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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】限定的移動のための生検部位マーカ
(51)【国際特許分類】
   A61B 10/02 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
A61B10/02 300Z
A61B10/02 110J
【請求項の数】 38
(21)【出願番号】P 2021569927
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 US2020035190
(87)【国際公開番号】W WO2020243474
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】62/854,352
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511148271
【氏名又は名称】デビコー・メディカル・プロダクツ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Devicor Medical Products, Inc.
【住所又は居所原語表記】5th Floor, 300 E Business Way, Cincinnati, OH 45241, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【弁理士】
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】クレイダー・イライジャ
(72)【発明者】
【氏名】シャディックス・ピーター
(72)【発明者】
【氏名】タンガル・エマニュエル・ブイ
(72)【発明者】
【氏名】リベリーノ・ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】スモール・アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ラモス・ラモン・アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ヴォーランド・テイラー
(72)【発明者】
【氏名】ランドール・ジャック・エイ
(72)【発明者】
【氏名】マクブリーン・デビッド・シー
(72)【発明者】
【氏名】ペリー・レロンダ
(72)【発明者】
【氏名】ラド・エドワード・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ラインバック・ジェシカ・ピー
(72)【発明者】
【氏名】ペイン・サラ
(72)【発明者】
【氏名】ストアラー・アン・イー
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン・アンドリュー・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ブルース・ジョン・ケビン
(72)【発明者】
【氏名】チョン・レイチェル・ユン
【審査官】増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-312941(JP,A)
【文献】特表2015-524689(JP,A)
【文献】国際公開第2019/188663(WO,A1)
【文献】特表2017-534370(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 9/00-10/06
A61B 6/00-6/58
A61B 1/00-1/32
A61B 5/05-5/055
A61B 5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアと、
前記キャリア内に配置されたマーカ要素と、を含む生検部位マーカであって、前記キャリアは、第1のマーカ材料及び第2のマーカ材料を含み、前記第1のマーカ材料及び前記第2のマーカ材料は、それぞれ、水分の存在下で膨張するように構成され、前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成される、
前記生検部位マーカ。
【請求項2】
前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料を囲む外殻として形成される、請求項1に記載のマーカ。
【請求項3】
前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料の近位端に配置された第1の部分と、前記第2のマーカ材料の遠位端に配置された第2の部分とを含む、請求項1に記載のマーカ。
【請求項4】
前記第1のマーカ材料の前記第1の部分及び前記第2の部分はそれぞれ、組織を受け入れるように構成された1つまたは複数のノッチを含む、請求項3に記載のマーカ。
【請求項5】
前記第1のマーカ材料の前記第1の部分及び前記第2の部分はそれぞれ、水分の存在下で、前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張してダンベル形状のプロファイルを形成するように構成される、請求項3または4に記載のマーカ。
【請求項6】
前記第1のマーカ材料は、中心点を有する内側コアを画定し、前記第2のマーカ材料は、前記中心点に近接して配置されたシースを画定する、請求項1に記載のマーカ。
【請求項7】
前記第2のマーカ材料は、前記中心点で前記第1のマーカ材料の膨張を含むように構成される、請求項6に記載のマーカ。
【請求項8】
前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料を囲む外殻として形成され、前記第2のマーカ材料は、前記マーカの中心軸に対して前記第1のマーカ材料内でオフセットされる、請求項1に記載のマーカ。
【請求項9】
前記第1のマーカ材料及び前記第2のマーカ材料は、端と端をつなぐ構成で接続される、請求項1に記載のマーカ。
【請求項10】
前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張して、それによって組織プラグを形成するように構成される、請求項9に記載のマーカ。
【請求項11】
前記第2のマーカ材料は、くぼみを画定し、前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料の前記くぼみ内に配置される、請求項1に記載のマーカ。
【請求項12】
前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で、前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成され、それによって、前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料によって画定される前記くぼみの外に膨張する、請求項11に記載のマーカ。
【請求項13】
前記第1のマーカ材料は、コラーゲンであり、前記第2のマーカ材料は、ヒドロゲルである、請求項1から12のいずれか1項または複数項に記載のマーカ。
【請求項14】
前記マーカ要素は、前記第1のマーカ材料内に配置される、請求項1から13のいずれか1項または複数項に記載のマーカ。
【請求項15】
前記マーカ要素は、前記第2のマーカ材料内に配置される、請求項1から13のいずれか1項または複数項に記載のマーカ。
【請求項16】
前記マーカ要素は、前記第1のマーカ材料内及び前記第2のマーカ材料内の両方に配置され、それによって、前記マーカ要素が前記第1のマーカ材料を前記第2のマーカ材料に結合するように構成される、請求項1から13のいずれか1項または複数項に記載のマーカ。
【請求項17】
生検部位マーカを製造する方法であって、
(a)第1のマーカ材料の本体を形成することであって、前記本体の形成は、前記本体を通って延びるボイドを形成することを含む、前記形成すること、
(b)第2のマーカ材料のペレットを形成すること、
(c)前記ペレットを前記本体の前記ボイドに挿入すること、及び、
(d)前記本体と前記ペレットの組み合わせを圧縮すること、
を含む、前記方法。
【請求項18】
前記ペレットを形成するステップは、複数のペレットを形成することを含み、前記ペレットを前記本体の前記ボイドに挿入するステップは、前記複数のペレットを前記ボイドに挿入することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1のマーカ材料は、コラーゲンを含み、前記第2のマーカ材料は、ヒドロゲルを含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
キャリアと、
前記キャリア内に配置されたマーカ要素と、を含む生検部位マーカであって、前記キャリアは、第1のマーカ材料及び第2のマーカ材料を含み、前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料によって画定されたコアの周囲に巻き付けられた外殻を画定し、前記第1のマーカ材料及び前記第2のマーカ材料は、それぞれ、水分の存在下で膨張するように構成され、前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成される、
前記生検部位マーカ。
【請求項21】
前記第1のマーカ材料の前記外殻は、前記第2のマーカ材料の前記コアを完全に取り囲む、請求項20に記載のマーカ。
【請求項22】
前記第2のマーカ材料は、水分にさらされたときに前記第1のマーカ材料と比較して安定した状態を保つように構成される、請求項20または21に記載のマーカ。
【請求項23】
前記マーカ要素は、前記第2のマーカ材料内の中央にある、請求項20から22のいずれか1項または複数項に記載のマーカ。
【請求項24】
前記第1のマーカ材料は、水分にさらされたときに体積が少なくとも300パーセント膨張するように構成される、請求項20から23のいずれか1項または複数項に記載のマーカ。
【請求項25】
前記第1のマーカ材料は、水分にさらされたときに前記第2のマーカ材料と比較して急速に分解するように構成される、請求項20から24のいずれか1項または複数項に記載のマーカ。
【請求項26】
キャリアと前記キャリア内に配置されたマーカ要素とを含む生検部位マーカであって、前記キャリアは、第1の部分、第2の部分、及び、前記第1の部分と前記第2の部分の間に配置された第3の部分を含み、前記第1の部分及び前記第2の部分は両方とも、第1のマーカ材料を含み、前記第3の部分は、第2のマーカ材料を含み、前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成される、前記生検部位マーカ。
【請求項27】
前記第1の部分及び前記第2の部分は、それぞれ、複数のノッチを含む、請求項26のマーカ。
【請求項28】
前記第1の部分及び前記第2の部分は両方とも、組織内に前記キャリアを固定するために前記第3の部分に対して膨張するように構成される、請求項26または27に記載のマーカ。
【請求項29】
前記キャリアは、脱水構成から最初に水和された構成との間で移行するように構成され、前記第1のマーカ材料は、前記最初に水和された構成への前記移行中、前記第2のマーカ材料に対して膨張するように構成され、それによって、前記キャリアがダンベル形状のプロファイルを形成する、請求項26から28のいずれか1項または複数項に記載のマーカ。
【請求項30】
キャリアと前記キャリア内に配置されたマーカ要素とを含む生検部位マーカであって、前記キャリアは、第1のマーカ材料及び第2のマーカ材料を含み、前記第1のマーカ材料は、円筒形のコアを画定し、前記第2のマーカ材料は、前記第1のマーカ材料の一部分を囲む外側スリーブを画定し、前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成される、前記生検部位マーカ。
【請求項31】
前記第1のマーカ材料は、縦軸を画定し、前記第2のマーカ材料は、前記縦軸の中心に位置する、請求項30に記載のマーカ。
【請求項32】
前記第1のマーカ材料の少なくとも一部分が前記第2のマーカ材料に対して露出している、請求項30または31に記載のマーカ。
【請求項33】
前記第2のマーカ材料は、前記第1のマーカ材料の少なくとも一部分の膨張を制限するように構成される、請求項30から32のいずれか1項または複数項に記載のマーカ。
【請求項34】
前記第1のマーカ材料は、コラーゲンであり、前記第2のマーカ材料は、ヒドロゲルである、請求項30から33のいずれか1項または複数項に記載のマーカ。
【請求項35】
前記マーカ要素は、前記第1のマーカ材料内に位置する、請求項30から34のいずれか1項または複数項に記載のマーカ。
【請求項36】
前記マーカ要素は、前記第2のマーカ材料内に位置する、請求項30から34のいずれか1項または複数項に記載のマーカ。
【請求項37】
前記マーカ要素は、前記第1のマーカ材料内及び前記第2のマーカ材料内の両方に位置する、請求項30から34のいずれか1項または複数項に記載のマーカ。
【請求項38】
前記マーカ要素は、複数のマーカ要素を含み、少なくとも1つのマーカ要素は、前記第1のマーカ材料内、前記第2のマーカ材料内、または、その両方に位置する、請求項30から34のいずれか1項または複数項に記載のマーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
この出願は、2019年5月30日に出願された「Biopsy Site Marker for Limited Migration」と題された米国仮出願第62/854,352号の優先権を主張し、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
不規則なマンモグラムと触診可能な異常のために、多くの患者が乳房生検を受ける。生検は、外科的切除生検と定位及び超音波ガイド下針乳房生検を含み得る。画像指向生検の場合、放射線科医または他の医師は、実験室分析のために不規則な組織の小さな標本を採取することがある。生検が悪性であることが判明した場合、追加の手術(例えば、乳腺腫瘤摘出術または乳房切除術)が必要になる場合がある。針生検の場合、患者は1日以上後に放射線科医の所に戻って、手術の準備として生検部位(病変部位)を再特定することが必要な場合がある。超音波、磁気共鳴画像法(MRI)、X線などの画像システムを使用して生検部位を特定してよい。生検部位の再特定を支援するために、生検時にマーカを配置してよい。
【0003】
生検対象の組織が除去された場所にマーキングするために、乳房生検後に使用されるマーカの使用は、以下の米国特許に記載されている。すなわち、2000年7月4日に発行されたUS6,083,524「Polymerizable biodegradable polymers including carbonate or dioxanone linkages」、2000年12月4日に発行されたUS6,162,241「Hemostatic tissue sealants」、2001年8月7日に発行されたUS6,270,464「Biopsy localization method and device」、2002年3月12日に発行されたUS6,356,782「Subcutaneous cavity marking device and method」、2003年8月12日に発行されたUS6,605,294「Methods of using in situ hydration of hydrogel articles for sealing or augmentation of tissue or vessels」、2013年12月3日に発行されたUS8,600,481「Subcutaneous cavity marking device」、及び2015年1月27日に発行されたUS8,939,910「Method for enhancing ultrasound visibility of hyperechoic materials」に記載されている。これらの米国特許のすべてが、参照により全体として組み込まれている。
【0004】
マーカが生検部位に配置されると、その後のフォローアップ手順で再特定して生検部位を識別することができる。状況によっては、配置されたマーカが生検部位に完全に対応していない場合がある。例えば、マーカは、生検手順とその後のフォローアップ手順との間の介在時間中に、生検部位から別の近くの場所に移動する場合がある。これは、その後のフォローアップ手順中に生検部位の識別を困難にする可能性がある。したがって、マーカを一定の位置に経時的に維持するための特徴をマーカに組み込むことが望ましい場合がある。
【0005】
生検試料を得るためにいくつかのシステム及び方法が作成され、使用されてきたが、本発明者に先行して、添付の「特許請求の範囲」に記載した発明を作成または使用した者はいなかったと考える。
【0006】
本明細書は、本発明を具体的に指摘し明確に主張する「特許請求の範囲」で完結するが、本発明は、添付の図面と併せて考慮される以下の特定の例の説明からより良く理解されると考えられる。図面中、類似の参照番号は同じ要素を指す。図面で、いくつかの構成要素または構成要素の一部は、破線で表すように透視図で示されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】A、B、及びCは、本開示の態様による、生検部位マーカの配置の例示的な態様を示す。
図2】例示的なマーカ送達デバイスの斜視図を示す。
図3図2のマーカ送達デバイスの側面断面図を示す。
図4】生検部位にマーキングするためにマーカが図1のマーカ送達デバイスの遠位部分から生検針の横方向開口を通って配置されている断面図を示す。
図5】別の例示的な生検部位マーカの斜視図を示す。
図6図6の線6-6に沿った断面の、図5のマーカの断面図を示す。
図7】マーカが最初に水和状態にある図5のマーカの側面図を示す。
