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特許7463514冷却を伴うポイントオブロードからの配電
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】冷却を伴うポイントオブロードからの配電
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20240401BHJP
   H01L 25/04 20230101ALI20240401BHJP
   H01L 25/18 20230101ALI20240401BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H01L25/04 Z
H05K7/20 D
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2022535678
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-14
(86)【国際出願番号】 US2020066714
(87)【国際公開番号】W WO2021146038
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-08-03
(31)【優先権主張番号】16/743,371
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508041127
【氏名又は名称】シスコ テクノロジー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【弁理士】
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】ゲルゲン,ジョエル リチャード
(72)【発明者】
【氏名】キーファー,ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】エリクソン,アシュレイ ジュリア メイカー
(72)【発明者】
【氏名】タン,イ
(72)【発明者】
【氏名】ドグラス,エム.バリス
(72)【発明者】
【氏名】コチュパランビル,エリザベス アン
(72)【発明者】
【氏名】パンジャーブ,ショバナ
【審査官】金田 孝之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0147225(US,A1)
【文献】特開2007-049822(JP,A)
【文献】特開平11-097592(JP,A)
【文献】特開2007-318113(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0249074(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/473
H01L 25/04
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
第1の表面、および前記第1の表面とは反対側の第2の表面を備える基板と、
前記基板の前記第1の表面に取り付けられた集積回路と、
前記基板の前記第2の表面に取り付けられたコールドプレートであって、前記コールドプレートに接続された電源構成要素から前記集積回路に電力を伝送するために、電気経路が、前記コールドプレートを貫いて延在する、コールドプレートと、を備え、
前記コールドプレートは、前記コールドプレートに挿入された電力送達ブロックを備え、前記電気経路は、前記電力送達ブロックを貫いて延在し、
前記電力送達ブロックは、プリント回路基板を備え、前記電気経路は、前記プリント回路基板に形成された電力ビアを備える、
装置。
【請求項2】
前記コールドプレートは、前記電源構成要素から前記集積回路に電力を伝送するための複数の電気経路を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電源構成要素は、電気接続を介して固定ポイントオブロード(POL)モジュールと相互接続された調整POLモジュールを備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記基板および前記集積回路は、マルチチップモジュールを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記集積回路は、ネットワーク処理機能を実行するように動作可能なASIC(特定用途向け集積回路)を備え、少なくとも1つの光学エンジンが、前記基板に取り付けられている、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
第2のコールドプレートと、前記第2のコールドプレートと前記集積回路との間に配置された熱インターポーザとをさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記電力は、少なくとも10アンペアの電流で、前記電力ビアを通して伝送される、請求項に記載の装置。
【請求項8】
装置であって、
第1の表面、および前記第1の表面とは反対側の第2の表面を備える基板と、
前記基板の前記第1の表面に取り付けられた集積回路と、
前記基板の前記第2の表面に取り付けられたコールドプレートであって、前記コールドプレートに接続された電源構成要素から前記集積回路に電力を伝送するために、電気経路が、前記コールドプレートを貫いて延在する、コールドプレートと、を備え、
前記コールドプレートは、前記コールドプレートに挿入された複数のプリント回路基板を備え、前記プリント回路基板の各々は、前記電気経路を形成する少なくとも1つの電力ビアを備える、
装置。
【請求項9】
