(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】車両用積載物固定具、車両用固定具付き積載物、および車両への積載物固定方法
(51)【国際特許分類】
B60P 7/10 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
B60P7/10
(21)【出願番号】P 2021097161
(22)【出願日】2021-06-10
【審査請求日】2023-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】511211162
【氏名又は名称】杉谷 康和
(74)【代理人】
【識別番号】110001472
【氏名又は名称】弁理士法人かいせい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉谷 康和
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-301520(JP,A)
【文献】特開2021-095111(JP,A)
【文献】登録実用新案第3208263(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0204346(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0061060(KR,A)
【文献】特開2009-149231(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 7/06- 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積載物(21、31)の底部から突出し、車両(10)の荷台(12)の底板(13)とアオリ板(14L、14R、14B)との間の隙間に対応する形状を有し、前記アオリ板(14L、14R、14B)と前記底板(13)との間で挟持される鍔部(22a)を備え
、
前記鍔部(22a)は、前記積載物(21)の後下部に設けられており、
前記積載物(21)の後下部に設けられた前記鍔部(22a)は、前記底板(13)と後ろ側の前記アオリ板(14B)との間で挟持され、
前記積載物(21)の後下部に設けられた前記鍔部(22a)は、前記底板(13)のうち後ろ側の前記アオリ板(14B)に対応する段差状に低くなっている部位に対応して、前記積載物(21)の底面よりも低い位置で水平方向外側に延びている車両用積載物固定具。
【請求項2】
前記鍔部(22a)は、前記積載物(21、31)に溶接またはボルト締めによって接合されている請求項1に記載の車両用積載物固定具。
【請求項3】
前記鍔部(22a)は、前記積載物(21、31)の左下部および右下部に設けられており、
前記積載物(21、31)の左下部に設けられた前記鍔部(22a)は、前記底板(13)と左側の前記アオリ板(14L)との間で挟持され、
前記積載物(21、31)の右下部に設けられた前記鍔部(22a)は、前記底板(13)と右側の前記アオリ板(14R)との間で挟持される請求項1または2に記載の車両用積載物固定具。
【請求項4】
請求項1ないし
3のいずれか1つに記載の車両用積載物固定具(22L、22R、22B)と、
前記積載物(21、31)とを備える車両用固定具付き積載物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の荷台に積載物を固定するための固定具、それを備える積載物、およびそれを用いた車両への積載物固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、荷台を有するトラック等の貨物運搬車両では、荷台に積載された積載物が走行中に落下しないようロープやベルト等の固縛部材により固縛する必要がある。固縛部材による積載物の固縛には特殊な技能や部材が必要となるので、積載物の確実な固縛が困難であった。
【0003】
そこで、従来、特許文献1に記載されているような積載物固縛装置を用いることによって、比較的容易かつ確実に積載物を固縛可能にすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されているような積載物固縛装置を用いたとしても、固縛による固定を行う限り、ある程度の煩雑さは免れない。
【0006】
積載物を荷台にボルトや溶接等によって固定すれば固縛による固定が不要になるが、その場合には車両の構造変更の手続きが必要となって法令上の種々の制約を受けることとなってしまう。
【0007】
本発明は、上記点に鑑みて、極めて簡素な構成で極めて容易に積載物を荷台に固定可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の車両用積載物固定具は、積載物(21、31)の底部から突出し、車両(10)の荷台(12)の底板(13)とアオリ板(14L、14R、14B)との間の隙間に対応する形状を有し、底板(13)とアオリ板(14L、14R、14B)との間で挟持される鍔部(22a)を備え、鍔部(22a)は、積載物(21)の後下部に設けられており、積載物(21)の後下部に設けられた鍔部(22a)は、底板(13)と後ろ側のアオリ板(14B)との間で挟持され、積載物(21)の後下部に設けられた鍔部(22a)は、底板(13)のうち後ろ側のアオリ板(14B)に対応する段差状に低くなっている部位に対応して、積載物(21)の底面よりも低い位置で水平方向外側に延びている。
