(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】航空機またはターボ機械のためのプロファイル構造
(51)【国際特許分類】
F01D 5/14 20060101AFI20240401BHJP
F02K 3/04 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
F01D5/14
F02K3/04
(21)【出願番号】P 2021521301
(86)(22)【出願日】2019-09-24
(86)【国際出願番号】 FR2019052237
(87)【国際公開番号】W WO2020079335
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2022-08-29
(32)【優先日】2018-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】516227272
【氏名又は名称】サフラン・エアクラフト・エンジンズ
(73)【特許権者】
【識別番号】518023164
【氏名又は名称】オフィス ナショナル デテュード エ ドゥ ルシェルシュ アエロスパシアル
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェア・アギレラ,フェルナンド
(72)【発明者】
【氏名】バリエ,ラファエル
(72)【発明者】
【氏名】グリューベル,マチュー・シモン・ポール
(72)【発明者】
【氏名】ポラクセク,シリル
(72)【発明者】
【氏名】ポソン,エレーヌ・ドミニク・ジャンヌ
【審査官】高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-090300(JP,A)
【文献】特開2016-102467(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101716995(CN,A)
【文献】国際公開第2018/138439(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0023403(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第3477057(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第105332948(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 21/10
B64C 23/00
F01D 5/14
F01D 9/02
F02C 7/00
F02K 3/04
F04D 1/00-13/16
F04D 17/00-19/02
F04D 21/00-25/16
F04D 29/00-35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機のためのまたは航空機用ターボ機械のためのプロファイル構造であって、
構造が気流にさらされる長さ(L1)を有する延伸方向に細長く、
延伸方向に対して横断方向に構造が前縁(164)および/または後縁(165)を有し、前縁(164)および/または後縁(165)のうちの少なくとも1つがプロファイルされ、かつ前記延伸方向に沿って、連続する歯(30)および窪み(32)によって画定されるセレーション(28,28a)を有する、プロファイル構造であって、
プロファイルされた前縁(164)および/またはプロファイルされた後縁(165)に沿って、
連続する歯(30)および窪み(32)は、空気流にさらされる前記長さの一部のみにわたって延在し、前記長さの残りの部分(280)は滑らかであり、
長さの前記部分にわたって、長さの前記部分の各端部に位置する最大で3つの連続する歯を具備するゾーン(33,35)を除いて、セレーション(28,28a)は、振幅(d)の変動および/または歯(30)もしくは窪みの2つの連続する頂点間の間隔(L2)の変動を有し、前記変動は単調であ
り、
セレーションが存在する前記長さの少なくとも一部にわたって、歯(30)または窪みの2つの連続する頂点間の振幅(d)および/または間隔(L2)が、直線的、二次的、双曲線的、指数関数的および/または対数的に変化する、
ことを特徴とする、プロファイル構造。
【請求項2】
セレーションが存在する空気流にさらされる長さ(L1)の少なくとも一部にわたって、前記方向に沿った各セレーションにおける平均翼弦または各翼弦のいずれかに関して、これらのセレーションは、延伸方向に対して横断方向に適合し、0.005≦d/c≦0.5の関係を有し、「d」はメートル単位のセレーションの振幅であり、「c」はメートル単位の前記セレーションの位置におけるプロファイル構造の翼弦である、請求項1に記載のプロファイル構造。
【請求項3】
プロファイルされた前縁(164)および/またはプロファイルされた後縁(165)に沿って、ならびに歯(30)または窪みの2つの連続する頂点間の振幅および/または間隔の変動によって、セレーション(28,28a)が長さの
前述の平滑な部分(280)と漸進的に接続する、請求項1または2に記載のプロファイル構造。
【請求項4】
セレーションが、前記平滑部分(280)に接する接続部(280a)で終端する、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロファイル構造。
【請求項5】
