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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】エンクロージャ締結モジュール
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20240401BHJP
   H04R 1/00 20060101ALI20240401BHJP
   F16B 12/12 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
H05K5/02 V
H04R1/00 318Z
F16B12/12 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021553856
(86)(22)【出願日】2020-03-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-09
(86)【国際出願番号】 EP2020057887
(87)【国際公開番号】W WO2020200855
(87)【国際公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-12-14
(31)【優先権主張番号】1903372
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517049367
【氏名又は名称】エル-アコースティックス
【氏名又は名称原語表記】L-ACOUSTICS
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘイル,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】コンベ,クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】デルム,アレックス
【審査官】原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-061765(JP,A)
【文献】特開2017-152474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
H04R 1/00
F16B 12/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンクロージャ締結モジュール(100)であって、前記モジュール(100)の外側の締結支持体(20)に締結されるように設計され、前記モジュール(100)が、ダボ支持体(11)に取り付けられた長手方向可動ダボ(10)を含み、前記ダボ支持体(11)が、前記モジュール(100)に対して長手方向および横方向の両方に移動することができ、前記ダボ(10)が、前記締結支持体(20)の取り付け要素(21)に係合するように設計されており、前記ダボ(10)は、前記ダボ(10)が前記締結支持体(20)の前記取り付け要素(21)に係合することができる「ロック」長手方向位置と、前記ダボ(10)が前記締結支持体(20)の前記取り付け要素(21)から外れることのできる「ロック解除」長手方向位置との間で移動可能であり、前記モジュール(100)は、前記ダボ支持体(11)がそのロック位置の第1の横方向位置にあるときに長手方向に保持することができ、かつ前記ダボ支持体(11)がそのロック位置の第2の横方向位置にあるときに長手方向の動きを可能にするストッパ(17)をさらに含むことを特徴とする、エンクロージャ締結モジュール(100)。
【請求項2】
前記ダボ支持体(11)がモジュール本体(12)の内部に配置され、前記ストッパ(17)が前記モジュール本体(12)に統合されることを特徴とする、請求項1に記載の締結モジュール(100)。
【請求項3】
前記ストッパ(17)が、前記モジュール本体(12)の横方向上面(12b)に統合され、かつ前記横方向上面(12b)に直交するロック面(17a)を含み、前記ロック面(17a)は、前記ダボ支持体(11)を前記ダボ支持体の前記第1の横方向位置で長手方向に保持することができ、前記ロック面(17a)は、前記横方向上面(12b)に対して傾斜しており、前記ロック面(17a)の下端を前記横方向上面(12b)に接続している、ロック解除面(17b)によって長手方向に延長されることを特徴とする、請求項2に記載の締結モジュール(100)。
【請求項4】
前記ダボ支持体(11)が、少なくとも1つの長手方向戻り要素(14)を介して前記モジュール本体(12)に接続されており、前記少なくとも1つの長手方向戻り要素(14)は、前記ダボ支持体(11)をそのロック位置に保持することができることを特徴と
する、請求項2または3に記載の締結モジュール(100)。
