(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】オーゼティック部分を調節する伸張性ストランドを有するニット構成要素および前記構成要素を備える履物製品
(51)【国際特許分類】
D04B 1/00 20060101AFI20240401BHJP
D04B 1/18 20060101ALI20240401BHJP
A43B 1/04 20220101ALI20240401BHJP
A43B 23/02 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
D04B1/00 A
D04B1/18
D04B1/00 C
A43B1/04
A43B23/02 101A
(21)【出願番号】P 2022069800
(22)【出願日】2022-04-21
(62)【分割の表示】P 2020129895の分割
【原出願日】2015-08-20
【審査請求日】2022-04-21
(32)【優先日】2014-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】クロス,トーリー,エム.
(72)【発明者】
【氏名】ポッドハイニー,ダニエル,エイ.
【審査官】長谷川 大輔
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0046715(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0101816(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0011021(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0129416(US,A1)
【文献】特表2014-508009(JP,A)
【文献】特開平10-131007(JP,A)
【文献】特開2003-138456(JP,A)
【文献】特表2017-532459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B1/00-23/30
A43C1/00-19/00
A43D1/00-999/00
B29D35/00-35/14
D04B1/00-39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニット構成要素であって、前記ニット構成要素は、
前記ニット構成要素が伸張する際に、第1の位置と第2の位置との間で動くように構成されるオーゼティック部分を含むニット要素と、
伸張性ストランドであって、前記伸張性ストランドが前記オーゼティック部分の伸張を制御するように前記オーゼティック部分を通って延びる、伸張性ストランドと、
を備え、
前記伸張性ストランドの張力が、前記ニット構成要素に取り付けられた固定装置で設定され、前記固定装置は、前記伸張性ストランドに選択的に固定するように構成されている、
ニット構成要素。
【請求項2】
前記固定装置は、クランプ、ひも、スプール、及び結び目のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載のニット構成要素。
【請求項3】
前記固定装置は、前記ニット要素の縁部の近傍に配置される、
請求項1に記載のニット構成要素。
【請求項4】
前記伸張性ストランドは、前記固定装置が前記伸張性ストランドに固定しないとき、前記固定装置に対して移動可能である、
請求項1に記載のニット構成要素。
【請求項5】
前記オーゼティック部分の面積の変化は、前記ニット構成要素の伸張特性の変化をもたらす、
請求項1に記載のニット構成要素。
【請求項6】
前記伸張性ストランドは、縦軸を有し、前記伸張性ストランドは、前記オーゼティック部分の縁取り線に対して前記縦軸に沿ってスライドするように構成されている、
請求項1に記載のニット構成要素。
【請求項7】
前記オーゼティック部分は、前記オーゼティック部分に隣接して配置された前記ニット要素のニットゾーンよりも大きな弾性を有する、
請求項1に記載のニット構成要素。
【請求項8】
前記オーゼティック部分は、実質的に凹角の三角形として形成されている、
請求項1に記載のニット構成要素。
【請求項9】
ニット構成要素であって、前記ニット構成要素は、
前記ニット構成要素が伸張する際に、第1の位置と第2の位置との間で動くように構成されるオーゼティック部分を含むニット要素と、
伸張性ストランドであって、前記伸張性ストランドが前記オーゼティック部分の伸張を制御するように前記オーゼティック部分を通って延びる、伸張性ストランドと、
を備え、
前記伸張性ストランドの張力が、前記ニット構成要素に取り付けられた固定装置で設定され、前記伸張性ストランドは前記固定装置によって前記ニット要素の縁部に対して選択的に固定可能である、
ニット構成要素。
【請求項10】
前記固定装置は、クランプ、ひも、スプール、及び結び目のうちの少なくとも1つを含む、
請求項9に記載のニット構成要素。
【請求項11】
前記伸張性ストランドは、第2のオーゼティック部分を通って延びる、
請求項9に記載のニット構成要素。
【請求項12】
前記伸張性ストランドは、前記固定装置が前記伸張性ストランドに固定しないとき、前記固定装置に対して移動可能である、
請求項9に記載のニット構成要素。
【請求項13】
前記オーゼティック部分の面積の変化は、前記ニット構成要素の伸張特性の変化をもたらす、
請求項9に記載のニット構成要素。
【請求項14】
前記伸張性ストランドは、縦軸を有し、前記伸張性ストランドは、前記オーゼティック部分の縁取り線に対して前記縦軸に沿ってスライドするように構成されている、
請求項9に記載のニット構成要素。
【請求項15】
前記オーゼティック部分は、前記オーゼティック部分に隣接して配置された前記ニット要素のニットゾーンよりも大きな弾性を有する、
請求項9に記載のニット構成要素。
【請求項16】
前記オーゼティック部分は、実質的に凹角の三角形として形成されている、
請求項9に記載のニット構成要素。
【請求項17】
編み機でニット構成要素を製作するステップであって、前記ニット構成要素は:
前記ニット構成要素が伸張する際に、第1の位置と第2の位置との間で動くように構成されるオーゼティック部分を有するニット要素;及び
伸張性ストランドであって、前記伸張性ストランドが前記オーゼティック部分の伸張を制御するように前記オーゼティック部分を通って延びる、伸張性ストランド;を含む、
ステップと、
固定装置が前記伸張性ストランドの張力を設定するよう構成されるように、前記固定装置を配置するステップと、
を含む、方法。
【請求項18】
前記固定装置は、クランプ、ひも、スプール、及び結び目のうちの少なくとも1つを含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記伸張性ストランドは、第2のオーゼティック部分を通って延びる、
請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記伸張性ストランドは、前記固定装置が前記伸張性ストランドに固定しないとき、前記固定装置に対して移動可能である、
請求項17に記載の方法。
【請求項21】
履物製品のアッパーであって:
ニット要素を有するニット構成要素と、前記ニット要素を通って延びる伸張性ストランドと、を備え、
前記ニット要素は、前記ニット構成要素が伸張する際に、第1の位置と第2の位置との間で動くように構成されるオーゼティック部分を含み、前記オーゼティック部分は、前記アッパーの内側側部及び外側側部のうちの一方に配置され、
前記伸張性ストランドは、前記オーゼティック部分を通って、前記内側側部及び前記外側側部のうちの前記一方の前記アッパーのスロート領域まで延びる、
アッパー。
【請求項22】
前記伸張性ストランドは、前記ニット構成要素の伸張特性を変化させるために、前記オーゼティック部分の面積を選択的に変化させるよう操作されるように構成される、
請求項21に記載のアッパー。
【請求項23】
前記オーゼティック部分は、前記オーゼティック部分の縁取り線上に頂点を含み、前記伸張性ストランドは、前記頂点において前記オーゼティック部分の前記縁取り線に固定される、
請求項21に記載のアッパー。
【請求項24】
前記オーゼティック部分は、前記ニット構成要素の隣接するニットゾーンよりも大きな弾性を有する、
請求項21に記載のアッパー。
【請求項25】
前記オーゼティック部分の面積は、前記オーゼティック部分が前記第1の位置から前記第2の位置に動く際、変化する、
請求項21に記載のアッパー。
【請求項26】
前記オーゼティック部分の前記面積の変化は、前記ニット構成要素の伸張特性の変化をもたらす、
請求項25に記載のアッパー。
【請求項27】
前記伸張性ストランドは、前記内側側部及び前記外側側部のうちの前記一方の前記ニット構成要素のコースおよびウェールのうちの少なくとも一方の中に埋め込まれている、
請求項21に記載のアッパー。
【請求項28】
前記オーゼティック部分は、実質的に凹角の三角形として形成されている、
請求項21に記載のアッパー。
【請求項29】
履物製品のアッパーであって:
ニット要素を有するニット構成要素と、前記ニット要素を通って延びる伸張性ストランドと、を備え、
前記ニット要素は、前記アッパーの内側側部に位置する内側オーゼティック部分及び前記アッパーの外側側部に位置する外側オーゼティック部分を含み、
前記内側オーゼティック部分及び前記外側オーゼティック部分の各々は、前記ニット構成要素の伸張に応じて、面積が変化するように構成され
、
前記アッパーは、前記内側オーゼティック部分を通って延びる第1の伸張性ストランド及び前記外側オーゼティック部分を通って延びる第2の伸張性ストランドをさらに備える、
アッパー。
【請求項30】
前記第1の伸張性ストランド及び前記第2の伸張性ストランドはそれぞれ、前記アッパーのスロート領域にループを形成する、
請求項
29に記載のアッパー。
【請求項31】
前記第1の伸張性ストランド及び前記第2の伸張性ストランドはそれぞれ、前記内側オーゼティック部分及び前記外側オーゼティック部分それぞれの面積を選択的に変化させるように操作されるように構成される、
請求項
29に記載のアッパー。
【請求項32】
前記第1の伸張性ストランド及び前記第2の伸張性ストランドはそれぞれ、前記ニット構成要素のコース及びウェールのうちの少なくとも一方の中に埋め込まれている、
請求項
29に記載のアッパー。
【請求項33】
前記内側オーゼティック部分は、前記ニット構成要素の第1のニットゾーンよりも大きな弾性を有し、前記第1のニットゾーンは、前記内側オーゼティック部分を少なくとも部分的に包囲する、
請求項29に記載のアッパー。
【請求項34】
前記外側オーゼティック部分は、前記ニット構成要素の第2のニットゾーンよりも大きな弾性を有し、前記第2のニットゾーンは、前記外側オーゼティック部分を少なくとも部分的に包囲する、
請求項
33に記載のアッパー。
【請求項35】
前記内側オーゼティック部分及び前記外側オーゼティック部分の各々の面積は、前記ニット構成要素の前記第1のニットゾーン及び前記第2のニットゾーンが伸張される際、変化する、
請求項
34に記載のアッパー。
【請求項36】
前記内側オーゼティック部分及び前記外側オーゼティック部分の各々は、実質的に凹角の三角形として形成されている、
請求項29に記載のアッパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーゼティック部分を調節する伸張性ストランドを有するニット構成要素および前記構成要素を備える履物製品に関する。
【背景技術】
【0002】
衣料品、履物およびその他の製品は、一つ以上のニット構成要素を含むことができる。ニット構成要素は、所望の柔軟性および弾力的伸縮性を製品に付加することができる。また、ニット構成要素は、柔らかさや質感を製品に与えることができる。また、その構成要素は、ニット構成要素であるため、耐久性があり、および頑丈である可能性もある。さらに、その製品の製造は、編みプロセスによってもたらされる効率により、容易にすることができる。
【0003】
たとえば、履物製品は、一つ以上のニット構成要素を含むことができる。ニット構成要素は、履物のアッパーを少なくとも部分的に画定することができる。ニット構成要素は、比較的軽量にすることができながらも、激しい運動の厳しさに耐えるのに十分な耐久性にすることができる。さらに、これらのニット製品は、特有の魅力的な外観を履物に与えることができる。また、その履物は、ニット構成要素であるため、効率的に製造することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2012/0233882号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0150292号明細書
【文献】米国特許第6,910,288号明細書
【文献】米国特許出願公開第2010/0154256号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0237861号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一体ニット構造で形成され、および伸張するように構成されているニット構成要素が開示されている。前記ニット構成要素は、前記ニット構成要素が伸張する際に、第1の位置と第2の位置との間で動くように構成されたオーゼティック部分を有するニット要素を含む。また、前記ニット構成要素は、前記ニット要素を有する一体ニット構造で形成された伸張性ストランドも含んでいる。前記オーゼティック部分は、前記第1の位置にある場合の面積を有している。前記伸張性ストランドは、オーゼティック部分の近傍で前記ニット要素に係合する。前記伸張性ストランドは、前記オーゼティック部分から成る面積を選択的に変化させて、前記ニット構成要素の伸張特性を変えるために操作されるように構成されている。