長さの前記平滑部分(280)において、前記構造が、窪み(32)の底部にある翼弦よりも長い翼弦(c)を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロファイル構造。
【請求項6】
長さの前記部分にわたって、前記ゾーンを除いて、一連の少なくとも3つの連続する歯(30)および3つの連続する窪み(32)が、前記延伸方向に沿って、歯(30)または窪み(32)の2つの連続する頂点間の厳密に増加する距離(L2)を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロファイル構造。
【請求項7】
長さの前記部分にわたって、前記ゾーンを除いて、一連の少なくとも3つの連続する歯(30)および3つの窪み(32)が、厳密に増大する振幅(d)を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロファイル構造。
【請求項8】
空気流にさらされる前記長さに沿って、セレーション(28,28a)が、
前記長さの2つの端部のうちの少なくとも1つに存在しない、または、
前記端部の間の中間部分に存在せず、前記2つの端部に向かって存在する、
請求項1~7のいずれか一項に記載のプロファイル構造。
【請求項9】
セレーションが存在する前記長さの少なくとも一部にわたって、歯(30)または窪みの2つの連続する頂点間の振幅(d)および/または間隔(L2)が非周期的に変化する、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロファイル構造。
【請求項10】
各々が請求項1~
9のいずれか一項に記載のプロファイル構造のセットであって、それぞれの延伸方向が回転軸線を中心に半径方向に延在し、歯(30)または窪み(32)の2つの連続する頂点間の距離(L2)および/または振幅が、気流(U)にさらされる長さ(L1)の半径方向外側端部で、その長さの半径方向内側端部よりも長い、プロファイル構造のセット。
【請求項11】
一般軸線(X)を有し、前記一般軸線(X)を中心に回転可能なロータと、ステータとを備えるターボ機械であって、ステータおよび/またはロータが、各々請求項1~
10のいずれか一項に記載のプロファイル構造(1)を備えるターボ機械。
【請求項12】
プロファイル構造が、
一次流れと二次流れとの間でターボ機械のファンの下流の空気流を分離するための環状分離壁(160)、
または、前記プロファイル構造を画定する二次流れ(Fs)を案内するための固定ブレード(26,OGV)、
または、前記プロファイル構造を画定する一次流れ(Fp)を案内するための固定ブレード(24,IGV)、
である、請求項
11に記載のターボ機械。
【請求項13】
請求項
11または12に記載のターボ機械であって、各々が前記一般軸線(X)に平行に回転可能な前記ロータ(480a,480b)のうちの2つを備え、ロータの一方および/または他方が、各々請求項1~
12のいずれか一項に記載のプロファイル構造(1)を備える、ターボ機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気力学的にプロファイルされた構造、または、例えば航空機のターボ機械もしくはそのようなターボ機械用のテストベンチ内の、またはターボ機械の一次吸気先端部の上の固定ブレードもしくは回転ブレードなどの空気力学的要素のプロファイルの空気音響管理の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
このタイプの固定ブレードは、例えば、空気流を整流するために回転体の下流に配置されたOGV(Outlet Guide blade)出口ガイドブレードまたは整流器に見られる。
【0003】
このタイプの回転ブレードは、例えば、ファンまたはフェアリングされていないホイールなどのターボ機械の回転インペラに見られる。
【0004】
これは、フェアリングされたターボ機械(ターボファン/ファン)およびフェアリングされていないターボ機械(オープンロータ)の両方に関する。ファン(前部)および二次流路に配置された整流器を有するダブルフローターボ機械の例が示される。
【0005】
特に、超高バイパス比ターボファンエンジン(UHBR;15超の超高希釈比フェアリングファンエンジンの構成)では、ファンの直径を大きくし、航空機に固定されたサスペンションポッドの長さを短くし、それによってファンとIGV圧縮機の吸気ガイドブレード(入口ガイドブレード)との間、およびOGVと一次吸気先端部との間の距離を短くすることが想定される。このタイプのエンジンでは、ファンの後流とIGV、OGV、および先端部との相互作用が、主要なノイズ源の1つである。
【0006】
ターボ機械におけるこの観察によれば、ターボ機械の他の領域だけでなく、空気力学的にプロファイルされた構造(翼、オープンロータブレード(オープンロータ)、パイロンなど)も、空気流との相互作用の空気音響問題に直面している。
【0007】
したがって、特に航空機の分野において、前縁および/または後縁ラインに続いて連続する歯および窪みを含むセレーションプロファイルを有するプロファイルされた前縁および/または後縁を備える空気力学的にプロファイルされた構造を使用することが既に提案されている。
【0008】
したがって、このセレーションプロファイルは、前縁および/または後縁に沿って、すなわち、前縁および/または後縁における構造の延伸方向に延在する。
【0009】
特に、低減された翼弦プロファイルだけでなく、閉じたプロファイル、すなわち、それ自体で閉じられた延伸ラインまたは延伸方向に沿った前縁および/または後縁(のライン)やターボ機械の一次吸気先端部などの周囲においても、主に前縁および/または後縁において、より正確には圧力変動がより強いセレーションの窪みにおいてノイズが生成される。
