(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】インピーダンス監視付きカテーテルアブレーション装置
(51)【国際特許分類】
A61B 18/18 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
A61B18/18 100
(21)【出願番号】P 2020572968
(86)(22)【出願日】2019-08-13
(86)【国際出願番号】 AU2019050844
(87)【国際公開番号】W WO2020033998
(87)【国際公開日】2020-02-20
【審査請求日】2022-08-02
(32)【優先日】2018-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】500026418
【氏名又は名称】ザ・ユニバーシティ・オブ・シドニー
(73)【特許権者】
【識別番号】517430978
【氏名又は名称】ウェスタン シドニー ローカル ヘルス ディストリクト
【氏名又は名称原語表記】WESTERN SYDNEY LOCAL HEALTH DISTRICT
【住所又は居所原語表記】Hawkesbury Road, Westmead, New South Wales 2145 (AU)
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ピエール
(72)【発明者】
【氏名】バリー,マイケル アンソニー
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0157988(US,A1)
【文献】特表2009-524485(JP,A)
【文献】国際公開第2018/081540(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0040162(US,A1)
【文献】特表2021-531841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/12-18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織の選択された領域にエネルギーを送達するカテーテルアブレーション装置であって、給電線を介してエネルギー源に電気的に接続可能な放射アンテナを含むアンテナ部分を有し、前記アンテナが、前記組織の選択された領域において組織を焼灼することができる電磁界を発生させるように構成され、前記装置が、外側シースを有する長尺状カテーテルを備え、前記カテーテルに沿った流体の流れが前記アンテナ部分における又は前記アンテナ部分に隣接する1つ又は複数のオリフィスを通って出るのを可能にするように構成され、
前記装置が、血管内に導入されるように構成されており、前記装置が、2つの電極を備えるインピーダンス監視システムを含み、前記2つの電極が、それぞれ前記外側シースの内側及び外側に配置されるとともに、使用時に前記インピーダンス監視システムが、前記流体と前記外側シースの外側の前記血管内の血液とを通るイオン導電経路を組み込んだ電気回路を含むように構成されている、装置。
【請求項2】
前記エネルギー源がマイクロ波発生器を含む、マイクロ波エネルギーを送達する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電極が、前記アンテナ部分の近位側に配置されている、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記電極が、前記電気回路のインピーダンスの尺度の指標を前記装置の使用者に提供するように構成された、インピーダンス監視手段に電気的に接続可能である、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記2つの電極のうちの一方又は両方が、リング又は部分リング形状の電極を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記外側シースの前記内側に配置された前記電極が、前記給電線の外面において支持されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記外側シースの前記外側に配置された前記電極が、前記外側シースの外面おいて支持されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
一方又は両方の電極が、前記外側シースの壁内に埋め込まれている、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、カテーテルアブレーション装置とこうした装置を使用する方法とに関する。本装置は、腎動脈除神経等の血管内交感神経切除術又は除神経術の分野で応用される、マイクロ波アブレーション装置であり得る。本発明はまた、心房及び心室の不整脈の治療を含む医療アブレーションの他の分野にも応用することができる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
