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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】画素駆動回路を含む電界発光表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20240401BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240401BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 670A
G09G3/20 624B
G09G3/20 680G
G09F9/30 365
G09F9/30 338
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022160546
(22)【出願日】2022-10-04
(65)【公開番号】P2023070075
(43)【公開日】2023-05-18
【審査請求日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】10-2021-0151341
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジニョン
(72)【発明者】
【氏名】ソン, ヒョンホ
(72)【発明者】
【氏名】ユ, ソンファン
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2008/093451(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/058474(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0154576(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サブ画素を含み、前記サブ画素が配置されたサブ画素領域及び共通領域を有する画素を含み、
前記サブ画素それぞれは、アノード電極及びカソード電極を含む発光素子を含み、
前記サブ画素領域には、第1画素駆動回路が配置され、
前記共通領域には、第2画素駆動回路が配置され、前記第2画素駆動回路は第1共通配線と第2共通配線とを有し、前記発光素子の前記アノード電極は、前記第1共通配線に電気的に連結され、
前記サブ画素それぞれは、
ソースが第1ノードに、ゲートが第2ノードに、ドレインが第3ノードに電気的に連結された駆動素子である第1トランジスタ
データ電圧が提供されるデータ配線と前記第1ノードとの間に電気的に連結され、前記第1ノードに前記データ電圧を提供する第4トランジスタ;
低電位電圧が提供される配線と前記第2ノードとの間に電気的に連結され、該第2ノードに前記低電位電圧を提供する第2トランジスタ;
低電位電圧が提供される配線と前記第3ノードとの間に電気的に連結され、該第3ノードに低電位電圧を提供する第5トランジスタ;
前記第2ノード前記第3ノードとの間電気的に連結された第3トランジスタ;
前記第2ノードに電気的に連結された第1電極及び前記第2共通配線に電気的に連結された第2電極とを有する第1キャパシタ;
第1キャパシタ電極及び第2キャパシタ電極を有する第2キャパシタであって、前記第1キャパシタ電極は前記第1共通配線に電気的に連結され、前記第2キャパシタ電極は前記第1ノードまたは前記第2ノードに電気的に連結された第2キャパシタ;及び
前記駆動素子の下部に配置された導電層であって、前記第1ノードまたは前記駆動素子の前記ゲートと電気的に連結された導電層、をさらに含
前記第2トランジスタは、第(n-1)スキャン配線を通して提供される第(n-1)スキャン信号により制御され、
前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタは、第nスキャン配線を通して提供される第nスキャン信号により制御され、
前記第5トランジスタは、第nエミッション配線を通して提供される第nエミッション信号により制御され、
nは、自然数である、
電界発光表示装置。
【請求項2】
前記第2画素駆動回路は、前記第1共通配線に高電位電圧を印加する第1共通スイッチング回路及び前記第2共通配線に高電位電圧または基準電圧を印加する第2共通スイッチング回路を含む、請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項3】
前記サブ画素は、前記第1共通配線及び前記第2共通配線を通して互いに電気的に連結された、請求項2に記載の電界発光表示装置。
【請求項4】
前記第2共通スイッチング回路は、基準電圧を提供する配線に電気的に連結され、前記基準電圧は、前記第2共通配線及び前記第1キャパシタを介して前記駆動素子のゲートに提供されて前記駆動素子をターン-オンさせる、請求項2に記載の電界発光表示装置。
【請求項5】
前記第2画素駆動回路は、前記第(n-1)スキャン信号、前記第nスキャン信号、及び前記第nエミッション信号により制御されるトランジスタで具現され、前記第2画素駆動回路は、n番目の行に位置した画素に含まれ、nは、自然数である、請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項6】
前記第4トランジスタは、前記第nスキャン信号により制御されることで、データ電圧を前記第1ノードに提供する、請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項7】
前記第2トランジスタは、前記第(n-1)スキャン信号により制御されることで、低電位電圧が提供される配線と電気的に連結されて前記低電位電圧を前記第2ノードに提供する、請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項8】
前記第5トランジスタは、前記第nエミッション信号により制御されることで、低電位電圧が提供される配線と電気的に連結されて前記低電位電圧を前記第3ノードに提供する、請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項9】
前記第3トランジスタは、前記第nスキャン信号により制御されることで、前記第2ノードと前記第3ノードとを電気的に連結する、請求項1に記載の電界発光表示装置。
【請求項10】
アノード電極及びカソード電極を含み、前記アノード電極は、高電位電圧が提供される第1共通配線に連結された発光素子;及び
前記発光素子に駆動電流を提供する画素駆動回路を含むサブ画素を含み、
前記サブ画素は、
ソースが第1ノードに、ゲートが第2ノードに、ドレインが第3ノードに電気的に連結された駆動素子;
前記アノード電極に電気的に連結された第5ノードに、前記第1共通配線を通して電圧を印加する第1共通スイッチング回路;
高電位電圧が提供される第2共通配線に接続された第4ノードと前記第2ノードとの間に電気的に連結され、前記第2ノードに電気的に連結された第1電極及び前記第4ノードに連結された第2電極を含む第1キャパシタ;
前記第2ノードと前記第3ノードとの間に電気的に連結され、低電位電圧が提供される配線を通して低電位電圧を前記第2ノードに提供する第2スイッチング回路;
低電位電圧が提供される配線と前記第3ノードとの間に電気的に連結され、前記低電位電圧を前記第3ノードに提供する第3スイッチング回路;
データ電圧が提供されるデータ配線と前記第1ノードとの間に電気的に連結され、前記第1ノードに前記データ電圧を提供する第1スイッチング回路;及び
前記第2共通配線を介して前記第4ノード電気的に連結された第2共通スイッチング回路をさらに含む、
電界発光表示装置。
【請求項11】
前記第1共通スイッチング回路は、第nエミッション信号により制御されることで、前記第1共通配線に前記高電位電圧を提供し、前記第ノードと前記第1共通配線を電気的に連結する、請求項10に記載の電界発光表示装置。
【請求項12】
前記第2スイッチング回路は、第nスキャン信号により制御されることで、前記第2ノードと前記第3ノードとを電気的に連結し、第(n-1)スキャン信号により制御されることで、低電位電圧を前記第2ノードに提供する、請求項10に記載の電界発光表示装置。
【請求項13】
前記第3スイッチング回路は、第nエミッション信号により制御されることで、低電位電圧を前記第3ノードに提供する、請求項10に記載の電界発光表示装置。
【請求項14】
前記第1スイッチング回路は、第nスキャン信号により制御されることで、データ電圧を前記第1ノードに提供する、請求項10に記載の電界発光表示装置。
【請求項15】
前記第2共通スイッチング回路は、第(n-1)スキャン信号及び第nスキャン信号により制御されることで、前記高電位電圧より高い電圧を前記第4ノードに提供する、請求項10に記載の電界発光表示装置。
