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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】水からの物質除去
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/46 20230101AFI20240401BHJP
   C02F 1/58 20230101ALI20240401BHJP
【FI】
C02F1/46
C02F1/58 R
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021573824
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-29
(86)【国際出願番号】 US2020037405
(87)【国際公開番号】W WO2020252241
(87)【国際公開日】2020-12-17
【審査請求日】2022-01-27
(31)【優先権主張番号】62/860,433
(32)【優先日】2019-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521542904
【氏名又は名称】ニュークアティック エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】NuQuatic,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ボラス、カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ルーク、ドナルド エイ.
【審査官】石岡 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-011375(JP,A)
【文献】特開2004-066223(JP,A)
【文献】特開平11-277066(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0096853(US,A1)
【文献】米国特許第05876575(US,A)
【文献】特開2005-325437(JP,A)
【文献】国際公開第2016/024408(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F1/46-1/48、1/58-1/64、1/70-1/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水からリンを除去する方法であって、
リン含有水の中に電気化学セルを浸漬することでそのリンを含む塩を含有する処理水を生成することであって、前記電気化学セルは、
Alを含むアノードと、
前記アノードとは異なる組成を有するカソードであって、Cuを含む多孔質材料を含み、前記アノードと前記カソードとにわたって外部電位は印加されない、前記カソードと、
前記アノードおよび前記カソードを電気的かつ物理的に接続する導電性コネクタと
を含むガルバニ電池であり、前記導電性コネクタがCu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pbまたはそれらの組み合わせを含み、かつ、前記導電性コネクタが、前記アノードと前記カソードとに跨って延在するネジまたはボルトを含むものである、前記浸漬することと、
前記処理水から前記リンを含む前記塩を分離して、前記リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成することであって、前記リンを含む前記塩は、前記水からの前記リンおよび前記アノードからの前記Alを含むAlPOまたはその水和物を含む、前記分離することとを含む、前記方法。
【請求項2】
前記アノードおよび前記カソードは、互いに直接接触する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記導電性コネクタは、真鍮を含む請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記分離された水は、
前記リン含有水の総リン濃度の約0%~約20%である総リン濃度を有するか、または
前記リン含有水の溶存リン濃度の約0%~約20%である溶存リン濃度を有するか、または
前記リン含有水の総リン濃度の約0%~約20%である反応性リン濃度を有するか、また
それらの組み合わせである、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記リン含有水は、溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、溶存メタロイド、またはそれらの組み合わせをさらに含み、前記リン含有水の中に前記電気化学セルを浸漬する間、それら遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含む水酸化物塩を生成することをさらに含み、前記処理水から前記リンを含む前記塩を前記分離することは、前記処理水から前記遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含む前記水酸化物塩を分離することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記リン含有水の中に前記電気化学セルを前記浸漬する間、前記電気化学セルに機械的な力を付与すること、または前記リン含有水の中に前記電気化学セルを前記浸漬する間、前記リン含有水にせん断を付与すること、またはそれらの組み合わせをさらに含み、前記機械的な力および/またはせん断は、
前記アノード、前記カソード、またはそれらの組み合わせの表面からHを含む少なくともいくらかの泡を取り除くのに十分であるか、または
前記アノードの前記表面での酸化物の形成を少なくとも部分的に防止するのに十分であるか、または、
前記アノードの前記表面上の前記リンを含む前記塩の凝集を少なくとも部分的に防止するのに十分であるか、または
それらの組み合わせに十分である請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記リン含有水の中に前記電気化学セルを浸漬する間、前記リン含有水から窒素を含む塩を生成することをさらに含み、前記処理水からの前記リンを含む前記塩を前記分離することは、前記処理水から前記窒素を含む前記塩を分離することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記カソードは、前記電気化学セルの平面状の枠と、前記枠の外周の内側に備えられるカソード材料とを含み、前記カソード材料は前記枠に電気的に接続され、前記平面状の枠の前記外周の内側に備えられる前記カソード材料は、前記多孔質材料を含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記リンを含む前記水を含むエンクロージャ内に1つ以上の電気化学セルを浸漬することと、
前記電気化学セルを浸漬する、前記リンを含む前記水の中に少なくとも部分的に沈められている複数のフィルタの1つを介して、前記処理水から前記リンを含む前記塩をろ過することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
リン含有水の中に電気化学セルを浸漬することでそのリンを含む塩を含有する処理水を生成することであって、前記電気化学セルは、
Alを含むアノードと、
前記アノードとは異なる組成を有するカソードであって、Cuを含む多孔質材料を含み、前記アノードと前記カソードとにわたって外部電位は印加されない、前記カソードと、
前記アノードおよび前記カソードを電気的に接続する導電性コネクタと
を含むガルバニ電池であり、前記導電性コネクタがCu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pbまたはそれらの組み合わせを含み、かつ、前記導電性コネクタがネジ、ボルト、ナット、ワッシャまたはそれらの組み合わせを含むものである、前記浸漬することと、
前記処理水から前記リンを含む前記塩を分離して、前記リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成することであって、前記リンを含む前記塩は、前記水からの前記リンおよび前記アノードからの前記Alを含むAlPO またはその水和物を含む、前記分離することとを含む方法において水からリンを除去するための電気化学セルであって、前記電気化学セルは、
前記カソードであって、多角形の外周を有する前記電気化学セルの平面状の枠と、前記枠と直接接触している金網またはワイヤスクリーンであり前記枠の前記外周の内側に備えられる前記多孔質材料とを含む前記カソードと、
複数の前記アノードと、
複数の前記アノードの各々と前記カソードとを電気的に接続する複数の前記導電性コネクタであって、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含む複数の前記導電性コネクタと、を含み、
複数の前記アノードの各々は、前記枠の一面上の前記平面状の枠の対向する2つの縁において前記平面状の枠に固定されたストリップであり、前記アノードのそれぞれは、前記平面状の枠の前記2つの縁のそれぞれにおいて少なくとも1つの前記導電性コネクタで前記平面状の枠に固定されており、その結果、前記一面上の前記アノードのそれぞれは、前記一面上で互いにおおよそ平行であり、前記平面状の枠の前記外周内に備えられる前記多孔質材料を横断し、前記平面状の枠の前記外周内に備えられる前記多孔質材料と前記アノードの前記ストリップとの間にギャップを形成しており、前記アノードが前記少なくとも1つの導電性コネクタを介して前記平面状の枠に固定されている前記平面状の枠の縁のそれぞれにおいて、複数の前記アノードの各々は、前記カソードの前記枠に直接接触しており、前記複数の前記アノードは、それらが互いに物理的に接触しないように前記一つの面を横切って間隔を置いて離れており、前記ギャップは、約1mm~約110mmである、前記電気化学セル。
【請求項11】
前記リン含有水は、約5~約7のpHを有し、
前記アノードはAlを含み、前記アノードは約90wt%~約100wt%のAlであり、
前記カソードはCuを含み、前記カソードは約90wt%~約100wt%のCuである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
水からリンを除去する方法であって、前記方法は
約5~約7のpHを有するリン含有水の中に電気化学セルを浸漬することでそのリンを含む塩を含有する処理水を生成することであって、前記電気化学セルは、
Alを含むアノードであって、約90wt%~約100wt%のAlである前記アノードと、
Cuを含む多孔質材料を含むカソードであって、約90wt%~約100wt%のCuであり、前記アノードと前記カソードとにわたって外部電位は印加されない、前記カソードと、
前記アノードおよび前記カソードを電気的かつ物理的に接続する導電性コネクタであって、CuおよびZnを含む合金を含み、かつ、前記アノードと前記カソードとに跨って延在するネジまたはボルトを含む前記導電性コネクタとを含むガルバニ電池である、前記浸漬することと、
前記リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成するために、前記処理水から前記リンを含む前記塩を分離することであって、前記塩は、前記リンおよび前記アノードからのAlを含むAlPOまたはその水和物を含む、前記分離することとを含む、前記方法。
【請求項13】
前記アノードは、約90wt%~約100wt%のAlである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記カソードは、約90wt%~約100wt%のCuである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記アノードは、ストリップの形状である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記多孔質材料は、ワイヤメッシュ、ワイヤスクリーン、1つ以上の貫通孔を含むシート、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記電気化学セルは、前記カソードと前記アノードとの間に約1mm~約110mmの間隔を含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、水からの物質除去に関連する。
【背景技術】
【0002】
リンは、農業用肥料、肥料、および下水および産業排水中の有機性廃棄物の一般的な成分である。それは植物の生命にとって必須元素であるが、水中に多く含まれている場合、植物および藻類の成長を引き起こし、生態系が処理できる速度よりも速い速度で水から酸素を枯渇させ、有毒な藻類の異常発生、在来の水生種の死、および生物多様性の喪失(富栄養化)を含む、深刻な生態学的影響を与えることがある。水からリンを除去するための様々な方法が利用可能であるが、既存の方法は、費用がかかり、不便であり、非効率的であり、規模適応性(scalability)に欠け、または環境に優しくないことがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の様々な実施形態は、水からリンを除去する方法を提供する。本方法は、リンを含む塩を含有する処理水を生成するために、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬することを含む。電気化学セルは、Mg、Al、Fe、Zn、またはそれらの組み合わせを含むアノードと、アノードとは異なる組成を有するカソードとを含み、カソードは、Cu、Ni、Fe、またはそれらの組み合わせを含む。本方法はまた、処理水からリンを含む塩を分離して、リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成することを含む。
【0004】
本発明の様々な実施形態は、水からリンを除去する方法を提供する。本方法は、約5~7のpHを有するリン含有水の中に電気化学セルを浸漬して、リンを含む塩を含有する処理水を生成する。リンを含む塩は、リンとアノードからのAlとを含むAlPOまたはそれらの水和物を含むか、アノードからのAlを含む水酸化アルミニウムまたはそれらの水和物を含むか、またはそれらの組み合わせを含む。電気化学セルはAlを含むアノードを含み、アノードは約90wt%~約100wt%のAlである。電気化学セルはCuを含むカソードを含み、カソードは約90wt%~約100wt%のCuである。電気化学セルはまた、アノードおよびカソードを電気的に接続する導電性コネクタを含み、導電性コネクタは、CuおよびZnを含む合金を含む。本方法はまた、処理水からリンを含む塩を分離して、リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成することを含む。
【0005】
本発明の様々な実施形態は、水からリンを除去する方法を提供する。本方法は、約10~約11のpHを有するリン含有水の中に電気化学セルを浸漬して、リンを含む塩を含有する処理水を生成することを含む。リンを含む塩は、リン酸マグネシウム、リン酸マグネシウムカリウム、それらの水和物、またはそれらの組み合わせを含むか、リンおよびアノードからのMgを含むNHMgPOまたはその水和物を含むか、アノードからのMgを含むMg(OH)を含むか、またはそれらの組み合わせを含む。電気化学セルは、Mgを含むアノードを含み、アノードは約90wt%~約100wt%のMgである。電気化学セルは、Cuを含むカソードを含み、カソードは約90wt%~約100wt%のCuである。電気化学セルはまた、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタを含み、導電性コネクタは、CuおよびZnを含む合金を含む。本方法はまた、処理水からリンを含む塩を分離して、リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成することを含む。
【0006】
本発明の様々な実施形態は、本明細書に記載される方法の実施形態を実行するための電気化学セルを提供する。電気化学セルは、Cu、Ni、Fe、またはそれらの組み合わせを含むカソードを含み、カソードは、多角形の外周を有する電気化学セルの平面状の枠と、枠と直接接触している金網またはワイヤスクリーンであり枠の外周の内側に含まれる多孔質材料とを含む。電気化学セルはまた、カソードとは異なる組成の複数のアノードであって、Mg、Al、Fe、Zn、またはそれらの組み合わせを含むアノードと、アノードおよびカソードを電気的に接続する導電性コネクタであって、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含む導電性コネクタとを含む。各アノードは、枠の一面上の平面状の枠の2つの対向する縁において平面状の枠に固定されたストリップであり、アノードのそれぞれは、平面状の枠の2つの縁のそれぞれにおいて少なくとも1つの導電性コネクタで平面状の枠に固定され、その結果、その面上のアノードのそれぞれはその面上で互いにおおよそ平行であり、平面状の枠の外周の内側に含まれる多孔質材料を横断し、平面状の枠の外周の内側に含まれる多孔質材料とアノードストリップとの間にギャップを形成する。アノードが少なくとも1つの導電性コネクタを介して平面状の枠に固定されている、平面状の枠の縁のそれぞれにおいて、各アノードは、カソード枠に直接接触する。複数のアノードは、それらが互いに物理的に接触しないように面を横切って間隔を置いて離れる。ギャップは、約1mm~約110mmである。
【0007】
本発明の様々な実施形態は、ストルバイトを生成する方法を提供する。本方法は、約10~約11のpHを有するリン含有水の中に電気化学セルを浸漬して、リンを含む塩を含有する処理水を生成することを含む。リンを含む塩は、ストルバイトを含み、ストルバイトは、リン、および、アノードからのMgを含む。電気化学セルは、Mgを含むアノードを含み、アノードは約90wt%~約100wt%のMgである。電気化学セルは、Cuを含むカソードを含み、カソードは約90wt%~約100wt%のCuである。本方法はまた、分離されたストルバイトを得るために、かつ、リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成するために、処理水からリンを含む塩を分離することを含む。
【0008】
本発明の様々な実施形態は、AlPO、水酸化アルミニウム、またはそれらの組み合わせを生成する方法を提供する。本方法は、約5~約7のpHを有するリン含有水の中に電気化学セルを浸漬して、リンを含む塩を含有する処理水を生成することを含む。リンを含む塩は、リンおよびアノードからのAlを含むAlPOまたはその水和物を含むか、アノードからのAlを含む水酸化アルミニウムまたはその水和物を含むか、またはそれらの組み合わせを含む。電気化学セルはAlを含むアノードを含み、アノードは約90wt%~約100wt%のAlである。電気化学セルは、Cuを含むカソードを含み、カソードは約90wt%~約100wt%のCuである。本方法は、処理水からリンを含む塩を分離して、リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成することを含む。
【0009】
