IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェの特許一覧

特許7463363改良されたキャップ機能性を備えるシェービング装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】改良されたキャップ機能性を備えるシェービング装置
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/14 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
B26B19/14 L
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021523682
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 EP2019079316
(87)【国際公開番号】W WO2020094432
(87)【国際公開日】2020-05-14
【審査請求日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】18204327.3
(32)【優先日】2018-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ペトレッリ,マルキュス コルネリス
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-172987(JP,A)
【文献】特表2005-500145(JP,A)
【文献】特開2002-052270(JP,A)
【文献】米国特許第03233323(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 19/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、該ハウジングによって収容され且つ支持される少なくとも1つの切断ユニットとを含む、シェービングユニットであって、
各切断ユニットは、
- 複数の毛進入開口を有する外部切断部材と、
- 回転軸について前記外部切断部材に対して回転可能である内部切断部材とを含み、
当該シェービングユニットは、各切断ユニットについて、使用中に、少なくとも前記回転軸についての前記内部切断部材の回転方向における前記ハウジングに対するそれぞれの切断ユニットの前記外部切断部材の回転を防止するように構成され且つ配置される、ロックシステムを含み、該ロックシステムは、前記ハウジング及び前記外部切断部材の一方に接続される第1のロック部材と、該第1のロック部材との協働のために前記ハウジング及び前記外部切断部材の他方に接続される第2のロック部材とを含み、
前記第1のロック部材は、前記回転軸の周りの均一な分布で前記回転軸に対して同心状に配置されるN1の第1の拘束要素の環状アレイを含み、
前記第2のロック部材は、N2の第2の拘束要素を含み、
- N1≧8及び1≦N2≦N1であり、
- 前記N2の第2の拘束要素は、各々が、前記ハウジングに対する前記回転軸についての前記外部切断部材のN1の角度位置のうちのいずれかにおいて前記N1の第1の拘束要素のそれぞれ1つと係合可能であるように、構成され且つ配置され、
- 前記N2の第2の拘束要素の各々は、前記外部切断部材の前記N1の角度位置のいずれかにおける前記N1の第1の拘束要素の前記それぞれ1つとの係合によって前記回転方向における前記ハウジングに対する前記外部切断部材の回転を防止するように構成され且つ配置されることを特徴とする、
シェービングユニット。
【請求項2】
N1≧16である、請求項1に記載のシェービングユニット。
【請求項3】
前記外部切断部材は、金属で作られ、前記外部切断部材に接続される前記第1及び第2のロック部材のそれぞれ1つは、前記外部切断部材に接続されるプラスチックキャリアと一体的に形成される、請求項1又は2に記載のシェービングユニット。
【請求項4】
前記ハウジングは、ベース部分と、各切断ユニットについて、前記外部切断部材を取り囲む、それぞれの皮膚支持部材とを含み、各切断ユニットにおいて、前記ハウジングに接続される前記第1及び第2のロック部材のそれぞれ1つは、前記それぞれの皮膚支持部材に接続される、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載のシェービングユニット。
【請求項5】
前記N1の第1の拘束要素の各々は、前記回転軸に対して垂直に延びる前記第1のロック部材の環状面に設けられる刻み目であり、前記N2の第2の拘束要素の各々は、前記第2のロック部材に設けられる突起であり、該突起は、前記切断ユニットの組立中に前記回転軸に平行な方向における前記ハウジングに対する前記外部切断部材の運動によって前記外部切断部材の前記N1の角度位置のいずれかにおいて前記N1の刻み目のそれぞれ1つと係合可能であるように構成され且つ配置される、請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載のシェービングユニット。
【請求項6】
前記刻み目及び前記突起は、三角形である、請求項5に記載のシェービングユニット。
【請求項7】
前記N1の第1の拘束要素の各々は、前記回転軸に対して同心状に配置される前記第1のロック部材の円筒面に設けられる刻み目であり、前記N2の第2の拘束要素の各々は、前記第2のロック部材に設けられる弾性バネ要素であり、該弾性バネ要素は、前記回転軸に対して半径方向における前記弾性バネ要素の付勢力によって前記外部切断部材の前記N1の角度位置のいずれかにおいて前記N1の刻み目のそれぞれ1つと係合可能であるように構成され且つ配置される、請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載のシェービングユニット。
【請求項8】
前記弾性バネ要素は、前記回転軸に対して接線方向における主延伸方向を有する板バネであり、前記刻み目は、前記回転軸に対する半径方向における主延伸方向を有する第1の側壁と、前記回転軸に対する接線方向における主延伸方向を有する第2の側壁とを有し、
前記N2の第2の拘束要素の各々は、
- 前記外部切断部材の前記N1の角度位置のいずれかにおける前記N1の刻み目のそれぞれ1つの刻み目の前記第1の側壁と前記板バネとの当接によって前記回転方向における前記ハウジングに対する前記外部切断部材の回転を防止し、且つ
- 前記外部切断部材の前記N1の角度位置のいずれかにおける前記N1の刻み目の前記それぞれ1つの刻み目の前記第2の側壁に沿う前記板バネのスライド運動によって前記回転方向とは反対の方向における前記ハウジングに対する前記外部切断部材の回転を可能にする、
ように構成され且つ配置される、
請求項7記載のシェービングユニット。
【請求項9】
前記ハウジングは、各切断ユニットについて、前記外部切断部材を取り囲むそれぞれの皮膚支持面を含み、前記複数の毛進入開口は、露出距離に亘って前記回転軸に平行な軸方向において前記皮膚支持面に対して突出する前記外部切断部材の皮膚接触面に設けられ、当該シェービングユニットは、各切断ユニットについて、少なくとも前記軸方向において前記ハウジングに対して前記外部切断部材を支持する支持構造を含み、該支持構造は、前記露出距離の少なくとも最小値を画定し、該最小値が前記ハウジングに対する前記回転軸についての前記外部切断部材の前記角度位置に依存するように構成され且つ配置される、請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載のシェービングユニット。
【請求項10】
前記支持構造は、前記ハウジング及び前記外部切断部材の一方に接続される第1の支持部材と、該第1の支持部材との協働のために前記ハウジング及び前記外部切断部材の他方に接続される第2の支持部材とを含み、前記第1の支持部材は、各々が前記回転軸に対する接線方向に関して傾けられた、少なくとも2つの支持面セグメントを含み、前記第2の支持部材は、各々が前記回転軸に対する前記軸方向において前記少なくとも2つの支持面セグメントのそれぞれ1つに対して当接するように構成され且つ配置される、少なくとも2つの当接要素を含む、請求項9に記載のシェービングユニット。