図8】さらに別の例示的な生検部位マーカの斜視図を示す。
図9図8の線9-9に沿った断面の、図8のマーカの断面図を示す。
図10】マーカが最初に水和状態にある図8のマーカの別の断面図を示す。
図11】別の例示的な生検部位マーカの斜視図を示す。
図12図11のマーカの正面図である。
図13図11の線13-13に沿った断面の、図11のマーカの断面図を示す。
図14】マーカが最初に水和状態にある図11のマーカの別の斜視図を示す。
図15】組織内に配置された最初に水和状態にある図11のマーカの側面図を示す。
図16】別の例示的な生検部位マーカの側面図を示す。
図17】マーカが最初に水和状態にある図16のマーカの別の側面図を示す。
図18】マーカが部分的に吸収または分解された状態にある図17のマーカのさらに別の側面図を示す。
図19】さらに別の例示的な生検部位マーカの側面図を示す。
図20】マーカが最初に水和状態にある図19のマーカの別の側面図を示す。
図21】マーカが部分的に吸収または分解された状態にある図19のマーカのさらに別の側面図を示す。
図22】さらに別の例示的な生検部位マーカの側面図を示す。
図23】マーカが最初に水和状態にある図22のマーカの別の側面図を示す。
図24】さらに別の例示的な生検部位マーカの側面図を示す。
図25】マーカが最初に水和状態にある図24のマーカの別の側面図を示す。
図26】さらに別の例示的な生検部位マーカの側面図を示す。
図27図26の線26-26に沿った断面の、図26のマーカの斜視断面図を示す。
図28】マーカが最初に水和状態にある図26のマーカの別の側面図を示す。
図29】さらに別の例示的な生検部位マーカの平面図を示す。
図30】マーカが生検部位に配置された図29のマーカの別の平面図を示す。
図31】マーカが最初に水和状態で生検部位にある図29のマーカのさらに別の平面図を示す。
図32】さらに別の例示的な生検部位マーカの側面図を示す。
図33図32の線33-33に沿った断面の図32のマーカの断面図を示す。
図34】マーカが最初に水和状態にある図32のマーカの別の断面図を示す。
図35】さらに別の例示的な生検部位マーカの斜視図を示す。
図36図35のマーカの部分的な分解斜視図を示す。
図37】さらに別の例示的な生検部位マーカの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面は、決して限定的となることを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、必ずしも図面に示されない方法も含む様々な他の方法で実施され得ることが企図されている。本明細書に組み込まれ、その一部を形成する添付の図面は、本発明のいくつかの態様を示し、その説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。しかし、本発明が、示される正確な構成に限定されないことは理解されるであろう。
【0009】
本発明の特定の例に関する以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、以下の説明から当業者には明らかである。以下の説明は例示であり、本発明を実施するために企図される最良の形態のうちの1つである。認識されるように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の様々かつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は本質的に例示であり、限定的ではないとみなされるべきである。
【0010】
病変を除去またはサンプリングする前または直後に、一時的または永続的に、病変の場所またはマージンにマーキングすることが有益な場合がある。必要に応じて、切除前にマーキングを行うと、病変全体を確実に切除する助けになる。あるいは、病変が不注意に完全に除去された場合、手順の直後に生検部位にマーキングすることで、将来の識別のためにその位置を再確立することができる。
【0011】
マーカが生検部位に配置されると、マーカが超音波下で見えたままであることが望ましい場合がある。また、患者の他の構造的特徴と比較してマーカを容易に識別可能にすることが望ましい場合がある。例えば、以後の超音波検査中にマーカを微小石灰化として不注意に特徴付けることを回避するために、マーカが超音波可視化の下で微小石灰化から区別可能であることが望ましい場合がある。一般に、微小石灰化は、疑わしい病変または腫瘤を識別するために現場で使用される。したがって、一般に、超音波ビューがマーカとして区別可能であり、不注意に新しい腫瘤として識別されないことが望ましい。
【0012】
I.例示的なマーカ
【0013】
本明細書に提示される態様は、図1A~1Cに示すように、周囲組織(30)を有する生検腔(10)を経皮的にマーキングするためのマーカを製造するためのデバイス及び手順に関する。例えば、図1Aに見られるように、マーカ(100)は、生検部位の再特定を容易にするために、最初に生検腔(10)に配置されてよい。マーカ(100)は、キャリア(120)及びマーカ要素(12)を含み得る。キャリア(120)は、一般に、生体吸収性マーカ材料(122)を含む。したがって、キャリア(120)は、一般に、生検腔(10)内にマーカ(100)を配置した後、患者に吸収されるように構成される。いくつかの例では、キャリア(120)は、超音波下でのキャリア(120)の可視化を強化するために、複数のマイクロバブルを含み得る。以下でより詳細に説明するように、マーカ材料(122)は、一般に生体吸収性であり、その結果、マーカ材料(122)は、一般に、時間の経過とともに患者の組織に吸収され得る。本例では、マーカ材料(122)は、最初は脱水状態にあるヒドロゲルを含む。本例では、ヒドロゲルが使用されるが、他の例では、マーカ材料(122)は他の既知の生体吸収性材料を含んでよいことは理解されたい。
【0014】
本例では、マーカ(100)は、一般に生体吸収性ではないマーカ要素(12)をさらに含む。マーカ要素(12)は、キャリア(120)の生体吸収性マーカ材料(122)内に埋め込まれた放射線不透過性またはエコー源性マーカを含み得る。例えば、マーカ要素(12)は、本明細書の教示を考慮して当業者に既知の金属、硬質プラスチック、または他の放射線不透過性もしくは高エコー性の材料を含み得る。他の例では、マーカ(100)は、マーカ要素(12)無しで形成されてよい。さらに他の例では、マーカ(100)は、キャリア(120)が省略され、マーカ要素(12)が「そのまま」の形態であるように、マーカ要素(12)のみで形成されてよい。言い換えれば、いくつかの例では、マーカ(100)は、ベアクリップとしてのキャリア(120)のみで形成されている。
【0015】
マーカ材料(122)は、患者内の生検部位に配置されると、一般に、膨張可能である。図1B及び1Cに示すように、最初に脱水されたマーカ材料(122)は、それが挿入される周囲の組織(30)から流体を吸収し得る。この流体の吸収に応じて、マーカ材料(122)が膨潤し、それにより、生検手順中に組織標本を除去することによって、生検部位に形成された空洞をキャリア(120)が満たすことを可能にする。生分解性材料は、自然な組織成長が、時間の経過とともに移植された材料に完全にまたは部分的に置き換わることを可能にすることが望まれる用途に特に適している場合がある。したがって、生体適合性が確保され、組織の自然な機械的パラメータが損傷前の状態のパラメータに実質的に復元される。
【0016】
マーカ(100)は、体腔(30)の開口部を介して外科的に、またはカテーテル、イントロデューサもしくは同様のタイプの挿入デバイスなどのデバイスを使用する低侵襲手順によって、体内に挿入されてよい。マーカ(100)は、組織標本自体を除去するために使用されるのと同じデバイスを使用して、組織標本の除去直後に送達されてよい。次に、X線マンモグラフィまたは超音波などのフォローアップ非侵襲的検出技術が、医師によって使用されて、マーカ(100)を介して一定期間にわたって生検腔部位を識別、特定、監視してよい。
【0017】
本例のマーカ(100)は、例えば、X線または超音波の観察下で臨床医に容易に見える十分な大きさがあるにもかかわらず、生検腔に経皮的に配置することができ、患者に問題を引き起こさないほど十分に小さい。例は乳房組織の治療及び診断に関連して説明しているが、本明細書に提示される態様は、任意の内部組織、例えば、乳房組織、肺組織、前立腺組織、リンパ腺組織などのマーカに使用されてよい。
【0018】
キャリア(120)のマーカ材料(122)の、マーカ材料(122)を取り巻く組織の自然な水分による水和は、ポリマの膨張を引き起こし、したがって、移動のリスクを最小限にする。成長するヒドロゲルベースのマーカ材料(122)は、成長すると、マーカ(100)を生検腔の中心に置く。ヒドロゲルが膨張すると、周辺組織からの自然に存在する水分、つまり水和作用は、伝達による音の増加を可能にし、ますます低エコーに見え、フォローアップ超音波研究で可視化しやすい。
【0019】
キャリア(120)の水和ヒドロゲルマーカ材料(122)はまた、永久マーカ(12)を囲むように使用されてよい。水和マーカ材料(122)の低エコーの性質は、ヒドロゲル水和マーカ材料(122)内で永久マーカ(12)の超音波可視性を可能にする。なぜなら、永久マーカ(12)は、水のような無反射の基質を有する低エコーの水和マーカ内で鏡面反射鏡のように囲まれるからである。
【0020】
II.例示的なマーカ送達デバイス
【0021】
いくつかの例では、特定のマーカ送達デバイスを使用して、体腔(30)内に上記のマーカ(100)を配置することが望ましい場合がある。例えば、図2及び3は、カニューレ(162)の遠位端に隣接して形成されるが、遠位端から近位側に間隔をおいた側面開口部(164)などのマーカ出口を有する細長い外側カニューレ(162)を含む例示的なマーカ送達デバイス(150)を示す。
【0022】
グリップ(166)は、カニューレ(162)の近位端に設けることができる。プッシュロッド(168)を設けることができ、プッシュロッド(168)はカニューレ(162)内で同軸上に延び、その結果、プッシュロッド(168)はカニューレ(162)内で平行移動して、1つまたは複数のマーカを側面開口部(164)を通して移動させるように構成される(図3を参照)。ロッド(168)は、カニューレ(162)の内腔(165)から開口部(164)を通してマーカを押し出すほど十分な圧縮剛性を有してよいが、曲げにおいては比較的柔軟である。プランジャ(170)は、ロッド(168)をカニューレ(162)内で遠位方向に押し進めてマーカをカニューレ(162)から出して配置するためにロッド(168)の近位端に結合される。
【0023】
ユーザは、グリップ(166)を2本の指で握り、同じ手の親指を使用してプランジャ(170)を押してよく、その結果、マーカ送達デバイス(160)は、ユーザの片手で操作される。ばね(図示せず)または他の特徴が、グリップ(166)及びカニューレ(162)に対して近位方向にロッド(168)を付勢するためにロッド(168)の周辺に備えられてよい。
【0024】
図3は、マーカ送達デバイス(160)の遠位部分の断面図を示す。図から分かるように、上記のマーカ(100)と同様の生検マーカ(300)が、カニューレ(162)の内腔(165)内に配置されている。本例では、マーカ(300)は、コラーゲン、ヒドロゲル等、ほぼ円筒形の本体などの生分解性または他の方法で再吸収可能なマーカ材料(306)と、マーカ材料(306)内に配置またはマーカ材料(306)によって運ばれる(透視図で示されている)金属の、一般に放射線不透過性の永久マーカまたはマーカ要素(310)とを含む。
【0025】
カニューレ(162)は、任意の適切な金属または非金属材料で形成されてよい。いくつかのバージョンでは、カニューレ(162)は、適切な医療グレードのプラスチックまたはポリマで形成された薄壁の中空管で形成されている。1つの適切な材料は、商標名PEBAXとして知られているようなポリエーテルブロックアミド(PEBA)などの熱可塑性エラストマである。カニューレ(162)は、PEBAXで形成されてよく、可視光及びX線に対して実質的に透過性であってよい。
【0026】
カニューレ(162)の壁の一部を切り取ることによって、側面開口部(164)を形成してよい。側面開口部(164)は、カニューレ(162)の内腔(165)と連通している。側面開口部(164)は、図3に示すように、近位開口端(164A)から遠位開口端(164B)まで軸方向に(管腔(165)の軸に平行な方向に)延びてよい。
【0027】
本例では、遠位先端(172)は、カニューレ(162)の遠位端から延びて、図3に示すように丸みを帯びている。図3を参照すると、カニューレ(162)の遠位端は、一体型エンドピース(171)によって閉じられ、エンドピース(171)の一部分は、カニューレ(162)の内腔(165)内に延びる。エンドピース(171)は、成形または鋳造された部品であってよい。エンドピース(171)は、先端(172)、傾斜面(212)を有する傾斜部(210)、及びマーカ係合要素(240)を備える。傾斜面(212)は、マーカ(300)を内腔(165)から側面開口部(164)を通るように方向付けるのに役立つ。マーカ係合要素(240)は、ユーザがマーカ(300)を配置しようとするまで、マーカ(300)を内腔(165)に保持するのに役立つ。
【0028】
マーカ係合要素(240)は、内腔(165)内に配置され、マーカ係合要素(240)の少なくとも一部分は、側面開口部(164)の近位端(164A)の遠位側に配置される。マーカ係合要素(240)は、開口部(164)の下のカニューレ(162)の床の部分に沿って延び、その結果、マーカ係合要素(240)は、開口部(164)が形成されるカニューレ(162)の部分を補強するように配置される。例えば、図3に示すように、開口部(164)の下にマーカ係合要素(240)を配置することによって、要素(240)は、カニューレ(162)の壁が開口部(164)を形成するように切断される領域においてカニューレ(162)を固くするのを助ける。図3に示すように、マーカ係合要素(240)は、傾斜面(212)の最も近位の部分から延び、側面開口部(164)の近位方向には延びないが、他の実施形態では、要素(240)の一部分は、開口部(164)の近位方向に延びてよい。
【0029】
図3に示すように、マーカ係合要素(240)は、要素(240)が先細の近位端(242)を有することを除いて、要素(240)の軸方向長さに沿ってほぼ均一な厚さ(T)を有する段の形態である。先細りの近位端(242)は、管腔(165)の縦軸と約45度の夾角(図3の水平線との夾角)を形成し、傾斜面(212)は、縦軸と約30度の夾角を形成する。もちろん、任意の他の適切な角度を使用してよい。
【0030】
図3に示すように、マーカ係合要素(240)の上向きの表面(244)(開口部(164)を向く表面)は、傾斜面(212)に接するまで遠位方向に延び、その結果、表面(244)と傾斜面(212)との間にスペースまたはギャップが無い。そのような配置は、マーカ(300)が、マーカ係合要素(240)を超えて移動する際に、マーカ係合要素(240)と傾斜部(212)との間で引っ掛かる可能性を低減するのに有利である。いくつかのバージョンでは、マーカ係合要素(240)、傾斜部(210)、及び/または先端(172)は、カニューレ(162)の壁よりも比較的放射線不透過性である材料で形成されるか、またはそれを含む。例えば、要素(240)、傾斜部(210)、及び先端(172)が一体型エンドピース(171)として形成される場合、エンドピース(171)は、硫酸バリウムなどの放射線不透過性添加剤を含み得る。例えば、エンドピース(171)は、約20重量パーセントの硫酸バリウムが溶融PEBAX成形材料に添加されたPEBAXから成形された部品であってよい。相対的により放射線不透過性のマーカ係合要素(240)、傾斜部(210)、及び先端(22)は、放射線イメージングを使用して、それらの部品の位置を区別する際に役立つ場合がある。また、傾斜部(210)及び/または係合要素(240)の段が開口部(164)に関連して配置される場合、放射線不透過性材料を添加すると、開口部(164)の位置、及びマーカ(300)の配置の前、配置中、または配置後の開口部(164)に対するマーカ(300)の位置を識別するのを助けることができる。
【0031】
図4を参照すると、マーカ送達デバイス(160)は、マーカ(300)を配置して、患者内の生検位置をマーキングするために使用される。図4では、穿刺先端(402)及び側方組織受け入れ開口部(414)を備えた閉じた遠位端を有するカニューレ生検針(400)が示されている。マーカ送達デバイス(160)は、生検針(400)を通して生検部位に導入され、生検針(400)は、生検部位から組織標本を収集するために使用されるのと同じ針(400)であってよい。生検針(400)は、単一挿入、複数標本の真空支援生検デバイスで使用されるタイプのものであってよい。いくつかのそのような生検デバイスは、参照により本明細書で言及および組み込まれている様々な特許及び特許出願に開示されているが、他の生検デバイスを使用してもよい。
【0032】
図4は、針(400)内に配置されたマーカ送達デバイス(160)の遠位端を示す。針(400)は、組織内に配置されてよく、生検標本は、側面開口部(414)を通して採取されてよく、それにより、側面開口部(414)に隣接する生検腔を提供する。次に、針(400)を通して組織標本が取得され、近位方向に移された後、患者の組織から針(400)を除去せずに、マーカ送達デバイス(160)が針(400)の近位開口部に挿入される。図4では、針(400)及びマーカ送達デバイス(160)は、カニューレ(162)の開口部(164)及び針(400)の側面開口部(414)が軸方向及び円周方向に実質的に整列するように配置される。次に、マーカ送達デバイス(160)及び針(400)が生検部位にそのように配置された状態で、プッシュロッド(168)を前進させて、マーカ(300)が傾斜面(212)を上がり、開口部(164)を通って、側面開口部(414)を通って生検腔内に配置される。
