エアロゾル形成物質の劣化および/または過度の早期揮発を回避するために、約550℃を実質的に超える温度に加熱することを回避することが特に望ましい場合がある。特に、加熱は、吸入可能な物質媒体の著しい燃焼(好ましくはあらゆる燃焼)を回避するように、十分に低い温度および十分に短い時間であるべきである。本開示は、特に、比較的低温で所望の量の吸入可能な物質を生成する組合せおよび使用様式で、本装置の構成要素を提供し得る。したがって、収量とは、装置内でのエアロゾルの生成と装置から消費者への送達との一方または両方を指す場合がある。特定の実施形態では、加熱温度は、約130℃~約310℃、約140℃~約300℃、約150℃~約290℃、約170℃~約270℃または約180℃~約260℃であり得る。他の実施形態では、加熱温度は、約210℃~約390℃、約220℃~約380℃、約230℃~約370℃、約250℃~約350℃または約280℃~約320℃であり得る。
【0123】
以下でさらに詳細に説明されるように、加熱の持続時間は、いくつかの要因によって制御され得る。本明細書にさらに記載されるように、加熱温度および持続時間は、エアロゾル送達装置を通って引き込まれることが望まれるエアロゾルおよび周囲空気の所望の体積に応じて決まり得る。しかしながら、装置は、所望の温度に到達するまでに限って加熱部材が通電されるように構成され得るため、持続時間は、加熱部材の加熱速度に応じて変化し得る。あるいは、加熱の持続時間は、消費者による物品を用いた吸煙の持続時間に結び付けられてもよい。一般に、加熱の温度および時間は、上記のように、制御ハウジングに収容された1つ以上の構成要素によって制御される。
【0124】
様々な実施形態では、電気加熱組立体は、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出を促進するのに十分な熱を提供するのに適した任意の装置を含み得る。特定の実施形態では、電気加熱組立体は、抵抗加熱部材を含み得る。有用な加熱部材は、低質量と、低密度と、中程度の抵抗率とを有し、使用中に経験される温度で熱的に安定なものであり得る。有用な加熱部材は急速に加熱および冷却するため、エネルギーを効率的に使用する。また、要素を急速に加熱すると、エアロゾル形成物質がほぼ即時に揮発する。急速な冷却は、エアロゾル形成が不所望の期間中のエアロゾル形成物質の実質的な揮発(したがって浪費)を防ぐ。このような加熱部材は、特に時間基準の電流制御が使用される場合、エアロゾル形成物質が経験する温度範囲の比較的正確な制御も可能にする。有用な加熱部材はまた、生成されるエアロゾルまたは蒸気の香味または含有量に悪影響を及ぼさないように、加熱される吸入可能な物質媒体を含む材料とは化学的に非反応性である。加熱部材を含み得る例示的で非限定的な材料には、炭素、グラファイト、炭素/グラファイト複合材料、金属、金属炭化物および非金属炭化物、窒化物、ケイ化物、金属間化合物、サーメット、合金ならびに金属箔が含まれる。特に、耐火材料が有用であり得る。種々の異なる材料を混合して、抵抗率、質量、熱伝導率および表面特性の望ましい特性を実現することができる。いくつかの実施形態では、耐火材料が有用であり得る。種々の異なる材料を混合して、抵抗率、質量および熱伝導率の望ましい特性を実現してもよい。特定の態様では、利用することができる金属には、例えば、ニッケル、クロム、ニッケルとクロムとの合金(例えば、ニクロム)および鋼が含まれる。抵抗または抵抗加熱をもたらすのに有用であり得る材料が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるCountsらの米国特許第5,060,671号明細書、Deeviらの米国特許第5,093,894号明細書、Deeviらの第5,224,498号明細書、Sprinkel Jr.らの米国特許第5,228,460号明細書、Deeviらの米国特許第5,322,075号明細書、Deeviらの米国特許第5,353,813号明細書、Deeviらの米国特許第5,468,936号明細書、Dasの米国特許第5,498,850号明細書、Dasの米国特許第5,659,656号明細書、Deeviらの米国特許第5,498,855号明細書、Hajaligolの米国特許第5,530,225号明細書、Hajaligolの米国特許第5,665,262号明細書、Dasらの米国特許第5,573,692号明細書およびFleischhauerらの米国特許第5,591,368号明細書に記載されている。
【0125】
図3および
図4に見られるように、図示される実施形態の加熱組立体128は、外側シリンダ130と、受台134から延在する複数のヒータ突起132とを備える。吸入可能な物質媒体が管構造体を備えるものなどのいくつかの実施形態では、ヒータ突起132は、吸入可能な物質媒体の内面によって画定されるキャビティの中に延在するように構成され得る。吸入可能な物質媒体が固体または半固体の構造体を備える、図示される実施形態などの他の実施形態では、複数のヒータ突起132は、エアロゾル源部材104が制御本体102に挿入されると、エアロゾル源部材104の被加熱端106に収容された吸入可能な物質媒体110に貫通するように構成される。そのような実施形態では、ヒータ突起132および/または受台134を含む加熱組立体128の構成要素の内の1つ以上は、非粘着性または耐粘着性材料、例えば、特定のアルミニウム、銅、ステンレス鋼、炭素鋼およびセラミック材料から構築され得る。他の実施形態では、ヒータ突起132および/または受台134を含む加熱組立体128の構成要素の内の1つ以上は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)コーティング、例えば、Teflon(R)、または他のコーティング、例えば、耐粘着性エナメルコーティング、またはセラミックコーティング、例えば、Greblon(R)もしくはThermolon(TM)を含む非粘着性コーティングを含み得る。
【0126】
さらに、図示される実施形態では、受台134の周りに実質的に均等に分配された多数のヒータ突起が存在するが、他の実施形態では、任意の他の好適な空間構成と共に、わずか1つを含む任意の数のヒータ突起が使用され得ることに留意されたい。さらに、様々な実施形態では、ヒータ突起の長さは変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、ヒータ突起は小さな凸部を備え得るが、他の実施形態では、ヒータ突起は、受容チャンバ136の最大約25%、最大約50%、最大75%およびほぼ全長までを含め、受容チャンバ136の長さの任意の部分に延在してもよい。さらに他の実施形態では、加熱組立体128は他の構成を取り得る。上記で提供された説明に従って、本開示に使用するために構成され得る他のヒータ構成の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるCountsらの米国特許第5,060,671号明細書、Deeviらの米国特許第5,093,894号明細書、Deeviらの米国特許第5,224,498号明細書、Sprinkel Jr.らの米国特許第5,228,460号明細書、Deeviらの米国特許第5,322,075号明細書、Deeviらの米国特許第5,353,813号明細書、Deeviらの米国特許第5,468,936号明細書、Dasの米国特許第5,498,850号明細書、Dasの米国特許第5,659,656号明細書、Deeviらの米国特許第5,498,855号明細書、Hajaligolの米国特許第5,530,225号明細書、Hajaligolの米国特許第5,665,262号明細書、Dasらの米国特許第5,573,692号明細書およびFleischhauerらの米国特許第5,591,368号明細書に見出すことができる。
【0127】
本発明の装置100によって放出される吸入可能な材料の量は、吸入可能な材料の性質に基づいて変化し得る。好ましくは、装置100は、使用の過程に亘って所望の量を放出するのに十分な時間に亘って十分な温度で機能するように、十分な量の任意のエアロゾル前駆体と共に、十分な量の吸入可能な材料により構成される。量は、装置100からの単一の吸入で提供されてもよいか、比較的短い時間(例えば、30分未満、20分未満、15分未満、10分未満または5分未満)に亘って物品からの数回の吸煙を通して提供されるように分割されてもよい。送達され得るニコチンレベルおよび湿潤全粒子状物質の例は、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている。
【0128】
種々の実施形態では、制御本体102は、受容チャンバ136の内部への周囲空気の進入を可能にするために、その中に1つ以上の開口部または隙間122を含み得る。このように、いくつかの実施形態では、受台134も隙間を含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、消費者がエアロゾル源部材104の吸口端を吸引すると、空気が、制御本体102および受台134の隙間を通って受容チャンバ136に引き込まれ、エアロゾル源部材104を通過し、エアロゾル源部材104の吸入可能な物質媒体110を通って引き込まれ、消費者によって吸入され得る。いくつかの実施形態では、吸引された空気は、任意のフィルタ114を通って、エアロゾル源部材104の吸口端108の開口部から吸入可能な物質を運ぶ。加熱部材132が吸入可能な物質媒体110の内部に配置されると、加熱部材132は、吸入可能な物質媒体110を加熱し、エアロゾル源部材104を通して吸入可能な物質を放出させるように作動され得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、加熱部材132が吸入可能な物質媒体110に配置されるように、エアロゾル源部材104が受容チャンバ136への挿入の適切な距離を達成した際の何らかの表示を提供することが有用であり得る。例えば、エアロゾル源部材104は、その外部(例えば、エアロゾル源部材104の外面)に1つ以上のマーキングを含み得る。他の実施形態では、単一のマークが、この位置を達成するために必要な挿入の深さを示し得る。あるいは、適切な挿入距離は、例えば、受台134に対してなど、受容チャンバ136の基部に対するエアロゾル源部材104の「底打ち」によって、またはエアロゾル源部材104が受容チャンバ136内に十分に挿入されて、吸入可能な物質媒体110に対して加熱部材132を適切な位置に配置したことを消費者が認識および理解することが可能になり得る任意の他のそのような手段によって示されてもよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置100は、加熱組立体の手動制御のために制御構成要素に連結され得る押しボタンを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、消費者は、押しボタンを使用して加熱部材132を通電してもよい。押しボタンに関連付けられた同様の機能が、他の機械的手段または非機械的手段(例えば、磁気または電磁)によって達成されてもよい。したがって、加熱部材132の作動は、単一の押しボタンによって制御され得る。あるいは、様々な動作を別個に制御するために、複数の押しボタンが設けられてもよい。存在する1つ以上の押しボタンは、制御本体102のケーシングと実質的に同一面に位置し得る。
【0131】
任意の押しボタンの代わりに(またはそれに加えて)、本開示の本発明の装置100は、物品に対する消費者の吸引に応答して加熱部材132を通電する(すなわち、吸煙作動式加熱)構成要素を含み得る。例えば、装置は、消費者が物品を吸引する際の圧力変化または空気流変化のいずれかに敏感な流量センサ120(すなわち、吸煙作動式スイッチ)を制御本体102内に含んでもよい。他の好適な電流作動/作動解除機構が、温度作動式オン/オフスイッチまたは唇圧作動式スイッチを含んでもよい。そのような吸煙作動能力を提供することができる例示的な機構には、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部門によって製造されたモデル163PC01D36シリコンセンサが含まれる。このようなセンサを使用すると、消費者が装置を吸引する際の圧力の変化により、加熱部材が迅速に作動され得る。さらに、空気流の変化を感知した後、加熱部材132を十分迅速に通電するために、熱線風速測定法の原理を使用するものなどの流れ感知装置が使用されてもよい。使用され得るまた別の吸煙作動式スイッチは、フロリダ州フォートローダデールのMicro Pneumatic Logic,Inc.製のモデル番号MPL-502-V、レンジAなどの圧力差スイッチである。別の好適な吸煙作動式機構は、所定の閾値圧力を検出するためのコンパレータに連結された感圧変換器(例えば、増幅器または利得段を備える)である。さらに別の好適な吸煙作動式機構は、気流によって偏向されるベーンであり、そのベーンの動きは、運動感知手段によって検出される。さらに別の好適な作動機構は、圧電スイッチである。また、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部門製の好適に接続されたHoneywell MicroSwitch Microbridge Airflow Sensor、部品番号AWM 2100Vも有用である。本開示による加熱回路に使用され得るデマンド操作型(demand-operated)電気スイッチのまた別の例が、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるGerthらの米国特許第4,735,217号明細書に記載されている。他の好適な差動スイッチ、アナログ圧力センサ、流量センサなどが、本開示の知識を有する当業者には明らかであろう。いくつかの実施形態では、吸引中の圧力変化がスイッチによって容易に識別されるように、制御本体102には、吸煙作動式スイッチと受容チャンバ136との間に流体接続を提供する圧力感知管または他の通路が含まれてもよい。本開示に従って有用であり得る他の例示的な吸煙作動式装置は、いずれもBrooksらの米国特許第4,922,901号明細書、米国特許第4,947,874号明細書および米国特許第4,947,874号明細書、McCaffertyらの米国特許第5,372,148号明細書、Fleischhauerらの米国特許第6,040,560号明細書ならびにNguyenらの米国特許第7,040,314号明細書に開示されており、これらのいずれも参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0132】