【0006】
さらに、ソール構造と、前記ソール構造に取り付けられているアッパーとを含む履物製品が開示されている。前記アッパーは、一体ニット構造で形成された伸張可能なニット構成要素を含んでいる。前記ニット構成要素は、オーゼティック部分を有するニット要素を含む。前記オーゼティック部分は、前記ニット構成要素が伸張する際に、第1の位置と第2の位置との間で動くように構成されている。前記ニット構成要素は、前記ニット要素を有する一体ニット構造で形成された伸張性ストランドをさらに含む。前記オーゼティック部分は、前記第1の部分にある場合の面積を有する。前記伸張性ストランドは、前記オーゼティック部分に係合する。前記伸張性ストランドは、前記オーゼティック部分から成る面積を選択的に変化させて、前記ニット構成要素の伸張特性を変えるために操作されるように構成されている。
【0007】
さらに、一体ニット構造で形成されているニット構成要素が開示されている。前記ニット構成要素は、伸張するように構成されている。前記ニット構成要素は、前記ニット構成要素が伸張する際に、第1の位置と第2の位置との間で動くように構成されているオーゼティック部分を有するニット要素を含む。前記オーゼティック部分は、縁取り線を有している。前記ニット構成要素はさらに、前記ニット要素内に埋め込まれ、および前記ニット要素を有する一体ニット構造で形成されている伸張性ストランドを含む。前記オーゼティック部分は、前記第1の位置にある場合の面積を有している。前記伸張性ストランドは、前記オーゼティック部分を横切って延び、および前記縁取り線の第1の場所と第2の場所とに係合する。前記伸張性ストランドは、前記第2の場所に対する前記第1の場所を選択的に動かして前記オーゼティック部分から成る面積を変化させて、前記ニット構成要素の伸張特性を変えるために操作されるように構成されている。
【0008】
本開示の他のシステム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を検討すれば、当業者には明らかであるか、または、明らかになるであろう。そのようなすべての追加的なシステム、方法、特徴および利点が、この説明およびこの概要の範囲内に含まれること、本開示の範囲内に含まれること、および以下の請求項によって保護されることが意図されている。
【0009】
本開示は、以下の図面および説明を参照することで、より良く理解することができる。図面の構成要素は、必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、本開示の原理を説明するにあたって強調を施している。さらに、図面中で、同様の符号は、異なる図にわたって、類似の部材を示すものとする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の例示的な実施形態によるオーゼティック部分を有するニット構成要素の等角図である。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による
図1のニット構成要素の詳細図である。
【
図3】本開示の追加的な実施形態による
図1のニット構成要素の詳細図である。
【
図4】第1のニュートラル位置で図示された、
図1のニット構成要素の上面図である。
【
図5】第2の伸張位置で図示された、
図1のニット構成要素の上面図である。
【
図6】
図4の詳細図であり、ニット構成要素の一部がニュートラル位置で図示されている。
【
図7】
図5の詳細図であり、ニット構成要素の一部が伸張位置で図示されている。
【
図8】
図4の詳細図であり、ニット構成要素の一部がニュートラル位置で図示されている。
【
図9】
図5の詳細図であり、ニット構成要素の一部が伸張位置で図示されている。
【
図10】調節されたニュートラル位置で図示された、
図1のニット構成要素の上面図である。
【
図11】伸張位置で図示された、
図10のニット構成要素の上面図である。
【
図12】
図10の詳細図であり、ニット構成要素の一部がニュートラル位置で図示されている。
【
図13】
図11の詳細図であり、ニット構成要素の一部が伸張位置で図示されている。
【
図14】本開示の追加的な実施形態によるニュートラル位置で図示されたニット構成要素の詳細図である。
【
図15】伸張位置で図示された、
図14のニット構成要素の詳細図である。
【
図16】調節されたニュートラル位置で図示された、
図14のニット構成要素の詳細図である。
【
図17】伸張位置で図示された、
図16のニット構成要素の詳細図である。
【
図18】本開示の追加的な実施形態による履物製品用のニット構成要素の平面図である。
【
図19】
図18のニット構成要素を有する履物製品の側面図である。
【
図20】ニュートラル位置で図示された
図19の履物製品の上面図である。
【
図21】調節されたニュートラル位置で図示された、
図20の履物製品の上面図である。
【
図22】ニュートラル位置で図示された、ニット構成要素を有する衣料品の正面図である。
【
図23】
図22の衣料品の正面図であり、ニット構成要素は、調節されたニュートラル位置にある。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、添付図面を参照して、実施形態例について十分に説明する。
【0012】
以下の考察および添付図面は、ニット構成要素に関連するさまざまな概念を開示している。それらのニット構成要素は、さまざまな物品、たとえば、履物製品、衣料品またはその他の製品に用いることができ、および/または組み込むことができる。
【0013】
また、以下の考察および添付図面は、伸張中にオーゼティック特性を呈するニット構成要素を開示している。「オーゼティック」という用語は、本願明細書中で用いる場合、一般的には、負のポアソン比を有する物体を指すことは正しく認識されるであろう。したがって、伸張力がオーゼティックニット構成要素に印加された場合、ニット構成要素は、その伸張力が印加されたのと同じ方向に伸長することができ、また、ニット構成要素は、別の方向に、たとえば、印加された力に直角である方向に膨らむことも可能である。さらに、「オーゼティック」という用語は、本願明細書中で用いる場合、特定の種類の伸張で負のポアソン比を呈する物体、および他の種類の伸張で正のポアソン比を呈する物体を指す。
【0014】
さらに、ニット構成要素は、一旦、伸張力が低下すると、非伸張またはニュートラル位置に向かって戻る弾性力を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ニット構成要素は、伸張された場合にオーゼティック特性を呈する、および解放された場合にニュートラル位置に向かって戻る、一つ以上の部分を含むことができる。
【0015】
また、以下の考察および添付図面は、ニット構成要素のオーゼティック部分および/または伸張特性を選択的に変化させることができるさまざまな概念を開示している。たとえば、いくつかの実施形態において、ニット構成要素は、ユーザが、オーゼティック部分のサイズ、形状および/または表面積を選択および変えることを可能にする一つ以上の形状構成を含むことができる。その結果、ユーザは、オーゼティック部分の伸張特性および/またはニット構成要素の伸張特性を変更することができる。
【0016】
例示的なニット構成要素の構成
まず、
図1を参照すると、本開示の例示的な実施形態によるニット構成要素100が図示されている。ニット構成要素100は、さまざまな形状、サイズおよび特徴を有することができる。また、ニット構成要素100は、特定の物体に構成および/または組み込むことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、履物製品に組み込むことができる。追加的な実施形態において、ニット構成要素100は、衣
料品に組み込むことができる。
【0017】
図1の例示的な実施形態に図示されているように、ニット構成要素100は、比較的薄くおよびシート状にすることができる。いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、フレキシブルに、および伸張可能にすることもできる。また、いくつかの実施形態において、ニット構成要素100は、弾性的にすることができる。したがって、ニット構成要素100は、伸張負荷が印加された場合に伸張することができ、また、伸張負荷が低下した場合には、ニット構成要素100は、その元のサイズに戻ることができる。実施例として、
図4は、ニュートラル位置のニット構成要素100を示し、
図5は、伸張位置のニット構成要素100を示す。
【0018】
図1に図示されているように、ニット構成要素100は、多角形状を画定することができる。いくつかの実施形態において、たとえば、ニット構成要素100は、四辺形を画定することができ、および4つの辺を含むことができる。より具体的には、
図1および
図4に図示されているように、ニット構成要素100は、第1の縁部112と、第2の縁部114と、第3の縁部116と、第4の縁部118とを含むことができる。縁部112,114,116,118は、互いに任意の適当な角度で配置することができる。したがって、ニット構成要素100は、長方形、平行四辺形またはその他の四辺形を画定することができる。しかし、ニット構成要素100が、円形、楕円形またはその他の丸みを帯びた形状等の丸い形状を含む任意の適当な形状を有することができることは正しく認識されるであろう。
【0019】
さらに、ニット構成要素100は、前面120および裏面122を含むことができる。ニット構成要素100は、前面120と裏面122との間で測った任意の適当な厚さを有することができる。いくつかの実施形態において、その厚さは、ニット構成要素100の全域で実質的に一定にすることができる。他の実施形態では、厚さは変えることができる。また、いくつかの実施形態において、前面120および/または裏面122は、一つ以上の隆起した区域、一つ以上の凹んだ区域、リブ、波状部または他の表面変形部を画定することができる。
【0020】
さらに、ニット構成要素100は、種々の方向に延びることができる。たとえば、ニット構成要素100は、主に第1の方向140および第2の方向142に及ぶことが可能である。また、ニット構成要素100の厚さは、実質的に第3の方向139において、前面120と裏面122との間で測定することができる。さらに第3の縁部116および第4の縁部118は、実質的に第1の方向140に延び、また、第1の縁部112および第2の縁部114は、実質的に第2の方向142に延びている。
【0021】
ニット構成要素100は、複数の相互接続されたヤーン、ケーブル、ファイバまたは他のストランドから形成することができる。また、ニット構成要素100は、一体ニット構造で形成することができる。
【0022】
「一体ニット構造」という用語は、本願明細書で定義されているように、および請求項で用いられているように、ニット構成要素100が、編みプロセスを通してワンピース要素として形成されることを意味している。すなわち、編みプロセスは、大幅な追加的製造工程またはプロセスを要することなく、ニット構成要素100のさまざまな形状構成および構造を実質的に形成する。一体ニット構造は、その構造もしくは要素が、少なくとも一つのコースを共通して含む(すなわち、共通ストランドもしくは共通ヤーンを共有している)および/またはニット構成要素100の各部分の間で実質的に連続しているコースを含むように接合されている、ヤーンから成る一つ以上のコースまたは他のニット材料を含む構造もしくは要素を有するニット構成要素を形成するのに用いてもよい。この構成を用いて、一体ニット構造から成るワンピース要素が提供される。
【0023】
ニット構成要素100の部分は、編みプロセスに続いて互いに接合してもよいが、ニット構成要素100はワンピースニット要素として形成されているため、ニット構成要素100は、依然として一体ニット構造で形成されている状態である。さらに、ニット構成要素100は、編みプロセスの後に他の要素(たとえば、インレイストランド、クロージャ要素、ロゴ、商標、注意書きや材料情報を記載した札、およびその他の構造的要素)が付加される場合も、依然として一体ニット構造で形成された状態のままである。
【0024】
ニット構成要素100は、ニット要素130と、一つ以上の伸張性ストランド132とを大略的に含むことができる。ニット要素130および伸張性ストランド132は、互いに一体ニット構造で形成することができる。
【0025】
ニット要素130は、ニット構成要素100の大部分を画定することができる。したがって、いくつかの実施形態において、ニット要素130は、前面120、裏面122、第1の縁部112、第2の縁部114、第3の縁部116および第4の縁部118を実質的に画定することができる。いくつかの実施形態において、ニット要素130は、伸張可能にすることができる。この伸張性を与えるために、いくつかの実施形態において、ニット要素130は、伸張するように構成されるヤーンまたはストランド、たとえば、弾性ヤーンで形成してもよい。また、いくつかの実施形態において、ニット要素130は、ニット要素130を形成するのに用いられるニット構造により、伸張可能にすることができる。
【0026】
また、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132の少なくとも一部は、ニット要素130を横切っておよび/または通って延びることができる。たとえば、伸張性ストランド132は、第1の端部141と、第2の端部143と、第1の端部141と第2の端部143との間で長手方向に延びている中間部145とを含むことができる。
