(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニング用装置及び方法
(51)【国際特許分類】
F16H 7/12 20060101AFI20240401BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
F16H7/12 A
H04N5/222 100
(21)【出願番号】P 2021515570
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(86)【国際出願番号】 IB2019057968
(87)【国際公開番号】W WO2020058925
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2022-07-19
(31)【優先権主張番号】102018000008811
(32)【優先日】2018-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】509027191
【氏名又は名称】ビデオテック・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】VIDEOTEC S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】アレッシオ・グロット
(72)【発明者】
【氏名】アンジェロ・リベッロ
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-172948(JP,A)
【文献】実開昭57-100650(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 7/12
H04N 5/222
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオカメラアセンブリ(1)のベルト(11)のテンショニングのための装置(12)であって、前記装置(12)は、
前記ベルト(11)のテンショニングのために、前記ベルト(11)に接触して動作するように構成されるベルトテンショナターミナル(17)と、
前記ベルト(11)に対して前記ベルトテンショナターミナル(17)をスラストするように前記ベルトテンショナターミナル(17)に動作する弾性タイプのスラスト要素(19)と、
前記ベルト(11)に対して、前記ベルトテンショナターミナル(17)の調節可能な位置を特定するように構成される調節要素(24)と、
前記ベルトテンショナターミナル(17)の位置を制限しない休憩状態と、前記ベルトテンショナターミナル(17)の位置を制限する制限状態との間で動作するように構成される少なくとも1つの制限要素(21)と、を備え、
前記調節要素(24)は、除去可能な方法において前記スラスト要素(19)に接続されるように構成され、
前記スラスト要素(19)と前記調節要素(24)とは、同一の動作方向を共有し、
前記少なくとも1つの制
限要素(21)は、前記スラスト要素(19)と前記調節要素(24)との前記動作方向に直交する方向に沿って動作するまたは延びる、装置(12)。
【請求項2】
前記スラスト要素(19)を収容する本体(20)をさらに有し、
前記本体(20)の移動は、前記ベルト(11)に前記ベルトテンショナターミナル(17)がスラストするスラストを調節し、
前記調節要素(24)は、前記ベルトテンショナターミナル(17)が前記ベルト(11)に負荷するスラスト強度を調節するように、前記本体(20)を移動させるように構成され、
前記少なくとも1つの制限要素(21)は、前記本体(20)に係合され、
前記少なくとも1つの制限要素(21)は、前記休憩状態において前記本体(20)の移動を可能にし、前記制限状態において前記本体(20)の
不動の位置を
決定し、前記本体(20)の移動を抑制する、請求項1に記載の装置(12)。
【請求項3】
フレーム(13)をさらに有し、
前記少なくとも1つの制限要素(21)は、前記フレーム(13)に係合され、
前記休憩状態において、前記少なくとも1つの制限要素(21)は、前記フレーム(13)に対して前記本体(20)の移動を可能にし、よって、前記スラスト要素(19)の位置を制限せず、
前記制限状態において、前記少なくとも1つの制限要素(21)は、前記フレーム(13)に対して前記本体(20)の位置を固定にし、よって、前記スラスト要素(19)の
不動の位置を
決定する、請求項2に記載の装置(12)。
【請求項4】
前記フレーム(13)は、前記少なくとも1つの制限要素(21)のための少なくとも1つのガイド(15)を有し、
前記ガイド(15)は、前記少なくとも1つの制限要素(21)の前記休憩状態において前記少なくとも1つの制限要素(21)の移動を可能にするように構成され、
前記少なくとも1つ制限要素(21)は、前記ガイド(15)において、少なくとも部分的に収容される、請求項3に記載の装置(12)。
【請求項5】
前記フレーム(13)は、前記本体(20)
よりも前方に延びる部分(13b)を有し、
前記部分(13b)は、少なくとも1つの
座部(16a)を有して、
動作状態において、前記調節要素(24)は、前記
座部(16a)に収容され、
前記
座部は、前記調節要素(24)の動作方向に対して実質的に同軸上の貫通孔(16a)
を有する、請求項3または4に記載の装置(12)。
【請求項6】
前記本体(20)に係合される調節部分(23)をさらに有し、
前記スラスト要素(19)は前記調節部分(23)に係合され、
前記調節要素(24)は、前記スラスト要素(19)上で動作するように前記調節部分(23)に対して除去可能な方法において係合されるように構成され、
前記スラスト要素(19)は、前記調節部分(23)から前記調節要素(24)の脱離に続き、前記スラスト要素(19)の部分的弾性スプリングバックによって、前記調節部分(23
)と前記本体(20)との間に隙間(25)を形成するように構成される、請求項
5に記載の装置(12)。
【請求項7】
前記
座部(16a)は、前記調節部分(23)と同軸上に位置され、前記調節部分(23)に向かって方向付けるための前記調節
要素(24)に協働するように構成される、請求
項6に記載の装置(12)。
【請求項8】
前記調節要素(24)は、前記調節部分(23)と接触するように構成されるステム(24b)を有し、
前記
座部(16a)は、前記ステム(24b)を貫通する方法で受けるように適し、前記調節要素(24)のステム(24b)のための支持として機能する、請求項7に記載の装置(12)。
【請求項9】
前記調節要素(24)は、動作的部分(24a)を有し、
前記動作的部分(24a)は、断面において、前記
座部(16a)内の前記調節要素(24)の最大挿入の状態において、前記フレーム(13)の前記部分(13b)と接触するように、前記
座部(16a)の自由通過面積より大きい全体寸法を有する、請求項8に記載の装置(12)。
【請求項10】
前記調節要素(24)は、ボルト、ネジ、釘の内1つを有する、請求項8または9に記載の装置(12)。
【請求項11】
ビデオカメラハウジング本体(3)と、
前記ビデオカメラハウジング本体(3)に収容されるビデオカメラ(7)と、
モータ(10)と、
前記モータ(10)に係合され、回転動作を伝達するように構成されるベルト(11)と、
前記ベルト(11)のテンショニングのための請求項1から10のいずれか一項に記載の前記装置(12)と、を備えた、ビデオカメラアセンブリ(1)。
【請求項12】
前記装置(12)を収容する箱状本体(2)をさらに有し、
前記ビデオカメラハウジング本体(3)は、前記箱状本体(2)の第1部分(4a)に回転可能に係合され、
前記ベルト(11)は、少なくとも前記ビデオカメラアセンブリ(1)の動作状態において、前記箱状本体(2)の第2部分(4b)に対して、前記第1部分(4a)と前記ビデオカメラハウジング本体(3)との回転を可能にするように構成されるパワー伝達ベルトである、請求項11に記載のビデオカメラアセンブリ(1)。
【請求項13】
ビデオカメラアセンブリ(1)のベルト(11)のテンショニング方法であって、
請求項11または12に記載のビデオカメラアセンブリ(1)のベルト(11)を設けることと、
スラスト要素(19)及び調節要素(24)が同一の動作方向を共有し、弾性タイプの前記スラスト要素(19)によって、前記ベルト(11)のテンショニングのために、前記ベルト(11)に対してベルトテンショナターミナル(17)をスラストすることと、
前記調節要素(24)によって、前記ベルトテンショナターミナル(17)が前記ベルト(11)に負荷するスラスト強度を調節することと、
前記スラスト要素(19)及び前記調節要素(24)の前記動作方向に対して直交する方向に沿って動作するまたは延びる少なくとも1つの制限要素(21)によって、前記ベルトテンショナターミナル(17)を、前記ベルト(11)の望ましい張力に対応する前記ベルトテンショナターミナル(17)の望ましい位置に制限することと、
前記スラスト要素(19)から前記調節要素(24)を断絶することと、
を少なくとも有する、方法。
【請求項14】
前記ベルトテンショナターミナル(17)が前記ベルト(11)に負荷するスラスト強度を調節することは、前記ベルトテンショナターミナル(17)を移動し、前記スラスト要素(19)を収容する本体(20)を移動させることを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ベルトテンショナターミナル(17)を望ましい位置に制限することは
、フレーム(13)に対して、前記スラスト要素(19)及び/または
前記スラスト要素(19)を収容する本体(20)の位置を制限することを有する、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記ベルト(11)の張力の調節を可能にするように前記ベルトテンショナターミナル(17)を開放するステップをさらに有する、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記ベルトテンショナターミナル(17)が前記ベルト(11)に負荷するスラスト強度を調節することは、調節部分(23)において前記調節要素(24)を用いて動作することを有し、
