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特許7463534電極アセンブリおよびその電極アセンブリを備える電気化学装置、並びに電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】電極アセンブリおよびその電極アセンブリを備える電気化学装置、並びに電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/13 20100101AFI20240401BHJP
   H01M 50/533 20210101ALI20240401BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20240401BHJP
   H01M 50/591 20210101ALI20240401BHJP
   H01G 11/52 20130101ALI20240401BHJP
   H01G 11/74 20130101ALI20240401BHJP
   H01G 11/70 20130101ALI20240401BHJP
【FI】
H01M4/13
H01M50/533
H01M50/586
H01M50/591 101
H01G11/52
H01G11/74
H01G11/70
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2022549198
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-03
(86)【国際出願番号】 CN2020081824
(87)【国際公開番号】W WO2021189467
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】513054978
【氏名又は名称】寧徳新能源科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Ningde Amperex Technology Limited
【住所又は居所原語表記】No.1 Xingang Road, Zhangwan Town, Jiaocheng District, Ningde City, Fujian Province, 352100, People’s Republic of China
(74)【代理人】
【識別番号】100177426
【弁理士】
【氏名又は名称】粟野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】邵 穎
(72)【発明者】
【氏名】張 益博
【審査官】結城 佐織
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-004684(JP,A)
【文献】特許第7254941(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/13
H01M 50/533
H01M 50/586
H01M 50/591
H01G 11/52
H01G 11/74
H01G 11/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極片と、前記電極片に設けられた埋込型タブと、を備え、
前記電極片の表面には紡糸層が設けられており、且つ前記紡糸層は電極片の表面を覆って電極片の表面と接触し、前記電極片の表面はタブの表面を含み、
前記タブの表面における紡糸層の耐突き刺し強度は、非タブの表面における紡糸層の耐突き刺し強度より高い、
電極アセンブリ。
【請求項2】
前記タブの表面における紡糸層の空隙率および/または孔径は、前記非タブの表面における紡糸層の空隙率および/または孔径より小さく、
および/または、
前記タブの表面における紡糸層の厚さは、前記非タブの表面における紡糸層の厚さより大きい、
請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項3】
前記紡糸層の上縁および下縁は、前記電極片の上縁および下縁よりそれぞれ0.1mm~10mm大きい、
請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項4】
前記紡糸層は、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレングリコール、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンオキサイド、ポリフェニレンオキシド、ポリプロピレンカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(フッ化ビニリデン-コ-クロロトリフルオロエチレン)、ポリエチレンオキシドまたは上記物質の誘導体から選択される一種以上が用いられる。
