(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】申請支援システム及び申請支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240401BHJP
G06Q 50/26 20240101ALI20240401BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/26
(21)【出願番号】P 2022111747
(22)【出願日】2022-07-12
(62)【分割の表示】P 2020186028の分割
【原出願日】2020-11-06
【審査請求日】2022-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】594172271
【氏名又は名称】富士フイルムシステムサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山村 智英
(72)【発明者】
【氏名】小松 直哉
【審査官】毛利 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-200549(JP,A)
【文献】特開2020-035398(JP,A)
【文献】特開2002-149903(JP,A)
【文献】特開2000-011036(JP,A)
【文献】特開2019-021099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メッセージングサービスを利用した
、利用者自身が保有する携帯端末を用いた、自治体における申請支援システムであって、
自治体への申請に先立ち、当該申請を特定可能な質問に対する回答を前記
携帯端末から受け付け、
受け付けた回答により特定される、光学的に読み取り可能で、かつ、符号化された符号化情報とされた、当該申請の手続きの申請書に記載される申請情報を、前記
携帯端末のメッセージングサービスにおける画面上に表示させ
、
前記申請情報が表示された前記携帯端末の画面は、自治体に設置されている読取装置にかざすことで、前記申請情報を自治体のシステムに入力させるための画面である、
申請支援システム。
【請求項2】
メッセージングサービスを利用した
、利用者自身が保有する携帯端末を用いた、自治体における申請支援システムであって、
自治体への申請に先立ち、当該申請を特定可能な質問に対する回答を前記
携帯端末から受け付け、
受け付けた回答により特定される、光学的に読み取り可能で、かつ、符号化された符号化情報とされた、当該申請の手続きの申請書に記載される申請情報を、前記
携帯端末のメッセージングサービスにおける画面上の吹き出しに表示させ
、
前記申請情報が表示された前記携帯端末の画面は、自治体に設置されている読取装置にかざすことで、前記申請情報を自治体のシステムに入力させるための画面である、
申請支援システム。
【請求項3】
メッセージングサービスを利用した
、利用者自身が保有する携帯端末を用いた、自治体における申請支援システムであって、
自治体への申請に先立ち、当該申請を特定可能な質問に対する回答を前記
携帯端末から受け付け、
受け付けた回答内容を確認させるための画面を前記
携帯端末に表示させ、
前記
携帯端末から確認の旨の情報が送信されると、受け付けた回答により特定される、光学的に読み取り可能で、かつ、符号化された符号化情報とされた、当該申請の手続きの申請書に記載される申請情報を、前記
携帯端末のメッセージングサービスにおける画面上に表示させ
、
前記申請情報が表示された前記携帯端末の画面は、自治体に設置されている読取装置にかざすことで、前記申請情報を自治体のシステムに入力させるための画面である、
申請支援システム。
【請求項4】
利用者自身が保有する携帯端末を用いた、自治体における申請支援システムであって、
自治体への申請に先立ち、当該申請を特定可能な質問に対する回答を前記
携帯端末から受け付け
、
受け付けた回答により特定される、光学的に読み取り可能で、かつ、符号化された符号化情報とされた、当該申請の手続きの申請書に記載される申請情報を、前記
携帯端末
の画面
上に表示させ
、
前記申請情報が表示された前記携帯端末の画面は、自治体に設置されている読取装置にかざすことで、前記申請情報を自治体のシステムに入力させるための画面である、
申請支援システム。
【請求項5】
メッセージングサービスを利用した
、利用者自身が保有する携帯端末を用いた、自治体における申請支援システムで実行される申請支援プログラムであって、
自治体への申請に先立ち、当該申請を特定可能な質問に対する回答を前記
携帯端末から受け付け、
受け付けた回答により特定される、光学的に読み取り可能で、かつ、符号化された符号化情報とされた、当該申請の手続きの申請書に記載される申請情報を、前記
携帯端末のメッセージングサービスにおける画面上に表示させ
、
前記申請情報が表示された前記携帯端末の画面は、自治体に設置されている読取装置にかざすことで、前記申請情報を自治体のシステムに入力させるための画面である、
処理をコンピュータに実行させるための申請支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、申請支援システム及び申請支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、証明書情報ファイルと証明書交付カード発行機とを有し、該証明書情報ファイルが、証明書情報を格納したものとされた証明書交付装置が開示されている。この証明書交付装置は、該証明書交付カード発行機が、記録媒体カードに情報を書き込む書込装置を備え、指定された証明書情報を該証明書情報ファイルから抽出して該記録媒体カードに記録し証明書交付カードとして発行するものであることを特徴とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、自治体への申請書に記載される申請情報をテキスト情報とする場合に比較して、当該情報の漏洩を防止することができる申請支援システム及び申請支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、第1態様に係る申請支援システムは、メッセージングサービスを利用した、利用者自身が保有する携帯端末を用いた、自治体における申請支援システムであって、自治体への申請に先立ち、当該申請を特定可能な質問に対する回答を前記携帯端末から受け付け、受け付けた回答により特定される、光学的に読み取り可能で、かつ、符号化された符号化情報とされた、当該申請の手続きの申請書に記載される申請情報を、前記携帯端末のメッセージングサービスにおける画面上に表示させ、前記申請情報が表示された前記携帯端末の画面は、自治体に設置されている読取装置にかざすことで、前記申請情報を自治体のシステムに入力させるための画面であるものである。
