(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】パネルの内側から外側ウェッジを締め付けることによってパネルをレール内に固定するための装置
(51)【国際特許分類】
E04F 11/18 20060101AFI20240401BHJP
F16B 2/14 20060101ALI20240401BHJP
E04B 1/00 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
E04F11/18
F16B2/14 C
E04B1/00 502L
(21)【出願番号】P 2021562123
(86)(22)【出願日】2020-05-25
(86)【国際出願番号】 EP2020064396
(87)【国際公開番号】W WO2020239670
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-03-09
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】521456508
【氏名又は名称】エス・ベ・アンジェニエリー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャコメッティ、シルビアーヌ
(72)【発明者】
【氏名】シャペル,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】ルイフ,レアンドル
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0135669(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0240851(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0265232(US,A1)
【文献】実開昭57-135636(JP,U)
【文献】実開平05-081433(JP,U)
【文献】特開2011-190675(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 11/18
F16B 2/14
E04B 1/00
E06B 3/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネル(14)の下縁部(42)を受容するために垂直に上向きに開いた長手方向溝(28)に垂直パネル(14)を固定するための装置において、パネル(14)は、内面(20)および外面(22)を備え、固定は、横方向に対向するウェッジ(36A,36B;38A,38B)間の横方向の締め付けによって行われ、装置は、
少なくとも1つの第1の上部外側ウェッジ(38A)および少なくとも1つの第2の下部外側ウェッジ(38B)であって、それぞれのウェッジは、溝(28)の垂直外面(34)とパネル(14)の垂直外面(22)との間に介在され、外側ウェッジ(38A,38B)の各々は、溝(28)の外面(34)とパネル(14)の外面(22)との間の、開放位置と締付位置との間の溝(28)内で垂直に摺動するように取り付けられている、少なくとも1つの第1の上部外側ウェッジ(38A)および少なくとも1つの第2の下部外側ウェッジ(38B)と、
パネル(14)の縁部(42)と溝(28)の底部(30)との間に介在され、それぞれがパネル(14)の内側(24)から適用される関連する外側ウェッジ(38A,38B)に摺動力を伝達するように構成された少なくとも2つの可動伝達部材(62A,62B)と、
を備え、
上部および下部外側ウェッジ(38A,38B)が、1つの解放位置から解放位置の上にある締付位置まで垂直上向きに摺動することを特徴とする、
装置。
【請求項2】
外側ウェッジ(38A,38B)をそれらの締付位置に向かって制御するために、すべての可動伝達部材(62A,62B)は、パネルの内側(24)に配置された少なくとも1つの制御デバイス(63,63A,63B)によって圧縮状態で付勢されることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各可動伝達部材(62A,62B)は、パネル(14)の縁部(42)と溝(28)の底部(30)との間に配置された相補的な形状のチャネル(64A,64B)内に摺動可能に受容される半円形セグメントの形態の少なくとも1つの剛性要素によって形成されることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
伝達部材(62A,62B)は、互いに平行に取り付けられていることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
チャネル(64A,64B)は、パネル(14)の縁部(42)をまたぎ、パネル(14)と溝(28)の底部(30)との間に介在されるクレードル(40)に形成されることを特徴とする、請求項3または4に記載の装置。
【請求項6】
各外側ウェッジ(38A,38B)は、クレードル(40)の外側フランジ(76)とパネル(14)の外面(22)との間に介在することを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