請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項5】
前記紡糸層は、無機粒子および/または低融点ポリマー粒子をさらに含む、
請求項1に記載の電極アセンブリ。
【請求項6】
前記無機粒子は、HfO、SrTiO、SnO、CeO、MgO、NiO、CaO、BaO、ZnO、ZrO、Y、Al、TiO、SiO、ベーマイト、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、リン酸リチウム、リン酸チタンリチウム、リン酸チタンリチウムアルミニウム、チタン酸リチウムランタン、チオリン酸リチウムゲルマニウム、リチウム窒化物、SiSガラス、Pガラス、LiO、LiF、LiOH、LiCO、LiAlO、LiO-Al-SiO-P-TiO-GeOセラミックまたはガーネットセラミックから選択される一種以上が用いられる、
請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項7】
前記低融点ポリマー粒子は、ポリスチレン、ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラールまたはポリアクリレートから選択される一種以上が用いられる、
請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項8】
前記無機粒子および/または低融点ポリマー粒子の粒子径は、0.001μm~10μmである、
請求項に記載の電極アセンブリ。
【請求項9】
前記紡糸層は、
前記紡糸層の空隙率は30%~95%であることと、
前記紡糸層の孔径は20nm~30μmでることと、
前記紡糸層の厚さは1μm~20μmであることと、の特性のうちの少なくとも1つを満たす、
請求項1~のいずれか一項に記載の電極アセンブリ。
【請求項10】
請求項1~のいずれか一項に記載の電極アセンブリを備える、電気化学装置。
【請求項11】
請求項10に記載の電気化学装置を備える、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、電気化学の分野に関し、特に、電極アセンブリおよびその電極アセンブリを備える電気化学装置、並びに電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
埋込型タブは、エネルギー密度を向上し、リチウムイオン電池のインピーダンスを低減し、高倍率の充放電を実現することができるため、ソフトパック電池で非常に頻繁に使用されている。ただし、埋込型タブの構造を有する電極アセンブリでは、金属タブがバリを有することと、オーバーハング(overhang)を確保する必要があることに起因して、タブに緑色電池粘着テープを貼り付ける必要がある。当該緑色電池粘着テープの一部がフィルム領域を覆う場合があるので、活物質の容量の一部が失われ、容量の無駄を招く。また、落下の場合、落下中にある程度の加速度が存在するため、電解液はセパレータにある程度の衝撃力を与え、セパレータの折り、反転、しわなどの現象が発生しやすく、正負極の短絡を引き起こし、リチウムイオン電池の安全事故を招く。
【発明の概要】
【0003】
従来技術の欠点に対して、本願は、電極片には緑色電池粘着テープが貼り付けられる必要がなく、電気化学装置の容量を高めるとともに、電気化学装置の安全性能を向上させることができる電極アセンブリを提供する。
【0004】
本願の第1の態様によれば、本願は、電極アセンブリを提供し、上記電極アセンブリは、
電極片と、上記電極片に設けられた埋込型タブと、を備え、
上記電極片の表面には紡糸層が設けられており、且つ上記紡糸層は、タブの表面を含む電極片の表面を覆い、且つ電極片の表面と接触している。
【0005】
いくつかの実施形態において、上記タブの表面における紡糸層の耐突き刺し強度は、非タブの表面における紡糸層の耐突き刺し強度より高い。
【0006】
いくつかの実施形態において、上記タブの表面における紡糸層の空隙率および/または孔径は、上記非タブの表面における紡糸層の空隙率および/または孔径より小さく、
および/または、
上記タブの表面における紡糸層の厚さは、上記非タブの表面における紡糸層の厚さより大きい。
【0007】
いくつかの実施形態において、上記紡糸層の上縁および下縁は、上記電極片の上縁および下縁よりそれぞれ0.1mm~10mm大きい。
【0008】
いくつかの実施形態において、上記紡糸層は、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレングリコール、ポリアクリロニトリル 、ポリエチレンオキサイド、ポリフェニレンオキシド、ポリプロピレンカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ(フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(フッ化ビニリデン-コ-クロロトリフルオロエチレン)、ポリエチレンオキシドまたは上記物質の誘導体から選択される一種以上が用いられる。