【0006】
また、上記目的を達成するために、第2態様に係る申請支援システムは、メッセージングサービスを利用した、利用者自身が保有する携帯端末を用いた、自治体における申請支援システムであって、自治体への申請に先立ち、当該申請を特定可能な質問に対する回答を前記携帯端末から受け付け、受け付けた回答により特定される、光学的に読み取り可能で、かつ、符号化された符号化情報とされた、当該申請の手続きの申請書に記載される申請情報を、前記携帯端末のメッセージングサービスにおける画面上の吹き出しに表示させ、前記申請情報が表示された前記携帯端末の画面は、自治体に設置されている読取装置にかざすことで、前記申請情報を自治体のシステムに入力させるための画面であるものである。
【0007】
また、上記目的を達成するために、第3態様に係る申請支援システムは、メッセージングサービスを利用した、利用者自身が保有する携帯端末を用いた、自治体における申請支援システムであって、自治体への申請に先立ち、当該申請を特定可能な質問に対する回答を前記携帯端末から受け付け、受け付けた回答内容を確認させるための画面を前記携帯端末に表示させ、前記携帯端末から確認の旨の情報が送信されると、受け付けた回答により特定される、光学的に読み取り可能で、かつ、符号化された符号化情報とされた、当該申請の手続きの申請書に記載される申請情報を、前記携帯端末のメッセージングサービスにおける画面上に表示させ、前記申請情報が表示された前記携帯端末の画面は、自治体に設置されている読取装置にかざすことで、前記申請情報を自治体のシステムに入力させるための画面であるものである。
【0008】
また、上記目的を達成するために、第4態様に係る申請支援システムは、利用者自身が保有する携帯端末を用いた、自治体における申請支援システムであって、自治体への申請に先立ち、当該申請を特定可能な質問に対する回答を前記携帯端末から受け付け、受け付けた回答により特定される、光学的に読み取り可能で、かつ、符号化された符号化情報とされた、当該申請の手続きの申請書に記載される申請情報を、前記携帯端末の画面上に表示させ、前記申請情報が表示された前記携帯端末の画面は、自治体に設置されている読取装置にかざすことで、前記申請情報を自治体のシステムに入力させるための画面であるものである。
【0009】
更に、上記目的を達成するために、第5態様に係る申請支援プログラムは、メッセージングサービスを利用した、利用者自身が保有する携帯端末を用いた、自治体における申請支援システムで実行される申請支援プログラムであって、自治体への申請に先立ち、当該申請を特定可能な質問に対する回答を前記携帯端末から受け付け、受け付けた回答により特定される、光学的に読み取り可能で、かつ、符号化された符号化情報とされた、当該申請の手続きの申請書に記載される申請情報を、前記携帯端末のメッセージングサービスにおける画面上に表示させ、前記申請情報が表示された前記携帯端末の画面は、自治体に設置されている読取装置にかざすことで、前記申請情報を自治体のシステムに入力させるための画面である、処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
第1態様~第5態様によれば、自治体への申請書に記載される申請情報をテキスト情報とする場合に比較して、当該情報の漏洩を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る申請支援システムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る申請支援システムの機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る質問情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図4】実施形態に係る手引き情報データベースの構成の一例を示す模式図である。
【
図5】実施形態に係る自治体申請処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】実施形態に係る申請初期画面の一例を示す正面図である。
【
図7】実施形態に係る第1質問画面の一例を示す正面図である。
【
図8】実施形態に係る第2質問画面の一例を示す正面図である。
【
図9】実施形態に係る住民異動事前申請画面の一例を示す正面図である。
【
図10】実施形態に係る入力結果確認画面の一例を示す正面図である。
【
図11】実施形態に係る手引き画面(その1)の一例を示す正面図である。
【
図12】実施形態に係る手引き画面(その2)の一例を示す正面図である。
【
図13】実施形態に係る手引き画面(その3)の一例を示す正面図である。
【
図14】実施形態に係る申請支援処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明を、自治体に対する住民異動に関する申請を支援する申請支援サービスを提供する申請支援サービス提供者が保有する申請支援装置と、当該申請支援サービスを利用する利用者が保有する端末とを含む申請支援システムに適用した場合について説明する。なお、ここでいう「申請」は、住民異動に関する申請のみに限らず、氏名変更、死亡、転入、転居、結婚、離婚、住宅被害等の届け出のための申請や、住民票、戸籍、印鑑登録、マイナンバーカードの証明書等の発行のための申請等を適用することができる。
【0013】
まず、
図1及び
図2を参照して、本実施形態に係る申請支援システム90の構成を説明する。
図1は、本実施形態に係る申請支援システム90のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。また、