【請求項11】
請求項3に記載の構成を更に有する、請求項10に記載のシェービングユニットであって、前記外部切断部材に接続される前記第1及び第2の支持部材のそれぞれ1つは、前記プラスチックキャリアと一体的に形成される、シェービングユニット。
【請求項12】
前記第1の支持部材は、前記ハウジングに接続され、前記少なくとも2つの支持面セグメントは、前記外部切断部材を取り囲む前記ハウジングの円筒内壁に設けられる案内チャネルに設けられ、前記第2の支持部材は、前記外部切断部材に接続され、前記少なくとも2つの当接要素は、前記案内チャネルと係合する、請求項10又は11に記載のシェービングユニット。
【請求項13】
請求項8に記載の構成を更に有する、請求項9乃至12のうちのいずれか1項に記載のシェービングユニットであって、当該シェービングユニットは、各切断ユニットについて、前記内部切断部材の前記回転方向とは反対の方向において前記回転軸について前記外部切断部材を回転させるように構成され且つ配置される、ユーザ操作可能な操作部材を含む、シェービングユニット。
【請求項14】
前記操作部材は、前記回転方向に作用するバネ力に抗して前記回転軸に対して接線方向において前記ハウジングに対して移動可能であり、前記操作部材は、一方向クラッチ構造によって前記外部切断部材に連結されて、前記回転方向における前記外部切断部材に対する前記操作部材の運動を可能にする、請求項13に記載のシェービングユニット。
【請求項15】
駆動システムを収容する本体を含み、該本体に連結される請求項1乃至14のうちのいずれか1項に記載のシェービングユニットを更に含む、シェービング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングと、ハウジングによって収容され且つ支持される少なくとも1つの切断ユニットとを含む、シェービングユニットに関し、各切断ユニットは、複数の毛進入開口を有する外部切断部材と、回転軸について外部切断部材に対して回転可能である内部切断部材とを含み、シェービングユニットは、各切断ユニットについて、使用中に、少なくとも回転軸についての内部切断部材の回転方向におけるハウジングに対するそれぞれの切断ユニットの外部切断部材の回転を防止するように構成され且つ配置される、ロックシステムを含み、ロックシステムは、ハウジング及び外部切断部材の一方に接続される第1のロック部材と、第1のロック部材との協働のためにハウジング及び外部切断部材の他方に接続される第2のロック部材とを含み。
【背景技術】
【0002】
このタイプのシェービングユニットは、1つ、2つ、3つ以上の切断ユニットを含む電気シェーバにおいて利用される。一般的に、そのようなシェービングユニットにおいて、切断されるべき毛の切断機能は、外部切断部材の毛進入開口のうちの1つを通じて入り、次に、毛進入開口に対して回転される内部切断部材の切断要素によって剪断される毛を通じて、毛に加えられる剪断力によって提供される。内部切断部材は、回転軸についての回転運動に駆動される一方で、外部切断部材及びハウジングは、内部切断部材と外部切断部材との間の相対的な運動が提供されるように、回転軸に関して静止的に維持される。
【0003】
従って、キャップと称されることができる或いは動作中にユーザの皮膚に接触しているキャップを含む外部切断部材は、前記回転に対して動作中に静止状態に保持されるべきである。動作中に、外部切断部材に加えられる圧力は、外部切断部材と回転する内部切断部材との間の接触を生むことがあり、或いは、内部切断部材の切断部材を外部切断部材の毛進入開口とフォームロック(form-lock)させ、それによって、外部切断部材上で回転軸の周りで有意なトルクを生じさせることさえあるので、シェービングユニット内に外部切断部材の安全なトルク耐性の取り付けを提供することが知られている。
【0004】
外部切断部材のそのような回転を防止するために、ハウジング及び外部切断部材が互いにロック係合することによって所定の位置に取り付けられるように、外部切断部材とハウジングとに関連する第1及び第2のロック部材を備えるロックシステムを提供することが知られている。
【0005】
そのような取付けがシェービングユニットにおいてトルク耐性の取付けをもたらすフォームロック係合によって提供される、複数の解決法が知られている。例えば、特許文献1は、内側ストップ部材に対する剪断プレートアセンブリの回転を防止するために連結部を形成する1つ以上の相互に係合する突起及び凹部を含む、協働するインターロック手段が設けられている、シェーバを開示している。特許文献2は、回転に対してキャップをロックするために、溝と係合するピンが設けられている、シェーバを開示している。特許文献3は、キャップの回転を防止するために、弾性部材がキャップに形成された溝と係合する、シェーバを開示している。
【0006】
そのような抗回転手段に関連する関連問題は、そのような切断ユニットの傾斜運動がユーザの皮膚の輪郭により良好に追従することを可能にする、シェーバの設計に関連する。そのような傾斜位置の下でさえも抗回転機能を維持するために、特許文献4は、溝内に配置される当接部によって形成された合計3つのフォームロックシステムを開示している。そのような設計は、キャップが制限された深さで上下運動を行うこと、並びにそのようなシフト又は傾斜させられた位置のいずれにおいても回転に対して固定されたままであることを可能にする。特許文献4中の剪断プレート3は、各々、剪断プレート3の下方支持エッジ4が剪断プレート3の下方に位置するストップリング5の直立歯6に当接するまで、バネ作用に抗して押し下げられることができる。ストップリング5の高さ位置は、レバー11を回転させることによってユーザによって調整されることができる。ストップリング5の異なる高さ位置は、剪断プレート5がバネ作用に抗して押し下げられることができる異なる距離に対応している。
【0007】
全てのこれらの従来技術の解決策は、係合ロックシステムが互いにロックされるならば、キャップが回転するのを安全に防止することを示しているが、シェービングユニットを破片又は切断された毛から洗浄するために或いは切断ユニットの損傷した部分を交換するために切断ユニットを開放し或いは取り外す必要性から問題が生じる。そのようなメンテナンスの過程で、従来技術に示されているフォームロック機構は切り離される必要があり、然る後に切断ユニットを組み立てた後に、再度連結される必要がある。そのような組立ての過程で、本発明者は、フォームロック機構の連結は、ユーザによって達成されることが困難であり、不整列を生じさせる可能性が高いことを見出した。特に、複数のフォームロックシステムが互いに連結されなければならないならば、これはユーザにとっての負担を生成することがあり、不整列をもたらす可能性が高い。そのような不整列は、キャップがそのような整列させられていない向きでシェービングユニット内に押し込まれるならば、キャップに損傷を生じさせることがあり、或いは、更に悪い場合、そのような不整列は、シェービングユニットが組み立てられることを可能にすることがあるが、使用中、内部切断要素の切断部材は、次に、毛進入開口を突出し、これによって、外部切断部材を回転させるか、或いは、少なくとも、フォームロック部材が互いに係合するまで回転させることがある。これによって、突出した切断部材は、ユーザの皮膚に切れ目を生じさせることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ユーザによるシェービングユニットの組立てを有意に単純化し、それによって、シェービングユニットの不整列及び損傷の上述のリスク並びにユーザの皮膚に対する損傷の上述のリスクを有意に減少させることが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、この目的は、請求項1に従ったシェービングユニットによって達成される。シェービングユニットは、第1のロック部材が、回転軸の周りの均一な分布で回転軸に対して同心状に配置されるN1の第1の拘束要素の環状アレイを含むこと、並びに、第2のロック部材が、N2の第2の拘束要素を含み、