消費者が装置100の吸口端を吸引すると、電流作動手段が、抵抗加熱部材132を通る電流の流れが制限されないように、または中断されないようにして、急速に熱を生成し得る。急速な加熱のために、(i)加熱部材を通る電流の流れを調整して、抵抗素子の加熱と、それによって生じる温度とを制御し、(ii)吸入可能な物質媒体110の過熱および劣化を防止するために、電流調整構成要素を含むことが有用であり得る。いくつかの実施形態では、電流調整回路は時間基準であり得る。具体的には、そのような回路は、吸引中の最初の期間に亘り、加熱部材を流れる電流の流れが中断されないようにする手段と、続いて、吸引が完了するまで電流の流れを調整するタイマ手段とを含み得る。例えば、続く調整は、加熱部材を所望の温度範囲内に維持するために、電流の流れの急速なオンオフ切り替え(例えば、約1~50ミリ秒ごとのオーダーで)を含むことができる。さらに、調整は、所望の温度が達成されるまで単に電流の流れが中断されないようにすることと、次いで、電流の流れを完全にオフにすることとを含んでもよい。加熱部材は、消費者が物品に対して別の吸煙を開始することにより(または、ヒータを作動させるために使用される、特定のスイッチ実施形態に応じて押しボタンを手動で作動させることにより)再作動されてもよい。あるいは、続く調整は、加熱部材を所望の温度範囲内に維持するために、加熱部材を流れる電流の流れを変調することを伴い得る。いくつかの実施形態では、所望の投与量の吸入可能な物質を放出するために、加熱部材は、約0.2秒~約5.0秒、約0.3秒~約4.0秒、約0.4秒~約3.0秒、約0.5秒~約2.0秒または約0.6秒~約1.5秒の持続時間に亘って通電されてもよい。1つの例示的な時間基準の電流調整回路は、トランジスタ、タイマ、コンパレータおよびキャパシタを含むことができる。好適なトランジスタ、タイマ、コンパレータおよびキャパシタは市販されており、当業者には明らかであろう。例示的なタイマは、NEC ElectronicsからC-1555Cとして、およびGeneral Electric Intersil,Inc.からICM7555として入手可能なもの、ならびに他の様々な大きさおよび構成のいわゆる「555タイマ」である。例示的なコンパレータは、National SemiconductorからLM311として入手可能である。そのような時間基準の電流調整回路の追加の説明は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるBrooksらの米国特許第4,947,874号明細書に提供されている。
【0133】
上記に照らして、加熱部材への電流の作動/作動解除を容易にするために、様々な機構が使用され得ることを理解することができる。例えば、装置は、(消費者による吸引中などに)物品内の電流の流れを調整するためのタイマを含み得る。装置は、加熱部材への電流の流れを有効および無効にするタイマ応答スイッチをさらに含み得る。電流の流れの調整はまた、キャパシタと、規定された速度(例えば、加熱部材が加熱および冷却する速度に近い速度)でキャパシタを充電および放電するための構成要素との使用を含み得る。電流の流れは、特に、吸引中の最初の期間に亘り、加熱部材を流れる電流の流れが中断されないように調整されてもよいが、電流の流れは、吸引が完了するまで、最初の期間の後、オフにされるかオンとオフとに交互にサイクルされてもよい。このようなサイクルは、上述したように、プリセットされた切り替えサイクルを生成することができるタイマによって制御され得る。特定の実施形態では、タイマは周期的なデジタル波形を生成し得る。最初の期間中の流れは、第1の入力での第1の電圧と閾値入力での閾値電圧とを比較し、第1の電圧が閾値電圧に等しい場合に出力信号を生成し、それにより、タイマを有効にするコンパレータを使用することによってさらに調整され得る。そのような実施形態は、閾値入力で閾値電圧を生成するための構成要素と、最初の期間の経過時に第1の入力で閾値電圧を生成するための構成要素とをさらに含み得る。
【0134】
上記のように、装置100の様々な電気部品に電力を供給するために使用される電源124は、様々な実施形態を取り得る。好ましくは、電源は、上記の方法で加熱部材を急速に加熱するのに十分なエネルギーを供給し、複数のエアロゾル源部材104による使用を通じて装置に電力を供給しながら、依然として装置100に都合よく適合することができる。電源の一例は、ドイツのTadiran Batteries GmbHによって製造されるTKI-1550充電式リチウムイオン電池である。別の実施形態では、有用な電源は、日本のSanyo Electric Company,Ltd.によって製造されるN50-AAA CADNICAニッケルカドミウム電池であり得る。他の実施形態では、例えば、それぞれ1.2ボルトを提供する複数のそのような電池が直列に接続されてもよい。充電式二酸化マンガンリチウム電池などの他の電源が使用されてもよい。これらの電池またはそれらの組合せのいずれも電源に使用され得るが、使い捨て電池に関連するコストおよび廃棄の考慮事項のために、充電式電池が好ましい。あるいは、充電式電池が使用される実施形態では、電源124は、標準の120ボルトAC壁コンセントまたは他の供給源、例えば、自動車の電気システム、もしくは別個のポータブル電源から電力を得る従来の充電ユニット(図示せず)の対応する接点と相互作用する充電用接点をさらに含み得る。さらなる実施形態では、電源はまた、キャパシタを具備し得る。キャパシタは、電池よりも速く放電することができ、吸煙の合間に充電することができるため、電池が、加熱部材に直接電力を供給するために使用される場合よりも低い速度でキャパシタに放電することを可能にする。例えば、電池とは別に、または電池と組み合わせて、スーパーキャパシタ、すなわち、電気二重層キャパシタ(EDLC)が使用されてもよい。スーパーキャパシタは、単独で使用される場合、装置100の各使用前に充電されてもよい。したがって、本開示はまた、スーパーキャパシタを蓄電するために使用の合間に装置に取り付けられ得る充電器構成要素を含んでもよい。本開示の特定の実施形態では、薄膜電池が使用されてもよい。
【0135】
上記のように、様々な実施形態では、エアロゾル送達装置100は、1つ以上のインジケータ126を具備し得る。図示される実施形態では、インジケータ136は、制御本体102の端部に示されているが、様々な実施形態では、インジケータ136は、制御本体102の別の部分または他の部分に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、インジケータは、装置の使用の複数の態様の表示を提供可能なライト(例えば、発光ダイオード)であり得る。例えば、一連のライトは、所与のエアロゾル源部材の吸煙の数に対応し得る。具体的には、ライトは、全部のライトが点灯した際にエアロゾル源部材が消費されたことが消費者に通知されるように、各吸煙に伴って連続的に点灯してもよい。あるいは、エアロゾル源部材がハウジングに挿入されると、全部のライトが点灯してもよく、全部のライトが消えると、エアロゾル源部材が消費されたことが消費者に通知されるように、各吸煙に伴ってライトが消えてもよい。さらに他の実施形態では、単一のインジケータのみが存在してもよく、その照明は、電流が加熱部材に流れていて、装置が能動的に加熱していることを示し得る。これにより、消費者が意図せずに能動的な加熱モードで装置を放置しないようにし得る。代替の実施形態では、インジケータの内の1つ以上は、エアロゾル源部材の構成要素であり得る。インジケータは、オン/オフ法の視覚インジケータに関連して上記で説明されているが、他の動作指標も包含される。例えば、視覚インジケータはまた、喫煙経験の進行を示すために、ライトの色または強度の変化を含んでもよい。触覚インジケータおよび可聴インジケータも同様に、本開示に包含される。さらに、そのようなインジケータの組合せが、単一の装置で使用されてもよい。
【0136】
上記の実施形態に加えて、いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体は、一般に「スモークジュース(smoke juice)」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と呼ばれる成分を有する、十分な熱を加えるとエアロゾルを生成することができる液体として構成されてもよい。エアロゾル生成液体の例示的な配合物は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるZhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書に記載されている。
【0137】
本開示の別の実施形態が、
図5~
図8に示されている。特に、
図5~
図8は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置200を示す。エアロゾル送達装置200は、制御本体202およびエアロゾル源部材204を含み得る。様々な実施形態では、エアロゾル源部材204および制御本体202は、機能する関係で恒久的または取り外し可能に位置合わせされ得る。これに関して、
図5は連結した構成のエアロゾル送達装置200を示し、
図6は分離した構成のエアロゾル送達装置200を示す。様々な機構が制御本体202にエアロゾル源部材204を接続して、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、スライド嵌合、磁気係合などをもたらしてもよい。本開示の例示的な実施形態に従って、
図7は、エアロゾル送達装置200の正面概略図を示し、
図8は、エアロゾル送達装置200の断面図を示す。
【0138】
様々な実施形態では、本開示によるエアロゾル送達装置200は、限定するものではないが、実質的に棒状または実質的に管状または実質的に円筒形として画定され得る全体形状を含む、様々な全体形状を有し得る。
図5~
図8の実施形態では、装置200は、実質的に丸い断面を有する。しかしながら、他の断面形状(例えば、楕円形、正方形、三角形など)もまた、本開示に包含される。物品の物理的形状を説明するそのような言語は、制御本体202およびエアロゾル源部材204を含む、その個々の構成要素にも適用され得る。他の実施形態では、制御本体は、小さな箱形など、別の手持ち形を取ってもよい。
【0139】
特定の実施形態では、制御本体202およびエアロゾル源部材204の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。例えば、制御本体202は、交換式電池または充電式電池、固体電池、薄膜固体電池、充電式スーパーキャパシタなどを有してもよく、したがって、壁面充電器への接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルもしくはコネクタ(例えば、USB2.0、3.0、3.1、USBタイプC)などを介したコンピュータへの接続、光電池(時に太陽電池と呼ばれる)、もしくは太陽電池のソーラーパネルとの接続、または誘導無線充電(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)によるQi無線充電規格に準拠した無線充電を含む)を使用する充電器などの無線充電器、または無線周波数(RF)ベースの充電器を含むあらゆる種類の充電技術と組み合わされてもよい。誘導無線充電システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSurらの米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に記載されている。さらに、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材204は、使い捨て装置を含み得る。制御本体と共に使用するための同様の使い捨て構成要素は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されている。
【0140】
図示される実施形態では、エアロゾル源部材204は、制御本体202に挿入されるように構成された被加熱端206と、エアロゾルを生成するためにユーザが吸引する吸口端208とを備える。被加熱端206の少なくとも一部は、吸入可能な物質媒体210を含み得る。以下でさらに詳細に説明するように、吸入可能な物質媒体210は、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、タバコキャストシート、再構成されたタバコ材料もしくはそれらの組合せ、および/または微粉砕タバコの混合物、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物、または任意の無機材料(炭酸カルシウムなど)、任意の香味およびエアロゾル形成材料と混合されて実質的に固体、半固体もしくは成形可能な(例えば、押し出された)基材を形成する他のタバコ形態を含み得る。代表的な種類の固体および半固体の吸入可能な物質媒体構築物および配合物は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるThomasらの米国特許第8,424,538号明細書、Sebastianらの米国特許第8,464,726号明細書、Connerらの米国特許出願公開第2015/0083150号明細書、Ademeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書および2015年6月30日に出願されたNordskogらの米国特許出願公開第2017/0000188号明細書に開示されている。