図2は、本実施形態に係る申請支援システム90の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る申請支援システム90は、ネットワーク80に各々アクセス可能とされた、申請支援装置10と、複数の端末20と、を含む。また、本実施形態に係る申請支援システム90は、ネットワーク80に各々アクセス可能とされた、一般の利用者に予め定められたメッセージングサービスを提供するメッセージングサービス提供者(以下、「MS提供者」という。)が保有するサーバであるMSサーバ30と、自治体において住民の異動に関する申請の受け付けを支援するサービスである異動受付支援サービスを提供するためのサーバである自治体サーバ50と、を含む。なお、申請支援装置10の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。また、端末20の例としては、スマートフォンや、ノートブック型のパーソナルコンピュータ、タブレット端末等の携帯型の端末が挙げられる。
【0015】
本実施形態では、ネットワークNとして、インターネット、電話回線網等の公共の通信回線を適用しているが、この形態に限定されるものではない。ネットワークNとして、例えば、これらの公共の通信回線と、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の企業内の通信回線とを組み合わせて適用する形態としてもよい。
【0016】
本実施形態に係る端末20は、申請支援システム90が対象としている複数の利用者が保有する端末である。端末20は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)21、一時記憶領域としてのメモリ22、不揮発性の記憶部23、タッチパネル等の入力部24、液晶ディスプレイ等の表示部25、媒体読み書き装置(R/W)26、及び無線通信部27を備えている。CPU21、メモリ22、記憶部23、入力部24、表示部25、媒体読み書き装置26、及び無線通信部27はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置26は、記録媒体28に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体28への情報の書き込みを行う。
【0017】
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部23には、自治体申請プログラム23Aが記憶されている。自治体申請プログラム23Aは、自治体申請プログラム23Aが書き込まれた記録媒体28が媒体読み書き装置26にセットされ、媒体読み書き装置26が記録媒体28からの自治体申請プログラム23Aの読み出しを行うことで、記憶部23へ記憶される。CPU21は、自治体申請プログラム23Aを記憶部23から読み出してメモリ22に展開し、自治体申請プログラム23Aが有するプロセスを順次実行する。
【0018】
なお、本実施形態では、自治体申請プログラム23Aが、申請支援システム90が対象としている自治体から各利用者に提供されて当該利用者の端末20にインストールされる形態としているが、これに限るものではない。例えば、自治体申請プログラム23Aは、申請支援サービス提供者から各利用者に提供されて当該利用者の端末20にインストールされる形態としてもよい。以下では、錯綜を回避するために、対象とする自治体を1つの自治体(以下、「対象自治体」という。)のみとし、自治体申請プログラム23Aも当該対象自治体のみに対応する単一のものが端末20にインストールされているものとして説明する。また、自治体申請プログラム23Aが、必ずしも当該利用者の端末20にインストールされる必要はない。当該利用者の端末20が申請支援システム90のWebサイトにアクセスして、Webサイトの情報を操作できるものであってもよい。
【0019】
また、無線通信部27は、申請支援装置10、MSサーバ30及び自治体サーバ50との間で、無線で通信を行うものである。本実施形態に係る無線通信部27では、通信規格として、4G、5G等のモバイル通信規格が適用されているが、これに限るものではない。例えば、WiFi(登録商標)規格、Bluetooth(登録商標)規格、NFC(Near Field Communication)規格等の申請支援装置10や各サーバとの間で無線通信が可能な規格であれば、如何なる通信規格も、無線通信部27の通信規格として適用できる。また、端末20と、申請支援装置10、MSサーバ30及び自治体サーバ50との間の通信は無線通信に限らず、有線通信を適用する形態としてもよく、無線通信と有線通信とを組み合わせて適用する形態としてもよい。
【0020】
なお、図示は省略するが、端末20としてスマートフォンを適用する場合には、話者が発した音声を収集するマイクや、音声を出力するためのスピーカ等のスマートフォンとしての機能を実現するための他の構成品が端末20に備えられていることは言うまでもない。
【0021】
一方、申請支援装置10は、申請支援システム90において中核的な役割を有する装置である。申請支援装置10は、プロセッサとしてのCPU11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスB2を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
【0022】
記憶部13はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、申請支援プログラム13Aが記憶されている。申請支援プログラム13Aは、申請支援プログラム13Aが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの申請支援プログラム13Aの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、申請支援プログラム13Aを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、申請支援プログラム13Aが有するプロセスを順次実行する。
【0023】
また、記憶部13には、質問情報データベース13B、及び手引き情報データベース13Cが記憶される。これらの各データベースについては、詳細を後述する。
【0024】