外側ウェッジ(38A,38B)の少なくとも1つは、外側ウェッジがその締付位置に向かって摺動するときにパネル(14)に向かって横方向に移動し、前記外側ウェッジは、パネルの外面(22)に向かって回転する締付面(72)を備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
外側ウェッジの少なくとも1つは、その締付位置に摺動するときに垂直方向にのみ移動し、少なくとも1つの横方向に摺動可能に取り付けられた締付パッド(74)は、外側ウェッジの少なくとも1つ(38A)とパネルの外面(22)との間に介在され、締付パッド(74)は、パネル(14)の外面(22)に面する締付面(72)を備えることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
シムが、パネル(14)の外面(22)と締付面(72)との間に介在されることを特徴とする、請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
上部外側ウェッジ(38A)および下部外側ウェッジ(38B)の摺動を独立して制御するための2つの別個の制御デバイス(63A,63B)を備えることを特徴とする、請求項5から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
各制御デバイス(63A,63B)は、各伝達部材(62A,62B)を付勢することができる少なくとも1つのねじ(82A,82B)を備え、制御ねじ(82A,82B)は、ねじ込みまたはねじ緩めによってクレードル(40)に対する制御ねじ(82A、(82A,82B)の軸線方向変位を可能にするために、クレードル(40)に対して固定的に取り付けられたナット(86)にねじ込まれ、各制御デバイス(63A,63B)は、互いに独立して上部および下部外側ウェッジ(38A,38B)の各々の締め付けを制御することを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
2つの上部および下部外側ウェッジ(38A,38B)に共通の制御デバイス(63)を備え、それらを同時に締め付けることを可能にすることを特徴とする、請求項5~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
制御デバイス(63)は、クレードル(40)内で垂直に摺動するように取り付けられたナット(100)にねじ込まれた少なくとも1つの制御ねじ(82)を備え、制御ねじ(82)の下方への摺動が、外側ウェッジの一方(38A)に関連する伝達部材(62A)をその締付位置に向かって付勢し、一方でナット(100)の上方への摺動が、力戻し手段によって外側ウェッジ(38B)のうちの他方に関連する伝達部材(62B)をその締付位置に向かって付勢し、それによって外側ウェッジ(38A,38B)の締め付けが、制御ねじ(82)をナット(100)にねじ込むことによって同時に達成されることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
力戻し手段は、ナット(100)と摺動可能に一体化された少なくとも1つのカム(102)と、クレードル(40)内の弓形経路に沿って変位可能に案内された少なくとも1つのプッシャ(104)とによって形成され、カム(102)は、関連する伝達部材(62B)を押圧するためにプッシャ(104)の下端(108)を下方に摺動させることによって、プッシャ(104)のカム従動子(106)を制御ねじ(82)の軸線から離れるように移動させることができることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
制御デバイス(63)は、制御ねじ(82)の軸線に対して対称に配置された2つのカム(102)および2つのプッシャ(104)を備えることを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パネル、特にガラスパネルを、パネルの両側に位置するウェッジをレールの溝内に締め付けることによってレール内に固定するための装置の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ガードレールは、垂直パネルをレールの溝に固定することによって製造されることができることは公知である。このようなパネルは、例えばガラス製である。
【0003】
古典的には、溝内でのガードレールパネルの位置決めおよび固定は、パネルの両側に少なくとも2つの対向するウェッジを挿入することによって達成される。パネルの固定と同時にパネルの垂直度を調整できるようにするために、各ウェッジの締め付けは、関連するねじナットアセンブリによって調整される。したがって、ウェッジは、ねじを動かすことによって、またはねじがねじ込まれるときにナットを動かすことによって締め付けられる。
【0004】
各ねじナットアセンブリは、締め付けを制御するウェッジと同じパネルの側面に配置される。したがって、ガードレールを取り付けるとき、オペレータは最初にパネルを溝に設置する。次いで、オペレータは、パネルの第1の側面にアクセスして、第1のウェッジの気密性を調整する。次いで、オペレータは、パネルの他方の側面にアクセスして、第2の反対側のウェッジの締め付けを調整する。
【0005】
パネルを固定するためのそのような装置の例は、例えば欧州特許出願公開第2921607号明細書に開示されている。
【0006】
このような装置は、パネルの垂直度の容易な調整を可能にしながら、パネルを溝内に非常に強固に固定する。
【0007】