- N1≧8及び1≦N2≦N1であり、
- N2の第2の拘束要素は、各々が、ハウジングに対する回転軸についての外部切断部材のN1の角度位置のうちのいずれかにおいてN1の第1の拘束要素のそれぞれ1つと係合可能であるように、構成され且つ配置され、
- N2の第2の拘束要素の各々は、外部切断部材のN1の角度位置のいずれかにおけるN1の第1の拘束要素のそれぞれ1つとの係合によって回転方向におけるハウジングに対する外部切断部材の回転を防止するように構成され且つ配置されることによって特徴付けられる。
【0010】
本発明によれば、少なくとも8つの異なる角度位置がロックシステムによって提供され、外部切断部材の回転運動が防止される。8つよりも多くの、例えば、9、10、12、16、18、36よりも多くの可能な角度位置がロックシステムによって提供されることが好ましく、或いはこれらの数よりも多くの可能な角度位置がロックシステムによって提供されることさえも好ましい。これによって、外部切断部材は、有意な数の代替的な角度位置にロックされることができ、よって、外部切断部材の組立てが有意に容易にされ、外部切断部材の不整列及び非フォームロックのリスクが有意に低減される。
【0011】
本発明のロックシステムは、第1のロック部材が少なくとも内部切断部材の回転方向において外部切断部材及びハウジングの一方に対する静止位置において外部切断部材及びハウジングの一方に接続されるように、外部切断部材及びハウジングの一方に取り付けられるか或いは外部切断部材及びハウジングの一方と一体的であってよい、第1のロック部材を含む。第1のロック部材は、N1が8以上である、多数のN1の第1の拘束要素を含む。第1の拘束要素は、一致する第2の拘束要素によって係合されるときに所定の位置を画定する幾何学的構造によって形成されるものと理解される。拘束要素は、例えば、溝、ノッチ、開口のような、刻み目又は凹部によって形成されてよく、拘束要素は、例えば、歯又はピンのような突起によって形成されてよい。
【0012】
更に、第2のロック部材が、ロックシステムに含められ、第2のロック部材は、第2のロック部材が少なくとも内部切断部材の回転方向において外部切断部材及びハウジングの対応する他方に対する静止位置において外部切断部材及びハウジングの対応する他方に接続されるように、外部切断部材及びハウジングの対応する他方に取り付けられるか或いは外部切断部材及びハウジングの対応する他方と一体的であってよい。第2のロック部材は、少なくとも1つの第2の拘束要素と、第1の拘束要素の数に等しい最大数の第2の拘束要素とを含む。第2の拘束要素は、回転軸についての互いに対する第1及び第2のロック部材のロック機能を提供するように、単一の第1の拘束要素又は複数の第1の拘束要素と係合するように構成される。このロック機能は、例えば、フォームロック機能であってよい。一例として、溝又は開口のような刻み目と係合する歯又はピンのような突起が、そのようなフォームロック係合を確立することがある。
【0013】
本発明によれば、例えば、キャップの任意の傾斜位置の下でのみロック機能をもたらすように構成されるロックシステムによって提供される角度位置の数をはるかに超える、ハウジングに対する外部切断部材の少なくとも8つの異なる角度位置の多数が設けられる。対照的に、異なる角度位置は、ユーザが、洗浄、保守又は修理の後にシェービングユニットを組み立てた後に、外部切断部材のロックされた位置を容易に見出すことができることを保証するために、提供される。これによって、ユーザは、ロックされた位置を見出すために、45°未満の角度で外部切断部材を回転させてよく、これによって、ユーザが、そのような正しいロックされた位置を見出さないで、ロックシステムの係合のない間違った方法でシェービングユニットを組み立てることは、起こりそうもない。
【0014】
第1の拘束要素は、回転軸に対して同心状に配置され、均一な分布で配置される。よって、第1の拘束要素は、回転軸について円形ライン又は円形セグメントに位置付けられることがあり、各々の2つの隣接する第1の拘束要素の間の距離は一定である。この構成は、第1及び第2の拘束要素の係合による回転軸についての回転に対してロック機能を有する、互いに対する第1及び第2のロック部材の容易かつ信頼性の高い位置決めを提供する。
【0015】
一般的に、本発明によれば、ハウジングは、外部切断部材を取り囲む環状ハウジング部分と、外部切断部材の下方に配置されるベース部分とを含んでよい。シェービングユニットのハウジングのこれらの部分又は他の部分は、ハウジングと外部切断部材との間のロックシステム機能を提供することがある。
【0016】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載する実施形態から明らかであり、これらを参照して解明されるであろう。本発明の好ましい実施形態は、従属項又は上記実施形態とそれぞれの独立項との組み合わせであってもよいことが理解されるべきである。
【0017】
第1の好ましい実施形態によれば、N1≧16であり、好ましくは、N1≧32である。この実施形態によれば、第1のロック部材に、少なくとも16個の第1の拘束要素が設けられ、或いは少なくとも32個の第1の拘束要素さえもが設けられる。そによって、シェービングユニットの組立中にユーザが外部切断部材のロック位置を見出すためにハウジングに対して必要とされる外部切断部材の最大回転数は、22.5°未満又は11.25°未満に制限される。
【0018】
更に、ロックシステムは、フォームロック(form-locking)手段であってよい。一般的には、回転に対する外部切断部材のロックをもたらすために、摩擦係合又はフォームロック係合が提供されるが、ロックシステムによるフォームロック機能を利用することが好ましい。一般的に、そのようなロックシステムは、外部切断部材及びハウジングにある当接面を含むことがあり、当接面は、回転軸の周りに作用する力を伝達するような向きを有する。そのような向きによって、これらの当接面は、ハウジングに対して回転軸についての外部切断部材の回転を防止する抗回転手段として機能する。ロックシステムは、ハウジング又は外部切断部材のいずれかに或いはそれらの両方に、複数のそのような当接面を含んでよいことが理解される。
【0019】
外部切断部材は、金属で作られ、外部切断部材に接続される第1及び第2のロック部材のそれぞれ1つは、外部切断部材に接続されるプラスチックキャリアと一体的に形成されることが更に好ましい。一体的な成形としては、一体的に形成された2つ以上の要素が1つの単一の部分として形成されるものと理解されるべきである。これは他の構成要素が追加的に製造されて、前記一体的に形成された部品に取り付けられることを除外しない。プラスチックキャリアが外部切断部材に接続された状態で第1及び第2のロック部材のそれぞれ1つを一体的に形成することによって、安定的なフォームロック効果が提供されることができ、シェービングユニット、特に外部切断部材の効率的な製造が可能である。
【0020】
ハウジングは、ベース部分と、各切断ユニットについて、外部切断部材を取り囲む、それぞれの皮膚支持部材とを含み、各切断ユニットにおいて、ハウジングに接続される第1及び第2のロック部材のそれぞれ1つは、それぞれの皮膚支持部材に接続されることがその上更に好ましい。この実施形態によれば、ロックシステムは、外部切断部材を取り囲む皮膚支持部材に対する外部切断部材のロック係合をもたらす。皮膚支持部材は、ユーザの皮膚上のシェービングユニットの滑らかな滑りを助けるように構成された滑り面を含んでよい。
【0021】