本発明の様々な実施形態は、リン酸マグネシウム、Mg(OH)、またはそれらの組み合わせを生成する方法を提供する。本方法は、約10~約11のpHを有するリン含有水の中に電気化学セルを浸漬して、リンを含む塩を含有する処理水を生成することを含む。塩は、リン酸マグネシウム、リン酸マグネシウムカリウム、それらの水和物、またはそれらの組み合わせを含むか、アノードからのMgを含むMg(OH)を含むか、またはそれらの組み合わせを含む。電気化学セルは、Mgを含むアノードを含み、アノードは約90wt%~約100wt%のMgである。電気化学セルは、Cuを含むカソードを含み、カソードは約90wt%~約100wt%のCuである。本方法はまた、処理水からリンを含む塩を分離して、リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成することを含む。
【0010】
本発明の様々な実施形態は、水から1つ以上の溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、または溶存メタロイドを除去する方法を提供する。本方法は、1つ以上の溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、または溶存メタロイドを含む水の中に電気化学セルを浸漬して、1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含む水酸化物塩を含有する処理水を生成することを含む。電気化学セルは、Mg、Al、Fe、Zn、またはそれらの組み合わせを含むアノードを含む。電気化学セルは、Cu、Ni、Fe、またはそれらの組み合わせを含むカソードを含む。本方法はまた、1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含む水酸化物塩を含む塩を分離して、1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含有する水より低い濃度の1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを有する、分離された水を生成することを含む。
【0011】
様々な実施形態において、本発明のリン除去の方法は、水からリンを除去する他の方法に対するある利点を有する。例えば、いくつかの実施形態において、本発明のリン除去の方法は、他の方法と比較して、より多い量のリンを除去し得、より低いリン濃度を達成し得、より高い効率またはより少ないコストでのリン除去を達成し得、より小さな接地面積を利用し得、またはそれらの組み合わせであり得る。
【0012】
様々な実施形態において、本発明のリン除去の方法は、他の方法と比較して、入ってくる水の酸化が少なく実行され得るか、または入ってくる水の酸化がなく実行され得る。Alを含むアノードを含む電気化学セルを含むいくつかの実施形態において、水酸化物イオンの生成によるそのアノードの近くのより高いpHは、アルミニウム塩(例えば、AlPO、水酸化アルミニウム、またはそれらの組み合わせ)の沈殿を誘発または増進し得る。いくつかの実施形態において、水からリンを除去するために使用されるPに対するAlの比率は、アルミニウム塩の添加を使用する方法など、他の方法で報告されたものよりも低い。
【0013】
図面は、限定ではなく例として、本発明の様々な実施形態を一般的に示す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】様々な実施形態による、主面からの電気化学セルの図。
図1B】様々な実施形態による、電気化学セルの拡大した縁切取図。
図2A】様々な実施形態による、Al-Cu電気化学セルの縁に沿った写真を示す図。
図2B】様々な実施形態による、複数のAl-Cu電気化学セルの縁に沿った写真を示す図。
図2C】様々な実施形態による、Mg-Cu電気化学セルの主面の写真を示す図。
図2D】様々な実施形態による、Mg-Cu電気化学セルの縁の写真を示す図。
図2E】様々な実施形態による、Mg-Cu電気化学セルの縁の写真を示す図。
図2F】様々な実施形態による、水から物質を除去するためのシステムの上面図を示す写真を示す図。
図2G】様々な実施形態による、水から物質を除去するためのシステムの側面図を示す写真を示す図。
図3】様々な実施形態による、様々な導電率を有する溶液についての時間に対するAl-Cuセルによって生成される電流を示す図。
図4】様々な実施形態による、様々なpHレベルを有する溶液についての時間に対するAl-Cuセルによって生成される電流を示す図。
図5A】様々な実施形態による、様々な導電率を有する溶液についての時間に対するMg-Cuセルによって生成される電流を示す図。
図5B】様々な実施形態による、様々なpHレベルを有する溶液についての時間に対するMg-Cuセルによって生成される電流を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、開示された主題の或る実施形態を詳細に参照する。開示された主題は、列挙された特許請求の範囲と併せて説明されるが、例示された主題は、特許請求の範囲を開示された主題に限定することを意図しないことが理解されるであろう。
【0016】
この文書全体を通して、範囲形式で表現された値は、範囲の制限として明示的に記載された数値だけでなく、各数値および各サブ範囲が明示的に記述されているかのように、その範囲内に含まれるすべての個々の数値またはサブ範囲をも含むように柔軟に解釈されるべきである。例えば、「約0.1%~約5%」または「約0.1%~5%」の範囲は、約0.1%~約5%だけではなく、その示された範囲内の個々の値(例えば、1%、2%、3%、および4%)およびサブ範囲(例えば、0.1%~0.5%、1.1%~2.2%、3.3%~4.4%)も含むと解釈されるべきである。「約X~Y」という記述は、特に明記されなければ、「約X~約Y」と同じ意味を有する。同様に、「約X、Y、または約Z」という記述は、特に明記されなければ、「約X、約Y、または約Z」と同じ意味を有する。
【0017】
本文書において、用語「a」、「an」、または「the」は、文脈でそうでないと明確に指示されなければ、1つまたは複数を含むように使用される。用語「または」は、特に明記されなければ、非排他的な「または」を指すように使用される。「AおよびBの少なくとも1つ」または「AまたはBの少なくとも1つ」という記述は、「A、B、または、AおよびB」と同じ意味を有する。加えて、本書で使用され、そうでないと定義されていない表現または専門用語は、説明のみを目的としており、限定ではないことを理解されたい。セクション見出しの使用は、文書の解釈を補助することを目的としており、制限として解釈されず、セクション見出しに関連する情報は、その特定のセクションの内外で発生することがある。
【0018】
本明細書に記載される方法において、行為は、時間的または操作上の順序が明示的に記載されている場合を除いて、本発明の原理から逸脱することなく、任意の順序で実行され得る。さらにまた、特定の行為は、明示的な特許請求の範囲の文言がそれらが別々に実行されることを明記しなければ、同時に実行され得る。例えば、Xを実行するというクレームされた行為、および、Yを実行するというクレームされた行為は、単一の操作内で同時に実行でき、結果として生じるプロセスは、クレームされたプロセスの文字通りの範囲に含まれ得る。
【0019】
本明細書に使用されるとき、用語「約」は、例えば、記述された値または記述された範囲の制限の10%以内、5%以内、または1%以内など、値または範囲のある程度の変動を考慮に入れることができ、正確な記述された値または範囲を含む。本明細書に使用されるとき、「実質的に」という用語は、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.9%、99.99%の大部分、またはほとんど、または少なくとも約99.999%以上、または100%を指す。本明細書に使用されるとき、用語「実質的に含まない」は、存在する物質の量が物質を含む組成物の物質特性に影響を及ぼさないように、まったくないか、またはわずかな量を有することを意味し得、約0wt%~約5wt%、または約0wt%~約1wt%、または約5wt%以下、または約4.5wt%、4、3.5、3、2.5、2、1.5、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.01以下、または約0.001wt%以下、または約0wt%の組成物がその物質である。
【0020】
様々な実施形態において、正に帯電した対イオンを有する塩は、任意の適切な正に帯電した対イオンを含み得る。例えば、対イオンは、アンモニウム(NH )、またはナトリウム(Na)、カリウム(K)、またはリチウム(Li)などアルカリ金属であり得る。いくつかの実施形態において、対イオンは、+1より大きい正電荷を有し得、いくつかの実施形態では、Zn2+、Al3+や、Ca2+またはMg2+などのアルカリ土類金属のような多価イオン化された基と複合することができる。
【0021】
リン、マグネシウム、およびアルミニウムのすべての濃度は、そうでないと明示されなければ、これらの物質の元素の形態または非元素の形態(例えば、その物質を含む化合物またはイオンとして)の溶解濃度である。本明細書に与えられるすべての濃度は、特に明記されなければ、重量によるものである。
【0022】
本明細書に使用されるとき、「総リン濃度」は、そうでないと明記されなければ、US-EPA 365.1:半自動測色法または同等のものによるリンの測定(Determination of Phosphorus by Semi-Automated Colorimetry or equivalent)によって測定されたすべての形態のリンの濃度を指す。
【0023】
本明細書に使用されるとき、「溶存リン濃度」は、そうでないと明記されなければ、US-EPA 365.1:半自動測色法または同等のものによるリンの測定によって測定された0.45ミクロン(μm)フィルタを通過できるすべての形態のリンの濃度を指す。
【0024】
本明細書に使用されるとき、「反応性リン濃度」は、そうでないと明記されなければ、US-EPA 365.1:半自動測色法または同等のものによるリンの測定によって測定された溶液中の可溶性反応性リン(例えば、オルトリン酸塩)を指す。
【0025】
水からリンを除去する方法。
様々な実施形態において、本発明は、水からリンを除去する方法を提供する。リンは、電気化学セル(例えば、1つ以上の電気化学セル)を使用してリンを含む塩の形態で除去され得る。本方法は、リン含有水中に電気化学セルを浸漬して、リンを含む塩を含有する処理水を生成することを含み得る。電気化学セルは、Mg、Al、Fe、Zn、またはそれらの組み合わせを含むアノードを含み得る。電気化学セルは、Cu、Ni、Fe、またはそれらの組み合わせを含むカソードを含み得る。本方法はまた、処理水からリンを含む塩を分離して、リン含有水より、低いリン濃度を有する分離された水を生成することを含み得る。いくつかの実施形態において、電気化学セルはまた、アノードおよびカソードを電気的に接続する導電性コネクタを含み得、導電性コネクタは、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、アノードとカソードとは互いに直接接触し、電気化学セルは導電性コネクタを含まない。
【0026】
電気化学セルは、ガルバニ電池であり得る。本方法は、電気化学セルのアノードとカソードとにわたって電位(例えば、電気化学セルの外部電源から印加された電位)を印加することを含まないことができる。いくつかの実施形態において、電気化学セルは、電解セルであり得る。本方法は、電気化学セルのアノードとカソードとにわたって電位を印加することを含み得る。印加された電位は、電気化学セルのガルバニック腐食電位(例えば、リン含有水中に浸漬したときに外部電位が印加されていない状態でアノードおよびカソードが到達する電位)よりも大きくすることができる。印加された電位は、電気化学セルのガルバニック腐食電位未満にすることができる。印加された電位は、電気化学セルのガルバニック腐食電位と等しくすることができる。
【0027】
本方法は、リン含有水中に電気化学セルを浸漬することを含み得る。リン含有水中に電気化学セルを浸漬することは、約1%~約100%、80%~約100%、または、約1%、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、96、97、98未満か、等しいか、またはより大きい、または約99%以上など、電気化学セルの表面積の任意の適切な割合が水と接触するように、部分的な浸漬を含み得る。リン含有水の中に電気化学セルを浸漬することは、電気化学セルの表面積の約100%が水と接触するように、完全な浸漬を含み得る。
【0028】
リン含有水は、任意の適切な水源から取水し得る。例えば、リン含有水は、環境中の天然水源、飲料水(例えば、パイプ内で形成しないようにストルバイトを除去するためのもの)、工業廃水、工業用冷却水、またはそれらの組み合わせなどを含む水源から取水され得る。リン含有水は、池、湖、川、小川などの環境中の天然水源を含む、水源から取水された水であり得る。いくつかの実施形態において、本方法は、水源から取水すること、リンの除去後、水を水源に戻すこと、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0029】
リン含有水中のリンは、任意の適切な形態であり得る。例えば、リンは、元素のリン、無機リン、有機リン、溶解形態のリン、固体形態のリン、酸化リン、またはそれらの組み合わせなどの形態であり得る。リン含有水は、約0.001ppm~約10,000ppm、約0.01ppm~約20ppm、または約0.001ppm以下、または約0.005ppm、0.01、0.02、0.04、0.06、0.08、0.1、0.15、0.2、0.4、0.6、0.8、1、2、4、6、8、10、15、20、40、60、80、100、150、200、400、600、800、1,000、1,500、2,000、4,000、6,000、8,000未満か、等しいか、またはより大きいか、または約10,000ppm以上の総リン濃度、溶存リン濃度、反応性リン濃度、またはそれらの組み合わせを有し得る。
【0030】
分離された水は、約0ppm~約1ppm、約0.0001ppm~0.1ppm、約0.0001ppm~0.05ppm、または約0ppm、または、約0.0001ppm、0.0002、0.0004、0.0006、0.0008、0.0010、0.0012、0.0014、0.0016、0.0018、0.0020、0.0022、0.0024、0.0026、0.0028、0.0030、0.0032、0.0034、0.0036、0.0038、0.0040、0.0045、0.0050、0.0060、0.0080、0.01、0.02、0.04、0.06、0.08、0.1、0.2、0.4、0.6、0.8未満か、等しいか、またはより大きいか、または約1.0ppm以上の総リン濃度、溶存リン濃度、反応性リン濃度、またはそれらの組み合わせを有し得る。分離された水は、電気化学セルと最初に接触する、リン含有水の総リン濃度、溶存リン濃度、反応性リン濃度、またはそれらの組み合わせの、約0%~70%、または約0%~約20%、または約0%、または、約0.001%、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、4、6、8、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65未満か、等しいか、またはより大きいか、または約70%以上の総リン濃度、溶存リン濃度、反応性リン濃度、またはそれらの組み合わせをそれぞれ有し得る。
【0031】
リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水は、任意の適切なpHを有し得る。pHは、約2~約14、約5~約11、約5~約7、約10~約11、または、約2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11、11.5、12、12.5、13、13.5未満か、等しいか、より大きいか、または約14以上であり得る。
【0032】
本方法は、リン含有水に酸、塩基、またはそれらの組み合わせを添加して、そのpHを調節または制御することを含み得る。いくつかの実施形態において、本方法は、リン含有水に酸、塩基、またはそれらの組み合わせを添加することを含まない。リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する前、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬した後、またはそれらの組み合わせで、酸、塩基、またはそれらの組み合わせは、リン含有水に添加し得る。
【0033】
本方法は、電気化学セルを浸漬するリン含有水を再循環させて、リン含有水を電気化学セルと複数回接触させることを含み得る。水からリンを含む塩を除去するなど、再循環中に水を任意選択的にろ過することができる。
【0034】
リン含有水中に電気化学セルを浸漬することは、リンを含む塩を含有する処理水を生成し得る。リン含有水と電気化学セルとの間の接触は、リンを含む塩の形成を引き起こし得る。処理水中のリンを含む塩の少なくともいくらかは、固形物を含み得る。リンを含む固形物の形成は、沈殿、凝集、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0035】
処理水からリンを含む塩を分離して、リン含有水より低いリン濃度の処理水を形成することは、任意の適切な方法で実行され得る。分離することは、傾瀉、沈降、ろ過、またはそれらの組み合わせを含み得る。分離することは、電気化学セルから処理水を分離することを含み得る(例えば、ろ過されたか、またはその他リンを含む塩が分離された、セルを浸漬する水を除去すること)。分離は、電気化学セルに戻る水の再循環中に起こり得る。水に浸漬され、かつ、接触中に水を連続的にろ過しているフィルタを介するなどして、電気化学セルを水と接触させている間に分離は実行され得る。システムからの出口ライン上のフィルタを介するなど、電気化学セルを浸漬する水から水が除去された後に起こり得る。ろ過は、ガラスフリット、布フィルタ、紙フィルタ、ディスクフィルタ、ロータリーフィルタ、ドラムフィルタ、スクリーン、ふるい、粒子状ろ過媒体、ろ過助剤、またはそれらの組み合わせを使用して実施し得る。分離された水は、同じまたは異なる電気化学セルとのさらなる接触、ろ過、1つ以上の他の非リン物質を除去するための処理、pH調節、またはそれらの組み合わせなどを介して、任意選択的にさらに処理され得る。
【0036】
アノードは、リン含有水の処理中に消耗される犠牲アノードであり得る。リン含有水と電気化学セルとの接触時に形成されるリンを含む塩は、アノードからの物質を含み得る。本方法は、電気化学セルをリン含有水の中に浸漬する間にアノードからの物質を含む水酸化物塩を形成することを含み得る。処理水からリンを含む塩を分離することは、処理水からアノードからの物質を含む水酸化物塩を分離することをさらに含み得る。
【0037】
