IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィの特許一覧

<>
  • 特許-LED照明ユニットのための電源 図1
  • 特許-LED照明ユニットのための電源 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】LED照明ユニットのための電源
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/17 20200101AFI20240401BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20240401BHJP
   H05B 45/385 20200101ALI20240401BHJP
   H05B 45/40 20200101ALI20240401BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20240401BHJP
   H05B 45/10 20200101ALI20240401BHJP
   H05B 45/36 20200101ALI20240401BHJP
【FI】
H05B47/17
H05B47/105
H05B45/385
H05B45/40
H05B47/19
H05B45/10
H05B45/36
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021529480
(86)(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2019081722
(87)【国際公開番号】W WO2020109068
(87)【国際公開日】2020-06-04
【審査請求日】2022-11-15
(31)【優先権主張番号】18209506.7
(32)【優先日】2018-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】デ モル ユージェン ヤコブ
(72)【発明者】
【氏名】テンフムベルフ クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】バイ マルセル
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2015-0044335(KR,A)
【文献】特開2012-094356(JP,A)
【文献】特開2004-062331(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/17
H05B 47/105
H05B 45/385
H05B 45/40
H05B 47/19
H05B 45/10
H05B 45/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのLED構成と、少なくとも1つの他の構成要素とを有するLED照明ユニット、及び電源を有する照明器具であって前記電源が、
主電源を受け取るための入力端子構成と、
前記LED照明ユニットに接続可能であるよう適合されると共に、前記LED照明ユニットに接続されるときに、前記LED照明ユニットに供給される電力を規定するよう適合される出力端子構成と、
受け取った前記主電源を変換するよう設計される第1電力変換器と、
前記第1電力変換器とは別の第2電力変換器であって、前記受け取った主電源を変換するよう設計される第2電力変換器と、
前記第1電力変換器及び前記第2電力変換器のうちのどちらが、前記主電源を変換し、変換された前記主電源を前記出力端子構成に供給するかを選択的に制御して、それによって、接続される前記LED照明ユニットに供給される前記電力を、前記第1電力変換器によって変換された電力と、前記第2電力変換器によって変換された電力との間で切り替えるよう適合されるコントローラとを有し、
前記変換された主電源が、非ゼロの第1電力レベルにある場合、前記第1電力変換器が、前記第2電力変換器よりも、前記主電源を変換するときの効率が良く、
前記変換された主電源が、前記非ゼロの第1電力レベルとは異なる非ゼロの第2電力レベルにある場合、前記第2電力変換器が、前記第1電力変換器よりも、前記主電源を変換するときの効率が良く、
前記非ゼロの第1電力レベルが、前記LED照明ユニットの前記少なくとも1つのLED構成に給電するのに十分であり、前記非ゼロの第2電力レベルが、前記LED照明ユニットの前記少なくとも1つのLED構成に給電するのに十分ではなく、
前記少なくとも1つのLED構成と、前記少なくとも1つの他の構成要素とが、同じ給電レールから電力を引き出すよう適合され、前記出力端子構成が、前記給電レールに結合される照明器具。
【請求項2】
前記第1電力変換器が、非ゼロの第1電圧レベルを供給するよう適合され、前記第2電力変換器が、異なる非ゼロの第2電圧レベルを供給するよう適合される請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記非ゼロの第1電圧レベルが、前記非ゼロの第2電圧レベルよりも大きい請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記非ゼロの第1電圧レベルが25Vよりも大きく、前記非ゼロの第2電圧レベルが10Vよりも小さい請求項2又は3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記非ゼロの第1電圧レベルが、前記LED照明ユニットの前記LED構成の両端の電圧降下よりも大きく、前記非ゼロの第2電圧レベルが、前記LED照明ユニットの前記LED構成の両端の電圧降下よりも小さい請求項乃至4のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記入力端子構成が、
前記主電源を受け取るための1つ以上のピンと、
前記主電源をフィルタリングするよう適合されるEMIフィルタ回路と、
前記主電源における電力サージから前記電源を保護するサージ保護ユニットとを有する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記コントローラが、