高血圧症は、脳卒中、心臓発作及び腎不全等の終末器官損傷による罹患及び死亡に至る重大な医学的状態である。多くの患者が、血圧管理のために複数の薬物適用を必要とし、患者によっては、薬物適用は、耐性が低いか又は全く効果がない。高周波カテーテルアブレーションによる腎動脈除神経術は、内科療法に対する難治性又は不耐性があるこれらの患者において高血圧症を管理するためのあり得る治療選択肢として登場した。本処置は、神経メッセージを腎臓と中枢神経系との間で中継する遠心性神経及び求心性神経を除去することを目指しており、それは、遠心性神経及び求心性神経が、血圧を上昇させる神経ホルモン反射の本質的な要素を形成するためである。遠心性神経及び求心性神経は、腎動脈及び腎周囲脂肪の外層(すなわち、外膜)において、主に腎動脈の内面(管腔表面)から1~6mmを移動し、血管内カテーテルアブレーションによってこれらの神経を破壊することができる可能性がある。
【0003】
より最近では、血管除神経術に対してマイクロ波アブレーション技法が提案されており、本発明の発明者らは、内容全体が参照により本明細書に援用される国際公開第2016/197206号に記載されているように、マイクロ波アブレーション装置の実験において非常に有効な結果を実証した。
【0004】
この概念の展開により、血管内カテーテルを使用するマイクロ波アブレーションが、高血圧症の治療における腎除神経術とともに、不整脈の治療における心臓アブレーションに応用されることが確認された。マイクロ波加熱は、放射熱であり、組織内に深く浸透することができ、高周波アブレーションより均一な温度分布の大きい熱による焼灼巣を形成する。この技法は、熱を生成するためにいかなるカテーテルチップと組織との接触も必要としない。
【0005】
本明細書における文献、行為、材料、装置、物品等のいかなる考察も、本発明に対する背景を提供する目的でのみ含まれる。これらの事項のいずれも、先行技術の基礎の一部を形成し、又は、オーストラリア若しくは別の場所において本出願の各請求項の優先日より前に存在したものとして、本発明に関連する分野における共通の一般知識である、ということは、示唆されておらず且つ表されてもいない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
1つの形態では、本発明は、組織の選択された領域にエネルギーを送達するカテーテルアブレーション装置を提供し、本装置は、給電線を介してエネルギー源に電気的に接続可能な放射アンテナを含むアンテナ部分を有し、アンテナは、前記組織の選択された領域において組織を焼灼することができる電磁界を発生させるように構成され、本装置は、外側シースを有する長尺状カテーテルを備え、カテーテルに沿った流体の流れが前記アンテナ部分における又はそれに隣接する1つ又は複数のオリフィスを通って出るのを可能にするように構成され、
本装置は、2つの電極を備えるインピーダンス監視システムを含み、それら2つの電極は、それぞれ前記カテーテルシースの内側及び外側に配置されるとともに、使用時にインピーダンス監視システムが前記流体を通るイオン導電経路を組み込んだ電気回路を含むように構成されている。
【0007】
装置は、血管(又は、身体の他の部分)内に位置決めされると、カテーテルシースを包囲する血液プールを含む電気回路のインピーダンスを測定するために使用することができ、したがって、アブレーション処置中の血管(又は、身体の他の部分)の口径の変化を監視するシステムを提供する。
【0008】
好ましくは、装置は、マイクロ波エネルギーを送達するマイクロ波アブレーション装置であり、エネルギー源はマイクロ波発生器を含む。好ましくは、電極は、前記アンテナ部分の近位側に配置される。これにより、電極が、アンテナによって生成されるマイクロ波電磁界の実質的に外側にあることが確実になる。
【0009】
好ましくは、電極は、前記電気回路のインピーダンスの尺度の指標を装置の使用者に提供するように構成された、インピーダンス監視手段に電気的に接続可能である。
【0010】
内部電極及び外部電極(それぞれ、前記カテーテルシースの内側及び外側に配置された電極である)のうちの一方又は両方は、リング状又は部分リング状電極を含み得る。これは、それらが接触する流体との電気的接続に役立つ。
【0011】
前記内部電極は、前記給電線の外面において支持することができる。
【0012】
前記外部電極は、前記カテーテルシースの外面において支持することができる。
【0013】
別法として、前記外部電極は、前記カテーテルシースとは別個の場所に設けることができる。たとえば、外部電極は、装置を患者の体内に導入するのに使用される誘導シースにおいて支持することができ、又は、(カテーテルシースから独立して体内に導入される)カテーテルシースから独立した患者リターン電極として設けることができる。
【0014】
