(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置、その動作方法及びエアロゾル生成装置に使用されるカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A24F 40/42 20200101AFI20240401BHJP
A24F 40/53 20200101ALI20240401BHJP
A24F 40/50 20200101ALI20240401BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/53
A24F40/50
(21)【出願番号】P 2021544404
(86)(22)【出願日】2021-04-01
(86)【国際出願番号】 KR2021004080
(87)【国際公開番号】W WO2021235679
(87)【国際公開日】2021-11-25
【審査請求日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0061749
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウォン キョン
【審査官】高橋 武大
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-509732(JP,A)
【文献】特表2011-527415(JP,A)
【文献】特表2020-508646(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0055090(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0303587(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0159519(US,A1)
【文献】特許第6651667(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0263295(US,A1)
【文献】特表2019-509026(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1820847(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0150519(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物質を保存するカートリッジと、
前記カートリッジが収容される本体と、
プロセッサと、
を含み、
前記カートリッジは、
前記エアロゾル生成物質の収容空間を含むハウジングと、
前記エアロゾル生成物質を加熱するヒータと、
前記ハウジングの厚さ方向に前記ハウジングを貫通する少なくとも1つの抵抗素子と、を含み、
前記本体は、
前記カートリッジが収容された場合、前記少なくとも1つの抵抗素子と電気的に連結される少なくとも1つの接触素子を含み、
前記プロセッサは、
前記少なくとも1つの接触素子を介して前記少なくとも1つの抵抗素子に印加される電流による前記少なくとも1つの抵抗素子の温度変化に対応する抵抗変化量に基づいて、前記エアロゾル生成物質の残量
を推定
し、
前記抵抗変化量が第1しきい値未満であるという決定に基づいて、前記少なくとも1つの抵抗素子に前記エアロゾル生成物質が接触されたと決定し、前記抵抗変化量が前記第1しきい値以上であるという決定に基づいて、前記少なくとも1つの抵抗素子に前記エアロゾル生成物質が接触されていないと決定し、
前記エアロゾル生成物質が接触されたと決定されたか否かによって前記残量を推定する、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの抵抗素子は、
一側面が前記エアロゾル生成物質と接触され、前記一側面に対向する他の側面が前記本体と接触される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記抵抗変化量が小さいほど、前記少なくとも1つの抵抗素子に接触されたエアロゾル生成物質の量が多いと推定し、
前記抵抗変化量が大きいほど前記少なくとも1つの抵抗素子に接触されたエアロゾル生成物質の量が少ないと推定する、請求項
1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの抵抗素子は、複数個の抵抗素子であり、
前記プロセッサは、
前記複数の抵抗素子それぞれの個別的な抵抗変化量を測定し、前記複数個の抵抗素子のうち、第1抵抗素子の抵抗変化量と、前記複数個の抵抗素子のうち、第2抵抗素子の抵抗変化量との差に基づいて前記エアロゾル生成物質の残量を推定する、請求項
1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記第1抵抗素子の抵抗変化量と前記第2抵抗素子の抵抗変化量との差が第2しきい値以上であるということに基づいて、前記カートリッジ内のエアロゾル生成物質の水位が前記2つの抵抗素子の間にあると決定する、請求項
4に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記エアロゾル生成物質の気化点未満の温度に前記少なくとも1つの抵抗素子の温度が変化されるように、前記電流を前記少なくとも1つの抵抗素子に印加する、請求項
1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
PWM(pulse width modulation)制御によって前記電流を前記少なくとも1つの抵抗素子に印加し、前記抵抗変化量に対応する信号をADC(analog-to-digital converter)を通じてデジタル信号に変換し、前記デジタル信号に基づいて前記抵抗変化量を測定する、請求項
1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
エアロゾル生成装置の動作方法において、
エアロゾル生成物質を加熱するヒータとは別途に設けられ、エアロゾル生成物質の収容空間を含むハウジングの厚さ方向に前記ハウジングを貫通する少なくとも1つの抵抗素子に電流を印加する段階と、
前記印加された電流による前記少なくとも1つの抵抗素子の温度変化に対応する抵抗変化量を測定する段階と、
前記抵抗変化量に基づいて前記収容空間内部に保存されたエアロゾル生成物質の残量を推定する段階と、を含
み、
前記残量を推定する段階は、
前記抵抗変化量が第1しきい値未満であるか、あるいは第1しきい値以上であるかによって、前記少なくとも1つの抵抗素子に前記エアロゾル生成物質が接触されたか否かを決定し、
前記エアロゾル生成物質が接触されたと決定されたか否かによって前記残量を推定する段階を含む、方法。
【請求項9】
エアロゾル生成装置に使用されるカートリッジにおいて、
エアロゾル生成物質の収容空間を含むハウジングを含み、前記収容空間内部にエアロゾル生成物質を保存する液体保存部と、
前記液体保存部から前記エアロゾル生成物質を伝達される液体伝達手段(wick)と、
前記液体伝達手段に伝達されたエアロゾル生成物質を加熱するヒータと、
前記ハウジングの厚さ方向に前記ハウジングを貫通する少なくとも1つの抵抗素子と、を含み、
前記少なくとも1つの抵抗素子は、
一側面が前記エアロゾル生成物質と接触され、前記一側面に対向する他の側面が前記エアロゾル生成装置の本体と接触されることで、前記本体の少なくとも1つの接触素子と電気的に連結され、
前記少なくとも1つの接触素子を介して前記少なくとも1つの抵抗素子に印加される電流による前記少なくとも1つの抵抗素子の温度変化に対応する抵抗変化量に基づいて、前記エアロゾル生成物質の残量が推定され
、
前記抵抗変化量が第1しきい値未満であるという決定に基づいて、前記少なくとも1つの抵抗素子に前記エアロゾル生成物質が接触されたと決定し、前記抵抗変化量が前記第1しきい値以上であるという決定に基づいて、前記少なくとも1つの抵抗素子に前記エアロゾル生成物質が接触されていないと決定され、
前記エアロゾル生成物質が接触されたと決定されたか否かによって前記残量を推定される、カートリッジ。
【請求項10】
エアロゾル生成装置に使用されるカートリッジにおいて、
エアロゾル生成物質の収容空間を含むハウジングを含み、前記収容空間内部にエアロゾル生成物質を保存する液体保存部と、
前記液体保存部から前記エアロゾル生成物質を伝達される液体伝達手段(wick)と、
前記液体伝達手段に伝達されたエアロゾル生成物質を加熱するヒータと、
前記ハウジングの厚さ方向に前記ハウジングを貫通する少なくとも1つの抵抗素子と、を含み、
前記少なくとも1つの抵抗素子は、
一側面が前記エアロゾル生成物質と接触され、前記一側面に対向する他の側面が前記エアロゾル生成装置の本体と接触されることで、前記本体の少なくとも1つの接触素子と電気的に連結され、
前記少なくとも1つの抵抗素子は、複数個の抵抗素子であ
り、