しかしながら、場合によっては、パネルは、片側、いわゆる内側からのみ容易にアクセス可能である。これは、ガードレールが高いレベルに配置され、外側が空隙に面する場合に特に当てはまる。その結果、足場や荷台などの昇降手段を用いなければ、他方の外側にウェッジをねじ込むことができない。
【0008】
この問題を解決するために、内側のみにウェッジを有する固定装置が既に提案されている。
【0009】
しかしながら、このような装置では、固定作業中にパネルの垂直度を容易に調整することができない。
【0010】
可撓性ストリップによってパネルの内側から外側のウェッジを引っ張ることも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、この解決策は、実装が複雑で高価である。可撓性ストリップは、非常に高い張力に耐えることができなければならない。したがって、ストリップは、可撓性および高い引張強度の両方を有する材料で作られなければならない。さらに、ストリップは、パネルクレードルに非常に高い圧力を加える。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、パネルの下縁部を受容するために垂直上向きに開放された長手方向溝内に垂直パネルを固定するための装置を提供するものであり、パネルは内面および外面を有し、固定は、横方向に対向するウェッジ間の横方向の締め付けによって行われ、本装置は、
-少なくとも1つの第1の上部外側ウェッジおよび少なくとも1つの第2の下部外側ウェッジであって、それぞれが溝の垂直外面とパネルの垂直外面との間に挟まれ、外側ウェッジの各々は、溝の外面とパネルの外面との間の解放位置と締付位置との間で溝内を垂直に摺動するように取り付けられている、少なくとも1つの第1の上部外側ウェッジおよび少なくとも1つの第2の下部外側ウェッジと、
-パネルの縁部と溝の底部との間に介在され、それぞれがパネルの内側から加えられる関連する外側ウェッジに摺動力を伝達するように構成された少なくとも2つの可動伝達部材と、
を備える。
【0014】
本装置は、上部および下部外側ウェッジが、それらの1つの解放位置から解放位置の上方に位置するそれらの締付位置まで垂直上向きに摺動することを特徴とする。
【0015】
本発明のさらなる特徴によれば、
-外側ウェッジをそれらの締付位置に制御するために、すべての可動伝達部材は、パネルの内側に配置された少なくとも1つの制御デバイスによって圧縮状態で付勢され、
-各可動伝達部材は、パネルの縁部と溝の底部との間に配置された相補的な形状のチャネル内に摺動可能に受容される半円形セグメントの形態の少なくとも1つの剛性要素によって形成され、
-伝達部材は、互いに平行に取り付けられ、
-チャネルは、パネルの縁部をまたぎ、パネルと溝の底部との間に介在されるクレードルに形成され、
-各外側ウェッジは、クレードルの外側フランジとパネルの外面との間に介在され、
-外側ウェッジの少なくとも1つは、外側ウェッジがその締付位置に摺動するときにパネルに向かって横方向に移動し、前記外側ウェッジは、パネルの外面に向かって回転する締付面を有し、
-外側ウェッジの少なくとも1つは、その締付位置に摺動するときに垂直方向にのみ移動し、少なくとも1つの横方向に摺動する取り付けられた締付パッドは、外側ウェッジの少なくとも1つとパネルの外面との間に介在され、締付パッドは、パネルの外面に面する締付面を備え、
-パネルの外面と締付面との間にシムが介在され、
-装置は、上部および下部外側ウェッジの摺動を独立して制御するための2つの別個の制御デバイスを備え、
-各制御デバイスは、各伝達部材を付勢することができる少なくとも1つのねじを備え、制御ねじは、ねじ込みまたはねじ緩めによって制御ねじのクレードルに対する軸方向変位を可能にするために、クレードルに対して固定的に取り付けられたナットにねじ込まれ、各制御デバイスは、上部および下部外側ウェッジの各々の締め付けを互いに独立して制御し、
-装置は、同時に締め付けることを可能にするために2つの上部および下部外側ウェッジに共通の制御デバイスを備え、
-制御デバイスは、クレードル内に垂直に摺動可能に取り付けられたナットにねじ込まれた少なくとも1つの制御ねじを備え、制御ねじの下方への摺動は、外側ウェッジの一方に関連する伝達部材をその締付位置に向かって付勢し、一方、ナットの上方への摺動は、力戻し手段によって外側ウェッジの他方に関連する伝達部材をその締付位置に向かって付勢し、したがって、外側ウェッジの締め付けは、制御ねじをナットにねじ込むことによって同時に達成され、
-力戻し手段は、ナットと摺動可能に一体化された少なくとも1つのカムと、クレードル内の弓形軌道に沿って変位するように案内された少なくとも1つのプッシャとによって形成され、カムは、関連する伝達部材を押圧するためにプッシャの下端を下方に摺動させることによって、プッシャのカム従動子を制御ねじの軸線から離れるように移動させることができ、
-制御デバイスは、制御ねじの軸線に対して対称に配置された2つのカムおよび2つのプッシャを備える。
【0016】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになり、その理解のために添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】コンクリートスラブの境界に取り付けられたレールに固定されたパネルを示す斜視図であり、パネルは、本発明の第1の実施形態に従って製造された固定装置によって固定されている。
【
図2】