【0009】
いくつかの実施形態において、上記紡糸層は、無機粒子および/または低融点ポリマー
粒子をさらに含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、上記無機粒子は、HfO、SrTiO、SnO、CeO、MgO、NiO、CaO、BaO、ZnO、ZrO2、Y、Al、TiO、SiO、ベーマイト、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、リン酸リチウム、リン酸チタンリチウム、リン酸チタンリチウムアルミニウム、チタン酸リチウムランタン、チオリン酸リチウムゲルマニウム、リチウム窒化物、、SiSガラス、Pガラス、LiO、LiF、LiOH、LiCO、LiAlO、LiO-Al-SiO-P-TiO-GeOセラミックまたはガーネットセラミックから選択される一種以上が用いられる。
【0011】
いくつかの実施形態において、上記低融点ポリマー粒子は、ポリスチレン、ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラールまたはポリアクリレートから選択される一種以上が用いられる。
【0012】
いくつかの実施形態において、上記無機粒子および/または低融点ポリマー粒子の粒子径は、0.001μm~10μmである。
【0013】
いくつかの実施形態において、上記紡糸層は、
上記紡糸層の空隙率は30%~95%であることと、
上記紡糸層の孔径は20nm~30μmであることと、
上記紡糸層の厚さは1μm~20μmであることと、の特性のうちの少なくとも1つを満たす。
【0014】
いくつかの実施形態において、上記のいずれか一項に記載の電極アセンブリを備える、電気化学装置。
【0015】
いくつかの実施形態において、上記の電気化学装置を備える、電子機器。
【0016】
本願では、従来のセパレータの代わりに紡糸層を採用し、紡糸層と電極片を一体化する。特に、埋込型タブを有する電極アセンブリでは、紡糸層が金属バリを遮断することができるため、緑色電池粘着テープの代わりに紡糸層を使用することが可能であり、タブの表面に粘着テープを貼り付けることを省略できる。そして、紡糸層がリチウムイオンの伝導を妨げず、本来緑色電池粘着テープで覆われた正極活物質の部分の容量を正常に使用できるため、電気化学装置のエネルギー密度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、埋込型タブの電極片の構造の模式図である。
図2図2は、本願の一実施形態に係る電極アセンブリの構造である。
図3図3は、本願の一実施形態に係る電極アセンブリの構造である。
図4図4は、本願の一実施形態に係る電極アセンブリの負電極片の構造である。
【0018】
符号の説明
1:正極タブ
2:タブ溶接領域
3:負極タブ
4:紡糸層
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本願の目的、技術案および利点をさらに明確するために、図面および実施例を参照し、さらに本願を詳しく説明する。下記に記載の実施例は、本願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではない。当業者であれば、進歩性に値する動労をせずに、本願の実施例に基づいて得られた他の全ての実施例が本願の保護範囲に含まれることが明らかである
【0020】
本願の電極アセンブリは、電気化学装置で使用される任意の電極アセンブリである。電気化学装置は、リチウムイオン電池、スーパーキャパシタなどを含むことができる。以下、リチウムイオン電池の電極アセンブリを例として説明する。以下の説明は単なる例であり、本願の保護範囲を限定するものではないことを当業者であれば理解すべきである。
【0021】
本願は、電極アセンブリを提供し、該電極アセンブリは、
電極片と、上記電極片に設けられた埋込型タブと、を備え、
上記電極片の表面には紡糸層が設けられており、且つ上記紡糸層は、タブの表面を含む電極片の表面を覆い、且つ電極片の表面と接触している。
【0022】
本明細書において、上記埋込型タブとは、電極片が集電体およびフィルムを含み、上記タブが集電体に溶接されることを意味する。一般的に、上記タブと集電体との間は溶接である接続方式を採用する。溶接中、タブと集電体との接合部に金属バリが発生する場合がある。タブの表面に紡糸層を覆うことにより、電極片に使用される緑色電池粘着テープを使用しないことができ、それによって利用可能なフィルム面積を増やし、エネルギー密度などの性能を向上させる。
【0023】
本願では、上記電極片は、正電極片または負電極片であってもよい。
【0024】
正電極片を例として、図1には、埋込型タブを有する正電極片の構造を示す。正電極片には、正極タブ1および溶接領域2を備える。