図1および
図4に図示されているように、中間部145は、ニット要素130を横切って通って延びることができる。第1の端部141および第2の端部143は、ニット要素130から出て延びることができ、およびニット要素130から露出させることができる。具体的には、いくつかの実施形態において、第1の端部141は、第3の縁部116から延びることができ、第2の端部143は、第4の縁部118から延びることができ、中間部145は、ニット要素130を実質的に第2の方向142に横切って延びることができる。しかし、伸張性ストランド132を、ニット要素130に対して適当などの場所にも配置できることは正しく認識されるであろう。たとえば、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132の第1の端部141および/または第2の端部143は、露出させないことが可能であり、およびニット要素130に埋め込むことができる。また、いくつかの実施形態においては、中間部145の一つ以上の区域をニット要素130から露出させることができる。
【0027】
伸張性ストランド132は、ニット構成要素100に対する支持を与えることができる。より具体的には、いくつかの実施形態において、ストランド132の張力は、ニット構成要素100が、変形に耐え、伸張に耐え、またはその他の形でニット構成要素100の近傍に配置される対象物のための支持を与えることを可能にすることができる。また、伸張性ストランド132は、ニット要素130およびニット構成要素100の一つ以上の特性を変え、調節し、調整し、選択し、またはその他の形で変更するのに用いることができる。たとえば、ストランド132は、着用者が、製造会社が、自動アクチュエータが、または、特性を変更するための別の入力によって操作することができる。ストランド132を操作することにより、さまざまな特性を変更することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、伸張性、耐伸張性、ニット構成要素100の伸張範囲、または、伸張に関連するその他の特性を変えることができる。また、いくつかの実施形態においては、ニット構成要素100の一つ以上の寸法は、伸張性ストランド132を調節することによって変更することができる。
【0028】
次に、
図2および
図3を参照して、ニット要素130および伸張性ストランド132について、種々の実施形態に従って、より詳細に説明する。
図2に図示されているように、ニット構成要素100のニット要素130は、少なくとも一つのヤーン134、ケーブル、フィラメント、ファイバ、または、複数のインターメッシュループを形成するために(たとえば、編み機を用いて)操作される他のストランドから形成してもよい。ループは、第2の方向142に延びている複数のコース136および第1の方向140に延びている複数のウェール138内で絡み合うことができる。さらに、
図2に図示されているように、ニット要素130および伸張性ストランド132は、一体ニット構造で形成することができる。
【0029】
伸張性ストランド132は、任意の適当な方法で、ニット要素130に取り付けることができ、およびニット要素130に係合させることができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ストランド132の少なくとも一部は、編み機での編みプロセス中に、ストランド132を組み込むことができるように、ニット要素130の一つ以上のコース136および/またはウェール138内に埋め込むことができる。より具体的には、
図2の実施形態に示されているように、伸張性ストランド132は、(a)ヤーン134で形成されたループの裏と、および(b)ヤーン134で形成されたループの前との間に、交互に配置することができる。実際には、伸張性ストランド132は、ニット要素130から成る一体ニット構造を縫うように進む。その結果、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、ニット構成要素100の前面120と裏面122との間で、ニット要素130内に配置することができる。
【0030】
図2の実施形態において、ストランド132は、単一のコース136内に埋め込まれて図示されており、したがって、ストランド132は、主に第2の方向142に延びている。しかし、ストランド132は、ストランド132が主に第1の方向140に延びるように、ニット要素130の単一のウェール138内に埋め込むことができることは正しく認識されるであろう。他の実施形態では、ストランド132の異なるセグメントは、ニット要素130の異なるコース136に沿って延びることができる。また、いくつかの実施形態において、ストランド132の異なるセグメントは、ニット要素130の異なるウェール138に沿って延びることができる。さらに、いくつかの実施形態において、ストランド132は、第1の方向140および第2の方向142の両方向において、ニット要素130を横切って延びることができる。
【0031】
ニット要素130を形成するヤーン134は、任意の適当な種類で構成することができる。たとえば、ニット要素130のヤーン134は、綿、エラステイン、レーヨン、ウール、ナイロン、ポリエステルまたはその他の材料から形成することができる。また、いくつかの実施形態において、ヤーン134は、弾性的かつ弾力的にすることができる。したがって、ヤーン134は、長さを第1の長さから伸張させることができ、また、ヤーン134は、その第1の長さに戻るように付勢することができる。したがって、このような弾性ヤーン134は、ニット要素130が、力の影響下で、弾性的かつ弾力的に伸張することを可能にすることができる。その力が低下すると、ニット要素130は、そのニュートラル位置に戻ることができる。
【0032】
さらに、いくつかの実施形態において、ヤーン134は、加熱された場合に溶融することができ、および冷却された場合に固体状態に戻ることができる熱硬化性ポリマー材料から少なくとも部分的に形成することができる。したがって、ヤーン134は、融着ヤーンとすることができ、および2つの物または要素を一緒に接合するのに用いることができる。追加的な実施形態において、ニット要素130は、融着ヤーンと非融着ヤーンとの組合せを含むことができる。いくつかの実施形態においては、たとえば、ニット構成要素100は、2012年9月20日に公開された特許文献1の教示に従って構成することができ、その開示は、参照によってその全体が本願明細書に組み込まれるものとする。また、ニット構成要素100は、2014年6月5日に公開された特許文献2の教示に従って構成することができ、その明細書は、参照によってその全体が本願明細書に組み込まれるものとする。
【0033】
さらに、いくつかの実施形態において、単一のヤーン134は、ニット要素130のコース136およびウェール138の各々を形成することができる。他の実施形態では、ニット要素130は、複数のヤーンを含むことができる。たとえば、異なるヤーンは、異なるコース136および/または異なるウェール138を形成することができる。追加的な実施形態においては、複数のヤーンは、共通のループ、共通のコースおよび/または共通のウェールを画定するように協働することができる。たとえば、
図3に図示されているように、ニット構成要素100は、一緒にグループ化されている、互いに重なり合う、およびそれぞれのコース136を介して、同じ長手方向に大略的に延びている複数のヤーンを含むことができる。いくつかの実施形態においては、たとえば、第1のヤーン135は、熱硬化性ポリマー材料および天然繊維(たとえば、綿、ウール、絹)のうちの少なくとも一つから形成することができる。また、第2のヤーン137は、2005年6月28に発行された「Footwear Incorporating a Textile with Fusible Filaments and Fibers」というタイトルの、Duaに対する特許文献3に開示されているタイプの融着ヤーン等の熱可塑性ポリマー材料から形成してもよく、その明細書は、参照によってその全体が本願明細書に組み込まれるものとする。
【0034】
また、伸張性ストランド132は、たとえば、任意の適当なタイプのストランド、ヤーン、ケーブル、コード、フィラメント(たとえば、単繊維フィラメント)、糸、ロープ、帯または鎖で構成することができる。ニット要素130のヤーン134と比較して、伸張性ストランド132の厚さは、より大きくしてもよい。いくつかの構成において、伸張性ストランド132は、ニット要素130のヤーンよりも著しく大きな厚さを有してもよい。伸張性ストランド132の断面形状は丸みがあってもよいが、三角形、四角形、矩形、楕円形または不規則な形状も用いてもよい。さらに、伸張性ストランド132を形成する材料は、ニット要素130のヤーン134のための材料のうちのいずれか、たとえば、綿、エラステイン、ポリエステル、レーヨン、ウールおよびナイロンを含んでもよい。上述したように、伸張性ストランド132は、ニット要素130よりも大きな耐伸張性を呈していてもよい。したがって、伸張性ストランド132用の適切な材料は、ガラス、アラミド(たとえば、パラアラミドおよびメタアラミド)、超高分子量ポリエチレンおよび液晶ポリマーを含む高引張強度用途に用いられているさまざまなエンジニアリングフィラメントを含んでもよい。別の実施例として、編んだポリエステル糸を、伸張性ストランド132として利用してもよい。
【0035】
伸張性ストランド132およびニット構成要素100のその他の部分は、2008年12月18日に出願され、および2010年6月24日に特許文献4として公開された「Article of Footwear Having An Upper Incorporating A Knitted
Component」というタイトルの、Duaらの共同所有米国特許出願第12/338,726号明細書、2011年3月15日に出願され、および2012年9月20日に特許文献1として公開された「Article Of Footwear Incorporating A Knitted Component」というタイトルの、Huffaらの米国特許出願第13/048,514号明細書、2013年2月28日に出願され、および2014年8月28日に特許文献5として公開されたPodhajnyの「Method of Knitting A Knitted
Component with a Vertically Inlaid Tensile Element」というタイトルの米国特許出願第13/781,336号明細書のうちの一つ以上の教示を追加的に組み込むことができ、これらの明細書は、参照によってその全体が本願明細書に組み込まれるものとする。
【0036】
次に、
図1および
図4を参照して、ニット要素130について、例示的な実施形態に従って、より詳細に説明する。ニット要素130は、多数のニット構造、ゾーン、区域、または、一体ニット構造で形成されているが、異なる特性を有している部分を含むことができる。それらの異なる特性は、外観、ステッチ密度、質感、耐伸張性、弾性、弾力性またはその他の特性に関連付けることができる。
【0037】
たとえば、ニット要素130は、第1の縁部112の近傍の第1の領域150と、第2の縁部114の近傍の第2の領域152と、第1および第2の領域150,152間に設けられた第3の領域154とを含むことができる。いくつかの実施形態において、第1の領域150と第2の領域152とは、実質的に均一かつ連続的にすることができる。対照的に、第3の領域154は、一つ以上の点で異なる複数のニットゾーンを含むことができる。たとえば、第3の領域154は、一つ以上のオーゼティック部分156と、オーゼティック部分156に隣接して配置されている隣接ゾーン158とを含むことができる。
【0038】
図1および
図4に示すいくつかの実施形態において、第3の領域154は、第1の方向140および第2の方向142において、互いに離間されている複数のオーゼティック部分156を含むことができる。ニット要素130の隣接ゾーン158は、オーゼティック部分156の間に画定することができる。いくつかの実施形態において、隣接ゾーン158は、一つ以上のオーゼティック部分156を連続的に取り囲み、隣接し、または包囲することができる。また、隣接ゾーン158は、実質的に連続する一つ以上のオーゼティック部分156とすることもできる(すなわち、それらのオーゼティック部分を有するワンピース要素として形成することができる)。また、いくつかの実施形態において、隣接ゾーン158は、第1の領域150および第2の領域152と実質的に連続させることができる。したがって、オーゼティック部分156、隣接ゾーン158、第1の領域150および第2の領域152は、一体ニット構造で形成することができる。また、
図1に示されているように、オーゼティック部分156は、ニット要素130の前面120および裏面122で露出させることができる。さらに、いくつかの実施形態において、オーゼティック部分156は、公知のインターシャ編みプロセスによって、ニット要素130の隣接ゾーン158内に組み込むことができる。
【0039】