接続されるLED照明ユニットの前記少なくとも1つのLED構成が電力を引き出しているかどうかを決定し、
接続されるLED照明ユニットの前記少なくとも1つのLED構成が電力を引き出していないという決定に応じて、前記LED照明ユニットに供給される電力レベルが前記非ゼロの第2電力レベルに保持されるように、前記第2電力変換器を前記出力端子構成に接続するよう適合される請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記第1電力変換器が、フライバックコンバータを有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項9】
前記コントローラが、前記出力端子構成への接続を、前記第1電力変換器の出力と前記第2電力変換器の出力との間で選択的に切り替えて、それによって、どちらの電力変換器が前記出力端子構成に電力を供給するかを切り替えるよう適合されるスイッチを有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項10】
前記少なくとも1つのLED構成が、発光するために前記非ゼロの第2電力レベルよりも大きい電力レベルを必要とするよう適合され、前記少なくとも1つの他の構成要素が、アクティブであるために前記非ゼロの第2電力レベル以下の電力レベルを必要とするよう適合される請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項11】
各少なくとも1つのLED構成が、直列に接続される複数のLEDを有する請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項12】
前記少なくとも1つの他の構成要素が、通信ユニット及び/又は検出ユニットを有する請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED照明ユニットの分野に関し、とりわけ、LED照明ユニットのための電源に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードを採用する照明ユニット(即ち、LED照明ユニット)は、一般に周知のハロゲン電球の代替品として、照明設備又は照明器具においてますます一般的になってきている。LED照明ユニットは、一般に、少なくとも1つのLED構成を有し、LED構成が光を出力するオン状態と、LED構成が光を出力しないオフ状態との間で切り替え可能である。
【0003】
最近、単なる照明にとどまらない付加的な機能を供給するために、例えば、検出機能及び/又は通信機能を供給するために、LED照明ユニットに他の構成要素を含める傾向がある。LED照明ユニットに含めるための可能な付加的な構成要素の例は、送信機、受信機、送受信機、温度センサ、動きセンサ、周囲光センサなどを含む。
【0004】
しかしながら、LED照明ユニットが発光しないよう制御されているときでも、これらの付加的な構成要素に途切れなく電力を供給したいという要望がある。それ故、LED構成は給電されないが、LED照明ユニットの他の構成要素は給電されるスタンバイ状態(STANDBY-state)という概念が提案されている。これは、LED照明ユニットの全ての構成要素が給電されないオフ状態と区別できるものである。
【0005】
LED照明ユニットのための既存の電源は、主電源電圧を、LEDユニットを駆動するのに十分な電力レベルに変換するよう設計されている。この電力レベルは、(LEDがオン状態にあるときに)LED構成を駆動すると共に、(LED照明ユニットがオン状態又はスタンバイ状態にあるときに)LED照明ユニットの他の構成要素を駆動するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような電源装置を改善したいという継続的な要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、請求項によって規定されている。
【0008】
本発明の或る態様による例によれば、少なくとも1つのLED構成と、少なくとも1つの他の構成要素とを有するLED照明ユニットのための電源であり、主電源を受け取るための入力端子構成と、前記LED照明ユニットに接続可能であるよう適合されると共に、前記LED照明ユニットに接続されるときに、前記LED照明ユニットに供給される電力を規定するよう適合される出力端子構成と、受け取った主電源を変換するよう設計される第1電力変換器と、前記第1電力変換器とは別の第2電力変換器であって、受け取った主電源を変換するよう設計される第2電力変換器と、前記第1電力変換器及び前記第2電力変換器のうちのどちらが、前記主電源を変換し、変換された前記主電源を前記出力端子構成に供給するかを選択的に制御して、それによって、接続されるLED照明ユニットに供給される電力を、前記第1電力変換器によって変換された電力と、前記第2電力変換器によって変換された電力との間で切り替えるよう適合されるコントローラとを有する電源であって、前記変換された主電源が、非ゼロの第1電力レベルにある場合、前記第1電力変換器が、前記第2電力変換器よりも、前記主電源を変換するときの効率が良く、前記変換された主電源が、異なる非ゼロの第2電力レベルにある場合、前記第2電力変換器が、前記第1電力変換器よりも、前記主電源を変換するときの効率が良い電源が提供される。
【0009】
提案されている構成は、2つの異なる電力変換器が同じ出力位置(例えば、出力構成の同じピン又はノード)においてLED照明ユニットに電力を供給することを可能にする。2つの別々の電力変換器を使用することにより、異なる電力レベルために設計される特定の変換器が使用されることができ、それによって、前記LED照明ユニットによって引き出される異なる電力レベルを構成する第1電力レベル及び異なる第2電力レベルの両方における主電源電力の効率的な変換を可能にする。同じ端子構成(例えば、出力構成の同じピン)において電力を供給することによって、前記電源と前記LED照明ユニットとの間の配線/接続の数が最小限に抑えられる。
【0010】