リン含有水は、溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、溶存メタロイド、またはそれらの組み合わせをさらに含み得る。本方法は、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含む水酸化物塩を生成することを含み得る。処理水からリンを含む塩を分離することは、処理水から遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含む水酸化物塩を分離することを含み得る。遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドは、Sc、Y、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Al、Zn、Ga、Cd、In、Sn、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Cn、B、Si、Ge、As、Sb、Te、At、またはそれらの組み合わせであり得る。遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドは、Hg、Fe、Cr、Ni、Zn、Cd、As、またはそれらの組み合わせであり得る。本方法は、水から任意の適切な量の遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせを除去し得る。分離された水は、1つ以上の溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、または溶存メタロイドを含む水中の遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度の約0%~約70%である、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度を有し得るか、または、1つ以上の溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、または溶存メタロイドを含む水中の遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度の約0%~約20%、または約0%、または約1%以下、または約2%、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、24、26、28、30、35、40、45、50、55、60、65未満か、等しいか、またはより大きいか、または約70%以上である、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度を有し得る。
【0038】
本方法は、電気化学セルをリン含有水の中に浸漬する間、アノードにおいてHおよびHOを生成することを含み得る(例えば、水からアノードの表面で生成する)。本方法は、電気化学セルをリン含有水の中に浸漬する間、カソードにおいてHおよびHOを生成することを含み得る(例えば、水からカソードの表面で生成する)。本方法は、電気化学セルをリン含有水の中に浸漬する間、H、HO 、またはそれらの組み合わせを生成することを含み得る(例えば、カソードの表面で生成する)。本方法は、電気化学セルをリン含有水の中に浸漬する間、水にせん断を付与することを含み得る。せん断は、アノード、カソード、またはそれらの組み合わせの表面から少なくともいくらかの泡(例えば、Hを含む)を取り除くのに十分であり得る。せん断は、アノードの表面での酸化物の形成を少なくとも部分的に防止または低減するのに十分であり得る。本方法は、リン含有水に浸漬された電気化学セルに、ラッピング(rapping)、ノッキング(knocking)、攪拌、振動、超音波などの機械的な力を付与することを含み得る。機械的な力は、アノード、カソード、またはそれらの組み合わせの表面から、Hを含む少なくともいくらかの泡を取り除き、アノードの表面での酸化物の形成を少なくとも部分的に防止し、アノードの表面上のリンを含む塩の凝集を少なくとも部分的に防止し、またはそれらの組み合わせに十分であり得る。
【0039】
リン含有水は、さらに窒素を含み得る。その水の中の窒素は、元素の窒素、無機窒素、有機窒素、溶解形態の窒素、固体形態の窒素、酸化窒素、またはそれらの組み合わせなどの任意の適切な形態であり得る。リン含有水中の窒素の総窒素濃度、溶存窒素濃度、またはそれらの組み合わせは、約0.001ppm~約20ppm、約1ppm~約5ppm、または約0.001ppm以下、または約0.005ppm、0.01、0.02、0.04、0.06、0.08、0.1、0.15、0.2、0.4、0.6、0.8、1、2、4、6、8、10、12、14、16、18未満か、等しいか、またはより大きいか、または約20ppm以上であり得る。分離された水は、約0ppm~約2ppm、約0ppm~約1ppm、または約0ppm、または0.001ppm、0.0012、0.0014、0.0016、0.0018、0.0020、0.0022、0.0024、0.0026、0.0028、0.0030、0.0032、0.0034、0.0036、0.0038、0.0040、0.0045、0.0050、0.0060、0.0080、0.01、0.02、0.04、0.06、0.08、0.1、0.2、0.4、0.6、0.8、1、1.1、1.2、1.4、1.6、1.8、または約2ppm以上の総窒素濃度、溶存窒素濃度、またはそれらの組み合わせを有し得る。分離された水は、リン含有水の総窒素濃度、溶存窒素濃度、またはそれらの組み合わせの、約0%~約70%、または約0%~約30%、または約0%、または約0.001%、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、2、4、6、8、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65未満か、等しいか、またはより大きいか、または約70%以上の総窒素濃度、溶存窒素濃度、またはそれらの組み合わせをそれぞれ有し得る。
【0040】
本方法は、カソードにおいて(例えば、カソードの表面において)は、NH、NH 、またはそれらの組み合わせを形成することをさらに含み得、NHおよびNH は、リン含有水からの窒素を含む。本方法は、電気化学セルをリン含有水の中に浸漬する間、窒素を含む塩を形成することを含み得る。処理水からのリンを含む塩の分離は、処理水から窒素を含む塩を分離することを含み得る。窒素を含む塩は、NHMgPOまたはそれらの水和物(例えば、ストルバイト)を含み得る。
【0041】
電気化学セルのカソードは、CuまたはCu合金など、Cu、Ni、Fe、またはそれらの組み合わせを含み得る。カソードは、主にCu、Ni、Fe、それらの合金、またはそれらの組み合わせである固体物質か、または主にCu、Ni、Fe、それらの合金、またはそれらの組み合わせでコーティングされた別の物質であり得る。カソードは、Cu、Ni、Fe、それらの合金、またはそれらの組み合わせ以外の物質を実質的に含まないことがある。カソードは、約50wt%~約100wt%、約90wt%~約100wt%、または、約50wt%、55、60、65、70、75、80、82、84、86、88、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、99.9、99.99未満か、に等しいか、またはより大きいか、または約99.999wt%以上のCu、Ni、Fe、それらの合金、またはそれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態において、カソードはCuを含み、アノードはMgを含む。いくつかの実施形態において、カソードはCuを含み、アノードはAlを含む。
【0042】
アノードは、おおよそ均質な組成の固体物質であり得るか、または別の物質上のコーティングであり得る。アノードは、カソードとは異なる組成を有する。アノードは、カソードとは異なる組成を有する。アノードは、Mg、Al、Fe、Zn、またはそれらの組み合わせを含み得る。アノードは、Mg、Al、Fe、Zn、またはそれらの合金を含む合金を含み得る。Mg、Al、Fe、Zn、それらの合金、またはそれらの組み合わせは、アノードの約50wt%~約100wt%、または、約50wt%、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または約99、99.5、99.9、99.99未満か、等しいか、またはより大きいか、または約99.999wt%以上であり得る。アノードは、Mg、Al、Fe、Zn、それらの合金、またはそれらの組み合わせ以外の物質を実質的に含まないことができる。
【0043】
アノードは、Ag、Pt、Au、またはそれらの組み合わせをさらに含み得る。Ag、Pt、Au、またはそれらの組み合わせは、約0.0001wt%~約20wt%、約0.0001wt%~約5wt%、または約0wt%、または約0.0001wt%以下、または0.0002、0.0004、0.0006、0.0008、0.0010、0.0012、0.0014、0.0016、0.0018、0.0020、0.0022、0.0024、0.0026、0.0028、0.0030、0.0032、0.0034、0.0036、0.0038、0.0040、0.0045、0.0050、0.0060、0.0080、0.01、0.02、0.04、0.06、0.08、0.1、0.2、0.4、0.6、0.8、1、1.5、2、4、6、8、10、12、14、16、18、または約20wt%以上である。
【0044】
アノードは、MgまたはMg合金を含み得る。アノードは、Mgまたはその合金以外の物質を実質的に含まないことができる。アノードは、約90wt%のMg、約9wt%のAl、および約1wt%のZnであるマグネシウム合金AZ91であり得る。アノードは、約50wt%~約100wt%のMgまたはMg合金、約90wt%~約100wt%のMgまたはMg合金、または、約50wt%、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、99.5、99.9、99.99未満か、に等しいか、またはより大きいか、または約99.999wt%以上のMgまたはMg合金であり得る。リンを含む塩は、リン酸マグネシウム、リン酸マグネシウムカリウム(例えば、「K-ストルバイト」)、それらの水和物、またはそれらの組み合わせを含み得、リン酸マグネシウムまたはリン酸マグネシウムカリウムは、アノードからのMgを含む。リン酸マグネシウムは、リン酸1マグネシウム(Mg(HPO)、リン酸2マグネシウム(MgHPO)、リン酸3マグネシウム(Mg(PO)、それらの水和物、またはそれらの組み合わせなど任意の適切な形態であり得る。処理水からのリンを含む塩の分離は、処理水からリン酸マグネシウムを分離することを含み得る。リン含有水は、窒素をさらに含み得、リンを含む塩は、NHMgPOまたはそれらの水和物(例えば、ストルバイト)を含み、NHMgPOは、リンおよびアノードからのMgを含む。本方法は、電気化学セルをリン含有水の中に浸漬する間、アノードからのMgを含むMg(OH)を形成することを含み得る。処理水からのリンを含む塩の分離は、処理水からMg(OH)を分離することを含み得る。電気化学セルをリン含有水の中に浸漬する間、リン含有水は約9.5~約11.5、または約10~約11、または、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4未満か、に等しいか、またはより大きいか、または約11.5以上のpHを有し得る。本方法は、電気化学セルを浸漬するリン含有水が約9.5~約11.5、または約10~約11、または、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10.0、10.1、10.2、10.3、10.4、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、11.0、11.1、11.2、11.3、11.4未満か、に等しいか、またはより大きいか、または約11.5以上のpHに維持されるように、電気化学セルへのリンを含む真水の導入速度を調節することを含み得る。本方法は、リン含有水のpHが約9.5~約11.5または約10~約11に達するまでリン含有水中に電気化学セルを浸漬すること、およびその後、電気化学セルを浸漬するリン含有水が約9.5~約11.5または約10~約11のpHに維持されるように、電気化学セルへのリンを含む真水の導入速度を調整することを含み得る。
【0045】
アノードは、Alを含み得る。アノードは、Al以外の物質を実質的に含まないことができる。アノードは、約50wt%~約100wt%のAl、約90wt%~約100wt%、または、約50wt%、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98未満か、に等しいか、またはより大きいか、または約99、99.5、99.9、99.99、または約99.999wt%以上のAlであり得る。リンを含む塩は、AlPOまたはそれらの水和物を含み得る。処理水からリンを含む塩を分離することは、処理水からAlPOを分離することを含み得る。本方法は、電気化学セルをリン含有水の中に浸漬する間、水酸化アルミニウムまたはそれらの水和物(例えば、Al(OH)またはポリ水酸化アルミニウム)を生成することを含み得、水酸化アルミニウムは、アノードからのAlを含む。処理水からリンを含む塩を分離することは、処理水から水酸化アルミニウムを分離することを含み得る。電気化学セルをリン含有水の中に浸漬する間、リン含有水は、約4~約8、約5~約7、または約4以下、または約4.2、4.4、4.6、4.8、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.2、7.4、7.6、7.8、または約8以上のpHを有する。本方法は、電気化学セルを浸漬する、リン含有水が約4~約8、約5~約7、または約4以下、または約4.2、4.4、4.6、4.8、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.2、7.4、7.6、7.8、または約8以上のpHに維持されるように、リン含有水への酸の導入速度を調整することを含み得る。リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する前、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬した後、またはそれらの組み合わせで、酸はリン含有水に添加され得る。酸は任意の適切な濃度の、任意の適切な酸であり得る。酸は、硫酸、酢酸、塩酸、またはそれらの組み合わせを含み得る。本方法は、処理水からのAlを含む塩を凝集させることを含み得る。
【0046】
カソードは、アノードの仕事関数よりも大きな仕事関数を有し得る。例えば、Cuは約4.53~5.10eVの仕事関数を有し、Mgは約3.66eVの仕事関数を有し、Alは約4.06~4.26eVの仕事関数を有する。導電性コネクタは、カソードの仕事関数とカソードの仕事関数との間の仕事関数を有し得る。
【0047】
電気化学セルは、アノードおよびカソードを電気的に接続する導電性コネクタを含み得る。導電性コネクタはアノードまたはカソードとは異なる組成を有する。導電性コネクタは、均質な組成の固体物質であり得るか、または別の物質上のコーティングであり得る。導電性コネクタは、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含み得る。導電性コネクタは、Cuを含み得る。導電性コネクタは、Znを含み得る。導電性コネクタは、CuおよびZnを含む合金を含み得る。導電性コネクタは、真鍮を含み得る。導電性コネクタは、真鍮を含み得、かつ、実質的に他の物質を含まない。導電性コネクタは、約50wt%~約100wt%、約90wt%~約100wt%、または、約50wt%、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または約99、99.5、99.9、99.99未満か、等しいか、またはより大きいか、または約99.999wt%以上の真鍮であり得る。
【0048】
リン含有水は、リン含有水中に電気化学セルを浸漬する間、約100μS~約1,000,000μS、または約300μS~約100,000μS、または約100μS~約1,200μS、または、約100μS、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、1,100、1,200、1,500、2,000、4,000、6,000、10,000、15,000、20,000、50,000、100,000、150,000、200,000、250,000、500,000、750,000未満か、等しいか、またはより大きいか、または約1,000,000μS以上など、任意の適切な導電率を有し得る。本方法は、リン含有水の導電率の調節を含まないことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、リン含有水の導電率の調整を含み得、その導電率は、約100μS~約1,000,000μS、または約300μS~約100,000μS、または約100μS~約1,200μS、または、約100μS、200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、1,100、1,200、1,500、2,000、4,000、6,000、10,000、15,000、20,000、50,000、100,000、150,000、200,000、250,000、500,000、750,000未満か、等しいか、またはより大きいか、または約1,000,000μS以上に維持される。リン含有水の導電率の調整は、電気化学セルへのリンを含む真水の導入速度の調整を含み得る。水の導電率の調整は、1つ以上の塩を水に添加することを含み得る。リン含有水中に電気化学セルを浸漬する前、リン含有水中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水中に電気化学セルを浸漬した後、またはそれらの組み合わせに、リン含有水に塩を添加し得る。リン含有水の導電率を調整するためにその水に添加された1つ以上の塩は、ハロゲン塩、ナトリウム塩、カリウム塩、またはそれらの組み合わせを含み得る。リン含有水の導電率を調整するために、その水に添加される1つ以上の塩は、塩化ナトリウムを含み得る。
【0049】
電気化学セルは、リン含有水中に浸漬されると電流を生成することができる。電気セルによって生成される電流の量は、約0.001mA/cm~約10mA/cm、0.01mA/cm~約0.5mA mA/cm、または、約0.001mA/cm、0.005、0.01、0.015、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.2、1.5、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9未満か、に等しいか、またはより大きいか、または約10mA/cm以上など、任意の適切な量の電流であり得る。
【0050】
リン含有水中に電気化学セルを浸漬することは、リン含有水中のリンを酸化するために十分であり得る。本方法は、電気化学セルをリン含有水中に浸漬することによって発生する酸化以外に酸化剤または酸化処理でリン含有水を処理することを含まない場合がある。いくつかの実施形態において、本方法は、電気化学セルをリン含有水の中に浸漬する前、電気化学セルをリン含有水の中に浸漬する間、またはそれらの組み合わせでリン含有水中のリンを酸化することを含む。本方法は、電気化学セルをリン含有水の中に浸漬する前にリン含有水中のリンを酸化することを含み得る。リン含有水中のリンの酸化は、リンを酸化するために酸化剤および水を接触することを含み得る(例えば、リンを含有する有機物または固形物中のリンを酸化するために)。酸化剤の水溶液は、リン含有水に添加され得る。酸化剤の水溶液は、約0.001ppm~約999,999ppm、約50,000ppm~約140,000ppm、または、約0.001ppm、0.005、0.01、0.05、0.1、0.5、1、1.5、2、5、10、15、20、50、100、150、200、500、1,000、1,100、1,200、1,500、2,000、2,500、5,000、10,000、15,000、20,000、50,000、100,000、150,000、200,000、500,000、750,000未満か、等しいか、またはより大きいか、または約999,999ppm以上の濃度を有する。酸化剤は、リンを酸化する任意の適切な酸化剤であり得る。酸化剤は、鉄酸塩、オゾン、塩化第二鉄(FeCl)、過マンガン酸カリウム、二クロム酸カリウム、塩素酸カリウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過塩素酸、過酢酸、一過硫酸カリウム、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、水酸化物、亜硫酸塩、それらの分解を介したフリーラジカル、またはそれらの組み合わせを含み得る。酸化剤がリン含有水中に溶存する実質的にすべてのリンを酸化された形態のリンに変換するように、十分な酸化剤を添加し得、かつ十分な処理条件を使用し得る。
