(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】呼吸療法における調整可能な呼気リリーフ
(51)【国際特許分類】
A61M 16/00 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
A61M16/00 315
A61M16/00 345
(21)【出願番号】P 2021549363
(86)(22)【出願日】2020-02-21
(86)【国際出願番号】 NZ2020050014
(87)【国際公開番号】W WO2020171720
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2023-02-17
(32)【優先日】2019-02-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513259285
【氏名又は名称】フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100217940
【氏名又は名称】三並 大悟
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル、ウィリアム、バージェス
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/200394(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0202853(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に呼吸療法を提供する呼吸システムであって、前記患者に送達されるガスの流量を患者吸気及び呼気に従って調整するように構成され、
ガス流を発生させるモータを備えた流れ発生器と、
1つ又は複数のセンサと電気通信し、
前記呼吸システムのユーザインタフェースに、呼気リリーフレベル設定が表示されるようにすることであって、前記設定が複数の異なる呼気リリーフレベルを含む、表示されるようにすることと、
前記ユーザインタフェースを介して、呼気リリーフレベルを増大及び/又は低減させるユーザ入力を受け取ることと、
前記ユーザ入力に基づいて前記流量を調整することであって、前記ユーザ入力が、前記患者吸気及び呼気のサイクルに一部基づく前記流量の調整を可能にするように構成され
、前記調整は、前記患者が息を吸っているときの前記流量の増大、または前記患者が息を吐いているときの前記流量の低減を含む、調整することと、
を行うように構成されたコントローラと、
を備
え、
前記コントローラが、前記1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量を最大流量閾値及び/又は最小流量閾値と比較することにより、前記ユーザ入力に基づく前記調整を軽減するようにさらに構成されている、システム。
【請求項2】
前記ユーザ入力が、前記呼気リリーフをオン及び/又はオフにし、且つ/又は前記呼気リリーフの大きさを調整することにより、前記患者吸気及び呼気のサイクルに一部基づく前記流量の調整を可能にするように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数の異なる呼気リリーフレベルが、少なくとも低い呼気リリーフレベル及び高い呼気リリーフレベルを含む複数のカテゴリを含み、および/または
前記複数の異なる呼気リリーフレベルが数字の範囲を含み、および/または
前記複数の異なる呼気リリーフレベルがスライディングスケールを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ユーザ入力が、前記ユーザインタフェースのボタンを介して受け取られる、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
ハイフロー呼吸システムである、請求項1~
4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
非密閉患者インタフェースを備える、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
前記非密閉患者インタフェースが非密閉鼻カニューレを含む、請求項
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記呼気リリーフレベルが、前記流量の調整に対する負のフィードバックに影響を与える、請求項1~
7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記コントローラが、前記ユーザインタフェースに、最大流量閾値設定及び/又は最小流量閾値設定が表示され、前記最大流量閾値及び/又は最小流量閾値を増大及び/又は低減させる第2ユーザ入力を受け取るように、さらに構成されている、請求項
1~
8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記コントローラが、前記患者吸気及び呼気のサイクル中に前記1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量に一部基づいて決定されたパラメータにより、前記調整が軽減されるように、さらに構成されている、請求項1~
9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記流量が、モータ制御信号を出力することによって調整される、請求項1~1
0のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記調整が、前記患者が息を吸っているときの前記流量の増大を含み、および/または前記患者が息を吐いているときの前記流量の低減を含む、請求項1~1
1のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記患者吸気及び呼気の前記サイクルが、前記コントローラによって受信される第1入力及び第2入力に基づいて決定され、前記第1入力及び前記第2入力が、前記システムのガス流の特徴又は構成要素の性能に関連する、請求項1~1
2のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1入力が、前記1つ又は複数のセンサからの前記流量に対応し、および/または、前記第2入力が、前記1つ又は複数のセンサからのガス流の圧力、若しくは前記流れ発生器の前記モータの速度に対応する、請求項1
3に記載のシステム。
【請求項15】
前記調整が反復的に実施される、請求項1~1
4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つ又は複数のセンサが、超音波トランスデューサアセンブリまたは加熱温度検知素子を含む、請求項1~1
5のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フロー療法装置を使用して患者にガスを送達するフロー療法のための方法及びシステムに関する。本出願は、2019年2月22日に出願された米国仮特許出願第62/809099号明細書の優先権を主張し、その出願の内容全体が、参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
呼吸補助装置は、ユーザ又は患者にガスの流れを送達するために、病院、医療施設、在宅ケア又は家庭環境等のさまざまな環境で使用されている。呼吸補助装置、又はフロー療法装置は、加熱及び加湿ガスを送達する加湿装置を含む場合がある。その装置は、任意選択的に、ガスの流れとともに酸素を送達するために使用される弁を含む場合がある。フロー療法装置により、流量、温度、ガス濃度、湿度、圧力等を含むガス流の特徴に対する調整及び制御を可能にすることができる。ガスのこれらの特性を測定するために、加熱温度検知素子及び/又はサーミスタ等のセンサが使用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
フロー療法装置における呼吸ガスの流量は、患者の検出される呼吸サイクルに基づいて調整することができる。ガスの流量は、呼気中に送達される流量が吸気中に送達される流量よりも低いように調整することができる。この調整により、患者の快適さを向上させることができる。本システムは、流量を、患者の検出される呼吸サイクルと同期させることができる。流量変動の振幅は、ユーザによって選択される値に部分的に基づくことができる。流量は、正のフィードバックシステムを使用してモータ速度を制御することによって調整することができる。流量に対する調整は、コントローラが、流量が(変動する可能性のある)最小閾値及び/又は最大閾値を超えないようにすることにより、制限することができる。この調整は、モータ速度、すなわち正のフィードバックに対して行うことができ、それにより、流量に対する調整をもたらすことができる。
【0004】
患者が息を吐いているとき、閾値又は限界により、装置が、常に患者に対して少なくとも最小流量を維持しながら、呼気流量軽減も提供することを確実にすることができる。閾値の維持により、流量が、呼吸療法に対して、特にハイフロー療法に対して、臨床的に関連する若しくは有効な値及び/又は安全限界から外れないことを確実にすることができる。臨床医及び/又は患者等、装置のユーザもまた、流量の変動の値を調整することができる。ユーザ調整により、ユーザは、患者が最も快適であると感じる流量軽減の値を選択することができる。
【0005】
一構成では、患者に呼吸療法を提供する呼吸システムであって、患者に送達されるガスの流量を患者吸気及び呼気に従って調整するように構成されたシステムは、上記ガスの流量を発生させるように構成された流れ発生器と、1つ又は複数のセンサと電気通信し、1つ又は複数のセンサから受信される情報に基づいて患者吸気及び呼気のサイクルを決定することと、患者吸気及び呼気のサイクルに一部基づき、ガスの流量を調整することであって、調整は、患者吸気及び呼気のサイクル中に1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量に一部基づいて決定されたパラメータにより、軽減することができる、調整することとを行うように構成されたコントローラとを備えることができる。
【0006】
一構成では、流れ発生器はモータを備えることができる。
【0007】
一構成では、流量は、モータ制御信号を出力することによって調整することができる。
【0008】
一構成では、モータはブラシレスDCモータを含むことができる。
【0009】
一構成では、患者吸気及び呼気のサイクルは、コントローラによって受信される第1入力及び第2入力に基づいて決定することができ、第1入力及び第2入力は、システムのガス流の特徴又は構成要素の性能に関連する。
【0010】
一構成では、第1入力は、1つ又は複数のセンサからの流量に対応することができる。
【0011】
一構成では、第2入力は、1つ又は複数のセンサからのガス流の圧力に対応することができる。一構成では、第2入力は、モータの速度に対応することができる。
【0012】
一構成では、モータの速度は、少なくとも一部、1つ又は複数のモータパラメータに基づいて決定することができる。
【0013】
一構成では、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量は、患者吸気及び呼気に対する制約のない応答であり得る。
【0014】
一構成では、調整は、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量を最大閾値及び/又は最小閾値と比較することにより、さらに軽減することができる。
【0015】
一構成では、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量は、負のフィードバック項によって漸進的に制約することができる。
【0016】
一構成では、パラメータは、測定される最大流量及び/又は最小流量が最大閾値及び/又は最小閾値を超えなくなるまで、測定される最大流量及び/又は最小流量に応答して漸進的に増大することができる、負のフィードバック項を含むことができる。
【0017】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、ユーザによって設定することができる。
【0018】
一構成では、システムは、最大閾値及び/又は最小閾値を調整するユーザ入力を受け取るように構成されたユーザインタフェースを備えることができる。
【0019】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、呼吸療法の臨床的に関連する限界であり得る。
【0020】
一構成では、最小閾値は、0~5lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、10lpmの間であり得る。一構成では、最小閾値は、10~15lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、15~20lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、20~25lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、25~30lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、30~35lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、35~40lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、40~45lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、45~50lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、50~55lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、55~60lpmであり得る。
【0021】