換言すれば、各個別の電力変換器が、(単一の)特定の電力レベルのために調整又は設計されることができ、(例えば、効率の悪い可変電力変換器ではなく)効率的な電力変換器設計を使用することを可能にする。これは、前記電源全体のエネルギ効率を向上させる。
【0011】
これは、効率的な電源を使用し続けながら、前記LED照明ユニットを、(前記LED照明ユニットが、前記LEDを含む、前記LED照明ユニットの全ての構成要素を駆動するための電力を引き出す)受電(powered)又はオンモード/状態と、(前記LED照明ユニットが、例えば前記LEDを除く、前記LED照明ユニットの他の構成要素のみを駆動するための電力を引き出す)スタンバイモード/状態との間で切り替えることを可能にする。
【0012】
各電力変換器は、特定の電力レベルを供給するときに(例えば、他の電力レベルを供給する電力変換器と比較して)より効率的/最も効率的であるように設計される。当業者は、様々な電力変換器が、或る特定の電力レベルを供給するときに、他の電力レベルを供給するときと比較して、とりわけ効率的であるように設計されることができることは理解するだろう。とりわけ、異なる電力変換器は、異なる電力レベルを供給するのに効率的であるよう、構成要素値(例えば、インダクタンス/キャパシタンス値)又は構造に関して、異なり得る。これは、電力変換器が変圧器を有する例においては、異なる電力変換器は、異なる数の巻線及び/又は材料から形成される変圧器を有することになり得る。
【0013】
前記コントローラは、どちらの電力変換器が、電力を、前記出力端子構成に供給し、それによって、接続されるLED照明ユニットに供給するかを制御するよう設計される。換言すれば、前記コントローラは、前記第1電力変換器の出力のみが前記出力端子構成に電力を供給する(前記第2電力変換器の出力は供給しない)第1状態、及び前記第2電力変換器の出力のみが前記出力端子構成に電力を供給する(前記第1電力変換器の出力は供給しない)第2状態において、動作可能である。従って、前記コントローラは、どちらの電力変換器が、接続されるLED照明ユニットに電力レベルを供給するかを、切り替え得る。
【0014】
このような制御は、電力変換器の出力が前記出力端子構成に接続されるかどうか、及び/又は電力変換器の入力が前記入力端子構成に接続されるかどうかを(例えば、スイッチによって)制御することによって実施され得る。どちらの電力変換器が前記出力端子構成に電力を供給するかを制御する他のやり方は、当業者には明らかであるだろう。
【0015】
換言すれば、前記第1及び第2電力変換器は、互いに並列であってもよく、前記出力端子構成に電力を供給するように交互に切り替えられてもよい/制御されてもよい。
【0016】
当然、実施形態においては、前記コントローラは、更に、前記第1及び第2電力変換器の両方が前記出力端子構成に電力を供給するように、並びに/又は(例えば、前記LED照明ユニットを完全にオフに切り替えるよう)前記第1及び第2電力変換器のどちらも前記出力端子構成に電力を供給しないように、動作可能であってもよい。
【0017】
誤解を避けるために、前記第1及び第2電力レベルは互いに異なることに留意されたい。換言すれば、前記第1電力変換器は、第1電力レベルを提供/供給するときに(即ち、接続されるLED構成が第1電力レベルを引き出すときに)効率的であるよう設計され、前記第2電力変換器は、異なる第2電力レベルを提供/供給するときに(即ち、接続されるLED照明ユニットが異なる第2電力レベルを引き出すときに)効率的であるよう設計される。
【0018】
特定の例においては、前記第2電力レベルは、前記第1電力レベルの±1%若しくは±5%の範囲外である、又はその逆である。即ち、前記第1電力レベルと前記第2電力レベルとの間の差は、前記第1電力レベル又は前記第2電力レベルの値の1%以上であってもよい。好ましくは、前記第1電力レベルと前記第2電力レベルとの間の差は、前記第1電力レベルの値の90%以上である。
【0019】
実施形態においては、前記変換された主電源が、第1電力範囲内にある場合、前記第1電力変換器が、前記第2電力変換器よりも、前記主電源を変換するときの効率が良く、前記変換された主電源が、異なる第2電力範囲内にある場合、前記第2電力変換器が、前記第1電力変換器よりも、前記主電源を変換するときの効率が良い。
【0020】
幾つかの実施形態においては、前記第2電力レベルは、前記第1電力レベルよりも低くてもよい。このやり方においては、前記第1電力変換器は、「高電力変換器」の役割を果たしてもよく、前記第2電力変換器は、「低電力変換器」の役割を果たしてもよい。従って、前記第1電力変換器は、前記第2電力変換器に比べて、より高い電力レベル(例えば、>0.5W又は>5W)を供給するときに、より効率的であってもよい。
【0021】
好ましくは、前記非ゼロの第1電力レベルは、前記LED照明ユニットの前記少なくとも1つのLED構成に給電するのに十分であり、前記非ゼロの第2電力レベルは、前記LED照明ユニットの前記少なくとも1つのLED構成に給電するのに十分ではない。
【0022】
換言すれば、前記第1電力変換器は、オン状態にある(例えば、前記LED構成が発光するよう制御されるときの)LED照明ユニットによって引き出される電力を供給するよう設計されてもよい。前記第2電力変換器は、スタンバイ状態にある(例えば、前記LED構成が発光しないよう制御されるときの)前記LED照明ユニットによって引き出される電力レベルを供給するよう設計されてもよい。
【0023】
実施形態においては、前記第1電力変換器は、非ゼロの第1電圧レベルを供給するよう適合され、前記第2電力変換器は、異なる非ゼロの第2電圧レベルを供給するよう適合される。
【0024】
従って、前記電力変換器は、異なる電力レベルを供給するために設計されてもよいだけでなく、異なる非ゼロの電圧レベルを供給するよう設計されてもよい。これは、2つの異なる電圧レベルを、前記出力端子構成の同じピンにおいて制御可能に供給することを可能にし、それによって、前記LED照明ユニットの給電レール(power rail)において制御可能に供給することを可能にする。
【0025】