【請求項5】
前記ダボ支持体(11)が少なくとも2つの長手方向ガイド(13)を含み、各長手方向ガイドが長手方向戻り要素(14)を含むことを特徴とする、請求項4に記載の締結モジュール(100)。
【請求項6】
前記ダボ支持体(11)が、少なくとも1つの横方向戻り要素(16)、前記少なくとも1つの横方向戻り要素を介して、前記モジュール本体(12)に接続されており、前記少なくとも1つの横方向の戻り要素(16)がその第1の横方向位置において前記ダボ支持体(11)を保持することができることを特徴とする、請求項~5のいずれか一項に記載の締結モジュール(100)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの横方向戻り要素(16)が、ボールばねプランジャであることを特徴とする、請求項6に記載の締結モジュール(100)。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の締結モジュール(100)を備えることを特徴とするエンクロージャ(18)。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか一項に記載の締結モジュール(100)と、前記モジュール(100)の外側の締結支持体(20)とを備えることを特徴とするエンクロージャ締結アセンブリ。
【請求項10】
前記締結支持体(20)の前記取り付け要素(21)は、前記締結モジュール(100)の前記可動ダボ(10)が係合するように設計されている開口部(21a)を備える旋回ロッカー(21)を備えることを特徴とする、請求項9に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記締結モジュール(100)が、第1のエンクロージャ(18)に固定され、前記締結支持体(20)が第2のエンクロージャ(19)に固定されることを特徴とする、請求項9または10に記載のアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明の主題は、例えば、エンクロージャ支持体または別のエンクロージャに属する締結支持体などの、モジュールの外側の締結支持体に締結されるように設計されたエンクロージャ締結モジュールである。本発明のさらなる主題は、締結モジュールと、この締結モジュールを含む締結アセンブリとを備えたエンクロージャである。
【0002】
エンクロージャは、サウンドの音響再生を可能にするスピーカを含むキャビネットである。催し物用の拡声システムを設置する場合、放射音を最適化できるエンクロージャのクラスタを形成するために、ショー中にエンクロージャを組み立てて観客の上に吊るすことが知られている。この構造的な組み立て作業には、機械的なロック装置が使用される。
【0003】
ショーが終了すると、エンクロージャのクラスタは解体され、通常はさまざまな保管場所間に移動される。したがって、ロックシステムは手動で扱いやすく、繋ぎ止められている(分離できない)必要がある。
【0004】
図1に示すように、一般的な解決策は、小さなプレート3に固定されたテザー2によってエンクロージャに接続されたボールピン1を使用することである。ボールピンは、機械的ロックを提供し、手動での取り扱いが簡単であり、テザーが装置を紛失しないことを可能にする。
【0005】
機械的ロックは、ピン1自体の本体1bによって提供され、安全な機械的ロックは、ストッパを構成するボール1cによって提供される。ボール1cは、押しボタン1aの動作によって後退することができる。
【0006】
図2は、エンクロージャ4をエンクロージャ支持体5に締結するためのボールピン1の使用を示す。エンクロージャに固定されたロッカー6には、ピン1の本体1bが係合する貫通開口部が設けられている。
【0007】
エンクロージャは、取り扱いおよび保管段階の過程で定期的に衝撃を受けるため、テザー付きボールピンタイプのこれらのロック装置は、頻繁に損傷および/または紛失される。ピンヘッドが破損され、テザーが破れ小さなプレートが外れる可能性がある。この場合、ロック装置の特性が部分的または全体的に変更され、エンクロージャの使用が不可能または危険にさえなる可能性がある。
【0008】
この問題に対応するために、エンクロージャの容積を超えないため、引き裂いたり損傷したりすることができない統合ロック装置が開発されてきた。
【0009】
動作中、エンクロージャのクラスタは多数の振動を経験する。これらの振動の影響により、エンクロージャの機械的ロック装置が誤って外れないようにすることが不可欠である。エンクロージャは観客の上に吊り下げられているため、機械的ロックの固定装置に障害が発生した場合でも偶発的な落下を防ぐために、「フェイルセーフ」と呼ばれる安全装置をエンクロージャに追加することが重要である。
【0010】