図1のレール、固定装置、およびパネルを示す分解斜視図である。
【
図4】
図3の固定装置の構成要素を示す分解斜視図である。
【
図5】固定装置が締め付けられるときの固定装置の内側ウェッジを示す、
図3の断面5-5に沿った断面図である。
【
図6】
図5の固定装置を示す断面を有する斜視図である。
【
図7】下部外側ウェッジの締め付け中にその締め付けを制御するためのデバイスを示す、
図3の断面7-7に沿った断面図である。
【
図8】下部外側ウェッジがクレードルの傾斜部に対して摺動するときの下部外側ウェッジを示す、
図3の断面8-8に沿った断面図である。
【
図9】下部外側ウェッジ締付制御デバイスをよりよく見ることができるようにクレードルが示されていない、断面8-8に沿った断面を有する斜視図である。
【
図10】断面7-7に沿った断面を有する斜視図である。
【
図11】解放位置にある上部外側ウェッジを示す、
図3の断面11-11に沿った断面図である。
【
図12】締付位置にある上部外側ウェッジを示す、
図11と同様の図である。
【
図13】断面11-11に沿った断面を有する斜視図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態に従って製造されたレールおよびパネル固定装置を示す分解斜視図である。
【
図16】
図15の固定装置の構成要素を示す分解斜視図である。
【
図17】上部外側ウェッジに作用する制御デバイスを示す、
図15の断面17-17に沿った断面図である。
【
図18】クレードルの内側半分および下部外側ウェッジを締め付けるための制御デバイスのみを示す斜視図である。
【
図19】外側ウェッジおよびそれらの締め付けを制御するためのデバイスのみを示す斜視図であり、制御デバイスの動作のより良好な視覚化を可能にするためにクレードルは示されていない。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の説明では、図中の「L,V,T」三面体によって示される長手方向、垂直方向、および横方向の向きが、非限定的なものとして採用される。
【0019】
なお、以下の説明において、同一の構造または同様の機能を有する要素については、同一の符号を付している。
【0020】
図1は、スラブ12、例えばコンクリートスラブの境界に取り付けられたガードレール10を示している。スラブ12の境界は、ここでは容易にアクセスできず、例えば、高いレベルに配置される。
【0021】
ガードレール10は、垂直パネル14と、支持レール16とを備える。パネル14は、ガラス製であることが好ましい。これは、レール16の長さに沿って分散されたいくつかの固定装置18によって支持レール16内に垂直に保持される。単一の固定装置18を有するレール16の一部分のみが
図1に示されている。各固定装置18は、パネル14が垂直位置にしっかりと固定され、非常に高い荷重に耐えることを可能にするように設計されている。
【0022】
パネル14は、レール16のアクセス可能な側面に面する内面20と、レール16のアクセス不可能な側面に面する外面22とによって横方向に境界付けられている。したがって、取り付け位置にあるパネル14は、空間をアクセス可能な内側24とアクセス不可能な外側26とに分割する。説明の残りの部分では、パネル14の内側に位置する要素を「内側(inner)」と呼び、外側に位置する要素を「外側(outer)」と呼ぶ。
【0023】
図2により詳細に示すように、支持レール16は、例えば、ここではパネル14および固定装置18を受け入れるための溝28を画定する「U」形状の断面を有するアルミニウムプロファイルによって形成される。支持レール16は、長手方向に連続して延在している。支持レール16は、パネル14が取り付けられる前にスラブ12に固定されるように意図されている。
【0024】
側面視において、溝28は、凹状の、好ましくは半円状の湾曲した底部30を有し、これは、一方では内側側面32によって、他方では外側側面34によって垂直上向きに延在し、これらの側面は互いに横方向に対向して配置されている。溝28は、上部開口部を有する。2つの側面32,34間の溝28の幅は、パネル14の厚さよりも大きい。第1の内側側面32は内側24に位置し、第2の外側側面34は外側26に位置している。
【0025】
各固定装置18は、いくつかの部品で形成されたモジュールとして設計されており、その一部は溝28に挿入する前に予め組み立てられてもよい。ここで、
図3および
図4ならびに
図15および
図16を参照して、固定装置18について説明する。
【0026】
固定装置18は、長手方向受け入れ溝28内でパネル14を横方向に締め付けるように意図された、少なくとも1つの内側ウェッジ36A,36Bおよび少なくとも2つの対向する外側ウェッジ38A,38Bを備える。
【0027】
固定装置18はまた、そのプロファイルが「U字」を形成するクレードル40を備える。
図1および
図5に示すように、クレードル40は、パネル14の下縁部42をまたぐように設計されている。クレードル40は、受容溝28の底部30の形状と相補的な形状の丸みを帯びた下面44を有する。クレードル40は、クレードル40の下面44を底部30に対して滑らせることによって、長手方向軸線の周りのパネル14の角運動を可能にするのに十分な横方向のクリアランスを有して溝28に受容される。これにより、クレードル40を枢動させることにより、スラブ12の水平度に応じてパネル14の垂直度を調整することができる。パネル14は、垂直度を調整するためにクレードル40に対してわずかに枢動することも可能にする横方向のクリアランスを有してクレードル40に受容される。