好ましくは、前記非ゼロの第1電圧レベルは、前記非ゼロの第2電圧レベルよりも大きい。好ましくは、前記非ゼロの第1電圧レベルは、前記LED照明ユニットの前記LED構成の両端の電圧降下よりも大きく、前記非ゼロの第2電圧レベルは、前記LED照明ユニットの前記LED構成の両端の電圧降下よりも小さい。
【0026】
従って、(前記第2電力変換器からの)前記第2電圧レベルが供給されるときは、前記照明ユニットの前記LED構成は、電力を引き出すことができないかもしれない。これは、 前記LED構成を実質的にオフに切り替える。
【0027】
このやり方においては、どちらの電力変換器が前記LED照明ユニットに電力を供給するかの制御が、前記照明ユニットの状態、例えば前記LED照明ユニットがオン状態にあるのかスタンバイ状態にあるのかを制御することができる。これは、(例えば独立した制御を持たない)よりシンプルなLED照明ユニットを前記電源と共に使用することを可能にし、交換用LED照明ユニットのコストを低減する。換言すれば、前記LED照明ユニットの状態の制御が、前記電源にシフトされ得る。
【0028】
実施形態においては、前記非ゼロの第1電圧レベルは25Vよりも大きく、前記非ゼロの第2電圧レベルは10Vよりも小さい。好ましい実施形態においては、前記非ゼロの第2電圧レベルは、5V又は3.3Vなどの、規格に従った電圧レベルである。
【0029】
実施形態においては、前記入力端子構成は、前記主電源を受け取るための1つ以上のピンと、前記主電源をフィルタリングするよう適合されるEMIフィルタ回路と、前記主電源における電力サージから前記電源を保護するサージ保護ユニットとを有する。
【0030】
前記コントローラは、接続されるLED照明ユニットの前記少なくとも1つのLED構成が電力を引き出しているかどうかを決定し、接続されるLED照明ユニットの前記少なくとも1つのLED構成が電力を引き出していないという決定に応じて、前記LED照明ユニットに供給される電力レベルが前記非ゼロの第2電力レベルに保持されるように、前記第2電力変換器を前記出力端子構成に接続するよう適合されてもよい。これは、前記コントローラによる自動切り替えを可能にする。
【0031】
好ましくは、前記第1電力変換器及び/又は前記第2電力変換器は、フライバックコンバータを有する。フライバックコンバータは、高い電力レベルを生成するための効率的な変換器を供給する。
【0032】
前記コントローラは、前記出力端子構成への接続を、前記第1電力変換器の出力と前記第2電力変換器の出力との間で選択的に切り替えて、それによって、どちらの電力変換器が前記出力端子構成に電力を供給するかを切り替えるよう適合されるスイッチを有してもよい。
【0033】
従って、スイッチは、前記第1電力変換器によって供給される電力レベル又は前記第2電力変換器によって供給される電力レベルを受け取る(即ち、同時に両方によって供給される電力レベルは受け取らない)よう前記出力端子構成を接続してもよい。これは、2つの電力変換器における潜在的な電力サージが、他方の電力変換器に影響を及ぼす又は損傷を与えるのを防ぐ。
【0034】
本発明の実施形態は、記載されている任意の電源と、前記電源の前記出力端子構成に接続されるLED照明ユニットとを有する照明器具であって、前記LED照明ユニットが、前記出力端子構成から電力レベルを受け取るよう適合される給電レールと、前記給電レールから電力を受け取るよう適合される少なくとも1つのLED構成と、前記給電レールから電力を受け取るよう適合される少なくとも1つの他の構成要素とを有する照明器具を提供してもよい。
【0035】
前記少なくとも1つのLED構成は、発光するために前記第2電力レベルよりも大きい電力レベルを必要とするよう適合されてもよく、各少なくとも1つの他の構成要素は、アクティブであるために前記第2電力レベル以下の電力レベルを必要とするよう適合されてもよい。
【0036】
従って、前記少なくとも1つの他の構成要素を動作させるために必要とされる電力レベルは、前記LEDを動作させるために必要とされる電力レベルよりも小さい。それ故、光出力が必要とされないときは、電力を節約するために、第2電力変換器が、前記他の構成要素に給電するための異なる電力レベル(例えば、より低い電力レベル)を供給してもよく、前記第2電力変換器は、第2電力変換器のための電力要件に適するよう設計されることができ、それによって、より効率的なシステムを提供する。
【0037】
好ましくは、各少なくとも1つのLED構成が、直列に接続される複数のLEDを有する。前記少なくとも1つの他の構成要素は、通信ユニット及び/又は検出ユニットを有してもよい。例は、送信機、受信機、送受信機、温度センサ、動きセンサ、周囲光センサなどを含む。
【0038】
下記の実施形態を参照して、本発明のこれら及び他の態様を説明し、明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明のより良い理解のために、及び本発明がどのようにして実施され得るかをより明確に示すために、ここで、ほんの一例として、添付図面を参照する。
図1】本発明の実施形態による電源を図示する回路図である。
図2】本発明の実施形態による照明器具を図示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図を参照して本発明について説明する。
【0041】
詳細な説明及び特定の例は、装置、システム及び方法の例示的な実施形態を示しているが、説明の目的のためのものでしかなく、本発明の範囲を限定しようとするものではないことは理解されたい。本発明の装置、システム及び方法のこれら及び他の特徴、態様及び利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲及び添付の図面からよりよく理解されるようになるだろう。図は、単に概略的なものに過ぎず、縮尺通りには描かれていないことは、理解されたい。図の全体を通して、同じ参照符号は、同じ又は同様のパーツを示すために使用されていることも、理解されたい。
【0042】