【0051】
酸化プロセスの副生成物は、電子を容易に受け入れ、その結果、ガルバニ電池の銅の表面で優先的に還元される負に帯電したイオン化化合物を含み得る。これらの化合物の多くは、規制限界が非常に低く、処理水の放出または再利用の前に、ガルバニックプロセスを使用して1つ以上のこれらの高度に規制された化合物の濃度を除去または低減できる。低減または除去することができる最も一般的な化合物の例は、クロラミン、塩素酸塩、過塩素酸塩、臭素酸塩、次亜塩素酸、漂白剤など、有機化合物、およびそれらの組み合わせであり得る。さらに、ガルバニックプロセスは、水中の酸素レベルを1ppm未満の値に低減することができるため、その後の無酸素または嫌気プロセスに魅力的な状態を作り出すことができる。
【0052】
本方法は、処理水のpHを調節するための任意のステップを実行することを含まないことができる。いくつかの実施形態において、本方法は、分離された水のpHを約6~8、または約7、または、約6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9未満か、に等しいか、またはより大きいか、または約8以上になるように調節することを含み得る。
【0053】
本方法は、リン含有水を含むエンクロージャ内に1つ以上の電気化学セルを浸漬することを含み得る。本方法は、電気化学セルを浸漬するリン含有水に少なくとも部分的に沈められている複数のフィルタの1つを介して、処理水からリンを含む塩をろ過することを含み得る。フィルタは、ガラスフリット、布フィルタ、紙フィルタ、ディスクフィルタ、ロータリーフィルタ、ドラムフィルタ、スクリーン、ふるい、粒子状ろ過媒体、ろ過助剤、またはそれらの組み合わせを含み得る。フィルタは、回転ディスクフィルタであり得る。ろ過は、フィルタ上にろ過ケーキを形成することを含み得、ろ過ケーキは、リンを含む塩を含む。ろ過は、フィルタを逆洗してろ過ケーキをフィルタから除去し、除去されたろ過ケーキを含む逆洗液を生成することを含み得る。沈殿物を含む水の一部がフィルタの逆洗に使用されるなど、任意の適切な水を使用してフィルタを逆洗することができる。
【0054】
1つ以上の電気化学セルは、エンクロージャの側面部分においてリン含有水の中に配置され得、フィルタは、フィルタが複数の電気化学セルの間にあるように、リン含有水の中に、エンクロージャのおおよそ中央部分に配置される。本方法は、複数のフィルタを使用することを含み得る。複数のフィルタは、複数の回転ディスクフィルタを含み得る。
【0055】
アノードにアルミニウムを含むガルバニ電池の複数の実施形態において、ガルバニ電池の操作中のアルミニウムアノードの溶解は、電極の表面上またはその非常に近くに高局所濃度のアルミニウムイオンを生成し得、これは、リン酸アルミニウム化合物の沈殿のための過飽和および熱力学的条件に有利に働くことがある。水中のリンレベルが0.1ppm未満である場合でさえ、この表面状態は、低い金属対リンのモル比を作ることができる。結果として生じる溶液中に残っているリン酸塩の平衡濃度は、単に水にアルミニウム塩を添加することによって得られるものよりもはるかに低くなり得る。約0.1ppm未満のリン濃度を得るために、リン酸塩を含有する水にアルミニウム塩を添加する場合、金属対リンのモル比は8に近くなければならない。対照的に、本明細書に記載のガルバニックプロセスでは、金属対リンのモル比は、おおよそ1など、8未満であり得る。
【0056】
電気化学セル
様々な実施形態において、本発明は電気化学セルを提供する。電気化学セルは、本明細書の一実施形態を実施するために使用され得る任意の適切な電気化学セルであり得る。水からリンを除去する方法は、リンを含む塩を含有する処理水を形成するように、リン含有水中に電気化学セル(例えば、1つ以上の電気化学セル)を浸漬することを含み得る。電気化学セルは、Mg、Al、Fe、Zn、またはそれらの組み合わせを含むアノードを含み得る。電気化学セルは、Cu、Ni、Fe、またはそれらの組み合わせを含むカソードを含み得る。
【0057】
電気化学セルはまた、アノードおよびカソードを電気的に接続する導電性コネクタを含み得、導電性コネクタは、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、アノードとカソードとは互いに直接接触し、電極が「無電解」構成になるよう、電気化学セルは導電性コネクタを含まない。無電解構成において、犠牲アノード材料は、非犠牲カソード材料上に電気化学的にめっきまたは堆積され得、アノードおよびカソードを電気的に接続するための導電性コネクタが不要になる。無電解構成の様々な実施形態の1つの利点は、より少ない金属銅を使用することができ、導電性コネクタを含む構成と比較して、電極間の電気的降下を減少させることができる。
【0058】
電気化学セルは、1つのカソード、または複数のカソードを含み得る。電気化学セルは、1つのアノード、または複数のアノードを含み得る。電気化学セルは、導電性コネクタを含まないか、1つの導電性コネクタ、または複数の導電性コネクタを含み得る。電気化学セルは、複数の導電性コネクタを含み得、各導電性コネクタは独立してアノードおよびカソードを電気的に接続する(例えば、直列構成ではなく、並列構成)。複数の導電性コネクタは、電気化学セルの周面の周りにおおよそ均等に分散され得る。導電性コネクタは、ネジ、ボルト、ナット、ワッシャ、またはそれらの組み合わせなどのコネクタまたはファスナを含み得る。
【0059】
除去されるリン含有水の単位体積あたりの電気化学セルの表面積が、コンテナ内の水の滞留時間中にリンの除去を実施するのに十分であるように、電気化学セルは任意の適切なサイズまたは構成にすることができる。電気化学セルは、約1cm~約1,000,000cm、約5cm~約200,000cm、約10cm~約50,000cm、約20cm~約40,000cm、または約1cm以下、または、2cm、4、6、8、10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、500、750、1,000、1,500、2,000、2,500、5,000、7,500、10,000、15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、75,000、100,000、150,000、200,000、500,000、750,000未満か、等しいか、またはより大きいか、または約1,000,000cm以上など、電気化学セルあたりの任意の適切な総表面積、またはセルあたりの水に曝露されるアノードの総表面積を有し得る。電気化学セルは、約0.1~約10、0.5~2、または、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.8、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、7、8、9未満か、に等しいか、またはより大きいか、または約10超など、水に曝露されたカソード表面積に対する水に曝露されたアノード表面積の比などカソード表面積に対するアノード表面積の任意の適切な比を有し得る。いくつかの実施形態において、アノード、カソード、またはそれらの組み合わせは、表面積を増やすために粗面またはエッチング面を含む。本明細書に記載される方法のために、1、1~1,000,000、1~1,000、1~20、または、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、225、250、300、400、500、750、1,000、1,250、1,500、1,750、2,000、2,500、3,000、4,000、5,000、10,000、20,000、50,000、100,000、250,000、500,000未満か、等しいか、またはより大きいか、または約1,000,000以上など、任意の適切な数の電気化学セルが使用され得る。セルは、直列または並列の電気的配置で使用できる。
【0060】
電気化学セルは、アノードの表面とカソードの表面との間に(例えば、カソードと、アノードの表面積の少なくとも約50%~100%との間、または約80%~約100%、または、約50%、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98未満か、に等しいか、またはより大きいか、または約99%以上)、約1mm~約110mm、または約2mm~約30mm、または、約1mm、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、32、34、36、38、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105未満か、に等しいか、またはより大きいか、または約110mm以上の間隔を含むことができる。
【0061】
電気化学セルは、平面状にすることができ、高さおよび幅よりも薄い厚さを有する。電気化学セルは、電気化学セルの平面状の枠と、枠の外周の内側に含まれるカソード材料とを含み得、カソード材料は電気的に枠に接続される(例えば、枠への直接接触を介して)。枠は、電気化学セルの構造的構成要素であり得る。枠は、アノードのいずれかまたはすべてがなくても、その形状を維持するのに構造的に十分であり得る。平面状の枠および枠の外周の内側に含まれるカソード材料は、両方カソードであり得る。
【0062】
平面状の枠は、非多孔質固体物質であり得る。平面状の枠は、枠を形成するために組み立てられたカソード材料の1つ以上のストリップにすることができる。平面状の枠は、正方形または長方形など、多角形の外周を有し得る。平面状の枠の外周の内側に含まれるカソード材料は、ワイヤ、メッシュ、スクリーン、1つ以上の貫通孔を含むシート、またはそれらの組み合わせなどの材料を含む多孔質カソード材料を含み得る。多孔質カソード材料は、多孔質カソード材料を含む金網またはワイヤスクリーンを含み得る。平面状の枠の外周の内側に含まれる多孔質カソード材料は、2つの平面状の枠間に挟まれた縁を有し得、その2つの平面状の枠は、一緒に保持されて圧縮を介して、多孔質カソード材料の1つ以上の貫通孔を通過する導電性コネクタを介して、またはそれらの組み合わせなどを介して、1つ以上の導電性コネクタで多孔質カソード材料をそれら平面状の枠間に固定する。
【0063】
電気化学セルは、複数対の平面状の枠(例えば、2対~20対、または2対~10対、または、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19未満か、等しいか、またはより大きいか、または20対以上)を含み得、各対は一緒に保持され、その間に多孔質カソード材料を1つ以上の導電性コネクタで固定し、各対は、平面状の枠の外周の内側に含まれる多孔質カソード材料を横断する1つ以上のアノードによって分離される。平面状の枠の各対を互いに分離する1つ以上のアノードは、それによって分離された平面状の枠の各対の面に直接接触し得る。平面状の枠の各対を互いに分離する1つ以上のアノードは、それによって分離された平面状の枠の各対の一方の面に直接接触することができ、分離された平面状の枠の各対の他方の面と直接接触することを含まない場合がある。
【0064】
アノードは平面状の枠の2つの縁において平面状の枠に固定されたストリップであり得、アノードは、平面状の枠の2つの縁のそれぞれにおいて、少なくとも1つの導電性コネクタで平面状の枠に固定され、その結果、アノードは平面状の枠の外周の内側に含まれるカソード材料を横断し、平面状の枠の外周の内側に含まれるカソード材料とアノードストリップとの間にギャップを形成する。少なくとも1つの導電性コネクタを介して平面状の枠にアノードが固定されている、平面状の枠の各縁において、アノードおよびカソードは、互いに直接接触し得る。
【0065】
電気化学セルは、複数のアノードを含み得、各アノードは枠の一面上の平面状の枠の2つの縁において平面状の枠に固定されたストリップであり、アノードのそれぞれは平面状の枠の2つの縁のそれぞれにおいて、少なくとも1つの導電性コネクタで固定され、その結果アノードのそれぞれは平面状の枠の外周の内側に含まれるカソード材料を横断し、平面状の枠の外周の内側に含まれるカソード材料とアノードストリップとの間にギャップを形成し、複数のアノードは、物理的に互いに接触しないように、面全体に間隔を置いて離れる。アノードのそれぞれは、面上で互いにおおよそ平行な平面状の枠の外周に含まれるカソード材料を横断することができ、平面状の枠の別の面上のアノードは、第1の面上のアノードに平行または垂直であり得る。各アノードが固定される平面状の枠の2つの縁は、平面状の枠の対向する2つの縁であり得る。電気化学セルは、すべてのアノードを平面状の枠の単一の主面に有し得るか、または、アノードのうちのいくつかを平面状の枠の1つの主面上にあるようにし、他のアノードを枠の別の主面上にあるようにできる。
【0066】
図1Aは、様々な実施形態による、主面から見た電気化学セル110を示す。電気化学セル110はカソードを含み、カソードは、多角形の外周を有する電気化学セルの平面状の枠120と、枠と直接接触している金網またはワイヤスクリーンであり枠の外周の内側に含まれる多孔質材料130とを含む。電気化学セル110は、複数のアノード140を含み、各アノードは、平面状の枠の一面上の平面状の枠の2つの対向する縁において平面状の枠に固定されたストリップである。アノードのそれぞれは、平面状の枠の2つの縁のそれぞれにおいて導電性コネクタ150のうちの少なくとも1つで平面状の枠に固定され、その結果、アノードのそれぞれは、互いにおおよそ平行であり、平面状の枠の外周の内側に含まれる多孔質材料を横断し、平面状の枠の外周の内側に含まれる多孔質材料とアノードストリップとの間にギャップ(図示せず)を形成する。アノードが少なくとも1つの導電性コネクタを介して平面状の枠に固定されている、平面状の枠の縁のそれぞれにおいて、各アノードは、カソード枠に直接接触する。多孔質材料130をそれらの間に固定するために平面状の枠120のみを通過する導電性コネクタ(図示せず)を使用することもできる。複数のアノードは、それらが互いに物理的に接触しないように面を横切って間隔を置いて離れ、ギャップ(図示せず)は約1mm~約110mmである。
【0067】
図1Bは、図1Aの右側に示される視点に沿って見た、電気化学セル110の拡大された断面の端面図を示す。電気化学セルは、平面状の枠120の複数の対を含み得、各対は、1つ以上の導電性コネクタ(図示せず)で多孔質カソード材料130を各対の間に固定するために一緒に保持される。アノード140は、平面状の枠120の外周の内側に含まれる多孔質カソード材料130を横断する。平面状の枠120の各対は、アノード140によって分離されている(そのようなアノードの1つだけが図1Bに示されている)。平面状の枠の各対を互いに分離する1つ以上のアノード140は、それによって分離された平面状の枠120の各対の面に直接接触する。
【0068】
ストルバイト生成の方法。
様々な実施形態において、本発明は、本明細書に記載される電気化学セルおよびそれを使用する方法を使用してストルバイト(例えば、NHMgPO・6HO)を生成する方法を提供する。本方法は、約10~約11のpHを有するリン含有水中に電気化学セルを浸漬して、リンを含む塩を含有する処理水を生成することを含み得る。リンを含む塩は、ストルバイトを含み得る。ストルバイトは、水からのリン、および、アノードからのMgを含み得る。電気化学セルは、Mgを含むアノードを含み得、アノードは約90wt%~約100wt%のMgである。電気化学セルは、Cuを含むカソードを含み得、カソードは約90wt%~約100wt%のCuである。本方法は、分離されたストルバイトを得るために、かつ、リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成するために、処理水からリンを含む塩を分離することを含み得る。
【0069】
リンを含む塩は、ストルバイトを形成するための化学量論的要件を満たすのに十分なアンモニアまたはアンモニウムイオンが水中で利用可能である場合、ストルバイトを含み得る。様々な実施形態において、ストルバイトは、リン含有水源にアンモニアまたはアンモニウムイオンが存在しない場合、または、電気化学セルのカソード表面上の窒素含有化合物(例えば、硝酸塩または亜硝酸塩)の還元プロセスによるアンモニアまたはアンモニウムイオンの形成などによって、低濃度でのみ存在する場合に生成され得る。
【0070】
電気化学セルはまた、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタを含み得、導電性コネクタはCu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、アノードおよびカソードは互いに直接接触し、電気化学セルは、導電性コネクタを含まない。
【0071】
本方法は、再結晶(例えば、固体を溶解して母液を生成し、続いて結晶化し、母液中に不純物の少なくとも一部を残す)液体抽出、ろ過、またはそれらの組み合わせなどによって、分離されたストルバイトを精製することを含み得る。
【0072】
リン含有水は、窒素をさらに含み得る。窒素は任意の適切な供給源からのものであり得る。窒素は、リン含有水中に天然に存在し得るか、窒素はその水に添加され得るか、またはそれらの組み合わせであり得る。リン含有水に窒素を添加することは、任意の適切な形態で窒素を添加することを含むことができる。例えば、KNO、HNO、有機窒素化合物、またはそれらの組み合わせを添加することによって、リン含有水に窒素を添加することができる。
【0073】
本方法は、水にリンを添加して、リン含有水を生成することを含み得る。リン酸、有機リン含有物質、またはそれらの組み合わせなど、任意の適切なリン含有物質は、水に添加されて、リン含有水を生成し得る。
【0074】
AlPO、水酸化アルミニウム、またはそれらの組み合わせを生成する方法。
様々な実施形態において、本発明は、本明細書に記載される電気化学セルの実施形態および電気化学セルを使用する方法を使用して、AlPO、水酸化アルミニウム、またはそれらの組み合わせを生成する方法を提供する。本方法は、約5~約7のpHを有するリン含有水の中に電気化学セルを浸漬して、リンを含む塩を含有する処理水を生成することを含み得る。リンを含む塩は、リンおよびアノードからのAlを含むAlPOまたはその水和物を含み得るか、アノードからのAlを含む水酸化アルミニウムまたはその水和を含み得るか、またはそれらの組み合わせを含み得る。電気化学セルはAlを含むアノードを含み得、アノードは約90wt%~約100wt%のAlである。電気化学セルはCuを含むカソードを含み得、カソードは約90wt%~約100wt%のCuである。本方法はまた、処理水からリンを含む塩を分離して、リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成することを含み得る。
【0075】
電気化学セルはまた、アノードおよびカソードを電気的に接続する導電性コネクタを含み得、導電性コネクタはCu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、アノードおよびカソードは、互いに直接接触し、電気化学セルは、導電性コネクタを含まない。
【0076】
本方法は、水にリンを添加して、リン含有水を生成することを含み得る。リン酸、有機リン含有物質、またはそれらの組み合わせなど、任意の適切なリン含有物質は、水に添加されて、リン含有水を生成し得る。