前記電源構成要素は、パルス電力を受け取るように構成されている、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記基板上の少なくとも1つの構成要素が、ファイバおよび銅の接続に結合されている、請求項1~のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記コールドプレートは、前記コールドプレートを通して通信を伝送するための通信経路をさらに備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記コールドプレートは、前記コールドプレートおよび前記基板を通して光学系を伝送するための開口部をさらに備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記電源構成要素は、固定ポイントオブロード(POL)モジュールを備え、前記電気経路は、前記固定POLモジュールから前記集積回路に前記電力を送達するために、前記コールドプレート内に位置し、かつ前記固定POLモジュールに結合された調整POLモジュールを備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
装置であって、
基板およびダイパッケージと電気的に結合された調整ポイントオブロード(POL)と相互接続された固定POLを備えるPOL電源と、
前記調整POLと前記基板およびダイパッケージとの間に介装されたコールドプレートと、を備え、
電力が、前記調整POLから前記基板およびダイパッケージに、前記コールドプレートを通して伝送され、
前記コールドプレートは、前記コールドプレートに挿入された電力送達ブロックを備え、前記電力は、前記電力送達ブロック内の電力ビアを通して伝送され、
前記電力送達ブロックは、プリント回路基板を備える、
装置。
【請求項15】
前記コールドプレートは、前記調整POLから前記基板およびダイパッケージに前記電力を伝送するための複数の電気経路を備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記基板およびダイパッケージは、ネットワーク処理機能を実行するように動作可能なASIC(特定用途向け集積回路)と、少なくとも1つの光学エンジンとを備える、請求項14または15に記載の装置。
【請求項17】
第2のコールドプレートをさらに備え、前記基板およびダイパッケージは、前記コールドプレートと前記第2のコールドプレートとの間に介装されている、請求項1416のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記固定POLは、パルス電力を受け取るように動作可能である、請求項1417のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
装置であって、
ポイントオブロード(POL)モジュールを受容するように構成された上面と、少なくとも1つのダイが取り付けられた基板に取り付けるように構成された下面とを備えるコールドプレートと、
前記コールドプレートに挿入され、前記POLモジュールから、前記基板に取り付けられたダイに、電力を送達するための電力ビアを備える、電力送達ブロックと、を備え
前記電力送達ブロックは、プリント回路基板を備える、
装置。
【請求項20】
前記装置は、複数の電力送達ブロックを備え、前記電力送達ブロックの各々は、複数の電力ビアを備える、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記電力送達ブロックは、それを通して通信を伝送するためのビアをさらに備える、請求項19または20に記載の装置。
【請求項22】
前記コールドプレートは、それを通して光学系を伝送するための開口部をさらに備える、請求項1921のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
方法であって、
電力送達ブロックをコールドプレートに挿入することであって、前記電力送達ブロックは、前記コールドプレートの第1の表面から前記コールドプレートの第2の表面まで延在する電気経路を備えることと、
ポイントオブロード(POL)モジュールを前記コールドプレートの前記第1の表面に取り付けることと、
基板を前記コールドプレートの前記第2の表面に取り付けることであって、ダイが、前記基板の反対側に取り付けられていることと、を含み、
電力が、前記POLモジュールから前記ダイに、前記コールドプレート内の前記電力送達ブロックを通して分配される、
前記電力送達ブロックは、プリント回路基板を備え、前記電気経路は、前記コールドプレートを通して前記電力を移送するための電力ビアを備える、
方法。
【請求項24】
複数のチップが、前記基板に取り付けられ、前記チップのうちの少なくとも1つは、フォトニックチップを備え、それを通して光学系を移送するために、前記コールドプレートに開口部を形成することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ダイを第2のコールドプレートと熱的結合することをさらに含む、請求項23または24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、配電に関し、より具体的には、冷却を伴うポイントオブロード(POL)からの配電に関する。
【背景技術】
【0002】
ASIC(特定用途向け集積回路)プロセスノードが進歩し、デバイスの電力が増加し続けるにつれて、必要な電力を送達することがより困難になっている。より高い電力の分配はまた、追加の熱的課題を提示する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1】ポイントオブロード(POL)モジュールを通しての配電の一実施例を示すブロック図である。