前記スラスト要素(19)から前記調節要素(24)を動作的に断絶することは、前記調節部分(23)から前記調節要素(24)を脱離させることを有し、
前記スラスト要素(19)の部分的弾性スプリングバックによって、前記調節部分(23
)と前記スラスト要素(19)を収容する本体(20)との間に隙間(25)を形成するステップをさらに有し、
前記隙間(25)を形成する前記ステップは、前記調節部分(23)から前記調節要素(24)を脱離させるステップの後である、請求項13から16のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ビデオ監視の分野において使用できるビデオカメラの分野に関する。本発明は、特に、ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニング(tensioning)のための装置、及びビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングシステムは知られている。
【0003】
ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングシステムは、中国実用新案のCN207443022Uによって提供される。CN207443022Uは、ドライブプーリによって回転し、ビデオカメラに関連するアイドルプーリに係合されるベルトを有するビデオカメラが向く角度を調節するための装置に関する。ベルトは、2つのベルトテンショナ(tensioner)プーリを設けるベルトテンショニングシステムによって、張力が加わった状態を維持する。テンショニングシステムは、プーリ及び圧縮バネに基づいた自動テンショニング機構に関連するベルトテンショナプーリを設けている。バネは、一端において、固定要素に関連し、他端において、プーリのケーブルの端部に関連し、ベルトテンショナプーリの支点(fulcrum)はケーブルの反対側の端部に係合される。
【0004】
中国実用新案のCN207443022Uにおけるベルトテンショニングシステムは、その動作中において、バネが、ベルトに張力が加わった状態を維持することを可能にすると説明する。しかしながら、このようなベルトテンショニングシステムは、ベルトに張力を加える負担がバネに完全に伝達されるため、ベルトの対象に正確に張力を負荷することができない。
【0005】
上記に加えて、中国実用新案のCN207443022Uにおけるベルトテンショニングシステムは、組み立てすると、修正できない剛性を有する構造を有する。システムの自動的な修正が伝達される唯一の部材はバネであり、バネの弾性は、ベルトにおける緩み得る全ての場合及び対象に対応できない。例えば、ベルトが著しく緩むと、バネの弾性は、ベルトに適当な張力を加えるために十分でない可能性がある。この場合、プーリに対するベルトの圧力、また、圧力にしたがって摩擦が減少され、よって、プーリに対するベルトの頻繁な滑りが発生し、滑りは、ベルトによる動作の伝達を影響し、よって、動作伝達システムの全体の機能性を阻害する。
【0006】
さらに、中国実用新案のCN207443022Uにおけるベルトテンショニングシステムは、ビデオカメラアセンブリにおいて実施することにおいて、かさばり、複雑である。
【0007】
米国特許のUS9106818B2より、他のベルトテンショニングシステムが知られている。これは、可動のビデオカメラを有するディスプレイを開示する。ディスプレイは、傾き方向においてビデオカメラを回転する動作伝達システムを有する。このようなシステムは、2つのプーリの間に締められたベルトを有する。さらに、テンションアームを設けるベルトテンショナアセンブリ(belt tensioner assembly)が設けられ、テンションアームは、ディスプレイの内側壁に取り付けられた支持部に滑りながら係合され、ベルトに向かって突出する。テンションアームと支持部との間に挿入されるバネも、ベルトに向かってテンションアームをスラスト(thrust)するように設けられている。
【0008】
しかしながら、米国特許のUS9106818B2におけるベルトテンショニングシステムも欠点を有する。例えば、このようなベルトテンショニングシステムは、ベルトに張力を加える負担がバネに完全に伝達されるため、ベルトに精密な大きさの張力を負荷することができない。
【0009】
さらに、組み立てすると、上述のベルトテンショナアセンブリは、バネの弾性に完全に基づくベルトテンショナアセンブリの動作状態の自動的な修正を除き、発生し得るベルトの著しい緩みに対応するように修正できない。本質において、ベルトに張力を加える負担は完全にバネに伝達され、上述のように、バネはベルトの緩みの発生し得る全ての場合及び大きさに対応できない。よって、米国特許USの9106818B2におけるベルトテンショニングアセンブリは、最適な方法において、ベルトの著しい緩みに対応することに適していない。
【0010】
上記を参照して、ビデオカメラアセンブリのベルトに張力を加える既知のシステムは、ベルトに張力を加える負担は完全にバネに伝達されるため、ベルトに正確な張力を負荷することができない。
【0011】
ビデオカメラアセンブリのベルトに張力を加える既知のシステムは、したがって、ベルト自体、及び、よってビデオカメラアセンブリ全体の動作のために、ベルトの寿命において、最適な張力状態を維持することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、先行技術の欠点を克服することである。
【0013】
本発明の目的は、特に、ベルトの正確な及び信頼性の高いテンショニングを保証するビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニング用装置を提供することである。
【0014】
本発明の目的は、ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングのための装置を設け、例えば、ベルトが緩むと、簡単及び正確な方法で、ベルトの張力を調節することを可能にする。
【0015】
本発明の目的は、ビデオカメラアセンブリの組立ステップ及びビデオカメラアセンブリのテンショニングの調節フェーズの両方において、正確な、信頼性が高く、及び調節可能な方法において、ベルトのテンショニングを可能にするビデオカメラアセンブリを提供することであり、これは、ベルトの使用の後のベルトの緩みによって必要になり得る。
【0016】
さらに、本発明のさらなる目的は、ベルトの張力の正確な及び信頼性が高い調節を可能にするビデオカメラアセンブリを提供することにある。
【0017】
さらに、本発明のさらなる目的は、簡単な及び信頼性が高い方法で、ベルトの張力を調節することを可能にするビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニング方法を提供することにある。
【0018】
ベルトが緩むと行われるベルトの交換または複雑なメンテナンス作業を回避することも、本発明の目的である。
【0019】
本発明のこれらの及び他の目的は、添付された請求項の特徴を含むビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニング用の装置、ビデオカメラアセンブリ、及びビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニング方法によって実現され、本説明の統合的な部分を形成する。さらに、本発明は、個別にまたはそれらのいずれかの組み合わせにおいて考慮されてもよい、本明細書にて以下で説明する技術的特徴と一致してもよい。
【0020】
ある実施の形態において、ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングのための装置が設けられている。装置は、ベルトに張力を加えるようにベルトと接触して動作されるように構成されるベルトテンショナターミナルを有する。装置は、ベルトに対してベルトテンショナターミナルをスラストするようにベルトテンショナターミナル上に動作するスラスト要素をさらに有する。望ましくは、スラスト要素は、弾性タイプである。装置は、ベルトに対して、ベルトテンショナターミナルの調節可能な位置を特定するように構成される調節要素をさらに有する。装置は、ベルトテンショナターミナルの位置を制限しない休憩(rest)状態と、ある位置においてベルトテンショナターミナルを制限する制限状態との間に動作するように構成される少なくとも1つの制限要素をさらに有する。望ましくは、調節要素は、除去可能な方法において、スラスト要素に動作的に接続されるように構成される。スラスト要素及び調節要素は、同一の動作方向を共有する。少なくとも1つの制限要素は、スラスト要素及び調節要素の動作方向に直交する方向に沿って動作するまたは延びる。
【0021】
このような技術的解決策によって、装置は、ベルトの張力の調節を可能にする。本質において、装置は、ベルトのテンショニング要求、及び時間によるその変化に対して、柔軟に対応する。したがって、装置は、時間経過時、及びベルトのテンショニング要求によって複数回締められまたは緩められる制限要素の第1締めの後において、ベルトの張力の調節を可能にする点で、柔軟である(厳格でない)。さらに、このように直交するまたは実質的に直交する動作方向を設けることは、最適及びコンパクトな動作的構成を設けることを可能にする。本質において、このような技術的解決策は、ビデオカメラアセンブリの箱状本体において使用可能な限定的な空間内に収容されてもよいコンパクトな装置を設けることを可能にする。
【0022】