前記複数個の抵抗素子は、第1抵抗素子及び第2抵抗素子を含み、前記第2抵抗素子は、前記ハウジングで前記第1抵抗素子と互い異なる高さに配置される、カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置、その動作方法及びエアロゾル生成装置に使用されるカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なエアロゾル生成物品の短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、エアロゾル生成物品を燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、カートリッジに保存されたエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成される方法に係わる需要が増加している。
【0003】
特に、ユーザの喫煙時、カートリッジに保存されたエアロゾル生成物質の残量が足りない場合、ユーザの喫煙満足感が満たされなくなってしまうので、エアロゾル生成物質の残量不足如何を予め把握することができる技術が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、カートリッジに含まれた抵抗素子の抵抗変化量を測定し、これに基づいてエアロゾル生成物質の残量を推定する装置を提供することである。一方、解決しようとする技術的課題は、前述したような技術的課題に限定されず、以下の実施例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一側面によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を保存するカートリッジ;及び前記カートリッジが収容される本体;を含み、前記カートリッジは、前記エアロゾル生成物質の収容空間を含むハウジング;及び前記ハウジングの厚さ方向に前記ハウジングを貫通する少なくとも1つの抵抗素子;を含み、前記本体は、前記カートリッジが収容された場合、前記少なくとも1つの抵抗素子と電気的に連結される少なくとも1つの接触素子を含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明のエアロゾル生成装置は、抵抗素子の抵抗変化量に基づいてエアロゾル生成物質の残量を推定することで、エアロゾル生成物質の残量不足によって発生する問題を事前に防止することができる。但し、効果が上述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は、本明細書及び添付図面から技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジと、それを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【
図2】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【
図4】エアロゾル生成装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】エアロゾル生成装置の構成の他の例を示すブロック図である。
【
図6】抵抗素子及び接触素子の配置の一例を示す図面である。
【
図7A】エアロゾル生成物質が抵抗素子と接触されていない場合の1つの抵抗素子を備えたカートリッジの一例を示す図面である。
【
図7B】エアロゾル生成物質が抵抗素子と接触された場合の
図7Aのカートリッジの一例を示す図面である。
【
図7C】
図7Bの場合よりさらに多量のエアロゾル生成物質が抵抗素子に接触された場合の
図7Aのカートリッジの一例を示す図面である。
【
図8A】エアロゾル生成物質が抵抗素子と接触されていない場合の複数の抵抗素子を備えたカートリッジの一例を示す図面である。
【
図8B】エアロゾル生成物質が2個の抵抗素子と接触された場合の
図8Aのカートリッジの一例を示す図面である。
【
図8C】エアロゾル生成物質が全ての抵抗素子と接触された場合の
図8Aのカートリッジの一例を示す図面である。
【
図9A】右側下端の抵抗素子のみがエアロゾル生成物質と接触された場合の、複数の抵抗素子を備えたカートリッジが傾いた一例を示す図面である。
【
図9B】左側上端の抵抗素子のみがエアロゾル生成物質と接触されていない場合の、
図9Aのカートリッジの一例を示す図面である。
【
図10】複数の抵抗素子を備えたカートリッジの他の例を示す図面である。
【
図11】エアロゾル生成装置の動作方法の一例を示すフローチャートである。
【
図12】カートリッジのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
一側面によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物質を保存するカートリッジ及び前記カートリッジが収容される本体を含み、前記カートリッジは、前記エアロゾル生成物質の収容空間を含むハウジング及び前記ハウジングの厚さ方向に前記ハウジングを貫通する少なくとも1つの抵抗素子を含み、前記本体は、前記カートリッジが収容された場合、前記少なくとも1つの抵抗素子と電気的に連結される少なくとも1つの接触素子を含んでもよい。
【0009】
前記少なくとも1つの抵抗素子は、一側面が前記エアロゾル生成物質と接触され、前記一側面に対向する他の側面が前記本体と接触されうる。
【0010】
前記少なくとも1つの接触素子を介して前記少なくとも1つの抵抗素子に印加される電流による前記少なくとも1つの抵抗素子の抵抗変化量に基づいて前記エアロゾル生成物質の残量を推定するプロセッサをさらに含んでもよい。
【0011】
前記プロセッサは、前記抵抗変化量が第1しきい値未満であるという決定に基づいて前記少なくとも1つの抵抗素子に前記エアロゾル生成物質が接触されたと決定し、前記抵抗変化量が前記第1しきい値以上であるという決定に基づいて前記少なくとも1つの抵抗素子に前記エアロゾル生成物質が接触されていないと決定し、前記エアロゾル生成物質が接触されたと決定されたか否かによって前記残量を推定することができる。
【0012】
前記プロセッサは、前記抵抗変化量が小さいほど前記少なくとも1つの抵抗素子に接触されたエアロゾル生成物質の量が多いと推定し、前記抵抗変化量が大きいほど前記少なくとも1つの抵抗素子に接触されたエアロゾル生成物質の量が少ないと推定することができる。
【0013】
前記少なくとも1つの抵抗素子は、複数個の抵抗素子であり、前記プロセッサは、前記複数の抵抗素子それぞれの個別的な抵抗変化量を測定し、前記複数個の抵抗素子のうち、第1抵抗素子の抵抗変化量と、前記複数個の抵抗素子のうち、第2抵抗素子の抵抗変化量との差に基づいて前記エアロゾル生成物質の残量を推定することができる。
【0014】
前記プロセッサは、前記第1抵抗素子の抵抗変化量と前記第2抵抗素子の抵抗変化量との差が第2しきい値以上であるということに基づいて、前記カートリッジ内のエアロゾル生成物質の水位が前記2つの抵抗素子の間にあると決定することができる。
【0015】
前記プロセッサは、前記印加された電流による前記少なくとも1つの抵抗素子の温度変化に対応する抵抗変化量に基づいて前記エアロゾル生成物質の残量を推定することができる。
【0016】
前記プロセッサは、前記エアロゾル生成物質の気化点未満の温度に前記少なくとも1つの抵抗素子の温度が変化されるように前記電流を前記少なくとも1つの抵抗素子に印加することができる。
【0017】
前記プロセッサは、PWM(pulse width modulation)制御によって前記電流を前記少なくとも1つの抵抗素子に印加し、前記抵抗変化量に対応する信号をADC(analog-to-digital converter)を通じてデジタル信号に変換し、前記デジタル信号に基づいて前記抵抗変化量を測定することができる。
【0018】
他の側面によるエアロゾル生成装置の動作方法は、エアロゾル生成物質の収容空間を含むハウジングの厚さ方向に前記ハウジングを貫通する少なくとも1つの抵抗素子に電流を印加する段階、前記印加された電流による前記少なくとも1つの抵抗素子の温度変化に対応する抵抗変化量を測定する段階及び前記抵抗変化量に基づいて前記収容空間内部に保存されたエアロゾル生成物質の残量を推定する段階を含んでもよい。
【0019】
前記残量を推定する段階は、前記抵抗変化量が第1しきい値未満であるか、あるいは 前記第1しきい値以上であるかによって、前記少なくとも1つの抵抗素子に前記エアロゾル生成物質が接触されたか否かを決定し、前記エアロゾル生成物質が接触されたと決定されたか否かによって前記残量を推定する段階を含んでもよい。
【0020】
さらに他の側面によるエアロゾル生成装置に使用されるカートリッジは、エアロゾル生成物質の収容空間を含むハウジングを含み、前記収容空間内部にエアロゾル生成物質を保存する液体保存部、前記液体保存部から前記エアロゾル生成物質を伝達される液体伝達手段(wick)、前記液体伝達手段に伝達されたエアロゾル生成物質を加熱するヒータ及び前記ハウジングの厚さ方向に前記ハウジングを貫通する少なくとも1つの抵抗素子を含み、前記少なくとも1つの抵抗素子は、一側面が前記エアロゾル生成物質と接触され、前記一側面に対向する他の側面が前記エアロゾル生成装置の本体と接触されることで、前記本体の少なくとも1つの接触素子と電気的に連結されうる。
【0021】
前記少なくとも1つの抵抗素子は、複数個の抵抗素子でもある。
【0022】