【0028】
溝28の各側面32,34はまた、クレードル40の外側垂直面に形成されたノッチ48と協働することによって、クレードル40を溝28の底部に垂直に保持するように意図された突出ストッパ46を備える。
【0029】
クレードル40は、ここでは剛性プラスチック材料製である。
【0030】
固定装置18の少なくとも1つの内側ウェッジ36Aまたは36Bは、
図5に示すように、溝28の内面32とパネル14の内面20との間に介在される。内側ウェッジ36Aまたは36Bは、固定された垂直位置を有する傾斜部52と協働して垂直摺動によって緊密になることを可能にするように意図された少なくとも1つの傾斜面50を有する。図に示す例では、傾斜部52は、
図5の上部に示すように支持レール16、または
図5の下部に示すようにクレードル40のいずれかと一体である。
【0031】
図に示す実施形態では、固定装置18は、いくつかの内側ウェッジ36A,36Bを備える。したがって、これに限られるわけではないが、上部内側ウェッジ36Aおよび2つの下部内側ウェッジ36Bを備える。
【0032】
上部内側ウェッジ36Aは、溝20の第1の面24の上部に形成された傾斜部52Aと協働する。傾斜部52Aは、パネル14と溝28の内面32との間の上部内側ウェッジ36Aの締め付けが、それが下方に摺動するときに生じるように設計されている。ここで、上部内側ウェッジ36Aは、パネル14に対して直接的に、またはシムを介在させて緊密になるように意図された締付面を有する。
【0033】
下部内側ウェッジ36Bはそれぞれ、溝28の内面32に対して横方向に当接するクレードル40の関連する傾斜部52Bと協働する。より具体的には、下部内側ウェッジ36Bは、傾斜部52Bとパネル14の内面20との間に介在されている。傾斜部52Bは、パネル14と溝28の内面32との間の下部内側ウェッジ36Bの締め付けが、それが上方に摺動するときに生じるように設計されている。ここで、各下部内側ウェッジ36Bは、パネル14に対して直接的に、またはシムを介在させて緊密になるように意図された締付面を有する。
【0034】
上部内側ウェッジ36Aおよび各下部内側ウェッジ36Bの摺動は、2つの垂直軸線制御ねじ54によって達成される。各制御ねじ54は、各下部内側ウェッジ36Bと整列して、上部内側ウェッジ36A内の関連する滑らかなオリフィス56に受容される。各制御ねじ56の下端は、各下部内側ウェッジ36B内のオリフィス58にねじ込まれる。制御ねじ54は、例えば、オリフィス58に力でねじ込まれる。あるいは、オリフィス58にはねじが切られている。いずれの場合でも、制御ねじ54は、関連する下部内側ウェッジ36Bと係合する。
【0035】
したがって、ねじ54がねじ込まれると、クレードル40およびパネル14によって回転に対してロックされた下部内側ウェッジ36Bは、傾斜部52Bとパネル14との間に閉じ込められる締付位置まで上方に摺動する。ねじ込みが続くと、制御ねじ54の頭部60は、溝28の内面32とパネル14との間に押し込まれるまで、上部内側ウェッジ36Aに係合してこれを下方に摺動させる。ねじ込みは、内側ウェッジ36A,36Bが所望の垂直力で締め付けられてパネル14の垂直固定を達成するまで継続されることができる。固定速度に加えて、単一の制御ねじ54を用いて上部内側ウェッジ36Aおよび各下部内側ウェッジ36Bの位置を調整するこのシステムは、各内側ウェッジ36A,36Bによってパネル14に対して加えられる締付力が釣り合うことを可能にする。
【0036】
外側ウェッジ38A,38Bは、少なくとも1つの上部外側ウェッジ38Aおよび少なくとも1つの下部外側ウェッジ38Bを備える。したがって、上部外側ウェッジ38Aは、溝28内の外側ウェッジ38Bの上方に配置される。各外側ウェッジ38A,38Bは、溝28の外側側面34とパネル14の外面22との間に介在される。各外側ウェッジ38A,38Bは、溝28の外側側面34とパネル14の外面22との間の解放位置と締付位置との間に垂直に摺動可能に取り付けられている。外側ウェッジ38A,38Bは、それらの解放位置とそれらの締付位置との間で互いに独立して摺動可能に取り付けられる。
【0037】
外側ウェッジ38A,38Bの締め付けは、パネル14の内側24から調整できるようになっている。この目的のために、固定装置18は、パネル14の下縁部42と溝28の下底30との間に介在される少なくとも2つの可動力伝達部材62A,62Bを備える。力伝達部材62A,62Bはそれぞれ、内側24から関連する外側ウェッジ38A,38Bに摺動力を伝達することができる。
【0038】
本発明の教示によれば、上部外側ウェッジ38Aおよび下部外側ウェッジ38Bの両方は、それらの下部解放位置からそれらの解放位置の上方に位置するそれらの上部締付位置まで垂直上向きに摺動する。したがって、外側ウェッジ38A,38Bをそれらの上部締付位置に制御するために、可動伝達部材62A,62Bは、パネル14の内側24に配置された少なくとも1つの制御デバイス63によって圧縮状態で付勢される。
【0039】
図に示す例示的な実施形態では、各可動伝達部材62A,62Bは、パネル14の下縁部42と溝28の下底30との間に配置された相補的な形状のチャネル64A,64Bに摺動可能に受け入れられる半円形セグメントの形状を有する剛性要素によって形成される。すべての伝達部材62A,62Bは、同じ曲率半径を有する半円形状を有する。