【0025】
負電極片を例として、図2には、具体的に、埋込型タブを有する負電極片の構造を示す。負電極片には、負極タブ3および溶接領域2を備える。
【0026】
いくつかの実施形態において、上記タブの表面における紡糸層の耐突き刺し強度は、非タブの表面における紡糸層の耐突き刺し強度より高い。タブを溶接する時、金属バリが発生することがあるため、上記の技術手段により、紡糸層がバリを完全に覆うことを効果的に確保し、短絡などの事故を回避することができる。
【0027】
いくつかの実施形態において、上記タブの表面における紡糸層の空隙率および/または孔径は、非タブの表面における紡糸層の空隙率および/または孔径より小さく、
および/または、
上記タブの表面における紡糸層の厚さは、非タブの表面における紡糸層の厚さより大きい。
【0028】
いくつかの実施形態において、上記紡糸層の上縁および下縁は、上記電極片の上縁および下縁よりそれぞれ0.1mm~10mm大きく、0.5mm~2mm大きいことが好ましい。
【0029】
正電極片を例として、図3に示すように、正電極片全体が紡糸層4で覆われており、紡糸層の上縁および下縁の幅はそれぞれ正電極片よりも大きい。
【0030】
図4には、本願の一実施形態に係る電極アセンブリの構造を示す。正電極片全体が紡糸
層4で覆われ、タブ1の表面における紡糸層の耐突き刺し強度は、非タブの表面における紡糸層の耐突き刺し強度よりも高い。
【0031】
いくつかの実施形態において、上記紡糸層は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリプロピレンカーボネート(PPC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ(フッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン)(PVDF-HFP)、ポリ(フッ化ビニリデン-コ-クロロトリフルオロエチレン)(PVDF-PCTFE)、または上記物質の誘導体から選択される一種以上が用いられる。ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリフェニレンオキシド、ポリプロピレンカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレートまたは上記物質の誘導体から選択される一種以上が用いられることが好ましい。
【0032】
本願のいくつかの実施形態において、上記紡糸層は、ポリマーから調製されたナノファイバーを一定方向またはランダムに結合して形成される。各ナノファイバー間のランダムな積み重ねることにより、イオン輸送のための大量の孔が形成されている。ナノファイバーで構成された紡糸層は、電極片との間の接着性が良好である。リチウムイオン電池の落下過程において、セパレータが電解液の衝撃により折り返すことを効果的に防ぎ、リチウムイオン電池の安全性能を向上させることができる。いくつかの実施形態において、上記紡糸層は、無機粒子および/または低融点ポリマー粒子をさらに含む。
【0033】
いくつかの実施形態において、上記無機粒子は、HfO、SrTiO、SnO、CeO、MgO、NiO、CaO、BaO、ZnO、ZrO、Y、Al、TiO、SiO、ベーマイト、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、リン酸リチウム、リン酸チタンリチウム、リン酸チタンリチウムアルミニウム、チタン酸リチウムランタン、チオリン酸リチウムゲルマニウム、リチウム窒化物、、SiSガラス、Pガラス、LiO、LiF、LiOH、LiCO、LiAlO、LiO-Al-SiO-P2O-TiO-GeOセラミックまたはガーネットセラミックから選択される一種以上が用いられる
【0034】
いくつかの実施形態において、上記低融点ポリマー粒子は、ポリスチレン、ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリビニルブチラールまたはポリアクリレートから選択される一種以上が用いられる。
【0035】
いくつかの実施形態において、上記無機粒子および/または低融点ポリマー粒子の粒子径は、0.001μm~10μmである。
【0036】
いくつかの実施形態において、上記紡糸層は、
上記紡糸層の空隙率は30%~95%であることと、
上記紡糸層の孔径は20nm~30μmであることと、
上記紡糸層の厚さは1μm~20μmであることと、の特性のうちの少なくとも1つを満たす。
【0037】
如何な特定の理論に束縛されることも望まないが、本発明者らは、紡糸層の空隙率範囲を上記の範囲内にすることにより、イオンの伝導性能を確保することができると考えている。空隙率が小さすぎると、イオン伝達経路が遮断され、リチウムイオン電池の通常のサイクルが妨げられる可能性がある。空隙率が大きすぎると、構造が不安定になり、機械的