【0033】
III.限定的移動のための例示的生検部位マーカ
【0034】
いくつかの例では、マーカ(100)と同様のマーカ内に、組織内に配置されたときにマーカが移動する傾向を低減する特定の特徴を含めることが望ましい場合がある。例えば、一部のマーカは、マーカの配置とその後のフォローアップ手順の間の介在時間に組織が移動するため、生検部位の配置後に移動しやすい場合がある。結果として、そのようなマーカは、その後のフォローアップ手順中、生検部位の識別に課題をもたらす可能性がある。したがって、マーカ(100)と同様、マーカを組織内の一定の位置に経時的に維持する特徴をマーカに組み込むことが望ましい場合がある。上記で大まかに述べた特徴を組み込んだいくつかの例が本明細書に記載されているが、本明細書に記載の基本原理から逸脱することなく、様々な代替の組み合わせが使用できることは理解されたい。
【0035】
A.膨張可能な端部を備えた例示的マーカ
【0036】
図5及び6は、不規則な形状に膨張することによってマーカ(500)を組織内に固定するように一般的に構成された例示的なマーカ(500)を示す。本明細書で特に明記しない限り、マーカ(500)は、上記のマーカ(100)と実質的に類似している。例えば、マーカ(100)と同様、本例のマーカ(500)は、マーカ要素(512)及びキャリア(520)を含む。本例のマーカ要素(512)は、様々なマーカ要素がマーカ(500)とともに使用できることを示すために概略的に示されている。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(512)は、上記のマーカ要素(12)と実質的に類似していてよい。したがって、マーカ要素(512)は、一般に、非生体吸収性で放射線不透過性及び/またはエコー源性として構成されて、経時的な可視化を強化することができる。同様に、マーカ要素(512)は、金属、硬質プラスチックなどの様々な材料を含み得る。
【0037】
マーカ要素(512)はまた、多種多様な形状及び/またはサイズをとることができる。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(512)は、図1に示すマーカ要素(12)の形状(例えば、図案化された「E」字型)を有することができる。他の例では、マーカ要素(512)は、らせん状のワイヤ形状を有することができる。さらに他の例では、マーカ要素(512)は、複数の反射面を画定する不規則な形状を有することができる。さらに他の例では、マーカ要素(512)は、湾曲したクリップとして形作ることができる。さらに他の例では、様々な形状及び/または材料の複数のマーカ要素(512)を使用することができる。もちろん、本明細書の教示に照らして、マーカ要素(512)のさらに他の構成が当業者には明らかであろう。
【0038】
上記のキャリア(120)と同様、本例のキャリア(520)は、マーカ(500)の配置後に患者に吸収されるように構成される。ただし、キャリア(120)とは異なり、本例のキャリア(520)は複数のマーカ材料(522、524)を含む。本例のマーカ材料(522、524)は、マーカ(500)が組織内で水和中に、ほぼ円筒形からより不規則な形状に移行できるように、その膨張に影響を与える様々な材料特性を有するように一般的に構成される。例えば、本例では、外側マーカ材料(522)は、内側マーカ材料(524)の遠位端及び近位端に配置される。以下でより詳細に説明するように、外側マーカ材料(522)は、一般に、内側マーカ材料(524)と比較してより迅速に膨張及び/または水和するように構成され、それによって不規則なプロファイルを形成する。
【0039】
マーカ材料(522、524)は、通常、軸方向の層状配置で配置される。例えば、図5に示すように、両方のマーカ材料(522、524)は、脱水状態にあるときに円筒形を形成する。したがって、マーカ(500)は、通常、細長い円筒形状を画定する。外側マーカ材料(522)及び内側マーカ材料(524)は、マーカ(500)によって画定される縦軸に沿って積み重ねられることによってこの形状を形成する。本構成では、外側マーカ材料(522)の1つのセクションが、中央に配置されている内側マーカ材料(524)の両端にある。
【0040】
マーカ材料(522、524)は、組織内の水分に対して異なる反応を有する様々な材料を使用できることを理解されたい。例えば、本例では、外側マーカ材料(522)はコラーゲンを含み、一方、内側マーカ材料(524)はヒドロゲルを含む。コラーゲンとヒドロゲルは一般に、水分の存在下で異なる物理的反応を示す。例えば、コラーゲンは一般的に水分をより急速に吸収する傾向があり、それによって急速に膨張する。一方、ヒドロゲルはより遅い速度で水分を吸収し、よりゆっくりと膨張する。例えば、いくつかの例では、コラーゲンは約60秒で完全に膨張することができ、一方、ヒドロゲルは、ヒドロゲルの体積に応じて、約180分以上で完全に膨張することができる。以下でより詳細に説明するように、マーカ(500)が組織内に配置された後、これらの異なる特性を使用してマーカ(500)の形状に影響を与えることができる。この効果をもたらす一定の特定の材料が本明細書に記載されているが、当業者に明らかであるように、同じ効果を提供する様々な代替材料または材料の組み合わせを使用できることを理解されたい。
【0041】
図6で最もよく分かるように、本例のマーカ要素(512)は、一般に、内側マーカ材料(524)内の中央に置かれる。マーカ材料(522、524)が分解または組織に吸収されるときにマーカ要素(512)が生検部位内の中央に留まるように、この中央配置が望ましい場合がある。しかしながら、マーカ要素(512)は、内側マーカ材料(524)内または外側マーカ材料(522)内のいずれかの様々な代替位置に配置できることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、1つまたは複数のマーカ要素(512)を、外側マーカ材料(522)内、内側マーカ材料(524)内のいずれか、またはその両方の様々な位置に配置することができる。
【0042】
図7は、生検部位の組織内に配置された後、最初に水和された状態のマーカ(500)を示す。この状態では、外側マーカ材料(522)が最も急速に水分を吸収し、それによって急速な体積膨張を示す。一方、内側マーカ材料(524)は水分を相対的にゆっくりと吸収するため、最小限の体積膨張を示す。さらに、外側マーカ材料(522)と内側マーカ材料(524)の間の界面は、膨張速度に影響を与える可能性がある。例えば、本例では、内側マーカ材料(524)は、急速に膨張する傾向が少なく、したがって、界面近くに外側マーカ材料(522)の膨張の少なくとも一部を含む。
【0043】
上記の膨張特性は、最初に水和した形状にあるとき、マーカ(500)の一般的に不規則な形状をもたらす。結果として、外側マーカ材料(522)と内側マーカ材料(524)の間のサイズの違いは、組織内の所与の位置にマーカ(500)を保持するためのアンカとして機能することができる。本例では、ほぼ蝶ネクタイ型のプロファイル形状がほんの一例として示されている。もちろん、本構成を使用して、他の様々な代替プロファイルを形成することができる。例えば、他の例では、マーカ(500)のプロファイルは、ダンベルまたは様々な類似の形状により良く似ている可能性がある。この形状は、マーカ(500)の水和の過程で変化し得ることを理解されたい。例えば、マーカ(500)は、最初の水和後、図7に示す位置から開始することができる。水和が完了すると、内側マーカ材料(524)が水和し、組織がマーカ(500)を取り囲み、及び/またはマーカ材料(522、524)が吸収/分解し始めるので、マーカ(500)のプロファイル形状は時間とともに目立たなくなる可能性がある。
【0044】
B.膨張可能な殻を備えた例示的な生検部位マーカ
【0045】
図8及び9は、急速に体積が膨張することによってマーカ(600)を組織内に固定するように一般的に構成された例示的なマーカ(600)を示す。本明細書で特に明記しない限り、マーカ(600)は、上記のマーカ(100)と実質的に類似している。例えば、マーカ(100)と同様、本例のマーカ(600)は、マーカ要素(612)及びキャリア(620)を含む。本例のマーカ要素(612)は、様々なマーカ要素(612)構成がマーカ(600)とともに使用できることを示すために概略的に示されている。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(612)は、上記のマーカ要素(12)と実質的に類似していてよい。したがって、マーカ要素(612)は、一般に、非生体吸収性で放射線不透過性及び/またはエコー源性として構成されて、経時的な可視化を強化することができる。同様に、マーカ要素(612)は、金属、硬質プラスチックなどの様々な材料を含み得る。
【0046】
マーカ要素(612)はまた、多種多様な形状及び/またはサイズをとることができる。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(612)は、図1に示すマーカ要素(12)の形状(例えば、図案化された「E」字型)を有することができる。他の例では、マーカ要素(612)は、らせん状のワイヤ形状を有することができる。さらに他の例では、マーカ要素(612)は、複数の反射面を画定する不規則な形状を有することができる。さらに他の例では、マーカ要素(612)は、湾曲したクリップとして形作ることができる。さらに他の例では、様々な形状及び/または材料の複数のマーカ要素(612)を使用することができる。もちろん、本明細書の教示に照らして、マーカ要素(612)のさらに他の構成が当業者には明らかであろう。
【0047】
上記のキャリア(120)と同様、本例のキャリア(620)は、マーカ(600)の配置後に患者に吸収されるように構成される。ただし、キャリア(120)とは異なり、本例のキャリア(620)は複数のマーカ材料(622、624)を含む。本例のマーカ材料(622、624)は、マーカ(600)が比較的小さいまたはコンパクトな体積から比較的大きい体積に急速に移行できるように、その膨張に影響を与える様々な材料特性を有するように一般的に構成される。例えば、本例では、外側マーカ材料(622)は、内側マーカ材料(624)の内側コアの外側に配置されている。以下でより詳細に説明するように、外側マーカ材料(622)は、一般に、内側マーカ材料(624)と比較してより迅速に膨張及び/または水和するように構成され、それによって、マーカ(600)の体積を急速に膨張させる手段を提供する。
【0048】
マーカ材料(622、624)は、通常、コアのある配置、または層状の配置で配置される。例えば、両方のマーカ材料(622、624)は、脱水状態にあるときに円筒形を形成する。この構成では、内側マーカ材料(624)は、同じく円筒形の外側マーカ材料(622)によって包まれた内側円筒形コアを形成する。したがって、マーカ(600)は、一般に、細長い円筒形構成を画定する。本構成では、内側マーカ材料(624)は、外側マーカ材料(622)内の中央に位置するとして示されている。しかしながら、他の例では、内側マーカ材料(624)は、外側マーカ材料(622)内の様々な位置を有することができることを理解されたい。
【0049】
マーカ材料(622、624)は、組織内の水分に対して異なる反応を有する様々な材料を使用できることを理解されたい。例えば、本例では、外側マーカ材料(622)はコラーゲンを含み、一方、内側マーカ材料(624)はヒドロゲルを含む。マーカ(500)に関して前述したように、コラーゲン及びヒドロゲルは一般に、水分の存在下で異なる物理的反応を示す。例えば、コラーゲンは一般的に水分をより急速に吸収する傾向があり、それによって急速に膨張する。一方、ヒドロゲルはより遅い速度で水分を吸収し、よりゆっくりと膨張する。以下でより詳細に説明するように、マーカ(600)が組織内に配置された後、これらの異なる特性を使用して、マーカ(600)の具体的な膨張の仕方に影響を与えることができる。この効果をもたらす一定の特定の材料が本明細書に記載されているが、当業者に明らかであるように、同じ効果を提供する様々な代替材料または材料の組み合わせを使用できることを理解されたい。
【0050】
図9で最もよく分かるように、本例のマーカ要素(612)は、一般に、内側マーカ材料(624)内の中央に置かれる。マーカ材料(622、624)が分解または組織に吸収されるときにマーカ要素(612)が生検部位内の中央に留まるように、この中央配置が望ましい場合がある。しかしながら、マーカ要素(612)は、内側マーカ材料(624)内または外側マーカ材料(622)内のいずれかの様々な代替位置に配置できることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、1つまたは複数のマーカ要素(612)を、外側マーカ材料(622)内、内側マーカ材料(624)内のいずれか、またはその両方の様々な位置に配置することができる。
【0051】
図10は、生検部位の組織内に配置された後、最初に水和された状態のマーカ(600)を示す。この状態では、外側マーカ材料(622)が最も急速に水分を吸収し、それによって急速な体積膨張を示す。一方、内側マーカ材料(624)は水分を相対的にゆっくりと吸収するため、最小限の体積膨張を示す。これらの膨張特性は、内側マーカ材料(624)及び外側マーカ材料(622)の形状と一緒に、マーカ(600)のサイズの急速な膨張をもたらす。いくつかの例では、マーカ(600)の体積は、圧縮状態または脱水状態と比較して約300%以上膨張し得る。結果として、外側マーカ材料(622)の急速な体積膨張は、生検腔を満たすか、または少なくとも部分的に満たすことができ、その結果、外側マーカ材料(622)は、マーカ(600)を組織内の所与の位置に保持するアンカとして機能することができる。
【0052】
本例では、マーカ(600)のおおよそのプロファイルは、一般に円筒形のままである。あるいは、少なくともいくらかの水和後のマーカ(600)の形状は、丸薬形状として特徴付けることができる。もちろん、本構成を使用して、他の様々な代替プロファイルを形成することができる。例えば、他の例では、外側マーカ材料(622)の初期形状を変化させて、少なくともいくらかの水和後のマーカ(600)のプロファイルに影響を与えることができる。さらに、マーカ(600)の特定の形状及び/またはサイズは、水和の過程で変化し得ることを理解されたい。例えば、マーカ(600)は、最初の水和後、図10に示す位置から開始することができる。水和が完了すると、マーカ(600)はさらなる膨張を示す可能性がある。続いて、内側マーカ材料(624)も膨張し得る。いくつかの例では、内部マーカ材料(624)の膨張は、超音波、X線、磁気共鳴画像法(MRI)などの様々な画像化手段を通して、マーカ(600)の長期的な可視性を高めることにつながり得る。マーカ(600)のプロファイル形状及び/またはサイズは、組織がマーカ(600)を取り囲み、及び/またはマーカ材料(622、624)が吸収/分解し始めるにつれて、時間とともに目立たなくなる可能性がある。
【0053】
C.ダンベル形状に膨張する例示的な生検部位マーカ
【0054】
図11~13は、所定の形状に急速に膨張することによって、マーカ(700)を組織内に固定するように一般的に構成された例示的なマーカ(700)を示す。本明細書で特に明記しない限り、マーカ(700)は、上記のマーカ(100)と実質的に類似している。例えば、マーカ(100)と同様、本例のマーカ(700)は、マーカ要素(712)及びキャリア(720)を含む。本例のマーカ要素(712)は、様々なマーカ要素(712)構成がマーカ(700)とともに使用できることを示すために概略的に示されている。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(712)は、上記のマーカ要素(12)と実質的に類似していてよい。したがって、マーカ要素(712)は、非生体吸収性で放射線不透過性及び/またはエコー源性として一般的に構成されて、経時的な可視化を強化することができる。同様に、マーカ要素(712)は、金属、硬質プラスチックなどの様々な材料を含み得る。
【0055】
マーカ要素(712)はまた、多種多様な形状及び/またはサイズをとることができる。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(712)は、図1に示すマーカ要素(12)の形状(例えば、図案化された「E」字型)を有することができる。他の例では、マーカ要素(712)は、らせん状のワイヤ形状を有することができる。さらに他の例では、マーカ要素(712)は、複数の反射面を画定する不規則な形状を有することができる。さらに他の例では、マーカ要素(712)は、湾曲したクリップとして形作ることができる。さらに他の例では、様々な形状及び/または材料の複数のマーカ要素(712)を使用することができる。もちろん、本明細書の教示に照らして、マーカ要素(712)のさらに他の構成が当業者には明らかであろう。
【0056】
上記のキャリア(120)と同様、本例のキャリア(720)は、マーカ(700)の配置後に患者に吸収されるように構成される。ただし、キャリア(120)とは異なり、本例のキャリア(720)は複数のマーカ材料(722、724)を含む。本例のマーカ材料(722、724)は、マーカ(700)が最初の形状から所定の形状に急速に移行できるように、その膨張に影響を与える様々な材料特性を有するように一般的に構成される。例えば、本例では、外側マーカ材料(722)は、内側マーカ材料(724)の近位端及び遠位端の両方に軸方向に配置される。以下でより詳細に説明するように、外側マーカ材料(722)は、内側マーカ材料(724)と比較してより迅速に膨張及び/または水和するように一般的に構成され、マーカ(700)の体積を急速に膨張させる手段を提供する。
【0057】