一構成では、最大閾値は、20~25lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、25~30lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、30~35lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、35~40lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、40~45lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、45~50lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、50~55lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、55~60lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、60~65lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、65~70lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、70~75lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、75~80lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、80~85lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、85~90lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、90~95lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、95~100lpmであり得る。
【0022】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、呼吸療法の安全限界であり得る。
【0023】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量によって決まり得る。
【0024】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量よりも所定の割合又は値だけ上回る流量及び下回る流量であり得る。
【0025】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量と選択された呼吸同期設定とによって決まり得る。
【0026】
一構成では、システムは、呼吸同期設定を調整するユーザ入力を受け取るように構成されたユーザインタフェースを備えることができる。
【0027】
一構成では、呼吸同期設定は数字の範囲を含むことができる。一構成では、呼吸同期設定は、少なくとも低い設定及び高い設定を含む複数のカテゴリを含むことができる。
【0028】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量よりも所定の割合又は値とだけ上回る流量及び下回る流量とすることができ、割合又は値は選択された呼吸同期設定に基づいて変化する。
【0029】
一構成では、調整は反復的に実施することができる。
【0030】
一構成では、調整は、患者が息を吸っているときの流量の増大を含むことができる。
【0031】
一構成では、調整は、患者が息を吐いているときの流量の低減を含むことができる。
【0032】
一構成では、1つ又は複数のセンサは、超音波トランスデューサアセンブリを含むことができる。
【0033】
一構成では、1つ又は複数のセンサは、加熱温度検知素子を含むことができる。
【0034】
一構成では、システムは、ハイフロー呼吸システムであり得る。
【0035】
一構成では、システムは、非密閉患者インタフェースを備えることができる。
【0036】
一構成では、非密閉患者インタフェースは非密閉鼻カニューレを含むことができる。
【0037】
一構成では、患者に呼吸療法を提供する呼吸システムであって、患者に送達されるガスの流量を患者吸気及び呼気に従って調整するように構成されたシステムは、上記ガスの流量を発生させるように構成された流れ発生器と、1つ又は複数のセンサと電気通信し、1つ又は複数のセンサから受信される情報に基づいて患者吸気及び呼気のサイクルを決定することと、患者吸気及び呼気のサイクルに一部基づき、ガスの流量を調整することとを行うように構成され、調整は、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量を最大閾値及び/又は最小閾値と比較することにより、軽減することができる、コントローラとを備えることができる。
【0038】
一構成では、流れ発生器はモータを備えることができる。
【0039】
一構成では、流量は、モータ制御信号を出力することによって調整することができる。
【0040】
一構成では、モータはブラシレスDCモータを含むことができる。
【0041】
一構成では、患者吸気及び呼気のサイクルは、コントローラによって受信される第1入力及び第2入力に基づいて決定することができ、第1入力及び第2入力は、システムのガス流の特徴又は構成要素の性能に関連する。
【0042】
一構成では、第1入力は、1つ又は複数のセンサからの流量に対応することができる。
【0043】
一構成では、第2入力は、1つ又は複数のセンサからのガス流の圧力に対応することができる。一構成では、第2入力は、モータの速度に対応することができる。
【0044】
一構成では、モータの速度は、少なくとも一部、1つ又は複数のモータパラメータに基づいて決定することができる。
【0045】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、ユーザによって設定することができる。
【0046】
一構成では、システムは、最大閾値及び/又は最小閾値を調整するユーザ入力を受け取るように構成されたユーザインタフェースを備えることができる。
【0047】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、呼吸療法の臨床的に関連する限界であり得る。
【0048】
一構成では、最小閾値は、0~5lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、10lpmの間であり得る。一構成では、最小閾値は、10~15lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、15~20lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、20~25lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、25~30lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、30~35lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、35~40lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、40~45lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、45~50lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、50~55lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、55~60lpmであり得る。
【0049】
一構成では、最大閾値は、20~25lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、25~30lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、30~35lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、35~40lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、40~45lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、45~50lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、50~55lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、55~60lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、60~65lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、65~70lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、70~75lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、75~80lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、80~85lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、85~90lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、90~95lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、95~100lpmであり得る。
【0050】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、呼吸療法の安全限界であり得る。
【0051】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量によって決まり得る。
【0052】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量よりも所定の割合又は値だけ上回る流量及び下回る流量であり得る。
【0053】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量と選択された呼吸同期設定とによって決まり得る。
【0054】
一構成では、システムは、呼吸同期設定を調整するユーザ入力を受け取るように構成されたユーザインタフェースを備えることができる。
【0055】
一構成では、呼吸同期設定は数字の範囲を含むことができる。一構成では、呼吸同期設定は、少なくとも低い設定及び高い設定を含む複数のカテゴリを含むことができる。
【0056】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量よりも所定の割合又は値だけ上回る流量及び下回る流量とすることができ、割合又は値は選択された呼吸同期設定に基づいて変化する。
【0057】
一構成では、調整は反復的に実施することができる。
【0058】
一構成では、各調整は、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量に一部基づいて決定されるパラメータによって制約することができる。
【0059】
一構成では、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量は、患者吸気及び呼気に対する制約のない応答であり得る。
【0060】
一構成では、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量は、負のフィードバック項によって漸進的に制約することができる。
【0061】
一構成では、パラメータは、測定される最大流量及び/又は最小流量が最大閾値及び/又は最小閾値を超えなくなるまで、測定される最大流量及び/又は最小流量に応答して漸進的に増大することができる、負のフィードバック項を含むことができる。
【0062】
一構成では、調整は、患者が息を吸っているときの流量の増大を含むことができる。
【0063】
一構成では、調整は、患者が息を吐いているときの流量の低減を含むことができる。
【0064】
一構成では、1つ又は複数のセンサは、超音波トランスデューサアセンブリを含むことができる。
【0065】
一構成では、1つ又は複数のセンサは、加熱温度検知素子を含むことができる。
【0066】
一構成では、システムは、ハイフロー呼吸システムであり得る。
【0067】
一構成では、システムは、非密閉患者インタフェースを備えることができる。
【0068】
一構成では、非密閉患者インタフェースは、非密閉鼻カニューレを含むことができる。
【0069】
一構成では、患者に送達されるガスの流量を、そのガスの流量を発生させるように構成された流れ発生器を備える呼吸システムを使用して、患者吸気及び呼気に従って調整する方法は、呼吸システムのコントローラを使用して、呼吸システムの1つ又は複数のセンサから受信される情報に基づいて患者の吸気及び呼気のサイクルを決定するステップと、吸気及び呼気のサイクルに一部基づき、流量を調整するステップであって、調整は、吸気及び呼気のサイクル中に1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量に一部基づいて決定されたパラメータにより、軽減することができる、ステップとを含むことができる。
【0070】
一構成では、流れ発生器はモータを備えることができる。
【0071】
一構成では、流量は、モータ制御信号を出力することによって調整することができる。
【0072】
一構成では、モータはブラシレスDCモータを含むことができる。
【0073】
一構成では、決定は、コントローラによって受信される第1入力及び第2入力に基づくことができ、第1入力及び第2入力は、システムのガス流の特徴又は構成要素の性能に関連する。
【0074】
一構成では、第1入力は、1つ又は複数のセンサからの流量に対応することができる。
【0075】
一構成では、第2入力は、1つ又は複数のセンサからのガス流の圧力に対応することができる。一構成では、第2入力は、モータの速度に対応することができる。
【0076】
一構成では、本方法は、少なくとも一部、1つ又は複数のモータパラメータに基づいてモータの速度を決定するステップをさらに含むことができる。
【0077】
一構成では、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量は、患者吸気及び呼気に対する制約のない応答であり得る。
【0078】
一構成では、調整は、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量を最大閾値及び/又は最小閾値と比較することにより、さらに軽減することができる。
【0079】