本発明の概念によれば、LED照明ユニットのための電源が提案される。電源は、2つの電力変換器であって、前記2つの電力変換器のいずれかが、LED照明ユニットの構成要素によって引き出される電力を供給し得る2つの電力変換器を有する。とりわけ、電源のコントローラは、どちらの電力変換器が、主電源を、接続されるLED照明ユニットのための電力レベルに変換するかを制御する。2つの電力変換器は、異なる電力レベルを供給する場合に効率的であるよう設計される。
【0043】
実施形態は、少なくとも部分的には、電力変換器は、或る電力レベルを供給するときは、他の電力レベルを供給するときに比べて、より効率的であるという認識に基づいている。従って、(例えば、LEDとLED照明ユニットの他の構成要素との両方を駆動するために)第1電力レベルが必要とされるときには第1電力変換器が使用されてもよく、(例えば、LED照明ユニットの他の構成要素しか駆動せず、LEDは駆動しないために)異なる第2電力レベルしか必要とされないときには第2電力変換器が使用されてもよい。これは、より効率的でカスタマイズ可能な電源を提供する。
【0044】
例示した実施形態は、例えば、照明器具又は他の照明システムにおいて採用されてもよい。
【0045】
図1は、本発明の実施形態による、接続されるLED照明ユニット10のための電源1の回路図を図示している。以下、本発明の実施形態の背景(context)を示すために、例示的なLED照明ユニット10について説明する。
【0046】
LED照明ユニット10は、(例えば1つ以上のLEDで形成される)LED構成D3と、(LED照明ユニットが電源に接続されているときに)LED構成D3が、電力を引き出して、それによって、光を出力しようとするかどうかを制御するよう適合されるLEDスイッチS3と、少なくとも1つの他の構成要素Rとを有する。LED構成D3及び少なくとも1つの他の構成要素Rは、同じ給電レールP1から電力を引き出す。
【0047】
LEDスイッチS3が閉じているときは、LED照明ユニット10は、オン状態にある(LED構成D3及び少なくとも1つの他の構成要素Rを駆動するのに十分な電力を引き出す)。LEDスイッチS3が開いているときは、LED照明ユニット10は、スタンバイ状態にある(少なくとも1つの他の構成要素Rを駆動するのに十分な電力を引き出す)。
【0048】
少なくとも1つの他の構成要素Rは、例えば、処理ユニット、制御ユニット、通信ユニット及び/又は検出ユニットを含んでもよい。適切な例は、マイクロプロセッサ、送信機、受信機、送受信機、温度センサ、動きセンサ、周囲光センサなどを含む。LED照明ユニット10は、(1つのLED構成D3しか図示されていないが)2つ以上のLED構成D3を有してもよい。各LED構成は、1つ以上のLEDのストリングを有し、好ましくは、2つ以上のLEDのストリングを有する。
【0049】
電源1は、主電源Vinを受け取るための入力端子構成2を有する。入力端子構成は、任意の標準的な主電源端子(例えば、2ピンプラグ又は3ピンプラグ)を有してもよい。ここでは、主電源Vinは、接地を含む2出力電圧源としてモデル化されており、入力端子構成2は、主電源Vinに接続するための第1ピン2a及び第2ピン2bを有する。
【0050】
電源は、出力端子構成3も有する。出力端子構成は、接続されるLED照明ユニット10に電力を供給するよう適合される。ここでは、出力端子構成は、LED照明ユニットに接続するための、接地を含む、第1ピン3a及び第2ピン3bを有する。出力端子構成の他の実施形態は、異なる数のピン(例えば、接地を供給するための追加のピン、又は三相ピン出力)を有してもよい。出力端子構成3は、LED照明ユニット10の給電レールPに供給される電力を規定する。
【0051】
電源1は、2つの電力変換器L1、L2を有する。各電力変換器は、ここでは、変圧器を有するが、マトリックスコンバータ又はスイッチドモード電源などの代替電力変換器も考えられる。
【0052】
第1電力変換器L1は、受け取った主電源Vinを第1電力レベルに変換するために設計又は調整される。第2電力変換器L2は、受け取った主電源Vinを異なる第2電力レベルに変換するために設計又は調整される。このやり方においては、それぞれの2つの異なる電力レベルを供給するために設計される2つの異なる電力変換器が存在する。
【0053】
とりわけ、変換された主電源が、非ゼロの第1電力レベルにある場合、第1電力変換器が、第2電力変換器よりも、主電源を変換するときの効率が良く、変換された主電源が、異なる非ゼロの第2電力レベルにある場合、第2電力変換器が、第1電力変換器よりも、前記主電源を変換するときの効率が良い。
【0054】
電力レベルは、1%より多く、5%より多く、50%より多く又は90%より多く異なっていてもよい。例えば、第1電力レベルと第2電力レベルとの間の差は、第1電力レベルの値の1%以上であってもよく、第1電力レベルの値の5%以上であってもよく、又は第1電力レベルの値の50%以上であってもよく、第1電力レベルの値の90%以上であってもよい。例においては、第1電力レベルは約40Wであり、第2電力レベルは約0.5Wである。
【0055】
「主電源を第1/第2電力レベルに変換するよう設計される」という語句は、主電源を第1/第2電力レベルに変換するときに、他の電力レベルを供給するときと比較して、より効率的/最も効率的であるように、電力変換器が設計されることを意味する。それによって、各電力変換器L1、L2は、或る特定の電力レベルを効率的に供給するよう設計されることができる。効率は、当業者にはよく知られているように、電力変換器の入力における電力と、電力変換器の出力における(有用な)電力とを比較することによって、測定可能である。
【0056】
当然、変換器によって供給される実際の電力レベルは、(特に、主電源を変換するシンプルな変圧器ベースの変換器の場合は)変換器に接続される負荷によって引き出される電力量に依存し得ることは認識されている。しかしながら、当業者は、或る特定の電力レベルを供給するときにとりわけ効率的であるように、即ち、「…を第1/第2電力レベルに変換するよう設計される」ように、(例えば、異なる構成要素値を有する、異なる数の巻線及び/又は材料で形成される、異なる構造を有するなど)異なる電力変換器が設計されることができることを理解するだろう。
【0057】