さらなる形態では、本発明は、血管アブレーション処置中に血管口径の変化を監視する方法であって、組織の標的領域に対して選択された位置で血管にカテーテルアブレーション装置を導入することを含み、カテーテルアブレーション装置は、前記選択された位置において又はその近くで前記血管内の血液経路を含む電気回路のインピーダンスを測定するように構成されたインピーダンス監視システムを含み、測定されたインピーダンスは血管口径の尺度を提供する。
【0015】
好ましくは、カテーテルアブレーション装置は、1つ又は複数の流体流開口部を有する外側シースを有する長尺状カテーテルを備え、本方法は、
前記カテーテルシースの内側に第1電極を設け、前記カテーテルシースの外側に第2電極を設けることと、
前記カテーテルシース内に流体の流れを提供することであって、前記流体の流れが、前記第1電極と電気的に接触するとともに、前記1つ又は複数の流体流開口部を通過する、提供することと、
前記電極にわたって電圧を印加して、それらの間のインピーダンスの測定を可能にすることであって、前記流体及び前記血液経路がともに前記電気回路の一部を提供する、印加することと、
を含む。
【0016】
したがって、本発明の実施形態により、アブレーション処置の効力及び安全性が向上する。
【0017】
図面の簡単な説明
ここで、添付の図面を参照して、単に非限定的な例として、本発明のさまざまな態様の例示的な実施形態について説明する。図面は以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】マイクロ波アブレーション装置の部分断面図を示す。
【
図2】代替的な実施形態における、熱電対配置を含むマイクロ波アブレーション装置を示す。
【
図3】代替的な実施形態における、熱電対配置を含むマイクロ波アブレーション装置を示す。
【
図4A】2つの形態のうちの1つにある
図3の装置の一部をさらに詳細に示す。
【
図4B】2つの形態のうちの1つにある
図3の装置の一部をさらに詳細に示す。
【
図5】本発明の装置の実験の時間-温度グラフを示す。
【
図6】本発明の装置の実験の時間-温度グラフを示す。
【
図7】インピーダンスセンサ配置を含むマイクロ波アブレーション装置を概略的に示す。
【
図10A】
図7の装置の実験の1つの段階における血管造影図を示す。
【
図11】実験の時間-インピーダンスグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
実施形態の詳細な説明
図1に、血管系を通過するのに好適な長尺状可撓性カテーテルを備える、腎動脈の除神経術で使用されるマイクロ波アブレーション装置10を示す。特に、装置10は腎動脈12内にあるように示し、アブレーション領域は参照番号64で示す。
【0020】
装置10並びに動脈12及び周囲の神経のさまざまな構成要素は、国際公開第2016/197206号にさらに詳細に示されている。任意選択的な構成要素、材料、寸法、機能、処置ステップ及び動作パラメータを含む他の特徴もまた、その刊行物において考察されている。
【0021】
本発明の背景において特に注目すべきは、以下の構成要素である。
・絶縁外側シース26、外側導電性シールド28(たとえば、編組導線)、絶縁内側シース30及び導電性コア32を備える、同軸ケーブルによって形成された給電線22。
・放射要素(アンテナ)34を備えるマイクロ波ラジエータ24であって、そのシールド及び外側絶縁シースが剥ぎ取られ、給電線22の同軸ケーブルの端子部として形成されている。アンテナ34は、装置10の遠位部内に位置決めされ、アンテナ34をその環境から絶縁する管状シース36内に入れられている。
・給電線22及びラジエータ24は、外側カテーテルシース46内に収容されており、外側カテーテルシース46は、灌流(イリゲーション)液及び冷却液として作用するように、装置の近位端から遠位端まで、圧送される生理食塩水溶液の流れを可能にするのに十分な内部自由空間を、給電線22の周囲に提供するようなサイズである。アンテナシース36及びカテーテルシース46の遠位端は、チップ42において互いに接着されている。
・装置のための固定及びセンタリング両方の機能とともに、灌流流体が装置から出るための経路を提供するために、カテーテルシース46は、シースの周囲にリング状に配置された長手方向スリット50(たとえば、6つのスリット)によって形成された1つ又は複数の位置決め構造体(locating formation)48を含む。(給電線22及びアンテナ34を含む)装置の中心コアは比較的堅いが、シース46は、より可撓性のある材料から製造される。給電線22を近位位置においてシース46に対して引っ張ることにより、スリット50の間のシース46の材料のストリップが、外向きに変形して凸状突起になり、動脈12の内壁14に接して位置する。構造体48は、ラジエータ24が特定の用途に従って必要な場所に保持されるのを確実にするように選択された、装置の遠位部分に沿った1つ又は複数の位置に設けられている。
図1では、カテーテルチップ42に近接して、単一の遠位構造体48を示す。
【0022】
図1はまた、構造的支持カバー部分40も示し、それは、外側導電性シールド28を終端させるとともに封止し、給電線外側シース26とアンテナシース36との間の遷移部を封止して覆う外層を提供するとともに、この部分においてラジエータ24のための構造的支持を提供する。