一構成では、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量は、負のフィードバック項によって漸進的に制約することができる。
【0080】
一構成では、パラメータは、測定される最大流量及び/又は最小流量が最大閾値及び/又は最小閾値を超えなくなるまで、測定される最大流量及び/又は最小流量に応答して漸進的に増大することができる、負のフィードバック項を含むことができる。
【0081】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、ユーザによって設定することができる。
【0082】
一構成では、システムは、最大閾値及び/又は最小閾値を調整するユーザ入力を受け取るように構成されたユーザインタフェースを備えることができる。
【0083】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、呼吸療法の臨床的に関連する限界であり得る。
【0084】
一構成では、最小閾値は、0~5lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、10lpmの間であり得る。一構成では、最小閾値は、10~15lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、15~20lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、20~25lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、25~30lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、30~35lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、35~40lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、40~45lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、45~50lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、50~55lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、55~60lpmであり得る。
【0085】
一構成では、最大閾値は、20~25lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、25~30lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、30~35lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、35~40lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、40~45lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、45~50lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、50~55lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、55~60lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、60~65lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、65~70lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、70~75lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、75~80lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、80~85lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、85~90lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、90~95lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、95~100lpmであり得る。
【0086】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、呼吸療法の安全限界であり得る。
【0087】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量によって決まり得る。
【0088】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量よりも所定の割合又は値だけ上回る流量及び下回る流量であり得る。
【0089】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量と選択された呼吸同期設定とによって決まり得る。
【0090】
一構成では、システムは、呼吸同期設定を調整するユーザ入力を受け取るように構成されたユーザインタフェースを備えることができる。
【0091】
一構成では、呼吸同期設定は数字の範囲を含むことができる。一構成では、呼吸同期設定は、少なくとも低い設定及び高い設定を含む複数のカテゴリを含むことができる。
【0092】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量よりも所定の割合又は値だけ上回る流量及び下回る流量とすることができ、割合又は値は選択された呼吸同期設定に基づいて変化する。
【0093】
一構成では、調整は反復的に実施することができる。
【0094】
一構成では、調整は、患者が息を吸っているときの流量の増大を含むことができる。
【0095】
一構成では、調整は、患者が息を吐いているときの流量の低減を含むことができる。
【0096】
一構成では、1つ又は複数のセンサは、超音波トランスデューサアセンブリを含むことができる。
【0097】
一構成では、1つ又は複数のセンサは、加熱温度検知素子を含むことができる。
【0098】
一構成では、システムは、ハイフロー呼吸システムであり得る。
【0099】
一構成では、システムは、非密閉患者インタフェースを備えることができる。
【0100】
一構成では、非密閉患者インタフェースは、非密閉鼻カニューレを含むことができる。
【0101】
一構成では、患者に送達されるガスの流量を、そのガスの流量を発生させるように構成された流れ発生器を備える呼吸システムを使用して、患者吸気及び呼気に従って調整する方法は、呼吸システムのコントローラを使用して、1つ又は複数のセンサから受信される情報に基づいて患者吸気及び呼気のサイクルを決定するステップと、少なくとも一部、患者吸気及び呼気のサイクルに基づき、ガスの流量を調整するステップであって、調整は、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量を最大閾値及び/又は最小閾値と比較することにより、軽減することができる、ステップとを含むことができる。
【0102】
一構成では、流れ発生器はモータを備えることができる。
【0103】
一構成では、流量は、モータ制御信号を出力することによって調整することができる。
【0104】
一構成では、モータはブラシレスDCモータを含むことができる。
【0105】
一構成では、決定は、コントローラによって受信される第1入力及び第2入力に基づくことができ、第1入力及び第2入力は、システムのガス流の特徴又は構成要素の性能に関連する。
【0106】
一構成では、第1入力は、1つ又は複数のセンサからの流量に対応することができる。
【0107】
一構成では、第2入力は、1つ又は複数のセンサからのガス流の圧力に対応することができる。一構成では、第2入力は、モータの速度に対応することができる。
【0108】
一構成では、本方法は、少なくとも一部、1つ又は複数のモータパラメータに基づいてモータの速度を決定するステップをさらに含むことができる。
【0109】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、ユーザによって設定することができる。
【0110】
一構成では、システムは、最大閾値及び/又は最小閾値を調整するユーザ入力を受け取るように構成されたユーザインタフェースを備えることができる。
【0111】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、呼吸療法の臨床的に関連する限界であり得る。
【0112】
一構成では、最小閾値は、0~5lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、10lpmの間であり得る。一構成では、最小閾値は、10~15lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、15~20lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、20~25lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、25~30lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、30~35lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、35~40lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、40~45lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、45~50lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、50~55lpmであり得る。一構成では、最小閾値は、55~60lpmであり得る。
【0113】
一構成では、最大閾値は、20~25lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、25~30lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、30~35lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、35~40lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、40~45lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、45~50lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、50~55lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、55~60lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、60~65lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、65~70lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、70~75lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、75~80lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、80~85lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、85~90lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、90~95lpmであり得る。一構成では、最大閾値は、95~100lpmであり得る。
【0114】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、呼吸療法の安全限界であり得る。
【0115】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量によって決まり得る。
【0116】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量よりも所定の割合又は値だけ上回る流量及び下回る流量であり得る。
【0117】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量と選択された呼吸同期設定とによって決まり得る。
【0118】
一構成では、システムは、呼吸同期設定を調整するユーザ入力を受け取るように構成されたユーザインタフェースを備えることができる。
【0119】
一構成では、呼吸同期設定は数字の範囲を含むことができる。一構成では、呼吸同期設定は、少なくとも低い設定及び高い設定を含む複数のカテゴリを含むことができる。
【0120】
一構成では、最大閾値及び/又は最小閾値は、選択された流量よりも所定の割合又は値だけ上回る流量及び下回る流量とすることができ、割合又は値は選択された呼吸同期設定に基づいて変化する。
【0121】
一構成では、調整は反復的に実施することができる。
【0122】
一構成では、各調整は、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量に一部基づいて決定されるパラメータによって制約することができる。
【0123】
一構成では、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量は、患者吸気及び呼気に対する制約のない応答であり得る。
【0124】
一構成では、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量は、負のフィードバック項によって漸進的に制約することができる。
【0125】
一構成では、パラメータは、測定される最大流量及び/又は最小流量が最大閾値及び/又は最小閾値を超えなくなるまで、測定される最大流量及び/又は最小流量に応答して漸進的に増大することができる、負のフィードバック項を含むことができる。
【0126】
一構成では、調整は、患者が息を吸っているときの流量の増大を含むことができる。
【0127】
一構成では、調整は、患者が息を吐いているときの流量の低減を含むことができる。