例においては、変換された主電源が、第1電力範囲内にある場合、第1電力変換器が、第2電力変換器よりも、主電源を変換するときの効率が良く、変換された主電源が、異なる第2電力範囲内にある場合、第2電力変換器が、第1電力変換器よりも、主電源を変換するときの効率が良い。第1電力範囲は、第1電力レベルを含み、第2電力範囲は、第2電力レベルを含む。
【0058】
ここでは第1スイッチS1及び第2スイッチS2を有するコントローラが、どちらの電力変換器L1、L2が出力端子構成3に電力を供給するかを制御し、それによって、どちらの電力変換器が、接続されるLED照明ユニットの給電レールPであって、LED照明ユニットの構成要素が電力を引き出す給電レールPに電力を供給するかを制御する。コントローラは、どちらの電力変換器が出力端子構成に電力を供給又は提供するかを制御するよう、電源内の接続を制御してもよい。
【0059】
とりわけ、電源1は、第1電力変換器L1又は第2電力変換器L2のいずれかの出力が、出力端子構成の同じピンに(直接又は更なる回路を介して)接続されることができるように設計される。コントローラは、電源内の接続(例えばスイッチの開閉)を制御することによって、第1電力変換器L1及び第2電力変換器L2のどちらが出力端子構成のこれらのピンに電力を供給するかを切り替える又は規定する。
【0060】
従って、第1電力変換器L1及び第2電力変換器L2は並列に配置され、故に、各電力変換器の出力は同じノードにおいて供給される。電力変換器は、どちらの電力変換器がこのノードにおいて出力を供給するかを選択的に切り替えるよう制御される。
【0061】
それ故、出力端子構成に接続されるLED照明構成10は、第1電力変換器L1によって変換された電力又は第2電力変換器L2によって変換された電力を、出力端子構成3の同じピン3aから引き出し得る。
【0062】
第1スイッチS1及び第2スイッチS2などのスイッチは、MOSFET又は他のトランジスタなどの、電流を遮断する/迂回させるための任意の既知のスイッチから形成されてもよい。
【0063】
第1ダイオードD1及び第2ダイオードD2は、それぞれ第1電力変換器L1及び第2電力変換器L2によって供給される電源を整流する。平滑コンデンサCは、(第1/第2電力変換器からの)整流された電源をDC信号に変換するために設けられる。従って、ダイオードD1、D2及びコンデンサCは、実質的にAC/DCコンバータの役割を果たし、第1電力変換器L1及び/又は第2電力変換器L2にフライバックコンバータの役割を果たさせるために使用されることができる。コンデンサCなどの或る特定の構成要素は、効率性の目的のために2つの電力変換器によって共有されてもよい。
【0064】
ダイオードD1、D2及びコンデンサCは、他の適切なAC/DCコンバータ又は回路に置き換えられてもよい。例えば、ダイオードD1、D2は、他の整流回路に置き換えられてもよい。幾つかの実施形態においては、このようなコンバータは、電力変換器L1、L2に組み込まれ、電力変換器の一部を形成するとみなされ得る。
【0065】
第1電力レベルは、オン状態にある(例えば、LED構成D3が発光するよう制御され、他の構成要素Rも電力を引き出すときの)LED照明ユニットを駆動するのに十分な電力であってもよい。第2電力レベルは、スタンバイ状態にある(例えば、LED構成D3が発光しないよう制御され、他の構成要素Rしか電力を引き出さないときの)LED照明ユニットを駆動するのに十分な電力であってもよい。
【0066】
従って、第2電力レベルは、第1電力レベルよりも低くてもよい。例えば、第2電力レベルは、第1電力レベルの50%又は90%よりも小さくてもよい。例えば、第1電力レベルは約40Wであってもよく、第2電力レベルは約0.5Wであってもよい。
【0067】
このやり方においては、第1電力変換器は、「高電力変換器」であってもよく、第2電力変換器は、「低電力変換器」であってもよい。
【0068】
しかしながら、第1電力レベル及び第2電力レベルの正確な値は、実施の詳細に依存して(例えば、LED照明ユニット10の特性であって、電源が前記特性に合わせて設計される特性に基づいて)変化するだろう。
【0069】
コントローラはまた、第1電源L1又は第2電源L2のどちらも出力端子構成に電力を供給しない(例えば、両方とも入力及び/又は出力から切り離されている)状態で動作するよう構成されてもよい。これは、電源がLED照明ユニットに電力を全く供給しないので、LEDユニットを実質的にオフ状態にする。
【0070】
前述から、各電力変換器によって生成された電力が、出力端子構成に選択的に供給されることができ、故に、接続されるLED照明ユニット10は、異なる電力変換器によって変換された電力を同じワイヤを通じて(例えば、同じ給電レールにおいて)引き出すことができることは明らかである。
【0071】
図示されている例においては、電力変換器の出力は、出力端子構成に恒久的に接続されており、コントローラは、電力変換器が主電源Vinからの電力を引き出す/変換することができるかどうかを制御する。第1スイッチS1は、第1電力変換器L1が主電源から電力を引き出すかどうかを制御する。第2スイッチS2は、第2電力変換器L2が主電源から電力を引き出すかどうかを制御する。従って、電力変換器は、出力端子構成に電力を供給しないよう制御されるときは、主電源から切り離されてもよい。これは、電源1全体の効率を向上させる。
【0072】
しかしながら、コントローラは、その代わりに、電力変換器の出力が出力端子構成3に接続されるかどうかを制御してもよい(例えば、各電力変換器の入力は入力端子構成に恒久的に接続されてもよい)。例えば、実施形態においては、第1スイッチS1及び第2スイッチS2は、その代わりに、電力変換器の他方の側(即ち、電力変換器の「出力側」)に配置されてもよい。
【0073】
別の例においては、コントローラは、(例えば、単極双投スイッチを使用して)出力端子構成への接続を、第1電力変換器の出力と、第2電力変換器の出力との間で切り替えるよう適合される単一のスイッチを有する。このような実施形態においては、各電力変換器の入力は、入力端子構成に恒久的に接続されてもよい。
【0074】