図2】1つの実施形態による、POLモジュールと、POLモジュールからの電力の送達のための電力ビアを有する電力送達ブロックを備えるコールドプレートと、の概略図である。
図3】1つの実施形態による、基板およびダイパッケージが2つのコールドプレートの間に介装された、図2のPOLモジュールおよびコールドプレートの概略図である。
図4】1つの実施形態による、追加の詳細を示す図3に示された構成要素の断面概略図である。
図5】1つの実施形態による、図2のコールドプレートに取り付けられた図4の構成要素を概略的に示す。
図6】1つの実施形態による、POLモジュールおよびコールドプレートを通して伝送されるコントロールプレーン通信を示す。
図7】別の実施形態による、POLモジュールから独立して、コールドプレート内の電力送達ブロックのうちの1つを通して伝送されるコントロールプレーン通信を示す。
図8】1つの実施形態による、コールドプレートを通して伝送される光学系を示す。
図9】1つの実施形態による、電力送達ブロックの詳細を示す。
図10】1つの実施形態による、コールドプレートを通してPOLモジュールから電力を送達するための配電システムを実装するためのプロセスの概要を示すフローチャートである。
図11】1つの実施形態による、コールドプレートにわたる温度分布の一例を示す側面図である。
図12】1つの実施形態によるコールドプレートおよび電力送達ブロックの平面図である。
図13】1つの実施形態による、調整POLモジュールがコールドプレートに挿入されている、コールドプレートの概略図である。
【0004】
対応する参照文字は、図面のいくつかの図にわたって対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
概要
本発明の態様は、独立請求項で述べられ、好ましい特徴は、従属請求項で述べられる。一態様の特徴は、単独で、または他の態様と組み合わせて、任意の態様に適用され得る。
【0006】
1つの実施形態では、装置は、概して、第1の表面および第1の表面とは反対側の第2の表面を備える基板と、基板の第1の表面に取り付けられた集積回路と、基板の第2の表面に取り付けられたコールドプレートであって、コールドプレートに接続された電源構成要素から集積回路に電力を伝送するために、電気経路がコールドプレートを貫いて延在する、コールドプレートと、を備える。
【0007】
1つ以上の実施形態において、コールドプレートは、電源構成要素から集積回路に電力を伝送するための複数の電気経路を備える。
【0008】
1つ以上の実施形態において、電源構成要素は、電気接続を介して固定ポイントオブロード(POL)モジュールと相互接続された調整POLモジュールを備える。
【0009】
1つ以上の実施形態において、基板および集積回路は、マルチチップモジュールを備える。
【0010】
1つ以上の実施形態において、集積回路は、ネットワーク処理機能を実行するように動作可能なASIC(特定用途向け集積回路)を備える。
【0011】
1つ以上の実施形態において、装置は、第2のコールドプレートと、第2のコールドプレートと集積回路との間に配置された熱インターポーザと、をさらに備える。
【0012】
1つ以上の実施形態において、コールドプレートは、コールドプレートに挿入された電力送達ブロックを備え、電気経路は、電力送達ブロックを貫いて延在する。
【0013】
1つ以上の実施形態において、電力送達ブロックは、プリント回路基板を備え、電気経路は、プリント回路基板内に形成された電力ビアを備える。
【0014】
1つ以上の実施形態において、電力は、少なくとも10アンペアの電流で、電力ビアを通して伝送される。
【0015】
1つ以上の実施形態において、コールドプレートは、コールドプレートに挿入された複数のプリント回路基板を備え、プリント回路基板の各々は、電気経路を形成する少なくとも1つの電力ビアを備える。
【0016】
1つ以上の実施形態において、電源構成要素は、パルス電力を受け取るように構成されている。
【0017】
1つ以上の実施形態において、基板上の少なくとも1つの構成要素は、ファイバおよび銅の接続に結合されている。
【0018】
1つ以上の実施形態において、コールドプレートは、コールドプレートを通して通信を伝送するための通信経路をさらに備える。
【0019】
1つ以上の実施形態において、コールドプレートは、コールドプレートを通して光学系を伝送するための開口部をさらに備える。
【0020】
1つ以上の実施形態において、コールドプレートは、多相コールドプレートを含む。
【0021】
1つ以上の実施形態において、電源構成要素は、固定ポイントオブロード(POL)モジュールを備え、電気経路は、固定POLモジュールから集積回路に電力を送達するための、コールドプレート内に位置し、固定POLモジュールに結合された調整POLモジュールを備える。
【0022】
別の実施形態では、装置は、概して、基板およびダイパッケージと電気的に結合された調整ポイントオブロード(POL)と相互接続された固定POLを備えるPOL電源と、調整POLと基板およびダイパッケージとの間に介装されたコールドプレートと、を備える。電力は、調整POLから基板およびダイパッケージに、コールドプレートを通して伝送される。
【0023】
別の実施形態では、装置は、概して、ポイントオブロード(POL)モジュールを受容するように構成された上面と、少なくとも1つのダイが取り付けられた基板に取り付けるように構成された下面とを備えるコールドプレートと、POLモジュールから、基板に取り付けられたダイに、電力を送達するための、コールドプレートに挿入され、少なくとも1つの電力ビアを備える電力送達ブロックと、を備える。
【0024】