いくつかの実施形態において、オーゼティック部分156は、縁取り線159および内部区域161によって画定することができる。いくつかの実施形態において、縁取り線159は、ニット要素130の隣接ゾーン158から各オーゼティック部分156の境界を定めることができる。いくつかの実施形態において、縁取り線159は、内部区域161を連続的に取り囲み、および内部区域161の枠となることができる。さらに、オーゼティック部分156の内部区域161のサイズまたは面積は、縁取り線159内に画定することができる。また、いくつかの実施形態において、縁取り線159は、ニット構成要素100の縁部112,114,116,118から離間させることができる。他の実施形態では、縁取り線159は、第1の縁部112、第2の縁部114、第3の縁部116および/または第4の縁部118と交差させることができる。
【0040】
オーゼティック部分156は、任意の適当なサイズまたは面積を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、オーゼティック部分156は、伸張していないニュートラル位置にある場合、約0.25平方インチ(in2)から約5平方インチ(in2)の間の面積を有することができる。
【0041】
オーゼティック部分156は、第1の領域150、第2の領域152および/または隣接ゾーン158とは異なる一つ以上の物理的特性を有することができる。たとえば、オーゼティック部分156は、第1の領域150、第2の領域152および/または隣接ゾーン158よりも、より弾性的、より伸張可能に、およびより小さな剛性にすることができる。言い換えれば、オーゼティック部分156は、第1の領域150、第2の領域152および/または隣接ゾーン158よりも小さな程度またはより少ない耐伸張性を有することができる。
【0042】
これらの弾性の違いは、さまざまな方法で実現することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、オーゼティック部分156のニット構造は、オーゼティック部分156を、第1の領域150、第2の領域152および隣接ゾーン158よりも弾性的にするように、第1の領域150、第2の領域152および/または隣接ゾーン158と異ならせることができる。
【0043】
さらに、いくつかの実施形態において、オーゼティック部分156は、この弾性の違いを生じさせるように、第1の領域150、第2の領域152および/または隣接ゾーン158のヤーンよりも弾性的であるヤーンから構成することができる。より具体的には、いくつかの実施形態において、オーゼティック部分156は、一つ以上の弾性的で伸張可能なヤーンを用いて形成することができる。対照的に、第1の領域150、第2の領域152および隣接ゾーン158は、より弾性の少ない、または実質的に弾性のないヤーンを用いて形成することができる。
【0044】
また、いくつかの実施形態において、第1の領域150、第2の領域152および隣接ゾーン158は、熱可塑性プラスチックから形成されたヤーンから形成することができる。いくつかの実施形態において、これらの熱可塑性プラスチックヤーンは、加熱し、および部分的に溶融し、および隣接するヤーンに融着して、ニット要素130のそれぞれの区域に追加的な剛性を付与することができる。いくつかの実施形態において、これらの熱可塑性プラスチックヤーンは、オーゼティック部分156に存在しないようにすることができる。
【0045】
追加的な実施形態においては、コーティングまたは皮膜を第1の領域150、第2の領域152および隣接ゾーン158に施して、ニット要素130のこれらの区域に追加的な剛性を付与することができる。このコーティングまたは皮膜は、オーゼティック部分156に存在しないようにすることができる。
【0046】
ニット構成要素100は、
図4に示す第1の位置(すなわち、ニュートラル位置)から
図5に示す第2の位置(すなわち、伸張位置)まで伸張することができる。
図4および
図5が、ニット構成要素100の伸張の例示的な実施形態を示していることは正しく認識されるであろうが、ニット構成要素100は、本開示の範囲から逸脱することなく、異なる伸張挙動を呈することができることは正しく認識されるであろう。
【0047】
図5の実施形態に図示されているように、伸張力を、矢印157で示すように印加することができる。その結果、ニット構成要素100は、第1の縁部112と第2の縁部114とが互いから離れて動くように、およびニット構成要素100が、第1の方向140に伸長するように伸張することができる。オーゼティック部分156は、オーゼティック特性を呈するため、この伸張もまた、第3の縁部116および第4の縁部118を互いから離して動かし、およびニット構成要素100を第2の方向142に広げることもできる。たとえば、
図5に図示されているように、第3の領域154は、第2の方向142に膨らむことができ、一方、第1の領域150および第2の領域152は、第2の方向142において、実質的に同じ幅のままにすることができる。以下、この伸張挙動について、より詳細に説明する。
【0048】
さらに、以下で詳細に説明するように、伸張性ストランド132は、複数のオーゼティック部分156のうちの少なくとも一つの近傍で、ニット要素130に係合することができる。伸張性ストランド132は、任意の数のオーゼティック部分156に係合することができる。また、伸張性ストランド132は、オーゼティック部分156の一つ以上の寸法を選択的に変更するように操作することができる。その結果、オーゼティック部分156および/またはニット要素130の伸張挙動は、選択的に変更することができる。
【0049】
オーゼティック部分の実施形態
次に、オーゼティック部分156について、例示的な実施形態に従って、詳細に説明する。まず、オーゼティック部分156の形状および形態について、
図4、
図6および
図8を参照して説明する。
図6および
図8に示すオーゼティック部分156は、ニット構成要素100の他のオーゼティック部分156で表すことができることは正しく認識されるであろう。
【0050】
オーゼティック部分156の縁取り線159は、任意の種類の形態を有してもよい。いくつかの実施形態において、一つ以上の縁取り線159は、多角形状の形態を有してもよい。いくつかの実施形態において、オーゼティック部分156の形状は、規則的な多角形として特徴付けてもよく、そのため、隣接する辺の間に画定された角度は、その多角形内の対応する角度に等しい。また、縁取り線159は、特定の数の頂点および縁部(または辺)を備えていると特徴付けてもよい。いくつかの実施形態において、それらの縁部は、実質的に直線状にすることができる。また、いくつかの実施形態において、それらの縁部は湾曲させることができる。
【0051】
さまざまな多角形および/または湾曲した形態を含む他の形態も可能である。一つ以上のオーゼティック部分156とともに用いてもよい例示的な多角形状は、限定するものではないが、規則的な多角形状(たとえば、三角形、長方形、五角形、六角形等)および不規則な多角形状または非多角形状を含む。他の形態は、四辺形、五辺形、六辺形、七辺形、八辺形、または、凹辺を有する他の多角形状であると説明することができるであろう。さらに、いくつかの実施形態は、頂点を介して接続された直線状縁部と、任意の尖端または頂点を有していない湾曲したまたは直線ではない縁部との両方を含む形態を有する縁取り線159を含むことができる。
【0052】
図6および
図8の実施形態に関して、オーゼティック部分156は、6つの辺および6つの頂点を有すると特徴付けてもよい。たとえば、オーゼティック部分156は、第1の辺164と、第2の辺166と、第3の辺168と、第4の辺170と、第5の辺172と、第6の辺174とを含むことができる。さらに、オーゼティック部分156は、第1の頂点176と、第2の頂点178と、第3の頂点180と、第4の頂点182と、第5の頂点184と、第6の頂点186とを含むことができる。第1の辺164および第6の辺174は、第1の頂点176で交差することができる。第1の辺164および第2の辺166は、第2の頂点178で交差することができる。第2の辺166および第3の辺168は、第3の頂点180で交差することができる。第3の辺168および第4の辺170は、第4の頂点182で交差することができる。第4の辺170および第5の辺172は、第5の頂点184で交差することができる。第5の辺172および第6の辺174は、第6の頂点186で交差することができる。
【0053】
また、いくつかの実施形態において、オーゼティック部分156の形態は、実質的に、いわゆる凹辺三角形として形成することができる。したがって、オーゼティック部分156は、直線状である代わりに、辺の中間に内側に向いている頂点を有する辺を有する三角形として特徴付けることができる。したがって、第2の頂点178、第4の頂点182および第6の頂点186は、第1の頂点176、第3の頂点180および第5の頂点184よりも内部区域161の中心に近接して配置することができる。言い換えれば、第2の頂点178、第4の頂点182および第6の頂点186は、それぞれ、「内側に向いている頂点」として特徴付けることができる。対照的に、第1の頂点176、第3の頂点180および第5の頂点184は、それぞれ、「外側に向いている頂点」として特徴付けることができる。内側に向いている頂点178,182,186は、外角167(すなわち、凹角)を画定することができる。いくつかの実施形態において、外角167は、約120度から180度の範囲にすることができる。また、オーゼティック部分156の頂点は、複数の内角165を画定することができる。たとえば、内角165は、第1の頂点176、第3の頂点180および第5の頂点184に画定することができる。いくつかの実施形態において、第1の頂点176、第3の頂点180および第5の頂点184は、オーゼティック部分156が、伸張していないニュートラル位置にある場合には、180度よりも小さい内角165を有することができる。
【0054】
いくつかの実施形態において、オーゼティック部分156は、規則的なパターンでニット要素130上に配置することができる。オーゼティック部分156は、ニット要素130の全域で、互いに実質的に一様に離間させることができる。いくつかの実施形態において、オーゼティック部分156は、一つのオーゼティック部分156の各頂点が、別のオーゼティック部分156の頂点の近くに(たとえば、オーゼティック部分156に隣接してまたは近傍に)設けられるように配置してもよい。より具体的には、いくつかの実施形態において、オーゼティック部分156の第1の頂点176は、別のオーゼティック部分156の第4の頂点182の近くにまたはその頂点182に隣接して配置することができる。同様に、一つのオーゼティック部分156の第2の頂点178は、別のオーゼティック部分156の第5の頂点184の近くにまたはその頂点184に隣接して配置することができる。さらに、一つのオーゼティック部分156の第3の頂点180は、別のオーゼティック部分156の第6の頂点186の近くにまたはその頂点186に隣接して配置することができる。
【0055】
ニット要素130が、
図4、
図6および
図8のニュートラル位置から
図5、
図7および
図9の伸張位置まで伸張する際、オーゼティック部分156は変形することができる。内部区域161のサイズまたは面積は、ニット要素130が伸張するにつれて増加することが可能である。
【0056】
より具体的には、
図6および
図7に図示されているように、典型的な内角165が、第2の辺166と第3の辺168との間の第3の頂点180に示されている。典型的な外角167は、第3の辺168と第4の辺170との間の第4の頂点182に示されている。
図6と
図7とを比較すると、内角165および/または外角167は、オーゼティック部分156が伸張するときに増加することが可能であることは明らかである。
図6~
図9のオーゼティック部分156に図示されているように、各内角165および各外角167は、比例的に増加することが可能であるが、いくつかの実施形態において、異なる内角165および/または異なる外角167が不均衡に増加することが可能であることは正しく認識されるであろう。
【0057】
また、いくつかの実施形態において、オーゼティック部分156は、ニット要素130が伸張する際に、オーゼティックに変形することができる。たとえば、
図7と
図6との比較から、オーゼティック部分156は、ニット構成要素100が伸張する際に、第1の方向140および第2の方向142の両方向に広がることは明らかである。
【0058】
より具体的には、
図6および
図8に図示されているように、オーゼティック部分156の近傍のニット要素130は、第1の方向140で測ったそれぞれの伸張されていない長さ188と、第2の方向142で測ったそれぞれの伸張されていない幅192とを有することができる。伸張力が、
図7および
図9の矢印157によって示されているように印加される場合、ニット要素130は、伸張された長さ190および伸張された幅194を有することができる。伸張された長さ190は、伸張されていない長さ188よりも大きくなることが可能であり、また、伸張された幅194は、伸張されていない幅192よりも大きくなることが可能である。さらに、オーゼティック部分156の近傍のニット要素130は、伸張範囲を規定することができる。この伸張範囲は、第1の方向140において、伸張された長さ190と、伸張されていない長さ188との差として測定することができる。さらに、この伸張範囲は、第2の方向142において、伸張された幅194と、伸張されていない幅192との差として測定することができる。追加的な実施形態において、伸張範囲は、その伸張位置におけるオーゼティック部分156の表面積と、その
図6に示す伸張されていないニュートラル位置におけるオーゼティック部分156の表面積との差として測定することができる。
【0059】
したがって、オーゼティック部分156の近傍のニット要素130は、矢印157で示す伸張力により、オーゼティックに伸張することが可能である。この変形のため、