同様に、例においては、コントローラは、(例えば、単極双投スイッチを使用して)入力端子構成への接続を、第1電力変換器の入力と、第2電力変換器の入力との間で切り替えるよう適合される単一のスイッチを有してもよい。このような実施形態においては、各電力変換器の出力は、出力端子構成に恒久的に接続されてもよい。
【0075】
コントローラは、マイクロプロセッサ又はフィールドプログラマブルゲートアレイなどの制御論理回路(図示せず)を更に有してもよい。制御論理回路は、スイッチS1、S2(又は実施形態に応じたスイッチ)の動作を制御するよう適合されてもよく、例えば、コマンド又はユーザ入力に応じて動作してもよい。従って、制御論理回路は、LED照明ユニットの状態を変更する要求に応答してもよい。
【0076】
更に他の例においては、制御論理回路は、LED照明ユニットの状態の変化に応答してもよい。例えば、LED照明ユニットがオン状態からスタンバイ状態に切り替わる(例えば、LED構成が切り離される)場合には、制御論理回路は、状態の変化を検出し、電力変換器L1、L2への/からの接続を適切に制御することができてもよい。
【0077】
例においては、制御論理回路は、(例えば、電力計によって検出されるような)接続されるLED照明ユニットによって引き出される電力に応答してもよい。このような例の以下の実施形態においては、第1電力レベルは第2電力レベルよりも高いと仮定される。
【0078】
このような例では、コントローラは、LED照明ユニットによって引き出される電力が所定の閾値よりも小さいことに応答して、第2電力変換器が、出力端子構成に電力を供給し、それによって、LED照明ユニットに電力を供給するように、接続を制御してもよい。コントローラは、LED照明ユニットによって引き出される電力が所定の閾値よりも大きいことに応答して、第1電力変換器が出力端子構成に電力を供給するように、接続を制御してもよい。
【0079】
所定の閾値の値は、第1及び第2電力レベルであって、第1及び第2電力変換器がそれぞれ前記第1及び第2電力レベルに合わせて設計される第1及び第2電力レベルによって規定されてもよい。シンプルな実施形態においては、所定の閾値は、第2電力レベルであって、第2電力変換器が前記第2電力レベルに合わせて設計される第2電力レベルの値と等しくてもよい。別の実施形態においては、所定の閾値は、第2電力変換器が第1電力変換器よりも電力の供給における効率が良い最大電力レベルによって規定されてもよい(例えば、前記最大電力レベルに等しい)。それ故、所定の閾値は、実施の詳細に基づいて変化してもよい。
【0080】
所定の閾値は、引き出される電力の自然な変化を考慮に入れ、コントローラによる不必要な修正を防止するために、ヒステリシスをかけてもよい。従って、コントローラが、第1電力変換器を使用しての出力端子構成への電力供給から、第2電力変換器を使用しての出力端子構成への電力供給に切り替えるときを規定する第1の所定の閾値と、コントローラが、第2電力変換器を使用しての出力端子構成への電力供給から、第1電力変換器を使用しての出力端子構成への電力供給に切り替えるときを規定する(異なる)第2の所定の閾値とがあってもよい。
【0081】
第1電力変換器が、電力レベルであって、第2電力変換器が前記電力レベルに合わせて設計される電力レベルよりも高い電力レベルを供給するよう設計される場合には、第1の所定の閾値は、第2の所定の閾値よりも低い。
【0082】
第1の所定の閾値及び第2の所定の閾値は、第2電力変換器が第1電力変換器よりも電力の供給における効率が良い最大電力レベルによって規定されてもよい。例えば、第1の所定の閾値は、この最大電力レベルに等しくてもよく、第2の所定の閾値は、この最大電力レベルよりも大きい(例えば、5%大きい又は10%大きい)設定値又はパーセンテージであってもよい。
【0083】
他の例においては、第1及び第2の所定の閾値は、第1及び/又は第2電力レベルであって、第1/第2電力変換器が前記第1及び/又は第2電力レベルに合わせて設計される第1及び/又は第2電力レベルによって規定される。例えば、第1の所定の閾値は、第2電力レベルに等しくてもよく、第2の所定の閾値は、第2電力レベルよりも大きい(例えば、5%大きい又は10%大きい)設定値又はパーセンテージであってもよい。
【0084】
幾つかの実施形態においては、第1及び第2電力レベルは、異なる電圧レベルを、出力端子構成に供給し、それによって、接続されるLED照明ユニット10に供給することによって、更に、互いに区別されてもよい。
【0085】
換言すれば、第1電力変換器L1は、(非ゼロの)第1電圧レベルを供給するよう設計されてもよく、第2電力変換器L2は、異なる(非ゼロの)第2電圧レベルを供給するよう設計されてもよい。電力変換器が、各々、変圧器を有する場合には、異なる巻線比を使用することによって異なる電圧レベルが供給されてもよいが、他の方法も当業者には知られているだろう。
【0086】
幾つかの例においては、第1電圧レベルは、LED構成D3を駆動するよう十分に高い電圧であってもよいのに対して、第2電圧レベルは、LED構成D3を駆動するのに足りるほど十分に高い電圧でなくてもよい(が、他の構成要素Rを駆動するのには十分である)。
【0087】
とりわけ、第1電圧レベルは、LED構成D3の両端の電圧降下以上であってもよく、第2電圧レベルは、LED構成の両端の電圧降下以下であってもよい。
【0088】
説明として、一般的なLED構成D3は、LEDの両端の電圧降下のために、LED構成D3を駆動するために最低限の電圧レベル(例えば15V又は45V)を必要とする場合がある。従って、最低限の電圧レベルを下回る電圧レベルがLED照明ユニットに供給される場合には、LED照明ユニットは、LED構成が給電レールから電力を引き出すかどうかを制御するためのLED照明ユニットにおける制御又は切り替えを必要とせずに、自動的に、(LEDが駆動されない)スタンバイ状態にされることができる。
【0089】
これは、どちらの電力変換器L1、L2がLED照明ユニットに電力を供給するかを制御することによって、LED照明ユニットの状態の制御が行われることを可能にする。これは、LED照明ユニットの状態の制御を、実質的に、LED照明ユニットから電源に移す。従って、接続されるLED照明ユニットは、(LED構成D3のための制御システムS3をLED照明ユニットから取り除くことによって)シンプルにされ得る。