【0010】
本明細書で使用される「翼弦」という用語に関しては、一次流れと二次流れとを分離する先端部(以下に符号16で識別される)の場合のように厳密に「翼弦」がない場合でも、「プロファイルの翼弦(以下に符号40で識別される)の方向に」という表現は、以下で「一般軸線(X)」または「X軸線」と呼ばれる軸線の方向、すなわち流体流が関連するプロファイル構造上を概して流れる軸線に対応すると見なされ、この軸線は、典型的には、前記「延伸方向」内に延在するプロファイル構造の延伸部を横断するか、または延伸部に垂直でさえあることに留意されたい。
【0011】
「横断する」という表現は、厳密な垂直性を意味しないことが理解されよう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、この構造のノイズ低減、制限されるべき空気力学的損失、ならびに機械的制約、およびプロファイル構造のその環境への統合の間の妥協点を保証することを目的とする。
【0013】
特に、いくつかの状況では、前記プロファイル構造が不均一および/または異方性の空気流にさらされることを考慮に入れることができる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これに関連して、本発明は、特に、前縁および/または後縁ラインの部分的な範囲にわたってセレーションが存在するいくつかの異種プロファイルを提案する。
【0015】
より具体的には、本発明はプロファイル構造に関するものであり、このプロファイル構造は、
-構造が空気流にさらされる長さを有する方向に細長く、
-その方向に対して横断方向に構造が前縁および/または後縁を有し、前縁および/または後縁のうちの少なくとも1つがプロファイルされ、前記延伸方向に従って、連続する歯および窪みによって画定されるセレーションを有する、
ものであり、このプロファイル構造は、プロファイルされた前縁および/またはプロファイルされた後縁に沿って、
-連続する歯および窪みは、空気流にさらされる前記長さの一部のみにわたって延在し、前記長さの残りの部分は滑らかであり、
-長さの前記部分にわたって、長さの前記部分の各端部に(最も近く)位置する最大で3つの連続する歯を含むゾーンを除いて、セレーションは、振幅(d)の変動および/または歯もしくは窪みの2つの連続する頂点間の間隔(L2)の変動を有し、前記変動は単調である、
ことを特徴とする。
【0016】
その場合、利点は、入射流とも呼ばれる後流における乱流の積分スケールの展開法則に従うことができることである(以下の
図19を参照)。例えば、OGVでは、通常、積分スケールはケーシング付近で大きく、ハブ付近(境界層の外側)で小さい。これにより、積分スケールの上記の実際の展開法則が不規則になることが回避される。
【0017】
関連する部品にわたって(実際には少なくとも3つの歯または少なくとも3つの窪みにわたって)厳密に増加または厳密に減少したままである少なくとも1つの数値関数に従って展開するそのような変動(複数可)では、その変動方向はしたがって一定であり、空気力学的損失を排除するか、もしくは機械的応力を制限するか、またはプロファイル構造のその環境への統合を容易にすることさえ可能である。
【0018】
音レベルの良好な減衰を維持しようとしながら、窪みにおける機械的応力および亀裂を制限し、および/または製造応力を低減するために、セレーションが存在する空気流にさらされる長さの少なくとも一部にわたって、
-平均翼弦(長さL1にわたる翼弦の算術平均;添付の
図20から
図25を参照)を基準として、
-または前記方向に沿った各セレーションにおける各翼弦について、
これらのセレーションは、延伸方向に対して横断方向に、関係:0.005≦d/c≦0.5を満たすことも提案され、セレーションの振幅「d」の単位はmであり、セレーションの位置におけるプロファイル構造の局所的または平均的な翼弦「c」の単位はメートルである。
【0019】
音響レベルの良好な減衰を維持しようとしながら、窪みのレベルでの機械的応力および亀裂の形成を制限するために、および/または製造応力を低減するために、および/または空気力学的損失を低減するために、セレーションが存在する前記長さの少なくとも一部にわたって、歯または窪みの2つの連続する頂点間の振幅(d)および/または間隔(L2)が、
-非周期的に、または、
-特に、線形に(増加または減少)、二次式的に、双曲線形に、指数関数的および/または対数的に、
変化することも提案される。
【0020】
ゾーン間の機械的および音響的移行を平滑化し、特定の製造上の制約を再び低減しようとするために、以下が提案される。
-プロファイルされた前縁および/またはプロファイルされた後縁に沿って、セレーションが、したがって、歯または窪みの2つの連続する頂点間の振幅および/または間隔の単調な変動を有すること、および/または、
-プロファイルされた前縁および/またはプロファイルされた後縁に沿って、歯または窪みの3つの連続する波長頂点間の振幅および/または間隔の変動によって、セレーションが、セレーションのない空気流にさらされる長さの前記平滑部分を徐々に接合すること、および/または、
-セレーションが、平滑部分に接する接合部で(平滑部分への接続端部で)終端すること。
【0021】
最大化された音響効果と最小化された機械的応力との間の妥協点が支配的である移行を保証する同等の目的で、セレーションのない空気流にさらされる長さの前記部分からの一連の少なくとも2つの連続する歯および2つの窪みが、