前記複数個の抵抗素子は、第1抵抗素子及び第2抵抗素子を含み、前記第2抵抗素子は、前記ハウジングで前記第1抵抗素子と互い異なる高さに配置されうる。
【0023】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態によって具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0024】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と本発明の全般にわたる内容とに基づいて定義されねばならない。
【0025】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」などの用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0026】
また、本明細書で使用される「第1」または「第2」のように序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するのに使用することができるが、構成要素は用語によって限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけで使用される。
【0027】
本明細書で使用されたように、要素のリストの前にあるとき、「少なくとも1つ」のような表現は、全体要素リストを修飾し、リストの個別要素を修飾しない。例えば、「a、b、及びcのうち、少なくとも1つ」という表現は、a、b、c、a及びb、a及びc、b及びc、またはa、b、及びcをいずれも含むものと理解されねばならない。
【0028】
要素または層が他の要素または層が「上方に」、「上に」、「連結されて」、または「結合されて」いると記載された場合、それは、他の要素または層にすぐ直接上に、上に、連結されて、または結合されているか、または介入された要素または層が存在することでもある。反対に、ある要素が他の要素または層に「直接的に上に」、「直上に」、「直接的に連結されて」、「直接的に結合されて」いると記載された場合、介入された要素または層は存在しない。
【0029】
以下、図面に基づいて本発明の実施例について詳細に説明する。
【0030】
図1は、一実施例に係わるエアロゾル生成物質を保有する交換可能なカートリッジと、それを備えたエアロゾル生成装置の結合関係を概略的に示す分離斜視図である。
【0031】
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置5は、エアロゾル生成物質を保有するカートリッジ20と、カートリッジ20を支持する本体10を含む。
【0032】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容した状態で本体10に結合することができる。カートリッジ20の一部が本体10の収容空間19に挿入されることでカートリッジ20が本体10に装着されうる。
【0033】
カートリッジ20は、例えば、液体状態や、固体状態や、気体状態や、ゲル(gel)状態のうち、いずれか1つの状態を有するエアロゾル生成物質を保有することができる。エアロゾル生成物質は、液状組成物を含んでもよい。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0034】
液状組成物は、例えば、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、及びビタミン混合物のうち、いずれか1つの成分や、これら成分の混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0035】
例えば、液状組成物は、ニコチン塩が添加された任意の重量比のグリセリン及びプロピレングリコール溶液を含んでもよい。液状組成物には、2種以上のニコチン塩が含まれうる。ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成されうる。ニコチンは、自然に発生するニコチンまたは合成ニコチンであって、液状組成物の総溶液重量に対する任意の適切な重量の濃度を有することができる。
【0036】
ニコチン塩の形成のための酸は、血中ニコチン吸収速度、エアロゾル生成装置5の作動温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択されうる。例えば、ニコチン塩の形成のための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸またはリンゴ酸で構成された群から選択される単独の酸または前記群から選択される2以上の酸の混合にもなるが、それらに限定されない。
【0037】
カートリッジ20は、本体10から伝達される電気信号または無線信号などによって作動することで、カートリッジ20の内部のエアロゾル生成物質の相(phase)を気相に変換してエアロゾルを発生させる機能を行う。エアロゾルは、エアロゾル生成物質から発生した蒸気化された粒子と空気が混合された状態の気体を意味する。
【0038】
例えば、カートリッジ20は、本体10から電気信号を供給されてエアロゾル生成物質を加熱するか、超音波振動方式を用いるか、誘導加熱方式を用いることでエアロゾル生成物質の相を変換することができる。他の例として、カートリッジ20が自体の電力源を含む場合には、本体10からカートリッジ20に伝達される電気的な制御信号や無線信号によってカートリッジ20が作動することでエアロゾルを発生させうる。
【0039】
カートリッジ20は、内部にエアロゾル生成物質を収容する液体保存部21と、液体保存部21のエアロゾル生成物質をエアロゾルに変換する機能を行う霧化器(atomizer)を含んでもよい。
【0040】
液体保存部21が内部に「エアロゾル生成物質を収容する」ということは、液体保存部21が容器(container)の用途のようにエアロゾル生成物質を単に入れる機能を行うことと、液体保存部21の内部に、例えば、スポンジ(sponge)や綿や布や多孔性セラミック構造体のようなエアロゾル生成物質を含浸(含有)する要素を含むことを意味する。
【0041】
霧化器は、例えば、エアロゾル生成物質を吸収し、エアロゾルに変換するための最適の状態に保持する液体伝達手段(wick;芯)と、液体伝達手段を加熱してエアロゾルを発生させるヒータを含んでもよい。
【0042】
液体伝達手段は、例えば、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックの少なくとも1つを含んでもよい。
【0043】
ヒータは、電気抵抗によって熱を発生させることで、液体伝達手段に伝達されるエアロゾル生成物質を加熱するために銅、ニッケル、タングステンなどの金属素材を含んでもよい。ヒータは、例えば、金属熱線(wire)、金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現され、ニクロム線のような素材を用いて伝導性フィラメントによって具現されるか、液体伝達手段に巻き取られるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0044】
また、霧化器は、別途の液体伝達手段を使用せず、エアロゾル生成物質を吸収し、エアロゾルに変換するための最適の状態に保持する機能とエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させる機能をいずれも行うメッシュ状(mesh shape)や板状(plate shape)の発熱体によっても具現される。
【0045】
カートリッジ20の内部に収容されたエアロゾル生成物質を外部から視認可能にカートリッジ20の液体保存部21は、少なくとも一部が透明な素材を含んでもよい。液体保存部21は、本体10に結合するとき、本体10の溝11に挿入されるように液体保存部21から突出する突出窓21aを含む。マウスピース22及び液体保存部21の全体が透明なプラスチックやガラスなどの素材によって作製され、液体保存部21の一部に該当する突出窓21aだけが透明な素材によっても作製される。
【0046】
本体10は、収容空間19の内側に配置された接続端子10tを含む。本体10の収容空間19にカートリッジ20の液体保存部21が挿入されれば、本体10は、接続端子10tを通じてカートリッジ20に電力を提供するか、カートリッジ20の作動に係わる信号をカートリッジ20に供給することができる。
【0047】
カートリッジ20の液体保存部21の一側端部には、マウスピース22が結合される。マウスピース22は、エアロゾル生成装置5のユーザの口腔に挿入される部分である。マウスピース22は、液体保存部21内部のエアロゾル生成物質から発生したエアロゾルを外部に排出する排出孔22aを含む。
【0048】
本体10には、スライダ7が本体10に対して移動自在に結合される。スライダ7は、本体10に対して移動することで、本体10に結合されたカートリッジ20のマウスピース22の少なくとも一部を覆うか、マウスピース22の少なくとも一部を外部に露出させる機能を行う。スライダ7は、カートリッジ20の突出窓21aの少なくとも一部を外部に露出させる長孔7aを含む。
【0049】