一方、MSサーバ30は、一般に利用されているメッセージングサービスを管理する装置である。なお、本実施形態では、上記メッセージングサービスとしてLINE(登録商標)を適用しているが、これに限るものではない。例えば、+メッセージ(登録商標)、WHATSAPP(登録商標)等の他のサービスを上記メッセージングサービスとして適用する形態としてもよい。
【0025】
更に、自治体サーバ50は、上述したように、対象自治体により異動受付支援サービスを提供するためのサーバである。なお、本実施形態では、上記対象自治体として、市区町村単位の自治体を適用しているが、これに限るものではない。例えば、都道府県単位等の他の単位の自治体を、上記対象自治体として適用する形態としてもよい。
【0026】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る申請支援システム90における申請支援装置10及び端末20の機能的な構成について説明する。
【0027】
図2に示すように、本実施形態に係る申請支援装置10は、受付部11A、制御部11B、及び保持部11Cを含む。申請支援装置10のCPU11が申請支援プログラム13Aを実行することで、受付部11A、制御部11B、及び保持部11Cとして機能する。
【0028】
本実施形態に係る受付部11Aは、対象自治体への申請(ここでは、住民異動に関する申請)に先立ち、当該申請を特定可能な質問に対する回答を受け付ける。ここで、本実施形態に係る受付部11Aは、上記申請を特定可能で、かつ、段階的に構成された質問に対する回答を受け付ける。なお、本実施形態では、当該段階的に構成された質問の段階数として2段階を適用しているが、これに限るものではなく、3段階以上の段階数を質問の段階数として適用する形態としてもよい。
【0029】
また、本実施形態に係る制御部11Bは、受付部11Aによって受け付けられた回答により特定される申請をする際の手引きとなる手引き情報を、予め定められた種類毎に区分して表示部(本実施形態では、端末20の表示部25)に表示する制御を行う。ここで、本実施形態に係る制御部11Bは、手引き情報を、予め定められた種類毎に異なる吹き出しに区分して表示部に表示する制御を行う。
【0030】
なお、本実施形態では、上記手引き情報として、上記申請の手続きの内容、当該申請の手続きを行う窓口、当該申請の手続きに要する持参品、及び当該申請の手続きの申請書に記載する情報の全てを含むものとしているが、これに限るものではない。例えば、これらの4種類の情報のうちの1種類のみ、又は2種類の組み合わせ、又は3種類の組み合わせを手引き情報に含める形態としてもよい。
【0031】
また、本実施形態では、上記予め定められた種類として、上記申請の手続きの内容及び当該申請の手続きを行う窓口の組み合わせと、当該申請の手続きに要する持参品と、当該申請の手続きの申請書に記載する情報と、の3種類を適用しているが、これに限るものではない。例えば、これらの情報のうちの全てを個別に上記予め定められた種類として適用する形態としてもよいし、これらの情報のうちの2種類の組み合わせの種類、又は3種類の組み合わせの種類を上記予め定められた種類として適用する形態としてもよい。
【0032】
また、本実施形態では、上記申請の手続きの申請書に記載する情報を、光学的に読み取り可能で、かつ、符号化された符号化情報としている。なお、本実施形態では、上記符号化情報として二次元コードを適用しているが、これに限るものではなく、例えば、バーコード等の他の符号化コードを上記符号化情報として適用する形態としてもよい。
【0033】
また、本実施形態に係る受付部11Aは、上記吹き出しの各々に区分されて表示されている手引き情報から、吹き出し単位で表示されている情報の一括選択を受け付ける。そして、本実施形態に係る保持部11Cは、上記符号化情報を、端末20の表示部25で表示可能に当該端末20に保持させる。
【0034】
一方、本実施形態に係る端末20は、制御部21Aを含む。端末20のCPU21が、自治体申請プログラム23Aを実行することで、制御部21Aとして機能する。
【0035】
本実施形態に係る制御部21Aは、無線通信部27を介した申請支援装置10とのやり取りによって得られた各種情報を用いた表示部25による画面表示を制御する。なお、本実施形態では、端末20と申請支援装置10との間の通信を、MSサーバ30を介して行う場合について説明するが、これに限るものではない。例えば、端末20と申請支援装置10との間の通信を、自治体サーバ50を介して行う形態としてもよく、端末20と申請支援装置10との間で、直接、通信を行う形態としてもよい。
【0036】
次に、
図3を参照して、本実施形態に係る質問情報データベース13Bについて説明する。
図3は、本実施形態に係る質問情報データベース13Bの構成の一例を示す模式図である。
【0037】
本実施形態に係る質問情報データベース13Bは、申請支援システム90の利用者に対して行われる質問を示す情報が登録されたものであり、一例として
図3に示すように、種類、質問、及び識別ID(Identification)の各情報が関連付けられて記憶されている。
【0038】
上記種類は、申請支援システム90が対象としている住民異動に関する申請の種類を示す情報であり、本実施形態では、当該申請の名称を示す情報を適用している。
【0039】
また、上記質問は、申請支援システム90の利用者が、対応する申請の種類を選択した場合に、当該利用者に対して行われる質問の内容を示す情報である。上述したように、本実施形態では、当該質問が、最初に行われる第1質問、及び当該第1質問に付随して行われる第2質問の2段階の質問から構成されている。なお、本実施形態では、
図3に示すように、第1質問及び第2質問の各質問ともに、回答として「はい」及び「いいえ」の何れか一方を選択する形態としている。そして、本実施形態では、利用者が第1質問に対して「はい」と回答した場合に、当該第1質問に対応する第2質問が行われる形態とされているが、これに限るものではない。例えば、申請の対象が戸籍謄本、住民票等の各種証明書の発行の申請である場合には、当該証明書の名称を回答対象とする質問形式とする形態としてもよい。
【0040】
更に、上記識別IDは、対応する第1質問及び第2質問の組み合わせを個別に識別するために、当該組み合わせ毎に異なる情報として予め付与されたものである。
【0041】