既知のロック装置には、このようなフェイルセーフが設けられていない。ボールピンを使用するロック装置は、エンクロージャに統合されたロック装置を構成せず、フェイルセーフを備えていないが、統合されたロック装置も同様にこのフェイルセーフを備えていない。
【0011】
本発明は、これらの欠点を改善することを目的としている。
【0012】
したがって、本発明の主題は、モジュールの外側の締結支持体に締結されるように設計されたエンクロージャ締結モジュールである。
【0013】
本発明によるモジュールは、ダボ支持体に取り付けられた長手方向可動ダボを含み、ダボ支持体は、モジュールに対して長手方向および横方向の両方に移動することができ、ダボは、締結支持体の取り付け要素に係合するように設計されており、ダボは、ダボが締結支持体の取り付け要素に係合することができる「ロック」長手方向位置と、ダボが締結支持体の取り付け要素から外れることのできる「ロック解除」長手方向位置との間で移動可能であり、モジュールは、ダボ支持体がそのロック位置の第1の横方向位置にあるときに長手方向に保持することができ、かつダボ支持体がそのロック位置の第2の横方向位置にあるときに、長手方向の動きを可能にするストッパをさらに含む。
【0014】
したがって、本発明によるモジュールは、締結支持体の取り付け要素を取り付けることができる可動ダボの特徴によって、機械的ロック装置を構成する。さらに、モジュールは、エンクロージャ内のハウジングに問題なく統合して固定することができるため、手動での取り扱いが簡単で、統合およびテザーが可能である。最後に、本発明によるモジュールは、例えば、エンクロージャからの振動にさらされたときに、支持体を固定するストッパの存在のために、フェイルセーフを備えている。実際、ロックの固定に失敗した場合、偶発的な並進運動を固定する停止のために、可動ダボが外されることはない。この停止を克服するために、可動ダボの並進運動に直交する補足的な動作が必要である。
【0015】
ダボ支持体はモジュール本体の内部に配置され得、ストッパはモジュール本体に統合され得る。
【0016】
有利なことに、ストッパは、ロック位置からロック解除位置に切り替えるときに長手方向並進運動を防止し、ロック解除位置からロック位置に切り替えるときに長手方向並進運動を可能にする。
【0017】
したがって、ストッパは、モジュール本体の横方向上面に統合することができ、横方向上面に直交するロック面を含むことができ、ロック面は、ダボ支持体の第1の横位置でダボ支持体を長手方向に保持することができ、ロック面は、横方向上面に対して傾斜し、かつロック面の下端を横方向上面に接続するアンロック面によって長手方向に延長され得る。
【0018】
ダボ支持体は、少なくとも1つの長手方向戻り要素を介してモジュール本体に有利に接続され、少なくとも1つの長手方向戻り要素は、ダボ支持体をそのロック位置に保持することができる。
【0019】
ダボ支持体は、少なくとも2つの長手方向ガイドを含み得、各長手方向ガイドは、長手方向戻り要素を含む。
【0020】
ダボ支持体は、少なくとも1つの横方向戻り要素を介してモジュール本体に接続され得、少なくとも1つの横方向戻り要素は、ダボ支持体をその第1の横方向位置に保持することができる。
【0021】
前述の少なくとも1つの横方向戻り要素は、ボールばねプランジャであり得る。
【0022】
本発明のさらなる主題は、エンクロージャである。本発明によるエンクロージャは、前述の締結モジュールを含む。
【0023】
本発明のさらなる主題は、エンクロージャ用の締結アセンブリである。本発明によるアセンブリは、前述の締結モジュールおよびモジュールの外側の締結支持体を含む。
【0024】
締結支持体の取り付け要素は、締結モジュールの可動ダボが係合するように設計されている開口部を含む旋回ロッカーを備え得る。
【0025】
締結モジュールは第1のエンクロージャに固定することができ、締結サポートは第2のエンクロージャに固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本発明のさらなる利点および特定の特徴は、非限定的な例として与えられ、添付の図を参照して作成された以下の説明から明らかになるであろう。
【0027】
図1】すでに説明したように、従来技術のエンクロージャ締結装置の第1の実施形態を示す。
図2】すでに説明したように、図1の装置を使用して締結されたエンクロージャを示す。
図3】本発明によるエンクロージャ締結モジュールの拡大斜視正面図である。
図4】本発明によるエンクロージャ締結モジュールの拡大斜視背面図である。
図5】本発明による締結モジュールの上面図である。
図6図5の締結モジュールの第1の断面図である。
図7図6の詳細図である。
図8図5の締結モジュールの第2の断面図である。
図9図8の詳細図である。