マーカ材料(722、724)は、通常、軸方向の層状配置で配置される。例えば、図11に示すように、両方のマーカ材料(722、724)は、脱水状態にあるときに円筒形を形成する。したがって、マーカ(700)は、通常、細長い円筒形状を画定する。外側マーカ材料(722)及び内側マーカ材料(724)は、マーカ(700)によって画定される縦軸に沿って積み重ねられることによってこの形状を形成する。本形状では、外側マーカ材料(722)の1つのセクションは、中央に配置されている内側マーカ材料(724)の両端にある。
【0058】
マーカ材料(722、724)は、組織内の水分に対して異なる反応を有する様々な材料を使用できることを理解されたい。例えば、本例では、外側マーカ材料(722)はコラーゲンを含み、一方、内側マーカ材料(724)はヒドロゲルを含む。マーカ(500)に関して前述したように、コラーゲン及びヒドロゲルは一般に、水分の存在下で異なる物理的反応を示す。例えば、コラーゲンは一般的に水分をより急速に吸収する傾向があり、それによって急速に膨張する。一方、ヒドロゲルはより遅い速度で水分を吸収し、よりゆっくりと膨張する。以下でより詳細に説明するように、マーカ(700)が組織内に配置された後、これらの異なる特性を使用してマーカ(700)の具体的な膨張の仕方に影響を与えることができる。この効果をもたらす一定の特定の材料が本明細書に記載されているが、当業者に明らかであるように、同じ効果を提供する様々な代替材料または材料の組み合わせを使用できることを理解されたい。
【0059】
図12で最もよく分かるように、外側マーカ材料(722)のほぼ円筒形の形状は、複数の軸方向に延びるノッチ(730)によって中断されている。以下でより詳細に説明するように、ノッチ(730)は、外側マーカ材料(722)で組織のグリップを強化するように一般的に構成される。本例のノッチ(730)は、外側マーカ材料(722)の外面に切り欠かれたほぼ三角形の切り欠きから形成されている。他の例では、ノッチ(730)が様々な代替形状を取り得ることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、ノッチ(730)は、丸みを帯びた、四角い、長方形などである。さらに、本例は、一辺につき5つのノッチ(730)を含むが、他の例では、ノッチ(730)の具体的な数は変更できることは理解されたい。
【0060】
図13で最もよく分かるように、マーカ(700)は、内側マーカ材料(724)の外側の周囲に巻き付けられた制限カフ(740)をさらに含む。制限カフ(740)は、外側マーカ材料(722)に対して内側マーカ材料(724)の膨張を制限するように一般的に構成される。したがって、マーカ(700)の形状はまた、外側マーカ材料(722)と内側マーカ材料(724)の間の材料特性の単なる変化ではなく、機械的手段によって影響を受ける可能性がある。本例の制限カフ(740)は、金属管または中空円筒で形成されている。しかしながら、他の例では、ポリマ及び/またはプラスチックなどの様々な他の代替材料を使用することができる。
【0061】
以下でより詳細に説明するように、外側マーカ材料(722)がコラーゲンであることと、内側マーカ材料(724)がヒドロゲルであることと、制限カフ(740)との特定の組み合わせにより、マーカ(700)は、少なくとも部分的に水和するとき、ダンベル形状のプロファイルを形成することが可能になる。図示していないが、同じ機能的性能は、外側マーカ材料(722)、内側マーカ材料(724)、及び制限カフ(740)の様々な代替構成を使用して達成できることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、マーカ(700)の一端はコラーゲンであり、マーカ(700)の他端はヒドロゲルである。他の例では、キャリア(720)は完全にコラーゲンであるが、制限カフ(740)は、ダンベル形状のプロファイルの形成を可能にするために両端が露出した状態で中央に配置されている。さらに他の例では、キャリア(720)は完全にヒドロゲルであるが、制限カフ(740)は、ダンベル形状のプロファイルの形成を可能にするために両端が露出した状態で中央に配置されている。さらに他の例では、キャリア(720)はコラーゲンとヒドロゲルを組み合わせたスラリであるが、制限カフ(740)は、ダンベル形状のプロファイルの形成を可能にするために両端が露出した状態で中央に配置されている。さらに他の構成は、本明細書の教示を踏まえれば、当業者には明らかであろう。
【0062】
図13で最もよく分かるように、本例のマーカ要素(712)は、通常、内側マーカ材料(724)内のほぼ中央に置かれる。マーカ材料(722、724)が分解または組織に吸収されるときにマーカ要素(712)が生検部位内の中央に留まるように、この中央配置が望ましい場合がある。しかしながら、マーカ要素(712)は、内側マーカ材料(724)内または外側マーカ材料(722)内のいずれかの様々な代替位置に配置できることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、1つまたは複数のマーカ要素(712)を、外側マーカ材料(722)内、内側マーカ材料(724)内のいずれか、またはその両方の様々な位置に配置することができる。
【0063】
図14及び15は、生検部位の組織内に配置された後、最初に水和された状態のマーカ(700)を示す。この状態では、外側マーカ材料(722)が最も急速に水分を吸収し、それによって急速な体積膨張を示す。一方、内側マーカ材料(724)は水分を相対的にゆっくりと吸収するため、最小限の体積膨張を示す。さらに、制限カフ(740)は、内側マーカ材料(724)の体積膨張をさらに制限する。これらの膨張特性は、内側マーカ材料(724)及び外側マーカ材料(722)の形状と一緒に、マーカ(700)を急速に膨張させて所定の形状にする。
【0064】
上記の膨張特性は、最初に水和した形状にあるとき、マーカ(700)の一般的に不規則な形状またはダンベル形状をもたらす。図15で最もよく分かるように、外側マーカ材料(722)と内側マーカ材料(724)の間のサイズの違いと、制限カフ(740)による制限とは、組織内の所与の位置にマーカ(700)を保持するためのアンカとして機能することができる。本例では、ほぼダンベル型または蝶ネクタイ型のプロファイル形状がほんの一例として示されている。もちろん、本構成を使用して、他の様々な代替プロファイルを形成することができる。この形状も、マーカ(700)の水和の過程で変化し得ることを理解されたい。例えば、マーカ(700)は、最初の水和後、図14及び15に示す位置から開始することができる。水和が完了すると、内側マーカ材料(724)が水和し、組織がマーカ(700)を取り囲み、及び/またはマーカ材料(722、724)が吸収/分解し始めるので、マーカ(700)のプロファイル形状は時間とともに目立たなくなる可能性がある。
【0065】
D.複合キャリアを用いた例示的な生検部位マーカ
【0066】
図16は、不規則な形状に膨張することによってマーカ(800)を組織内に固定するように一般的に構成された例示的なマーカ(800)を示す。本明細書で特に明記しない限り、マーカ(800)は、上記のマーカ(100)と実質的に類似している。例えば、マーカ(100)と同様に、本例のマーカ(800)は、マーカ要素(812)及びキャリア(820)を含む。本例のマーカ要素(812)は、様々なマーカ要素がマーカ(800)とともに使用できることを示すために概略的に示されている。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(812)は、上記のマーカ要素(12)と実質的に類似していてよい。したがって、マーカ要素(812)は、非生体吸収性で放射線不透過性及び/またはエコー源性として一般的に構成されて、経時的に可視化を強化することができる。同様に、マーカ要素(812)は、金属、硬質プラスチックなどの様々な材料を含み得る。
【0067】
マーカ要素(812)はまた、多種多様な形状及び/またはサイズをとることができる。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(812)は、図1に示すマーカ要素(12)の形状(例えば、図案化された「E」字型)を有することができる。他の例では、マーカ要素(812)は、らせん状のワイヤ形状を有することができる。さらに他の例では、マーカ要素(812)は、複数の反射面を画定する不規則な形状を有することができる。さらに他の例では、マーカ要素(812)は、湾曲したクリップとして形作ることができる。さらに他の例では、様々な形状及び/または材料の複数のマーカ要素(812)を使用することができる。もちろん、本明細書の教示に照らして、マーカ要素(812)のさらに他の構成が当業者には明らかであろう。
【0068】
上記のキャリア(120)と同様、本例のキャリア(820)は、マーカ(800)の配置後に患者に吸収されるように構成される。ただし、キャリア(120)とは異なり、本例のキャリア(820)は複数のマーカ材料(822、824)を含む。本例のマーカ材料(822、824)は、マーカ(800)が組織内で水和中にほぼ円筒形からより不規則な形状に移行できるように、その膨張に影響を与える様々な材料特性を有するように一般的に構成される。例えば、本例では、外側マーカ材料(822)は、内側マーカ材料(824)の遠位端及び近位端に配置されている。以下でより詳細に説明するように、外側マーカ材料(822)は、内側マーカ材料(824)と比較してより迅速に膨張及び/または水和するように一般的に構成され、それによって不規則なプロファイルを形成する。
【0069】
マーカ材料(822、824)は、通常、軸方向の層状配置で配置される。例えば、両方のマーカ材料(822、824)は、脱水状態にあるときに円筒形を形成する。したがって、マーカ(800)は、通常、細長い円筒形状を画定する。外側マーカ材料(822)及び内側マーカ材料(824)は、マーカ(800)によって画定される縦軸に沿って積み重ねられることによってこの形状を形成する。本形状では、外側マーカ材料(822)の1つのセクションは、中央に配置されている内側マーカ材料(824)の両端にある。
【0070】
マーカ材料(822、824)は、組織内の水分に対して異なる反応を有する様々な材料を使用できることを理解されたい。例えば、本例では、外側マーカ材料(822)はコラーゲンを含み、一方、内側マーカ材料(824)はヒドロゲルを含む。コラーゲンとヒドロゲルは一般に、水分の存在下で異なる物理的反応を示す。例えば、コラーゲンは一般的に水分をより急速に吸収する傾向があり、それによって急速に膨張する。一方、ヒドロゲルはより遅い速度で水分を吸収し、よりゆっくりと膨張する。以下でより詳細に説明するように、マーカ(800)が組織内に配置された後、これらの異なる特性を使用してマーカ(800)の形状に影響を与えることができる。この効果をもたらす一定の特定の材料が本明細書に記載されているが、当業者に明らかであるように、同じ効果を提供する様々な代替材料または材料の組み合わせを使用できることを理解されたい。
【0071】
本例のマーカ要素(812)は、一般的に、内側マーカ材料(824)内のほぼ中心に置かれる。マーカ材料(822、824)が分解または組織に吸収されるときにマーカ要素(812)が生検部位内の中央に留まるように、この中央配置が望ましい場合がある。しかしながら、マーカ要素(812)は、内側マーカ材料(824)内または外側マーカ材料(822)内のいずれかの様々な代替位置に配置できることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、1つまたは複数のマーカ要素(812)を、外側マーカ材料(822)内、内側マーカ材料(824)内のいずれか、またはその両方の様々な位置に配置することができる。
【0072】
図17は、生検部位の組織内に配置された後、最初に水和された状態のマーカ(800)を示す。この状態では、外側マーカ材料(822)が最も急速に水分を吸収し、それによって急速な体積膨張を示す。一方、内側マーカ材料(824)は水分を相対的にゆっくりと吸収するため、最小限の体積膨張を示す。さらに、外側マーカ材料(822)と内側マーカ材料(824)の間の界面は、膨張速度に影響を与える可能性がある。例えば、本例では、内側マーカ材料(824)は、急速に膨張する傾向が少なく、したがって、界面近くに外側マーカ材料(822)の膨張の少なくとも一部を含む。
【0073】
上記の膨張特性は、最初に水和した形状にあるとき、マーカ(800)の一般的に不規則な形状をもたらす。結果として、外側マーカ材料(822)と内側マーカ材料(824)の間のサイズの違いは、組織内の所与の位置にマーカ(800)を保持するためのアンカとして機能することができる。本例では、ほぼ蝶ネクタイ型のプロファイル形状がほんの一例として示されている。もちろん、本構成を使用して、他の様々な代替プロファイルを形成することができる。例えば、他の例では、マーカ(800)のプロファイルは、ダンベルまたは様々な類似の形状により良く似ていてよい。
【0074】
マーカ(800)の特定のプロファイル形状は、水和の過程で変化し得ることを理解されたい。例えば、マーカ(800)は、最初の水和後、図17に示す位置から開始することができる。水和が完了すると、内側マーカ材料(824)が水和し、組織がマーカ(800)を取り囲み、及び/またはマーカ材料(822、824)が吸収/分解し始めるので、マーカ(800)のプロファイル形状は時間とともに目立たなくなる可能性がある。
【0075】
マーカ(800)の水和が完全に完了した後、マーカ(800)の一部が分解する可能性がある。例えば、図18に示すように、外側マーカ材料(822)が最初に分解し始め、主に内側マーカ材料(824)をキャリア(820)の主要な構造として残し得る。内側マーカ材料(824)の比較的遅い吸湿速度のために、内側マーカ材料(824)は、時間が経過してもより安定した状態を保つことができる。したがって、内側マーカ材料(824)は、外側マーカ材料(822)が部分的または完全に吸収されたときでさえ、超音波、x線、MRIなどの可視化手段の下で、マーカ(800)の長期の可視性を促進するために使用することができる。
【0076】
図19は、急速に体積が膨張して、それによってマーカ(900)を組織内に固定するように一般的に構成された別の例示的なマーカ(900)を示す。本明細書で特に明記しない限り、マーカ(900)は、上記のマーカ(800)と実質的に類似している。例えば、マーカ(800)と同様、本例のマーカ(900)は、マーカ要素(912)及びキャリア(920)を含む。本例のマーカ要素(912)は、上記のマーカ要素(812)と実質的に類似しているので、マーカ要素(912)の特定の詳細はここでは繰り返さない。
【0077】
上記のキャリア(820)と同様、本例のキャリア(920)は、マーカ(900)の配置後に患者に吸収されるように構成され、同様に、複数のマーカ材料(922、924)を含む。上記のマーカ材料(822、824)と同様、マーカ材料(922、924)は、水和の状況においてマーカ(900)が水分にどのように反応するかに影響を与える異なる材料特性を有する。しかしながら、上記のマーカ材料(822、824)とは異なり、本例のマーカ材料(922、924)は、異なる配置で一般的に構成されている。詳細には、マーカ材料(922、924)は、通常、コアのある、または層状の配置で配置される。この構成では、内側マーカ材料(924)は、同じく円筒形の外側マーカ材料(922)によって包まれた内側円筒形コアを形成する。したがって、マーカ(900)は、通常、細長い円筒形状を画定する。
【0078】
上記マーカ材料(822、824)と同様、マーカ材料(922、924)は、組織内の水分に対して異なる反応を有する様々な材料を使用することができる。例えば、本例では、外側マーカ材料(922)はコラーゲンを含み、一方、内側マーカ材料(924)はヒドロゲルを含む。以下でより詳細に説明するように、マーカ(900)が組織内に配置された後、これらの異なる特性を使用してマーカ(900)の形状に影響を与えることができる。この効果をもたらす一定の特定の材料が本明細書に記載されているが、当業者に明らかであるように、同じ効果を提供する様々な代替材料または材料の組み合わせを使用できることを理解されたい。
【0079】
図20は、生検部位の組織内に配置された後、最初に水和された状態のマーカ(900)を示す。この状態では、外側マーカ材料(922)が最も急速に水分を吸収し、それによって急速な体積膨張を示す。一方、内側マーカ材料(924)は水分を相対的にゆっくりと吸収するため、最小限の体積膨張を示す。これにより、マーカ(900)のサイズが急速に膨張しながらも、ほぼ円筒形が維持される。結果として、外側マーカ材料(922)のサイズの増加は、組織内の所与の位置にマーカ(900)を保持するためのアンカとして機能することができる。
【0080】
図20及び21に示すように、マーカ(900)の特定のプロファイル形状は、水和の過程で変化し得る。例えば、マーカ(900)は、最初の水和後、図20に示す位置から開始することができる。水和が完了すると、内側マーカ材料(924)が水和し、組織がマーカ(900)を取り囲み、及び/またはマーカ材料(922、924)が吸収/分解し始めるので、マーカ(900)のプロファイル形状は時間とともに目立たなくなる可能性がある。
【0081】
マーカ(900)の水和が完全に完了した後、マーカ(900)材料の一部が分解する可能性がある。例えば、図21に示すように、外側マーカ材料(922)が最初に分解し始め、主に内側マーカ材料(924)をキャリア(920)の主要な構造として残し得る。内側マーカ材料(924)の比較的遅い吸湿速度のために、内側マーカ材料(924)は、時間が経過してもより安定した状態を保つことができる。したがって、内側マーカ材料(924)は、外側マーカ材料(922)が部分的または完全に吸収されたときでさえ、超音波、x線、MRIなどの可視化手段の下で、マーカ(900)の長期の可視性を促進するために使用することができる。
【0082】