図3に示す例では、例えば、「転入の手続き」が利用者によって選択された場合には、一例として「国民健康保険に加入する。」が第1質問として当該利用者の端末20の表示部25に表示される。そして、この第1質問に対して当該利用者が「はい」と回答した場合に、2段階目の質問として、「国民健康保険に加入する方で、転入前に「旧扶養者」に係る減免を受けている。」、「国民健康保険に加入する方で70歳以上75歳未満である。」等の質問が行われる。
【0042】
なお、
図3に示す例では、上記種類の例として「転入の手続き」及び「転出の手続き」が含まれているが、これらの手続き以外に、転居の手続き、世帯変更の手続き等の住民異動時に行う他の申請の種類が上記種類に含まれていることは言うまでもない。
【0043】
次に、
図4を参照して、本実施形態に係る手引き情報データベース13Cについて説明する。
図4は、本実施形態に係る手引き情報データベース13Cの構成の一例を示す模式図である。
【0044】
本実施形態に係る手引き情報データベース13Cは、上述した手引き情報が登録されたものであり、一例として
図4に示すように、識別ID、窓口、手続き内容、及び持ち物の各情報が関連付けられて記憶されている。
【0045】
上記識別IDは、質問情報データベース13Bの識別IDと同一の情報である。また、上記窓口、手続き内容、及び持ち物の各情報は、対応する識別IDに対応する質問に対する回答に応じた手引き情報を示す情報であり、各々、上述した申請の手続きを行う窓口、当該申請の手続きの内容、当該申請の手続きに要する持参品を示す情報である。
【0046】
図4に示す例では、例えば、利用者によって「はい」と回答された第1質問及び第2質問の組み合わせが、識別IDとして「K00X」が割り当てられた組み合わせである場合に対応する手引き情報が、「健康保険課(富士区役所1階○番窓口)」、「乳幼児健診、予防接種に関する手続き・案内」、及び「母子健康手帳、印鑑、・・・」であることを示している。
【0047】
次に、
図5~
図14を参照して、本実施形態に係る申請支援システム90の作用を説明する。まず、
図5~
図13を参照して、自治体申請処理を実行する場合の端末20の作用を説明する。
図5は、本実施形態に係る自治体申請処理の一例を示すフローチャートである。
【0048】
本実施形態に係る申請支援システム90において何れかの利用者(以下、「対象利用者」という。)が対象自治体に対して住民異動に関する申請を行うに際し、対象利用者が、自身が保有する端末20にインストールされている自治体申請プログラム23Aの実行開始を、入力部24を介して指示する。この実行開始の指示に応じて、端末20のCPU21が自治体申請プログラム23Aを実行することで、
図5に示す自治体申請処理が実行される。なお、以下では、錯綜を回避するために、質問情報データベース13B及び手引き情報データベース13Cが既に構築されている場合について説明する。また、以下では、錯綜を回避するために、各利用者により、上述したMS提供者が提供するメッセージングサービス(本実施形態では、LINE(登録商標))の利用に関する登録が予め行われている場合について説明する。更に、以下では、対象自治体によって上述した異動受付支援サービスを行うためにMSサーバ30に開設した公式アカウントにログインした状態で、自治体申請処理を実行する場合について説明する。
【0049】
図5のステップ100で、CPU21は、予め定められたフォーマットとされた申請初期画面を表示部25に表示させるように制御する。ステップ102で、CPU21は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。
図6は、本実施形態に係る申請初期画面の一例を示す正面図である。
【0050】
図6に示すように、本実施形態に係る申請初期画面では、申請の種類の選択を促すメッセージが表示されると共に、選択可能な申請の種類、及び当該申請の種類を選択する場合に指定される指定領域25Aが表示される。なお、上記選択可能な申請の種類は、上述した申請支援システム90が対象としている申請の種類を示す情報であり、質問情報データベース13Bに登録されている種類の各情報に相当する。本実施形態に係る自治体申請処理では、MSサーバ30を介して申請支援装置10の質問情報データベース13Bから当該種類の各情報を読み出して利用しているが、これに限定されるものではない。例えば、当該種類の各情報を予め端末20の記憶部23に記憶しておいて利用する形態としてもよいし、当該種類の各情報を申請支援装置10から直接受信して利用する形態としてもよい。
【0051】
一例として
図6に示す申請初期画面が端末20の表示部25に表示されると、対象利用者は、表示されている申請の種類のうちの所望の種類に対応する指定領域25Aを、入力部24を介して指定する。この指定に応じてステップ102が肯定判定となってステップ104に移行する。
【0052】
ステップ104で、CPU21は、申請初期画面で対象利用者によって選択された申請の種類を示す種類情報(以下、「申請種類情報」という。)を、MSサーバ30を介して申請支援装置10に送信する。この申請種類情報を受信すると、申請支援装置10は、後述するように、当該申請種類情報が示す種類に対応する、上述した第1質問及び第2質問の各情報を含む質問情報を申請種類情報の送信元の端末20にMSサーバ30を介して送信する。
【0053】
そこで、ステップ106で、CPU21は、質問情報が受信されるまで待機し、ステップ108で、CPU21は、受信した質問情報に含まれる第1質問を用いて、予め定められたフォーマットとされた第1質問画面を表示部25に表示させるように制御する。ステップ110で、CPU21は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。
図7は、本実施形態に係る第1質問画面の一例を示す正面図である。
【0054】
図7に示すように、本実施形態に係る第1質問画面では、対象利用者が選択した申請の種類を示す情報が表示されると共に、当該申請の種類に対応する第1質問、及び当該第1質問に対する回答が選択可能な選択領域25Bが表示される。上述したように、本実施形態では、第1質問に対する回答として、「はい」及び「いいえ」の何れか一方を回答するものとされているため、選択領域25Bも、「はい」及び「いいえ」の何れか一方が選択可能とされている。
【0055】