【請求項16】
前記サブ画素は、前記駆動素子の下部に配置された導電層をさらに含み、
前記導電層は、前記第1ノードまたは前記第2ノードと電気的に連結された、請求項10に記載の電界発光表示装置。
【請求項17】
前記サブ画素は、前記第2ノードと電気的に連結された一電極及び前記第1ノードと電気的に連結された他電極を含む第2キャパシタをさらに含む、請求項10に記載の電界発光表示装置。
【請求項18】
前記第2キャパシタの前記一電極及び前記他電極が短絡するとき、前記駆動素子のソースとゲートの電圧差は0Vになり、前記駆動素子は、ターン-オフされる、請求項17に記載の電界発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、画素駆動回路を含む電界発光表示装置に関し、輝点画質不良を改善した電界発光表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
情報化技術が発達するにつれ、ユーザと情報間の連結媒体である表示装置の市場が大きくなっている。ユーザ間に文字中心の情報伝達を越えて多様な形態のコミュニケーションが活発である。情報の類型が変わるにつれ、情報を表示する表示装置の性能も発展している。これによって、電界発光表示装置、液晶表示装置、及び量子点表示装置等のような多様な形態の表示装置に対する使用が増加している。このうち、電界発光表示装置は、発光素子の種類によって有機発光表示装置または無機発光表示装置に区分できる。そして、無機発光表示装置は、LED表示装置を含む。
【0003】
有機発光表示装置は、自ら発光する有機発光ダイオード(Organic light emitting diode)を含み、LED表示装置は、自ら発光するLED(Light emitting diode)を含む。有機発光表示装置またはLED表示装置は、発光素子を含む画素を特定パターンに配列し、映像データの階調によって画素の輝度を調節する。画素それぞれは、ゲート-ソース間電圧によって発光素子に流れる駆動電流を制御する駆動素子(または駆動トランジスタ)と、駆動素子のゲート-ソース間電圧をプログラミングするための一つ以上のスイッチング素子(またはスイッチングトランジスタ)を含み、駆動電流による発光素子の発光量で表示階調(または輝度)を調節する。
【0004】
近年は、無機層を含む発光素子であるLEDを利用したLED表示装置への関心と開発が増加している。LEDは、有機発光ダイオードに比してさらに高輝度の階調を出力でき、熱、水分、酸素等に対する信頼性に優れている。
【0005】
画素間の輝度、色感差のない均一な画質を具現するためには、画素間の駆動特性が同一でなければならない。しかし、工程偏差等、多様な原因によって画素間の駆動特性に偏差があり得る。また、表示装置の駆動時間によって画素間の劣化速度が異なり得るため、画素の駆動特性に差が発生し得る。従って、画素間の駆動特性偏差によって発光素子に流れる駆動電流量が変化し、これによって画質の不均一がもたらされ得る。
【0006】
駆動特性偏差を補償するために、画素は、内部補償方式の画素駆動回路または外部補償方式の画素駆動回路を適用している。このような画素駆動回路は、先に説明した駆動素子、スイッチング素子、及びキャパシタ等の素子で具現される。画素駆動回路の信頼性、駆動電流の偏差等、このような駆動特性は、画素駆動回路を構成する素子の連結関係及び駆動方法によって変わり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
先に説明した、駆動素子またはスイッチング素子は、薄膜トランジスタ(以下、トランジスタ)で具現され得る。トランジスタは、半導体層、電極層、及び複数の絶縁層で具現される。ところが、トランジスタを形成する過程で静電気の発生により絶縁層が損傷を受けてトランジスタ不良が発生し得る。これは、電界発光表示装置の画質不良、特に輝点不良を引き起こす。特に、LED表示装置の場合、LEDを発光させるために高輝度の駆動電流が必要であるので輝点が画質不良につながり得る。静電気の問題を解決するために静電気が発生しないように工程装備に直接的な措置を取ることもできるが、静電気の発生を完全に防ぐことはできない。従って、静電気が発生しても不良と認知されることのない画素駆動回路を具現する必要がある。また説明すれば、輝点発生を減らすことのできる画素駆動回路を発明して表示パネルに適用する必要がある。
【0008】
本明細書の実施例に係る解決課題は、表示パネルに含まれた画素が静電気による不良の発生時に輝点に発現されないように具現された画素駆動回路を含む電界発光表示装置を提供することである。
【0009】
本明細書の実施例に係る他の解決課題は、複数のトランジスタで構成された画素駆動回路をより簡略に構成することで集積度を向上させた電界発光表示装置を提供することである。
【0010】
本明細書の実施例に係るまた他の解決課題は、表示パネルに含まれた画素に静電気による不良の発生時に暗点化され得るように具現された画素駆動回路を含む電界発光表示装置を提供することである。
【0011】
本明細書の課題は、以上において言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書の一実施例に係る電界発光表示装置において、サブ画素を含み、サブ画素が配置されたサブ画素領域及び共通領域に区分される画素を含み、サブ画素それぞれは、アノード電極及びカソード電極を含む発光素子を含み、サブ画素領域には、第1画素駆動回路が配置され、共通領域には、第2画素駆動回路が配置される。発光素子のアノード電極は、第2画素駆動回路と連結された第1共通配線に連結される。サブ画素は、ソースが第1ノードに、ゲートが第2ノードに、ドレインが第3ノードに連結された駆動素子、第1ノードに連結された第4トランジスタ、第2ノードに連結された第2トランジスタ、第3ノードに連結された第5トランジスタ、第2ノード及び第3ノードに連結された第3トランジスタ、第2ノード及び第2画素駆動回路と連結された第2共通配線に連結された第1キャパシタ、第1共通配線と第1ノードまたは第2ノードに連結された第2キャパシタ、及び駆動素子の下部に配置された導電層を含む。導電層は、第1ノードまたは駆動素子のゲートと連結される。この場合、電界発光表示装置で静電気起因によるサブ画素不良の発生時にサブ画素を暗点化させることで画質不良を減らすことができる。
【0013】
本明細書の一実施例に係る電界発光表示装置において、アノード電極及びカソード電極を含み、アノード電極は、高電位電圧が提供される第1共通配線に連結された発光素子及び発光素子に駆動電流を提供する画素駆動回路を含むサブ画素を含む。サブ画素は、ソースが第1ノードに、ゲートが第2ノードに、ドレインが第3ノードに連結された駆動素子、アノード電極に連結された第1共通スイッチング回路、第2ノードに連結された第1電極及び第4ノードに連結された第2電極を含む第1キャパシタ、第2ノードに連結された第2スイッチング回路、第3ノードに連結された第3スイッチング回路、第1ノードに連結された第1スイッチング回路、及び第4ノードに連結された第2共通スイッチング回路を含む。これによって、電界発光表示装置で静電気起因によるサブ画素不良の発生時にサブ画素を暗点化させることで画質不良を減らすことができる。
【0014】
その他の実施例の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0015】
本明細書の実施例によれば、駆動素子のゲートに連結された二つのキャパシタを含む画素駆動回路をサブ画素に具現することで、電界発光表示パネルに輝点が発生する不良を防止できる。
【0016】
そして、本明細書の実施例によれば、発光素子のアノード電極は、複数のサブ画素に共通して提供され、カソード電極は、駆動素子から駆動電流の提供を受けることで、電界発光表示パネルに輝点が発生することを防止できる。
【0017】
そして、本明細書の実施例によれば、単位画素内に含まれたサブ画素は、単位画素内に配置された画素駆動回路の一部を共有することで、単位画素内で非発光領域の大きさを減らして表示パネルの解像度を高めることができる。
【0018】
以上において解決しようとする課題、課題を解決するための手段、発明の効果に記載した明細書の内容が請求項の必須な特徴を特定するものではないので、請求項の権利範囲は、明細書の内容に記載された事項によって制限されない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本明細書の一実施例に係る電界発光表示装置のブロック図である。
図2】電界発光表示パネルの各画素に含まれた発光素子の一実施例を示した図である。
図3】電界発光表示パネルに含まれた単位画素に含まれたサブ画素の配置を示した図である。
図4a】本明細書の一実施例に係る画素駆動回路を示した図である。