スライダ7は、内部が空いており、両側端部が開放された筒状を有する。スライダ7の構造は、図面に示されたように筒状に制限されるものではなく、本体10の縁部に結合された状態を保持しながら、本体10に対して移動自在なクリップ状の断面形状を有する折り曲げられた板構造や、湾曲された円弧状の断面形状を有する曲がった半円筒状などの構造を有することができる。
【0050】
スライダ7は、本体10とカートリッジ20に対するスライダ7の位置を保持するための磁性体を含む。磁性体は永久磁石や、鉄、ニッケル、コバルト、またはそれらの合金のような素材を含んでもよい。
【0051】
磁性体は、スライダ7の内部空間を介して互いに対向する1つの第1磁性体8aと、スライダ7の内部空間を介して互いに対向する1つの第2磁性体8bを含む。第1磁性体8aと第2磁性体8bは、スライダ7の移動方向、すなわち本体10が延びる方向である本体10の長手方向に沿って互いに離隔して配置される。
【0052】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bが移動する経路上に配置された固定磁性体9を含む。本体10の固定磁性体9も収容空間19を介して互いに対向するように2つが設けられうる。
【0053】
スライダ7の位置によって、固定磁性体9と第1磁性体8aまたは固定磁性体9と第2磁性体8bとの間で作用する磁力によってスライダ7は、マウスピース22の端部を覆うか、露出させる位置に安定して保持されうる。
【0054】
本体10は、スライダ7が本体10に対して移動する間、スライダ7の第1磁性体8aと第2磁性体8bの移動する経路上に配置される位置変化検知センサ3を含む。位置変化検知センサ3は、例えば、磁場の変化を検知して信号を発生させるホール効果(hall effect)を用いたホールセンサ(Hall IC)を含んでもよい。
【0055】
上述した実施例に係わるエアロゾル生成装置5において本体10とカートリッジ20とスライダ7は、長手方向を横切る方向における断面形状がほぼ長方形であるが、実施例は、このようなエアロゾル生成装置5の形状によって制限されない。エアロゾル生成装置5は、例えば、円形や楕円形や正方形や様々な形態の多角形の断面形状を有してもよい。また、エアロゾル生成装置5が長手方向に延びるとき、必ずしも直線的に延びる構造によって制限されるものではなく、ユーザが手で把持しやすく、例えば流線形に湾曲されるか、特定領域で既設定の角度に折り曲げられつつ長く延びる。
【0056】
図2は、
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な一作動状態を示す斜視図である。
【0057】
図2では、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジ20のマウスピース22の端部を覆う位置に移動した作動状態が図示された。スライダ7がマウスピース22の端部を覆う位置に移動した状態では、マウスピース22が外部の異物から安全に保護され、清潔な状態に保持されうる。
【0058】
ユーザは、スライダ7の長孔7aを通じてカートリッジ20の突出窓21aを視認することで、カートリッジ20が保有するエアロゾル生成物質の残量を確認することができる。ユーザは、エアロゾル生成装置5を使用するために、スライダ7を本体10の長手方向に移動させうる。
【0059】
図3は、
図1に示された実施例に係わるエアロゾル生成装置の例示的な他の作動状態を示す斜視図である。
【0060】
図3では、スライダ7が本体10と結合されたカートリッジ20のマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した作動状態が図示された。スライダ7がマウスピース22の端部を外部に露出させる位置に移動した状態で、ユーザが自分の口腔にマウスピース22を挿入してマウスピース22の排出孔22aを通じて排出されるエアロゾルを吸い込むことができる。
【0061】
図4は、エアロゾル生成装置の構成の一例を示すブロック図である。
図4のエアロゾル生成装置400は、
図1を参照して上述したエアロゾル生成装置5に対応する。
【0062】
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置400は、バッテリ410、ヒータ420、センサ430、ユーザインターフェース440、メモリ450及びプロセッサ460を含んでもよい。しかし、エアロゾル生成装置400の内部構造は、
図4に図示されたところに限定されない。エアロゾル生成装置400の設計によって、
図4に図示されたハードウェア構成のうち、一部が省略されるか、新たな構成がさらに追加されるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0063】
一実施例において、エアロゾル生成装置400は、本体10だけで構成され、その場合、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成は、本体10に位置する。他の実施例において、エアロゾル生成装置400は、本体10及びカートリッジ20で構成され、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成は、本体10及びカートリッジ20に分けられて位置することができる。または、エアロゾル生成装置400に含まれたハードウェア構成のうち、少なくとも一部は、本体10及びカートリッジ20それぞれに位置してもよい。
【0064】
以下、エアロゾル生成装置400に含まれた各構成が位置する空間を限定せず、各構成の動作について説明する。
【0065】
バッテリ410は、エアロゾル生成装置400の動作に用いられる電力を供給する。すなわち、バッテリ410は、ヒータ420が加熱されるように電力を供給することができる。また、バッテリ410は、エアロゾル生成装置400内に備えられた他のハードウェア構成、すなわち、センサ430、ユーザインターフェース440、メモリ450及びプロセッサ460の動作に必要な電力を供給することができる。バッテリ410は、充電可能なバッテリでも、使い捨てバッテリでもある。例えば、バッテリ410は、リチウムポリマー(LiPoly)バッテリでもあるが、それに制限されない。
【0066】
ヒータ420は、プロセッサ460の制御によってバッテリ410から電力を供給される。ヒータ420は、バッテリ410から電力を供給されてエアロゾル生成装置400に挿入されたシガレットを加熱するか、エアロゾル生成装置400に装着されたカートリッジ20を加熱することができる。
【0067】
ヒータ420は、エアロゾル生成装置400の本体10に位置することができる。または、エアロゾル生成装置400が本体10及びカートリッジ20で構成される場合、ヒータ420は、カートリッジ20に位置することができる。ヒータ420がカートリッジ20に位置する場合、ヒータ420は、本体10及びカートリッジ20のうち、少なくともいずれか1箇所に位置したバッテリ410から電力を供給されうる。
【0068】
ヒータ420は、任意の好適な電気抵抗性物質で形成されうる。例えば、好適な電気抵抗性物質は、チタン、ジルコニウム、タンタル、白金、ニッケル、コバルト、クロム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、錫、ガリウム、マンガン、鉄、銅、ステンレス鋼、ニクロムなどを含む金属または金属合金でもあるが、それらに制限されない。また、ヒータ420は、金属熱線(wire)、導電性トラック(track)が配置された金属熱板(plate)、セラミック発熱体などによって具現されるが、それらに制限されない。
【0069】
一実施例において、ヒータ420は、カートリッジ20に含まれた構成でもある。カートリッジ20は、ヒータ420、液体伝達手段及び液体保存部21を含んでもよい。液体保存部21に収容されたエアロゾル生成物質は、液体伝達手段に移動して、ヒータ420は、液体伝達手段に吸収されたエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。例えば、ヒータ420は、ニッケルクロムのような素材を含み、液体伝達手段に巻き取られるか、液体伝達手段に隣接して配置されうる。
【0070】
他の実施例において、ヒータ420は、エアロゾル生成装置400の収容空間に挿入されたシガレットを加熱することができる。エアロゾル生成装置400の収容空間にシガレットが収容されることによりヒータ420は、シガレットの内部及び/または外部に位置することができる。これにより、ヒータ420は、シガレット内のエアロゾル生成物質を加熱してエアロゾルを発生させうる。
【0071】
一方、ヒータ420は、誘導加熱式ヒータでもある。ヒータ420は、シガレットまたはカートリッジ20を誘導加熱方式で加熱するための導電性コイルを含み、シガレットまたはカートリッジ20には、誘導加熱式ヒータによって加熱されうるサセプタが含まれる。
【0072】
エアロゾル生成装置400は、少なくとも1つのセンサ430を含んでもよい。少なくとも1つのセンサ430でセンシングされた結果は、プロセッサ460に伝達され、センシング結果によってプロセッサ460は、ヒータの動作制御、喫煙の制限、シガレット(または、カートリッジ20)挿入有/無の判断、お知らせ表示のような多様な機能が行われるようにエアロゾル生成装置400を制御することができる。例えば、プロセッサ460は、パフ検知センサによるセンシング結果に基づいてエアロゾルの生成を制御することができる。