なお、この際の選択指定を容易とするため、全ての第1質問に対応する選択領域25Bのデフォルトの表示を「いいえ」が選択されている状態としておき、「はい」に該当する第1質問のみ、対象利用者に選択領域25Bへの操作を行わせる形態としてもよい。また、
図7に示すように、本実施形態では、「はい」及び「いいえ」の何れか一方を選択するために選択領域25Bを表示する形態としているが、これに限るものではない。例えば、選択領域25Bを表示することなく、「はい」に該当する第1質問の表示領域のみ、入力部24を介して対象利用者に指定させる形態としてもよい。
【0056】
一例として
図7に示す第1質問画面が端末20の表示部25に表示されると、対象利用者は、表示されている全ての第1質問に対して「はい」又は「いいえ」を指定した後、終了ボタン25Eを指定する。この終了ボタン25Eの指定に応じてステップ110が肯定判定となってステップ112に移行する。
【0057】
ステップ112で、CPU21は、受信した質問情報に含まれる第2質問を用いて、予め定められたフォーマットとされた第2質問画面を表示部25に表示させるように制御する。ステップ114で、CPU21は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。
図8は、本実施形態に係る第2質問画面の一例を示す正面図である。
【0058】
図8に示すように、本実施形態に係る第2質問画面では、対象利用者が「はい」と回答した第1質問に対応する手続きの内容(
図8に示す例では、「国民健康保険の手続き」)が表示されると共に、当該第1質問に対応する第2質問、及び当該第2質問に対する回答が選択可能な選択領域25Bが表示される。上述したように、本実施形態では、第2質問に対する回答としても、「はい」及び「いいえ」の何れか一方を回答するものとされているため、選択領域25Bも、「はい」及び「いいえ」の何れか一方が選択可能とされている。
【0059】
なお、この際の選択指定を容易とするため、全ての第2質問に対応する選択領域25Bのデフォルトの表示を「いいえ」が選択されている状態としておき、「はい」に該当する第2質問のみ、対象利用者に選択領域25Bへの操作を行わせる形態としてもよいことは第1質問の場合と同様である。また、
図8に示すように、本実施形態では、「はい」及び「いいえ」の何れか一方を選択するために選択領域25Bを表示する形態としているが、これに限るものではない。例えば、選択領域25Bを表示することなく、「はい」に該当する第2質問の表示領域のみ、入力部24を介して指定する形態としてもよいことも第1質問の場合と同様である。
【0060】
一例として
図8に示す第2質問画面が端末20の表示部25に表示されると、対象利用者は、表示されている全ての第2質問に対して「はい」又は「いいえ」を指定した後、終了ボタン25Eを指定する。この終了ボタン25Eの指定に応じてステップ114が肯定判定となってステップ116に移行する。
【0061】
ステップ116で、CPU21は、第1質問画面及び第2質問画面の各画面での対象利用者による回答結果を示す情報(以下、「回答結果情報」という。)を、MSサーバ30を介して申請支援装置10に送信する。この際、CPU21は、回答結果情報として、対象利用者が「はい」と回答した第1質問及び第2質問の組み合わせを示す情報を作成する。この回答結果情報を受信すると、申請支援装置10は、当該回答結果情報を記憶部13に一時的に記憶する。
【0062】
ステップ118で、CPU21は、予め定められたフォーマットとされた住民異動事前申請画面を表示部25に表示させるように制御する。ステップ120で、CPU21は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。
図9は、本実施形態に係る住民異動事前申請画面の一例を示す正面図である。
【0063】
図9に示すように、本実施形態に係る住民異動事前申請画面では、異動の申請の手続きに要する情報(以下、「申請情報」という。)の入力を促すメッセージが表示され、かつ、異動日、異動事由等といった各種の申請情報が入力される入力領域25Dが表示される。
【0064】
一例として
図9に示す住民異動事前申請画面が端末20の表示部25に表示されると、対象利用者は、自身に関する申請情報を、対応する入力領域25Dに入力部24を介して入力する。対象利用者による申請情報の入力が終了するとステップ120が肯定判定となってステップ122に移行する。
【0065】
ステップ122で、CPU21は、住民異動事前申請画面で対象利用者によって入力された申請情報を用いて、予め定められたフォーマットとされた入力結果確認画面を表示部25に表示させるように制御する。ステップ124で、CPU21は、予め定められた情報が入力されるまで待機する。
図10は、本実施形態に係る入力結果確認画面の一例を示す正面図である。
【0066】
図10に示すように、本実施形態に係る入力結果確認画面では、表示内容で二次元コードを作成することの良否の入力を促すメッセージが表示されると共に、住民異動事前申請画面で対象利用者によって入力された申請情報が一覧形式に表示される。
【0067】
一例として
図10に示す入力結果確認画面が端末20の表示部25に表示されると、対象利用者は、表示内容が自身に関する申請情報として正しいか否かを判断し、正しい場合は「よい」ボタン25Fを、入力部24を介して指定する。なお、本実施形態に係る自治体申請処理では、入力結果確認画面の表示内容が正しくない場合は、対象利用者が端末20に対して予め定められた操作を行うことで、表示部25の表示対象を住民異動事前申請画面に戻し、誤っている情報を更新させるものとしている。
【0068】
対象利用者によって「よい」ボタン25Fが指定されると、ステップ126に移行し、CPU21は、入力結果確認画面で表示した申請情報を、MSサーバ30を介して申請支援装置10に送信する。
【0069】
申請情報を受信すると、申請支援装置10は、後述するように、当該申請情報を示す二次元コードを作成する。次いで、申請支援装置10は、回答結果情報を記憶部13から読み出し、当該回答結果情報に含まれる、上述した第1質問及び第2質問の組み合わせに対応する、上述した窓口、手続き内容、及び持ち物の各情報を手引き情報データベース13Cから読み出す。そして、申請支援装置10は、読み出した窓口、手続き内容、及び持ち物の各情報を含む手引き情報と、作成した二次元コードとを、回答結果情報及び申請情報の送信元の端末20の表示部25に表示させる手引き情報提示処理を行う。この際、申請支援装置10は、手引き情報提示処理による表示を、MSサーバ30によるメッセージングサービス(本実施形態では、LINE(登録商標))において採用されているフォーマットでの吹き出しを用いた表示により行う。