さらに別の実施形態では、方法は、概して、電力送達ブロックをコールドプレートに挿入することであって、電力送達ブロックは、コールドプレートの第1の表面からコールドプレートの第2の表面まで延在する電気経路を備える、挿入することと、ポイントオブロード(POL)モジュールをコールドプレートの第1の表面に取り付けることと、基板をコールドプレートの第2の表面に取り付けることであって、ダイが、基板の反対側に取り付けられている、取り付けることと、を含む。電力は、POLモジュールからダイに、コールドプレート内の電力送達ブロックを通して分配される。
【0025】
本明細書に記載の実施形態の特徴および利点のさらなる理解は、本明細書の残りの部分および添付の図面を参照することによって実現することができる。
【0026】
例示的な実施形態
以下の説明は、当業者が実施形態を作成および使用することを可能にするために提示される。特定の実施形態および用途の説明は、例としてのみ提供されており、様々な変更形態が当業者には容易に明らかになるであろう。本明細書に記載の一般原理は、実施形態の範囲から逸脱することなく、他の用途に適用することができる。したがって、実施形態は、示されているものに限定されるべきではなく、本明細書に記載されている原理および特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。明確にするために、実施形態に関連する技術分野で知られている技術資料に関連する詳細は、詳細には説明されていない。
【0027】
配電システムは、ポイントオブロード(POL)からASIC(特定用途向け集積回路)または他の集積回路に電力を送達するように構成され得る。電力要件が増加すると、追加の熱的考慮が必要になる場合がある。パッケージ内の光学アプリケーションは、追加の課題を提示する場合がある。例えば、ファイバおよび銅のアタッチメント(FAU(ファイバアタッチメント(アレイ)ユニット)、CAU(銅アタッチメント(アレイ)ユニット))は、冷却液に影響を与えるクリアランス要件を導入する場合がある。
【0028】
本明細書に記載の実施形態は、基板がコールドプレートの片側に隣接して配置され、POL構成要素がコールドプレートの反対側に置かれた、電力送達および冷却構成を提供する。以下で詳細に説明するように、電気経路が、コールドプレート内に形成され、電力がPOLから、基板に結合された電子部品(ダイ、集積回路、ASIC、チップ)に渡されることを可能にする。コールドプレートは、例えば、コールドプレートを通して電力を移送するための1つ以上の電力ビアを有する電力送達ブロック(例えば、PCB(プリント回路基板))を備え得る。別の実施例では、コールドプレートは、コールドプレートを通して電力を移送するための電源構成要素(例えば、調整POL)を備え得る。
【0029】
1つ以上の実施形態において、装置は、基板およびダイパッケージと電気的に結合された調整POLと相互接続された固定POLを備えるPOL電源と、調整POLと基板およびダイパッケージとの間に介装されたコールドプレートと、を備える。電力は、調整POLから基板およびダイパッケージにコールドプレートを通して伝送される。追加の冷却が必要な場合は、基板およびダイパッケージを2つのコールドプレート間に配置し得る。1つ以上の実施形態において、大量の電流(例えば、≧500アンペア、≧1000アンペア)が基板およびダイパッケージ内に移送され、それによって、改善された効率が可能になる。
【0030】
本明細書に記載の実施形態は、複数のネットワークデバイスを含むデータ通信ネットワークの文脈で動作する。ネットワークは、ネットワーク内のデータの通過を容易にする任意の数のノード(例えば、ルータ、スイッチ、ゲートウェイ、コントローラ、エッジデバイス、アクセスデバイス、集約デバイス、コアノード、中間ノード、電源器、動力デバイス、または他のネットワークデバイス)を介して通信する、任意の数のネットワークデバイスを含み得る。ネットワークデバイスのうちの1つ以上は、本明細書に記載の1つ以上の配電システムを備え得る。ネットワークデバイスは、メモリ、プロセッサ、電源ユニット、およびネットワークインターフェースの任意の組み合わせをさらに含み得る。
【0031】
ここで図面を、まず図1を、参照すると、1つの実施形態による、ボード10上に位置するPOL電源を通しての配電の一実施例を示すブロック図が示されている。電力は、要素12で、複数のPOL(POLモジュール(回路)、電源構成要素)14a、14c、14d、14eに送達される。1つの実施例では、100Vよりも大きい電圧(例えば、108V、380V)または任意の他の好適な電圧のパルス電力が、固定POL14aに送達される。電源12はまた、パルス電力をPOL14c、14d、および14e(例えば、固定POL)にも送達し得る。別の実施例では、電源12は、54VDC(または任意の他の好適な電圧(例えば、システム全体の効率、ルーティング可能性、およびコストに基づいて選択された中間バス電圧レベル))をPOLモジュール14c、14d、14eに送達する。固定POL14aは、電力(例えば、54VDCまたは他の電圧)を、調整POL(POLコンバータ、POLレギュレータ)14bに移送し、調整POL14bは、ASIC16(例えば、集積回路、ダイ、チップ、マルチチップモジュールなど)に電力を分配する。以下に説明するように、固定POL14aは、調整POL14bに、バスバー相互接続または任意の他の好適な電気接続を通して接続され得る。調整POL14bは、例えば、150アンペア以上の出力を提供し得る。各電源接続は、例えば、10Mbps(または任意の他のデータ速度)の通信を含み得る。図1に示された実施例では、電力は、調整POLモジュール14bからASIC16に電圧レールを介して送達される。電力は、例えば、マルチドロップ構成でASIC16に提供され得る。
【0032】