-前記延伸方向に沿って、2つの連続する歯または窪みの2つの頂点間の増加する距離、および/または、
-増大する振幅、
を有することが提案され、
これは、理解されるように、平滑部分からセレーションに進む。
【0022】
さらに同じ目的で、気流にさらされる長さに応じて、セレーションが凹部のレベルの歯で開始および/または終端することも提案される(「嘴状先端部」タイプ構造の場合を除く)。
【0023】
機械的構造化および音響制限効果をさらに促進するために、長さの前記平滑部分において、前記構造が最も近い凹部の底部よりも長い翼弦を有することも提案される。
【0024】
場合によっては、空気流にさらされる前記長さに応じて、セレーションが存在しない場合があることが予想される。
-前記長さの2つの端部のうちの少なくとも1つ、または
-これらの端部の間の中間部に存在せず、前記端部の両方に存在する。
-互いに分離された長さに沿ったいくつかの場所、例えば、中間ゾーンの一端および一部には存在しない。
【0025】
第1のケースは、前記プロファイル構造と回転ブレードの足部/取り付け領域との間の界面/接合部、例えばプロペラ上、または空気流路の2つの壁の間の可能な機械的応力を制限することである。
【0026】
第2のケースでは、目的は、乱流が最も深刻な場所へのセレーションの導入を制限し、これらのゾーンにおける空気力学的挙動を妨げないように、他の場所でセレーションを除去することである。
【0027】
同じアプローチ、および互いに影響を及ぼし得るいくつかのプロファイル構造が提供される場合はなおさらそうであるが、本発明では、各プロファイル構造は、上述の特性のすべてまたはいくつかをそれぞれが有し、それぞれの延伸方向が回転軸線の周りで半径方向に延在し、歯または窪みの2つの連続する頂点間の距離および/または振幅が、この長さの半径方向内側端部よりも空気流にさらされた長さの半径方向外側端部でより大きい(またはより長い)プロファイル構造のセットを目的とする。
【0028】
したがって、例えば、前記プロファイル構造がファンの下流に位置するOGVであり、そのような振幅および/または波長(窪みまたは歯の2つの連続する頂点間の距離)が、足部、流路間ゾーンの近くよりも外側ケーシングの近く(OGVの頭部にある)でより大きなセレーションを有する場合、送風機のブレード先端部の端部の渦がより大きく、多くのターボジェットエンジンで非常に活発であるという事実に関連する欠点が緩和される。
【0029】
結果として、本発明にも関係しているので、本発明者らにはより良く理解されよう。
-一般軸線(これは上述の回転軸線であってもよい)を有し、前記一般軸線の周りを回転することができるロータと、ステータとを備えるターボ機械であって、ステータまたはロータは、各々が上述の特性のすべてまたはいくつかを有するプロファイル構造を備える、ターボ機械、
-特に、ステータが以下を備える(または、プロファイル構造が以下のものである)ターボ機械、
--ファンの下流の空気流を一次流れと二次流れとに分離するための(流路間)環状分離壁、
--前記プロファイル構造を画定する、二次流れを案内するための固定OGVブレード、
--前記プロファイル構造を画定する、一次流れを案内するための固定IGVブレード、
-フェアリングされる場合とされない場合があるターボ機械(その一般軸線は前述の回転軸線であってもよい)であって、前記一般軸線と平行に(少なくとも1つの平行軸線に沿って)回転することができる2つのロータ、および/またはそれぞれが前述の特性のすべてまたはいくつかを有する前記プロファイル構造を含むロータの一方および/または他方を備える、ターボ機械。
【0030】
本発明は、必要に応じてより良く理解され、本発明の他の詳細、特徴および利点は、添付の図面を参照しながら非限定的な例として与えられる以下の説明を読むと明らかにされよう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】航空機用の典型的なターボ機械の長手方向断面図(X軸線)である。
【
図2】本発明による解決策を用いた、一次流れと二次流れとの間の隔壁の上流ゾーン(先端部)を示す図である。
【
図3】
図2のIIIの詳細図であり、すなわちヘリコプタブレード、ファンのブレード、ロータまた整流器の一部、前縁の先端部または航空機の翼フラップとしてよいものの局所的なセレーションプロファイル図とすることができる。
【
図5】本発明による航空機軸受構造を概略的に示す図である。
【
図6】例えば
図1または
図5のゾーンIに対応することができる、本発明による一形態のセレーション状プロファイルを概略的に示す図である。
【
図7】例えば
図1または
図5のゾーンIに対応することができる、本発明による別の形態のセレーション状プロファイルを概略的に示す図である。
【
図8】例えば
図1または
図5のゾーンIに対応することができる、本発明によるさらに別の形態のセレーション状プロファイルを概略的に示す図である。
【
図9】例えば
図1または
図5のゾーンIに対応することができる、本発明によるさらに別の形態のセレーション状プロファイルを概略的に示す図である。
【
図10】例えば
図1または
図5のゾーンIに対応することができる、本発明によるさらに別の形態のセレーション状プロファイルを概略的に示す図である。
【
図11】例えば
図1または
図5のゾーンIに対応することができる、本発明によるさらに別の形態のセレーション状プロファイルを概略的に示す図である。
【
図12】例えば
図1または
図5のゾーンIに対応することができる、本発明によるさらに別の形態のセレーション状プロファイルを概略的に示す図である。
【