有利なことに、ベルトの張力を調節できることによって、ベルトが緩む場合における交換を回避する。本質において、ベルトが少し緩むと、交換する必要はなく、スラスト要素は、その弾性力によってベルトに対してベルトテンショナターミナルをスラストすることによって、ベルトの少しの緩みに対応できる。一方で、ベルトが著しく緩む場合においても、交換する必要はなく、装置によってベルトに張力を加える。
【0023】
さらに、簡単な方法によってベルトのテンショニングの実行を可能にすることによって、上記の技術的解決策は、ビデオカメラアセンブリの使用者によるベルトの張力の調整を可能にする。このように、修理のためにビデオカメラを戻すことが有利に回避され、よって、ベルトのテンショニングが必要な場合におけるビデオカメラアセンブリの停止時間(ビデオカメラアセンブリが動作していない時間)を減少させる。
【0024】
まとめると、ベルトが緩むと、調節要素を作動させることによって、簡単な方法で、再度締められてもよい。したがって、ベルトが緩むと、ベルトを交換すること、または修理のためにビデオカメラアセンブリをリコールすることは必要でない。
【0025】
さらなる利点は、除去可能な方法において調節要素を脱離させることができるため、調節要素は、装置自体とともに配置または保管されてもよい。例えば、必要なときに、調節要素を使用の準備がされた状態にするように、装置のフレームまたはビデオカメラアセンブリの箱状本体に形成される便利な座部に配置されてもよい。
【0026】
装置は、有利なことに、ビデオカメラアセンブリの初期組立ステップ、及び、例えば、その動作に続いて時間経過によって、ベルトが緩んで、ベルトに再度張力を加える必要がある等の後続のステップの両方において、ベルトの張力を調節することを可能にする。したがって、装置は、ビデオカメラアセンブリの組立ステップにおいてベルトのテンションの正確な初期特定と、例えば、ベルトの緩みによって必要になり得るベルトの張力の正確な後続調節との両方を可能にする。
【0027】
ある実施の形態において、装置は、スラスト要素を収容する本体をさらに有する。本体の移動は、ベルト上のベルトテンショナターミナルのスラストによってスラストを調節する。調節要素は、ベルトテンショナターミナルがベルトに負荷するスラスト強度を調節するように、本体を移動させるように構成される。制限要素は本体に係合される。制限要素は、休憩状態において、本体の移動を可能にし、制限状態における本体の安定的な位置を特定し、よって、本体の移動を抑制する。
【0028】
有利なことに、スラスト要素を収容する本体を設けることによって、装置に丈夫な構造を与え、スラスト要素を保護することも可能にする。
【0029】
さらに、このような解決策のさらなる利点は、本体が、調節要素が簡単な及び効果的な方法においてスラスト要素に動作することを可能にする。
【0030】
このような技術的解決によって、スラスト要素は係合され、即ち、調節要素がスラスト要素から動作的に断絶しているときのみ、ベルトに対して、ベルトテンショナターミナルの位置を調節するようにその弾性スラストを負荷する。
【0031】
ある実施の形態において、装置はフレームをさらに有する。制限要素は、フレームに係合される。制限要素は、休憩状態におけるフレームに対して本体の移動を可能にして、よって、スラスト要素の位置を制限しない。制限要素は、制限状態におけるフレームに対して、本体をある位置に固定し、よって、スラスト要素の安定的な位置を特定する。
【0032】
フレームは、有利なことに、装置に丈夫な構造を与え、装置が少なくとも部分的に構造的に支持されることを可能にする。
【0033】
有利なことに、フレームを設けることは、制限要素の係合も可能にし、制限要素によって本体の制限を可能にする。
【0034】
ある実施の形態において、フレームは少なくとも1つの制限要素のための少なくとも1つのガイドを有する。ガイドは、少なくとも1つの制限要素の休憩状態における制限要素の移動を可能にするように構成される。制限要素は、ガイドにおいて、少なくとも部分的に収容される。
【0035】
有利に、ガイドは隣接部分を設けて、隣接部分に沿って、休憩状態における本体と統合的である制限要素は、調節要素による調節の間、滑ることができる。
【0036】
ある実施の形態において、フレームは、本体に対して、前面的に延びる部分を有する。部分は少なくとも1つの座部を有する。調節要素は、動作状態(または調節状態)において、座部に収容される。選択的に、座部は、調節要素の動作方向に対して、実質的に同軸上である貫通孔を有する。部分は選択的にフレームの側壁を有する。
【0037】
有利なことに、座部は、本体上で正しく動作するように、本体に対して調節要素を方向付けることを可能にする隣接部分として機能する。
【0038】
ある実施の形態において、装置は、本体に係合される調節部分をさらに有する。スラスト要素は調節部分に係合される。調節要素はスラスト要素上で動作するように除去可能な方法で、調節部分に係合されるように構成される。スラスト要素は、調節部分から調節要素の脱離に続いてスラスト要素の部分的弾性スプリングバック(springback)によって、調節部分と本体との間で隙間を形成するように構成される。隙間は、望ましくは、調節部分と本体との対向する表面の間で規定されることが望ましい。
【0039】
有利なことに、隙間は、動作状態における装置にベルトが伝達するひずみまたは応力に、例えば、吸収及び/または減衰させることによって、対処することを可能にする。特に、隙間は、ベルトテンショナターミナル上のスラスト要素のスラストの自動調節を特定するように適合されるクリアランスを設けて、よって、ベルト自体の可能な緩みにおいて、ベルトの張力を一定に維持することを実質的に可能にする。
【0040】
ある実施の形態において、座部は、隣接部分と同軸上に配置され、調節部分に向かって調節要素と協働するように構成される。
【0041】
このように、特定の工具の必要なく、極めて簡単な方法で、調節要素をガイドすることができる。
【0042】
ある実施の形態において、調節要素は、調節部分と接触するように構成されるステムを有する。さらに、座部は、貫通した方法でステムを受けるように適合され、調節要素のステムのための支持部として機能する。
【0043】
このように、簡単な及び信頼性の高い方法において、調節部分と接触して引き延ばし形状を有する構成要素をガイドすることは可能である。
【0044】
望ましくは、調節要素は、動作部分をさらに有し、動作部分は、座部への調節要素の最大挿入の状態において、フレームの部分と接触するように、座部の自由通過面積より大きい断面における全体寸法を有する。
【0045】
この解決策によって、ベルトのテンショニングのための装置に許容される最大張力を規定することができる。
【0046】
調節要素は、ボルト、ネジ、及び釘の内1つを有する。
【0047】
言い換えると、調節要素は、作成及び使用することが特に簡単な機械要素によって取得されてもよい。
【0048】
ある実施の形態において、ベルトテンショナターミナルは、ボールベアリング等、少なくとも1つの回転支持要素を有する。ベルトテンショナターミナルは、望ましくは、例えば、2つのボールベアリング等の2つの回転支持要素を有する。
【0049】
ベルトテンショナターミナルにおいて、回転支持要素を設けることは、ベルトが最適な方法において動作することを可能にし、例えば、回転においてベルトが引きずる要素の最適な回転を可能にする。
【0050】
ある実施の形態において、フレームは、本体に対して前面的に配置される部分を有する。部分は少なくとも1つの座部を有する。隣接要素は、休憩状態において、座部に収容される。選択的に、座部は貫通座部である。部分は選択的にフレームの側壁を有する。
【0051】
フレームに調節要素のための座部を設けることは、不使用時において、調節要素を戻すことを可能にする。必要なときに、調節要素は、使用の準備がされた状態にある。ベルトテンショニング動作は、このように加速及び簡素化される。
【0052】
ある実施の形態において、本体は、フレームに対して、滑る部分を有する。フレームは、ガイドを有し、ガイドにおいて、フレームに対して、並進移動をするように構成される滑り部分を有する。
【0053】
ガイドは、有利なことに、フレームに対してベルトに近位に及び遠位に、本体の並進移動を正確に方向付けることを可能にする。
【0054】
ある実施の形態において、ベルトテンショナターミナルは、接触面またはスラスト表面を有する。
【0055】
ある実施の形態において、接触面またはスラスト面は、実質的に、ベルトに張力を加えるように、ベルトにある圧力を負荷するようにベルトと接触して動作するように構成される圧力表面である。
【0056】
ある実施の形態において、調節要素がスラスト要素から動作的に断絶される状態において、スラスト要素は、弾性力によってベルトの生じ得る緩みに対処するように構成される。
【0057】
有利なことに、スラスト要素は、ベルトの軽度の緩みにおいて、ベルトの張力を、弾性力によって、自動的に調整することを可能にする。
【0058】
ある実施の形態において、調節要素がスラスト要素から動作的に断絶される状態において、スラスト要素は、ベルトの緩みによるクリアランスを回復させるように構成される。
【0059】
有利なことに、ベルトの緩みによるクリアランスを回復することによって、スラスト要素は、ベルトの軽度の緩みにおいてベルトの張力を自動的に調節する。
【0060】
ある実施の形態において、調節要素は、スラスト要素に動作的に接続され、その上で調節を行うように動作する調節状態と、スラスト要素に動作的に接続されていない休憩状態との間で動作するように構成される。
【0061】
ある実施の形態において、ベルトテンショナターミナルは、本体と並進移動において統合的である。
【0062】
ある実施の形態において、ベルトテンショナターミナルは回転のために構成される。
【0063】
ある実施の形態において、ベルトは、ベルトテンショナターミナルを回転するように構成される。
【0064】
ある実施の形態において、弾性スラスト要素は、負荷される応力に弾性的に反応できるスラスト要素を意味する。
【0065】
ある実施の形態において、弾性的なスラスト要素は、弾性変形可能なスラスト要素を意味する。