図10】モジュールのロックからロック解除に切り替える際の、モジュールのダボ支持体のさまざまな位置を遠近法で示す。
図11】モジュールのロックからロック解除に切り替える際の、モジュールのダボ支持体のさまざまな位置を遠近法で示す。
図12】モジュールのロックからロック解除に切り替える際の、モジュールのダボ支持体のさまざまな位置を遠近法で示す。
図13】モジュールのロックからロック解除に切り替える際の、モジュールのダボ支持体のさまざまな位置を遠近法で示す。
図14】モジュールのロックからロック解除に切り替える際の、モジュールのダボ支持体のさまざまな位置を遠近法で示す。
図15】2つのエンクロージャのアセンブリの斜視図であり、そのうちの1つは、本発明による締結モジュールを備えている。
図16図15の詳細図である。
図17】第1のエンクロージャを第2のエンクロージャに締結する際の本発明によるモジュールの異なる構成を示す斜視図である。
図18】第1のエンクロージャを第2のエンクロージャに締結する際の本発明によるモジュールの異なる構成を示す斜視図である。
図19】第1のエンクロージャを第2のエンクロージャに締結する際の本発明によるモジュールの異なる構成を示す斜視図である。
図20】第1のエンクロージャを第2のエンクロージャに締結する際の本発明によるモジュールの異なる構成を示す斜視図である。
図21】第1のエンクロージャを第2のエンクロージャに締結する際の本発明によるモジュールの異なる構成を示す斜視図である。
図22】第1のエンクロージャを第2のエンクロージャに締結する際の本発明によるモジュールの異なる構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図3および4は、本発明によるエンクロージャ締結モジュール100を示している。細長い形態の締結モジュール100は、モジュール100の外側の締結支持体に締結されるように設計されている。モジュール100は、引っ張り装置としても知られているダボ支持体11に取り付けられた長手方向可動ダボ10を備える。可動ダボ10は、締結支持体の取り付け要素に係合するように設計されている。一方、引っ張り装置11は、モジュール本体12の内部に配置されている。モジュール本体12は、ベース12aおよびカバー12bを含む。カバー12bは、ユーザが引っ張り装置11にアクセスすることを可能にする第1のオリフィス12b1と、カバー12bをベース12aに締結するためのねじの通過を可能にする第2のオリフィス12b2とを備える。第3のオリフィス12b3は、可動ダボ10が締結支持体の取り付け要素と係合することができる実際の締結ゾーンを定める。
【0029】
引っ張り装置11は、2つの長手方向ガイド13の助けを借りて、モジュール本体12に対して長手方向に移動することができる。各長手方向ガイド13は、ばね14によってモジュール本体12のベース12aに接続されている。ばね14は、ばね12をモジュール本体12のベース12a上に配置し、各長手方向ガイド13の長手方向ストッパとして機能することを可能にする平座金15で終端する。
【0030】
引っ張り装置11はまた、モジュール本体12に対して横方向に移動することができる。そのために、ボールばねプランジャなどの横方向戻り要素16は、ベース12aと引っ張り装置11との間のリンクを形成する。引っ張り装置11に形成されたハウジング11aは、ボールばねプランジャ16を受容することを可能にする。
【0031】
図5は、上面図でのエンクロージャ締結モジュール100を示している。
【0032】
図5の断面図A-Aである図6に示されているように、および図7では、モジュール本体12のカバー12bは、引っ張り装置11のストッパを構成する突出要素17を備えている。ストッパ17は、カバー12bの上面に直交するロック面17aを備える。ロック面17aは、横方向に延在し、引っ張り装置11を長手方向に、特に、横方向に延在する長手方向ロック要素11bを、引っ張り装置11の第1の横方向上部位置に保持するように設計されている。引っ張り装置11が横方向に下向きに動かされると、ロック要素11bはロック面17aの下端に到達し、それはもはや長手方向に保持されない。
【0033】
したがって、ロック面17aは、カバー12bの上面に対して傾斜し、ロック面の下端をカバー12bの上面に接続するロック解除面17bによって長手方向に延長される(図7)。
【0034】
図5の断面図B-Bである図8、およびまた図9は、特に、引っ張り装置11に下向きに加えられる横方向の力がない場合に、引っ張り装置11をその横方向上部位置に、カバー12bに対して保持することを可能にするボールばねプランジャ16を示している。プランジャ16は、ボール16aおよびばね16bを備える。さらに、引っ張り装置11に形成された空洞11cは、ユーザが、空洞11cに指を挿入することによって、引っ張り装置11を横方向および長手方向の両方に動かすことを可能にする。