【0128】
一構成では、1つ又は複数のセンサは、超音波トランスデューサアセンブリを含むことができる。
【0129】
一構成では、1つ又は複数のセンサは、加熱温度検知素子を含むことができる。
【0130】
一構成では、システムは、ハイフロー呼吸システムであり得る。
【0131】
一構成では、システムは、非密閉患者インタフェースを備えることができる。
【0132】
一構成では、非密閉患者インタフェースは、非密閉鼻カニューレを含むことができる。
【0133】
一構成では、患者に呼吸療法を提供する呼吸システムであって、患者に送達されるガスの流量を患者吸気及び呼気に従って調整するように構成されたシステムは、ガス流を発生させるモータを備えた流れ発生器と、1つ又は複数のセンサと電気通信し、呼吸システムのユーザインタフェースに、呼気リリーフレベル設定が表示されるようにすることと、呼気リリーフレベルを増大及び/又は低減させる第1ユーザ入力を受け取ることと、ユーザインタフェースに、最大流量閾値設定及び/又は最小流量閾値設定が表示されるようにすることと、最大流量閾値及び/又は最小流量閾値を増大及び/又は低減させる第2ユーザ入力を受け取ることと、第1ユーザ入力及び第2ユーザ入力に基づいて流量を調整することとを行うように構成され、第1ユーザ入力は、患者吸気及び呼気のサイクルに一部基づく流量の調整を可能にするように構成することができ、第2ユーザ入力は、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量を最大閾値及び/又は最小閾値と比較することにより、第1ユーザ入力に基づく調整を軽減するように構成することができる、コントローラと、を備えることができる。
【0134】
一構成では、第1ユーザ入力は、呼気リリーフをオン及び/又はオフにし、且つ/又は呼気リリーフの大きさを調整することにより、患者吸気及び呼気のサイクルに一部基づく流量の調整を可能にするように構成することができる。
【0135】
一構成では、呼気リリーフレベル設定は、複数の異なる呼気リリーフレベルを含むことができる。
【0136】
一構成では、複数の異なる呼気リリーフレベルは、少なくとも低い呼気リリーフレベル及び高い呼気リリーフレベルを含む複数のカテゴリを含むことができる。一構成では、複数の異なる呼気リリーフレベルは数字の範囲を含むことができる。一構成では、複数の異なる呼気リリーフレベルはスライディングスケールを含むことができる。
【0137】
一構成では、第1ユーザ入力は、ユーザインタフェースのボタンを介して受け取ることができる。
【0138】
一構成では、呼気リリーフレベル設定は、患者によってアクセス可能であり得る。
【0139】
一構成では、最大流量閾値設定及び最小流量閾値設定は、患者によってアクセス可能ではない可能性がある。
【0140】
一構成では、最大流量閾値設定及び最小流量閾値設定は、臨床医又は技能者によってアクセス可能であり得る。
【0141】
一構成では、システムは、ハイフロー呼吸システムであり得る。
【0142】
一構成では、システムは、非密閉患者インタフェースを備えることができる。
【0143】
一構成では、非密閉患者インタフェースは、非密閉鼻カニューレを含むことができる。
【0144】
一構成では、呼気リリーフレベルは、本明細書に開示する構成のうちの任意のものに適用される流量の調整に対する負のフィードバックに影響を与えることができる。
【0145】
一構成では、患者に呼吸療法を提供する呼吸システムであって、患者に送達されるガスの流量を患者吸気及び呼気に従って調整するように構成されたシステムは、ガス流を発生させるモータを備えた流れ発生器と、1つ又は複数のセンサと電気通信し、呼吸システムのユーザインタフェースに、呼気リリーフレベル設定が表示されるようにすることであって、設定が複数の異なる呼気リリーフレベルを含む、表示されるようにすることと、ユーザインタフェースを介して、呼気リリーフレベルを増大及び/又は低減させるユーザ入力を受け取ることと、ユーザ入力に基づいて流量を調整することであって、ユーザ入力は、患者吸気及び呼気のサイクルに一部基づく流量の調整を可能にするように構成することができる、調整することとを行うように構成されたコントローラとを備えることができる。
【0146】
一構成では、ユーザ入力は、呼気リリーフをオン及び/又はオフにし、且つ/又は呼気リリーフの大きさを調整することにより、患者吸気及び呼気のサイクルに一部基づく流量の調整を可能にするように構成することができる。
【0147】
一構成では、複数の異なる呼気リリーフレベルは、少なくとも低い呼気リリーフレベル及び高い呼気リリーフレベルを含む複数のカテゴリを含むことができる。一構成では、複数の異なる呼気リリーフレベルは数字の範囲を含むことができる。一構成では、複数の異なる呼気リリーフレベルはスライディングスケールを含むことができる。
【0148】
一構成では、第1ユーザ入力は、ユーザインタフェースのボタンを介して受け取ることができる。
【0149】
一構成では、コントローラは、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量を最大流量閾値及び/又は最小流量閾値と比較することにより、ユーザ入力に基づく調整を軽減するようにさらに構成することができる。
【0150】
一構成では、システムは、ハイフロー呼吸システムであり得る。
【0151】
一構成では、システムは、非密閉患者インタフェースを備えることができる。
【0152】
一構成では、非密閉患者インタフェースは、非密閉鼻カニューレを含むことができる。
【0153】
一構成では、呼気リリーフレベルは、本明細書に開示する構成のうちの任意のものにおいて適用される流量の調整に対する負のフィードバックに影響を与えることができる。
【0154】
一構成では、患者に呼吸療法を提供する呼吸システムであって、患者に送達されるガスの流量を患者吸気及び呼気に従って調整するように構成されたシステムは、ガス流を発生させるモータを備えた流れ発生器と、1つ又は複数のセンサと電気通信し、ユーザインタフェースに、最大流量閾値設定及び/又は最小流量閾値設定が表示されるようにすることと、最大流量閾値及び/又は最小流量閾値を増大及び/又は低減させるユーザ入力を受け取ることと、ユーザ入力に基づいて流量を調整することとを行うように構成され、ユーザ入力は、1つ又は複数のセンサによって測定される最大流量及び/又は最小流量を最大閾値及び/又は最小閾値と比較することにより、患者吸気及び呼気のサイクルに基づく流量の調整を軽減するように構成することができる、コントローラとを備えることができる。
【0155】
一構成では、ユーザ入力は、ユーザインタフェースのボタンを介して受け取ることができる。
【0156】
一構成では、最大流量閾値設定及び/又は最小流量閾値設定は、患者によってアクセス可能ではない可能性がある。
【0157】
一構成では、最大流量閾値設定及び/又は最小流量閾値設定は、臨床医又は技能者によってアクセス可能であり得る。
【0158】
一構成では、最大流量閾値及び/又は最小流量閾値は、本明細書に開示する構成のうちの任意のものに適用される流量の調整に対する負のフィードバックに影響を与えることができる。
【0159】
一構成では、コントローラは、ユーザによって設定される呼気リリーフレベルを受け取ることにより、患者吸気及び呼気のサイクルに基づいて流量を調整するように構成することができる。
【0160】
一構成では、コントローラは、ユーザインタフェースに、複数の異なる呼気リリーフレベルが表示されるようにするように構成することができる。
【0161】
一構成では、複数の異なる呼気リリーフレベルは、少なくとも低い呼気リリーフレベル及び高い呼気リリーフレベルを含む複数のカテゴリを含むことができる。一構成では、複数の異なる呼気リリーフレベルは数字の範囲を含むことができる。一構成では、複数の異なる呼気リリーフレベルはスライディングスケールを含むことができる。
【0162】
一構成では、呼気リリーフレベル設定は、患者によってアクセス可能であり得る。
【0163】
一構成では、システムは、ハイフロー呼吸システムであり得る。
【0164】
一構成では、システムは、非密閉患者インタフェースを備えることができる。
【0165】
一構成では、非密閉患者インタフェースは、非密閉鼻カニューレを含むことができる。
【0166】
本開示のこれら及び他の特徴、態様及び利点について、いくつかの実施形態の図面を参照して説明し、これらの図面は、いくつかの実施形態を概略的に例示するように意図されており、本開示を限定するようには意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0167】
【
図1A】患者に呼吸療法を提供するように構成されたハイフロー呼吸システムを概略的に示す。
【
図1B】加湿チャンバが適所にある状態のハイフロー療法装置例の正面斜視図である。
【
図2A】フロー療法装置の構成要素と相互作用し且つ/又はそれら構成要素に対する制御及び指示を提供する制御システムのブロック図例を示す。
【
図2B】フロー療法装置の構成要素と相互作用し且つ/又はそれら構成要素に対する制御及び指示を提供する制御システムのブロック図例を示す。
【
図3A】モータ/センサモジュール例のブロック図を示す。
【
図4】フロー療法装置の動作を調整するプロセス例のフローチャートを示す。
【
図5】フロー療法装置の呼吸サイクル改善を実施するシステム例のブロック図を示す。
【
図6】呼吸サイクル改善中のフロー療法装置のモータ速度及び流量例を示す。
【
図7A-C】目標流量及び/又は呼気リリーフ設定を示すユーザインタフェースディスプレイ又はその一部例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0168】
以下、いくつかの例について記載するが、当業者であれば、本開示が具体的に開示する例及び/又は使用並びにそれらの明らかな変更形態及び均等物を超えて拡大することが理解されよう。したがって、本明細書に開示する本開示の範囲は、以下に記載するいかなる特定の例によっても限定されるべきではないことが意図されている。
【0169】
図1Aに、ハイフロー呼吸システム10の概略図を提供する。呼吸システム10は、主デバイスハウジング100を含むことができる。主デバイスハウジング100は、モータ/インペラ配置構成(ブロワ等)の形態であり得る流れ発生器11と、任意選択的な加湿器又は加湿チャンバ12と、コントローラ13と、ユーザインタフェース14とを含むことができる。ユーザインタフェース14は、ディスプレイと、ボタン、タッチスクリーン、タッチスクリーン及びボタンの組合せ等の入力デバイスとを含むことができる。コントローラ13は、1つ又は複数のハードウェア及び/又はソフトウェアプロセッサを含むことができ、限定されないが、患者に送達するガスの流れを生成するように流れ発生器11を動作させることと、ガス流を加湿及び/又は加熱するように加湿器12(存在する場合)を動作させることと、呼吸システム10の再構成及び/又はユーザが定義した動作のためにユーザインタフェース14からユーザ入力を受け取ることと、ユーザに情報を(たとえば、ディスプレイ上に)出力すること等、装置の構成要素を制御するように構成又はプログラムすることができる。ユーザは、患者、医療専門家、又はシステム10を使用する任意の者であり得る。
【0170】
続けて
図1Aを参照すると、呼吸システム10の主デバイスハウジング100におけるガス流出口21に、患者呼吸導管16を結合することができ、患者呼吸導管16は患者インタフェース17に結合することができる。患者インタフェースは、ハイフロー療法を提供する、マニホールド19及び鼻プロング18を備えた鼻カニューレのような非密閉インタフェースであり得る。患者呼吸導管16は、フェイスマスク、鼻マスク又は鼻ピローマスクのような密閉インタフェースにも結合することができる。患者インタフェースは、任意選択的に、気管内チューブ、気管切開インタフェース等も含むことができる。
【0171】
ガスの流れは、流れ発生器11によって発生させることができ、患者導管16を介して患者インタフェース17を通して患者に送達する前に、加湿することができる。コントローラ13は、所望の流量のガス流を発生させるように流れ発生器11を制御し、且つ/又は、空気及び酸素又は他の呼吸可能ガスの混合を制御するように1つ又は複数の弁を制御することができる。コントローラ13は、存在する場合は加湿チャンバ12における加熱素子を、患者に送達するための所望のレベルの温度及び/又は湿度を達成する所望の温度までガスを加熱するように制御することができる。患者導管16は、患者まで通過して流れるガス流を加熱する、ヒータ線等の加熱素子16aを有することができる。加熱素子16aもまた、コントローラ13の制御下であり得る。
【0172】
システム10は、コントローラ13と通信する流量センサ、圧力センサ、温度センサ、湿度センサ又は他のセンサを使用して、ガス流の特徴を監視し且つ/又は好適な療法を提供するようにシステム10を動作させることができる。超音波トランスデューサ及び加熱温度検知素子は、他のパラメータもあるがとりわけ流量を測定するために使用することができるセンサの例である。ガス流の特徴としては、ガス濃度、流量、圧力、温度、湿度等を挙げることができる。圧力センサ、温度センサ、湿度センサ及び/又は流量センサ等のセンサ3a、3b、3c、20、25は、主デバイスハウジング100、患者導管16及び/又は患者インタフェース17内のさまざまな場所に配置することができる。コントローラ13は、ガス流の好適な目標温度、流量及び/又は圧力を決定する等、コントローラ13が好適な療法を提供するように呼吸システム10を動作させるのに役立つ出力を、センサから受信することができる。好適な療法を提供することは、患者の吸気要求を満たすことを含むことができる。
【0173】
システム10は、コントローラ13が、動作センサからデータ信号8を無線で受信し且つ/又はシステム10のさまざまな構成要素を制御するのを可能にする、無線データ送信器及び/若しくは受信器、又は送受信器15を含むことができる。さらに又は別法として、データ送信器及び/又は受信器15は、リモートサーバにデータを送出するか又はシステム10のリモート制御を可能にすることができる。システム10は、コントローラ13が動作センサからデータ信号8を受信し且つ/又はシステム10のさまざまな構成要素を制御するのを可能にする、たとえばケーブル又は電線を使用する、有線接続も含むことができる。
【0174】