【0009】
これによると、鍔部(22a)が車両(10)の荷台(12)の底板(13)とアオリ板(14L、14R、14B)との間で挟持されることによって、積載物(21、31)が荷台(12)に固定される。したがって、極めて簡素な構成で極めて容易に、積載物(21、31)を荷台に固定できる。
【0010】
請求項2に記載の車両用積載物固定具は、請求項1に記載の車両用積載物固定具において、鍔部(22a)は、積載物(21、31)に溶接またはボルト締めによって接合されている。これにより、鍔部(22a)の構造をさらに簡素化できる。
【0011】
請求項3に記載の車両用積載物固定具は、請求項1または2に記載の車両用積載物固定具において、鍔部(22a)は、積載物(21、31)の左下部および右下部に設けられており、積載物(21、31)の左下部に設けられた鍔部(22a)は、底板(13)と左側のアオリ板(14L)との間で挟持され、積載物(21、31)の右下部に設けられた鍔部(22a)は、底板(13)と右側のアオリ板(14R)との間で挟持される。これにより、積載物(21、31)を荷台(12)に確実に固定できる。
【0013】
上記目的を達成するため、請求項4に記載の車両用固定具付き積載物は、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用積載物固定具(22L、22R、22B)と、積載物(21、31)とを備える。これによると、請求項1に記載の車両用積載物固定具と同様の作用効果を奏することができる。
【0015】
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】第1実施形態の貨物運搬車両を示す斜視図である。
【
図2】第1実施形態の貨物運搬車両に積載される箱状積載物を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態の箱状積載物が貨物運搬車両に積載された状態を示す模式的な断面図である。
【
図4】第2実施形態の貨物運搬車両に積載される箱状積載物を示す斜視図である。
【
図5】第3実施形態の貨物運搬車両に積載される箱状積載物を示す斜視図である。
【
図6】第4実施形態の貨物運搬車両を示す斜視図である。
【
図7】第4実施形態の貨物運搬車両に積載される枠状積載物を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態を説明する。
図1に示す貨物運搬車両10は、キャビン11および荷台12を有している。図中、上下左右前後の矢印は、貨物運搬車両10における上下左右前後の各方向を示している。
【0018】
キャビン11は、運転席および助手席を有している。荷台12は、キャビン11の後方に設けられている。荷台12は、屋根のない開放式のオープンデッキとして構成されており、底板13およびアオリ板14L、14R、14Bを有している。
【0019】
底板13は、荷台12の床面を構成しており、底板13の上に積載物が載せられる。
図1では、本実施形態の積載物の例として、箱状積載物20が二点鎖線で図示されている。
【0020】
アオリ板14L、14R、14Bは、積載物の落下を防止するように、底板13を左側、右側および後ろ側の三方側から囲う。アオリ板14L、14R、14Bは、蝶番15を介して底板13に固定されている。これにより、アオリ板14L、14R、14Bを荷台12の外方側に倒すことが可能になっている。
【0021】
図1では、左側のアオリ板14Lおよび右側のアオリ板14Rが起こされて、後ろ側のアオリ板14Bが倒されている状態が図示されている。
【0022】
アオリ板14L、14R、14Bは、図示しないロックレバーによって、起こされた状態でロック可能になっている。
【0023】
起こされた状態のアオリ板14L、14R、14Bと底板13との間の隙間の寸法は蝶番15によって微調整可能である。
【0024】
キャビン11と荷台12との間にはトリイ16が配置されている。トリイ16は、キャビン11の後方窓を保護するとともに、積載物を固定するために用いられる枠状の構造物である。
【0025】
図2に示すように、箱状積載物20は、積載物である箱型コンテナ21に、車両用積載物固定具である左側固定具22Lおよび右側固定具22Rが取り付けられてた車両用固定具付き積載物である。箱型コンテナ21は、外形直方体の箱形状を有しており、内部に種々の収容物を収容可能になっている。箱型コンテナ21は、例えば鋼材および鋼板で形成されている。箱型コンテナ21の左右方向の幅寸法は、左側のアオリ板14Lと右側のアオリ板14Rとの間の寸法とほぼ同じになっている。
【0026】
左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは、箱型コンテナ21を荷台12に固定するために用いられる。左側固定具22Lは、箱型コンテナ21の左下部に取り付けられている。右側固定具22Rは、箱型コンテナ21の右下部に取り付けられている。
【0027】
左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは、箱型コンテナ21の前後方向のほぼ全域に亘って取り付けられている。左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは、溶接やボルト締結等の接合手段によって箱型コンテナ21に強固に接合されている。