シェービングユニットは、外部切断部材及びハウジングが互いから取り外し可能であり、互いから取り外された後に、互いに取り付けられることができ、外部切断部材は、回転軸に関してハウジングに対するN1の所定の角度位置のそれぞれ1つにおいてロックシステムによってロックされ、ロックシステムは、外部切断部材が回転軸に関してハウジングに対するN1の所定の角度位置のいずれにおいても位置付けられていないならば、ハウジングに対する外部切断部材のそのような取付けの過程において、回転軸についてのハウジングに対する外部切断部材の相対的な回転運動をもたらすように構成され、回転運動によって、外部切断部材は、回転軸に関してハウジングに対する外部切断部材のN1の所定の角度位置から外れた任意の角度位置から、N1の所定の角度位置のそれぞれ1つに移動させられる点において更に改良される。この実施形態によれば、ロックシステムは、ハウジングに対する外部切断部材の離散的な数のロックされた角度位置を提供する。ユーザは、シェービングユニットを組み立てるときに、最初に、外部切断部材を任意の角度位置に位置決めしてよい。ユーザがN1の所定の角度位置の1つを正確に適用するならば、外部切断部材は、シェービングユニットの組立後に、ユーザによって適用される正確な角度位置に、直ちにロックされる。しかしながら、ユーザが、外部切断部材をN1の所定の角度位置のいずれかに正確に適用せず、N1の所定の角度位置の1つと一致しないシフトされた角度位置に外部切断部材を適用するならば、ロックシステムは、一致しない角度位置から外部切断部材とハウジングとの間の回転運動をもたらす。これによって、外部切断部材は、N1の所定の角度位置のうちの1つに回転軸を中心に回転される。よって、この実施形態によれば、ロックシステムは、ハウジングに対する外部切断部材の角度的な自己調節をもたらすように構成され、それによって、シェービングユニットの組立後に、ユーザが回転軸の周りの一致するロックされた角度位置を見出すのを助ける。ロックシステムは、N1の所定の角度位置の1つに相関しないハウジングに対する外部切断部材の任意の角度位置から、回転軸についてのハウジングに対する外部切断部材のシフトする回転運動をもたらすように構成されることが好ましい。これによって、抗回転ロックのない外部切断部材の不整列が完全に防止される。シフトは、例えば、シェービングユニットの組立の過程においてそのような回転運動をもたらすロックシステムに組み込まれた傾斜面又は湾曲面によってもたらされてよい。
【0022】
N1の第1の拘束要素の各々は、回転軸に対して垂直に延びる第1のロック部材の環状面に設けられる刻み目(indentation)であり、N2の第2の拘束要素の各々は、第2のロック部材に設けられる突起(protrusion)であり、突起は、切断ユニットの組立中に回転軸に平行な方向におけるハウジングに対する外部切断部材の運動によって外部切断部材のN1の角度位置のいずれかにおいてN1の刻み目のそれぞれ1つと係合可能であるように構成され且つ配置されることが更に好ましい。この実施形態によれば、ロックシステムは、フォームロック機能において互いに係合する(凹部(recess)のような)刻み目及び突起によってロック機能を提供する。複数の少なくとも8つの別個の異なる角度位置を提供するために、複数の凹部又は複数の突起のいずれかが、2つのロック部材の一方に設けられる。一般的には、1つの単一の突起が、複数の凹部と相互作用することがあり、そのような場合には、多数の8つの凹部が、8つの異なる角度位置を提供することがある。同様に、多数の8つの凹部と同時に係合するように位置付けられる多数の8個の突起が、外部切断部材をハウジングに対する8つの異なる角度位置に位置付けることを可能にする。何故ならば、凹部及び突起は、互いに対して均一な角度変位で分散されるからである。第1及び第2のロック部材は、回転軸に沿う互いに対する軸方向運動によって係合される。これはシェービングユニットの上部から2つのロック部材を互いに取り付けることを容易にし、下向きの移動はロック係合をもたらす。
【0023】
この実施形態において、ロックシステムは、互いに押し付けられるならば前記回転運動をもたらすように方向付けられた傾斜面及び対向面を含み、傾斜面及び対向面の前記押付けは、好ましくは、ハウジングに対する外部切断部材の取付けによってもたらされる。この実施形態において、ハウジングに対する外部切断部材の相対的な回転運動は、例えば、三角形の幾何学的形状の、例えば、鋭い歯を有する歯状パターンのような、ロックシステムの傾斜面及び対向面によってもたらされる。特に、刻み目及び突起は、三角形であってよい。これはユーザのためにシェービングユニットの組立てを有意に容易にし、外部切断部材の安全なロックをもたらす。
【0024】
代替的な実施形態において、N1の第1の拘束要素の各々は、回転軸に対して同心状に配置される第1のロック部材の円筒面に設けられる刻み目であり、N2の第2の拘束要素の各々は、前記第2のロック部材に設けられる弾性バネ要素であり、弾性バネ要素は、回転軸に対して半径方向における弾性バネ要素の付勢力によって外部切断部材のN1の角度位置のいずれかにおいてN1の刻み目のそれぞれ1つと係合可能であるように構成され且つ配置される。この実施形態によれば、第1の拘束要素に対する第2の拘束要素の半径方向の移動は、ロック効果(係止効果)を提供する。弾性バネ要素は、第2のロック部材に設けられるプラスチック製の曲げ部分又は第2のロック部材に取り付けられ且つ前記ロック効果を提供する付勢力を生成する金属製バネによって形成されてよい。
【0025】
この実施形態では、弾性バネ要素は、回転軸に対して接線方向における主延伸方向を有する板バネであり、刻み目は、回転軸に対する半径方向における主延伸方向を有する第1の側壁と、回転軸に対する接線方向における主延伸方向を有する第2の側壁とを有し、N2の第2の拘束要素の各々は、
- 外部切断部材のN1の角度位置のいずれかにおけるN1の刻み目のそれぞれ1つの刻み目の第1の側壁と板バネとの当接によって回転方向におけるハウジングに対する外部切断部材の回転を防止し、且つ
- 外部切断部材のN1の角度位置のいずれかにおけるN1の刻み目のそれぞれ1つの刻み目の第2の側壁に沿う板バネのスライド運動によって回転方向とは反対方向におけるハウジングに対する外部切断部材の回転を可能にする、ように構成され且つ配置されることが好ましい。この構成によれば、ロックシステムは、時計回り方向又は反時計回り方向のいずれかにおいて外部切断部材間に確立されるロック効果と、それぞれの他の反時計回り方向又は時計回り方向における非ロック効果とを有する、ラチェット状の機能を提供する。この実施形態は、外部切断部材の側方又は外部切断部材の下方の小さな空間内へのロックシステムの収容を更に可能にする。
【0026】
ハウジングは、各切断ユニットについて、外部切断部材を取り囲むそれぞれの皮膚支持面を含み、複数の毛進入開口は、露出距離に亘って回転軸に平行な軸方向において皮膚支持面に対して突出する外部切断部材の皮膚接触面に設けられ、シェービングユニットは、各切断ユニットについて、少なくとも軸方向においてハウジングに対して外部切断部材を支持する支持構造を含み、支持構造は、露出距離の少なくとも最小値を画定し、最小値がハウジングに対する回転軸についての外部切断部材の角度位置に依存するように構成され且つ配置されることが更に好ましい。この実施形態によれば、ハウジングに対する外部切断部材の角度位置は、皮膚支持面に対する皮膚接触面の露出距離を調整するためのレベル調整機構を提供し、露出距離は、シェービングユニットの組立中にハウジングに対する外部切断部材の角度位置を調整することによって調整されてよい。この実施形態において、第1及び第2のロック部材は、回転軸についての互いに対して回転可能であってよく、第1のロック部材に対する第1のロック部材の第1の角度位置において、皮膚接触面は、回転軸に沿う皮膚支持面に対する第1の最小露出距離を有し、第2のロック部材に対する第1のロック部材の第2の角度位置において、皮膚接触面は、前記第1の距離とは異なる、第1の回転軸に沿う皮膚支持面に対する第2の最小露出距離を有する。
【0027】