【0073】
例えば、少なくとも1つのセンサ430は、パフ検知センサを含んでもよい。パフ検知センサは、温度変化、流量(flow)変化、電圧変化及び圧力変化のうち、いずれか1つに基づいてユーザのパフを検知することができる。
【0074】
また、少なくとも1つのセンサ430は、温度検知センサを含んでもよい。温度検知センサは、ヒータ420(または、エアロゾル生成物質)が加熱される温度を検知することができる。エアロゾル生成装置400は、ヒータ420の温度を検知する別途の温度検知センサを含むか、別途の温度検知センサを含む代わりに、ヒータ420自体が温度検知センサの役割を行うことができる。または、ヒータ420が温度検知センサの役割を行うと共に、エアロゾル生成装置400に別途の温度検知センサがさらに含まれる。
【0075】
また、少なくとも1つのセンサ430は、位置変化検知センサを含んでもよい。位置変化検知センサは、本体10に対して移動自在に結合されたスライダの位置変化を検知することができる。
【0076】
ユーザインターフェース440は、ユーザにエアロゾル生成装置400の状態に係わる情報を提供することができる。ユーザインターフェース440は、視覚情報を出力するディスプレイまたはランプ、触覚情報を出力するモータ、音情報を出力するスピーカ、ユーザから入力された情報を受信するか、ユーザに情報を出力する入/出力(I/O)インターフェーシング手段(例えば、ボタンまたはタッチスクリーン)とデータ通信を行うか、充電電力を供給されるための端子、外部デバイスと無線通信(例えば、WI-FI, WI-FI Direct, Bluetooth, NFC(Near-Field Communication)など)を行うための通信インターフェーシングモジュールなどの多様なインターフェーシング手段を含んでもよい。
【0077】
但し、エアロゾル生成装置400には、上の例示された多様なユーザインターフェース440の例示のうち、一部のみ取捨選択して具現されうる。
【0078】
メモリ450は、エアロゾル生成装置400内で処理される各種データを保存するハードウェアであって、メモリ450は、プロセッサ460で処理されたデータ及び処理されるデータを保存することができる。メモリ450は、DRAM(dynamic random access memory), SRAM(static random access memory)のようなRAM(random access memory), ROM(read-only memory), EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)などの多様な種類によっても具現される。
【0079】
メモリ450には、エアロゾル生成装置400の動作時間、最大パフ回数、現在パフ回数、少なくとも1つの温度プロファイル、少なくとも1つの電力プロファイル及びユーザの喫煙パターンに係わるデータなどが保存されうる。
【0080】
プロセッサ460は、エアロゾル生成装置400の動作を全般的に制御する。プロセッサ460は、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。メモリ450は、プロセッサ460が機能を行うように構成された(configured)コンピュータコードを保存することができる。
【0081】
プロセッサ460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果を分析し、後続して行われる処理を制御する。
【0082】
プロセッサ460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ420の動作が開始または終了するように、ヒータ420に供給される電力を制御することができる。また、プロセッサ460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ヒータ420が所定の温度まで加熱されるか、適切な温度を保持するようにヒータ420に供給される電力の量及び電力が供給される時間を制御することができる。
【0083】
一実施例において、プロセッサ460は、エアロゾル生成装置400に対するユーザ入力を受信した後、ヒータ420の動作を開始するために、ヒータ420のモードを予熱モードに設定することができる。また、プロセッサ460は、パフ検知センサを用いてユーザのパフを検知した後、ヒータ420のモードを予熱モードから動作モードに切換えられる。また、プロセッサ460は、パフ検知センサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、ヒータ420への電力供給を中断することができる。
【0084】
プロセッサ460は、少なくとも1つのセンサ430によってセンシングされた結果に基づいて、ユーザインターフェース440を制御することができる。例えば、パフ検知センサを用いてパフ回数をカウントした後、パフ回数が既設定の回数に到逹すれば、プロセッサ460は、ランプ、モータ及びスピーカのうち、少なくともいずれか1つを用いてユーザにエアロゾル生成装置400が直ぐ終了することを通知する。
【0085】
一方、
図4には、図示されていないが、エアロゾル生成装置400は、別途のクレードルと共に、エアロゾル生成システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置400のバッテリ410を充電するのに用いられる。例えば、エアロゾル生成装置400は、クレードル内部の収容空間に収容された状態で、クレードルのバッテリから電力を供給されてエアロゾル生成装置400のバッテリ410を充電することができる。
【0086】
図5は、エアロゾル生成装置の構成の他の例を示すブロック図である。
【0087】
図5を参照すれば、エアロゾル生成装置400は、本体10及びカートリッジ20を含んでもよい。本体10は、少なくとも1つの接触素子510及びプロセッサ460を含んでもよい。カートリッジ20は、少なくとも1つの抵抗素子520及びハウジング530を含んでもよい。
図5の本体10、カートリッジ20及びプロセッサ460は、
図1ないし
図4の本体10、カートリッジ20及びプロセッサ460に対応する。
【0088】
図5に図示されたエアロゾル生成装置400には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図5に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置400にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0089】
カートリッジ20は、エアロゾル生成物質を保存し、本体10に収容されうる。カートリッジ20は、エアロゾル生成物質の収容空間を形成するハウジング530を含んでもよい。ハウジング530は、カートリッジ20の外観を形成する。エアロゾル生成物質は、ハウジング530内部に形成される収容空間に保存されうる。
【0090】
カートリッジ20は、カートリッジ20に保存されたエアロゾル生成物質の残量を推定するのに使用される少なくとも1つの抵抗素子520を含んでもよい。抵抗素子520は、ハウジング530の厚さ方向にハウジングを貫通する。例えば、抵抗素子520の一側面は、カートリッジ20に保存されたエアロゾル生成物質と接触され、一側面に対向する他の側面は、カートリッジ20を収容する本体10と接触されうる。
【0091】
抵抗素子520は、本体10と接触されることで、本体10と電気的に連結され、本体10から電流を印加されうる。抵抗素子520は、電流を印加されて温度が変化され、抵抗素子520の温度が変化されることにより、抵抗素子520の抵抗が変化されうる。抵抗素子520は、温度変化対比で抵抗変化量が大きい物質で構成されうる。物質の温度変化対比で抵抗変化量は、抵抗温度係数(TCR; temperature coefficient of resistance)によって示される。抵抗素子520は、例えば、TCRの大きい物質(鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、タングステン、錫など)で構成されうる。但し、抵抗素子520をなす物質は、上述した物質に制限されない。抵抗素子520の構成物質によって抵抗素子520が印加される電流に対する抵抗変化量は互い異なってもいる。
【0092】
本体10は、カートリッジ20が本体10に挿入された場合、抵抗素子520と電気的に連結される少なくとも1つの接触素子510を含んでもよい。接触素子510は、本体10から印加された電流を抵抗素子520に伝達するための構成であって、導体物質によって構成されうる。但し、接触素子510の温度が変化されれば、抵抗素子520に影響を与えるので、接触素子510をなす物質としては、印加される電流に対して温度変化量の小さい物質が採用されうる。
【0093】
また、接触素子510は、抵抗素子520の抵抗変化量に対応する信号をプロセッサ460に伝達するための構成でもある。抵抗素子520及び接触素子510の配置については、
図6を参照して具体的に後述する。
【0094】