本明細書で用いる場合の「ハイフロー」療法は、患者のピーク吸気要求を概して満たすか又はそれを上回る比較的高流量での患者の気道へのガスの投与を指す。「ハイフロー」を達成するために使用される流量は、以下に列挙する流量のうちの任意のものであり得る。たとえば、いくつかの構成では、成人患者の場合、「ハイフロー療法」は、約10リットル/分(10LPM)以上、たとえば、約10LPM~約100LPM、又は約15LPM~約95LPM、又は約20LPM~約90LPM、又は約25LPM~約85LPM、又は約30LPM~約80LPM、又は約35LPM~約75LPM、又は約40LPM~約70LPM、又は約45LPM~約65LPM、又は約50LPM~約60LPMの流量での患者へのガスの送達を指すことができる。いくつかの構成では、新生児、幼児又は小児患者の場合、「ハイフロー療法」は、1LPM以上、たとえば、約1LPM~約25LPM、又は約2LPM~約25LPM、又は約2LPM~約5LPM、又は約5LPM~約25LPM、又は約5LPM~約10LPM、又は約10LPM~約25LPM、又は約10LPM~約20LPM、又は約10LPM~15LPM、又は約20LPM~25LPMの流量での患者へのガスの送達を指すことができる。成人患者、新生児、幼児又は小児患者でのハイフロー療法装置は、約1LPM~約100LPMの流量で、又は上記で概説した部分範囲のうちの任意の範囲の流量で、患者にガスを送達することができる。
【0175】
図1B及び
図1Cは、呼吸システム10のフロー療法装置又は呼吸デバイス例を示す。デバイスは、流れ発生器を封入するハウジング300を含むことができる。流れ発生器は、モータ/センサモジュールを含むことができる。モータ/センサモジュールは、主ハウジング300から取外し不可能であり得る。モータ/センサモジュールは、任意選択的に、主ハウジング300から取外し可能でもあり得る。ハウジング300は、取外し可能な加湿チャンバ310を受け入れる加湿器又は加湿チャンバベイ318を含むことができる。取外し可能な加湿チャンバ310は、患者に送達されるガスを加熱及び加湿する、水等の好適な液体を収容する。加湿チャンバ310は、線形摺動でチャンバベイ318内に入るようにデバイスハウジング300に流体的に結合することができる。ガス出口ポート322が、モータ/センサモジュールとチャンバ310の入口306との間に流体連通を確立することができる。
【0176】
加熱及び加湿ガスは、チャンバ310の出口308から、取外し可能なL字型エルボを含むことができる加湿ガス戻り340内に出ることができる。取外し可能なエルボは、患者インタフェース17にガスを送達するために、
図1Aの吸気導管16等の吸気導管に結合する患者出口ポート344をさらに含むことができる。ガス出口ポート322、加湿ガス戻り340及び患者出口ポート344は、各々、デバイスハウジング300、加湿チャンバ310及び吸気導管の間に密閉ガス通路を提供するように、Oリングシール又はTシール等のシールを有することができる。ハウジング300内の加湿チャンバベイ318の床部分が、加湿プロセス中に使用するために加湿チャンバ310内の水を加熱する、ヒータプレート又は他の好適な加熱素子等、ヒータ配置構成を含むことができる。
【0177】
図1Cに示すように、デバイスは、流れ発生器が、空気、酸素(又は代替的な補助ガス)又はそれらの好適な混合物を加湿チャンバ310に、それにより患者に送達するのを可能にする配置構成を含むことができる。この配置構成は、ハウジング300の後壁322に空気入口356’を含むことができる。デバイスは、別個の酸素(又は他の呼吸可能ガス)入口ポート358’を含むことができる。図示する構成では、酸素入口ポート358’は、ハウジング300の一方の側面に隣接してハウジング300の後端部に位置決めすることができる。酸素ポート358’は、タンク等の酸素源に接続することができる。酸素入口ポート358’は、弁と流体連通することができる。弁は、好適には、加湿チャンバ310に送達されるガス流に添加される酸素の量の制御を可能にする電磁弁であり得る。
【0178】
ハウジング300は、検知回路基板等、好適な電子回路基板を含むことができる。電子回路基板は、限定されないが、マイクロプロセッサ、コンデンサ、抵抗器、ダイオード、演算増幅器、比較器及びスイッチ等、好適な電気又は電子部品と電気通信することができる。電子回路基板とともに、1つ又は複数のセンサを使用することができる。電子回路基板の部品(限定されないが、1つ又は複数のマイクロプロセッサ等)は、装置のコントローラ13として作用することができる。電子回路基板のうちの一方又は両方が、限定されないが、ディスプレイユニット及びユーザインタフェース14、モータ、弁及びヒータプレートを含むシステム10の電気部品と電気通信して、所望の流量のガスを提供するようにモータを動作させ、ガス流を適切なレベルまで加湿及び加熱し、適切な量の酸素(又は適切な量の代替的な補助ガス)をガス流に供給することができる。
【0179】
上述したように、流量センサ、温度センサ、湿度センサ及び/又は圧力センサ等、動作センサは、呼吸デバイス、患者導管16及び/又はカニューレ17内のさまざまな場所に配置することができる。電子回路基板は、それらのセンサと電気通信することができる。コントローラ13が、吸気要求を概して満たす等、最適な療法を提供するように呼吸システム10を動作させるのに役立つように、コントローラ13により、センサからの出力を受信することができる。1つ又は複数のセンサ(たとえば、ホール効果センサ)を使用して、流れ発生器のモータのモータ速度を測定することができる。モータはブラシレスDCモータを含むことができ、別個のセンサを使用することなく、そこからモータ速度を測定することができる。たとえば、ブラシレスDCモータの動作中、モータの非通電巻線から逆起電力を測定することができ、そこから、モータ位置を求めることができ、さらにそれを使用して、モータ速度を計算することができる。さらに、モータドライバを使用して、モータ電流を測定することができ、モータ電流を測定されたモータ速度と使用して、モータトルクを計算することができる。モータは、低慣性モータも含むことができる。
【0180】
室内空気が、
図1Cにおける空気入口ポート356’等の入口ポートを通して流れ発生器に入ることができる。流れ発生器は、1,000RPM超且つ30,000RPM未満、2,000RPM超且つ21,000RPM未満、又は上記値のうちの任意のもの間のモータ速度で動作することができる。流れ発生器の動作は、入口ポートを通ってモータ/センサチャンバ等、流れ発生器に入るガスを混合することができる。混合器としての流れ発生器の使用により、バッフルを備えた静止型混合器等、別個の混合器を備えるシステムにおいて混合にエネルギーが必要であるために本来発生する圧力降下を、低減させることができる。
【0181】
制御システム
図2A及び
図2Bは、患者状態を検出するとともに、ガス源を含むフロー療法装置の動作を制御することができる制御システム220例のブロック
図200を示す。制御システム220は、患者に送達される際にフロー療法装置を通って流れるガスの流量を管理することができる。たとえば、制御システム220は、流れ発生器若しくはブロワ230のモータ速度の出力、又は(補助ガスポート等における)弁232の出力を制御することにより、流量を増減させることができる。制御システム220は、後に考察するように、特定の患者に対する流量の設定値又は個人向けの値を自動的に決定することができる。流量は、制御システム220により、患者の快適さ及び療法を改善するように最適化することができる。
【0182】
制御システム220は、音声及び/又は表示/視覚的出力238、239を生成することができる。たとえば、フロー療法装置は、ディスプレイ及び/又はスピーカを含むことができる。ディスプレイは、制御システム220によって生成される任意の警告又は警報を医師に示すことができる。ディスプレイは、医師が調整することができる制御パラメータも示すことができる。たとえば、制御システム220は、特定の患者に対して流量を自動的に推奨することができる。制御システム220はまた、限定されないが、患者の呼吸数を生成することを含む、患者の呼吸状態を決定し、それをディスプレイに送信することができる。
【0183】
制御システム220は、(たとえば、患者に送達されるガスの温度設定値を維持するために)加熱素子のうちの1つ又は複数を制御するようにヒータ制御出力を変更することができる。制御システム220は、加熱素子の動作又はデューティサイクルも変更することができる。ヒータ制御出力は、ヒータプレート制御出力234と加熱呼吸チューブ制御出力236とを含むことができる。
【0184】
制御システム220は、1つ又は複数の受け取った入力201~216に基づき、出力230~239を決定することができる。入力201~216は、(
図1A、
図2B及び
図2Cに示す)コントローラによって自動的に受信されるセンサ測定値に対応することができる。制御システム220は、限定されないが、温度センサ入力201、流量センサ入力202、モータ速度入力203、圧力センサ入力204、ガス分画センサ入力205、湿度センサ入力206、パルスオキシメータ(たとえば、SpO
2)センサ入力207、格納された若しくはユーザパラメータ208、デューティサイクル若しくはパルス幅変調(PWM)入力209、電圧入力210、電流入力211、音響センサ入力212、電力入力213、抵抗入力214、CO
2センサ入力215及び/又は肺活量計入力216を含むセンサ入力を受け取ることができる。制御システム220は、ユーザからの入力又は(
図2Cに示す)メモリ304内の格納されたパラメータ値を受け取ることができる。制御システム220は、患者に対する流量を患者の治療の時間にわたって動的に調整することができる。制御システム220は、システムパラメータ及び患者パラメータを連続的に検出することができる。制御システム220で、他の任意の好適な入力及び/又は出力を使用することができる。たとえば、パルスオキシメータセンサ入力207により、制御システム220は、2018年10月5日に出願され国際公開第2019/070136号パンフレットとして公開された国際出願PCT/NZ2018/050137号明細書に記載されているように、ガスの流れにおける酸素の組成を制御するように1つ又は複数の閉ループ制御システムを実装することができ、上記出願の全体が、参照により本明細書に援用され、付録Aに含まれる。閉ループ制御システムにより、フロー療法装置は、患者の血中酸素飽和度(SpO
2)を監視し、患者に送達される酸素の分画(FdO
2)を制御することができる。フロー療法装置はまた、患者に対する目標SpO
2値を達成するためにFdO
2を自動的に調整することができる。
【0185】
図2Bに示すように、制御システム220は、胸腹部非同期(thoraco-abdominal asynchrony)(TAA)センサ入力252、呼吸センサ入力254、呼吸仕事量(WOB)センサ入力256、CO
2及び/又は圧力センサ入力258、ユーザ入力及び/又は格納された値260等、フロー療法装置の複数の構成要素から入力を受け取ることができる。
図2Aに示す入力202~210のすべてが存在するとは限らない。
図2Bにおける制御システム220は、入力252~260に基づいて、ヒータ制御出力262、流量制御出力264及び表示/音声出力266を出力することができる。入力202~210及び出力230~234は、必ずしもすべてが存在するとは限らない。たとえば、制御システム220は、WOBセンサ(EMG等)入力256を受け取り、流量制御測定値264を生成するのみであり得る。構成に応じて、入力に対応する構成要素のうちのいくつかは、フロー療法装置に含まれない場合がある。制御システム220により、入力自体がないことを使用して、入力又はシステム状態を決定することができる。
【0186】
制御システム220は、入力状態の検出及び出力状態の制御のプログラミング命令を含むことができる。
図2Cは、コントローラ270例のブロック図を示す。プログラミング命令は、コントローラ270のメモリ274に格納することができる。プログラミング命令は、本明細書に記載する方法、プロセス及び機能に対応することができる。制御システム276は、コントローラ270の1つ又は複数のハードウェアプロセッサ272によって実行することができる。プログラミング命令は、C、C++、JAVA、又は他の任意の好適なプログラミング言語で実装することができる。コントローラは、センサ信号を受信する回路278も含むことができる。制御システム276の部分のうちのいくつか又はすべてを、ASIC及びFPGA等の特定用途向け回路278で実装することができる。
【0187】
コントローラは、患者及び呼吸補助システムのステータスを伝えるディスプレイ280をさらに含むことができる。ディスプレイ280は、警告も表示することができる。コントローラはまた、ディスプレイ280等のユーザインタフェースを介して、ユーザ入力を受け取ることができる。ユーザインタフェースは、別法として又はさらに、ボタン又はダイヤルを含むことができる。
【0188】
モータ/センサモジュール
図3Aは、フロー療法装置の一部として使用することができるモータ/センサモジュール2000のブロック図を示す。モータ/センサモジュールは、患者に送達するために室内空気を取り込む流れ発生器2001を含む。流れ発生器2001は、遠心ブロワであり得る。
【0189】
室内空気は、入口ポート2003を通して流れ発生器2001に入る室内空気入口2002に入る。入口ポート2003は弁2004を含むことができ、弁2004を通って、加圧ガスが流れ発生器2001に入ることができる。弁2004は、ブロワ2001内への酸素(又は他の補助ガス)の流量を制御することができる。弁2004は、比例弁又はバイナリ弁を含む任意のタイプの弁であり得る。入口ポートは、弁を含まない場合もある。
【0190】
流れ発生器2001は、1,000RPM超且つ30,000RPM未満、2,000RPM超且つ25,000RPM未満、3,000RPM超且つ24,000RPM未満、又は上述した値のうちの任意の値の間のモータ速度で動作することができる。流れ発生器2001の動作は、入口ポート2003を通って流れ発生器2001に入るガスを混合する。混合がエネルギーを必要とするのに対して流れ発生器がエネルギーを与えるため、混合器としての流れ発生器2001の使用により、バッフルを備える静止型混合器等の別個の混合器を備えるシステムで本来発生する圧力降下を、低減させることができる。
【0191】
混合空気は、導管2005を通って流れ発生器2001から出て、検知チャンバ2007内の流路2006に入る。検知チャンバ2007内に、センサ2008を備える回路基板が、ガス流内に浸されるように位置決めされている。回路基板上のセンサ2008は、ガス流内のガス特性を測定するようにガス流内に位置決めされている。ガスは、検知チャンバ2007内の流路2006を通過した後、加湿チャンバ310に出る(2009)。
【0192】