【0141】
様々な実施形態では、エアロゾル源部材204またはその一部は、エアロゾル源部材204に追加の構造および/または支持を提供するのに有用な任意の材料から形成され得る包装材料212(
図6を参照)に巻かれ得る。様々な実施形態では、エアロゾル源部材204の吸口端208は、酢酸セルロース材料またはポリプロピレン材料から作製され得るフィルタ214を含み得る。フィルタ214は、エアロゾル源部材の吸口端の構造的完全性を高め、および/または所望により濾過能力を提供し、および/または吸引に対する抵抗を提供してもよい。包装材料は、セルロース材料などの紙または他の繊維状材料を含み得る、熱の伝達に抵抗する材料を含み得る。包装材料はまた、繊維状材料内に埋め込まれたまたは分散された少なくとも1つのフィラー材料を含み得る。種々の実施形態では、フィラー材料は、水不溶性粒子の形態を有し得る。さらに、フィラー材料は無機成分を組み込んでもよい。種々の実施形態では、包装は、下にあるバルク層などの複数の層と、紙巻タバコ内の典型的な包装紙などの上にある層とから形成されてもよい。このような材料には、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲藁、および/またはエスパルトなどの軽量の「ラグ繊維(rag fiber)」が含まれ得る。包装はまた、酢酸セルロースなど、従来の紙巻タバコのフィルタ要素に典型的に使用される材料を含み得る。さらに、エアロゾル源部材の吸口端208での上巻きの過剰な長さは、以下に記載されるように、消費者の口から吸入可能な物質媒体210を単に分離するように、もしくはフィルタ材料を配置するための空間を提供するように、または物品に対する吸引に影響を与えるように、もしくは吸引中に装置を出る蒸気もしくはエアロゾルの流れ特性に影響を与えるように機能し得る。本開示と共に使用され得る上巻き材料の構成に関する追加の説明は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に見出され得る。
【0142】
種々の実施形態では、エアロゾル源部材204の吸入可能な物質媒体210と吸口端208との間に他の構成要素が存在してもよく、吸口端208はフィルタ214を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材204の吸入可能な物質媒体210と吸口端208との間に、エアギャップ;冷却空気用の相変化材料;香味放出媒体;選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維;フィルタ媒体としてのエアロゲル粒子;および他の好適な材料の内の1つまたは任意の組合せが配置されてもよい。
【0143】
以下でさらに詳細に説明されるように、本開示は、伝導性熱源を使用して、吸入可能な物質媒体を加熱する。種々の実施形態では、伝導性熱源は、エアロゾル源部材、特に、エアロゾル源部材の吸入可能な物質媒体と直接接触するか、それに近接する加熱部材を含む加熱組立体を備え得る。以下でさらに詳細に説明されるように、加熱組立体および/または加熱部材は、制御本体および/またはエアロゾル源部材に配置され得る。場合によっては、吸入可能な物質媒体は、加熱組立体として機能するか、加熱組立体の機能を促進し得る、吸入可能な物質媒体に埋め込まれるか、吸入可能な物質媒体の一部である複数のビーズまたは粒子を含み得る。
【0144】
一部の装置では、加熱部材は、抵抗加熱要素を備え得る。抵抗加熱要素は、それを通って電流が導かれた際に熱を生成するように構成されてもよい。種々の実施形態では、加熱部材は、箔、発泡体、ディスク、らせん、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、ストリップ、リボンまたは円筒の形態など、様々な形態で設けられてもよい。そのような加熱要素は金属材料を具備することが多く、電流を通すことに関連する電気抵抗の結果として熱を生成するように構成される。そのような抵抗加熱要素は、吸入可能な物質媒体に近接して配置されてもよい。あるいは、加熱部材は、固体または半固体の吸入可能な物質媒体と接触して配置されてもよい。そのような構成は、吸入可能な物質媒体を加熱して、エアロゾルを生成し得る。本開示と共に使用可能であり得る様々な導電性基材が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるGriffithらの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書に記載されている。
【0145】
本開示の例示的な実施形態に従って、
図7は、エアロゾル送達装置200の正面概略図を示し、
図8は、
図7のエアロゾル送達装置200の断面図を示す。図示される実施形態の制御本体202は、その係合端に画定された開口部219を含むハウジング218を備える。制御本体202はまた、流量センサ220(例えば、吸煙センサまたは圧力スイッチ)と、制御構成要素223(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としての処理回路、マイクロプロセッサおよび/またはマイクロコントローラを含むプリント回路基板(PCB)など)と、電源224(例えば、充電式であってよい電池、および/または充電式スーパーキャパシタ)と、インジケータ226(例えば、発光ダイオード(LED))を含む端部キャップとを含む。一実施形態では、インジケータ226は、1つ以上の発光ダイオード、量子ドットベースの発光ダイオードなどを備えてもよい。インジケータ226は、制御構成要素223と通信し、例えば、制御本体202に連結された際に、ユーザがエアロゾル源部材204を吸引すると、流量センサ220によって検出されるのに従って点灯されてもよい。以下でさらに詳細に説明されるように、この例示的な実施形態のエアロゾル送達装置200はまた、外側シリンダ230および二部品構成加熱部材232、233を含む加熱組立体228を含む。
【0146】
上記のように、種々の動作の視覚インジケータおよび/または動作の触覚インジケータおよび/または動作の音響インジケータも同様に本開示に包含される。加えて、出願人は、例示的な本実施形態にも適用可能な、
図1~
図4に関して上述した種々の可能な電源、流量センサ、代表的な電流調整構成要素、他の電気部品、および追加の構成要素に言及する。
【0147】
図7および
図8を再び参照すると、図示される実施形態の制御本体202は、エアロゾル源部材204の吸入可能な物質媒体210を加熱するように構成された加熱組立体228を含む。本開示の様々な実施形態の加熱組立体は様々な形態を取り得るが、
図7および
図8に示される特定の実施形態では、加熱組立体228は、外側シリンダ230、および基部加熱部材232と複数のヒータ突起235を含む基材加熱部材233とを具備する二部品構成加熱部材232を備える。図示される実施形態では、外側シリンダ230および基部加熱部材232は制御本体202に配置され、基材加熱部材233は、吸入可能な物質媒体210に近接してエアロゾル源部材204に配置される。このように、エアロゾル源部材204の基材加熱部材233は、基部加熱部材232によって受容される、および/または他の方法で基部加熱部材232と係合するように構成されてもよい。特に、図示される実施形態では、基部加熱部材232は、基材加熱部材233の対応する配置機構239によって受容される、および/または他の方法で基材加熱部材233の対応する配置機構239と係合するように構成された1つ以上の配置機構237を含む。例えば、図示される実施形態では、基部加熱部材232の配置機構237は、基材加熱部材233の1つ以上の対応する丸みを帯びた受容ノッチ(すなわち、「雌型」接続構成要素)によって嵌合受容されるように構成された1つ以上の丸みを帯びた突起部(すなわち、「雄型」接続構成要素)を含む。他の同様の実施形態では、そのような接続構成要素の相対的な構成は、例えば、雄型受容構成要素が基材加熱部材233の一部であり、雌型接続構成要素が基部加熱部材232の一部であるように逆にされ得ることに留意されたい。
【0148】
基材加熱部材233と基部加熱部材232との係合をさらに補助するために、いくつかの実施形態では、基部加熱部材232または基材加熱部材233の一方または両方は、強磁性材料から構築されるか、そうでなければ強磁性材料を含み得る。したがって、基材加熱部材233および基部加熱部材232は、構成要素間の係合をさらに補助するために、互いに磁気的に引き付けられるように構成されてもよい。このように、および丸みを帯びた配置機構237、239の構成と組み合わせて、基材加熱部材233および基部加熱部材232は、互いにスナップ結合し、および/または他の方法で自己配置され得る。いくつかの実施形態では、基部加熱部材232は、電源224によって電力を供給される電磁石を備えてもよく、制御構成要素223による制御を介して、磁化状態と消磁状態との間(およびその逆)で電気的に作動されるように構成されてもよい。このように、制御本体202とエアロゾル源部材204との間に磁気連結が生成され得る。このような実施形態では、制御構成要素223は、例えば、制御構成要素223が、エアロゾル源部材204がその容量まで使用されたこと、および/または吸入可能な物質媒体210が枯渇したことを決定した場合などの1つ以上の条件で、電磁基部加熱部材232を消磁してエアロゾル源部材204を排出するようにさらに構成されてもよい。
【0149】
いくつかの実施形態では、制御本体202は、エアロゾル源部材204を認証するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材204の構成要素(例えば、基材加熱部材233)は、集積回路、メモリ部品、センサなどを含み得る1つ以上の電子部品(例えば、RFIDタグ)を含み得る。種々の実施形態では、エアロゾル源部材204の電子部品は、有線または無線手段によって、制御構成要素223および/または外部装置と通信するように構成され得る。RFIDタグを含むエアロゾル送達システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるLambらの米国特許出願公開第2017/0020191号明細書に記載されている。
【0150】
図示される実施形態では、外側シリンダ230は、外側シリンダ230内に基部加熱部材232および基材加熱部材233によって生成された熱を維持し、さらに詳細には、吸入可能な物質媒体210内に基部加熱部材232および基材加熱部材233によって生成された熱を維持するために、ステンレス鋼から構築された二重真空チューブを備える。種々の実施形態では、基部加熱部材232および/または基材加熱部材233は、同じ材料または異なる材料から構築されてもよい。例えば、基部加熱部材232および基材加熱部材233の一方または両方は、限定するものではないが、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、鋼、真鍮、青銅、グラファイトまたはそれらの任意の組合せを含むもう1つの導電性材料から構築されてもよい。いくつかの実施形態では、これらの材料の内の1つ以上が、別の材料に埋め込まれるか、別の方法で別の材料に含まれ得る。例えば、いくつかの実施形態では、基部加熱部材232または基材加熱部材233の一方または両方は、その中に埋め込まれるか、別の方法でその中に含まれる導電性金属材料を含むセラミック材料から構築され得る。当業者が理解するように、エアロゾル源部材または制御本体の一方または両方が使い捨て可能であるように構成される実施形態など、持続可能性の考慮事項に照らして、様々な材料の選択が行われ得る。
【0151】
図示されるように、加熱組立体228は、ハウジング218の係合端に近接して延在してもよく、吸入可能な物質媒体210を含むエアロゾル源部材204の被加熱端206の一部を実質的に囲むように構成されてもよい。このように、加熱組立体228は、ほぼ管状の構成を画定してもよい。
図7および
図8に示すように、外側シリンダ230は、受容チャンバ236を形成する。このように、外側シリンダ230は、限定するものではないが、絶縁性ポリマー(例えば、プラスチックまたはセルロース)、ガラス、ゴム、セラミック、磁器、二重真空構造体またはそれらの任意の組合せを含む非導電性の断熱材および/または構築物を具備し得る。
【0152】
上記のように、図示される実施形態では、外側シリンダ230はまた、エアロゾル源部材204がハウジング218に挿入されるときに、エアロゾル源部材204の適切な配置を容易にするように機能し得る。種々の実施形態では、加熱組立体228の外側シリンダ230は、ハウジング218の内面と係合して、ハウジング218に対して加熱組立体228を位置合わせさせてもよい。これにより、加熱組立体228間の固定された連結の結果として、加熱組立体228の長手方向軸が、ハウジング218の長手方向軸に実質的に平行に延在し得る。特に、支持シリンダ230は、需要チャンバ236を形成するように、ハウジング218の開口部219から基部加熱部材232まで延在してもよい。図示される実施形態では、外側シリンダ230の内径は、対応するエアロゾル源部材204の外径よりもわずかに大きいか、対応するエアロゾル源部材204の外径にほぼ等しくてよく(例えば、スライド嵌合を形成するため)、その結果、外側シリンダ230は、制御本体202に対してエアロゾル源部材204を適切な位置(例えば、側方位置)に案内するように構成される。