図13】例えば
図1または
図5のゾーンIに対応することができる、本発明によるさらに別の形態のセレーション状プロファイルを概略的に示す図である。
【
図14】例えば
図1または
図5のゾーンIに対応することができる、本発明によるさらに別の形態のセレーション状プロファイルを概略的に示す図である。
【
図15】本発明によるセレーション、特に角度的に(角度αで)オフセットされたプロファイルを概略的に示す図である。
【
図16】本発明によるセレーション、特に角度的に(角度αで)オフセットされた別のプロファイルを概略的に示す図である。
【
図17】本発明によるファンの下流のセレーションゾーンの一例の局所的拡大図である。
【
図18】OGVまでの二重流ターボ機械の後流における乱流強度の軸方向断面を概略的に示す図である。
【
図19】以下に20で識別される空気流路の内側半径rintと外側半径rextとの間の半径(r)の関数としての乱流の積分スケール(∧)の対応する半径方向の展開を示す図である。
【
図20】変動する振幅および/または周波数を有するセレーション状プロファイルを有する前縁長さ部分または後縁長さ部分を概略的に示す図であり、実線は実際のセレーションプロファイルを示し、細い灰色の波線は、平均ロープを画定するために計算され、実際のプロファイルの伸縮が確立された基準プロファイル、振幅および/または間隔の単調な変化を含むゴーストセレーションプロファイルを示している。
【
図21】変動する振幅および/または周波数を有するセレーション状プロファイルを有する前縁長さ部分または後縁長さ部分を概略的に示す別の図であり、実線は実際のセレーションプロファイルを示し、細い灰色の波線は、平均ロープを画定するために計算され、実際のプロファイルの伸縮が確立された基準プロファイル、振幅および/または間隔の単調な変化を含むゴーストセレーションプロファイルを示している。
【
図22】変動する振幅および/または周波数を有するセレーション状プロファイルを有する前縁長さ部分または後縁長さ部分を概略的に示すさらに別の図であり、実線は実際のセレーションプロファイルを示し、細い灰色の波線は、平均ロープを画定するために計算され、実際のプロファイルの伸縮が確立された基準プロファイル、振幅および/または間隔の単調な変化を含むゴーストセレーションプロファイルを示している。
【
図23】セレーション変換が線形展開である特定の(少なくとも部分的に)単調な非法則に従う、セレーションを有する前縁長さまたは後縁長さの部分を概略的に示す図である。
【
図24】セレーション変換が対数展開である特定の(少なくとも部分的に)単調な非法則に従う、セレーションを有する前縁長さまたは後縁長さの部分を概略的に示す図である。
【
図25】セレーション変換が放物線展開である特定の(少なくとも部分的に)単調な非法則に従う、セレーションを有する前縁長さまたは後縁長さの部分を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
これが目にあまり明確でない場合でも、すべての
図2から
図17および
図23から
図25において、歯または窪みの2つの連続する頂点間の振幅(d)および/または間隔(L2)の変動は、上記の条件下で単調であると考えなければならない。
【0033】
図1を参照すると、航空機100のターボジェット10が概略的に示され、以下のように形成される。
【0034】
ポッド12は、前方(
図1の左側)に上流ファン(US)14を含む様々な構成要素の外側ケーシングとして使用される。
【0035】
ファン14の下流(DS)では、空気流(
図4の38に局所的に示されている)は、環状壁160のセパレータ先端部16によって一次空気流と二次空気流とに分離される。一次空気流は、吸気ガイドブレード24IGVで低圧圧縮機22に入ると、内側環状空気通路または一次流路18を通って流れる。二次空気流は、セパレータ先端部16によって、出口ガイドブレード26OGVに向かって、次いでエンジン出口に向かって、外部環状空気通路20(二次流路)に迂回される。
【0036】
図2および
図3では、セパレータ先端部16の前方部分161をより正確に視覚化しており、これは、最も上流に位置し、セパレータ先端部16の外壁162がセパレータ先端部16の内壁163と接触する前縁164を含み、上壁162は二次流路20の内殻を形成する。
【0037】
本明細書では、「軸線方向」は、ターボ機械の関連する部分の回転の長手方向軸線(X)に沿って、またはそれに平行に延在するものを指し、軸は、原則としてターボ機械の回転の主軸である。半径方向(Z軸線)はX軸線に対して半径方向に延在するものであり、円周方向はその周りにあるものである。X軸線に対して半径方向にあるものはすべて、内側または内側および外側または外側である。したがって、内壁163は、セパレータ先端部16の半径方向内壁である。さらに、上流および下流への言及は、考慮中のターボエンジン(の一部)内のガスの流れに関連して考慮されるべきであり:これらのガスは、上流に入り、下流に出て、一般に上述の長手方向回転軸線に平行に循環する。
【0038】
さらに、添付の図面およびそれらに関する説明は、従来の直交基準マークX-Y-Zを参照して定義されており、X軸線は上記のように定義されている。
【0039】
セパレータ先端部16は、二次流れFsを受ける外側環状空気20の通路に対する半径方向内側限界として機能する壁162の外面と、一次流れFpを受ける内側環状空気通路18に対する半径方向外側限界として機能する壁163の内面との二面によって画定される。
【0040】
セパレータ先端部16の下壁163は、低圧圧縮機22の外殻を形成する。