図22は、急速に体積が膨張して、それによってマーカ(1000)を組織内に固定するように一般的に構成されたさらに別の例示的なマーカ(1000)を示す。本明細書で特に明記しない限り、マーカ(1000)は、上記のマーカ(800)と実質的に類似している。例えば、マーカ(800)と同様、本例のマーカ(1000)は、マーカ要素(1012)及びキャリア(1020)を含む。本例のマーカ要素(1012)は、上記のマーカ要素(812)と実質的に類似しているので、マーカ要素(1012)の特定の詳細はここでは繰り返さない。
【0083】
上記のキャリア(820)と同様、本例のキャリア(1020)は、マーカ(1000)の配置後に患者に吸収されるように構成され、同様に、複数のマーカ材料(1022、1024)を含む。上記のマーカ材料(822、824)と同様、マーカ材料(1022、1024)は、水和の状況においてマーカ(1000)が水分にどのように反応するかに影響を与える異なる材料特性を有する。しかしながら、上記のマーカ材料(822、824)とは異なり、本例のマーカ材料(1022、1024)は、異なる配置で一般的に構成されている。詳細には、マーカ材料(1022、1024)は、通常、コアのある、または、層状の配置で配置される。この構成では、内側マーカ材料(1024)は、同じく円筒形の外側マーカ材料(1022)によって囲まれた内側円筒形コアを形成する。したがって、マーカ(1000)は、通常、細長い円筒形状を画定する。
【0084】
内側マーカ材料(1024)は、外側マーカ材料(1022)内で片側に軸方向にオフセットされている。詳細には、本例の内側マーカ材料(1024)は、キャリア(1020)の遠位端からキャリア(1020)の中心に向かって延びる。この構成は、キャリア(1020)が完全に吸収された後のマーカ要素(1012)の最終的な配置を制御するために望ましい場合がある。さらに、または代替として、この構成は、以下でより詳細に説明するように、水和中にマーカ(1000)の形状に影響を与えるために望ましい場合がある。
【0085】
上記マーカ材料(822、824)と同様、マーカ材料(1022、1024)は、組織内の水分に対して異なる反応を有する様々な材料を使用することができる。例えば、本例では、外側マーカ材料(1022)はコラーゲンを含み、一方、内側マーカ材料(1024)はヒドロゲルを含む。以下でより詳細に説明するように、マーカ(1000)が組織内に配置された後、これらの異なる特性を使用してマーカ(1000)の形状に影響を与えることができる。この効果をもたらす一定の特定の材料が本明細書に記載されているが、当業者に明らかであるように、同じ効果を提供する様々な代替材料または材料の組み合わせを使用できることを理解されたい。
【0086】
図23は、生検部位の組織内に配置された後、最初に水和された状態のマーカ(1000)を示す。この状態では、外側マーカ材料(1022)が最も急速に水分を吸収し、それによって急速な体積膨張を示す。一方、内側マーカ材料(1024)は水分を相対的にゆっくりと吸収するため、最小限の体積膨張を示す。これにより、マーカ(1000)のサイズが急速に膨張しながらも、ほぼ円筒形が維持される。結果として、外側マーカ材料(1022)のサイズの増加は、組織内の所与の位置にマーカ(1000)を保持するためのアンカとして機能することができる。
【0087】
いくつかの例では、外側マーカ材料(1022)内の内側マーカ材料(1024)の配置もまた、膨張中に外側マーカ材料(1022)の形状に影響を及ぼし得る。例えば、内側マーカ材料(1024)は、キャリア(1020)の片側に集中しているので、追加量の外側マーカ材料(1022)が、キャリア(1020)の反対側に含まれる。図に示していないが、いくつかの例では、この構成は、外側マーカ材料(1022)のみを有する側で、キャリア(1020)のより大きな体積膨張をもたらし得ることを理解されたい。したがって、いくつかの例では、マーカ(1000)は、最初に水和されたとき、完全な円筒形ではなく、より円錐台状の形を画定し得る。
【0088】
上記と同様、マーカ(1000)の特定のプロファイル形状は、水和の過程で変化し得る。例えば、マーカ(1000)は、最初の水和後、図23に示す位置から開始することができる。水和が完了すると、内側マーカ材料(1024)が水和し、組織がマーカ(1000)を取り囲み、及び/またはマーカ材料(1022、1024)が吸収/分解し始めるので、マーカ(1000)のプロファイル形状は時間とともに目立たなくなる可能性がある。
【0089】
マーカ(1000)の水和が完全に完了した後、マーカ(1000)材料の一部が分解する可能性がある。例えば、外側マーカ材料(1022)が最初に分解し始め、主に内側マーカ材料(1024)をキャリア(1020)の主要な構造として残し得る。内側マーカ材料(1024)の比較的遅い吸湿速度のために、内側マーカ材料(1024)は、時間が経過してもより安定した状態を保つことができる。したがって、内側マーカ材料(1024)は、外側マーカ材料(1022)が部分的または完全に吸収されたときでさえ、超音波、x線、MRIなどの可視化手段の下で、マーカ(1000)の長期の可視性を促進するために使用することができる。
【0090】
図24は、急速に体積が膨張して、それによってマーカ(1100)を組織内に固定するように一般的に構成されたさらに別の例示的なマーカ(1100)を示す。本明細書で特に明記しない限り、マーカ(1100)は、上記のマーカ(800)と実質的に類似している。例えば、マーカ(800)と同様、本例のマーカ(1100)は、マーカ要素(1112)及びキャリア(1120)を含む。本例のマーカ要素(1112)は、上記のマーカ要素(812)と実質的に類似しているので、マーカ要素(1112)の特定の詳細はここでは繰り返さない。
【0091】
上記のキャリア(820)と同様、本例のキャリア(1120)は、マーカ(1100)の配置後に患者に吸収されるように構成され、同様に、複数のマーカ材料(1122、1124)を含む。上記のマーカ材料(822、824)と同様、マーカ材料(1122、1124)は、水和の状況においてマーカ(1100)が水分にどのように反応するかに影響を与える異なる材料特性を有する。しかしながら、上記のマーカ材料(822、824)とは異なり、本例のマーカ材料(1122、1124)は、一般的に、異なる配置で構成されている。詳細には、マーカ材料(1122、1124)は、外側マーカ材料(1122)のスリーブが内側マーカ材料(1124)を取り囲むように、一般的に層状の配置で配置される。しかしながら、マーカ(1100)は依然として一般的に細長い円筒形状を画定することを理解されたい。
【0092】
上記マーカ材料(822、824)と同様、マーカ材料(1122、1124)は、組織内の水分に対して異なる反応を有する様々な材料を使用することができる。しかしながら、上記の外側マーカ材料(822)及び内側マーカ材料(824)とは異なり、外側マーカ材料(1122)及び内側マーカ材料(1124)はそれぞれ異なる。例えば、本例では、外側マーカ材料(1122)はヒドロゲルを含み、一方、内側マーカ材料(1124)はコラーゲンを含む。したがって、マーカ材料(1122、1124)は、上記のマーカ材料(822、824)と比較して逆になっている。以下でより詳細に説明するように、マーカ(1100)が組織内に配置された後、ヒドロゲル及びコラーゲンのこれらの異なる特性を使用して、マーカ(1100)の形状に影響を与えることができる。この効果をもたらす一定の特定の材料が本明細書に記載されているが、当業者に明らかであるように、同じ効果を提供する様々な代替材料または材料の組み合わせを使用できることを理解されたい。
【0093】
図25は、生検部位の組織内に配置された後、最初に水和された状態のマーカ(1100)を示す。この状態では、内側マーカ材料(1122)(本例ではコラーゲン)が最も急速に水分を吸収し、それによって急速な体積膨張を示す。一方、外側マーカ材料(1124)(本例ではヒドロゲル)は水分を相対的にゆっくりと吸収するため、最小限の体積膨張を示す。これにより、マーカ(1100)のサイズが急速に膨張する。しかしながら、上記のマーカ(800)とは異なり、この急速な膨張は、外側マーカ材料(1124)によってマーカ(1100)の中央で制限される。この膨張は、図25に示す蝶ネクタイ型のプロファイル形状を有するマーカをもたらす。結果として、外側マーカ材料(1122)のサイズの増加は、蝶ネクタイ形状と一緒に、組織内の所与の位置にマーカ(1100)を保持するためのアンカとして機能することができる。
【0094】
上記と同様、マーカ(1100)の特定のプロファイル形状は、水和の過程で変化し得る。例えば、マーカ(1100)は、最初の水和後、図25に示す位置から開始することができる。水和が完了すると、外側マーカ材料(1122)が水和し、組織がマーカ(1100)を取り囲み、及び/またはマーカ材料(1122、1124)が吸収/分解し始めるので、マーカ(1100)のプロファイル形状は時間とともに目立たなくなる可能性がある。
【0095】
マーカ(1100)の水和が完全に完了した後、マーカ(1100)材料の一部が分解する可能性がある。例えば、内側マーカ材料(1124)が最初に分解し始め、主に外側マーカ材料(1124)をキャリア(1120)の主要な構造として残し得る。外側マーカ材料(1122)の比較的遅い吸湿速度のために、外側マーカ材料(1122)は、時間が経過してもより安定した状態を保つことができる。したがって、外側マーカ材料(1122)は、内側マーカ材料(1124)が部分的または完全に吸収されたときでさえ、超音波、x線、MRIなどの可視化手段の下で、マーカ(1100)の長期の可視性を促進するために使用することができる。
【0096】
E.膨張可能な側部を備えた例示的な生検部位マーカ
【0097】
図26及び27は、不規則な形状に膨張してそれによってマーカ(1200)を組織内に固定するように一般的に構成された例示的なマーカ(1200)を示す。本明細書で特に明記しない限り、マーカ(1200)は、上記のマーカ(100)と実質的に類似している。例えば、マーカ(100)と同様、本例のマーカ(1200)は、マーカ要素(1212)及びキャリア(1220)を含む。本例のマーカ要素(1212)は、様々なマーカ要素がマーカ(1200)とともに使用できることを示すために概略的に示されている。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(1212)は、上記のマーカ要素(12)と実質的に類似していてよい。したがって、マーカ要素(1212)は、非生体吸収性で放射線不透過性及び/またはエコー源性として一般的に構成されて、経時的に可視化を強化することができる。同様に、マーカ要素(1212)は、金属、硬質プラスチックなどの様々な材料を含み得る。
【0098】
マーカ要素(1212)はまた、多種多様な形状及び/またはサイズをとることができる。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(1212)は、図1に示すマーカ要素(12)の形状(例えば、図案化された「E」字型)を有することができる。他の例では、マーカ要素(1212)は、らせん状のワイヤ形状を有することができる。さらに他の例では、マーカ要素(1212)は、複数の反射面を画定する不規則な形状を有することができる。さらに他の例では、マーカ要素(1212)は、湾曲したクリップとして形作ることができる。さらに他の例では、様々な形状及び/または材料の複数のマーカ要素(1212)を使用することができる。もちろん、本明細書の教示に照らして、マーカ要素(1212)のさらに他の構成が当業者には明らかであろう。
【0099】
上記のキャリア(120)と同様、本例のキャリア(1220)は、マーカ(1200)の配置後に患者に吸収されるように構成される。ただし、キャリア(120)とは異なり、本例のキャリア(1220)は複数のマーカ材料(1222、1224)を含む。本例のマーカ材料(1222、1224)は、マーカ(1200)が組織内で水和中にほぼ円筒形からより不規則な形状に移行できるように、その膨張に影響を与える様々な材料特性を有するように一般的に構成される。例えば、本例では、外側マーカ材料(1222)は、内側マーカ材料(1224)の内側コアの周囲に配置されている。以下でより詳細に説明するように、外側マーカ材料(1222)は、内側マーカ材料(1224)と比較してより迅速に膨張及び/または水和するように一般的に構成され、それによって不規則なプロファイルを形成する。
【0100】
マーカ材料(1222、1224)は、一般的に、外側マーカ材料(1222)を外殻として、内側マーカ材料(1224)を内側コアとして、層状に配置されている。両方のマーカ材料(1222、1224)は、脱水状態にあるときに円筒形を形成する。したがって、マーカ(1200)は、通常、細長い円筒形状を画定する。しかしながら、内側マーカ材料(1224)は、一般的に、外側マーカ材料(1222)に比べて長さが短く、その結果、キャリア(1220)の遠位端及び近位端は完全に外側マーカ材料(1222)であることが理解されるべきである。したがって、本構成では、外側マーカ材料(1222)の1つのセクションは、内側マーカ材料(1224)の両端にあり、内側マーカ材料(1224)は、外側マーカ材料(1222)内の中央に位置する。
【0101】
マーカ材料(1222、1224)は、組織内の水分に対して異なる反応を有する様々な材料を使用できることを理解されたい。例えば、本例では、外側マーカ材料(1222)はコラーゲンを含み、一方、内側マーカ材料(1224)はヒドロゲルを含む。コラーゲンとヒドロゲルは一般に、水分の存在下で異なる物理的反応を示す。例えば、コラーゲンは一般的に水分をより急速に吸収する傾向があり、それによって急速に体積膨張する。一方、ヒドロゲルはより遅い速度で水分を吸収し、よりゆっくりと膨張する。以下でより詳細に説明するように、マーカ(1200)が組織内に配置された後、これらの異なる特性を使用してマーカ(1200)の形状に影響を与えることができる。この効果をもたらす一定の特定の材料が本明細書に記載されているが、当業者に明らかであるように、同じ効果を提供する様々な代替材料または材料の組み合わせを使用できることを理解されたい。
【0102】
本例のマーカ要素(1212)は、通常、内側マーカ材料(1224)内のほぼ中央に置かれる。マーカ材料(1222、1224)が分解または組織に吸収されるときにマーカ要素(1212)が生検部位内の中央に留まるように、この中央配置が望ましい場合がある。しかしながら、マーカ要素(1212)は、内側マーカ材料(1224)内または外側マーカ材料(1222)内のいずれかの様々な代替位置に配置できることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、1つまたは複数のマーカ要素(1212)を、外側マーカ材料(1222)内、内側マーカ材料(1224)内のいずれか、またはその両方の様々な位置に配置することができる。
【0103】
図28は、生検部位の組織内に配置された後、最初に水和された状態のマーカ(1200)を示す。この状態では、外側マーカ材料(1222)が最も急速に水分を吸収し、それによって急速な体積膨張を示す。一方、内側マーカ材料(1224)は水分を相対的にゆっくりと吸収するため、最小限の体積膨張を示す。マーカ(1200)が水分を吸収するので、マーカ材料(1222、1224)間のこれらの異なる膨張特性は、マーカ(1200)の形状に影響を及ぼし得る。例えば、本例では、内側マーカ材料(1224)は、キャリア(1220)の中央の体積のかなりの部分を占める。結果として、キャリア(1220)の中央部分は、キャリア(1220)の遠位端及び近位端に比べてあまり膨張しない場合がある。
【0104】
上記の膨張特性は、最初に水和した形状にあるとき、マーカ(1200)の一般的に不規則な形状をもたらす。この形状は一般的に、蝶ネクタイやダンベルの形状に対応する。結果として、キャリア(1220)の端部とキャリア(1220)の中央部分との間のサイズまたは直径の違いは、組織内の所与の位置にマーカ(1200)を保持するためのアンカとして機能することができる。本例では、ほぼ蝶ネクタイ型のプロファイル形状がほんの一例として示されている。もちろん、本構成を使用して、他の様々な代替プロファイルを形成することができる。例えば、他の例では、マーカ(1200)のプロファイルは、ダンベルまたは様々な類似の形状により良く似ている可能性がある。
【0105】
マーカ(1200)の特定のプロファイル形状は、水和の過程で変化し得ることを理解されたい。例えば、マーカ(1200)は、最初の水和後、図28に示す位置から開始することができる。水和が完了すると、内側マーカ材料(1224)が水和し、組織がマーカ(1200)を取り囲み、及び/またはマーカ材料(1222、1224)が吸収/分解し始めるので、マーカ(1200)のプロファイル形状は時間とともに目立たなくなる可能性がある。
【0106】
マーカ(1200)の水和が完全に完了した後、マーカ(1200)の一部が分解する可能性がある。例えば、外側マーカ材料(1222)が最初に分解し始め、主に内側マーカ材料(1224)をキャリア(1220)の主要な構造として残し得る。内側マーカ材料(1224)の比較的遅い吸湿速度のために、内側マーカ材料(1224)は、時間が経過してもより安定した状態を保つことができる。したがって、外側マーカ材料(1222)が部分的または完全に吸収されたときでさえ、内側マーカ材料(1224)は、超音波、x線、MRIなどの可視化手段の下で、マーカ(1200)の長期の可視性を促進するために使用することができる。
【0107】
F.膨張可能なプラグを備えた例示的な生検部位マーカ
【0108】
図29は、所定の形状に急速に膨張して、それによってマーカ(1300)を組織内に固定するように一般的に構成された例示的なマーカ(1300)を示す。本明細書で特に明記しない限り、マーカ(1300)は、上記のマーカ(100)と実質的に類似している。例えば、マーカ(100)と同様、本例のマーカ(1300)は、マーカ要素(1312)及びキャリア(1320)を含む。本例のマーカ要素(1312)は、様々なマーカ要素(1312)構成がマーカ(1300)とともに使用できることを示すために概略的に示されている。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(1312)は、上記のマーカ要素(12)と実質的に類似していてよい。したがって、マーカ要素(1312)は、非生体吸収性で放射線不透過性及び/またはエコー源性として一般的に構成されて、経時的に可視化を強化することができる。同様に、マーカ要素(1312)は、金属、硬質プラスチックなどの様々な材料を含み得る。