【0070】
そこで、ステップ128で、CPU21は、申請支援装置10で実行される手引き情報提示処理と連携する処理である端末側手引き情報提示処理を実行する。この端末側手引き情報提示処理の実行により、対象利用者が保有する端末20の表示部25には、一例として
図11~
図13に示される手引き画面が表示される。
図11は、本実施形態に係る手引き画面(その1)の一例を示す正面図である。また、
図12は、本実施形態に係る手引き画面(その2)の一例を示す正面図である。更に、
図13は、本実施形態に係る手引き画面(その3)の一例を示す正面図である。
【0071】
一例として
図11に示すように、本実施形態に係る手引き画面(その1)では、確認を促すメッセージが単一の吹き出し25C1に表示されると共に、上記手引き情報に含まれる窓口及び手続き内容の各情報が吹き出し25C2に、手続き毎に区分して表示される。
【0072】
また、一例として
図12に示すように、本実施形態に係る手引き画面(その2)では、上記手引き情報に含まれる持ち物を示す情報が単一の吹き出し25C3に表示されると共に、代理人が手続きする場合の持ち物を示す情報が単一の吹き出し25C4に表示される。このように、本実施形態では、手引き画面で代理人が手続きする場合の持ち物についても表示しているため、図示は省略するが、本実施形態に係る手引き情報データベース13Cには、手続きの種類毎に、当該代理人が手続きする場合の持ち物を示す情報も登録されている。
【0073】
更に、一例として
図13に示すように、本実施形態に係る手引き画面(その3)では、二次元コードを保持したうえで窓口まで持参する旨を促すメッセージが単一の吹き出し25C5に表示されると共に、二次元コード25Gが単一の吹き出し25C6に表示される。
【0074】
従って、対象利用者は、手引き画面を参照することで、自治体へ申請する際の手引きとなる手引き情報を、予め定められた種類毎に区分せずに纏めて表示する場合に比較して、容易に当該手引き情報を把握することができる。
【0075】
対象利用者は、手引き画面に表示されている各吹き出し内の情報を把握すると、手引き画面(その3)での指示に応じて、二次元コード25Gを予め定められた操作(本実施形態では、スクリーンショットを行う操作)により端末20に保持し、その後に手引き画面に表示されている確認終了ボタン25Hを指定する。この確認終了ボタン25Hの指定に応じて本自治体申請処理を終了する。
【0076】
なお、対象利用者は、手引き画面によって把握した持ち物と、二次元コード25Gが保持された端末20とを持参して、対象自治体における、手引き画面によって把握した窓口まで出向き、二次元コードを当該窓口の近傍に設けられた二次元コード読取装置にかざす。これに応じて、対象自治体に設けられている自治体サーバ50に実装された住民異動支援サービスのためのシステムに、二次元コードが示す申請情報が自動的に入力される結果、住民異動に関する手続きを短時間で行うことができる。
【0077】
また、上述したように、本実施形態に係る手引き画面では、上記吹き出しの各々に区分されて表示されている手引き情報から、吹き出し単位で表示されている情報の一括選択を受け付けるものとしているため、吹き出しに表示されている複数の情報を個別に選択する場合に比較して、選択の手間を削減することができる。
【0078】
例えば、吹き出しで表示されている情報を選択して、複製し、貼り付ける場合がある。
【0079】
この場合、全ての情報を一つの吹き出しで表示している場合には、全ての情報が表示されている吹き出しを選択した上で、選択した全ての情報を複製して、他へ貼り付けることになる。この場合、全ての情報ではなく、申請の手引きの内容、申請の手続きを行う窓口、申請の手続きに要する持参品、申請の手続きの申請書に記載する情報等、少なくとも一つを部分的に選択して、複製し他へ貼り付けたい場合、ユーザは全ての情報を選択し、複製して他へ貼り付けた上で、ユーザの必要な情報のみを残しつつ、他の情報を削除しなければいけない。
【0080】
一方、手引き情報を各々に区分して、吹き出し単位で表示した場合、ユーザが必要とする情報に該当する吹き出しを選択して、複製、貼り付けを行えば良いため、ユーザが後に必要な情報のみを残して、他の情報を削除する手間がなくなる。
【0081】
次に、
図14を参照して、申請支援処理を実行する場合の申請支援装置10の作用を説明する。
図14は、本実施形態に係る申請支援処理の一例を示すフローチャートである。
【0082】
本実施形態に係る申請支援装置10では、予め定められたタイミング(本実施形態では、申請支援システム90の稼働日における予め定められた稼働開始時刻)に申請支援装置10のCPU11が申請支援プログラム13Aを実行することで、
図14に示す申請支援処理が実行される。
【0083】
図14のステップ200で、CPU11は、上述した申請種類情報が何れかの端末20から受信されるまで待機する。ステップ202で、CPU11は、受信した申請種類情報が示す申請の種類に対応する第1質問及び第2質問の各情報を質問情報データベース13Bから読み出す。
【0084】
ステップ204で、CPU11は、読み出した第1質問及び第2質問の各情報を用いて、上述した質問情報を作成して、申請種類情報の送信元の端末20(以下、「送信元端末」という。)に送信する。質問情報を受信すると、送信元端末は、上述したように、当該質問情報に応じた第1質問及び第2質問の回答結果を示す回答結果情報を申請支援装置10に送信する。
【0085】
そこで、ステップ206で、CPU11は、送信元端末から回答結果情報を受信するまで待機する。ステップ208で、CPU11は、受信した回答結果情報を記憶部13に記憶する。
【0086】
一方、上述したように、送信元端末では、回答結果情報を申請支援装置10にMSサーバ30を介して送信した後、住民異動事前申請画面を介して入力された情報を用いて作成された申請情報を申請支援装置10に送信する。
【0087】