本明細書で使用される場合、「POLモジュール」という用語は、例えば、個別のPOLおよびモジュール、または電力送達ブロックベースの電圧調整器の設計を含む、様々なタイプのPOL構成を指し得ることを理解されたい。また、POLは、1つ以上の出力を送達するために一緒に働き得る単相または多相のPOLであり得ることが分かり得る。
【0033】
システム構成要素(POLモジュール、コールドプレート、電子パッケージ(基板およびダイパッケージ))は、ボード10に接続されている。ボード10は、プリント回路基板を備えてもよいし、または構成要素は、板金モジュール、配線カード、もしくは任意の他の好適な支持部材に直接取り付けられてもよい。例えば、配線カード回路基板を取り外して、ASIC縁部でファイバおよび銅の接続を通して電子パッケージを相互接続してもよい。
【0034】
前述のように、POLモジュールのうちの1つ以上に、パルス電力が供給され得る。本明細書で使用される場合、(「パルス化電力」とも称される)「パルス電力」という用語は、電圧が、パルスオフ時間19a中の(例えば、0V、3Vに近い)非常に小さい電圧と、パルスオン時間19b中のより大きな電圧(例えば、≧12V)との間で変化する、複数の電圧パルス(一連の電圧パルス)18で送達される電力を指す。動力デバイスに電力供給する際に使用するために、高電圧パルス電力(高電圧パルス)(例えば、>56V、≧60V、≧300V)が、電源器(PSE)から動力デバイス(PD)に伝送され得、一方、起動(例えば、初期化、同期化、ローカルエネルギー貯蔵器の充電、コントローラの電源投入、試験、またはそれらの任意の組み合わせ)のために、低電圧パルス電力(低電圧パルス)(例えば、約12V、約24V、≦30V、≦56V)が、短い間隔で使用され得る。パルス電力はまた、連続電力を提供するために、相間でパルスが互いにオフセットされて、複数の相で送達され得る。パルス送電は、例えば、ケーブル、伝送ライン、バスバー、バックプレーン、PCB、および配電システムを通して行われ得る。
【0035】
本明細書に記載の電圧、電力、および電流のレベルは、例としてのみ提供されており、電力は、実施形態の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載されるものとは異なるレベル(ボルト、アンペア、ワット)で送達され得ることを理解されたい。また、電力は、ESP(拡張安全電力)(例えば、パルス電力、多相パルス電力、障害検出および安全保護を備えたパルス電力)、PoE(Power over Ethernet)として、または現在の標準もしくは将来の標準に従って、送達され得る。
【0036】
図2は、1つの実施形態による、固定POL20と調整POL22との間の接続と、コールドプレート25を通しての電力の分配と、を示す概略斜視図である。固定POLモジュール20は、入力電力を調整POLモジュール22に、例えば、バスバー、ワイヤ、または他の相互接続を含む電気接続24を介して提供し得る。簡略化のために、1つのPOLモジュール22のみがコールドプレート25に接続されて示されているが、任意の数のPOLモジュールがコールドプレートに接続され得る。各POLは、図1に示されたように、単一の電圧レールまたは複数の電圧レールを提供し得る。
【0037】
図2に示されるように、コールドプレート25は、コールドプレートを通して、POLモジュール22から(図4に関して以下で説明する)電子パッケージ(基板およびダイパッケージ)に電力を伝送するための複数の電力ビア(電気経路)28を各々が備える複数の電力送達ブロック26を備える。電力は、コールドプレート25の第1の側(例えば、図2に示されるように上面27a)から、第1の側とは反対側でほぼ平行な第2の側(例えば、図2に示されるように下面27b)に伝送される。1つ以上の実施形態において、電力送達ブロック26は、小さな(ミニチュアの)電力プリント回路基板を備える。用途に基づいて、他の構成要素もまたコールドプレート25に挿入されてもよいし、または戦略的に置かれた切り抜き部が使用されてもよい。
【0038】
本明細書で使用され得る、下方の、上方の、底部の、頂部の、下方に、上方に、水平な、垂直ななどの用語は、パッケージおよび構成要素の配向に依存する相対的な用語であり、制限的に解釈されるべきではないことに留意されたい。これらの用語は、参照ポイントを説明するものであり、実施形態を任意の特定の配向または構成に限定するものではない。
【0039】
電力送達ブロック26は、(図3に仮想線で示されているように)電力送達ブロックの全厚を貫いて延在し、それらの内部表面に沿ってめっきされている複数の貫通孔(ビア)28を備える。貫通孔は、例えば、ドリル穿孔プロセスを使用して作成され、金属材料(例えば、銅または任意の導電性もしくは金属の層)でめっきされ得る。めっきは、効果的に、孔の円筒を覆い、コールドプレート25を貫く電気経路を作成し得る。
【0040】
本明細書で使用される場合、「電力送達ブロック」という用語は、コールドプレート25を直接通る電力の通過を可能にするように、電気経路(例えば、電力ビア)が形成され得る、熱的かつ導電性の材料の任意のブロックを指し得る。「プリント回路基板」という用語は、本明細書では、電力送達ブロック26のための基板の一実施例として使用されるが、他の実装形態では、PCBは、他の基板(例えば、セラミック回路基板)または他の要素で置き換えられ得る。また、電力送達ブロック26には、非プリント回路基板が使用されてもよい。例えば、ガラス片を、導波路を付けてレーザーパターン化し、金属ビアを付けてめっきして、光学経路と電気経路の組み合わせを形成してもよい。また、前述のように、PCBに加えて、またはPCBの代わりに、他の構成要素をコールドプレートに挿入してもよい。
【0041】