この実施形態によれば、ハウジングに対する外部切断部材の可変角度位置決めに関連する更なる利点が達成される。シェービングユニットで切断されるべき毛は、外部切断部材の毛進入開口を通じて入る。これを達成するために、外部切断部材の皮膚接触部が設けられ、ユーザの皮膚を横切るシェービングユニットの便利な案内及び滑りが、ハウジングに設けられる皮膚支持面によって改良される。この皮膚支持面は、外部切断部材の皮膚接触面を完全に取り囲んでよく、或いは360°未満の限定的な角度範囲内でのみ皮膚接触面を取り囲んでよい。これによって、皮膚支持面は、ユーザの皮膚上のシェービングユニットの滑りを容易にする。
【0028】
そのような構成において、外部切断部材の皮膚接触面は、特定の露出距離に亘って皮膚支持面に対して突出する。一般的に、切断効率は、露出距離を増加させることによって改良される一方で、切断効率は、露出を減少させることによって低減される。他方、露出距離を減少させることによって、より便利で快適なシェービング手順が提供され、露出距離を増加させることによって、シェービング手順の便利さ及び快適さは少なくなる。よって、シェービング手順の効率と快適性の程度との間のバランスは、露出距離によって影響される。
【0029】
本発明者は、バランスの取れた機能のこの関係を見出したので、本発明者は、皮膚支持面に対する皮膚接触面の露出距離の調整を可能にして、ユーザがシェービング手順の効率及び快適性の均衡点を選択することを可能にしようとした。これは、この好ましい実施形態では、ハウジングに対する外部切断部材の角度位置に依存した露出距離を提供することによって達成される。これによって、ハウジングに対する外部切断部材の露出距離は、例えば、ユーザがシェービングユニットの組立中にハウジングに対して選択された角度の位置に外部切断部材を位置付けることによって、調整されてよい。よって、外部切断部材は、ハウジングに対するN1の所定の角度位置のいずれかに配置されてよく、N1の所定の角度位置の各々は、回転軸に沿う皮膚支持面に対する皮膚接触面の露出距離の異なる値を提供する。外部切断部材及び内部切断部材が、例えば、内部切断部材を回転させるために内部切断部材に連結される駆動スピンドルによって提供されるバネ力に抗して回転軸に平行な方向にハウジングに対して変位可能である実施形態において、支持構造は、ハウジングに対する外部切断部材の最大収縮位置においてのみ外部切断部材を支持するように構成されるので、支持構造は、露出距離の最小値のみを画定することが理解されよう。
【0030】
支持構造は、ハウジング及び外部切断部材の一方に接続される第1の支持部材と、第1の支持部材との協働のためにハウジング及び外部切断部材の他方に接続される第2の支持部材とを含み、第1の支持部材は、各々が回転軸に関して接線方向に対して傾けられた、少なくとも2つの支持面セグメントを含み、第2の支持部材は、各々が回転軸に関して方向において少なくとも2つの支持面セグメントのそれぞれ1つに対して当接するように構成され且つ配置される、少なくとも2つの当接要素を含むことが特に好ましい。この実施形態では、互いに対する第1及び第2の支持部材の回転は、傾斜した支持面セグメントに対する当接要素の異なる角度位置に起因する最小露出距離又は露出距離の調整を提供する。
【0031】
2つの支持面セグメントの各支持面セグメントの前記傾斜は、第1の支持部材で具現されるランプ面又は段付き表面構成として具現されてよい。この実施形態によれば、露出距離の前記調整をもたらすために、線形傾斜又は段付き輪郭を有する2つのランプ又は複数のランプセグメントが、第1の支持部材に設けられる。傾斜した表面は、主として軸方向に向けられてよいことが理解されよう。段付き表面は、ユーザが外部切断部材とハウジングとの間の2つ、3つ、又はそれよりも多くの別個の露出距離を選択することを可能にするように、2つ、3つ、又はそれよりも多くの別個の軸方向変位レベルを含んでよい。
【0032】
外部切断部材に接続された第1及び第2のロック部材のそれぞれ1つがプラスチックキャリアと一体的に形成される実施形態では、外部切断部材に接続される第1及び第2の支持部材のそれぞれ1つが、プラスチックキャリアと一体的に形成されることが特に好ましい。これによって、第1及び第2の支持部材のそれぞれ1つと第1及び第2のロック部材のそれぞれ1つの両方が、プラスチックキャリアと一体的に形成され、よって、保守の容易な一体成形設計を可能にする。
【0033】
第1の支持部材は、ハウジングに接続され、少なくとも2つの支持面セグメントは、外部切断部材を取り囲むハウジングの円筒内壁に設けられる案内チャネル(guiding channel)に設けられ、第2の支持部材は、外部切断部材に接続され、少なくとも2つの当接要素は、案内チャネルと係合することがその上更に好ましい。この実施形態において、前記2つの支持面セグメントは、露出距離を調整するための前記相対運動のためのガイド機構が提供されるように、環状構成要素、特にリング要素の内側に設けられてよい。回転軸の周りのハウジングに関する回転に対して固定される外部切断部材を保持するフォームロック効果が、前記案内チャネルに一体的に組み込まれてよい。前記案内チャネルは、露出距離を調整するために、皮膚支持面に対する外部切断部材の軸方向変位をもたらすランプ又は段を含む輪郭を含んでよい。
【0034】
第2の拘束要素の各々が、前述のようなラチェット状の機能をもたらすような板バネ(blade spring)によって形成される、本発明の一層更なる実施形態において、シェービングユニットは、各切断ユニットについて、内部切断部材の回転方向とは反対方向において回転軸について外部切断部材を回転させるように構成され且つ配置される、ユーザ操作可能な操作部材を含むことが特に好ましい。この実施形態によれば、露出距離の調整は、内部切断部材の回転方向に沿う方向にロックされ、例えば、外部切断部材の横方向に延びるレバーのような、操作部材が、前記回転方向とは反対の外部切断部材の回転をもたらすために、ユーザによって作動させられてよい。この回転によって、ユーザは、露出距離の変更をもたらす。
【0035】
この実施形態において、操作部材は、回転方向に作用するバネ力に抗して回転軸に対して接線方向においてハウジングに対して移動可能であり、操作部材は、一方向クラッチ構造によって外部切断部材に連結されて、回転方向における外部切断部材に対する操作部材の運動を可能にすることが特に好ましい。これによって、ラチェット状の機構を介した切断ユニットの露出距離の調整の便利な作動がシェービングユニットに組み込まれる。
【0036】
本発明の更なる態様は、駆動システムを収容する本体を含み、駆動システムによって駆動される前述のようなシェービングユニットを更に含む、シェービング装置である。そのようなシェービング装置は、前述のシェービングユニットの機能的な利益を提供する。シェービングユニットは、本体に永久的に連結されてよく、或いは本体に解放可能に連結されてよい。
【0037】
本発明の好ましい実施形態は、それぞれの独立項との従属項又は上記実施形態の任意の組み合わせであってもよいことが理解されるべきである。
【0038】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、以下に記載する実施形態から明らかになり、或いはそれらを参照して解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明に従ったシェービング装置の斜視図を示している。
図2図1のシェービング装置によって構成される本発明に従ったシェービングユニットの第1の実施形態の斜視側方頂面図であり、1つの切断ユニットが開放されている。
図3】シェービングユニットの第1の実施形態のハウジング構成要素及びロックシステム構成要素の斜視側方底面図をs忌めしている。
図4】本発明に従ったシェービングユニットの第2の実施形態のハウジング構成要素及びロックシステム構成要素の斜視底面図を示している。
図5】本発明に従ったシェービングユニットの第3の実施形態のハウジング構成要素及びロックシステム構成要素の斜視側方底面図を示している。