【0109】
マーカ要素(1312)はまた、多種多様な形状及び/またはサイズをとることができる。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(1312)は、図1に示すマーカ要素(12)の形状(例えば、図案化された「E」字型)を有することができる。他の例では、マーカ要素(1312)は、らせん状のワイヤ形状を有することができる。さらに他の例では、マーカ要素(1312)は、複数の反射面を画定する不規則な形状を有することができる。さらに他の例では、マーカ要素(1312)は、湾曲したクリップとして形作ることができる。さらに他の例では、様々な形状及び/または材料の複数のマーカ要素(1312)を使用することができる。もちろん、本明細書の教示に照らして、マーカ要素(1312)のさらに他の構成が当業者には明らかであろう。
【0110】
上記のキャリア(120)と同様、本例のキャリア(1320)は、マーカ(1300)の配置後に患者に吸収されるように構成される。ただし、キャリア(120)とは異なり、本例のキャリア(1320)は複数のマーカ材料(1322、1324)を含む。本例のマーカ材料(1322、1324)は、マーカ(1300)が最初の形状から所定の形状に急速に移行できるように、その膨張に影響を与える様々な材料特性を有するように一般的に構成される。
【0111】
マーカ材料(1322、1324)は、通常、軸方向の層状配置で配置される。例えば、両方のマーカ材料(1322、1324)は、脱水状態にあるときに円筒形を形成する。したがって、マーカ(1300)は、通常、細長い円筒形状を画定する。マーカ材料(1322、1324)は、プラグマーカ材料(1322)及びコアマーカ材料(1324)を含む。プラグマーカ材料(1322)及びコアマーカ材料(1324)は一緒に、マーカ(1300)によって画定される縦軸に沿って端と端をつないだ構成で積み重ねられることによって、キャリア(1320)の形状を画定する。本構成では、プラグマーカ材料(1322)は、コアマーカ材料(1324)の一端に分離されている。しかしながら、他の例では、プラグマーカ材料(1322)がコアマーカ材料(1324)の両端にあってよいことを理解されたい。
【0112】
マーカ材料(1322、1324)は、組織内の水分に対して異なる反応を有する様々な材料を使用できることを理解されたい。例えば、本例では、プラグマーカ材料(1322)はコラーゲンを含み、一方、コアマーカ材料(1324)はヒドロゲルを含む。マーカ(500)に関して前述したように、コラーゲン及びヒドロゲルは一般的に、水分の存在下で異なる物理的反応を示す。例えば、コラーゲンは一般的に水分をより急速に吸収する傾向があり、それによって急速に膨張する。一方、ヒドロゲルはより遅い速度で水分を吸収し、よりゆっくりと膨張する。以下でより詳細に説明するように、マーカ(1300)が組織内に配置された後、これらの異なる特性を使用してマーカ(1300)の具体的な膨張の仕方に影響を与えることができる。この効果をもたらす一定の特定の材料が本明細書に記載されているが、当業者に明らかであるように、同じ効果を提供する様々な代替材料または材料の組み合わせを使用できることを理解されたい。
【0113】
本例のマーカ要素(1312)は、通常、コアマーカ材料(1324)内のほぼ中央に置かれる。マーカ材料(1322、1324)が分解または組織に吸収されるときにマーカ要素(1312)が生検部位内の中央またはそうでなければ生検部位内の位置に留まるように、この中央配置が望ましい場合がある。しかしながら、マーカ要素(1312)は、コアマーカ材料(1324)内またはプラグマーカ材料(1322)内のいずれかの様々な代替位置に配置できることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、1つまたは複数のマーカ要素(1312)を、プラグマーカ材料(1322)内のみ、コアマーカ材料(1324)内のみのいずれか、またはその両方の様々な位置に配置することができる。
【0114】
図30及び図31は、マーカ(1300)の例示的な使用法を示している。図30で最もよく分かるように、マーカ(1300)は、マーカ送達デバイス(150)または任意の他の適切なマーカ送達デバイスのカニューレ(162)を使用して、生検部位に最初に配置することができる。生検針または他の器具によって組織に形成された内腔または他の通路を通して配置することができる。
【0115】
マーカ(1300)が配置されると、マーカ(1300)はマーカ材料(1322、1324)の水分を吸収し始める。図31は、生検部位の組織内に配置された後、最初に水和された状態のマーカ(1300)を示す。この状態では、プラグマーカ材料(1322)が急速に水分を吸収し、それによって急速な体積膨張を示す。一方、コアマーカ材料(1324)は水分を相対的にゆっくりと吸収するため、最小限の体積膨張を示す。これらの膨張特性は、プラグマーカ材料(1324)及びコアマーカ材料(1322)の相対的位置と一緒に、マーカ(1300)を急速に膨張させて所定の形状にする。
【0116】
上記の膨張特性は、最初に水和した形状であるときに、マーカ(1300)のほぼパイ形状またはマッシュルーム形状のプロファイルをもたらす。図31で最もよく分かるように、プラグマーカ材料(1322)は、形状が比較的大きな直径に急速に膨張し、それによって比較的大きな体積を占める。一方、コアマーカ材料(1324)は、比較的小さな直径を維持するために、比較的最小限に膨張する。この構成では、プラグマーカ材料(1322)は、マーカ(1300)が生検針によって作成された通路をたどるのを防ぐためのプラグとして機能することができる。したがって、プラグマーカ材料(1322)の急速な膨張は、マーカ(1300)を生検腔内及び生検部位に保持するように機能することができる。
【0117】
マーカ(1300)の特定の形状は、水和の過程で変化し得ることを理解されたい。例えば、マーカ(1300)は、最初の水和後、図31に示す位置から開始することができる。水和が完了すると、コアマーカ材料(1324)が水和し、組織がマーカ(1300)を取り囲み、及び/またはマーカ材料(1322、1324)が吸収/分解し始めるので、マーカ(1300)のプロファイル形状は時間とともに目立たなくなる可能性がある。
【0118】
G.非対称に膨張する例示的な生検部位マーカ
【0119】
図32及び33は、急速に体積が膨張して所定の非対称構成になり、それによってマーカ(1400)を組織内に固定するように一般的に構成された例示的なマーカ(1400)を示す。本明細書で特に明記しない限り、マーカ(1400)は、上記のマーカ(100)と実質的に類似している。例えば、マーカ(100)と同様、本例のマーカ(1400)は、マーカ要素(1412)及びキャリア(1420)を含む。本例のマーカ要素(1412)は、様々なマーカ要素(1412)構成がマーカ(1400)とともに使用できることを示すために概略的に示されている。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(1412)は、上記のマーカ要素(12)と実質的に類似していてよい。したがって、マーカ要素(1412)は、非生体吸収性で放射線不透過性及び/またはエコー源性として一般的に構成されて、経時的に可視化を強化することができる。同様に、マーカ要素(1412)は、金属、硬質プラスチックなどの様々な材料を含み得る。
【0120】
マーカ要素(1412)はまた、多種多様な形状及び/またはサイズをとることができる。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(1412)は、図1に示すマーカ要素(12)の形状(例えば、図案化された「E」字型)を有することができる。他の例では、マーカ要素(1412)は、らせん状のワイヤ形状を有することができる。さらに他の例では、マーカ要素(1412)は、複数の反射面を画定する不規則な形状を有することができる。さらに他の例では、マーカ要素(1412)は、湾曲したクリップとして形作ることができる。さらに他の例では、様々な形状及び/または材料の複数のマーカ要素(1412)を使用することができる。もちろん、本明細書の教示に照らして、マーカ要素(1412)のさらに他の構成が当業者には明らかであろう。
【0121】
上記のキャリア(120)と同様、本例のキャリア(1420)は、マーカ(1400)の配置後に患者に吸収されるように構成される。ただし、キャリア(120)とは異なり、本例のキャリア(1420)は複数のマーカ材料(1422、1424)を含む。本例のマーカ材料(1422、1424)は、マーカ(1400)が比較的小さいまたはコンパクトな体積から非対称形状の比較的大きい体積に急速に移行できるように、その膨張に影響を与える様々な材料特性を有するように一般的に構成される。例えば、本例では、外側マーカ材料(1422)は、内側マーカ材料(1424)の内側コアの片側に配置されている。以下でより詳細に説明するように、外側マーカ材料(1422)は、内側マーカ材料(1424)と比較してより迅速に膨張及び/または水和するように一般的に構成され、マーカ(1400)の一部分の体積を急速に膨張させる手段を提供する。
【0122】
マーカ材料(1422、1424)は、通常、コアのある、または、層状の配置で配置される。詳細には、内側マーカ材料(1424)は、通常、キャリア(1420)の中心近くにくぼみを有する円筒形状を画定する。外側マーカ材料(1422)は、キャリア(1420)の中心近くのくぼみ内に配置される。外側マーカ材料(1422)はまた、マーカ(1400)が脱水構成にあるとき、内側マーカ材料(1424)及び外側マーカ材料(1422)が一緒に円筒形を画定するように、内側マーカ材料(1424)の外面と同一平面上にある。したがって、マーカ(1400)は、脱水構成にあるとき、通常、細長い円筒形構成を画定する。外側マーカ材料(1422)は、内側マーカ材料(1424)に対してほぼ中央に配置されるように示されているが、他の例では、外側マーカ材料(1422)は、内側マーカ材料(1424)に対して様々な位置を有することができることを理解されたい。
【0123】
マーカ材料(1422、1424)は、組織内の水分に対して異なる反応を有する様々な材料を使用することができる。例えば、本例では、外側マーカ材料(1422)はコラーゲンを含み、一方、内側マーカ材料(1424)はヒドロゲルを含む。マーカ(500)に関して前述したように、コラーゲン及びヒドロゲルは、通常、水分の存在下で異なる物理的反応を示す。例えば、コラーゲンは一般的に水分をより急速に吸収する傾向があり、それによって急速に膨張する。一方、ヒドロゲルはより遅い速度で水分を吸収し、よりゆっくりと膨張する。以下でより詳細に説明するように、これらの異なる特性を使用して、マーカ(1400)が組織内に配置された後の具体的な膨張の仕方に影響を与えることができる。この効果をもたらす一定の特定の材料が本明細書に記載されているが、当業者に明らかであるように、同じ効果を提供する様々な代替材料または材料の組み合わせを使用できることを理解されたい。
【0124】
図33で最もよく分かるように、本例のマーカ要素(1412)は、キャリア(1420)内のほぼ中央に置かれ、内側マーカ材料(1424)内に配置される。マーカ材料(1422、1424)が分解または組織に吸収されるときに、マーカ要素(1412)が生検部位内の中央に留まるように、この中央配置が望ましい場合がある。しかしながら、マーカ要素(1412)は、内側マーカ材料(1424)内または外側マーカ材料(1422)内のいずれかの様々な代替位置に配置できることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、1つまたは複数のマーカ要素(1412)を、外側マーカ材料(1422)内のみ、内側マーカ材料(1424)内のみのいずれか、またはその両方の様々な位置に配置することができる。
【0125】
図34は、生検部位の組織内に配置された後、最初に水和された状態のマーカ(1400)を示す。この状態では、外側マーカ材料(1422)が最も急速に水分を吸収し、それによって急速な体積膨張を示す。一方、内側マーカ材料(1424)は水分を相対的にゆっくりと吸収するため、最小限の体積膨張を示す。これらの膨張特性は、内側マーカ材料(1424)及び外側マーカ材料(1422)の形状及び相対的位置と一緒に、マーカ(1400)のサイズを急速に膨張させて所定の非対称形状にする。結果として、外側マーカ材料(1422)の急速な体積膨張は、生検腔を満たすか、または少なくとも部分的に満たすことができ、その結果、外側マーカ材料(1422)は、マーカ(1400)を組織内の所与の位置に保持するアンカとして機能することができる。
【0126】
本例では、マーカ(1400)のおおまかなプロファイルは部分的に円筒形のままであるが、外側マーカ材料(1422)は内側マーカ材料(1424)から外に膨らんで、ほぼ非対称のプロファイルを形成する。結果として、外側マーカ材料(1422)の膨らみは、組織内にマーカ(1400)を固定するように機能することができる。もちろん、本構成を使用して、他の様々な代替プロファイルを形成することができる。例えば、他の例では、外側マーカ材料(1422)と内側マーカ材料(1424)の相対的位置を変化させて、少なくともいくらかの水和後のマーカ(1400)のプロファイルに影響を与えることができる。ほんの一例として、そのような例では、外側マーカ材料(1422)を内側マーカ材料(1424)の一方の側または他方にオフセットして、マーカ(1400)の一方の側を他方に対して膨張させることができる。さらに、または代替として、内側マーカ材料(1424)に対する外側マーカ材料(1422)の特定のサイズを変化させて、外側マーカ材料(1422)によって形成される膨らみのサイズを増減させることができる。もちろん、本明細書の教示に照らして、外側マーカ材料(1422)及び内側マーカ材料(1424)の様々な代替構成が当業者には明らかであろう。
【0127】
マーカ(1400)の特定の形状及び/またはサイズは、水和の過程で変化し得ることを理解されたい。例えば、マーカ(1400)は、最初の水和後、図34に示す位置から開始することができる。水和が完了すると、マーカ(1400)はさらに膨張する可能性がある。続いて、内側マーカ材料(1424)も膨張し得る。いくつかの例では、内側マーカ材料(1424)の膨張は、超音波、X線、磁気共鳴画像法(MRI)などの様々な画像化手段を通して、マーカ(1400)の長期の可視性を高めることにつながり得る。マーカ(1400)のプロファイル形状及び/またはサイズは、組織がマーカ(1400)を取り囲み、及び/またはマーカ材料(1422、1424)が吸収/分解し始めるので、時間とともに目立たなくなる可能性がある。
【0128】
H.挿入可能なペレットを備えた例示的な生検部位マーカ
【0129】
図35は、急速に体積が膨張して、それによってマーカ(1500)を組織内に固定するように一般的に構成された例示的なマーカ(1500)を示す。本明細書で特に明記しない限り、マーカ(1500)は、上記のマーカ(600)と実質的に類似している。例えば、マーカ(600)と同様、本例のマーカ(1500)は、マーカ要素(1512)及びキャリア(1520)を含む。本例のマーカ要素(1512)は、上記のマーカ要素(612)と実質的に類似しているので、マーカ要素(1512)の特定の詳細はここでは繰り返さない。
【0130】
上記のキャリア(620)と同様、本例のキャリア(1520)は、マーカ(1500)の配置後に患者に吸収されるように構成される。ただし、キャリア(620)と同様に、本例のキャリア(1520)は複数のマーカ材料(1522、1524)を含む。マーカ材料(622、624)と同様、本例のマーカ材料(1522、1524)は、マーカ(1500)が比較的小さいまたはコンパクトな体積から比較的大きい体積に急速に移行できるように、その膨張に影響を与える様々な材料特性を有するように一般的に構成される。しかしながら、マーカ材料(622、624)とは異なり、マーカ材料(1522、1524)は、通常、互いに分離可能であるように構成される。以下でより詳細に説明するように、この構成は、組み立ての目的のために望ましい場合がある。マーカ材料(1522、1524)は互いに分離可能であるが、それにもかかわらず、それらは、上記のマーカ材料(622、624)と比較して、同様の脱水構成及び材料特性を有する。例えば、本例では、外側マーカ材料(1522)は、内側マーカ材料(1524)の内側コアの外側に配置されている。以下でより詳細に説明するように、外側マーカ材料(1522)は、通常、内側マーカ材料(1524)と比較してより迅速に膨張及び/または水和するように構成され、マーカ(1500)の体積を急速に膨張させる手段を提供する。
【0131】
マーカ材料(1522、1524)は、通常、コアのある、または、層状の配置で配置される。例えば、両方のマーカ材料(1522、1524)は、脱水状態にあるときに円筒形を形成する。この構成では、内側マーカ材料(1524)は、同じく円筒形の外側マーカ材料(1522)によって囲まれた内側円筒形コアを形成する。したがって、マーカ(1500)は、通常、細長い円筒形状を画定する。本構成では、内側マーカ材料(1524)は、外側マーカ材料(1522)内の中央に配置されているように示されている。しかしながら、他の例では、内側マーカ材料(1524)は、外側マーカ材料(1522)内の様々な位置を有することができることを理解されたい。
【0132】