【0153】
図示される実施形態では、基材加熱部材233のヒータ突起235は、エアロゾル源部材204の被加熱端206の吸入可能な物質媒体210の少なくとも一部のほぼ半径方向中心に配置される。このように、固体または半固体の吸入可能な物質媒体210と組み合わせて使用される場合、ヒータ突起235は、吸入可能な物質媒体210と直接接触していてもよい。他の実施形態では、例えば、管構造体を画定する押出成形された吸入可能な物質媒体と組み合わせて使用される場合、ヒータ突起235は、押出管構造体の内面によって画定されるキャビティの内側に配置されてもよく、押出管構造体の内面に接触しない。
【0154】
図7および
図8を再び参照すると、使用中、消費者は、加熱組立体228、特に基部加熱部材232の加熱を開始する。これはまた、基部加熱部材232と基材加熱部材233との係合に起因して、熱伝達により、吸入可能な物質媒体210(またはその特定の層)に隣接する基材加熱部材233の加熱を開始する。吸入可能な物質媒体210の加熱は、エアロゾル源部材204内の吸入可能な物質を放出して、吸入可能な物質を生成する。消費者がエアロゾル源部材204の吸口端208を吸入すると、制御本体202の開口部または隙間222を通ってエアロゾル源部材204に空気が吸引される。吸引された材料がエアロゾル源部材204の吸口端208を出る際に、吸引された空気と放出された吸入可能な物質との組合せが消費者によって吸入される。いくつかの実施形態では、消費者は、加熱組立体の加熱部材が電池または他のエネルギー源から電気エネルギーを受け取って加熱を開始するために、押しボタンまたは同様の構成要素を手動で作動させることができる。電気エネルギーは、所定の長さの時間に亘って供給されてもよいし、手動で制御されてもよい。いくつかの実施形態では、電気エネルギーの流れは、装置を用いた吸煙の合間に実質的に継続しない(ただし、エネルギー流は、周囲温度よりも高いベースライン温度(例えば、作動加熱温度への急速加熱を容易にする温度)を維持するように継続してもよい)。しかしながら、図示される実施形態では、加熱は、流量センサ220などの1つ以上のセンサを使用することによる消費者の吸煙動作によって開始される。吸煙が中止されると、加熱が停止するか減少される。消費者が十分な数の吸煙を行って、十分な量の吸入可能な物質(例えば、典型的な喫煙経験と同等となるのに十分な量)を放出すると、エアロゾル源部材204は、制御本体202から取り外され、捨てられ得る。いくつかの実施形態では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPhillipsらの米国特許出願第15/707,461号明細書で説明されているように、静電容量感知要素および他のセンサなどの追加の感知要素が使用されてもよい。
【0155】
種々の実施形態では、エアロゾル源部材204は、管状などの適切な構造を形成および維持し、その中に吸入可能な物質媒体210を保持するのに適した任意の材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材204は、単一の壁または他の実施形態では複数の壁から形成されてもよく、本明細書でさらに説明されるように、電気加熱部材によって提供される加熱温度である、少なくともある温度で、その構造的完全性を維持する(例えば、劣化しない)ように耐熱性の材料(天然または合成)から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、耐熱性ポリマーが使用され得るが、他の実施形態では、エアロゾル源部材204は、実質的にストロー状の紙などの紙から形成されてもよい。本明細書でさらに説明されるように、エアロゾル源部材204は、それを通る蒸気の移動を実質的に防止するように機能する、それに関連する1つ以上の層を有し得る。例示的な一実施形態では、アルミニウム箔層が、エアロゾル源部材の1つの表面に積層され得る。セラミック材料も使用され得る。さらなる実施形態では、吸入可能な物質媒体から熱を不必要に移動させないように、断熱材が使用されてもよい。さらに、出願人は、
図1~
図4に関して、上述したように、吸入可能な物質媒体を含むエアロゾル源部材の種々の可能な寸法、追加の構成要素、および可能な組成に言及する。
【0156】
図7および
図8を再び参照すると、エアロゾル源部材204の被加熱端206は、制御本体202に挿入するための寸法を有して形成される。種々の実施形態では、制御本体202の受容チャンバ236は、内面および外面を有する壁によって画定され、内面が受容チャンバ236の内部容積を規定すると特徴付けられ得る。例えば、図示される実施形態では、外側シリンダ230は、受容チャンバ236の内部容積を規定する内面を画定する。したがって、エアロゾル源部材204の最大外径(または実施形態の特定の断面形状に応じた他の寸法)は、制御本体202の受容チャンバ236の開放端の壁の内面での内径(または他の寸法)よりも小さい寸法であり得る。いくつかの実施形態では、それぞれの直径の差は、エアロゾル源部材が受容チャンバ236にぴったりと合い、摩擦力が、エアロゾル源部材204が力を加えられることなく移動するのを防ぐように十分に小さくてよい。一方、この差は、エアロゾル源部材204が過度の力を必要とせずに受容チャンバ236に滑り込むまたは受容チャンバ236から滑り出るのを可能にするのに十分であり得る。
【0157】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置200の全体的な寸法は、紙巻タバコまたは葉巻の形状に匹敵する寸法を取り得る。したがって、装置は、約5mm~約25mm、約5mm~約20mm、約6mm~約15mmまたは約6mm~約10mmの直径を有し得る。種々の実施形態では、そのような寸法は、制御本体202の外径に特に対応し得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材204は、約4mm~約6mmの直径を有し得る。加えて、制御本体202およびエアロゾル源部材は、同様に、全長に関して特徴付けられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、制御本体は、約40mm~約120mm、約45mm~約110mmまたは約50mm~約100mmの長さを有し得る。エアロゾル源部材は、約20mm~約60mm、約25mm~約55mmまたは約30mm~約50mmの長さを有し得る。図示される実施形態では、制御本体202は、基部加熱部材232および基材加熱部材233に電力を供給することを含め、エアロゾル送達装置200の様々な機能を制御する制御構成要素223を含む。例えば、制御構成要素223は、導電性ワイヤ(図示せず)によって電源224に接続された制御回路(本明細書でさらに説明されるように、追加の構成要素に接続され得る)を含み得る。例えば、
図15に示される、上述されたような、エアロゾル送達装置の回路図が参照される。種々の実施形態では、制御回路は、加熱組立体228、特に基部加熱部材232が、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出のために、基材加熱部材233、ひいては吸入可能な物質媒体210を加熱するための電気エネルギーをいつどのように受け取るかを制御し得る。いくつかの実施形態では、そのような制御は、以下でさらに詳細に説明される流量センサおよび/または感圧スイッチの作動などによって作動されてもよい。
【0158】
上記のように、制御構成要素は、吸入可能な物質媒体210に提供される熱量を厳密に制御するように構成され得る。エアロゾル形成物質を十分な体積で揮発させて、一回の吸煙に所望の投与量の吸入可能な物質を提供するのに必要な熱は、使用される特定の物質ごとに異なり得るが、いくつかの実施形態では、加熱部材は、少なくとも120℃、少なくとも130℃または少なくとも140℃の温度に加熱し得る。いくつかの実施形態では、適切な量のエアロゾル形成物質を揮発させ、ひいては所望の投与量の吸入可能な物質を提供するために、加熱温度は、少なくとも150℃、少なくとも200℃、少なくとも220℃、少なくとも300℃または少なくとも350℃あり得る。しかしながら、エアロゾル形成物質の劣化および/または過度の早期揮発を回避するために、約550℃を実質的に超える温度に加熱することを回避することが特に望ましい場合がある。特に、加熱は、吸入可能な物質媒体の著しい燃焼(好ましくはあらゆる燃焼)を回避するように、十分に低い温度および十分に短い時間であるべきである。本開示は、特に、比較的低温で所望の量の吸入可能な物質を生成する組合せおよび使用様式で、本装置の構成要素を提供し得る。したがって、収量とは、装置内でのエアロゾルの生成と装置から消費者への送達との一方または両方を指す場合がある。特定の実施形態では、加熱温度は、約130℃~約310℃、約140℃~約300℃、約150℃~約290℃、約170℃~約270℃または約180℃~約260℃であり得る。他の実施形態では、加熱温度は、約210℃~約390℃、約220℃~約380℃、約230℃~約370℃、約250℃~約350℃または約280℃~約320℃であり得る。
【0159】
以下でさらに詳細に説明されるように、加熱の持続時間は、いくつかの要因によって制御され得る。本明細書にさらに記載されるように、加熱温度および持続時間は、エアロゾル送達装置を通って引き込まれることが望まれるエアロゾルおよび周囲空気の所望の体積に応じて決まり得る。しかしながら、装置は、所望の温度に到達するまでに限って加熱部材が通電されるように構成され得るため、持続時間は、加熱部材の加熱速度に応じて変化し得る。あるいは、加熱の持続時間は、消費者による物品を用いた吸煙の持続時間に結び付けられてもよい。一般に、加熱の温度および時間は、上記のように、制御ハウジングに収容された1つ以上の構成要素によって制御される。出願人は、例示的な本実施形態にも適用可能な、
図1~
図4に関して上述した種々の可能な制御構成要素および関連機能に言及する。
【0160】
種々の実施形態では、電気加熱組立体は、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出を促進するのに十分な熱を提供するのに適した任意の機器を含み得る。特定の実施形態では、電気加熱組立体は、抵抗加熱部材を含み得る。有用な加熱部材は、低質量と、低密度と、中程度の抵抗率とを有し、使用中に経験される温度で熱的に安定なものであり得る。有用な加熱部材は急速に加熱および冷却するため、エネルギーを効率的に使用する。また、要素を急速に加熱すると、エアロゾル形成物質がほぼ即時に揮発する。急速な冷却は、エアロゾル形成が望まれない期間中のエアロゾル形成物質の実質的な揮発(したがって浪費)を防ぐ。このような加熱部材は、特に時間基準の電流制御が使用される場合、エアロゾル形成物質が経験する温度範囲の比較的正確な制御も可能にする。有用な加熱部材はまた、生成されるエアロゾルまたは蒸気の香味または含有量に悪影響を及ぼさないように、加熱される吸入可能な物質媒体を含む材料と化学的に非反応性である。出願人は、例示的な本実施形態にも適用可能な、
図1~
図4に関して上述した加熱部材のための様々な可能な材料にさらに言及する。
【0161】
図7および
図8に見られるように、図示される実施形態の電気加熱組立体228は、外側シリンダ230と、制御本体202の基部加熱部材232およびエアロゾル源部材204の基材加熱部材233を具備する二部品型加熱部材とを備え、基材加熱部材233は、複数のヒータ突起235を含む。吸入可能な物質媒体が管構造体を備えるものなどのいくつかの実施形態では、ヒータ凸部235は、吸入可能な物質媒体の内面によって画定されるキャビティの中に延在するように構成され得る。吸入可能な物質媒体が固体または半固体の構造体を含む、図示される実施形態などの他の実施形態では、複数のヒータ突起235は、吸入可能な物質媒体210の中に延在する。図示される実施形態では、基材加熱部材233の端面の周りに実質的に均等に分布された複数のヒータ突起が存在するが、他の実施形態では、任意の他の好適な空間構成と共に、わずか1つを含む任意の数のヒータ突起が使用され得ることに留意されたい。さらに、種々の実施形態では、ヒータ突起の長さは変化し得る。例えば、図示される実施形態では、ヒータ突起は比較的短い距離を延在するが、他の実施形態では、ヒータ突起は、吸入可能な物質媒体210の最大約25%、最大約50%、最大75%およびほぼ全長までを含め、吸入可能な物質媒体210の長さの任意の部分に延在し得る。加えて、種々の実施形態では、基材加熱部材233および吸入可能な物質媒体210の相対的な全体的な寸法は変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、基材加熱部材233の直線長さは、吸入可能な物質媒体210の直線長さよりも長くても、吸入可能な物質媒体210の直線長さに等しくても、吸入可能な物質媒体210の直線長さよりも短くてもよい。いくつかの実施形態では、基材加熱部材の長さは、約10mm~約14mmとすることができ、いくつかの実施形態では、約12mmとすることができる。いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体の長さは、約19mm~約23mmとすることができ、いくつかの実施形態では、約21mmとすることができる。他の実施形態では、基材加熱部材233は、例えば、円筒形または管状の形状を有する基材加熱部材など、突起を含まない異なる構成を有してもよい。出願人は、例示的な本実施形態にも適用可能な、