流路2006は湾曲形状を有する。ガス流は、入口2103から入り、湾曲した流路2104に沿って流れ、流路の反対側2105から出る。入口及び出口は、上下に反対の方向に位置決めすることができ、ガス流は、垂直上向き方向に流路に入り、その後、水平方向に曲がり、その後、再度垂直上向き方向に曲がることができる。流路は、急カーブを有さないものとすることができる。流路は、湾曲端部とより直線状の中間区画とを有することができる。流路は、流路の長さを通して一定の断面形状を維持することができる。流路は、流路の第1端部からわずかに内向きにテーパ状となることができ、流路の第2端部まで再度広がり、これにより、測定のより優れた精度、安定性及び再現性のために流れを高速化することができる。流路の表面は、流路内の摩擦を低減させるように表面改質剤/潤滑剤でライニングすることができる。湾曲流路形状により、流路と測定領域を部分的に一致させることによって流量測定の感度を低下させることなく、ガス流の圧力降下を低減させることができる。複数の異なる流路構成を使用することができる。
【0193】
図3Bに示すように、混合空気は、流れ発生器から出て、モータ/センサモジュール内に位置することができるセンサチャンバ350内の流路356に入ることができる。超音波トランスデューサ354及び/又は加熱温度検知素子等のセンサを備える検知回路基板352を、検知回路基板が少なくとも部分的にガス流内に浸されるようにセンサチャンバ350内で位置決めすることができる。検知回路基板上のセンサのうちの少なくともいくつかは、ガス流内のガス特性を測定するためにガス流内に位置決めすることができる。ガスは、センサチャンバ350内の流路356を通過した後、加湿チャンバに出ることができる。
【0194】
検知回路基板352は、音響送信器及び/又は受信器、湿度センサ、温度センサ、サーミスタ等のセンサを含むことができる。少なくとも2つの異なるタイプのセンサを使用して、ガス流量を測定することができる。第1タイプのセンサは、加熱温度検知素子(又はサーミスタ)を含むことができ、それは、ガス流と加熱温度検知素子との間の熱伝達を監視することにより、流量を決定することができる。加熱温度検知素子は、ガスが加熱温度検知素子の周囲を且つそれを通過して流れるときに、流れ内に一定目標温度で延びることができる。センサは、加熱温度検知素子を目標温度で維持するために必要な電力の量を測定することができる。目標温度は、より高い流量で、加熱温度検知素子を目標温度で維持するために、より多くの電力が必要であるように、ガス流の温度よりも高いように構成することができる。
【0195】
第2タイプのセンサは、音響(超音波トランスデューサ)センサアセンブリを含むことができる。音響送信器及び/又は受信器を含む音響センサを使用して、フロー療法装置で使用することができるガス速度及び/又は組成を決定する音響信号の飛行時間を測定することができる。(送信器及び/又は受信器として作用することができる超音波トランスデューサを含む)1つの超音波検知トポロジでは、ドライバが、超音波トランスデューサ等の第1センサに、第1方向において超音波パルスを生成させる。第2超音波トランスデューサ等の第2センサが、このパルスを受信し、第1超音波トランスデューサと第2超音波トランスデューサとの間のパルスの飛行時間の測定値を提供する。この飛行時間測定値を使用して、フロー療法装置のプロセッサ又はコントローラにより、超音波トランスデューサの間のガス流の音速を計算することができる。第1方向とは反対の第2方向におけるパルスを、第2センサが送信し、第1センサが受信して、飛行時間の第2測定値を提供することもでき、流量又は速度等、ガス流の特徴が決定されるようにすることができる。別の音響検知トポロジでは、超音波トランスデューサ等の音響送信器によって送信される音響パルスは、マイクロフォン等の音響受信器によって受信することができる。
【0196】
第1タイプのセンサ及び第2タイプのセンサの両方からの読取値を結合して、より正確な流量測定値を求めることができる。たとえば、事前に決定された流量と、タイプのうちの一方のセンサからの1つ又は複数の出力とを使用して、予測された現流量を求めることができる。そして、最終流量を計算するために、第1タイプのセンサ及び第2タイプのセンサのうちの他方からの1つ又は複数の出力を使用して、予測された現流量を更新することができる。
【0197】
呼吸サイクルに基づく流量の調整
患者により、患者の呼吸サイクルに基づいてフロー療法装置の動作を調整することがより快適であると感じる場合がある。たとえば、患者が息を吸い且つ吐く際、フロー療法装置によって提供される空気の流量を調整することができる。流量は、患者の吸気中は増大させ、患者の呼気中は低減させることができる。流量は、患者の呼気中は調整せず、患者の吸気中に調整する(たとえば、吸気中に増大させる)ことができ、その逆もあり得る。吸気及び呼気は、吸息及び呼息とも称する場合もある。
【0198】
患者の呼吸サイクルは、交互の吸息相(吸気相)及び呼息相(呼気相)を含む波形として表すことができる。患者の呼吸サイクル波形を決定及び監視することにより、患者の呼吸サイクルに基づいて、フロー療法装置の動作を変更することができる。たとえば、フロー療法装置は、患者の測定された呼吸サイクル波形に基づいて調整することができる周期波形を使用して、ガス流量を制御するように構成することができる。
【0199】
図4は、フロー療法装置の動作を調整するプロセス例のフローチャートを示す。ブロック402において、制御信号を使用して、フロー療法装置(たとえば、
図1Aに示すような流れ発生器11)に関連するモータが駆動される。モータを使用して、患者の呼気を補助するために空気流を発生させることができる。制御信号は、初期波形を含むことができる。初期波形は、デフォルト波形を含むか、又は、患者に関連する1つ又は複数の測定値に基づくことができる。
【0200】
ブロック404において、患者の呼吸サイクルを決定するために使用することができる複数の測定値が、コントローラにおいて受信される。これらは、流量404a、モータ速度404b、圧力404c等を含むことができる。
【0201】
ブロック406において、受信された測定値を使用して、患者の予測呼吸サイクルが決定される。患者の予測呼吸サイクルは、(たとえば、平均又は設定流量値からの)流れ逸脱、(たとえば、後述するような)流れ制限、システム漏れ(すなわち、患者の肺まで流れなかった、ブロワによって発生した空気の流れの一部)等を監視することによる等、1つ又は複数の異なる技法を使用して決定することができる。
【0202】
続けて
図4を参照すると、ブロック408において、予測呼吸サイクルに基づいてモータへの制御信号が調整される。たとえば、流量が、患者が息を吸う際に増大し、患者が息を吐く際に低減するように、制御信号を調整することができる。
【0203】
次いで、プロセスはブロック402に戻ることができ、そこで、調整された制御信号を使用して、患者に対する空気流を生成するようにブロワモータが駆動される。
【0204】
プロセスはまた、密閉患者インタフェースを備えた呼吸システムにおいて実施することができる。圧力センサは、流路の任意の場所に配置することができる。密閉患者インタフェースの非限定的な例は、NIVマスクである。NIVマスクは、患者の顔面に対して封止することができ、それにより、実質的にシステム漏れはなくなる。これにより、患者端の近くで又は患者端において患者に送達されるガスの圧力を測定することが可能になる。たとえば、圧力センサは、NIVマスクの内側に又は患者の鼻孔の外側の場所に位置決めすることができる。圧力センサは、NIVマスクを、
図1Aに示す患者呼吸導管16等の患者呼吸導管に接続するマニホールド内に位置決めすることができる。
【0205】
図5は、
図4のブロック408においてモータに対する制御信号を調整するシステム例のブロック図を示す。
図5に示すように、患者502は、
図1Aのフロー療法装置10等のフロー療法装置504に接続されている。装置は、患者502に空気流を提供するために使用することができるモータ506を備えた流れ発生器を含むことができる。
【0206】
フロー療法装置504の動作中、患者502の呼吸サイクルに基づいてモータ506への制御信号を調整するために、複数の測定値を取得し、制御信号フィードバックモジュール510に送ることができる。たとえば、モータ506のパラメータを使用して、上述したようなモータ速度及び/又はシステム圧力を測定することができる。1つ又は複数の流量センサ508を使用して、空気流の流量を監視することができる。流量センサ508は、加熱温度検知素子及び超音波トランスデューサアセンブリ等、2つ以上の異なるタイプのセンサを含むことができる。さらに、圧力センサ等の1つ又は複数の追加のセンサを使用して、1つ又は複数の追加の測定値(たとえば、圧力)を測定することができる。
【0207】
複数の測定値(たとえば、モータ速度、流量等)を使用して、呼吸サイクル検出モジュール512において患者の呼吸サイクルを決定することができる。決定された呼吸サイクルは、交互の波形(たとえば、実質的に正弦波形)の形態であり得る。モータ506に関する測定値と流量センサ508による測定値とは、ともに、呼吸サイクル検出モジュール512に供給することができる。
【0208】
患者の呼吸サイクルが決定されると、それを使用して、モータ506への制御信号を調整することができる。たとえば、呼吸サイクル検出モジュール512からの計算された呼吸サイクル波形は、正のフィードバック514を受けることができる。
【0209】
正のフィードバック514は、患者の呼吸サイクル中に、患者が息を吐く際はモータ速度を低下させ且つ又は患者が息を吸う際はモータ速度を上昇させることにより、患者と連動するように機能することができる。正のフィードバックは、吸気中には実施され得るが、呼気中には実施され得ず、又は、正のフィードバックは、呼気中には実施され得るが、吸気中には実施され得ない。たとえば、呼気時に「口すぼめ呼吸」を使用して呼吸しているときに自身の仕事量を低下させようとする患者は、呼気中に流量を低減させる正のフィードバックではなく、吸気中に流量を増大させる正のフィードバックによって補助されることから利益を得ることができる。呼気中に正のフィードバックを実施しないことにより、呼気圧及び呼気時間を増大させることができ、それは、特定の患者に対して有益であり得る。1つ又は複数のスケーリングパラメータを使用して、患者の吸息/呼息の決定された大きさに基づき、モータ506の速度を制御する制御信号の大きさを増減させることができる。たとえば、ブロワモータ制御信号に対する正のフィードバックは、以下のように表すことができ、
【数1】
式中、ωはモータ速度に対応し、Rは患者制限に対応し、
【数2】
及び
【数3】
は、それらの平均値又はベースライン値に対応し、k
pは正のフィードバックパラメータに対応する。
【0210】
上述したように、患者の呼吸サイクルを決定するために、流量制限も使用することができる。概して、呼吸システムは、全体として、流れに対する何らかの抵抗を有する可能性があり(「制限」又はRとも称する)、これを使用して、システムの圧力pの変化とシステムの流量との関係を示すことができる。制限Rは、患者が息を吸って吐く際に変化する可能性がある。Rの値が大きいほど、大きい制限を表す(たとえば、患者が息を吐くとき)。
【0211】
続けて
図5を参照すると、流量センサ508からの測定値は、測定された流量に対する最小及び/又は最大検出モジュール520にも供給することができる。最小測定流量及び/又は最大測定流量を使用して、負のフィードバック項516を求めることができ、それを正のフィードバック514と結合して(518)、モータ506に対する制御信号を生成することができる。
【0212】
負のフィードバックは、制御信号に適用される正のフィードバックをある一定の制約に制限し、それにより、患者が息を吸うか又は吐く際に制御信号に対する変化を抑制することができる。負のフィードバックは、最小閾値流量値及び/又は最大閾値流量値を含むことができる。最小流量値により、患者がいかに荒く呼吸しているかに関わらず、装置が閾値を超えて流量を維持することを確実にすることができる。これにより、ハイフロー療法の有効性及び/又は安全性を確保することができる。最大流量値は、患者の吸気又は呼気の大きさが増大する際であっても、患者の呼吸サイクルに基づいて流量の調整の量を制限することができる。
【0213】
正のフィードバック514は、ユーザ又は医療提供者によって調整可能な装置のディスプレイ上の呼吸同期設定を含むことができる。正のフィードバック呼吸同期設定により、ユーザ又は医療提供者は、正のフィードバックの量を手動で調整することにより、快適さ及び/又は有効性をさらに向上させるように機械の設定を調整することができる。設定は、たとえば、2~10、2~5、2、3、4、5等、任意の数の選択可能な値を含むことができる。選択可能な値は、番号を付けることによりラベル付けすることができる。別法として、選択可能な値は、高設定、中設定及び/又は低設定等、異なるカテゴリとしてラベル付けすることができる。別法として、設定により、ユーザは、呼吸同期値を(たとえば、「+」ボタン等を押すことにより)高くするか又は(たとえば、「-」ボタン等を押すことにより)低くすることができる。
【0214】
呼吸同期は、たとえば、正のフィードバックの振幅を増大させる一方で、振幅が増大する間、平均目標流量を同じに維持することにより、漸進的に導入することができる。漸進的導入は、呼吸同期が最初に作動したとき、及び/又はユーザが呼気リリーフレベルを上昇させた(すなわち、正のフィードバックレベルを上昇させた)ときに、発生することができる。漸進的な導入により、正のフィードバックは、ゼロ又はその以前のレベルから、所定持続時間、たとえば、約30秒間、約1分間、約2分間、約3分間、約4分間又は約5分間にわたり、その新たな値まで徐々に上昇することができる。これにより、モータ速度振動、そのため流量振動が、徐々に振幅を増大させるようにすることができる。漸進的導入により、流量変化が患者の呼吸と完全は同期しない可能性がある呼吸同期の初期段階中に、あり得る患者の不快感を低減させることができる。漸進的な導入中、流量は、流量閾値を超え始める可能性がある。この時点で、負のフィードバック項もまた、漸進的に増大し始め、最大閾値及び/又は最小閾値内で流量を維持するために、正のフィードバック項のさらなる増大を無効にするか又は実質的に無効にすることができる。
【0215】
図6に、モータ速度に対する正のフィードバックの効果の一例を示す。
図6の上部グラフに示すように、モータ速度602は、いくつかの呼吸期間にわたって変化する。モータ速度は、名目モータ速度及び正のフィードバックを含むことができ、モータ速度の最大値及び最小値は、正のフィードバック項604によって囲まれている。正のフィードバック604の量に限界があり、それは、最初は、制限が発生しないように十分に高く設定される。相応して、最初に検知された最大流量及び最小流量は、患者の呼吸に対する制約のない応答であり、負のフィードバックにより漸進的に制約される。