図6】シェービングユニットの第3の実施形態のハウジング構成要素及びロックシステム構成要素の斜視側方底面図を示している。
図7】シェービングユニットの第3の実施形態の構成要素の底面図を示している。
図8】本発明に従ったシェービングユニットの第4の実施形態の側断面図を示している。
図9】シェービングユニットの第4の実施形態のロックシステム構成要素の斜視側方底面図を示している。
図10】本発明に従ったシェービングユニットの第5の実施形態のロックシステム構成要素の斜視底面図を示している。
図11A】シェービングユニットの第4の実施形態のロックシステム及び露出調整手段の概略図を示している。
図11B】シェービングユニットの第4の実施形態のロックシステム及び露出調整手段の概略図を示している。
図12】シェービングユニットの第5の実施形態の手動露出調整手段の概略図を示している。
図13】本発明に従ったシェービングユニットの第6の実施形態のハウジング構成要素の斜視側方底面図を示している。
図14】シェービングユニットの第6の実施形態のロックシステム構成要素の斜視側方頂面図を示している。
図15】本発明に従ったシェービングユニットの第7の実施形態のハウジング構成要素の斜視側方底面図を示している。
図16】シェービングユニットの第7の実施形態のロックシステム構成要素の斜視側方頂面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、本体又はハンドル部分1と、本発明に従ったシェービングユニット2の第1の実施形態とを含み、シェービングユニット2は、本体1から取り外し可能であり、且つ/或いは本体1に蝶番付けされる、本発明に従った回転シェービング装置を示している。シェービングヘッドとも呼ぶ3つの回転切断ユニット3が、シェービングユニット2内に配置されており、各切断ユニット3は、毛捕捉開口5を備える外部切断部材4と、切断要素7を備える内部切断部材6とを有し、内部切断部材6は、1つの回転軸が各切断ユニットと関連付けられる3つの回転軸について外部切断部材4に対して回転するよう駆動させられることができる。切断ユニット3は、心地良いシェービングを提供するように、ユーザの皮膚の輪郭に追従することができるよう、単一の軸又は複数の軸について枢動可能であってよい。よって、回転軸は、切断ユニット3の傾斜後に、本体1に対するそれらの向きを変えることがある。この向きの変化は、切断ユニット間で同期させられることがあり、或いは切断ユニットの各々について独立していることがある。内部切断部材6は、本体1内に収容される電気モータ8のような駆動ユニットによって駆動させられ、本体1は、例えば、再充電可能バッテリ、駆動ユニット、制御ユニット、及びシェービング装置を制御し且つ充電するためのインターフェースのような、様々な構成要素を更に含むことがある。回転切断ユニットの下方には、歯車構成要素が設けられてよく、本体1内の駆動ユニットの駆動力は、切断ユニットに伝達さ且つ分配される。2つ、(図示のような)3つ、4つ以上のそのような切断ユニットが、シェービングユニットに設けられることができること、並びに1つだけの単一の切断ユニットがシェービングユニットに含められることができることが理解されるべきである。
【0041】
図2を参照すると、シェービング装置のシェービングユニット2の第1の実施形態が詳細に示されており、左側切断ユニット3aが開放位置において示されている。図に見ることができるように、切断ユニット3aは、上方ハウジング部10と、底ハウジング部11とを含む、シェービングユニット内に取り付けられており、上方ハウジング部及び底ハウジング部は、ハウジング10、11の内部へのアクセスを可能にするように、上方ハウジング部10が底ハウジング部11に対してある軸について枢動することを可能にする蝶番タイプ接続を介して接続されている。
【0042】
外部切断部材20が、上方ハウジング部10に取り付けられている。外部切断部材20は、図2中の右側の開放されていない切断ユニットから分かるように、上方皮膚接触面21bを有する円形キャップとして形成されている。外部切断部材20は、上方ハウジング部10に取り付けられ、ロックシステムによって回転軸5aについての回転に対してロックされる。上方ハウジング部10は、図2の右手の切断ユニットに見ることができるように、皮膚支持面12bを画定する。この皮膚支持面12bは、外部切断部材の皮膚接触面21bを取り囲んでいる。皮膚接触面21bには、複数の半径方向に延びるスロットが、円形配置において提供されている。これらは円形のシェービングトラックを形成する毛進入開口(hair entry openings)である。
【0043】
その上更に、内部切断部材30が、外部切断部材に隣接して配置され、外部切断部材に対して回転軸5aについて回転することができる。内部切断部材30は、駆動歯車のスピンドルヘッド31に連結するための三角形の中央連結凹部を含む。このスピンドルヘッド31を介して、内部切断部材は、回転するよう駆動させられ、同時に、皮膚の輪郭に追従するときに、外部切断部材の枢動運動に追従することができる。
【0044】
底ハウジング部11は、環状の毛収集チャンバ19を含む。ホルダ40が、外部切断部材20を上方ハウジング部10でその位置に支持し且つ保持するために、底ハウジング部11に枢動可能に取り付けられている。
【0045】
次に、図3を参照すると、本発明に従ったシェービングユニットの第1の実施形態のロックシステムの第2のロック部材160と上方ハウジング部110とが斜視側方底面図において示されている。図から分かるように、上方ハウジング部110は、上方ハウジング部の外周で環状構成において配置された複数の一体的に形成された刻み目(indentations)又は凹部150a、b、c、...を含む。これらの刻み目は、底ハウジング部(図示せず)に向かって下向きに面する。これらの刻み目は、複数の第1の拘束要素(arresting element)を形成し、複数の第1の拘束要素は、ロックシステムの第1のロック部材を形成する。
【0046】
刻み目150a、b、c、...は、凹部の開口を形成する三角形の基部と、刻み目の底端を形成する三角形の先端とを有する、三角形の刻み目として形成されている。図に見ることができるように、刻み目150a、b、c...は、2つの隣接する凹部の間に、三角形の突起が形成されるように、互いに直接的に隣接して配置され、前記突起は、先端が底ハウジング部に向かって面する三角形の幾何学的形状を有する。
【0047】
第2のロック部材160は、リング形状であり、別個のプラスチックキャリアとして提供される。それは、第1のロック部材及びこの第1のロック部材に形成された刻み目150a、b、c、...に関連して、ハウジングに対する外部切断部材の回転を防止するためのロックシステムを形成する。第2のロック部材160は、突起がリング形状の構成要素の周囲に沿って均等に分配されるように、互いに90°の角度距離で第2のロック部材の周りに配置された4つの突起を含む。突起は、第2の拘束要素を形成し、上方ハウジング部110に向かって面する。突起は、先端が上方ハウジング部110に向かって面する三角形の突起として形成されている。これによって、第2のロック部材の突起は、上方ハウジング部110で第1のロック部材として一体的に形成される刻み目と正確に一致する。
【0048】
第2のロック部材は、回転軸5aに対して上方ハウジング部110で第2のロック部材に対する多数の所定の角度位置に位置付けられてよく、突起は、上方ハウジング部に形成された刻み目150a,b,c,...のいずれかにフォームロックされる(形態ロックされる)(form-locked)。これによって、第2のロック部材は、そのようなフォームロック係合において第1のロック部材に容易に取り付けられることがある。何故ならば、そのような組み立てプロセスのために、如何なる特定の単一の向き又は角度位置も調整又は維持される必要がないからである。その上更に、突起が、三角形の幾何学的形状の側面(flanks)の案内機能(guiding function)によって、刻み目内への完全なフォームロック係合に、それら自体によって案内されるように、三角形の突起を三角形の刻み目に挿入することを含む組み立てプロセスによって、僅かな角度の不整列が、ロックシステムによって自動的に調整される。