図4b】本明細書の他の実施例に係る画素駆動回路を示した図である。
図5】画素駆動回路に入力される信号波形図である。
図6】本明細書の他の実施例に係る画素駆動回路を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると、明確になるだろう。しかし、本発明は、以下において開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に具現され、単に、本実施例は、本発明の開示が完全なものとなるようにし、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇により定義されるだけである。
【0021】
本発明の実施例を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数等は、例示的なものであるので、本発明は、図示された事項に限定されるものではない。明細書全体にわたって、同じ参照符号は、同じ構成要素を指す。また、本発明を説明するにあたって、関連した公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。本明細書上において言及された「含む」、「有する」、「なされる」等が使用される場合、「~だけ」が使用されない以上、他の部分が加えられ得る。構成要素を単数で表現した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0022】
構成要素を解釈するにあたって、別途の明示的な記載がなくても誤差範囲を含むものと解釈する。
【0023】
位置関係についての説明である場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~隣に」等と二部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない以上、二部分の間に一つ以上の他の部分が位置してもよい。
【0024】
時間関係についての説明である場合、例えば、「~後に」、「~に続いて」、「~次に」、「~前に」等と時間的先後関係が説明される場合、「すぐ」または「直接」が使用されない以上、連続的ではない場合も含むことができる。
【0025】
本明細書の様々な実施例のそれぞれの特徴は、部分的または全体的に互いに結合または組み合わせ可能であり、技術的に多様な連動及び駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立して実施可能であってもよく、関連関係で共に実施してもよい。
【0026】
本明細書において、表示パネルの基板上に形成される駆動回路とゲート駆動回路は、NタイプまたはPタイプのトランジスタで具現され得る。例えば、トランジスタは、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)構造のトランジスタで具現され得る。トランジスタは、ゲート(gate)、ソース(source)、及びドレイン(drain)を含む3電極素子である。ソースは、キャリア(carrier)をトランジスタに供給する電極である。トランジスタ内でキャリアはソースからドレインへ移動する。Nタイプのトランジスタの場合、キャリアが電子(electron)であるので、電子がソースからドレインへ移動し、ソース電圧がドレイン電圧より低い電圧を有する。Nタイプのトランジスタで電子がソースからドレインへ移動するため、電流の方向は、ドレインからソースへ向かう。Pタイプのトランジスタの場合、キャリアが正孔(hole)であるので、正孔がソースからドレインへ移動できるようにソース電圧がドレイン電圧より高い。Pタイプのトランジスタの正孔がソースからドレインの方へ移動するため、電流の方向は、ソースからドレインへ向かう。トランジスタのソースとドレインは固定されたものではなく、トランジスタのソースとドレインは、印加電圧によって変更され得る。
【0027】
以下において、ゲート-オン信号(gate-on signal)は、トランジスタをターン-オン(turn-on)させるゲート信号であり、ゲート-オフ信号(gate-off signal)は、トランジスタをターン-オフ(turn-off)させるゲート信号である。Pタイプのトランジスタでゲート-オン信号はロジックロー電圧であり、ゲート-オフ信号はロジックハイ電圧である。Nタイプのトランジスタでゲート-オン信号はロジックハイ電圧であり、ゲート-オフ信号はロジックロー電圧である。
【0028】
以下、添付の図面を参照して、本明細書の実施例に係る画素駆動回路及びそれを含む電界発光表示装置について説明する。
【0029】
図1は、本明細書の一実施例に係る電界発光表示装置のブロック図である。
【0030】
図2は、電界発光表示パネルの各画素に含まれた発光素子の一実施例を示した図である。
【0031】
図1及び図2を参考にすると、本明細書に係る電界発光表示装置は、画素PXLが備えられた表示パネル100、画素PXLに連結された信号配線に信号を提供する表示パネル駆動回路200、300、及び表示パネル駆動回路200、300を制御するタイミングコントローラ400を含む。
【0032】
表示パネル駆動回路200、300は、表示パネル100の画素PXLに入力映像データDATAを提供する。表示パネル駆動回路200、300は、画素PXLに連結されたデータ配線201にデータ信号を提供するソースドライバ200と、画素PXLに連結されたゲート配線301にゲート信号を提供するゲートドライバ300を含む。
【0033】
表示パネル100には、複数のデータ配線201と複数のゲート配線301が提供される。画素PXLそれぞれは、データ配線201とゲート配線301が提供する信号の提供を受けて駆動されるので、データ配線201とゲート配線301により画素PXLそれぞれの領域を区分することもできる。画素PXLは、図2に示されたLEDのような発光素子130を含む。
【0034】
発光素子130は、発光層EL、第1電極E1、及び第2電極E2を含むことができる。発光層ELは、第1電極E1、第1電極E1と第2電極E2との間で移動する電子と正孔の再結合によって発光する。発光層ELは、第1半導体層131、活性層133、及び第2半導体層135を含むことができる。
【0035】
第1半導体層131は、活性層133に電子を提供する。例えば、第1半導体層131は、n-GaN系半導体物質からなり得、n-GaN系半導体物質としては、GaN、AlGaN、InGaN、またはAlInGaN等であってよい。第1半導体層131のドーピングに使用される不純物としては、Si、Ge、Se、Te、またはC等が使用され得る。
【0036】
活性層133は、第1半導体層131の一側上に設けられる。活性層133は、井戸層と、井戸層よりバンドギャップの高い障壁層とを有する多重量子井戸(MQW;Multi quantum well)構造を有する。活性層133は、InGaN/GaN等の多重量子井戸構造を有し得る。
【0037】
第2半導体層135は、活性層133上に設けられ、活性層133に正孔を提供する。第2半導体層135は、p-GaN系半導体物質からなり得、p-GaN系半導体物質としては、GaN、AlGaN、InGaN、またはAlInGaN等であってよい。第2半導体層135のドーピングに使用される不純物としては、Mg、Zn、またはBe等が使用され得る。
【0038】
第1半導体層131と活性層133、及び第2半導体層135それぞれは、半導体基板上に順次に積層される構造に設けられ得る。半導体基板は、サファイア(Sapphire)基板またはシリコン(Si)基板等の半導体物質を含む。半導体基板は、第1半導体層131と活性層133及び第2半導体層135それぞれを成長させるための成長用基板として使用された後、基板分離工程により第1半導体層131から分離され得る。基板分離工程は、レーザリフトオフ(Laser lift off)またはケミカルリフトオフ(Chemical lift off)等の工程であってよい。半導体基板が分離された発光素子130は、画素PXLそれぞれに移されて画素駆動回路と連結される。
【0039】
第1電極E1は、第2半導体層135上に設けられる。第2電極E2は、活性層133と第2半導体層135から電気的に分離されるように第1半導体層131の他側上に設けられ得る。例えば、第1電極E1及び第2電極E2それぞれは、透明導電性物質であってよく、透明導電性物質は、ITO(Indium tin oxide)またはIZO(Indium zinc oxide)等であってよいが、これに限定されることはない。または、第1電極E1及び第2電極E2それぞれは、Au、W、Pt、Si、Ir、Ag、Cu、Ni、Ti、またはCr等の金属物質及びその合金のうち一つ以上を含む物質であってよい。
【0040】