図1~
図4に関して上述した様々な他の可能なヒータ構成にさらに言及する。
【0162】
本発明の装置200によって放出される吸入可能な材料の量は、吸入可能な材料の性質に基づいて変化し得る。好ましくは、装置200は、使用の過程に亘って所望の量を放出するのに十分な時間に亘って十分な温度で機能するように、十分な量の任意のエアロゾル前駆体と共に、十分な量の吸入可能な材料により構成される。量は、装置200からの単一の吸入で提供されてもよいか、比較的短い時間(例えば、30分未満、20分未満、15分未満、10分未満または5分未満)に亘って物品からの数回の吸煙を通して提供されるように分割されてもよい。送達され得るニコチンレベルおよび湿潤全粒子状物質の例は、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている。
【0163】
種々の実施形態では、制御本体202は、受容チャンバ236の内部への周囲の空気の進入を可能にするために、その中に1つ以上の隙間222を含み得る。このように、基部加熱部材232および基材加熱部材233は、開口部または隙間も含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、消費者がエアロゾル源部材204の吸口端を吸引すると、空気が、制御本体202に引き込まれ、基部加熱部材232および基材加熱部材233を通って、ならびに吸入可能な物質媒体210を通って、消費者によって吸入され得る。いくつかの実施形態では、吸引された空気は、任意のフィルタ214を通って、エアロゾル源部材204の吸口端208の開口部から吸入可能な物質を運ぶ。基材加熱部材233が吸入可能な物質媒体210に近接して、または吸入可能な物質媒体210の内部に配置されると、加熱部材232、233は、吸入可能な物質媒体210を加熱し、エアロゾル源部材204を通して吸入可能な物質を放出させるように作動され得る。
【0164】
例えば、磁性材料が使用されないいくつかの実施形態などのいくつかの実施形態では、エアロゾル源部材204が受容チャンバへの挿入の適切な距離を達成した際の表示を提供することが有用であることができ、それにより、基部加熱部材232および基材加熱部材233は、互いに対して適切に配置される。例えば、エアロゾル源部材204は、その外部(例えば、エアロゾル源部材204の外面)に1つ以上のマーキングを含み得る。他の実施形態では、単一のマークが、この位置を達成するために必要な挿入の深さを示し得る。あるいは、適切な挿入距離は、受容チャンバの基部に対するエアロゾル源部材の「底打ち」によって、またはエアロゾル源部材204が受容チャンバ236内に十分に挿入されて、加熱部材232、233を互いに対して配置したことを消費者が認識および理解することが可能になり得る、任意の他のそのような手段によって示されてもよい。
【0165】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置200は、加熱組立体の手動制御のために制御構成要素に連結され得る押しボタンを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、消費者は、押しボタンを使用して基部加熱部材232を通電してもよい。押しボタンに関連付けられた同様の機能が、他の機械的手段または非機械的手段(例えば、磁気または電磁)によって達成されてもよい。したがって、基部加熱部材232の作動は、単一の押しボタンによって制御され得る。あるいは、様々な動作を別個に制御するために、複数の押しボタンが設けられてもよい。1つ以上存在する押しボタンは、制御本体202のケーシングと実質的に同一面に位置し得る。
【0166】
任意の押しボタンの代わりに(またはそれに加えて)、本開示の本発明の装置200は、物品に対する消費者の吸引に応答して基部加熱部材232を通電する(すなわち、吸煙作動式加熱)構成要素を含み得る。例えば、装置は、消費者が物品を吸引する際の圧力変化または空気流変化のいずれかに敏感な流量センサ220(すなわち、吸煙作動式スイッチ)を制御本体202内に含んでもよい。他の好適な電流作動/作動解除機構が、温度作動式オン/オフスイッチまたは唇圧作動式スイッチを含んでもよい。そのような吸煙作動能力を提供することができる例示的な機構には、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部門によって製造されたモデル163PC01D36シリコンセンサが含まれる。このようなセンサを使用すると、消費者が装置を吸引する際の圧力の変化により、加熱部材が迅速に作動され得る。さらに、空気流の変化を感知した後、基部加熱部材232を十分迅速に通電するために、熱線風速測定法の原理を使用するものなどの流れ感知装置が使用されてもよい。使用され得るまた別の吸煙作動式スイッチは、フロリダ州フォートローダデールのMicro Pneumatic Logic,Inc.製のモデル番号MPL-502-V、レンジAなどの圧力差スイッチである。別の好適な吸煙作動式機構は、所定の閾値圧力を検出するためのコンパレータに連結された感圧変換器(例えば、増幅器または利得段を備える)である。出願人は、例示的な本実施形態にも適用可能な、
図1~
図4に関して上述した様々な他の可能な吸煙作動式機構および他のスイッチ、センサなどにさらに言及する。消費者が装置200の吸口端を吸引すると、電流作動手段が、抵抗基部加熱部材232を通る電流の流れが制限されないように、または中断されないようにして、急速に熱を生成し得る。急速な加熱のために、(i)加熱部材を通る電流の流れを調整して、抵抗素子の加熱と、それによって生じる温度とを制御し、(ii)吸入可能な物質媒体210の過熱および劣化を防止するために、電流調整構成要素を含むことが有用であり得る。いくつかの実施形態では、電流調整回路は特に時間基準であり得る。出願人は、例示的な本実施形態にも適用可能な、
図1~
図4に関して上述した時間基準の回路を含め、加熱部材に関連する様々な可能な電流調整回路にさらに言及する。
【0167】
上記のように、装置200の様々な電気部品に電力を供給するために使用される電源224は、種々の実施形態を取り得る。好ましくは、電源は、上記の方法で加熱部材を急速に加熱するのに十分なエネルギーを供給し、複数のエアロゾル源部材204による使用を通じて装置に電力を供給しながら、依然として装置200に都合よく適合することができる。電源の一例は、ドイツのTadiran Batteries GmbHによって製造されるTKI-1550充電式リチウムイオン電池である。別の実施形態では、有用な電源は、日本のSanyo Electric Company,Ltd.によって製造されるN50-AAA CADNICAニッケルカドミウム電池であり得る。他の実施形態では、例えば、それぞれ1.2ボルトを提供する複数のそのような電池が直列に接続されてもよい。充電式二酸化マンガンリチウム電池などの他の電源が使用されてもよい。これらの電池またはそれらの組合せのいずれも電源に使用され得る、使い捨て電池に関連するコストおよび廃棄の考慮事項のために、充電式電池が好ましい。あるいは、充電式電池が使用される実施形態では、電源224は、標準の120ボルトAC壁コンセントまたは他の供給源、例えば、自動車の電気システム、もしくは別個のポータブル電源から電力を得る従来の充電ユニット(図示せず)の対応する接点と相互作用する充電用接点をさらに含み得る。さらなる実施形態では、電源はまた、キャパシタを含み得る。キャパシタは、電池よりも速く放電することができ、吸煙の合間に充電することができるため、電池が、加熱部材に直接電力を供給するために使用される場合よりも低い速度でキャパシタに放電することを可能にする。例えば、電池とは別に、または電池と組み合わせて、スーパーキャパシタ、すなわち、電気二重層キャパシタ(EDLC)が使用されてもよい。スーパーキャパシタは、単独で使用される場合、装置200の各使用前に充電されてもよい。したがって、本開示はまた、スーパーキャパシタを補充するために使用の合間に装置に取り付けられ得る充電器構成要素を含んでもよい。本開示の特定の実施形態では、薄膜電池が使用されてもよい。
【0168】
上記のように、種々の実施形態では、エアロゾル送達装置200は、1つ以上のインジケータ226を具備し得る。図示される実施形態では、インジケータ236は、制御本体202の端部に示されているが、種々の実施形態では、インジケータ236は、制御本体202の別の部分または他の部分に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、インジケータは、装置の使用の複数の態様の表示を提供し得るライト(例えば、発光ダイオード)であり得る。例えば、一連のライトは、所与のエアロゾル源部材の吸煙の数に対応し得る。具体的には、ライトは、全部のライトが点灯した際に、エアロゾル源部材が消費されたことが消費者に通知されるように、各吸煙に伴って連続的に点灯してもよい。あるいは、エアロゾル源部材がハウジングに挿入されると、全部のライトが点灯してもよく、全部のライトが消えると、エアロゾル源部材が消費されたことが消費者に通知されるように、各吸煙に伴ってライトが消えてもよい。さらに他の実施形態では、単一のインジケータのみが存在してもよく、その照明は、電流が加熱部材に流れていて、装置が能動的に加熱していることを示得る。これにより、消費者が意図せずに能動的な加熱モードで装置を放置しないようにし得る。代替の実施形態では、インジケータの内の1つ以上は、エアロゾル源部材の構成要素であり得る。インジケータは、オン/オフ法の視覚インジケータに関連して上記で説明されているが、他の動作指標も包含される。例えば、視覚インジケータはまた、喫煙経験の進行を示すために、ライトの色または強度の変化を含んでもよい。触覚インジケータおよび可聴インジケータも同様に、本開示に包含される。さらに、そのようなインジケータの組合せが、単一の装置で使用されてもよい。
【0169】
上記の実施形態に加えて、いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体は、一般に「スモークジュース(smoke juice)」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と呼ばれる成分を有する、十分な熱を加えるとエアロゾルを生成することができる液体として構成されてもよい。エアロゾル生成液体の例示的な配合物は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるZhengらの米国特許出願公開第2013/0008457号明細書に記載されている。
【0170】
本開示の別の実施形態は、
図9~
図12に示されている。特に、
図9~
図12は、本開示の例示的な実施形態によるエアロゾル送達装置300を示す。エアロゾル送達装置300は、制御本体302およびエアロゾル源部材304を含み得る。種々の実施形態では、エアロゾル源部材304および制御本体302は、機能する関係で恒久的または取り外し可能に位置合わさせられ得る。これに関して、
図9は連結した構成のエアロゾル送達装置300を示し、
図10は分離した構成のエアロゾル送達装置300を示す。様々な機構が制御本体302にエアロゾル源部材304を接続して、ねじ係合、圧入係合、締まり嵌め、スライド嵌合、磁気係合などをもたらしてもよい。本開示の例示的な実施形態に従って、
図11は、エアロゾル送達装置300の正面概略図を示し、
図12は、エアロゾル送達装置300の断面図を示す。
【0171】
種々の実施形態では、本開示によるエアロゾル送達装置300は、限定するものではないが、実質的に棒状または実質的に管状または実質的に円筒形として画定され得る全体形状を含む様々な全体形状を有し得る。
図9~
図12の実施形態では、装置300は、実質的に円形断面を有する。しかしながら、他の断面形状(例えば、楕円形、正方形、三角形など)もまた、本開示に包含される。物品の物理的形状を説明するそのような言語は、制御本体302およびエアロゾル源部材304を含む、その個々の構成要素にも適用可され得る。他の実施形態では、制御本体は、小さな箱形など、別の手持ち形を取ってもよい。
【0172】
特定の実施形態では、制御本体302およびエアロゾル源部材304の一方または両方は、使い捨て可能であるか、再使用可能であると称され得る。例えば、制御本体302は、交換式電池または充電式電池、固体電池、薄膜固体電池、充電式スーパーキャパシタなどを有してもよく、したがって、壁面充電器への接続、自動車の充電器(すなわち、シガーソケット)への接続、およびユニバーサルシリアルバス(USB)ケーブルもしくはコネクタ(例えば、USB2.0、3.0、3.1、USBタイプC)などを介したコンピュータへの接続、光電池(時に太陽電池と呼ばれる)、もしくは太陽電池のソーラーパネルとの接続、または誘導無線充電(例えば、Wireless Power Consortium(WPC)によるQi無線充電規格に準拠した無線充電を含む)を使用する充電器などの無線充電器、または無線周波数(RF)ベースの充電器を含むあらゆる種類の充電技術と組み合わされてもよい。誘導無線充電システムの例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるSurらの米国特許出願公開第2017/0112196号明細書に記載されている。さらに、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材304は、使い捨て装置を含み得る。制御本体と共に使用するための同様の使い捨て構成要素は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるChangらの米国特許第8,910,639号明細書に開示されている。
【0173】