【0023】
装置10は、当業者には理解されるように、国際公開第2016/197206号において考察されているものを含む、さらなる構成要素及び機能性を含むことができる。
【0024】
図1はまた、患者ケーブル52との接続を提供する、経皮アクセス場所PALの外側でハンドルHと接続する、装置10の近位端も概略的に示す。ハンドルHは、術者が、シース46に対する給電線22の牽引をもたらす2つの軸方向に分離したハンドル部品の間の相対的な回転により、位置決め構造体48を作動させ且つ制御することができるように、設計されている。
図1が示すように、ハンドルHの左側部品には、右側部品のしるしに対する回転の程度を術者に示す目盛りマークが設けられており、目盛りマークは、位置決め構造体48の開放の程度(たとえば、5mmの拡大)を示す。ハンドルHはまた、カテーテル遠位部分まで延びる比較的細い同軸給電線22と、マイクロ波発生器まで延びるより太い給電線22’との相互接続とともに、カテーテルシース46の内腔と流体ライン54との流体相互接続も提供する。
【0025】
患者ケーブル52の近位端において、流体ライン54は、シース46を通して生理食塩水の灌流の流れを提供する流体制御システム56に接続し、一方で、患者ケーブル給電線22’は、電力/制御ユニット60に接続する。流体制御システム56は、流体流パラメータの選択的調整を可能にする好適なポンプ、制御及び流量測定手段を含み、カテーテル装置の遠位端に送達するために薬剤及びマーカ等の他の流体を流体流に導入するためにも使用することができる。電気ユニット60は、アンテナ34に電力を送出する調整可能なマイクロ波発生源を含む。電気ケーブル配線58が、電気ユニット60に備えられた電力、監視及び制御回路への(後述するような)装置10の他の電気コンポーネントの接続を提供する。理解されるように、患者ケーブル52は、装置の好都合な実装のために、ハンドルHからのコアのすべてを併せて被覆する。
【0026】
温度測定
装置10はまた、カテーテルの遠位部分の温度を測定する手段も含む。
【0027】
医療用カテーテル装置に、熱電対又はサーミスタ等の1つ又は複数の温度センサを含めることが知られている。たとえば、熱電対を用いる温度監視の場合、カテーテルには、近位端からカテーテルシャフトを通って遠位部分に延在する2つの異なる金属の熱電対ワイヤ対が設けられ、遠位部分に、ワイヤ対の熱電対温接点(温度測定点)が位置する。各ワイヤの端部は、典型的には、それらの覆っている絶縁体が剥ぎ取られ、撚り合わされ、はんだ付けされ、遠位チップ電極内に埋め込まれる。しかしながら、マイクロ波アブレーション装置におけるこの種の装置の使用に関して、特定の問題が発生する。
【0028】
国際公開第2016/197206号から理解されるように、マイクロ波加熱は、放射熱であり、アンテナ-組織接触なしに組織内に深く浸透することができる。カテーテルのこの設計は、放射アンテナが、周囲環境から電気的に絶縁されるとともに、流れる灌流流体(生理食塩水)のゾーンにより周囲環境から分離されることを意味する。これにより、オーム加熱に起因するカテーテルチップにおける温度上昇が防止され、カテーテルシャンクに沿ったいかなる誘電加熱も低減し、したがって、カテーテル内の望ましくなく又は制御不可能に高い温度なしに、より高いマイクロ波電力を使用することができる。これに関して、カテーテルチップの温度は、最大約50℃に制限されるべきであり、それは、この温度を超えると、不都合な臨床転帰をもたらす可能性がある、凝塊形成、組織焦げ及びスチームポップのリスクがあるためである。したがって、カテーテルの遠位部分における温度を監視することが重要であり得る。さらに、マイクロ波腎動脈除神経術の間、カテーテルチップに近接する温度センサが、熱希釈法を使用する腎動脈血流速度の尺度を提供することができる。これにより、マイクロ波エネルギーの安全な送達に必要な動脈開存性と、患者が(先天的な生理機能又は他の要因により)高い腎交感神経緊張を有する場合、腎除神経術の成功により発生することが予期される、腎微小血管抵抗の低減との監視が可能になる。
【0029】
マイクロ波アンテナを包囲する電気的絶縁及び流体の自然な結果として、アンテナ先端の温度を測定することにより局所組織温度を近似することはできない。
【0030】
図2及び
図3に示すように、装置10は、給電線22の外側導電シールド28の端子部における温度の熱電対測定を使用する。これは、その点108においてワイヤを電気的に接続して熱電対温接点を生成することによって提供される。ワイヤは、この接合点における温度変化が、温度を特定するために使用することができる電流を提供するように、シールド28とは異なるゼーベック係数を有する材料から作製される。特に、T型、すなわち銅-コンスタンタン材料が使用され、給電線シールド28の編組ワイヤはめっき銅である。これは、アブレーション処置中に受ける温度範囲においておよそ0.5℃の精度の範囲内での温度の測定値を提供することが分かった。理解されるように、カテーテルでの最高温度の領域は、アンテナ34の長手方向中心により近い、この点108の遠位側となるが、給電線シールド編組28の遠位端38は、さらに後述するように、この最高温度の正確な相対的尺度を提供するために十分近接している。