発光素子130で発生した光は、第1電極E1及び第2電極E2それぞれを透過して外部に放出されて映像を表示する。発光素子130の第1電極E1はアノード電極、第2電極E2はカソード電極とも称し得る。
【0041】
図3は、電界発光表示パネルに含まれた単位画素に含まれたサブ画素の配置を示した図である。
【0042】
画素PXLは、複数のサブ画素SPXLを含む。サブ画素SPXLが配置されたそれぞれの領域をサブ画素領域とも称し得る。サブ画素SPXLそれぞれは、多様なカラー具現のために、赤色サブ画素、緑色サブ画素、青色サブ画素、及び白色サブ画素のいずれか一つであってよい。画素PXLで具現されるカラーは、赤色サブ画素、緑色サブ画素、青色サブ画素、及び白色サブ画素の発光比率によって決定され得る。サブ画素SPXLそれぞれは、サブ画素SPXLの色を発光させるための発光素子130及び画素駆動回路を含む。そして、画素駆動回路が占める面積を減らすか最小化するために、画素駆動回路の一部は、サブ画素SPXLに共用で使用され得る。サブ画素SPXLに共用で使用される画素駆動回路は、共通領域CAに配置させることができる。単位画素PXLは、複数のサブ画素領域及び共通領域を含む。共通領域CAに配置された画素駆動回路については、後で詳細に説明する。
【0043】
また図1を参照すると、サブ画素SPXLそれぞれには、データ配線201及びゲート配線301だけではなく、電源配線を通して電源電圧が提供される。電源配線は、複数のサブ画素SPXLに共有されてもよい。電源電圧は、電源供給部から提供され、高電位電圧VDD、低電位電圧VSS、基準電圧Vrefを含む。高電位電圧VDDは、第1電源配線を通して、低電位電圧VSSは、第2電源配線を通して、基準電圧Vrefは、第3電源配線を通してサブ画素SPXLに提供される。例えば、高電位電圧VDDは、基準電圧Vrefより低い電圧であり、高電位電圧VDDは、低電位電圧VSSより高い電圧であり得る。この場合、高電位電圧VDD及び基準電圧Vrefは、正の電圧であり、低電位電圧VSSは、負の電圧であり得る。サブ画素SPXLに連結された電源配線の構造的な形態は、線形形態及び二つ以上のサブ画素SPXLにわたって形成された板状形態を含む。
【0044】
ソースドライバ200は、フレーム毎にタイミングコントローラ400から受信される入力映像データDATAをデータ電圧Vdataに変換した後、データ電圧Vdataをデータ配線201に供給する。ソースドライバ200は、入力映像データDATAをガンマ補償電圧に変換するデジタルアナログコンバータ(Digital to analog converter)を利用してデータ電圧Vdataを出力する。例えば、データ電圧Vdataは、低電位電圧VSSと高電位電圧VDDとの間の電圧であってよい。
【0045】
ゲートドライバ300は、ゲート-イン-パネル(Gate-in-panel)工程で画素PXLと共に表示パネル100の基板上に直接形成され得るが、これに限定されることはない。ゲートドライバ300は、IC(Integrated circuit)タイプに作製された後、導電性フィルムを通して表示パネル100に接合されてもよい。
【0046】
タイミングコントローラ400は、図示しないホストシステムから受信されたタイミング制御信号(Control signal)に基づいてソースドライバ200の動作タイミングを制御するためのデータタイミング制御信号DDCとゲートドライバ300の動作タイミングを制御するためのゲートタイミング制御信号GDCを生成する。例えば、タイミング制御信号(Control signal)は、垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync、データイネーブル信号DE等を含む。
【0047】
図4a、図4b及び図5は、本明細書の一実施例に係る画素駆動回路及び画素駆動回路に入力される信号波形図である。
【0048】
図4aを参照すると、本明細書の一実施例に係る画素駆動回路は、第1画素駆動回路PC1と第2画素駆動回路PC2を含む。第1画素駆動回路PC1は、サブ画素SPXLにそれぞれ配置され、第2画素駆動回路PC2は、単位画素内の共通領域CAに配置される。第2画素駆動回路PC2は、単位画素PXL内に配置されたサブ画素SPXLと連結される。第1画素駆動回路PC1は、発光素子130、駆動素子、第1スイッチング回路、第2スイッチング回路、第3スイッチング回路、及びキャパシタ回路を含む。
【0049】
図4a及び図4bは、n番目の行に位置した画素PXLに含まれた画素駆動回路を例に挙げて説明する。n番目の行に位置した画素駆動回路には、第(n-1)スキャン信号S(n-1)、第nスキャン信号S(n)、第nエミッション信号EM(n)が提供される。第(n-1)スキャン信号S(n-1)は、第(n-1)スキャン配線を通して提供され、第nスキャン信号S(n)は、第nスキャン配線を通して提供され、第nエミッション信号EM(n)は、第nエミッション配線を通して提供される。第(n-1)スキャン配線、第nスキャン配線、及び第nエミッション配線は、ゲート配線301に含まれる。
【0050】
駆動素子は、データ電圧Vdataによる駆動電流を発生させ、駆動電流を発光素子130のカソード電極に提供する。発光素子130のカソード電極と駆動素子のソースは、N1ノードで連結される。発光素子130のアノード電極は、N5ノードに連結され、N5ノードは、第1共通配線101に連結されて第2画素駆動回路PC2から高電位電圧VDDの印加を受ける。第1共通配線101は、単位画素PXLに含まれたサブ画素SPXLに共通して配置された単一配線である。そして、発光素子130のカソード電極は、サブ画素SPXL別に互いに異なる駆動電流が提供され得るようにサブ画素SPXL別に離隔されて配置される。
【0051】
発光素子130の発光時に、カソード電極の電圧は、アノード電極の電圧と比較して相対的に低い電圧の状態にある。画素駆動回路で発光素子130を除く残りの駆動素子及びスイッチング回路は、発光素子130を発光させるために発光素子130のカソード電極に相対的に高電位電圧VDDより低い電圧の状態になるように駆動電流を発生させる。
【0052】
本明細書の一実施例に係る画素駆動回路は、Pタイプのトランジスタ、特にPMOS TFT(P-channel metal oxide semiconductor thin film transistor)で具現され得るが、これに限定されず、Nタイプのトランジスタで具現されてもよい。この場合、Nタイプのトランジスタは、NMOS TFT(N-channel metal oxide semiconductor thin film transistor)で具現され得る。ただし、Pタイプのトランジスタは、ターン-オフ時、ゲートの電圧がロジックハイ電圧であり、Nタイプのトランジスタは、ターン-オフ時、ゲートの電圧がロジックロー電圧である。
【0053】
例えば、発光素子130のカソード電極に低電位電圧VSSが提供される第2電源配線に連結され、アノード電極に駆動素子から発生した駆動電流が印加される場合、駆動素子及びスイッチング回路のいずれか一つ以上のトランジスタが静電気の影響を受けて不良が発生するようになると、ターン-オフ状態のトランジスタのゲート電圧がロジックハイ電圧であるため、発光素子130のアノード電極に影響を及ぼすので輝点が発生しやすい。具体的に、トランジスタのゲート絶縁層が静電気によって破壊(breakdown)されてゲートとアクティブ間に短絡(short)が発生する場合を指し得る。短絡したゲートとアクティブを通して伝達されたロジックハイ電圧は、発光素子130のアノード電極に伝達され、発光素子130を発光させる。従って、発光素子130が不要に発光して輝点と認知されないようにするために、発光素子130のアノード電極に高電位電圧VDDが印加されるように第2画素駆動回路PC2と第1共通配線101を連結させ、カソード電極は第1画素駆動回路PC1と電気的に連結させることで、表示パネルに輝点が発生することを防止できる。
【0054】
図4aを参照すると、駆動素子は、第1トランジスタT1で具現され、第1トランジスタT1のゲートはN2ノード、ソースはN1ノード、ドレインはN3ノードに連結される。駆動素子は、ゲート電圧によりターン-オンされてN1ノードに一定の駆動電流を提供できる。駆動素子は、ゲートがアクティブ上にあるトップゲート構造であり、かつコンタクトホールを通してソースとドレインがアクティブとコンタクトするコープレーナー構造であってよい。そして、駆動素子のアクティブの下部には導電層が配置されるが、導電層は、駆動素子のアクティブに入射する光を遮断してアクティブの劣化を防止できる。導電層は、フローティングされず、第1トランジスタT1のソースに連結させることで、駆動電流及び輝度均一度を向上させることができる。図4bを参照すると、導電層は、第1トランジスタT1のゲートに連結されてもよい。導電層が駆動素子のソースに連結された場合、導電層が駆動素子のゲートに連結された場合より相対的に駆動素子の駆動電流が減少するが、表示パネルの輝度均一度を向上させることができる。反対に、導電層が駆動素子のゲートに連結された場合、導電層が駆動素子のソースに連結された場合より相対的に表示パネルの輝度均一度は減少するが、駆動素子の駆動電流を増加させることができる。