図示される実施形態では、エアロゾル源部材304は、制御本体302に挿入されるように構成された被加熱端306と、エアロゾルを生成するためにユーザが吸引する吸口端308とを備える。被加熱端306の少なくとも一部は、吸入可能な物質媒体310を含み得る。以下でさらに詳細に説明するように、吸入可能な物質媒体310は、タバコ含有ビーズ、タバコ細断片、タバコ細片、タバコキャストシート、再構成されたタバコ材料もしくはそれらの組合せ、および/または微粉砕タバコの混合物、タバコ抽出物、噴霧乾燥タバコ抽出物、または任意の無機材料(炭酸カルシウムなど)、任意の香味およびエアロゾル形成材料と混合されて実質的に固体、半固体もしくは成形可能な(例えば、押出成形可能な)基材を形成する他のタバコ形態を含み得る。代表的な種類の固体および半固体の吸入可能な物質媒体構築物および配合物は、いずれも参照により本明細書に組み込まれるThomasらの米国特許第8,424,538号明細書、Sebastianらの米国特許第8,464,726号明細書、Connerらの米国特許出願公開第2015/0083150号明細書、Ademeらの米国特許出願公開第2015/0157052号明細書および2015年6月30日に出願されたNordskogらの米国特許出願公開第2017/0000188号明細書に開示されている。
【0174】
種々の実施形態では、エアロゾル源部材304またはその一部は、エアロゾル源部材304に追加の構造および/または支持を提供するのに有用な任意の材料から形成され得る上包材料312に巻かれ得る。種々の実施形態では、エアロゾル源部材304の吸口端308は、酢酸セルロース材料またはポリプロピレン材料から作製可能なフィルタ314を含み得る。フィルタ314は、エアロゾル源部材の吸口端の構造的完全性を高め、および/または所望により濾過能力を提供し、および/または吸引に対する抵抗を提供してもよい。上包材料は、セルロース材料などの紙または他の繊維状材料を含み得る、熱の伝達に抵抗する材料を具備し得る。上包材料はまた、繊維状材料内に埋め込まれた、または分散された少なくとも1つのフィラー材料を含み得る。種々の実施形態では、フィラー材料は、水不溶性粒子の形態を有し得る。さらに、フィラー材料は無機成分を組み込んでもよい。種々の実施形態では、包装は、下にあるバルク層などの複数の層と、紙巻タバコ内の典型的な包装紙などの上にある層とから形成されてもよい。このような材料には、例えば、亜麻、麻、サイザル麻、稲わら、および/またはエスパルトなどの軽量の「ラグ繊維(rag fiber)」が含まれ得る。包装はまた、酢酸セルロースなど、従来の紙巻タバコのフィルタ要素に典型的に使用される材料を含み得る。さらに、エアロゾル源部材の吸口端308での包装の過剰な長さは、以下に記載されるように、消費者の口から吸入可能な物質媒体310を単に分離するように、もしくはフィルタ材料を配置するための空間を提供するように、または物品に対する吸引に影響を与えるように、もしくは吸引中に装置を出る蒸気もしくはエアロゾルの流れ特性に影響を与えるように機能し得る。本開示と共に使用され得る上巻き材料の構成に関する追加の説明は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に見出され得る。
【0175】
種々の実施形態では、エアロゾル源部材304の吸入可能な物質媒体310と吸口端308との間に他の構成要素が存在してもよく、吸口端308はフィルタ314を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材304の吸入可能な物質媒体310と吸口端308との間に、エアギャップ;冷却空気用の相変化材料;香味放出媒体;選択的化学吸着が可能なイオン交換繊維;フィルタ媒体としてのエアロゲル粒子;および他の好適な材料の内の1つまたは任意の組合せが配置されてもよい。
【0176】
以下でさらに詳細に説明されるように、本開示は、伝導性熱源を使用して、吸入可能な物質媒体を加熱する。種々の実施形態では、伝導性熱源は、エアロゾル源部材、特に、エアロゾル源部材の吸入可能な物質媒体と直接接触するか、それに近接する加熱部材を含む加熱組立体を具備し得る。以下でさらに詳細に説明されるように、加熱組立体および/または加熱部材は、制御本体および/またはエアロゾル源部材に配置され得る。場合によっては、吸入可能な物質媒体は、加熱組立体として機能するか、加熱組立体の機能を促進し得る、吸入可能な物質媒体に埋め込まれるか、吸入可能な物質媒体の一部である複数のビーズまたは粒子を含み得る。
【0177】
一部の装置では、加熱部材は、抵抗加熱要素を具備し得る。抵抗加熱要素は、それを通って電流が導かれた際に熱を生成するように構成されてもよい。種々の実施形態では、加熱部材は、箔、発泡体、ディスク、らせん、繊維、ワイヤ、フィルム、糸、ストリップ、リボンまたは円筒の形態など、種々の形態で設けられてもよい。そのような加熱要素は金属材料を含むことが多く、電流を通すことに関連する電気抵抗の結果として熱を生成するように構成される。そのような抵抗加熱要素は、吸入可能な物質媒体に近接して配置されてもよい。あるいは、加熱部材は、固体または半固体の吸入可能な物質媒体と接触して配置されてもよい。そのような構成は、吸入可能な物質媒体を加熱して、エアロゾルを生成し得る。本開示と共に使用可能であり得る種々の導電性基材が、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるGriffithらの米国特許出願公開第2013/0255702号明細書に記載されている。
【0178】
本開示の例示的な実施形態に従って、
図11は、エアロゾル送達装置300の正面概略図を示し、
図12は、
図11のエアロゾル送達装置300の断面図を示す。図示される実施形態の制御本体302は、その係合端に画定された開口部319を含むハウジング318を備える。制御本体302はまた、流量センサ320(例えば、吸煙センサまたは圧力スイッチ)と、制御構成要素323(例えば、個別に、またはマイクロコントローラの一部としての処理回路、マイクロプロセッサおよび/またはマイクロコントローラを含むプリント回路基板(PCB)など)と、電源324(例えば、充電式であってよい電池、および/または充電式スーパーキャパシタ)と、インジケータ326(例えば、発光ダイオード(LED))を含む端部キャップとを含む。一実施形態では、インジケータ326は、1つ以上の発光ダイオード、量子ドットベースの発光ダイオードなどを備えてもよい。インジケータ326は、制御構成要素323と通信し、例えば、制御本体302に連結された際に、ユーザがエアロゾル源部材304を吸引すると、流量センサ320によって検出されるのに従って点灯されてもよい。以下でさらに詳細に説明されるように、この例示的な実施形態のエアロゾル送達装置300はまた、加熱シリンダ330および可撓性加熱部材332を含む加熱組立体328を含む。
【0179】
上記のように、動作の様々な視覚インジケータおよび/または動作の触覚インジケータおよび/または動作の音響インジケータも同様に本開示に包含される。加えて、出願人は、例示的な本実施形態にも適用可能な、
図1~
図4に関して上述した様々な可能な電源、流量センサ、代表的な電流調整構成要素、他の電気部品、および追加の構成要素に言及する。
【0180】
図11および
図12を再び参照すると、図示される実施形態の制御本体302は、エアロゾル源部材304の吸入可能な物質媒体310を加熱するように構成された加熱組立体328を含む。本開示の種々の実施形態の加熱組立体は様々な形態を取り得るが、
図11および
図12に示される特定の実施形態では、加熱組立体328は、外側シリンダ330と、加熱シリンダ330の少なくとも一部を実質的に囲む可撓性加熱部材332とを備える。図示される実施形態では、加熱シリンダ330および可撓性加熱部材332は、制御本体302に配置されている。
図13は、巻かれていない平坦な状態で示されている、本開示の例示的な実施形態の可撓性加熱部材332の上面図を示す。図示される実施形態では、可撓性加熱部材332は、独立して制御可能な2つのヒータ回路340、342を備える。種々の実施形態では、可撓性加熱部材332は、例えば、わずか1つのヒータ回路、または2つを超えるヒータ回路を含む様々な他の形態を取ることができ、回路のいずれか1つ、いくつか、または全部は独立して制御可能であり得る。種々の他の種類の可撓性ヒータが使用され得るが、図示される実施形態では、可撓性加熱部材332は、片側がカバー層、反対側がベース層によって囲まれた内部導電層を具備する。いくつかの実施形態では、カバー層およびベース層は、ポリイミド材料から構築されてもよく、内部導電層は、1つ以上の可撓性銅層から構築されてもよい。種々の実施形態では、銅層は、1つ以上の接着剤層によってカバー層およびベース層から分離され得る。他の導電性材料は、ニクロム、キュプロニッケル、カンタル、二珪化モリブデン、チタン酸バリウムおよびチタン酸鉛の内の1つ以上から製造され得る。
【0181】
図示される実施形態では、加熱シリンダ330は、可撓性加熱部材332(すなわち、ベース層に近接した)の内面からエアロゾル源部材304に熱を伝導するように構成された管を備え、エアロゾル源部材304は、以下でさらに詳細に説明されるように、制御本体302に挿入されると、加熱シリンダ330の内面に近接する。種々の実施形態では、加熱シリンダ330は、限定するものではないが、銅、アルミニウム、白金、金、銀、鉄、鋼、真鍮、青銅、グラファイトまたはそれらの任意の組合せを含む導電性材料を含み得る。図示される実施形態では、加熱シリンダ330はステンレス鋼から構築される。種々の実施形態では、可撓性加熱部材332は、1つ以上の接着剤および/または他の機械的手段を使用することなどによって加熱シリンダ330に固定されてもよく、図示される実施形態では、可撓性加熱部材332は、可撓性加熱部材332の外面の周りを包む熱収縮ラップの層を使用して加熱シリンダ330に固定される。いくつかの実施形態では、可撓性加熱部材332および加熱シリンダ330は、断熱シリンダ(図示せず)によって囲まれてもよく、断熱シリンダは、いくつかの実施形態では、絶縁性ポリマー(例えば、プラスチックまたはセルロース)、ガラス、ゴム、セラミック、磁器、二重真空構造体またはそれらの任意の組合せを含む非導電性の断熱材および/または構築物を具備し得る。
【0182】
図示されるように、加熱組立体328は、ハウジング318の係合端に近接して延在してもよく、吸入可能な物質媒体310を含むエアロゾル源部材304の被加熱端306の一部を実質的に囲むように構成されてもよい。このように、加熱組立体328は、ほぼ管状の構成を画定してもよい。
図11および
図12に示すように、加熱シリンダ330は、受容チャンバ336を形成する。受台334は、開口部319の反対側の受容チャンバ336の端部に配置される。したがって、加熱シリンダ330はまた、エアロゾル源部材304がハウジング318に挿入されると、エアロゾル源部材304の適切な配置を容易にするように機能し得る。種々の実施形態では、加熱組立体328の加熱シリンダ330は、ハウジング318の内面と係合して、ハウジング318に対して加熱組立体328を位置合わせさせてもよい。これにより、加熱組立体328間の固定された連結の結果として、加熱組立体328の長手方向軸が、ハウジング318の長手方向軸に実質的に平行に延在し得る。特に、加熱シリンダ330は、ハウジング318の開口部319から受台334まで延在して、受容チャンバ336を形成してもよい。図示される実施形態では、加熱シリンダ330の内径は、対応するエアロゾル源部材304の外径よりもわずかに大きいか、対応するエアロゾル源部材304の外径にほぼ等しくてよく(例えば、スライド嵌合を形成するため)、その結果、加熱シリンダ330は、制御本体302に対してエアロゾル源部材304を適切な位置(例えば、側方位置)に案内するように構成される。
【0183】
種々の実施形態では、制御本体302は、エアロゾル源部材304が制御本体302に挿入されると、加熱シリンダ330が、エアロゾル源部材304の被加熱端306の吸入可能な物質媒体310の少なくとも一部に近接するように構成される。図示される実施形態では、制御本体302は、エアロゾル源部材304が制御本体302に挿入されると、加熱シリンダ330が、エアロゾル源部材304の外面と直接接触し、エアロゾル源部材304の被加熱端306の吸入可能な物質媒体310に近接するように構成される。種々の実施形態では、制御本体302は、固体または半固体の吸入可能な物質媒体310と併せて使用されてもよい。さらに、種々の実施形態では、加熱シリンダ330は、いくつかの実施形態では受台334を含み得る追加の加熱部材と併せて使用されてもよい。
【0184】
図11および
図12を再び参照すると、使用中、消費者は、加熱組立体328、特に可撓性加熱部材332の加熱を開始する。これはまた、可撓性加熱部材332と加熱シリンダ330との空間的関係に起因して、熱伝達により、吸入可能な物質媒体310(またはその特定の層)の加熱を開始することとなる。吸入可能な物質媒体310の加熱は、エアロゾル源部材304内の吸入可能な物質を放出して、吸入可能な物質を生成する。消費者がエアロゾル源部材304の吸口端308を吸入すると、制御本体302の開口部または隙間322を通ってエアロゾル源部材304に空気が吸引される。吸引された材料がエアロゾル源部材304の吸口端308を出る際に、吸引された空気と放出された吸入可能な物質との組合せが消費者によって吸入される。いくつかの実施形態では、消費者は、加熱を開始するために、押しボタンまたは同様の構成要素を手動で作動させ、それにより、加熱組立体の加熱部材が、電池または他のエネルギー源から電気エネルギーを受け取ってもよい。電気エネルギーは、所定の長さの時間に亘って供給されてもよいし、手動で制御されてもよい。いくつかの実施形態では、電気エネルギーの流れは、装置を用いた吸煙の合間に実質的に継続しない(ただし、エネルギー流は、周囲温度よりも高いベースライン温度、例えば、作動加熱温度への急速加熱を容易にする温度を維持するように継続してもよい)。しかしながら、図示される実施形態では、加熱は、流量センサ320などの1つ以上のセンサを使用することによる消費者の吸煙動作によって開始される。吸煙が中止されると、加熱が停止するか減少される。消費者が十分な数の吸煙を行って、十分な量の吸入可能な物質(例えば、典型的な喫煙経験と同等となるのに十分な量)を放出すると、エアロゾル源部材304は、制御本体302から取り外され、廃棄され得る。いくつかの実施形態では、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPhillipsらの米国特許出願第15/707,461号明細書で説明されているように、静電容量感知要素および他のセンサなどの追加の感知要素が使用されてもよい。