図5に示すような、流量を決定するプロセスは、限界又は閾値内に留まるようなモータ速度の調整の程度が予め既知ではない。したがって、負のフィードバックは、漸進的に正のフィードバックを制約し、たとえば、測定された又は検知された最大流量及び/又は最小流量が限界又は閾値を超えなくなるまで、負のフィードバックを徐々に増大させることができる。
【0216】
最小閾値流量及び/又は最大閾値流量は、固定値、すなわち、選択された流量又は選択された呼吸同期値とは無関係であり得る。別法として又はさらに、最小閾値流量及び/又は最大閾値流量は、ユーザが設定することができる。これにより、選択された流量又は選択された呼吸同期値に関わらず、デバイスが、常に最小流量を送達し、且つ/又は決して最大流量を超えないことを確実にすることができる。ユーザが閾値を設定することができることにより、フロー療法装置が、所定の患者に快適である流量でガスを送達することも可能にすることができる。最大閾値及び/又は最小閾値は、呼吸同期設定とは無関係に設定することができる。たとえば、臨床医は、ハイフロー療法の有効性及び/又は安全性を確保するように最大閾値及び/又は最小閾値を設定することができる一方で、患者は、患者が最も快適であると感じることに基づいて、呼吸同期値を設定することができる。
【0217】
別法として又はさらに、最小流量及び/又は最大流量は、ユーザによって設定された目標流量に基づいて決定することができる。たとえば、最大流量及び/又は最小流量は、選択された流量よりもある一定の割合だけ上回る流量及び下回る流量であり得る。別法として又はさらに、最大流量及び/又は最小流量は、選択された流量よりもある一定の値だけ上回る流量及び下回る流量であり得る。
【0218】
別法として又はさらに、最小流量及び/又は最大流量は、選択された流量と選択された呼吸同期値との両方に基づくことができる。たとえば、最大流量及び/又は最小流量は、選択された流量よりもある一定の割合だけ上回る流量及び下回る流量であり得る。そして、この割合値は、選択された呼吸同期値に基づいて変更することができる。別法として、最大流量及び/又は最小流量は、選択された流量よりもある一定の値だけ上回る流量及び下回る流量であり得る。そして、この値は、選択された呼吸同期値に基づいて変更することができる。
【0219】
図6の下部グラフは、装置の流量センサによって検知された流量606と、ユーザによって設定された最小流量608及び最大流量610とを示す。流量606は、
図6の上部グラフと患者の正のフィードバックとに従ってモータ速度変化からもたらされる。これらの限界608、610内で流量を維持するために、装置のコントローラは、各呼吸内で最小流量及び最大流量を測定し、その後、
図5に示すプロセスに従う等により、流量を制約内で駆動するようにフィードバックループを反復的に調整する。
【0220】
ユーザインタフェース及びその一部例
図7A及び
図7Bに示すように、
図1Aのユーザインタフェース14であり得るユーザインタフェース700は、患者又は臨床医等のユーザが呼気リリーフ(「ER」)レベル702を調整するのを可能にする設定を表示することができる。呼気リリーフレベルは、上述した正のフィードバック項又は呼吸同期設定に対応する。
図7A及び
図7Bに示すように、ユーザは、呼気リリーフの4つの異なるレベルを選択することができ、それらレベルは、
図7Aにおいて3つのER円704がすべて埋まっていないことによって示すような呼気リリーフなし(すなわち、正のフィードバックなし)と、呼気リリーフの第1又は最低レベルと、
図7Bにおいて3つのER円704のうちの2つが埋まっていることによって示すような呼気リリーフの第2レベルと、呼気リリーフの第3又は最高レベル(すなわち、最高又は最大の正のフィードバック項)とを含むことができる。ユーザは、たとえば、ボタン703、又はレベルを上昇若しくは低下させる他の形態のユーザ入力を介して、呼気リリーフレベルを調整することができる。
【0221】
図7A及び
図7Bに示すようなERレベル702は、呼気リリーフ設定例を示す。上述したように、ユーザインタフェースは、数値、スライディングスケール等、他の形態の呼気リリーフ設定を表示することができる。呼気リリーフ設定は、別個のレベルであるか又は連続体であり得る、異なる数のレベルを含むことができる。
図7Cに示すように、呼気リリーフ設定メニューが非表示になると、ユーザインタフェース700は、画面上に(たとえば、目標流量値の下方に)以前選択された呼気リリーフレベル708も表示することができる。以前選択された呼気リリーフレベル708は、任意選択的に、ユーザが呼気リリーフの量を、0を上回る値に設定した場合にのみ表示することも可能である。
【0222】
図7A~
図7Cに示すように、ユーザインタフェース700は、任意選択的に、たとえば、ボタン706又は設定流量705を増減させる他の形態のユーザ入力を介して、設定流量705の調整も可能にすることができる。ユーザインタフェース700は、最大流量閾値710及び最小流量閾値712も表示することができ、ユーザは、それらの間で、設定流量705を調整することができる。一構成では、最大流量閾値及び最小流量閾値は、ユーザ(臨床医等)が別個のメニューで設定することができる。別個のメニューは、臨床医、技能者及び/又は技術者によって使用されるように設計することができる。別個のメニューは、患者又は他の通常のユーザにはアクセス不可であるように設計することができる。
【0223】
フロー療法システム
さらに
図8を参照すると、
図1Aのシステムと同様であるシステム10が示されている。
図8のシステムは、周囲空気入口ポート27に加えて、酸素源(病院の酸素供給源又は酸素缶等)に接続するための酸素入口ポート28をさらに備える。
図8のシステムは、吸気チューブ27に又はその近くに温度センサ29も備える。
図8のシステム10は、本開示により呼吸可能ガスの流れの制御を実施するためにも好適である。
【0224】
フロー療法システム10におけるさまざまな場所に、流量センサ、温度センサ、湿度センサ及び/又は圧力センサ等、動作センサ3a、3b、3cを配置することができる。患者導管16及び/又はカニューレ17上のさまざまな場所に、追加のセンサ(たとえば、センサ20、25)を配置することができる(たとえば、吸気チューブの端部に又はその近くに温度センサ29があり得る)。センサからの出力は、コントローラ13が好適な療法を提供するようにフロー療法システム10を動作させるのに役立つように、コントローラ13によって受信することができる。いくつかの構成では、好適な療法を提供することは、患者のピーク吸気要求を満たすことを含む。システム10は、送信器及び/又は受信器15を有することができ、それにより、コントローラ13は、センサから信号8を受信し、且つ/又は、限定されないが、流れ発生器11、加湿器12及びヒータ線16aを含むフロー療法システム10のさまざまな構成要素、又はフロー療法システム10に関連する付属品若しくは周辺装置を制御することができる。さらに又は別法として、送信器及び/又は受信器15は、リモートサーバにデータを送出するか又はシステム10のリモート制御を可能にすることができる。
【0225】
酸素及び周囲空気が混合を終えた後、1つ又は複数のガス組成センサ(超音波センサシステムとも称する超音波トランスデューサシステム等)を配置することにより、酸素を測定することができる。測定値は、デバイス、送達導管、患者インタフェース内、又は他の任意の好適な場所で取得することができる。
【0226】
周囲空気入口導管、酸素入口導管及び最終送達導管のうちの少なくとも2つにおける流量センサを使用して、少なくとも2つのガスの流量を求めることにより、酸素濃度も測定することができる。入口ガスの想定又は測定された酸素濃度(周囲空気の場合は約20.9%、酸素の場合は約100%)とともに、入口ガス両方又は一方の入口ガスの流量と一方の総流量とを決定することにより、最終ガス組成の酸素濃度を計算することができる。別法として、周囲空気入口導管、酸素入口導管及び最終送達導管の3つすべてに流量センサを配置して、冗長性と、読取値の一貫性を検査するために各センサが正確に作動していることのテストとを可能にすることができる。フロー療法装置10によって送達される酸素濃度を測定する他の方法も使用することができる。
【0227】
フロー療法システム10は、患者の血中酸素飽和度(SpO2)、心拍数、呼吸数、灌流指標等、患者の1つ又は複数の生理的パラメータを測定し、信号品質の尺度を提供するために、パルスオキシメータ又は患者モニタリングシステム等の患者センサ26を含むことができる。センサ26は、有線接続を通して、又はセンサ26の無線送信器を介する通信により、コントローラ13と通信することができる。センサ26は、患者の指に接続されるように設計された使い捨て接着センサであり得る。センサ26は、非使い捨てセンサであり得る。異なる年齢層に対して、且つ患者の異なる場所に接続されるように設計されたセンサが入手可能であり、それをフロー療法システム10で使用することができる。パルスオキシメータは、ユーザに、典型的にはユーザの指に取り付けられるが、耳たぶ等の他の場所も選択肢である。パルスオキシメータは、デバイスのプロセッサに接続され、患者の血中酸素飽和度を示す信号を常時提供する。患者センサ26は、フロー療法システム10の動作中に取り付けるか又は交換することができる、ホットスワップ可能デバイスであり得る。たとえば、患者センサ26は、USBインタフェースを使用して、又は無線通信プロトコル(たとえば、近距離無線通信、WiFi又はBluetooth(登録商標)等)を使用して、フロー療法システム10に接続することができる。動作中に患者センサ26の接続が切られると、フロー療法システム10は、規定された期間、その以前の動作状態で動作し続けることができる。規定された期間の後、フロー療法システム10は、警報をトリガし、自動モードから手動モードに移行し、且つ/又は制御モード(たとえば、自動モード又は手動モード)から完全に出ることができる。患者センサ26は、物理的若しくは無線インタフェースを介してフロー療法システム10と通信するベッドサイドモニタリングシステム又は他の患者モニタリングシステムであり得る。
【0228】
制御システム
再度
図8を参照すると、コントローラ13は、フロー療法システム10の動作を制御する閉ループ制御システムでプログラムするか、又はそうした閉ループ制御システムを実行するように構成することができる。閉ループ制御システムは、患者のSpO
2が目標レベルに達し、且つ一貫してこのレベルで又はその近くであり続けるのを確実にするように構成することができる。
【0229】
コントローラ13は、閉ループ制御システムを実行するためにコントローラ13が使用することができる入力を、ユーザから受け取ることができる。目標SpO2値は、単一の値又は値の範囲であり得る。値は、臨床医が事前設定するか、選択するか、又は患者のタイプに基づいて決定することができ、患者のタイプは、目下の苦痛、及び/又は、年齢、体重、身長、性別及び他の患者の特徴等、患者に関する情報を指すことができる。同様に、目標SpO2は、各々が上述した任意の方法で選択される2つの値であり得る。2つの値は、患者のSpO2に対する許容可能な値の範囲を表す。コントローラは、前記範囲内の値を目標とすることができる。目標値は、上記範囲の中央値、又は、ユーザが事前設定又は選択することができる、上記範囲内の他の任意の値であり得る。別法として、範囲は、SpO2の目標値に基づいて自動的に設定することができる。コントローラは、患者のSpO2値が範囲外になると1つ又は複数の設定された応答を有するように構成することができる。応答は、警報、FdO2の手動制御への変更、FdO2の所定値への変更及び/又は他の応答を含むことができる。コントローラは、1つ又は複数の範囲を有することができ、SpO2値が各範囲外になると1つ又は複数の異なる応答が発生する。
【0230】
フロー療法システム10のグラフィカルユーザインタフェースは、患者タイプを入力するようにユーザを促すように構成することができ、SpO2限界は、ユーザが選択するものに基づいて決定される。さらに、ユーザインタフェースは、ユーザが限界を規定することができる、カスタム選択肢を含むことができる。
【0231】
概して、SpO2は、約80%~約100%、又は約80%~約90%、又は約88%~約92%、又は約90%~約99%、又は約92%~約96%で制御される。SpO2は、上述した範囲のうちの任意の2つからの任意の2つの好適な値の間で制御することができる。目標SpO2は、約80%~約100%、又は約80%~約90%、又は約88%~約92%、又は約90%~約99%、又は約92%~約96%、又は約94%、又は94%、又は約90%、又は90%、又は約85%、又は85%であり得る。SpO2目標値は、上述した範囲のうちの任意の2つからの任意の2つの好適な値の間の任意の値であり得る。SpO2目標値は、規定された範囲に対するSpO2の中央に対応することができる。
【0232】
FdO2は、ある範囲内で制御されるように構成することができる。上述したように、システムにおいて測定される酸素濃度(FdO2)は、流量が患者のピーク吸気要求を満たすか又はそれを超える限り、患者が呼吸している酸素濃度(FiO2)と実質的に同じであり、したがって、それらの項は同値とみなすことができる。上記範囲の限界の各々は、ユーザが事前設定するか、選択するか、又は患者のタイプに基づいて決定することができ、患者のタイプは、目下の苦痛、並びに/又は、年齢、体重、身長、性別及び/若しくは他の患者の特徴等、患者に関する情報を指すことができる。別法として、FdO2に対する単一の値を選択することができ、上記範囲は、少なくとも部分的にこの値に基づいて決定することができる。たとえば、範囲は、選択されたFdO2よりも設定量だけ上回るとともに下回り得る。選択されたFdO2は、コントローラに対する開始点として使用することができる。システムは、コントローラがFdO2を範囲外にしようとする場合、1つ又は複数の応答を有することができる。これらの応答は、警報、FdO2が範囲外にならないようにすること、FdO2の手動制御に切り替えること、及び/又は所定のFdO2に切り替えることを含むことができる。デバイスは、1つ又は複数の範囲を有することができ、FdO2が各範囲の限界に達すると1つ又は複数の異なる応答が発生する。
【0233】