【0077】
本方法は、リンを含む塩を精製して、精製AlPO、精製水酸化アルミニウム、またはAlPOおよび水酸化アルミニウムの精製混合物を提供することを含み得る。精製は、再結晶(例えば、固体を溶解して母液を生成し、続いて結晶化し、母液中に不純物の少なくとも一部を残す)液体抽出、ろ過、またはそれらの組み合わせによってなど、任意の適切な方法で実行され得る。
【0078】
リン酸マグネシウム、Mg(OH)、またはそれらの組み合わせを生成する方法。
様々な実施形態において、本発明は、本明細書に記載される電気化学セルの実施形態および電気化学セルを使用する方法を使用して、リン酸マグネシウム、Mg(OH)、またはそれらの組み合わせを生成する方法を提供する。リン酸マグネシウム、Mg(OH)、またはそれらの組み合わせを生成する方法は、約10~約11のpHを有するリン含有水の中に電気化学セルを浸漬して、リンを含む塩を含有する処理水を生成することを含み得る。リンを含む塩は、リン酸マグネシウム、リン酸マグネシウムカリウム、その水和物、またはそれらの組み合わせを含み得るか、アノードからのMgを含むMg(OH)を含み得るか、またはそれらの組み合わせを含み得る。電気化学セルは、Mgを含むアノードを含み得、アノードは約90wt%~約100wt%のMgである。電気化学セルは、Cuを含むカソードを含み得、カソードは約90wt%~約100wt%のCuである。本方法はまた、処理水からリンを含む塩を分離して、リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成することを含み得る。
【0079】
電気化学セルはまた、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタを含み得、導電性コネクタはCu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、アノードおよびカソードは、互いに直接接触し、電気化学セルは、導電性コネクタを含まない。
【0080】
本方法は、水にリンを添加して、リン含有水を生成することを含み得る。リン酸、有機リン含有物質、またはそれらの組み合わせなど、任意の適切なリン含有物質は、水に添加されて、リン含有水を生成し得る。
【0081】
本方法は、リンを含む塩を精製して、精製リン酸マグネシウム、精製Mg(OH)、またはリン酸マグネシウムおよびMg(OH)の精製混合物を提供することを含み得る。精製は、再結晶(例えば、固体を溶解して母液を生成し、続いて結晶化し、母液中に不純物の少なくとも一部を残す)液体抽出、ろ過、またはそれらの組み合わせによってなど、任意の適切な方法で実行され得る。
【0082】
水から1つ以上の溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、溶存メタロイドを除去する方法。
様々な実施形態において、本発明は、本明細書に記載される電気化学セルの実施形態および電気化学セルを使用する方法を使用して、水から1つ以上の溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、溶存メタロイドを除去する方法を提供する。水は、任意の適切な量のリンを含み得るか、または水は、リンを実質的に含まないことができる。水からリンを除去する内容で、本明細書に記載される電気化学セルまたは電気化学セルを使用する方法の任意の適切な実施形態は、水から1つ以上の溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、または溶存メタロイドを除去する方法に含まれ得る。本方法は、1つ以上の溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、または溶存メタロイドを含む水の中に電気化学セルを浸漬して、1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含む水酸化物塩を含有する処理水を生成することを含み得る。電気化学セルは、Mg、Al、Fe、Zn、またはそれらの組み合わせを含むアノードを含み得る。電気化学セルは、Cu、Ni、Fe、またはそれらの組み合わせを含むカソードを含み得る。本方法は、1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含む水酸化物塩を含む塩を分離して、1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含有する水より、低い濃度の1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを有する分離された水を生成することを含み得る。
【0083】
電気化学セルはまた、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタを含み得、導電性コネクタはCu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、アノードおよびカソードは、互いに直接接触し、電気化学セルは、導電性コネクタを含まない。
【0084】
1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドは、電気化学セルを使用して除去され得る任意の適切な遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドであり得る。1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドは、Sc、Y、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Al、Zn、Ga、Cd、In、Sn、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Cn、B、Si、Ge、As、Sb、Te、At、またはそれらの組み合わせを含み得る。1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドは、Hg、Fe、Cr、Ni、Zn、Cd、As、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0085】
本方法は、任意の適切な量の遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせを水から除去することができる。分離された水は、1つ以上の溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、または溶存メタロイドを含む水中の遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度の約0%~約70%であるか、または、1つ以上の溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、または溶存メタロイドを含む水中の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度の約0%~約20%、または約0%、または約1%以下、または約2%、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、24、26、28、30、35、40、45、50、55、60、65未満か、等しいか、またはより大きいか、または、約70%以上である、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度を有し得る。
【0086】
実施例
本発明の様々な実施形態は、例示として提供される以下の実施例を参照することにより、よりよく理解することができる。本発明は、本明細書に記載の実施例に限定されない。
【0087】
実施例で概説されているように、プロセスの複数の態様を評価するためにいくつかのサイズのガルバニ電池を利用した。以下に定義されるように、ガルバニ電池は「小」、「中」、および「大」と言及する。マグネシウムアノードは、90wt%のMg、9wt%のAl、および1wt%のZnを有するAZ91であり、純度99.9wt%であった。アルミニウムアノードは、純度99.9wt%のアルミニウムであった。銅枠および銅網に使用された銅は純度99.9wt%の銅であった。
【0088】
銅カソードと、アルミニウムまたはマグネシウムアノードのいずれかとを有する小型セルの場合、完成サイズは5cm×20cmであり、厚さは約4mmであり、銅網およびそれぞれ厚さ約1mmのアノードを利用した。小型セルは、アノードが挟まれた一対の銅網を含み、銅網およびアノードは、電気絶縁プラスチックネジを使用して銅網から0.5cm分離された。銅網は、銅線を介して互いに電気的に接続された。アノードおよびカソードは互いに電気的に接続されなかった(マルチメータおよび周囲の水を介することを除く)。水に曝露された犠牲アノードの結果として得られた表面積は、セルあたり約400mmであった。図2Aは、Al-Cu電気化学セルの縁に沿った写真を示す。
【0089】
銅カソードと、アルミニウムまたはマグネシウムアノードのいずれかとを有する中型セルの場合、完成サイズは約300mm×45mmであり、厚さは約10mmであり、アノードを間に有する、一対の銅網を利用した。銅網は、アノードに直接接触し、真鍮ボルト(一般的な真鍮、67wt%の銅および33wt%のZn)を介してアノードに接続された。水に曝露された犠牲アノードの結果として得られた表面積は、セルあたり約31,400mmであった。図2Bは、複数の中型Al-Cu電気化学セルの縁に沿った写真の図を示す。
【0090】
実施例において使用された大型電気化学セルは、銅網を挟む一対の平面中実銅枠であるカソードを含み、真鍮コネクタは、枠間に銅網を固定するために、それら銅枠を一緒に固定した。中実銅枠は、セルの堅固な構造的外周を形成し、銅網は、銅枠の各対の外周内の領域全体を満たした。マグネシウム合金またはアルミニウムである複数のアノードストリップを真鍮製の保持部で枠の外周に固定し、枠の一方の縁から他方の枠を横断し、枠に直接接触してアノードと銅網との間にギャップを形成した。各電気化学セルは、間に銅網を有する2対の銅枠を含んでいた(すなわち、合計4つの銅枠と、2つの銅網)。銅枠の第1対は、その単一の主面に取り付けられた複数のアノードを有し、銅枠の第2対は、その両方の主面に取り付けられた複数のアノードを有し、その銅枠の第2対は、真鍮製保持部で互いに取り付けられ、その結果、互いに直接接触せず、かつ、銅枠の第2対の1つの主面に取り付けられた複数のアノードを挟む。真鍮製の保持部は一般的な真鍮で、67wt%の銅と33wt%のZnであった。アノードは、銅枠の各主要面を横切って水平に走り、かつ、互いに平行に走り、6つのアノードが各面に取り付けられていた。電気化学セルの一方の主面から他方の主面まで、構成要素の順序は、1)銅枠の第1の対の主面に取り付けられたアノード、2)間に銅網を有する第1の対の銅枠、3)銅枠の第2の対の主面に取り付けられたアノード、4)間に銅網を有する銅枠の第2の対、および5)銅枠の第2の対の他方の主面に取り付けられたアノード、である。電気化学セルのカソード表面積に対するアノード表面積の比は、約1:1であった。
【0091】
大型セルの場合、各銅枠は、3.175mm(1/8インチ)の厚さを有する。銅枠の高さは400mmであり、銅枠の長さは400mmであった。銅網を挟む各対の銅枠が約8mmの厚さを有するように、銅網は1.5875mmの厚さを有した。アノードストリップは、400mmの長さ、45mmの幅、および6mmの厚さを有した。電気化学セル全体の厚さは約30mmであった。銅枠の各面のアノード間のギャップは、12~18mmであった。各対の銅枠に取り付けられたアノードと各対の銅枠に挟まれた銅網との間のギャップは、12~18mmであった。アルミニウムアノードを使用した大型セルは、水に曝露されたアノード表面積を約290,000mm含み、マグネシウムアノードを使用した大型セルは、水に曝露されたアノード表面積を約868,000mm含んでいた。
【0092】
図2Cは、実施例において使用された大型Mg-Cu電気化学セルの主要な面の写真を示す。図2Dおよび2Eは、実施例において使用された大型Mg-Cu電気化学セルの縁のクローズアップ写真を示す。
【0093】
本明細書の実施例において、電気化学セルは、アノードが垂直に走る状態で垂直に配向されるようにAl-CuまたはMg-Cu電気化学セルはコンテナ内の水に完全に浸漬された。複数の電気化学セルが使用された場合、木製枠を使用して、それらを約25mm分離した。コンテナの真ん中で、機械式スターラを使用してその中の水を攪拌した。水をろ過し、ポンプを使用してコンテナに供給した。別のポンプを使用して、コンテナ内の水を循環させ、水をろ過し(例えば、そこから沈殿物を除去するために)、水をコンテナの一方の側からポンプで注入し、他方の側に再循環させた。10%HClのリザーバに接続されたポンプを使用して、コンテナにHClを追加し、コンテナ内の水のpHを調節した。コンテナ内の水を測定してそのpHを決定し、これを使用して、特定のpHを維持するためにリザーバから追加する必要がある酸の量を決定した。コンテナに供給された水を分析して、初期pH、初期導電率、および初期反応性リン含有量を決定した。Mg-Cuセルの場合、コンテナに供給された水も分析し、初期の溶存マグネシウム含有量を決定した。コンテナ内の水のpHおよび導電率を測定した。コンテナには、水がシステムから出ることができるように、コンテナの水位に排水管が含まれた。システムを出た水を分析して、最終pH、最終導電率、および最終反応性リン含有量を決定した。Al-Cuセルの場合、その包含物を出る水を分析して、総Alおよび溶存Alを決定した。Mg-Cuセルの場合、コンテナを出る水を分析して、溶存マグネシウム含有量を決定した。図2Fは、実施例において使用されたシステムの上面図を示す写真を示し、写真に示される特定の実施形態は、12個の電気化学セル(前部に6個、後部に6個、前部の6個と縁と縁とを突き合わせて配置される)を有する。図2Gは、その中に12個の電気化学セルを有する特定の実施形態である実施例において使用されたシステムの側面図を示す写真を示す。
【0094】
「反応性リン濃度」は、溶液中の可溶性反応性リン(例えば、オルトリン酸塩)を指し、US-EPA 365.1:半自動測色法によるリンの測定によって測定された。Oakton(登録商標)pH700メータによってpHを測定した。Oakton(登録商標)CON150メータによって導電率を測定した。Thermo Scientific(商標)Dionex(商標)Aquion(商標)イオンクロマトグラフィーシステムを使用して溶存マグネシウム含有量を測定した。HachアルミニウムTNTプラス(商標)バイアル試験を使用して、総アルミニウム含有量および溶存アルミニウム含有量を測定した。コンテナを出る水のpHにおいて溶存Alを決定した。pHを2に調節することによって総Alを決定した。
【0095】
実施例1 Al-Cuセルを用いたリンの除去、初期P濃度0.033ppm。
地元の湖の水路の1つから水を採取し、システムの他の変数(pH、導電率、リンの濃度)を一定に保ちながら、特定の滞留時間を提供するように水流を調節することにより、ガルバニックプロセスの滞留時間を変更した。滞留時間(すなわち、コンテナの体積を流量で割ったもの)は、本実施例では除去性能が低下するまで徐々に減少し、その後、一定に保たれた。リンの初期濃度が低い場合(0.033ppm)、平均で約90%のリンの除去を維持しながら、滞留時間をおおよそ15分に短縮した。Al-Cuセルは中型であった。結果を表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】
実施例2 Al-Cuセルを用いたリンの除去、初期P濃度0.451ppm。
地元の内陸廃水処理施設からの水を処理して、溶液導電率の増加の効果を評価した。本実施例では、滞留時間は21分で一定に保たれた。NaClを添加することによって導電率を変更した。本実施例は、リン除去の効果に対する導電率の増加の有益な効果を示す。Al-Cuセルは中型であった。結果を表2に示す。
【0098】
【表2】
【0099】
実施例3 Al-Cuセルを用いたリンの除去、初期P濃度0.392ppm。
高い電気導電率である沿岸廃水処理場の排水は、中型のAl-Cuセルを使用して処理された。上記の実施例2で述べたように、増加した導電率は有益である。本実施例で処理水は、塩(NaCl)濃度が導電率の上昇をもたらす沿岸の場所からの水であった。本実施例の目的は、処理水溶液への犠牲電極物質の損失を評価し、この関係をpHの関数として評価することである。最終的なリン除去効率は一定のままであったが、pHをpH7からpH6.5に変更したとき、総アルミニウム(溶存および固体)の濃度が低下した。本実施例は、pHを調節することにより、犠牲電極からの物質の損失を制御する能力を示す。結果を表3に示す。
【0100】
【表3】
【0101】
実施例4 Al-Cuセルを用いたリンの除去、初期P濃度0.648~0.762ppm。
地元の淡水貯留池からの水にリンの濃度が0.75ppmになるようにリン酸をスパイクして、約2ガロン/分(GPM)の流量の連続フロー装置で複数のガルバニ電池を使用して処理した(大型セル)。水のpHは、7~6の値まで段階的に下方に調節された。除去率の増加は、pH=7の82%からpH=6の97%に増加したが、処理水に残っている可溶性アルミニウムを減らした。結果を表4に示す。
【0102】
【表4】
【0103】
実施例5 時間に対するAl-Cuセルによって生成された電流への導電率の影響。
小型セルを使用し、プラスチックネジを使用して5cm×2cmのサイズのAl-ホイルおよびCuスクリーンを0.5cm分離した。地元の淡水貯留池からの30mLの水で満たされた磁気攪拌を備えた単純なコンパートメントにAl-ホイル/Cuを配置した。直列に接続されたKeithley175マルチメータで電流を測定した。初期導電率をNaClで調節した。Al-Cuセル内のAl-Cuガルバニック対によって生成された電流を測定した。この電流は、例えば、アルミニウムイオンを生成するためのアルミニウムの酸化反応と、水素イオンおよびヒドロキシルイオンを生成するための銅電極上の水の分解など、時間の関数として電極内で変換されたアノード材料の量の測定値である。
【0104】
図3は、溶液の導電率に応じた、Al-Cuガルバニック対によって生成された電流の変化を示す。水の初期pHは変更されず、約7であった。1000μSの値までの溶液の初期導電率の増加は、電極間の抵抗が減少し、それによって電極表面での化学反応の速度が増加するため、電流を増加させる。同様の結果が実施例2において得られた。高い値の導電率においては、反応の律速段階が電極の表面での化学プロセスの反応速度になるので、導電率を1000μSより高い値に増加させることは、電流をほとんど変化させなかった。
【0105】
実施例6 時間に対するAl-Cuセルによって生成された電流へのpHの影響。
実施例5と同じ実験条件を使用したが、NaOHで初期pHを調節し、水の初期導電率をNaClで約1000μSに調節した。図4は、Al-Cuガルバニック対によって生成される電流の変化を、溶液のpHの関数として示す。溶液のpHを下げることは、銅電極上での水の分解速度に有利に働き、これは、Al-Cuガルバニック対による電流の増加に変換される。
【0106】
実施例7 時間に対するMg-Cuセルによって生成された電流への導電率の影響。
pHを変更せず、かつ、NaClを使用して導電率を変更して、実施例5と同じ実験条件を使用した。図5Aは、地元の淡水滞水池の水の導電率に応じた、Mg-Cuのガルバニック対を循環する電流の変化を示す。水の導電率の増加は、電気化学セルの電流を著しく増加させる。化学反応の動力学における導電率のこの増加の効果が図5Bに示され、図5Bでは、それは、pH上昇の動力学を改善する。
【0107】