プロセッサ460は、エアロゾル生成物質の残量を推定するために、接触素子510を通じて抵抗素子520に電流を印加することができる。プロセッサ460は、抵抗素子520に印加された電流による抵抗素子520の抵抗変化量に基づいて、カートリッジ20に保存されたエアロゾル生成物質の残量を推定することができる。例えば、プロセッサ460の制御によって電流を印加された抵抗素子520は、温度が変化されることにより抵抗が変化されうる。プロセッサ460は、抵抗素子520の温度変化による抵抗変化量に基づいてカートリッジ20に保存されたエアロゾル生成物質の残量を推定することができる。抵抗素子520の抵抗変化量に基づいてエアロゾル生成物質の残量を推定する具体的な方法については、
図7ないし
図9を参照して後述する。
【0095】
プロセッサ460は、抵抗素子520と接触されているエアロゾル生成物質からエアロゾルが生成されない温度範囲内で抵抗素子520の温度変化を制御することができる。プロセッサ460は、エアロゾル生成物質の残量を推定するための抵抗素子520の制御と、エアロゾルを生成するためのヒータ420の制御を独立して行うことができる。例えば、プロセッサ460は、ヒータ420に印加される電流より小さい強度の電流を抵抗素子520に印加することで、エアロゾル生成物質の気化点未満の温度に抵抗素子520の温度が変化されるように、抵抗素子520を制御し、ヒータ420には、抵抗素子520に印加される電流より大きい強度の電流を印加することで、エアロゾル生成物質の気化点以上の温度にヒータ420が加熱されるように、ヒータ420を制御することができる。
【0096】
エアロゾル生成装置400は、抵抗素子520の抵抗変化量を測定するために、接触素子510に連結されたフィードバック線をさらに含んでもよい。プロセッサ460は、フィードバック線を通じて抵抗素子520の抵抗変化量に対応する信号を伝達されうる。例えば、プロセッサ460は、フィードバック線を通じて抵抗素子520から信号を伝達されて抵抗素子520に流れる電流の大きさ、または抵抗素子520に印加された電圧の大きさなどを測定することができる。プロセッサ460は、抵抗素子520の抵抗変化量に対応する信号に対する変換または演算などを通じて、抵抗素子520の抵抗変化量を測定することができる。
【0097】
一実施例において、プロセッサ460は、抵抗素子520の抵抗変化量を測定するためにPWM制御を行うことができる。プロセッサ460は、PWM制御による電流を抵抗素子520に印加することができる。プロセッサ460は、PWM制御による電流を印加された抵抗素子520の抵抗変化量に対応する信号をフィードバック線を通じて伝達されうる。抵抗素子520の抵抗変化量に対応する信号は、アナログ信号に該当し、アナログ信号を解釈するためには、デジタル信号への変換が要求される。したがって、プロセッサ460は、伝達されたアナログ信号をADCを通じてデジタル信号に変換し、変換されたデジタル信号に基づいて抵抗素子520の抵抗変化量を測定することができる。
【0098】
他の実施例において、プロセッサ460は、抵抗素子520に定電流を印加し、抵抗素子520に定電流を伝達する線とフィードバック線との電圧を測定することができる。プロセッサ460は、電流の大きさ及び定電流の印加による抵抗素子520の電圧の大きさを知り得るので、オームの法則(Ohm’s law)に基づいた演算を通じて抵抗素子520の抵抗変化量を測定することができる。
【0099】
さらに他の実施例において、プロセッサ460は、抵抗素子520に定電圧を印加し、フィードバック線を通じて抵抗素子520に流れる電流を伝達されて電流の大きさを測定することができる。プロセッサ460は、電圧の大きさ及び定電圧が印加されることにより、抵抗素子520に流れる電流の大きさを知り得るので、オームの法則に基づいた演算を通じて抵抗素子520の抵抗変化量を測定することができる。
【0100】
図6は、抵抗素子及び接触素子の配置の一例を示す図面である。
【0101】
抵抗素子520は、ハウジング530の厚さ方向にハウジングを貫通するように配置されうる。具体的に、抵抗素子520は、ハウジング530の外側面及び内側面を貫通するように配置されうる。抵抗素子520がハウジング530の厚さ方向を貫通することで、抵抗素子520の一側面は、カートリッジ20に保存されたエアロゾル生成物質と接触されうる。また、エアロゾル生成物質と接触される一側面に対向する他の側面は、カートリッジ20を収容する本体10と接触されうる。
【0102】
接触素子510は、本体10の収容空間の側面に位置して本体10に収容されたカートリッジ20に含まれた抵抗素子520と接触されうる。接触素子510は、抵抗素子520と接触されるようにカートリッジ20での抵抗素子520の位置に対応する本体10の収容空間での位置に配置されうる。本体10は、抵抗素子520の個数に対応する個数の接触素子510を含んでもよい。それぞれの接触素子510がそれぞれの抵抗素子520と接触されて電気的に連結され、1つの接触素子510が複数の抵抗素子520と接触されて電気的に連結されうる。
【0103】
図6に図示された抵抗素子520及び接触素子510の配置は、例示に過ぎず、その配置は、それに限定されない。抵抗素子520及び接触素子510の個数及び位置は、多様に設定されうる。
【0104】
図7Aないし
図7Cは、1つの抵抗素子を備えたカートリッジの例示を示す図面である。
【0105】
図7Aないし
図7Cは、それぞれ互い異なる量のエアロゾル生成物質が保存されたカートリッジ20を示す。
図7Aは、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されていない場合、
図7Bは、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触された場合、
図7Cは、抵抗素子520に
図7Bよりも多量のエアロゾル生成物質が接触された場合を示す。
【0106】
一実施例において、プロセッサ460(
図5参照)は、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されたか否かを決定し、これにより、エアロゾル生成物質の残量を推定することができる。プロセッサ460は、第1しきい値と抵抗変化量とを比較することで、エアロゾル生成物質の接触如何を決定することができる。第1しきい値は、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されたか否かを判断するための抵抗変化量のしきい値に該当し、
図8Aないし
図8Cを参照して後述する第2しきい値は、エアロゾル生成物質の水位を決定するためのしきい値に該当する。
【0107】
第1しきい値は、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触された場合に測定された抵抗変化量と、エアロゾル生成物質が接触されない場合に測定された抵抗変化量との間の値に設定されうる。第1しきい値は、例えば、抵抗素子520の固有抵抗、抵抗素子520の抵抗温度係数、抵抗素子520の素材、抵抗素子520に印加される電流の大きさ及びカートリッジ20の容量などを考慮して設定されうる。
【0108】
プロセッサ460は、抵抗素子520の抵抗変化量が第1しきい値未満である場合、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されたと決定することができる。また、プロセッサ460は、抵抗素子520の抵抗変化量が第1しきい値以上である場合、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されていないと決定することができる。
【0109】
抵抗素子520は、カートリッジ20に保存されたエアロゾル生成物質と接触されるように配置されるので、同じ大きさの電流が印加されても、エアロゾル生成物質の接触如何によって互いに異なる温度変化量を有することができる。
図7Aのように抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されない場合、抵抗素子520に電流が印加されれば、抵抗素子520だけが加熱される。これに対して、
図7B及び
図7Cのように抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触された場合には、抵抗素子520に電流が印加されて抵抗素子520が加熱されれば、エアロゾル生成物質にも影響が及び、エアロゾル生成物質も共に加熱されうる。抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触された場合が、そうではない場合に比べて加熱される対象の質量が大きく、熱容量(heat capacity)は、加熱される対象の質量が大きくなるほど増加する。したがって、抵抗素子520に一定電流が印加されるとき、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されない場合よりも、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触された場合に抵抗素子520の温度変化が小さい。
【0110】
図7Aの場合、抵抗素子520に電流が印加されれば、抵抗素子520だけが加熱されるので、抵抗素子520の温度変化及びこれによる抵抗変化量が