【0066】
本発明の異なる態様は、例えば、ビデオカメラアセンブリの組立の分野において、ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングのための装置の使用に関する。
【0067】
本発明の異なる態様は、例えば、ベルトの緩みに続くビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングを調節するための装置の使用に関する。
【0068】
本発明の異なる態様は、ビデオカメラハウジング本体、ビデオカメラハウジング本体に収容されるビデオカメラ、モータ、及びモータに係合され、回転移動を伝達するように構成されるベルトを備えるビデオカメラアセンブリに関する。ビデオカメラアセンブリは、上記で説明するように及び/または添付される請求項のいずれか一項によるベルトのテンショニングのための装置をさらに有する。
【0069】
有利なことに、ベルトのテンショニングのためのコンパクトな装置が設けられるビデオカメラアセンブリは、複雑な専用工具の使用を要せずに、調節要素を用いて、ベルトの調節を可能にする。ビデオカメラアセンブリは、例えば、使用者のために、ベルトの張力の調節動作を簡素化及び加速する調節要素とともに、設けられてもよい。
【0070】
ビデオカメラアセンブリは、有利なことに、ビデオカメラアセンブリの初期組立ステップと、ビデオカメラアセンブリの動作に続き、ベルトが緩み、再度ベルトに張力を加える必要がある場合等の後続のステップとの両方において、ベルトの張力の調節を可能にする。このように、ビデオカメラアセンブリは、ビデオカメラアセンブリの組立ステップにおいてベルトの張力の正確な初期特定と、例えば、ベルトの緩みに続いて、必要になり得るベルトの張力の後続の調節との両方を可能にする。
【0071】
有利なことに、ビデオカメラアセンブリは、スラスト要素によって、ベルトの軽度の緩みにおいて、ベルトの張力を自動的に調節する。スラスト要素は、その弾性力によって、ベルトの軽度の緩みにおいて、ベルトの張力の自動的な調節を可能にする。
【0072】
ビデオカメラアセンブリは、メンテナンス作業または補助の対象となりにくい。必要となる場合、メンテナンス作業または補助は、調節要素の単なる動作により、ベルトの張力を調節する可能性によって、より早く、簡単である。さらに、メンテナンス作業または補助は、ビデオカメラアセンブリの使用者がベルトに張力を加えることができるため、必要ないかもしれない。
【0073】
ある実施の形態において、アセンブリは、装置を収容する箱状本体をさらに有する。ビデオカメラハウジング本体は、回転可能に箱状本体の第1部分に係合される。ベルトは、ビデオカメラアセンブリの少なくとも1つの動作状態において、箱状本体の第2部分に対して、箱状本体の第1部分とビデオカメラハウジング本体との回転を可能にするように構成されるパワー伝達ベルトである。
【0074】
有利なことに、箱状本体に対してビデオカメラハウジング本体の回転を可能にするように構成されるベルトのテンショニングのための装置が設けられるアセンブリを設けることは、時間経過後において、ベルトの最適な張力を維持することを可能にし、ビデオカメラが箱状本体に対して回転することをもたらす。このようなベルトの最適な張力は、ビデオカメラの正確な移動及び配置を可能にして、よって、時間経過後において、ビデオカメラアセンブリの動作状態及び信頼性を最適化する。
【0075】
本発明の異なる態様は、環境のビデオ監視の分野におけるビデオカメラアセンブリの使用に関する。
【0076】
本発明の異なる態様は、ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニング方法に関し、上述の実施の形態の1つに係るビデオカメラアセンブリのベルトを設ける工程を少なくとも有し、ベルトに張力を加えるようにベルトに対してベルトテンショナターミナルを、弾性タイプのスラスト要素によって、スラストすることと、調節要素によってベルトテンショナターミナルがベルトに負荷するスラスト強度を調節することと、スラスト要素及び調節要素の動作方向に直交する方向に沿って動作または延びる制限要素によって、ベルトの望ましい張力に対応するベルトテンショナターミナルの望ましい位置にベルトテンショナターミナルを制限することと、スラスト要素から調節要素を動作的に断絶させることとを有する。
【0077】
説明する方法によると、ベルトのテンショニングは、有利なことに、簡単な、速い、及び効率的な方法において実施されてもよい。さらに、ベルトの張力は、システムの初期カリブレーションに続いて1回または複数回調節されてもよい。
【0078】
本方法の他の利点は、ビデオカメラアセンブリの初期組立ステップと、例えば、ベルトの動作に続きベルトが緩み、再度ベルトに張力を加える必要がある場合等、後続のステップとの両方において、ベルトの張力の調整を可能にする。このように、本方法は、ビデオカメラアセンブリの組立ステップにおけるベルトの張力の正確な初期特定と、例えば、ベルトの緩みに続いて、必要となり得るベルトの張力の後続の調節との両方を可能にする。
【0079】
さらなる利点は、ベルトが緩むと、再度締めることが可能であることからなる。したがって、ベルトが緩むと、ベルトを交換することまたは修理のためにビデオカメラアセンブリを戻す必要がない。
【0080】
ベルトの張力調節方法の簡単さによって、方法は、ビデオカメラアセンブリの使用者によっても、簡単及び速い方法で実施されてもよい。これは、ビデオカメラアセンブリに対して、専用の作業者によるメンテナンス作業を回避する。
【0081】
有利なことに、除去可能な方法において調節要素を脱離させることができることで、調節要素は、ビデオカメラアセンブリの箱状本体の便利な座部、またはその箱状本体に配置されてもよく、よって、必要なときに調節要素は使用の準備がされた状態にある。
【0082】
ある実施の形態において、ベルトに対してベルトテンショナターミナルが負荷するスラスト強度を調節することは、ベルトテンショナターミナルを移動すること、及びスラスト要素を収容する本体を移動することを有する。
【0083】
有利なことに、本体は、スラスト要素の支持及び保護を可能にする。
【0084】
本体は、調節要素が、簡単及び効果的な方法においてスラスト要素上で動作することを可能にする。
【0085】
ある実施の形態において、望ましい位置にベルトテンショナターミナルを制限することは、例えば、フレームに対して、スラスト要素及び/または本体の位置を制限することを有する。
【0086】
有利なことに、スラスト要素の位置を制限することは、その自由な変形を抑制し、例えば、フレームに対して、スラスト要素及び本体の望ましい配置を可能にする。さらに、スラスト要素の位置は、弾性要素の部分的な弾性スプリングバックに続いて、安定している。
【0087】
本体の位置を制限することは、スラスト要素の配置上の制限を決定する。
【0088】
ある実施の形態において、方法はさらに、ベルトの張力の調節を可能にするように、ベルトテンショナターミナルを開放するステップをさらに有する。
【0089】
有利なことに、ベルトテンショナターミナルを開放することによって、方法は、例えば、ベルトの緩みに続いて必要になり得るベルトの張力の調節の両方を可能にする。
【0090】
ある実施の形態において、ベルトテンショナターミナルがベルトに負荷するスラスト強度を調節することは、調節部分において調節要素と動作することを有する。スラスト要素から調節要素を動作的に断絶させることは、調節部分から調節要素を脱離させることを有する。方法は、スラスト要素の部分的弾性スプリングバックによって、調節部分とスラスト要素を収容する本体との間に隙間を形成するステップをさらに有する。隙間を形成するステップは、調節部分から調節要素の脱離のステップに続く。
【0091】
有利なことに、隙間は、例えば、吸収及び/または減衰させることによって、動作状態において、ベルトが装置に伝達するひずみまたは応力に対処することを可能にする。
【0092】
ある実施の形態において、隙間を形成するステップは、隙間を自動的に形成することを有する。望ましくは、隙間の自動的な形成は、調節部分からの調節要素の脱離ステップに続く。
【0093】
有利なことに、隙間の形成は、設定できないとの意味では、自動的なステップである。隙間の形成は、スラスト要素の弾性力により、調節部分から調節要素の脱離に続く。本質において、調節部分から調節要素を脱離させることによって、スラスト要素は変形されてもよく、隙間の形成を自動的に特定する部分的弾性スプリングバックの対象となる。
【0094】
ある実施の形態において、ビデオカメラアセンブリのベルトを設けることは、ビデオカメラアセンブリを設けることを有する。
【0095】
ある実施の形態において、ビデオカメラアセンブリのベルトを設けることは、ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングのための装置を有するビデオカメラアセンブリを設けることを有する。
【0096】
ある実施の形態において、方法はさらに、ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングのための装置を設けるステップをさらに有する。
【0097】
ある実施の形態において、方法は、望ましくは、ベルトテンショナターミナルの接触面において、ベルトに接触したベルトテンショナターミナルを配置するステップを有する。
【0098】
ある実施の形態において、ベルトの張力の調節を可能にするため、ベルトテンショナターミナルを開放するステップは、ベルトを設けるステップに続いて、及びスラスト要素がベルトに対してベルトテンショナターミナルをスラストするステップの前に、実行される。
【0099】
本発明の異なる態様は、ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングの調節のための方法に関し、制限要素を脱離されるステップ、調節要素によってベルトの張力を調節するステップ、及び再度制限要素を係合させるステップを有する。