FdO2は、約21%~約100%、又は約21%~約90%、又は約21%~約80%、又は約21%~約70%、又は約21%~約60%、又は約21%~約50%、又は約25%~約45%で制御することができる。FdO2は、記載した任意の2つの範囲からの任意の2つの好適な値の間で制御することができる。FdO2目標値は、記載した任意の2つの範囲からの任意の2つの好適な値であり得る。範囲が単一の値に基づく場合、選択された値から一定量を加算/減算することにより、上限及び下限を決定することができる。加算又は減算される量は、約1%、又は約5%、又は10%、又は約15%、又は約20%、又は約30%、又は約50%、又は約100%であり得る。加算/減算される量は、選択された値に対して変更することができる。たとえば、上限は、選択された値よりも20%高い場合があり、そのため、50%FdO2の選択された値は、制御の範囲に対して60%の上限を有する。範囲に対して使用される割合は、約1%、又は約5%、又は10%、又は約15%、又は約20%、又は約30%、又は約50%、又は約100%であり得る。下限及び上限を計算する方法は、必ずしも同じである必要はない。単一の値が使用される場合、その値は、約21%~約100%、又は約25%~約90%、又は約25%~約80%、又は約25%~約70%、又は約25%~約60%、又は約25%~約50%、又は約25%~約45%であり得る。
【0234】
閉ループ制御
図9を参照すると、閉ループ制御システム1000の概略図が示されている。閉ループ制御システムは、2つの制御ループを利用することができる。第1制御ループは、SpO
2コントローラによって実施することができる。SpO
2コントローラは、一部、目標SpO
2及び/又は測定されたSpO
2に基づいて、目標FdO
2を決定することができる。上述したように、目標SpO
2値は、単一の値又は許容可能な値の範囲であり得る。値は、臨床医によって事前設定し、選択し、又は顧客の特徴に基づいて自動的に決定することができる。概して、目標SpO
2値は、治療セッションの開始の前又は開始時に受け取られる又は決定されるが、治療セッション中の任意の時点で、目標SpO
2値を受け取ることができる。治療セッション中、SpO
2コントローラは、入力として、ガス組成センサから測定されたFdO
2読取値と、患者センサから測定されたSpO
2読取値及び信号品質読取値も受け取ることができる。いくつかの構成では、SpO
2コントローラは、入力として目標FdO
2を受け取ることができ、こうした場合、SpO
2コントローラの出力は、入力としてSpO
2コントローラに直接戻すように提供することができる。少なくとも一部、入力に基づき、SpO
2コントローラは、目標FdO
2を第2制御ループに出力することができる。
【0235】
第2制御ループは、FdO2コントローラによって実施することができる。FdO2コントローラは、測定されたFdO2及び目標FdO2を受け取ることができる。そして、FdO2コントローラは、これらの測定されたFdO2値と目標FdO2値との差に基づいて酸素弁の動作を制御するように、酸素入力弁制御信号を出力することができる。FdO2コントローラは、フロー療法システム10が自動モードで動作しているときに第1制御ループから出力される目標FdO2値を受け取ることができる。FdO2コントローラは、流量値、ガス特性及び/又は測定されたFdO2等の追加のパラメータも受け取ることができる。ガス特性は、O2入口におけるガスの温度及び/又は供給源の酸素含有量を含むことができる。酸素入口弁に接続されたガス供給源は、供給源の酸素含有量が純酸素(すなわち、100%)未満であり得る、富化酸素ガス流であり得る。たとえば、酸素供給源は、100%未満であり且つ21%を超える酸素含有量を有する酸素富化ガス流であり得る。
【0236】
入力のうちの少なくともいくつかから、FdO2コントローラは、目標FdO2を達成するために必要な酸素流量を決定することができる。FdO2コントローラは、弁制御信号を変更するために流量入力を使用することができる。流量が変化する場合、FdO2コントローラは、測定されたFdO2値等、ガス濃度センサからのフィードバックを待つ必要なしに、新たな流量で目標FdO2を維持するために必要な、新たな必要な酸素流量を自動的に計算することができる。そして、FdO2コントローラは、新たな流量に基づいて弁を制御するように、変更された弁制御信号を出力することができる。いくつかの構成では、FdO2コントローラの制御信号は、酸素弁の動作を制御するために酸素弁の電流を設定することができる。さらに又は別法として、FdO2コントローラは、測定されたFdO2に対する変化を検出し、それに従って弁の位置を変更することができる。手動モード中、第2制御ループは、第1制御ループから目標FdO2を受け取ることなく独立して動作することができる。むしろ、目標FdO2は、ユーザ入力から受け取られるか又はデフォルト値であり得る。
【0237】
治療セッション中、SpO2コントローラ及びFdO2コントローラは、治療セッションが終了するまで、又はある事象が自動モードから手動モードへの変化をトリガするまで、フロー療法システムの動作を自動的に制御し続けることができる。
【0238】
用語
本開示は、いくつかの実施形態及び例に関して記載したが、当業者であれば、本開示が、具体的に開示した実施形態を超えて他の代替実施形態及び/又は使用並びにそれらの明らかな変更形態及び均等物まで拡大することが理解されよう。さらに、本開示の実施形態のいくつかの変形形態を詳細に示し且つ記載したが、当業者には、本開示の範囲内にある他の実施形態が容易に明らかとなろう。実施形態の所定の特徴及び態様のさまざまなコンビネーション又はサブコンビネーションが作成され、依然として本開示の範囲内にあり得ることも企図されている。たとえば、1つの実施形態に関連して上述した特徴を、本明細書に記載する異なる実施形態で使用することができ、そのコンビネーションは依然として本開示の範囲内にある。本開示の実施形態のさまざまなモードを形成するために、開示した実施形態のさまざまな特徴及び態様を互いに組み合わせるか又は置き換えることができることが理解されるべきである。したがって、本明細書における開示の範囲は、上述した特定の実施形態によって限定されるべきではないことが意図されている。したがって、別段の定めのない限り、又は明確に矛盾しない限り、本発明の各実施形態は、本明細書に記載したその本質的な特徴に加えて、本明細書に記載した本発明の各他の実施形態からの本明細書に記載した1つ又は複数の特徴を含むことができる。
【0239】
特定の態様、実施形態又は例に関連して記載した特徴、材料、特性又は群は、本セクション又は本明細書の他の部分に記載したいかなる他の態様、実施形態又は例にも、矛盾しない限り適用可能であると理解されるべきである。(任意の添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)本明細書に開示する特徴のすべて、及び/又はそのように開示する任意の方法若しくはプロセスのステップのすべては、そうした特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組合せを除いて、任意の組合せで組み合わせることができる。保護は、いかなる上述した実施形態の詳細にも制限されない。保護は、(任意の添付の特許請求の範囲、要約及び図面を含む)本明細書に開示する特徴のうちの任意の新規なもの若しくは任意の新規な組合せ、又はそのように開示する任意の方法若しくはプロセスのステップのうちの任意の新規なもの若しくは任意の新規な組合せに及ぶ。
【0240】
さらに、別個の実装態様に関連して本開示に記載したいくつかの特徴は、単一の実装態様で組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実装態様に関連して記載したさまざまな特徴は、複数の実装態様で個別に又は任意の好適なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、特徴について、いくつかコンビネーションで機能するものとして上述している場合があるが、請求項に係るコンビネーションからの1つ又は複数の特徴は、場合によりそのコンビネーションから削除することができ、そのコンビネーションは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形形態として特許請求することができる。
【0241】
さらに、動作は、特定の順序で図面に示すか又は明細書に記載している場合があるが、所望の結果を達成するために、こうした動作は、示されている特定の順序で又は連続した順序で実施されること、又はすべての動作が実施されることは必須ではない。図示も記載もされていない他の動作を、方法及びプロセス例に組み込むことができる。たとえば、記載した動作のうちの任意のものの前に、後に、それと同時に、又はそれらの間に、1つ又は複数の追加の動作を実施することができる。さらに、他の実施態様において、動作を配置し直すか又は順序を設定し直すことができる。当業者であれば、いくつかの実施形態において、例示及び/又は開示したプロセスにおいて行われる実際のステップが、図に示したものとは異なる場合があることが理解されよう。実施形態に応じて、上述したステップのうちのいくつかを除去することができ、他のものを追加することができる。さらに、上に開示した具体的な実施形態の特徴及び属性を異なる方法で組み合わせて、追加の実施形態を形成することができ、それらのすべてが本開示の範囲内にある。また、上述した実施態様におけるさまざまなシステム構成要素の分離は、すべての実施態様においてこうした分離が必要であるものと理解されるべきではなく、記載した構成要素及びシステムは、概して、単一製品に併せて組み込むか又は複数の製品にパッケージ化することができることが理解されるべきである。
【0242】
本開示の目的で、本明細書において、いくつかの態様、利点及び新規な特徴を記載している。こうした利点の必ずしもすべてが、任意の特定の実施形態に従って達成され得るとは限らない。したがって、当業者であれば、本開示を、本明細書において教示又は示唆されている可能性がある他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示する1つの利点又は利点群を達成するように、具現化又は実施することができることが理解されよう。
【0243】
とりわけ「できる」、「場合がある」、「可能性がある」、「たとえば」等、本明細書で用いる条件付きの言い回しは、特に別段の定めのない限り、又は使用される文脈で別段の理解のない限り、概して、ある特徴、要素及び/又はステップを、ある実施形態は含むが、他の実施形態は含まないことを意味するように意図される。したがって、こうした条件付きの言い回しは、概して、特徴、要素及び/又はステップが1つ又は複数の実施形態にいかなるようにも必須であり、又は、1つ又は複数の実施形態が、他の入力又は指示の有無にかかわらず、これらの機能、要素及び/又はステップが任意の特定の実施形態において含まれるか若しくは実施されるか否かを判定するロジックを必ず含むことを意味するようには意図されない。「備える」、「含む」、「有する」等の用語は、同義であり、非限定的に(open-ended)包括的に使用され、追加の要素、特徴、行為、動作等を排除するものではない。また、「又は」という用語は、(その排他的な意味ではなく)その包含的な意味で使用され、そのため、たとえば要素のリストを関連づけるために使用されるとき、「又は」という用語は、そのリスト内の要素の1つ、いくつか又はすべてを意味する。
【0244】
「X、Y及びZのうちの少なくとも1つ」という句等の選言的な言い回しは、特に別段の定めのない限り、一般的に使用される文脈で、項目、用語等がY又はZのいずれかである可能性があることを意味するように理解される。したがって、こうした選言的な言い回しは、ある実施形態が、Xのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つの存在を必要とすることを示唆するようには概して意図されていない。
【0245】
本明細書で用いる場合の「およそ」、「約」、「概して」及び「実質的に」という用語等、本明細書で用いる程度の言い回しは、述べられている値、量又は特徴に近い、依然として所望の機能を実施するか又は所望の結果を達成する、値、量又は特徴を表す。たとえば、「およそ」、「約」、「概して」及び「実質的に」という用語は、述べられている量の10%未満の範囲内、5%未満の範囲内、1%未満の範囲内、0.1%未満の範囲内、0.01%未満の範囲内にある量を指すことができる。別の例として、いくつかの実施形態では、「概して平行な」及び「実質的に平行な」という用語は、15度、10度、5度、3度、1度、0.1度以下等だけ、正確に平行から逸脱する、値、量又は特徴を指す。
【0246】
本明細書に開示するいかなる方法も、列挙した順序で実施されることは必須ではない。本明細書に開示した方法は、医師によって行われるいくつかの行為を含むが、それらは、明示的に又は暗に、それらの行為の任意の第3者の指示も含むことができる。たとえば、「モータ速度を制御すること」等の行為は、「モータ速度の制御を指示すること」を含む。
【0247】
本明細書に記載した方法及びタスクのすべてを、コンピュータシステムによって実施し且つ完全に自動化することができる。コンピュータシステムは、場合により、所望の機能を実施するようにネットワークを介して通信及び相互動作する複数の別個のコンピュータ又はコンピューティングデバイス(たとえば、物理サーバ、ワークステーション、ストレージアレイ、クラウドコンピューティングリソース等)を含むことができる。各こうしたコンピューティングデバイスは、典型的には、メモリ又は他の非一時的コンピュータ可読記憶媒体若しくはデバイス(たとえば、固体記憶デバイス、ディスクドライブ等)に格納されたプログラム命令又はモジュールを実行する1つのプロセッサ(又は複数のプロセッサ)を含む。本明細書に開示したさまざまな機能は、こうしたプログラム命令で具現化することができ、且つ/又はコンピュータシステムの特定用途向け回路(たとえば、ASIC又はFPGA)で実装することができる。コンピュータシステムが複数のコンピューティングデバイスを含む場合、これらのデバイスは、同じ場所にあり得るが、それは必須ではない。開示した方法及びタスクの結果は、固体メモリチップ及び/又は磁気ディスク等の物理記憶デバイスを異なる状態に変形させることにより、永続的に格納することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステムは、クラウドベースのコンピュータシステムとすることができ、その処理リソースは、複数の別個の事業体又は他のユーザによって共有される。
【0248】
本開示の範囲は、このセクションにおける又は本明細書の別の部分における好ましい実施形態の具体的な開示によって限定されるようには意図されておらず、このセクションで若しくは本明細書の別の部分で提示される、又は今後提示される、特許請求の範囲によって規定され得る。特許請求の範囲の言い回しは、特許請求の範囲で採用されている言い回しに基づいて広く解釈され、本明細書において又は本出願の手続き中に記載される例に限定されるべきではなく、これらの例は非排他的であると解釈されるべきである。