【0055】
N1スイッチング回路は、第4トランジスタT4を含む。第4トランジスタT4は、第nスキャン信号S(n)により制御され、データ配線201を通して流れるデータ電圧VdataをN1ノードに提供する。データ電圧VdataがN1ノードに提供されることで、駆動素子は、データ電圧Vdataによる駆動電流を発生させることができる。
【0056】
N2スイッチング回路は、第2トランジスタT2及び第3トランジスタT3を含む。第2トランジスタT2は、第(n-1)スキャン信号S(n-1)により制御され、第2電源配線を通して流れる低電位電圧VSSをN2ノードに提供する。N2ノードに提供された低電位電圧VSSは、第1トランジスタT1のゲートを低電位電圧VSSで放電させることで、駆動素子の閾値電圧補償及び駆動電流生成時に駆動素子のゲートに正確な電圧が印加され得る。
【0057】
第3トランジスタT3は、第nスキャン信号S(n)により制御され、N2ノード及びN3ノードを導通させる。第3トランジスタT3は、駆動素子のゲート及びドレインを導通させることで駆動素子の閾値電圧を抽出する。抽出された閾値電圧は、駆動素子のゲート電圧に反映され、最終的に駆動素子が発生させる駆動電流では相殺されるので、駆動素子の閾値電圧の補償がなされる。
【0058】
N3スイッチング回路は、第5トランジスタT5を含む。第5トランジスタT5は、第nエミッション信号EM(n)により制御され、N3ノードに低電位電圧VSSを提供する。第5トランジスタT5は、駆動素子のドレインに低電位電圧VSSを提供することで駆動電流が発生できるようにする。
【0059】
キャパシタ回路は、第1キャパシタCst1及び第2キャパシタCst2を含む。第1キャパシタCst1は、N2ノードとN4ノードにそれぞれ連結された二つの電極を含む。N4ノードは、第2共通配線102を通して第2画素駆動回路PC2に連結され、第2画素駆動回路PC2を通して高電位電圧VDDまたは基準電圧Vrefの印加を受ける。
【0060】
第1キャパシタCst1は、キャパシタ素子のカップリング特性を利用してN2ノードの電圧を調節し、発光時、駆動素子のゲートに印加された電圧を固定させて駆動電流及び発光輝度を一定にする。
【0061】
第1キャパシタCst1は、二つの電極が互いに重畳されて具現されるが、一電極は、N2ノードと連結されるので、駆動素子のゲートと連結され、第1キャパシタCst1の他電極は、駆動素子のゲート上でゲートの一部と重畳するように配置される。そして、第1キャパシタCst1の一電極と他電極との間には、絶縁層が配置される。
【0062】
例えば、発光素子のカソード電極を複数のサブ画素が共有する正ガンマ構造の画素駆動回路で駆動素子のゲートにキャパシタが連結されている場合、画素駆動回路形成工程中に静電気の発生によりトランジスタを覆っている絶縁層が静電気によって破壊(breakdown)されてキャパシタの一電極と他電極が互いに短絡(short)し得る。この場合、キャパシタの二つの電極が短絡してサブ画素SPXLは輝点に発現され得る。輝点は、暗点よりさらによく視認されるので、画質を低下させる。従って、本発明の実施例に係る画素駆動回路、即ち、発光素子のアノード電極を複数のサブ画素が共有する逆ガンマ構造の画素駆動回路を具現することで、電界発光表示装置の画質を向上させることができる。
【0063】
第2キャパシタCst2は、二つの電極を含む。第2キャパシタCst2の一電極は、第1トランジスタT1のゲートに連結され、他電極は、高電位電圧VDDが提供される配線に連結される。即ち、第2キャパシタCst2を構成する一電極である第1トランジスタT1のゲートの一部分と高電位電圧VDDが提供される配線の一部または高電位電圧VDDが提供される配線と連結された他の電極と重畳して配置され得る。また、図4bを参照すると、第2キャパシタCst2の一電極は、第1トランジスタT1のソースに連結され、他電極は、高電位電圧VDDが提供される配線と連結されてもよい。静電気等の理由によって第2キャパシタCst2の二つの電極が短絡しても、第2キャパシタCst2の他電極には、高電位電圧VDDが提供されるので、駆動素子のゲートにも高電位電圧VDDが提供されることで、駆動素子はターン-オフされ、サブ画素SPXLは暗点化される。
【0064】
また、駆動素子のゲートに二つのキャパシタを連結させることで、駆動素子のゲート電圧が他のスイッチングトランジスタによって発生する寄生キャパシタによるカップリング効果の影響にも揺れないようにすることができる。
【0065】
第2画素駆動回路PC2は、第1共通スイッチング回路及び第2共通スイッチング回路を含む。
【0066】
第1共通スイッチング回路は、第1共通トランジスタTC1を含む。第1共通スイッチング回路は、第1共通配線101を通してN5ノードに電圧を印加する回路である。
【0067】
第1共通トランジスタTC1は、第nエミッション信号EM(n)により制御され、高電位電圧VDDをN5ノードに印加する。第1共通トランジスタTC1は、高電位電圧VDDを発光素子130のアノード電極に提供することで発光素子130を発光させる。
【0068】
第2共通スイッチング回路は、第2共通トランジスタTC2、第3共通トランジスタTC3、及び第4共通トランジスタTC4を含む。第2共通スイッチング回路は、第2共通配線102を通してN4ノードに電圧を提供する回路である。
【0069】
第2共通トランジスタTC2は、第nエミッション信号EM(n)により制御され、高電位電圧VDDをN4ノードに印加する。第2共通トランジスタTC2は、高電位電圧VDDを第1キャパシタCst1の他電極に印加することで駆動素子のゲート電圧を維持させ、駆動素子が一定の駆動電流を発生させ得るようにする。
【0070】
第3共通トランジスタTC3は、第nスキャン信号S(n)により制御され、基準電圧VrefをN4ノードに印加する。第3共通トランジスタTC3は、基準電圧Vrefを第1キャパシタCst1の他電極に印加することで、駆動素子の閾値電圧をサンプリングし、駆動電流を発生させることができる。
【0071】
第4共通トランジスタTC4は、第(n-1)スキャン信号S(n-1)により制御され、基準電圧VrefをN4ノードに印加する。第4共通トランジスタTC4は、基準電圧Vrefを第1キャパシタCst1の他電極に印加することで、発光後にフローティングされたN4ノードに定電圧を提供し、サンプリング期間で駆動素子のゲートに正確な電圧がカップリングされて印加され得るようにする。
【0072】
第2画素駆動回路PC2は、駆動素子に直接的に連結されず、N4ノード及びN5ノードに高電位電圧VDDまたは基準電圧Vrefの定電圧を提供する回路であるので、単位画素PXL内に含まれた複数のサブ画素SPXLに共有され得る。第2画素駆動回路PC2は、第2画素駆動回路PC2を構成しているトランジスタの大きさによって複数個の画素PXLに共有されてもよい。この場合、トランジスタの大きさは、第1キャパシタCst1を充電する時間によって決定され得る。
【0073】
図3を参照すると、第2画素駆動回路PC2は、画素PXLの共通領域CAに配置され、サブ画素SPXLに共有され得る。この場合、第1共通配線101及び第2共通配線102は、サブ画素SPXLに共有される。従って、サブ画素SPXLが占める面積を減らすことができ、結果的に単位画素PXLの面積を減らすことができるので、高解像度の表示パネルを具現できる。
【0074】
図4a、図4b、及び図5を参照すると、画素駆動回路の駆動は、初期化期間(1)、サンプリング期間(2)、ホールディング期間(3)、及び発光期間(4)に区分できる。
【0075】
第(n-1)スキャン信号S(n-1)及び第nスキャン信号S(n)は、それぞれ、1水平期間1Hの間、ロジックロー電圧のパルスを含み、第nエミッション信号EM(n)は、少なくとも2水平期間2Hの間、ロジックハイ電圧のパルスを含む。第(n-1)スキャン信号S(n-1)がロジックロー電圧である1水平期間1Hの間は、画素駆動回路の初期化期間(1)という。そして、第nスキャン信号S(n)がロジックロー電圧である1水平期間1Hの間は、画素駆動回路のサンプリング期間(2)という。図5において、第nエミッション信号EM(n)は、4水平期間4Hの間、ロジックハイ電圧を有するものと示したが、これに限定されることはない。第nエミッション信号EM(n)は、少なくとも画素駆動回路の初期化期間(1)、サンプリング期間(2)でロジックハイ電圧を有することで発光素子130の発光を防止する。第nエミッション信号EM(n)は、初期化期間(1)及びサンプリング期間(2)以外の期間で、または4水平期間4H以外の期間でロジックロー電圧であってよい。第nエミッション信号EM(n)がロジックロー電圧である期間の間は、画素駆動回路の発光期間(4)という。