【0100】
本発明のさらなる特徴及び目的は、後続の説明によって、より明確になる。
【0101】
本発明は、非限定的例示によって提供され、添付の図面に図示される特定の例示を参照して、以下明細書にて説明される。これらの図面は、本発明の異なる態様及び実施の形態を図示し、構造、要素、材料、及び/または類似の要素を示す参照符号は、適切な場合において、類似の参照符号によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【
図1】本発明の実施の形態に係るビデオカメラアセンブリの斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係るビデオカメラアセンブリの側面図である。
【
図3】ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニング方法のステップの範囲内にあるビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングのための装置を示す。図示される装置及び方法の両方は、本発明の実施の形態に係る。
【
図4】ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニング方法のステップの範囲内にあるビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングのための装置を示す。図示される装置及び方法の両方は、本発明の実施の形態に係る。
【
図5】ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニング方法のステップの範囲内にあるビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングのための装置を示す。図示される装置及び方法の両方は、本発明の実施の形態に係る。
【
図6】ビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニング方法のステップの範囲内にあるビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングのための装置を示す。図示される装置及び方法の両方は、本発明の実施の形態に係る。
【発明を実施するための形態】
【0103】
本発明は、様々な改造及び代替的な構造に影響される一方、特定の望ましい実施の形態は、図面に示され、下記明細書にて詳細に説明される。いずれの場合も、本発明を図示される特定の実施の形態に限定する意図がないことに注意し、逆に、本発明は、請求項に定義される本発明の範囲内である全ての改造、代替的及び同等な構造を網羅することを意図する。
【0104】
「例えば」、「等」、「または」の使用は、特に示さない限り、限定を有しない非排他的な代替案を示す。「含む」または「有する」の使用は、特に示さない限り、それぞれ「含むが、それに限定しない」及び「有するが、それに限定しない」を意味する。
【0105】
「上側」、「上において」、「底」、「底において」、「横」、「横において」、「横方向」、「横方向に」、「縦方向」、「縦方向に」、「前」、「前に」、「後ろ」、「後ろに」等の用語の使用は、動作状態または使用状態において、本発明に係るビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングのための装置及びビデオカメラアセンブリが、通常取る空間的配置を示す。本発明に係るビデオカメラアセンブリが動作状態において取り得る空間的配置は、
図1及び
図2において、例示によって示されている。本発明に係るビデオカメラアセンブリのベルトのテンショニングのための装置が動作状態において取り得る空間的配置は、
図3から
図6において、例示によって示されている。
【0106】
図1及び
図2は、本発明の実施の形態に係るビデオカメラアセンブリ1の図である。ビデオカメラアセンブリ1は、箱状本体2及びビデオカメラハウジング本体3を有する。ビデオカメラハウジング本体3は、箱状本体2に回転可能に係合される。
【0107】
図1及び
図2に示すように、箱状本体2は、主方向Dに沿って延びる引き延ばし形状を有する部分4を有する。ビデオカメラアセンブリ1の動作状態において、引き延ばし形状を有する部分4aは、棒等の支持構造にビデオカメラアセンブリ1を接続または制限するように使用されてもよい箱状本体2のベース4bの部分に係合される。ビデオカメラアセンブリ1の動作状態の例示は、環境のビデオ監視の分野におけるビデオカメラアセンブリ1の使用を含む。
【0108】
箱状本体2は、引き延ばし形状を有する部分4aの端部においてキャビティを規定する部分5を有する。
図2に示すように、キャビティを規定する部分5は、引き延ばし形状を有する部分4aの上端部において延びてもよい。
【0109】
キャビティを規定する部分5は、望ましくは、凸部を規定する実質的に球状-キャップ(cap)形状を有する。キャビティを規定する部分5は、球状-キャップ形状に代わって、例えば、平行六面体形状、円錐または錐台形状等の他の回転の中実体の形状、またはその内部にキャビティを規定するように適合される他のいずれかの形状を、望ましくは凹部を有してもよい。
【0110】
本説明の文脈における回転の中実体は、回転の対称性を有する中実体を意味する。
【0111】
(添付の図面に図示していないが)回転軸を規定する方向に沿って延びるシャフトは、部分5に規定されるキャビティにおいて収容されてもよい。シャフトは、箱状本体2及び部分5に対してビデオカメラハウジング本体3が回転するように構成される。ビデオカメラハウジング本体3はシャフトと回転において統合される。
【0112】
ベアリング、プーリ等、ビデオカメラハウジング本体3の回転を可能にするように構成されるさらなる部材は、部分5において収容されてもよい。
【0113】
図2に示すように、箱状本体2は、キャビティを規定する部分5が延びる引き延ばし形状を有する部分4と同一の端部において、ガイド部分6を有する。ガイド部分6は、ビデオカメラハウジング本体3を収容するように構成される。
【0114】
ガイド部分6は、ビデオカメラハウジング本体3を収容し、箱状本体2に対して、ビデオカメラハウジング本体3の回転を可能にするように適合される形状を有する。
【0115】
望ましくは、ガイド部分6は、ビデオカメラハウジング本体3に対して少なくとも部分的に補完的は形状を有する。有利なことに、ガイド部分6のこのような形状は、箱状本体2に対してビデオカメラハウジング本体3の回転を可能にする。ガイド部分6は、凹部を規定する少なくとも部分的に球状な形状を有してもよい。例えば、円柱または錐台形状、または箱状本体2に対してビデオカメラハウジング本体3の回転を可能にするように適合される類似の回転の中実体等のガイド部分6の他の凹部形状が可能であると理解されよう。
【0116】
ビデオカメラハウジング本体3は、望ましくは、ガイド部分6との接触なく、ガイド部分6に収容される。ビデオカメラハウジング本体3とガイド部分6との間の接触の不在は、有利なことに、箱状本体2に対してビデオカメラハウジング本体3の自由な回転を可能にする。
【0117】
ガイド部分6を参照して、上述に同様に、ビデオカメラハウジング本体3は、望ましくは、ガイド部分6に対して少なくとも部分的に補完的な形状を有する。有利なことに、ビデオカメラハウジング本体3のこのような形状は、箱状本体2に対してその回転を可能にする。ビデオカメラハウジング本体3は、望ましくは、ガイド部分6に規定される凹部において接触なく収容されることが意図される凸部を規定する少なくとも部分的に球状な形状を有する。ビデオカメラハウジング本体3は、望ましくは、実質的に球状-キャップ形状を有する。例えば、円錐または錐台形状、または箱状本体2に対してビデオカメラハウジング本体3の回転を可能にするように適合される類似の回転の中実体の形状等のビデオカメラハウジング本体3の他の凸部形状が可能であってもよい、と理解されよう。
【0118】
図2に概略的に示されているように、ビデオカメラアセンブリ1は、(添付の図面に概略的に示される)ビデオカメラ7及び、縦軸に沿ってビデオカメラ7の回転(パン(pan)移動)と、横軸に沿ってビデオカメラの回転(傾斜移動)を可能にするように構成されるスイベルシステム8をさらに有する。ビデオカメラアセンブリ1の動作状態においてビデオカメラ7が周りで回転し得る縦軸は、引き延ばし形状を有する部分4aの主要延在方向Dに対して実質的に平行である。ビデオカメラ7はビデオカメラハウジング本体3において配置され、スイベルシステム8は箱状本体2に少なくとも部分的に配置される。望ましくは、スイベルシステム8の主要部分は、箱状本体2に収容され、ある部分はビデオカメラハウジング本体3に向かって突出する。
【0119】
ビデオカメラアセンブリ1は、プーリ9、モータ10、及びベルト11をさらに有する。モータ10、プーリ9、及びベルト11は、引き延ばし形状を有する部分4aに収容される。モータ10は、例えば、電気モータであってもよい。プーリ9は、モータ10に係合される。動作状態において、モータ10は、プーリ9に回転移動を伝達する(直接トランスミッション)。ベルト11は、支持要素(図示せず、例えば、棒)に固定されるように適合される箱状本体2のベース部分4bに対して主要延在方向D(パン回転)の周りで、ビデオカメラアセンブリ1の引き延ばし形状を有する部分4aが回転するように、さらなるプーリ(図示せず)に回転移動を伝達するように構成される。加えて、モータ10は、箱状本体2及び部分5に対してビデオカメラハウジング本体3の回転(傾斜回転)を可能にするために使用されてもよく、ベルト11に係合されてもよい便利な駆動システム(図面において詳細に示されていない)を用いて動作を伝達する。
【0120】