図5に図示されているように、ニット要素130は、第1の方向140に伸張された場合に、特に第3の領域154において、第2の方向142に膨らむことが可能である。いくつかの実施形態においては、一旦、伸張力が低下すると、オーゼティック部分156の弾性は、オーゼティック部分156を、
図6および
図8のニュートラル位置に戻すことができる。したがって、ニット要素130は、容易に伸張することができ、およびその伸張されていない位置に戻るように付勢することができる。
【0060】
伸張性ストランドおよび関連するオーゼティック部分
上述したように、伸張性ストランド132は、ニット要素130を横切って延びることができる。伸張性ストランド132は、一つ以上のオーゼティック部分156に係合することができる。たとえば、
図4および
図8に図示されているように、複数のオーゼティック部分156は、伸張性ストランド132が係合される第1のオーゼティック部分162を含むことができる。また、
図4および
図6に図示されているように、複数のオーゼティック部分156は、第2のオーゼティック部分160を含むことができ、伸張性ストランド132は、第2のオーゼティック部分160から離間させることができ、および第2のオーゼティック部分160から離すことができる。
【0061】
図8に図示されているように、伸張性ストランド132は、主に第2の方向142において、第1のオーゼティック部分162を横切って延びることができる。伸張性ストランド132は、第1のポイント196および第2のポイント198において、オーゼティック部分162の縁取り線159と交差することができる。いくつかの実施形態において、第1のポイント196は、第6の辺174に沿って配置することができ、また、第2のポイント198は、第1の辺164に沿って配置することができる。また、伸張性ストランド132のセグメントは、第1のポイント196と第2のポイント198との間のオーゼティック部分162の内部区域161を横切って延びることもできる。しかし、伸張性ストランド132は、本開示の範囲から逸脱することなく、オーゼティック部分162の任意の適当な部分を横切って延びることができることは正しく認識されるであろう。
【0062】
また、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、オーゼティック部分162を画定する一つ以上のコース136および/またはウェール138内に埋め込むことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、オーゼティック部分162を画定している単一のコース136内に埋め込むことができる。他の実施形態では、伸張性ストランド132は、オーゼティック部分162を横切って延びているため、一つのコース136から別のコース136へ延びることができる。さらに他の実施形態では、伸張性ストランド132は、オーゼティック部分162の一つ以上のウェール138内に埋め込むことができる。
【0063】
いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、オーゼティック部分162の近傍のニット要素130に固定することができる。たとえば、伸張性ストランド132は、縁取り線159の近傍のニット要素130に固定することができる。より具体的には、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、第1のポイント196および/または第2のポイント198の近傍のニット要素130に固定することができる。たとえば、伸張性ストランド132は、接着剤を用いて、留め具を介して、結び目を介して、または別の方法で、ポイント196および/またはポイント198に固定することができる。
【0064】
他の実施形態では、伸張性ストランド132は、摩擦によってニット要素130に係合することができるが、伸張性ストランド132は、第1のポイント196および/または第2のポイント198に対して、その長手方向軸に沿って滑動することができ、および依然として、第1のポイント196および/または第2のポイント198においてニット要素130に係合した状態にすることができる。たとえば、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、第1のポイント196および第2のポイント198において、この方法でニット要素130に移動可能に係合することができる。
【0065】
伸張性ストランド132は、たとえば、オーゼティック部分162の近傍のニット要素130に係合するため、伸張性ストランド132は、オーゼティック部分162を変更し、動かし、修正し、変化させ、または変形させるように操作することができる。たとえば、ユーザは、オーゼティック部分162の内部区域161の面積、サイズおよび/または形態を選択および変化させるように、伸張性ストランド132を操作することができる。いくつかの実施形態において、たとえば、伸張性ストランド132を引っ張ることによって伸張性ストランド132の張力を増加させると、内部区域161のサイズを増加させることができる。他の実施形態では、伸張性ストランド132の張力を増加させると、内部区域161のサイズを減少させることができる。ニット要素131の伸張特性、たとえば、ニット要素131の伸張範囲は、内部区域161のサイズに関連付けることができる。したがって、オーゼティック部分156、ひいてはニット要素130の伸張特性は、伸張性ストランド132を用いて変化させることができる。
【0066】
たとえば、
図10および
図12に図示されているように、ユーザは、矢印200で示すように、第1の端部141と第2の端部143とを互いから離して引っ張ることによって、オーゼティック部分162を変更するように伸張性ストランド132を操作することができる。したがって、伸張性ストランド132は、オーゼティック部分162の第1のポイント196および第2のポイント198を互いから離して引っ張ることができる。比較のため、オーゼティック部分162の元のニュートラル位置が、
図12に破線で示されている。オーゼティック部分162の調節されたニュートラル位置は、実線で示されている。矢印201は、縁取り線159の動きを表している。具体的には、
図12に図示されているように、オーゼティック部分162の第1の辺164および第6の辺174は、大略的に第1の頂点176の周りで回転することができ、および伸張性ストランド132の操作により、互いから離れて動くことができる。このことは、第2の頂点178および第6の頂点186を、オーゼティック部分162の中心から外側に動かすことができる。したがって、伸張性ストランド132を引っ張ることにより、オーゼティック部分162の内部区域161を増加させることができる。さらに、
図12に示すニット要素130の典型的なゾーンは、オーゼティック部分162の変更の結果として、長さ202および幅204を有することができる。
【0067】
いくつかの実施形態において、
図12に示す長さ202および幅204は、それぞれ、
図8に示す元の長さ188および幅192に実質的に等しくすることができる。言い換えれば、いくつかの実施形態において、ニット要素130のサイズは、オーゼティック部分162のサイズの調節にもかかわらず、依然として実質的に同じにすることができる。他の実施形態では、オーゼティック部分162の調節は、ニット要素130の全体のサイズに対して変化を引き起こすことができる。
【0068】
いくつかの実施形態による、オーゼティック部分162の調節後のニット要素130の伸張が
図13に示されている。図示されているように、ニット要素130が、矢印157によって表されているように、第1の方向140に伸張された場合、オーゼティック部分162は、その調節された長さ202から、伸張された長さ206まで伸長することができ、また、オーゼティック部分162は、その調節された幅204から、その伸張された幅208まで広がることができる。
【0069】
いくつかの実施形態においては、(矢印157で示されている)同じ量の伸張力の下で、
図13の伸張された長さ206は、
図9の伸張された長さ190よりも大きくすることができる。同様に、
図13の伸張された幅208は、
図9の伸張された幅194よりも大きくすることができる。したがって、伸張性ストランド132を用いてオーゼティック部分162の内部区域161の面積を増加させることにより、オーゼティック部分162の伸張範囲を増加させることができることは正しく認識されるであろう。
【0070】
伸張性ストランド132を用いて、オーゼティック部分162の伸張特性を調節することにより、ニット要素130の伸張特性に対する調節を引き起こすことができる。たとえば、
図11に図示されているように、ニット要素130の第3の縁部116および/または第4の縁部118は、オーゼティック部分162に近接している区域において、凸状または膨らんだ領域210を画定することができる。いくつかの実施形態において、第3の縁部116および第4の縁部118の両方は、ニット要素130が伸張された場合に、膨らんだ領域210を画定することができる。したがって、伸張性ストランド132は、ニット要素130の一つ以上の部分の伸張範囲を増加させるのに用いることができる。
【0071】
図8、
図10および
図12の実施形態において、伸張性ストランド132は、ニット要素130がニュートラル位置にある場合に、オーゼティック部分162の内部区域161のサイズを増加させるように操作される。その結果、
図9、
図11および
図13に図示されているように、オーゼティック部分162およびニット要素130の伸張範囲が増加される。しかし、伸張性ストランド132は、本開示の範囲から逸脱することなく、オーゼティック部分156およびニット要素130の伸張特性を他の方法で変更するのに用いることができることは正しく認識されるであろう。
【0072】
たとえば、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、一つ以上のオーゼティック部分156の内部区域161のサイズを縮小するように操作することができる。その結果、ニット要素130の伸張範囲を減少させることができる。さらに、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、オーゼティック部分156の内部区域161のサイズを増加させるように操作することができ、その結果として、ニット要素130の伸張範囲を減少させることができる。さらに、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、オーゼティック部分156の内部区域161のサイズを減少させるように操作することができ、その結果として、ニット要素130の伸張範囲を増加させることができる。
【0073】
図14~
図17は、伸張性ストランド132およびオーゼティック部分162の追加的な実施形態を示す。この実施形態は、伸張性ストランド132を、ニット要素13を横切って通すことができることを除いて、
図8~
図12の実施形態と実質的に同様にすることができる。
【0074】
たとえば、
図14に図示されているように、伸張性ストランド132は、第1の方向140および第2の方向142の両方向において、ニット要素130およびオーゼティック部分162を横切って延びることができる。いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、オーゼティック部分162をジグザグに横切ることができる。したがって、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、オーゼティック部分162およびニット要素130を横切って延びているため、伸張性ストランド132は、多数のコース136および多数のウェール138を通って延びることができる。
【0075】
さらに、伸張性ストランド132は、
図14の実施形態に図示されているように、オーゼティック部分162の第2の頂点178、第4の頂点182および第6の頂点186の近傍でニット要素130に係合することができる。いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、これらの頂点のうちの一つ以上に固定することができる。また、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、これらの頂点の近傍のニット要素130内に埋め込まれていることの結果として、それらの頂点のうちの一つに係合することができる。しかし、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、これらの頂点に対して動く(たとえば、その長手方向軸に沿って滑動する)ことができる。
【0076】
具体的には、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、第4の頂点182に固定することができ、また、伸張性ストランド132は、第2および第6の頂点178,186に埋め込むことができる。したがって、伸張性ストランド132は、第2および第6の頂点178,186に対して動くことができる。その結果、伸張性ストランド132は、第4の頂点182において、ニット要素130に固定することができ、また、伸張性ストランド132は、第2および第6の頂点178,186において、ニット要素130に移動可能に係合することができる。
【0077】
図15は、ニット要素130が、矢印157で示すように伸張されたときのオーゼティック部分162を示す。図示されているように、オーゼティック部分162は、
図9の実施形態と実質的に同様の方法で延びることができる。
【0078】