【0185】
種々の実施形態では、エアロゾル源部材304は、管状などの適切な構造を形成および維持し、その中に吸入可能な物質媒体310を保持するのに適した任意の材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材304は、単一の壁または他の実施形態では複数の壁から形成されてもよく、本明細書でさらに説明されるように、電気加熱部材によって提供される加熱温度である少なくともある温度で、その構造的完全性を維持する(例えば、劣化しない)ように耐熱性の材料(天然または合成)から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、耐熱性ポリマーが使用され得るが、他の実施形態では、エアロゾル源部材304は、実質的にストロー状の紙などの紙から形成されてもよい。本明細書でさらに説明されるように、エアロゾル源部材304は、それを通る蒸気の移動を実質的に防止するように機能する、それに関連する1つ以上の層を有し得る。例示的な一実施形態では、アルミニウム箔層が、エアロゾル源部材の1つの表面に積層されされ得る。セラミック材料も使用され得る。さらなる実施形態では、吸入可能な物質媒体から熱を不必要に移動させないように、断熱材が使用されてもよい。さらに、出願人は、
図1~
図4に関して上述したように、吸入可能な物質媒体を含むエアロゾル源部材の様々な可能な寸法、追加の構成要素、および可能な組成に言及する。
【0186】
図11および
図12を再び参照すると、エアロゾル源部材304の被加熱端306は、制御本体302に挿入するための寸法および形状である。種々の実施形態では、制御本体302の受容チャンバ336は、内面および外面を有する壁によって画定され、内面が受容チャンバ336の内部容積を規定すると特徴付けられ得る。例えば、図示される実施形態では、加熱シリンダ330は、受容チャンバ336の内部容積を規定する内面を画定する。したがって、エアロゾル源部材304の最大外径(または実施形態の特定の断面形状に応じて他の寸法)は、制御本体302の受容チャンバ336の開放端の壁の内面での内径(または他の寸法)よりも小さい大きさであり得る。いくつかの実施形態では、それぞれの直径の差は、エアロゾル源部材が受容チャンバ336にぴったりと合い、摩擦力が、エアロゾル源部材204が力を加えられることなく移動するのを防ぐように十分に小さくてよい。一方、この差は、エアロゾル源部材304が過度の力を必要とせずに受容チャンバ336に滑り込む、または受容チャンバ336から滑り出るのを可能にするのに十分であり得る。
【0187】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置300の全体的な大きさは、紙巻タバコまたは葉巻の形状に匹敵する寸法を取り得る。したがって、装置は、約5mm~約25mm、約5mm~約20mm、約6mm~約15mmまたは約6mm~約10mmの直径を有し得る。種々の実施形態では、そのような寸法は、制御本体302の外径に特に対応し得る。いくつかの実施形態では、エアロゾル源部材304は、約4mm~約6mmの直径を有し得る。加えて、制御本体302およびエアロゾル源部材は、同様に、全長に関して特徴付けられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、制御本体は、約40mm~約120mm、約45mm~約110mmまたは約50mm~約100mmの長さを有し得る。エアロゾル源部材は、約20mm~約60mm、約25mm~約55mmまたは約30mm~約50mmの長さを有し得る。
【0188】
図示される実施形態では、制御本体302は、可撓性加熱部材332に電力を供給することを含め、エアロゾル送達装置300の様々な機能を制御する制御構成要素323を含む。例えば、制御構成要素323は、導電性ワイヤ(図示せず)によって電源324に接続された制御回路(本明細書でさらに説明されるように、追加の構成要素に接続され得る)を含み得る。例えば、
図15に示され、上述されたような、エアロゾル送達装置の回路図が参照される。種々の実施形態では、制御回路は、加熱組立体328、特に可撓性加熱部材332が、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出のために、加熱シリンダ330、ひいては吸入可能な物質媒体310を加熱するための電気エネルギーをいつどのように受け取るかを制御し得る。いくつかの実施形態では、そのような制御は、以下でさらに詳細に説明される流量センサおよび/または感圧スイッチの作動などによって作動されてもよい。
【0189】
上記のように、図示される実施形態では、可撓性加熱部材332は、独立して制御可能な2つの加熱回路340、342を備え、他の実施形態では、可撓性加熱部材332は、2つを超える独立して制御可能な加熱回路を具備し得る。したがって、種々の実施形態では、制御構成要素323は、加熱回路のそれぞれまたはいくつかが他と比較して異なる加熱特性を示し得るように、加熱回路のそれぞれを独立して制御してもよい。例えば、図示される実施形態では、例えば、第1のヒータ回路340が異なる加熱プロファイルを有するように、および/またはそのタイミングまたは加熱温度が第2のヒータ回路342のそれと異なるように、制御構成要素323は、特定の時点または常に、第1のヒータ回路340を第2のヒータ回路342とは異なるように制御してもよい。しかしながら、他の実施形態では、加熱回路の加熱特性は同じであり得る。
【0190】
上記のように、制御構成要素は、吸入可能な物質媒体310に提供される熱量を厳密に制御するように構成され得る。エアロゾル形成物質を十分な体積で揮発させて、一回の吸煙に所望の投与量の吸入可能な物質を提供するのに必要な熱は、使用される特定の物質ごとに異なり得るが、いくつかの実施形態では、加熱部材の加熱回路の内の1つ以上は、少なくとも120℃、少なくとも130℃または少なくとも140℃の温度に加熱し得る。いくつかの実施形態では、適切な量のエアロゾル形成物質を揮発させ、ひいては所望の投与量の吸入可能な物質を提供するために、加熱温度は、少なくとも150℃、少なくとも200℃、少なくとも220℃、少なくとも300℃または少なくとも350℃であり得る。しかしながら、エアロゾル形成物質の劣化および/または過度の早期揮発を回避するために、約550℃を実質的に超える温度に加熱することを回避することが特に望ましい場合がある。特に、加熱は、吸入可能な物質媒体の著しい燃焼(好ましくはあらゆる燃焼)を回避するように、十分に低い温度および十分に短い時間であるべきである。本開示は、特に、比較的低温で所望の量の吸入可能な物質を生成する組合せおよび使用様式で、本装置の構成要素を提供し得る。したがって、収量とは、装置内でのエアロゾルの生成と装置から消費者への送達との一方または両方を指す場合がある。特定の実施形態では、加熱温度は、約130℃~約310℃、約140℃~約300℃、約150℃~約290℃、約170℃~約270℃または約180℃~約260℃であり得る。他の実施形態では、加熱温度は、約210℃~約390℃、約220℃~約380℃、約230℃~約370℃、約250℃~約350℃または約280℃~約320℃であり得る。
【0191】
以下でさらに詳細に説明されるように、加熱回路の内の1つ以上の加熱の持続時間は、いくつかの要因によって制御され得る。本明細書にさらに記載されるように、加熱温度および持続時間は、エアロゾル送達装置を通って引き込まれることが望まれるエアロゾルおよび周囲空気の所望の体積に応じて決まり得る。しかしながら、装置は、所望の温度に到達するまでに限って加熱部材回路が通電されるように構成され得るため、持続時間は、加熱部材回路の加熱速度に応じて変化し得る。あるいは、加熱の持続時間は、消費者による物品を用いた吸煙の持続時間に結び付けられてもよい。一般に、加熱の温度および時間は、上記のように、制御ハウジングに収容された1つ以上の構成要素によって制御される。出願人は、例示的な本実施形態にも適用可能な、
図1~
図4に関して上述した様々な可能な制御構成要素および関連機能に言及する。
【0192】
種々の実施形態では、電気加熱組立体は、消費者による吸入のための吸入可能な物質の放出を促進するのに十分な熱を提供するのに適した任意の装置を含み得る。特定の実施形態では、電気加熱組立体は、抵抗加熱部材を含み得る。有用な加熱部材は、低質量と、低密度と、中程度の抵抗率とを有し、使用中に経験される温度で熱的に安定なものであり得る。有用な加熱部材は急速に加熱および冷却するため、エネルギーを効率的に使用する。また、要素を急速に加熱すると、エアロゾル形成物質がほぼ即時に揮発する。急速な冷却は、エアロゾル形成が望まれない期間中のエアロゾル形成物質の実質的な揮発(したがって浪費)を防ぐ。このような加熱部材は、特に時間基準の電流制御が使用される場合、エアロゾル形成物質が経験する温度範囲の比較的正確な制御も可能にする。有用な加熱部材はまた、生成されるエアロゾルまたは蒸気の香味または含有量に悪影響を及ぼさないように、加熱される吸入可能な物質媒体を含む材料と化学的に非反応性である。出願人は、例示的な本実施形態にも適用可能な、
図1~
図4に関して上述した加熱部材のための様々な可能な材料にさらに言及する。
【0193】
図11~
図14に見られるように、図示される実施形態の電気加熱組立体328は、加熱シリンダ330と、独立して制御される2つのヒータ回路340、342を含む可撓性加熱部材332とを備える。種々の実施形態では、可撓性加熱部材332は、エアロゾル源部材304の吸入可能な物質媒体310部分に沿って任意の距離に延在してもよい。例えば、種々の実施形態では、可撓性加熱部材332は、吸入可能な物質媒体310の最大約25%、最大約50%、最大約75%またはほぼ全長まで延在してもよい。加えて、種々の実施形態では、可撓性加熱部材332の相対的な全体的な寸法は変化し得る。出願人は、例示的な本実施形態にも適用可能な、
図1~
図4に関して上述した様々な他の可能なヒータ構成にさらに言及する。
【0194】
本発明の装置300によって放出される吸入可能な材料の量は、吸入可能な材料の性質に基づいて変化し得る。好ましくは、装置300は、使用の過程に亘って所望の量を放出するのに十分な時間に亘って十分な温度で機能するように、十分な量の任意のエアロゾル形成剤と共に、十分な量の吸入可能な材料により構成される。量は、装置300からの単一の吸入で提供されてもよく、または比較的短い時間(例えば、30分未満、20分未満、15分未満、10分未満または5分未満)に亘って物品からの数回の吸煙を通して提供されるように分割されてもよい。送達され得るニコチンレベルおよび湿潤全粒子状物質の例は、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている。
【0195】
種々の実施形態では、制御本体302は、受容チャンバ336の内部への周囲の空気の進入を可能にするために、その中に1つ以上の隙間322を含み得る。このように、受台334も開口部または隙間を含み得る。したがって、いくつかの実施形態では、消費者がエアロゾル源部材304の吸口端を吸引すると、空気が、制御本体302に引き込まれ、基部受容部材334を通って、および吸入可能な物質媒体310を通って、消費者によって吸入されされ得る。いくつかの実施形態では、吸引された空気は、任意のフィルタ314を通って、エアロゾル源部材304の吸口端308の開口部から吸入可能な物質を運ぶ。可撓性加熱部材332および加熱シリンダ330が吸入可能な物質媒体310に近接して配置されると、可撓性加熱部材332および加熱シリンダ330は、吸入可能な物質媒体310を加熱し、エアロゾル源部材304を通して吸入可能な物質を放出させるように作動され得る。
【0196】
いくつかの実施形態では、可撓性加熱部材332および加熱シリンダ330が吸入可能な物質媒体310に近接して配置されるように、エアロゾル源部材304が受容チャンバ336への挿入の適切な距離を達成した際の表示を提供することが有用であり得る。例えば、エアロゾル源部材304は、その外部(例えば、エアロゾル源部材304の外面)に1つ以上のマーキングを含み得る。他の実施形態では、単一のマークが、この位置を達成するために必要な挿入の深さを示し得る。あるいは、適切な挿入距離は、受容チャンバ336の基部に対する(例えば、受台334に対してなど)エアロゾル源部材の「底打ち」によって、またはエアロゾル源部材304が受容チャンバ336内に十分に挿入されて、可撓性加熱部材332および加熱シリンダ330に対して吸入可能な物質媒体310を配置したことを消費者が認識および理解することが可能になり得る任意の他のそのような手段によって示されてもよい。
【0197】