【0076】
初期化期間(1)で第1画素駆動回路PC1の第2トランジスタT2がターン-オンされてN2ノードに低電位電圧VSSが印加され、第2画素駆動回路PC2の第4共通トランジスタTC4がターン-オンされてN4ノードに基準電圧Vrefが印加される。これによって、第1トランジスタT1のゲートは、低電位電圧VSSで放電され、第1キャパシタCst1及び第2キャパシタCst2それぞれの一電極も低電位電圧VSSで放電される。
【0077】
サンプリング期間(2)で第2画素駆動回路PC2の第3共通トランジスタTC3がターン-オンされてN4ノードに基準電圧Vrefが印加される。N4ノードは、初期化期間(1)に引き続きサンプリング期間(2)でも基準電圧Vrefを維持する。
【0078】
サンプリング期間(2)で第1画素駆動回路PC1の第4トランジスタT4がターン-オンされてN1ノードにデータ電圧Vdataが印加され、第3トランジスタT3がターン-オンされてN2ノードとN3ノードが導通される。これによって、駆動素子のゲートとドレインが短絡(short)するため、N2ノードの電圧とN1ノードの電圧の差が駆動素子の閾値電圧Vthに該当するまでN2ノードの電圧は上昇する。従って、サンプリング期間(2)の終了時点でN2ノードの電圧は(Vdata+Vth)となる。N2ノードの電圧上昇は、時間を要する。駆動素子の閾値電圧を正確にサンプリングするためには、サンプリング時間が十分に与えられる必要がある。そして、第nスキャン信号S(n)が完全にロジックハイ電圧に転換されるにも時間が必要であるので、サンプリング期間(2)以後にホールディング期間(3)を設け得る。
【0079】
ホールディング期間(3)は、1水平期間1Hと示したが、これに限定されることはない。ホールディング期間(3)の間にも発光素子130が発光しないようにするために、第nエミッション信号EM(n)は、ロジックハイ電圧を維持する。そして、第nエミッション信号EM(n)がロジックロー電圧に転換されながら発光素子130の発光が始まる。
【0080】
発光期間(4)で第2画素駆動回路PC2の第2共通トランジスタTC2がターン-オンされてN4ノードに高電位電圧VDDが印加される。N4ノードの電圧が基準電圧Vrefから高電位電圧VDDに変更されることで第1キャパシタCst1のカップリングによりN2ノードの電圧は(Vdata+Vth+VDD-Vref)となる。
【0081】
発光期間(4)で第1画素駆動回路PC1の第5トランジスタT5がターン-オンされてN3ノードに低電位電圧VSSが印加されて駆動素子がターン-オンされ、発光素子130に駆動電流を提供し、第2画素駆動回路PC2の第1共通トランジスタTC1がターン-オンされ、発光素子130のアノード電極に高電位電圧VDDが印加されて発光素子130が発光する。この場合、駆動素子のソース電圧は(VDD-VTC1-Vled)であるので、駆動素子の駆動電流Iは、式1のとおりである。
[式1]
=k(Vdata-Vref+VTC1-Vled
【0082】
式1において、kは、駆動素子の特性に対する定数値であり、Vledは、発光素子130の閾値電圧であり、VTC1は、第1共通トランジスタTC1の閾値電圧である。式1を参照すると、駆動電流Iで駆動素子の閾値電圧Vth値は除去されるので、駆動電流Iは、駆動素子の閾値電圧Vthに依存せず、閾値電圧Vthの変化にも影響を受けない。
【0083】
また、駆動電流Iは、電流の影響で電圧降下が発生する高電位電圧VDDではなく定電圧が印加されて電圧降下の影響をほとんど受けない基準電圧Vrefの影響を受けるので、表示パネル上で画素PXLの位置による輝度変化を防止できる。
【0084】
図6は、本明細書の他の実施例に係る画素駆動回路を示した図である。図6の画素駆動回路に印加される信号波形図は、図5と同一であるので、図5を参考にして説明する。
【0085】
図6を参照すると、本明細書の他の実施例に係る画素駆動回路は、第1画素駆動回路PC1と第2画素駆動回路PC2を含む。第1画素駆動回路PC1は、サブ画素SPXLにそれぞれ配置され、第2画素駆動回路PC2は、単位画素PXL内の共通領域CAに配置される。第2画素駆動回路PC2は、単位画素PXL内に配置されたサブ画素SPXLと連結される。第1画素駆動回路PC1は、発光素子130、駆動素子、第1スイッチング回路、第2スイッチング回路、第3スイッチング回路、及びキャパシタ回路を含む。
【0086】
図6は、n番目の行に位置した画素PXLに含まれた画素駆動回路を例に挙げて説明する。n番目の行に位置した画素駆動回路には、第(n-1)スキャン信号S(n-1)、第nスキャン信号S(n)、第nエミッション信号EM(n)が提供される。第(n-1)スキャン信号S(n-1)は、第(n-1)スキャン配線を通して提供され、第nスキャン信号S(n)は、第nスキャン配線を通して提供され、第nエミッション信号EM(n)は、第nエミッション配線を通して提供される。第(n-1)スキャン配線、第nスキャン配線、及び第nエミッション配線は、ゲート配線301に含まれる。
【0087】
駆動素子は、データ電圧Vdataによる駆動電流を発生させ、駆動電流を発光素子130のカソード電極に提供する。発光素子130のカソード電極と駆動素子のソースは、N1ノードで連結される。発光素子130のアノード電極は、N5ノードに連結され、N5ノードは、第1共通配線101に連結されて第2画素駆動回路PC2から高電位電圧VDDの印加を受ける。第1共通配線101は、単位画素PXLに含まれたサブ画素SPXLに共通して配置された単一配線である。そして、発光素子130のカソード電極は、サブ画素SPXL別に互いに異なる駆動電流が提供され得るようにサブ画素SPXL別に離隔されて配置される。
【0088】
発光素子130の発光時に、カソード電極の電圧は、アノード電極の電圧と比較して相対的に低い電圧の状態にある。画素駆動回路で発光素子130を除く残りの駆動素子及びスイッチング回路は、発光素子130を発光させるために発光素子130のカソード電極に相対的に高電位電圧VDDより低い電圧の状態になるように駆動電流を発生させる。
【0089】
本明細書の他の実施例に係る画素駆動回路は、Pタイプのトランジスタ、特にPチャネルMOS TFT(P-channel metal oxide semiconductor thin film transistor)で具現され得るが、これに限定されず、Nタイプのトランジスタで具現されてもよい。この場合、Nタイプのトランジスタは、NチャネルMOS TFT(N-channel metal oxide semiconductor thin film transistor)で具現され得る。ただし、Pタイプのトランジスタは、ターン-オフ時、ゲートの電圧がロジックハイ電圧であり、Nタイプのトランジスタは、ターン-オフ時、ゲートの電圧がロジックロー電圧である。
【0090】
本明細書の一実施例に係る画素駆動回路において言及したように、本明細書の他の実施例に係る画素駆動回路で発光素子130が不要に発光して輝点と認知されないようにするために、発光素子130のアノード電極に高電位電圧VDDが印加されるように第2画素駆動回路PC2と第1共通配線101を連結させ、カソード電極は画素駆動回路と電気的に連結させることで、表示パネルに輝点が発生することを防止できる。
【0091】
駆動素子は、第1トランジスタT1で具現され、第1トランジスタT1のゲートはN2ノード、ソースはN1ノード、ドレインはN3ノードに連結される。駆動素子は、ゲート電圧によりターン-オンされてN1ノードに一定の駆動電流を提供できる。先に言及したように、駆動素子のアクティブの下部には導電層が配置されるが、導電層は、フローティングされず、第1トランジスタT1のソースに連結させることで、駆動電流及び輝度均一度を向上させることができる。図6において、導電層は、第1トランジスタT1のソースに連結されたものと示したが、これに限定されず、図4bのように、導電層は、第1トランジスタT1のゲートに連結されてもよい。
【0092】
N1スイッチング回路は、第4トランジスタT4を含む。第4トランジスタT4は、第nスキャン信号S(n)により制御され、データ配線201を通して流れるデータ電圧VdataをN1ノードに提供する。データ電圧VdataがN1ノードに提供されることで、駆動素子は、データ電圧Vdataによる駆動電流を発生させることができる。
【0093】