【0049】
リング形状の第2のロック部材160は、リング形状の第2のロック部材160を外部切断部材に固定することを可能にする、4つの半径方向に内向きに突出する歯を更に含む。外部切断部材に固定されたリング形状の第2のロック部材によって、これらの歯は、リング形状の第2のロック部材160が外部切断部材に対して回転するのを防止し、よって、外部切断部材は、刻み目150a、b、c...の内側の突起161a、b...の前記フォームロック係合によって、回転軸5aについての回転に対してフォームロックされることができる。
【0050】
図4は、本発明に従ったシェービングユニットの第2の実施形態の底面斜視図を示している。この実施形態では、リング形状の第1のロック部材260が利用され、上方ハウジング部210に配置されている外部切断部材220にしっかりと取り付けられている。リング形状の第1のロック部材は、第1の拘束要素を形成する8つよりも多くの複数の半径方向に延びる刻み目又はノッチ261a、b、cを含む。図面に見ることができるように、刻み目261a、b、cは、鋸歯状パターンに類似する三角形の幾何学的形状を有する。よって、この設計は、回転軸に関して半径方向に延びる平面内に或いはそのような半径方向に延びる平面に対して小さな角度を有する平面内に位置する、各刻み目又はノッチの第1の短い側面を提供する。更に、三角形状の長い側面が、リング形状の第1のロック部材に対する接線平面に対して小さな角度で方向付けられた、すなわち、円周方向に主成分を有する、平面内に位置する。
【0051】
上方ハウジング部210に一体的に形成された第2のロック部材250が、リング形状の第1のロック部材260の刻み目261a、b、cと係合する。図から分かるように、第2のロック部材250は、三角形の刻み目261a、b、cのうちの1つの刻み目の短い側面に対して作用する単一の第2の拘束要素を形成する突起を含み、これによって、図4に従って底から見るときに、第1のロック部材及び第1のロック部材に取り付けられた外部切断部材を時計回りの回転に対してロックする。時計回りの回転に対するこのロックは、機能的に関連している。何故ならば、内部切断部材230は、対応する時計回りの回転に駆動され、よって、外部切断部材に時計回りの方向にトルクを付与することがあるからである。
【0052】
第1のロック部材260は、半径方向外向きの方向における第2のロック部材250の可撓な曲によって反時計回りに回転することがある。この外向きの曲げは、第1の拘束要素を形成する三角形の刻み目の長い側面に引き起こされる。これによって、ラチェット状の機構が、刻み目261a~cと第2のロック部材250との相互作用によって提供される。更に、第1のロック部材は、24個の刻み目261a、b、c、・・・の数に対応する合計24個の角度位置において時計回りの回転に対してフォームロックされてよく、それによって、ユーザが外部切断部材の安全なフォームロックを用いてこの構成を組み立てることを非常に容易にすることが分かる。
【0053】
図5及び図6は、本発明に従ったシェービングユニットの第3の実施形態のロックシステムの底面斜視図である。リング形状の第2のロック部材360は、フォームロッククリップ留め係合を介して外部切断部材320に取り付けられる。リング形状の第2のロック部材360は、半径方向に延びる方向における弾性運動のために可撓である3つの半径方向に突出するタブ361a,b,cを含む。可撓性タブ361a、b、...は、第2の拘束要素として作用する突起を形成し、外部切断部材を取り込む上方ハウジング部310にある開口を取り囲むリング形状の筐体(enclosure)の3つのセグメントにおいて歯付きパターン350、351、352を有する第1のロック部材と係合する。第2のロック部材内の3つの歯付きセグメントの各々は、複数の刻み目350a、b、c、351a、b、cを含む。これによって、タブ361a、bの各々は、前記複数の刻み目のうちの1つと係合することがあり、よって、外部切断部材は、複数の異なる角度位置において上方ハウジング部310の内側に位置付けられることがある。この実施形態では、歯付きパターン350a、b、c、...251a、b、c、...の各々における8つの突起に対応する合計8つの異なる角度位置が利用可能である。
【0054】
図7は、上方ハウジング310の開口の内側に示すリング形状の第2のロック部材360を有する第3の実施形態の頂面図を示しており、この実施形態では、ロック機能をより良く見るために、外部切断部材は示されていない。
【0055】
次に、図8図16を参照する。ハウジングの内側のロックされた外部切断部材の追加的な機能性を説明する。本発明に従ったシェービングユニットの第4の実施形態に係る図8の断面図から分かるように、ハウジング410の上方部分は、外部切断部材420(「キャップ」)のシェービングトラックに沿って皮膚接触面421を取り囲む角度的な皮膚支持面412を画定する。皮膚支持面412に対する皮膚接触面421の露出距離425(「キャップ露出」)は、回転軸5aの方向における軸方向変位として画定される。この露出距離425は、シェービング作用の快適性に対する効率のバランスを定義する特性である。皮膚支持面412上の皮膚接触面421の大きな正の突出露出距離425は、より少ない快適性機能の効率的なシェービング機能をもたらす一方で、小さな正の露出距離425は、或いは皮膚支持面412と皮膚接触面421との面一配置は、或いは皮膚接触面が皮膚支持面の下に位置する負の露出距離425さえも、シェービング効率を伴って剃毛手順の快適性の増大をもたらす。
【0056】
露出距離425は、ユーザの個人的な好みに従って設定されてよい。図9から分かるように、この実施形態では、外部切断部材420の抗回転ロックのためのフォームロック機能をもたらすように、突起161a、b、・・・に類似する4つの別個の突出する三角形の突起461a、b、・・・を有するリング形状の第2のロック部材460が提供される。図9のリング形状の第2のロック部材460は、軸方向の底面が均一な軸方向の環状面として形成されないという点で、図3のリング形状の第2のロック部材160と異なる。代わりに、この軸方向面は、4つのランプセグメント465a、b、c、d(ramp segments)によって形成される。これらの傾斜セグメント465a~465dは、第2のロック部材460の底側に傾斜した幾何学的形状(sloped geometry)を画定する。
【0057】
このセグメント化された傾斜した幾何学的形状は、外部切断部材を支持するために切断ユニットの内側の当接面として使用される。支持体は、例えば、図2に示すホルダ40のように形成された、ホルダによって提供されてよく、或いは、ハウジングの底部に一体的に形成された対応する当接支持体によって提供されてよい。そのような当接支持ポストは、ポスト445として図11A及び図11Bに概略的に示されている。図3に示すように、第2のロック部材460を上方ハウジング部110に取り付けた後に、ユーザは、ハウジング110に対する第2のロック部材460の特定の角度位置を選択してよい。これによって、ランプ面465a~465d(ramp surfaces)に当接するように設けられた支持ポストは、ハウジング410に対して前記リング形状の第2のロック部材460に取り付けられた外部切断部材420の特定の軸方向変位を画定する。この軸方向変位は、当接するランプ面465a~465dの周辺に沿うポストの位置に依存する。これによって、ユーザは、距離425、よって、シェービング機能の快適性に対する効率の程度を調整してよい。
【0058】
単一のランプセグメント又は4つのランプセグメント465a、b、c、dの各々は、複数の異なる色のセグメントに分割される。色は、緑色から赤色の範囲である。これによって、ユーザは、キャップ露出の程度について、窓又は開口等を通じてカラー信号が与えられてよい。