図16に図示されているように、伸張性ストランド132の端部は、矢印200で示すように引っ張ることができる。その結果として、伸張性ストランド132は、
図16の矢印212によって示すように、第2の頂点178、第4の頂点182および第6の頂点186を互いに内側に向かって引っ張ることができる。したがって、内部区域161のサイズは、伸張性ストランド132の端部を引っ張ることによって小さくすることができる。
【0079】
ニット要素130が、
図17の矢印157で示すように、第1の方向140に伸張されると、オーゼティック部分162は、伸張および拡大することができる。しかし、
図15と
図17とを比較すると、調節され伸張された長さ206は、元の伸張された長さ190よりも小さくすることができることが明らかになる。同様に、調節され伸張された幅208は、元の伸張された幅194よりも小さくすることができる。
【0080】
したがって、伸張性ストランド132は、オーゼティック部分162のサイズを調節するのに用いることができる。いくつかの実施形態において、伸張性ストランド132は、伸張性ストランド132がオーゼティック部分162にどのように係合するかによって、オーゼティック部分162をより大きくまたはより小さくするために引っ張ることができる。その結果として、ニット要素130の伸張挙動を選択することができる。
図11および
図13の実施形態等のいくつかの実施形態において、ニット要素130は、オーゼティック部分162のサイズを調節することによって、増加した伸張範囲を有することができる。
図17の実施形態等の他の実施形態では、オーゼティック部分162のサイズを調節することによって、減少した伸張範囲を有することができる。
【0081】
いくつかの実施形態においては、伸張性ストランド132を用いてオーゼティック部分162が調節された後、伸張性ストランド132は、オーゼティック部分162が、その調節されたニュートラル位置に留まるように、ニット要素130に対して固定することができる。たとえば、第1の端部141および/または第2の端部143は、伸張性ストランド132の張力を維持し、およびオーゼティック部分162をその調節されたサイズで維持するために、伸張性ストランド132に対して一定の場所に固定することができる。いくつかの実施形態において、第1の端部141および第2の端部143は、伸張性ストランド132の設定張力を維持するために、たとえば、結び目でまとめて直接的に固定することができる。追加的な実施形態においては、伸張性ストランド132の選択された張力を維持するように、伸張性ストランド132に着脱可能に固定するために、留め具、スプールまたは他の物体を含めることができる。さらに、いくつかの実施形態では、伸張性ストランド132が解放された場合、ニット要素130の弾性は、オーゼティック部分162を、その元のニュートラルな伸張されていないサイズに戻すことができる。
【0082】
調節可能なオーゼティック部分を有する履物製品
上記で検討したタイプのニット構成要素を含むさまざまな物体および製品を構成することができる。たとえば、
図18~
図21に示すように、例示的な実施形態による履物製品1000用のニット構成要素1030が図示されている。
【0083】
図19~
図21に図示されているように、履物1000は、一般的に、ソール構造1010とアッパー1020とを含むことができる。アッパー1020は、ニット構成要素1030を含むことができる。ニット構成要素1030は、
図18においては独立して図示され、また、
図19~
図21においては、ソール構造1010および他の形状構成と関連して図示されている。説明されるように、ニット構成要素1030は、
図1~
図17に関して上述した一つ以上の形状構成を含むことができる。したがって、ニット構成要素1030は、一つ以上のオーゼティック部分を含むことができ、また、それらのオーゼティック部分のうちの少なくとも一つは、調節可能にすることができる。
【0084】
参照のため、履物1000は、3つの大略的な領域、すなわち、かかと領域1002と、中足領域1003と、足先領域1004とに分けることができる。かかと領域1002は、かかとと踵骨とを含む、着用者の足の後部に相当する履物1000の部分を大略的に含むことができる。中足領域1003は、アーチ区域を含む、着用者の足の中間部に相当する履物1000の部分を大略的に含むことができる。足先領域1004は、つま先と、中足骨を指骨に接続している関節とを含む、着用者の足の前方部分に相当する履物1000の部分を大略的に含むことができる。
【0085】
履物1000は、内側側部1005および外側側部1006も含むことができる。いくつかの実施形態において、内側側部1005および外側側部1006は、足先領域、かかと領域1002、中足領域1003および足先領域1004を通って延びることができる。内側側部1005および外側側部1006は、履物1000の両側部に対応することができる。より具体的には、外側側部1006は、着用者の足の外側区域(すなわち、他方の足から遠ざかる方を向く面)に対応することができ、また、内側側部1005は、着用者の足の内側区域(すなわち、他方の足の方を向く面)に対応することができる。かかと領域1002、中足領域1003、足先領域1004、内側側部1005および外側側部1006は、履物1000の正確な区域を定めることを意図していない。むしろ、かかと領域1002、中足領域1003、足先領域1004、内側側部1005および外側側部1006は、以下の考察において役立つように、履物1000の大略的な区域を示すことを意図している。
【0086】
履物1000は、さまざまな方向に沿って延びることもできる。たとえば、履物1000は、長手方向1007、横方向1008および垂直方向1009に沿って延びることができる。長手方向1007は、大略的に、かかと領域1002と足先領域1004との間に延びることができる。横方向1008は、大略的に、内側側部1005と外側側部1006との間に延びることができる。また、垂直方向1009は、長手方向1007および横方向1008の両方に対して実質的に直角に延びることができる。長手方向1007、横方向1008および垂直方向1009は、単に参照のためにおよび以下の考察で役に立つように含まれているにすぎないことは正しく認識されるであろう。
【0087】
次に、
図19を参照して、ソール構造1010の実施形態について説明する。ソール構造1010は、アッパー1020に取り付けられている上面1011を含むことができ、およびアッパー1020から遠ざかる方を向き、およびソール構造1010の地面係合面を画定する下面1013を含むことができる。いくつかの実施形態において、ソール構造1010は、ミッドソール1012およびアウトソール1014を含むことができる。ミッドソール1012は、弾性圧縮可能な材料、流体充填ブラダー等を含むことができる。したがって、ミッドソール1012は、着用者の足の衝撃を和らげることができ、およびランニング、ジャンプ等の場合の衝撃や他の力を軽減することができる。ミッドソール1012は、ソール構造1010の上面1011を少なくとも部分的に画定することができる。アウトソール1014は、ミッドソール1012に固定することができ、およびゴム等の耐摩耗材料を含むことができる。アウトソール1014は、トレッドや他のトラクション強化形状構成も含むことができる。アウトソール1014は、ソール構造1010の下面1013を画定することができる。
【0088】
また、いくつかの実施形態において、ソール構造1010は、ソール構造1010がオーゼティックに伸張および変形することを可能にする一つ以上のオーゼティック部分を含むことができる。
【0089】
次に、
図19~
図21を参照して、アッパー1020の実施形態について説明する。図示されているように、アッパー1020は、着用者の足を受け入れる空洞1022を画定することができる。言い換えれば、アッパー1020は、空洞1022を画定する内側面1021を画定することができ、また、アッパー1020は、内側面1021とは反対の方向を向いている外側面1023を画定することができる。着用者の足が空洞1022内に受け入れられると、アッパー1020は、着用者の足を少なくとも部分的に包囲しおよび包み込むことができる。したがって、いくつかの実施形態において、アッパー1020は、かかと領域1002、中足領域1003、足先領域1004、内側側部1005および外側側部1006の周りに延びることができる。
【0090】
アッパー1020は、空洞1022の中へおよび空洞1022の外へアクセスできるようにする主開口部1024を含むことができる。また、アッパー1020は、スロート1028も含むことができる。アッパー1028は、カラー主開口部1024から、足先領域1004に向かって延びることができる。スロート1028の寸法は、内側側部1005と外側側部1006との間の履物1000の幅を変更するために変えることができる。したがって、スロート1028は、履物製品1000のフィット感および履き心地に影響を与える可能性がある。
【0091】
図19~
図21の実施形態等のいくつかの実施形態において、スロート1028は、「開」スロート1028とすることができ、この場合、アッパー1020は、主開口部1024から足先領域1004に向かって延び、および内側側部1005と外側側部1006との間に画定されているスロート開口部1025を含む。他の実施形態では、スロート1028は、「閉」スロート1028とすることができ、この場合、アッパー1020は、実質的に連続しており、および内側側部1005と外側側部1006との間で途切れていない。
【0092】
さらに、スロート1028は、スロート開口部1025内に配置されるベロ1026を含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、ベロ1026は、その前端部において、足先領域1004に取り付けることができ、また、ベロ1026は、内側側部1005および外側側部1006から取り外すことができる。したがって、ベロ1026は、スロート開口部1025を実質的に埋めることができる。
【0093】
履物製品1000はさらに、着用者の足に対する履物1000のフィット感を選択的に調節するための固定部材1015を含むことができる。いくつかの実施形態において、固定部材1015は、靴ひも1017を含むことができる。しかし、固定部材1015が、ストラップ、バックル、面ファスナーテープ、ボタン、または、履物1000を着用者の足にどのようにしっかりとフィットさせるかの選択を可能にする他の種類の部材を含むことができることは正しく認識されるであろう。
図19~
図21の実施形態に図示されているように、靴ひも1017は、内側側部1005と外側側部1006との間で前後に延びることができ、およびそれら両側部に固定することができる。したがって、靴ひも1017の張力を変えることにより、横方向1008におけるアッパー1020の周長を調節することができる。また、一旦、フィット感が好ましくなると、ユーザは、選択した構成において、靴ひも1017を結んで結び目を作ることができる。
【0094】
従来の多くの履物アッパーは、たとえば縫製または接着によって接合される多数の材料要素(たとえば、布地、ポリマー発泡体、ポリマーシート、革、合成皮革)から形成されている。対照的に、アッパー1020の少なくとも一部は、ニット構成要素1030によって形成されおよび画定されている。ニット構成要素1030は、一体ニット構造で形成することができる。
【0095】
いくつかの実施形態において、ニット構成要素1030は、アッパー1020内の空洞1022の少なくとも一部を画定することができる。また、いくつかの実施形態において、ニット構成要素1030は、外側面1023の少なくとも一部を画定することができる。さらに、いくつかの実施形態において、ニット構成要素1030は、アッパー1020の内側面1021の少なくとも一部を画定することができる。また、いくつかの実施形態において、ニット構成要素1030は、アッパー1020のかかと領域1002、中足領域1003、足先領域1004、内側側部1005および外側側部1006のかなりの部分を画定することができる。したがって、いくつかの実施形態において、ニット構成要素1030は、着用者の足を取り囲むことができる。また、いくつかの実施形態において、ニット構成要素1030は、着用者の足を圧迫して、着用者の足に固定することができる。
【0096】
したがって、アッパー1020は、比較的少数の材料要素で構成することができる。このことは、廃棄物を少なくすることができるとともに、アッパー1020の製造効率およびリサイクル性を向上させることもできる。さらに、アッパー1020のニット構成要素1030は、より少数の縫い目または他の不連続部を組み込むことができる。このことは、履物1000の製造効率をさらに高めることができる。さらに、アッパー1020の内側面1021は、履物1000全体の履き心地を高めるために、実質的に滑らかかつ均一にすることができる。
【0097】
次に、ニット構成要素1030の形状構成について、さまざまな実施形態に従って、より詳細に説明する。ニット構成要素1030は、ニット要素1031を大略的に含むことができる。ニット要素1031は、
図1~
図17に関して上述したニット要素130に相当することができる。また、ニット構成要素1030は、少なくとも一つの伸張性ストランド1050も大略的に含むことができる。伸張性ストランド1050は、
図1~
図17に関して上述した伸張性ストランド132に相当することができる。ニット要素1031および伸張性ストランド1050は、一体ニット構造で形成することができる。
【0098】
次に、ニット要素1031について、