コールドプレート25は、例えば、液体、気体、または多相(多相コールドプレート)ベースの冷却を備え得る。貫通電力ビア28は、例えば、管あたり10アンペアを送達し得、コールドプレート25によって冷却され得る。1つ以上の実施形態において、コールドプレート25は、1つ以上の電力送達ブロック26を挿入するための1つ以上の開口部を備えて形成され、電力送達ブロック26は、例えば、コールドプレート25に圧入され得る。エポキシ樹脂または接着剤の充填物を使用して、電力送達ブロック26をコールドプレート25内に押し込んで配置し得る。エポキシ樹脂は、電力送達ブロック26とコールドプレート開口部との間の許容誤差を占めるように使用され得る。コールドプレート25が冷却管またはリザーバを利用する場合、これらは、電力送達ブロック開口部の周りに経路設定または配置される。コールドプレート25は、電力ビア28の温度上昇を低く保ち、それにより、POL22から基板およびダイパッケージへの電流移送を最大化する。1つの実施例では、コールドプレート25は、光学温度を摂氏75度未満に維持するための複数の内部ゾーンを有して構成される。コールドプレートにわたる温度分布の一例を図11に示し、以下に説明する。本明細書に記載のコールドプレートおよび温度は、単なる例であり、他の設計を使用して、異なる温度で冷却を維持し得ることを理解されたい。
【0042】
図3に示されるように、電力送達ブロック26およびそこに形成されたビア28は、コールドプレート25を貫いて延在し、取り付けられた電子パッケージ(基板およびダイパッケージ)31に電力を提供する。簡略化のために、電力送達ブロック26およびビア28の一部分のみが、コールドプレート25を貫いて延在する仮想線で示されている。また、電子パッケージ31は、単一のブロック構造として示されているが、パッケージは、図4に関して以下で説明するように、任意の数の構成要素(集積回路、ASIC、ダイ、チップ、チップレット、光学エンジン、FAU/CAU)がそれに取り付けられた、1つ以上の基板を備え得ることを理解されたい。
【0043】
1つ以上の実施形態において、装置は、ポイントオブロード(POL)モジュール22を受容するように構成された上面27aと、(図4に示され、以下に説明されるように)少なくとも1つのダイが取り付けられた基板に取り付けられるように構成された下面27bとを有するコールドプレート25を備え、電力送達ブロック26が、コールドプレートに挿入され、POLモジュールから、基板に取り付けられたダイに、電力を送達するための電力ビア28を備える。
【0044】
1つ以上の実施形態において、追加のコールドプレート37を使用して、電子パッケージ31が2つのコールドプレート25、37の間に介装されて、電子パッケージに追加の冷却を提供し得る。第2の冷却プレート37の使用は、電力および冷却要件に基づいて任意選択的であることが分かり得る。図5図6図7、および図8の実施例には、第2の冷却プレートは示されていないが、第2の冷却プレートを使用してもよい。
【0045】
また、コールドプレートは、任意の数の個別のコールドプレートを含み得ることを理解されたい。例えば、コールドプレート25は、2つ以上のより小さなコールドプレートを含み、電力送達ブロックまたは電気経路のうちの1つ以上がそれらの間に介装され得る。
【0046】
ここで図4を参照すると、断面概略図は、第1の表面41aおよび第1の表面とは反対側の第2の表面41bを有する基板41と、基板の第1の表面に取り付けられた集積回路(1つ以上のダイ(チップ))43と、基板の第2の表面に取り付けられ、電源構成要素(例えば、POLモジュール)42から集積体に電力を伝送するためにそれを貫いて延在する電気経路(例えば、電力ビア)48を備えるコールドプレート45と、を備える装置を示す。本明細書で使用される場合、「基板」という用語は、電気基板、セラミック基板、または任意の他の好適な材料から形成される要素を指し得る。
【0047】
POLモジュールから、基板41と、それに取り付けられた集積回路43(ASIC、NPU(ネットワーク処理ユニット)、ダイ、チップ)および2つの光学エンジン(フォトニックチップ)49(SerDes(シリアライザ/デシリアライザ)チップレット)とを備える電子パッケージに、電力を分配するように構成されたコールドプレート45に取り付けられたPOLモジュール42を有する(例えば、レール電圧へのDC電力を有する)マルチゾーンPOL40に、バスバー44が接続されて示されている。(本明細書では基板およびダイパッケージとも称される)電子パッケージは、1つ以上の基板に取り付けられた1つ以上の集積回路、ASIC、NPU、MCM、ダイ、チップ、チップレット、プロセッサ、または電子部品を備え得る。図4の実施例では、基板およびダイパッケージは、基板41、NPU43、光学エンジン49、およびFAU/CAU50を含む。これは、単なる一実施例であり、基板およびダイパッケージは、任意の数の構成要素を任意の構成で含み得ることを理解されたい。FAU/CAU50は、(図4に示されたように)光学エンジン49の下面に取り付けられてもよいし、または光学エンジン49の上面または側面に配置されてもよい。図4の実施例では、第2のコールドプレート47が、熱導体(インターポーザ)51を通してNPU43に熱的結合されている。熱導体(または複数の熱導体)は、複数のダイにまたがって配置され得る。1つ以上の実施形態はまた、マルチチップモジュールとコールドプレート47との間に任意選択的な蓋を含み得る。
【0048】
前述のように、コールドプレート45は、コールドプレートに挿入された1つ以上の電力送達ブロック46(例えば、PWR PCB)を含み、1つ以上の電気経路(電力ビア)48がその中に形成されている。1つ以上の実施形態において、電力送達ブロック46は、コールドプレート45とは別に形成され、ブロックを受容するためにコールドプレートに形成された開口部56に挿入される。上記したように、エポキシ樹脂または接着剤の充填物を使用して、コールドプレート45の開口部56内に電力送達ブロックを押し込んで配置し得る。