マーカ材料(1522、1524)は、組織内の水分に対して異なる反応を有する様々な材料を使用できることを理解されたい。例えば、本例では、外側マーカ材料(1522)はコラーゲンを含み、一方、内側マーカ材料(1524)はヒドロゲルを含む。マーカ(600)に関して前述したように、コラーゲン及びヒドロゲルは一般に、水分の存在下で異なる物理的反応を示す。例えば、コラーゲンは一般的に水分をより急速に吸収する傾向があり、それによって急速に膨張する。一方、ヒドロゲルはより遅い速度で水分を吸収し、よりゆっくりと膨張する。以下でより詳細に説明するように、これらの異なる特性を使用して、マーカ(1500)が組織内に配置された後の具体的な膨張の仕方に影響を与えることができる。この効果をもたらす一定の特定の材料が本明細書に記載されているが、当業者に明らかであるように、同じ効果を提供する様々な代替材料または材料の組み合わせを使用できることを理解されたい。
【0133】
上記のマーカ(600)と同様に、本例のマーカ(1500)は、生検部位の組織内に配置された後、図35に示される最初に水和した構成から膨張した最初の脱水状態の構成に移行することができる。上記と同様に、外側マーカ材料(1522)は、脱水状態から最初に水和された状態への移行中に最も急速に水分を吸収し、それによって急速な体積膨張を示す。一方、内側マーカ材料(1524)は水分を相対的にゆっくりと吸収するため、最小限の体積膨張を示す。これらの膨張特性は、内側マーカ材料(1524)及び外側マーカ材料(1522)の形状と一緒に、マーカ(1500)のサイズの急速な膨張をもたらす。結果として、外側マーカ材料(1522)の急速な体積膨張は、生検腔を満たすか、または少なくとも部分的に満たすことができ、その結果、外側マーカ材料(1522)は、マーカ(1500)を組織内の所与の位置に保持するアンカとして機能することができる。
【0134】
図36は、組み立て状態のマーカ(1500)を示す。図に示すように、内側マーカ材料(1524)は、最初は、外側マーカ材料(1522)とは別の円筒形のペレットとして構成される。外側マーカ材料(1524)もまた、内側マーカ材料(1524)を受け入れるように構成された中央ボイド(1526)を備えた円筒形である。例示的な製造作業では、外側マーカ材料(1522)は、最初に、マンドレルまたは他の構造を使用してコラーゲンを使用して製造され、ボイド(1526)を形成することができる。内側マーカ材料(1524)は、ヒドロゲルペレットまたはインサートとして事前に製造することができる。次に、内側マーカ材料(1524)を、外側マーカ材料(1522)のボイド(1526)に挿入することができる。内側マーカ材料(1524)が外側マーカ材料(1522)に挿入された後、内側マーカ材料(1524)と外側マーカ材料(1522)の組み合わせを圧縮することができる。
【0135】
代替の製造作業では、外側マーカ材料(1522)は、最初に、複数の繊維状領域またはボイドを有するコラーゲンを使用して製造することができる。内側マーカ材料(1524)は、繊維状領域またはボイドに注入するための液体ヒドロゲルの形態であってよい。次に、内側マーカ材料(1524)と外側マーカ材料(1522)の組み合わせを圧縮することができる。
【0136】
別の代替の製造作業では、外側マーカ材料(1522)は、上述のボイド(1526)、または複数のボイド(1526)を含み得る。内側マーカ材料(1524)は、複数のヒドロゲルペレットとして事前に製造することができる。次に、内側マーカ材料(1524)の各ペレットを、外側マーカ材料(1522)に挿入して、ボイド(1526)または複数のボイド(1526)を埋めることができる。次に、内側マーカ材料(1524)と外側マーカ材料(1522)の組み合わせを圧縮することができる。
【0137】
I.例示的な2部の生検部位マーカ
【0138】
図37は、所定の形状に急速に膨張して、それによってマーカ(1600)を組織内に固定するように一般的に構成された例示的なマーカ(1600)を示す。本明細書で特に明記しない限り、マーカ(1600)は、上記のマーカ(100)と実質的に類似している。例えば、マーカ(100)と同様、本例のマーカ(1600)は、マーカ要素(1612)及びキャリア(1620)を含む。本例のマーカ要素(1612)は、細長いらせん状のワイヤとして形成されているものとして示されている。以下でより詳細に説明するように、マーカ要素(1612)は、超音波、X線、MRIなどの画像誘導手段の下で高い可視性を提供しながら、マーカ(1600)の様々な部分を一緒に保持するように一般的に構成される。本例のマーカ要素(1612)は、特定の形状を有するものとして示されているが、他の適切な形状を使用してよいことを理解されたい。例えば、いくつかの例では、マーカ要素(1612)は、上記のマーカ要素(12)と実質的に類似していてよい。さらに、マーカ要素(1612)は、一般に、非生体吸収性で放射線不透過性及び/またはエコー源性として構成されて、経時的に可視化を強化することができる。同様に、マーカ要素(1612)は、金属、硬質プラスチックなどの様々な材料を含み得る。
【0139】
上記のキャリア(120)と同様、本例のキャリア(1620)は、マーカ(1600)の配置後に患者に吸収されるように構成される。ただし、キャリア(120)とは異なり、本例のキャリア(1620)は複数のマーカ材料(1622、1624)を含む。本例のマーカ材料(1622、1624)は、マーカ(1600)が最初の形状から所定の形状に急速に移行できるように、その膨張に影響を与える様々な材料特性を有するように一般的に構成される。
【0140】
マーカ材料(1622、1624)は、通常、軸方向の層状配置で配置される。例えば、両方のマーカ材料(1622、1624)は、脱水状態にあるときに円筒形を形成する。したがって、マーカ(1600)は、通常、細長い円筒形状を画定する。マーカ材料(1622、1624)は、プラグマーカ材料(1622)及びコアマーカ材料(1624)を含む。プラグマーカ材料(1622)及びコアマーカ材料(1624)は一緒に、マーカ(1600)によって画定される縦軸に沿って端と端とをつなぐ構成で積み重ねられることによって、キャリア(1620)の形状を画定する。本構成では、プラグマーカ材料(1622)は、コアマーカ材料(1624)の一端に分離されている。しかしながら、他の例では、プラグマーカ材料(1622)がコアマーカ材料(1624)の両端にあってよいことを理解されたい。
【0141】
マーカ材料(1622、1624)は、組織内の水分に対して異なる反応を有する様々な材料を使用できることを理解されたい。例えば、本例では、プラグマーカ材料(1622)はコラーゲンを含み、一方、コアマーカ材料(1624)はヒドロゲルを含む。マーカ(500)に関して前述したように、コラーゲン及びヒドロゲルは一般に、水分の存在下で異なる物理的反応を示す。例えば、コラーゲンは一般的に水分をより急速に吸収する傾向があり、それによって急速に膨張する。一方、ヒドロゲルはより遅い速度で水分を吸収し、よりゆっくりと膨張する。以下でより詳細に説明するように、これらの異なる特性を使用して、マーカ(1600)が組織内に配置された後の具体的な膨張の仕方に影響を与えることができる。この効果をもたらす一定の特定の材料が本明細書に記載されているが、当業者に明らかであるように、同じ効果を提供する様々な代替材料または材料の組み合わせを使用できることを理解されたい。
【0142】
本例のマーカ要素(1612)は、通常、プラグマーカ材料(1622)及びコアマーカ材料(1624)内のほぼ中央に置かれる。マーカ材料(1622、1624)が分解または組織に吸収されるときにマーカ要素(1612)が生検部位内の中央またはそうでなければ生検部位内の位置に留まるように、この中央配置が望ましい場合がある。マーカ要素(1612)はまた、プラグマーカ材料(1622)とコアマーカ材料(1624)との間に延びる。プラグマーカ材料(1622)とコアマーカ材料(1624)との間に延びるマーカ要素(1612)は、一般に、マーカ材料(1622、1624)を一緒に保持または他の方法で結合するために望ましい。詳細には、マーカ要素(1612)のほぼらせん形状は、各マーカ材料(1622、1624)内にマーカ要素(1612)を固定する。次に、各マーカ材料(1622、1624)間にマーカ要素(1612)が延在することによって、各マーカ材料(1622、1624)内のマーカ要素(1612)の固定により、マーカ材料(1622、1624)を一緒に保持する。
【0143】
マーカ要素(1612)は、マーカ材料(1622、1624)内で特定の位置を有するものとして示されているが、様々な代替位置を使用できることを理解されたい。例えば、いくつかの例では、1つまたは複数のマーカ要素(1312)は、プラグマーカ材料(1622)とコアマーカ材料(1624)との間の中心の、またはプラグマーカ材料(1622)もしくはコアマーカ材料(1624)のいずれかの方にオフセットされた様々な位置に配置することができる。
【0144】
使用中、マーカ(1600)は生検部位に配置することができる。配置されると、マーカ(1600)はマーカ材料(1622、1624)内の水分を吸収することができる。吸湿により、マーカ(1600)を最初に水和された状態に移行させることができる。この状態では、プラグマーカ材料(1622)が急速に水分を吸収し、それによって急速な体積膨張を示す。一方、コアマーカ材料(1624)は水分を相対的にゆっくりと吸収するため、最小限の体積膨張を示す。これらの膨張特性は、プラグマーカ材料(1624)及びコアマーカ材料(1622)の相対的位置と一緒に、マーカ(1600)を急速に膨張させて所定の形状にする。
【0145】
上記の膨張特性は、最初に水和した形状であるとき、マーカ(1600)のほぼパイ形状またはマッシュルーム形状のプロファイルをもたらす。詳細には、プラグマーカ材料(1622)は、形状が比較的大きな直径に急速に膨張し、それによって比較的大きな体積を占めることができる。一方、コアマーカ材料(1624)は、比較的小さな直径を維持するために、比較的最小限に膨張し得る。この構成では、プラグマーカ材料(1622)は、マーカ(1600)が生検針によって作成された通路をたどるのを防ぐためのプラグとして機能することができる。したがって、プラグマーカ材料(1622)の急速な膨張は、マーカ(1600)を生検腔内及び生検部位に保持するように機能することができる。
【0146】
マーカ(1600)の特定の形状も、水和の過程で変化し得ることを理解されたい。例えば、マーカ(1600)は、上記の最初に水和された状態で開始することができる。水和が完了すると、コアマーカ材料(1624)が水和し、組織がマーカ(1600)を取り囲み、及び/またはマーカ材料(1622、1624)が吸収/分解し始めるので、マーカ(1600)のプロファイル形状は時間とともに目立たなくなる可能性がある。
【0147】
IV.例示的な組み合わせ
【0148】
以下の実施例は、本明細書での教示を組み合わせるかまたは適用し得る様々な包括的ではない方法に関する。以下の実施例は、本出願または本出願の後続の出願の任意の時点で提示され得る、任意の請求項の適用範囲を制限することを意図しないことを理解されたい。権利放棄は意図していない。以下の実施例は、単に例示的な目的で示しているにすぎない。本明細書の様々な教示を他の多くの方法で配置及び適用し得ることは企図されている。いくつかの変形例が、以下の実施例で言及される一定の特徴を省略してよいことも企図されている。したがって、後で発明者によって、または対象となる発明者の後継者によって、特に明示的に示されない限り、下記に言及される態様または特徴のいずれも重大なものとみなすべきではない。本出願または本出願に関連する後続の出願にて、以下で言及する以外の追加の特徴を含む請求項が示された場合、これらの追加の特徴は、特許性に関係する理由のために追加されたものとみなされないものとする。
【0149】
実施例1
【0150】
キャリアと、前記キャリア内に配置されたマーカ要素とを含む生検部位マーカであって、前記キャリアは、第1のマーカ材料及び第2のマーカ材料を含み、前記第1のマーカ材料及び前記第2のマーカ材料は、それぞれ、水分の存在下で膨張するように構成され、前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成される、前記生検部位マーカ。
【0151】
実施例2
【0152】
前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料を囲む外殻として形成される、実施例1に記載のマーカ。
【0153】
実施例3
【0154】
前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料の近位端に配置された第1の部分と、前記第2のマーカ材料の遠位端に配置された第2の部分とを含む、実施例1に記載のマーカ。
【0155】
実施例4
【0156】
前記第1のマーカ材料の前記第1の部分及び前記第2の部分はそれぞれ、組織を受け入れるように構成された1つまたは複数のノッチを含む、実施例3に記載のマーカ。
【0157】
実施例5
【0158】
前記第1のマーカ材料の前記第1の部分及び前記第2の部分はそれぞれ、前記第2のマーカ材料と比較して、水分の存在下で急速に膨張してダンベル形状のプロファイルを形成するように構成される、実施例3または4に記載のマーカ。
【0159】
実施例6
【0160】
前記第1のマーカ材料は、中心点を有する内側コアを画定し、前記第2のマーカ材料は、前記中心点に近接して配置されたシースを画定する、実施例1に記載のマーカ。
【0161】
実施例7
【0162】
前記第2のマーカ材料は、前記中心点で前記第1のマーカ材料の膨張を含むように構成される、実施例6に記載のマーカ。
【0163】
実施例8
【0164】
前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料を囲む外殻として形成され、前記第2のマーカ材料は、前記マーカの中心軸に対して前記第1のマーカ材料内でオフセットされている、実施例1に記載のマーカ。
【0165】
実施例10
【0166】
前記第1のマーカ材料及び前記第2のマーカ材料は、端と端をつなぐ構成で接続されている、実施例1に記載のマーカ。
【0167】
実施例11
【0168】
前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張し、それによって組織プラグを形成するように構成される。実施例10に記載のマーカ。
【0169】
実施例12
【0170】
前記第2のマーカ材料は、くぼみを画定し、前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料の前記くぼみ内に配置される、実施例1に記載のマーカ。
【0171】
実施例13
【0172】
前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で、前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成され、それによって、前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料によって画定された前記くぼみの外に膨張する、実施例12に記載のマーカ。
【0173】
実施例14
【0174】
前記第1のマーカ材料は、コラーゲンであり、前記第2のマーカ材料は、ヒドロゲルである、実施例1から13のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0175】
実施例15
【0176】
前記マーカ要素は、前記第1のマーカ材料内に配置される、実施例1から14のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0177】
実施例16
【0178】
前記マーカ要素は、前記第2のマーカ材料内に配置される、実施例1から14のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0179】
実施例17
【0180】
前記マーカ要素は、前記第1のマーカ材料内及び前記第2のマーカ材料内の両方に配置され、それによって、前記マーカ要素が、前記第1のマーカ材料を前記第2のマーカ材料に結合するように構成される、実施例1から14のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0181】
実施例18
【0182】
生検部位マーカを製造する方法であって、第1のマーカ材料の本体を形成することであって、前記本体の形成は、前記本体を通って延びるボイドを形成することを含む、前記形成することと、第2のマーカ材料のペレットを形成することと、前記ペレットを前記本体の前記ボイドに挿入することと、前記本体と前記ペレットの組み合わせを圧縮することとを含む、前記方法。
【0183】
実施例19
【0184】
前記ペレットを形成するステップは、複数のペレットを形成することを含み、前記ペレットを前記本体の前記ボイドに挿入するステップは、前記複数のペレットを前記ボイドに挿入することを含む、実施例18に記載の方法。
【0185】
実施例20
【0186】
前記第1のマーカ材料は、コラーゲンを含み、前記第2のマーカ材料は、ヒドロゲルを含む、実施例18または20に記載の方法。
【0187】
実施例21
【0188】
キャリアと、前記キャリア内に配置されたマーカ要素とを含む生検部位マーカであって、前記キャリアは、第1のマーカ材料及び第2のマーカ材料を含み、前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料によって画定されたコアの周囲に巻き付けられた外殻を画定し、前記第1のマーカ材料及び前記第2のマーカ材料は、それぞれ、水分の存在下で膨張するように構成され、前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成される、前記生検部位マーカ。
【0189】
実施例22
【0190】
前記第1のマーカ材料の前記外殻は、前記第2のマーカ材料の前記コアを完全に取り囲む、実施例21に記載のマーカ。