【0031】
重要なことには、この配置により、熱電対を設けるために第2ワイヤ(及び接着剤等の関連要素)が不要になる。編組が終端する点(そこから中心給電線コアが延在する)に近接して又はその点において、外側シールド材料自体の温度測定が行われる。
【0032】
特に、温接点は、コンスタンタンワイヤの端部から絶縁材を剥ぎ取り、その端部を、外側シース26が除去されたシールド編組28の短い端部分106(
図4Bをより詳細に参照)にはんだ付けすることによって作製される。
図3に示す変形では、ワイヤ100の端部は、はんだ付けの前にシールド編組28の端子部分の周囲に巻き付けられて、電気的に且つ構造的に強力な堅固な接合部をもたらす。
【0033】
ワイヤ100は、カテーテルの長さに沿って延び、ハンドルHの好適なコネクタを介して患者ケーブル52に、且つそこから電気ケーブル配線58を通って電力/制御ユニット60に接続し、電力/制御ユニット60は、測定電圧から温度を計算するために適切な回路及び処理手段を含む。図において、参照番号150は、カテーテル装置10が導入される際に通る誘導シースを示す。
【0034】
この熱電対システムにより、特に、使用者が、過度に高い電力又はカテーテル灌流の流れの失敗等に起因する可能性があるアブレーション中の過度の温度を回避することができるように、カテーテルアンテナに隣接する熱を監視する手段が提供される。さらに、温度の監視により、アンテナにおけるマイクロ波放射の尺度が提供される。より高い電力がアンテナに達すると、又はアンテナとその周囲の媒体との周波数整合が向上する従い、局所温度が上昇する。したがって、この温度により、マイクロ波発生源において反射電力を測定することに加えて、マイクロ波放射の独立した尺度が提供される。
【0035】
例として、本発明の装置を試験する際、故意に最適状態に及ばない条件下でのアブレーション処置を、発生器において10Wの反射電力が測定される80Wのマイクロ波電力を印加することによって行い、これは、不十分に整合した周波数を選択した結果である。熱電対システムにより、点108における38℃の温度が測定された。同じ順方向電力と(発生器において測定される反射電力をゼロに低減させる)最適な周波数の選択とにより試験を繰り返して、44℃の温度が測定された。
【0036】
上述したように、アブレーション中の給電線編組点108における温度は、アンテナからのマイクロ波放射と相関する。装置の試験はまた、マイクロ波発生器によって検出された反射電力と測定温度との反比例関係も実証し、マイクロ波エネルギー放射のさらなる独立した尺度を提供した。
【0037】
プルワイヤとしての熱電対ワイヤの使用
本発明のさらなる実施形態によれば、熱電対ワイヤは、温度監視及びカテーテル操縦という2つの機能を果たすために使用することができる。
図4A及び
図4Bに示す詳細は、挿入中に装置の遠位端を屈曲させ、したがって操縦するために使用される、プルワイヤとしての熱電対ワイヤ100の使用を示す。
【0038】
この目的で、マイクロ波給電線22の一部に、比較的非圧縮性の材料から作製された屈曲シース102が設けられている。屈曲シース102は、給電線を、アンテナ34の近位端における(導電性シールド28の端子における)点108から、給電線の外側シース26に固定されている点104まで、カテーテルの所望の屈曲部分の長手方向の範囲を規定する、たとえば30mmの距離だけ覆っている。後述するように、屈曲シース102の内径は、給電線シース26の外径より大きく、長手方向に移動するように熱電対ワイヤ100を収容する場所を提供する。
【0039】
屈曲シース102は、その長さに沿って一方の側に、一連の規則的に間隔を空けて配置された可撓性筋状部(striations)103を含み、それらは、材料の横方向切目であり得るか、又は、屈曲セクションの長さに沿って挿入された軟質の可撓性材料を含み得る。いずれの形態でも、これらの筋状部により、その側のみにおいて、屈曲シース102は容易に圧縮することができる(他方の側では圧縮に対する抵抗があり続ける)。したがって、この配置により、比較的非圧縮性の「背骨部(spine)」と圧縮性の「肋骨部(ribs)」の配置とを含む機構、すなわち、背骨部と反対の方向に可能な屈曲が提供される。
【0040】
点104から、給電線22の同じ側において、(軸方向の圧縮を阻止するが、概して横方向に比較的容易に偏向することができる)比較的非圧縮性の材料の中空ケーブル101が、カテーテルの近位部まで延び、給電線内に被覆されるようにすることにより外側給電線シース26に固定されるか、又は別法として外側シース46の内腔内に固定される。ケーブル101の内部ボアは、熱電対ワイヤ100を収容するようなサイズであり、この配置により、ワイヤは、カテーテルの給電線コアに近接して保持されることが確実になる。
【0041】