【0049】
基板41は、電力ビア48およびダイ43と接続するために、基板内に埋め込まれるかまたは基板上に堆積されたトレース53およびパッド55を備え得る。当業者にはよく知られているように、エッチング、堆積、ボンディング、または他のプロセスを使用して、トレースおよびパッドを形成し得る。基板41は、当業者にはよく知られているように、はんだプロセスを使用してコールドプレート45にボンディングし得る。
【0050】
1つの実施例では、図4に示されるアセンブリ全体は、50mm未満の高さを有し得る。例えば、POLモジュール42は、約15mm~20mmの高さを有し得、コールドプレート45、47は、各々、約5mm~8mmの高さを有し得、光学エンジン49は、約2mm~3mmの高さを有し得る。パッケージは、例えば、70mmx70mm以上であり得る。図4に示されるこれらの寸法ならびに構成要素および構成は、単なる実施例であり、異なるサイズおよび構成を有する他のタイプもしくは数の構成要素、または追加の構成要素を、実施形態の範囲から逸脱することなく、使用し得ることを理解されたい。例えば、1つ以上の集積回路を、コールドプレート45の上面(基板41とは反対の側)に配置してもよい。
【0051】
図5は、図2に示されたコールドプレート25の下方の基板およびダイパッケージ(基板41、ASIC43、フォトニックチップ49、FAU/CAU50)の配置を概略的に示す。前述のように、基板41は、コールドプレート25の上面に配置された1つ以上のPOLモジュール22から電力を受け取るように動作可能な任意の数のASIC43を備えてもよいし、または個々の基板およびダイパッケージが、コールドプレートの方下に配置されてもよい。
【0052】
電力に電力送達ブロック26を通過させることに加えて、通信(例えば、コントロールプレーン通信)もまた、電力送達ブロックを通過し得る。1つ以上の実施形態において、システムFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)への調整POLおよびASICのコントロール通信は、コールドプレート25またはリボンケーブルを通過し得る。
【0053】
図6は、コントロールプレーン通信が、POL回路(POLモジュール60、62、および相互接続)と、電力ビア28とともに電力送達ブロック66内に形成された通信ビア68とを通過する一実施例を示す。図6に示された実施例では、コントロールプレーン通信は、経路64a通って固定POLを通過し、64bにおいて相互接続を通過し、64cにおいて調整POL62を通過する。電力送達ブロック66は、電力ビア28に加えて、通信ビア68を含んで、コールドプレート25を貫く、基板およびダイパッケージ31までの電気経路および通信経路を提供する。1つの実施例では、低速通信が、POLを通過する(例えば、200Mbpsの範囲)。コールドプレート25は、電力ビア、通信ビア、または電力ビアおよび通信ビアの両方を有する電力送達ブロックの任意の組み合わせを含み得る。
【0054】
図7は、コントロールプレーン通信が、コントロール通信をパッケージに出し入れするために使用され得る別個の通信要素70、71を通して(例えば、リボンケーブルまたは他の手段を介して)提供される別の実施例を示す。通信モジュール71は、コールドプレート25に挿入された通信ブロック76(例えば、PCB)とインターフェースする。通信ブロック76は、その中に形成された1つ以上の通信経路(ビア)78を含む。1つ以上の実施形態において、全速PCIe(ペリフェラルコンポーネントインターコネクトエクスプレス)またはそれより高速なものを使用し得る。コールドプレート25は、任意の数または組み合わせのPOLモジュール22および通信モジュール(COMM71)に接続され得る。
【0055】
1つ以上の実施形態において、光学系が、コールドプレートおよび基板を通過し得、したがって、電力接続および光学系接続の両方がPOLおよびバスバーに存在する。図8は、光がコールドプレート85およびパッケージ基板を通過して光学エンジン(フォトニックダイ)49に到達することを可能にするように通路が作成されている一実施例を示す。通路80は、例えば、光、ガラス中のレーザー書き込み導波路、自由空間光学系、または光ファイバに対して構成され得る。コールドプレート85および基板81に切り抜き部が作られて、POLモジュール82およびバスバー24をフォトニクスチップ49にリンクさせるために、通路80が、その中に挿入され得る。通路80は、例えば、光学アセンブリを画定する1つ以上の導波路または光ファイバを受容するための開口部を備え得る。通路構造80は、図8に示されたように、フォトニクスダイ49および電力ブリッジ(電源構成要素)に位置合わせして露出させてもよいし、または、例えば、インターロック機能を有するコネクタを通して相互接続してもよい。通路80は、例えば、屈折率整合エポキシなどの、能動的または受動的位置合わせプロセスおよび接着剤を使用して、ダイに取り付けられ得る。また、前述のように、光学経路は、電気経路と組み合わされ得る。例えば、ガラス片を、導波路を付けてレーザーパターン化し、金属ビアを付けてめっきして、光学経路と電気経路の組み合わせを形成し得る。また、1つ以上のフォトニックダイ49と通信するために、コールドプレート85および基板81に2つ以上の通路80を形成してもよい。
【0056】
1つ以上の実施形態において、光学系のための通路構造80は、電子機器とは別個の光学経路のための専用切り抜き部の一部であり得る。例えば、図7の通信について上記に説明した実施形態と同様に、電力送達ブロック26のうちの1つ以上が、光学通路構造で置き換えられ得る。
【0057】