強度が弱くなり、電極片の表面の粒子の突刺に抵抗できなくなり、局所的な正極および負極の短絡が発生しやすくなり、電気的性能の低下と厳重な自己放電という問題を引き起こす。
【0038】
紡糸層の孔径範囲を上記の範囲内にすることにより、セパレータが適切な機械的強度を有することを確実にすることが可能である。孔径が小さすぎると、イオン伝達経路が不十分になり、リチウムイオン電池の通常のサイクルが妨げられる可能性もある。孔径が大きすぎると、孔の位置での機械的強度が弱くなり、電極片の表面の粒子の突刺に抵抗できなくなり、局所的な正極および負極の短絡が発生しやすくなり、電気的性能の低下と厳重な自己放電という問題を引き起こす。
【0039】
紡糸層の厚さを1μm~20μmにすることにより、リチウムイオン電池のエネルギー密度を向上させるのに有利である。
【0040】
本願のいくつかの実施形態において、上記紡糸層は、エレクトロスピニング、エアスピニング、遠心スピニング、エレクトロブローイング、メルトブロー、フラッシュ蒸発またはコーティングによって調製される。
【0041】
ナノファイバー、無機粒子および/または低融点ポリマー粒子を堆積する順序は、本願の紡糸層が形成され得る限り、特に制限されない。例えば、上記ナノファイバーおよび無機粒子および/または低融点ポリマー粒子は、同時にまたは交互に堆積されることができる。
【0042】
ナノファイバーの堆積は、当技術分野で知られている任意の紡糸装置で実施することができ、特別な制限はなく、本願の目的が達成できればよい。当技術分野で知られている任意の紡糸装置を使用することができる。例えば、エレクトロスピニング装置はUcaleryのEliteシリーズなどであってもよく、エアスピニング装置はNanjing Janus New-Materials Co.,Ltdのエアジェットスピニング機などであってもよく、遠心スピニング装置はSichuan Zhiyan Technology Co., Ltd.の遠心スピニング機などであってもよい。
【0043】
本願は、さらに、上記の電極アセンブリを備える電気化学装置を提供する。上記電気化学装置は、リチウムイオン電池であってもよい。
【0044】
本願の実施形態において、正電極片の他の設置は特に限定されなく、本願の目的が達成できればよい。例えば、正電極片は、正極集電体と正極フィルムとを含む。正極集電体は、例えば、アルミ箔、アルミ合金箔、または複合集電体など当技術分野で知られている任意の正極集電体であってもよい。上記正極フィルムには正極活物質が含まれている。本願では、上記正極活物質に対して特に限定されず、従来技術における任意の正極活物質であってもよい。上記活物質は、NCM811、NCM622、NCM523、NCM111、NCA、リン酸鉄リチウム、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸マンガン鉄リチウム、チタン酸リチウムから選択される一種以上が用いられる。
【0045】
選択的に、上記正電極片は、導電層をさらに含んでもよい。上記導電層は、正極集電体と正極フィルムとの間に配置される。上記導電層の構成は特に限定されず、当技術分野で一般的に使用される導電層であってもよい。例えば、上記導電層は、導電剤と接着剤を含む。
【0046】
本願の実施形態において、負電極片の他の設置は特に限定されなく、本願の目的が達成できればよい。例えば、負電極片は、負極集電体と負極フィルムを含む。負極集電体は、
特に限定されるものではなく、例えば、銅箔、銅合金箔、または複合集電体など当技術分野で知られている任意の負極集電体であってもよい。上記負極フィルムには負極活物質が含まれている。本願では、負極活物質に対して特に限定されず、当技術分野で知られている任意の負極活物質であってもよい。例えば、黒鉛、シリコン、またはシリコンカーボンなどから選択される一種以上が用いられる。
【0047】
選択的に、上記負電極片は、導電層をさらに含んでもよく、上記導電層は、負極集電体と負極フィルムとの間に配置される。上記導電層の構成は特に限定されず、当技術分野で一般的に使用される導電層であってもよい。例えば、上記導電層は、導電剤と接着剤を含む。
【0048】
上記の導電剤は特に限定されるものではなく、当技術分野で知られている任意の導電剤を使用することができ、本願の目的が達成できればよい。例えば、導電剤は、導電性カーボンブラック(Super P)、カーボンナノチューブ(CNTs)、カーボンファイバーまたはグラフェンなどから選択される一種以上が用いられる。例えば、導電性カーボンブラック(Super P)を導電剤として選択することができる。上記の接着剤は特に限定されるものではなく、当技術分野で知られている任意の接着剤を使用することができ、本願の目的が達成できればよい。例えば、接着剤は、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)などから選択される一種以上が用いられる。例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)を接着剤として使用できる。