【0028】
左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは断面L字状で、箱型コンテナ21の前後方向に延びる部材である。本例では、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rとして、平鋼(いわゆるフラットバー)をL字状に曲げ加工したものが用いられている。
【0029】
左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは、L字状断面の一辺が水平方向外側に延び、L字状断面の他辺が上下方向に延びる向きで箱型コンテナ21に接合されている。左側固定具22Lおよび右側固定具22Rのうち水平方向外側に延びる部位は、箱型コンテナ21から鍔状に突出する鍔部22aを構成している。左側固定具22Lおよび右側固定具22Rのうち上下方向に延びる部位は、箱型コンテナ21の側面下部に接合される被接合部22bを構成している。
【0030】
図3は、箱状積載物20が貨物運搬車両10の荷台12に積載された状態を示す模式的な断面図であり、荷台12および箱状積載物20を貨物運搬車両10の前後方向に対して垂直に切断した断面図である。
【0031】
図3に示すように、左側固定具22Lの鍔部22aは、起こされた状態の左側アオリ板14Lと底板13との間の隙間に対応する形状を有している。本例の貨物運搬車両10では、底板13のうち左側アオリ板14Lに対応する部位が段差状に低くなっていることから、左側固定具22Lの鍔部22aは箱型コンテナ21の底面よりも低い位置に配置されている。
【0032】
左側固定具22Lの鍔部22aの厚さは、起こされた状態の左側アオリ板14Lと底板13との間の隙間よりもわずかに厚くなっている。左側アオリ板14Lが起こされた状態では、左側固定具22Lの鍔部22aは左側アオリ板14Lと底板13との間に挟持される。
【0033】
起こされた状態の左側アオリ板14Lと底板13との間の隙間の寸法を蝶番15によって微調整することによって、起こされた状態の左側アオリ板14Lと底板13との間に鍔部22aが確実に挟持されるようにするのが好ましい。
【0034】
右側固定具22Rの鍔部22aの形状および役割は、左側固定具22Lの鍔部22aと同様である。右側固定具22Rの鍔部22aは、起こされた状態の右側アオリ板14Rと底板13との間の隙間に対応する形状を有している。本例の貨物運搬車両10では、底板13のうち右側アオリ板14Rに対応する部位が段差状に低くなっていることから、右側固定具22Rの鍔部22aは箱型コンテナ21の底面よりも低い位置に配置されている。
【0035】
右側固定具22Rの鍔部22aの厚さは、起こされた状態の右側アオリ板14Rと底板13との間の隙間よりもわずかに厚くなっている。右側アオリ板14Rが起こされた状態では、右側固定具22Rの鍔部22aは右側アオリ板14Rと底板13との間に挟持される。これにより、箱型コンテナ21が荷台12に固定された状態となる。
【0036】
起こされた状態の右側アオリ板14Rと底板13との間の隙間の寸法を蝶番15によって微調整することによって、起こされた状態の右側アオリ板14Rと底板13との間に鍔部22aが確実に挟持されるようにするのが好ましい。
【0037】
次に、貨物運搬車両10への箱状積載物20の固定方法を説明する。すなわち、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rが取り付けられた箱型コンテナ21を荷台12に固定する手順を説明する。
【0038】
第1工程では、
図3の二点鎖線に示すように荷台12の左側アオリ板14Lおよび右側アオリ板14Rを倒す。この状態で箱状積載物20を荷台12に載せる。第2工程では、
図3の実線に示すように左側アオリ板14Lおよび右側アオリ板14Rを起こし、図示しないロックレバーによって左側アオリ板14Lおよび右側アオリ板14Rをロックする。すなわち、左側アオリ板14Lおよび右側アオリ板14Rを起こした状態でロックする。
【0039】
これにより、左側固定具22Lの鍔部22aが左側アオリ板14Lと底板13との間に挟持され、右側固定具22Rの鍔部22aが右側アオリ板14Rと底板13との間に挟持されるので、箱型コンテナ21が荷台12に固定される。
【0040】
このように、本実施形態では、箱型コンテナ21をロープやベルト等の固縛部材により固縛する場合と比較して、極めて簡単かつ確実に箱型コンテナ21を荷台12に固定することができる。
【0041】
荷台12の構造を変更することなく箱型コンテナ21を荷台12に固定できるので、車両の構造変更の手続きが不要であり、法令上の種々の制約を受けることがない。したがって、箱型コンテナ21の積載を極めて簡略化できるとともに箱型コンテナ21の積載の自由度を著しく高めることができる。
【0042】
本実施形態の左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは、箱型コンテナ21の底部から突出する鍔部22aを備える。鍔部22aは、荷台12の底板13とアオリ板14L、14Rとの間の隙間に対応する形状を有し、底板13とアオリ板14L、14Rとの間で挟持される。
【0043】