図9は、1つの実施形態による、電力送達ブロック96の概略斜視図である。前述のように、電力送達ブロック96は、複数の層90a、90b、90c、90dを備えるプリント回路基板または他の基板を備え得る。内側プレーン層90b、90cは、より大きな電流密度を提供し得る。プレーンを追加して、電力送達構造内にLC(インダクタ(L)、コンデンサ(C))フィルタリングを設けるための電力フィルタ形状を提供し得る。図9に示された実施例では、2つのPCBが使用され、それらの間に構成要素94が介装されている(例えば、コンデンサ、インダクタ、POL構成要素、FET(電界効果トランジスタ)コントローラなど)。電力送達ブロックは、任意の数の層、単一のブロック、構成要素がそれらの間に設置された複数のブロック、および電力または通信用の任意の数のビア92を含み得ることを理解されたい。
【0058】
図10は、1つの実施形態による、配電および冷却システムを実装するためのプロセスの概要を示すフローチャートである。ステップ100で、電力送達ブロック46がコールドプレート45に挿入される(図4および図10)。前述のように、電力送達ブロックは、それを貫いて延在する1つ以上の電気経路(電力ビア)を有するPCBまたは他の基板を備え得る。電力送達ブロック46は、コールドプレート45に押し込まれ、例えば、エポキシ樹脂または接着剤の充填物で所定の位置に固定され得る。POLモジュール42が、コールドプレートの第1の表面(図4の上面)に取り付けられ(ステップ102)、ダイ43を有する基板41が、コールドプレートの第2の表面(図4の下面)に取り付けられる(ステップ104)。電力は、POLモジュールからダイに、コールドプレート内の電力送達ブロックを通して分配される(ステップ106)。
【0059】
図10に示され、上で説明されたプロセスは、単なる一実施例であり、実施形態の範囲から逸脱することなく、ステップを追加、改変、組み合わせ、または並べ替えることが可能であることを理解されたい。例えば、光学通路80が使用される場合、通路は、まずダイ/光学エンジンに取り付けられ得る。
【0060】
図11は、1つの実施形態による、コールドプレートにわたる温度分布の一例を示す側面図である。POLモジュール122は、前述のように、電力ビア128を備える第1のコールドプレート125に取り付けられている。基板およびダイパッケージ131が、第1のコールドプレート125の反対側に配置され、第1のコールドプレート125と第2のコールドプレート137との間に介装されている。前述のように、熱導体が、ダイと第2のコールドプレート137との間に配置され得る。コールドプレート125および137を通る流れの方向は、コールドプレート上の矢印で示されている。図11に示される温度分布の例は、1800Wパッケージで、入口温度が摂氏20度、流量が5.0LPM(2x2.5LPM)の場合である。
【0061】
図12は、1つの実施形態による、コールドプレート125および電力送達ブロック126の平面図である。流れの方向は、矢印で示されているように、入口マニホルド127から排出マニホルド129である。電力ビア128を有する4つの電力送達ブロック126が、コールドプレート125に挿入されている。1つの実施例では、コールドプレート125は、所与の断面で均一な流れを得るために、可変のフィン密度を有する。例えば、コールドプレート125は、外縁に沿った低密度フィンカラム140と、コールドプレートの中央部分に沿った高密度フィンカラム142とを含み得る。1つの実施例では、第2のコールドプレート137(図11)は、均一なフィン密度を有し得る。フィンのピッチ、厚さ、フィンの数、およびマニホルドチャネル寸法は、圧力降下を最小限に抑え、両方のコールドプレートでほぼ均一な流れを得るように、最適化され得る。
【0062】
図13は、配電システムの別の実施形態を示す。図13に示される実施例では、調整POLモジュール152が、コールドプレート155に形成された開口部に直接挿入されている。調整POLモジュール152は、前述したように、固定POLから、コールドプレート(図示せず)の反対側に取り付けられた基板およびダイパッケージに電力を送達するために、固定POLモジュール150に各々、接続され得る。この実施形態では、調整POLモジュール152は、接続154を通して調整POLモジュールに結合された固定POLモジュール150からの電気経路を画定している。埋め込みPOLモジュール152のために、熱インターフェースまたは熱伝達経路が設けられ得る。
【0063】
前述から認められるように、本明細書に記載の1つ以上の実施形態は、従来のシステムに勝る利点を提供する。例えば、1つ以上の実施形態は、大量の電流を電子パッケージに高効率で移送すること(例えば、≧1000アンペア)を可能にする。1つ以上の実施形態において、コールドプレート(または複数のコールドプレート)、基板、およびダイの構成により、改善された熱効率が可能になる。コールドプレートに挿入された電力送達ブロックは、コールドプレートを直接貫く、電源構成要素から集積回路への電気通路を提供しながら、電源ビアの冷却を可能にする。
【0064】
要約すると、1つの実施形態では、装置は、第1の表面および第1の表面とは反対側の第2の表面を備える基板と、基板の第1の表面に取り付けられた集積回路と、基板の第2の表面に取り付けられたコールドプレートであって、コールドプレートに接続された電源構成要素から集積回路に電力を伝送するために、電気経路がコールドプレートを貫いて延在する、コールドプレートと、を含む。
【0065】
方法および装置は、示された実施形態に従って説明されてきたが、当業者であれば、実施形態の範囲から逸脱することなく、実施形態に対してなされた変形態様が存在し得ることを容易に認識するであろう。したがって、上記の説明に含まれ、添付の図面に示されているすべての事項は、限定的な意味ではなく、例示として解釈されるものとすることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13