実施例8 Mg-Cuセル、初期P濃度0.392~0.451。
処理場からの2つの水域を比較した。沿岸廃水処理施設(coastal waste-water treatment plant、WWTP)から収集された水は、処理システムに塩水が含まれているため、内陸のWWTPからの水よりも3倍高い導電率を有する。より高い導電率は反応速度論において有利であり、したがって同じ滞留時間で、より高い導電率の水中でより多くのリン除去が起こるが、より低い導電率のときと同じ量の犠牲アノードを消費する(溶液中に同じ量のマグネシウムイオンをもたらす)。Mg-Cuセルは中型であった。結果を表5に示す。
【0108】
【表5】
【0109】
用いられる用語および表現は、説明の用語として使用され、限定ではなく、示されて説明される特徴またはその一部の均等物を除外する意図はないが、本発明の実施形態の範囲内で様々な修正が可能であることが認識される。したがって、本発明は特定の実施形態および任意選択の特徴によって具体的に開示されるが、本明細書に開示される概念の修正および変形は、当業者によって順序変更してよく、そのような修正および変形は、本発明の実施形態の範囲内であるとみなされる。
【0110】
例示的な実施形態。
以下の例示的な実施形態が提供され、その番号付けは、重要性のレベルを指定するものとして解釈されるべきではない。
【0111】
実施形態1は、水からリンおよび窒素を除去する方法を提供し、本方法は、
リン含有水の中に電気化学セルを浸漬することでそのリンを含む塩を含有する処理水を生成することであって、電気化学セルは
Mg、Al、Fe、Zn、またはそれらの組み合わせを含むアノード
アノードとは異なる組成を有するカソードであって、Cu、Ni、Fe、またはそれらの組み合わせを含む前記カソード
を含む、前記浸漬すること、および
処理水からリンを含む塩を分離して、リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を形成すること、
を含む。
【0112】
実施形態2は実施形態1の方法を提供し、アノードおよびカソードは互いに直接接触する。
実施形態3は、実施形態1~2のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルは、アノードおよびカソードを電気的に接続する導電性コネクタをさらに含み、導電性コネクタは、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pbまたはそれらの組み合わせを含む。
【0113】
実施形態4は、実施形態1~3のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルは、ガルバニ電池である。
実施形態5は、実施形態1~4のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルのアノードとカソードとにわたって電位は印加されない。
【0114】
実施形態6は、実施形態1~5のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルは、電解セルである。
実施形態7は、実施形態1~6のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルのアノードとカソードとにわたって電位を印加することを含む。
【0115】
実施形態8は実施形態1~7のいずれか1つの方法を提供し、アノードとカソードとにわたって、電気化学セルのガルバニック腐食電位よりも大きい電位を印加することを含む。
【0116】
実施形態9は実施形態1~8のいずれか1つの方法を提供し、アノードとカソードとにわたって、電気化学セルのガルバニック腐食電位未満の電位を印加することを含む。
実施形態10は実施形態1~9のいずれか1つの方法を提供し、アノードとカソードとにわたる電位は、電気化学セルのガルバニック腐食電位に等しい。
【0117】
実施形態11は実施形態1~10のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬することは、部分的な浸漬を含む。
実施形態12は実施形態1~11のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬することは、完全な浸漬を含む。
【0118】
実施形態13は実施形態1~12のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水中のリンは、元素のリン、無機リン、有機リン、溶解形態のリン、固体形態のリン、酸化リン、またはそれらの組み合わせの形態である。
【0119】
実施形態14は実施形態1~13のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水は、約0.001ppm~約10,000ppmの総リン濃度を有する。
実施形態15は実施形態1~14のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水は、約0.01ppm~約20ppmの総リン濃度を有する。
【0120】
実施形態16は実施形態1~15のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、約0ppm~約1ppmの総リン濃度を有する。
実施形態17は実施形態1~16のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、約0.0001ppm~0.1ppmの総リン濃度を有する。
【0121】
実施形態18は実施形態1~17のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、約0.0001ppm~0.05ppmの総リン濃度を有する。
実施形態19は実施形態1~18のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、約0ppm~約1ppmの溶存リン濃度を有する。
【0122】
実施形態20は実施形態1~19のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、約0.0001ppm~0.1ppmの溶存リン濃度を有する。
実施形態21は実施形態1~20のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、約0.0001ppm~0.05ppmの溶存リン濃度を有する。
【0123】
実施形態22は実施形態1~21のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、リン含有水の総リン濃度の約0%~約70%の総リン濃度を有する。
実施形態23は実施形態1~22のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、リン含有水の総リン濃度の約0%~約20%の総リン濃度を有する。
【0124】
実施形態24は実施形態1~23のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、リン含有水の溶存リン濃度の約0%~約70%である溶存リン濃度を有する。
実施形態25は実施形態1~24のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、リン含有水の溶存リン濃度の約0%~約20%である溶存リン濃度を有する。
【0125】
実施形態26は実施形態1~25のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水は、約0.001ppm~約10,000ppmの反応性リン濃度を有する。
実施形態27は実施形態1~26のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水は、約0.01ppm~約20ppmの反応性リン濃度を有する。
【0126】
実施形態28は実施形態1~27のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、約0ppm~約1ppmの反応性リン濃度を有する。
実施形態29は実施形態1~28のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、約0.0001ppm~0.1ppmの反応性リン濃度を有する。
【0127】
実施形態30は実施形態1~29のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、約0.0001ppm~0.05ppmの反応性リン濃度を有する。
実施形態31は実施形態1~30のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、リン含有水の総リン濃度の約0%~約20%である反応性リン濃度を有する。
【0128】
実施形態32は実施形態1~31のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、リン含有水の溶存リン濃度の約0%~約70%である反応性リン濃度を有する。
実施形態33は実施形態1~32のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水は、約2~約14のpHを有する。
【0129】
実施形態34は実施形態1~33のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水は、約5~約11のpHを有する。
実施形態35は実施形態1~34のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水は、約5~約7のpHを有する。
【0130】
実施形態36は実施形態1~35のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水は、約10~約11のpHを有する。
実施形態37は実施形態1~36のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水のpHを調節するために、酸、塩基、またはそれらの組み合わせをその水に添加することをさらに含む。
【0131】
実施形態38は実施形態37の方法を提供し、酸、塩基、またはそれらの組み合わせは、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する前、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬した後、またはそれらの組み合わせでリン含有水に添加される。
【0132】
実施形態39は実施形態1~38のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルを浸漬するリン含有水を再循環させて、リン含有水を電気化学セルと複数回接触させることをさらに含む。
【0133】
実施形態40は実施形態1~39のいずれか1つの方法を提供し、処理水中のリンを含む塩の少なくともいくらかは、固形物を含む。
実施形態41は実施形態1~40のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、リンを含む固形物が形成される。
【0134】
実施形態42は実施形態41の方法を提供し、リンを含む固形物の形成は、沈殿、凝集、またはそれらの組み合わせを含む。
実施形態43は実施形態1~42のいずれか1つの方法を提供し、処理水からリンを含む塩を分離することは、傾瀉、沈降、ろ過、またはそれらの組み合わせを含む。
【0135】
実施形態44は、実施形態1~43のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルから処理水を分離することをさらに含む。
実施形態45は実施形態1~44のいずれか1つの方法を提供し、アノードは、犠牲アノードである。
【0136】
実施形態46は実施形態1~45のいずれか1つの方法を提供し、リンを含む塩は、アノードからの物質を含む。
実施形態47は実施形態1~46のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間にアノードからの物質を含む水酸化物塩を形成することをさらに含む。
【0137】
実施形態48は実施形態47の方法を提供し、処理水からリンを含む塩を分離することは、処理水からアノードからの物質を含む水酸化物塩を分離することをさらに含む。
実施形態49は実施形態1~48のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水は、溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、溶存メタロイド、またはそれらの組み合わせをさらに含み、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含む水酸化物塩を形成することをさらに含む。
【0138】
実施形態50は実施形態49の方法を提供し、処理水からリンを含む塩を分離することは、処理水から遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含む水酸化物塩を分離することをさらに含む。
【0139】
実施形態51は実施形態49~50のいずれか1つの方法を提供し、遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドは、Sc、Y、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Al、Zn、Ga、Cd、In、Sn、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Cn、B、Si、Ge、As、Sb、Te、At、またはそれらの組み合わせである。
【0140】
実施形態52は実施形態49~51のいずれか1つの方法を提供し、遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドは、Hg、Fe、Cr、Ni、Zn、Cd、As、またはそれらの組み合わせである。
【0141】
実施形態53は実施形態49~52のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、リン含有水中の遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度の約0%~約70%である、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度を有する。
【0142】
実施形態54は実施形態49~53のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、リン含有水中の遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度の約0%~約20%である、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度を有する。
【0143】
実施形態55は実施形態1~54のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、アノードにおいてHおよびHOを生成することを含む。
実施形態56は実施形態1~55のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、カソードにおいてHおよびHOを生成することを含む。
【0144】
実施形態57は実施形態1~56のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、カソードにおいてH、HO 、またはそれらの組み合わせを生成することを含む。
【0145】
実施形態58は実施形態1~57のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水にせん断を付与することをさらに含む。
実施形態59は実施形態58の方法を提供し、せん断は、アノード、カソード、またはそれらの組み合わせの表面から、Hを含む少なくともいくらかの泡を取り除くのに十分である。
【0146】
実施形態60は実施形態58~59のいずれか1つの方法を提供し、せん断は、アノードの表面での酸化物の形成を少なくとも部分的に防止するのに十分である。
実施形態61は実施形態58~60のいずれか1つの方法を提供し、せん断は、アノードの表面でのリンを含む塩の凝集を少なくとも部分的に防止するのに十分である。
【0147】
実施形態62は実施形態1~61のいずれか1つの方法を提供し、
アノード、カソード、またはそれらの組み合わせの表面から、Hを含む少なくともいくらかの泡を取り除くのに十分であるか、
アノードの表面での酸化物の形成を少なくとも部分的に防止するのに十分であるか、
アノードの表面上のリンを含む塩の凝集を少なくとも部分的に防止するのに十分であるか、または
それらの組み合わせに十分である、
機械的な力を電気化学セルに付与することをさらに含む。
【0148】
実施形態63は実施形態1~62のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水は、窒素をさらに含む。
実施形態64は実施形態63の方法を提供し、リン含有水中の窒素は、元素の窒素、無機窒素、有機窒素、溶解形態の窒素、固体形態の窒素、酸化窒素、またはそれらの組み合わせの形態である。
【0149】
実施形態65は実施形態63~64のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水は、約0.001ppm~約20ppmの総窒素濃度を有する。
実施形態66は実施形態63~65のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水は、約1ppm~約5ppmの総窒素濃度を有する。
【0150】
実施形態67は実施形態63~66のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、約0ppm~約2ppmの総窒素濃度を有する。
実施形態68は実施形態63~67のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、約0ppm~約1ppmの総窒素濃度を有する。
【0151】
実施形態69は実施形態63~68のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、約0ppm~約2ppmの溶存窒素濃度を有する。
実施形態70は、実施形態63~69のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、約0ppm~約1ppmの溶存窒素濃度を有する。
【0152】
実施形態71は実施形態63~70のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、リン含有水の総窒素濃度の約0%~約70%である総窒素濃度を有する。
実施形態72は実施形態63~71のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、リン含有水の総窒素濃度の約0%~約30%である総窒素濃度を有する。
【0153】
実施形態73は実施形態63~72のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、リン含有水の溶存窒素濃度の約0%~約70%である溶存窒素濃度を有する。
実施形態74は実施形態63~73のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、リン含有水の溶存窒素濃度の約0%~約30%である総窒素濃度を有する。
【0154】