ビデオカメラアセンブリ1は、シャフトの端部のハウジング部分26をさらに有する。シャフトの端部のハウジング部分26は、シャフトの端部を収容するボールベアリング(添付の図面に図示せず)をさらに有する。シャフトの端部のハウジング部分26は、シャフトの端部が著しく曲がることを抑制するようにシャフトの端部を、ボールベアリングによって、回転可能に収容するように構成される。シャフトの端部のハウジング部分26は、シャフト自体に対するベルトのスラストによって、シャフトが疲労現象の対象となることを抑制することを意図する。
図3から
図6に示すように、シャフトの端部のハウジング部分26は、縦方向に配置され、モータ10の下に配置される。
【0121】
ベルト11は、ある圧力においてプーリ9と係合する。プーリ9に対するベルト11の便利な圧力は、回転動作の最適な伝達を特定し、ベルト11とプーリ9との間の望ましくない滑りを回避する。ベルト11がプーリ9と接触する圧力は、ベルト11の張力によって特定される。
【0122】
ビデオカメラアセンブリ1は、例えば、ビデオカメラ7及びスイベルシステム8の配置を管理及び最適化する、及びモータ10の動作を管理及び制御することにおいて、ビデオカメラアセンブリの動作を制御、管理及び最適化するために必要な電子部品を有してもよい。電子部品は、例えば、引き延ばし形状を有する部分4a等の箱状本体2に、及びビデオカメラハウジング本体3に部分的に収容されてもよい。
【0123】
ビデオカメラアセンブリ1は、ビデオ監視システムにおいて動作できるように、必要な便利はケーブルを有するまたは無線の接続を有してもよい。
【0124】
本発明によると、アセンブリ1は、ベルト11のテンショニングのための装置12をさらに設ける。ベルトのテンショニングのための装置12は、望ましくは、箱状本体2に配置される。添付の図面に示す実施の形態において、装置12は、引き延ばし形状を有する部分4aにおいて箱状本体2に収容される(
図2参照)。
【0125】
フレーム13も設けられ、ビデオカメラアセンブリ1または装置12自体の一部として考慮されてもよい。添付の図面に示す実施の形態において、フレーム13は、上側壁13a、互いに対向するように突出する2つの実質的に平行な側壁13b、及び下側壁13cを有する。
【0126】
フレーム13は、フレーム13に対する装置12の要素の移動、特に並進移動、を可能にするように構成される少なくとも1つのガイド14、15を有する。下記においてより詳細に示すように、フレーム13に対する装置12の要素の並進移動は、ベルト11のテンショニングを特定する。
図5は、上側壁13aにおいて配置される3つのガイド14、15を有するフレーム13を図示する。しかしながら、いずれかの数のガイド14、15があってもよく、ガイド14、15は、フレーム13のいずれかの壁13a、13b、13c、例えば、下側壁13c、側壁13b、前面壁、背面壁等において配置されてもよい、と理解されよう。
【0127】
フレーム13は、少なくとも1つの座部16を有してもよい。添付の図面に示す実施の形態において、フレーム13の同一側壁13bにおいて形成される2つの隣接貫通孔16は、座部として設けられる。しかしながら、いずれかの数の座部16があってもよく、座部16は、フレーム13のいずれかの壁13a、13b、13c、例えば、下側壁13c、側壁13b、前面壁、背面壁等において配置されてもよい、と理解されよう。貫通孔16は望ましくはスレッドされている(threaded)。
【0128】
ベルト11のテンショニングのための装置12は、ベルトテンショナターミナル17を有し、接触面において、ベルト11と接触して動作する。ビデオカメラアセンブリ1の組立状態において、ベルトテンショナターミナル17の接触面は、ベルト11を締めるように、ベルト11にある圧力を負荷する。ベルトテンショナターミナル17は、ベアリング等の回転支持要素17を有してよい。回転支持要素17’は、ピン18の周りで回転するように構成され、望ましくは転がりタイプ(転がりベアリング)である。添付の図面に示す実施の形態において、ベルトテンショナターミナルは、一対のボールベアリング17’を有する。代替の実施の形態におけるベルトテンショナターミナル17は、例えば、アイドラプーリ、またはアイドル(idle)シャフト、またはローラ、またはローラベアリング、またはホイール等の他の要素を有してもよい、と理解されよう。
【0129】
装置12は、スラスト要素19をさらに有する。スラスト要素19は、ベルト11に対して、ベルトテンショナターミナル17をスラストするようにベルトテンショナターミナル17上で動作する。下記でより詳細に示すように、スラスト要素19は、ベルト11に対して、ベルトテンショナターミナル17の調節可能な配置を特定する。これは、ベルト11に加わる張力の変調を可能にする。スラスト要素19は、調節可能なスラストで、ベルトに対して、ベルトテンショナターミナル17をスラストしてもよい。スラストは、スラスト要素19の長さに基づいて調節可能である。ベルト11の張力調節ステップにおいて、スラスト要素19は、ベルトテンショナターミナル17の移動を特定する。スラスト要素19は、望ましい方法でベルト11をきつく締めるために必要な距離によって、ベルト11の張力調節ステップにおいて、ベルトテンショナターミナル17をスラストするように、ベルトテンショナターミナル17上で動作するように構成される。装置12は、スラスト要素19をガイドするように、ガイド要素27(
図3参照)を有する。ガイド要素27は、ガイド要素27に係合されるスラスト要素19をガイドするように構成される。ガイド要素27は、望ましくは、引き延ばした形状を有し、主要な延在方向に沿って延びる。添付の図面に示す実施の形態は、スラスト要素19が係合されているペグ(peg)27の形状を有するガイド要素を図示する。代替的なガイド要素27が、ピンに対して設けられ、スラスト要素19をガイドするように適合されてもよい、と理解されよう。スラスト要素19は、望ましくは、弾性タイプである。本説明の内容の範囲において、弾性スラスト要素19は、負荷される応力に対して弾性的に反応することができるスラスト要素19を意味する。弾性スラスト要素19は、望ましくは、弾性的に変形可能である。添付の図面に示す実施の形態は、バネ19の形状を有するスラスト要素を図示する。ペグ27は、バネ19のコイル内に配置される。例えば、調節可能及び/または弾性的な方法で便利に開放され得るグリッパ(gripper)またはクリップ、または弾性スペーサまたは弾性変形可能な材料等の、バネに対して代替的なスラスト要素19が設けられてもよい、と理解されよう。
【0130】
装置12は、スラスト要素19を収容する本体20をさらに有する。添付の図面に示すように、本体20は、スラスト要素19を収容するように、少なくとも部分的に中空であってもよい。
図3から
図6に示すように、本体は、ブラケット20の形状を有してもよい。添付の図面に示されていない代替的な実施の形態において、本体20は、スラスト要素19を少なくとも部分的に収容するように適合され、ブラケットとは異なるいずれかの形状を有してもよい。本体20は、フレーム13に対して、望ましくは並進移動において移動するように構成される。フレーム13に対して並進移動において移動してもよい本体20が、添付の図面に示される。本体20は、滑り部分20aをさらに有し、滑りは、フレーム13自体によってガイドされる。
図5に示すように、本体20の滑り部分20aは、フレーム13の上側壁13aに適切に設けられたガイド14に沿ってフレーム13に対して並進移動してもよい。本体20の滑り部分20aのためのガイド14は、ベルト11に近位なまたは遠位な並進移動において、本体20を適切に方向付けることを可能にする。
【0131】
少なくとも1つの制限要素21は、フレーム13に対して本体20の移動を選択的に可能にするまたは抑制するために設けられている。制限要素21は、それぞれの適切に設けられるガイド15に少なくとも部分的に収容され、本体20に係合される。添付の図面に示すように、制限要素21は、本体20の上側部分において本体20に係合される。制限要素21は、フレーム13に対する本体20、よってその内部に収容されるスラスト要素19の移動を制限しない休憩状態と、フレーム13に対する本体10、よってその内部に収容されるスラスト要素19の移動を制限する制限状態との間で動作するように構成される。
図3及び
図4は、制限要素21の休憩状態を図示し、本体20の移動が可能である。本体20の移動が可能であると、このような休憩状態において、ベルト11に対するベルトテンショナターミナル17の移動も可能である。したがって、ベルト11上のベルトテンショナターミナル17のスラストは、制限要素21の休憩状態において調節されてもよい。
図5及び
図6は、制限要素21の制限状態を図示し、本体20及びよってスラスト要素19は、フレーム13に対して、ある位置において制限される。本体20の位置が、このような制限状態において制限されると、ベルト11に対するベルトテンショナターミナル17の位置も制限される。したがって、ベルト11上のベルトテンショナターミナル17のスラストは、ベルト11の軽度の緩みに続いて、スラスト要素19の弾性力によって、自動的に発生し得る、スラスト要素19の弾性スラストによって発生する自動的な調節を除き、制限要素21の制限状態において調節できない。制限要素21は、制限状態において、本体20とフレーム13と統合的である。制限要素21は、スレッドタイプであってもよい。添付の図面に示す実施の形態において、2つの制限要素が示され、各要素は、それぞれのガイド15に少なくとも部分的に収容される。制限要素21のためのガイド15は、ベルト11に近位または遠位の並進移動において、滑りながらそれぞれの制限要素21に収容され、それぞれの制限要素21を便利に方向付けることを可能にする。添付の図面に示す実施の形態は、2つのネジ21(特に
図5参照)の形態を有する2つの制限要素を示す。ネジに対して、代替的な制限要素21が、さらなる実施の形態において設けられてもよい、と理解されよう。
【0132】