【0041】
セパレータ先端部16の前縁164からのIGV24の下流の軸線方向オフセット(X)は、同じ前縁164からのOGV26の軸線方向オフセットよりも小さいが、セパレータ先端部16の前縁164に直接隣接する前方部分161の一部は解放される。
【0042】
したがって、例えば先端部16、OGV26、IGV24の前縁によって生成されるノイズを低減するために、この前縁164は、
図6から
図17の例に示すように、連続する歯30および窪み32を含むセレーションを有するプロファイル28を有することが期待されることができる。
【0043】
しかし、ターボジェット10などのターボ機械以外の構造は、本発明の解決策の影響を受ける可能性があり、したがって、連続する歯30および窪み32を含むセレーションを有するプロファイル28を備える前縁164を有する。
【0044】
図5は、前縁、翼39、航空機のエンジン42を支持するパイロン41、ドリフト44、スタビライザ46、フェアリングされていないプロペラの1つまたは複数のブレード48(ロータ)、またはオープンロータもしくはフェアリングされていないプロペラの下流の固定ブレード49(ステータ)上にセレーションを有する、そのようなプロファイル28を備えるプロファイル構造が存在する航空機100を示している。この
図5には、2つの航空機推進ターボ機械が存在し、2つのオープンロータ群を備え、オープンロータ群の各々は、前記一般軸線(X)に平行な少なくとも1つの軸線の周りを回転することができる2つの同軸に連続するロータ480a,480bを有し、これらのロータの一方および/または他方は、プロファイル構造1を備える。
【0045】
さらに、
図3は、符号50として識別されることができるもの、ヘリコプタのブレード、ファンブレード、ロータもしくは下流のガイドブレードの一部、前縁の先端部または航空機の翼フラップ上の局所的なセレーションプロファイル28を概略的に示している。
【0046】
これらの空気力学的プロファイルはすべて、下流表面に境界層を生成し、したがって乱流を生成するという共通点を有する。
【0047】
用途が何であれ、セレーションを有するプロファイル28に関して、ここで以下を検討する。
-このプロファイルがプロファイル構造1(または空気力学的プロファイル)に属し、その周りに空気が流れ、構造(またはプロファイル)は、空気流にさらされる長さL1を有する方向Zに細長いこと、
-Z方向に対して横断方向に、構造(またはプロファイル)1が前縁164および/または後縁165を有し(分離先端部16は後縁をもたない)、そのうちの少なくとも1つがプロファイルされ、したがって、前記延伸方向Zに従って、前記連続する歯30および窪み32によって画定されるセレーション(プロファイル28)を有すること。
【0048】
歯30と窪み32とは交互に連続している。
【0049】
歯30の数および窪み32の数は、効率を最適化するために、3~100の間になる。
【0050】
上述したように、いくつかの状況において、前記プロファイル構造1が不均一および/または異方性の空気流にさらされることを考慮し、目標とするノイズ低減、制限される空気力学的損失、ならびに機械的応力、およびプロファイル構造のその環境への統合の間の妥協点を保証するために、プロファイルされた前縁164および/または後縁165に沿って、セレーション(28)が長さL1の制限されたゾーンに存在することが提案される(
図7から
図14を参照)。
【0051】
解決策を有効に完了するために、同じ目的のために、以下がさらに提案される。
-セレーション28が存在する長さの少なくとも一部にわたって、
-およびより正確には、前記長さ部分の各端部に位置する最大で3つの連続する歯を含むゾーン(
図6の符号33および符号35など)を除いて、
セレーション28は、以下を有する(特に
図6、
図10、
図16および
図20~
図25を参照)。
-延伸方向Zに対して横断方向に、単調に変化するセレーションの振幅d、および/または、
-前記延伸方向に沿って、単調に変化する歯30または窪み32の連続する2つの頂点(それぞれ符号300,320)間の距離L2。
【0052】
aにおいて、振幅dは、X軸線に沿って、歯30の頂点300と直接隣接する窪み32の底部320との間で測定されることができる。
【0053】
必要に応じて、後述する移行/接続ゾーン28aを考慮に入れることを含む、1.2~20の最大振幅と最小振幅との間の比により、セレーション28は、音響効率、機械的抵抗、およびそれらの局所環境における統合(固定)に関して効率的である。
【0054】
dおよびL2に対する、この制約を有効に完了するために、かつ同じ目的のために、これらのセレーションの半径方向の展開を伴って、以下のすべての解決策のセレーションプロファイル28を異種(それらの有効長さL1にわたって不均一)にすることが可能である。
図7から
図10を参照。
【0055】
特に、連続する歯30および窪み32は、空気流にさらされるこの長さL1aの部分L1aにわたってのみ延在する。長さL1の、部分280で示す残りの部分L1bは滑らかになる(すなわち、セレーションがない)。
【0056】
この妥協点をさらに改良し、特に窪みの亀裂の形成を防止するために、例えば
図6は、セレーション28が、延伸方向Zに対して横断方向に、0.005≦d/c≦0.5の関係を考慮して以下を有してもよいことを示している。
-メートル単位のセレーションの振幅「d」、および、
-メートル単位でのこれらのセレーションの場所におけるプロファイル構造の翼弦「c」。
【0057】