N2スイッチング回路は、第2トランジスタT2及び第3トランジスタT3を含む。第2トランジスタT2は、第(n-1)スキャン信号S(n-1)により制御され、第2電源配線を通して流れる低電位電圧VSSをN2ノードに提供する。N2ノードに提供された低電位電圧VSSは、第1トランジスタT1のゲートを低電位電圧VSSで放電させることで、駆動素子の閾値電圧補償及び駆動電流生成時に駆動素子のゲートに正確な電圧が印加され得る。
【0094】
第3トランジスタT3は、第nスキャン信号S(n)により制御され、N2ノード及びN3ノードを導通させる。第3トランジスタT3は、駆動素子のゲート及びドレインを導通させることで駆動素子の閾値電圧を抽出する。抽出された閾値電圧は、駆動素子のゲート電圧に反映され、最終的に駆動素子が発生させる駆動電流では相殺されるので、駆動素子の閾値電圧の補償がなされる。
【0095】
N3スイッチング回路は、第5トランジスタT5を含む。第5トランジスタT5は、第nエミッション信号EM(n)により制御され、N3ノードに低電位電圧VSSを提供する。第5トランジスタT5は、駆動素子のドレインに低電位電圧VSSを提供することで駆動電流が発生できるようにする。
【0096】
キャパシタ回路は、第1キャパシタCst1及び第2キャパシタCst2を含む。第1キャパシタCst1は、N2ノードとN4ノードにそれぞれ連結された二つの電極を含む。N4ノードは、第2共通配線102を通して第2画素駆動回路PC2に連結され、第2画素駆動回路PC2を通して高電位電圧VDDまたは基準電圧Vrefの印加を受ける。
【0097】
第1キャパシタCst1は、キャパシタ素子のカップリング特性を利用してN2ノードの電圧を調節し、発光時、駆動素子のゲートに印加された電圧を固定させて駆動電流及び発光輝度を一定にする。
【0098】
第1キャパシタCst1は、二つの電極が互いに重畳されて具現されるが、一電極は、N2ノードと連結されるので、駆動素子のゲートと連結され、第1キャパシタCst1の他電極は、駆動素子のゲート上でゲートの一部と重畳するように配置される。そして、第1キャパシタCst1の一電極と他電極との間には、絶縁層が配置される。
【0099】
先に言及したように、正ガンマ構造の画素駆動回路に含まれたキャパシタは、工程中に発生した静電気によって一電極と他電極が互いに短絡(short)し得、キャパシタの二つの電極が短絡するとサブ画素SPXLは輝点に発現され得る。輝点は、暗点よりさらによく視認されるので、画質を低下させる。従って、逆ガンマ構造の画素駆動回路に配置されたキャパシタは、短絡しても駆動素子をターン-オフさせるので、サブ画素を暗点化させることができる。
【0100】
第2キャパシタCst2は、二つの電極を含む。第2キャパシタCst2の一電極は、第1トランジスタT1のゲートに連結され、他電極は、N1ノードに連結される。即ち、第2キャパシタCst2を構成する一電極は、第1トランジスタT1のゲートの一部分とN1ノードを構成する電極の一部分またはN1ノードと連結された他の電極と重畳して配置され得る。静電気等の理由によって第2キャパシタCst2の二つの電極が短絡しても、短絡した第2キャパシタCst2は、駆動素子のソースとゲートの電圧差を0Vとするため、駆動素子はターン-オフされ、サブ画素SPXLは暗点化される。
【0101】
また、駆動素子のゲートに二つのキャパシタを連結させることで、駆動素子のゲート電圧が他のスイッチングトランジスタによって発生する寄生キャパシタによるカップリング効果の影響にも揺れないようにすることができる。
【0102】
第2画素駆動回路PC2は、第1共通スイッチング回路、第2共通スイッチング回路、及び第3共通スイッチング回路を含む。
【0103】
第1共通スイッチング回路は、第1共通トランジスタTC1を含む。第1共通スイッチング回路は、第1共通配線101を通してN5ノードに電圧を印加する回路である。
【0104】
第1共通トランジスタTC1は、第nエミッション信号EM(n)により制御され、高電位電圧VDDをN5ノードに印加する。第1共通トランジスタTC1は、高電位電圧VDDを発光素子130のアノード電極に提供することで発光素子130を発光させる。
【0105】
第2共通スイッチング回路は、第3共通トランジスタTC3及び第4共通トランジスタTC4を含む。第2共通スイッチング回路は、第2共通配線102を通してN4ノードに電圧を提供する回路である。
【0106】
第3共通トランジスタTC3は、第nスキャン信号S(n)により制御され、基準電圧VrefをN4ノードに印加する。第3共通トランジスタTC3は、基準電圧Vrefを第1キャパシタCst1の他電極に印加することで、駆動素子の閾値電圧をサンプリングし、駆動電流を発生させることができる。
【0107】
第4共通トランジスタTC4は、第(n-1)スキャン信号S(n-1)により制御され、基準電圧VrefをN4ノードに印加する。第4共通トランジスタTC4は、基準電圧Vrefを第1キャパシタCst1の他電極に印加することで、発光後にフローティングされたN4ノードに定電圧を提供し、サンプリング期間で駆動素子のゲートに正確な電圧がカップリングされて印加され得るようにする。
【0108】
第3共通スイッチング回路は、第2共通トランジスタTC2を含む。第2共通トランジスタTC2は、第nエミッション信号EM(n)により制御され、N4ノードとN5ノードを互いに導通させる。第2共通トランジスタTC2は、N4ノードの電圧とN5ノードの電圧を同一にさせることで、N5ノードの電圧値がN4ノードにも反映されて第1キャパシタCst1の他電極に印加させる。第1キャパシタCst1のカップリングにより駆動素子のゲート電圧にもN5ノードの電圧値が反映され、駆動素子が正確な駆動電流を発生させる。
【0109】
第2画素駆動回路PC2は、駆動素子に直接的に連結されず、N4ノード及びN5ノードに高電位電圧VDDまたは基準電圧Vrefの定電圧を提供する回路であるので、単位画素PXL内に含まれた複数のサブ画素SPXLに共有され得る。第2画素駆動回路PC2は、第2画素駆動回路PC2を構成しているトランジスタの大きさによって複数個の画素PXLに共有されてもよい。この場合、トランジスタの大きさは、第1キャパシタCst1を充電する時間によって決定され得る。
【0110】
図3を参照すると、第2画素駆動回路PC2は、画素PXLの共通領域CAに配置され、サブ画素SPXLに共有され得る。この場合、第1共通配線101及び第2共通配線102は、サブ画素SPXLに共有される。従って、サブ画素SPXLが占める面積を減らすことができ、結果的に単位画素PXLの面積を減らすことができるので、高解像度の表示パネルを具現できる。
【0111】
図6及び図5を参照すると、画素駆動回路の駆動は、初期化期間(1)、サンプリング期間(2)、ホールディング期間(3)、及び発光期間(4)に区分できる。
【0112】
第(n-1)スキャン信号S(n-1)及び第nスキャン信号S(n)は、それぞれ、1水平期間1Hの間、ロジックロー電圧のパルスを含み、第nエミッション信号EM(n)は、少なくとも2水平期間2Hの間、ロジックハイ電圧のパルスを含む。第(n-1)スキャン信号S(n-1)がロジックロー電圧である1水平期間1Hの間は、画素駆動回路の初期化期間(1)という。そして、第nスキャン信号S(n)がロジックロー電圧である1水平期間1Hの間は、画素駆動回路のサンプリング期間(2)という。図5において、第nエミッション信号EM(n)は、4水平期間4Hの間、ロジックハイ電圧を有するものと示したが、これに限定されることはない。第nエミッション信号EM(n)は、少なくとも画素駆動回路の初期化期間(1)、サンプリング期間(2)でロジックハイ電圧を有することで発光素子130の発光を防止する。第nエミッション信号EM(n)は、初期化期間(1)及びサンプリング期間(2)以外の期間で、または4水平期間4H以外の期間でロジックロー電圧であってよい。第nエミッション信号EM(n)がロジックロー電圧である期間の間は、画素駆動回路の発光期間(4)という。
【0113】
初期化期間(1)で第1画素駆動回路PC1の第2トランジスタT2がターン-オンされてN2ノードに低電位電圧VSSが印加され、第2画素駆動回路PC2の第4共通トランジスタTC4がターン-オンされてN4ノードに基準電圧Vrefが印加される。これによって、第1トランジスタT1のゲートは、低電位電圧VSSで放電され、第1キャパシタCst1及び第2キャパシタCst2それぞれの一電極も低電位電圧VSSで放電される。
【0114】
サンプリング期間(2)で第2画素駆動回路PC2の第3共通トランジスタTC3がターン-オンされてN4ノードに基準電圧Vrefが印加される。N4ノードは、初期化期間(1)に引き続きサンプリング期間(2)でも基準電圧Vrefを維持する。
【0115】