実施形態75は実施形態63~74のいずれか1つの方法を提供し、カソードにおいて、NH、NH 、またはそれらの組み合わせを生成することをさらに含み、NHおよびNH は、リン含有水からの窒素を含む。
【0155】
実施形態76は実施形態63~75のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、窒素を含む塩を形成することをさらに含む。
実施形態77は実施形態76の方法を提供し、処理水からリンを含む塩を分離することは、処理水から窒素を含む塩を分離することをさらに含む。
【0156】
実施形態78は実施形態76~77のいずれか1つの方法を提供し、窒素を含む塩は、NHMgPOまたはその水和物を含む。
実施形態79は実施形態1~78のいずれか1つの方法を提供し、カソードはCuを含む。
【0157】
実施形態80は実施形態1~79のいずれか1つの方法を提供し、カソードは、Cu以外の物質を実質的に含まない。
実施形態81は実施形態1~80のいずれか1つの方法を提供し、カソードは、約50wt%~約100wt%のCuである。
【0158】
実施形態82は実施形態1~81のいずれか1つの方法を提供し、カソードは、約90wt%~約100wt%のCuである。
実施形態83は、実施形態1~82のいずれか1つの方法を提供し、アノードは、MgおよびAlを含む合金を含む。
【0159】
実施形態84は、実施形態1~83のいずれか1つの方法を提供し、MgおよびAlは、アノードの約50wt%~約100wt%である。
実施形態85は、実施形態1~84のいずれか1つの方法を提供し、アノードは、Mg、Mg合金、およびAl以外の物質を実質的に含まない。
【0160】
実施形態86は、実施形態1~85のいずれか1つの方法を提供し、アノードは、Ag、Pt、Au、またはそれらの組み合わせをさらに含む。
実施形態87は、実施形態86の方法を提供し、Ag、Pt、Au、またはそれらの組み合わせは、アノードの約0.0001wt%~約20wt%である。
【0161】
実施形態88は、実施形態86~87のいずれか1つの方法を提供し、Ag、Pt、Au、またはそれらの組み合わせは、アノードの約0.0001wt%~約5wt%である。
【0162】
実施形態89は、実施形態1~88のいずれか1つの方法を提供し、アノードは、Mgを含む。
実施形態90は実施形態89の方法を提供し、アノードは、Mgまたはその合金以外の物質を実質的に含まない。
【0163】
実施形態91は実施形態89~90のいずれか1つの方法を提供し、アノードは、約50wt%~約100wt%のMgまたはその合金である。
実施形態92は実施形態89~91のいずれか1つの方法を提供し、アノードは、約90wt%~約100wt%のMgまたはその合金である。
【0164】
実施形態93は実施形態89~92のいずれか1つの方法を提供し、カソードは、Cuを含む。
実施形態94は実施形態89~93のいずれか1つの方法を提供し、リンを含む塩は、リン酸マグネシウム、リン酸マグネシウムカリウム、それらの水和物、またはそれらの組み合わせを含み、リン酸マグネシウムまたはリン酸マグネシウムカリウムは、アノードからのMgを含む。
【0165】
実施形態95は実施形態94のいずれか1つの方法を提供し、処理水からリンを含む塩を分離することは、処理水からリン酸マグネシウムを分離することをさらに含む。
実施形態96は実施形態89~95のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水は、窒素をさらに含み、リンを含む塩は、NHMgPOまたはその水和物を含み、NHMgPOは、リンおよびアノードからのMgを含む。
【0166】
実施形態97は実施形態89~96のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、アノードからのMgを含むMg(OH)を形成することをさらに含む。
【0167】
実施形態98は実施形態97の方法を提供し、処理水からリンを含む塩を分離することは、処理水からMg(OH)を分離することをさらに含む。
実施形態99は実施形態89~98のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水は、約9.5~約11.5のpHを有する。
【0168】
実施形態100は実施形態89~99のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水は、約10~約11のpHを有する。
実施形態101は実施形態89~100のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルを浸漬するリン含有水が約10~約11のpHに維持されるように、電気化学セルへのリンを含む真水の導入速度を調節することをさらに含む。
【0169】
実施形態102は実施形態89~101のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水が約10~約11のpHに達するまでリン含有水中に、電気化学セルを浸漬すること、およびその後、電気化学セルを浸漬するリン含有水が約10~約11のpHに維持されるように、電気化学セルへのリンを含む真水の導入速度を調整することをさらに含む。
【0170】
実施形態103は実施形態1~102のいずれか1つの方法を提供し、アノードは、Alを含む。
実施形態104は実施形態103の方法を提供し、電解セルは、アノードは、Al以外の物質を実質的に含まない。
【0171】
実施形態105は実施形態103~104のいずれか1つの方法を提供し、アノードは約50wt%~約100wt%のAlである。
実施形態106は実施形態103~105のいずれか1つの方法を提供し、アノードは約90wt%~約100wt%のAlである。
【0172】
実施形態107は実施形態103~106のいずれか1つの方法を提供し、カソードはCuを含む。
実施形態108は実施形態103~107のいずれか1つの方法を提供し、リンを含む塩は、AlPOまたはその水和物を含む。
【0173】
実施形態109は実施形態108の方法を提供し、処理水からのリンを含む塩の分離は、処理水からAlPOを分離することをさらに含む。
実施形態110は実施形態103~109のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、水酸化アルミニウムまたはその水和物を形成することをさらに含み、水酸化アルミニウムは、アノードからのAlを含む。
【0174】
実施形態111は実施形態110の方法を提供し、処理水からリンを含む塩を分離することは、処理水から水酸化アルミニウムを分離することをさらに含む。
実施形態112は実施形態103~111のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水は、約4~約8のpHを有する。
【0175】
実施形態113は実施形態103~112のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水は、約5~約7のpHを有する。
実施形態114は実施形態103~113のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルを浸漬するリン含有水が約5~約7のpHに維持されるように、リン含有水への酸の導入速度を調整することをさらに含む。
【0176】
実施形態115は実施形態114の方法を提供し、リン含有水中に電気化学セルを浸漬する前、リン含有水中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水中に電気化学セルを浸漬した後、またはそれらの組み合わせで、酸はリン含有水に添加される。
【0177】
実施形態116は実施形態103~115のいずれか1つの方法を提供し、酸は、硫酸、酢酸、塩酸、またはそれらの組み合わせを含む。
実施形態117は実施形態103~116のいずれか1つの方法を提供し、処理水からのAlを含む塩を凝集させることを含む。
【0178】
実施形態118は実施形態1~117のいずれか1つの方法を提供し、カソードは、アノードの仕事関数より大きい仕事関数を有する。
実施形態119は実施形態3~118のいずれか1つの方法を提供し、導電性コネクタは、アノードの仕事関数とカソードの仕事関数との間の仕事関数を有する。
【0179】
実施形態120は実施形態3~119のいずれか1つの方法を提供し、導電性コネクタは、Cuを含む。
実施形態121は実施形態3~120のいずれか1つの方法を提供し、導電性コネクタは、Znを含む。
【0180】
実施形態122は実施形態3~121のいずれか1つの方法を提供し、導電性コネクタは、CuおよびZnを含む合金を含む。
実施形態123は実施形態3~122のいずれか1つの方法を提供し、導電性コネクタは、真鍮を含む。
【0181】
実施形態124は実施形態3~123のいずれか1つの方法を提供し、導電性コネクタは真鍮を含み、導電性コネクタは実質的に他の物質を含まない。
実施形態125は実施形態3~124のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルは、複数の導電性コネクタを含み、各導電性コネクタは独立してアノードおよびカソードを電気的に接続する。
【0182】
実施形態126は、実施形態125の方法を提供し、複数の導電性コネクタは、電気化学セルの周面の周りにおおよそ均等に分散される。
実施形態127は実施形態3~126のいずれか1つの方法を提供し、導電性コネクタは、ネジ、ボルト、ナット、ワッシャ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0183】
実施形態128は実施形態3~127のいずれか1つの方法を提供し、導電性コネクタは、ネジまたはボルトを含む。
実施形態129は実施形態1~128のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルは、複数のカソードを含む。
【0184】
実施形態130は実施形態1~129のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルは、複数のアノードを含む。
実施形態131は実施形態1~130のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルのカソード表面積に対するアノード表面積の比は、約0.1~約10である。
【0185】
実施形態132は実施形態1~131のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルのカソード表面積に対するアノード表面積の比は、約0.5~約2である。
実施形態133は実施形態1~132のいずれか1つの方法を提供し、カソードは粗面またはエッチング面を含む。
【0186】
実施形態134は実施形態1~133のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水の導電率は、約100μS~約1,000,000μSである。
【0187】
実施形態135は実施形態1~134のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水の導電率は、約300μS~約100,000μSである。
【0188】
実施形態136は実施形態1~135のいずれか1つの方法を提供し、導電率が約100μS~約1,200μSであるように、リン含有水の導電率を調整することをさらに含む。
【0189】
実施形態137は実施形態136の方法を提供し、リン含有水の導電率を調整することは、電気化学セルにリンを含む真水の導入速度を調整することを含む。
実施形態138は実施形態136~137のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の導電率を調整することは、リン含有水に1つ以上の塩を添加することを含む。
【0190】
実施形態139は実施形態136~138のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水中に電気化学セルを浸漬する前、リン含有水中に電気化学セルを浸漬する間、リン含有水中に電気化学セルを浸漬した後、またはそれらの組み合わせで、塩はリン含有水に添加される。
【0191】
実施形態140は実施形態136~139のいずれか1つの方法を提供し、その導電率を調整するために、リン含有水に添加された1つ以上の塩は、ハロゲン塩、ナトリウム塩、カリウム塩、またはそれらの組み合わせを含む。
【0192】
実施形態141は実施形態136~140のいずれか1つの方法を提供し、その導電率を調整するために、リン含有水に添加された1つ以上の塩は、塩化ナトリウムを含む。
実施形態142は実施形態1~141のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルは、アノードの表面とカソードの表面との間に約1mm~約110mmの間隔を含む。
【0193】
実施形態143は実施形態142の方法を提供し、電気化学セルは、カソードと、アノードの総表面積の少なくとも約80%との間、約1mm~約110mmの間隔を含む。
実施形態144は実施形態142~143のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルは、アノードの表面とカソードの表面との間に約2mm~約30mmの間隔を含む。
【0194】
実施形態145は実施形態1~144のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水は、環境中の天然水源を含む水源から取水された水、飲料水、工業廃水、工業用冷却水、またはそれらの組み合わせである。
【0195】
実施形態146は実施形態1~145のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水は、環境中の天然水源を含む水源から取水された水である。
実施形態147は実施形態1~146のいずれか1つの方法を提供し、本方法は、電気化学セルをリン含有水の中に浸漬することによって発生する酸化以外に酸化剤または酸化処理でリン含有水を処理することを含まない。
【0196】
実施形態148は実施形態1~147のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルをリン含有水中に浸漬する前、電気化学セルをリン含有水中に浸漬する間、またはそれらの組み合わせでリン含有水中のリンを酸化することをさらに含む。
【0197】
実施形態149は実施形態148の方法を提供し、リン含有水中に電気化学セルを浸漬することは、リン含有水中のリンを酸化するために十分である。
実施形態150は実施形態148~149のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬する前に、リン含有水中のリンを酸化することを含む。
【0198】
実施形態151は実施形態150の方法を提供し、リン含有水中のリンを酸化することは、酸化剤とリン含有水とを接触させて、リンを酸化することを含む。
実施形態152は実施形態150~151のいずれか1つの方法を提供し、酸化剤の水溶液をリン含有水に加える。
【0199】
実施形態153は実施形態150~152のいずれか1つの方法を提供し、酸化剤の水溶液は、約0.001ppm~約999,999ppmの酸化剤の濃度を有する。
実施形態154は実施形態150~153のいずれか1つの方法を提供し、酸化剤の水溶液は、約50,000ppm~約140,000ppmの酸化剤の濃度を有する。
【0200】
実施形態155は実施形態150~154のいずれか1つの方法を提供し、酸化剤は、鉄酸塩、オゾン、塩化第二鉄(FeCl)、過マンガン酸カリウム、二クロム酸カリウム、塩素酸カリウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過塩素酸、過酢酸、一過硫酸カリウム、過酸化水素、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、水酸化物、亜硫酸塩、それらの分解を介したフリーラジカル、またはそれらの組み合わせを含む。
【0201】
実施形態156は実施形態150~155のいずれか1つの方法を提供し、酸化剤は、リン含有水中に溶存する、実質的にすべてのリンを酸化された形態のリンに変換する。
実施形態157は実施形態1~156のいずれか1つの方法を提供し、分離された水のpHが約6~約8になるように調節することをさらに含む。
【0202】
実施形態158は実施形態1~157のいずれか1つの方法を提供し、分離された水のpHが約7になるように調節することをさらに含む。
実施形態159は実施形態1~158のいずれか1つの方法を提供し、本方法は、分離された水のpH処理を含まない。
【0203】
実施形態160は実施形態1~159のいずれか1つの方法を提供し、本方法は、リン含有水の中に複数の電気化学セルを浸漬することを含む。
実施形態161は実施形態1~160のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルは、平面である。
【0204】
実施形態162は実施形態1~161のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルは、電気化学セルの高さおよび幅よりも薄い厚さを有する。
実施形態163は実施形態1~162のいずれか1つの方法を提供し、カソードは、電気化学セルの平面状の枠と、枠の外周の内側に備えられるカソード材料とを含み、カソード材料は電気的に枠に接続される。
【0205】
実施形態164は実施形態163の方法を提供し、枠は、電気化学セルの構造的構成要素であって、枠はカソード材料を含み、枠は、アノードのいずれかまたはすべてがなくても、その形状を維持するのに構造的に十分である。
【0206】
実施形態165は実施形態163~164のいずれか1つの方法を提供し、平面状の枠は、非多孔質固体物質である。
実施形態166は実施形態163~165のいずれか1つの方法を提供し、平面状の枠は、カソード材料の1つ以上のストリップである。
【0207】
実施形態167は実施形態163~166のいずれか1つの方法を提供し、平面状の枠は、多角形の外周を有する。
実施形態168は実施形態163~167のいずれか1つの方法を提供し、平面状の枠は、正方形または長方形である。
【0208】
実施形態169は実施形態163~168のいずれか1つの方法を提供し、平面状の枠の外周の内側に備えられるカソード材料は、多孔質カソード材料を含む。
実施形態170は実施形態169の方法を提供し、多孔質カソード材料は、ワイヤ、メッシュ、スクリーン、1つ以上の貫通孔を含むシート、またはそれらの組み合わせなどの材料を含む。
【0209】
実施形態171は実施形態170の方法を提供し、多孔質カソード材料は、多孔質カソード材料を含む金網またはワイヤスクリーンを含む。
実施形態172は実施形態170~171のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルは、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタをさらに含み、導電性コネクタは、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含み、平面状の枠の外周の内側に備えられる多孔質カソード材料は、2つの平面状の枠間に挟まれた縁を有し、その2つの平面状の枠は、一緒に保持されて1つ以上の導電性コネクタで多孔質カソード材料をそれら平面状の枠間に固定する。
【0210】
実施形態173は実施形態172の方法を提供し、電気化学セルは、複数対の平面状の枠を含み、各対は一緒に保持され、それらの間に多孔質カソード材料を1つ以上の導電性コネクタで固定し、各対は、平面状の枠の外周の内側に備えられる多孔質カソード材料を横断する1つ以上のアノードによって分離される。