【0191】
実施例23
【0192】
前記第2のマーカ材料は、水分にさらされたときに前記第1のマーカ材料と比較して安定した状態を保つように構成される、実施例21または22に記載のマーカ。
【0193】
実施例24
【0194】
前記マーカ要素は、前記第2のマーカ材料内の中央にある、実施例21から23のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0195】
実施例25
【0196】
前記第1のマーカ材料は、水分にさらされたときに体積が少なくとも300パーセント膨張するように構成される、実施例21から24のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0197】
実施例26
【0198】
前記第1のマーカ材料は、水分にさらされたときに前記第2のマーカ材料と比較して急速に分解するように構成される、実施例21から25のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0199】
実施例27
【0200】
キャリアと、前記キャリア内に配置されたマーカ要素とを含む生検部位マーカであって、前記キャリアは、第1の部分と、第2の部分と、前記第1の部分と前記第2の部分の間に配置された第3の部分とを含み、前記第1の部分及び前記第2の部分は両方とも、第1のマーカ材料を含み、前記第3の部分は、第2のマーカ材料を含み、前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成される、前記生検部位マーカ。
【0201】
実施例28
【0202】
前記第1の部分及び前記第2の部分は、それぞれ、複数のノッチを含む、実施例27に記載のマーカ。
【0203】
実施例29
【0204】
前記第1の部分及び前記第2の部分は両方とも、組織内に前記キャリアを固定するために前記第3の部分に対して膨張するように構成される、実施例27または28に記載のマーカ。
【0205】
実施例30
【0206】
前記キャリアは、脱水構成から最初に水和された構成との間で移行するように構成され、前記第1のマーカ材料は、前記最初に水和された構成への前記移行中、前記第2のマーカ材料に対して膨張するように構成されて、前記キャリアがダンベル形状のプロファイルを形成する、実施例27から29のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0207】
実施例31
【0208】
キャリアと、前記キャリア内に配置されたマーカ要素とを含む生検部位マーカであって、前記キャリアは、第1のマーカ材料及び第2のマーカ材料を含み、前記第1のマーカ材料は、円筒形のコアを画定し、前記第2のマーカ材料は、前記第1のマーカ材料の部分を囲む外側スリーブを画定し、前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成される、前記生検部位マーカ。
【0209】
実施例32
【0210】
前記第1のマーカ材料は、縦軸を画定し、前記第2のマーカ材料は、前記縦軸の中心に配置される、実施例31に記載のマーカ。
【0211】
実施例33
【0212】
前記第1のマーカ材料の少なくとも一部分が、前記第2のマーカ材料に対して露出している、実施例31または32に記載のマーカ。
【0213】
実施例34
【0214】
前記第2のマーカ材料は、前記第1のマーカ材料の少なくとも一部分の膨張を制限するように構成される、請求項31から33のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0215】
実施例35
【0216】
前記第1のマーカ材料は、コラーゲンであり、前記第2のマーカ材料は、ヒドロゲルである、実施例31から34のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0217】
実施例36
【0218】
前記マーカ要素は、前記第1のマーカ材料内に位置する、請求項31から35のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0219】
実施例37
【0220】
前記マーカ要素は、前記第2のマーカ材料内に位置する、請求項31から35のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0221】
実施例38
【0222】
前記マーカ要素は、前記第1のマーカ材料内及び前記第2のマーカ材料内の両方に位置する、実施例31から35のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0223】
実施例39
【0224】
前記マーカ要素は、複数のマーカ要素を含み、少なくとも1つのマーカ要素は、前記第1のマーカ材料内、前記第2のマーカ材料内、または、その両方に位置する、実施例31から35のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0225】
実施例40
【0226】
組織内の固定位置にマーカを配置するための方法であって、生検部位マーカを生検部位に配置することと、前記生検部位マーカの第1のマーカ材料及び第2のマーカ材料を、前記生検部位にある間に、前記第1のマーカ材料が前記生検部位マーカの第2のマーカ材料と比較してより急速に膨張するように、膨張することを可能にすることと、を含む、前記方法。
【0227】
実施例41
【0228】
画像誘導手段下で前記第2のマーカ材料を識別することにより、生検手順の後に前記生検部位を再特定することをさらに含む、実施例40に記載の方法。
【0229】
V.結論
【0230】
参照により本明細書に組み込まれると言われている任意の特許、刊行物または他の開示資料は、全部または一部において、組み込まれる資料が本開示に記載の既存の定義、記述または他の開示資料と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。したがって、また必要な範囲において、本明細書で明示的に述べている開示内容は、参照により本明細書に組み込まれている矛盾している資料のいずれにも優先する。参照により本明細書に組み込まれるとされているが、本明細書で述べる既存の定義、記載、または他の開示資料と矛盾するいずれの資料またはその一部も、その組み込まれる資料と既存の開示資料との間で矛盾が生じない限りにおいてのみ、組み込まれる。
【0231】
本発明の様々な実施形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムのさらなる適応が、当業者による適切な修正により、本発明の範囲を逸脱することなく達成されてよい。そのような可能な修正のうちのいくつかに言及したが、他のものは当業者には明らかであろう。例えば、前述の実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲に関して考慮すべきであり、明細書及び図面で図示し、説明した構造及び動作の詳細には限定されないことが理解される。
【0232】
〔実施の態様〕
(1) キャリアと、
前記キャリア内に配置されたマーカ要素と、を含む生検部位マーカであって、前記キャリアは、第1のマーカ材料及び第2のマーカ材料を含み、前記第1のマーカ材料及び前記第2のマーカ材料は、それぞれ、水分の存在下で膨張するように構成され、前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成される、
前記生検部位マーカ。
(2) 前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料を囲む外殻として形成される、実施態様1に記載のマーカ。
(3) 前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料の近位端に配置された第1の部分と、前記第2のマーカ材料の遠位端に配置された第2の部分とを含む、実施態様1に記載のマーカ。
(4) 前記第1のマーカ材料の前記第1の部分及び前記第2の部分はそれぞれ、組織を受け入れるように構成された1つまたは複数のノッチを含む、実施態様3に記載のマーカ。
(5) 前記第1のマーカ材料の前記第1の部分及び前記第2の部分はそれぞれ、水分の存在下で、前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張してダンベル形状のプロファイルを形成するように構成される、実施態様3または4に記載のマーカ。
【0233】
(6) 前記第1のマーカ材料は、中心点を有する内側コアを画定し、前記第2のマーカ材料は、前記中心点に近接して配置されたシースを画定する、実施態様1に記載のマーカ。
(7) 前記第2のマーカ材料は、前記中心点で前記第1のマーカ材料の膨張を含むように構成される、実施態様6に記載のマーカ。
(8) 前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料を囲む外殻として形成され、前記第2のマーカ材料は、前記マーカの中心軸に対して前記第1のマーカ材料内でオフセットされる、実施態様1に記載のマーカ。
(9) 前記第1のマーカ材料及び前記第2のマーカ材料は、端と端をつなぐ構成で接続される、実施態様1に記載のマーカ。
(10) 前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張して、それによって組織プラグを形成するように構成される、実施態様9に記載のマーカ。
【0234】
(11) 前記第2のマーカ材料は、くぼみを画定し、前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料の前記くぼみ内に配置される、実施態様1に記載のマーカ。
(12) 前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で、前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成され、それによって、前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料によって画定される前記くぼみの外に膨張する、実施態様11に記載のマーカ。
(13) 前記第1のマーカ材料は、コラーゲンであり、前記第2のマーカ材料は、ヒドロゲルである、実施態様1から12のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
(14) 前記マーカ要素は、前記第1のマーカ材料内に配置される、実施態様1から13のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
(15) 前記マーカ要素は、前記第2のマーカ材料内に配置される、実施態様1から13のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0235】
(16) 前記マーカ要素は、前記第1のマーカ材料内及び前記第2のマーカ材料内の両方に配置され、それによって、前記マーカ要素が前記第1のマーカ材料を前記第2のマーカ材料に結合するように構成される、実施態様1から13のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
(17) 生検部位マーカを製造する方法であって、
(a)第1のマーカ材料の本体を形成することであって、前記本体の形成は、前記本体を通って延びるボイドを形成することを含む、前記形成すること、
(b)第2のマーカ材料のペレットを形成すること、
(c)前記ペレットを前記本体の前記ボイドに挿入すること、及び、
(d)前記本体と前記ペレットの組み合わせを圧縮すること、
を含む、前記方法。
(18) 前記ペレットを形成するステップは、複数のペレットを形成することを含み、前記ペレットを前記本体の前記ボイドに挿入するステップは、前記複数のペレットを前記ボイドに挿入することを含む、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記第1のマーカ材料は、コラーゲンを含み、前記第2のマーカ材料は、ヒドロゲルを含む、実施態様17または18に記載の方法。
(20) キャリアと、
前記キャリア内に配置されたマーカ要素と、を含む生検部位マーカであって、前記キャリアは、第1のマーカ材料及び第2のマーカ材料を含み、前記第1のマーカ材料は、前記第2のマーカ材料によって画定されたコアの周囲に巻き付けられた外殻を画定し、前記第1のマーカ材料及び前記第2のマーカ材料は、それぞれ、水分の存在下で膨張するように構成され、前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成される、
前記生検部位マーカ。
【0236】
(21) 前記第1のマーカ材料の前記外殻は、前記第2のマーカ材料の前記コアを完全に取り囲む、実施態様20に記載のマーカ。
(22) 前記第2のマーカ材料は、水分にさらされたときに前記第1のマーカ材料と比較して安定した状態を保つように構成される、実施態様20または21に記載のマーカ。
(23) 前記マーカ要素は、前記第2のマーカ材料内の中央にある、実施態様20から22のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
(24) 前記第1のマーカ材料は、水分にさらされたときに体積が少なくとも300パーセント膨張するように構成される、実施態様20から23のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
(25) 前記第1のマーカ材料は、水分にさらされたときに前記第2のマーカ材料と比較して急速に分解するように構成される、実施態様20から24のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0237】
(26) キャリアと前記キャリア内に配置されたマーカ要素とを含む生検部位マーカであって、前記キャリアは、第1の部分、第2の部分、及び、前記第1の部分と前記第2の部分の間に配置された第3の部分を含み、前記第1の部分及び前記第2の部分は両方とも、第1のマーカ材料を含み、前記第3の部分は、第2のマーカ材料を含み、前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成される、前記生検部位マーカ。
(27) 前記第1の部分及び前記第2の部分は、それぞれ、複数のノッチを含む、実施態様26のマーカ。
(28) 前記第1の部分及び前記第2の部分は両方とも、組織内に前記キャリアを固定するために前記第3の部分に対して膨張するように構成される、実施態様26または27に記載のマーカ。
(29) 前記キャリアは、脱水構成から最初に水和された構成との間で移行するように構成され、前記第1のマーカ材料は、前記最初に水和された構成への前記移行中、前記第2のマーカ材料に対して膨張するように構成され、それによって、前記キャリアがダンベル形状のプロファイルを形成する、実施態様26から28のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
(30) キャリアと前記キャリア内に配置されたマーカ要素とを含む生検部位マーカであって、前記キャリアは、第1のマーカ材料及び第2のマーカ材料を含み、前記第1のマーカ材料は、円筒形のコアを画定し、前記第2のマーカ材料は、前記第1のマーカ材料の一部分を囲む外側スリーブを画定し、前記第1のマーカ材料は、水分の存在下で前記第2のマーカ材料と比較して急速に膨張するように構成される、前記生検部位マーカ。
【0238】
(31) 前記第1のマーカ材料は、縦軸を画定し、前記第2のマーカ材料は、前記縦軸の中心に位置する、実施態様30に記載のマーカ。
(32) 前記第1のマーカ材料の少なくとも一部分が前記第2のマーカ材料に対して露出している、実施態様30または31に記載のマーカ。
(33) 前記第2のマーカ材料は、前記第1のマーカ材料の少なくとも一部分の膨張を制限するように構成される、実施態様30から32のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
(34) 前記第1のマーカ材料は、コラーゲンであり、前記第2のマーカ材料は、ヒドロゲルである、実施態様30から33のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
(35) 前記マーカ要素は、前記第1のマーカ材料内に位置する、実施態様30から34のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
【0239】
(36) 前記マーカ要素は、前記第2のマーカ材料内に位置する、実施態様30から34のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
(37) 前記マーカ要素は、前記第1のマーカ材料内及び前記第2のマーカ材料内の両方に位置する、実施態様30から34のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
(38) 前記マーカ要素は、複数のマーカ要素を含み、少なくとも1つのマーカ要素は、前記第1のマーカ材料内、前記第2のマーカ材料内、または、その両方に位置する、実施態様30から34のいずれか1つまたは複数に記載のマーカ。
(39) 組織内の固定位置にマーカを配置するための方法であって、生検部位マーカを生検部位に配置することと、前記生検部位マーカの第1のマーカ材料及び第2のマーカ材料を、前記生検部位にある間に、前記第1のマーカ材料が前記生検部位マーカの第2のマーカ材料と比較してより急速に膨張するように、膨張することを可能にすることと、を含む、前記方法。
(40) 画像誘導手段の下で前記第2のマーカ材料を識別することにより、生検手順の後に前記生検部位を再特定することをさらに含む、実施態様39に記載の方法。
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