【0049】
本願では、リチウムイオン電池の電解液に対して特に制限せず、当技術分野で知られている任意の電解液を使用することができる。電解液は、ゲル状態、固体状態、または液体状態のいずれかであってもよい。例えば、液体電解液は、リチウム塩および非水溶媒を含む。
【0050】
上記リチウム塩は特に限定されるものではなく、当技術分野で知られている任意のリチウム塩を使用することができ、本願の目的が達成できればよい。例えば、リチウム塩は、LiPF、LiBF、LiAsF、LiClO、LiB(C、LiCHSO、LiCFSO、LiN(SOCF、LiC(SOCF、またはLiPOなどから選択される一種以上が用いられる。例えば、リチウム塩としてLiPFを選択することができる。
【0051】
上記非水溶媒は、特に限定されなく、本願の目的が達成できればよい。例えば、非水溶媒は、カーボネート化合物、カルボン酸エステル化合物、エーテル化合物、ニトリル化合物、または他の有機溶媒などから選択される一種以上が用いられる。
【0052】
例えば、カーボネート化合物は、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジフェニルカーボネート(DPC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、エチルメチルカーボネート(MEC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)、1,2-ジフルオロエチレンカーボネート、1,1-ジフルオロエチレンカーボネート、1,1,2-トリフルオロエチレンカーボネート、1,1,2,2-テトラフルオロエチレンカーボネート、1-フルオロ-2-メチルエチレンカーボネート、1-フルオロ-1-メチルエチレンカーボネート、1,2-ジフルオロ-1-メチルエチレンカーボネート、1,1,2-トリフルオロ-2-メチルエチレンカーボネートまたはトリフルオロメチルエチレンカーボネートなどから選択される一種以上が用いられる。
【0053】
本願は、さらに、上記の電気化学装置を備える電子機器を提供する。
【0054】
本願において、上記電子機器は、例えば、ノートパソコン、携帯電話、電気オートバイ、電気自動車、電気玩具などの当技術分野の任意の電気化学装置であってもよい。
【0055】
本願で使用される用語は、通常に当業者によって一般的に使用される用語であり、一般的に使用される用語と一致しない場合、本願の用語が優先するものとする。
【0056】
具体的には、本願では、下記用語の意味は以下の通りである。
無機粒子の平均粒子径:無機粒子の平均粒子径は、体積基準のD50で表され、即ち、粒子径がD50以下である無機粒子の体積含有量は、すべての粒子の50%を占める。
バリ:タブを溶接するときに生成された金属の凸点と凹点である。
オーバーハング(Overhang):正電極片に対する負電極片、負電極片に対するセパレータ、または正電極片に対するセパレータの幅方向または長さ方向におけるオーバーハング(寸法の差)を指す。
【0057】
テスト方法:
リチウムイオン電池の容量とエネルギー密度:
室温で、リチウムイオン電池を60分間放置した後、0.2Cの倍率で3.0Vまで充電し、0.5Cの倍率でカットオフ電圧まで放電し、定電圧で0.01Cの充電電流まで充電して60分間放置する。次に、0.5Cの倍率で2.8Vまで充電し、リチウムイオン電池の容量(Ah)を測定し、リチウムイオン電池の体積からエネルギー密度(Wh/L)を算出する。
【0058】
落下乱用の合格率:
落下乱用テストにおける発火・爆発しなかったリチウムイオン電池の数量/パラメータ実験でのリチウムイオン電池の総数を算出する。
テスト方法は次の通りである。室温での電極アセンブリの初期容量を1.0Cの電流で測定し、1.0Cの定電流で4.2Vまで充電してから、電流が0.05に低下するまで定電圧で充電し、充電を停止し、1時間放置する。開回路電圧、インピーダンスを測定する。電極アセンブリを高さ1m(3.28フィート)からコンクリートの床まで自由に落下させる。各リチウムイオン電池を相互に垂直な3つの軸の正と負の方向に沿って1回落下させ、合計6回落下させた後、1時間放置する。開回路電圧とインピーダンスを測定する。次に、室温での残余容量を1.0C電流で測定する。ここで、残余容量とは、完全に充電した後の放電容量を指す。リチウムイオン電池には漏れ、煙、発火、爆発が発生しなく、リチウムイオン電池の保護装置が良好であり、且つテスト後の残余容量は初期容量の90%以上であり、テスト後のインピーダンスの増加量は初期インピーダンスの50%以下であれば、合格と見なされ、それ以外の場合は不合格と見なされる。
【0059】
耐突き刺し強度:
マイコン制御電子万能試験機(MTS-E44.104)を使用して、多孔質層の突刺強度を測定する。