これによると、鍔部22aが荷台12の底板13とアオリ板14L、14Rとの間で挟持されることによって、箱型コンテナ21が荷台12に固定される。したがって、極めて簡素な構成で極めて容易に、箱型コンテナ21を荷台に固定できる。
【0044】
本実施形態の鍔部22aは、積載物21、31に溶接またはボルト締めによって接合されている。これにより、鍔部22aの構造をさらに簡素化できる。
【0045】
本実施形態の鍔部22aは、箱型コンテナ21の左下部および右下部に設けられている。箱型コンテナ21の左下部に設けられた鍔部22aは、底板13と左側アオリ板14Lとの間で挟持され、箱型コンテナ21の右下部に設けられた鍔部22aは、底板13と右側アオリ板14Rとの間で挟持される。これにより、箱型コンテナ21を荷台12に確実に固定できる。
【0046】
本実施形態の箱状積載物20は、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rと、箱型コンテナ21とを備える。これによると、極めて簡素な構成で極めて容易に、箱型コンテナ21を荷台に固定できる。
【0047】
本実施形態の車両への積載物固定方法は、貨物運搬車両10の荷台12のアオリ板14L、14Rを倒した状態で箱型コンテナ21を荷台12の底板13の上に載せる第1工程と、アオリ板14L、14Rを起こしてロックすることによって、箱型コンテナ21の底部から突出する鍔部22aを底板13とアオリ板14L、14Rとの間で挟持する第2工程とを含む。これにより、アオリ板14L、14Rを起こしてロックするだけで、極めて容易に、箱型コンテナ21を荷台に固定できる。
【0048】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rが箱型コンテナ21に取り付けられているが、本実施形態では、
図4に示すように、後ろ側固定具22Bも箱状積載物20に取り付けられている。後ろ側固定具22Bは、箱型コンテナ21の後下部に取り付けられている。後ろ側固定具22Bは、箱型コンテナ21の左右方向のほぼ全域に亘って取り付けられている。
【0049】
後ろ側固定具22Bの構造は、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rと同様である。後ろ側固定具22Bは、溶接やボルト締結等の接合手段によって箱型コンテナ21に強固に接合されている。
【0050】
後ろ側固定具22Bは断面L字状で、箱型コンテナ21の前後方向に延びる部材である。本例では、後ろ側固定具22Bとして、平鋼(いわゆるフラットバー)をL字状に曲げ加工したものが用いられている。
【0051】
後ろ側固定具22Bは、L字状断面の一辺が水平方向外側に延び、L字状断面の他辺が上下方向に延びる向きで箱型コンテナ21に接合されている。左側固定具22Lおよび右側固定具22Rのうち水平方向外側に延びる部位は、箱型コンテナ21から鍔状に突出する鍔部22aを構成している。後ろ側固定具22Bのうち上下方向に延びる部位は、箱型コンテナ21の側面下部に接合される被接合部22bを構成している。
【0052】
後ろ側固定具22Bの鍔部22aは、起こされた状態の後ろ側アオリ板14Bと底板13との間の隙間に対応する形状を有している。本例の貨物運搬車両10では、底板13のうち後ろ側アオリ板14Bに対応する部位が段差状に低くなっていることから、後ろ側固定具22Bの鍔部22aは箱型コンテナ21の底面よりも低い位置に配置されている。
【0053】
後ろ側固定具22Bの鍔部22aの厚さは、起こされた状態の後ろ側アオリ板14Bと底板13との間の隙間よりもわずかに厚くなっている。後ろ側アオリ板14Bが起こされた状態では、後ろ側固定具22Bの鍔部22aは後ろ側アオリ板14Bと底板13との間に挟持される。
【0054】
起こされた状態の後ろ側アオリ板14Bと底板13との間の隙間の寸法を蝶番15によって微調整することによって、起こされた状態の後ろ側アオリ板14Bと底板13との間に鍔部22aが確実に挟持されるようにするのが好ましい。
【0055】
これにより、箱型コンテナ21を左右後ろの三辺で荷台12に固定することができるので、箱型コンテナ21を荷台12に一層確実に固定することができる。
【0056】
本実施形態の鍔部22aは、箱型コンテナ21の後下部に設けられている。箱型コンテナ21の後下部に設けられた鍔部22aは、底板13と後ろ側アオリ板14Bとの間で挟持される。これにより、箱型コンテナ21を荷台12に一層確実に固定できる。
【0057】
(第3実施形態)
上記実施形態では、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは、箱型コンテナ21の前後方向のほぼ全域に亘って取り付けられているが、本実施形態では、
図5に示すように、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは、箱型コンテナ21の前端近傍および後端近傍のみに取り付けられている。
【0058】
後ろ側固定具22Bについても同様であり、上記第2実施形態では、後ろ側固定具22Bは、箱型コンテナ21の左右方向のほぼ全域に亘って取り付けられているが、本実施形態では、
図5に示すように、後ろ側固定具22Bは、箱型コンテナ21の左端近傍および右端近傍のみに取り付けられている。
【0059】