【0090】
第1電圧レベル及び第2電圧レベルの正確な値は、実施の詳細に依存して(例えば、LED照明ユニット10の特性であって、電源が前記特性に合わせて設計される特性に基づいて)変化するだろう。
【0091】
しかしながら、好ましい実施形態においては、非ゼロの第1電圧レベルは25Vよりも大きく、非ゼロの第2電圧レベルは10Vよりも小さい。幾つかの例においては、非ゼロの第1電圧レベルは45Vであってもよく、且つ/又は非ゼロの第2電圧レベルは約3.3V又は5Vであってもよい。
【0092】
幾つかの実施形態においては、入力構成2は、主電源をフィルタリングするよう適合されるEMI(electro-magnetic interference)フィルタ回路(図示せず)、及び/又は主電源における電力サージから電源を保護するサージ保護ユニット(図示せず)を更に有する。電力変換器L1、L2は、このような付加的な回路及び/又は更なる付加的な回路を介して、入力構成のピン2a、2bに接続されてもよい。
【0093】
本発明の実施形態は、例えば互いに接続される、電源1とLED照明ユニット10とで形成される照明器具を含み得る。
【0094】
図2、本発明の実施形態による照明器具20を図示するブロック図である。照明器具20は、電源1と、LED照明ユニット10とを有する。電源1は、それだけで、本発明の実施形態を形成し得る。
【0095】
電源1は、入力端子構成2と、出力端子構成3と、第1電力変換器L1と、第2電力変換器L2と、コントローラ5とを有する。
【0096】
LED照明ユニット10は、電源の出力端子構成3に接続され、給電レールPと、LED構成D3と、少なくとも1つの他の構成要素12、13、15とを有する。給電レールPは、電力を受け取るために出力端子構成2に接続する。LED構成D3及び少なくとも1つの他の構成要素は、給電レールから電力を引き出すよう適合される。
【0097】
電源1の第1電力変換器L1及び第2電力変換器L2は、各々、入力端子構成2に接続される主電源(図示せず)をそれぞれの電力レベルに変換するように設計される。コントローラ5は、どちらの電力変換器L1、L2が、電力を、出力端子構成3に供給し、それによって、LED照明ユニット10の給電レールPに供給するかを制御する。それによって、コントローラ5は、どちらの電力変換器が給電レールPにおいて電力を供給するかを規定する。
【0098】
少なくとも1つの他の構成要素12、13、15は、例えば、(無線周波数送受信機、送信機及び/若しくは受信機などの)通信ユニット並びに/又は検出ユニットを含んでもよい。
【0099】
更なる実施形態においては、照明器具20は、制御モジュール8を更に有してもよい。制御モジュールは、電力変換器がLED照明ユニット10に電力を供給していない場合でも、電力変換器のうちの1つ(例えば、第2電力変換器L2)によって給電されてもよい。制御モジュールは、LED照明ユニットのための/への制御信号を処理及び/又は供給するよう適合されてもよい。
【0100】
制御モジュール8は、電源1の或る態様として形成されてもよい。
【0101】
LED照明ユニット10は、少なくとも1つの他の構成要素の一部として、LED照明ユニット10のための制御信号を受信及び/又は処理するための対応する制御論理回路15を有してもよい。例えば、制御論理回路15は、LED構成D3及び/又は少なくとも1つの他の構成要素12、13の動作を制御してもよい。制御論理回路15は、LED照明ユニットの少なくとも1つの他の構成要素のうちの1つを形成してもよい(即ち、制御論理回路15は、電力線Pから電力を引き出す)。
【0102】
制御論理回路15は、制御モジュール8との通信を受信及び/又は送信してもよい。制御モジュール8と制御論理回路15との間の通信は、IC(Inter-Integrated Circuit)などの、任意の既知の通信プロトコルを使用して行われてもよい。
【0103】
基準線/接地線は、存在するが、分かりやすくするために図示されていない。
【0104】
当業者は、記載されている任意の電源又は照明器具を制御するための方法を容易に開発することができるだろう、このような方法は本発明において想定されている。方法は、とりわけ、電源に接続されるLED照明ユニットによって引き出される電力レベルを決定することと、本明細書において記載されている電源の第1及び第2電力変換器のどちらが、決定された電力レベルに基づいてLED照明ユニットによって引き出される電力を供給するかを制御することとを含み得る。
【0105】
コンピュータプログラムであって、前記プログラムがコンピュータにおいて実行されるときに記載されている任意の方法を実施するためのコード手段を含むコンピュータプログラムの概念も提案されている。従って、実施形態によるコンピュータプログラムのコードの様々な部分、行又はブロックが、本明細書において記載されている任意の方法を実施するよう、プロセッサ/コンピュータによって実行され得る。
【0106】
当業者は、請求項記載の発明の実施において、図面、明細及び添付の特許請求の範囲の研究から、開示されている実施形態に対する変形を、理解し、達成することができる。特許請求の範囲において、「有する」という単語は、他の要素又はステップを除外せず、単数形表記は、複数性を除外しない。単一のプロセッサ又は他のユニットが、特許請求の範囲において挙げられている複数のアイテムの機能を果たしてもよい。単に、或る特定の手段が、相互に異なる従属請求項において挙げられているという事実は、これらの手段の組み合わせは有利になるようには使用されることができないことを示すものではない。コンピュータプログラムは、他のハードウェアと一緒に又は他のハードウェアの一部として供給される光学式記憶媒体又は固体媒体のような適切な媒体上に記憶/分散されてもよいが、インターネット又は他の有線若しくは無線電気通信システムを介するような他の形態で分散されてもよい。特許請求の範囲における如何なる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
図1
図2