装置12は、ベルトテンショナターミナル17と本体20とを接続する中間部分22をさらに有する。中間部分22は、少なくとも部分的に中空であり、少なくとも部分的にベルトテンショナターミナル17を収容する。添付の図面に示すように、ベルトテンショナターミナル17は、中間部分22において収容され、よって、ベルトテンショナ装置12の組立状態において、ベルト11の近くにある場合、ベルト11に対向するベルトテンショナターミナル17の端部17aは中間部分22に対して突出する。ベルトテンショナターミナル17の端部17aが中間部分22に対して突出するように設けることは、ベルトテンショナターミナル17が、ベルト11自体のテンショニングのためにベルト11と接触することを可能にする。上述のベルトテンショナターミナル17の接触面は、望ましくは、ベルトテンショナターミナル17とベルト11とが接触できるように、ベルトテンショナターミナル17の端部17aにおいて規定される。本体20と中間部分22は、制限要路21の休憩状態におけるフレーム13に対して並進移動してもよい。本体20はフレーム13と統合され、本体22は、制限要素21の制限状態において、ベルトテンショナターミナル17上にスラスト要素19によってスラストが負荷される後、フレーム13に対して並進移動してもよい。中間部分は「C」または「U」形状であってもよい。添付の図面に示される実施の形態は、ブラケット22の形状を有し、一対のボールベアリング17を収容し、ブラケット22に係合されるピン18によって支持する中間部分を示す。ある変形例では、中間部分22は、ベルトテンショナターミナル17を収容することを意図するキャビティを形成するように適合されるブラケットに対して代替的な形状を有してもよい。
【0133】
装置12は、調節部分23をさらに有する。添付の図面に示すように、調節部分は滑るように本体20に係合されてもよい。調節部分23は、スラスト要素19に動作的に関連される。調節部分23は、スラスト要素19の動作において、本体20に対して小さい動きをしてもよい。特に、調節部分23は、制限要素21の動作状態においてスラスト要素19の部分的弾性スプリングバックによってベルト11から離れるように並進移動してもよい。部分的な弾性スプリングバックは、限定された弾性スプリングバックを意味する。なぜなら、本明細書において説明される装置12の要素に対するスラスト要素19の係合方法と、ベルト11をきつく締めるためのある弾性力を用いてベルトテンショナターミナル17上にスラストする必要性とによって、スラスト要素19は完全な弾性スプリングバックを実施することができない。調節部分23は、望ましくは、ガイド要素27と統合され、さらに望ましくは、調節部分はガイド要素27に対応する。添付の図面に示す実施の形態において、調節部分23は、中間部分22に圧着(pressure fastened)され、スラスト要素19と本体20とを滑りながらスレッド(threads)するネジスタッド(stud)の形態として示される。さらに、本体20から調節部分23とベルトテンショナターミナル17とが完全に除去されることをスラスト要素19がもたらすことを防止するように構成される自己ロック(self-locking)ナットは、中間部分22の反対側に、ネジスタッドの自由端においてネジ締めされる。ネジスタッドと自己ロックナットとのアセンブリに対して、代替的な調節部分23が設けられてもよい、と理解されよう。例えば、調節部分23は、中間部分22に締められるネジを有してもよい。ネジの端部は、本体20から調節部分23とベルトテンショナターミナル17とが完全に除去されることをスラスト要素19がもたらすことを防止するように構成されるヘッドが設けられる。
【0134】
装置12は、装置12の動作状態において、ベルト11の張力を調節するように、調節部分23に対して、除去可能な方法で係合されてもよい調節要素24をさらに有する。調節要素24は、スラスト要素19上に動作するように構成され、よって、スラスト要素19がベルトテンショナターミナル17に負荷するスラスト強度を調節し、ベルト11に対して装置12の全体の位置を調節する。
図4及び
図5に示すように、調節要素24は、ベルト11のテンショニングの間において貫通ガイド
座部16aにおいて、フレーム13に係合される。調節要素24は、ベルト11のテンショニングのための調節要素24上に、例えば、スクリュードライバ等の工具によって、動作可能な動作部分24aを有してもよい。動作的部分24aは、貫通
座部16aの自由通過面積より、断面において、大きい全体寸法を有してもよく、よって、
座部16aにおいて調節要素24の最大挿入の状態において、
座部16aが形成される側壁13bと接触する(
図5参照)。調節要素24は、動作的部分24aに接続され、調節部分23と接触するように構成されるステム24bをさらに有してもよい(
図4及び
図5参照)。添付の図面に示す実施の形態において、ヘッド24aと、ヘッド24aに接続されるステム24bとが設けられる調節ネジ24は、調節要素として設けられる。しかしながら、ネジとは異なる調節要素24が、代替的な実施の形態において設けられてもよい、と理解されよう。
【0135】
下記は、添付の図面に図示される実施の形態に示される装置12の動作の簡単な説明であり、本明細書の続きにおいて詳細に説明されるビデオカメラアセンブリ1のベルト11のテンショニングのための方法を考慮してより明確になる。調節要素24は、装置12の動作状態において、即ち、ベルト11の張力の調節の状態において、ベルト11の張力を調節する(例えば、
図4参照)ように調節部分23において動作する。それは、調節要素24の動作状態において、フレーム13の側壁13bに形成されるガイド
座部16aにおいて収容される。添付の図面において図示される実施の形態において、
座部は、貫通孔16aとして示される。ガイド
座部16aは、調節部分23に対して前面的に配置され、調節部分23と実質的に同軸上にある。
座部16aは、調節部分23に向かって方向付けるように調節要素24と協働し、調節要素24のステム24bのための支持として実質的に機能する。ベルト11の張力を調節する初期ステップにおいて、制限要素21は、休憩状態にあり、したがって、フレーム13に対して本体20の並進移動を制限しない(
図3参照)。調節要素24は、調節部分23上に動作し、ベルト11の方向において、その並進移動を特定する。当業者にとって明確であるように、調節部分23の並進移動は、ベルト11に向かって装置12の全体の移動を含む。調節部分の並進移動は、ベルト11に向かって調節部分23に対して調節要素24をスラストすることによって実施される。調節部分23の並進移動は、本体20、中間部分、ベルトテンショナターミナル、よってその内部に収容されるスラスト要素19の並進移動を特定する。本体20の並進移動は、滑り部分20aを滑りながら収容するガイド14によってガイドされ、中間部分22、よってその内部に収容されるベルトテンショナターミナル17の並進移動を特定する。ベルトテンショナターミナル17は、ベルト11の近くに並進移動し、接触面においてベルト11と接触し、ベルト11をきつく締める。制限要素21は、本体20と統合的に並進移動し、休憩状態にあると、それぞれのガイド15において滑る。スラスト要素19は、調節要素24の動作状態において、圧縮されない。
【0136】
本質において、制限要素21の休憩状態において、調節部分23、本体20(したがって、その中に収容されるスラスト要素19)、中間部分22(したがって、ベルトテンショナターミナル17)は、実質的に、フレーム13に対して並進移動によって与えられる単一の自由度を有する。添付の図面において図示されるように、制限要素21の休憩状態において許可される並進移動は、調節要素24の動作方向に沿って実施される。このような動作方向は制限要素21の延在方向に直交してもよく、調節部分23の主要延在方向と実質的に一致してもよい。当業者にとって明確であるように、最大並進移動は、調節要素のステム24bの長さによって規定される。有利なことに、ステム24bの長さは、ベルト11の最適な性能を保証する値の望ましい範囲において、ベルトのテンショニング力を負荷することによって特定されてもよい。
【0137】
(添付の図面において図示されない)他の実施の形態は、装置12の要素の動作的及び延在方向の相互に対する代替的な配置を設けてもよい。
【0138】
調節要素24の動作及びよって前述の装置12の要素の並進移動は、実質的にベルト11の望ましい張力に対応し(逆も)、後述のスラスト要素19の部分的な弾性スプリングバックより少なく、フレーム13に対してベルトテンショナターミナル17の望ましい位置が達成されると、中断される。スラスト要素19の部分的な弾性スプリングバックは、望ましい方法においてベルト11に締めることができるベルトテンショナターミナル17の最適な配置を特定する。この点において、本体20の配置は、制限要素21に対する動作によってフレーム13に対して制限される。本体20の並進移動を抑制するように、制限要素21は締められる。添付の図面において示す実施の形態においては、ネジが制限要素21として設けられ、ネジ21が締められ、その位置をフレーム13に対して制限し、休憩状態から制限状態へネジの並進移動を規制する。
【0139】
この時点において、調節要素24は、調節部分23から脱離する。調節要素24は、したがって、さらなる収容
座部16b(
図5参照)において戻されてもよい。添付の図面において示す実施の形態において図示するように、このような
座部は、貫通孔16bが設けられてもよい。
図6は、フレーム13の側壁13bにおいて形成される貫通孔16bにおいてベルト11の張力を調節するようにその使用の後に収容される調節要素24を示す。貫通孔16bは、望ましくはスレッドされている。添付の図面において示されていない他の実施の形態において、入口開口を有する
座部、入口開口及び底を接続する底と側壁等、貫通孔に対する代替的な収容
座部16bが設けられてもよい、と理解されよう。このような実施の形態において(添付の図面に示されていない)底は、調節要素24のステム24bの隣接限界位置を構成し、ステム24bは、入口開口における
座部に挿入され、側壁の形状によって
座部16bへ挿入においてガイドされる。
【0140】