図4Aが示すように、コンスタンタンワイヤ100は、ケーブル101のボアに沿って且つ屈曲シース102の内側に沿って延び、その後、その端子部分は、給電線シールド28の導電編組の遠位端106の周囲に(1回又は複数回)巻き付けられ、点108においてそれに(確実なはんだ付けにより)電気的に接合されて、熱電対温接点をもたらす。この時点で、屈曲シース102の遠位端は、この電気的接合部の上で封止され、それにより、その端部の両方が、(点104及び108において)給電線22の周囲に固定される。したがって、ワイヤ100は、この接合点108から、術者によってアクセスされ操作されるように配置されるカテーテルの近位部まで自由に延びることができる。比較的著しい張力を操作するのに十分な引張強度を有し、それによりカテーテルチップに確実に力を伝達することができる、コンスタンタンワイヤが選択される。
【0042】
したがって、ワイヤ100は、偏向チップカテーテルの一般的な分野において既知であるように、プルワイヤ機能を提供する。ワイヤ100が方向Aに引っ張られると、この屈曲部分に沿ってワイヤ長110が短くなり、筋状部103の閉鎖又は圧縮と結果としての
図4Bに示す曲げにより、シース102の屈曲がもたらされる。最大屈曲の形態112では、筋状部103は完全に閉鎖されるか又は圧縮される。理解されるように、屈曲半径は、特定の用途に応じて、「急なカーブの(tight curve)」又は「緩いカーブの(wide curve)」カテーテルを提供するように、屈曲シース102の筋状部103の特定の配置及び寸法を選ぶことにより、選択することができる。
【0043】
ワイヤ100が解放されると、カテーテルの材料の固有の弾性により、元の真っ直ぐな形態に戻ることになる。理解されるように、ワイヤは、常に、その長さに沿ってカテーテルの軸方向に対して平行に保持されるため、ワイヤがいずれの箇所においても疲労するリスクが最小限になる。
【0044】
このように、熱電対ワイヤ100の操作によりカテーテルのチップを操縦することができ、そのため、カテーテルアセンブリに別個のプルワイヤを組み込む必要なしに、カテーテルを所望のアブレーション位置に誘導することができる。
【0045】
屈曲部分の背骨部を提供するためのコイル補強外側シースの使用、及び/又はステンレス鋼(若しくは同様の比較的非圧縮性の材料)のストリップの使用等、カテーテルの所望の方向性のある可撓性を提供する代替的な手段が当然ながら可能であり、カテーテルのこの部分の残りの部分は、必要に応じて圧縮することができるエラストマー材料であり、したがって、カテーテルは、背骨部の場所と反対の方向に屈曲することができる。
【0046】
温度測定-実験及び結果
図5は、動脈注射及び灌流の失敗を含む、110W実験アブレーション処置中の本発明の装置の使用における測定温度の変動をグラフに示す。これらの結果により、装置が、カテーテルの遠位部分における状態の信頼性の高いフィードバック手段を提供することが実証される。
【0047】
処置の参照点及び段階は以下の通りである。
A 腎血管造影
B 室温造影剤の注入によって生成された熱希釈曲線
C カテーテル灌流の中断
C 結果としての温度の急な上昇
E マイクロ波アブレーションの停止
【0048】
上述したように且つ
図5が示すように(段階B)、本発明によって提供される温度監視は、血流速度の尺度を提供するのにも役立つことができる。マイクロ波腎動脈除神経術の間、誘導シースからの腎動脈内への室温流体の注入により、カテーテル温度の過渡的低下がもたらされる。時間に対して温度を監視することは、(誘導シース出口から熱電対場所までの)通過時間、したがって、腎動脈流に関する有用な情報を提供し、血圧の測定とともに、腎微小血管抵抗を推定するために使用することができる。
【0049】
図6は、大型動物モデルにおける生体内マイクロ波除神経処置の一例を提供し、特に、最大の編組温度上昇(したがって、最小の反射電力)での周波数を見つけ、したがって組織結合を最適化するために、2400~2500MHzの範囲でのマイクロ波発生源の調整中の温度の変化を示す。
【0050】
プロセスの参照点及び段階は以下の通りである。
A’ 初期基線(血液温度)、およそ37℃
B’ カテーテル灌流の開始(30ml/m)
C’ マイクロ波アブレーションの開始(110W、2400MHz)、その時点から、印加されたマイクロ波周波数は、10秒の期間にわたり2500MHzまで自動的に上昇し、温度は迅速に上昇する
D’ 2450MHzで達成したピーク温度(発生器で測定された0W反射電力に関連する)
E’ 不十分な結合を示す、最低測定温度(発生器で測定された12W反射電力に関連する)
F’ 2500MHzに達すると調整が完了、この時点で、アブレーションは2450MHzという選択された周波数で継続する
【0051】
アブレーション中に血管口径を監視するインピーダンス測定
マイクロ波加熱は放射熱であり、組織に深く浸透することができるため、国際公開第2016/197206号に記載されているタイプのカテーテル装置は、流動する血液プールに隣接する組織に対する損傷なしに深い周囲アブレーションを実施することができる。
【0052】