【0059】
キャップ露出距離を調整することの特定の相互作用及び機能性が図11a及び図11bに概略的に示されている。図11Aから分かるように、突起461aは、当接ポスト445がランプセグメントのほぼ中央に位置付けられ、それによって、皮膚接触面421の第1の高さレベルをもたらすように、位置付けられてよい。図11Bは、上方ハウジングにある異なる刻み目における突起461aの異なる位置決めを示している。この位置において、ポストは、最大ランプレベルに近いランプ面に当接し、それによって、皮膚接触面421’の隆起レベルを生成する。2つのレベルの間の差が図11A及び図11Bに示されており、「h」として印されている。皮膚接触面のレベルの最大の差は、最大ランプレベルに対する最小ランプレベルの差である、「hmax」として示されている。突起461aを最小ランプレベルで位置決めすることは、最小露出距離をもたらす。
【0060】
図10は、フォームロック刻み目461a、b、c、・・・が半径方向に延びる、図4に示すリング形状の第1のロック部材と類似する、本発明に従ったシェービングユニットの第5の実施形態のリング形状の第1のロック部材560を示している。この第1のロック部材560は、外部切断部材520の回転軸5aに対して軸方向に延びるランプ(傾斜面)を有する4つのランプセグメントを有する、図9の第2のロック部材460と同様の底のリング形状の当接面を含む。再び、キャップ露出距離のカラー信号がユーザに与えられることができるように、緑から赤までのカラーコードが適用される。
【0061】
図12は、シェービングユニットの第5の実施形態におけるリング形状の第1のロック部材560を回転させることによって、皮膚接触面の高さレベルを調整する機構を示している。そのような回転をもたらすために、ラチェット状要素570が、リング形状の第1のロック部材560の半径方向外側に設けられている。このラチェット状要素570は、シェービングユニットのハウジング511にある開口515を通じて突出するハンドル部分571を有し、それによって、切断要素の外側からユーザの指によってラチェット状要素570のこのハンドル部分571を作動させることができる。ラチェット状要素は、バネ572によって開口515の一端に当接する位置に付勢される。ユーザは、ラチェット状要素570を、開口515の角度的な延伸によって画定される特定の角度範囲について反時計回り方向に移動させてよい。そのような円周方向における移動後に、ラチェット状要素570と一体的な第2の拘束要素を形成する可撓性タブ573が、リング形状ロック要素560の三角形の刻み目561a、b、cの短い側面(flank)と係合し、リング形状の第1のロック部材560を反時計回りの方向に回転させる。ハウジング511に取り付けられた更なる可撓性タブ550は、第2の拘束要素として作用する追加的な突起を形成する。このタブ550は、ラチェット状要素のそのような動きによってもたらされる反時計回りに回転させられた位置におけるリング形状ロック要素のロック(係止)をもたらす。よって、ユーザは、ラチェット状要素570をバネ572の力に従って時計回りに移動させてその初期位置に戻してよく、リング形状のロック要素は、この動きに従わない。これによって、第1のロック部材560は、皮膚接触面のレベルの調整をもたらすために、段階的に反時計回りに回転させられることができる。
【0062】
図13及び図14は、本発明に従ったシェービングユニットの第6の実施形態における皮膚接触面のための露出距離調整機構を示している。この実施形態において、ランプ付き面(ramped surface)は、リング形状ロック要素に設けられておらず、代替的に、上方ハウジング部610に具現されている。図から分かるように、ランプ付き面は、外部切断部材を取り込む、上方ハウジング部の開口を取り囲む内側円筒壁に形成された、ガイドスロット615によって画定されてよい。外部切断部材620は、リング形状のロック部材260及びリング形状のロック部材560と類似する複数の半径方向に延びる刻み目を有するリング形状の第1のロック部材660に取り付けられる。更に、このリング形状の第1のロック部材660は、上方ハウジング部610のランプ付きスロット615と係合する短いレールセグメント666を含む。これによって、外部切断部材620と一緒の第1のロック部材660の回転は、ランプ付きスロット615の内側のレールセグメントのそのような案内による皮膚接触面621の高さレベルの調整をもたらす。
【0063】
その上更に、図15及び図16は、皮膚支持面に対する皮膚接触面の露出距離調整機構を含む本発明に従ったシェービングユニットの第7の実施形態の構成要素を示している。この実施形態において、外部切断部材を回転に対してロックするためのロックシステムは、図6の実施形態に示す方法と類似の方法で形成される。その上更に、ランプ付き面が、ランプ付きショルダ715として上方ハウジング部710の内側円筒壁に傾斜面が設けられている。加えて、図16に見ることができるように、第1のロック部材760の底面は、図9に示す実施形態のランプセグメント465a~dと同様に、4つのランプセグメント765a、b、cによって形成される。リング形状のロック要素760は、タブを備えており、各タブは、上方ハウジング部710の内側のランプ付きショルダ715に当接する軸方向に当接する表面766を有する。図13及び図14に示す実施形態とは対照的に、この実施形態は、レールセグメントに係合するランプ付きノッチの形態の案内スロットを必要とせず、むしろ上方ハウジング部710にランプ付き軸方向当接面を形成するランプ付きショルダを使用する。このランプ面715は、上向きの方向におけるリング形状の第1のロック部材660の軸方向の移動を制限する一方で、リング形状の第1のロック部材660は、ランプ付き面765a、b、cによって底側で支持され、よって、反対方向における軸方向の移動を制限する。
【0064】
当業者は、特許請求される発明を実施する際に、図面、本開示、及び添付の請求の範囲の研究から、開示の実施形態に対する他の変形を理解し、実施することができる。
【0065】
請求項において、「含む」という語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形の表現は、複数を除外しない。
【0066】
単一のユニット又はデバイスが、請求項に引用される幾つかの項目の機能を満たすことがある。特定の手段が相互に異なる従属項において引用されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に利用し得ないことを示さない。
【0067】
請求項中の如何なる引用符号も、その範囲を限定するものと解釈されてならない。
【0068】
本発明は、ハウジングと、ハウジングによって収容される少なくとも1つの切断ユニットとを含む、シェービングユニットに関する。各切断ユニットは、外部切断部材と、回転軸について外部切断部材に対して回転可能である内部切断部材とを含む。ロックシステムが、ハウジングに対する外部切断部材の回転を防止するように構成され且つ配置される。前記ロックシステムは、N1の第1の拘束要素及びN2の第2の拘束要素の環状アレイを含み、N1≧8及び1≦N2≦N1である。N2の第2の拘束要素は、各々が、ハウジングに対する回転軸についての外部切断部材のN1の角度位置のいずれかにおいて、N1の第1の拘束要素のそれぞれ1つと係合可能であるように、構成され且つ配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0069】
【文献】英国特許第1406139号明細書
【文献】米国特許第4,168,570号明細書
【文献】米国特許第4,318,223号明細書
【文献】米国特許第3,233,323A号明細書
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A-11B】
図12
図13
図14
図15
図16