サンプリング期間(2)で第1画素駆動回路PC1の第4トランジスタT4がターン-オンされてN1ノードにデータ電圧Vdataが印加され、第3トランジスタT3がターン-オンされてN2ノードとN3ノードが導通される。これによって、駆動素子のゲートとドレインが短絡(short)するため、N2ノードの電圧とN1ノードの電圧の差が駆動素子の閾値電圧Vthに該当するまでN2ノードの電圧は上昇する。従って、サンプリング期間(2)の終了時点でN2ノードの電圧は(Vdata+Vth)となる。N2ノードの電圧上昇は、時間を要する。駆動素子の閾値電圧を正確にサンプリングするためには、サンプリング時間が十分に与えられる必要がある。そして、第nスキャン信号S(n)が完全にロジックハイ電圧に転換されるにも時間が必要であるので、サンプリング期間(2)以後にホールディング期間(3)を設け得る。
【0116】
ホールディング期間(3)は、1水平期間1Hと示したが、これに限定されることはない。ホールディング期間(3)の間にも発光素子130が発光しないようにするために、第nエミッション信号EM(n)は、ロジックハイ電圧を維持する。そして、第nエミッション信号EM(n)がロジックロー電圧に転換されながら発光素子130の発光が始まる。
【0117】
発光期間(4)で第2画素駆動回路PC2の第1共通トランジスタTC1がターン-オンされてN5ノードに高電位電圧VDDが印加され、第2共通トランジスタTC2がターン-オンされてN4ノードの電圧がN5ノードの電圧と同一になる。この場合、実質的にN5ノードに印加される電圧は、高電位電圧VDDに第1共通トランジスタの閾値電圧VTC1が反映された値である。同様に、N4ノードの電圧は、基準電圧Vrefから高電位電圧VDDと第1共通トランジスタの閾値電圧VTC1の差に変更されることで第1キャパシタCst1のカップリングによりN2ノードの電圧は(Vdata+Vth+VDD-Vref-VTC1)となる。
【0118】
発光期間(4)で第1画素駆動回路PC1の第5トランジスタT5がターン-オンされてN3ノードに低電位電圧VSSが印加されて駆動素子がターン-オンされ、発光素子130に駆動電流を提供することで発光素子130が発光する。この場合、駆動素子のソースの電圧は(VDD-VTC1-Vled)である。従って、駆動素子の駆動電流Iは、式2のとおりである。
[式2]
=k(Vdata-Vref-Vled
【0119】
式2において、kは、駆動素子の特性に対する定数値であり、VTC1は、第1共通トランジスタTC1の閾値電圧であり、Vledは、発光素子130の閾値電圧である。式2を参照すると、駆動電流Iで駆動素子の閾値電圧Vth値は除去されるので、駆動電流Iは、駆動素子の閾値電圧Vthに依存せず、閾値電圧Vthの変化にも影響を受けない。また、駆動電流Iは、本発明の一実施例に対比して第1共通トランジスタの閾値電圧VTC1要素が削除されるので、第1共通トランジスタTC1の閾値電圧の変動にも影響を受けないので、駆動電流Iの信頼性を確保し、表示パネルで輝度均一度も向上させることができる。
【0120】
また、駆動電流Iは、電流の影響で電圧降下が発生する高電位電圧VDDではなく定電圧が印加されて電圧降下の影響をほとんど受けない基準電圧Vrefの影響を受けるので、表示パネル上で画素PXLの位置による輝度変化を防止できる。
【0121】
本発明の実施態様は、下記のように記載することもできる。
【0122】
本発明の態様によれば、本明細書の一実施例に係る電界発光表示装置において、サブ画素を含み、サブ画素が配置されたサブ画素領域及び共通領域に区分される画素を含み、サブ画素それぞれは、アノード電極及びカソード電極を含む発光素子を含み、サブ画素領域には、第1画素駆動回路が配置され、共通領域には、第2画素駆動回路が配置される。発光素子のアノード電極は、第2画素駆動回路と連結された第1共通配線に連結される。サブ画素は、ソースが第1ノードに、ゲートが第2ノードに、ドレインが第3ノードに連結された駆動素子、第2ノードに連結された第4トランジスタ、第2ノードに連結された第2トランジスタ、第3ノードに連結された第5トランジスタ、第2ノード及び前記第3ノードに連結された第3トランジスタ、第2ノード及び第2画素駆動回路と連結された第2共通配線に連結された第1キャパシタ、第1共通配線と第1ノードまたは第2ノードに連結された第2キャパシタ、及び駆動素子の下部に配置された導電層を含む。導電層は、第1ノードまたは駆動素子のゲートと連結される。この場合、電界発光表示装置で静電気起因によるサブ画素不良の発生時にサブ画素を暗点化させることで画質不良を減らすことができる。
【0123】
本発明の他の特徴によれば、第2画素駆動回路は、第1共通配線に電圧を印加する第1共通スイッチング回路及び第2共通配線に電圧を印加する第2共通スイッチング回路を含むことができる。
【0124】
本発明の他の特徴によれば、サブ画素は、第1共通配線及び第2共通配線を通して互いに連結され得る。
【0125】
本発明の他の特徴によれば、第2共通スイッチング回路は、基準電圧を提供する配線に連結され、基準電圧は、駆動素子のゲートに提供されて駆動素子をターン-オンさせることができる。
【0126】
本発明の他の特徴によれば、第2画素駆動回路は、第(n-1)スキャン信号、第nスキャン信号、及び第nエミッション信号により制御されるトランジスタで具現され得る。
【0127】
本発明の他の特徴によれば、第4トランジスタは、第nスキャン信号により制御され、データ電圧を第1ノードに提供するように具現され得る。
【0128】
本発明の他の特徴によれば、第2トランジスタは、第(n-1)スキャン信号により制御され、低電位電圧が提供される配線と連結されて低電位電圧を第2ノードに提供できる。
【0129】
本発明の他の特徴によれば、第5トランジスタは、第nエミッション信号により制御され、第3ノードに低電位電圧が提供される配線に連結され得る。
【0130】
本発明の他の特徴によれば、第3トランジスタは、第nスキャン信号により制御され、第2ノードと第3ノードを導通させることができる。
【0131】
本発明の他の態様によれば、本明細書の一実施例に係る電界発光表示装置において、アノード電極及びカソード電極を含み、アノード電極は、高電位電圧が提供される第1共通配線に連結された発光素子及び発光素子に駆動電流を提供する画素駆動回路を含むサブ画素を含む。サブ画素は、ソースが第1ノードに、ゲートが第2ノードに、ドレインが第3ノードに連結された駆動素子、アノード電極に連結された第1共通スイッチング回路、第2ノードに連結された第1電極及び第4ノードに連結された第2電極を含む第1キャパシタ、第2ノードに連結された第2スイッチング回路、第3ノードに連結された第3スイッチング回路、第1ノードに連結された第1スイッチング回路、及び第4ノードに連結された第2共通スイッチング回路を含む。これによって、電界発光表示装置で静電気起因によるサブ画素不良の発生時にサブ画素を暗点化させることで画質不良を減らすことができる。
【0132】
本発明の他の特徴によれば、第1共通スイッチング回路は、第nエミッション信号により制御され、第1共通配線に高電位電圧を提供し、第4ノードと前記第1共通配線を導通させることができる。
【0133】
本発明の他の特徴によれば、第2スイッチング回路は、第nスキャン信号により制御され、第2ノードと第3ノードを導通させ、第(n-1)スキャン信号により制御され、低電位電圧を第2ノードに提供できる。
【0134】
本発明の他の特徴によれば、第3スイッチング回路は、第nエミッション信号により制御され、低電位電圧を第3ノードに提供できる。
【0135】
本発明の他の特徴によれば、第1スイッチング回路は、第nスキャン信号により制御され、データ電圧を第1ノードに提供できる。
【0136】
本発明の他の特徴によれば、第2共通スイッチング回路は、第(n-1)スキャン信号及び第nスキャン信号により制御され、高電位電圧より高い電圧を第4ノードに提供できる。
【0137】
本発明の他の特徴によれば、サブ画素は、駆動素子の下部に配置された導電層を含み、導電層は、第1ノードまたは第2ノードと連結され得る。
【0138】
本発明の他の特徴によれば、サブ画素は、第2ノードと連結された一電極及び第1ノードと連結された他電極を含む第2キャパシタを含むことができる。
【0139】
以上、添付の図面を参照して、本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は、必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を外れない範囲内で多様に変形実施され得る。従って、本発明に開示された実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。それゆえ、以上において記述した実施例は、全ての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解すべきである。本発明の保護範囲は、請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6