スラスト要素19は、調節要素24がスラスト要素19から動作的に断絶されるときのみ、動作を開始し、即ち、ベルト11に対してベルトテンショナターミナル17の位置を調節するようにその弾性スラストを負荷する。スラスト要素19は、したがって、調節要素24がスラスト要素19から動作的に断絶される状態において弾性的に変形されるように構成される。調節要素24の脱離において、スラスト要素19は、本体20から離れる調節部分23の制限された並進移動を特定する(ベルト11上のベルトテンショナターミナル17の動作に続く)ベルト11とベルトテンショナターミナル17との反応による部分的弾性スプリングバックを受ける。言い換えると、当業者にとって明確であるように、ベルト11は、スラスト要素19を圧縮できるベルトテンショナターミナル17上で反応を負荷し、調節部分23の上に取り付けた自己ロックナットと調節要素23との自由端が、本体20に対して離れるように移動することをもたらす。このような並進移動は、調節部分23、特にその自由端と本体20との間の隙間25の形成を特定する。隙間25は、mmのオーダーであってもよく、ベルトテンショナターミナル17によって装置12に、動作状態において、ベルト11が伝送する振動、応力、またはひずみに対処するように適合される本体20に対して、調節部分23の制限される振動を可能にする。例えば、隙間25は、調節部分23と弾性スラスト要素19との振動によって、このような振動、応力及びひずみを吸収、減衰または拡散させるように、振動、応力またはひずみに対処するように適合されてもよい。隙間25は、動作の間に発生し得る緩み、即ち張力の損失に対して自動的に補填することによって、ベルト11の張力を実質的に一定に維持することを可能にする。これは、隙間25がベルトテンショナターミナル17上のスラスト要素19のスラストの自動調節を特定するように適合されるクリアランスを設け、したがって、ベルト11の張力を実質的に一定に維持することを可能にするため、可能である。考慮される例示において、隙間25は、スラスト要素19(即ち、拡大バネ)が、ベルト11の緩みに対して比例して拡大することを可能にする。
図6に示すように、隙間25は調節部分23の自由端と本体20の壁との間に規定されてもよい。特に、隙間25は、望ましくは、調節部分23の終端要素(ヘッド)と本体20との実質的に平行なそれぞれ対向する表面の間に規定される。
【0141】
上述のタイプのビデオカメラアセンブリ1のベルトのテンショニングのための装置12は、例えば、ビデオカメラアセンブリ1の組立ステップにおいて、ベルト11の第1テンショニングを実施するために使用されてもよく、または、例えば、ベルト11の第1テンショニングに続いて、即ち制限要素21の第1締めに続いて、ベルト11の張力を調節するために使用されてもよい。ベルト11の張力の調節は、例えば、ベルト11の発生し得る緩みに対処するように、ビデオカメラアセンブリ1の使用の後に必要となってもよい。
【0142】
本発明は、ビデオカメラアセンブリ1のベルト11のテンショニング方法に関してもよい。
【0143】
ビデオカメラアセンブリ1のベルト11のテンショニング方法は、ビデオカメラアセンブリ1のベルト11を設けることを想定する。方法は、ベルト11に対してベルトテンショナターミナル17を、スラスト要素19によって、スラストすることをさらに設ける。スラストステップは、望ましくは、添付の図面に示すバネ19のような弾性タイプのスラスト要素によって実施される。前述のように、代替的な弾性スラスト要素19は、バネに対して使用されてもよい。スラストステップは、ベルト11のテンショニングを可能にする。
【0144】
方法は、ベルトテンショナターミナル17がベルト11に負荷するスラスト強度を調節することを設ける。スラスト強度調節ステップは、調節部分23を通じてスラスト要素19に動作的に接続される調節要素24を使用する。スラスト要素に動作的に接続される調節要素24によるベルト11のスラスト調節ステップは、互いに実質的に統合的に並進移動するスラスト要素19とベルトテンショナターミナル17の移動とを収容する本体20の移動を特定する。本体20の移動は、上述の方法によって実施されてもよく、中間部分22の実質的に統合的な移動を特定する。ベルト11のスラスト調節ステップは、調節要素24によって、ベルトテンショナターミナル17の位置を変調することによって、ベルト11の望ましい張力を特定することを設ける。上述のように、ベルト11のスラスト調節ステップは、調節部分23において調節要素24と動作することによって実施される。スラスト要素19は、調節要素24の動作状態において圧縮されない。
【0145】
方法は、望ましい位置において、ベルトテンショナターミナル17を制限するように構成される。ベルトテンショナターミナル17の望ましい位置は、例えば、フレーム13に対して規定され、スラスト要素19の部分的弾性スプリングバックより小さいベルト11の望ましい張力に実質的に対応する(その逆も同様)。スラスト要素19の部分的弾性スプリングバックは、したがって、望ましい方法においてベルト11をきつく締めることができるベルトテンショナターミナル17の最適位置を特定する。本質において、ベルトテンショナターミナル17の望案しい位置は、ベルト11の望ましい張力に対応する(その逆も同様)。望ましい位置におけるベルトテンショナターミナル17の制限は、制限要素21によって実施されてもよい。制限要素21は上述のタイプであってもよい。休憩状態から制限状態への制限要素21の遷移は、上述のように制限要素21を締めることによって実施されてもよい。望ましい位置においてベルトテンショナターミナル17を制限するステップは、ベルト11の望ましい張力を特定した後に実施される。望ましい位置においてベルトテンショナターミナル17を制限するステップは、方法として以下で説明され、上述のように動作状態においてベルト11の調節部分23の制限(contained)される移動を特定するスラスト要素19の部分的弾性スプリングバックを除き、制限要素21によってフレーム13に対して本体20を制限し、したがって、フレーム13に対してスラスト要素19の位置を制限する。
【0146】
上述の制限ステップに続き、方法は、スラスト要素19から調節要素24を動作的に断絶させることを設けるステップをさらに有する。このようなステップは、調節部分23から調節要素24を脱離させることを設ける。調節部分23から調節要素24を脱離させることによって、スラスト要素19は、動作的に機能し、即ち、弾性スラストを負荷し、ベルト11の望ましい張力に対応するベルト11に対するベルトテンショナターミナル17の位置を調節する。スラスト要素19は、弾性的に変形されることによって機能を開始する。調節部分23からの調節要素24の脱離は、調節部分23と、スラスト要素19を収容する本体20との間の隙間25の形成を特定する。隙間25は、本体20及びベルト11から調節部分23の制限される(contained)移動を特定するように、スラスト要素11の部分的弾性スプリングバックによって形成される。上述のように、mmのオーダーであってもよい隙間25は、ベルト11の動作状態において、ベルトテンショナターミナル17によって、ベルト11が装置12に伝達する振動、応力、またはひずみに対処するように適合される本体20に対して、調節部分23の制限される振動を可能にする。隙間25は、例えば、調節部分23と弾性スラスト要素19との振動によって、振動、応力、及びひずみを吸収、減衰、または拡散させることによって、振動、応力、またはひずみに対処するように適合されてもよい。上述のように、隙間25は、ベルト11の張力を実質的に一定に維持することを可能にする。
図6に示すように、隙間25は、調節部分23と本体20の壁との間で規定されてもよい。特に、隙間25は、調節部分23と本体20との、望ましくは、それぞれの対向する実質的に平行な面の間で規定されてもよい。
【0147】
方法は、上述のタイプのビデオカメラアセンブリ1のベルト11をテンショニングするための装置12を使用することによって実施されてもよく、したがって、ベルト11を設けることに加えて、上述のタイプのビデオカメラアセンブリ1のベルトをテンショニングするための装置12を設けるステップを有してもよい。ある実施の形態において、ベルト11を設けるステップは、少なくとも1つのベルト11とビデオカメラアセンブリ1のベルト11のテンショニングのための装置12とを有する上述のタイプのビデオカメラアセンブリ1を準備することを有してもよい。
【0148】
方法は、例えば、ビデオカメラアセンブリ1の組立ステップにおいて、ベルト11の第1テンショニングを実施するために実施されてもよく、または、例えば、ベルト11の第1テンショニングに続いて、即ち制限要路21の第1締めに続いて、ベルト11の張力を調節するために実施されてもよい。ベルト11の張力の調節は、例えば、ベルト11において生じ得る緩みに対処するように、ビデオカメラアセンブリ1の使用の後、必要となってもよい。
【0149】
ベルト11の第1テンショニングを実施するために方法が実施されると、ベルト11のテンショニングのためのベルト11に対するスラスト要素19によるベルトテンショナターミナル17のスラストのステップの前に、ベルト11に接触するようにベルトテンショナターミナル17を配置することを設けるステップが実施される。ベルトテンショナターミナル17とベルト11との間の接触は、ベルトテンショナターミナル17の接触面において実現されてもよい。
【0150】
ベルト11の張力を調節するように方法が実施されると、方法は、ベルト11の張力の調節を可能にするためのベルトテンショナターミナル17を開放するステップを設ける。このようなステップは、ベルト11を設けるステップの後、及びベルト11に対して、スラスト要素19によって、ベルトテンショナターミナル17をスラストすることを設けるステップの前に、設けられてもよい。
【0151】
結論として、特定の実施の要求によって、後続の請求項の保護の範囲から逸脱することなく、いずれかの材料及びいずれかの偶発的形状及び大きさが使用されてもよい。