【0040】
したがって、各伝達部材62A,62Bは、内側横断方向端部66および外側横断方向端部68を有する。2つの端部66,68は、いずれも垂直上向きの面を有する。
【0041】
伝達部材62A,62Bは、互いに平行に取り付けられている。各チャネル64A,64Bは、パネル14の縁部42を受容するためにクレードル40の底部に形成される。したがって、各伝達部材62A,62Bは、溝28の底部30ではなく、パネル14の下で、クレードル40の底部で滑ることを受容する。
【0042】
各伝達部材62A,62Bの外側端部68は、関連する外側ウェッジ38A,38Bのスラスト面70A,70Bに垂直に押し付けられるように意図されており、内側端部66は、以下により詳細に説明するように、関連する制御デバイス63によって提供される実質的に垂直な力によって付勢されるように意図されている。
【0043】
伝達部材62A,62Bの外側端部68は、伝達部材の半円形状に起因して実質的に同じ高さに配置される。この点に関して、外側ウェッジ38A,38Bのスラスト面70A,70Bは、ここでは同じ高さに配置されている。したがって、上部外側ウェッジ38Aは、関連する伝達部材62Aへの下部外側ウェッジ38Bに設けられた通路内に垂直下方に延在するタブを有する。
【0044】
あるいは、伝達部材62Aの外面68と上部外側ウェッジ38Aとの間に、上下に摺動可能なスラスト要素が挟まれている。
【0045】
非限定的な例として、図に示すように、単一の伝達部材62Aが上部外側ウェッジ38Aの摺動を制御し、一方下部外側ウェッジ38Bが2つの伝達部材62Bによって摺動を制御される。上部外側ウェッジ38Aに関連する伝達部材62Aは、ここでは、下部外側ウェッジ38Bに関連する2つの伝達部材62Bの間に配置される。
【0046】
外側ウェッジ38A,38Bの少なくとも1つは、パネルがその締付位置に向かって垂直に摺動するとき、パネル14に向かって横方向に移動することができる。この場合、外側ウェッジ38A,38Bは、
図1~
図13の実施形態に示される2つの外側ウェッジについて示されるように、パネル14に面する長手方向の締付面72を有する。
【0047】
あるいは、
図16および
図17に示すように、少なくとも1つの外側ウェッジ38Aが、その締付位置に摺動するときに垂直にのみ移動する。この場合、関連する外側ウェッジ38Aとは別個の少なくとも1つの締付パッド74が、前記外側ウェッジ38Aとパネル14の外面22との間に介在される。この場合、締付面72は、締付パッド74によって支持される。締付パッド74は、その締付面72がパネル14から離間している解放位置と、締付面72が締付位置にある関連する外側ウェッジ38A,38Bによってパネル14に押圧される締付位置との間で、クレードル40内に横方向に摺動可能に受容される。この実施形態は、以下に説明する様々な実施形態に等しく適用可能である。
【0048】
外側ウェッジの実施形態にかかわらず、締付面72は、パネル14の外面22と直接接触するか、締付面72とパネル14の外面22との間にシムを介在させて緊密にすることができる。このシムは、同じ固定装置18をパネル14の異なる厚さに適合させることを可能にする。したがって、締付シムの厚さは、固定されるパネル14の厚さに適合される。
【0049】
図に示す実施形態では、各外側ウェッジ38A,38Bは、クレードル40の外側フランジ76とパネル14の外面22との間に介在されている。クレードル40の外側フランジ76は、溝28の外面34に対して配置され、溝28の開口部に隣接して垂直長手方向平面内に延在する。
【0050】
パネル14が垂直上向きに摺動するときにパネルの横方向の締め付けを可能にするために、外側ウェッジ38A,38Bまたはクレードル40の外側フランジ76の内面の少なくとも1つは、関連する外側ウェッジ38A,38Bがその締付位置に向かって摺動するときに締付面72をパネル14に向かって横方向に押す締付傾斜部を有する。
【0051】
図7~
図13に示す例では、外側ウェッジ38A,38Bが締付面72を含むとき、それは、クレードル40の外側フランジ76に形成された相補的な傾斜部80と滑ることによって協働する傾斜部78を含む。この場合、外側ウェッジ38A,38Bは、その締付位置に移動するにつれて、パネル14に向かって垂直方向および横方向の両方に移動する。
【0052】
あるいは、
図17に示すように、外側ウェッジ38A(ここでは上部)が締付面72を備えるパッド74から分離している場合、外側ウェッジ38Aは、締付パッド74によって支持される相補的な傾斜部80と滑ることによって協働する傾斜部78を備える。この場合、外側ウェッジ38Aは、クレードル40に対して純粋に垂直に移動することができる。
【0053】
図1~
図12に示す本発明の第1の実施形態によれば、この装置は、各外側ウェッジの摺動を独立して制御するための2つの別個の制御デバイス63A,63Bを備える。
【0054】
各制御デバイス63A,63Bは、ここでは、少なくとも1つの伝達部材62A,62Bを付勢することができる少なく
とも1つのねじ82A,82Bを備える。各ねじ82A,82Bは、クレードル40に対して固定された雌ねじ84A,84Bにねじ込まれ、ねじ込みまたはねじ緩めによってねじ82A,82Bのクレードル40に対する軸方向変位を可能にする。
図4に示す例では、雌ねじ84A,84Bは、パネル14の内側でクレードル40に強固に取り付けられたナット86に形成されている。