【0211】
実施形態174は実施形態173の方法を提供し、平面状の枠の各対を互いに分離する1つ以上のアノードは、それによって分離された平面状の枠の各対の面に直接接触する。
実施形態175は実施形態173~174のいずれか1つの方法を提供し、平面状の枠の各対を互いに分離する1つ以上のアノードは、それによって分離された平面状の枠の各対の一方の面に直接接触し、その分離された平面状の枠の各対の他方の面と直接接触することを含まない。
【0212】
実施形態176は実施形態170~175のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルは、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタをさらに含み、導電性コネクタはCu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含み、アノードは平面状の枠の2つの縁において平面状の枠に固定されたストリップであって、アノードは、平面状の枠の2つの縁のそれぞれにおいて、少なくとも1つの導電性コネクタで平面状の枠に固定され、その結果、アノードは平面状の枠の外周の内側に備えられるカソード材料を横断して、平面状の枠の外周の内側に備えられるカソード材料とアノードストリップとの間にギャップを形成する。
【0213】
実施形態177は実施形態176の方法を提供し、少なくとも1つの導電性コネクタを介して平面状の枠にアノードが固定されている、平面状の枠の各縁において、アノードおよびカソードは、互いに直接接触する。
【0214】
実施形態178は実施形態170~177のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルは、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタをさらに含み、導電性コネクタはCu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含み、電気化学セルは、複数のアノードを含み、各アノードは、枠の一面上の平面状の枠の2つの縁において平面状の枠に固定されたストリップであって、アノードのそれぞれは、平面状の枠の2つの縁のそれぞれに少なくとも1つの導電性コネクタで平面状の枠に固定され、その結果、アノードのそれぞれは、平面状の枠の外周の内側に備えられるカソード材料を横断し、平面状の枠の外周の内側に備えられるカソード材料とアノードストリップとの間にギャップを形成し、複数のアノードは、物理的に互いに接触しないように、面全体に間隔を置いて離れる。
【0215】
実施形態179は実施形態178の方法を提供し、アノードのそれぞれは、面上で互いにおおよそ平行な平面状の枠の外周の内側に備えられるカソード材料を横断する。
実施形態180は実施形態178~179のいずれか1つの方法を提供し、各アノードが固定される平面状の枠の2つの縁は、平面状の枠の対向する2つの縁である。
【0216】
実施形態181は実施形態178~180のいずれか1つの方法を提供し、すべてのアノードは、平面状の枠の単一の主面にある。
実施形態182は実施形態178~181のいずれか1つの方法を提供し、アノードのうちのいくつかは、平面状の枠の1つの主面上にあり、他のアノードは、枠の別の主面上にある。
【0217】
実施形態183は実施形態3~182のいずれか1つの方法を提供し、電気化学セルは、
カソードであって、多角形の外周を有する、電気化学セルの平面状の枠と、枠と直接接触する金網またはワイヤスクリーンであり枠の外周の内側に備えられる多孔質材料と、を含むカソードと、
複数のアノードであって、各アノードは、平面状の枠の一面上の平面状の枠の2つの対向する縁において平面状の枠に固定されたストリップであって、アノードのそれぞれは、平面状の枠の2つの縁のそれぞれにおいて導電性コネクタのうちの少なくとも1つで平面状の枠に固定され、その結果、アノードのそれぞれは、互いにおおよそ平行であり、平面状の枠の外周の内側に備えられる多孔質材料を横断して、平面状の枠の外周の内側に備えられる多孔質材料とアノードストリップとの間にギャップを形成し、アノードが少なくとも1つの導電性コネクタを介して平面状の枠に固定されている、平面状の枠の縁のそれぞれにおいて、各アノードは、カソード枠に直接接触し、複数のアノードは、それらが互いに物理的に接触しないように面を横切って間隔を置いて離れ、ギャップは約1mm~約110mmである、前記複数のアノードと
を含む。
【0218】
実施形態184は実施形態1~183のいずれか1つの方法を提供し、
リン含有水を含むエンクロージャ内に1つ以上の電気化学セルを浸漬すること;
電気化学セルを浸漬するリン含有水の中に少なくとも部分的に沈められている複数のフィルタの1つを介して、処理水からリンを含む塩をろ過すること
を含む。
【0219】
実施形態185は実施形態184の方法を提供し、フィルタは、ガラスフリット、布フィルタ、紙フィルタ、ディスクフィルタ、ロータリーフィルタ、ドラムフィルタ、スクリーン、ふるい、粒子状ろ過媒体、ろ過助剤、またはそれらの組み合わせを含む。
【0220】
実施形態186は実施形態184~185のいずれか1つの方法を提供し、フィルタは、回転ディスクフィルタである。
実施形態187は実施形態184~186のいずれか1つの方法を提供し、ろ過は、フィルタ上にろ過ケーキを形成することを含み、ろ過ケーキは、リンを含む塩を含む。
【0221】
実施形態188は実施形態187の方法を提供し、フィルタを逆洗してろ過ケーキをフィルタから除去し、除去されたろ過ケーキを含む逆洗液を生成することをさらに含む。
実施形態189は実施形態188の方法を提供し、沈殿物を含む水の一部がフィルタの逆洗に使用される。
【0222】
実施形態190は実施形態184~189のいずれか1つの方法を提供し、1つ以上の電気化学セルは、エンクロージャの側面部分においてリン含有水中に配置され、フィルタは、フィルタが複数の電気化学セルの間にあるように、リン含有水中に、エンクロージャのおおよそ中央部分に配置される。
【0223】
実施形態191は実施形態184~190のいずれか1つの方法を提供し、複数のフィルタを含む。
実施形態192は実施形態191の方法を提供し、1つ以上のフィルタは、複数の回転ディスクフィルタを含む。
【0224】
実施形態193は、水からリンを除去する方法を提供し、本方法は、
約5~約7のpHを有するリン含有水の中に電気化学セルを浸漬することで、そのリンを含む塩を含有する処理水を生成することであって、塩は
リンおよびアノードからのAlを含むAlPOまたはその水和物であるか、
アノードからのAlを含む水酸化アルミニウムまたはその水和物であるか、または
それらの組み合わせ
を含み、
電気化学セルは
Alを含むアノードであって、約90wt%~約100wt%のAlであるアノードと、
Cuを含むカソードであって、約90wt%~約100wt%のCuであるカソードと、
アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタであって、CuおよびZnを含む合金を含む導電性コネクタと
を含む、浸漬することと、
リン含有水より低リン濃度を有する分離された水を生成するために、処理水からリンを含む塩を分離することと
を含む。
【0225】
実施形態194は、水からリンを除去する方法を提供し、
約10~約11のpHを有する、リン含有水の中に電気化学セルを浸漬することでそのリンを含む塩を含有する処理水を生成することであって、塩は、
リン酸マグネシウム、リン酸マグネシウムカリウム、それらの水和物、またはそれらの組み合わせ、
リンおよびアノードからのMgを含むNHMgPOまたはその水和物であるか、
アノードからのMgを含むMg(OH)、または
それらの組み合わせ
を含み、
電気化学セルは、
Mgを含むアノードであって、約90wt%~約100wt%のMgであるアノードと、
Cuを含むカソードであって、約90wt%~約100wt%のCuであるカソードと、
アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタであって、CuおよびZnを含む合金を含む導電性コネクタと
を含む、前記浸漬することと、
リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を形成するために処理水からリンを含む塩を分離することと
を含む。
【0226】
実施形態195は、実施形態1~194のいずれか1つの方法を実行するための電気化学セルを提供し、電気化学セルは、
Cu、Ni、Fe、またはそれらの組み合わせを含むカソードであって、多角形の外周を有する、電気化学セルの平面状の枠と、枠と直接接触する金網またはワイヤスクリーンであり枠の外周の内側に備えられる多孔質材料と、を含むカソードと、
Mg、Al、Fe、Zn、またはそれらの組み合わせを含む複数のアノードと、アノードとカソードとを電気的に接続する、複数の導電性コネクタであって、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含む導電性コネクタと
を含み、
各アノードは、枠の一面上の平面状の枠の2つの対向する縁において平面状の枠に固定されたストリップであって、アノードのそれぞれは、平面状の枠の2つの縁のそれぞれにおいて導電性コネクタのうちの少なくとも1つで平面状の枠に固定され、その結果、面上のアノードのそれぞれは、面上で互いにおおよそ平行であり、平面状の枠の外周の内側に備えられる多孔質材料を横断して、平面状の枠の外周の内側に備えられる多孔質材料とアノードストリップとの間にギャップを形成し、アノードが少なくとも1つの導電性コネクタを介して平面状の枠に固定されている、平面状の枠の縁のそれぞれにおいて、各アノードは、カソード枠に直接接触し、複数のアノードは、それらが互いに物理的に接触しないように面を横切って間隔を置いて離れ、ギャップは約1mm~約110mmである。
【0227】
実施形態196はストルバイトを生成する方法を提供し、本方法は、
約10~約11のpHを有するリン含有水の中に電気化学セルを浸漬することでそのリンを含む塩を含有する処理水を生成することであって、塩はストルバイトを含み、ストルバイトはリンおよびアノードからのMgを含み、電気化学セルは、
Mgを含むアノードであって、約90wt%~約100wt%のMgであるアノードと、
Cuを含むカソードであって、約90wt%~約100wt%のCuであるカソードと
を含む、浸漬することと、
分離されたストルバイトを得るために、かつ、リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成するために、処理水からリンを含む塩を分離すること
を含む。
【0228】
実施形態197は、実施形態196の方法を提供し、電気化学セルは、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタをさらに含み、導電性コネクタは、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含む。
【0229】
実施形態198は実施形態196~197のいずれか1つの方法を提供し、アノードおよびカソードは、互いに直接接触する。
実施形態199は実施形態196~198のいずれか1つの方法を提供し、分離されたストルバイトを精製することをさらに含む。
【0230】
実施形態200は実施形態196~199のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水は、窒素をさらに含む。
実施形態201は実施形態200の方法を提供し、リン含有水に窒素を添加することをさらに含む。
【0231】
実施形態202は実施形態201の方法を提供し、リン含有水に添加される窒素は、KNO、HNO、有機窒素化合物、またはそれらの組み合わせとして添加される。
実施形態203は実施形態196~202のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水を形成するためにリンを水に添加することをさらに含む。
【0232】
実施形態204はAlPO、水酸化アルミニウム、またはそれらの組み合わせを生成する方法を提供し、本方法は
約5~約7のpHを有するリン含有水の中に電気化学セルを浸漬することでそのリンを含む塩を含有する処理水を生成することであって、塩は
リンおよびアノードからのAlを含むAlPOまたはその水和物であるか、
アノードからのAlを含む水酸化アルミニウムまたはその水和物であるか、または
それらの組み合わせ
を含み、
電気化学セルは
Alを含むアノードであって、約90wt%~約100wt%のAlであるアノードと、
Cuを含むカソードであって、約90wt%~約100wt%のCuであるカソードと
を含む、前記浸漬することと、
リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成するために処理水からリンを含む塩を分離することと
を含む。
【0233】
実施形態205は実施形態204の方法を提供し、電気化学セルは、アノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタをさらに含み、導電性コネクタはCu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含む。
【0234】
実施形態206は実施形態204~205のいずれか1つの方法を提供し、アノードおよびカソードは、互いに直接接触する。
実施形態207は実施形態204~206のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水を生成するためにリンを水に添加することをさらに含む。
【0235】
実施形態208は実施形態204~207のいずれか1つの方法を提供し、リンを含む塩を精製して、精製AlPO、精製水酸化アルミニウム、またはAlPOおよび水酸化アルミニウムの精製混合物を提供することをさらに含む。
【0236】
実施形態209はリン酸マグネシウム、Mg(OH)、またはそれらの組み合わせを生成するために方法を提供し、本方法は、
約10~約11のpHを有するリン含有水の中に電気化学セルを浸漬することでそのリンを含む塩を含有する処理水を生成することであって、塩は
リン酸マグネシウム、リン酸マグネシウムカリウム、それらの水和物、またはそれらの組み合わせか、
アノードからのMgを含むMg(OH)か、または
それらの組み合わせ
を含み、
電気化学セルは
Mgを含むアノードであって、約90wt%~約100wt%のMgであるアノードと、
Cuを含むカソードであって、約90wt%~約100wt%のCuであるカソードと
を含む、前記浸漬することと、
リン含有水より低いリン濃度を有する分離された水を生成するために、処理水からリンを含む塩を分離することと
を含む。
【0237】
実施形態210は実施形態209の方法を提供し、電気化学セルはアノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタをさらに含み、導電性コネクタは、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含む。
【0238】
実施形態211は実施形態209~210のいずれか1つの方法を提供し、アノードおよびカソードを互いに直接接触する。
実施形態212は実施形態209~211のいずれか1つの方法を提供し、リン含有水を生成するためにリンを水に添加することをさらに含む。
【0239】
実施形態213は実施形態209~212のいずれか1つの方法を提供し、リンを含む塩を精製して、精製リン酸マグネシウム、精製Mg(OH)、またはリン酸マグネシウムおよびMg(OH)の精製混合物を提供することをさらに含む。
【0240】
実施形態214は、水から1つ以上の溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、または溶存メタロイドを除去する方法を提供し、本方法は、
1つ以上の溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、または溶存メタロイドを含有する水の中に電気化学セルを浸漬することでその1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含む水酸化物塩を含有する処理水を生成することであって、電気化学セルは、
Mg、Al、Fe、Zn、またはそれらの組み合わせを含むアノード、
アノードとは異なる組成を有するカソードであって、Cu、Ni、Fe、またはそれらの組み合わせを含むカソード
を含む、前記浸漬することと、
1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含有する水より、低い濃度の1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを有する分離された水を生成するために、1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドを含む水酸化物塩を含む塩を分離することと
を含む。
【0241】
実施形態215は実施形態214の方法を提供し、電気化学セルはアノードとカソードとを電気的に接続する導電性コネクタをさらに含み、導電性コネクタは、Cu、Zn、Fe、Cd、Ni、Sn、Pb、またはそれらの組み合わせを含む。
【0242】
実施形態216は実施形態214~215のいずれか1つの方法を提供し、アノードおよびカソードは、互いに直接接触する。
実施形態217は実施形態214~215のいずれか1つの方法を提供し、1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドは、Sc、Y、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Al、Zn、Ga、Cd、In、Sn、Hg、Tl、Pb、Bi、Po、Cn、B、Si、Ge、As、Sb、Te、At、またはそれらの組み合わせを含む。
【0243】
実施形態218は実施形態214~216のいずれか1つの方法を提供し、1つ以上の遷移金属、ポスト遷移金属、またはメタロイドは、Hg、Fe、Cr、Ni、Zn、Cd、As、またはそれらの組み合わせを含む。
【0244】
実施形態219は実施形態214~217のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、1つ以上の溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、または溶存メタロイドを含む水中の遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度の約0%~約70%である、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度を有する。
【0245】
実施形態220は実施形態214~218のいずれか1つの方法を提供し、分離された水は、1つ以上の溶存遷移金属、溶存ポスト遷移金属、または溶存メタロイドを含む水中の遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度の約0%~約20%である、遷移金属、ポスト遷移金属、メタロイド、またはそれらの組み合わせの濃度を有する。
【0246】
実施形態219は、記載されたすべての要素または選択肢が使用または選択できるように、任意選択的に構成された実施形態1~218の任意の1つまたは任意の組み合わせの方法または電気化学セルを提供する。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図3
図4
図5A
図5B