図7B及び
図7Cの場合よりも大きい。
図7Aの場合、抵抗素子520の抵抗変化量が第1しきい値以上と測定され、これにより、プロセッサ460は、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されていないと決定する。その場合、プロセッサ460は、エアロゾル生成物質の水位がカートリッジ20に配置された抵抗素子520の高さ未満であると決定することができる。プロセッサ460は、
図7Aのようにエアロゾル生成物質の水位が抵抗素子520の高さ未満であると決定された場合、エアロゾル生成物質の残量が足りないと判断し、残量不足を知らせる信号を出力することができる。
【0111】
図7B及び
図7Cの場合、抵抗素子520に電流が印加されれば、抵抗素子520のみならず、エアロゾル生成物質も加熱されるので、抵抗素子520の温度変化及びこれによる抵抗変化量が
図7Aの場合よりも小さい。
図7B及び
図7Cの場合、抵抗素子520の抵抗変化量が第1しきい値未満と測定され、これにより、プロセッサ460は、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されたと決定する。プロセッサ460は、エアロゾル生成物質の水位がカートリッジ20に配置された抵抗素子520の高さ以上であると決定することができる。
【0112】
他の実施例において、プロセッサ460は、抵抗素子520の抵抗変化量が小さいほど抵抗素子520に接触されたエアロゾル生成物質の量が多いと推定する。また、プロセッサ460は、抵抗素子520の抵抗変化量が大きいほど抵抗素子520に接触されたエアロゾル生成物質の量が少ないと推定する。プロセッサ460は、抵抗素子520に接触されたエアロゾル生成物質の量によってエアロゾル生成物質の残量を推定することができる。
【0113】
図7B及び
図7Cを参照すれば、いずれも抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されているが、接触されたエアロゾル生成物質の量が互い異なる。加熱される対象の質量が大きくなるほど熱容量が増加するので、抵抗素子520に一定電流が印加されるとき、抵抗素子520に接触されたエアロゾル生成物質の量が多いほど抵抗素子520の温度変化が小さく、温度変化による抵抗変化量も小さい。
【0114】
図7Cの場合、
図7Bの場合よりも抵抗素子520に接触されたエアロゾル生成物質の量が多いので、一定に印加される電流による抵抗素子520の抵抗変化量がさらに小さい。プロセッサ460は、抵抗変化量が小さいほど抵抗素子520に接触されたエアロゾル生成物質の量が多いと推定することで、エアロゾル生成物質の残量を推定することができる。逆に、プロセッサ460は、抵抗変化量が大きいほど抵抗素子520に接触されたエアロゾル生成物質の量が少ないと推定するが、その値が第1しきい値以上である場合には、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されていないと決定することができる。
【0115】
図8Aないし
図8Cは、複数の抵抗素子を備えたカートリッジの例を示す図面である。
【0116】
図8Aないし
図8Cは、それぞれ互い異なる量のエアロゾル生成物質が保存されたカートリッジ20を示す。
図8Aは、全ての抵抗素子520a、520b、520c、520dにエアロゾル生成物質が接触されない場合、
図8Bは、2個の抵抗素子520b、520dにのみエアロゾル生成物質が接触された場合、
図8Cは、全ての抵抗素子520a、520b、520c、520dにエアロゾル生成物質が接触された場合を示す。
【0117】
図8Aないし
図8Cによる例示において、プロセッサ460は、1つの方式でエアロゾル生成物質の残量を推定することができる。第一に、
図7Aないし
図7Cを参照して前述したように、プロセッサ460は、抵抗素子520の抵抗変化量と第1しきい値を比較することで、エアロゾル生成物質の接触如何を決定することができる。
【0118】
図8Aの場合、全ての抵抗素子520a、520b、520c、520dの抵抗変化量が第1しきい値以上と測定され、これにより、プロセッサ460は、全ての抵抗素子520a、520b、520c、520dにエアロゾル生成物質が接触されていないと決定する。その場合、プロセッサ460は、エアロゾル生成物質の水位が下端の抵抗素子520b、520dの高さ未満であると決定する。
【0119】
図8Bの場合、下端の抵抗素子520b、520dの抵抗変化量は、第1しきい値未満と測定され、上端の抵抗素子520a、520cの抵抗変化量は、第1しきい値以上と測定される。これにより、プロセッサ460は、下端の抵抗素子520b、520dのみにエアロゾル生成物質が接触されたと決定し、エアロゾル生成物質の水位が下端の抵抗素子520b、520dと上端の抵抗素子520a、520cの高さの間にあると決定することができる。
【0120】
図8Cの場合、全ての抵抗素子520a、520b、520c、520dの抵抗変化量は、第1しきい値未満と測定され、これにより、プロセッサ460は、全ての抵抗素子520a、520b、520c、520dにエアロゾル生成物質が接触されたと決定する。その場合、プロセッサ460は、エアロゾル生成物質の水位が上端の抵抗素子520a、520cの高さ以上であると決定することができる。
【0121】
エアロゾル生成物質の残量を推定する二番目の方式として、プロセッサ460は、抵抗素子(例えば、520a、520b、520c及び520d)それぞれの抵抗変化量を個別的に測定し、個別的に測定された抵抗変化量間の差に基づいて、エアロゾル生成物質の残量を推定することができる。プロセッサ460は、抵抗素子それぞれから個別的に信号を印加されることで、抵抗変化量を個別的に測定することができる。プロセッサ460は、抵抗変化量を個別的に測定することで、エアロゾル生成物質の残量をさらに精密に推定することができる。
【0122】
図8Bを参照すれば、エアロゾル生成物質が接触された抵抗素子520bの抵抗変化量は小さく、エアロゾル生成物質が接触されていない抵抗素子520aの抵抗変化量は大きいので、エアロゾル生成物質が接触された抵抗素子520bとそうではない抵抗素子520aとの抵抗変化量の差は、2つの抵抗素子520a、520bがいずれもエアロゾル生成物質に接触されるか、いずれも接触されない場合に比べて、大きく測定される。よって、プロセッサ460は、抵抗変化量の差に基づいて、2つの抵抗素子520a、520bのうち1つの抵抗素子520bのみがエアロゾル生成物質に接触されたか、または2つの抵抗素子520a、520bがいずれも接触されたか、接触されていないかを判断する。
【0123】
プロセッサ460は、第2しきい値といずれの2つの抵抗素子520a、520bの抵抗変化量の差を比較することで、カートリッジ20内のエアロゾル生成物質の水位を決定することができる。第2しきい値は、エアロゾル生成物質の水位がいずれの2つの抵抗素子520a、520bの間にあるかを判断するための抵抗変化量の差に係わるしきい値に該当する。第2しきい値は、エアロゾル生成物質の水位がいずれの2つの抵抗素子520a、520bの間にある場合、測定された2つの抵抗素子520a、520bの抵抗変化量の差未満である値に設定されうる。第2しきい値は、例えば、抵抗素子520の固有抵抗、抵抗素子520の抵抗温度係数、抵抗素子520の素材、抵抗素子520に印加される電流の大きさ及びカートリッジ20の容量などを考慮して設定されうる。
【0124】
プロセッサ460は、いずれの2つの抵抗素子520a、520bの抵抗変化量の差が第2しきい値以上である場合、エアロゾル生成物質の水位が2つの抵抗素子520a、520bの間にあると決定する。
図8A及び
図8Cの場合、抵抗素子520a、520b、520c、520dの抵抗変化量の差が第2しきい値未満と測定されるので、プロセッサ460は、エアロゾル生成物質の水位が抵抗素子520a、520b、520c、520dよりも低く、または高くあると決定することができる。
【0125】
一方、
図8Bの場合、上端の抵抗素子520a、520cと下端の抵抗素子520b、520dとの抵抗変化量の差が第2しきい値以上と測定される。これにより、プロセッサ460は、エアロゾル生成物質の水位が上端の抵抗素子520a、520cと下端の抵抗素子520b、520dとの間にあると決定することができる。
【0126】
図9A及び
図9Bは、複数の抵抗素子を備えたカートリッジが傾いている例示を示す図面である。
【0127】
図9A及び
図9Bは、それぞれ互い異なる量のエアロゾル生成物質が保存されたカートリッジ20を示す。
【0128】
図9Aは、右側下端の抵抗素子520dだけがエアロゾル生成物質に接触された場合であり、
図9Bは、左側上端の抵抗素子520aだけがエアロゾル生成物質に接触されていない場合を示す。
【0129】
図9A及び
図9Bのように右側の抵抗素子520c、520dと左側の抵抗素子520a、520bとが互いに対称に配置された場合、両側の互いに対称になる抵抗素子520aと520c、または520bと520dの抵抗変化量が互いに異なるならば、プロセッサ460は、カートリッジ20が傾いていると判断し、カートリッジ20が傾いている状態でのエアロゾル生成物質の水位を決定することができる。プロセッサは、エアロゾル生成物質の水位に基づいて、エアロゾル生成物質の残量を推定することができる。