【0055】
したがって、
図4および
図7~
図10に詳細に示すように、下部外側ウェッジ38Bに関連する制御デバイス63Bは、実質的に垂直な軸線の第1の制御ねじ82Bを備え、その下端ねじ部分は、関連する固定雌ねじ84Bに受容される。制御デバイス63Bはまた、下部外側ウェッジ38Bに関連する2つの伝達部材62Bが単一の制御ねじ82Bによって同時に制御されることを可能にするジャンパ88を含む。ジャンパ88は、上部本体92の長手方向両端部から延びる2つの下部垂直脚部90を備える。ジャンパ88は、
図9に見られるように、下部外側ウェッジ38Bに関連する2つの伝達部材62Bの間に位置する上部外側ウェッジ38Aに関連する伝達部材62Aを架橋する。ジャンパ88は、クレードル40内で垂直に摺動するように案内され、その2つの脚部90の各々は、関連する伝達部材62Bの内側端部66と一直線に配置される。雌ねじ84Bは、2つの脚部90の間に配置される。ジャンパの本体92は、
図10に示すように、制御ねじ82Bのステムが自由に摺動するように受容される滑らかなオリフィス93によって穿孔される。制御ねじ82Bは、
図7および
図9の矢印「F1」によって示されるように、2つの脚部90がそれぞれ関連する伝達部材62Bを付勢するように、
図7~
図10の矢印「F0」によって示されるように、ジャンパ88を下方に押すためにねじ込まれたときに本体92の上面に当接するように意図されたヘッド94を有する。したがって、伝達部材62Bは、
図7~
図10の矢印「FV」によって示されるように、それらの外側端部68が下部外側ウェッジ38Bをその締付位置に向かって上方に押すように摺動する。次に、
図8の矢印「FT」で示すように、下部外側ウェッジ38Bの傾斜部78が傾斜部80に対して滑って、締付面72をパネル14に対して横方向に押す。
【0056】
制御ねじ82Bの長さは、
図9に示すように、下部外側ウェッジ38Bがその締付位置にあるときに、上部外側ウェッジ38Aに関連する伝達部材62Aを付勢しないように決定される。
【0057】
ここで
図4および
図10~
図13を参照すると、第2の制御デバイス63Aが上部外側ウェッジ38Aに関連付けられている。これは、実質的に垂直な軸線の第2の制御ねじ82Aを備え、第2の制御ねじ82Aは、ジャンパ88の本体92内の滑らかなオリフィス96に自由に摺動可能に受容される。制御ねじ82Aのねじ部は、クレードル40に対して固定され、上部外側ウェッジ38Aに関連する伝達部材62Aの内側端部66と一直線に配置された第2の雌ねじ84Aにねじ込まれる。制御ねじ82Aは、ここではグラブねじであり、したがってジャンパの本体92を押すことなくねじ込まれることができる。制御ねじ82Aは、その上端98に凹部を有し、適切なビットが取り付けられた工具(図示せず)によってねじ込まれることを可能にする。
【0058】
制御ねじ82Aの長さは、
図11に示すように、制御ねじ82Aの下端が、伝達部材62Aがねじ込まれるときに伝達部材62Aの内側端部66を付勢するのに十分であるが、その凹部は締付工具にアクセス可能なままとなる。
【0059】
パネル14を固定するとき、制御ねじ82Aは、
図10の矢印「F0’」によって示されるように、ナット86にねじ込まれ、それを下降させる。次に、その下端は、
図10の矢印「F1’」によって示されるように、伝達部材62Aの内面66を押し下げる。これにより、伝達部材62Aは、その外側端部68が上部外側ウェッジ38Aを
図10に示すその解放位置から
図11に示すその締付位置まで上方に押す状態で摺動する。これにより、伝達部材62Aは、上向きの摺動力「FV’」を伝達する。それが上方に摺動すると、
図11に示すように、上部外側ウェッジ38Aの傾斜部78は、クレードル40の傾斜部80に対して滑り、締付面72をパネル14に対して横方向に力「FT’」で押す。
【0060】
図14に示すように、2つの制御ねじ82A,82Bは、外側ウェッジ38A,38Bを内側24から締め付けることができるように、パネル14の内側24に配置される。
【0061】
図15~
図19に示す本発明の第2の実施形態によれば、固定装置18は、内側ウェッジ36A,36Bについて説明したのと同様の方法で2つの外側ウェッジ38A,38Bを同時に締め付けることを可能にするために、2つの外側ウェッジ38A,38Bに共通の制御デバイス63を備える。特に、この制御デバイス63は、下部および上部外側ウェッジ38A,38Bの締付力が自動的に釣り合うことを可能にする。もちろん、第1の実施形態と同様に、制御ねじ82はパネルの内側に位置している。
【0062】
制御デバイス63は、クレードル40の内側に垂直に摺動可能に取り付けられたナット100にねじ込まれる垂直軸線を有する少なくとも1つの制御ねじ82を備える。クレードル40は、ここでは、横方向インターロックによって一緒に組み立てることができる内側半体40Aおよび外側半体40Bに作られる。
【0063】
制御ねじ82は、上部外側ウェッジ38Aに関連する伝達部材62Aの内側端部66と一直線に配置される。したがって、
図17の矢印F0’’で示すように、制御ねじ82が下方に移動すると、その下端は、上部外側ウェッジ38Aに関連する伝達部材62Aの内側端部66をその締付位置に向かって付勢することができる。次いで、伝達部材62Aは、矢印F1’’で示すように、その外側端部68が力FV’’を上部外側ウェッジ38Aに加えるように摺動する。上部外側ウェッジ38Aの傾斜部78を締付パッド74の傾斜部80に対して滑らせることにより、横方向の力FT’’を加えて、パッド74をパネル14に対して締め付ける。