この翼弦cは、長さL1aにわたる(長さL1にわたる)翼弦プの算術平均、または前記方向Zにおける各セレーション(1つの歯に1つの窪みが続く)での翼弦の算術平均のいずれかである;
図6、
図10、および
図20から
図22を参照。
【0058】
上述の妥協点の探索はまた、以下の移行ゾーン28aとも呼ばれる接続部を提供し得ることを明らかにした。
-変動によって、より正確には、平滑部分280に向かって、歯30または窪み32の2つの連続する頂点300,320の間の振幅dおよび/または間隔L2のグローバルな単調減少が進むことによって、セレーションは、前記平滑部分280に徐々に接続する(移行ゾーン/接続部28a)。
図7~ら
図8を参照、および/または、
-セレーション28は、前記平滑部分280に接するゾーン280aで(平滑部分へのそれらの接続端部で)終端する。
図7から
図8を参照。
【0059】
特に、この状況では、
図6および
図7に示すように、長さL1に沿って、セレーション28がセレーションを有するゾーン上の凹部のレベルで、歯30で開始および終端するという少なくとも構造的利点がある。「凹部」という用語は、例えば外側ケーシング53および/または中央ハブ55などの端部における構造の支持体への挿入を指す。
【0060】
この妥協点をさらに追及することは、特に移行ゾーン28aにおいて、セレーションのない長さの前記部分L1bからの一連の少なくとも2つ(好ましくは3つ)の歯30および2つ(好ましくは3つ)の連続する窪み32が以下を決定することにつながり得る。
-前記延伸方向において、歯または窪みの2つの連続する頂点間の増加する距離L2、および/または、
-特に
図7および
図8に示すように、増大する振幅d。
【0061】
さらに、最も近い窪み32の底部(頂点320)よりも長い翼弦cを平滑部分280に設けることにより、移行ゾーン28aの画定を促進することで、機械的構造および音響制限効果が強化される。
【0062】
以下では、OGV26がファン14のすぐ下流に位置するため、典型的には臨界ゾーンであるという点でOGV26の例に焦点を当てて説明する。しかし、関係する特性は、セレーション28を有するプロファイルの他のケースに外挿されることができる。
【0063】
OGV26の前縁164におけるセレーション28は、OGVの空気力学的特性を乱すことができるか、または流路20へのOGVの機械的統合を困難にし得る(
図1)。OGVの空気力学的性能、局所的な機械的制約およびそれらの統合に対するこれらのセレーションの影響を制限するために、そのようなセレーションは、OGVの有効スパン(長さL1)の0.05L~0.95Lのみをカバーするように選択された。
【0064】
図11~
図14は、前縁164および/または後縁165上のセレーション28のそのような部分領域の異なる状況を示している。
【0065】
よって、
-
図11では、セレーション28がプロファイルの内側端部281に存在しない(ここではOGVの足部に存在しない)。目的は、乱流の強度および乱流の積分スケールが重要である外側端部283(例では外側ケーシング53の近く)での音レベルの良好な減衰を維持しながら、内側端部で機械的および/または空気力学的応力を解放することである。外側ケーシングの近くのセレーションはまた、特定の速度または飛行条件で境界層が剥離する可能性を回避するのに有用とすることができる。
【0066】
-
図12では:セレーション28がプロファイルの外側端部283に存在しない(ここではOGVの頭部に存在しない)。目的は、プロファイルの残りのスパンにわたって良好な減衰を維持しながら、頭部における機械的および/または空気力学的応力を解放すること、または構造(支持体、例えば環状壁160が属することができる中央ハブ55;
図2および
図4)の足部における、特定の速度での境界層の起こり得る剥離を回避することである。
【0067】
-
図13では:セレーション28は、そのレベルでプロファイルの中間部分に存在するが、外側端部283および内側端部281には存在しない。その場合、目的は、中間の乱流後流に対処する関心を維持しながら、OGVの足部281および頭部283のセレーションを排除することによって、関連する構造とここでは流路20の境界(例では外側ケーシング53およびハブ55)との間の接合部における可能な機械的応力を排除することである。
【0068】
-
図14では:セレーション28は、外側端部283および内側端部281に存在するが、プロファイルの中間部分には存在しない。目的は、乱流が最も激しいゾーンへのセレーションの導入を制限し、これらのゾーンの空気力学的挙動を乱さないように他の場所でこれらのセレーションを除去することである。特に、アイドル速度とフルスピードとの間の中央動作速度において、外側端部283および内側端部281に向かう境界層の剥離は制限される。
【0069】
セレーション28の形状に関して、その形状は、正弦波状などの丸みを帯びた波状、または
図16に示すモミの木の形状などの他の形状であってもよい。
図15および
図16だけでなく
図5でも、(いくつかの)セレーション28が、X軸線に対して鋭角の入射角αを有する。
【0070】
場合によっては、構造1の掃引角度は、構造の位置でX軸線に垂直な方向に適合させることもできる。
【0071】
スパンに沿ったノイズ源間の非相関性または位相シフトを増加させるために、例えば
図6または
図10に示すように、プロファイルされた前縁164および/または後縁165が上流に向けられた凹面を有する一般的な曲線に沿って延在することを選択することも可能としてもよい。
【0072】