マイクロ波腎除神経処置の間、腎動脈口径を監視することができることが重要である。腎動脈口径の低減により、動脈壁がマイクロ波アンテナに近づき、従ってより急速な加熱に曝されるため、熱による動脈損傷のリスクが高まり、その間、血管収縮により、動脈血流が低減し、したがって、冷却の速度が低下することになる可能性がある。一方、腎動脈拡張は、腎神経アブレーションの成功のエビデンスを提供し、有効な治療送達を確実にする生理学的エンドポイントを提供することができる。
【0053】
本発明者らは、マイクロ波アブレーションカテーテル装置10の周囲の血液プールのインピーダンスを監視することにより、血管口径の尺度を提供することができると判断した。インピーダンス監視は心血管処置において既知であるが、これは、一般に、組織の温度が上昇する際の組織インピーダンスの変化を測定するためのものである。
【0054】
図7に示すように、装置10の一実施形態は2つの電極204、206を含み、それらは、それぞれカテーテル外側シース46の外側及び内側において、およそ同じ軸方向位置で、カテーテルラジエータ部分の近位側に位置決めされている。第1形態では、これらの電極は、近位端からカテーテルの長さにわたって延びるワイヤ200及び202の剥き取られた端部として提供される。
【0055】
ワイヤ200及び202は、ハンドルH内の好適なコネクタを介して患者ケーブル52に、そこから電気ケーブル配線58を通って電力/制御ユニット60に接続し、電力/制御ユニット60は、電極204及び206の間のインピーダンスの遅延を測定し、記録し、提供する適切な回路及び処理手段を含む。
【0056】
カテーテルが血液プール内にあり、生理食塩水の灌流流体がカテーテル遠位部分を充填している状態で、ワイヤ200及び202に交番電位が印加されると、電極206から、給電線22及びラジエータ24を包囲する流体体積内のカテーテルの内側に沿って、6つのスリットオリフィス50のうちの1つ又は複数を通り、血液中のカテーテルの外側に沿って電極204に戻る、イオン導電経路210が形成される。したがって、電流を測定することにより、電極204及び206の間のインピーダンス、すなわち、電気経路が通過する生理食塩水体積及び血液体積のインピーダンスの尺度が提供され、このインピーダンスの変化により、血管口径の変化の指標を提供することができる。理解されるように、除神経処置中に動脈12が拡張すると、カテーテル内部の電気回路の部分の電気特性は実質的に変化しないが、カテーテルの外側の回路の部分のより低抵抗の経路は、インピーダンス全体に顕著な影響を与える。
【0057】
このため、外部電極204は血流内にあることが必要であり、
図8及び
図9は、電極を具現化する好適な代替方法の詳細を提供する。これらの図において、参照符号Sは、絶縁材が除去されたワイヤ200及び202の端子部分の開始部を示す。
【0058】
図8において、ワイヤ202は、カテーテルシース46と給電線シース26との間の空間においてカテーテルに沿って延び、その剥ぎ取られた端部分202’は、180°それ自体の方に折れ曲がり、その後、その先端は、給電線シース26の周囲でリング電極206に電気的に接続され且つ固定される。ワイヤ200は、同様に、カテーテルシース46と給電線シース26との間の空間においてカテーテルに沿って延び、その剥ぎ取られた端部分200’は、シース46の刺し穴を通過し、それ自体の方に折れ曲がり、その先端は、その後、カテーテルシース46の周囲で外側リング電極204に電気的に接続され且つ固定され、両リング電極は、給電線編組28の端部(アンテナ34の近位端)からおよそ10~15mmの位置で長手方向に一致する。刺し穴を封止するために好適な接着剤が使用される。
【0059】
代替形態では、装置10とは無関係であるように外部電極204を設けることができる。たとえば、誘導シース150の遠位端に又はその近くに(たとえば、放射線不透過性リングが一般に配置される位置に隣接して)配置することができ、又は、好適な場所で参照患者リターン電極として設けることができる。概して、こうした解決法は、電力/制御ユニット60のインピーダンス測定回路への別個の電気接続リードの使用が必要であるため、好ましい手法ではない。しかしながら、こうした配置は、装置10の構成要素を低減させ簡略化するという利点を有することができるため、カテーテルシース46の口径を最小化することができる。
【0060】
理解されるように、カテーテルのラジエータ部分の前でワイヤ200及び202を終端させ、いかなる金属構成要素もマイクロ波電磁界の外側に位置決めされるのを確実にし、さもなければ結果として生じる電磁界印加とインピーダンス回路との両方に対する干渉を回避することが重要である。さらに、リング電極204及び206は、好ましくは、完全な導電リングではなく、すなわち、好ましくはO字形ではなくC字形であり、望ましくない加熱に至る可能性がある、電極204及び206をマイクロ波電磁界における寄生インダクタにする可能性がある電気経路の閉鎖を回避する。
【0061】