【0064】
さらに、
図18および
図19に示すように、ナット100は、力戻し手段と協働することができる。したがって、ナット100が上方に摺動すると、制御ねじ82をねじ込むことによって、下部外側ウェッジ38Bに関連する伝達部材62Bは、力戻し手段によってそれらの締付位置に向かって付勢される。
【0065】
図示の例では、力戻し手段は、ナット100と摺動可能に一体化された少なくとも1つのカム102と、クレードル40内の弓形経路に沿って変位可能に案内された少なくとも1つのプッシャ104とによって形成される。カム102は、ナット100が矢印「D」によって示されるようにプッシャ104に対して上方に移動するときに、プッシャ104のカム従動子106を制御ねじ82の軸から離れるように移動させるために、ナット100の少なくとも1つの横方向フランクに配置される。したがって、カム104は、
図18に示すように、プッシャ104のカム従動子106に横方向の力F0’’’を加える。
【0066】
これにより、矢印F1’’’で示すように、プッシャ104の下端108が下方に摺動して、関連する伝達部材62Bの内側端部66を下方に押す。これにより、伝達部材62Bは、外側端部68が下部外側ウェッジ38Bに上向きの垂直力FV’’’を加えながら摺動する。
【0067】
図16に示すように、プッシャ104は、可能な限り小さなスペースを占有するために、円の4分の1にわたって、好適には垂直長手方向平面内に延びる円弧形状のセグメントの形態である。プッシャ104の凹状の境界は、制御ねじ82の軸線の方向に向いている。プッシャ104の上端は、制御ねじ82に向かって長手方向に面してカム従動子106を形成し、その下端108は、下部外側ウェッジ38Bに関連する伝達部材のうちの一方62Bの内側端部66と接触するように配置される。
【0068】
カム102が制御ねじ82に半径方向反力を加えることができることを考えると、制御デバイス63は、好適には、ナット100の2つの対向するフランクに配置された2つの対向するカム102を備える。上記のような2つのプッシャ104は、カム102の一方とそれぞれ協働するように、制御ねじ82の軸を通る横断面に対して対称に配置される。したがって、各プッシャ104は、関連する伝達部材62Bを駆動することを可能にする。これにより、好適には、制御ねじ82に半径方向に加えられる反力が釣り合うことが可能になる。
【0069】
制御ねじ82は、クレードル40に対して摺動自在に取り付けられている。これにより、単一の制御ねじ82による2つの外側ウェッジ38A,38Bの同時かつ釣り合った締め付けが可能になる。
【0070】
外側ウェッジ38A,38Bが締め付けられると、制御ねじ82がナット100にねじ込まれる。これにより、ナット100と制御ねじ82の下端との間に垂直方向の隙間が生じる。
【0071】
したがって、制御ねじ82の下端は、上部外側ウェッジ38Aを上方に押す傾向がある伝達部材38Aの内側端部66に下向きの垂直力F0’’を加える。上部外側ウェッジ38Aの傾斜部78が締付パッド74の傾斜部80に対して滑ることにより、締付パッド74は、その締付面72がパネル14に対して締め付けられるまで移動する。
【0072】
これに応じて、ナット100が上方に移動する。次いで、ナット100はカム102に上向きの力を加え、これはプッシャ104を制御ねじ82の軸線から離れるように同時に移動させる傾向がある。プッシャ104の下端108は、下部外側ウェッジ38Bをその締付位置に向かって付勢するように摺動する関連する伝達部材62Bの内側端部66に当接する。次いで、下部外側ウェッジ38Bの傾斜部72は、クレードルの傾斜部80に対して滑り、締付面72をパネル14に向かって横方向に移動させる。
【0073】
制御ねじ82がねじ込まれ続けると、下部および上部外側ウェッジ38A,38Bが同時に締め付けられ、それにより、一方でナット100および他方で制御ねじ82によって加えられる力が釣り合う。したがって、2つの外側ウェッジ38A,38Bは、実質的に同じ方法で締め付けられ、パネル14に対して締付面72によって加えられる力は、実質的に釣り合っている。
【0074】
いずれの実施形態が選択される場合でも、パネルを固定するとき、固定装置18は、それらの内側および外側ウェッジを解放位置にしてレール16の溝28に挿入される。次いで、パネル14は、その縁部42がクレードル40上に載置されるように溝内に位置決めされる。次に、パネル14が所望の垂直位置に保持され、次いで、内側および外側ウェッジの各々の制御ねじは、各ウェッジがパネル14をその垂直位置に固定することを可能にする締付位置を占めるまで、次々にねじ込まれる。2つの外側ウェッジ38A,38Bが締付位置にあるとき、それらは制御ねじ82によってその位置に保持され、各伝達部材62A,62Bは、関連する外側ウェッジ38A,38Bと関連する制御ねじ82との間で圧縮される。
【0075】
したがって、本発明は、好適には、2つの外側ウェッジ38A,38Bがパネル14の内側24からそれらの締付位置に制御されることを可能にする。
【0076】
さらに、関連する外側ウェッジを締付位置に保持するために圧縮状態で動作する伝達部材を使用することにより、材料クリープのリスクなしに、経時的にしっかりとした耐久性のある保持が保証される。さらに、伝達部材は、圧縮に耐える剛性プラスチック材料よりも安価な材料で作られることができる。