テストプロセス:リチウムイオン電池を分解し、正電極片、紡糸層、負電極片の3層構造の積層サンプルを取り、プレス機械の片側のアルミ板に放置し、サンプル上に鋼球(材質は鉄であり、直径5mm)を放置する。2つのタブの間に10Vの電圧を印加し、両側のアルミ板を介してサンプルの表面に圧力を加え、垂直方向における圧力の速度は0.1mm/minであり、抵抗が急激に変化したときの圧力を突刺強度として記録する。
【0060】
空隙率と孔径:
電池のセパレーター(紡糸層)を直径24mmの円状シートに作成し、電池セパレータ
ー貫通孔径測定器CFP-1500AEを用いて、パラメーターを下記のように調整する。圧力範囲:0-500psi、加圧ガス:N、浸透液:GalWick。このように、紡糸層の空隙率と孔径を得ることができる。
【0061】
調製例1
電解質の調製
乾燥アルゴンの雰囲気において、有機溶媒であるエチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートを質量比EC:EMC:DEC=30:50:20で混合して有機溶液を得た。有機溶媒にリチウム塩であるヘキサフルオロリン酸リチウムを添加して溶解し、均一に混合し、リチウム塩濃度1.15mol/Lの電解質溶液を得た。
【0062】
実施例
以下、例を挙げて本願の電極アセンブリを説明する。これらの実施形態では、正電極片に紡糸層を配置することを例として説明する。勿論、上記紡糸層は、負電極片の表面にも配置できることを理解すべきである。これらの実施形態は、本願の目的を達成することもできる。当業者であれば、これらの実施形態も本願の保護範囲内に属することを理解すべきである。
【0063】
実施例1
選択した333996モデルでは、正電極片の幅は89.8mmであり、正電極片における負極タブの溶接に対応する部分に緑色電池粘着テープが貼り付けられた。次に、正電極片にエレクトロスピニングによりポリイミド(PI,polymide)紡糸層を制作し、上記正電極片の幅方向に沿って、紡糸層の片側が正電極片を超えた部分の幅は0.5mmであった。負電極片の幅は91mmであり、そのタブには緑色電池粘着テープが貼り付けられた。紡糸済みの正電極片と紡糸しない負電極片とを積み重ねて巻回って電極アセンブリを得た。それをアルミニウムプラスチックフィルムに入れ、上面、側面を介して密封し、調製例1の電解液を注入し、封止した後に実施例1のリチウムイオン電池を得た。
該実施形態において、上記紡糸層の空隙率は60%であり、孔径は100nmであり、厚さは10μmであった。
【0064】
実施例2
選択した333996モデルでは、正電極片の幅は89.8mmであり、正電極片のける負極タブの溶接に対応する部分に緑色電池粘着テープが貼り付けられた。次に、正電極片におけるタブ溶接領域以外の部分に、エレクトロスピニングによりポリイミド(PI,polymide)紡糸層を作製し、正電極片のタブ溶接領域に、局部スピニングによりAl粒子を含有するポリイミド(PI,polymide)紡糸層を制作した。ここで、セパレータの総体積に対するAl粒子の比率は30%であった。上記正電極片の幅方向に沿って、紡糸層全体の片側が正電極片を超えた部分の幅は0.5mmであった。負電極片の幅は91mmであり、そのタブには緑色電池粘着テープが貼り付けられた。紡糸済みの正電極片と紡糸しない負電極片を巻回って電極アセンブリを得た。それをアルミニウムプラスチックフィルムに入れ、上面、側面を介して密封し、調製例1の電解液を注入し、封止した後に実施例2のリチウムイオン電池を得た。
該実施形態において、上記紡糸層の空隙率は40%であり、孔径は150nmであり、厚さは5μmであり、Al粒子の粒子径は1μmであった。
【0065】
実施例3
選択した333996モデルでは、正電極片の幅は89.8mmであり、正電極片における負極タブの溶接に対応する部分に緑色電池粘着テープが貼り付けられた。次に、正電極片にエレクトロスピニングによりポリイミド(PI,polymide)紡糸層を作製
し、正電極片のタブ溶接領域に、多層局部スピニングにより一層のポリイミド(PI,polymide)紡糸層および一層のAl粒子層を覆い、ここで、Al粒子層とポリイミド(PI、polymide)紡糸層との厚さの比率は2:5であった。上記正電極片の幅方向に沿って、紡糸層全体の片側が正電極片を超えた部分の幅は0.5mmであった。負電極片の幅は91mmであり、そのタブには緑色電池粘着テープが貼り付けられた。紡糸済みの正電極片と紡糸しない負電極片を巻回って電極アセンブリを得た。それをアルミニウムプラスチックフィルムに入れ、上面、側面を介して密封し、調製例1の電解液を注入し、封止した後に実施例3のリチウムイオン電池を得た。
該実施形態において、上記ポリイミド(PI,polymide)の空隙率は55%であり、孔径は90nmであり、厚さは8μmであった。Al粒子の粒子径は1μmであり、Al粒子層の厚さは3.2μmであった。
【0066】
実施例4