【0130】
図7Aないし
図7Cを参照して前述したように、プロセッサ460は、第1しきい値と抵抗素子520の抵抗変化量を比較することで、エアロゾル生成物質の接触如何を決定することができる。
【0131】
図9Aの場合、右側下端の抵抗素子520dの抵抗変化量のみ第1しきい値未満と測定され、プロセッサ460は、右側下端の抵抗素子520dのみがエアロゾル生成物質に接触されていると決定する。これにより、プロセッサ460は、カートリッジ20が右側に傾いていると判断し、エアロゾル生成物質の水位が右側下端の抵抗素子520dと右側上端の抵抗素子520cとの間、及び左側の抵抗素子520a、520bよりも低い位置にあると決定することができる。
【0132】
図9Bの場合、左側上端の抵抗素子520aの抵抗変化量のみが第1しきい値以上と測定され、プロセッサ460は、左側上端の抵抗素子520aのみにエアロゾル生成物質が接触されていないと決定する。これにより、プロセッサ460は、カートリッジ20が右側に傾いていると判断し、エアロゾル生成物質の水位が左側上端の抵抗素子520aと左側下端の抵抗素子520bとの間、及び右側の抵抗素子520c、520dよりも高い位置にあると決定することができる。
【0133】
図8Aないし
図8Cを参照して前述したように、プロセッサ460は、第2しきい値と抵抗素子520a、520b、520c、520dの抵抗変化量の差を比較することで、カートリッジ20内のエアロゾル生成物質の水位を決定することができる。
【0134】
図9Aの場合、右側下端の抵抗素子520dと残り抵抗素子520a、520b、520cとの抵抗変化量との差は、第2しきい値以上と測定され、残りの抵抗素子520a、520b、520c間の抵抗変化量の差は、第2しきい値未満であると測定される。これにより、プロセッサ460は、カートリッジ20が右側に傾いており、エアロゾル生成物質の水位が右側下端の抵抗素子520dと残り抵抗素子520a、520b、520cとの間にあると決定する。
【0135】
図9Bの場合、左側上端の抵抗素子520aと残り抵抗素子520b、520c、520dとの抵抗変化量の差は、第2しきい値以上と測定され、残り抵抗素子520b、520c、520d間の抵抗変化量の差は、第2しきい値未満と測定される。これにより、プロセッサ460は、カートリッジ20が右側に傾いており、エアロゾル生成物質の水位が左側上端の抵抗素子520aと残りの抵抗素子520b、520c、520d間にあると決定する。
【0136】
図10は、複数の抵抗素子を備えたカートリッジの他の例を示す図面である。
【0137】
図10を参照すれば、
図6ないし
図9に図示されたカートリッジ20と異なり、抵抗素子520がカートリッジ20の正面及び後面にそれぞれ6個ずつ配置されている。
図10に図示されたように、抵抗素子520の位置及び個数は、多様に設定され、例えば、カートリッジ20の底面にも配置されうる。抵抗素子の配置は、
図6ないし
図10による例示に限定されず、これにより多様な変形及び均等な他の実施例が可能である。
【0138】
図11は、
図5によるエアロゾル生成装置の動作方法の一例を示すフローチャートである。
【0139】
図11を参照すれば、エアロゾル生成装置400の動作方法の一例は、
図5に図示されたエアロゾル生成装置400で時系列的に処理される段階で構成される。したがって、以下で省略された内容であっても、
図1ないし
図10を参照して前述したエアロゾル生成装置400に係わる内容は、
図11のエアロゾル生成装置400の動作方法にも適用されることが分かる。
【0140】
段階1110において、エアロゾル生成装置400は、エアロゾル生成物質の収容空間を形成するハウジング530の厚さ方向にハウジング530を貫通する少なくとも1つの抵抗素子520に電流を印加することができる。
【0141】
抵抗素子520は、一側面がカートリッジ20に保存されたエアロゾル生成物質と接触され、一側面に対向する他の側面がカートリッジ20が収容される本体10と接触されうる。
【0142】
一実施例において、エアロゾル生成装置400は、エアロゾル生成物質の気化点未満の温度に抵抗素子520の温度が変化されるように電流を抵抗素子520に印加することができる。
【0143】
段階1120において、エアロゾル生成装置400は、印加された電流による少なくとも1つの抵抗素子520の温度変化に対応する抵抗変化量を測定することができる。
【0144】
一実施例において、エアロゾル生成装置400は、少なくとも1つの抵抗素子520それぞれから発生する抵抗変化量を個別的に測定することができる。
【0145】
他の実施例において、エアロゾル生成装置400は、PWM制御による電流を抵抗素子520に印加し、抵抗変化量に対応する信号をADCを通じてデジタル信号に変換し、デジタル信号に基づいて抵抗変化量を測定することができる。
【0146】
段階1130において、エアロゾル生成装置400は、抵抗変化量に基づいて収容空間内部に保存されたエアロゾル生成物質の残量を推定することができる。
【0147】
一実施例において、エアロゾル生成装置400は、抵抗変化量が第1しきい値未満である場合、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されたと決定し、抵抗変化量が第1しきい値以上である場合、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されていないと決定し、エアロゾル生成物質が接触されたか否かによってエアロゾル生成物質の残量を推定することができる。
【0148】
他の実施例において、エアロゾル生成装置400は、抵抗変化量が小さいほど抵抗素子520に接触されたエアロゾル生成物質の量が多いと推定し、抵抗変化量が大きいほど抵抗素子520に接触されたエアロゾル生成物質の量が少ないと推定することができる。
【0149】
さらに他の実施例において、エアロゾル生成装置400は、個別的に測定された抵抗変化量間の差に基づいて残量を推定する。例えば、エアロゾル生成装置400は、いずれか1つの抵抗素子520の抵抗変化量の差が第2しきい値以上である場合、カートリッジ20内のエアロゾル生成物質の水位が2つの抵抗素子520間にあると決定することができる。
【0150】
図12は、カートリッジの構成の一例を示すブロック図である。
【0151】
図12を参照すれば、カートリッジ20は、液体保存部21、液体伝達手段1210、ヒータ420及び抵抗素子520を含んでもよい。
図12の液体保存部21、液体伝達手段1210、ヒータ420及び抵抗素子520は、
図1ないし
図4のカートリッジ20、液体保存部21、液体伝達手段、ヒータ420、及び
図5の抵抗素子520に対応する。
【0152】
図12に図示されたカートリッジ20には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図12に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がカートリッジ20にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0153】
液体保存部21は、エアロゾル生成物質の収容空間を形成するハウジング530(
図5参照)を含んでもよい。エアロゾル生成物質は、ハウジング530内部に形成される収容空間に保存されうる。液体伝達手段1210は、液体保存部21からエアロゾル生成物質を伝達されうる。ヒータ420は、エアロゾル生成物質の気化点以上の温度で液体伝達手段1210に伝達されたエアロゾル生成物質を加熱することで、エアロゾルを発生させうる。
【0154】
抵抗素子520は、ハウジング530の厚さ方向にハウジングを貫通することができる。例えば、抵抗素子520は、一側面が液体保存部21に保存されたエアロゾル生成物質と接触され、一側面に対向する他の側面がカートリッジ20が収容される本体10(
図5参照)と接触されうる。抵抗素子520は、本体10から印加された電流によってエアロゾル生成物質の気化点未満の温度に温度が変化されうる。
【0155】
液体保存部21に保存されたエアロゾル生成物質の残量は、本体10から抵抗素子520に印加された電流による抵抗素子520の抵抗変化量に基づいて推定されうる。一実施例において、抵抗素子520の抵抗変化量が第1しきい値未満である場合、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されたと決定され、抵抗素子520の抵抗変化量が第1しきい値以上である場合、抵抗素子520にエアロゾル生成物質が接触されていないと決定される。エアロゾル生成物質が接触されたか否かによって、エアロゾル生成物質の残量が推定されうる。抵抗変化量に対する第1しきい値は、抵抗素子520の固有抵抗、抵抗素子520の抵抗温度係数、抵抗素子520の素材、抵抗素子520に印加される電流の大きさ及びカートリッジ20の容量などを考慮して設定されうる。
【0156】
上述した実施例に係わる説明は、例示に過ぎず、当該技術分野で通常の知識を有する者であれば、それにより多様な変形及び均等な他の実施例が可能であるという点を理解できるであろう。