【0035】
説明の残りの部分は、今、説明した締結モジュールが動作する方式に専念している。
【0036】
図10に示されるように、引っ張り装置11の可動ダボ10は、その長手方向ロック位置にある。事実上、可動ダボ10は、それが完全に横断する締結ゾーン12b3に完全に係合している。したがって、可動ダボ10は、モジュール100の外側の締結支持体の取り付け要素の開口部に係合し得る。この位置では、引っ張り装置11のロック要素11bは、モジュール本体12のストッパ17に対して長手方向に当接し、より正確には、垂直ロック面17aに対して当接する(図7)。ロック要素11bは、カバー12bの対応する溝(チャネル)に係合するリブであり得る。垂直面17aは、この溝の横面を構成する。ボールばねプランジャ16(図8)を構成する横方向戻り要素は、引っ張り装置11、特に、ロック要素11bを、カバー12bに対して、横方向上部位置である第1の横方向位置に保持する。
【0037】
可動ダボ10のロック解除位置に進むことが望まれる場合、すなわち、可動ダボ10を図の右に向かってスライドさせたい場合、ユーザは、引っ張り装置11に、引っ張り装置11の垂直下向きの動きを引き起こす、下向きの横力Fを加える(図11)。次に、引っ張り装置11は、ロック要素11bの横方向の上端が、垂直ロック面17aの下端であるストッパ17の下端に達すると、第2の横方向位置に達する。
【0038】
ユーザの動作により、引っ張り装置11、したがって可動ダボ10は、この第2の横方向位置から右に向かって長手方向に移動する。図12は、ストッパ17のロック解除面17bの下のロック要素11bの通過の開始を示している。一方、図13は、ロック解除面17bの下のロック要素11aの通過の終わりを示している。次に、可動ダボ10の長手方向の動きが続き、ボールばねプランジャ16がロック要素をカバー12bに対抗して保持する(図14)。
【0039】
図15は、2つのエンクロージャ18、19、つまり上部エンクロージャ18と下部エンクロージャ19のアセンブリを示している。上部エンクロージャ18は、本発明による締結モジュール100を備えている。モジュール100は、例えば、エンクロージャ18の下端に沿ってハウジングに埋め込まれている。モジュール100は、ねじ22の支援により上部エンクロージャ19に締結され得る。
【0040】
モジュール100は、エンクロージャ18の外側の締結支持体20に締結されるように設計されている。この締結サポートは、エンクロージャ支持体または別のエンクロージャに属する締結支持体であり得る。図16は、締結支持体20が下部エンクロージャ19に属する場合を示している。締結支持体20は、ねじ22を用いて下部エンクロージャ19に締結され得る。締結支持体20は、締結モジュール100の可動ダボ10が係合することができる取り付け要素を備えている。取り付け要素は、可動ダボ10が係合することができる長手方向開口部21aを備えるロッカー21であり得る(図17)。ロッカー21は、締結モジュール100の可動ダボ10に平行な軸上で旋回するように取り付けられている。
【0041】
図16に示すように、モジュール100の可動ダボはロック位置にある。したがって、可動ダボはロッカー21の開口部の内側に係合し、2つのエンクロージャ18、19は互いに締結される。
【0042】
このロックを達成するために、開始点は、可動ダボ10がその自然なロック位置にあり、可動ダボ10がロッカー21に係合していない構成である(図17)。第1のステップにおいて、矢印Fによって示される引っ張り装置11に対する横方向の作用により、引っ張り装置11は、その第1の横位置から第2の横位置に切り替わり、引っ張り装置11は、ストッパ17から解放される(図18)。
【0043】
引っ張り装置11がストッパ17によって長手方向に保持されなくなると、空洞11bに指を挿入し、指を矢印Fによって示される方向に動かすことによって、引っ張り装置11を図の右側に向かって長手方向に動かすことが可能である(図19)。
【0044】
可動ダボ10がその長手方向ロック解除位置に達すると、ロッカー21の開口部21aが可動ダボ10と整列するように、ロッカー21が回転される(図20および21)。
【0045】
図22に示されるように、プロセスは、引っ張り装置11の解放時に終了し、引っ張り装置11および可動ダボ10は、ばね14およびボールばねプランジャ16(図3および4)の作用により、矢印Fによって示される方向において、自然にそれらの長手方向ロック位置および引っ張り装置11の第1の横方向位置に戻る。可動ダボ10は、上部エンクロージャ18が下部エンクロージャ19に締結される、ロッカー21内の貫通オリフィス21aを完全に横断する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22