選択した333996モデルでは、正電極片の幅は89.8mmであり、正電極片における負極タブの溶接に対応する部分に緑色電池粘着テープが貼り付けられた。次に、負電極片にエレクトロスピニングによりポリイミド(PI,polymide)紡糸層を制作し、負電極片の幅は91mmであった。上記正電極片の幅方向に沿って、紡糸層の片側が負電極片を超えた部分の幅は0.5mmであった。紡糸しない正電極片と紡糸済みの負電極片を巻回って電極アセンブリを得た。それをアルミニウムプラスチックフィルムに入れ、上面、側面を介して密封し、調製例1の電解液を注入し、封止した後に実施例4のリチウムイオン電池を得た。
該実施形態において、上記紡糸層の空隙率は60%であり、孔径は120nmであり、厚さは10μmであった。
【0067】
実施例5
選択した333996モデルでは、正電極片の幅は89.8mmであり、正電極片における負極タブの溶接に対応する部分に緑色電池粘着テープが貼り付けられた。次に、正電極片にエレクトロスピニングによりポリイミド(PI,polymide)紡糸層を制作し、上記正電極片の幅方向に沿って、紡糸層の片側が正電極片を超えた部分の幅は0.5mmであった。同時に、負電極片にエレクトロスピニングによりポリイミド(PI,polymide)紡糸層を制作し、負電極片の幅は91mmであり、紡糸層の片側が負電極片を超えた部分の幅は0.5mmであった。紡糸後の正電極片と負電極片を巻回って電極アセンブリを得た。それをアルミニウムプラスチックフィルムに入れ、上面、側面を介して密封し、調製例1の電解液を注入し、封止した後に実施例5のリチウムイオン電池を得た。
該実施形態において、正電極片の紡糸層の空隙率は45%であり、孔径は1μmであり、厚さは12μmであった。負電極片の紡糸層の空隙率は45%であり、孔径は1μmであり、厚さは12μmであった。
【0068】
比較例1
選択した333996モデルでは、正電極片の幅は89.8mmであり、緑色電池粘着テープと電極片との接触面積は22×15mmであり、ここで、テープにおけるフィルムの面積は135mmであり、正極の両側における緑色電池粘着テープにより覆われている活物質の総面積は270mmであり、正電極片における負極タブの溶接に対応する部分に緑色電池粘着テープが貼り付けられた。負電極片の幅は91mmであり、そのタブには緑色電池粘着テープが貼り付けられた。幅が92.8mmであるPE膜をセパレータとして選択して使用した。正電極片、セパレータ、負電極片を巻回って電極アセンブリを得た。それをアルミニウムプラスチックフィルムに入れ、上面、側面を介して密封し、調製例1の電解液を注入し、封止した後に比較例1のリチウムイオン電池を得た。その電池コアの容量は2.36Ahであった。
【0069】
ここで、実施例1~3は比較例1に対して電極アセンブリの幅の差=92.8-91=1.8mm。
実施例4~5は比較例1に対して電極アセンブリの幅の差=92.8-(91+0.5×2)=0.8mm。
テスト結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
表1から分かるように、本願では、緑色電池粘着テープの代わりに紡糸層を使用することにより、緑色電池粘着テープによって電極活物質を遮蔽することで引き起こされる容量損失を防止することができ、リチウムイオン電池のエネルギー密度を向上させることができる。同時に、紡糸層が電極片の表面と側面に直接配置されているため、乱用の場合に正極と負極の短絡を防止し、落下テストなどの乱用テストの合格率を大幅に向上させる。
【0072】
本願では、従来のセパレータの代わりに紡糸層を採用し、電極片のフィルム領域および一部の側面を完全に包んで紡糸層と電極片とが一体となるようにする。埋込型タブの電池構造では、紡糸層が金属バリを遮断することができるため、本来緑色電池粘着テープを貼り付ける必要があるタブの部分の代わりに紡糸層を使用することができ、それにより、タブでの粘着テープを使用しない。且つ、紡糸層がリチウムイオンの伝導を妨げず、本来緑色電池粘着テープで覆われた活物質材料の部分の容量を正常に使用できるため、エネルギー密度を向上させる。さらに、紡糸層は電極片のフィルム領域を完全に包むため、落下や乱用の場合に正極と負極の短絡を回避し、電池の落下性能を大幅に向上させる。また、紡糸層が正極のみに付着している場合、正極に対する幅の増加量は負極と正極のオーバーハング(overhang)を超えないため、電極アセンブリの長さはセパレータの幅ではなく、負極の幅のみに依存する(通常、セパレータの幅は負極を超える)。それにより、リチウムイオン電池全体の体積エネルギー密度をさらに向上させることができる。
【0073】
上記は、本願の好ましい実施形態にすぎず、本願を限定するものではない。本願の精神および原則の範囲内で行われた修正、同等の置換、改善などは、本願の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4