図18を参照して、より詳細に説明する。いくつかの実施形態において、ニット要素1031は、ニット構成要素1030およびアッパー1020の大部分を画定することができる。
【0099】
ニット要素1031は、外側部1038および内側部1040を含むことができる。外側部1038は、アッパー1020の外側側部1006を画定することができ、および着用者の足の外側区域を覆って該外側区域に接触するように構成することができる。さらに、内側部1040は、アッパー1020の内側側部1005を画定することができ、および着用者の足をに接触するように構成することができる。
図18に図示されているように、外側部1038および内側部1040は、ニット要素1031の前方部1039で接合することができる。前方部1039は、アッパー1020の足先領域1004を画定することができ、および着用者のつま先、中足骨、および足の隣接する区域を覆うように構成することができる。さらに、外側部1038は、外側後縁部1032を含むことができ、また、内側部1040は、内側後縁部1034を含むことができる。さらに、ニット要素1031は、外側周縁部1036および内側周縁部1037を含むことができる。外側周縁部1036は、外側後縁部1032から外側部1038に沿って、前方部1039に沿って、および内側部1040に沿って延びて、内側後縁部1034で終端することができる。内側周縁部1037は、同様に、外側後縁部1032から外側部1038に沿って、前方部1039に沿って、および内側部1040に沿って延びて、内側後縁部1034で終端することができる。
【0100】
アッパー1020を画定するようにニット要素1031が組み立てられると、
図20および
図21に図示されているように、後縁部1032および後縁部1034を一緒に接合して、かかと領域1002に縫い目1042を画定することができる。また、内側周縁部1037は、主開口部1024およびスロート開口部1025を画定することができる。さらに、外側周縁部1036は、ソール構造1010に近接して配置することができる。いくつかの実施形態において、外側周縁部1036は、ソール構造1010によって覆うことができる。さらに、いくつかの実施形態においては、ストローベルを外側周縁部1036に取り付けることができ、また、ストローベルは、外側周縁部1036がソール構造1010に近接するように、ソール構造1010の上面1011に重ねて取り付けることができる。
【0101】
いくつかの実施形態において、ベロ1026は、ニット要素1031から独立している部分とすることができる。ベロ1026は、たとえば、縫製、接着剤、留め具、または、他の接続具を介してニット要素1031の前方部1039に取り付けることができる。他の実施形態では、ベロ1026は、ニット要素1031の前方部1039、内側部1040または外側部1038に一体的に取り付けることができる。
【0102】
図18~
図21に図示されているように、ニット要素1031は、一つ以上のオーゼティック部分1056をさらに含むことができる。ニット要素1031が、任意の数のオーゼティック部分1056を含むことができることは正しく認識されるであろう。また、オーゼティック部分1056は、任意の適当な形状も有することができる。さらに、オーゼティック部分1056は、ニット要素1031上の任意の適当な場所に設けることができる。オーゼティック部分1056は、ニット要素1031およびアッパー1020の伸張性を向上させることができる。したがって、オーゼティック部分1056は、向上した伸張性が所望されるアッパー1020の場所に設けることができる。この伸張性は、アッパー1020が、足の輪郭面に良好に適応および適合することを可能にすることができる。また、オーゼティック部分1056の伸張は、アッパー1020が、快適で支持的なフィットを維持しつつ、アッパー1020の内部で着用者の足がより容易に曲がることを可能にする。
【0103】
いくつかの実施形態において、オーゼティック部分1056は、
図1~
図17に関して上述したオーゼティック部分156に相当することができる。したがって、オーゼティック部分1056は、大略的に、いわゆる凹角の三角形の形状を有することができる。しかし、オーゼティック部分1056は、本開示の範囲から逸脱することなく、異なる形状を有することができる。
【0104】
いくつかの実施形態において、ニット要素1031のオーゼティック部分1056は、内側オーゼティック部分1058と、外側オーゼティック部分1060とを含むことができる。いくつかの実施形態において、内側オーゼティック部分1058は、ニット要素1031の内側部1040に配置することができ、また、外側オーゼティック部分1060は、外側部1038に配置することができる。また、いくつかの実施形態において、内側および外側オーゼティック部分1058,1060は、中足領域1003に配置することができる。さらに、内側および外側オーゼティック部分1058,1060は、外側縁部1036および内側周縁部1037から、ある距離に離間させることができる。また、いくつかの実施形態において、内側および外側オーゼティック部分1058,1060は、アッパー1020の内側面1021および外側面1023のそれぞれの部分を部分的に画定することができる。
【0105】
したがって、オーゼティック部分1056は、特に内側側部1005および外側側部1006の中足領域1003において、アッパー1020の高度な伸張を可能にすることができる。たとえば、着用者の足の曲がりは、長手方向1007において、アッパー1020に伸張力を印加させることができる。その結果として、オーゼティック部分1056近傍のアッパー1020の区域は、長手方向1007に伸張することができる。また、アッパー1020のオーゼティックな性質の結果として、この長手方向の伸張は、オーゼティック部分1056の近傍のアッパー1020の区域を、横方向1008および/または垂直方向1009にも同様に伸張させることを可能にしている。
【0106】
さらに、
図1~
図17に関して上述した実施形態と同様に、オーゼティック部分1056のサイズは、伸張性ストランド1050を用いた選択的な方法で調節することができる。オーゼティック部分1056のサイズを調節することにより、アッパー1020の伸張特性を選択および変更することができる。たとえば、
図14~
図17と同様の実施形態において、伸張性ストランド1050の操作は、オーゼティック部分1056のサイズを縮小して、ニット構成要素1030およびアッパー1020の伸張範囲を縮小することができる。
図8~
図13と同様の他の実施形態では、伸張性ストランド1050の操作は、オーゼティック部分1056のサイズを増加させて、ニット構成要素1030およびアッパー1020の伸張範囲を増加させることができる。
【0107】
ニット構成要素1030が、任意の数の伸張性ストランド1050を含むことができることは正しく認識されるであろう。また、伸張性ストランド1050は、ニット要素1031の任意の適当な区域を通すことができる。
【0108】
図18に示すいくつかの実施形態において、ニット構成要素1030は、大略的に内側部1040内のニット要素1031を横切って延びている内側の伸張性ストランド1062を含むことができる。ニット構成要素1030はさらに、大略的に外側部1038内のニット要素1031を横切って延びている外側の伸張性ストランド1064を含むことができる。
【0109】
図18に図示されているように、内側の伸張性ストランド1062は、第1の端部1066と、第2の端部1068と、中間区画170とを含むことができる。図示されている実施形態において、内側の伸張性ストランド1062は、大略的に長手方向1007に延びる際に、内側部1040の外側周縁部1036と内側周縁部1037との間でジグザグに進んでいる。また、第2の端部1068は、長手方向1007において、第1の端部1066の前方に配置することができる。第1の端部1066は、中足領域1003に配置することができ、また、第2の端部1068は、ニット要素1031の前方部1039の近傍に配置することができる。さらに、内側の伸張性ストランド1062の中間区画1070は、第1の端部1066と第2の端部1068との間で連続的に延びることができる。
【0110】
さらに、内側の伸張性ストランド1062の部分は、ニット要素1031から露出させることができ、また、内側の伸張性ストランド1062の他の部分は、ニット要素1031で取り囲むか、埋め込むかまたは他の方法で覆うことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、第1の端部1066、第2の端部1068および/または中間区画1070の部分は、ニット要素1031から露出させることができる。また、中間区画1070の部分は、ニット要素1031で取り囲むか、埋め込むかまたは他の方法で覆うことができる。
【0111】
いくつかの実施形態において、内側の伸張性ストランド1062の中間区画1070は、
図18に図示されているように、大略的に横方向1008に延びている複数の横方向区画1082を画定することができる。いくつかの実施形態において、横方向区画1082は、ニット要素1031内に埋め込むことができる。
【0112】
また、中間区画1070は、複数の内側締めひもループ1072を画定することができる。内側締めひもループ1072は、隣接する横方向区画1082の間に延びることができ、およびニット要素1031から露出させることができる。また、内側締めひもループ1072は、内側部1040の内側周縁部1037に隣接して配置することができる。
図19~
図21に図示されているように、靴ひも1017は、内側締めひもループ1072内に受け入れて、アッパー1020の内側側部1005に靴ひも1017を留め付けることができる。
【0113】
さらに、
図18に図示されているように、内側の伸張性ストランド1062の中間区画1070は、複数の外側区画1084を画定することができる。外側区画1084は、隣接する横方向区画1082の間に延びることができる。他の実施形態では、一つ以上の外側区画1084は、外側周縁部1036の近傍で終端することができる。外側区画1084は、外側周縁部1036から延びることができ、および外側周縁部1036から露出させることができる。
図19~
図21に示すように、ニット要素1031が組み立てられて、ソール構造1010に取り付けられると、外側区画1084をソール構造1010に取り付けて固定することができる。
【0114】
したがって、いくつかの実施形態において、内側の伸張性ストランド1062は、特に垂直方向1009において、履物製品1000の内側側部1005に、支持性および/または耐伸張性を与えることができる。また、内側の伸張性ストランド1062は、靴ひも1017をアッパー1020に取り付けることができる。
【0115】
同様に、外側の伸張性ストランド1064は、第1の端部1074と、第2の端部1076と、中間区画178とを含むことができる。図示されている実施形態において、外側の伸張性ストランド1064は、大略的に長手方向1007に延びる際に、外側部1038の外側周縁部1036と内側周縁部1037との間でジグザグに進んでいる。また、第2の端部1076は、長手方向1007において、第1の端部1074の前方に配置することができる。第1の端部1074は、中足領域1003に配置することができ、また、第2の端部1076は、ニット要素1031の前方部1039の近傍に配置することができる。さらに、外側の伸張性ストランド1064の中間区域1078は、第1の端部1074と第2の端部1076との間で連続的に延びることができる。
【0116】
さらに、外側の伸張性ストランド1064の部分は、ニット要素1031から露出させることができ、また、外側の伸張性ストランド1064の他の部分は、ニット要素1031で取り囲むか、埋め込むかまたは他の方法で覆うことができる。たとえば、いくつかの実施形態において、第1の端部1074、第2の端部1076および/または中間区域1078の部分は、ニット要素1031から露出させることができる。換言すれば、第1の端部1074、第2の端部1076、および/または中間区画1078の部分は、伸張性ストランド1064の「露出セグメント」を画定することができる。また、中間区画1078の部分は、ニット要素1031で取り囲むか、埋め込むかまたは他の方法で覆うことができる。換言すれば、中間区画1078は、伸張性ストランド1064の「インレイセグメント」を画定することができる。
【0117】
いくつかの実施形態において、外側の伸張性ストランド1064の中間区画1078は、
図18に図示されているように、大略的に横方向1008に延びている複数の横方向区画1086を画定することができる。いくつかの実施形態において、横方向区画1086は、ニット要素1031内に埋め込むことができる。
【0118】
また、中間区画1078は、複数の外側締めひもループ1080を画定することができる。外側締めひもループ1080は、隣接する横方向区画1086の間に延びることができ、およびニット要素1031から露出させることができる。また、外側締めひもループ1080は、外側部1038の内側周縁部1037に隣接して配置することができる。
図19~
図21に図示されているように、靴ひも1017は、外側締めひもループ1080内に受け入れて、アッパー1020の外側側部1006に靴ひも1017を留め付けることができる。
【0119】
さらに、
図18に図示されているように、外側の伸張性ストランド1064の中間区画1078は、複数の外側区画1088を画定することができる。外側区画1088は、隣接する横方向区画1086の間に延びることができる。他の実施形態では、一つ以上の外側区画1088は、外側周縁部1036の近傍で終端することができる。外側区画1088は、外側周縁部1036から延びることができ、および外側周縁部1036から露出させることができる。