いくつかの実施形態では、エアロゾル送達装置300は、加熱組立体の手動制御のために制御構成要素に連結され得る押しボタンを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、消費者は、押しボタンを使用して可撓性加熱部材332を通電してもよい。押しボタンに関連付けられた同様の機能が、他の機械的手段または非機械的手段(例えば、磁気または電磁)によって達成されてもよい。したがって、可撓性加熱部材332の作動は、単一の押しボタンによって制御され得る。あるいは、様々な動作を別個に制御するために、複数の押しボタンが設けられてもよい。存在する1つ以上の押しボタンは、制御本体302のケーシングと実質的に同一面に位置しし得る。
【0198】
任意の押しボタンの代わりに(またはそれに加えて)、本開示の本発明の装置300は、物品に対する消費者の吸引に応答して可撓性加熱部材332を通電する(すなわち、吸煙作動式加熱)構成要素を含い得る。例えば、装置は、消費者が物品を吸引する際の圧力変化または空気流変化のいずれかに敏感な流量センサ320(すなわち、吸煙作動式スイッチ)を制御本体302内に含んでもよい。他の好適な電流作動/作動解除機構が、温度作動式オン/オフスイッチまたは唇圧作動式スイッチを含んでもよい。そのような吸煙作動能力を提供することができる例示的な機構には、イリノイ州フリーポートのHoneywell,Inc.のMicroSwitch部門によって製造されたモデル163PC01D36シリコンセンサが含まれる。このようなセンサを使用すると、消費者が装置を吸引する際の圧力の変化により、加熱部材が迅速に作動され得る。さらに、空気流の変化を感知した後、可撓性加熱部材332を十分迅速に通電するために、熱線風速測定法の原理を使用するものなどの流れ感知装置が使用されてもよい。使用され得るまた別の吸煙作動式スイッチは、フロリダ州フォートローダデールのMicro Pneumatic Logic,Inc.製のモデル番号MPL-502-V、レンジAなどの圧力差スイッチである。別の好適な吸煙作動式機構は、所定の閾値圧力を検出するためのコンパレータに連結された感圧変換器(例えば、増幅器または利得段を備える)である。出願人は、例示的な本実施形態にも適用可能な、
図1~
図4に関して上述した様々な他の可能な吸煙作動式機構および他のスイッチ、センサなどにさらに言及する。消費者が装置300の吸口端を吸引すると、電流作動手段が、抵抗可撓性加熱部材332を通る電流の流れが制限されないように、または中断されないようにして、急速に熱を生成し得る。急速な加熱のために、(i)加熱部材を通る電流の流れを調整して、抵抗素子の加熱と、それによって生じる温度とを制御し、(ii)吸入可能な物質媒体310の過熱および劣化を防止するために、電流調整構成要素を含むことが有用であり得る。いくつかの実施形態では、電流調整回路は特に時間基準であり得る。出願人は、例示的な本実施形態にも適用可能な、
図1~
図4に関して上述した時間基準の回路を含め、加熱部材に関連する様々な可能な電流調整回路にさらに言及する。
【0199】
上記のように、装置300の様々な電気部品に電力を供給するために使用される電源324は、種々の実施形態を取り得る。好ましくは、電源は、上記の方法で加熱部材を急速に加熱するのに十分なエネルギーを供給し、複数のエアロゾル源部材304による使用を通じて装置に電力を供給しながら、依然として装置300に都合よく適合することができる。電源の一例は、ドイツのTadiran Batteries GmbHによって製造されるTKI-1550充電式リチウムイオン電池である。別の実施形態では、有用な電源は、日本のSanyo Electric Company,Ltd.によって製造されるN50-AAA CADNICAニッケルカドミウム電池であり得る。他の実施形態では、例えば、それぞれ1.2ボルトを提供する複数のそのような電池が直列に接続されてもよい。充電式二酸化マンガンリチウム電池などの他の電源が使用されてもよい。これらの電池またはそれらの組合せのいずれも電源に使用され得るが、使い捨て電池に関連するコストおよび廃棄の考慮事項のために、充電式電池が好ましい。あるいは、充電式電池が使用される実施形態では、電源324は、標準の120ボルトAC壁コンセントまたは他の供給源、例えば、自動車の電気システム、もしくは別個のポータブル電源から電力を得る従来の充電ユニット(図示せず)の対応する接点と相互作用する充電用接点をさらに含み得る。さらなる実施形態では、電源はまた、キャパシタを具備し得る。キャパシタは、電池よりも速く放電することができ、吸煙の合間に充電することができるため、電池が、加熱部材に直接電力を供給するために使用される場合よりも低い速度でキャパシタに放電することを可能にする。例えば、電池とは別に、または電池と組み合わせて、スーパーキャパシタ、すなわち、電気二重層キャパシタ(EDLC)が使用されてもよい。スーパーキャパシタは、単独で使用される場合、装置300の各使用前に充電されてもよい。したがって、本開示はまた、スーパーキャパシタを補充するために使用の合間に装置に取り付けられ得る充電器構成要素を含んでもよい。本開示の特定の実施形態では、薄膜電池が使用されてもよい。
【0200】
上記のように、種々の実施形態では、エアロゾル送達装置300は、1つ以上のインジケータ326を具備し得る。図示される実施形態では、インジケータ336は、制御本体302の端部に示されているが、種々の実施形態では、インジケータ336は、制御本体302の別の部分または他の部分に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、インジケータは、装置の使用の複数の態様の表示を提供可能なライト(例えば、発光ダイオード)であり得る。例えば、一連のライトは、所与のエアロゾル源部材の吸煙の数に対応し得る。具体的には、ライトは、全部のライトが点灯した際にエアロゾル源部材が消費されたことが消費者に通知されるように、各吸煙に伴って連続的に点灯してもよい。あるいは、エアロゾル源部材がハウジングに挿入されると、全部のライトが点灯してもよく、全部のライトが消えると、エアロゾル源部材が消費されたことが消費者に通知されるように、各吸煙に伴ってライトが消えてもよい。さらに他の実施形態では、単一のインジケータのみが存在してもよく、その点灯は、電流が加熱部材に流れていて、装置が能動的に加熱していることを示し得る。これにより、消費者が意図せずに能動的な加熱モードで装置を放置しないようにし得る。代替の実施形態では、インジケータの内の1つ以上は、エアロゾル源部材の構成要素であり得る。インジケータは、オン/オフ法の視覚インジケータに関連して上記で説明されているが、他の動作指標も包含される。例えば、視覚インジケータはまた、喫煙経験の進行を示すために、ライトの色または強度の変化を含んでもよい。触覚インジケータおよび可聴インジケータも同様に、本開示に包含される。さらに、そのようなインジケータの組合せが、単一の装置で使用されてもよい。
【0201】
上記の実施形態に加えて、いくつかの実施形態では、吸入可能な物質媒体は、一般に「スモークジュース(smoke juice)」、「e-リキッド(e-liquid)」および「e-ジュース(e-juice)」と呼ばれる成分を有する、十分な熱を加えるとエアロゾルを生成することができる液体として構成されてもよい。エアロゾル生成液体の例示的な配合物は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれるZhengらの米国特許公開第2013/0008457号明細書に記載されている。
【0202】
本開示は、電気エネルギーを使用して熱源を加熱し、次いで、(好ましくは、タバコまたはタバコ由来材料を著しく燃焼させることなく)タバコまたはタバコ由来材料を加熱して、エアロゾルなどの吸入可能な物質を形成する装置および装置を使用する方法を提供し、物品は、「手持ち型」装置と見なされるのに十分に小型である。特定の実施形態では、装置は、喫煙用具として特に特徴付けられ得る。本明細書で使用される場合、この用語は、装置のいかなる構成要素をも実際に燃焼することなく、紙巻タバコ、葉巻またはパイプの喫煙の味および/または感覚(例えば、手触りまたは口当たり)を提供する装置または物品を意味することを意図する。喫煙装置または物品という用語は、動作中、装置が燃焼または熱分解の副産物の意味で煙を生成することを必ずしも示していない。むしろ、喫煙は、装置を使用する際の個人の物理的動作、例えば、装置を手に持ち、装置の一端を吸引し、装置から吸入することに関する。さらなる実施形態では、本発明の装置は、蒸気生成装置、エアロゾル化装置または医薬品送達装置であると特徴付けられ得る。したがって、装置は、吸入可能な状態で1つ以上の物質を提供するように配置され得る。
【0203】
エアロゾル源部材および制御本体は、一般に、完全な喫煙用具または医薬品送達物品として一緒に提供され得るが、この構成要素はまた、別個に提供され得ることに留意されたい。例えば、本開示はまた、再使用可能な喫煙用具または再使用可能な医薬品送達物品と共に使用するための使い捨てユニットを包含する。特定の実施形態では、そのような使い捨てユニット(添付の図に示すようなエアロゾル源部材であり得る)は、再使用可能な喫煙用具または医薬品送達物品と係合するように構成された被加熱端、消費者への吸入可能な物質の通過を可能にするように構成された反対側の吸口端、および外面と内部空間を画定する内面とを有する壁を有する実質的に管状の本体を具備し得る。エアロゾル源部材(またはカートリッジ)の種々の実施形態は、参照により本明細書に組み込まれるWormらの米国特許第9,078,473号明細書に記載されている。
【0204】
使い捨てユニットに加えて、本開示は、再使用可能な喫煙用具または再使用可能な医薬品送達物品に使用するための別個の制御本体を提供するとさらに特徴付けられ得る。特定の実施形態では、制御本体は、一般に、別個に設けられたエアロゾル源部材の被加熱端を受容するための受容端(開放端を有する受容チャンバを含み得る)を有するハウジングであり得る。制御本体は、制御本体の構成要素であり得るか、制御ユニットと共に使用されるエアロゾル源部材に含まれ得る電気加熱部材に電力を供給する電気エネルギー源をさらに含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、電気エネルギー源は、いくつかの実施形態では加熱部材を形成する1つ以上の突起を含み得る加熱組立体に電力を供給することができ、加熱組立体は、電気エネルギー源に加熱部材を接続する関連する電気接点を有し得る。他の実施形態では、加熱組立体は、加熱シリンダを実質的に包む可撓性加熱部材を含み得る。他の実施形態では、加熱組立体は、単一の加熱部材を含む代わりに、制御本体の一部としての1つの構成要素およびエアロゾル源部材の一部としての別の構成要素を有する別個の加熱部材構成要素を含み得る。種々の実施形態では、制御本体は、電源(電池など)と、加熱部材への電流の流れを作動させるための構成要素と、所望の時間に亘り所望の温度を維持するために、および/または所望の温度に到達した際に、または加熱部材が所望の長さの時間に亘り加熱している際に、電流の流れをサイクルさせるか、電流の流れを停止させるために、そのような電流の流れを調整するための構成要素とを含む追加の構成要素も含み得る。いくつかの実施形態では、制御ユニットは、加熱部材への電流の流れを作動させるための構成要素の一方または両方に関連する1つ以上の押しボタンと、そのような電流の流れを調整するための構成要素とをさらに含み得る。制御本体はまた、ヒータが加熱していることを示すライトおよび/または制御本体と共に使用されるエアロゾル源部材に残っている吸煙の数を示すライトなどの1つ以上のインジケータを含み得る。
【0205】
本明細書で説明される種々の図は、動作関係にある制御本体およびエアロゾル源部材を示しているが、制御本体およびエアロゾル源部材は、個別の装置として存在し得ることを理解されたい。したがって、組み合わせた構成要素に関して本明細書で他に提供されるいかなる説明も、個別かつ別個の構成要素としての制御本体およびエアロゾル源部材に適用されるものとして理解されるべきである。
【0206】
別の態様では、本開示は、本明細書で説明される様々な構成要素を提供するキットを対象とし得る。例えば、キットは、1つ以上のエアロゾル源部材を有する制御本体を具備し得る。キットは、1つ以上の充電構成要素を有する制御本体をさらに具備し得る。キットは、1つ以上の電池を有する制御本体をさらに具備し得る。キットは、1つ以上のエアロゾル源部材および1つ以上の充電構成要素および/または1つ以上の電池を有する制御本体をさらに具備し得る。さらなる実施形態では、キットは、複数のエアロゾル源部材を具備し得る。キットは、複数のエアロゾル源部材および1つ以上の電池および/または1つ以上の充電構成要素をさらに具備し得る。上記の実施形態では、エアロゾル源部材または制御本体は、それらに含まれる加熱部材を備えてもよい。本発明のキットは、追加のキット構成要素の内の1つ以上を収容するケース(または他の梱包、運搬または保管構成要素)をさらに含み得る。ケースは、再使用可能なハードコンテナまたはソフトコンテナであってよい。さらに、ケースは、単なる箱または他の梱包構造体であってよい。
【0207】
上記の説明および関連する図面に示された教示の利益を有し、本開示が関連する当業者には、本開示の多くの変更および他の実施形態が思い浮かぶであろう。したがって、本開示は、本明細書に開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、変更および他の実施形態が添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されることを理解されたい。本明細書では特定の用語を使用しているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定のために使用されない。