上記から、本発明者らが推論した構造1は、典型的には、OGVへの適用の非網羅的な場合のように、上述の特性の全部または一部をそれぞれ有し、それぞれの延伸方向ZがX軸線の周りに半径方向に延在するプロファイル構造のセットに属することができることも理解されよう。
【0073】
特に、そのようなOGV1/26の非限定的な場合には、ファン14のブレードの先端渦に関連する欠点に対処しようとすることも可能であり、その場合、先端渦は他の場所よりも大きく、非常に活発である。
【0074】
この目的のために、歯または窪みの連続する2つの頂点300,320間の距離L2、および/または振幅dは、長さL1の半径方向外側端部283において半径方向内側端部281よりも大きく(または、したがってより長く)、したがって単調展開の法則に従うことが求められてもよい。
【0075】
したがって、関連するセレーション26の振幅および/または波長は、流路間ゾーン(ハブ55/壁160)の近くよりも外側ケーシング53の近くで大きくなる。
【0076】
本発明は、例えばOGVの上流などの関係する乱流Uの局所的特性を考慮して、ファン14の後流における乱流の積分スケール(
図19の∧)の半径方向分布の関数として波状部の幾何学的形状を画定することを可能にすることにも留意されたい。
図4の後流は、OGV(先端部の上)およびIGV(先端部の下)の両方と相互作用することができることに留意されたい。
【0077】
この点に関連して、
図6は、スパンに沿った局所乱流の積分スケール∧に従って最適化された波状部を有するOGV1/26を示している。波状部の振幅および「波長」L2は、OGVの足部(支持体/ハブ55)よりもケーシング55の近くではるかに大きいことに留意されたい。これは、ファン14のブレード先端の渦に起因する。
【0078】
図18および
図19はまた、それぞれOGV26までの送風機14の後流における、一体型乱流スケールの乱流強度および半径方向の展開を概略的に示している。この例では、外側2/3から、乱流の積分スケール(∧)が急激に増加し、外側半径r
extの直前でピークに達する。実際には、
図19の点線に示すような放物線または二次展開が、セレーションの展開を定義するために使用されることができる。
【0079】
図20から
図22の解決策では、不均一および/または異方性の空気流を再び考慮に入れ、上述の音響的/空気力学的/機械的妥協点を最も保証にするために、1または複数のプロファイルの前縁164および/または後縁165に沿って、前記長さL1の少なくとも一部にわたって、セレーション28は以下の反復幾何学的パターンを有するが、その形状は伸張および/または収縮を有する状況が提示されている。
-延伸方向に対して横断方向(変化する振幅;
図20のd
1からd
2参照。
図22も参照)、および/または、
-延伸方向に従う(このとき、延伸方向における繰り返しパターンの長さは可変である。
図22の長さL2
1からL2
3を参照。
図21も参照)。
【0080】
したがって、前縁164および/または後縁165に沿って、セレーション(28,28a)は、空気流にさらされる前記長さ(L1)の少なくとも一部にわたって、乗算係数を介して、これを延伸方向(L2、L21、L22、L23、...)に沿っておよび/または延伸方向に対して横断方向(d、d1、d2、...)に連続的にスケーリングすることによって変換された幾何学的パターンを呈する。
【0081】
最初の2つのケース(
図20から
図21)では、「基準」反復幾何学的パターンの伸張および/または収縮は、単調展開法則(パターンの延伸方向の長さL2)に従って振幅または周波数のいずれかでパターンを維持する。
【0082】
したがって、
図20では、図中の灰色のものをパターン基準とすると、長さL1に応じてパターンの長さまたは周波数L2が保持され、一方で振幅dが変化することが分かる(d
1、d
2、..)。
図21の解決策では、逆に、振幅dは保持され、パターンの長さまたは周波数が変化する(L21、L22、L23、...)。
【0083】
図20から
図21では、2つの特性方向(例えば、関係する図のX、r方向はr≠Xであり、例えばr=Zである)を有する2つの特性方向を有する反復幾何学的パターン(「基準」パターン、その一例は灰色で示されている)によって定義される周期的セレーションプロファイルは、以下の変換によって修正されている。一般パターンは、一方の特性方向の乗算係数を介して所望のサイズにスケーリングされるが、他方の特性方向では、パターンの寸法は不変のままであってもよく(
図20から
図21)、またはスケーリング処理が続いてもよい(
図22)。
【0084】
しかしながら、音響衝撃が大きいゾーンの場合、
図22の例のように、振幅および周波数が変化する伸張および/または収縮が好ましい場合がある。共に変化するパターンの周波数L2および振幅d:L2
1、L2
2、L2
3...およびd
1、d
2、d
3...。
【0085】
振幅と周波数との間の関係が確立されると、伸縮された幾何学的パターンの割合を維持することが望ましい場合がある。
図22の相似性を参照されたい。
【0086】
図23から
図25は、空気流にさらされる前記長さ(L1)の少なくとも一部にわたって、セレーションの変形がそれぞれ展開の法則に従う3つの状況を示している。
-線形(
図23)、
-対数(
図24)、
-放物線(
図25)の展開。
【0087】
延伸方向の「振幅」(d1、d2、d3、...)および/または「周波数」(L2、L21、L22、L23、...)において、二次、双曲線または指数法則が好ましい場合がある。
【0088】
より一般的には、セレーション28の前記振幅(d)および/または周波数(L2)の非周期的かつ単調な変動が、上述と同じ理由で適切としてもよい。