図19~
図21に示すように、ニット要素1031が組み立てられて、ソール構造1010に取り付けられると、外側区画1088をソール構造1010に取り付けて固定することができる。
【0120】
したがって、いくつかの実施形態において、外側の伸張性ストランド1064は、特に垂直方向1009において、履物製品1000の外側側部1006に、支持性および/または耐伸張性を与えることができる。また、外側の伸張性ストランド1064は、靴ひも1017をアッパー1020に取り付けることができる。
【0121】
いくつかの実施形態において、伸張性ストランド1050は、オーゼティック部分1056に係合することができ、また、伸張性ストランド1050は、オーゼティック部分156のサイズを調節するために操作することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、内側の伸張性ストランド1062は、内側オーゼティック部分1058に係合することができ、また、外側の伸張性ストランド1064は、外側オーゼティック部分1060に係合することができる。
【0122】
図18~
図21に図示されているように、伸張性ストランド1050は、
図14~
図17の実施形態と同様に、オーゼティック部分1056に係合することができる。したがって、伸張性ストランド1050は、オーゼティック部分1056の内部頂点に係合することができる。しかし、他の実施形態では、
図8~
図13の実施形態と同様に、伸張性ストランド1050が、オーゼティック部分1056に係合することができることは正しく認識されるであろう。また、伸張性ストランド1050は、本開示の範囲から逸脱することなく、オーゼティック部分1056の他の区域に係合することができる。
【0123】
したがって、ユーザは、伸張性ストランド1050を引っ張るか、または他の方法で操作することにより、オーゼティック部分1056のサイズを変更することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、
図18のニット構成要素に関して、内側の伸張性ストランド1062の第1の端部1066は、内側オーゼティック部分1058のサイズを縮小するために引っ張ることができる。同様に、いくつかの実施形態において、外側の伸張性ストランド1064の第1の端部1074は、外側オーゼティック部分1060のサイズを縮小するために引っ張ることができる。
【0124】
ソール構造1010が取り付けられる他の状況において、ユーザは、最も後ろの内側の締めひもループ1072をソール構造1010から離して引っ張ることができる。このことは、内側オーゼティック部分1058を、より小さくすることができる。同様に、ユーザは、最も後ろの締めひもループ1080をソール構造1010から離して引っ張ることができる。このことは、外側オーゼティック部分1060を、より小さくすることができる。
【0125】
いくつかの実施形態において、履物製品1000は、伸張性ストランド1050の設定張力を実質的に維持するために用いられる固定装置を含むことができる。その結果、オーゼティック部分1056の設定サイズを維持することができる。
【0126】
たとえば、いくつかの実施形態において、靴ひも1017は、伸張性ストランド1050の設定張力を実質的に維持するために、伸張性ストランド1050に係合することができる。一般に、靴ひも1017は、非固定位置を有することができ、この場合、靴ひも1017は、オーゼティック部分1058,1060を調節するために、伸張性ストランド1050が操作されることを可能にするために、ニット要素1031に対して伸張性ストランド1050を固定しない。また、靴ひも1017は、
図20に示す第1の固定位置を有することができ、この場合、靴ひも1017は、オーゼティック部分1058,1060を第1のサイズに維持するための、伸張性ストランド1050の第1の量の張力を維持することができる。さらに、靴ひも1017は、
図21に示す第2の固定位置を有することができ、この場合、靴ひも1017は、オーゼティック部分1058,1060を第2のサイズに維持するための、伸張性ストランド1050の第2の量の張力を維持することができる。
【0127】
より具体的には、
図20は、靴ひも1017が、着用者の足に比較緩く結び付けられ、それによって、伸張性ストランド1050が比較的低い張力を有している実施形態を示す。
図21は、靴ひも1017が、足に比較的きつく結び付けられ、それによって、伸張性ストランド1050が比較的高い張力を有している実施形態を示す。
図20および
図21の両方において、着用者の足が静止しており、および履物1000が、大略的にニュートラル位置にあることは正しく認識されるであろう。
【0128】
靴ひも1017が緩く結ばれている場合、オーゼティック部分1056は、サイズがより大きくなっているため、ニット要素1031およびアッパー1020は、詳細に上述したように、より大きな伸張範囲を有することができる。対照的に、靴ひも1017がきつく結ばれている場合に呈する、より小さなオーゼティック部分1056は、ニット要素1031およびアッパー1020が、より小さな伸張範囲を有することを可能にすることができる。
【0129】
したがって、いくつかの実施形態において、ユーザは、加えられる力に応答して、アッパー1020を長手方向1007、横方向1008および/または垂直方向1009にどれくらい伸張させたいかを選択することができる。したがって、アッパー1020の伸張挙動は、着用者の要求および要望に合わせることができる。
【0130】
調節可能なオーゼティック部分を有する衣料製品
次に、
図22および
図23を参照すると、本開示の別の実施形態が図示されている。図示されているように、衣料製品2001は、ニット構成要素2030を組み込むことができる。ニット構成要素2030は、一つ以上のオーゼティック部分2056を含むことができる。また、ニット構成要素2030は、オーゼティック部分2056のサイズを調節するために構成された伸張性ストランド2050も含むことができる。伸張性ストランド2050の張力を変えることにより、オーゼティック部分2056のサイズを選択および変更することができる。したがって、伸張特性、たとえば、ニット要素2031の伸張範囲を選択および変更することができる。
【0131】
図22および
図23に図示されているように、衣料製品2001は、シャツ、スウェットシャツ、または、胴および/または腕に着用される他の製品とすることができる。しかし、衣料製品2001を、体の他の区域を覆うために構成できることは正しく認識されるであろう。いくつかの実施形態において、ニット構成要素2030は、衣料製品2001の大部分を画定することができる。他の実施形態では、ニット構成要素2030は、衣料品2001の局所区域を画定することができる。
【0132】
また、オーゼティック部分2056は、衣料品2001の任意の適当な区域に組み込むことができる。たとえば、オーゼティック部分2056は、解剖学的関節の近傍の衣料品2001の区域に組み込むことができる。したがって、オーゼティック部分2056は、着用者が関節を曲げたときに生じる、衣料品2001の伸張に影響を及ぼす可能性がある。また、いくつかの実施形態において、オーゼティック部分2056は、着用者の筋肉の曲がりまたは他の動きによって伸張する区域に組み込むことができる。具体的には、図示の実施形態に示されているように、オーゼティック部分2056は、着用者の肘に近い区域のスリーブ2005に組み込むことができる。したがって、オーゼティック部分2056は、たとえば、肘関節の曲げにより、伸張することができる。より具体的には、衣料品2001は、肘関節の曲げにより、スリーブ2005の長手方向軸2007に沿って伸張して長くなる可能性がある。さらに、衣料品2001のオーゼティックな性質のため、スリーブ2005は、この伸張の結果として、長手方向軸2007の周りに延びている周方向に伸張することができる。したがって、いくつかの実施形態において、周方向の伸張は、着用者の腕からスリーブ2005を有効に弛めることができる。さらに、上述した実施形態と同様に、肘関節近傍での伸張範囲は、伸張性ストランド2050を用いて調節することができる。
【0133】
図22および
図23に図示されているように、ニット構成要素2030は、ニット要素2031と、一つ以上の伸張性ストランド2050とを含むことができる。いくつかの実施形態において、伸張性ストランド2050は、第1の端部2051と、第2の端部2053と、第1の端部2051と第2の端部2053との間に画定されている中間区画2055とを含むことができる。
【0134】
いくつかの実施形態において、伸張性ストランド2050は、衣料品2001のスリーブ2005の長手方向軸2007に大略的に沿って延びることができる。また、いくつかの実施形態において、第1の端部2051は、スリーブ2005の近位領域に設けることができ、また、第2の端部2053は、スリーブ2005の遠位領域に設けることができる。
【0135】
伸張性ストランド2050は、任意の適当な方法でオーゼティック部分2056に係合することができる。たとえば、いくつかの実施形態において、伸張性ストランド2050は、
図8~
図13と同様の方法でオーゼティック部分2056に係合することができる。他の実施形態では、伸張性ストランド2050は、
図14~
図17と同様の方法でオーゼティック部分2056に係合することができる。伸張性ストランド2050が、本開示の範囲から逸脱することなく、他の方法でも同様にオーゼティック部分2056に係合させることができることは正しく認識されるであろう。
【0136】
上述した実施形態と同様に、ユーザは、伸張性ストランド2050を引っ張って、オーゼティック部分2056のサイズを変更することができる。その結果、スリーブ2005の伸張範囲を選択および変更することができる。したがって、いくつかの実施形態において、着用者は、所望時に、より大きな湾曲の範囲を有するように、スリーブ2005を構成することができる。着用者は、所望時に、より小さな湾曲の範囲を有するように、スリーブ2005を選択的に構成することができる。
【0137】
いくつかの実施形態において、第1の端部2051は、ニット要素2031に固定することができる。対照的に、第2の端部2053は、ニット要素2031から露出させることができ、およびニット要素2031から延ばすことができる。着用者は、たとえば、第2の端部2053を引っ張って、オーゼティック部分2056を調節することができる。たとえば、オーゼティック部分2056が
図22の位置にあると仮定すると、着用者は、第2の端部2053を引っ張って、オーゼティック部分2056を、
図23の、より大きなサイズの位置に調節することができる。その結果、ユーザは、衣料品2001の伸張範囲を拡大することができる。
【0138】
さらに、いくつかの実施形態において、衣料品2001は、固定装置2008を含むことができる。固定装置2008は、伸張性ストランド2050を固定するために、ひいては、オーゼティック部分2056を、選択したサイズおよび位置に固定するために用いることができる。固定装置2008は、クランプ、ひも、スプール、または、伸張性ストランド2050をニット要素2031に着脱可能に固定する器具を含むことができる。図示されている実施形態においては、たとえば、固定装置2008は、模式的に、および衣料品2001の袖口2009の近傍に図示されている。固定装置2008は、オーゼティック部分を所望のサイズに維持するために、第2の端部2053を袖口2009に着脱可能に固定することができる。追加的な実施形態において、固定装置2008は、伸張性ストランド2050に形成された取外し可能な結び目とすることができ、その結び目は、スリーブ2005が伸張した場合に、第2の端部2053がニット要素2031内に滑り込むことを防ぐように、袖口2009に干渉することができる。
【0139】
衣料品2001が、追加的なオーゼティック部分2056を異なる区域に有する追加的な伸張性ストランド2050を含むこともできることは正しく認識されるであろう。それらのオーゼティック部分2056は、衣料品2001のそれぞれの区域が異なる伸張特性を呈することができるように、個別に調節することができる。
【0140】
要約すると、上述したニット構成要素は、多数の方向のうちの一つに印加される伸張力の結果として、ニット構成要素がそれらの方向に容易に伸張することを可能にするニットオーゼティック部分を含むことができる。伸張の量または範囲は、オーゼティック部分のサイズを変えることにより、影響を与え、選択および変更することができる。たとえば、オーゼティック部分のサイズは、伸張性ストランド内の張力を操作および変化させることにより、都合よく変更することができる。したがって、ニット構成要素は、ユーザの要求および要望に従って調整することができる。
【0141】
本開示のさまざまな実施形態について説明してきたが、その説明は、限定的であるというよりも、例示的であることが意図されており、また、当業者には、本開示の範囲内にあるより多くの実施形態および実施態様が可能であることは明らかであろう。したがって、本開示は、添付クレームおよびそれらの等価物の観点を除いて限定すべきではない。また、さまざまな変更および変形を、添付クレームの範囲内で行うことができる。さらに、先行のクレームを参照する場合の「のいずれか」という用語は、クレームで用いる場合、(i)いずれか一項のクレーム、または(ii)参照される2つ以上のクレームのいずれかの組合せを意味することが意図されている。