このように、左側固定具22L、右側固定具22Rおよび後ろ側固定具22Bの長さ、個数および位置は種々変更可能である。
【0060】
本実施形態においても、上記実施形態と同様に、極めて簡単かつ確実に箱型コンテナ21を荷台12に固定することができる。
【0061】
(第4実施形態)
上記第1実施形態における車両用固定具付き積載物は箱状積載物20であるが、
図6~7に示すように、本実施形態における固定具付き積載物は枠状積載物30である。
【0062】
枠状積載物30は、積載物である枠状架台31に左側固定具22Lおよび右側固定具22Rが取り付けられたものである。枠状架台31は、トリイ16に類似した枠状の部材であり、荷台12の後部に積載される。
【0063】
例えば、枠状架台31は、荷台12の前後方向寸法と同等またはそれ以上の長さの長尺物を積載する際に用いられる。具体的には、長尺物は、トリイ16および枠状架台31の上に、トリイ16と枠状架台31との間を橋渡しするように積載される。
【0064】
枠状架台31は、例えば鋼材および鋼板で形成されている。枠状架台31の左右方向の幅寸法は、左側アオリ板14Lと右側アオリ板14Rとの間の寸法とほぼ同じになっている。
【0065】
左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは、枠状架台31を荷台12に固定するために用いられる。左側固定具22Lは、枠状架台31の左下部に取り付けられている。右側固定具22Rは、枠状架台31の右下部に取り付けられている。
【0066】
上記実施形態と同様に、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは、溶接やボルト締結等の接合手段によって枠状架台31に強固に接合されている。
【0067】
左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは断面L字状で、枠状架台31の前後方向に延びる部材である。本例では、上記実施形態と同様に、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rとして、平鋼(いわゆるフラットバー)をL字状に曲げ加工したものが用いられている。上記実施形態と同様に、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは、鍔部22aおよび被接合部22bを有している。
【0068】
上記実施形態と同様に、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rの鍔部22aは、起こされた状態の左側アオリ板14Lおよび右側アオリ板14Rと底板13との間に挟持される。これにより、枠状架台31が荷台12に固定された状態となる。
【0069】
本実施形態では、上記実施形態の箱型コンテナ21と同様に、枠状架台31を極めて簡単かつ確実に荷台12に固定することができる。
【0070】
(他の実施形態)
(1)上記第1~2実施形態では、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは箱型コンテナ21に溶接やボルト締め等によって接合されているが、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは箱型コンテナ21と一体成形されていてもよい。
【0071】
同様に、上記第3実施形態では、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは枠状架台31に溶接やボルト締め等によって接合されているが、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rは枠状架台31と一体成形されていてもよい。
【0072】
(2)上記実施形態では、左側固定具22L、右側固定具22Rおよび後ろ側固定具22Bは断面L字状であるが、左側固定具22L、右側固定具22Rおよび後ろ側固定具22Bの形状は種々変更が可能である。すなわち、左側固定具22L、右側固定具22Rおよび後ろ側固定具22Bは、起こされた状態のアオリ板と底板13との間に挟持される鍔部22aを有する形状であればよい。
【0073】
左側固定具22Lおよび右側固定具22Rが左右方向に繋がって一体化されていてもよい。さらに、左側固定具22Lおよび右側固定具22Rに後ろ側固定具22Bも一体化されていてもよい。
【0074】
(3)上記第1~2実施形態では固定具22L、22R、22Bが取り付けられた積載物が箱型コンテナ21であり、上記第3実施形態では固定具22L、22Rが取り付けられた積載物が枠状架台31であるが、箱型コンテナ21や枠状架台31に限定されるものではなく、固定具22L、22R、22Bは種々の積載物に取り付け可能である。
【0075】
すなわち、固定具22L、22R、22Bは、種々の積載物の荷台12への固定に利用可能である。
【符号の説明】
【0076】
10 車両
12 荷台
13 底板
14L 左側アオリ板(アオリ板)
14R 右側アオリ板(アオリ板)
14B 後ろ側アオリ板(アオリ板)
20 箱状積載物(車両用固定具付き積載物)
21 箱型コンテナ(積載物)
22L 左側固定具(車両用積載物固定具)
22R 右側固定具(車両用積載物固定具)
22B 後ろ側固定具(車両用積載物固定具)
22a 鍔部
30 枠状積載物(車両用固定具付き積載物)
31 枠状架台(積載物)