図9における代替的な電極配置は、ワイヤ202の端子部202’としての内部電極206を含み、ワイヤ202は、それ自体の方に180°折れ曲がり、その先端は、単にヒートシュリンク220により給電線シース26の周囲に固定される。ワイヤ200は、シース46の刺し穴を通過し、外部電極204は、剥ぎ取られたワイヤ端部分200’のループ201を含み、それは、カテーテルシール46の外側の周囲に通され、ヒートシュリンク又は接着剤によりそこに固定される。ループ形態の電極204(
図8及び
図9に示す変形の両方における)により、血液プールとの電気的接触が確実になり、ループは、
図8の実施形態に関して上述したように、ループの周囲の電気経路の閉鎖とマイクロ波電磁界による誘導加熱の関連するリスクとを回避するために、それ自体に再度電気的に接続しない(
図9に示す戻り点は、剥ぎ取られた絶縁材の開始部の近位側である)。
【0062】
ワイヤ200、202は、給電線シース26の外側に沿ったそれらの過程の間、接着接合部又はヒートシュリンクのバンドによりその外側に固定することができる。
【0063】
本発明のさらなる実施形態では、本発明者らは、ワイヤ200、202が製造時にカテーテルシース46の壁材料内に組み込まれ、したがって、シースの内側又は外側から全体的に電気的に絶縁された、カテーテル10の代替バージョンを開発し試験した。このバージョンでは、電極204及び206は、(
図8に示す実施形態と同様の形態の)不完全リング構造であり、一方がカテーテルシース壁の外面に(溶融埋込により)組み込まれ、一方が内面に組み込まれるものとして形成された。ワイヤと同様に、これらの電極は、いかなる望ましくない表面不連続性も防止するように、シース壁の対応する表面と同一平面である、それぞれ外面及び内面を提示するように、シース46の製造時に形成された。
【0064】
カテーテルシースに両電極を設ける1つの利点は、内部の給電線のいかなる相対移動にも関わらず、介在する距離が機能的に一定であるのを確実にし、したがって、いかなる関連する測定アーチファクトも回避するということである。
【0065】
インピーダンス測定-実験及び結果
本発明者らにより、除神経カテーテルにおけるインピーダンス回路を使用して血管拡張を監視するという概念を、動物実験において試験し、
図11に、時間に対するインピーダンスのグラフ出力を示す。
【0066】
処置の参照点及び段階は以下の通りである。
A’’ 基線(呼吸及び腹腔内圧の変化に対応する動脈サイズの変動)
B’’ アブレーション開始
C’’ 血液造影1(
図10A)
D’’ バルーン閉塞
E’’ 血液造影(
図10B)
【0067】
インピーダンス低下は、流体に対するマイクロ波放射の加熱効果からもたらされるが、インピーダンスは、室温生理食塩水の冷却効果により灌流の速度の上昇によって上昇する。段階A’’の最後におけるマイクロ波アブレーションの開始から、マイクロ波ラジエータの周囲の生理食塩水の加温により、インピーダンスは約30秒で低下する。
【0068】
約72秒において、低温の造影剤の注入により、測定インピーダンスの点C’’までの急峻な過渡現象がもたらされ、そこで、第1血液造影図が撮影される。
図10は、腎動脈12内におけるラジエータ24、カテーテルチップ42及び電極204、206の位置を示す。
【0069】
この時点で、腎臓上の下行大動脈のバルーン閉塞(
図10Bに示すバルーン閉塞装置210)により、血圧の低下と、それにより腎動脈12の緩やかな虚脱とがもたらされる。この血管収縮は、処置の段階D’’の間の上昇するインピーダンスとして明確に解釈される。
【0070】
第2血管造影図は、
図11における点E’’に対応し、それは収縮した動脈12も示す。
【0071】
この例では、およそ250オームのインピーダンス変化が観察され、血管口径はおよそ6mmから5mmまで低減した。
【0072】
この実験により、血管口径の尺度としてのインピーダンス監視の値と、そのため、血管除神経療法におけるフィードバック機構としてのその値とが明確に実証されている。
【0073】
上述した処置における点及び段階の指標を提供することに加えて、本発明は、流体路が位置決め構造体48の位置を横切るとすれば、その構造体の展開の指標を提供することができる。位置決め構造体が展開されると、いかなる観察されるインピーダンスの変化も、血管口径変化のみに起因するはずである。しかしながら、展開中、インピーダンスは、位置決め構造体の拡張に影響を受けやすく、したがって、本発明を使用して展開の成功を確認することができる。
【0074】
本明細書に開示し且つ定義した本発明は、本文若しくは図面に言及されるか又はそれらから明らかである個々の特徴のうちの2つ以上のすべての代替的な組合せに及ぶことが理解されよう。これらの異なる組合せのすべてが、本発明のさまざまな代替的な態様を構成する。
【0075】
本明細書で使用する場合、別段文脈から必要でない限り、「備える、含む(comprise)」という用語、並びに「備えている、含んでいる(comprising)」、「備える、含む(comprises)」、「備えた、含んでいた(comprised)」等、その用語の変形は、さらなる追加物、構成要素、完全体又はステップを排除するようには意図されていない。