そこで、ステップ210で、CPU11は、申請情報を受信するまで待機し、ステップ212で、CPU11は、受信した申請情報を示す二次元コードを作成する二次元コード作成処理を実行する。
【0088】
ステップ214で、CPU11は、回答結果情報を記憶部13から読み出し、読み出した回答結果情報に含まれる第1質問及び第2質問の組み合わせに対応する窓口、手続き内容、及び持ち物の各情報を手引き情報データベース13Cから読み出す。
【0089】
ステップ216で、CPU11は、二次元コード作成処理で作成した二次元コード、及び読み出した窓口、手続き内容、及び持ち物の各情報を用いて、上述した手引き情報提示処理を実行する。
【0090】
ステップ218で、CPU11は、予め定められた終了タイミングが到来したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ200に戻る一方、肯定判定となった場合は本申請支援処理を終了する。なお、本実施形態では、上記終了タイミングとして、申請支援システム90の稼働日における予め定められた稼働終了時刻となったタイミングを適用しているが、これに限るものではない。例えば、申請支援装置10の管理者によって申請支援処理の終了を指示する指示入力が行われたタイミング等を上記終了タイミングとして適用する形態としてもよい。
【0091】
なお、上記実施形態では、申請支援装置10において申請支援処理を実行する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、端末20において申請支援処理を実行する形態としてもよい。この場合の形態例としては、質問情報データベース13B及び手引き情報データベース13Cの各データベースを申請支援装置10に格納しておき、端末20から当該各データベースにアクセスする形態を例示することができる。また、この場合の形態例としては、質問情報データベース13B及び手引き情報データベース13Cも端末20に格納しておき、当該質問情報データベース13B及び手引き情報データベース13Cを直接利用する形態も例示することができる。後者の形態例の場合、申請支援装置10が不要となり、より低コストで申請支援システム90を構築することができる。
【0092】
また、上記実施形態では、申請支援装置10と端末20との通信を、MSサーバ30を経由して行う場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、申請支援装置10と端末20との通信を、自治体サーバ50を介して行う形態としてもよく、申請支援装置10と端末20との通信を直接行う形態としてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、手引き画面の表示に、一般に用いられているメッセージングサービスによる表示を利用する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、申請支援システム90において専用のフォーマットの手引き画面を規定して適用する形態としてもよい。
【0094】
また、上記実施形態では、メッセージングサービスを利用して手引き情報を表示する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、メッセージングサービスに代えて、ツイッター(登録商標)、インスタグラム(登録商標)等のSNS(Social Networking Service)を利用して手引き情報を表示する形態としてもよい。
【0095】
以上、実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、該変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0096】
また、上記実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の組み合わせにより種々の発明が抽出される。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0097】
また、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えば、CPU等)や、専用のプロセッサ(例えば、GPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
【0098】
また、上記実施形態では、端末20として携帯型の装置を適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、据え置き型のパーソナルコンピュータや、スマートスピーカ等の携帯型ではない装置を端末20として適用する形態とすることができる。
【0099】
更に、上記実施形態では、自治体申請処理及び申請支援処理を、プログラムを実行することにより、コンピュータを利用してソフトウェア構成により実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、自治体申請処理及び申請支援処理を、ハードウェア構成や、ハードウェア構成とソフトウェア構成の組み合わせによって実現する形態としてもよい。
【0100】
その他、上記実施形態で説明した申請支援装置10及び端末20の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要な部分を削除したり、新たな部分を追加したりしてもよいことは言うまでもない。
【0101】
また、上記実施形態で説明した自治体申請処理及び申請支援処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0102】
10 申請支援装置
11 CPU
11A 受付部
11B 制御部
11C 保持部
12 メモリ
13 記憶部
13A 申請支援プログラム
13B 質問情報データベース
13C 手引き情報データベース
14 入力部
15 表示部
16 媒体読み書き装置
17 記録媒体
18 通信I/F部
20 端末
21 CPU
21A 制御部
22 メモリ
23 記憶部
23A 自治体申請プログラム
24 入力部
25 表示部
25C1~25C6 吹き出し
25G 二次元コード
26 媒体読み書き装置
27 無線通信部
28 記録媒体
30 MSサーバ
50 自治体サーバ
80 ネットワーク
90 申請支援システム